説明

移相器の拡張によるトランジスタエンドキャップにおけるラインエンド収縮の緩和

【課題】ラインエンド収縮を低減するのに好適なシステムおよび方法を提供すること。
【解決手段】本発明の1つの実施形態は、集積回路製造のための光学リソグラフィプロセスの間のラインエンド収縮を低減するシステムおよび方法を提供する。本システムは、集積回路の仕様を受取ることによって動作し、仕様は、ゲートを含むトランジスタを定義する。次に、本システムは、仕様内のゲートを識別し、ゲートは、光学リソグラフィイプロセスの間のラインエンド収縮を引き起こし易いエンドキャップを含む。続いて、本システムは、ゲートを形成するために使用される移相器を拡張し、その結果、移相器は、エンドキャップの少なくとも1部分を定義し、それによって、光学効果が原因となるエンドキャップのラインエンド収縮を低減する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(背景)
(発明の分野)
本発明は、半導体チップを加工するプロセスに関する。より詳細には、本発明は、集積回路製造のための光学リソグラフィプロセスの間において、ラインエンド収縮を緩和し、かつ、より良好なゲート臨界次元制御を提供するために、移相器を拡張する方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
(関連技術)
集積回路技術における近年の進歩は、半導体チップの回路素子のフィーチャサイズを縮小することによって、大規模に達成されてきた。これらの回路素子の形状が縮小され続けるにつれて、回路設計者は、集積回路を製造するために典型的に利用される光学リソグラフィプロセスの結果として生じる問題を、強制的に取り扱うことになる。この光学リソグラフィプロセスは、一般的に、半導体ウェハの表面におけるフォトレジスト層の形成から開始する。そして、一般的にクロムで形成される不透明な領域と、一般的に石英で形成される光透過透明領域(クロムのない)とからなるマスクが、このフォトレジストコーティングされたウェハにわたって配置される。(本明細書で利用される「マスク」という用語の意味は、「レティカル(retical)」という用語を含むことを記述しておく。)可視光源または紫外線源からの光は、マスク上で光らせられる。
【0003】
この光は、一般的に、多くのレンズ、フィルタ、および、ミラーを含む光学システムを介して、減少し、フォーカスされる。光は、マスクの透明領域を通過し、その下にあるフォトレジスト層を露光する。同時に、光は、マスクの不透明領域によってブロックされ、その下にあるフォトレジスト層部分は、露光されないままにする。
【0004】
続いて、露光されたフォトレジスト層は、典型的には、フォトレジスト層の露光/非露光領域の化学的除去によって、現像される。最終的に、所望のパターンを有するフォトレジスト層を有する半導体ウェハとなる。このパターンは、その下にあるウェハ領域をエッチングするために利用され得る。
【0005】
光学リソグラフィプロセスの間に生じる1つの問題は、光学効果によって生じる「ラインエンド収縮」および「プルバック」である。例えば、図1の上部分は、左から右へ走るポリシリコンライン102を有するトランジスタ設計を示し、ポリシリコンライン102は、上部の拡散電極を下部の拡散領域と電気的に接続するために利用されるゲート領域を形成する。図1の下部分は、上記の設計から生じる実際のプリントされたイメージを示す。
【0006】
記述すべきことは、光学効果およびレジストプルバックのために、十分な量のラインエンド収縮があることである。このラインエンド収縮の原因は、ラインの他の部分の下よりも、ラインエンドの下のレジストでは、より多くの部分を光に露光させる、光学効果である。
【0007】
記述すべきは、ゲート領域を通る抵抗を減少させることによってトランジスタの性能を改良するために、光学移相を利用してポリシリコンライン102が、狭くされてきたことである。多くの場合、マスクを通してフォトレジスト層に露光するために利用される光の波長よりも短いライン幅を実現するために、移相器がマスクの中に組み込まれる。移相の間、2つの隣接するマスク上の透明領域によって引き起こされる破壊性の干渉を利用して、フォトレジスト層の上に露光されていない領域を生成する。これは、マスクの透明領域を通過した光が、光がマスク材料を通って移動した距離の関数である位相を有する波の特性を提示するという事実を利用することによって実現される。一方は厚みtで、他方は厚みtで、マスク上に互いに隣接する2つの透明領域を配置することによって、干渉によって引き起こされるその下にあるフォトレジスト層に、所望の露光されない領域を実現し得る。厚みtおよび厚みtを適切に変化させることによって、厚みtの材料から出射する光は、厚みtの材料から出射する光と、位相が180度ずれる。発明者Yao−Ting Wang とYagyensh C.Patiによる、「Phase Shifting Circuit Manufacture Method and Apparatus」と称される、1997年9月17日に出願され、1999年1月12日に公表された米国特許第5,858,580号は、本明細書中で参照として援用され、移相の詳細が述べられる。
