説明

積層シート

【課題】 層間剥離が抑制され且つ耐熱性に優れた積層シートを提供することを課題とする。
【解決手段】 分子中に複数のスルホニル基を含むポリスルホン樹脂とポリアミド樹脂とを含み前記ポリアミド樹脂の含有割合が1〜45質量%である樹脂組成物層を介して、複数のシート材が貼り合わされてなることを特徴とする積層シートを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層シートに関し、具体的には例えば、樹脂を含む樹脂層を介して複数のシート材が貼り合わされてなる積層シートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の積層シートとしては、例えば、電気絶縁性を有し、モーターにおいてコイル線の周囲に配されて使用されるものが知られている。
【0003】
この種の積層シートとしては、具体的には、例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂を含む樹脂層を介して、芳香族ポリアミド繊維で形成されたシート材としての2枚のポリアミド紙が貼り合わされてなるものが提案されている(特許文献1)。斯かる積層シートは、シート材と樹脂層との接着性によりシート材が樹脂層から剥離することが抑制されている。
【0004】
しかしながら、斯かる積層シートは、例えば、モーターにおけるコイル線等から生じる熱により引張強度などの力学的特性が低下し得るものであり、耐熱性が必ずしも十分なものではないという問題がある。
即ち、斯かる積層シートは、シート材と樹脂層との間における層間剥離を抑制すること、及び、優れた耐熱性を有することを同時に満足することが比較的困難であるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−30222号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記問題点等に鑑みてなされたものであり、層間剥離が抑制され且つ耐熱性に優れた積層シートを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の積層シートは、分子中に複数のスルホニル基を含むポリスルホン樹脂とポリアミド樹脂とを含み前記ポリアミド樹脂の含有割合が1〜45質量%である樹脂組成物層を介して、複数のシート材が貼り合わされてなることを特徴とする。
上記構成からなる積層シートは、前記ポリスルホン樹脂と前記ポリアミド樹脂とを含み前記ポリアミド樹脂の含有割合が1〜45質量%である樹脂組成物層を介して、複数のシート材が貼り合わされてなることにより、層間剥離が抑制され且つ耐熱性に優れたものになり得る。
【0008】
本発明に係る積層シートにおいては、前記シート材が全芳香族ポリアミドを含んでいることが好ましい。前記シート材が全芳香族ポリアミドを含んでいることにより、積層シートの耐熱性がより優れたものになり得るという利点がある。
また、前記シート材が、湿式抄紙法により作製された紙であることが好ましい。また、全芳香族ポリアミドの繊維を含む全芳香族ポリアミド紙であることが好ましい。前記シート材が、全芳香族ポリアミドの繊維を含む全芳香族ポリアミド紙であることにより、積層シートの耐熱性がより優れたものになり得るという利点がある。
【0009】
本発明に係る積層シートにおいては、前記シート材が不織布であることが好ましい。前記シート材が不織布であることにより、シート材と樹脂組成物層との間における層間剥離がより抑制され得るという利点がある。
【0010】
本発明に係る積層シートは、前記シート材の少なくとも樹脂組成物層側にコロナ処理が施されていることが好ましい。コロナ処理が施されていることにより、シート材と樹脂組成物層との間における層間剥離がより抑制され得るという利点がある。
【0011】
本発明に係る積層シートにおいては、前記ポリスルホン樹脂が、分子中に複数のエーテル結合をさらに含むポリエーテルスルホン樹脂、又は、分子中に複数の芳香族炭化水素をさらに含むポリフェニルスルホン樹脂であることが好ましい。
また、本発明に係る積層シートにおいては、前記ポリアミド樹脂が分子中に芳香族炭化水素を含むポリアミド樹脂であることが好ましい。前記ポリアミド樹脂が分子中に芳香族炭化水素を含むポリアミド樹脂であることにより、積層シートの耐熱性がより優れたものになり得るという利点がある。
【0012】
本発明に係る積層シートは、粘着性を有するシート状の粘着層をさらに備え、該粘着層が少なくとも一方側の最表面に配されていることが好ましい。また、前記粘着層が、UL94規格のVTM−O基準を満たす難燃性を有することが好ましい。
【0013】
本発明に係る積層シートは、電気絶縁用途で使用することが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の積層シートは、層間剥離が抑制され且つ耐熱性に優れているという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】積層シートを厚さ方向に切断した断面を模式的に示した断面図。
