説明

端面反射型弾性表面波装置及びその製造方法

反射端面を高精度かつ容易に形成することができ、製造に際しての基板のチッピングが生じ難く、小型化及び低背化を進めることができる端面反射型弾性表面波装置を提供する。
基板2と、基板2上に形成された圧電薄膜3と、圧電薄膜3上に形成されたインターデジタル電極4〜7とを備え、インターデジタル電極4〜7の最外側の電極指の近傍に反射部10,11,14,15が設けられており、該反射部10,11,14,15が圧電薄膜3に凹部を形成することにより設けられている、端面反射型弾性表面波装置1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端面反射型弾性表面波装置及びその製造方法に関し、より詳細には、基板上に圧電薄膜及びインターデジタル電極がこの順序で積層された構造を有する端面反射型の弾性表面波装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、下記の特許文献1〜3に記載のように、SH波あるいは縦波を主成分とした弾性表面波を利用しており、基板の一対の端面間で表面波を反射させる様々な端面反射型表面波装置が知られている。
【0003】
図9は、特許文献3に開示されている端面反射型表面波装置を示す斜視図である。表面波装置101では、表面波基板102上に、IDT電極103,104が形成されている。IDT電極103,104は、表面波伝搬方向に沿って並べられている。IDT103,104の最外側の電極指に沿うように、反射端面102b,102cが設けられている。励振された表面波が反射端面102b,102c間で反射されるように構成されている。
【0004】
一般に表面波基板102として圧電基板を用いているが、絶縁性基板や、圧電基板上に圧電薄膜を積層した構造により構成されていてもよい。また、上記反射端面102b,102cは、表面波基板102の上面102aから切削ブレードを用いて溝加工が施されることにより構成されている。表面波基板102を貫かないように、上記切削ブレードによる溝加工により反射端面102b,102cが形成される。従って、基板のチッピングを低減することができるとされている。
【0005】
この種の端面反射型表面波装置では、表面波基板の一対の端面間における表面波の反射を利用しているため、反射器を設ける必要がない。従って、表面波装置の小型化を図ることができる。
【0006】
他方、下記の特許文献4には、ラダー型フィルタが構成されている端面反射型表面波装置が開示されている。図10は、特許文献4に記載の上記端面反射型表面波装置を示す斜視図である。
【0007】
端面反射型表面波装置120では、パッケージ基板130上に、表面波基板121が固定されている。表面波基板121は、圧電基板により構成されている。表面波基板121上に、端面反射型表面波共振子よりなる3個の直列腕共振子S1〜S3と、6個の並列腕共振子P1〜P6とが構成されている。表面波基板121の上面には、各共振子の電極指の延びる方向と平行に、溝122,123が形成されている。この溝122,123は、ダイシング等により形成されている。そして、並列腕共振子P1,P4,P5は、上記溝122の一方の端面122aと、表面波基板121の端面121aとを一対の反射端面として利用している。また、直列腕共振子S1〜S3は、溝122の端面122bと、溝123の端面123aを一対の反射端面として利用している。さらに、並列腕共振子P2,P3,P6は、溝123の端面123bと表面波基板121の端面121bとを一対の反射端面として利用している。
【0008】
上記直列腕共振子S1〜S3及び並列腕共振子P1〜P6によりラダー型回路を構成するように、各共振子はボンディングワイヤにより電気的に接続されている。
【0009】
また、下記の特許文献5には、図11に略図的に示す端面反射型表面波装置が開示されている。すなわち、端面反射型表面波装置141では、表面波基板142上に、第1段の端面反射型縦結合共振子フィルタ143及び第2段の端面反射型縦結合共振子フィルタ144が構成されており、端面反射型縦結合共振子フィルタ143,144が縦続接続されている。
【0010】
ここでは、端面反射型縦結合共振子フィルタ143及び端面反射型縦結合共振子フィルタ144は、いずれも、一対の反射端面142a,142bを利用している。反射端面142a,142bは、電極指の延びる方向と平行となるように、最外側の電極指に沿って、表面波基板142を加工することにより形成されている。すなわち、表面波基板142の上面142c側からダイサーを用いて切削加工を施すことにより、端面142a,142bが形成されている。
【特許文献1】特開平7−263998号公報
【特許文献2】特開平9−294045号公報
【特許文献3】特開2000−278091号公報
【特許文献4】特開平11−46127号公報
【特許文献5】特開2002−261573号公報
【発明の開示】
【0011】
特許文献1〜5に記載のような従来の端面反射型表面波装置では、反射端面は、ダイサーや切削ブレードを用いて表面波基板の上面側から切削加工を施すことにより形成されていた。従って、ダイサー等の位置精度のばらつきにより、反射端面の位置が所望の位置からずれがちであった。そのため、反射端面の位置ずれにより所望でないリップルが発生しがちであった。
