説明

積層コンデンサ

【課題】製品間における静電容量のばらつきの低減が図られた積層コンデンサを提供する。
【解決手段】積層コンデンサは、内部電極層が第1の内部電極20と第2の内部電極30とを含み、中間内部電極層が、第1の端面1aと第2の端面1bとの対面方向に延在し、かつ、第1の内部電極20および第2の内部電極30の幅w1よりも幅狭の形状を有し、両端部40a、40bの幅w2より狭い均一幅w3を有する中央部40cを含む第3の内部電極40を含み、中央部40cが第1の内部電極20の一部および第2の内部電極30の一部と重畳している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は積層コンデンサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電極パターンが設けられた複数の誘電体層を積層して形成される積層コンデンサが知られており、たとえば下記特許文献1に開示されている。特許文献1に開示された積層コンデンサは、内部電極層とフロート電極層とが誘電体層を介して交互に積層された素体を有しており、内部電極とフロート電極とにより直列コンデンサ成分が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−135124号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のような積層コンデンサを作製する際、電極パターンが形成された誘電体層を積層する工程において、積層方向に直交する方向における位置ズレ(積層ズレ)が上下に重なる誘電体層間で生じることがある。このような積層ズレは、積層コンデンサの製品間での静電容量のばらつきにつながる。特に、近年の数ギガヘルツ帯の高周波フィルタに用いられる小さい静電容量(たとえば10pF程度)の積層コンデンサにおいては、その静電容量のばらつきの低減が、非常に重要な技術的課題となっている。
【0005】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、製品間における静電容量のばらつきの低減が図られた積層コンデンサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る積層コンデンサは、内部電極層と中間内部電極層とが誘電体層を介して交互に積層された素体を備える積層コンデンサであって、素体の互いに対面する第1の端面および第2の端面には、第1の端子電極および第2の端子電極がそれぞれ設けられ、内部電極層は、第1の端子電極と電気的に接続されるとともに第1の端面の側から第2の端面方向に延びる第1の内部電極と、第2の端子電極と電気的に接続されるとともに第2の端面の側から第1の端面方向に延びる第2の内部電極とを含み、中間内部電極層は、第1の端子電極および第2の端子電極のいずれとも接続されず、第1の内部電極および第2の内部電極との間で直列に接続された複数の容量成分を形成する第3の内部電極を含み、第3の内部電極は、第1の端面と第2の端面との対面方向に延在し、かつ、第1の内部電極および第2の内部電極の幅よりも幅狭の形状を有し、両端部の幅より狭い均一幅を有する中央部を含み、中央部が第1の内部電極の一部および第2の内部電極の一部と重畳している。
【0007】
この積層コンデンサにおいては、内部電極層と中間内部電極層との間に、第3の内部電極の幅方向に関する積層ズレが生じた場合、第1の内部電極および第2の内部電極の幅よりも第3の内部電極が幅狭の形状を有するため、第3の内部電極の幅方向に関する積層ズレに起因する静電容量の変化を抑えることができる。また、内部電極層と中間内部電極層との間に、第3の内部電極の延在方向(すなわち、第1の端面と第2の端面との対面方向)に関する積層ズレが生じた場合でも、均一幅の中央部が第1の内部電極の一部および第2の内部電極の一部と重畳するように延びているため、第3の内部電極の延在方向に関する積層ズレに起因する静電容量の変化も抑えることができる。特に、第3の内部電極の中央部が両端部に比べて幅狭になっているため、中央部が幅狭化されていない場合に比べて、第3の内部電極の延在方向に関する積層ズレの際に、第1の内部電極と第3の内部電極との対向面積の変化および第2の内部電極と第3の内部電極との対向面積の変化が低減され、その結果、第1の内部電極、第2の内部電極および第3の内部電極で形成される、直列に接続された複数の容量成分の合成容量の変化が低減される。このように、本発明に係る積層コンデンサは、積層ズレが生じた場合であっても、静電容量の変化を抑えることができるため、製品間における静電容量のばらつきの低減が実現される。
