説明

端子部構造

【課題】低コスト化を図ることができる端子部構造を提供する。
【解決手段】ボビン15より延出した端子固定部31の一側部側に、巻線22の一端が接続される第一端子61の一部をインサート成型し、他側部側に、巻線22の他端が接続される第二端子62の一部をインサート成型する。第一端子61及び第二端子62を平板状の共用部品101で構成する。共用部品101の一端部に、第一及び第二ヒュージング部71,81を構成するヒュージング部構成部111を設け、他端部に、第一及び第二端子接続部72,82を構成する端子接続部構成部131を設ける。各ヒュージング部のヒュージング部折曲方向211及び各端子接続部72,82の端子接続部折曲方向212が各端子61,62の厚み方向213となるように配設位置を設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボビンに設けられた端子部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、油圧回路において油圧を制御する際には、電磁弁が用いられており、このような電磁弁としては、図7及び図8に示すものが知られている。
【0003】
この電磁弁801内には、図7の(b)に示すように、ボビン802が収容されており、該ボビン802には、巻線803が巻回されるように構成されている。このボビン802は、樹脂成形されており、当該ボビン802の一端部には、図8にも示すように、+端子805と−端子806とが固定されている。
【0004】
図9は、前記+端子805を示す図であり、この+端子805の一端には、前記巻線803がヒュージングされるヒュージング部811が設けられている。該ヒュージング部811からは、側方へ向けて延出した側方延出部812が設けられており、該側方延出部812の端部からは、クランク部813を介して、下方へ向けて延出した端子接続部814が接続されている。
【0005】
この端子形状は、前記+端子805と前記−端子806とで異なる形状に形成されており、その一部が前記ボビン802にインサート成型されている。
【0006】
これにより、各端子805,806は、図8の(a)に示すように、一端に設けられた前記ヒュージング部811と、他端に設けられた前記端子接続部814とが異なる方向に延出するように構成されており、図7の(b)に示したように、前記ボビン802に巻線803を巻回してコイルを形成した後に、前記端子接続部814が設けられた他端側を、ボビン802の側部に折曲できるように構成されている。
【0007】
同様に、図8の(b)から(c)に示したように、前記巻線803を前記ヒュージング部811にヒュージングした後に、当該ヒュージング部811をボビン802側に折曲できるように構成されており、ヒュージング部811の側方への突出を防止できるように構成されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、このような端子部構造にあっては、前記+端子805でのヒュージング部811及び端子接続部814の延出方向と、前記−端子806でのヒュージング部811及び端子接続部814の延出方向とが異なっており、前記+端子805と前記−端子806とが勝手違いの形状に形成されている。
【0009】
このため、前記+端子805をプレス成形する為のプレス型と、前記−端子806をプレス成形する為のプレス型とがそれぞれ必要であった。
【0010】
これにより、端子の加工コストがかかってしまう。
【0011】
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、低コスト化を図ることができる端子部構造を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決するために本発明の端子部構造にあっては、ボビンに巻回された巻線の一端が接続される第一端子の一部と前記巻線の他端が接続される第二端子の一部とが前記ボビンにインサート成型され、該ボビンより延出した前記各端子の一端部に巻線接続部が設けられるとともに他端部に端子接続部が設けられ、前記ボビンに前記巻線を巻回した後に前記各端子の前記他端部側が前記ボビンに沿って折曲され、前記巻線を前記各端子の前記巻線接続部に接続した後に前記各端子の前記一端部側が折曲される端子部構造において、前記第一端子と前記第二端子とを平板形状に形成された共用部品で構成し、該共用部品の向きを変えて前記ボビンにインサート成型した状態で、前記各端子の各端部側の折曲方向が各端子の厚み方向となるように前記第一端子と前記第二端子との配設位置を設定した。
【0013】
すなわち、ボビンにインサート成型される第一端子と第二端子とは、平板形状に形成された共用部品で構成されており、この共用部品の向きを変えて前記ボビンにインサート成型することによって、前記第一端子と前記第二端子とが構成される。
【0014】
このとき、前記第一端子及び第二端子は、一端部側及び他端部側の折曲方向が各端子の厚み方向となるように、その配設位置が設定されている。
【0015】