【0012】
また、ダイサー等を用いた切削により反射端面を形成する場合、たとえ図9に示したように表面波基板102を貫通していない溝を形成する場合であっても、硬質の基板が切削加工されるため、基板の一部が欠けるチッピングが生じることがあった。反射端面の一部においてチッピングが生じると、表面波が十分に反射され難くなる。従って、反共振点におけるインピーダンスと共振点におけるインピーダンスとの比であるインピーダンス比が小さくなるという問題があった。
【0013】
他方、図10に示した端面反射型表面波装置120では、複数の並列腕共振子P1,P4,P5が、端面121aと、端面122aとを共有している。同様に、直列腕共振子S1〜S3も、一対の端面122b,123aを共有しており、並列腕共振子P2,P3,P6においても一対の端面121b,123bは共通である。そのため、複数の表面波共振子の反射端面間の距離を等しくする必要があり、設計の自由度が小さかった。のみならず、表面波共振子同士の接続にボンディングワイヤが用いられているため、小型化や低背化が困難であった。
【0014】
さらに、図11に示した端面反射型弾性表面波装置141では、第1段目の端面反射型縦結合共振子フィルタ143と、第2段の端面反射型縦結合共振子フィルタ144とのいずれにおいても、圧電基板142の端面142a,142bが反射端面として利用されている。従って、端面反射型縦結合共振子フィルタ143,144において、一対の反射端面間の距離を等しくする必要があり、設計の自由度が小さかった。
【0015】
また、上記いずれの構成においても、ダイシングの位置精度のばらつきやチッピングにより、良好な特性が得られるのは、量産工程では190MHzが限度であり、高周波化が困難であった。
【0016】
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、反射端面を高精度に形成することができ、反射端面の位置のばらつきによる特性の劣化を抑制することができ、さらに基板のチッピングが生じ難く、設計の自由度に優れ、高周波化に適し、さらに小型化及び低背化を進めることを可能とする端面反射型表面波装置及びその製造方法を提供することにある。
【0017】
本発明は、基板と、該基板上に形成された圧電薄膜と、圧電薄膜上に形成されたインターデジタル電極とを有する端面反射型弾性表面波装置において、前記インターデジタル電極の最外側の電極指の近傍に設けられておりかつ励振される表面波を反射させる反射部が前記基板には設けられておらず、前記圧電薄膜に設けられていることを特徴とする。
【0018】
本発明に係る端面反射型弾性表面波装置のある特定の局面では、前記反射部が、前記電極指の延びる方向に平行に延びる反射端面を有する凹部である。
【0019】
好ましくは、前記凹部が、前記圧電薄膜を貫通する溝として設けられる。
【0020】
本発明に係る端面反射型弾性表面波装置のさらに他の特定の局面では、前記圧電薄膜が、圧電単結晶薄膜により構成されている。
【0021】
上記圧電単結晶薄膜としては、好ましくは、LiNbOまたはLiTaOが用いられる。
【0022】
本発明に係る端面反射型弾性表面波装置のさらに他の特定の局面では、前記基板がLiNbO基板であり、かつ前記圧電薄膜は、LiNbOまたはLiTaOからなる。
【0023】
本発明に係る端面反射型弾性表面波装置のさらに他の特定の局面では、前記基板がLiTaO基板であり、かつ前記圧電薄膜は、LiNbOまたはLiTaOからなる。
【0024】
本発明に係る端面反射型弾性表面波装置のさらに別の特定の局面では、前記基板と前記圧電薄膜との間に配置されたバッファ層がさらに備えられる。
【0025】
本発明に係る端面反射型弾性表面波装置のさらに他の特定の局面では、インターデジタル電極及び圧電薄膜を覆うように形成されたSiO膜がさらに備えられる。
【0026】
本発明に係る端面反射型弾性表面波装置のさらに別の特定の局面では、前記基板と前記圧電薄膜との間に形成されたSiO膜がさらに備えられる。
【0027】
本発明に係る端面反射型弾性表面波装置の製造方法は、基板を用意する工程と、前記基板上に圧電薄膜を形成する工程と、前記圧電薄膜上にインターデジタル電極を形成する工程と、前記圧電薄膜に、前記インターデジタル電極の最外側の電極指の近傍に配置される反射部を形成する工程とを備える。
【0028】
本発明に係る端面反射型弾性表面波装置の製造方法のある特定の局面では、上記反射部の形成は、圧電薄膜をエッチングすることにより行われる。
【0029】
本発明に係る端面反射型弾性表面波装置の製造方法の他の特定の局面では、前記圧電薄膜に反射部を形成する工程が、前記圧電薄膜を形成する工程において行われる。
【0030】
本発明に係る端面反射型弾性表面波装置の製造方法のさらに別の特定の局面では、前記圧電薄膜に反射部を形成する工程が、前記圧電薄膜上に前記インターデジタル電極を形成した後に行われる。
【0031】
