説明

端末装置及びプログラム

【課題】所望するデータを探し出す際に、そのデータの保存先や検索方法などが分からなくても、現在の状況にマッチしたデータ検索を実現できるようにする。
【解決手段】CPU1は、検索用データとして入力されたキーワードに基づいて属性辞書M11を参照して当該キーワードの属性を判別すると共に、現在実行中の機能を判別し、この判別結果(キーワード属性、現在実行中の機能)に基づいて機能別保存先テーブルM9、属性別保存先テーブルM10を参照することによって、優先検索すべきデータの保存先を特定してキーワード検索を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、入力された検索用データに基づいてデータ検索を行う端末装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、携帯電話装置、パーソナルコンピュータなどの端末装置には、各種のデータが記憶されている。すなわち、機能内容を説明のための説明文、機能の実行によってユーザ入力されたデータ(例えば、ファイル、写真撮影、作成メール、アドレス帳データ)、機能の実行によって自動入力されたデータ(例えば、着信履歴、発履歴)など、多数のデータが記憶されている。このような膨大なデータの中から所望するデータを探し出すためには、そのデータの保存先は何処か、どのような方法で検索すべきかが分からなければならない。従って、データの保存先や保存方法が分からなければ、端末内の全データを検索対象とする「全検索」という方法で検索するしかないが、この「全検索」の方法は、検索時間が長くなり、しかも、検索結果に的外れな(ノイズ的な)データが多く含まれてしまうという問題があった。
ところで、従来においては、電話中の相手に関するデータを各種のデータベース(アドレス帳、スケジュール帳)から検索して表示するようにした技術が知られている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平09−294155号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した先行技術(特許文献1)では、検索対象が通話相手に限られてしまうため、電話相手以外のデータを検索するような場合には、上述したように端末内の全データを検索対象とする「全検索」で行わなくてはならない。
【0004】
この発明の課題は、所望するデータを探し出す際に、そのデータの保存先や検索方法などが分からなくても、現在の状況にマッチしたデータ検索を実現できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために請求項1記載の発明は、入力された検索用データに基づいてデータ検索を行う端末装置であって、機能別に優先検索すべきデータの保存先を機能別保存先として記憶する機能別保存先記憶手段と、データの属性別に優先検索すべきデータの保存先を属性別保存先として記憶する属性別保存先記憶手段と、前記検索用データが入力された場合に、現在実行中の機能を判別するほか、入力され検索用データの属性を判別する判別手段と、この判別手段によって判別された判別結果に基づいて前記機能別保存先記憶手段と前記属性別保存先記憶手段を参照することによって、優先検索すべき保存先を特定する特定手段と、この特定手段によって特定された保存先を前記入力された検索用データに基づいて検索する検索手段と、を具備したことを特徴とする。
【0006】
請求項1に従属する発明として、前記検索用データの属性を記憶する属性記憶手段を更に備え、前記判別手段は、前記入力された検索用データに基づいて前記属性記憶手段を参照することによってその属性を判別する、ようにしたことを特徴とする請求項2記載の発明であってもよい。
【0007】
請求項1に従属する発明として、前記機能別のデータ保存先は、その機能の実行によって得られたデータを記憶し、前記検索手段は、前記機能別保存先が特定された場合に、当該機能の実行によって得られたデータを対象に検索を行う、ようにしたことを特徴とする請求項3記載の発明であってもよい。
【0008】
請求項1に従属する発明として、前記特定手段は、前記判別手段によって判別された判別結果に基づいて前記機能別保存先記憶手段と前記属性別保存先記憶手段を参照した結果、前記能別保存先と属性別保存先とが共通していれば、この共通する保存先を優先検索すべき保存先として特定する、ようにしたことを特徴とする請求項4記載の発明であってもよい。
【0009】
請求項1に従属する発明として、前記特定手段は、前記判別手段によって判別された判別結果に基づいて前記機能別保存先記憶手段と前記属性別保存先記憶手段を参照した結果、その判別結果に該当している各保存先を優先検索すべき保存先として順次特定する、ようにしたことを特徴とする請求項5記載の発明であってもよい。
【0010】
