立体視画像生成方法、その装置、及び立体視画像表示装置
【課題】
立体視画像に透明度の情報を付加して、重ね合わせ処理を施した立体映像に、意図しない境界線のような情報が表示されてしまう場合がある。
【解決手段】
立体視画像をスプライト方式で表示する際に、ディスプレイ上のサブピクセルP1〜P12ごとに異なる光線方向の情報を割り当てる場合、カラーチャンネル60、64のRGB毎にアルファ情報70、72を用意し、RGBの3つのカラーチャンネルに加えてアルファ情報も3チャンネルで保持し、合計6チャンネルのデータ形式を立体視画像のスプライトとし、各サブピクセルP1〜P12に対して個別の透明度を保持する。これにより、スプライト方式によるコンテンツ表示において立体映像の画質向上が可能となる。
立体視画像に透明度の情報を付加して、重ね合わせ処理を施した立体映像に、意図しない境界線のような情報が表示されてしまう場合がある。
【解決手段】
立体視画像をスプライト方式で表示する際に、ディスプレイ上のサブピクセルP1〜P12ごとに異なる光線方向の情報を割り当てる場合、カラーチャンネル60、64のRGB毎にアルファ情報70、72を用意し、RGBの3つのカラーチャンネルに加えてアルファ情報も3チャンネルで保持し、合計6チャンネルのデータ形式を立体視画像のスプライトとし、各サブピクセルP1〜P12に対して個別の透明度を保持する。これにより、スプライト方式によるコンテンツ表示において立体映像の画質向上が可能となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のサブピクセルで1ピクセルを構成する形式のフラットパネルディスプレイと光学素子群を組み合わせて構成される立体視画像表示技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、ユーザが特殊な眼鏡などの装置を身につけなくても立体映像を視聴できる裸眼立体視画像表示装置の研究開発が行われている。この装置の実装方式には様々な種類があり、多方向の情報を統合した立体視画像をディスプレイに表示し、光学素子等を介して立体像を形成する方法に、二眼式・多眼式・空間像方式などがある。二眼式・多眼式はユーザの視点位置の制約があるが、空間像方式は特定の視点位置を想定せず、空間内に像が存在するような光の状態を擬似的に構成するもので、視点位置に対する制約が少ない。
【0003】
視点数が多い多眼式および空間像方式では、立体視画像を生成するために多方向の情報が必要となるため、ユーザ入力に対してインタラクションを行う立体表示アプリケーションでリアルタイムレンダリングを行う場合には、処理能力の低い立体視画像生成装置では表示内容の更新速度が遅くなるという課題があった。
【0004】
特許文献1では、二眼式の立体視画像表示装置に関して、あらかじめコンテンツの背景およびキャラクタに対する立体視画像をスプライトとして生成しておき、それらをリアルタイムに重ね合わせることにより立体視画像生成の処理負荷を軽減しながらインタラクティブにキャラクタが動作するコンテンツを実現している。またこの手法を多眼式や、空間像方式の1つであるインテグラルフォトグラフィ(IP)方式へも適用可能であるとしている。
【0005】
【特許文献1】特開2003−67782号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1のように、ユーザ入力に対してインタラクションを行う立体表示アプリケーションを十分な速度で動作させるために、立体視画像にアルファ情報を付加したものを立体視スプライトとして、スプライト方式を適用する場合、複数のスプライトの重ね合わせを行う際に不要な領域を取り除くために、RGB3チャンネルの画像情報に透明度の情報を加えた4チャンネル(R、G、B、アルファ)の画像フォーマットを用いることが一般的である。
【0007】
しかし、二眼式や多眼式、空間像方式などの立体視表示装置では、ディスプレイのピクセル群を多方向の情報表示に割り当てる際に、表示される立体映像の精細度や色表現などの面で画質を向上するために、精細度(ピクセル密度)が非常に高いディスプレイを用いることに加えて、サブピクセルごとに異なる方向の情報を割り当てる場合がある。
【0008】
このとき、立体視画像に透明度の情報を付加して4チャンネル(R、G、B、アルファ)のスプライトとして扱うと、重ね合わせ処理を施した立体映像に意図しない境界線のような情報が表示されてしまう場合があるという課題を発見した。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明においては、上記の課題を解決するため、立体視画像をスプライト方式で表示する際に、ディスプレイ上のサブピクセルごとに異なる光線方向の情報を割り当てる場合、カラーチャンネル毎にアルファ情報を用意し、RGBの3つのカラーチャンネルに加えてアルファ情報も3チャンネルで保持し、合計6チャンネルのデータ形式を立体視画像のスプライトとして用いる。
【0010】
すなわち、上記の課題を解決するため、一つの好適な形態として、制御部と記憶部とを有する画像生成装置における立体視画像生成方法であって、記憶部は、画像を立体的に表示するための立体視画像として、複数のカラーチャンネルの輝度情報、および複数のカラーチャンネル各々に対する複数の透明度情報を記憶しており、制御部は、立体視画像を表示するための制御情報に応じて、記憶部に記憶された、複数のカラーチャンネルの輝度情報と透明度情報を用い、重ね合わせ処理を行う立体視画像生成方法を提供する。
【0011】
また、他の好適な形態として、立体視画像を生成する立体視画像生成装置であって、制御部と記憶部とを有し、記憶部は、画像を立体的に表示するための立体視画像として、赤(R)緑(G)青(B)の3つのカラーチャンネルの輝度情報、およびカラーチャンネル各々に対応する3つの透明度情報を記憶しており、制御部は、立体視画像を表示するための制御情報に応じて、記憶部に記憶された、カラーチャンネル毎の輝度情報と透明度情報を用い、重ね合わせ処理を行う立体視画像生成装置を提供する。
【0012】
更に、好適な立体視画像表示装置として、上述の立体視画像生成方法、あるいは、立体視画像生成装置によって生成された立体視画像を表示する、RGBの3つのサブピクセルで1ピクセルを構成する形式のフラットパネルディスプレイと偏向光学素子群とからなる立体視画像表示装置を提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明の構成により、ユーザ入力に対してインタラクションを行う立体表示アプリケーションにおいて、スプライト方式によりリアルタイム処理の負荷を軽減しながら、サブピクセル単位の空間分解能を実現し、立体映像の画質を向上することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の実施の形態を図面を用いて説明するに先立ち、本発明の前提となる、インテグラルフォトグラフィ(IP)方式の立体視画像表示装置と、IP画像の生成方法、及びIP画像のスプライト(IPスプライト)について図面を用いて説明する。
【0015】
図1は、空間像方式の1つであるインテグラルフォトグラフィ(IP)方式の立体視画像表示装置の一模式図である。フラットパネルディスプレイ(FPD)1の前面に、光線方向を制御するための多数の小さな凸レンズが並んだレンズアレイ2を配置している。各凸レンズの下には複数のピクセル群3が存在し、各ピクセルが発する光が凸レンズの偏向により放射状に射出されることを用いて、FPD1の前方空間における光の状態を制御する。ここでFPD1上に立体視画像生成装置6から出力された立体視画像(IP画像)を表示することにより、その空間内に立体物4が存在する場合の光の状態を擬似的に構成し、ユーザ5に立体物4が実在するかのように知覚させることができる。
