端末装置
【課題】 上下方向の回転操作を行う回転操作子と、時計回り方向及び反時計回り方向に回転操作を行う回転操作子との2つの回転操作子を、略一つの回転操作子分の設置スペースで設けることを可能とする。
【解決手段】 時計回り方向及び反時計回り方向に回転操作可能とされたディスクジョグダイヤル10の略中央に、このディスクジョグダイヤル10の操作方向に対して略直交する方向に回転操作可能とされたジョグダイヤル11を設ける。ジョグダイヤル11は、ディスクジョグダイヤル10と一体的に構成されているため、略一つの回転操作子分の設置スペースで2つのジョグダイヤルを設けることができる。また、ディスクジョグダイヤル10を回転操作することで、ジョグダイヤル11の回転軸の方向も変化する。従って、ジョグダイヤル11の回転操作方向を上下左右及び斜め方向にも変更することができ、操作性の向上を図ることができる。
【解決手段】 時計回り方向及び反時計回り方向に回転操作可能とされたディスクジョグダイヤル10の略中央に、このディスクジョグダイヤル10の操作方向に対して略直交する方向に回転操作可能とされたジョグダイヤル11を設ける。ジョグダイヤル11は、ディスクジョグダイヤル10と一体的に構成されているため、略一つの回転操作子分の設置スペースで2つのジョグダイヤルを設けることができる。また、ディスクジョグダイヤル10を回転操作することで、ジョグダイヤル11の回転軸の方向も変化する。従って、ジョグダイヤル11の回転操作方向を上下左右及び斜め方向にも変更することができ、操作性の向上を図ることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば携帯電話機、PHS電話機(PHS:Personal Handyphone System)、PDA装置(PDA:Personal Digital Assistant)、携帯ゲーム機、ノート型或いはデスクトップ型のパーソナルコンピュータ装置等に適用して好適な回転入力装置を備えた端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2007−41963号の公開特許公報(特許文献1)に、リモートコントローラ装置、携帯電話機、オーディオ機器等の操作性を改善可能なジョグダイアルを備えた電子機器が開示されている。この電子機器は、ディスプレイ上のカーソルの左右方向の移動操作を行うためのジョグダイアルと、上記ディスプレイ上のカーソルの上下方向の移動操作を行うためのジョグダイアルとの、計2つのジョグダイアルを備えている。各ジョグダイアルは、それぞれ回転軸が直交するように設けられており、また、操作者の親指の幅として想定される値(例えば、20mm)より狭い間隔となるように互いに近接して設けられている。これにより、カーソルの左右方向の移動操作、及び上下方向の移動操作を、それぞれ別々のジョグダイアルで操作することができるため、制御モードの切り換え等の面倒な操作を省略可能として操作性の向上を図ることができる。
【0003】
【特許文献1】特開2007−41963号公報(第3頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述の特許文献1に開示されている電子機器の場合、各ジョグダイアルを設置するための物理的な設置スペースを少なくとも2箇所必要とする。近年における携帯電話機等の携帯機器は、筐体の小型化が進んでいるうえ、この小型化された筐体に、テレビジョン放送受信機能、音楽プレーヤ機能、現在位置検出機能(GPSユニット、GPS:Global Positioning System)等の様々な機能が設けられる他、表示面積の大きな表示部や大きな径のステレオスピーカユニット等が設けられる傾向にある。このため、上記2つのジョグダイアル用の設置スペースを確保することが困難となっている。
【0005】
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、上下方向の回転操作を行う回転操作子と、時計回り方向及び反時計回り方向に回転操作を行う回転操作子との2つの回転操作子を、略一つの回転操作子分の設置スペースで設けることを可能とした回転入力装置を備えた端末装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る端末装置は、上述の課題を解決するための手段として、
時計回り方向及び反時計回り方向に、それぞれ回転自在とされた板形状の第1の回転操作子と、
上記第1の回転操作子の回転操作方向、及び回転操作量を示す回転操作信号を出力する第1の回転検出手段と、
上記第1の回転操作子の略中央部に該第1の回転操作子と共に回転するように一体的に設けられ、上記第1の回転操作子の回転操作方向に対して略直交する回転操作方向とされた略円柱形状の第2の回転操作子と、
上記第2の回転操作子の回転操作方向、及び回転操作量を示す回転操作信号を出力する第2の回転検出手段と
を備えた回転入力装置を有する。
【0007】
このような本発明は、時計回り方向及び反時計回り方向に回転操作可能とされた第1の回転操作子の略中央に、この第1の回転操作子の操作方向に対して略直交する方向に回転操作可能とされた第2の回転操作子を一体的に設けることで、略一つの回転操作子分の設置スペースで2つの回転操作子を設けることを可能とすることができる。
【0008】
また、第1の回転操作子を回転操作することで、第2の回転操作子の回転軸の方向も変更することができるため、第2の回転操作子の回転操作方向を上下左右方向のみならず、斜め方向にも変更可能として、操作性の向上を図ることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、それぞれ回転操作方向の異なる2つの回転操作子を、略一つの回転操作子分の設置スペースで設けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明は、携帯電話機に適用することができる。
【0011】
[携帯電話機の機械構成]
この実施の形態となる携帯電話機は、図1に示すようにいわゆるストレート型(=スティック型)の携帯電話機となっている。この携帯電話機の筐体1の正面部1aには、長手方向に沿って上から順に表示部2及び操作部3が設けられており、筐体1の底面部1bと操作部3との間には、送話用のマイクロホン部4が設けられている。また、筐体1の上面部1cと表示部2の上端部2aとの間には、筐体1の短手方向に沿って左から順に、表示部2の表示面側の被写体を撮像するための第1のカメラ装置5、受話音声用のスピーカ装置6、及び表示部2の反表示面側の被写体を撮像するための第2のカメラ装置7が設けられている。
【0012】
すなわち、第1のカメラ装置5は、例えば通話相手の携帯電話機との間で互いに音声及び画像を送受信するテレビ電話通話を行う際に当該携帯電話機を使用しているユーザを撮像するためのカメラ装置(いわゆる、自分撮り用のカメラ装置)となっており、第2のカメラ装置7は、風景や所望の人物等の被写体を撮像するためのカメラ装置となっている。
【0013】
操作部3としては、押圧操作で所望の文字や記号等の入力や発信操作、通話切断操作等を行うための複数の押圧操作キー8と、回転操作により所望のメニューの選択操作や所望の文字や記号等の入力操作を行うための回転操作部9とが設けられている。
【0014】
図2に、この回転操作部9の拡大図を示す。この図2からわかるように、この回転操作部9は、略円板形状のディスクジョグダイヤル10と、このディスクジョグダイヤル10の中央に設けられた略円柱形状のジョグダイヤル11とを有している。略円板形状のディスクジョグダイヤル10は、時計回り方向(CW方向、CW:ClockWise)及び反時計回り方向(CCW方向、CCW:Counter ClockWise)に回転自在となるように上記筐体1に設けられている。また、略円柱形状のジョグダイヤル11は、ディスクジョグダイヤル10の回転方向に対して直交する回転方向であるV1方向及びV2方向(Vertical direction 1,Vertical direction 2)に回転自在となるようにディスクジョグダイヤル10に設けられている。すなわち、ディスクジョグダイヤル10及びジョグダイヤル11は、ディスクジョグダイヤル10の回転操作に従って、ジョグダイヤル11自体もCW方向或いはCCW方向に回転するように一体的に構成されている。
【0015】
図3(a)にジョグダイヤル11の拡大図を、図3(b)にディスクジョグダイヤル10の拡大図をそれぞれ示す。図3(a)に示すように、ジョグダイヤル11は、当該ジョグダイヤル11の長手方向に沿って形成された複数の着磁領域を有している。各着磁領域は、それぞれS極及びN極が隣接するように交互に着磁されている。また、図3(b)に示すように、ディスクジョグダイヤル10は、反操作面側(ユーザが指で操作する面の反対側の面)が、当該ディスクジョグダイヤル10の中心から放射状に均等分割された複数の着磁領域を有している。各着磁領域は、それぞれS極及びN極が隣接するように交互に着磁されている。
【0016】
図4に、このような回転操作部9を、当該回転操作部9の中心を通り、かつ、ジョグダイヤル11の短手方向に沿った直線で切断し、この切断面を正面から見た状態の断面図を示す。この図4からわかるように、回転操作部9には、ジョグダイヤル11に近接して、該ジョグダイヤル11の回転操作に対応するエンコードパルス(A信号及びB信号)を出力する第1の回転検出部12と、ディスクジョグダイヤル10に近接して、該ディスクジョグダイヤル10の回転操作に対応するエンコードパルス(A信号及びB信号)を出力する第2の回転検出部13とが設けられている。
【0017】
第2の回転検出部13は、ディスクジョグダイヤル10に近接して、筐体1内の基板側に固定して設けられている。これに対して、第1の回転検出部12は、回転操作部9内に設けられており、ディスクジョグダイヤル10の回転操作に応じて、ジョグダイヤル11と共に上記CW方向或いはCCW方向に回転する。このため、第1の回転検出部12と筐体1内の基板とは、回転操作部9の円筒形状の回転軸14内を通る信号ラインで接続されており、この信号ラインを介して、ジョグダイヤル11の回転操作に対応するエンコードパルスを取り出すようになっている。
【0018】
さらに詳細に説明すると、第1の回転検出部12の反回転検出面側(ジョグダイヤル11と相対向する面に対する反対の面側)には、図5(a)に示すように一対のA信号の出力端子16と、一対のB信号の出力端子17とが設けられている。これに対応して、回転操作部9の回転軸14には、上記A信号の出力端子16に当接するリング形状の端子18、及び上記B信号の出力端子17に当接するリング形状の端子19が設けられている。この端子18及び端子19は、図4を用いて説明したように円筒形状の回転軸14内を通る信号ラインを介して筐体1内の基板に接続されている。
【0019】
上記各端子16〜19は、図5(c)に示すようにディスクジョグダイヤル10の回転操作による第1の回転検出部12のCW方向或いはCCW方向の回転に応じて摺接するようになっており、図5(d)及び上記図4に示すように、第1の回転検出部12の各出力端子16、17を介して出力されたA信号及びB信号は、回転軸14側の端子18、19及び上記信号ラインを介して、筐体1側の基板に出力されるようになっている。
【0020】