【図2】粘着層を備えた積層シートを厚さ方向に切断した断面を模式的に示した断面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る積層シートの一実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1及び図2は、本実施形態の積層シートを厚さ方向に切断した断面を模式的に示した断面図である。
【0017】
本実施形態に係る積層シート1は、図1に示すように、分子中に複数のスルホニル基を含むポリスルホン樹脂とポリアミド樹脂とを含み前記ポリアミド樹脂の含有割合が1〜45質量%であるシート状の樹脂組成物層2を介して、複数のシート材3が貼り合わされてなるものである。
【0018】
前記樹脂組成物層2は、前記ポリアミド樹脂の含有割合が1〜45質量%となるように、前記ポリスルホン樹脂と前記ポリアミド樹脂とを含む樹脂組成物がシート状に成形されてなる。
【0019】
前記樹脂組成物層2は、前記ポリアミド樹脂の含有割合が45質量%を超えると、耐熱性に劣るものになるおそれがある。また、前記ポリアミド樹脂の含有割合が1質量%未満であると、樹脂組成物層2とシート材3との間の層間剥離が生じやすくなるおそれがある。
【0020】
前記樹脂組成物層2においては、前記ポリアミド樹脂の含有割合が3質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましく、8質量%以上であることがさらに好ましく、15質量%以上であることが最も好ましい。また、前記ポリアミド樹脂の含有割合が40質量%以下であることが好ましく、35質量%以下であることがより好ましく、32質量%以下であることがさらに好ましい。
前記ポリアミド樹脂の含有割合が3質量%以上であることにより、樹脂組成物層2とシート材3との間の層間剥離がより生じにくくなり得るという利点がある。また、前記ポリアミド樹脂の含有割合が40質量%以下であることにより、樹脂組成物層2の耐熱性がより優れたものになり得るという利点があり、難燃性がより優れたものになるという利点がある。
【0021】
前記樹脂組成物層2の厚さは、特に限定されるものではなく、通常、1μm〜500μmである。
【0022】
前記ポリスルホン樹脂は、スルホニル基(−SO2−)を複数含む分子構造を有するものである。
該ポリスルホン樹脂としては、分子中に複数のエーテル結合(−O−)をさらに含むポリエーテルスルホン樹脂、又は、分子中に複数の芳香族炭化水素をさらに含むポリフェニルスルホン樹脂などが挙げられる。また、該ポリスルホン樹脂としては、分子中に複数のエーテル結合と複数の芳香族炭化水素とをさらに含むポリエーテルポリフェニルスルホン樹脂が挙げられる。
【0023】
前記ポリスルホン樹脂としては、前記樹脂組成物の成形性が良好なものになるとともに、前記樹脂組成物の耐熱性がより優れたものになり得るという点で、前記ポリエーテルスルホン樹脂、又は、前記ポリフェニルスルホン樹脂が好ましく、前記ポリエーテルポリフェニルスルホン樹脂がより好ましい。
【0024】
前記ポリエーテルポリフェニルスルホン樹脂としては、下記式(1)の分子構造を有するものが好ましい。
【0025】
【化1】

式(1)中、nは、重合度を表す正の整数であり、通常、10〜5000の範囲内である。
【0026】
前記ポリエーテルポリフェニルスルホン樹脂としては、市販されているものを用いることができ、例えば、BASF社製の「ウルトラゾーンEシリーズ」、ソルベイ社製の「レーデルAシリーズ」、住友化学社製の「スミカエクセルシリーズ」等が挙げられる。
【0027】
前記ポリアミド樹脂は、少なくともポリアミン化合物とポリカルボン酸化合物とが脱水縮合により重合されてなるものである。
【0028】
前記ポリアミド樹脂としては、分子中に芳香族炭化水素を有するポリアミド樹脂、分子中に炭化水素として脂肪族炭化水素のみを有する脂肪族ポリアミド樹脂が挙げられる。なかでも、前記樹脂組成物がより耐熱性に優れたものになり得るという点で、分子中に芳香族炭化水素を有するポリアミド樹脂が好ましい。
【0029】
また、分子中に芳香族炭化水素を有するポリアミド樹脂としては、分子中に炭化水素として芳香族炭化水素のみを有する芳香族ポリアミド樹脂、分子中に炭化水素として脂肪族炭化水素及び芳香族炭化水素の両方を有する半芳香族ポリアミド樹脂等が挙げられる。
分子中に芳香族炭化水素を有するポリアミド樹脂としては、耐熱性に優れつつシート材と樹脂組成物層との間における層間剥離がより抑制され得るという点で、前記半芳香族ポリアミド樹脂が好ましい。
【0030】
前記ポリアミド樹脂の重合において用いられる前記ポリアミン化合物としては、具体的には、例えば、ジアミン化合物が挙げられる。
該ジアミン化合物としては、直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基を含む脂肪族ジアミン、環状の飽和炭化水素基を含む脂環族ジアミン、芳香族炭化水素基を含む芳香族ジアミンなどが挙げられる。