本発明に係る端面反射型弾性表面波装置では、インターデジタル電極の最外側の電極指の近傍に設けられており励振される表面波を反射させる反射部が、基板上に配置された圧電薄膜に設けられている。従って、圧電薄膜は、硬質の基板に比べて高精度にかつ容易に加工され得るため、反射端面の精度を高めることができる。従って、端面反射型弾性表面波装置の特性のばらつきや劣化を防止することができる。
なお、上記のように反射端面を形成するための反射部は、圧電薄膜に設けられているが、該反射部を形成するための加工に際し、圧電薄膜を越えて基板に至るように凹部等を形成して反射部を設けてもよい。この場合、反射部を形成するための凹部等の加工は圧電薄膜を越えて基板に至っているが、反射端面はあくまでも圧電薄膜に設けられた凹部等の内側面により構成されている。従って、反射端面自体は、チッピング等の影響を受け難い。よって、反射端面の精度が効果的に高められる。もっとも、好ましくは、反射部は、圧電薄膜にのみ設けられていることが望ましい。すなわち、反射部は、好ましくは、基板には設けられず、基板上に配置された圧電薄膜に設けられる。
【0032】
また、圧電薄膜に反射部を設ければよいため、すなわち、反射端面を有する反射部を形成するに際し、硬質の基板を切削加工する必要がないため、基板のチッピングが生じない。従って、反共振周波数におけるインピーダンスと共振周波数におけるインピーダンスとの比であるインピーダンス比の低下を抑制することができる。
【0033】
加えて、反射部を高精度に形成することができるため、また圧電薄膜にのみ反射部を形成すればよいため、設計の自由度を高めることができる。特に、複数の端面反射型表面波共振子やフィルタを有する構造では、複数の端面反射型弾性表面波共振子やフィルタのそれぞれに最適な反射部を圧電薄膜への加工により容易に形成することができる。また、圧電薄膜上に配線電極等を形成し得るので、ボンディングワイヤを省略したり、ボンディングワイヤの数を低減することができる。従って、端面反射型弾性表面波装置の小型化及び低背化を進めることができる。
【0034】
反射部が、電極指の延びる方向に平行に延びる反射端面を有する凹部である場合には、圧電薄膜の表面から圧電薄膜をエッチング等により加工するだけで、容易に反射端面を形成することができる。
【0035】
凹部が、圧電薄膜を貫通する溝として設けられている場合には、圧電薄膜の下面に至るようにエッチング等により溝を形成すれば、反射端面を確実に形成することができるとともに、圧電薄膜の全厚に渡る反射端面を形成することができる。なお、凹部が圧電薄膜を貫通する溝として設けられている場合、凹部は上記圧電薄膜を貫通する溝を越えて圧電薄膜の下方の基板に至っていてもよい。この場合においても、反射端面は圧電薄膜に設けられている溝の内側面により形成されることになる。従って、反射端面の形成自体のために、基板を加工する必要がないため、チッピング等による反射端面の精度の低下は生じ難い。
【0036】
圧電薄膜が圧電単結晶薄膜により構成されている場合には、圧電多結晶膜に比べて電気機械結合係数が大きくなるため、良好な特性が得られる。
【0037】
上記圧電単結晶薄膜がLiNbOまたはLiTaOから選択した1種である場合には、大きな電気機械結合係数を得ることができる。
【0038】
前記基板がLiNbO基板であり、かつ前記圧電薄膜が、LiNbOまたはLiTaOからなる場合には、大きな電気機械結合係数を得ることができる。
【0039】
前記基板がLiTaO基板であり、かつ前記圧電薄膜が、LiNbOまたはLiTaOからなる場合には、大きな電気機械結合係数を得ることができる。
【0040】
これらの組み合わせにより、圧電単結晶膜が得られる。
【0041】
基板と圧電薄膜との間にバッファ層がさらに備えられている場合には、圧電薄膜の結晶性を高めることができるとともに、基板に対する圧電薄膜の密着性を高めることができる。
【0042】
SiO膜がくし型電極や圧電薄膜に接するように形成されている場合には、周波数温度特性を改善することができる。
【0043】
前記基板と前記圧電薄膜との間に形成されたSiO膜をさらに備える場合には、周波数温度特性を改善することができる。
【0044】
本発明に係る製造方法では、圧電薄膜にインターデジタル電極の最外側の電極指の近傍に配置される反射部が形成される。従って、圧電薄膜に反射部を形成するように圧電薄膜を処理するだけで、反射端面を形成することができる。よって、反射端面の位置の精度を高めることができ、形成の再生に優れた端面反射型弾性表面波装置を提供することができる。また、基板のチッピングが生じないため、チッピングによる特性の劣化も生じ難い。好ましくは、反射端面を形成するに際しての加工は、基板ではなく、圧電薄膜にのみ反射部を形成するように圧電薄膜を処理することにより行われる。
【0045】
本発明に係る製造方法において、圧電薄膜に反射部を形成する工程が、反射部が設けられる部分をエッチングすることにより行われる場合には、エッチングにより反射端面を高精度にかつ容易に形成することができる。
【0046】
本発明の製造方法において、圧電薄膜に反射部を形成する工程は、圧電薄膜を形成する工程において行われてもよい。その場合には、薄膜を形成すると同時に反射部を形成することができる。
【0047】