【0016】
図2と図3を用いて、横方向の光線方向数を模式的に4とした場合の、コンピュータグラフィクス(CG)によるIP画像の生成方法を説明する。このIP画像は実写画像から生成することも可能である。
【0017】
仮想空間7に立体物4のCGモデルを配置し、FPD1の画面に対応する面8を定義する。さらに、レンズアレイ2を介して放射状に広がる光線の延長線上に対応する位置に、仮想視点V1〜V4を設定する。
【0018】
FPD1はP1〜P3のようなRGBの3つのサブピクセルで1ピクセルを構成する方式のディスプレイである。レンズ10はレンズアレイ2の中のひとつを拡大したものであり、IP画像11はFPD1に表示されるIP画像のうち、レンズ10の下にあるサブピクセルP1〜P12に表示される部分を示したものである。FPD1のサブピクセルP1〜P12から射出される光線は、レンズ10を介して光線L1〜L12のように放射状に広がる。
【0019】
IP画像11は、立体物4のCGモデルに対して仮想視点V1〜V4からレンダリングした画像21〜24を用いて生成される。図3においては、IP画像11のサブピクセルP1〜P3の値は、光線L1〜L3の延長線に対応する仮想視点V1からレンダリングした画像21のピクセルのRGBそれぞれの輝度値P1〜P3をコピーする。同様に、IP画像11のサブピクセルP4〜P6は、光線L4〜L6の延長線に対応する仮想視点V2からレンダリングした画像22のP4〜P6の値、IP画像11のサブピクセルP7〜LP9は、光線L7〜L9の延長線に対応する仮想視点V3からレンダリングした画像23のP7〜P9の値、IP画像11のサブピクセルP10〜P12は、光線L10〜L12の延長線に対応する仮想視点V4でレンダリングした画像24のP10〜P12の値となる。画像21〜24を用いてレンズアレイ2のすべてのレンズに対して同様の処理を行い、ひとつのIP画像を生成する。
【0020】
このように生成されたIP画像11をFPD1に表示して、観察者5が光線L1からL12の方向に視点位置を動かすと、他のレンズから射出される光も合わせて、順に仮想視点V1〜V4でレンダリングした視差を持つ映像を知覚することができる。また、右目と左目が仮想視点V1からV4のうちの異なる2つの視点に対応する光線が入射する位置にあるとき、両眼視差により、立体物4の映像が実在するかのような奥行き方向の立体感を知覚することができる。
【0021】
空間像方式の立体視画像表示装置では、FPD1からレンズ10を介して放射状に射出される光線の密度が高いほど立体像が鮮明となり、また光線の方向数(サンプリングを行う仮想視点数)が多いほど視差の変化が滑らかになり、立体映像の画質が向上する。図3の場合では、横方向の光線数が12、光線方向数は4方向となる。
【0022】
そのため、図4では仮想視点数をV1〜V12に増やし、各仮想視点でレンダリングした画像21〜25を用いて、サブピクセルP1〜P12のそれぞれに異なる画像からRGBいずれかの輝度値のみをサブピクセル単位で抽出してコピーすることにより、光線方向数を12に増やしている。このように、サブピクセルに対して独立に異なる光線方向の情報を割り当てることにより、光線方向数を3倍に増やし、立体映像の画質を向上することができる。
【0023】
図5はIP画像の生成処理フローである。図4の例のように視点数が増えると、画像21〜25の生成処理(ステップS102)およびIP画像11への合成処理(ステップS104)の負荷が高くなるため、ユーザ5からの入力に対してリアルタイムに映像が変化するインタラクティブコンテンツの場合に、毎フレームにステップS100〜S104を行うことが困難となる。
【0024】
そこで、従来2次元画像のアニメーションやゲームで用いられてきたスプライト方式を立体視画像に用いる。スプライト方式とは、あらかじめ用意しておいた透明度情報を含む画像群(スプライトと呼ぶ)を背景上の適当な位置に重ね合わせて合成することで、表示画像の生成処理を軽減する手法である。
【0025】
図6において、画像30〜32はキャラクタなどのオブジェクト(白い部分)と不要な地の領域(黒い部分)からなるスプライトである。また、画像36はシーンの背景である。背景画像36の上に画像30〜32を重ね合わせて合成画像34を生成する。このとき、画像30〜32の不要な地の領域を示すために、アルファチャンネルを利用するか、もしくは透過処理を行う色を決めておくことにより透明度の情報を保持し、その領域は下にある画像を透過して表示する。背景画像36と画像30〜32だけでなく、スプライト同士を重ね合わせることも可能である。また、一連の動作アニメーションを複数のスプライトとして用意しておき、背景画像36上に順次重ね合わせていくことにより、オブジェクトの位置の移動だけでなく、様々な動作のアニメーションを表示することもできる。
【0026】
また、スプライトが持つアルファ情報は透過と非透過を表す2値だけに限らず、半透明を表す中間値をとることができる。これにより重ね合わせ処理を行う際に、スプライト内で不要となる背景領域を取り除くだけでなく、物体境界のエッジブレンディングを滑らかに行ったり、ガラスや水などの半透明の質感を実現したり、影を落とすなどの効果を加えたりすることができることとなる。
【実施例1】
【0027】
本発明の第一の実施例として、上述したスプライト方式を用いた画像生成方法、その装置、及び立体画像表示装置の実施例を図7〜図12を用いて説明する。
【0028】
IP画像のような立体視画像の場合に、透明度の情報を付加することにより、スプライト方式を用いて画像生成処理を軽減することができる。図7はスプライト方式を用いた立体視画像生成処理に関する第一の実施例の処理を説明するための図であり、IP画像形式のスプライト(IPスプライト)の生成処理フローである。
【0029】
図7において、ステップS114で透明度の情報を生成する点と、ステップS118で透明度に対するIP画像を生成してステップS120でRGBのIP画像と統合する点が、図5のIP画像生成処理と異なる。事前に生成しておいたIPスプライト同士や、IPスプライトとアルファ情報を持たないIP画像を重ね合わせることにより、複数のオブジェクトを含む合成IP画像を生成することが可能である。また、IPスプライトはFPD1の画面全体に相当する画像サイズである必要はなく、オブジェクトを含む領域のみを切り出した画像サイズで良いため、後で説明する本実施例の立体画像生成装置におけるIPスプライトを記憶する記憶部のメモリ容量を節約することもできる。
【0030】
なお、立体視画像ではないスプライトの場合には、重ね合わせる位置をピクセル単位で自由に調整することができるが、IPスプライトの重ね合わせを行う場合は、画像中のサブピクセルの位置に応じてレンズを介して光線を射出する方向が一意に決まっているため、同じ方向に対応しているサブピクセル同士を重ね合わせなければならず、重ね合わせの位置が制限される。
【0031】
スプライト方式を用いる立体表示アプリケーションを動作させるためには、事前にコンテンツに含まれるすべてのオブジェクトに対して、必要となるすべての動作アニメーションのIPスプライトを、図7のステップS110〜S120により生成しておく。次にアプリケーションを起動し、リアルタイムにユーザ5からの入力に対するリアクションを示すIPスプライトを呼び出して、背景上の適当な位置に重ね合わせて合成IP画像を生成し、FPD1に表示するという処理を繰り返す。この重ね合わせ処理は高速に行うことができるため、アプリケーションのリアルタイム処理が軽減される。