【0008】
また、第3の内部電極の中央部が、第1の端面と第2の端面との対面方向に沿って複数に分割されている態様であってもよい。この場合、複数に分割された中央部の一つが断線した場合でも、第3の内部電極の導通状態を維持することができる。
【0009】
また、第1の内部電極および第2の内部電極の幅方向における端部位置と、第3の内部電極の端部の幅方向における端部位置との差が、第1の内部電極または第2の内部電極の延在方向における端部位置と、第3の内部電極の端部の延在方向における中央部側の端部位置との差よりも大きい態様であってもよい。この場合、第3の内部電極の延在方向における積層ズレに比べて、幅方向における積層ズレに起因する静電容量の変化を効果的に抑えることができる。
【0010】
また、複数の内部電極層のうち、素体の積層方向における最も外側に位置する内部電極層が、中間内部電極層よりも素体の積層方向における外側に位置する態様であってもよい。中間内部電極層が、内部電極層よりも素体の積層方向における外側に位置する場合には、第1の端子電極および第2の端子電極と中間内部電極層の第3の内部電極との間で浮遊容量が生じてしまうが、上記態様にすることにより、この浮遊容量の発生を回避することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、製品間における静電容量のばらつきの低減が図られた積層コンデンサが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の実施形態に係る積層コンデンサを示す斜視図である。
【図2】図2は、図1に示す積層コンデンサのII−II線に沿った断面図である。
【図3】図3は、図2に示す積層コンデンサのIII−III線に沿った断面図である。
【図4】図4は、図1の積層コンデンサの素体を誘電体層ごとに展開した展開図である。
【図5】図5は、内部電極層の第1の内部電極および第2の内部電極と中間内部電極層の第3の内部電極とを積層方向から見た図である。
【図6】図6は、従来技術に係る積層コンデンサの内部電極層を積層方向から見た図である。
【図7】図7は、図5とは異なる形状の第3の内部電極を示した図である。
【図8】図8は、図5とは異なる形状の第3の内部電極を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
【0014】
図1〜4を参照しつつ、本発明の実施形態に係る積層コンデンサ100の構成について説明する。図1は、積層コンデンサ100を示す斜視図である。図2は、図1に示す積層コンデンサ100のII−II線に沿った断面図である。図3は、図2に示す積層コンデンサ100のIII−III線に沿った断面図である。図4は、積層コンデンサ100の素体1を誘電体層ごとに展開した展開図である。
【0015】
図1に示すように、積層コンデンサ100は、複数の長方形板状の誘電体層を積層して一体化することによって略直方体形状に構成された素体1と、第1の端子電極2および第2の端子電極3を備えている。積層コンデンサ100は、長さ0.4〜5.7mm、幅0.2〜5.0mm、厚さ0.2〜3.2mm程度である。
【0016】
第1の端子電極2は、素体1の長手方向(図のX方向)の第1の端面1aに形成された外部電極であり、素体1の第1の端面1aを覆うと共に、当該端面に隣接する4つの側面の一部を一体的に覆うように形成されている。また、第2の端子電極3は、第1の端面1aに対面する反対側の端面(第2の端面)1bに形成された外部電極であり、素体1の第2の端面1bを覆うと共に、当該端面に隣接する4つの側面の一部を一体的に覆うように形成されている。
【0017】
第1の端子電極2および第2の端子電極3は、素体1にめっき形成される。具体的には、素体1の外面にCuやNi、あるいはAg、Pd等を主成分とする導電性ペーストをディップなどによって付着させた後に所定温度(例えば、700℃程度)にて焼き付け、更に電気めっきを施すことにより、形成される。電気めっきには、Ni、Sn等を用いることができる。第1の端子電極2および第2の端子電極3の厚さは、20〜700μm程度に設定される。
【0018】
素体1は、図2および図3に示すように、複数の長方形板状の誘電体層6と、複数の内部電極層7および複数の中間内部電極層8とが積層された積層体として構成されている。内部電極層7と中間内部電極層8とは、素体1内において誘電体層6の積層方向(図のZ方向)(以下、単に「積層方向」と称する。)に沿ってそれぞれ一層ずつ配置されており、少なくとも一層の誘電体層6を挟むように対向配置されている。素体1においては、内部電極層7と中間内部電極層8とは誘電体層6を介して交互に積層されている。