次に、略円柱形状のジョグダイヤル11は、上記V1方向及びV2方向の回転操作の他、筐体1方向への押圧操作が可能となっている。具体的には、このジョグダイヤル11は、図6(a)に示すように一対の支柱21、22により回転自在に支持されている。各支柱21、22は、内部にスプリングが設けられた、いわゆるダンパー構造を有している。このうち、一方の支柱21には、ジョグダイヤル11が押圧操作されている間、当接するスイッチ23が設けられている。このスイッチ23のスイッチング出力は、支柱21の底面部に設けられた出力端子24を介して取り出されるようになっている。なお、支柱22の底面部に設けられた端子25は、各支柱21,22の高さ合わせのためのダミー端子となっている。
【0021】
支柱21の出力端子24、及び支柱22のダミー端子25は、図6(b)に示すように、図4に示す回転軸14側に設けられたリング形状の端子26に摺接するようになっている。このリング形状の端子26は、回転操作部9の円筒形状の回転軸14内を通る信号ラインにより、筐体1内の基板と接続されており、この信号ラインを介して、図6(c)に示すように、ジョグダイヤル11の押圧操作に対応するスイッチングパルス(プッシュ信号)を取り出すようになっている。
【0022】
なお、この例では、一方の支柱21にのみ、スイッチ23を設けることとしたが、他方の支柱22にのみ、スイッチ23を設けてもよいし、両方の支柱21,22にそれぞれスイッチ23を設けてもよい。
【0023】
[携帯電話機の電気構成]
次に、この携帯電話機は、図7に示すように基地局との間で音声通話、テレビ電話通話、電子メール、Webデータ(Web:World Wide Web)等の無線通信を行うアンテナ31及び通信回路32と、操作メニュー、電子メール、画像(静止画像及び動画像)等を表示するための表示部2と、上記押圧操作部8及び回転操作部9を備えた操作部3と、送話音声等を集音するためのマイクロホン部4と、上記第1及び第2のカメラ装置5,7と、受話音声等を出力するためのスピーカ部6と、発着信等を光でユーザに通知するための発光部33(LED:Light Emitting Diode)とを有している。
【0024】
また、この携帯電話機は、当該携帯電話機の筐体1を振動させて発着信等をユーザに通知するためのバイブレーションユニット34と、時刻をカウントするタイマ35と、ジョグダイヤル11の回転を検出する第1の回転検出部12と、ディスクジョグダイヤル10の回転を検出する第2の回転検出部13と、基地局を介した無線通信処理を行うためのコミュニケーションプログラムや各種アプリケーションプログラムの他、これら各アプリケーションプログラムで取り扱われる各種データ(コンテンツ)等が記憶されたメモリ36と、当該携帯電話機全体の動作を制御する制御部37と、テレビジョン放送信号(例えば、地上波デジタルテレビジョン放送信号)を受信するテレビジョンアンテナ38及びテレビジョン放送受信ユニット39とを有している。
【0025】
メモリ36には、上記コミュニケーションプログラムの他、上記ディスクジョグダイヤル10及びジョグダイヤル11の回転操作処理を行うための回転操作処理プログラムと、電子メールの作成や送受信を制御するための電子メール管理プログラムと、カメラ部5,7の撮像制御を行うカメラ制御プログラムと、ユーザのスケジュールが登録されたスケジュール帳の管理を行うためのスケジュール帳管理プログラムと、電話帳の管理を行うための電話帳管理プログラムと、音楽コンテンツの再生を行うための音楽プレーヤプログラムと、コミュニケーションネットワークやインターネット等の所定のネットワーク上に設けられたサーバ装置上で公開されているWebページを閲覧するためのWebブラウジングプログラムと、テレビジョン放送受信ユニット39で受信するテレビジョン放送の選局制御や所望のチャンネルの録画再生制御等を行うためのテレビジョン信号処理プログラム(TV信号処理プログラム)とが記憶されている。
【0026】
また、メモリ36には、ユーザの所望のスケジュールが登録されるスケジュール帳と、ユーザの知人や友人等のユーザ名、静止画像(顔写真等)、住所、電話番号、電子メールアドレス、生年月日等が登録された電話帳と、音楽プレーヤプログラムに基づいて再生される音楽コンテンツと、カメラ制御プログラムのビューワ機能に基づいて再生される静止画像コンテンツ及び動画像コンテンツと、送受信された電子メールコンテンツと、電話及び電子メールの発着信履歴等が記憶されている。
【0027】
図8に、上記ジョグダイヤル11の回転を検出する第1の回転検出部12及び上記ディスクジョグダイヤル10の回転を検出する第2の回転検出部13を含む「回転検出系」の詳細なブロック図を示す。この図8に示すように、回転検出系は、第1の回転検出部12から出力される信号A及び信号Bの各位相に基づいて検出したジョグダイヤル11の回転方向を示すV1回転パルス或いはV2回転パルスを出力する回転パルス発生部41と、回転パルス発生部41から出力されたV1回転パルスのパルス数をカウントし、このカウント値を制御部37に供給するカウンタ42と、回転パルス発生部41から出力されたV2回転パルスのパルス数をカウントし、このカウント値を制御部37に供給するカウンタ43とを有している。
【0028】
また、この「回転検出系」は、第2の回転検出部13から出力される信号A及び信号Bの各位相に基づいて検出したディスクジョグダイヤル10の回転方向を示すCW回転パルス或いはCCW回転パルスを出力する回転パルス発生部44と、回転パルス発生部44から出力されたCW回転パルスのパルス数をカウントし、このカウント値を制御部37に供給するカウンタ45と、回転パルス発生部44から出力されたCCW回転パルスのパルス数をカウントし、このカウント値を制御部37に供給するカウンタ46とを有している。
【0029】
[回転検出動作]
次に、回転操作部9の各ジョグダイヤル10,11の回転検出動作を説明する。図8において、ジョグダイヤル11の回転は、第1の回転検出部12により検出される。第1の回転検出部12は、S極を検出している間ハイレベルとなる図9(a)に示す信号Aを出力し、また、N極を検出している間ハイレベルとなる図9(b)に示す信号Bを出力する。上述のようにジョグダイヤル11の外周部は、S極及びN極が交互となるように着磁されている。このため、ジョグダイヤル11が回転操作されると、図9(a)に示す信号A及び図9(b)に示す信号Bが第1の回転検出部12から出力されることとなる。
【0030】
ここで、S極及びN極が交互となるようにジョグダイヤル11の外周部が着磁されていることから、当該ジョグダイヤル11が図2に示すV1方向に回転操作された場合と、V2方向に回転操作された場合とで、信号A及び信号Bの立ち上がりエッジの現れ方が異なったものとなる。
【0031】
具体的には、ジョグダイヤル11がV1方向に回転操作された場合、図9(a),(b)に示すように信号Aの立ち上がりエッジ、信号Bの立ち上がりエッジの順に該各信号A,Bの立ち上がりエッジが検出される。また、ジョグダイヤル11がV2方向に回転操作された場合、図9(c),(d)に示すように信号Bの立ち上がりエッジ、信号Aの立ち上がりエッジの順に該各信号A,Bの立ち上がりエッジが検出される。
【0032】
回転パルス発生部41は、このような各信号A,Bの立ち上がりエッジの現れ方を検出することでジョグダイヤル11の回転方向を検出し、図9(a),(b)に示すように信号Aの立ち上がりエッジ、信号Bの立ち上がりエッジの順に該各信号A,Bの立ち上がりエッジを検出した場合には、ジョグダイヤル11は上記V1方向に回転操作されたものと判別し、該ジョグダイヤル11が上記V1方向に回転操作されたことを示すと共に該ジョグダイヤル11の回転操作に対応したパルス数となるV1回転パルスをカウンタ42に供給する。カウンタ42は、このV1回転パルスのパルス数をカウントし、このカウント値を制御部37に供給する。
【0033】
同様に、回転パルス発生部41は、図9(c),(d)に示すように信号Bの立ち上がりエッジ、信号Aの立ち上がりエッジの順に該各信号A,Bの立ち上がりエッジを検出した場合には、ジョグダイヤル11は上記V2方向に回転操作されたものと判別し、該ジョグダイヤル11が上記V2方向に回転操作されたことを示すと共に該ジョグダイヤル11の回転操作に対応したパルス数となるV2回転パルスをカウンタ43に供給する。カウンタ43は、このV2回転パルスのパルス数をカウントし、このカウント値を制御部37に供給する。
【0034】
一方、図8において、ディスクジョグダイヤル10の回転は、第2の回転検出部13により検出される。第2の回転検出部13も、上記第1の回転検出部12と同様には、S極を検出している間ハイレベルとなる信号Aを出力し、また、N極を検出している間ハイレベルとなる信号Bを出力する。上述のように、このディスクジョグダイヤル10もS極及びN極が交互となるように外周部近傍が着磁されている。このため、ディスクジョグダイヤル10が回転操作されると、上記信号A及び上記信号Bが第2の回転検出部13から出力されることとなる。
【0035】
ここで、S極及びN極が交互となるようにディスクジョグダイヤル10の外周部近傍が着磁されていることから、当該ディスクジョグダイヤル10が図2に示すCW方向に回転操作された場合と、CCW方向に回転操作された場合とで、信号A及び信号Bの立ち上がりエッジの現れ方が異なったものとなる。
【0036】
具体的には、ディスクジョグダイヤル10がCW方向に回転操作された場合、信号Aの立ち上がりエッジ、信号Bの立ち上がりエッジの順に該各信号A,Bの立ち上がりエッジが検出される。また、ディスクジョグダイヤル10がCCW方向に回転操作された場合、信号Bの立ち上がりエッジ、信号Aの立ち上がりエッジの順に該各信号A,Bの立ち上がりエッジが検出される。
【0037】
回転パルス発生部44は、このような各信号A,Bの立ち上がりエッジの現れ方を検出することでディスクジョグダイヤル10の回転方向を検出し、信号Aの立ち上がりエッジ、信号Bの立ち上がりエッジの順に該各信号A,Bの立ち上がりエッジを検出した場合には、ディスクジョグダイヤル10は上記CW方向に回転操作されたものと判別し、該ディスクジョグダイヤル10が上記CW方向に回転操作されたことを示すと共に該ディスクジョグダイヤル10の回転操作に対応したパルス数となるCW回転パルスをカウンタ45に供給する。カウンタ45は、このCW回転パルスのパルス数をカウントし、このカウント値を制御部37に供給する。
【0038】
同様に、回転パルス発生部44は、信号Bの立ち上がりエッジ、信号Aの立ち上がりエッジの順に該各信号A,Bの立ち上がりエッジを検出した場合には、ディスクジョグダイヤル10は上記CCW方向に回転操作されたものと判別し、該ディスクジョグダイヤル10が上記CCW方向に回転操作されたことを示すと共に該ディスクジョグダイヤル10の回転操作に対応したパルス数となるCCW回転パルスをカウンタ46に供給する。カウンタ46は、このCCW回転パルスのパルス数をカウントし、このカウント値を制御部37に供給する。
【0039】