圧電薄膜に反射部を形成する工程が、圧電薄膜上にインターデジタル電極を形成した後に行われる場合には、インターデジタル電極の最外側の電極指近傍に高精度に反射部を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】図1(a)及び(b)は、本発明の第1の実施形態に係る端面反射型弾性表面波装置の斜視図及び正面断面図である。
【図2】図2(a)〜(d)は、本発明の一実施形態に係る端面反射型弾性表面波装置の製造工程を示す各部分切欠正面断面図である。
【図3】図3は、本発明に係る端面反射型弾性表面波装置の製造方法において、エッチングにより凹部を形成した状態を示す部分切欠正面図である。
【図4】図4(a)及び(b)は、本発明に係る端面反射型弾性表面波装置の製造方法において、反射部を形成するための工程の変形例を示す各部分切欠正面断面図図である。
【図5】図5は、本発明に係る端面反射型弾性表面波装置の変形例を説明するための正面断面図である。
【図6】図6は、本発明に係る端面反射型弾性表面波装置の他の変形例を説明するための正面断面図である。
【図7】図7は、本発明の第2の実施形態に係る端面反射型弾性表面波装置を示す斜視図である。
【図8】図8は、従来の端面反射型弾性表面波装置であって、図7に示した実施形態の比較例として説明される端面反射型弾性表面波装置を示す斜視図である。
【図9】図9は、従来の端面反射型弾性表面波装置の他の例を示す斜視図である。
【図10】図10は、従来の端面反射型弾性表面波装置のさらに他の例を示す斜視図である。
【図11】図11は、従来の端面反射型弾性表面波装置のさらに他の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0049】
1…端面反射型弾性表面波装置
2…基板
3…圧電薄膜
4〜7…IDT電極
8…端面反射型縦結合型弾性表面波フィルタ
10,11…凹部(反射部)
10a,11a…反射端面
12…配線電極
13…端面反射型縦結合型弾性表面波フィルタ
14,15…凹部(反射部)
14a,15a…反射端面
41…端面反射型弾性表面波装置
42…基板
43…圧電薄膜
44〜48…IDT電極
49〜58…凹部(反射部)
49a〜58a…反射端面
【発明を実施するための最良の形態】
【0050】
図1(a)及び(b)は、本発明の一実施形態に係る端面反射型弾性表面波装置を示す斜視図及び正面断面図である。
【0051】
端面反射型弾性表面波装置1は、36°回転Y板LiTaO単結晶基板からなる基板2と、基板2上に設けられた圧電薄膜3とを有する。圧電薄膜3は、基板と同じ方位をもつLiTaO単結晶薄膜により構成されている。もっとも、本発明において、圧電薄膜は、様々な圧電単結晶薄膜により構成され得る。好ましくは、LiNbOまたはLiTaOから選択された1種以上の圧電単結晶薄膜により圧電薄膜が構成され、このような電気機械結合係数の大きな圧電単結晶薄膜により、良好な特性を得ることができる。
【0052】
圧電薄膜3上に、IDT電極4,5,6,7が形成されている。IDT電極4〜7は、それぞれ、複数本の電極指を有する。IDT電極4と、IDT電極5とは、第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ8を構成しており、IDT電極4,5が表面波伝搬方向に沿って並べられている。
【0053】
ここでは、IDT電極4の最外側の電極指4aの外側縁に接するように、圧電薄膜3に反射部である凹部10が形成されている。また、IDT電極5の最外側の電極指5aの外側縁に接触するように、圧電薄膜3に反射部である凹部11が形成されている。凹部10,11は、圧電薄膜3を貫通しないように設けられているが、圧電薄膜3を貫通する溝となっていてもよい。
【0054】
反射部である凹部10,11は、反射端面10a,11aを形成するために設けられている。反射端面10a,11aは、互いに平行に伸び、かつ電極指の延びる方向に延ばされている。図1(b)から明らかなように、一対の反射端面10a,11a間に、上記IDT電極4,5が配置されていることになる。
【0055】
すなわち、1段目の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ8は、一対の反射端面10a,11aを用いた端面反射型の縦結合共振子型弾性表面波フィルタである。
【0056】
IDT電極6は、配線電極12により、IDT電極5に接続されている。IDT電極6,7は、第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ13を構成している。すなわち、IDT電極6,7が表面波伝搬方向に並べられており、IDT電極6の最外側の電極指6aの外側縁に接するように、反射部である凹部14が形成されている。同様に、IDT電極7の最外側の電極指7aの外側縁に接するように圧電薄膜3に反射部である凹部15が形成されている。反射部である凹部14,15の内側の端面14a,15aが、反射端面を構成している。また、反射部である凹部14,15は、凹部10,11と同様に、圧電薄膜3を貫通するように設けられているが、圧電薄膜3の下面に至らずともよい。
【0057】