【0032】
そして、本実施例においては、RGB画像のアルファを表す、アルファ画像を生成するステップS114で、カラーチャンネル毎にこのアルファ画像を生成する。
【0033】
通常、スプライトのデータ形式は、RGBの3つのカラーチャンネルに対して透明度を示す1つのアルファチャンネルを持つPNG(Portable Network Graphics)やTGA(Truevision Graphics Adapter)などの画像フォーマットが一般的であり、各ピクセルがR、G、B、アルファの4つの値を持つ。しかし、本実施例におけるIPスプライトの場合には、FPD1のサブピクセルを最小単位として扱い、重ね合わせもサブピクセル単位で行うこととし、カラーチャンネルと同数のアルファチャンネルを保持する。以下、その理由とその効果を図8〜図10を用いて説明する。
【0034】
図8は、上述した一般的なスプライト方式で3チャンネルのカラーチャンネルと1チャンネルのアルファチャンネルというフォーマットのスプライトを重ね合わせる場合の4ピクセル分を例示している。この場合には、スプライトをそれぞれ4チャンネルの画像フォーマットで扱うことが可能である。3チャンネルのカラーチャンネルの値は、FPD1上では隣接する3つのサブピクセルに表示される。スプライト82はカラーチャンネル61とアルファチャンネル62からなり、スプライト84はカラーチャンネル63とアルファチャンネルが66からなる。アルファチャンネル62、66は白が非透過、斜線が透過を表している。スプライト82ではサブピクセルP1〜P6の領域が表示すべき領域であり、境界線80を介したP7〜P12は不要な領域で、対応するアルファ情報A3、A4が透明であることを示している。スプライト82、84を重ね合わせた結果のカラーチャンネル68は、境界線80をはさみ、スプライト82、84の情報が重ね合わされている。このようにして、一般的なスプライト方式ではピクセル単位で重ね合わせを行う。この図8の場合、重ね合わせ処理を施した立体映像に意図しない境界線のような情報が表示されることはない。
【0035】
次に、図9は図8と同様に3チャンネルのカラーチャンネルと、1チャンネルのアルファチャンネルのスプライトの重ね合わせの場合を説明する。カラーチャンネル60、64のデータとしてサブピクセル単位で異なる光線方向を割り当てたIP画像を用いる。このとき、IPスプライト86において表示すべきオブジェクト領域と不要な領域の境界80が、同じピクセルのサブピクセルP5(G)とのP6(B)の間に存在しうる。しかし、図9にあって、P4〜P6に対して同一のアルファ情報A2を用いてカラーチャンネル60の値をカラーチャンネル64の上に重ね合わせると、その結果のカラーチャンネル68のP6がカラーチャンネル60のP6となり、立体映像に意図しない境界線のような情報が表示されてしまうことになる。
【0036】
そこで、本実施例においては、上述のようなIPスプライトにおいて特有に発生する問題を、図7のS114で、カラーチャンネル毎にアルファ画像を生成し、図10に示すようにIPスプライト90と92が、3チャンネルのアルファチャンネル70と72を持つようにすることにより解決している。これにより、重ね合わせをサブピクセル単位で行うことができ、結果のカラーチャンネル74のP6にカラーチャンネル64のP6を表示することができる。
【0037】
なお、3チャンネルのカラーチャンネルと3チャンネルのアルファチャンネルを持つ6チャンネルのIPスプライトのフォーマットは、3チャンネルの画像2枚を1組として扱っても良いし、6チャンネルの画像フォーマットを定義して用いても良い。また、6チャンネルとすることでデータ量が増大するが、冗長な情報を多く含むため、何らかの画像圧縮を適用してもよい。また、カラーチャンネルとアルファチャンネルの複数のチャンネル数は3に限定されない。
【0038】
次に図11と図12を用いて、ユーザ入力に対してインタラクションを行う立体表示アプリケーションにおいて、本実施例を適用した、リアルタイムに合成IP画像の生成処理を行う生成装置、および処理フローの詳細を説明する。
【0039】
図11は本実施例の立体視画像生成・表示装置の構成図である。立体視画像表示装置40は立体視画像生成装置6と立体視画像表示部44からなる装置で、ディスプレイ付の組み込み機器やパーソナルコンピュータ(PC)などを想定している。立体視画像生成装置6は通常の中央処理部(Central Processing System, CPU)からなる制御部46と記憶部48とからなり、入力装置42からの信号に応じて、制御部の処理により合成IP画像を生成し、立体視画像表示部44へ出力する。入力装置42は、センサやポインティングデバイス、キーボード、ボタンなどのさまざまな入力デバイスであり、立体視画像表示装置40に含んでいても良いし、外部にあり、図示されない何らかの通信手段で接続しても良い。
【0040】
制御部46は種々の立体表示アプリケーションが動作する部分であり、入力装置42からの信号を処理する入力情報処理部50と、入力情報および現在の状況に応じて適切な次の動作アニメーションに対応するIPスプライトを選択する画像選択部51と、画像選択部51で選択されたIPスプライトを各ピクセルのカラーチャンネルごとに重ね合わせを行う重ね合わせ処理部52と、重ね合わせた結果得られた合成IP画像を立体視画像表示部44へ出力する画像出力部53からなる。これらは、通常、先に述べたCPUで実行されるプログラム、アプリケーションで構成される。
【0041】
また立体画像生成装置6の記憶部48は、コンテンツに含まれるオブジェクトが画面内のどの位置にあるかを記憶するオブジェクト座標記憶部54と、入力情報と現在の状況から次の状態への遷移規則を規定したアニメーション遷移規則記憶部55と、図7のステップS110〜S120であらかじめ生成されたIPスプライトを蓄積するIPスプライト記憶部56と、重ね合わせ処理により合成されたIP画像を記憶する合成IP画像記憶部59からなる。
【0042】
IPスプライト記憶部56は、図10に図示したような、3チャンネルのカラーチャンネルの値と3チャンネルのアルファチャンネルの情報とをそれぞれ記憶するRGB画像記憶部57とアルファ画像記憶部58からなる。RGB画像記憶部57とアルファ画像記憶部58のメモリ領域は、それぞれ独立していても良いし、IPスプライトごとにまとまっていても良い。すべてのIPスプライトには、どのオブジェクトのどのアニメーションの何フレーム目のスプライトであるかを示す識別子(ID)が割り当てられている。
【0043】
また、立体視画像表示部44は光線方向制御部60とFPD1からなる。光線方向制御部60は図1に示したレンズアレイ2を用いる場合や、1方向の視差だけを実現するレンチキュラレンズなど、さまざまな光学素子を用いる場合がある。FPD1は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイなどの、ピクセルがRGB3つのサブピクセルで構成されるディスプレイを用いる。
【0044】
次に、図12は、本実施例における図11の立体視画像生成装置6において動作する立体表示アプリケーションの処理フローである。アプリケーションが開始されると、画像選択部51が、コンテンツ内のオブジェクト数と、初期状態における各オブジェクトのIPスプライトのIDと画面内の表示位置の座標を、アニメーション遷移規則記憶部55に問い合わせる(ステップS200)。表示位置の座標は、FPD1の平面に相当する2次元座標だけでなく、重ね合わせを行う順序の指標となる、画面の奥行き方向の座標も含む。
【0045】
