説明

端子接続構造体および表示装置

【課題】端子間ピッチの微細化にも対応でき、且つ、電気的接続に係る高い信頼性を確保することができる端子接続構造体、および当該端子接続構造体を含む表示装置を提供する。
【解決手段】表示パネル部における基板100には、複数の端子1211が設けられている。また、フレキシブル配線基板にも、その配線基板本体320の主面に複数の配線端子321が設けられている。ここで、基板100の端子1211の各々の主面上には、フレキシブル配線基板に向けて突起122が突設されている。端子1211と配線端子321とは、端子1211の主面上に突設された複数の突起122の各頂部分が配線端子321に当接することにより、電気的な接続が図られている。そして、基板100と配線基板本体320とは、その間に介挿された接着層40により固着されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極端子接続構造体および表示装置に関し、特に表示パネル部の端子と駆動制御部との接続に係る構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示装置やプラズマ表示装置に代表されるフラットパネルタイプの表示装置が広く普及してきている。そして、次世代のフラットパネル表示装置として、エレクトロルミネッセンス効果を利用した有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置が開発・研究されている。
ところで、表示装置は、画像を表示する表示パネル部と、これを制御駆動する駆動制御部とが、接続された構成を有する。表示パネル部と駆動制御部との接続には、例えば、フレキシブル配線基板などが用いられている(例えば、特許文献1,2を参照)。従来技術に係る表示パネル部とフレキシブル配線基板との接続構造について、図18を用い説明する。
【0003】
図18に示すように、従来技術に係る表示装置では、表示パネル部90の略中央部分に表示部901が設けられており、この周囲における基板900の主面上に複数の引き出し端子921,941,・・・が列設されている。各引き出し端子921,941,・・・は、表示部901から延出されており、基板900の縁部分に至るまでの領域に設けられている。各引き出し端子921,941,・・・に対しては、フレキシブル配線基板96〜99が接続されている。
【0004】
フレキシブル配線基板96〜99の各他方には、駆動回路(ドライバIC)が接続され、さらにその先には、制御回路が接続されている(図示を省略)。なお、完成後の表示装置においては、フレキシブル配線基板96〜99は、X軸あるいはY軸周りに曲げられることもある。
図18の拡大部分に示すように、フレキシブル配線基板97は、フレキシブル性を有した配線基板本体970と、当該配線基板本体970の下側主面に列設された複数の配線端子971とを有し構成されている。配線基板本体970上の配線端子971は、表示パネル部90の各引き出し端子921に対応して設けられている。
【0005】
図18の拡大部分に示すように、基板900と配線基板本体970とは、間に介挿された接着層940により機械的に接合されている。接着層940は、異方導電性接着剤が固化されたものであって、導電性粒子940aが分散した状態で含まれている。そして、基板900に設けられた引き出し端子921と、配線基板本体970に設けられた配線端子971とは、接着層940中に含まれる導電性粒子940aに介在により、互いに電気的に接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−271069号公報
【特許文献2】特開2004−096047号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来技術に係る端子接続構造体では、表示装置の更なる高精細化や狭額縁化に伴い端子間ピッチがより狭くなった場合や端子長さが短くなった場合などに、導電性粒子940aの分布密度などにより隣接端子間での短絡を招くことが考えられる。あるいは、逆に端子間の接合ができないような状況が生じ得ることも考えられる。
さらに、異方導電性接着剤を用い端子間接続を図る場合には、その固化のために約150[℃]以上の温度で加熱しなければならず、例えば、表示パネル部90に含まれる微細な発光素子にダメージを与える危険性もある。特に、有機EL材料を用い構成される有機EL素子を備える有機EL表示装置においては、深刻な問題となる。
【0008】
本発明は、上記問題の解決を図ろうとなされたものであって、更なる高精細化および狭額縁化などに起因する端子間ピッチの微細化および端子長さの短小化にも対応でき、且つ、電気的接続に係る高い信頼性を確保することができる端子接続構造体、および当該端子接続構造体を含む表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記目的を達成するために、次の構成を採用する。
本発明に係る端子接続構造体は、第1の基板および第2の基板の各々の主面に並設された複数の端子同士が、電気的に接続されている構造である。そして、第1の基板に設けられた複数の端子の少なくとも一部には、各主面から第2の基板の端子に向けて突起が突設されている。本発明に係る端子接続構造では、第1の基板における上記一部の端子は、第2の基板の端子に対し、突起の頂部分での当接により電気的な接続がなされている、ことを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る表示装置では、外縁部に複数の引き出し端子が形成されてなる表示パネル部と、表示パネル部における複数の引き出し端子の各々に対し電気的に接続される複数の接続端子を有する駆動制御回路部とを有する表示装置であって、複数の引き出し端子と複数の接続端子との接続には、上記本発明に係る端子接続構造体が採用されている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
上記のように、本発明では、第1の基板の端子主面から複数の突起を突設させ、当該突起の頂部分を第2の基板の端子に当接させることにより、互いの間の電気的な接続を図る構造を採用している。このため、上記従来技術に係る端子接続構造体のように異方導電性接着剤を用いる場合のように、導電性粒子の分散濃度などによる隣接端子間での短絡を生じることがない。表示装置における高精細化や狭額縁化の要望に伴い、端子間ピッチが狭い場合および端子長さが短くなった場合においては、本発明の構成を採用することが特に効果的である。