このため、前記ボビンに巻線を巻回した後に前記各端子の他端部側を前記ボビンに沿って折曲する際、及び前記巻線を前記各端子の巻線接続部に接続した後に前記各端子の一端部側を折曲する際に、前記両端子の両端部を無理なく折曲することができる。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように本発明の端子部構造にあっては、ボビンにインサート成型される第一端子と第二端子とを、平板形状に形成された共用部品によって構成することができ、一組の共用部品を使用することによって、前記端子が設けられたボビンを形成することができる。
【0017】
このため、ボビンに設けられた+端子と−端子とが勝手違いの形状に形成され、前記+端子をプレス成形する為のプレス型と、前記−端子をプレス成形する為のプレス型とがそれぞれ必要であった従来と比較して、単一のプレス型によって前記第一端子と前記第二端子とを形成することができる。このため、当該端子の加工コストを低減することができる。
【0018】
また、前記第一端子と前記第二端子とで、同一の共用部品を利用することができるため、異なる形状の端子を使用する場合と比較して、金型へのセットミスがなくなり、セッティング作業が容易となる。これにより、作業性が向上する。
【0019】
さらに、在庫管理が容易となり、管理費を抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の一実施の形態を図面に従って説明する。
【0021】
図1は、本実施の形態にかかる端子部構造を備えた電磁弁1を示す図であり、該電磁弁1は、例えば油圧を制御するものである。
【0022】
この電磁弁1のカバー11内には、筒形状の樹脂成型品12が収容されており、該樹脂成型品12には、固定用のブラケット13がインサート成型されている。前記樹脂成型品12には、前記ブラケット13より図1の(b)中、下部にノズル14が形成されており、前記ブラケット13より図1の(b)中、上部にボビン15が形成されている。
【0023】
該ボビン15は、円筒状の軸部と、該軸部の上部及び下部に設けられた鍔部21,21とによって構成されており、前記軸部には、巻線22が巻回されコイルが形成されている。これにより、ボビン15内に配設された図外のプランジャを作動する為のソレノイド23が構成されている。
【0024】
前記ボビン15と前記ブラケット13との間には、端子固定部31が一体形成されており、該端子固定部31は、側方へ向けて延出している。
【0025】
この端子固定部31は、前記ボビン15側の基端部を構成する幅広の幅広部41と、該幅広部41より幅狭に形成された先端側を構成する幅狭部42とによって一体形成されており、該幅狭部42は、その先端が二股に形成されている。前記幅広部41の基端には、当該端子固定部31に対して左方及び右方に延出する板状の延出片43,43が設けられており、各延出片43,43と前記幅広部41側面間の角部には、前記幅広部41より薄肉で矩形状の棚部44,44が形成されている。
【0026】
また、前記幅広部41の上面には、図1の(a)に示したように、楕円形状の突起51,51が当該端子固定部31の側部側に設けられており、前記ボビン15の下部を構成する前記鍔部21に設けられた切り欠き52より延出した前記巻線22を当該端子固定部31上面に沿って延設した際に、前記突起51,51によって延在方向を変換できるように構成されている。
【0027】
そして、この端子固定部31の一側部側には、前記巻線22の一端が接続される第一端子61の一部がインサート成型されており、前記端子固定部31の他側部側には、前記巻線22の他端が接続される第二端子62の一部がインサート成型されている。
【0028】
前記ボビン15の前記端子固定部31における前記幅広部41の一側面より延出した前記第一端子61の一端部には、前記巻線22の一端部が接続される巻線接続部としての第一ヒュージング部71が設けられており、前記幅狭部42の一側面より延出した前記第一端子61の他端部には、第一端子接続部72が設けられている。
【0029】
また、前記幅広部41の他側面より延出した前記第二端子62の一端部には、前記巻線22の他端部が接続される巻線接続部としての第二ヒュージング部81が設けられており、前記幅狭部42の他端面より延出した前記第二端子62の他端部には、第二端子接続部82が設けられている。
【0030】
図2は、前記第一端子61及び前記第二端子62を構成する共用部品101を示す図であり、該共用部品101は、金属板がプレス成形されてなる平板状に形成されている。これにより、前記共用部品101は、表裏の無い平面状に形成されている。
【0031】
この共用部品101は、折返し形状に形成されており、その一端部は、第一及び第二ヒュージング部71,81を構成する直線状のヒュージング部構成部111が形成されている。このヒュージング部構成部111の先端には、V字状の切欠部112が形成されており、該切欠部112に前記巻線22を挟持した状態で当該ヒュージング部構成部111の先端部を両側から押圧することによって、前記巻線22を当該ヒュージング部構成部111にヒュージングできるように構成されている。