【0019】
実際には、積層コンデンサ100の素体1における複数の誘電体層6は、互いの間の境界が視認できない程度に一体化されている。素体1は、図4に示すように、10枚のセラミックグリーシートを重ね合わせて焼成して一体化することによって形成される。具体的には、10枚のセラミックグリーンシートは、上から順に、電極パターンが形成されていないシート10、内部電極層7の電極パターンが形成されたシート11、中間内部電極層8の電極パターンが形成されたシート12、内部電極層7の電極パターンが形成されたシート11、中間内部電極層8の電極パターンが形成されたシート12、内部電極層7の電極パターンが形成されたシート11、中間内部電極層8の電極パターンが形成されたシート12、内部電極層7の電極パターンが形成されたシート11、中間内部電極層8の電極パターンが形成されたシート12、内部電極層7の電極パターンが形成されたシート11で構成されている。
【0020】
各シート10〜12は、BaTiO、CaZrOなどを主成分として構成され、その厚さ、すなわち焼成後の誘電体層6の厚さは、6〜60μmとされている。各シート11〜12の電極パターンはNiやNi合金などの導電材を含んでおり、当該導電性材料を含む導電性ペーストの焼結体として構成される。
【0021】
次に、内部電極層7の電極パターンおよび中間内部電極層8の電極パターンについて、図5を参照しつつ説明する。
【0022】
図5に示すように、内部電極層7の電極パターンは、一対の内部電極20、30(第1の内部電極20および第2の内部電極30)によって構成されている。これらの内部電極20、30は、いずれも幅w1の矩形形状を有しており、所定長さだけ離間された状態で、シート11上において第1の端面1aと第2の端面1bとの対面方向に直交する方向(図のY方向)(以下、「幅方向」と称す。)に横断する中心線に関して線対称に配置されている。
【0023】
第1の内部電極20は、素体1の第1の端面1a側に位置し、第1の端子電極2と電気的に接続されるとともに第1の端面1aから第2の端面1b側に延びている。第2の内部電極30は、素体1の第2の端面1b側に位置し、第2の端子電極3と電気的に接続されるとともに第2の端面1bから第1の端面1a側に延びている。
【0024】
中間内部電極層8の電極パターンは、シート12の中央に配置された第3の内部電極40によって構成されている。第3の内部電極40は、第1の端子電極2および第2の端子電極3とは接続されておらず、これらの電極2、3のいずれとも電気的絶縁が図られている。また、第3の内部電極40は、I型の形状を有し、第1の端面1aと第2の端面1bとの対面方向に延びている。この第3の内部電極40は、幅w2である幅広の両端部40a、40bと、幅w3(w3<w2)である幅狭の中央部40cとで構成されている。
【0025】
この第3の内部電極40の中央部40cは、均一な幅となっており、その延在方向における長さは、第1の内部電極20の一部および第2の内部電極30の一部に掛かる長さに設計されている。そのため、第3の内部電極40の中央部40cは、第1の内部電極20の一部および第2の内部電極30の一部と重畳する。また、第3の内部電極40の両端部40a、40bも、第1の内部電極20および第2の内部電極30と重畳する。
【0026】
それにより、第3の内部電極40は、第1の内部電極20および第2の内部電極30との間で直列に接続された2つ容量成分を形成する。具体的には、第3の内部電極40は、第1の内部電極20と対向する対向領域において静電容量C1の容量成分を形成し、第2の内部電極30と対向する対向領域において静電容量C2の容量成分を形成し、これらの容量成分が直列に接続されて合成容量C(=C1×C2/(C1+C2))を形成する。
【0027】
また、第3の内部電極40の位置および寸法は、第1の内部電極20および第2の内部電極30の位置および寸法に対して、第1の内部電極20および第2の内部電極30の幅方向における端部位置と、第3の内部電極40の端部の幅方向における端部位置との差d1が、第1の内部電極20(または第2の内部電極30)の延在方向における端部位置と、第3の内部電極40の端部40b(または端部40a)の延在方向における中央部40c側の端部位置との差d2よりも大きく(すなわち、d1>d2)設計されている。
【0028】