【0008】
ラインエンド収縮を補償するために、設計者は、多くの場合、「ハンマーヘッド」のような、光学近似補正(OPC)フィーチャをラインエンド上に加える。例えば、図2Aでは、いくらかの状況におけるラインエンド収縮の問題を低減するために、ハンマーヘッド215が、トランジスタのエンドキャップ216上に加えられる。しかし、記述すべきは、ハンマーヘッド215が、ハンマーヘッドとポリシリコンライン202との間を潜在的にブリッジし得る設計規則の妨害を発生させ得ることである。
【0009】
このブリッジング問題は、ハンマーヘッド215とポリシリコンライン202との間に分離を導入することによって、緩和され得る。しかし、そのような分離の導入は、回路素子のサイズを増大させ、それは、半導体チップ上に集積され得る回路素子の数がより少なくなることを意味する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ハンマーヘッドのようなOPCフィーチャの影響を低減する一方で、必要とされるのは、トランジスタエンドキャップにおけるラインエンド収縮問題を防止するための方法および装置である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(要旨)
本発明の1つの実施形態は、集積回路製造のための光学リソグラフィプロセスの間に、ラインエンド収縮の低減と、改良されたゲート臨界次元制御とのためのシステムおよび方法を提供する。集積回路の仕様を受け取ることによって、本システムは動作し、ここで、仕様は、ゲートを含むトランジスタを定義する。次に、本システムは、仕様の範囲内のゲートを識別する。ここで、ゲートは、光学リソグラフィプロセスの間にラインエンド収縮を引き起こし易いエンドキャップを含む。本システムは、続いて、ゲートを形成するために利用される移相器を拡張し、その結果、移相器は、エンドキャップの少なくとも一部分を定義し、それによって、光学効果が原因となるエンドキャップのラインエンド収縮を低減する。
【0012】
本発明の1つの実施形態では、移相器の拡張は、エンドキャップを越える移相器の拡張を含む。
【0013】
本発明の1つの実施形態では、移相器の拡張は、エンドキャップの少なくとも一部分をカバーするが、エンドキャップを越えて拡張しないような移相器の拡張を含む。この実施形態のバリエーションとしては、移相器は、エンドキャップを越えて拡張する。
【0014】
本発明の1つの実施形態では、本システムは、集積回路内の移相器と他の構造との間の最小の距離を定める設計規則を、自動的にチェックする。
【0015】
本発明の1つの実施形態では、本システムは、続くエンドキャプの光学近似補正(OPC)を妨げるために、エンドキャップを付加的にマークする。この実施形態のバリエーションとしては、本システムは、続いて、マークされたエンドキャップに対してOPCを付加することなしに、レイアウトにOPCを付加する。
【0016】
本発明の1つの実施形態では、エンドキャップが光学近似補正(OPC)によって改変された場合、本システムは、改変されたエンドキャップを、(理想的な)改変されていないエンドキャップに置き換える。
【0017】
本発明の1つの実施形態では、エンドキャップが真直ぐでなければ、本システムは、そのエンドキャップを、真直ぐなエンドキャップに置き換える。
(項目1)
集積回路製造のための光学リソグラフィプロセスの間のラインエンド収縮を低減する方法であって、該方法は、
該集積回路の仕様を受け取る工程であって、該仕様は、ゲートを含むトランジスタを定義する、工程と、
該仕様内のゲートを識別する工程であって、該ゲートは、該光学リソグラフィプロセスの間に、ラインエンド収縮を引き起こしがちなエンドキャップを含む、工程と、
関連するアクティブな領域を越えて該ゲートを形成するために利用される移相器を拡張し、その結果、該移相器は、該エンドキャップの少なくとも一部分を定義し、それによって、光学効果が原因となる該エンドキャップのラインエンド収縮を低減する、工程と
を含む方法。
(項目2)