次に、入力情報処理部50が入力装置42からの入力を検出し(ステップS202)、画像選択部51が入力情報と現在の各オブジェクトの状態と座標に基づき、アニメーション遷移規則記憶部55に次の動作に対応するIPスプライトのIDと座標を問い合わせる(ステップS204、S206)。次に、重ね合わせ処理部52が、合成IP画像の初期値として背景用IP画像をIPスプライト記憶部56より合成IP画像記憶部59に読み込む(ステップS210)。背景用IP画像は、ユーザ入力に対して変化しない、画面の奥側に存在するオブジェクトについて生成されたIP画像で、画面の最背面に表示されるため、アルファチャンネルの情報は持たない。
【0046】
次に、シーンに存在する全オブジェクトに対して重ね合わせ処理を行ったかどうかをチェックし(ステップS212)、未処理のオブジェクトがあれば、その時点の合成IP画像を合成IP画像記憶部59から読み込み(ステップS216)、IP画像選択部52により指定された、未処理のオブジェクトの中で一番奥側の座標位置となるオブジェクのIPスプライトのIP画像(RGB)とIP画像(アルファ)をRGB画像記憶部57とアルファ画像記憶部58から順次読み込み(ステップS218)、上述したように、重ね合わせ処理部52において、カラーチャンネルごとにIP画像(アルファ)の値を参照してIP画像(RGB)を合成IP画像上に重ね合わせ、合成IP画像記憶部59に保存する(ステップS220)。
【0047】
すべてのオブジェクトに対して重ね合わせ処理(S216〜S220)が終了したら、最終的な合成IP画像を画像出力部53から立体視画像表示部44へ出力する(ステップS214)。表示したらステップS202に戻って繰り返すことにより、ユーザ5からの入力に対してインタラクティブに動作する立体視画像を表示することができる。
【0048】
重ね合わせ処理(S216〜S220)の処理時間は、3Dモデルデータを多視点からレンダリングしてIP画像を生成する処理(ステップS100〜S104)をリアルタイムに行う場合に比べて非常に高速であるため、ユーザ入力に対する表示内容の更新遅延を防ぐことができる。また、サブピクセル単位で重ね合わせを行うことにより滑らかな運動視差を実現し、立体映像の画質向上も実現している。
【0049】
以上詳述した本発明は、処理性能の低い立体視画像生成装置でも、サブピクセルレベルの分解能を持つ高光線密度の立体映像によるインタラクティブコンテンツの動作を可能にするものである。産業応用としては、ゲームなどのエンタテインメント用途や、携帯端末上のアプリケーション、カーナビゲーション、タッチパネルなど、様々な用途において高画質かつインタラクティブな立体映像を表示し、臨場感やユーザビリティを向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】IP方式の模式図である。
【図2】仮想空間におけるCGモデルと仮想視点を示す図である。
【図3】ピクセル単位の光線方向を持つ場合のIP画像の生成方法を示す図である。
【図4】サブピクセル単位の光線方向を持つ場合のIP画像の生成方法を示す図である。
【図5】IP画像の生成処理を示すフローチャートである。
【図6】スプライト方式の模式図である。
【図7】IPスプライトの生成処理を示すフローチャートである。
【図8】スプライトの生成処理を説明するフローチャートである。
【図9】1チャンネルの透明度を持つ場合のIPスプライトの重ね合わせを示す図である。
【図10】実施例1における3チャンネルの透明度を持つIPスプライトの重ね合わせを示す図である。
【図11】実施例1における立体画像生成装置、及び立体視画像表示装置の構成を示すブロック図である。
【図12】実施例1におけるインタラクティブコンテンツにおける立体視画像の重ね合わせ処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0051】
1…フラットパネルディスプレイ(FPD)
2…レンズアレイ
6…立体視画像生成装置
10…レンズ
40…立体視画像表示装置
44…立体視画像表示部
46…制御部
48…記憶部
56…IPスプライト記憶部
57…RGB情報記憶部
58…アルファ情報記憶部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のサブピクセルで1ピクセルを構成する形式のフラットパネルディスプレイと光学素子群を組み合わせて構成される立体視画像表示技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、ユーザが特殊な眼鏡などの装置を身につけなくても立体映像を視聴できる裸眼立体視画像表示装置の研究開発が行われている。この装置の実装方式には様々な種類があり、多方向の情報を統合した立体視画像をディスプレイに表示し、光学素子等を介して立体像を形成する方法に、二眼式・多眼式・空間像方式などがある。二眼式・多眼式はユーザの視点位置の制約があるが、空間像方式は特定の視点位置を想定せず、空間内に像が存在するような光の状態を擬似的に構成するもので、視点位置に対する制約が少ない。
【0003】
視点数が多い多眼式および空間像方式では、立体視画像を生成するために多方向の情報が必要となるため、ユーザ入力に対してインタラクションを行う立体表示アプリケーションでリアルタイムレンダリングを行う場合には、処理能力の低い立体視画像生成装置では表示内容の更新速度が遅くなるという課題があった。
【0004】
特許文献1では、二眼式の立体視画像表示装置に関して、あらかじめコンテンツの背景およびキャラクタに対する立体視画像をスプライトとして生成しておき、それらをリアルタイムに重ね合わせることにより立体視画像生成の処理負荷を軽減しながらインタラクティブにキャラクタが動作するコンテンツを実現している。またこの手法を多眼式や、空間像方式の1つであるインテグラルフォトグラフィ(IP)方式へも適用可能であるとしている。
【0005】
【特許文献1】特開2003−67782号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1のように、ユーザ入力に対してインタラクションを行う立体表示アプリケーションを十分な速度で動作させるために、立体視画像にアルファ情報を付加したものを立体視スプライトとして、スプライト方式を適用する場合、複数のスプライトの重ね合わせを行う際に不要な領域を取り除くために、RGB3チャンネルの画像情報に透明度の情報を加えた4チャンネル(R、G、B、アルファ)の画像フォーマットを用いることが一般的である。
【0007】
しかし、二眼式や多眼式、空間像方式などの立体視表示装置では、ディスプレイのピクセル群を多方向の情報表示に割り当てる際に、表示される立体映像の精細度や色表現などの面で画質を向上するために、精細度(ピクセル密度)が非常に高いディスプレイを用いることに加えて、サブピクセルごとに異なる方向の情報を割り当てる場合がある。
【0008】
このとき、立体視画像に透明度の情報を付加して4チャンネル(R、G、B、アルファ)のスプライトとして扱うと、重ね合わせ処理を施した立体映像に意図しない境界線のような情報が表示されてしまう場合があるという課題を発見した。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明においては、上記の課題を解決するため、立体視画像をスプライト方式で表示する際に、ディスプレイ上のサブピクセルごとに異なる光線方向の情報を割り当てる場合、カラーチャンネル毎にアルファ情報を用意し、RGBの3つのカラーチャンネルに加えてアルファ情報も3チャンネルで保持し、合計6チャンネルのデータ形式を立体視画像のスプライトとして用いる。