【0032】
前記ヒュージング部構成部111の基端部からは、側方に延出した連設部121が形成されており、該連設部121の先端部からは、前記第一及び第二端子接続部72,82を構成する端子接続部構成部131が前記ヒュージング部構成部111と同方向に延出している。この端子接続部構成部131は、前記連設部121から離れる方向に延出した側方延出部132と、該側方延出部132の先端より当該側方延出部132に沿って折り返した折返し部133とによってV字状に形成されている。
【0033】
前記側方延出部132と前記折返し部133との間には、間隙が設けられており、前記側方延出部132の基端部には、前記折返し部133へ向けて突出した半径状の第一突出部141が一体形成されている。また、前記折返し部133の先端部には、前記側方延出部132へ向けて突出した半径状の第二突出部142が一体形成されており、該第二突出部142と前記第一突出部141とは対向する位置に設けられている。
【0034】
これにより、図外のコネクタに設けられた端子を、前記端子接続部構成部131の前記側方延出部132に設けられた前記第一突出部141と、前記折返し部133に形成された前記第二突出部142との間に挿入することによって、当該端子を、前記側方延出部132の前記第一突出部141と前記折返し部133の前記第二突出部142とで挟持した状態で、当該端子接続部構成部131に電気的に接続できるように構成されている。
【0035】
この共用部品101は、前記ヒュージング部構成部111の基端部と前記連設部121と前記端子接続部構成部131の前記側方延出部132の基端部とが前記ボビン15より延出した前記端子固定部31にインサート成型されるように構成されており、図1に示した用に、表面を上方に向けた表向き状態で前記端子固定部31にインサート形成することによって、該端子固定部31の一側面より延出する前記第一端子61を形成できるように構成されている。また、裏面を上方に向けた裏向き状態で前記端子固定部31にインサート形成することによって、前記端子固定部31の他側面より延出する前記第二端子62を形成できるように構成されている。
【0036】
この共用部品101がインサート成型された前記樹脂成型品12を用いて前記電磁弁1を形成する際には、図1の(b)に示したように、前記樹脂成型品12に形成された前記ボビン15に前記巻線22を巻回してソレノイド23を形成する。このとき、前記共用部品101で構成された前記第一端子61及び前記第二端子62は、前記ソレノイド23に対して側方に延出するため、前記ボビン15への前記巻線22の巻回作業を容易に行うことができる。
【0037】
前記巻線22の巻回が終了したした際には、図3に示すように、前記各端子61,62の各端子接続部72,82の基端部を上方へ折曲して各端子接続部72,82を前記ボビン15に沿って起立する。これにより、V字状に形成された各端子接続部72,82は、その開口方向が下方へ向けられるとともに、前記各端子61,62の前記各ヒュージング部71,81の側部空間が解放される。
【0038】
この状態において、図3に示したように、前記各端子61,62の各ヒュージング部71,81に設けられた前記切欠部112,112に前記巻線22を挟持した状態で、ヒュージング用電極201,201によって当該ヒュージング部71,81の先端部を両側から押圧して、前記巻線22を各ヒュージング部71,81にヒュージングする。次に、前記巻線22がヒュージングされた前記各ヒュージング部71,81の基端部を上方へ折曲することにより、前記棚部44,44上部において、前記端子固定部31に対して起立する。
【0039】
このように、前記第一端子及び前記第二端子61,62は、図1に示したように、前記ボビン15の前記端子固定部31にインサート成型された状態で、前記各ヒュージング部のヒュージング部折曲方向211及び前記各端子接続部72,82の端子接続部折曲方向212が、各端子61,62の厚み方向213となるように、その配設位置が設定されている。
【0040】
そして、図4に示すように、前記各端子接続部72,82及び前記各ヒュージング部71,81が起立した前記端子接続部31に、その上方から樹脂製のコネクタハウジング221を装着し、該コネクタハウジング221で、前記各端子接続部72,82及び前記各ヒュージング部71,81を覆うとともに、図外のコネクタを差し込む為の差込部を形成する。
【0041】
以上の構成にかかる本実施の形態において、前記ボビン15の前記端子固定部31にインサート成型される第一端子61と第二端子62との両者は、平板形状に形成された前記共用部品101,101で構成されており、この共用部品101,101の向きを変えて前記端子固定部31にインサート成型することによって、前記第一端子61と前記第二端子62とを構成することができる。
【0042】
このとき、前記第一端子61及び前記第二端子62は、一端部側の前記各ヒュージング部71,81のヒュージング部折曲方向211と、他端部側の前記各端子接続部72,82の端子接続部折曲方向212とが、各端子61,62の厚み方向213となるように、その配設位置が設定されている。