【0031】
前記脂肪族ジアミン、前記脂環族ジアミン、又は前記芳香族ジアミンとしては、例えば、下記式(2)で表されるものが挙げられる。なお、下記式(2)中のR1は、炭素数4〜12の脂肪族炭化水素基、若しくは環状飽和炭化水素を含む炭素数4〜12の脂環族炭化水素基を表しているか、又は、芳香族環を含む炭化水素基を表している。
2N−R1−NH2 ・・・(2)
【0032】
前記脂肪族ジアミンとしては、シート材と樹脂組成物層との間における層間剥離がより抑制され得るという点で、式(2)においてR1の炭素数が9のノナンジアミンが好ましく、1,9−ノナンジアミン及び2−メチル−1,8−オクタンジアミンを混合したものがより好ましい。
前記芳香族ジアミンとしては、フェニレンジアミン、キシリレンジアミンなどが挙げられる。
【0033】
前記ポリアミド樹脂の重合において用いられる前記ポリカルボン酸化合物としては、具体的には、例えば、ジカルボン酸化合物が挙げられる。
該ジカルボン酸化合物としては、直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基を含む脂肪族ジカルボン酸、環状の飽和炭化水素基を含む脂環族ジカルボン酸、芳香族炭化水素基を含む芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。
【0034】
前記脂肪族ジカルボン酸、前記脂環族ジカルボン酸、又は前記芳香族ジカルボン酸としては、例えば、下記式(3)で表されるものが挙げられる。なお、下記式(3)中のR2は、炭素数4〜25の脂肪族炭化水素基、若しくは環状飽和炭化水素を含む炭素数4〜12の脂環族炭化水素基を表しているか、又は、芳香族環を含む炭化水素基を表している。
HOOC−R2−COOH ・・・(3)
【0035】
前記脂肪族ジカルボン酸としては、アジピン酸、セバシン酸などが挙げられる。
前記芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、メチルテレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、該芳香族ジカルボン酸としては、前記ポリアミド樹脂の耐熱性がより優れたものになり得るという点で、テレフタル酸が好ましい。
【0036】
前記ポリアミド樹脂は、上述したジアミン化合物の1種とジカルボン酸化合物の1種とが重合してなるものであってもよく、それぞれの化合物の複数種を組み合わせて重合してなるものであってもよい。また、要すれば、ジアミン化合物とジカルボン酸化合物以外のものがさらに重合されてなるものであってもよい。
【0037】
前記ポリアミド樹脂としては、上述したように前記半芳香族ポリアミド樹脂が好ましく、該半芳香族ポリアミド樹脂としては、ジアミン化合物としての脂肪族ジアミンと、ジカルボン酸化合物としての芳香族ジカルボン酸とが重合してなるものがより好ましく、脂肪族ジアミンとしてのノナンジアミンと、芳香族ジカルボン酸としてのテレフタル酸とが重合してなるもの(PA9T)が特に好ましい。
【0038】
前記樹脂組成物層2には、本発明の効果を損ねない範囲において、種々の添加剤が配合されていても良い。
該添加剤としては、例えば、アルキルフェノール樹脂、アルキルフェノール−アセチレン樹脂、キシレン樹脂、クマロン−インデン樹脂、テルペン樹脂、ロジンなどの粘着付与剤、ポリブロモジフェニルオキサイド、テトラブロモビスフェノールAなどの臭素系難燃剤、塩素化パラフィン、パークロロシクロデカンなどの塩素系難燃剤、リン酸エステル、含ハロゲンリン酸エステルなどのリン系難燃剤、ホウ素系難燃剤、三酸化アンチモンなどの酸化物系難燃剤、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの水和金属化合物、フェノール系、リン系、硫黄系の酸化防止剤、シリカ、クレー、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸ストロンチウム、酸化アルミ、酸化マグネシウム、窒化硼素、窒化珪素、窒化アルミニウムといった無機フィラー、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、顔料、架橋剤、架橋助剤、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤などの一般的なプラスチック用配合成分などが挙げられる。また、芳香族ポリアミド繊維、数nm〜数百nmの粒径のモンモリロナイトなどが挙げられる。これら添加剤は、樹脂組成物100重量部に対して、例えば0.1〜5重量部用いることができる。
【0039】
前記シート材3は、シート状のものであれば特に限定されない。また、厚さが特に限定されるものではなく、通常、10〜100μmである。また、前記シート材3は、図1に示すように、通常、積層シートに2枚備えられている。
【0040】