【0010】
すなわち、上記の課題を解決するため、一つの好適な形態として、制御部と記憶部とを有する画像生成装置における立体視画像生成方法であって、記憶部は、画像を立体的に表示するための立体視画像として、複数のカラーチャンネルの輝度情報、および複数のカラーチャンネル各々に対する複数の透明度情報を記憶しており、制御部は、立体視画像を表示するための制御情報に応じて、記憶部に記憶された、複数のカラーチャンネルの輝度情報と透明度情報を用い、重ね合わせ処理を行う立体視画像生成方法を提供する。
【0011】
また、他の好適な形態として、立体視画像を生成する立体視画像生成装置であって、制御部と記憶部とを有し、記憶部は、画像を立体的に表示するための立体視画像として、赤(R)緑(G)青(B)の3つのカラーチャンネルの輝度情報、およびカラーチャンネル各々に対応する3つの透明度情報を記憶しており、制御部は、立体視画像を表示するための制御情報に応じて、記憶部に記憶された、カラーチャンネル毎の輝度情報と透明度情報を用い、重ね合わせ処理を行う立体視画像生成装置を提供する。
【0012】
更に、好適な立体視画像表示装置として、上述の立体視画像生成方法、あるいは、立体視画像生成装置によって生成された立体視画像を表示する、RGBの3つのサブピクセルで1ピクセルを構成する形式のフラットパネルディスプレイと偏向光学素子群とからなる立体視画像表示装置を提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明の構成により、ユーザ入力に対してインタラクションを行う立体表示アプリケーションにおいて、スプライト方式によりリアルタイム処理の負荷を軽減しながら、サブピクセル単位の空間分解能を実現し、立体映像の画質を向上することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の実施の形態を図面を用いて説明するに先立ち、本発明の前提となる、インテグラルフォトグラフィ(IP)方式の立体視画像表示装置と、IP画像の生成方法、及びIP画像のスプライト(IPスプライト)について図面を用いて説明する。
【0015】
図1は、空間像方式の1つであるインテグラルフォトグラフィ(IP)方式の立体視画像表示装置の一模式図である。フラットパネルディスプレイ(FPD)1の前面に、光線方向を制御するための多数の小さな凸レンズが並んだレンズアレイ2を配置している。各凸レンズの下には複数のピクセル群3が存在し、各ピクセルが発する光が凸レンズの偏向により放射状に射出されることを用いて、FPD1の前方空間における光の状態を制御する。ここでFPD1上に立体視画像生成装置6から出力された立体視画像(IP画像)を表示することにより、その空間内に立体物4が存在する場合の光の状態を擬似的に構成し、ユーザ5に立体物4が実在するかのように知覚させることができる。
【0016】
図2と図3を用いて、横方向の光線方向数を模式的に4とした場合の、コンピュータグラフィクス(CG)によるIP画像の生成方法を説明する。このIP画像は実写画像から生成することも可能である。
【0017】
仮想空間7に立体物4のCGモデルを配置し、FPD1の画面に対応する面8を定義する。さらに、レンズアレイ2を介して放射状に広がる光線の延長線上に対応する位置に、仮想視点V1〜V4を設定する。
【0018】
FPD1はP1〜P3のようなRGBの3つのサブピクセルで1ピクセルを構成する方式のディスプレイである。レンズ10はレンズアレイ2の中のひとつを拡大したものであり、IP画像11はFPD1に表示されるIP画像のうち、レンズ10の下にあるサブピクセルP1〜P12に表示される部分を示したものである。FPD1のサブピクセルP1〜P12から射出される光線は、レンズ10を介して光線L1〜L12のように放射状に広がる。
【0019】
IP画像11は、立体物4のCGモデルに対して仮想視点V1〜V4からレンダリングした画像21〜24を用いて生成される。図3においては、IP画像11のサブピクセルP1〜P3の値は、光線L1〜L3の延長線に対応する仮想視点V1からレンダリングした画像21のピクセルのRGBそれぞれの輝度値P1〜P3をコピーする。同様に、IP画像11のサブピクセルP4〜P6は、光線L4〜L6の延長線に対応する仮想視点V2からレンダリングした画像22のP4〜P6の値、IP画像11のサブピクセルP7〜LP9は、光線L7〜L9の延長線に対応する仮想視点V3からレンダリングした画像23のP7〜P9の値、IP画像11のサブピクセルP10〜P12は、光線L10〜L12の延長線に対応する仮想視点V4でレンダリングした画像24のP10〜P12の値となる。画像21〜24を用いてレンズアレイ2のすべてのレンズに対して同様の処理を行い、ひとつのIP画像を生成する。
【0020】
このように生成されたIP画像11をFPD1に表示して、観察者5が光線L1からL12の方向に視点位置を動かすと、他のレンズから射出される光も合わせて、順に仮想視点V1〜V4でレンダリングした視差を持つ映像を知覚することができる。また、右目と左目が仮想視点V1からV4のうちの異なる2つの視点に対応する光線が入射する位置にあるとき、両眼視差により、立体物4の映像が実在するかのような奥行き方向の立体感を知覚することができる。
【0021】
空間像方式の立体視画像表示装置では、FPD1からレンズ10を介して放射状に射出される光線の密度が高いほど立体像が鮮明となり、また光線の方向数(サンプリングを行う仮想視点数)が多いほど視差の変化が滑らかになり、立体映像の画質が向上する。図3の場合では、横方向の光線数が12、光線方向数は4方向となる。
【0022】
そのため、図4では仮想視点数をV1〜V12に増やし、各仮想視点でレンダリングした画像21〜25を用いて、サブピクセルP1〜P12のそれぞれに異なる画像からRGBいずれかの輝度値のみをサブピクセル単位で抽出してコピーすることにより、光線方向数を12に増やしている。このように、サブピクセルに対して独立に異なる光線方向の情報を割り当てることにより、光線方向数を3倍に増やし、立体映像の画質を向上することができる。
【0023】
図5はIP画像の生成処理フローである。図4の例のように視点数が増えると、画像21〜25の生成処理(ステップS102)およびIP画像11への合成処理(ステップS104)の負荷が高くなるため、ユーザ5からの入力に対してリアルタイムに映像が変化するインタラクティブコンテンツの場合に、毎フレームにステップS100〜S104を行うことが困難となる。
【0024】
そこで、従来2次元画像のアニメーションやゲームで用いられてきたスプライト方式を立体視画像に用いる。スプライト方式とは、あらかじめ用意しておいた透明度情報を含む画像群(スプライトと呼ぶ)を背景上の適当な位置に重ね合わせて合成することで、表示画像の生成処理を軽減する手法である。
【0025】
図6において、画像30〜32はキャラクタなどのオブジェクト(白い部分)と不要な地の領域(黒い部分)からなるスプライトである。また、画像36はシーンの背景である。背景画像36の上に画像30〜32を重ね合わせて合成画像34を生成する。このとき、画像30〜32の不要な地の領域を示すために、アルファチャンネルを利用するか、もしくは透過処理を行う色を決めておくことにより透明度の情報を保持し、その領域は下にある画像を透過して表示する。背景画像36と画像30〜32だけでなく、スプライト同士を重ね合わせることも可能である。また、一連の動作アニメーションを複数のスプライトとして用意しておき、背景画像36上に順次重ね合わせていくことにより、オブジェクトの位置の移動だけでなく、様々な動作のアニメーションを表示することもできる。