請求項1に従属する発明として、前記判別手段によって判別された判別結果に基づいて前記機能別保存先記憶手段と前記属性別保存先記憶手段を参照した結果、その判別結果に該当している各保存先をリスト表示するリスト表示手段を更に備え、前記特定手段は、前記リスト表示手段によってリスト表示されている保存先の中から任意に選択された保存先を優先検索すべき保存先として特定する、ようにしたことを特徴とする請求項6記載の発明であってもよい。
【0011】
請求項1に従属する発明として、前記検索手段は、現在実行中の機能に基づいて前記機能別保存先を検索した結果、該当するデータが無ければ、前記属性別保存先を検索する、ようにしたことを特徴とする請求項7記載の発明であってもよい。
【0012】
請求項1に従属する発明として、前記検索手段は、前記機能別保存先記憶手段及び前記属性別保存先記憶手段を参照することで前記特定手段によって特定された機能別保存先及び属性別保存先を検索した結果、該当するデータが無ければ、前記機能別保存先及び属性別保存先以外の他の保存先を検索する、ようにしたことを特徴とする請求項8記載の発明であってもよい。
【0013】
請求項1に従属する発明として、前記検索用データが入力される検索用入力域を表示画面上に固定的に表示させるために前記機能や画面が切り替えられる毎に前記検索用入力域を切り替え先の画面に表示させる表示制御手段を更に備える、ようにしたことを特徴とする請求項9記載の発明であってもよい。
【0014】
また、上述した課題を解決するために請求項10記載の発明は、コンピュータに対して、機能別に優先検索すべきデータの保存先が記憶されていると共に、データの属性別に優先検索すべきデータの保存先が記憶されている状態において、検索用データが入力された場合に、現在実行中の機能を判別するほか、入力され検索用データの属性を判別する機能と、前記判別結果に基づいて前記機能別保存先と前記属性別保存先を参照することによって、優先検索すべきデータの保存先を特定する機能と、前記特定されたデータの保存先を前記入力された検索用データに基づいて検索する機能と、を実現させるためのプログラムを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、所望するデータを探し出す際に、そのデータの保存先や検索方法などが分からなくても、現在の状況にマッチしたデータを効率良く検索することができ、様々な状況でも快適なデータ検索が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図1〜図7を参照して本発明の実施形態を説明する。
この実施形態は、端末装置として携帯電話装置に適用した場合を例示したもので、図1は、この携帯電話装置の基本的な構成要素を示したブロック図である。
この携帯電話装置は、例えば、2つの筐体(操作部筐体、表示部筐体)が開閉可能に取り付けられた折り畳み自在なもので、通話機能、電子メール機能、インターネット接続機能(Webアクセス機能)などのほか、表示画面内の検索用入力域(検索窓)に入力されている検索用データに基づいてデータ検索を行うデータ検索機能、静止画や動画撮影を行うカメラ機能、音楽コンテンツ、映像コンテンツなどを再生するコンテンツ再生機能、スケジュール日時を報知するスケジュール管理機能が備えられている。
【0017】
CPU1は、記憶部2内の各種のプログラムに応じてこの携帯電話装置の全体動作を制御する中核的な中央演算処理装置である。記憶部2は、内部メモリであり、プログラム領域とデータ領域とを有し、このプログラム領域には、後述する図4〜図6に示す動作手順に応じて本実施形態を実現するためのプログラムが格納され、また、そのデータ領域には、機能一覧表M1、アドレス帳M2、着信履歴フォルダM3、受信メールフォルダM4、スケジュール帳M5、写真フォルダM6、音楽フォルダM7、アーチスト情報フォルダM8など、様々なデータが記憶されているほか、後述する機能別保存先テーブルM9、属性別保存先テーブルM10、属性辞書M11が記憶されている。記録メディア3は、着脱自在な可搬型メモリ(外部メモリ)で、例えば、SDカード、ICカードなどによって構成され、撮影画像などを保存する。メモリ4は、ワーク領域を有する内部メモリであり、必要に応じてメモリ4内の各種のデータは、記憶部2にセーブされる。
【0018】
電話通信部5は、無線部、ベースバンド部、多重分離部などを備え、例えば、通話機能、電子メール機能、インターネット接続機能の動作時に最寄りの基地局(図示せず)との間でデータの送受信を行う電話通信手段で、通話機能の動作時にはベースバンド部の受信側から信号を取り込んで受信ベースバンド信号に復調したのち、音声信号処理部6を介して通話用スピーカSPから音声出力させ、また、通話用マイクMCからの入力音声データを音声信号処理部6から取り込み、送信ベースバンド信号に符号化したのち、ベースバンド部の送信側に与えてアンテナから発信出力させる。通話用マイクMCは、通話時以外にデータ検索時にも利用されるもので、CPU1は、通話用マイクMCから音声信号が入力された際に、この入力音声を認識して文字列データに変換し、表示画面内の検索用入力域(検索窓)に入力するようにしている。