上記のように、本実施形態の端面反射型弾性表面波装置1は、縦結合共振子型弾性表面波フィルタ8,13を縦続接続した2段構成のフィルタである。そして、各縦結合共振子型弾性表面波フィルタ8,13は、いずれも、圧電薄膜3に設けられた反射器部である凹部10,11,14,15の内側の端面を反射端面として利用している。
【0058】
従って、上記反射端面を構成している反射部である凹部10,11,14,15を圧電薄膜3に設ければよいため、凹部10,11,14,15は、エッチングなどの方法により容易にかつ高精度に形成される。すなわち、端面反射型弾性表面波装置1では、硬質の基板2にダイサー等を用いた切削加工を施すことなく、反射端面を構成することができる。よって、端面を高精度に形成することができるとともに、チッピング等も生じ難く、高周波化も実現できる。
なお、凹部10,11,14,15は、圧電薄膜3を越えて基板2に至るように形成されていてもよい。この場合においても、反射端面は、あくまでも圧電薄膜に設けられている凹部10,11,14,15の内側面により構成される。すなわち、基板に至っている部分はチッピング等が生じ易いのに対し、圧電薄膜に設けられた上記凹部10,11,14,15の内側面では、チッピングが生じ難い。従って、高精度に反射端面を形成することができる。好ましくは、本実施形態のように、基板ではなく、圧電薄膜3のみに凹部10,11,14,15が形成される。
【0059】
次に、具体的な製造方法の一例を説明する。
【0060】
端面反射型弾性表面波装置1の製造に際しては、まず、図2(a)に示すように、ウェハ状の基板2Aを用意する。次に、基板2A上に、圧電薄膜3を全面に形成する。圧電薄膜3の形成は、例えばMOCVD法などの適宜の薄膜形成方法により行い得る。本実施形態では、MOCVD法により、厚さ5μmのLiTaO単結晶薄膜が成膜され、それによって圧電薄膜3が構成されている。
【0061】
この場合、基板2Aが、36°回転Y板LiTaO単結晶基板であるため、上記圧電薄膜3は、基板2Aと同じ結晶方位のLiTaOエピタキシャル単結晶薄膜として成膜される。
【0062】
次に、図2(b)に示すように、IDT電極4,5,6,7及び配線12を形成する。なお、図2(b)では、IDT電極4,5のみ図示されている。また、図2(b)では図示されていないが、基板2Aの圧電薄膜上には複数個のIDT電極4,5,6,7及び配線12が形成されている。
【0063】
このIDT電極4,5,6,7及び配線12の形成は、フォトリソグラフィーを用いたリフトオフ法により行い得る。本実施形態では、AlからなるIDT電極4,5,6,7の厚みが、0.08λ、但しλは1.7μmとなるようにIDT電極4,5,6,7が形成されている。但し、λは弾性表面波の波長である。
【0064】
次に、図2(c)に示すように、IDT電極4,5,6,7及び配線12などのうち、後工程においてエッチングされない部分に、フォトレジスト21を付与する。
【0065】
しかる後、反応性イオンエッチングによりエッチングを行う。このようにして、図2(d)に示すように、圧電薄膜3のレジスト21で覆われていない部分がエッチングされ、深さ3.5μmの反射部である凹部10,11,14,15が形成される。
【0066】
しかる後、図3に示すように、レジスト21を除去した後、ウェハ状の基板2Aを個々の端面反射型弾性表面波装置単位に切断することにより、端面反射型弾性表面波装置1を得ることができる。
【0067】
なお、通常、LiTaOの単結晶を反応性イオンエッチングして溝を形成する場合、エッチング速度は2nm/分程度である。従って、3.5μmの深さの凹部を形成するには29時間もの長時間を要する。しかも、溝の側面、すなわち最終的な反射端面が垂直方向に正確に形成され難いという問題がある。
【0068】
これに対して、上記実施形態のように、CVD法などの薄膜形成法により形成された圧電単結晶薄膜では、エッチング速度は圧電単結晶自体を反応性イオンエッチングでエッチングする場合に比べて、5〜7倍程度速められる。従って、上記実施形態では、3〜5時間程度の反応性イオンエッチングにより、3.5μm程度の深さの溝を形成することができる。
【0069】
前述のように、従来技術の端面反射型の弾性表面波装置では、ダイサー等により基板を切削加工して端面を形成した場合には、ダイサーの位置の精度が十分でなく、チッピングが生じがちであった。従って、実験的には、周波数の上限が950MHzに留まり、量産工程では、190MHzに留まっていた。これに対して、本実施形態では、端面の位置を高精度で形成できるため、2.4GHz帯のような非常に高周波の端面反射型弾性表面波装置を提供することができる。
【0070】
また、本実施形態では、図1に示すように、2個の端面反射型の縦結合型弾性表面波共振子フィルタが基板2を用いて構成されているが、端面反射型弾性表面波フィルタ8,13における反射端面は、それぞれ、圧電薄膜に反射部である凹部10,11または凹部14,15を形成することにより構成されている。よって、図2から明らかなように、個々の縦結合共振子型弾性表面波フィルタの一対の反射端面を各フィルタごとに適切な位置に形成することができる。従って、設計の自由度が高められ、かつ所望とする周波数特性を有する複数の縦結合型弾性表面波共振子フィルタが構成された端面反射型弾性表面波装置を提供することが可能となる。