次に、カウンタ42から供給されるカウント値は、ジョグダイヤル11がV1方向に回転操作されたことを示すと共に、該ジョグダイヤル11の回転操作量(=回転操作速度)を示す値となる。同様に、カウンタ43から供給されるカウント値は、ジョグダイヤル11がV2方向に回転操作されたことを示すと共に、該ジョグダイヤル11の回転量(=回転速度)を示す値となる。また、カウンタ45から供給されるカウント値は、ディスクジョグダイヤル10がCW方向に回転操作されたことを示すと共に、該ディスクジョグダイヤル10の回転量(=回転速度)を示す値となり、カウンタ46から供給されるカウント値は、ディスクジョグダイヤル10がCCW方向に回転操作されたことを示すと共に、該ディスクジョグダイヤル10の回転操作量(=回転操作速度)を示す値となる。このため、制御部37は、カウント値の供給元となるカウンタに基づいて(=どのカウンタからカウント値が供給されたか)、ユーザにより回転操作されたジョグダイヤル10,11を判別すると共に、各カウンタ42,43、及びカウンタ45,46からそれぞれ供給されるカウント値に基づいて、その回転操作方向及び回転操作量を検出する。そして、メモリ36に記憶されている回転操作処理プログラムに基づいて、この判別結果及び検出結果に対応する操作対象の処理を行う。
【0040】
[テレビジョン放送及び電子メールの同時処理における回転操作処理動作]
この実施の形態の携帯電話機は、テレビジョン放送を視聴しながら電子メールの作成を行うことが可能となっている。具体的には、表示部2にテレビジョン放送受信ユニット39で受信されているチャンネルのテレビジョン放送を表示している際に、ユーザから操作部3を介して電子メールの作成指示操作がなされた場合、制御部37は、図10(a)に示すように表示部2の表示画面を2分割制御し、一方の分割表示領域にテレビジョン放送を表示し、他方の分割表示領域に電子メールの作成画面を表示する。或いは、表示部2に電子メールの作成画面を表示している際に、ユーザから操作部3を介してテレビジョン放送の視聴指示操作がなされた場合、制御部37は、図10(a)に示すように表示部2の表示画面を2分割制御し、一方の分割表示領域に電子メールの作成画面を表示し、他方の分割表示領域にテレビジョン放送を表示する。
【0041】
この図10(a)は、当該携帯電話機を横向きにすることで、通常、縦長の表示画面の状態で使用する表示部2を、横長の表示画面の状態で使用している例であり、図10(a)中、右分割表示領域にテレビジョン放送を、左分割表示領域に電子メールの作成画面を表示した例である。
【0042】
左分割表示領域に表示された電子メールの作成画面は、入力が確定された文字が表示される入力確定文字表示領域51と、入力確定前の文字が表示される入力確定前文字表示領域52と、ユーザにより入力された文字に対応する一つ或いは複数の変換候補となる文字が表示される変換候補表示領域53とを有している。そして、ユーザにより文字入力がなされると、制御部37は、このユーザにより入力された文字を入力確定前文字表示領域52に表示すると共に、このユーザにより入力された文字に対応する一つ或いは複数の変換候補となる文字を変換候補表示領域53に表示する。
【0043】
ユーザは、ジョグダイヤル11を回転操作することで、変換候補表示領域53に表示された各変換候補間を移動するカーソルCRを所望の変換候補に移動操作し、ジョグダイヤル11を押圧操作する。制御部37は、ジョグダイヤル11の回転操作に対応して、変換候補表示領域53に表示しているカーソルCRを、各変換候補の表示位置に移動表示する。そして、制御部37は、ジョグダイヤル11の押圧操作を検出した際にカーソルCRが位置している変換候補を、ユーザにより入力が指定された変換候補であると認識し、この変換候補を入力確定前文字表示領域52に表示する。
【0044】
制御部37は、ユーザから所望の文字が入力される毎に、入力された文字に対応する変換候補を表示し、この変換候補の中から選択された変換候補を入力確定前文字表示領域52に表示する。そして、制御部37は、上記入力確定前文字表示領域52に上記変換候補を表示した際に、再度、ジョグダイヤル11の押圧操作を検出した場合(=変換候補の入力を指定するジョグダイヤル11の押圧操作に連続する該ジョグダイヤル11の押圧操作を検出した場合)、この入力確定前文字表示領域52に表示している文字を、ユーザにより入力が確定された文字であると認識し、この入力確定前文字表示領域52に表示している文字を、入力確定文字表示領域51に表示する。これにより、テレビジョン放送を視聴しながら、所望の文章となる電子メールを作成することができる。
【0045】
ここで、制御部37は、ジョグダイヤル11の回転操作に応じて、変換候補表示領域53に表示しているカーソルCRを移動表示制御するのであるが、図10(a)に示すようにジョグダイヤル11の回転軸が当該携帯電話機の短手方向に沿った状態となっている際に、該ジョグダイヤル11の回転操作を検出した場合、制御部37は、ジョグダイヤル11の回転操作に応じて、カーソルCRを右方向或いは左方向に移動表示制御する。これにより、例えば図10(a)に示す例の場合、カーソルCRは、ありがとう→新たに→間→明日・・・等のように、言わば横方向に移動表示制御されることとなる。
【0046】
これに対して、図10(b)に示すようにジョグダイヤル11の回転軸が当該携帯電話機の長手方向に沿った状態となっている際に、該ジョグダイヤル11の回転操作を検出した場合、制御部37は、ジョグダイヤル11の回転操作に応じて、カーソルCRを下方向或いは上方向に移動表示制御する。これにより、例えば図10(b)に示す例の場合、カーソルCRは、ありがとう→間・・・等のように、言わば縦方向に移動表示制御されることとなる。
【0047】
上述のように、当該実施の形態の携帯電話機の場合、ディスクジョグダイヤル10を回転操作することで、ジョグダイヤル11自体も回転操作可能となっている。このため、ユーザは、ディスクジョグダイヤル10を回転操作することで、ジョグダイヤル11の回転軸の向きを、当該携帯電話機の短手方向(図10(a)参照)、或いは当該携帯電話機の長手方向(図10(b)参照)に変更することができる。従って、カーソルCRを移動操作し易い方向に、ジョグダイヤル11の回転軸を回転移動することができ(=ジョグダイヤル11の回転操作方向を上下左右に自由に変更することができ)、文字等の入力操作の操作性の向上を図ることができる。
【0048】
[所望のメニューの選択操作]
次に、回転操作部9を用いて所望のメニューを選択操作する場合、ユーザは、まず、待ち受け画面が表示されている状態でジョグダイヤル11を押圧操作する。制御部37は、待ち受け画面を表示している状態でジョグダイヤル11の押圧操作を検出すると、メニューの一覧の表示が指定されたものと認識し、例えば図11に示すようにエンタテインメント、メール、ネットワークモード、アプリケーション、電話、データボックス(データBOX)・・・等のメインメニューを表示部2に表示制御する。
【0049】
次に、ユーザは、ディスクジョグダイヤル10を回転操作することで、ジョグダイヤル11の回転軸を当該携帯電話機の短手方向に沿った方向とし、該ジョグダイヤル11を上記V1方向或いはV2方向に回転操作する。この回転操作がなされると、制御部37は、エンタテインメント→メール→ネットワークモード→アプリケーション→電話→データBOX・・・の順にカーソルCRを移動操作する。
【0050】
ユーザは、所望のメインメニュー項目にカーソルCRを移動させ、ジョグダイヤル11を押圧操作する。メインメニューを表示している際に、ジョグダイヤル11の押圧操作を検出すると、制御部37は、この押圧操作がなされた際にカーソルCRが位置していたメインメニュー項目のサブメニューを表示部2に表示制御する。例えば、エンタテインメントのメインメニュー項目にカーソルCRが位置していた際に、ジョグダイヤル11が押圧操作された場合、制御部37は、図11に示すマイセレクト、音楽プレーヤ、カレンダー、カメラ、ムービー・・・等の、上記エンタテインメントの各サブメニュー項目を表示部2に表示制御する。
【0051】
ユーザは、ディスクジョグダイヤル10を回転操作することで、ジョグダイヤル11の回転軸が当該携帯電話機の短手方向に沿った方向とされているジョグダイヤル11を上記V1方向或いはV2方向に回転操作し、所望のサブメニュー項目にカーソルCRを移動操作したうえで、該ジョグダイヤル11を押圧操作する。制御部37は、ジョグダイヤル11の回転操作に応じて、マイセレクト→音楽プレーヤ→カレンダー→カメラ→ムービー・・・の順にカーソルCRを移動表示制御し、該ジョグダイヤル11の押圧操作を検出した際に、カーソルCRが位置しているサブメニュー項目に対応するアプリケーションプログラムを実行制御する。
【0052】
十字キーと決定キーを用いて、例えば図11のムービーのサブメニュー項目を選択する場合、まず、メニューキーを押圧操作し、次に、エンタテインメントのメインメニュー項目にカーソルCRが位置している状態で決定キーを押圧操作してサブメニューを表示させ、次に、十字キーの下キーを4回押圧操作して、カーソルCRをムービーのサブメニュー項目の表示位置まで移動操作して決定キーを押圧操作する。この場合、計6回の押圧操作を必要とすると共に、メニューキー、決定キー及び十字キーの3つのキーを操作する必要がある(=操作するキーを3回、変更する必要がある。)。
【0053】
しかし、この実施の形態の携帯電話機の場合、ディスクジョグダイヤル10を回転操作することでジョグダイヤル11を操作し易い状態としたうえで、このジョグダイヤル11の回転操作及び押圧操作するだけで、上記ムービーのサブメニュー項目を選択操作することができる。このため、ジョグダイヤル11のみの操作で所望のサブメニュー項目を選択することができる。また、待ち受け画面からメインメニューを表示させるためのジョグダイヤル11の押圧操作と、メインメニューから所望のメインメニュー項目を選択するためのジョグダイヤル11の押圧操作と、サブメニューから所望のサブメニュー項目を選択するためのジョグダイヤル11の押圧操作との、計3回の押圧操作で所望のサブメニュー項目を選択することができ、上記十字キーと決定キーを用いた場合の1/2の押圧操作で所望のサブメニュー項目を選択することができる。
【0054】
なお、この例では、メインメニュー上のカーソルCR、及びサブメニュー上のカーソルCRをジョグダイヤル11の回転操作で移動することとしたが、ディスクジョグダイヤル10の回転操作で移動させてもよい。この場合、制御部37は、ディスクジョグダイヤル10の回転操作に応じて、メインメニューの各メインメニュー項目上に、カーソルCRを順次移動表示制御し、また、サブメニューの各サブメニュー項目上に、カーソルCRを順次移動表示制御する。これにより、ユーザは、ディスクジョグダイヤル10を回転操作して、所望のメインメニュー項目上或いはサブメニュー項目上にカーソルCRを移動操作して、ジョグダイヤル11を押圧操作するだけで、所望のサブメニュー項目を選択することができる。
【0055】
[アラーム設定動作]
次に、この実施の形態の携帯電話機では、ジョグダイヤル11を時計の時針及び分針に見立てて所望の時刻にアラーム設定を行うことができる。この場合、ユーザはメニュー項目からアラーム設定を選択し、ジョグダイヤル11を時計の時針としてアラーム設定を行うか、ジョグダイヤル11を時計の分針としてアラーム設定を行うかを選択する。そして、ディスクジョグダイヤル10を回転操作することで、ジョグダイヤル11の位置を所望の時刻の位置として、該ジョグダイヤル11を押圧操作する。
【0056】