【0019】
操作部7は、ダイヤル入力、文字入力、コマンド入力などを行うもので、CPU1は、操作部7からの入力信号に応じた処理を実行する。表示部8は、例えば、高精細液晶あるいは有機ELを使用し、待受画像などを表示する。カメラ部9は、静止画撮影のほかに動画撮影も可能なもので、撮影レンズ、ミラー等のレンズ・ミラーブロック、撮像素子、その駆動系のほか、測距センサ、光量センサ、アナログ処理回路、信号処理回路、圧縮伸張回路などを備えている。コンテンツ再生部10は、音楽コンテンツ、映像コンテンツなどを再生するもので、操作部7からの再生開始操作/終了操作に応じて再生動作が制御される。なお、音楽コンテンツ、映像コンテンツなどは、インターネットを介してダウンロードしたり、外部メモリなどを介して取得したりしたものである。
【0020】
図2は、検索用入力域(検索窓)の表示状態を示した図である。
検索窓SWは、各種の表示画面の上側中央部に表示される横帯状の窓で、CPU1は、操作部7から検索用データがキー入力されたり、通話用マイクMCから検索用データが音声入力されたりすると、キー入力された文字列データや音声認識された文字列データが検索用データ(キーワード)として検索窓SW内に入力されて表示される。この検索窓SWの近傍には、データ検索動作の開始を指示するための検索ボタンSBが設けられている。この検索ボタンSBの操作に応じてCPU1は、検索窓SW内の検索用データに基づいてデータの検索動作を開始するが、その際、機能別保存先テーブルM9、属性別保存先テーブルM10、属性辞書M11を参照し、検索対象となるデータの保存先(ファイルやフォルダなど)を特定してから検索動作を開始するようにしている。また、CPU1は、検索窓SWを固定的に表示させるために、機能や画面が切り替えられる毎に検索窓SWを切替先の画面に表示させるようにしている。
【0021】
図2(a)〜(f)は、機能や画面が切り替えられても検索窓SWが固定的に表示される様子を示した図である。すなわち、図2(a)は待ち受け画面を示し、(b)はメニュー画面を示している。また、図2(c)はメール画面を示し、(d)は写真フォルダ画面を示し、(e)は音楽フォルダ画面を示し、(f)は機能設定画面を示している。これらの各画面の上部側には、検索窓SWが配置表示されていると共に、この検索窓SWの左側には検索ボタンSBが配置表示されている。
【0022】
図3(a)は、機能別保存先テーブルM9を説明するための図である。
機能別保存先テーブルM9は、機能別に優先検索すべきデータの保存先を機能別保存先として記憶するもので、「機能」、「保存先(優先検索順)」の各項目を有している。「機能」は、アプリケーションを意味しているが、アプリケーションの非実行時である待ち受け時も含まれることを意味し、図示の例では、「機能」として“待ち受け”、“音楽プレイヤー”、…を設定した場合を示している。「保存先」は、優先検索すべき機能別保存先(フォルダ名、ファイル名など)を示し、図示の例では、「機能」の“待ち受け”に対応する「保存先」として、アドレス帳”、“着信履歴”、“受信メール”が優先検索の順に設定し、また、「機能」の“音楽プレイヤー”
に対応する「保存先」として、“音楽フォルダ”、“アーチスト情報”が優先検索の順に設定した場合を示している。
【0023】
なお、「保存先」としての“アドレス帳”、“着信履歴”、“受信メール”、“アーチスト情報”は、対応するアドレス帳M2、着信履歴フォルダM3、受信メールフォルダM4、音楽フォルダM7、アーチスト情報フォルダM8を示している。このような機能別保存先には、その機能の実行によって得られたデータとして、ユーザ入力されたデータ(例えば、アドレス帳データ、スケジュールデータなど)、あるいは自動入力されたデータ(例えば、着信履歴、受信メール)などが記憶されている。
【0024】
図3(b)は、属性別保存先テーブルM10を説明するための図である。
属性別保存先テーブルM10は、データの属性別に優先検索すべきデータの保存先を属性別保存先として記憶するもので、「属性」、「保存先(優先検索順)」の各項目を有している。「属性」は、検索窓SW内に入力されている検索用データ(キーワード)の属性を示し、図示の例では、「属性」として“名前”、“機能”、…を設定した場合を示している。また、この「属性」は、図3(c)に示すように「見出し語」と「属性」とを対応付けて記憶する属性辞書M11を参照することによって得られたもので、例えば、検索用データとして“佐藤○夫”が入力されたものとすると、この“佐藤○夫”に基づいて属性辞書M11が検索される結果、対応する「属性」として“名前(人名)”に変換される。「保存先」は、優先検索すべき属性別保存先を示し、図示の例では、「属性」“名前(人名)”に対応付けて“アドレス帳”、“受信メール”を優先検索の順に設定した場合を示し、また、「属性」“機能”に対応付けて“機能設定メニュー”、“ヘルプ”を優先検索の順に設定した場合を示している。