【0071】
なお、上記実施形態では、IDT電極4,5の最外側の電極指4a,5aは、IDT電極4,5を形成する際に予め他の電極指よりも狭い電極指幅で形成された(図2(b)参照)。これに対して、図4(a)に示すように、同じ幅の複数本の電極指を有するIDT電極指4A,5Aを形成してもよい。この場合には、図4(b)に示すように、最外側の電極指が形成される部分の外側領域に至らないようにレジスト21Aを配置すればよい。従って、図4(b)に示した構造において、反応性イオンエッチングによりエッチングした場合、レジストで覆われていない電極指部分が除去され、図2(d)に示した構造と同様の構造を得ることができる。すなわち、最外側の電極指の電極指幅が他の電極指よりも狭くされ、かつ最外側の電極指の外縁に接するように凹部が形成される。
【0072】
上記実施形態では、図1に示すように、圧電薄膜3に反射端面を構成するための反射部である凹部10,11,14,15の形成は、IDT電極4〜7が形成された後に行われていたが、IDT電極4〜7の形成に先立ち、凹部が設けられた圧電薄膜を予め形成しておいてもよい。その場合には、圧電薄膜に設けられている一対の凹部間において圧電薄膜上に少なくとも1つのIDT電極を形成すればよい。
【0073】
もっとも、上述した実施形態のように、圧電薄膜上にIDT電極を形成した後に、凹部を形成することが望ましく、それによって、凹部、ひいては凹部の側面である反射端面を高精度に形成することができる。
【0074】
また、上記実施形態では、上記凹部の形成は、反応性イオンエッチングにより行われていたが、エッチング方法は特に限定されず、イオンエッチング、ECRエッチングなどを用いてもよく、さらにフッ硝酸などを用いた化学的エッチングにより行われてもよい。
【0075】
また、上記反射端面10a,11a,14a,15aは、基板表面に対し90°の角度をなすことが望ましいが、90°±30°程度の範囲にあれば、実使用上問題ないことが実験的に確かめられている。
【0076】
また、上記反射部である凹部10,11,14,15の深さは、表面波の波長λに対し、圧電薄膜3の誘電率が20以上の場合には、1波長以上であれば十分であり、好ましくは2波長以上とされ、それによってより一層良好な特性が得られる。
【0077】
また、本発明においては、利用される表面波は、端面反射型の表面波装置を構成し得る限り特に限定されず、SH成分、SV成分または縦波成分のいずれかを主成分とする適宜の表面波が用いられる。中でも、本発明の表面波装置ではSH波を用いることが好ましい。この場合、主成分とは、主成分の割合が70%以上であることが望ましい。LiTaO単結晶薄膜や、LiNbO単結晶薄膜を圧電薄膜として用い、SH波を主成分とする場合、圧電薄膜の結晶方位はオイラー角で(0°,85°〜160°,0°)であることが望ましく、縦波を主成分とする表面波を利用する場合には、LiTaO膜を圧電薄膜として用いる場合、その結晶方位はオイラー角で(90°,90°,30°〜110°)、LiNbO膜では、(90°,90°,30〜135°)の範囲が望ましい。
【0078】
さらに、基板と圧電薄膜との間に図5に略図的に示すように、バッファ層31を設けてもよい。バッファ層31は、バッファ層31上に形成される圧電薄膜3の結晶性を高めるように作用し、かつ圧電薄膜3を基板2に対して強固に密着させる作用をも果たす。このようなバッファ層31を構成する材料としては、Pt、ZnO、Au、Al、Ag、AlN、GaNなどを挙げることができる。特に、バッファ層31を導電性材料で構成した場合、バッファ層とIDT電極のグラウンド電位に接続される部分とを電気的に接続し、バッファ層31をグラウンド層として利用してもよい。
【0079】
上記バッファ層31の厚みは、圧電薄膜3の下地層として形成されるものであるため、特に限定されるものではない。
【0080】
なお、図5では、反射部である凹部10,11は圧電薄膜3を貫通するように形成されている。
【0081】
基板2は、適宜の単結晶やセラミックスにより構成され得るが、好ましくは圧電単結晶からなり、より好ましくは、LiTaO単結晶またはLiNbO単結晶からなる。基板2と圧電薄膜3の好ましい組み合わせは、基板2がLiTaO基板からなる場合には、圧電薄膜3は、LiTaO、LiNbOあるいはZnOからなることが望ましい。基板2がLiNbOからなる場合には、圧電薄膜3は、LiTaO、LiNbOあるいはZnOからなることが望ましい。これらの組み合わせでは、圧電薄膜3として、エピタキシャル成長された圧電単結晶薄膜を確実に得ることができる。
【0082】
圧電薄膜3がエピタキシャル成長された圧電単結晶薄膜である場合には、大きな電気機械結合係数が得られ、帯域幅の拡大等を図ることができる。
【0083】
LiTaOからなる圧電基板と、LiTaOまたはLiNbOからなる圧電薄膜3の組み合わせ、並びにLiNbO基板と、LiTaOまたはLiNbOからなる圧電薄膜3の組み合わせの場合には、圧電薄膜3の配向を自由に選択することができ、例えば、大きな電気機械結合係数を得ることができる。従って、弾性表面波装置の所望とする特性に応じて、圧電薄膜の配向性を選択することができる。