【0012】
また、本発明に係る端子接続構造体および表示装置では、端子間の電気的な接続を上記突起の頂部分での当接によりなされるので、異方導電性接着剤を用いる必要はない。第1の基板と第2の基板との接合は、クリップ等で機械的に互いを押圧する構造を用いて行うこともできるし、常温硬化収縮性の接着剤(樹脂)や紫外線(UV)硬化収縮性の接着剤(樹脂)を用いて行うこともできる。よって、本発明に係る端子接合構造および表示装置では、基板に形成された微細な回路や、表示装置における発光素子にダメージを与えることがない。特に、有機EL素子を含む表示装置に本発明を適用する場合には、端子接続の際に有機EL素子にダメージを与えることがない。
【0013】
上記本発明に係る端子接続構造体およびこれを用いた表示装置では、次のようなバリエーションを採用することができる。
上記本発明に係る端子接続構造体では、第1の基板と第2の基板との間に、少なくとも一部に接着層が介挿されている、という構成を採用することができる。上記のように、第1の基板と第2の基板との接合には、クリップ等を用いた機械的な構造を採用することもできるが、製造の容易さ、および接合の確実性などの観点から接着層を介在させる構造が優れる。そして、上記のように、接着層は、常温硬化収縮性を有する樹脂材料または紫外線硬化収縮性を有する樹脂材料を用い形成されている、という構成を採用することができる。
【0014】
また、上記本発明に係る端子接続構造体では、第1の基板の一部端子の主面から突設された複数の突起の各々が、一方の基板の主面に沿った断面方向において、円形または多角形の外周形状を有する、という構成をとることができる。ただし、外周形状については、前述の形状に限定されない。
また、上記本発明に係る端子接続構造体では、第1の基板において、前記複数の端子の全てに突起が設けられている、という構成を採用することができる。このような構成を採用することにより、第1に基板の端子と第2の基板の端子との間の電気的な接続信頼性を高く保持することができる。
【0015】
また、上記本発明に係る端子接続構造体では、上記第1の基板において、一つの端子につき3箇所、あるいは5箇所以上の突起が設けられている、という構成を採用することができる。上記従来技術に係る端子接続構造体のように、異方導電性接着剤を用いる場合と比べ、接続ピッチが狭ピッチとなった場合においても、3箇所、あるいは5箇所以上の突起の頂部分での接続を図ることができるので、接続部分での電気抵抗を低減することができる、という観点から望ましい。
【0016】
また、上記本発明に係る表示装置では、表示パネル部に、2次元配列された複数の発光素子が含まれ、複数の発光素子の各々が、2電極間に有機発光層が挿設された構成を有しているという構成を採用することができる。この場合において、複数の引き出し端子が、電流供給用の電源端子と、信号用の信号端子とから構成されているものであり、突設された部分が、電源端子あるいはこれと接続される接続端子に少なくとも形成されている、という構成を採用することができる。このように、電流供給のための電源端子に本発明に係る接続構造体を採用する場合には、接続に係る端子間での電気抵抗の低減という観点から特に優位である。
【0017】
また、上記本発明に係る表示装置では、表示パネル部における引き出し端子の少なくとも一部において、導電性を有する端子ベースの表面に、突起と相似形状のコア部が形成され、当該コア部の表面を覆う状態に導電性を有する殻部が形成されている、という構成を採用することができる。ここで、殻部は、端子ベースに電気的に接続されているものであって、このコア部と殻部との組み合わせにより上記突起が形成されている、という構成とすることができる。上記突起については、端子の一部を隆起させることによっても形成することができるが、製造時の簡易性という観点から上記構成を採用することが望ましい。
【0018】
ここで、上記コア部は、無機材料を用い形成することもできるし、有機材料を用い形成することもできる。
また、表示パネル部において、TFT基板上に複数の発光素子が2次元配列されており、TFT基板と複数の発光素子との間には、平坦化膜が介挿されているという構成を有する場合に、上記コア部を、平坦化膜と共通の材料を用いて形成する、ということができる。このような構成を採用すれば、突起を形成するために、別途の工程を介挿する必要がなく、製造時における工数、および製造コストという観点から優位である。
【0019】
さらに、上記構成を採用する場合には、殻部が、有機発光層を挟む2電極の内の一方と共通の材料を用いて形成されている、という構成を採用することができる。このようにすることでも、製造時における工数、および材料コストという観点から優位である。
また、上記本発明に係る表示装置では、複数の発光素子がバンクによりそれぞれが規定されている場合において、上記コア部が、バンクと共通の材料を用いて形成されている、という構成を採用することができる。このような構成を採用することによっても、製造時における工数、および材料コストという観点で優位である。また、上記において、殻部が、2電極の内、有機発光層よりも積層方向上側にある電極と共通の材料を用いて形成されている、という構成を採用することが、より望ましい。
【0020】
また、上記本発明に係る表示装置では、上記第1の基板において、複数の端子の少なくとも一部に対応する箇所が隆起しており、当該隆起した部分の上に端子を構成する導電性皮膜が被覆されることにより、上記突起が主面から突設されてなる端子が形成されている、という構成を採用することができる。例えば、ナノインプリント法やフォトリソ法などにより基板の主面上に凹凸を設け、その突起部分の表面に導電性皮膜を被覆することでも、複数の突起が主面から突設された端子を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施の形態1に係る表示装置1の全体構成を示すブロック図である。
【図2】表示パネル部10と配線基板31〜34との接続構造を示す模式斜視図である。
【図3】表示パネル部10の要部を示す模式断面図である。
【図4】表示パネル部10における端子121の配置構成を示す模式平面図である。