前記移相器の拡張が、前記エンドキャップを越える該移相器の拡張を含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記移相器の拡張が、前記エンドキャップの少なくとも一部分をカバーするが、該エンドキャップを越えて拡張しないような該移相器の拡張を含む、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記移相器と前記集積回路内の他の構造との間に、最小の距離を定める設計規則を、自動的にチェックする工程をさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目5)
前記エンドキャップの続いて起こる光学近似補正(OPC)を妨げるために、該エンドキャップをマークする工程をさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目6)
前記集積回路の前記仕様に、光学近似補正(OPC)を適用する工程であって、該OPCは、マークされたエンドキャップに適用されない、工程をさらに含む、項目5に記載の方法。
(項目7)
前記エンドキャップが、光学近似補正(OPC)に対する改変を含む場合に、該改変を除去する工程をさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目8)
前記エンドキャップが、真直ぐでない場合に、該エンドキャップを真直ぐなエンドキャップに置き換える工程をさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目9)
命令を格納するコンピュータ読み込み可能記憶媒体であって、該命令は、コンピュータによって実行されるときに、集積回路製造のための光学リソグラフィプロセスの間のラインエンド収縮を低減する方法を、該コンピュータに実行させる、媒体であって、該方法は、
該集積回路の仕様を受け取る工程であって、該仕様は、ゲートを含むトランジスタを定義する、工程と、
該仕様内のゲートを識別する工程であって、該ゲートは、該光学リソグラフィプロセスの間に、ラインエンド収縮を引き起こしがちなエンドキャップを含む、工程と、
関連するアクティブな領域を越えて該ゲートを形成するために利用される移相器を拡張し、その結果、該移相器は、該エンドキャップの少なくとも一部分を定義し、それによって、光学効果が原因となる該エンドキャップのラインエンド収縮を低減する工程と
を含む、媒体。
(項目10)
前記移相器を拡張する工程は、前記エンドキャップを越えて該移相器を拡張する工程を含む、項目9に記載のコンピュータ読み込み可能記憶媒体。
(項目11)
前記移相器を拡張する工程は、前記エンドキャップの少なくとも一部分をカバーするが、該エンドキャップを越えて拡張しないように該移相器を拡張する工程を含む、項目9に記載のコンピュータ読み込み可能記憶媒体。
(項目12)
前記方法は、前記移相器と前記集積回路内の他の構造との間の、最小限の距離を定める設計規則を、自動的にチェックする工程をさらに含む、項目9に記載のコンピュータ読み込み可能記憶媒体。
(項目13)
前記方法は、前記エンドキャップの続いておこる光学近似補正(OPC)を妨げるために、該エンドキャップをマークする工程をさらに含む、項目9に記載のコンピュータ読み込み可能記憶媒体。
(項目14)
前記方法は、前記集積回路の前記仕様に、光学近似補正(OPC)を適用する工程であって、該工程では、該OPCは、マークされたエンドキャップに適用されない、工程をさらに含む、項目13に記載のコンピュータ読み込み可能記憶媒体。
(項目15)
前記方法は、光学近似補正(OPC)に対して既に行われた前記エンドキャップに対する改変を除去する工程をさらに含む、項目9に記載のコンピュータ読み込み可能記憶媒体。
(項目16)
前記方法は、前記エンドキャップが、真直ぐでない場合に、該エンドキャップを真直ぐなエンドキャップに置き換える工程をさらに含む、項目9に記載のコンピュータ読み込み可能記憶媒体。
(項目17)
集積回路の加工において利用されるマスクであって、該マスクは、ゲートを定義する移相器を含み、該移相器は、光学効果から生じるラインエンド収縮を制御するために、関連するトランジスタのエンドキャップへ拡張する、マスクであって、
フォトレジスト層上に破壊的な光干渉の領域を生成するように構成される、該マスク内の該移相器
を含み、
該移相器は、該関連するトランジスタ内の該ゲートを定義し、該関連するトランジスタは、光学リソグラフィプロセスの間にラインエンド収縮を引き起こし易い該エンドキャプを含み、
該移相器は、該関連するトランジスタの関連するアクティブな領域を越えて拡張し、その結果、該移相器は、該エンドキャップの少なくとも一部分を定義し、それにより、光学効果が原因となる該エンドキャップのラインエンド収縮を低減する、マスク。
(項目18)
前記移相器は、前記エンドキャップを越えて拡張する、項目17に記載のマスク。
(項目19)
前記移相器は、前記エンドキャップの少なくとも一部分をカバーするが、該エンドキャップを越えて拡張しない、項目17に記載のマスク。