【0084】
なお、表面波を反射させて、良好な特性を得るには、反射端面の高さ方向寸法は、表面波の波長に対して、1波長以上であることが好ましく、より好ましくは2波長以上である。従って、圧電薄膜3の厚みは、好ましくは、1波長以上、より好ましくは2波長以上とされる。
【0085】
本発明においては、図6に略図的に示すように、圧電薄膜3及びIDT電極4,5上に、さらに温度特性を改善するためにSiO膜32が形成されていてもよい。この場合、基板2上に圧電薄膜3を形成し、圧電薄膜3上にIDT電極4,5が形成され、さらにその上にSiO膜32を形成した後、前述した凹部をエッチングにより形成すればよい。SiO膜32の膜厚は0.15λ〜0.4λの範囲が好ましい。0.15λ未満では、温度特性を改善する効果が十分得られないことがあり、0.4λを超えると、表面波をダンピングするおそれがある。また、SiOを圧電膜の下に形成しても同じ効果が得られる。
【0086】
なお、IDT電極4〜7の厚みについては、上記実施形態の数値範囲に限定されず、Alからなる電極の場合には0.01λ〜0.15λ、AuまたはPt、Ta、Wからなる場合0.003λ〜0.04λ、Cu、Ni、Agからなる場合0.005λ〜0.06λの範囲とすればよい。すなわち、SHタイプの表面波を利用した場合には、一般の表面波装置の場合に比べて、薄い電極膜を用いることができる。
【0087】
図7は、本発明の第2の実施形態の端面反射型弾性表面波装置を示す斜視図である。端面反射型弾性表面波装置41は、3個の直列腕共振子S1〜S3と、2個の並列腕共振子P1,P2とがラダー型フィルタを構成するように接続されているラダー型フィルタ構成の端面反射型弾性表面波装置である。直列腕共振子S1〜S3及び並列腕共振子P1,P2は、それぞれ、IDT電極と、IDT電極の両側に配置された反射部である凹部の側面により構成された反射端面とを有する。すなわち、弾性表面波装置41では、基板42上に、圧電薄膜43が形成されており、圧電薄膜43上に、各直列腕共振子S1〜S3または並列腕共振子P1,P2を構成するためのIDT電極44〜48が形成されている。そして、各IDT電極44〜48の最外側の電極指の外側近傍に、反射部を構成している凹部49〜58が設けられている。凹部49〜58は、圧電薄膜43を貫通するように構成されている。そして、反射部である各凹部49〜58の内側側面が、反射端面を構成しており、該反射端面は、各共振子の電極指の延びる方向と平行に延ばされている。
【0088】
第2の実施形態の端面反射型弾性表面波装置41は、上記5個の端面反射型の表面波共振子がラダー型フィルタを構成するように設けられていることを除いては、第1の実施形態の端面反射型弾性表面波装置1と同様の材料により構成されている。
【0089】
図7から明らかなように、端面反射型弾性表面波装置41では、並列腕共振子S1の一対の反射端面49a,50a間の距離が、直列腕共振子S2,S3における反射端面間の距離と異ならされている。同様に、並列腕共振子P1の一対の反射端面55a,56a間の距離が、並列腕共振子P2の一対の反射端面57a,58a間の距離と異ならされている。
【0090】
このように、圧電薄膜43に反射部である凹部を設けて反射端面を構成した弾性表面波装置41では、構成される複数の端面反射型表面波共振子において、それぞれの共振子に好ましい反射端面間距離を選択することができる。凹部は、反射端面を形成するために圧電薄膜43に形成されているが、該凹部は圧電薄膜43の下方の基板42に至っていてもよい。この場合においても、あくまでも反射端面は、上記圧電薄膜43に設けられている凹部の内側面により構成される。従って、基板に至っている部分におけるチッピング等の影響を受け難いため、高精度に反射端面が形成される。好ましくは、図示のように、凹部は、基板42に至らないように、圧電薄膜43のみに設けられる。
【0091】
これを、図8に示す従来の端面反射型弾性表面波装置と比較して説明する。図8は、3個の直列腕共振子S1〜S3と、2個の並列腕共振子P1,P2が1つの表面波基板202上に構成されている端面反射型弾性表面波装置201を示す斜視図である。この端面反射型弾性表面波装置201では、直列腕共振子S1,S2,S3の一対の反射端面は、表面波基板202の上面からダイサー等を用いて切削加工することにより形成された反射端面202a,202bである。すなわち、直列腕共振子S1〜S3の反射端面が共通化されているため、直列腕共振子S1〜S3として、それぞれ最適なIDT対数ひいては反射端面間距離を採用することができない。端面反射型弾性表面波装置201では、並列腕共振子P1,P2についても、同様に一対の反射端面が共通化されており、従って並列腕共振子P1,P2のそれぞれに最適なIDT対数や反射端面間距離を採用することができない。また、共振子同士を電気的に接続するために、溝をまたぐようにしてワイヤを用いる必要があるため、小型化、低背化もできない。
【0092】