具体的には、ジョグダイヤル11を時計の時針としてアラーム設定を行う場合において、ユーザによりディスクジョグダイヤル10が回転操作され、ジョグダイヤル11の回転軸が、図12(a)に示すように当該携帯電話機の短手方向に沿った方向とされたうえで、該ジョグダイヤル11が押圧操作された場合、制御部37は、現在時刻から9時間後の時刻にアラーム設定を行う。これに対して、ジョグダイヤル11を時計の分針としてアラーム設定を行う場合において、ユーザによりディスクジョグダイヤル10が回転操作され、ジョグダイヤル11の回転軸が、図12(a)に示すように当該携帯電話機の短手方向に沿った方向とされたうえで、該ジョグダイヤル11が押圧操作された場合、制御部37は、現在時刻から45分後の時刻にアラーム設定を行う。
【0057】
また、ジョグダイヤル11を時計の時針としてアラーム設定を行う場合において、ユーザによりディスクジョグダイヤル10が回転操作され、ジョグダイヤル11の回転軸が、図12(b)に示すように当該携帯電話機の長手方向に沿った方向とされたうえで、該ジョグダイヤル11が押圧操作された場合、制御部37は、現在時刻から6時間後の時刻にアラーム設定を行う。これに対して、ジョグダイヤル11を時計の分針としてアラーム設定を行う場合において、ユーザによりディスクジョグダイヤル10が回転操作され、ジョグダイヤル11の回転軸が、図12(b)に示すように当該携帯電話機の長手方向に沿った方向とされたうえで、該ジョグダイヤル11が押圧操作された場合、制御部37は、現在時刻から30分後の時刻にアラーム設定を行う。
【0058】
また、ジョグダイヤル11を時計の時針としてアラーム設定を行う場合において、ユーザによりディスクジョグダイヤル10が回転操作され、ジョグダイヤル11の回転軸が、図12(c)に示すように時計の文字盤の1時の方向とされたうえで、該ジョグダイヤル11が押圧操作された場合、制御部37は、現在時刻から1時間後の時刻にアラーム設定を行う。これに対して、ジョグダイヤル11を時計の分針としてアラーム設定を行う場合において、ユーザによりディスクジョグダイヤル10が回転操作され、ジョグダイヤル11の回転軸が、図12(c)に示すように時計の文字盤の1時の方向とされたうえで、該ジョグダイヤル11が押圧操作された場合、制御部37は、現在時刻から5分後の時刻にアラーム設定を行う。
【0059】
当該実施の形態の携帯電話機の場合、ディスクジョグダイヤル10を回転操作することで、ジョグダイヤル11自体も回転操作することができるため、このようなアラーム設定も簡単な操作で行うことを可能とすることができる。
【0060】
[変形例]
上述の実施の形態は、本発明をストレート型(=スティック型)の携帯電話機に適用した例であったが、本発明を折り畳み型の携帯電話機やスライド型の携帯電話機、或いはジャックナイフ型の携帯電話機に適用してもよい。いずれの場合でも、上述と同様の効果を得ることができる。
【0061】
図13は、本発明を適用した折り畳み型の携帯電話機の実施の形態である。この場合、携帯電話機は、上筐体61及び下筐体62をヒンジ部63を介して折り畳み可能に接続した構成を有している。また、回転操作部9は、表示部64の下端部とヒンジ部63との間に設けられている。
【0062】
ヒンジ部63は、上筐体61及び下筐体62を、当該携帯電話機を折り畳む方向に回動可能とすると共に、この折り畳む方向に対して直交する方向にも、上筐体61及び下筐体62を回動可能に接続している。図14(a)に、上記折り畳む方向に対して直交する方向に上筐体61及び下筐体62を回動して折り畳んだ状態の当該携帯電話機を示す。この場合、表示部61及び回転操作部9が共に露出した状態となる。
【0063】
ユーザは、この状態で、回転操作部9のジョグダイヤル11及びディスクジョグダイヤル10を回転操作して、図14(a)、図14(b)に示すようにジョグダイヤル11の操作方向を変更しながら文字等の入力操作や所望のメニューの選択操作等を行う。これにより、上述と同様に、例えば所望のテレビジョン放送を視聴しながら電子メールを作成する等の様々な操作を可能とすることができる。
【0064】
通常、折り畳み型の携帯電話機の場合、折り畳んだ状態とすると操作部が隠れてしまうため、所望の操作が困難となるが、当該実施の形態の携帯電話機の場合、折り畳んだ状態でも表示部64及び回転操作部9を露出させることができるうえ、回転操作部9のディスクジョグダイヤル10を回転操作することで、ジョグダイヤル11の操作方向も所望の方向に変更することができるため、当該携帯電話機を折り畳んだ状態で、該携帯電話機を開いた状態と同様の操作を可能とすることができる。
【0065】
[実施の形態の効果]
以上の説明から明らかなように、この実施の形態の携帯電話機は、それぞれ回転操作方向が直交するジョグダイヤル11及びディスクジョグダイヤル10が一体的に形成された回転操作部9を有している。このため、ディスクジョグダイヤル10一つ分の設置スペースで、該ディスクジョグダイヤル10及びジョグダイヤル11の、計2つのジョグダイヤルを設けることができる。
【0066】
また、ディスクジョグダイヤル10を回転操作することで、ジョグダイヤル11の回転操作方向を変更することができるため、操作性の向上を図ることができる。ジョグダイヤル11の回転操作方向が例えば横方向に固定されている場合、例えばゲームにおける操作対象オブジェクトを横方向にしか移動操作することができないため、該操作対象オブジェクトを縦方向に移動操作するには十字キーを用いることとなる。このため、ジョグダイヤルは、ゲームの操作対象オブジェクトを移動操作するには不向きとされているが、この実施の形態の携帯電話機の場合、ディスクジョグダイヤル10を回転操作することで、ジョグダイヤル11の回転操作方向を縦方向、及び横方向のみならず、斜め方向まで、所望の方向に変更することができるため、ゲームの操作対象オブジェクトも良好に移動操作可能とすることができる。
【0067】
また、ジョグダイヤル11及びディスクジョグダイヤル10のうち、いずれか一方のみを設けた場合、この一つのみ設けられているジョグダイヤルが故障すると、携帯電話機の種々の操作に支障を来すが、当該実施の形態の携帯電話機の場合、2つのジョグダイヤル10、11が設けられているため、一方のジョグダイヤルが故障した場合でも、他方のジョグダイヤルで当該携帯電話機の操作を補うことができる。
【0068】
最後に、上述の実施の形態は、本発明を携帯電話機に適用した例であったが、本発明は、この他、PHS電話機(PHS:Personal Handyphone System)、PDA装置(PDA:Personal Digital Assistant)、携帯ゲーム機、ノート型或いはデスクトップ型のパーソナルコンピュータ装置等の端末機器や、マウス装置等の入力機器に適用してもよい。いずれの場合でも、上述と同じ効果を得ることができる。
【0069】
また、上述の実施の形態は、本発明の一例である。このため、本発明は上述の実施の形態に限定されることはなく、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論であることを付け加えておく。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明を適用した実施の形態となるストレート型の携帯電話機の外観を示す図である。
【図2】実施の形態の携帯電話機に設けられている回転操作部の外観を示す図である。
【図3】実施の形態の携帯電話機に設けられている回転操作部のジョグダイヤル及びディスクジョグダイヤルの着磁状態を示す図である。
【図4】実施の形態の携帯電話機に設けられている回転操作部の断面図である。
【図5】実施の形態の携帯電話機に設けられている回転操作部のジョグダイヤルの回転操作信号の取り出し方を説明するための図である。
【図6】実施の形態の携帯電話機に設けられている回転操作部のジョグダイヤルの押圧構造を説明するための図である。
【図7】実施の形態の携帯電話機のブロック図である。
【図8】実施の形態の携帯電話機の回転検出系のブロック図である。
【図9】実施の形態の携帯電話機に設けられている回転操作部から出力される回転検出信号の波形図である。
【図10】実施の形態の携帯電話機に設けられている回転操作部の操作の一例を示す図である。
【図11】実施の形態の携帯電話機に設けられている回転操作部を用いたメニュー選択操作を説明するための図である。
【図12】実施の形態の携帯電話機に設けられている回転操作部を用いたアラーム設定操作を説明するための図である。
【図13】本発明を適用した実施の形態の変形例となる折り畳み型の携帯電話機の外観を示す図である。
【図14】実施の形態の携帯電話機の変形例となる折り畳み型の携帯電話機における回転操作部の操作の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0071】
1 筐体、2 表示部、3 操作部、4 マイクロホン部、5 自分撮り用のカメラ部、6 スピーカ部、7 カメラ部、8 押圧操作キー、9 回転操作部、10 ディスクジョグダイヤル、11 ジョグダイヤル、12 第1の回転検出部、13 第2の回転検出部、14 回転軸、16 A信号の出力端子、17 B信号の出力端子、18 端子、19 端子、21 ジョグダイヤルの支柱、22 ジョグダイヤルの支柱、23 スイッチ、24 端子、25 ダミー端子、26 端子、31 アンテナ、32 通信回路、33 発光部(LED:Light Emitting Diode)、34 バイブレーションユニット、35 タイマ、36 メモリ、37 制御部、38 テレビジョンアンテナ、39 テレビジョン放送受信ユニット、41 回転パルス発生部、42 カウンタ、43 カウンタ、44 回転パルス発生部、45 カウンタ、46 カウンタ、51 入力確定文字表示領域、52 入力確定前文字表示領域、53 変換候補表示領域、61 上筐体、62 下筐体、63 ヒンジ部、64 表示部
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば携帯電話機、PHS電話機(PHS:Personal Handyphone System)、PDA装置(PDA:Personal Digital Assistant)、携帯ゲーム機、ノート型或いはデスクトップ型のパーソナルコンピュータ装置等に適用して好適な回転入力装置を備えた端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2007−41963号の公開特許公報(特許文献1)に、リモートコントローラ装置、携帯電話機、オーディオ機器等の操作性を改善可能なジョグダイアルを備えた電子機器が開示されている。この電子機器は、ディスプレイ上のカーソルの左右方向の移動操作を行うためのジョグダイアルと、上記ディスプレイ上のカーソルの上下方向の移動操作を行うためのジョグダイアルとの、計2つのジョグダイアルを備えている。各ジョグダイアルは、それぞれ回転軸が直交するように設けられており、また、操作者の親指の幅として想定される値(例えば、20mm)より狭い間隔となるように互いに近接して設けられている。これにより、カーソルの左右方向の移動操作、及び上下方向の移動操作を、それぞれ別々のジョグダイアルで操作することができるため、制御モードの切り換え等の面倒な操作を省略可能として操作性の向上を図ることができる。
【0003】
【特許文献1】特開2007−41963号公報(第3頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述の特許文献1に開示されている電子機器の場合、各ジョグダイアルを設置するための物理的な設置スペースを少なくとも2箇所必要とする。近年における携帯電話機等の携帯機器は、筐体の小型化が進んでいるうえ、この小型化された筐体に、テレビジョン放送受信機能、音楽プレーヤ機能、現在位置検出機能(GPSユニット、GPS:Global Positioning System)等の様々な機能が設けられる他、表示面積の大きな表示部や大きな径のステレオスピーカユニット等が設けられる傾向にある。このため、上記2つのジョグダイアル用の設置スペースを確保することが困難となっている。