(項目20)
前記移相器は、該移相器と前記集積回路内の他の構造との間の、最小の距離を定める設計規則を満たす、項目17に記載のマスク。
(項目21)
前記集積回路のバイナリフィーチャを定義する第2のマスクであって、該第2のマスクは、前記エンドキャップの光学近似補正(OPC)に対する、任意のバイナリ特フィーチャを含まない、第2のマスクをさらに含む、項目17に記載のマスク。
(項目22)
前記集積回路のバイナリフィーチャを定義する第2のマスクであって、該第2のマスクは、他のエンドキャップの光学近似補正(OPC)に対する、バイナリフィーチャを含む、第2のマスクをさらに含む、項目17に記載のマスク。
(項目23)
光学効果から生じるラインエンド収縮を制御するプロセスを介して形成される集積回路内の半導体構造であって、該半導体構造は、
第1のゲートを含む第1のトランジスタを含み、
該第1のゲートは、光学リソグラフィプロセスの間に、ラインエンド収縮を引き起こし易いエンドキャップを含み、
該エンドキャプは、関連するアクティブな領域を越えて該第1のゲートを形成するために利用される移相器を拡張することによって形成され、その結果、該移相器は、該エンドキャップの少なくとも一部分を定義し、それによって、光学効果が原因となる該エンドキャップのラインエンド収縮を低減する、半導体構造。
(項目24)
前記移相器は、前記エンドキャップを越えて拡張する、項目23に記載の半導体構造。
(項目25)
前記移相器は、前記エンドキャップの少なくとも一部分をカバーするが、該エンドキャップを越えて拡張しない、項目23に記載の半導体構造。
(項目26)
集積回路製造のための光学リソグラフィプロセスの間のラインエンド収縮を低減するシステムであって、該システムは、
該集積回路の仕様を受け取るための第1の手段であって、該仕様は、ゲートを含むトランジスタを定義する、第1の手段と、
該仕様内のゲートを識別する第2の手段であって、該ゲートは、該光学リソグラフィプロセスの間に、ラインエンド収縮を引き起こしがちなエンドキャップを含む、第2の手段と、
関連するアクティブな領域を越えて該ゲートを形成するために利用される移相器を拡張し、その結果、該移相器は、該エンドキャップの少なくとも一部分を定義し、それによって、光学効果が原因となる該エンドキャップのラインエンド収縮を低減する第3の手段とを含むシステム。
(項目27)
集積回路製造のための光学リソグラフィプロセスの間のラインエンド収縮を低減する方法であって、該方法は、
該集積回路の仕様を受け取る工程であって、該仕様は、ゲートを含むトランジスタを定義する、工程と、
該仕様内のゲートを識別する工程であって、該ゲートは、該光学リソグラフィプロセスの間に、ラインエンド収縮を引き起こしがちなエンドキャップを含む、工程と、
該ゲートを形成する拡張された移相器を利用する工程であって、該拡張された移相器は、該エンドキャップの少なくとも一部分を定義し、それによって、光学効果が原因となる該エンドキャップのラインエンド収縮を低減する工程と
を含む方法。
(項目28)
集積回路の加工において利用されるマスクであって、該マスクは、ゲートを定義する移相器を含み、該移相器は、光学効果から生じるラインエンド収縮を制御するために、関連するトランジスタのエンドキャップへ拡張する、マスクであって、
フォトレジスト層上に破壊的な光干渉の領域を生成するように構成される、該マスク内の該移相器
を含み、
該移相器は、該エンドキャプを含む該関連するトランジスタ内の該ゲートを定義し、
該移相器は、該エンドキャップの少なくとも一部分を定義し、それにより、光学効果が原因となる該エンドキャップのラインエンド収縮を低減する、マスク。
(項目29)
集積回路製造のための光学リソグラフィプロセスの間のラインエンド収縮を低減する方法であって、該方法は、
該集積回路の仕様を受け取る工程であって、該仕様はゲートを含むトランジスタを定義する、工程と、
該仕様内のゲートを識別する工程であって、該ゲートは、該光学リソグラフィプロセスの間に、ラインエンド収縮を引き起こしがちなエンドキャップを含む、工程と、
該エンドキャップが光学近似補正に対する改変を含む場合、該改変を除去する工程と、
関連するアクティブな領域を越えて該ゲートを形成するために利用される移相器を拡張し、その結果、該移相器は、該エンドキャップの少なくとも一部分を定義し、それによって、光学効果が原因となる該エンドキャップのラインエンド収縮を低減する工程と
を含む方法。
(項目30)
前記移相器と前記集積回路内の他の構造との間の、最小の距離を定める設計規則を、自動的にチェックする工程をさらに含む、項目29に記載の方法。
(項目31)