以上で説明した構成を有する積層コンデンサ100においては、内部電極層7と中間内部電極層8との間に幅方向(Y方向)に関する積層ズレが生じた場合、第3の内部電極40の端部40a、40bが第1の内部電極20および第2の内部電極30の幅w1よりも幅狭の形状(幅w2)を有するため、幅方向における端部位置の差d1の分だけ積層ズレを許容することができ、第3の内部電極40の幅方向に関する積層ズレに起因する静電容量の変化を抑えることができる。
【0029】
一方、図6に示す従来技術のように、第1の内部電極20’および第2の内部電極30’と、第3の内部電極40’とにおいて、幅方向における端部位置が一致する場合には、上記積層ズレも許容することができず、その結果、積層ズレに伴う対向面積の減少が生じて静電容量が大きく低減してしまう。
【0030】
また、内部電極層7と中間内部電極層8との間に延在方向(X方向)に関する積層ズレが生じた場合でも、均一幅の中央部40cが第1の内部電極20の一部および第2の内部電極30の一部と重畳するように延びているため、第3の内部電極40の延在方向に関する積層ズレに起因する静電容量の変化も抑えることができる。すなわち、延在方向に関する積層ズレにより、第1の内部電極20および第2の内部電極30のいずれか一方に、第3の内部電極40との対向面積の減少が生じた場合でも、他方の内部電極ではその減少した面積の分だけ対向面積が増加(補償)するため、静電容量の変化が効果的に抑制されている。
【0031】
特に、第3の内部電極40の中央部40cが両端部40a、40bに比べて幅狭になっているため、第3の内部電極40の延在方向に関する積層ズレの際に、第1の内部電極20と第3の内部電極40との対向面積および第2の内部電極30と第3の内部電極40との対向面積の変化が低減される。すなわち、第3の内部電極40の中央部40cの幅w3を両端部40a、40bの幅w2に対して幅狭化(w3<w2)することで、積層ズレ(たとえばΔlのズレ量)による対向面積の変化量(Δl×w3)が、幅狭化されていないときの対向面積の変化量(Δl×w2)に比べて効果的に低減されている。そのため、第1の内部電極20と第3の内部電極40とで形成される静電容量C1の変化量が低減されるとともに、第2の内部電極30と第3の内部電極40とで形成される静電容量C2の変化量が低減され、結果として、これらの合成容量Cの変化量も低減される。
【0032】
なお、図6に示す従来技術のように、第3の内部電極40’が延在方向に亘って均一幅である場合には、第3の内部電極40’の延在方向に関する積層ズレの際、両端部40a、40bに比べて中央部40cが狭小化されている上記態様に比べて対向面積の変化量が大きくなり、それにより合成容量Cが大きく変化してしまう。
【0033】
以上で詳細に説明したように、積層コンデンサ100においては、積層ズレが生じた場合であっても、静電容量の変化を抑えることができるため、製品間における静電容量のばらつき低減が実現されている。
【0034】
また、図5に示すように、第1の内部電極20(または第2の内部電極30)と第3の内部電極40との位置関係に関し、幅方向に関する端部位置の差d1が、延在方向に関する端部位置との差d2よりも大きいため、第3の内部電極40の延在方向における積層ズレに比べて、幅方向における積層ズレに起因する静電容量の変化を効果的に抑えることができる。上述したとおり、延在方向に関する積層ズレは、第1の内部電極20および第2の内部電極30との間で対向面積が相互補償されるが、幅方向に関する積層ズレは、そのような対向面積の相互補償がないため、幅方向に関する積層ズレに対する許容長さ(d1)を長くすることが好ましい。
【0035】
ここで、積層コンデンサ100の素体1の端面1a、1bに形成される端子電極2、3は、素体1内に形成された内部電極との間に、浮遊容量を形成する。特に、素体1の側面に回り込んだ部分の端子電極2、3と、第3の内部電極40との間で、浮遊容量が生じやすい。そのため、中間内部電極層8が、内部電極層7よりも素体1の積層方向における外側に位置する場合には、第1の端子電極2および第2の端子電極3と中間内部電極層8の第3の内部電極40との間で浮遊容量が生じてしまう。
【0036】
そこで、積層コンデンサ100においては、内部電極層7を、素体1の最上層および最下層に配置し、複数の内部電極層7のうち、素体1の積層方向における最も外側に位置する内部電極層7を中間内部電極層8よりも外側に位置させることで、上記浮遊容量の抑制が図られている。すなわち、内部電極層7の内部電極20、30は、同じ極性の端子電極2、3と電気的に接続されているため、端子電極2、3との間に浮遊容量を生じさせず、より一層の製品間における静電容量ばらつきの低減が図られている。特に、第1の内部電極20および第2の内部電極30の幅w1が、第3の内部電極40の幅w2よりも広く設計されているため、端子電極2、3と第3の内部電極40との間に浮遊容量が生じる事態が効果的に抑制されている。