【0005】
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、上下方向の回転操作を行う回転操作子と、時計回り方向及び反時計回り方向に回転操作を行う回転操作子との2つの回転操作子を、略一つの回転操作子分の設置スペースで設けることを可能とした回転入力装置を備えた端末装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る端末装置は、上述の課題を解決するための手段として、
時計回り方向及び反時計回り方向に、それぞれ回転自在とされた板形状の第1の回転操作子と、
上記第1の回転操作子の回転操作方向、及び回転操作量を示す回転操作信号を出力する第1の回転検出手段と、
上記第1の回転操作子の略中央部に該第1の回転操作子と共に回転するように一体的に設けられ、上記第1の回転操作子の回転操作方向に対して略直交する回転操作方向とされた略円柱形状の第2の回転操作子と、
上記第2の回転操作子の回転操作方向、及び回転操作量を示す回転操作信号を出力する第2の回転検出手段と
を備えた回転入力装置を有する。
【0007】
このような本発明は、時計回り方向及び反時計回り方向に回転操作可能とされた第1の回転操作子の略中央に、この第1の回転操作子の操作方向に対して略直交する方向に回転操作可能とされた第2の回転操作子を一体的に設けることで、略一つの回転操作子分の設置スペースで2つの回転操作子を設けることを可能とすることができる。
【0008】
また、第1の回転操作子を回転操作することで、第2の回転操作子の回転軸の方向も変更することができるため、第2の回転操作子の回転操作方向を上下左右方向のみならず、斜め方向にも変更可能として、操作性の向上を図ることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、それぞれ回転操作方向の異なる2つの回転操作子を、略一つの回転操作子分の設置スペースで設けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明は、携帯電話機に適用することができる。
【0011】
[携帯電話機の機械構成]
この実施の形態となる携帯電話機は、図1に示すようにいわゆるストレート型(=スティック型)の携帯電話機となっている。この携帯電話機の筐体1の正面部1aには、長手方向に沿って上から順に表示部2及び操作部3が設けられており、筐体1の底面部1bと操作部3との間には、送話用のマイクロホン部4が設けられている。また、筐体1の上面部1cと表示部2の上端部2aとの間には、筐体1の短手方向に沿って左から順に、表示部2の表示面側の被写体を撮像するための第1のカメラ装置5、受話音声用のスピーカ装置6、及び表示部2の反表示面側の被写体を撮像するための第2のカメラ装置7が設けられている。
【0012】
すなわち、第1のカメラ装置5は、例えば通話相手の携帯電話機との間で互いに音声及び画像を送受信するテレビ電話通話を行う際に当該携帯電話機を使用しているユーザを撮像するためのカメラ装置(いわゆる、自分撮り用のカメラ装置)となっており、第2のカメラ装置7は、風景や所望の人物等の被写体を撮像するためのカメラ装置となっている。
【0013】
操作部3としては、押圧操作で所望の文字や記号等の入力や発信操作、通話切断操作等を行うための複数の押圧操作キー8と、回転操作により所望のメニューの選択操作や所望の文字や記号等の入力操作を行うための回転操作部9とが設けられている。
【0014】
図2に、この回転操作部9の拡大図を示す。この図2からわかるように、この回転操作部9は、略円板形状のディスクジョグダイヤル10と、このディスクジョグダイヤル10の中央に設けられた略円柱形状のジョグダイヤル11とを有している。略円板形状のディスクジョグダイヤル10は、時計回り方向(CW方向、CW:ClockWise)及び反時計回り方向(CCW方向、CCW:Counter ClockWise)に回転自在となるように上記筐体1に設けられている。また、略円柱形状のジョグダイヤル11は、ディスクジョグダイヤル10の回転方向に対して直交する回転方向であるV1方向及びV2方向(Vertical direction 1,Vertical direction 2)に回転自在となるようにディスクジョグダイヤル10に設けられている。すなわち、ディスクジョグダイヤル10及びジョグダイヤル11は、ディスクジョグダイヤル10の回転操作に従って、ジョグダイヤル11自体もCW方向或いはCCW方向に回転するように一体的に構成されている。
【0015】
図3(a)にジョグダイヤル11の拡大図を、図3(b)にディスクジョグダイヤル10の拡大図をそれぞれ示す。図3(a)に示すように、ジョグダイヤル11は、当該ジョグダイヤル11の長手方向に沿って形成された複数の着磁領域を有している。各着磁領域は、それぞれS極及びN極が隣接するように交互に着磁されている。また、図3(b)に示すように、ディスクジョグダイヤル10は、反操作面側(ユーザが指で操作する面の反対側の面)が、当該ディスクジョグダイヤル10の中心から放射状に均等分割された複数の着磁領域を有している。各着磁領域は、それぞれS極及びN極が隣接するように交互に着磁されている。
【0016】
図4に、このような回転操作部9を、当該回転操作部9の中心を通り、かつ、ジョグダイヤル11の短手方向に沿った直線で切断し、この切断面を正面から見た状態の断面図を示す。この図4からわかるように、回転操作部9には、ジョグダイヤル11に近接して、該ジョグダイヤル11の回転操作に対応するエンコードパルス(A信号及びB信号)を出力する第1の回転検出部12と、ディスクジョグダイヤル10に近接して、該ディスクジョグダイヤル10の回転操作に対応するエンコードパルス(A信号及びB信号)を出力する第2の回転検出部13とが設けられている。
【0017】
第2の回転検出部13は、ディスクジョグダイヤル10に近接して、筐体1内の基板側に固定して設けられている。これに対して、第1の回転検出部12は、回転操作部9内に設けられており、ディスクジョグダイヤル10の回転操作に応じて、ジョグダイヤル11と共に上記CW方向或いはCCW方向に回転する。このため、第1の回転検出部12と筐体1内の基板とは、回転操作部9の円筒形状の回転軸14内を通る信号ラインで接続されており、この信号ラインを介して、ジョグダイヤル11の回転操作に対応するエンコードパルスを取り出すようになっている。
【0018】
さらに詳細に説明すると、第1の回転検出部12の反回転検出面側(ジョグダイヤル11と相対向する面に対する反対の面側)には、図5(a)に示すように一対のA信号の出力端子16と、一対のB信号の出力端子17とが設けられている。これに対応して、回転操作部9の回転軸14には、上記A信号の出力端子16に当接するリング形状の端子18、及び上記B信号の出力端子17に当接するリング形状の端子19が設けられている。この端子18及び端子19は、図4を用いて説明したように円筒形状の回転軸14内を通る信号ラインを介して筐体1内の基板に接続されている。
【0019】
上記各端子16〜19は、図5(c)に示すようにディスクジョグダイヤル10の回転操作による第1の回転検出部12のCW方向或いはCCW方向の回転に応じて摺接するようになっており、図5(d)及び上記図4に示すように、第1の回転検出部12の各出力端子16、17を介して出力されたA信号及びB信号は、回転軸14側の端子18、19及び上記信号ラインを介して、筐体1側の基板に出力されるようになっている。
【0020】
次に、略円柱形状のジョグダイヤル11は、上記V1方向及びV2方向の回転操作の他、筐体1方向への押圧操作が可能となっている。具体的には、このジョグダイヤル11は、図6(a)に示すように一対の支柱21、22により回転自在に支持されている。各支柱21、22は、内部にスプリングが設けられた、いわゆるダンパー構造を有している。このうち、一方の支柱21には、ジョグダイヤル11が押圧操作されている間、当接するスイッチ23が設けられている。このスイッチ23のスイッチング出力は、支柱21の底面部に設けられた出力端子24を介して取り出されるようになっている。なお、支柱22の底面部に設けられた端子25は、各支柱21,22の高さ合わせのためのダミー端子となっている。
【0021】
支柱21の出力端子24、及び支柱22のダミー端子25は、図6(b)に示すように、図4に示す回転軸14側に設けられたリング形状の端子26に摺接するようになっている。このリング形状の端子26は、回転操作部9の円筒形状の回転軸14内を通る信号ラインにより、筐体1内の基板と接続されており、この信号ラインを介して、図6(c)に示すように、ジョグダイヤル11の押圧操作に対応するスイッチングパルス(プッシュ信号)を取り出すようになっている。
【0022】
なお、この例では、一方の支柱21にのみ、スイッチ23を設けることとしたが、他方の支柱22にのみ、スイッチ23を設けてもよいし、両方の支柱21,22にそれぞれスイッチ23を設けてもよい。
【0023】
[携帯電話機の電気構成]
次に、この携帯電話機は、図7に示すように基地局との間で音声通話、テレビ電話通話、電子メール、Webデータ(Web:World Wide Web)等の無線通信を行うアンテナ31及び通信回路32と、操作メニュー、電子メール、画像(静止画像及び動画像)等を表示するための表示部2と、上記押圧操作部8及び回転操作部9を備えた操作部3と、送話音声等を集音するためのマイクロホン部4と、上記第1及び第2のカメラ装置5,7と、受話音声等を出力するためのスピーカ部6と、発着信等を光でユーザに通知するための発光部33(LED:Light Emitting Diode)とを有している。
【0024】
また、この携帯電話機は、当該携帯電話機の筐体1を振動させて発着信等をユーザに通知するためのバイブレーションユニット34と、時刻をカウントするタイマ35と、ジョグダイヤル11の回転を検出する第1の回転検出部12と、ディスクジョグダイヤル10の回転を検出する第2の回転検出部13と、基地局を介した無線通信処理を行うためのコミュニケーションプログラムや各種アプリケーションプログラムの他、これら各アプリケーションプログラムで取り扱われる各種データ(コンテンツ)等が記憶されたメモリ36と、当該携帯電話機全体の動作を制御する制御部37と、テレビジョン放送信号(例えば、地上波デジタルテレビジョン放送信号)を受信するテレビジョンアンテナ38及びテレビジョン放送受信ユニット39とを有している。
【0025】
メモリ36には、上記コミュニケーションプログラムの他、上記ディスクジョグダイヤル10及びジョグダイヤル11の回転操作処理を行うための回転操作処理プログラムと、電子メールの作成や送受信を制御するための電子メール管理プログラムと、カメラ部5,7の撮像制御を行うカメラ制御プログラムと、ユーザのスケジュールが登録されたスケジュール帳の管理を行うためのスケジュール帳管理プログラムと、電話帳の管理を行うための電話帳管理プログラムと、音楽コンテンツの再生を行うための音楽プレーヤプログラムと、コミュニケーションネットワークやインターネット等の所定のネットワーク上に設けられたサーバ装置上で公開されているWebページを閲覧するためのWebブラウジングプログラムと、テレビジョン放送受信ユニット39で受信するテレビジョン放送の選局制御や所望のチャンネルの録画再生制御等を行うためのテレビジョン信号処理プログラム(TV信号処理プログラム)とが記憶されている。