【0043】
このため、前記ボビン15に巻線22を巻回した後に、前記各端子61,62の他端部側の前記各端子接続部72,82を前記ボビン15に沿って折曲する際、及び前記巻線22を前記各端子61,62の各ヒュージング部71,81に接続した後に前記各端子61,62の一端部側の各ヒュージング部71,81を折曲する際に、前記両端子61,62の両端部を無理なく折曲することができる。
【0044】
このように、前記ボビン15の前記端子固定部31にインサート成型される前記第一端子61と前記第二端子62とを、平板形状に形成された前記共用部品101によって構成することができ、一組の共用部品101,101を使用することによって、前記各端子61,62が設けられたボビン15を形成することができる。
【0045】
このため、ボビンに設けられた+端子と−端子とが勝手違いの形状に形成され、前記+端子をプレス成形する為のプレス型と、前記−端子をプレス成形する為のプレス型とがそれぞれ必要であった従来と比較して、単一のプレス型によって前記第一端子61と前記第二端子62とを形成することができる。このため、当該端子61,62の加工コストを低減することができる。
【0046】
また、前記第一端子61と前記第二端子62とにおいて、同一の共用部品101を利用することができるため、異なる形状の端子を使用する場合と比較して、金型へのセットミスがなくなり、セッティング作業が容易となる。これにより、作業性が向上する。
【0047】
さらに、在庫管理が容易となり、管理費を抑えることができる。
【0048】
なお、本実施の形態では、前記各端子61,62として、折返し形状に形成されたものを示したが、この形状に限定されるものではない。
【0049】
(第二の実施の形態)
【0050】
図5及び図6は、第二の実施の形態を示す図であり、第一の実施の形態と同一又は同等部分に付いては、同符号を付して説明を割愛し、異なる部分についてのみ説明する。
【0051】
すなわち、前記樹脂成型品12に形成された前記ボビン15より延出する前記端子固定部31の一側部側には、前記巻線22の一端が接続される第一端子301の一部がインサート成型されており、前記端子固定部31の他側部側には、前記巻線22の他端が接続される第二端子302の一部がインサート成型されている。
【0052】
前記ボビン15の前記端子固定部31における前記幅広部41の一側面より延出した前記第一端子301の一端部には、前記巻線22の一端部が接続される巻線接続部としての第一ヒュージング部311が設けられており、前記幅狭部42の先端より延出した前記第一端子301の他端部には、第一端子接続部312が設けられている。
【0053】
また、前記幅広部41の他側面より延出した前記第二端子302の一端部には、前記巻線22の他端部が接続される巻線接続部としての第二ヒュージング321部が設けられており、前記幅狭部42の先端より延出した前記第二端子302の他端部には、第二端子接続部322が設けられている。
【0054】
前記第一端子301及び前記第二端子302は、平板状の金属板がプレス成形されてなる共用部品331で構成されており、該共用部品331の向きを変えて前記ボビン15の前記端子固定部31にインサート成型した状態で、前記第一端子301及び前記第二端子302を形成できるように構成されている。これにより、前記共用部品331は、表裏の無い平面状に形成されている。
【0055】
この共用部品331は、L字状に形成されており、その一端部は、第一及び第二ヒュージング部311,321を構成するヒュージング部構成部341が形成されている。このヒュージング部構成部341の先端には、側方に延出した延出片342が表面側に折り返されてなる挟持部343が形成されており、当該挟持部343に前記巻線22を挟持した状態で当該挟持部343を上下から押圧することによって、前記巻線22を当該ヒュージング部構成部341の前記挟持部343にヒュージングできるように構成されている。
【0056】
前記ヒュージング部構成部341の基端部からは、前記第一及び第二端子接続部312,322を構成する端子接続部構成部351が前記ヒュージング部構成部341と直交方向に延出している。この端子接続部構成部351は、長方形板状に形成されており、図外のコネクタに設けられたフィメール端子を外嵌して接続した状態で、当該端子接続部構成部351と電気的に接続できるように構成されている。
【0057】
前記共用部品331は、前記ヒュージング部構成部341と前記端子接続部構成部351とが接続された角部が前記ボビン15より延出した前記端子固定部31にインサート成型されるように構成されており、図5に示したように、表面を上方に向けた表向き状態で前記端子固定部31にインサート形成することによって、該端子固定部31の一側面より延出する前記第一端子301を形成できるように構成されている。また、裏面を上方に向けた裏向き状態で前記端子固定部31にインサート形成することによって、前記端子固定部31の他側面より延出する前記第二端子302を形成できるように構成されている。
【0058】