【図5】(a)は、表示パネル部10における突起122の構成を示す模式断面図であり、(b)は、表示パネル部10と配線基板32との接続構造を示す模式断面図である。
【図6】(a)〜(d)は、表示パネル部10における突起部122の形成工程を順に示す模式断面図である。
【図7】(a)〜(d)は、表示パネル部10における突起部122の形成工程を順に示す模式断面図である。
【図8】変形例1に係る表示装置の構成の内、表示パネル部と配線基板との接続構造を示す模式断面図である。
【図9】変形例2に係る表示装置の構成の内、表示パネル部と配線基板との接続構造を示す模式断面図である。
【図10】変形例3に係る表示装置の構成の内、表示パネル部における突起162の構成を示す模式斜視図(一部断面図)である。
【図11】(a)〜(d)は、変形例4に係る表示装置の製造工程の内、特に表示パネル部における突起部の形成工程を順に示す模式断面図である。
【図12】(a)および(b)は、変形例4に係る表示装置の製造工程の内、表示パネル部における突起部の形成工程を順に示す模式断面図である。
【図13】(a)は、変形例5に係る表示装置の構成の内、表示パネル部における基板800の構成を示す模式断面図であり、(b)は、端子の構成を示す模式断面図である。
【図14】(a)および(b)は、変形例6に係る表示装置の製造工程の内、表示パネル部における突起部の形成の途中の工程を示す模式断面図であり、(c)は、表示パネル部における突起部の構成を示す模式断面図である。
【図15】(a)は、実施の形態2に係るプリント基板150と配線基板との接続に係る構造を示す模式断面図であり、(b)は、変形例7のプリント基板150と配線基板との接続に係る構造を示す模式断面図である。
【図16】変形例8に係るプリント基板150と配線基板との接続に係る構造を示す模式断面図である。
【図17】変形例9に係るプリント基板750と配線基板との接続に係る構造を示す模式断面図である。
【図18】従来技術に係る表示パネル部90と配線基板96〜99との接続構造を示す模式斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下では、本発明を実施するための最良の形態について、例を用い説明する。
なお、以下の説明で用いる実施の形態は、本発明の構成および作用・効果を分かりやすく説明するために用いる例であって、本発明は、その本質的な特徴部分以外に何ら以下の形態に限定を受けるものではない。
[実施の形態1]
1.表示装置1の全体構成
本実施の形態に係る表示装置1の全体構成について、図1を用い説明する。
【0023】
図1に示すように、表示装置1は、表示パネル部10と、これに接続された駆動制御部20とを有し構成されている。表示パネル部10は、エレクトロルミネッセンス効果を利用した有機ELパネルであり、駆動制御部20は、4つの駆動回路21〜24と制御回路25とから構成されている。
また、表示装置1では、表示パネル部10と各駆動回路21〜24との接続に、フレキシブル配線基板31〜34が介挿されている。なお、図1では、表示パネル部10と駆動制御部20とを平面上に配列した状態で示しているが、実際の表示装置1では、表示パネル部10に対する駆動制御部20の配置については、これに限られない。
【0024】
2.表示パネル部10とフレキシブル配線基板31〜34の接続
次に、表示パネル部10とフレキシブル配線基板31〜34との接続構造について、図2を用い説明する。
図2に示すように、表示パネル部10は、矩形平板状の基板100をベースに形成されている。図2に示すように、表示パネル部10には、表示部101が形成されている(図2における二点鎖線で囲む部分)。表示部101は、基板100の略中央部分に設けられており、基板100における四つの縁部分には、それぞれの外方に向けて端子121,141,・・・が延設されている。
【0025】
表示パネル部10には、端子121,141,・・・に対してフレキシブル配線基板31〜34が接続されている。図2の拡大部分に示すように、フレキシブル配線基板32は、配線基板本体320の下側主面(基板100に向き合う側の主面)に、表示パネル部10の端子121に対応して複数の配線端子321が敷設されている。
表示パネル部10における端子121の各々には、その上側主面(フレキシブル配線基板32の配線端子321に向き合う主面)に、複数の突起122が突設されている。表示装置1では、端子121上に突設された複数の突起122の頂部が、フレキシブル配線基板32の配線端子321に当接することにより、互いに電気的な接続が図られている。
【0026】
なお、基板100と配線基板本体320との間には、絶縁性を有する接着層40が介挿されており、当該接着層40の介挿により、基板100と配線基板本体320とが機械的に接合されている。
表示パネル部10における他の端子141,・・・と各々に対応するフレキシブル配線基板31,33,34との接続についても、上記同様の構成を採用している。端子121,141,・・・の上に設けられた突起122,・・・およびフレキシブル配線基板31〜34との接続構造については、後述する。
【0027】
3.表示部101の内部構造
ここで、表示パネル部10における表示部101の内部構造について、図3を用い説明する。図3では、表示パネル部10における表示部101に含まれる複数のサブピクセルの一つを抜き出して、模式的に示している。
図3に示すように、基板100におけるZ軸方向上側主面上には、TFT回路が形成されている。具体的には、基板100上のTFT回路は、ゲート111、ドレイン112、ソース113、ゲート絶縁膜114からなる薄膜トランジスタ110を含み構成されている。なお、図3では、TFT回路を模式的に示しており、その全体については、図示を省略している。ここで、基板100は、例えば、ソーダガラス、無蛍光ガラス、燐酸系ガラス、硼酸系ガラス、石英、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエチレン、ポリエステル、シリコン系樹脂、あるいはアルミナなどの絶縁性材料等をベースとして形成されている。
【0028】
基板100上に形成されたTFT回路は、パッシベーション膜115および平坦化膜120により被覆されている。平坦化膜120は、例えば、アクリル系樹脂材料から形成されている。