【0026】
また、メモリ36には、ユーザの所望のスケジュールが登録されるスケジュール帳と、ユーザの知人や友人等のユーザ名、静止画像(顔写真等)、住所、電話番号、電子メールアドレス、生年月日等が登録された電話帳と、音楽プレーヤプログラムに基づいて再生される音楽コンテンツと、カメラ制御プログラムのビューワ機能に基づいて再生される静止画像コンテンツ及び動画像コンテンツと、送受信された電子メールコンテンツと、電話及び電子メールの発着信履歴等が記憶されている。
【0027】
図8に、上記ジョグダイヤル11の回転を検出する第1の回転検出部12及び上記ディスクジョグダイヤル10の回転を検出する第2の回転検出部13を含む「回転検出系」の詳細なブロック図を示す。この図8に示すように、回転検出系は、第1の回転検出部12から出力される信号A及び信号Bの各位相に基づいて検出したジョグダイヤル11の回転方向を示すV1回転パルス或いはV2回転パルスを出力する回転パルス発生部41と、回転パルス発生部41から出力されたV1回転パルスのパルス数をカウントし、このカウント値を制御部37に供給するカウンタ42と、回転パルス発生部41から出力されたV2回転パルスのパルス数をカウントし、このカウント値を制御部37に供給するカウンタ43とを有している。
【0028】
また、この「回転検出系」は、第2の回転検出部13から出力される信号A及び信号Bの各位相に基づいて検出したディスクジョグダイヤル10の回転方向を示すCW回転パルス或いはCCW回転パルスを出力する回転パルス発生部44と、回転パルス発生部44から出力されたCW回転パルスのパルス数をカウントし、このカウント値を制御部37に供給するカウンタ45と、回転パルス発生部44から出力されたCCW回転パルスのパルス数をカウントし、このカウント値を制御部37に供給するカウンタ46とを有している。
【0029】
[回転検出動作]
次に、回転操作部9の各ジョグダイヤル10,11の回転検出動作を説明する。図8において、ジョグダイヤル11の回転は、第1の回転検出部12により検出される。第1の回転検出部12は、S極を検出している間ハイレベルとなる図9(a)に示す信号Aを出力し、また、N極を検出している間ハイレベルとなる図9(b)に示す信号Bを出力する。上述のようにジョグダイヤル11の外周部は、S極及びN極が交互となるように着磁されている。このため、ジョグダイヤル11が回転操作されると、図9(a)に示す信号A及び図9(b)に示す信号Bが第1の回転検出部12から出力されることとなる。
【0030】
ここで、S極及びN極が交互となるようにジョグダイヤル11の外周部が着磁されていることから、当該ジョグダイヤル11が図2に示すV1方向に回転操作された場合と、V2方向に回転操作された場合とで、信号A及び信号Bの立ち上がりエッジの現れ方が異なったものとなる。
【0031】
具体的には、ジョグダイヤル11がV1方向に回転操作された場合、図9(a),(b)に示すように信号Aの立ち上がりエッジ、信号Bの立ち上がりエッジの順に該各信号A,Bの立ち上がりエッジが検出される。また、ジョグダイヤル11がV2方向に回転操作された場合、図9(c),(d)に示すように信号Bの立ち上がりエッジ、信号Aの立ち上がりエッジの順に該各信号A,Bの立ち上がりエッジが検出される。
【0032】
回転パルス発生部41は、このような各信号A,Bの立ち上がりエッジの現れ方を検出することでジョグダイヤル11の回転方向を検出し、図9(a),(b)に示すように信号Aの立ち上がりエッジ、信号Bの立ち上がりエッジの順に該各信号A,Bの立ち上がりエッジを検出した場合には、ジョグダイヤル11は上記V1方向に回転操作されたものと判別し、該ジョグダイヤル11が上記V1方向に回転操作されたことを示すと共に該ジョグダイヤル11の回転操作に対応したパルス数となるV1回転パルスをカウンタ42に供給する。カウンタ42は、このV1回転パルスのパルス数をカウントし、このカウント値を制御部37に供給する。
【0033】
同様に、回転パルス発生部41は、図9(c),(d)に示すように信号Bの立ち上がりエッジ、信号Aの立ち上がりエッジの順に該各信号A,Bの立ち上がりエッジを検出した場合には、ジョグダイヤル11は上記V2方向に回転操作されたものと判別し、該ジョグダイヤル11が上記V2方向に回転操作されたことを示すと共に該ジョグダイヤル11の回転操作に対応したパルス数となるV2回転パルスをカウンタ43に供給する。カウンタ43は、このV2回転パルスのパルス数をカウントし、このカウント値を制御部37に供給する。
【0034】
一方、図8において、ディスクジョグダイヤル10の回転は、第2の回転検出部13により検出される。第2の回転検出部13も、上記第1の回転検出部12と同様には、S極を検出している間ハイレベルとなる信号Aを出力し、また、N極を検出している間ハイレベルとなる信号Bを出力する。上述のように、このディスクジョグダイヤル10もS極及びN極が交互となるように外周部近傍が着磁されている。このため、ディスクジョグダイヤル10が回転操作されると、上記信号A及び上記信号Bが第2の回転検出部13から出力されることとなる。
【0035】
ここで、S極及びN極が交互となるようにディスクジョグダイヤル10の外周部近傍が着磁されていることから、当該ディスクジョグダイヤル10が図2に示すCW方向に回転操作された場合と、CCW方向に回転操作された場合とで、信号A及び信号Bの立ち上がりエッジの現れ方が異なったものとなる。
【0036】
具体的には、ディスクジョグダイヤル10がCW方向に回転操作された場合、信号Aの立ち上がりエッジ、信号Bの立ち上がりエッジの順に該各信号A,Bの立ち上がりエッジが検出される。また、ディスクジョグダイヤル10がCCW方向に回転操作された場合、信号Bの立ち上がりエッジ、信号Aの立ち上がりエッジの順に該各信号A,Bの立ち上がりエッジが検出される。
【0037】
回転パルス発生部44は、このような各信号A,Bの立ち上がりエッジの現れ方を検出することでディスクジョグダイヤル10の回転方向を検出し、信号Aの立ち上がりエッジ、信号Bの立ち上がりエッジの順に該各信号A,Bの立ち上がりエッジを検出した場合には、ディスクジョグダイヤル10は上記CW方向に回転操作されたものと判別し、該ディスクジョグダイヤル10が上記CW方向に回転操作されたことを示すと共に該ディスクジョグダイヤル10の回転操作に対応したパルス数となるCW回転パルスをカウンタ45に供給する。カウンタ45は、このCW回転パルスのパルス数をカウントし、このカウント値を制御部37に供給する。
【0038】
同様に、回転パルス発生部44は、信号Bの立ち上がりエッジ、信号Aの立ち上がりエッジの順に該各信号A,Bの立ち上がりエッジを検出した場合には、ディスクジョグダイヤル10は上記CCW方向に回転操作されたものと判別し、該ディスクジョグダイヤル10が上記CCW方向に回転操作されたことを示すと共に該ディスクジョグダイヤル10の回転操作に対応したパルス数となるCCW回転パルスをカウンタ46に供給する。カウンタ46は、このCCW回転パルスのパルス数をカウントし、このカウント値を制御部37に供給する。
【0039】
次に、カウンタ42から供給されるカウント値は、ジョグダイヤル11がV1方向に回転操作されたことを示すと共に、該ジョグダイヤル11の回転操作量(=回転操作速度)を示す値となる。同様に、カウンタ43から供給されるカウント値は、ジョグダイヤル11がV2方向に回転操作されたことを示すと共に、該ジョグダイヤル11の回転量(=回転速度)を示す値となる。また、カウンタ45から供給されるカウント値は、ディスクジョグダイヤル10がCW方向に回転操作されたことを示すと共に、該ディスクジョグダイヤル10の回転量(=回転速度)を示す値となり、カウンタ46から供給されるカウント値は、ディスクジョグダイヤル10がCCW方向に回転操作されたことを示すと共に、該ディスクジョグダイヤル10の回転操作量(=回転操作速度)を示す値となる。このため、制御部37は、カウント値の供給元となるカウンタに基づいて(=どのカウンタからカウント値が供給されたか)、ユーザにより回転操作されたジョグダイヤル10,11を判別すると共に、各カウンタ42,43、及びカウンタ45,46からそれぞれ供給されるカウント値に基づいて、その回転操作方向及び回転操作量を検出する。そして、メモリ36に記憶されている回転操作処理プログラムに基づいて、この判別結果及び検出結果に対応する操作対象の処理を行う。
【0040】
[テレビジョン放送及び電子メールの同時処理における回転操作処理動作]
この実施の形態の携帯電話機は、テレビジョン放送を視聴しながら電子メールの作成を行うことが可能となっている。具体的には、表示部2にテレビジョン放送受信ユニット39で受信されているチャンネルのテレビジョン放送を表示している際に、ユーザから操作部3を介して電子メールの作成指示操作がなされた場合、制御部37は、図10(a)に示すように表示部2の表示画面を2分割制御し、一方の分割表示領域にテレビジョン放送を表示し、他方の分割表示領域に電子メールの作成画面を表示する。或いは、表示部2に電子メールの作成画面を表示している際に、ユーザから操作部3を介してテレビジョン放送の視聴指示操作がなされた場合、制御部37は、図10(a)に示すように表示部2の表示画面を2分割制御し、一方の分割表示領域に電子メールの作成画面を表示し、他方の分割表示領域にテレビジョン放送を表示する。
【0041】
この図10(a)は、当該携帯電話機を横向きにすることで、通常、縦長の表示画面の状態で使用する表示部2を、横長の表示画面の状態で使用している例であり、図10(a)中、右分割表示領域にテレビジョン放送を、左分割表示領域に電子メールの作成画面を表示した例である。
【0042】
左分割表示領域に表示された電子メールの作成画面は、入力が確定された文字が表示される入力確定文字表示領域51と、入力確定前の文字が表示される入力確定前文字表示領域52と、ユーザにより入力された文字に対応する一つ或いは複数の変換候補となる文字が表示される変換候補表示領域53とを有している。そして、ユーザにより文字入力がなされると、制御部37は、このユーザにより入力された文字を入力確定前文字表示領域52に表示すると共に、このユーザにより入力された文字に対応する一つ或いは複数の変換候補となる文字を変換候補表示領域53に表示する。
【0043】
ユーザは、ジョグダイヤル11を回転操作することで、変換候補表示領域53に表示された各変換候補間を移動するカーソルCRを所望の変換候補に移動操作し、ジョグダイヤル11を押圧操作する。制御部37は、ジョグダイヤル11の回転操作に対応して、変換候補表示領域53に表示しているカーソルCRを、各変換候補の表示位置に移動表示する。そして、制御部37は、ジョグダイヤル11の押圧操作を検出した際にカーソルCRが位置している変換候補を、ユーザにより入力が指定された変換候補であると認識し、この変換候補を入力確定前文字表示領域52に表示する。
【0044】