【0025】
次に、この実施形態における携帯電話装置の動作概念を図4〜図6に示すフローチャートを参照して説明する。ここで、これらのフローチャートに記述されている各機能は、読み取り可能なプログラムコードの形態で格納されており、このプログラムコードにしたがった動作が逐次実行される。また、伝送媒体を介して伝送されてきた上述のプログラムコードに従った動作を逐次実行することもできる。すなわち、記録媒体のほかに、伝送媒体を介して外部供給されたプログラム/データを利用してこの実施形態特有の動作を実行することもできる。なお、図4〜図6は、携帯電話装置の全体動作のうち、本実施形態の特徴部分の動作概要を示したフローチャートであり、この図4〜図6のフローから抜けた際には、全体動作のメインフロー(図示省略)に戻る。
【0026】
図4〜図6は、カーソル移動などによって検索窓SWへの入力が指定された際に実行開始されるフローチャートである。
先ず、CPU1は、検索窓SWへの入力が指定と共に、検索用データが操作部7からキー入力されたり、通話用マイクMCから音声入力されたりすると、キー入力された文字列データや音声認識された文字列データを検索用データ(キーワード)として取り込み(ステップS1)、このキーワードに基づいて属性辞書M11を検索し、該当する「属性」を取得する(ステップS2)。そして、何らかのアプリケーションが実行中であるかを調べ(ステップS3)、いずれのアプリケーションも非実行中であれば、機能別保存先テーブルM9を検索し、「機能」として“待ち受け”に対応付けられている「保存先」の項目から“アドレス帳”、“着信履歴”、“受信メール”を抽出する(ステップS4)。
【0027】
また、入力されたキーワードに基づいて属性辞書M11を検索した結果、キーワードに該当する「属性」が無ければ(ステップS5でNO)、図5のフローに移るが、該当する「属性」が有れば(ステップS5でYES)、この「属性」に基づいて属性別保存先テーブルM10を検索し、この「属性」に該当する「保存先」を抽出する(ステップS6)。例えば、キーワードとして“佐藤○夫”が入力された場合には、それに対応する「属性」として属性辞書M11から“名前(人名)”が読み出されるため、この“名前(人名)”に基づいて属性別保存先テーブルM10を検索し、それに該当する「保存先」として“アドレス帳”、“受信メール”を抽出する。
【0028】
このようにして機能別保存先テーブルM9から抽出した“待ち受け”の「保存先」と属性別保存先テーブルM10から抽出した“名前(人名)”の「保存先」とを比較し、“待ち受け”、“名前(人名)”の両方に共通する「保存先」の有無を調べる(ステップS7)。ここで、共通する「保存先」が無ければ、図5のフローに移るが、上述の例では、“待ち受け”の「保存先」と“名前(人名)”の「保存先」の中には、“アドレス帳”と“受信メール”が共通しているため(ステップS7でYES)、この共通する「保存先」を優先検索すべき保存先として特定してキーワード検索を開始する(ステップS8)。この場合、共通する「保存先」としてのアドレス帳M2、受信メールフォルダM4をその優先順位に従って順次特定してキーワード検索を開始する(ステップS8)。
【0029】
いま、アドレス帳M2、受信メールフォルダM4の順でキーワード検索した結果、該当するデータが無ければ(ステップS9でNO)、後述するステップS10に移るが、キーワードに該当するデータが有れば(ステップS9でYES)、その検索結果をリスト表示させる(ステップS11)。この場合、図7に示すように、各検索結果がその優先順位に従ってリスト表示され、“佐藤○夫”に関するアドレス帳データ(名前、電話番号)に続いて、“佐藤○夫”の受信メール(件名、受信日時)が順次リスト表示される。このリスト画面の中から任意のデータを選択する操作が行われると、この選択データの内容を詳細表示させる。
【0030】
この状態において、ユーザ操作によって検索終了が指示されたか(ステップS12)、他の「保存先」への検索が指示されたかを調べ(ステップS13)、検索終了操作が行われたときには(ステップS12でYES)、図4〜図6のフローを終了して上述のメインフローに戻る。ここで、他の「保存先」への検索指示とは、共通する「保存先」以外の他の「保存先」への検索指示を意味しているもので、他の「保存先」への検索を指示する操作が行われたときには(ステップS13でYES)、ステップS10に移り、上述のように“待ち受け”、“名前(人名)”の両方に共通する「保存先」以外の他の各「保存先」を再抽出することによって優先検索すべき保存先として順次特定する(ステップS10)。なお、上述の例では“着信履歴”が他の「保存先」として再抽出される。その後、図5のフローに移る。