平坦化膜120上には、各サブピクセルに対応する箇所毎に、アノード131が形成されている。アノード131は、例えば、Ag(銀)や、APC(銀とパラジウムと銅との合金)、ARA(銀とルビジウムと金との合金)、MoCr(モリブデンとクロムとの合金)、NiCr(ニッケルとクロムとの合金)などを用い形成されており、光の反射層としての機能も有する。
【0029】
アノード131は、コンタクトプラグにより薄膜トランジスタ110のソース113に接続されている。
平坦化膜120の主面上には、アノード131の端部に被る状態で、バンク132が形成されている。バンク132は、紙面に垂直な方向に延びるライン状、あるいは、各アノード131の周囲を囲む状態の井桁状に形成されている。バンク132は、例えば、ポリイミド、アクリル系樹脂、ノボラック型フェノール樹脂などの絶縁性有機材料などを用い形成されている。
【0030】
アノード131を底面とし、両側がバンク132の斜面により囲まれた凹部内には、発光積層体133が形成されている。発光積層体133は、具体的に、Z軸方向下側から順に、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子注入輸送層が積層されてなるものである。なお、アノード131と正孔注入層との間には、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)が介挿されることもある。
【0031】
正孔注入層は、例えば、PEDOT(ポリチオフェンとポリスチレンスルホン酸との混合物)などの導電性ポリマー材料や、WO(酸化タングステン)またはMoWO(モリブデン−タングステン酸化物)などの金属酸化物、あるいは金属窒化物または金属酸窒化物を用い形成されている。
発光層は、例えば、特開平05−163488号公報に開示された材料を用い形成されている。具体的には、オキシノイド化合物、ペリレン化合物、クマリン化合物、アザクマリン化合物、オキサゾール化合物、オキサジアゾール化合物、ペリノン化合物、ピロロピロール化合物、ナフタレン化合物、アントラセン化合物、フルオレン化合物、フルオランテン化合物、テトラセン化合物、ピレン化合物、コロネン化合物、キノロン化合物およびアザキノロン化合物、ピラゾリン誘導体およびピラゾロン誘導体、ローダミン化合物、クリセン化合物、フェナントレン化合物、シクロペンタジエン化合物、スチルベン化合物、ジフェニルキノン化合物、スチリン化合物、ブタジエン化合物、ジシアノメチレンピラン化合物、ジシアノメチレンチオピラン化合物、フルオレセイン化合物、ピリリウム化合物、チオピリリウム化合物、セレナピリリウム化合物、テルロピリリウム化合物、芳香族アルダジエン化合物、オリゴフェニレン化合物、チオキサンテン化合物、アンスラセン化合物、シアニン化合物、アクリジン化合物、8−ヒドロキシキノリン化合物の金属鎖体、2,2‘−ビピリジン化合物の金属鎖体、シッフ塩とIII族金属との鎖体、オキシン金属鎖体、希土類鎖体などの蛍光物質を用い形成されている。
【0032】
電子注入輸送層は、例えば、バリウム、フタロシアニン、フッ化リチウム、あるいは、これらを組み合わせた材料を用い形成されている。
発光積層体133およびバンク132の表面は、カソード134により覆われている。カソード134は、例えば、ITO(酸化インジウムスズ)、IZO(酸化インジウム亜鉛)などを用い形成されている。アノード131からカソード134までの積層構造により、各発光素子部(サブピクセル)130が構成されている。
【0033】
なお、図3では、図示を省略しているが、図3に示すカソード134上には、封止層が積層されており、その上からガラス基板単体、またはカラーフィルタ層が付いたガラス基板を積層することもある。ここで、封止層は、発光積層体133に対し水分が浸入することを抑制する機能を有する層であり、例えば、SiN(窒化シリコン)、SiON(酸窒化シリコン)などを用い形成されている。
【0034】
4.表示パネル部10における端子121,141,・・・の構造
表示パネル部10における端子121,141,・・・の構造について、図4を用い説明する。図4は、表示パネル部10における複数の端子121が敷設された基板100の縁部分を平面視した図である。
図4に示すように、表示装置1における表示パネル部10では、端子121は電力供給用電源端子1211と信号入力用の信号端子1212との組み合わせにより構成されている。そして、突起122は、全ての端子121の上に突設されていることが望ましいが、少なくとも電源端子1211上に突設されていればよい。これは、エレクトロルミネッセンス効果を利用した有機ELパネルである表示パネル部10では、発光駆動に際して数百[mA]程度の電流を電源端子1211に流す必要があり、このために確実に電気抵抗を低く抑えることが必要となるからである。なお、信号端子1212においても突起122を突設形成することが望ましい。
【0035】
図4に示すように、表示パネル部10における端子121は、複数の電源端子1211と複数の信号端子1212との組み合わせによりグループ化されており(グループA1,A2,・・・)、各グループ毎に駆動回路21〜24におけるドライバICに対し接続されることになる。
なお、電源端子1211の幅は、例えば100〜200[μm]程度であり、信号端子1212の幅は、例えば、20〜50[μm]である。また、Y軸方向における端子121の延出量は、例えば、2.0〜3.5[mm]程度であり、信号端子1212のピッチ(ライン・アンド・スペース)については、例えば、50〜80[μm]程度である。
【0036】
隣接する電源端子1211同士の隙間は、例えば、20〜40[μm]程度である。
さらに、端子121上における突起122の形成数については、図4では、模式的に一つの端子121に対して12個としているが、少なくとも5個以上であればよく、10個以上とすることが望ましい。
表示パネル部10における他の端子141,・・・の構造についても、同様である。
【0037】
5.突起122の構造
表示パネル部10における端子121上に設けられた突起122の構造と、配線端子321との接続構造について、図5を用い説明する。
図5(a)に示すように、突起122は、電源端子(以下では、単に「端子」と記載する。)1211のZ軸方向上側主面において、互いに間隔をあけた状態で半球状に形成されている。図5(a)の拡大部分に示すように、突起122は、突起コア部1221と突起殻部1222との組み合わせにより構成されている。具体的には、突起コア部1221は、突起122の形状と相似の半球状をしており、突起殻部1222は、その表面を被覆し、且つ、端子1211に電気的に接続された状態で形成されている。ここで、突起コア部1221については、導電性材料を用いることも、絶縁性材料を用いることもできる。