前記シート材3としては、例えば、紙、不織布、フィルム等が挙げられる。前記シート材3としては、シート材と樹脂組成物層との間における層間剥離がより抑制され得るという点で、紙又は不織布が好ましい。
【0041】
前記シート材3としては、湿式抄紙法により作製されたもの、大気中で乾式法により作製されたものなどが挙げられる。
前記シート材3としては、シート材と樹脂組成物層との間における層間剥離がより抑制され得るという点で、湿式抄紙法により作製された紙が好ましい。
【0042】
前記シート材3の材質としては、ポリアミド、ポリエステルなどの合成高分子化合物、セルロースなどの天然高分子化合物等が挙げられ、シート材と樹脂組成物層との間における層間剥離がより抑制され得るという点で、ポリアミドが好ましい。
【0043】
該ポリアミドとしては、構成モノマーの全てが芳香族炭化水素を有する全芳香族ポリアミド、構成モノマーの全てが炭化水素として脂肪族炭化水素のみを有する脂肪族ポリアミド、構成モノマーの一部が芳香族炭化水素を有する半芳香族ポリアミドなどが挙げられ、シート材と樹脂組成物層との間における層間剥離がより抑制され得るという点で、全芳香族ポリアミドが好ましい。即ち、前記シート材3は、前記全芳香族ポリアミドを含んでいることが好ましい。
【0044】
また、前記シート材3としては、シート材と樹脂組成物層との間における層間剥離がさらに抑制され得るという点、また、難燃性に優れるという点で、全芳香族ポリアミドの繊維を含む全芳香族ポリアミド紙がより好ましく、全芳香族ポリアミドの繊維を用いて湿式抄紙法により作製された全芳香族ポリアミド紙がさらに好ましい。
【0045】
前記全芳香族ポリアミド紙としては、例えば、アミド基以外がベンゼン環で構成された、フェニレンジアミンとフタル酸との縮合重合物(全芳香族ポリアミド)を繊維化し、繊維化した全芳香族ポリアミド繊維を主たる構成材として形成されたものが挙げられる。
前記全芳香族ポリアミド紙は、力学的特性に優れ、積層シートの製造工程におけるハンドリングが良好であるという点で、坪量が5g/m2以上であることが好ましい。坪量が5g/m2以上であることにより、力学的強度の不足が抑制され積層シートの製造中に破断しにくいという利点がある。
なお、前記全芳香族ポリアミド紙には、本発明の効果を損なわない範囲において他の成分を加えることができ、該他の成分としては、ポリフェニレンスルフィド繊維、ポリエーテルエーテルケトン繊維、ポリエステル繊維、アリレート繊維、液晶ポリエステル繊維、ポリエチレンナフタレート繊維などの有機繊維、又は、ガラス繊維、ロックウール、アスベスト、ボロン繊維、アルミナ繊維などの無機繊維が挙げられる。
前記全芳香族ポリアミド紙としては、例えば、デュポン社より商品名「ノーメックス」で市販されているもの等を用いることができる。
【0046】
前記シート材3の樹脂組成物層2側には、コロナ処理が施されていることが好ましい。該コロナ処理が施されていることにより、シート材と樹脂組成物層との間における層間剥離がより抑制され得るという利点がある。
前記コロナ処理は、樹脂組成物層2と接するシート材3の一方の面に放電処理を行い、極性を持つカルボキシル基や水酸基を生成させ粗面化する処理である。前記コロナ処理としては、従来公知の一般的な方法を採用することができる。
【0047】
前記積層シート1は、粘着性を有するシート状の粘着層4をさらに備え、該粘着層4が少なくとも一方側の最表面に配されていてもよい。前記粘着層4は、積層シート1の片面側のみに備えられていてもよく、図2に示すように、両面側に備えられていてもよい。
前記積層シート1は、最表面に粘着層4を備えていることにより、粘着層4を被着物に貼り付けて使用することができる。具体的には、前記積層シート1は、耐熱性と電気絶縁性とが必要とされる用途において、例えば、前記粘着層4を金属製の板状の導体に貼り付けた状態で、シート状の電気絶縁材として使用することができる。
【0048】
前記積層シート1に備えられ得る前記粘着層4は、従来公知の一般的なポリマーを含有する粘着剤を少なくとも含んでいる。
該粘着剤としては、(メタ)アクリル酸エステルを基本構成単位として有するアクリルポリマーを含有するアクリル系粘着剤アクリル系粘着剤、合成ゴムや天然ゴムなどのエラストマー性ポリマーを含有するゴム系粘着剤、シリコーンポリマーを含有するシリコーン系粘着剤、ポリエステルポリマーを含有するポリエステル系粘着剤、ポリウレタンポリマーを含有するポリウレタン系粘着剤等が挙げられ、なかでも、粘着特性や耐候性に優れるという点で、前記アクリル系粘着剤が好ましい。
【0049】
前記粘着層4は、粘着力や耐久力がより優れたものになるという点で、粘着剤中のポリマーを架橋させ得る架橋剤を含むことが好ましい。該架橋剤としては、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、メラミン系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、アジリジン系架橋剤、金属キレート系架橋剤などが挙げられる。また、粘着力や耐久力がさらに優れたものになるという点で、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、共重合系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、キシレン樹脂、又は、エラストマー樹脂などの粘着付与樹脂をさらに含むことがより好ましい。