【0031】
図5のフローに入ると、先ず、上述のようにして抽出した各「保存先」を優先検索すべき保存先としてリスト表示させる(ステップS14)。すなわち、キーワードに該当する「属性」が無い場合には(図4のステップS5でNO)、“待ち受け”に対応する「保存先」として、“アドレス帳”、“着信履歴”、“受信メール”をリスト表示させる。また、共通する「保存先」が無い場合には(ステップS7でNO)、“待ち受け”、“名前(人名)”
に対応する「保存先」として、“アドレス帳”、“着信履歴”、“受信メール”をリスト表示させる。また、共通する「保存先」を検索した結果、該当するデータが無い場合(ステップS9)、あるいは共通する「保存先」に該当データが有っても共通する「保存先」以外の他の「保存先」に対する検索が指示された場合には(ステップS13でYES)、共通する「保存先」以外の他の「保存先」として、“着信履歴”を再抽出してリスト表示させる。
【0032】
このようなリスト画面が表示されている状態において、ユーザ操作の有無を調べる。すなわち、リスト画面の中から任意の「保存先」を選択する操作が行われたか(ステップS15)、リスト画面内の各「保存先」への検索開始を指示する操作が行われたか(ステップS20)、抽出した「保存先」に限らず、全ての「保存先」への検索を指示する操作が行われたか(ステップS22)、検索終了を指示する操作が行われたかを調べる(ステップS24)。いま、リスト画面の中から任意の「保存先」がユーザ操作によって選択されると(ステップS15でYES)、選択された保存先を優先検索すべき保存先としてキーワード検索を開始する(ステップS16)。その結果、該当するデータが無ければ(ステップS17でNO)、該当無しを示すメッセージを表示させるが(ステップS19)、該当するデータが有れば(ステップS17でYES)、その検索結果をリスト表示させる(ステップS18)。ここで、リスト画面の中から任意のデータを選択する操作が行われると、この選択データの内容を詳細表示させる。その後、ステップS14に戻る。
【0033】
また、上述の保存先リストが表示されている状態において(ステップS14)、このリスト表示されている各「保存先」への検索を指示する操作が行われたときには(ステップS20でYES)、各「保存先」をその優先順位に従って優先検索すべき保存先として順次特定してキーワード検索を開始する(ステップS21)。例えば、“待ち受け”及び“名前(人名)”の「保存先」として、“アドレス帳”、“着信履歴”、“受信メール”がリスト表示されている場合には、それに対応するアドレス帳M2、着信履歴フォルダM3、受信メールフォルダM4をその優先順位に従って検索対象として順次特定してキーワード検索を開始する。その結果、該当するデータが無ければ(ステップS17でNO)、該当無しを示すメッセージを表示させるが(ステップS19)、該当するデータが有れば(ステップS17でYES)、その検索結果をリスト表示させる(ステップS18)。この場合においても、図7に示すように各検索結果がその優先順位に従ってリスト表示される。
【0034】
また、上述の保存先リストが表示されている状態において(ステップS14)、機能別保存先テーブルM9及び属性別保存先テーブルM10に記憶されている全ての「保存先」への検索を指示する操作(全検索)が行われたときには(ステップS22でYES)、全ての保存先をその優先順位に従って順次特定してキーワード検索を開始する(ステップS21)。すなわち、機能別保存先テーブルM9、属性別保存先テーブルM10の検索結果に拘わらず、全ての保存先を順次特定してキーワード検索を開始する。その結果、該当するデータが無ければ(ステップS17)、該当無しを示すメッセージを表示させるが(ステップS19)、該当するデータが有れば(ステップS17でYES)、その検索結果をリスト表示させる(ステップS18)。また、検索終了を指示する操作が行われたときには(ステップS24でYES)、図4〜図6のフローを終了して上述のメインフローに戻る。
【0035】
他方、検索窓SWにキーワードが入力された際に(ステップS1)、アプリケーションが実行中であれば(ステップS3でYES)、図6のフローに移り、このアプリケーション(機能)に基づいて機能別保存先テーブルM9を検索し、この「機能」に対応する各「保存先」を抽出することによって優先検索すべき保存先として順次特定する(ステップS25)。例えば、“音楽プレイヤー”が実行中であれば、その「保存先」として“音楽フォルダ”、“アーチスト情報”を抽出する。そして、抽出した「保存先」をその優先順位に従って順次検索するキーワード検索を開始する(ステップS26)。
【0036】