【0038】
なお、端子1211上の複数の突起122については、互いの頂部までのZ軸方向高さがほぼ等しくなるように形成されている。
また、図5(a)では、突起コア部1221毎に突起殻部1222を設ける構成を採用し、突起122同士が分離された形態を一例としているが、必ずしも、突起122同士が分離されている必要はなく、端子121単位で突起122が連続した状態に構成されていてもよい。
【0039】
図5(b)に示すように、表示パネル部10とフレキシブル配線基板32との接続は、端子1211を含む基板100の外縁部にフレキシブル配線基板32を覆い被さる状態に配する。このとき、基板100と配線基板本体320との間には、接着層40を形成するための接着剤を充填させておく。ただし、電気接続の確実を図るべく、突起122の頂部分は、接着剤が被覆しないようにしておくことが望ましい。
【0040】
なお、突起122の形状については、図5(a)、(b)では一例として半球状としているが、これに限らず、円柱状あるいは多角形断面の柱状、さらには円錐状、角錐状、円錐台状、角錐台状などのものを採用することもできる。また、突起122の断面サイズおよび高さなどについては、10[μm]以下とすることが現実的に望ましい。
基板100と配線基板本体320との接合では、突起122の頂部分と配線端子321との間に隙間を生じないように押圧した状態で、間に介挿させた接着剤を固化させることでなされる。このとき、配線基板本体320は、フレキシブル性を有するので、図5(b)に示すように波型になることもある(B領域)。
【0041】
接着層40を形成するための材料としては、例えば、常温固化性の樹脂材料や、紫外線(UV)硬化性の樹脂材料を用いることができる。このため、本実施の形態に係る表示装置1の製造においては、端子間接続のために高い温度で加熱したり、超音波を印加したりする必要がなく、既に形成されている発光素子部130に対してダメージを与えることがない。
【0042】
6.端子1211および突起122の形成
端子1211および突起122の形成方法について、図6(a)〜図6(d)および図7(a)〜図7(d)を用い説明する。なお、図6(a)〜図6(d)および図7(a)〜図7(d)では、表示パネル部10における端子121の内、電源端子1211とその上に形成される突起122の形成についてのみ図示するが、信号端子1212や、その上に突起を設ける場合についても、同様に行うことができる。
【0043】
図6(a)に示すように、平板状の基板100を準備する。基板100は、上記のように、ガラスや樹脂材料から構成されている。
次に、図6(b)に示すように、基板100のZ軸方向上側の主面に端子1211を形成する。この端子1211は、表示部101においては、TFT回路に繋がっている。図6(c)に示すように、端子1211を含む基板100の上を、平坦化膜120の形成と同一の工程で同一の材料により、平坦化準備層1226を形成する。
【0044】
図6(d)に示すように、平坦化準備層1226の上に所定パターンの開口500aを有するマスク500を形成し、フォトリソ法を用いパターニングする。なお、本実施の形態では、ポジレジストによるパターニングを一例として示すが、ネガレジストによるパターニングを行うことも勿論可能である。これより、図7(a)に示すように、表示部101における平坦化膜120と分断された突起コア部1221が複数形成されることになる。
【0045】
次に、図7(b)に示すように、平坦化膜120および突起コア部1221の表面全体を覆うように、アノード用メタル層1227を形成する。アノード用メタル膜1227は、上記のように、銀(Ag)などの導電性材料を用い形成される。
図7(c)に示すように、アノードメタル膜1227の上に所定パターンの開口501aを有するマスク501を形成し、フォトリソ法を用いパターニングする。この工程においても、一例としてポジレジストによるパターニングを採用している。これより、図7(d)に示すように、平坦化膜120上にはアノード131が形成され、端子部においては、突起コア部1221を覆うように突起殻部1222が形成されることで、突起部122が複数形成される。なお、突起殻部1222は、端子121と電気的に接続された状態となっている。
【0046】
以上のようにして、端子1211および突起122が完成する。
なお、図6(a)〜図6(d)および図7(a)〜図7(d)では、端子1211および突起122に関係する部分だけを抜き出して模式的に描いており、他の構成要素を省略している。
また、図7(c)などに示すように、本実施の形態においては、各突起122が各々独立し、突起コア部1221および突起殻部1222が隣接するこれらと分離された形態を一例としているが、必ずしも、突起殻部1222および突起コア部1221が隣接する突起122のこれらと分離している必要はなく、端子121単位で突起122の突起コア部1221および突起殻部1222が連続していてもよい。必ずしも分離独立した状態とする必要はなく、一つづきに形成することもできる。
【0047】
7.優位性
本実施の形態に係る表示装置1では、表示パネル部10とフレキシブル配線基板31〜34との接続に上記構造を採用しており、これにより次のような優位性を備える。
本実施の形態に係る表示装置1では、表示パネル部10とフレキシブル配線基板31〜34との接続において、隣接する端子121間での短絡を生じない。これは、本実施の形態に係る表示装置1での上記箇所の接続を、端子121の主面上に設けた突起122を用いて行っているので、従来技術に係る端子接続構造のように異方導電性接着剤を用いる場合とは異なり、隣接端子間での短絡を生じず、確実に端子接続を図ることが可能となる。特に、本実施の形態に係る端子接続構造を採用する場合には、表示パネル部10がより高精細化および狭額縁化される場合にも、これによる端子間ピッチの狭小化や端子長さの短小化に影響を受けず、高い接続性能を確保することができる。
【0048】
また、本実施の形態に係る表示装置1での端子接続構造では、端子間の接続に異方導電性接着剤を用いないので、固化時に高い温度を表示パネル部10にかける必要がなく、発光素子部130にダメージを与えることがない。なお、表示パネル部10の基板100とフレキシブル配線基板31〜34との接合には、樹脂材料の充填の他、クリップ等で機械的に互いを押圧する構造を用いて行うこともできる。
