説明

空気圧駆動のパイロットバルブ

空気モータの操作を制御するために用いられる四方バルブは、パイロットバルブ等によって空気圧で作動される。パイロットバルブ20の上流側の圧力低下にかかわらず、高圧の空気/信号ポート部22において制限を作り出すことによって、パイロットバルブ20は正しく機能する一方、一旦パイロットバルブ20が作動すれば、十分な流れをも許容する。ポペットバルブ28の上にあるパイロットバルブ20の入口部30を制限する付加的なスライドバルブ24が、パイロットバルブ20に取り付けられる。スライドバルブ24はさらなる圧力低下を生み出す。図3を参照。一旦作動ピン32がポペットバルブ20に接触すると、その余分な圧力低下によってパイロットバルブ20が強制的に開状態となり、ヒステリシスが生まれる。一旦パイロットバルブ20が開状態となると、スライドバルブ24が動いて高圧ポート部22の覆いが外れ、制限が取り除かれ、確実に主の四方バルブ10が適切に作動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本願は、2009年5月19日に出願された米国特許出願番号61/179,422号の利益を主張しており、その内容は参照によりここに導入される。
【背景技術】
【0002】
背景技術
空気モータの操作を制御するのに使用される四方バルブは、機械的に操作されるか又は空気圧で操作されるかのいずれかである。バルブが空気圧で操作される場合、バルブはパイロットシステムによって作動され、通常は、ポンプがその行程の一端又はもう一方の端にある時を検知する一対のパイロットバルブを有する。図1を参照。
【0003】
パイロットバルブを空気圧で戻り止めして所望のヒステリシスを得るための現行の方法は、ストレージスプリング及びポペットバルブを組み込んでいる。図2を参照。バルブが停止しているときは、ポペットバルブより上の空気圧は、ポペットバルブより下の、通常は大気圧である空気圧より高い。この圧力差によって、バルブを閉じ続ける正味の力が生まれる。バルブを作動させるために、作動ピンが押され、作動ピンがポペットバルブと接触するまでストレージスプリングを押し込む。このとき、バルブは開き始め、ポペットバルブより上の圧力は低下し始めることになる。上の圧力が低下すると、バルブを閉じ続ける力はもはや存在せず、ストレッジスプリングは外方に拡がって元の長さに戻り、バルブを開いた状態にし、それによって所望のヒステリシスが得られる。
【0004】
この方法では、システムの大きさや漏れ等のような変化量によって、ポペットバルブより上の圧力が低下しないときに問題が発生する。すなわち、圧力が低下しないと、パイロットバルブは開いた状態にならず、所望のヒステリシスは得られない。
【発明の概要】
【0005】
発明の開示
本発明によって、バルブが一旦作動されると、バルブの流れに影響を与えることなく制御する空気圧回路とは独立に、適切にバルブを開状態にし、かつ空気圧による戻り止め付きバルブのヒステリシスを増大させることができる。
【0006】
本発明は、パイロットバルブの上流側の圧力低下にかかわらず高圧の空気/信号ポート部に制限を設けることによって正しく機能する一方、一旦バルブが作動すれば十分な流れをも許容することが可能となる。
【0007】
パイロットバルブには、ポペットバルブの上にあるパイロットバルブの入口部を制限するスライドバルブが付加的に取り付けられる。このスライドバルブはさらなる圧力低下を生じさせる。図3を参照。一旦作動ピンがポペットバルブに接触すると、この余分な圧力低下によってパイロットバルブは強制的に開状態になり、ヒステリシスを生じさせる。そして、一旦パイロットバルブが開状態になると、スライドバルブが動いて高圧ポート部の覆いが外れ、それによって制限が取り除かれて、確実に主の四方バルブが適切に作動する。
【0008】
本発明のこれらの及び他の目的並びに利点は、添付の図とともに記載された以下の記述によってより十分に理解されるであろう。そして、添付の図において、同様の参照番号は幾つかの図を通じて同一部品又は類似部品を参照している。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図面の簡単な説明
【図1】従来技術の空気圧モータバルブシステムを示している。
【図2】図1のような従来技術で利用されているパイロットバルブを示している。
【図3】本発明のパイロットバルブを示している。
【発明を実施するための形態】
【0010】
発明を実施するための最良の形態