【0050】
なお、前記粘着層4は、上述した粘着剤、架橋剤、粘着付与樹脂以外にも、分散剤、老化防止剤、酸化防止剤、加工助剤、安定剤、消泡剤、増粘剤、顔料など、ゴムやプラスチックに添加される一般的な添加物を本発明の効果を損なわない範囲において適宜含み得る。
【0051】
前記粘着層4は、例えば、後述する難燃剤と前記粘着剤とを混合した混合物をシート状に成形した構成であってもよい。
また、前記粘着層4は、例えば、粘着層の保形性を高めるシート状の基材を含み、該基材の両面側に、少なくとも前記粘着剤を含むシートが配された構成であってもよい。
【0052】
前記粘着層4に含まれ得る基材としては、例えば、紙などの紙系基材;布、不職布、ネットなどの繊維系基材;金属箔、金属板などの金属系基材;プラスチックフィルムなどのプラスチック系基材;ゴムシートなどのゴム系基材;発泡シートなどの発泡体基材などが挙げられる。また、これらの基材を積層した積層基材などが挙げられる。該積層基材としては、前記プラスチック系基材の複数を積層したものなど、少なくとも前記プラスチック系基材を含むものが好ましい。
【0053】
前記プラスチック系基材の材質としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のα−オレフィンをモノマー成分とするオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系樹脂;ポリ塩化ビニル(PVC)樹脂;酢酸ビニル系樹脂;ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂;脂肪族ポリアミド、全芳香族ポリアミド等のポリアミド系樹脂;ポリイミド系樹脂;ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂などが挙げられる。前記プラスチック系基材の材質は、1種が単独で又は2種以上が組み合わされて採用され得る。
【0054】
前記積層シート1は、比較的高い難燃性が必要とされる端子用絶縁材の用途などで使用できるという点で、UL94規格のVTM−O基準を満たす難燃性を有することが好ましい。積層シート1は、斯かる難燃性を有することにより、例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)モジュールなどのパワーモジュールの端子用絶縁材の用途などにおいて使用することができる。
なお、UL94規格は、米国のUnderwriters Laboratories社によって制定された燃焼試験の規格であり、一般的に知られているものである。また、UL94規格のVTM−O基準を満たす難燃性は、具体的には、実施例に記載された方法によって合格と判断されたものである。
【0055】
前記積層シート1は、UL94規格のVTM−O基準を満たす難燃性を有するために、前記粘着層4が斯かる基準を満たす難燃性を有することが好ましい。前記粘着層4は、例えば、従来公知の一般的な難燃剤を適宜適量含むことにより、UL94規格のVTM−O基準を満たす難燃性を有することができる。
【0056】
前記難燃剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、塩素化パラフィン、塩素化ジフェニル、塩素化エタン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリフェニル、塩素化ジフェニル、パークロロシクロペンタデカノン、テトラクロロビスフェノールA等の塩素系化合物;臭素化パラフィン、臭素化ポリフェニル、テトラブロムエタン、テトラブロムベンゼン、デカブロムジフェニルオキサイド、オクタブロモジフェニルオキサイド、ヘキサブロモシクロドデカン、ビス(トリブロモフェノキシ)エタン、ビス(トリブロモフェノキシ)エタン、エチレンビステトラブロモフタルイミド、ヘキサブロモベンゼン、ポリジブロモフェニレンオキサイド、テトラブロモビスフェノールA、トリス(2,3−ジブロモプロピル−1)イソシアヌレート、トリブロモフェノールアリルエーテル、ブロム化ポリスチレン、トリブロモネオペンチルアルコール、ジブロムジクロルプロパン、ジブロムテトラフルオロエタン等の臭素系化合物;トリフェニルホスフェート(TPP)、トリクレジルホスフェート(TCP)、トリキシレニルホスフェート(TXP)、クレジルジフェニルホスフェート(CDP)、キシレニルジフェニルホスフェート(XDP)、レゾシノール−ビス−(ジフェニルホスフェート)、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、ジメチルメチルホスフェート、トリアリルホスフェート(レオホス)、アルキルホスフェート等のリン酸エステル;トリスクロロエチルホスフェート、トリスジクロロプロピルホスフェート、トリス−β−クロロプロピルホスフエート、トリス(トリブロモフェニル)ホスフェート、トリス(トリブロモフェニル)ホスフェート、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート、ジエチル−N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノメチルホスフェネート等の含ハロゲンリン酸エステル;芳香族縮合リン酸エステルや含ハロゲン縮合リン酸エステル等の縮合リン酸エステル;ポリリン酸アンモニウム、ポリクロロホスファイト等のポリリン酸塩化合物;三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、水酸化アルミニウム、水酸化第二鉄、硼酸亜鉛等の無機酸化物;塩基性炭酸マグネシウム、炭酸マグネシウム−カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、ドロマイト等の金属炭酸塩;ハイドロタルサイト、硼砂等の金属水和物(金属化合物の水和物)などが挙げられる。
【0057】
前記粘着層4に含まれる難燃剤の量は、特に限定されないが、粘着層の難燃性と粘着特性とを両立できるという点で、前記粘着剤100重量部に対して、250重量部以下が好ましく、1重量部以上250重量部以下がより好ましく、5重量部以上200重量部以下がさらに好ましい。難燃剤が粘着剤100重量部に対して250重量部以下含まれていることにより、難燃剤がブリードアウトして粘着性が低下することが抑制されるという利点がある。
【0058】
前記積層シート1は、実施例に記載した方法で測定した、240℃で250時間経過した後の引張強度の強度残率が50%以上であることが好ましい。
【0059】
前記積層シート1は、樹脂組成物層2の両面に接するようにシート材3が配され、前記樹脂組成物層2及び前記シート材3の各凝集破壊力より、前記樹脂組成物層2と前記シート材3との間の層間接着力が大きくなるように構成されていることが好ましい。斯かる構成により、前記樹脂組成物層2と前記シート材3との間における層間剥離が抑制される。
【0060】
続いて、前記積層シート1の製造方法について説明する。
【0061】
前記積層シート1は、例えば、2枚のシート材3で樹脂組成物層2を挟み込み、シート材3同士を押圧することなどにより製造することができる。
前記樹脂組成物層2は、前記ポリスルホン樹脂と前記ポリアミド樹脂とを、例えば、ニーダー、加圧ニーダー、混練ロール、バンバリーミキサー、二軸押し出し機などの一般的な混合手段により混合して樹脂組成物を調製すること、及び、該樹脂組成物をT−ダイを取り付けた押出機によってシート状に押し出すことを行うことにより作製することができる。
また、前記粘着層4を備えた積層シート1は、例えば、上記のごとく2枚のシート材3で樹脂組成物層2を挟み込んで押圧すること、及び、該押圧したものの少なくとも一方の表面に、市販の粘着テープの粘着層を貼り付けることを行うことにより製造することができる。
【0062】
前記積層シート1は、電気絶縁性を有する点を利用して、例えば、自動車などにおけるモーター用の電気絶縁用シート、変圧器(トランス)用の電気絶縁用シート、バスバー用の電気絶縁用シートなどにおいて使用することができる。
【0063】
本実施形態の積層シートは、上記例示の通りであるが、本発明は、上記例示の積層シートに限定されるものではない。
また、一般の積層シートにおいて用いられる種々の態様を、本発明の効果を損ねない範囲において、採用することができる。
【実施例】
【0064】
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0065】
(実施例1)
2枚の全芳香族ポリアミド紙(デュポン社製 商品名「ノーメックスT410」厚さ50μm)をシート材として用いた。
一方、ポリスルホン樹脂として、スルホニル基を複数含み複数のエーテル結合と複数の芳香族炭化水素とをさらに含むポリエーテルポリフェニルスルホン樹脂(PES)樹脂(ソルベイ社製 商品名「レーデルA−300A」)を用いた。
また、ポリアミド樹脂として、テレフタル酸単位とノナンジアミン単位とを含むポリアミド(PA)樹脂(PA9T クラレ社製 商品名「ジェネスタN1000A」)を用いた。
次に、PES樹脂とPA樹脂とをPES/PA=95/5の質量比になるように混合し、2軸混練機(テクノベル社製)を用いて310℃で混合し、樹脂組成物を調製した。
続いて、樹脂組成物を押出成形により310℃で100μm厚のシート状に成形して樹脂組成物層を形成し、その両面側にそれぞれ全芳香族ポリアミド紙を配置した。そして、2枚の金属板で挟み350℃に加熱した熱プレス機により、圧力200N/cm2で60秒間プレスし、積層シート(約200μm厚)を製造した。
【0066】
(実施例2)