【0026】
また、スプライトが持つアルファ情報は透過と非透過を表す2値だけに限らず、半透明を表す中間値をとることができる。これにより重ね合わせ処理を行う際に、スプライト内で不要となる背景領域を取り除くだけでなく、物体境界のエッジブレンディングを滑らかに行ったり、ガラスや水などの半透明の質感を実現したり、影を落とすなどの効果を加えたりすることができることとなる。
【実施例1】
【0027】
本発明の第一の実施例として、上述したスプライト方式を用いた画像生成方法、その装置、及び立体画像表示装置の実施例を図7〜図12を用いて説明する。
【0028】
IP画像のような立体視画像の場合に、透明度の情報を付加することにより、スプライト方式を用いて画像生成処理を軽減することができる。図7はスプライト方式を用いた立体視画像生成処理に関する第一の実施例の処理を説明するための図であり、IP画像形式のスプライト(IPスプライト)の生成処理フローである。
【0029】
図7において、ステップS114で透明度の情報を生成する点と、ステップS118で透明度に対するIP画像を生成してステップS120でRGBのIP画像と統合する点が、図5のIP画像生成処理と異なる。事前に生成しておいたIPスプライト同士や、IPスプライトとアルファ情報を持たないIP画像を重ね合わせることにより、複数のオブジェクトを含む合成IP画像を生成することが可能である。また、IPスプライトはFPD1の画面全体に相当する画像サイズである必要はなく、オブジェクトを含む領域のみを切り出した画像サイズで良いため、後で説明する本実施例の立体画像生成装置におけるIPスプライトを記憶する記憶部のメモリ容量を節約することもできる。
【0030】
なお、立体視画像ではないスプライトの場合には、重ね合わせる位置をピクセル単位で自由に調整することができるが、IPスプライトの重ね合わせを行う場合は、画像中のサブピクセルの位置に応じてレンズを介して光線を射出する方向が一意に決まっているため、同じ方向に対応しているサブピクセル同士を重ね合わせなければならず、重ね合わせの位置が制限される。
【0031】
スプライト方式を用いる立体表示アプリケーションを動作させるためには、事前にコンテンツに含まれるすべてのオブジェクトに対して、必要となるすべての動作アニメーションのIPスプライトを、図7のステップS110〜S120により生成しておく。次にアプリケーションを起動し、リアルタイムにユーザ5からの入力に対するリアクションを示すIPスプライトを呼び出して、背景上の適当な位置に重ね合わせて合成IP画像を生成し、FPD1に表示するという処理を繰り返す。この重ね合わせ処理は高速に行うことができるため、アプリケーションのリアルタイム処理が軽減される。
【0032】
そして、本実施例においては、RGB画像のアルファを表す、アルファ画像を生成するステップS114で、カラーチャンネル毎にこのアルファ画像を生成する。
【0033】
通常、スプライトのデータ形式は、RGBの3つのカラーチャンネルに対して透明度を示す1つのアルファチャンネルを持つPNG(Portable Network Graphics)やTGA(Truevision Graphics Adapter)などの画像フォーマットが一般的であり、各ピクセルがR、G、B、アルファの4つの値を持つ。しかし、本実施例におけるIPスプライトの場合には、FPD1のサブピクセルを最小単位として扱い、重ね合わせもサブピクセル単位で行うこととし、カラーチャンネルと同数のアルファチャンネルを保持する。以下、その理由とその効果を図8〜図10を用いて説明する。
【0034】
図8は、上述した一般的なスプライト方式で3チャンネルのカラーチャンネルと1チャンネルのアルファチャンネルというフォーマットのスプライトを重ね合わせる場合の4ピクセル分を例示している。この場合には、スプライトをそれぞれ4チャンネルの画像フォーマットで扱うことが可能である。3チャンネルのカラーチャンネルの値は、FPD1上では隣接する3つのサブピクセルに表示される。スプライト82はカラーチャンネル61とアルファチャンネル62からなり、スプライト84はカラーチャンネル63とアルファチャンネルが66からなる。アルファチャンネル62、66は白が非透過、斜線が透過を表している。スプライト82ではサブピクセルP1〜P6の領域が表示すべき領域であり、境界線80を介したP7〜P12は不要な領域で、対応するアルファ情報A3、A4が透明であることを示している。スプライト82、84を重ね合わせた結果のカラーチャンネル68は、境界線80をはさみ、スプライト82、84の情報が重ね合わされている。このようにして、一般的なスプライト方式ではピクセル単位で重ね合わせを行う。この図8の場合、重ね合わせ処理を施した立体映像に意図しない境界線のような情報が表示されることはない。
【0035】
次に、図9は図8と同様に3チャンネルのカラーチャンネルと、1チャンネルのアルファチャンネルのスプライトの重ね合わせの場合を説明する。カラーチャンネル60、64のデータとしてサブピクセル単位で異なる光線方向を割り当てたIP画像を用いる。このとき、IPスプライト86において表示すべきオブジェクト領域と不要な領域の境界80が、同じピクセルのサブピクセルP5(G)とのP6(B)の間に存在しうる。しかし、図9にあって、P4〜P6に対して同一のアルファ情報A2を用いてカラーチャンネル60の値をカラーチャンネル64の上に重ね合わせると、その結果のカラーチャンネル68のP6がカラーチャンネル60のP6となり、立体映像に意図しない境界線のような情報が表示されてしまうことになる。
【0036】
そこで、本実施例においては、上述のようなIPスプライトにおいて特有に発生する問題を、図7のS114で、カラーチャンネル毎にアルファ画像を生成し、図10に示すようにIPスプライト90と92が、3チャンネルのアルファチャンネル70と72を持つようにすることにより解決している。これにより、重ね合わせをサブピクセル単位で行うことができ、結果のカラーチャンネル74のP6にカラーチャンネル64のP6を表示することができる。
【0037】
なお、3チャンネルのカラーチャンネルと3チャンネルのアルファチャンネルを持つ6チャンネルのIPスプライトのフォーマットは、3チャンネルの画像2枚を1組として扱っても良いし、6チャンネルの画像フォーマットを定義して用いても良い。また、6チャンネルとすることでデータ量が増大するが、冗長な情報を多く含むため、何らかの画像圧縮を適用してもよい。また、カラーチャンネルとアルファチャンネルの複数のチャンネル数は3に限定されない。
【0038】
次に図11と図12を用いて、ユーザ入力に対してインタラクションを行う立体表示アプリケーションにおいて、本実施例を適用した、リアルタイムに合成IP画像の生成処理を行う生成装置、および処理フローの詳細を説明する。
【0039】
図11は本実施例の立体視画像生成・表示装置の構成図である。立体視画像表示装置40は立体視画像生成装置6と立体視画像表示部44からなる装置で、ディスプレイ付の組み込み機器やパーソナルコンピュータ(PC)などを想定している。立体視画像生成装置6は通常の中央処理部(Central Processing System, CPU)からなる制御部46と記憶部48とからなり、入力装置42からの信号に応じて、制御部の処理により合成IP画像を生成し、立体視画像表示部44へ出力する。入力装置42は、センサやポインティングデバイス、キーボード、ボタンなどのさまざまな入力デバイスであり、立体視画像表示装置40に含んでいても良いし、外部にあり、図示されない何らかの通信手段で接続しても良い。
【0040】
制御部46は種々の立体表示アプリケーションが動作する部分であり、入力装置42からの信号を処理する入力情報処理部50と、入力情報および現在の状況に応じて適切な次の動作アニメーションに対応するIPスプライトを選択する画像選択部51と、画像選択部51で選択されたIPスプライトを各ピクセルのカラーチャンネルごとに重ね合わせを行う重ね合わせ処理部52と、重ね合わせた結果得られた合成IP画像を立体視画像表示部44へ出力する画像出力部53からなる。これらは、通常、先に述べたCPUで実行されるプログラム、アプリケーションで構成される。
【0041】
また立体画像生成装置6の記憶部48は、コンテンツに含まれるオブジェクトが画面内のどの位置にあるかを記憶するオブジェクト座標記憶部54と、入力情報と現在の状況から次の状態への遷移規則を規定したアニメーション遷移規則記憶部55と、図7のステップS110〜S120であらかじめ生成されたIPスプライトを蓄積するIPスプライト記憶部56と、重ね合わせ処理により合成されたIP画像を記憶する合成IP画像記憶部59からなる。
【0042】
IPスプライト記憶部56は、図10に図示したような、3チャンネルのカラーチャンネルの値と3チャンネルのアルファチャンネルの情報とをそれぞれ記憶するRGB画像記憶部57とアルファ画像記憶部58からなる。RGB画像記憶部57とアルファ画像記憶部58のメモリ領域は、それぞれ独立していても良いし、IPスプライトごとにまとまっていても良い。すべてのIPスプライトには、どのオブジェクトのどのアニメーションの何フレーム目のスプライトであるかを示す識別子(ID)が割り当てられている。
【0043】
また、立体視画像表示部44は光線方向制御部60とFPD1からなる。光線方向制御部60は図1に示したレンズアレイ2を用いる場合や、1方向の視差だけを実現するレンチキュラレンズなど、さまざまな光学素子を用いる場合がある。FPD1は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイなどの、ピクセルがRGB3つのサブピクセルで構成されるディスプレイを用いる。
【0044】
次に、図12は、本実施例における図11の立体視画像生成装置6において動作する立体表示アプリケーションの処理フローである。アプリケーションが開始されると、画像選択部51が、コンテンツ内のオブジェクト数と、初期状態における各オブジェクトのIPスプライトのIDと画面内の表示位置の座標を、アニメーション遷移規則記憶部55に問い合わせる(ステップS200)。表示位置の座標は、FPD1の平面に相当する2次元座標だけでなく、重ね合わせを行う順序の指標となる、画面の奥行き方向の座標も含む。
【0045】
次に、入力情報処理部50が入力装置42からの入力を検出し(ステップS202)、画像選択部51が入力情報と現在の各オブジェクトの状態と座標に基づき、アニメーション遷移規則記憶部55に次の動作に対応するIPスプライトのIDと座標を問い合わせる(ステップS204、S206)。次に、重ね合わせ処理部52が、合成IP画像の初期値として背景用IP画像をIPスプライト記憶部56より合成IP画像記憶部59に読み込む(ステップS210)。背景用IP画像は、ユーザ入力に対して変化しない、画面の奥側に存在するオブジェクトについて生成されたIP画像で、画面の最背面に表示されるため、アルファチャンネルの情報は持たない。
【0046】
次に、シーンに存在する全オブジェクトに対して重ね合わせ処理を行ったかどうかをチェックし(ステップS212)、未処理のオブジェクトがあれば、その時点の合成IP画像を合成IP画像記憶部59から読み込み(ステップS216)、IP画像選択部52により指定された、未処理のオブジェクトの中で一番奥側の座標位置となるオブジェクのIPスプライトのIP画像(RGB)とIP画像(アルファ)をRGB画像記憶部57とアルファ画像記憶部58から順次読み込み(ステップS218)、上述したように、重ね合わせ処理部52において、カラーチャンネルごとにIP画像(アルファ)の値を参照してIP画像(RGB)を合成IP画像上に重ね合わせ、合成IP画像記憶部59に保存する(ステップS220)。
【0047】
すべてのオブジェクトに対して重ね合わせ処理(S216〜S220)が終了したら、最終的な合成IP画像を画像出力部53から立体視画像表示部44へ出力する(ステップS214)。表示したらステップS202に戻って繰り返すことにより、ユーザ5からの入力に対してインタラクティブに動作する立体視画像を表示することができる。
【0048】
重ね合わせ処理(S216〜S220)の処理時間は、3Dモデルデータを多視点からレンダリングしてIP画像を生成する処理(ステップS100〜S104)をリアルタイムに行う場合に比べて非常に高速であるため、ユーザ入力に対する表示内容の更新遅延を防ぐことができる。また、サブピクセル単位で重ね合わせを行うことにより滑らかな運動視差を実現し、立体映像の画質向上も実現している。
【0049】
以上詳述した本発明は、処理性能の低い立体視画像生成装置でも、サブピクセルレベルの分解能を持つ高光線密度の立体映像によるインタラクティブコンテンツの動作を可能にするものである。産業応用としては、ゲームなどのエンタテインメント用途や、携帯端末上のアプリケーション、カーナビゲーション、タッチパネルなど、様々な用途において高画質かつインタラクティブな立体映像を表示し、臨場感やユーザビリティを向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】IP方式の模式図である。
【図2】仮想空間におけるCGモデルと仮想視点を示す図である。
【図3】ピクセル単位の光線方向を持つ場合のIP画像の生成方法を示す図である。
【図4】サブピクセル単位の光線方向を持つ場合のIP画像の生成方法を示す図である。
【図5】IP画像の生成処理を示すフローチャートである。
【図6】スプライト方式の模式図である。
【図7】IPスプライトの生成処理を示すフローチャートである。
【図8】スプライトの生成処理を説明するフローチャートである。
【図9】1チャンネルの透明度を持つ場合のIPスプライトの重ね合わせを示す図である。
【図10】実施例1における3チャンネルの透明度を持つIPスプライトの重ね合わせを示す図である。
【図11】実施例1における立体画像生成装置、及び立体視画像表示装置の構成を示すブロック図である。
【図12】実施例1におけるインタラクティブコンテンツにおける立体視画像の重ね合わせ処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0051】
1…フラットパネルディスプレイ(FPD)
2…レンズアレイ
6…立体視画像生成装置
10…レンズ
40…立体視画像表示装置
44…立体視画像表示部
46…制御部
48…記憶部
56…IPスプライト記憶部
57…RGB情報記憶部
58…アルファ情報記憶部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部と記憶部とを有する画像生成装置における立体視画像生成方法であって、
前記記憶部は、画像を立体的に表示するための立体視画像として、複数のカラーチャンネルの輝度情報、および前記複数のカラーチャンネル各々に対する複数の透明度情報を記憶しており、
前記制御部は、前記立体視画像を表示するための制御情報に応じて、前記記憶部に記憶された、前記カラーチャンネルの前記輝度情報と前記透明度情報を用い、重ね合わせ処理を行う、
ことを特徴とする立体視画像生成方法。
【請求項2】
請求項1に記載の立体視画像生成方法であって、
前記複数のカラーチャンネルは、赤(R)緑(G)青(B)の3つのチャンネルである、