空気モータの操作を制御するために、四方バルブ10が一般に用いられており、空気作動可能となっている。そのような四方バルブ10は一般的に良く知られている。四方バルブ10はパイロットシステムによって作動する。パイロットシステムは、通常、ポンプ(ピストン16又は他の部材)がポンプの行程の一端又はもう一方の端にあるときを検知するパイロットバルブ14のペアを有している。図1を参照。従来技術のパイロットバルブは、図1及び2に示されているように、14と付されており、一方、本願のパイロットバルブは、図3に示されているように、20と付されている。従来技術のパイロットバルブ14と本願のパイロットバルブ20との類似部分については、同一の番号が付されている。
【0011】
従来技術のパイロットバルブ14は、高圧空気の入口ポート部30とともにポペットバルブ28を備えたハウジング26を有する。作動ピン32は、その動きを強制するポペットバルブ28の底面部に作動ピン32が接触するまで、ポペットバルブ28の底面部の中を滑らかに動く。上部スプリング34は、ポペットバルブ28を下方に付勢し、ハウジング26の座部38に対して密閉Oリング36を押圧する。(エネルギー)ストレージスプリング40は、作動ピン32をポペットバルブ28から遠ざける方向に付勢する。そして、低圧排出ポート部42によって、パイロットバルブからの排気が成される。高圧の空気/信号ポート部22は、四方バルブ10に接続される。
【0012】
パイロットバルブ14には、幾らかのヒステリシスがあるのが理想的である。パイロットバルブ14のヒステリシスによって、空気モータ12が方向を切り換えるときに、パイロットバルブ14が直ちに閉じず、主の四方バルブ10を適切に作動させるのに十分に長くパイロットバルブ14が開いていることを確実にし、その性能を向上させるのに役立つ。
【0013】
本発明のパイロットバルブ20は、パイロットバルブ20の上流側での圧力低下にかかわりなく、高圧の空気/信号ポート部22での制限を作り出すことによって正しく機能する一方、一旦パイロットバルブ20が作動すれば十分な流れをも許容することが可能となる。
【0014】
パイロットバルブ20には、ポペットバルブ28の上にあるパイロットバルブ20の入口部30を制限するスライドバルブ24が付加的に取り付けられる。このスライドバルブ24はさらなる圧力低下を生じさせる。図3を参照。一旦作動ピン32がポペットバルブ20に接触すると、この余分な圧力低下によってパイロットバルブ20は強制的に開状態になり、ヒステリシスを生じさせる。そして、一旦パイロットバルブ20が開状態になると、スライドバルブ24が動いて高圧ポート部22の覆いが外れ、それによって制限が取り除かれて、確実に主の四方バルブ10が適切に作動する。
【0015】
以下の特許請求の範囲によって規定される本発明の精神及び範囲から逸脱しないで、種々の修正及び変更がパイロットバルブに対して想定することが可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気モータの四方バルブを制御するのに用いるパイロットバルブであって、前記パイロットバルブは、作動ピン、ポペットバルブ、入口ポート部、信号ポート部、ストレージスプリング、及び上部スプリングを備えており、
前記ポペットバルブの上にある前記パイロットバルブの前記入口ポート部を制限し、かつ圧力低下を生じさせるために、前記パイロットバルブにスライドバルブが取り付けられているパイロットバルブ。
【請求項2】
前記スライドバルブは、前記パイロットバルブの上流側での圧力低下にかかわらず、前記信号ポート部において制限を生み出す一方、一旦パイロットバルブが作動すれば十分な流れをも許容する請求項1に記載のパイロットバルブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−527592(P2012−527592A)
【公表日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−511990(P2012−511990)
【出願日】平成22年5月19日(2010.5.19)
【国際出願番号】PCT/US2010/035395
【国際公開番号】WO2010/135419
【国際公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(308025451)グラコ ミネソタ インコーポレーテッド (32)
【Fターム(参考)】