樹脂組成物層におけるPES樹脂とPA樹脂との質量比がPES/PA=90/10となるように樹脂組成物層を形成した点、シート材にコロナ処理を施しコロナ処理面が樹脂組成物層と接するようにした点以外は、実施例1と同様にして積層シートを製造した。
なお、コロナ処理は、機器としてPILLAR TECHNOLOGIES社製「500シリーズ」を用いて、大気圧下で、出力500W、処理速度4m/分、試料幅0.4mの条件により行った。
【0067】
(実施例3)
樹脂組成物層におけるPES樹脂とPA樹脂との質量比がPES/PA=90/10となるように樹脂組成物層を形成した点以外は、実施例1と同様にして積層シートを製造した。
【0068】
(実施例4)
樹脂組成物層におけるPES樹脂とPA樹脂との質量比がPES/PA=80/20となるように樹脂組成物層を形成した点以外は、実施例1と同様にして積層シートを製造した。
【0069】
(実施例5)
樹脂組成物層におけるPES樹脂とPA樹脂との質量比がPES/PA=80/20となるように樹脂組成物層を形成した点、実施例2と同様なコロナ処理を施したシート材を用いた点以外は、実施例1と同様にして積層シートを製造した。
【0070】
(実施例6)
樹脂組成物層におけるPES樹脂とPA樹脂との質量比がPES/PA=70/30となるように樹脂組成物層を形成した点以外は、実施例1と同様にして積層シートを製造した。
【0071】
(実施例7)
樹脂組成物層におけるPES樹脂とPA樹脂との質量比がPES/PA=60/40となるように樹脂組成物層を形成した点以外は、実施例1と同様にして積層シートを製造した。
【0072】
(実施例8)
実施例5で製造したシートの片面側に、さらに下記の粘着層Aを貼り付け、粘着層を備えた積層シートを製造した。
粘着層A:
難燃性アクリル系粘着両面テープ(日東電工社製、商品名「No.5011N」)
から剥離材を剥がしたもの(厚み150μm)
(不織布の両面側にアクリル系粘着剤を含む粘着性の層が積層されたもの)
(UL94規格のVTM−O基準を満たす)
【0073】
(実施例9)
実施例5で製造したシートの片面側に、さらに下記の粘着層Bを貼り付け、粘着層を備えた積層シートを製造した。
粘着層B:
アクリル系粘着両面テープ(日東電工社製、商品名「No.500」)
から剥離材を剥がしたもの(厚み170μm)
(不織布の両面側にアクリル系粘着剤を含む粘着性の層が積層されたもの)
(UL94規格のVTM−O基準を満たさない)
【0074】
(比較例1)
PES樹脂のみで樹脂組成物層を形成した点以外は、実施例1と同様にして積層シートを製造した。
【0075】
(比較例2)
PES樹脂のみで樹脂組成物層を形成した点、実施例2と同様なコロナ処理を施したシート材を用いた点以外は、実施例1と同様にして積層シートを製造した。
【0076】
(比較例3)
樹脂組成物層におけるPES樹脂とPA樹脂との質量比がPES/PA=50/50となるように樹脂組成物層を形成した点以外は、実施例1と同様にして積層シートを製造した。
【0077】
(比較例4)
樹脂組成物層におけるPES樹脂とPA樹脂との質量比がPES/PA=30/70となるように樹脂組成物層を形成した点以外は、実施例1と同様にして積層シートを製造した。
【0078】
(比較例5)
樹脂組成物層に代えてポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム(帝人デュポンフィルム社製 商品名「テオネックス100μm」)を用いた点、実施例2と同様なコロナ処理を施したシート材を用いた点以外は、実施例1と同様にして積層シートを製造した。
【0079】
(比較例6)
樹脂組成物層に代えてポリフェニレンサルファイド(PPS)フィルム(東レ社製 商品名「トレリナ100μm」)を用いた点、実施例2と同様なコロナ処理を施したシート材を用いた点以外は、実施例1と同様にして積層シートを製造した。
【0080】
(比較例7)
比較例5で製造したシートの片面側に、さらに上記の粘着層Aを貼り付け、粘着層を備えた積層シートを製造した。
【0081】
<長期耐熱性の評価>
製造した積層シートにおける樹脂組成物層の流れ方向に沿って15mm幅で切断した試験サンプルを作製した。また、作製した試験サンプルを240℃に加熱した恒温槽に250時間放置した。恒温槽に放置する前と後の試験サンプルについて、200mm/分、標線100mmの試験条件で引張試験を行い、引張強度を測定した。そして、下記の式により、強度残率を算出した。
強度残率(%)={(放置後の引張強度)/(放置前の引張強度)}×100
【0082】
<剥離性の評価>
製造した積層シートを、樹脂組成物層の成形時の流れ方向に沿って10mm幅で切断して試験サンプルを用意した。また、製造した積層シートを23℃で24時間純水に浸漬した後、同様に10mm幅で切断して作製した試験サンプルを用意した。
これら試験サンプルにおいて、シート材(全芳香族ポリアミド紙)を樹脂組成物層に対して90℃の角度及び200mm/分の速さで引っ張ることにより25℃で剥離させ、剥離時の状態を観察した。そして、結果を下記の3段階で評価した。
○:シート材の破壊により剥離するもの