前記エンドキャップの続いておこる光学近似補正を妨げるために、該エンドキャップをマークする工程をさらに含む、項目29に記載の方法。
(項目32)
前記集積回路の前記仕様に、光学近似補正(OPC)を適用する工程であって、該工程では、該OPCは、マークされたエンドキャップに適用されない、工程をさらに含む、項目31に記載の方法。
(項目33)
集積回路製造のための光学リソグラフィプロセスの間のラインエンド収縮を低減する方法であって、該方法は、
該集積回路の仕様を受け取る工程であって、該仕様はゲートを含むトランジスタを定義する、工程と、
該仕様内のゲートを識別する工程であって、該ゲートは、該光学リソグラフィプロセスの間に、ラインエンド収縮を引き起こしがちなエンドキャップを含む、工程と、
該エンドキャップが真直ぐでない場合は、該エンドキャップを真直ぐなエンドキャップに置き換える工程と、
関連するアクティブな領域を越えて該ゲートを形成するために利用される移相器を拡張し、その結果、該移相器は、該エンドキャップの少なくとも一部分を定義し、それによって、光学効果が原因となる該エンドキャップのラインエンド収縮を低減する工程と
を含む方法。
(項目34)
真直ぐでない前記エンドキャップは、
ベントラインエンドキャップ、
セリフエンドキャップ、
ハンマーヘッドエンドキャプ、
部分的なハンマーヘッドエンドキャプ、および、
アローヘッドエンドキャプ
の1つを含む、項目33に記載の方法。
(項目35)
前記移相器と前記集積回路内の他の構造との間の、最小の距離を定める設計規則を、自動的にチェックする工程をさらに含む、項目33に記載の方法。
(項目36)
前記エンドキャップの続いておこる光学近似補正を妨げるために、該エンドキャップをマークする工程をさらに含む、項目33に記載の方法。
(項目37)
前記集積回路の前記仕様に光学近似補正(OPC)を適用する工程であって、該OPCは、マークされたエンドキャップに適用されない、工程をさらに含む、項目36に記載の方法。
(項目38)
命令を格納するコンピュータ読み込み可能記憶媒体であって、該命令は、コンピュータによって実行されるときに、集積回路製造のための光学リソグラフィプロセスの間のラインエンド収縮を低減する方法を、該コンピュータに実行させる、媒体であって、該方法は、
該集積回路の仕様を受け取る工程であって、該仕様はゲートを含むトランジスタを定義する、工程と、
該仕様内のゲートを識別する工程であって、該ゲートは、該光学リソグラフィプロセスの間に、ラインエンド収縮を引き起こしがちなエンドキャップを含む、工程と、
該エンドキャップが光学近似補正に対する改変を含む場合、該改変を除去する工程と、
関連するアクティブな領域を越えて該ゲートを形成するために利用される移相器を拡張し、その結果、該移相器は、該エンドキャップの少なくとも一部分を定義し、それによって、光学効果が原因となる該エンドキャップのラインエンド収縮を低減する工程と
を含むコンピュータ読み込み可能記憶媒体。
(項目39)
前記方法は、前記移相器と前記集積回路内の他の構造との間の、最小の距離を定める設計規則を、自動的にチェックする工程をさらに含む、項目38に記載のコンピュータ読み込み可能記憶媒体。
(項目40)
前記方法は、前記エンドキャップの続いておこる光学近似補正を妨げるために、該エンドキャップをマークする工程をさらに含む、項目38に記載のコンピュータ読み込み可能記憶媒体。
(項目41)
前記方法は、前記集積回路の前記仕様に光学近似補正(OPC)を適用する工程であって、該OPCは、マークされたエンドキャップに適用されない、工程をさらに含む、項目40に記載のコンピュータ読み込み可能記憶媒体。
(項目42)
命令を格納するコンピュータ読み込み可能記憶媒体であって、該命令は、コンピュータによって実行されるときに、集積回路製造のための光学リソグラフィプロセスの間のラインエンド収縮を低減する方法を、該コンピュータに実行させる、媒体であって、該方法は、
該集積回路の仕様を受け取る工程であって、該仕様は、ゲートを含むトランジスタを定義する、工程と、
該仕様内のゲートを識別する工程であって、該ゲートは、該光学リソグラフィプロセスの間に、ラインエンド収縮を引き起こしがちなエンドキャップを含む、工程と、
該エンドキャップが真直ぐでない場合に、該エンドキャップを真直ぐなエンドキャップに置き換える工程と、
関連するアクティブな領域を越えて該ゲートを形成するために利用される移相器を拡張し、その結果、該移相器は、該エンドキャップの少なくとも一部分を定義し、それによって、光学効果が原因となる該エンドキャップのラインエンド収縮を低減する工程と
を含むコンピュータ読み込み可能記憶媒体。
(項目43)
真直ぐでない前記エンドキャップは、
ベントラインエンドキャップ、
セリフエンドキャップ、
ハンマーヘッドエンドキャプ、
部分的なハンマーヘッドエンドキャプ、および、