制御部37は、ユーザから所望の文字が入力される毎に、入力された文字に対応する変換候補を表示し、この変換候補の中から選択された変換候補を入力確定前文字表示領域52に表示する。そして、制御部37は、上記入力確定前文字表示領域52に上記変換候補を表示した際に、再度、ジョグダイヤル11の押圧操作を検出した場合(=変換候補の入力を指定するジョグダイヤル11の押圧操作に連続する該ジョグダイヤル11の押圧操作を検出した場合)、この入力確定前文字表示領域52に表示している文字を、ユーザにより入力が確定された文字であると認識し、この入力確定前文字表示領域52に表示している文字を、入力確定文字表示領域51に表示する。これにより、テレビジョン放送を視聴しながら、所望の文章となる電子メールを作成することができる。
【0045】
ここで、制御部37は、ジョグダイヤル11の回転操作に応じて、変換候補表示領域53に表示しているカーソルCRを移動表示制御するのであるが、図10(a)に示すようにジョグダイヤル11の回転軸が当該携帯電話機の短手方向に沿った状態となっている際に、該ジョグダイヤル11の回転操作を検出した場合、制御部37は、ジョグダイヤル11の回転操作に応じて、カーソルCRを右方向或いは左方向に移動表示制御する。これにより、例えば図10(a)に示す例の場合、カーソルCRは、ありがとう→新たに→間→明日・・・等のように、言わば横方向に移動表示制御されることとなる。
【0046】
これに対して、図10(b)に示すようにジョグダイヤル11の回転軸が当該携帯電話機の長手方向に沿った状態となっている際に、該ジョグダイヤル11の回転操作を検出した場合、制御部37は、ジョグダイヤル11の回転操作に応じて、カーソルCRを下方向或いは上方向に移動表示制御する。これにより、例えば図10(b)に示す例の場合、カーソルCRは、ありがとう→間・・・等のように、言わば縦方向に移動表示制御されることとなる。
【0047】
上述のように、当該実施の形態の携帯電話機の場合、ディスクジョグダイヤル10を回転操作することで、ジョグダイヤル11自体も回転操作可能となっている。このため、ユーザは、ディスクジョグダイヤル10を回転操作することで、ジョグダイヤル11の回転軸の向きを、当該携帯電話機の短手方向(図10(a)参照)、或いは当該携帯電話機の長手方向(図10(b)参照)に変更することができる。従って、カーソルCRを移動操作し易い方向に、ジョグダイヤル11の回転軸を回転移動することができ(=ジョグダイヤル11の回転操作方向を上下左右に自由に変更することができ)、文字等の入力操作の操作性の向上を図ることができる。
【0048】
[所望のメニューの選択操作]
次に、回転操作部9を用いて所望のメニューを選択操作する場合、ユーザは、まず、待ち受け画面が表示されている状態でジョグダイヤル11を押圧操作する。制御部37は、待ち受け画面を表示している状態でジョグダイヤル11の押圧操作を検出すると、メニューの一覧の表示が指定されたものと認識し、例えば図11に示すようにエンタテインメント、メール、ネットワークモード、アプリケーション、電話、データボックス(データBOX)・・・等のメインメニューを表示部2に表示制御する。
【0049】
次に、ユーザは、ディスクジョグダイヤル10を回転操作することで、ジョグダイヤル11の回転軸を当該携帯電話機の短手方向に沿った方向とし、該ジョグダイヤル11を上記V1方向或いはV2方向に回転操作する。この回転操作がなされると、制御部37は、エンタテインメント→メール→ネットワークモード→アプリケーション→電話→データBOX・・・の順にカーソルCRを移動操作する。
【0050】
ユーザは、所望のメインメニュー項目にカーソルCRを移動させ、ジョグダイヤル11を押圧操作する。メインメニューを表示している際に、ジョグダイヤル11の押圧操作を検出すると、制御部37は、この押圧操作がなされた際にカーソルCRが位置していたメインメニュー項目のサブメニューを表示部2に表示制御する。例えば、エンタテインメントのメインメニュー項目にカーソルCRが位置していた際に、ジョグダイヤル11が押圧操作された場合、制御部37は、図11に示すマイセレクト、音楽プレーヤ、カレンダー、カメラ、ムービー・・・等の、上記エンタテインメントの各サブメニュー項目を表示部2に表示制御する。
【0051】
ユーザは、ディスクジョグダイヤル10を回転操作することで、ジョグダイヤル11の回転軸が当該携帯電話機の短手方向に沿った方向とされているジョグダイヤル11を上記V1方向或いはV2方向に回転操作し、所望のサブメニュー項目にカーソルCRを移動操作したうえで、該ジョグダイヤル11を押圧操作する。制御部37は、ジョグダイヤル11の回転操作に応じて、マイセレクト→音楽プレーヤ→カレンダー→カメラ→ムービー・・・の順にカーソルCRを移動表示制御し、該ジョグダイヤル11の押圧操作を検出した際に、カーソルCRが位置しているサブメニュー項目に対応するアプリケーションプログラムを実行制御する。
【0052】
十字キーと決定キーを用いて、例えば図11のムービーのサブメニュー項目を選択する場合、まず、メニューキーを押圧操作し、次に、エンタテインメントのメインメニュー項目にカーソルCRが位置している状態で決定キーを押圧操作してサブメニューを表示させ、次に、十字キーの下キーを4回押圧操作して、カーソルCRをムービーのサブメニュー項目の表示位置まで移動操作して決定キーを押圧操作する。この場合、計6回の押圧操作を必要とすると共に、メニューキー、決定キー及び十字キーの3つのキーを操作する必要がある(=操作するキーを3回、変更する必要がある。)。
【0053】
しかし、この実施の形態の携帯電話機の場合、ディスクジョグダイヤル10を回転操作することでジョグダイヤル11を操作し易い状態としたうえで、このジョグダイヤル11の回転操作及び押圧操作するだけで、上記ムービーのサブメニュー項目を選択操作することができる。このため、ジョグダイヤル11のみの操作で所望のサブメニュー項目を選択することができる。また、待ち受け画面からメインメニューを表示させるためのジョグダイヤル11の押圧操作と、メインメニューから所望のメインメニュー項目を選択するためのジョグダイヤル11の押圧操作と、サブメニューから所望のサブメニュー項目を選択するためのジョグダイヤル11の押圧操作との、計3回の押圧操作で所望のサブメニュー項目を選択することができ、上記十字キーと決定キーを用いた場合の1/2の押圧操作で所望のサブメニュー項目を選択することができる。
【0054】
なお、この例では、メインメニュー上のカーソルCR、及びサブメニュー上のカーソルCRをジョグダイヤル11の回転操作で移動することとしたが、ディスクジョグダイヤル10の回転操作で移動させてもよい。この場合、制御部37は、ディスクジョグダイヤル10の回転操作に応じて、メインメニューの各メインメニュー項目上に、カーソルCRを順次移動表示制御し、また、サブメニューの各サブメニュー項目上に、カーソルCRを順次移動表示制御する。これにより、ユーザは、ディスクジョグダイヤル10を回転操作して、所望のメインメニュー項目上或いはサブメニュー項目上にカーソルCRを移動操作して、ジョグダイヤル11を押圧操作するだけで、所望のサブメニュー項目を選択することができる。
【0055】
[アラーム設定動作]
次に、この実施の形態の携帯電話機では、ジョグダイヤル11を時計の時針及び分針に見立てて所望の時刻にアラーム設定を行うことができる。この場合、ユーザはメニュー項目からアラーム設定を選択し、ジョグダイヤル11を時計の時針としてアラーム設定を行うか、ジョグダイヤル11を時計の分針としてアラーム設定を行うかを選択する。そして、ディスクジョグダイヤル10を回転操作することで、ジョグダイヤル11の位置を所望の時刻の位置として、該ジョグダイヤル11を押圧操作する。
【0056】
具体的には、ジョグダイヤル11を時計の時針としてアラーム設定を行う場合において、ユーザによりディスクジョグダイヤル10が回転操作され、ジョグダイヤル11の回転軸が、図12(a)に示すように当該携帯電話機の短手方向に沿った方向とされたうえで、該ジョグダイヤル11が押圧操作された場合、制御部37は、現在時刻から9時間後の時刻にアラーム設定を行う。これに対して、ジョグダイヤル11を時計の分針としてアラーム設定を行う場合において、ユーザによりディスクジョグダイヤル10が回転操作され、ジョグダイヤル11の回転軸が、図12(a)に示すように当該携帯電話機の短手方向に沿った方向とされたうえで、該ジョグダイヤル11が押圧操作された場合、制御部37は、現在時刻から45分後の時刻にアラーム設定を行う。
【0057】
また、ジョグダイヤル11を時計の時針としてアラーム設定を行う場合において、ユーザによりディスクジョグダイヤル10が回転操作され、ジョグダイヤル11の回転軸が、図12(b)に示すように当該携帯電話機の長手方向に沿った方向とされたうえで、該ジョグダイヤル11が押圧操作された場合、制御部37は、現在時刻から6時間後の時刻にアラーム設定を行う。これに対して、ジョグダイヤル11を時計の分針としてアラーム設定を行う場合において、ユーザによりディスクジョグダイヤル10が回転操作され、ジョグダイヤル11の回転軸が、図12(b)に示すように当該携帯電話機の長手方向に沿った方向とされたうえで、該ジョグダイヤル11が押圧操作された場合、制御部37は、現在時刻から30分後の時刻にアラーム設定を行う。
【0058】
また、ジョグダイヤル11を時計の時針としてアラーム設定を行う場合において、ユーザによりディスクジョグダイヤル10が回転操作され、ジョグダイヤル11の回転軸が、図12(c)に示すように時計の文字盤の1時の方向とされたうえで、該ジョグダイヤル11が押圧操作された場合、制御部37は、現在時刻から1時間後の時刻にアラーム設定を行う。これに対して、ジョグダイヤル11を時計の分針としてアラーム設定を行う場合において、ユーザによりディスクジョグダイヤル10が回転操作され、ジョグダイヤル11の回転軸が、図12(c)に示すように時計の文字盤の1時の方向とされたうえで、該ジョグダイヤル11が押圧操作された場合、制御部37は、現在時刻から5分後の時刻にアラーム設定を行う。
【0059】
当該実施の形態の携帯電話機の場合、ディスクジョグダイヤル10を回転操作することで、ジョグダイヤル11自体も回転操作することができるため、このようなアラーム設定も簡単な操作で行うことを可能とすることができる。
【0060】
[変形例]
上述の実施の形態は、本発明をストレート型(=スティック型)の携帯電話機に適用した例であったが、本発明を折り畳み型の携帯電話機やスライド型の携帯電話機、或いはジャックナイフ型の携帯電話機に適用してもよい。いずれの場合でも、上述と同様の効果を得ることができる。
【0061】
図13は、本発明を適用した折り畳み型の携帯電話機の実施の形態である。この場合、携帯電話機は、上筐体61及び下筐体62をヒンジ部63を介して折り畳み可能に接続した構成を有している。また、回転操作部9は、表示部64の下端部とヒンジ部63との間に設けられている。
【0062】
ヒンジ部63は、上筐体61及び下筐体62を、当該携帯電話機を折り畳む方向に回動可能とすると共に、この折り畳む方向に対して直交する方向にも、上筐体61及び下筐体62を回動可能に接続している。図14(a)に、上記折り畳む方向に対して直交する方向に上筐体61及び下筐体62を回動して折り畳んだ状態の当該携帯電話機を示す。この場合、表示部61及び回転操作部9が共に露出した状態となる。
【0063】