△:シート材の部分的な破壊により剥離するもの
×:シート材と樹脂組成物層との間で層間剥離するもの
【0083】
<難燃性の評価>
UL94規格に準じて燃焼試験を行い、難燃性を評価した。
詳しくは、まず、各実施例、比較例で製造した積層シートを50mm×200mmの大きさにカットし、各々5つの試験片を得た。
試験片を円筒状に巻き、上下方向に延在するように配置し、上端を固定することによりつり下げ、下端から125mmの位置に標線をいれた。試験片の真下に脱脂綿を置き、試験片の下端に炎を3秒間あてて着火操作を行った。なお、着火操作は計2回行った。
そして、下記事項を全て満たしたものを合格(○)と判断した。即ち、VTM−Oの基準を満たすものを合格と判断した。一方、下記事項のいずれかを満たさないものを不合格(×)とした。
1.各試験片の合計有炎燃焼時間(最初の炎をあてた後の燃焼時間と、
2回目の炎をあてた後の燃焼時間の合計)が10秒以内である。
2.各試験片5つの合計有炎燃焼時間の総計が50秒以内である。
3.2回目に炎をあてた後の各試験片の有炎燃焼時間及び無炎燃焼時間が
30秒以内である。
4.いずれかの試験片から燃焼滴下物が落下して下に配置された綿に着火しない。
5.有炎が下端から125mmの標線に達しない。
【0084】
各実施例及び各比較例における長期耐熱性(強度残率)及び剥離性の評価結果を表1、表2に示す。
【0085】
【表1】

【0086】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明の積層シートは、耐熱性と電気絶縁性とを要する電気絶縁用シート材などとして好適に用いられ得る。具体的には、例えば、モーターのコイル線の周囲に配される電気絶縁用シート材、トランス、バスバー、コンデンサ、ケーブル用の電気絶縁用シート材、又は、電子回路基板の絶縁膜などの用途に好適である。
【符号の説明】
【0088】
1:積層シート、 2:樹脂組成物層、 3:シート材、 4:粘着層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分子中に複数のスルホニル基を含むポリスルホン樹脂とポリアミド樹脂とを含み前記ポリアミド樹脂の含有割合が1〜45質量%である樹脂組成物層を介して、複数のシート材が貼り合わされてなることを特徴とする積層シート。
【請求項2】
前記シート材が全芳香族ポリアミドを含んでいる請求項1に記載の積層シート。
【請求項3】
前記シート材が、湿式抄紙法により作製された紙である請求項1又は2に記載の積層シート。
【請求項4】
前記シート材が、全芳香族ポリアミドの繊維を含む全芳香族ポリアミド紙である請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層シート。
【請求項5】
前記シート材が不織布である請求項1又は2に記載の積層シート。
【請求項6】
前記シート材の少なくとも樹脂組成物層側には、コロナ処理が施されている請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層シート。
【請求項7】
前記ポリスルホン樹脂が、分子中に複数のエーテル結合をさらに含むポリエーテルスルホン樹脂である請求項1〜6のいずれか1項に記載の積層シート。
【請求項8】
前記ポリスルホン樹脂が、分子中に複数の芳香族炭化水素をさらに含むポリフェニルスルホン樹脂である請求項1〜7のいずれか1項に記載の積層シート。
【請求項9】
前記ポリアミド樹脂が、分子中に芳香族炭化水素を有するポリアミド樹脂である請求項1〜8のいずれか1項に記載の積層シート。
【請求項10】
粘着性を有するシート状の粘着層をさらに備え、該粘着層が少なくとも一方側の最表面に配されている請求項1〜9のいずれか1項に記載の積層シート。
【請求項11】
前記粘着層が、UL94規格のVTM−O基準を満たす難燃性を有する請求項10に記載の積層シート。
【請求項12】
前記樹脂組成物層の両面に接するように前記シート材が配され、前記樹脂組成物層及び前記シート材の各凝集破壊力より、前記樹脂組成物層と前記シート材との間の層間接着力が大きくなるように構成されている請求項1〜11のいずれか1項に記載の積層シート。
【請求項13】
240℃で250時間経過した後の引張強度の強度残率が50%以上である請求項1〜12のいずれか1項に記載の積層シート。
【請求項14】
電気絶縁用途で使用する請求項1〜13のいずれか1項に記載の積層シート。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−35621(P2012−35621A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−143157(P2011−143157)
【出願日】平成23年6月28日(2011.6.28)
【出願人】(000190611)日東シンコー株式会社 (104)
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【Fターム(参考)】