ことを特徴とする立体視画像生成方法。
【請求項3】
請求項1に記載の立体視画像生成方法であって、
前記複数のカラーチャンネルの前記輝度情報と前記透明情報は、インテグラルフォトグラフィ形式のスプライト(IPスプライト)である、
ことを特徴とする立体視画像生成方法。
【請求項4】
請求項1に記載の立体視画像生成方法であって、
前記複数のカラーチャンネルの前記輝度情報及び前記透明情報は、オブジェクトの相異なる複数の視点からの画像に対応する、
ことを特徴とする立体視画像生成方法。
【請求項5】
立体視画像を生成する立体視画像生成装置であって、
制御部と記憶部とを有し、
前記記憶部は、画像を立体的に表示するための立体視画像として、赤(R)緑(G)青(B)の3つのカラーチャンネルの輝度情報、および前記カラーチャンネル各々に対応する3つの透明度情報を記憶しており、
前記制御部は、前記立体視画像を表示するための制御情報に応じて、前記記憶部に記憶された、前記カラーチャンネル毎の前記輝度情報と前記透明度情報を用い、重ね合わせ処理を行う、
ことを特徴とする立体視画像生成装置。
【請求項6】
請求項5に記載の立体視画像生成装置であって、
前記3つのカラーチャンネルの前記輝度情報と前記透明情報は、インテグラルフォトグラフィ形式のスプライト(IPスプライト)である、
ことを特徴とする立体視画像生成装置。
【請求項7】
請求項6に記載の立体視画像生成装置であって、
前記制御部は、
入力情報に基づき、前記記憶部から前記IPスプライトを選択する画像選択部と、
前記画像選択部で選択された前記IPスプライトを、前記カラーチャンネル毎に重ね合わせして合成IP画像を得る重ね合わせ処理部と、
前記重ね合わせ処理部によって得られた前記合成IP画像を出力する画像出力部と、
を有することを特徴とする立体視画像生成装置。
【請求項8】
立体視画像を表示する立体視画像表示装置であって、
制御部と記憶部とを有し、
前記記憶部は、画像を立体的に表示するため、赤(R)緑(G)青(B)の3つのカラーチャンネルの輝度情報および各チャンネルに対応する3チャンネルの透明度情報を保持しており、
前記制御部は、
立体視画像を表示するためのアプリケーションの制御情報に応じて、前記カラーチャンネルごとに前記輝度情報及び透明度情報を用いた重ね合わせ処理を行い、前記立体視画像を生成する立体視画像生成装置と、
前記立体視画像生成装置が生成した前記立体視画像を表示する立体視画像表示部と、
からなることを特徴とする立体視画像表示装置。
【請求項9】
請求項8に記載の立体視画像表示装置であって、
前記立体視画像生成装置における、前記3つのカラーチャンネルの前記輝度情報と前記透明情報は、インテグラルフォトグラフィ形式のスプライト(IPスプライト)である、
ことを特徴とする立体視画像表示装置。
【請求項10】
請求項9に記載の立体視画像表示装置であって、
前記立体視画像表示部は、
生成された前記立体視画像を表示する、RGBの3つのサブピクセルで1ピクセルを構成する形式のフラットパネルディスプレイと、
偏向光学素子群とからなる、
ことを特徴とする立体視画像表示装置。
【請求項1】
制御部と記憶部とを有する画像生成装置における立体視画像生成方法であって、
前記記憶部は、画像を立体的に表示するための立体視画像として、複数のカラーチャンネルの輝度情報、および前記複数のカラーチャンネル各々に対する複数の透明度情報を記憶しており、
前記制御部は、前記立体視画像を表示するための制御情報に応じて、前記記憶部に記憶された、前記カラーチャンネルの前記輝度情報と前記透明度情報を用い、重ね合わせ処理を行う、
ことを特徴とする立体視画像生成方法。
【請求項2】
請求項1に記載の立体視画像生成方法であって、
前記複数のカラーチャンネルは、赤(R)緑(G)青(B)の3つのチャンネルである、
ことを特徴とする立体視画像生成方法。
【請求項3】
請求項1に記載の立体視画像生成方法であって、
前記複数のカラーチャンネルの前記輝度情報と前記透明情報は、インテグラルフォトグラフィ形式のスプライト(IPスプライト)である、
ことを特徴とする立体視画像生成方法。
【請求項4】
請求項1に記載の立体視画像生成方法であって、
前記複数のカラーチャンネルの前記輝度情報及び前記透明情報は、オブジェクトの相異なる複数の視点からの画像に対応する、
ことを特徴とする立体視画像生成方法。
【請求項5】
立体視画像を生成する立体視画像生成装置であって、
制御部と記憶部とを有し、
前記記憶部は、画像を立体的に表示するための立体視画像として、赤(R)緑(G)青(B)の3つのカラーチャンネルの輝度情報、および前記カラーチャンネル各々に対応する3つの透明度情報を記憶しており、
前記制御部は、前記立体視画像を表示するための制御情報に応じて、前記記憶部に記憶された、前記カラーチャンネル毎の前記輝度情報と前記透明度情報を用い、重ね合わせ処理を行う、
ことを特徴とする立体視画像生成装置。
【請求項6】
請求項5に記載の立体視画像生成装置であって、
前記3つのカラーチャンネルの前記輝度情報と前記透明情報は、インテグラルフォトグラフィ形式のスプライト(IPスプライト)である、
ことを特徴とする立体視画像生成装置。
【請求項7】
請求項6に記載の立体視画像生成装置であって、
前記制御部は、
入力情報に基づき、前記記憶部から前記IPスプライトを選択する画像選択部と、
前記画像選択部で選択された前記IPスプライトを、前記カラーチャンネル毎に重ね合わせして合成IP画像を得る重ね合わせ処理部と、
前記重ね合わせ処理部によって得られた前記合成IP画像を出力する画像出力部と、
を有することを特徴とする立体視画像生成装置。
【請求項8】
立体視画像を表示する立体視画像表示装置であって、
制御部と記憶部とを有し、
前記記憶部は、画像を立体的に表示するため、赤(R)緑(G)青(B)の3つのカラーチャンネルの輝度情報および各チャンネルに対応する3チャンネルの透明度情報を保持しており、
前記制御部は、
立体視画像を表示するためのアプリケーションの制御情報に応じて、前記カラーチャンネルごとに前記輝度情報及び透明度情報を用いた重ね合わせ処理を行い、前記立体視画像を生成する立体視画像生成装置と、
前記立体視画像生成装置が生成した前記立体視画像を表示する立体視画像表示部と、
からなることを特徴とする立体視画像表示装置。
【請求項9】
請求項8に記載の立体視画像表示装置であって、
前記立体視画像生成装置における、前記3つのカラーチャンネルの前記輝度情報と前記透明情報は、インテグラルフォトグラフィ形式のスプライト(IPスプライト)である、
ことを特徴とする立体視画像表示装置。
【請求項10】
請求項9に記載の立体視画像表示装置であって、
前記立体視画像表示部は、
生成された前記立体視画像を表示する、RGBの3つのサブピクセルで1ピクセルを構成する形式のフラットパネルディスプレイと、
偏向光学素子群とからなる、
ことを特徴とする立体視画像表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−147508(P2009−147508A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−320738(P2007−320738)
【出願日】平成19年12月12日(2007.12.12)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月12日(2007.12.12)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
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