【0037】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【0038】
図7に示す第3の内部電極40Aは、開口41により中央部40cの幅狭化を図っている点において、上述した第3の内部電極40と異なる。開口41は、中央部40cの真ん中において延在方向に沿って延びる矩形形状であり、中央部40cが延在方向に沿って2つに分割されている、この第3の内部電極40Aにおいても、両端部40a、40bの幅w2に比べて2つの中央部40c(幅w4)の幅の総和のほうが狭く設計されている。
【0039】
図8に示す第3の内部電極40Bは、さらに幅方向からくびれさせた点において、上述した第3の内部電極40Aと異なる。この第3の内部電極40Bにおいても、両端部40a、40bの幅w2に比べて2つの中央部40c(幅w5)の幅の総和のほうが狭く設計されている。
【0040】
図7や図8に示した第3の内部電極40A、40Bを採用した積層コンデンサでも、第3の内部電極40を採用した積層コンデンサ100と同一または同等の効果を奏する。また、図7の第3の内部電極40Aの中央部40cの幅w4に対する、図8の第3の内部電極40Bの中央部40cの幅w5のように、より中央部40cを幅狭化することにより、より効果的に静電容量の変化を抑えることができる。さらに、第3の内部電極40Aや第3の内部電極40Bのように、中央部40cを複数に分割することで、その一つが断線した場合でも、第3の内部電極の導通状態を維持することができ、積層コンデンサの信頼性を有意に向上することができる。
【符号の説明】
【0041】
100…積層コンデンサ、1…素体、1a…第1の端面、1b…第2の端面、2…第1の端子電極、3…第2の端子電極、6…誘電体層、7…内部電極層、8…中間内部電極層、20…第1の内部電極、30…第2の内部電極、40、40A、40B…第3の内部電極、40a、40b…端部、40c…中央部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部電極層と中間内部電極層とが誘電体層を介して交互に積層された素体を備える積層コンデンサであって、
前記素体の互いに対面する第1の端面および第2の端面には、第1の端子電極および第2の端子電極がそれぞれ設けられ、
前記内部電極層は、前記第1の端子電極と電気的に接続されるとともに前記第1の端面の側から前記第2の端面方向に延びる第1の内部電極と、前記第2の端子電極と電気的に接続されるとともに前記第2の端面の側から前記第1の端面方向に延びる第2の内部電極とを含み、
前記中間内部電極層は、前記第1の端子電極および前記第2の端子電極のいずれとも接続されず、前記第1の内部電極および前記第2の内部電極との間で直列に接続された複数の容量成分を形成する第3の内部電極を含み、
前記第3の内部電極は、前記第1の端面と前記第2の端面との対面方向に延在し、かつ、前記第1の内部電極および前記第2の内部電極の幅よりも幅狭の形状を有し、両端部の幅より狭い均一幅を有する中央部を含み、前記中央部が前記第1の内部電極の一部および前記第2の内部電極の一部と重畳している、積層コンデンサ。
【請求項2】
前記第3の内部電極の中央部が、前記第1の端面と前記第2の端面との対面方向に沿って複数に分割されている、請求項1に記載の積層コンデンサ。
【請求項3】
前記第1の内部電極および前記第2の内部電極の幅方向における端部位置と、前記第3の内部電極の端部の幅方向における端部位置との差が、
前記第1の内部電極または前記第2の内部電極の延在方向における端部位置と、前記第3の内部電極の端部の延在方向における中央部側の端部位置との差よりも大きい、請求項1又は2に記載の積層コンデンサ。
【請求項4】
複数の前記内部電極層のうち、前記素体の積層方向における最も外側に位置する前記内部電極層が、前記中間内部電極層よりも前記素体の積層方向における外側に位置する、請求項1−3のいずれか一項に記載の積層コンデンサ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2012−209495(P2012−209495A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−75365(P2011−75365)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【Fターム(参考)】