もっとも、端面反射型弾性表面波装置201でも、各共振子に最適な一対の反射端面をそれぞれの共振子において形成することは可能である。しかしながら、そのような場合には、表面波基板202の上面から、様々な位置に切削加工を施して、各共振子に最適な反射端面を作り出さねばならず、製造工程が煩雑であり、かつ表面波基板202におけるチッピングが生じ易くなる。従って、実際には、端面反射型弾性表面波装置201において、各直列腕共振子S1〜S3及び並列腕共振子P1,P2のそれぞれに応じて一対の反射端面間距離を設定することは困難である。
【0093】
これに対して、図7の第2の実施形態の端面反射型弾性表面波装置41では、上記のように、圧電薄膜43に反射部である凹部を設けることにより、反射端面が形成されているので、各直列腕共振子S1〜S3や並列腕共振子P1,P2に最適なIDT対数や反射端面間距離を容易に採用することができ、設計の自由度が大幅に高められる。
【0094】
また、弾性表面波装置201では、ボンディングワイヤ203,204などを用いて電気的接続を行わねばならないのに対し、端面反射型弾性表面波装置41では、圧電薄膜43上に配線電極を形成すればよいため、ボンディングワイヤにより直列腕共振子と並列腕共振子とを電気的に接続する必要がない。従って、端面反射型弾性表面波装置の小型化及び低背化を図ることができるとともに、電気的接続の信頼性を高めることができる。さらに、電気的接続作業の簡略化をも果たすことが可能となる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、該基板上に形成された圧電薄膜と、圧電薄膜上に形成されたインターデジタル電極とを有する端面反射型弾性表面波装置において、
前記インターデジタル電極の最外側の電極指の近傍に設けられておりかつ励振される表面波を反射させる反射部が前記圧電薄膜に設けられていることを特徴とする、端面反射型弾性表面波装置。
【請求項2】
前記反射部が、前記電極指の延びる方向に平行に延びる反射端面を有する凹部である、請求項1に記載の端面反射型弾性表面波装置。
【請求項3】
前記凹部が、前記圧電薄膜を貫通する溝として設けられている、請求項2に記載の端面反射型弾性表面波装置。
【請求項4】
前記圧電薄膜が、圧電単結晶薄膜により構成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の端面反射型弾性表面波装置。
【請求項5】
前記圧電単結晶薄膜が、LiNbOまたはLiTaOである、請求項4に記載の端面反射型弾性表面波装置。
【請求項6】
前記基板がLiNbO基板であり、かつ前記圧電薄膜はLiNbOまたはLiTaOからなることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の端面反射型弾性表面波装置。
【請求項7】
前記基板がLiTaO基板であり、かつ前記圧電薄膜はLiNbOまたはLiTaOからなることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の端面反射型弾性表面波装置。
【請求項8】
前記基板と前記圧電薄膜との間に配置されたバッファ層をさらに備えることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の端面反射型弾性表面波装置。
【請求項9】
前記インターデジタル電極及び圧電薄膜を覆うように形成されたSiO膜をさらに備えることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の端面反射型弾性表面波装置。
【請求項10】
前記基板と前記圧電薄膜との間に形成されたSiO膜をさらに備えることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の端面反射型弾性表面波装置。
【請求項11】
基板を用意する工程と、
前記基板上に圧電薄膜を形成する工程と、
前記圧電薄膜上にインターデジタル電極を形成する工程と、
前記圧電薄膜に、前記インターデジタル電極の最外側の電極指の近傍に配置される反射部を形成する工程とを備える、端面反射型弾性表面波装置の製造方法。
【請求項12】
前記圧電薄膜に反射部を形成する工程が、圧電薄膜の反射部が設けられる部分をエッチングすることにより行われる、請求項11に記載の端面反射型弾性表面波装置の製造方法。
【請求項13】
前記圧電薄膜に反射部を形成する工程が、前記圧電薄膜を形成する工程において行われる、請求項11に記載の端面反射型弾性表面波装置の製造方法。
【請求項14】
前記圧電薄膜に反射部を形成する工程が、前記圧電薄膜上に前記インターデジタル電極を形成した後に行われる、請求項11に記載の端面反射型弾性表面波装置の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【国際公開番号】WO2005/050836
【国際公開日】平成17年6月2日(2005.6.2)
【発行日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−515580(P2005−515580)
【国際出願番号】PCT/JP2004/016603
【国際出願日】平成16年11月9日(2004.11.9)
【出願人】(000006231)株式会社村田製作所 (3,635)
【Fターム(参考)】