【0049】
なお、本実施の形態では、突起コア部1221を基板100とは別の材料、具体的には、平坦化膜120と共通の材料で形成することとしたが、例えば、ナノインプリント法などを用い基板そのものに凸部を形成することでも突起コア部を形成することができる。
[変形例1]
変形例1に係る端子接続構造について、図8を用い説明する。図8では、表示パネル部10における端子621と、フレキシブル配線基板32の配線基板本体320における配線端子321との接続に係る部分だけを抜き出して描いている。
【0050】
図8に示すように、本変形例1に係る端子接続構造では、フレキシブル配線基板の配線基板本体320における配線端子321に複数の突起622が突設されている。突起622は、上記実施の形態1に係る突起122と同様に、突起コア部と突起殻部との二層構造となっていてもよいし、図8に示すように、導電性材料からなる一層構造となっていてもよい。
【0051】
以上のように、変形例1に係る端子接続構造では、突起622の頂部分が基板100上の端子621に当接され、当該状態で隙間部分に樹脂材料などの絶縁性材料からなる接着層が介挿されることにより、互いの接続がなされる。
突起622の形成方法の具体例としては、例えば、配線端子321上に厚膜化したメタル膜を積層しておき、これを選択的にパターニングするという方法を採用することができる。また、配線端子321上に多層化した金属膜を積層しておき、これを選択的にパターニングするという方法を採用することもできる。
【0052】
なお、本変形例についても、突起622のサイズ、および形成個数は、上記実施の形態と同様とすることができる。また、上記実施の形態と同様の変更も可能である。
[変形例2]
変形例2に係る端子接続構造について、図9を用い説明する。図9では、表示パネル部10における端子721と、フレキシブル配線基板32の配線基板本体320における配線端子321との接続に係る部分だけを抜き出して描いている。
【0053】
図9に示すように、変形例2に係る基板700では、接続端子を形成する領域に複数の凹部700aが形成されている。そして、隣接する凹部700aと凹部700aとの間には、錐状の突起が残ることになる。このように凹部700aを形成された基板700の表面には、端子721がその表面に沿って形成され、表示パネル部における端子721が形成される。
【0054】
変形例2に係る端子接続構造では、端子721が基板700の凹凸に沿って形成されているため、隣接する凹部700aと凹部700aとの間に突設された部分が形成されることになる。本変形例2では、当該突設された部分の頂部分がフレキシブル配線基板の配線基板本体320に設けられた配線端子321に当接し、間に充填される接着層(図示を省略。)により接合が図られる。
【0055】
なお、基板700に設ける凹部の形状については、半球状や円柱状など、上記実施の形態1で例示した各形状を採用することができる。
[変形例3]
変形例3に係る端子構造について、図10を用い説明する。図10では、表示パネル部における基板100に設けられた端子1211と、その上に突設された突起162とを抜き出し、模式的に描いている。
【0056】
図10に示すように、本変形例に係る表示パネル部では、基板100上に平板短冊状の端子1211が複数形成されている点は、上記実施の形態1と同様である。本変形例3では、複数の半円断面の柱状をした突起コア部1621が形成されており、各端子1211に突起殻部1622としてのメタル薄膜が形成されている。本変形例3では、半円柱状の突起コア部1621とその表面に被覆された突起殻部1622との組み合わせを以って、突起162が構成されている。
【0057】
突起162は、各端子1211毎に5つ以上形成されていることが望ましく、サイズなどに関しては、上記実施の形態1と同様である。
このような形態を採用する場合においても、上記同様に確実な接続品質を有する。
[変形例4]
変形例4に係る突起122の形成方法について、図11(a)〜図11(d)および図12(a)〜図12(b)を用い説明する。なお、図11(a)〜図11(d)および図12(a)〜図12(b)においても、端子1211の形状および突起122の形状を模式的に描いている。
【0058】
図11(a)に示すように、主面上に端子1211が形成され、表示部101(Y軸方向左側部分)において、発光素子部130の構成要素の一部であるホール注入層1331が積層形成された基板100を準備する。次に、図11(b)に示すように、ホール注入層1331を含む基板100の表面全体を覆う状態に、バンク132の形成のためのバンク準備層1228を積層する。
【0059】
図11(c)に示すように、基板100の縁部分に相当する箇所に所定パターンの開口502aを有するネガレジストのマスク502を配する。この状態で、フォトリソ法を用いパターニングすることによって、図11(d)に示すように表示部101(Y軸方向左側)ではバンク132が形成され、基板100の縁部分では突起コア部1221が形成される。即ち、本変形例4に係る製造方法では、バンク132と同一の材料を以って、且つ、同一の工程において、突起コア部1221が形成される。
【0060】
図12(a)に示すように、所定パターンの開口503aを有するマスクを配してカソード形成のためのカソード準備膜をマスク成膜する。これにより、図12(b)に示すように、表示部101においてはカソード電極134が形成され、基板100の縁部分においては突起殻部1222が形成されることになり、突起122の形成が完了する。
以上のように、本変形例4に係る製造方法では、突起コア部1221を、バンク132と同時に形成し、突起殻部1222を、カソード134と同時に形成する。
【0061】
なお、本変形例では、突起122同士が互いに分離独立した状態で形成する方法を一例として説明したが、上述と同様に、必ずしも互いに分離独立した状態とする必要はなく、一つづきに形成することもできる。
[変形例5]
変形例5に係る端子821の突起821aの形成方法について、図13(a)および図13(b)を用い説明する。図13(a)および図13(b)においても、突起821aの形状を模式的に描いている。
【0062】