その結果、該当するデータが有れば(ステップS27でYES)、その検索結果をリスト表示させる(ステップS28)。この場合においても、図7に示すように各検索結果がその優先順位に従ってリスト表示される。ここで、このリスト画面の中から任意のデータを選択する操作が行われると、この選択データの内容を詳細表示させる。そして、ユーザ操作によって検索終了が指示されたか(ステップS29)、機能別保存先テーブルM9から抽出した「保存先」以外の他の「保存先」への検索が指示されたかを調べる(ステップS30)。いま、検索終了操作が行われたときには(ステップS29でYES)、図4〜図6のフローを終了して上述のメインフローに戻るが、いずれの操作も行われなかったときには(ステップS30でNO)、上述のステップS28に戻る。
【0037】
一方、機能別保存先テーブルM9をキーワード検索した結果、該当するデータが無い場合(ステップS27でYES)、あるいは他の「保存先」への検索を指示する検索操作が行われた場合には(ステップS30でYES)、ステップS31に移り、入力されたキーワードに基づいて属性辞書M11を検索し、キーワードに該当する「属性」が有るかを調べ、該当する「属性」が有れば(ステップS31でYES)、この「属性」に基づいて属性別保存先テーブルM10を検索し、対応する各「保存先」を抽出することによって、優先検索すべき保存先として順次特定する(ステップS32)。そして、抽出した各「保存先」をその優先順位に従って順次検索するキーワード検索を開始する(ステップS33)。
【0038】
その結果、該当するデータが有れば(ステップS34でYES)、この検索結果をリスト表示させる(ステップS35)。この場合においても、図7に示すように各検索結果がその優先順位に従ってリスト表示される。ここで、リスト画面の中から任意のデータを選択する操作が行われると、この選択データの内容を詳細表示させる。この状態において、ユーザ操作によって検索終了が指示されたか(ステップS36)、機能別保存先テーブルM9、属性別保存先テーブルM10から抽出した「保存先」以外の他の「保存先」への検索が指示されたかを調べる(ステップS37)。
【0039】
いま、検索終了操作が行われたときには(ステップS36でYES)、図4〜図6のフローを終了して上述のメインフローに戻るが、いずれの操作も行われなかったときには(ステップS37でNO)、上述のステップS35に戻る。いま、属性辞書M11を検索した結果、キーワードに該当する「属性」が無い場合(ステップS31でNO)、キーワードに該当する「属性」が有ってもこの「属性」に該当する「保存先」にデータが無い場合(ステップS34でNO)、あるいは他の「保存先」への検索を指示する検索操作が行われた場合には(ステップS37でYES)、未抽出の各「保存先」を順次特定してキーワード検索を開始する(ステップS38)。すなわち、上述のステップS31でNOと判断された場合には、現在実行中の「機能」に対応する「保存先」を除く未抽出の「保存先」、上述のステップS34あるいはステップS37でNOと判断された場合には、現在実行中の「機能」及び入力されたキーワードの「属性」に対応する「保存先」を除く未抽出の各「保存先」を順次特定してキーワード検索を行う。
【0040】
その結果、該当するデータが無ければ(ステップS39でNO)、該当無しをメッセージ表示させるが(ステップS42)、該当するデータが有れば(ステップS39でYES)、その検索結果をリスト表示させる(ステップS40)。そして、検索終了操作が行われたかを調べ(ステップS41)、検索終了操作が行われるまで上述のステップS40に戻るが、検索終了操作が行われたときには(ステップS41でYES)、図4〜図6のフローを終了して上述のメインフローに戻る。
【0041】
以上のように、この実施形態においてCPU1は、検索用データとして入力されたキーワードの属性と現在実行中の機能から機能別保存先テーブルM9、属性別保存先テーブルM10を参照することによって、優先検索すべきデータの保存先を特定してキーワード検索を行うようにしたので、所望するデータを探し出す際に、そのデータの保存先や検索方法などが分からなくても、現在の状況にマッチしたデータを効率良く検索することができ、様々な状況でも快適なデータ検索が可能となる。
【0042】
属性辞書M11を参照してキーワードの属性を判別ようにしたので、キーワードの属性を容易かつ確実に得ることができる。この場合、属性辞書M11の内容を任意に設定可能とすれば、例えば、人名の中でも会社関係、友人関係のように属性の細分化などが可能となる。
【0043】
機能別保存先は、その機能の実行によって得られたデータを記憶するもので、この機能の実行によって得られたデータとして、例えば、アドレス帳データ、スケジュールデータなどのようにユーザ入力されたデータ、あるいは着信履歴、受信メールなどのように自動入力されたデータをキーワード検索によって得ることができる。
【0044】