アローヘッドエンドキャプ
の1つを含む、項目42に記載のコンピュータ読み込み可能記憶媒体。
(項目44)
前記方法は、前記移相器と前記集積回路内の他の構造との間の、最小の距離を定める設計規則を、自動的にチェックする工程をさらに含む、項目42に記載のコンピュータ読み込み可能記憶媒体。
(項目45)
前記方法は、前記エンドキャップの続いておこる光学近似補正を妨げるために、該エンドキャップをマークする工程をさらに含む、項目42に記載のコンピュータ読み込み可能記憶媒体。
(項目46)
前記方法は、前記集積回路の前記仕様に光学近似補正(OPC)を適用する工程であって、該OPCは、マークされたエンドキャップに適用されない、工程をさらに含む、項目45に記載のコンピュータ読み込み可能記憶媒体。
(項目47)
集積回路製造のための光学リソグラフィプロセスの間のラインエンド収縮を低減するシステムであって、該システムは、
該集積回路の仕様を受け取るための第1の手段であって、該仕様は、ゲートを含むトランジスタを定義する、第1の手段と、
該仕様内のゲートを識別する第2の手段であって、該ゲートは、該光学リソグラフィプロセスの間に、ラインエンド収縮を引き起こしがちなエンドキャップを含む、第2の手段と、
該エンドキャプから現存する光学近似補正を除去する第3の手段と、
関連するアクティブな領域を越えて該ゲートを形成するために利用される移相器を拡張し、その結果、該移相器は、該エンドキャップの少なくとも一部分を定義し、それによって、光学効果が原因となる該エンドキャップのラインエンド収縮を低減する第4の手段とを含むシステム。
(項目48)
集積回路製造のための光学リソグラフィプロセスの間のラインエンド収縮を低減するシステムであって、該システムは、
該集積回路の仕様を受け取るための第1の手段であって、該仕様は、ゲートを含むトランジスタを定義する、第1の手段と、
該仕様内のゲートを識別する第2の手段であって、該ゲートは、該光学リソグラフィプロセスの間に、ラインエンド収縮を引き起こしがちなエンドキャップを含む、第2の手段と、
真直ぐでないエンドキャップを、真直ぐなエンドキャップに置き換えるための第3の手段と、
関連するアクティブな領域を越えて該ゲートを形成するために利用される移相器を拡張し、その結果、該移相器は、該エンドキャップの少なくとも一部分を定義し、それによって、光学効果が原因となる該エンドキャップのラインエンド収縮を低減する第4の手段とを含むシステム。
(項目49)
光学近似補正を有するレイアウト内のトランジスタゲート上のラインエンド収縮を緩和する方法であって、該方法は、
該レイアウトにおける該トランジスタゲートを識別する工程であって、該トランジスタゲートは、アクティブな領域とエンドキャプとを含む、工程と、
該エンドキャプが光学近似補正を含むかどうかを判断する工程と、
該エンドキャップが該光学近似補正を含む場合、該光学近似補正を除去する工程と、
該アクティブな領域と該エンドキャップの少なくとも一部分とを定義するために、該レイアウトに、少なくとも1つの移相器を配置する工程であって、少なくとも1つの移相器の配置によって、光学リソグラフィプロセスの光学効果が原因となる該エンドキャップのラインエンド収縮が低減される、工程と
を含む、方法。
(項目50)
前記少なくとも1つの移相器と前記レイアウト内の他の構造との間の、最小の距離を定める設計規則を、自動的にチェックする工程をさらに含む、項目49に記載の方法。
(項目51)
前記エンドキャップの続いておこる光学近似補正を妨げるために、該エンドキャップをマークする工程をさらに含む、項目49に記載の方法。
(項目52)
前記レイアウトの仕様に光学近似補正(OPC)を適用する工程であって、該OPCは、マークされたエンドキャップに適用されない、工程をさらに含む、項目51に記載の方法。
(項目53)
トランジスタゲートエンドキャップ上の現存する光学近似補正を除去することによって、集積回路製造のための光学リソグラフィプロセスの間のラインエンド収縮を緩和するための装置であって、該装置は、
レイアウト内のトランジスタゲートを識別する手段であって、前記トランジスタゲートは、アクティブな領域とエンドキャップとを含み、該アクティブな領域は、少なくとも1つの移相器を利用して定義され、該エンドキャップは、少なくとも1つの光学近似補正を含む、手段と、
該少なくとも1つの光学近似補正を除去するために、該エンドキャップを改変する手段と、
該エンドキャップの少なくとも一部分を定義するために、該少なくとも1つの移相器を拡張する手段と
を含む、装置。
(項目54)
前記少なくとも1つの移相器と前記レイアウト内の他の構造との間の、最小の距離を定める設計規則を、自動的にチェックするための手段をさらに含む、項目53に記載の装置。
(項目55)
前記エンドキャップの続いておこる光学近似補正を妨げるために、該エンドキャップをマークするための手段をさらに含む、項目53に記載の装置。
(項目56)
前記レイアウトの仕様に光学近似補正(OPC)を適用する手段であって、該OPCは、マークされたエンドキャップに適用されない、手段をさらに含む、項目55に記載の装置。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、ラインエンド収縮問題を示す。
【図2A】図2Aは、ラインエンド収縮問題を補償するためのハンマーヘッドの利用を示す。
【図2B】図2Bは、本発明の実施形態に沿った、ラインエンド収縮問題を緩和するための拡張された移相器の利用を示す。
【図3】図3は、本発明の実施形態に沿った、真直ぐでないエンドキャップ、または、改変されたエンドキャップの、真直ぐで改変されていないエンドキャップへの置き換えを示す。
【図4】図4は、本発明の実施形態に沿った、ウェハ加工プロセスを示すフローチャートである。
【図5】図5は、本発明の実施形態に沿った、トランジスタエンドキャップに対するラインエンド収縮問題を緩和するために、移相器を拡張するプロセスを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(詳細な説明)
(拡張された移相器)
図2Bは、本発明の実施形態に沿った、ラインエンド収縮問題を緩和する拡張された移相器の利用を示す。図2Bの回路レイアウトは、ゼロ度の透明領域208、クロムレギュレータ212、および、180度透明領域210から構成される移相器が、エンドキャップ216(図2Aに示される)の少なくとも一部分をカバーするように拡張されている以外は、図2Aの回路レイアウトと同一である。
【0020】
このことは、移相器の破壊的な干渉が、エンドキャップ216の周りにラインエンド収縮を生じさせる偶発的な露光の問題を低減するので、エンドキャップ216に対する光学ラインエンド収縮問題を緩和する。
【0021】
記述すべきは、移相器が、回路における他のフィーチャを干渉しない場合は、エンドキャプ216を越えて拡張し得ることである。そうでなければ、移相器は、エンドキャップ216の少なくとも一部分をカバーするが、エンドキャプ216を越えないように拡張され得、その結果、移相器は、エンドキャップ216の境界の少なくとも一部分を定義する。
【0022】
記述すべきは、この方法で移相器を拡張することによって、ハンマーヘッド215のようなOPCフィーチャは、もはや要求されない。従って、これらのOPCフィーチャによって引き起こされる潜在的設計規則妨害は、避けられ得る。
(エンドキャップの置き換え)
図3は、本発明の実施形態に沿った、真直ぐでないエンドキャップ、または、改変されたエンドキャップの、真直ぐで改変されていないエンドキャップへの置き換えを示す。図3では、多くのポリシリコンライン304〜307が、アクティブな拡散領域302におけるパストランジスタの集合を形成する。ポリシリコンライン304および307のような、これらのポリシリコンラインのいくらかは、拡張された移相器が存在する場合は不必要となるOPCフィーチャを有するエンドキャップを有する。他のポリシリコンライン、305および306は、真直ぐではない。
【0023】
拡張された移相器が、ポリシリコンライン304〜307にエンドキャップを形成するために利用されるとき、OPCフィーチャおよび真直ぐでないエンドキャップは、不必要になる。結果的には、これらのエンドキャップは、図3に点線で示されるような改変されない真直ぐなエンドキャップによって、置き換えられる。
(ウェハ加工プロセス)
図4は、本発明の実施形態に沿った、ウェハ加工プロセスを示すフローチャートである。システムは、ウェハの上部表面にレジストコーティングを適用する(工程402)ことによって開始する。次に、本システムは、レジスト層を焼く(工程404)。次に、本システムは、フォトレジスト層にわたって、第一のマスクを配置し(工程406)、次に、第一のマスクを介して、フォトレジスト層を露光する(工程408)。次に、本システムは、フォトレジスト層にわたって、第ニのマスクを配置し(工程410)、次に、第ニのマスクを介して、フォトレジスト層を露光する(工程412)。記述すべきは、第一のマスク、および/または、第二のマスクは、移相器を含んでもよい。
【0024】
次に、本システムは、フォトレジスト層を現像する(工程416)前に、再度ウェハを焼く(工程414)。次に、フォトレジスト層が除去される(420)前に、化学的エッチング、または、イオンインプラント工程のどちらかが行われる(工程418)。最後に、材料の新しい層を付加することができ、このプロセスを、その新しい層に対して、繰り返し得る(工程422)。
(移相器を拡張するプロセス)