この共用部品331がインサート成型された前記樹脂成型品12を用いて前記電磁弁1を形成する際には、図5の(b)に示したように、前記樹脂成型品12に形成された前記ボビン15に前記巻線22を巻回してソレノイド23を形成する。このとき、前記共用部品331で構成された前記第一端子301及び前記第二端子302は、前記ボビン15に対して側方に延出するため、当該ボビン15への前記巻線22の巻回作業を容易に行うことができる。
【0059】
前記巻線22の巻回が終了したした際には、図5の(b)に示したように、前記各端子301,302の各ヒュージング部311,321に設けられた前記挟持部343,343に前記巻線22を挟持した状態で、ヒュージング用電極201,201によって当該ヒュージング部311,321先端の挟持部343,343を上下から押圧して、前記巻線22を各ヒュージング部311,321の挟持部343,343にヒュージングする。
【0060】
次に、図6に示すように、前記巻線22がヒュージングされた前記各ヒュージング部311,321の基端部を上方へ折曲して前記ボビン15に沿って起立するとともに、前記各端子301,302の各端子接続部312,322の基端部を上方へ折曲して各端子接続部312,322を前記ボビン15に沿って起立する。
【0061】
このように、前記第一端子301及び前記第二端子302は、図5の(b)に示したように、前記ボビン15の前記端子固定部31にインサート成型された状態で、前記各ヒュージング部311,321のヒュージング部折曲方向211及び前記各端子接続部312,322の端子接続部折曲方向212が、各端子301,302の厚み方向213となるように、その配設位置が設定されている。
【0062】
そして、図6に示したように、前記各端子接続部312,322及び前記各ヒュージング部311,321が起立した前記端子接続部31に、その上方から樹脂製のコネクタハウジング221を装着し、該コネクタハウジング221で、前記各端子接続部312,322及び前記各ヒュージング部311,321を覆うとともに、図外のコネクタを差し込む為の差込部を形成する。
【0063】
以上の構成においても、前述した第一の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の第一の実施の形態を示す図で、(a)は平面図であり、(b)は側面図である。
【図2】同実施の形態の共用部品を示す平面図である。
【図3】同実施の形態の製造過程を示す説明図で、(a)は平面図であり、(b)は側面図である。
【図4】図3に続く製造過程を示す説明図で、(a)は平面図であり、(b)は側面図である。
【図5】本発明の第二の実施の形態を示す図で、(a)は平面図であり、(b)は側面図である。
【図6】図5に続く製造過程を示す説明図で、(a)は平面図であり、(b)は側面図である。
【図7】従来例を示す図で、(a)は断面図であり、(b)は側面図である。
【図8】同従来例を示す図であり、(a)は平面図で、(b)は図7のB−B断面図で、(c)は要部の側面図である。
【図9】同従来例の+端子を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0065】
1 電磁弁
15 ボビン
22 巻線
61 第一端子
62 第二端子
71 第一ヒュージング部
72 第一端子接続部
81 第二ヒュージング部
82 第二端子接続部
101 共用部品
211 ヒュージング部折曲方向
212 接続部折曲方向
213 厚み方向
301 第一端子
302 第二端子
311 第一ヒュージング部
312 第一端子接続部
321 第二ヒュージング部
322 第二端子接続部
331 共用部品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボビンに巻回された巻線の一端が接続される第一端子の一部と前記巻線の他端が接続される第二端子の一部とが前記ボビンにインサート成型され、該ボビンより延出した前記各端子の一端部に巻線接続部が設けられるとともに他端部に端子接続部が設けられ、
前記ボビンに前記巻線を巻回した後に前記各端子の前記他端部側が前記ボビンに沿って折曲され、前記巻線を前記各端子の前記巻線接続部に接続した後に前記各端子の前記一端部側が折曲される端子部構造において、
前記第一端子と前記第二端子とを平板形状に形成された共用部品で構成し、該共用部品の向きを変えて前記ボビンにインサート成型した状態で、前記各端子の各端部側の折曲方向が各端子の厚み方向となるように前記第一端子と前記第二端子との配設位置を設定したことを特徴とする端子部構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−266947(P2009−266947A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−112674(P2008−112674)
【出願日】平成20年4月23日(2008.4.23)
【出願人】(000220505)日本電産トーソク株式会社 (189)
【Fターム(参考)】