機能別保存先テーブルM9から抽出した「保存先」と属性別保存先テーブルM10から抽出した「保存先」を比較し、両方に共通する「保存先」が有れば、この共通する保存先を優先検索すべき保存先として特定するようにしたので、保存先の特定が適切なものとなる。
【0045】
機能別保存先テーブルM9、属性別保存先テーブルM10から抽出した各「保存先」を優先検索すべき保存先として順次特定するようにしたので、データを効率良く検索することができるほか、例えば、各検索結果をその優先検索の順にリスト表示させることができる。
【0046】
機能別保存先テーブルM9、属性別保存先テーブルM10から抽出した各「保存先」をリスト表示させ、このリスト表示の中から任意に選択された保存先を優先検索すべき保存先として特定するようにしたので、ユーザの意思を反映することができる。
【0047】
機能別保存先を検索した結果、該当するデータが無ければ、属性別保存先を検索するようにしたので、機能別保存先を属性別保存先よりも優先させることができる。
【0048】
機能別保存先及び属性別保存先を検索した結果、該当するデータが無ければ、機能別保存先及び属性別保存先以外の他の保存先を検索するようにしたので、最終的には全ての保存先を検索対象とすることができる。
【0049】
検索窓SWを固定的に表示させるために機能や画面が切り替えられる毎に検索窓SWを切り替え先の画面に表示させるようにしたので、どのような画面に切り替えられてもデータ検索が可能となる。
【0050】
なお、上述した実施形態においては、機能別保存先を検索した結果、該当するデータが無ければ、属性別保存先を検索するようにしたが、これとは逆に、属性別保存先を検索した結果、該当するデータが無ければ、機能別保存先を検索するようにしてもよい。
【0051】
また、検索窓SWに検索用データとして入力されたキーワードの属性と現在実行中の機能から機能別保存先テーブルM9、属性別保存先テーブルM10を参照することによって、優先検索すべきデータの保存先を特定する場合に、例えば、機能別保存先テーブルM9、属性別保存先テーブルM10から優先検索順に従って最優先の保存先を1つずつ、あるいは上位の保存先を2つずつように特定するようにしてもよい。また、機能別保存先テーブルM9から優先検索順が上位の保存先を3つ、属性別保存先テーブルM10から優先検索順が上位の保存先を2つのように特定するようにしてもよい。このように保存先の特定の仕方は任意であり、ユーザ操作によって特定の仕方を変更可能としてもよい。
【0052】
また、上述した実施形態においては、優先検索すべき保存先を優先順位に従って順次特定してキーワード検索を行ったのち、その検索結果をその優先順位に従って同一画面上にリスト表示するようにしたが、各保存先の検索結果をリスト表示する場合に限らず、各保存先を順次検索する毎にその検索結果画面を別画面として並列表示あるいは重ね合わせ表示させるようにしてもよい。
【0053】
また、各種の機能が階層構造で体系化されている状態において、上位の機能に各種の下位機能が存在している場合に、現在実行中の機能が下位機能であれば、その上位の機能に対応付けられている機能別保存先を検索するようにしてもよい。
また、データの保存先は、ファイル、フォルダに限らず、着脱自在な可搬型メモリである記録メディア3であってもよい。
【0054】
また、上述した実施形態においては、検索窓SWに検索用データとしてキーワードを入力するようにしたが、検索用データは文字列に限らず、図形、記号などであってもよい。
その他、端末装置としては、携帯電話装置に限らず、パーソナルコンピュータ、PDA(個人用の携帯情報端末)、デジタルカメラ、音楽プレイヤーなど、任意の端末装置であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】端末装置として適用した携帯電話装置の基本的な構成要素を示したブロック図。
【図2】検索用入力域(検索窓)SWの表示状態を示した図で、(a)は待ち受け画面、(b)はメニュー画面、(c)はメール画面、(d)は写真フォルダ画面、(e)は音楽フォルダ画面、(f)は機能設定画面を示した図。
【図3】(a)は、機能別保存先テーブルM9を説明するための図、(b)は、属性別保存先テーブルM10を説明するための図、(c)は、属性辞書M11を説明するための図。
【図4】カーソル移動などによって検索窓SWへの入力が指定された際に実行開始されるフローチャート。
【図5】図4の動作に続くフローチャート。
【図6】図4の動作に続くフローチャート。
【図7】検索結果のリスト表示画面を例示した図。
【符号の説明】
【0056】
1 CPU
2 記憶部
7 操作部
8 表示部
9 カメラ部
10 コンテンツ再生部
M1 機能一覧表
M2 アドレス帳
M3 着信履歴フォルダ
M4 受信メールフォルダ
M5 スケジュール帳
M6 写真フォルダ
M7 音楽フォルダ
M8 アーチスト情報フォルダ
M9 機能別保存先テーブル
M10 属性別保存先テーブル
M11 属性辞書