ユーザは、この状態で、回転操作部9のジョグダイヤル11及びディスクジョグダイヤル10を回転操作して、図14(a)、図14(b)に示すようにジョグダイヤル11の操作方向を変更しながら文字等の入力操作や所望のメニューの選択操作等を行う。これにより、上述と同様に、例えば所望のテレビジョン放送を視聴しながら電子メールを作成する等の様々な操作を可能とすることができる。
【0064】
通常、折り畳み型の携帯電話機の場合、折り畳んだ状態とすると操作部が隠れてしまうため、所望の操作が困難となるが、当該実施の形態の携帯電話機の場合、折り畳んだ状態でも表示部64及び回転操作部9を露出させることができるうえ、回転操作部9のディスクジョグダイヤル10を回転操作することで、ジョグダイヤル11の操作方向も所望の方向に変更することができるため、当該携帯電話機を折り畳んだ状態で、該携帯電話機を開いた状態と同様の操作を可能とすることができる。
【0065】
[実施の形態の効果]
以上の説明から明らかなように、この実施の形態の携帯電話機は、それぞれ回転操作方向が直交するジョグダイヤル11及びディスクジョグダイヤル10が一体的に形成された回転操作部9を有している。このため、ディスクジョグダイヤル10一つ分の設置スペースで、該ディスクジョグダイヤル10及びジョグダイヤル11の、計2つのジョグダイヤルを設けることができる。
【0066】
また、ディスクジョグダイヤル10を回転操作することで、ジョグダイヤル11の回転操作方向を変更することができるため、操作性の向上を図ることができる。ジョグダイヤル11の回転操作方向が例えば横方向に固定されている場合、例えばゲームにおける操作対象オブジェクトを横方向にしか移動操作することができないため、該操作対象オブジェクトを縦方向に移動操作するには十字キーを用いることとなる。このため、ジョグダイヤルは、ゲームの操作対象オブジェクトを移動操作するには不向きとされているが、この実施の形態の携帯電話機の場合、ディスクジョグダイヤル10を回転操作することで、ジョグダイヤル11の回転操作方向を縦方向、及び横方向のみならず、斜め方向まで、所望の方向に変更することができるため、ゲームの操作対象オブジェクトも良好に移動操作可能とすることができる。
【0067】
また、ジョグダイヤル11及びディスクジョグダイヤル10のうち、いずれか一方のみを設けた場合、この一つのみ設けられているジョグダイヤルが故障すると、携帯電話機の種々の操作に支障を来すが、当該実施の形態の携帯電話機の場合、2つのジョグダイヤル10、11が設けられているため、一方のジョグダイヤルが故障した場合でも、他方のジョグダイヤルで当該携帯電話機の操作を補うことができる。
【0068】
最後に、上述の実施の形態は、本発明を携帯電話機に適用した例であったが、本発明は、この他、PHS電話機(PHS:Personal Handyphone System)、PDA装置(PDA:Personal Digital Assistant)、携帯ゲーム機、ノート型或いはデスクトップ型のパーソナルコンピュータ装置等の端末機器や、マウス装置等の入力機器に適用してもよい。いずれの場合でも、上述と同じ効果を得ることができる。
【0069】
また、上述の実施の形態は、本発明の一例である。このため、本発明は上述の実施の形態に限定されることはなく、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論であることを付け加えておく。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明を適用した実施の形態となるストレート型の携帯電話機の外観を示す図である。
【図2】実施の形態の携帯電話機に設けられている回転操作部の外観を示す図である。
【図3】実施の形態の携帯電話機に設けられている回転操作部のジョグダイヤル及びディスクジョグダイヤルの着磁状態を示す図である。
【図4】実施の形態の携帯電話機に設けられている回転操作部の断面図である。
【図5】実施の形態の携帯電話機に設けられている回転操作部のジョグダイヤルの回転操作信号の取り出し方を説明するための図である。
【図6】実施の形態の携帯電話機に設けられている回転操作部のジョグダイヤルの押圧構造を説明するための図である。
【図7】実施の形態の携帯電話機のブロック図である。
【図8】実施の形態の携帯電話機の回転検出系のブロック図である。
【図9】実施の形態の携帯電話機に設けられている回転操作部から出力される回転検出信号の波形図である。
【図10】実施の形態の携帯電話機に設けられている回転操作部の操作の一例を示す図である。
【図11】実施の形態の携帯電話機に設けられている回転操作部を用いたメニュー選択操作を説明するための図である。
【図12】実施の形態の携帯電話機に設けられている回転操作部を用いたアラーム設定操作を説明するための図である。
【図13】本発明を適用した実施の形態の変形例となる折り畳み型の携帯電話機の外観を示す図である。
【図14】実施の形態の携帯電話機の変形例となる折り畳み型の携帯電話機における回転操作部の操作の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0071】
1 筐体、2 表示部、3 操作部、4 マイクロホン部、5 自分撮り用のカメラ部、6 スピーカ部、7 カメラ部、8 押圧操作キー、9 回転操作部、10 ディスクジョグダイヤル、11 ジョグダイヤル、12 第1の回転検出部、13 第2の回転検出部、14 回転軸、16 A信号の出力端子、17 B信号の出力端子、18 端子、19 端子、21 ジョグダイヤルの支柱、22 ジョグダイヤルの支柱、23 スイッチ、24 端子、25 ダミー端子、26 端子、31 アンテナ、32 通信回路、33 発光部(LED:Light Emitting Diode)、34 バイブレーションユニット、35 タイマ、36 メモリ、37 制御部、38 テレビジョンアンテナ、39 テレビジョン放送受信ユニット、41 回転パルス発生部、42 カウンタ、43 カウンタ、44 回転パルス発生部、45 カウンタ、46 カウンタ、51 入力確定文字表示領域、52 入力確定前文字表示領域、53 変換候補表示領域、61 上筐体、62 下筐体、63 ヒンジ部、64 表示部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
時計回り方向及び反時計回り方向に、それぞれ回転自在とされた板形状の第1の回転操作子と、
上記第1の回転操作子の回転操作方向、及び回転操作量を示す回転操作信号を出力する第1の回転検出手段と、
上記第1の回転操作子の略中央部に該第1の回転操作子と共に回転するように一体的に設けられ、上記第1の回転操作子の回転操作方向に対して略直交する回転操作方向とされた略円柱形状の第2の回転操作子と、
上記第2の回転操作子の回転操作方向、及び回転操作量を示す回転操作信号を出力する第2の回転検出手段とを備えた回転入力装置を有すること
を特徴とする端末装置。
【請求項2】
請求項1に記載の端末装置であって、
表示部と、
上記表示部の表示領域を少なくとも2つの表示領域に分割し、一方の表示領域に第1のアプリケーションプログラムに基づく表示を行い、他方の表示領域に第2のアプリケーションプログラムに基づく表示を行うと共に、上記第1の回転検出手段からの回転操作信号、及び上記第2の回転検出手段からの回転操作信号に基づいて、上記一方の表示領域に表示されている操作対象、及び/又は、上記他方の表示領域に表示されている操作対象を移動表示制御する制御手段と
を有する端末装置。
【請求項3】
請求項2に記載の端末装置であって、
テレビジョン放送の受信機能と、
電子メールの作成機能とを有し、
上記制御手段は、上記一方の表示領域に上記テレビジョン放送の受信機能で受信されたテレビジョン放送を表示制御し、上記他方の表示領域に上記電子メールの作成機能に基づく電子メールの作成画面を表示すると共に、上記第1の回転検出手段からの回転操作信号、及び上記第2の回転検出手段からの回転操作信号に基づいて、上記電子メールの作成画面における電子メール作成処理を行うこと
を特徴とする端末装置。
【請求項4】
請求項1に記載の端末装置であって、
所望の時刻にアラーム通知を行うアラーム機能を有し、
上記制御手段は、上記第1の回転操作子の回転操作に応じて回転する上記第2の回転操作子の回転軸の向きに対応する時刻をアラームの設定時刻としてアラーム設定を行うこと
を特徴とする端末装置。
【請求項1】
時計回り方向及び反時計回り方向に、それぞれ回転自在とされた板形状の第1の回転操作子と、
上記第1の回転操作子の回転操作方向、及び回転操作量を示す回転操作信号を出力する第1の回転検出手段と、
上記第1の回転操作子の略中央部に該第1の回転操作子と共に回転するように一体的に設けられ、上記第1の回転操作子の回転操作方向に対して略直交する回転操作方向とされた略円柱形状の第2の回転操作子と、
上記第2の回転操作子の回転操作方向、及び回転操作量を示す回転操作信号を出力する第2の回転検出手段とを備えた回転入力装置を有すること
を特徴とする端末装置。
【請求項2】
請求項1に記載の端末装置であって、
表示部と、
上記表示部の表示領域を少なくとも2つの表示領域に分割し、一方の表示領域に第1のアプリケーションプログラムに基づく表示を行い、他方の表示領域に第2のアプリケーションプログラムに基づく表示を行うと共に、上記第1の回転検出手段からの回転操作信号、及び上記第2の回転検出手段からの回転操作信号に基づいて、上記一方の表示領域に表示されている操作対象、及び/又は、上記他方の表示領域に表示されている操作対象を移動表示制御する制御手段と
を有する端末装置。
【請求項3】
請求項2に記載の端末装置であって、
テレビジョン放送の受信機能と、
電子メールの作成機能とを有し、
上記制御手段は、上記一方の表示領域に上記テレビジョン放送の受信機能で受信されたテレビジョン放送を表示制御し、上記他方の表示領域に上記電子メールの作成機能に基づく電子メールの作成画面を表示すると共に、上記第1の回転検出手段からの回転操作信号、及び上記第2の回転検出手段からの回転操作信号に基づいて、上記電子メールの作成画面における電子メール作成処理を行うこと
を特徴とする端末装置。
【請求項4】
請求項1に記載の端末装置であって、
所望の時刻にアラーム通知を行うアラーム機能を有し、
上記制御手段は、上記第1の回転操作子の回転操作に応じて回転する上記第2の回転操作子の回転軸の向きに対応する時刻をアラームの設定時刻としてアラーム設定を行うこと
を特徴とする端末装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2009−93382(P2009−93382A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−262766(P2007−262766)
【出願日】平成19年10月5日(2007.10.5)
【出願人】(501431073)ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ株式会社 (810)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月5日(2007.10.5)
【出願人】(501431073)ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ株式会社 (810)
【Fターム(参考)】
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