図13(a)に示すように、変形例5に係る製造方法では、ガラスからなる基板表面を、端子における突起を設けようとする箇所だけを突出させる(突起800a)。突起800aの形成は、例えば、ナノインプリント法を用いたり、レジストによるパターニングなどにより形成したりすることができる。
次に、図13(b)に示すように、突起800aを含む基板800の表面に導電性材料(例えば、メタル材料)を用い端子821を形成する。これにより、基板800における突起800aが設けられた箇所は、端子821における突起821aとなる。
【0063】
以上のようにして、複数の突起821aが設けられた端子821が完成する。
[変形例6]
変形例6に係る端子826の突起826aの形成方法について、図14(a)〜図14(c)を用い説明する。図14(a)〜図14(c)においても、突起826aの形状を模式的に描いている。
【0064】
図14(a)に示すように、ガラスからなる平板状の基板100を準備する。次に、図14(b)に示すように、基板100におけるZ軸方向上側主面に複数の突起コア部8221を形成する。突起コア部8221は、例えば、ガラス材料を用い、ナノインプリントにより形成することができる。
図14(c)に示すように、突起コア部8221を含む基板100の表面に導電膜を形成することにより、複数の突起826aを備える端子826が完成する。
[実施の形態2]
実施の形態2に係る端子接続構造について、図15(a)を用い説明する。実施の形態2では、プリント基板150と配線基板との端子接続構造に特徴を有する。
【0065】
図15(a)に示すように、プリント基板150のZ軸方向上側主面には、所定パターンの配線(端子)171が敷設されている。そして、プリント基板150には、複数の電子部品180が実装されている。配線171におけるY軸方向右側部分が、配線基板との接続に供される端子となる。
プリント基板150における縁部分では、配線171の主面上に複数の突起172が突設されている。突起172は、基本的に上記実施の形態1に係る突起122と同様、絶縁材料からなる突起コア部1771とその表面を被覆する突起殻部1772との二層構造を以って構成されている。突起172の形成方法については、上記同様である。
【0066】
プリント基板150の配線(端子)171と配線基板本体370に敷設された配線端子371とは、配線171上に突設された突起172の頂部分が配線端子371に当接することで、互いの電気的な接続が図られる。そして、図示を省略しているが、プリント基板150と配線基板本体370との間に接着層が介挿されることにより、互いの間の機械的な接合が図られる。
[変形例7]
変形例7に係る端子接続構造について、図15(b)を用い説明する。本変形例7においても、プリント基板150と配線基板との端子接続構造に特徴を有する。
【0067】
図15(b)に示すように、本変形例7では、プリント基板150上の配線173そのものの一部が隆起しており、当該部分が突設された状態となっている(突起173a)。配線173における突起173aは、例えば、予め厚膜形成したメタル膜に対し、突起173aを形成しようとする箇所を残しパターニングすることなどにより形成できる。
図15(b)に示すように、配線基板本体370の配線端子371に対して、配線173の突起173aの頂部分が当接し、当該状態で常温硬化性の樹脂材料、あるいは紫外線硬化性の樹脂材料を用い、基板150,370間を接合することで、上記同様に、互いの間の接合がなされる。
[変形例8]
変形例8に係る端子接続構造について、図16を用い説明する。本変形例8においても、プリント基板150と配線基板との端子接続構造に特徴を有する。
【0068】
図16に示すように、変形例8では、配線基板本体370のZ軸方向下側主面に配された配線端子371に複数の突起672が突設されている。
一方、プリント基板150上の配線671は、接続部分においても突起形成はなされていない。
図16に示すように、変形例8に係る端子接続構造では、配線基板本体370における配線端子371の突起672の頂部分が、プリント基板150の配線671に当接することで、互いの間の電気的な接続が図られる。本変形例においても、プリント基板150と配線基板本体370とは、図示を省略している接着層の介挿により機械的に接合される。
[変形例9]
変形例9に係る端子接続構造について、図17を用い説明する。本変形例9においても、プリント基板750と配線基板との端子接続構造に特徴を有する。
【0069】
図17に示すように、プリント基板750には、Y軸方向右側の縁部分に複数の凹部750aが形成されている。そして、プリント基板750上の配線771は、凹部750aの表面に沿う状態に敷設されており、隣り合う凹部750aと凹部750aとの間の部分が突設された状態となっている。本変形例8では、この複数の凹部750aの形成を以って、端子の突起を形成するものである。そして、配線基板本体370の配線端子371と配線771との接続は、凹部750aと凹部750aとの間に形成されることになる突出された部分の頂部分で当接されることによりなされる。
【0070】
プリント基板750と配線基板本体370とは、図示を省略している接着層の介挿により機械的に接合される。
[その他の事項]
上記実施の形態1および変形例1〜変形例6では、有機EL発光素子を備える表示パネル部10を備える表示装置1を一例として用いたが、本発明は、これ以外の表示装置、例えば、液晶表示装置やプラズマ表示装置などにも適用が可能である。
【0071】
また、上記で用いた各要素の構成材料等については、一例として示すものであり、本発明は、これに限定を受けるものではない。また、各要素のサイズなどについても、同様に限定を受けるものではない。
上記実施の形態1,2および変形例1〜6で一例を示す本発明の構成は、熱を掛けずに端子接続ができるので、特にフレキシブル基板を用いる際に有効である。
【0072】
また、上記実施の形態1,2および変形例2〜6などでは、突起コア部の上に導電性の突起殻部を被膜することによって突起を形成するので、例えば、金属材料だけから突起を形成する場合に比べて、弾性を有することになる。即ち、金属材料だけの場合には、圧力により一度潰れてしまうと形状は復元しないが、樹脂などの突起コア部を用いる本発明の場合には、当該突起コア部により元の形状に復元しようとする力が働くことになる。よって、接着剤が膨張した場合になどにおいても、本発明では、導通状態が維持され、導電性の確保という観点から、優れている。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、高精細な表示装置の製造において、発光素子部にダメージを与えることなく、狭小なピッチで配列された端子間の接続を確実に行うのに有用である。