図5は、本発明の実施形態に沿った、トランジスタエンドキャップに対するラインエンド収縮問題を緩和する移相器を拡張するプロセスを示すフローチャートである。本プロセスは、このシステムが、GDSIIストリーム形式のようなあるフォーマットの回路の仕様を受け取った(工程502)ときに、開始する。次に、本システムは、設計者が移相を付加することを望み、かつ、ラインエンド収縮問題を引き起こし易いエンドキャプを有するトランジスタ内のゲートを識別する(工程504)。
【0025】
これらの識別されたゲートに対して、本システムは、例えば、アクティブな拡散領域204および206を越える図2Bのように、アクティブな領域を越えて移相器を拡張させる(工程506)。記述すべきは、この移相器の拡張は、エンドキャップを越える移相器の拡張を含んでもよく、いくらかの場合では、好ましくは、または、代替として、エンドキャップを越えて拡張することなく、エンドキャップの一部分または全てに対して、移相器を拡張してもよいことである。また、記述すべきは、本発明の1つの実施形態では、拡張された移相器は、移相がラインエンド収縮問題を緩和するために、もともと、ターゲットになっていない領域へ、挿入され得ることである。
【0026】
次に、本システムは、設計規則をチェックし、拡張された移相と回路の他のポリシリコンフィーチャとの間に、所定の最小距離が存在することを保証する(工程508)。設計規則妨害が検出された場合、エラーが生成され得、ポリシリコンフィーチャの改変によるか、または、拡張された移相器の改変によるかのどちらかで、補正アクションが取られ得る。
【0027】
本システムはまた、識別されたエンドキャップをマークして、続くOPCプロセスの間に、エンドキャップが改変されないことを保証する(工程510)。
【0028】
さらに、識別されたエンドキャップが、OPCフィーチャを含むように改変された場合、または、エンドキャプが、真直ぐでない場合、エンドキャップは、図3に示されるような改変されていない真直ぐなエンドキャップと、置き換えられ得る(工程512)。
【0029】
最後に、付加的なOPCプロセスは、回路の仕様の範囲で、マークされないフィーチャに対して適用され得る(工程514)。
【0030】
先に述べた説明は、任意の当業者が本発明を作成して利用することができるように示されており、特定の用途およびその要件のからみで提供されている。開示された実施形態に対するさまざまな改変が、当業者には容易に理解され、本明細書中で定義される一般的な原理は、本発明の意図と範囲から逸脱することなく、他の実施形態および用途に対しても適用され得る。従って、本発明は、示された実施形態に制限されることが意図されるのではなく、本明細書中で開示された原理および特性との最大範囲の整合性が、許容される。
【0031】
この詳細な記述で述べられたデータ構造およびコードは、典型的には、コンピュータ読み込み可能記憶媒体上に格納される。コンピュータ読み込み可能記憶媒体は、コンピュータシステムによって利用するためのコードおよび/またはデータを格納し得る任意のデバイスまたは媒体であってもよい。このことは、制限はされないが、ディスクドライブ、磁気テープ、CD(コンパクトディスク)、および、DVD(デジタル多目的ディスクまたはデジタルビデオディスク)のような磁気および光学記憶デバイスと、伝送媒体に組み込まれたコンピュータ命令信号(信号が変調される搬送波があってもなくても)とを含む。例えば、伝送媒体は、インターネットのような通信ネットワークを含み得る。
【0032】
本発明の実施形態の既に述べた説明は、図および記述の目的のみに対して示された。これらは、すべてを網羅することが意図されるのでもなく、本発明が開示された形式に制限されることも意図されない。従って、多くの改変および変更が、当業者には明らかである。さらに、上記開示は、本発明を制限することが意図されていない。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本願明細書に記載のラインエンド収縮を低減する方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−271550(P2009−271550A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−186919(P2009−186919)
【出願日】平成21年8月11日(2009.8.11)
【分割の表示】特願2002−579888(P2002−579888)の分割
【原出願日】平成14年2月11日(2002.2.11)
【出願人】(597035274)シノプシス インコーポレイテッド (33)
【氏名又は名称原語表記】SYN0PSYS, INC.
【Fターム(参考)】