SB 検索ボタン
SW 検索窓

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された検索用データに基づいてデータ検索を行う端末装置であって、
機能別に優先検索すべきデータの保存先を機能別保存先として記憶する機能別保存先記憶手段と、
データの属性別に優先検索すべきデータの保存先を属性別保存先として記憶する属性別保存先記憶手段と、
前記検索用データが入力された場合に、現在実行中の機能を判別するほか、入力され検索用データの属性を判別する判別手段と、
この判別手段によって判別された判別結果に基づいて前記機能別保存先記憶手段と前記属性別保存先記憶手段を参照することによって、優先検索すべき保存先を特定する特定手段と、
この特定手段によって特定された保存先を前記入力された検索用データに基づいて検索する検索手段と、
を具備したことを特徴とする端末装置。
【請求項2】
前記検索用データの属性を記憶する属性記憶手段を更に備え、
前記判別手段は、前記入力された検索用データに基づいて前記属性記憶手段を参照することによってその属性を判別する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項3】
前記機能別のデータ保存先は、その機能の実行によって得られたデータを記憶し、
前記検索手段は、前記特定手段によって前記機能別保存先が特定された場合に、当該機能の実行によって得られたデータを対象に検索を行う、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項4】
前記特定手段は、前記判別手段によって判別された判別結果に基づいて前記機能別保存先記憶手段と前記属性別保存先記憶手段を参照した結果、機能別保存先と属性別保存先とが共通していれば、この共通する保存先を優先検索すべき保存先として特定する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項5】
前記特定手段は、前記判別手段によって判別された判別結果に基づいて前記機能別保存先記憶手段と前記属性別保存先記憶手段を参照した結果、その判別結果に該当している各保存先を優先検索すべき保存先として順次特定する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項6】
前記判別手段によって判別された判別結果に基づいて前記機能別保存先記憶手段と前記属性別保存先記憶手段を参照した結果、その判別結果に該当している各保存先をリスト表示するリスト表示手段を更に備え、
前記特定手段は、前記リスト表示手段によってリスト表示されている保存先の中から任意に選択された保存先を優先検索すべき保存先として特定する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項7】
前記検索手段は、現在実行中の機能に基づいて前記機能別保存先を検索した結果、該当するデータが無ければ、前記属性別保存先を検索する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項8】
前記検索手段は、前記機能別保存先及び前記属性別保存先を検索した結果、該当するデータが無ければ、前記機能別保存先及び属性別保存先以外の他の保存先を検索する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項9】
前記検索用データが入力される検索用入力域を表示画面上に固定的に表示させるために前記機能や画面が切り替えられる毎に前記検索用入力域を切り替え先の画面に表示させる表示制御手段を更に備える、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項10】
コンピュータに対して、
機能別に優先検索すべきデータの保存先が記憶されていると共に、データの属性別に優先検索すべきデータの保存先が記憶されている状態において、検索用データが入力された場合に、現在実行中の機能を判別するほか、入力され検索用データの属性を判別する機能と、
前記判別結果に基づいて前記機能別保存先と前記属性別保存先を参照することによって、優先検索すべき保存先を特定する機能と、
前記特定された保存先を前記入力された検索用データに基づいて検索する機能と、
を実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−79690(P2010−79690A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−248587(P2008−248587)
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【出願人】(504149100)株式会社カシオ日立モバイルコミュニケーションズ (893)
【Fターム(参考)】