【符号の説明】
【0074】
1.表示装置
10.表示パネル部
20.駆動制御部
21〜24.駆動回路
25.制御回路
31〜34.フレキシブル配線基板
40.接着層
100,700,750,800.基板
101.表示部
110.薄膜トランジスタ
111.ゲート
112.ドレイン
113.ソース
114.ゲート絶縁膜
115.パッシベーション膜
120.平坦化膜
121,141,721,821,826.端子
122,162,172,622,672.突起
130.発光素子部
131.アノード
132.バンク
133.発光積層体
134.カソード
150.プリント基板
171,173,671,771.配線
180.電子部品
320,370.配線基板本体
321,371.配線端子
500〜503.レジストマスク
1211.電源端子
1212.信号端子
1221,1621,1771,8221.突起コア部
1222,1622,1772.突起殻部
1226.平坦化準備層
1227.アノード準備層
1228.バンク準備層
1331.ホール注入層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の基板および第2の基板の各々の主面に並設された複数の端子同士が、電気的に接続される端子接続構造体であって、
前記第1の基板に設けられた複数の端子の少なくとも一部には、各主面から前記第2の基板の端子に向けて突起が突設されており、
前記第1の基板における前記一部の端子は、前記第2の基板の端子に対し、前記突起の頂部分での当接により電気的な接続が図られている
ことを特徴とする端子接続構造体。
【請求項2】
前記第1の基板と前記第2の基板との間には、少なくとも一部に接着層が介挿されている
ことを特徴とする請求項1に記載の端子接続構造体。
【請求項3】
前記接着層は、常温硬化収縮性を有する樹脂材料または紫外線硬化収縮性を有する樹脂材料を用い形成されている
ことを特徴とする請求項2に記載の端子接続構造体。
【請求項4】
前記突設された部分は、前記一方の基板の主面に沿った断面方向において、円形または多角形の外周形状を有する
ことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の端子接続構造体。
【請求項5】
前記第1の基板においては、前記複数の端子の全てにおいて、前記突起が設けられている
ことを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の端子接続構造体。
【請求項6】
外縁部に複数の引き出し端子が形成されてなる表示パネル部と、
前記表示パネル部における前記複数の引き出し端子の各々に対し電気的に接続される複数の接続端子を有する駆動制御回路部とを有する表示装置であって、
前記複数の引き出し端子と前記複数の接続端子との接続には、請求項1から5の端子接続構造体が採用されている
ことを特徴とする表示装置。
【請求項7】
前記表示パネル部は、2次元配列された複数の発光素子を有し、
前記複数の発光素子の各々が、2電極間に有機発光層が挿設された構成を有し、
前記複数の引き出し端子は、電流供給用の電源端子と、信号用の信号端子とから構成されているものであり、
前記突起は、前記電源端子あるいはこれと接続される前記接続端子に少なくとも形成されている
ことを特徴とする請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記表示パネル部における前記引き出し端子の少なくとも一部において、
導電性を有する端子ベースの表面に、突起形状のコア部が形成され、当該コア部の表面を覆う状態に導電性を有する殻部が形成されてなり、
前記殻部が前記端子ベースに電気的に接続されることにより、前記突起が形成されている
ことを特徴とする請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記コア部は、有機材料を用い形成されている
ことを特徴とする請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記表示パネル部では、TFT基板上に前記複数の発光素子が2次元配列されており、
前記TFT基板と前記複数の発光素子との間には、平坦化膜が介挿されており、
前記コア部は、前記平坦化膜と共通の材料を以って形成されている
ことを特徴とする請求項8または9に記載の表示装置。
【請求項11】
前記殻部は、前記2電極の内の一方と共通の材料を以って形成されている
ことを特徴とする請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】
前記複数の発光素子は、バンクによりそれぞれが規定されており、
前記コア部は、前記バンクと共通の材料を以って形成されている
ことを特徴とする請求項8または9に記載の表示装置。
【請求項13】
前記殻部は、前記2電極の内、前記有機発光層よりも積層方向上側にある電極と共通の材料を以って形成されている
ことを特徴とする請求項12に記載の表示装置。
【請求項14】
前記一方の基板では、前記複数の端子の少なくとも一部に対応する箇所が隆起しており、
前記隆起した部分の上に前記端子を構成する導電性皮膜が被覆されることにより、前記突起が形成されている
ことを特徴とする請求項7に記載の表示装置。
【請求項15】
前記一方の基板では、前記複数の端子の少なくとも一部に対応する箇所にディンプル状または溝状の凹部が形成されており、
前記凹部が形成された箇所の上に、前記端子を構成する導電性皮膜が被覆され、
前記導電性皮膜が被覆された状態において、隣接凹部間の山部分が、前記突起に相当する
ことを特徴とする請求項7に記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−9427(P2011−9427A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−150972(P2009−150972)
【出願日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】