説明

筒形防振マウント用製造金型

【課題】軸部材と、その軸部材を、それから間隔をおいて取り囲む筒状部材とを、軸部材の中心軸線に対して放射状等に延びる複数種類のゴムを、軸部材の周りに交互に配置して相互連結する場合にあっても、隣接する異種ゴムが最も近接して位置することとなる、その軸部材側での異種ゴムどうしの混じり合いを効果的に防止できる筒形防振マウント用製造金型を提供する。
【解決手段】軸部材2と、この軸部材2を、それから間隔をおいて取り囲む筒状部材3とをゴム材料により相互連絡するとともに、そのゴム材料を、軸部材の周りに配設した複数種類のゴムにて形成してなる筒形防振マウントの製造金型であって、軸部材2と筒状部材3との間に配置されて、種類の異なるゴムを区分する仕切部材25を設けるとともに、この仕切部材25の、軸部材側の表面部分に、その軸部材の軸線方向に延びるゴム溜り溝29を設けてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動車のボディマウント、キャブマウント等として用いて好適な筒形防振マウントの製造金型に関するものであり、とくには、軸部材と、この軸部材を、そこから間隔をおいて取り囲む筒状部材とを、複数種類のゴムからなるゴム材料によって相互連結してなる筒形防振マウントを製造する場合、異種類のゴムの混じり合いを防止して、防振マントの所要の物性の確保を確実なものとし、また、異種ゴム相互のセパレーション等に起因する耐久性の低下のおそれを取り除く技術を提案するものである。
【背景技術】
【0002】
複数種類のゴムを用いてなる異種ゴム複合防振装置としては、たとえば、特許文献1および2に記載されたものがあり、特許文献1に記載された防振装置は、異種ゴム相互の混じり合いを防止するべく、内側金具と外側金具との間に配設される本体部ゴムと主ストッパ部ゴムとの境界に、それらを不連続とするゴム見切り部を設けるとともに、このゴム見切り部内に、本体部ゴム側から回り込んだゴムからなるゴム溜り部を形成したものであり、特許文献2に記載された防振装置は、内側金具と、この外側に間隔をもって配設される外側金具とを連結するゴム製のアーム部と、このアーム部と外側金具との間に形成される閉空間へ、防振すべき主たる振動の入力方向に沿って外側金具側から突出するゴム製の主ストッパ部とを備えるとともに、アーム部を構成するゴムと主ストッパ部を構成するゴムの組成又は物性を異ならせた異種ゴムの組合せとした防振装置において、アーム部と外側金具との接続部に仕切部材を配置し、アーム部側ランナから硬度の低いゴムを注入して内側金具と一体にアーム部を形成すると同時に、外側金具と一体に主ストッパ部を形成するとともに、仕切部材によってアーム部側と主ストッパ部側の各ゴムの混入を防止したものである。
【0003】
【特許文献1】特開平10−113931号公報
【特許文献2】特開平10−113932号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載された従来技術は、ゴム見切り部内のゴム溜り部を外側金具側に設けるものであるも、このことによっては、たとえば、内側金具と外側金具とを、両金具間で、内側金具の中心軸線に対して放射状に延在させたそれぞれの種類のゴムを、内側金具の周りに交互に配置して相互連結する場合に、隣接する異種ゴムの相互が最も近接して位置することとなる内側金具側での、それらの異種ゴムの混じり合いを有効に阻止することができないという問題があった。
【0005】
また、特許文献2に記載された従来技術では、アーム部と主ストッパ部とが、金属プレートからなる仕切り部材を介して接合されていることから、仕切部材相当分のコストおよび重量の増加が否めず、しかも、仕切部材の寸法のばらつきにより、モールドと仕切部材との間に隙間が生じるおそれがあり、その隙間を経てゴムが流動することで、異種ゴムが混じり合うことがある。
【0006】
この発明は、従来技術が抱えるこのような問題点を解決することを課題としてなされたものであり、それの目的とするところは、軸部材と、その軸部材を、それから間隔をおいて取り囲む筒状部材とを、軸部材の中心軸線に対して放射状等に延びる複数種類のゴムを、軸部材の周りに交互に配置して相互連結する場合にあっても、隣接する異種ゴムが最も近接して位置することとなる、その軸部材側での異種ゴムどうしの混じり合いを効果的に防止することができ、また、金型それ自体の構成部分を仕切部材として機能させることで、別個の部材を追加配置することを不要とし、しかも、仕切部材の、少なくとも軸部材側の表面部分のゴム溜り溝により、少なくとも軸部材の寸法のばらつきに起因して、軸部材と金型との隙間でゴムが流動することがあっても、異種ゴムの混じり合いを防ぐことができる筒形防振マウント用製造金型を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る、筒形防振マウントの製造金型は、たとえば筒形態とすることもできる軸部材と、この軸部材を、その周りに間隔をおいて取り囲む筒状部材とをゴム材料によって、たとえば同心状に相互連結するとともに、そのゴム材料を、軸部材の周りに配設されて放射状に延びる複数種類のゴムにて形成してなる筒形防振マウントを製造するものであって、軸部材と筒状部材との間に配設されて、種類の異なるゴムを区分する、たとえば分割構造の仕切部材を設けるとともに、この仕切部材の、少なくとも軸部材側の表面部分に、その軸部材の軸線方向の延びるゴム溜り溝を設けてなるものである。
【0008】
ここで、軸部材の外周面に対して、ゴム溜り溝へのゴムの流入を許容できる程度のわずかな間隙をおいて配置されるこの仕切部材は、金型内へ、軸部材および筒状部材のそれぞれを、それらの形状に応じて適正に位置決め支持等するとともに、製造された筒形防振マウントからの仕切部材の抜き取り除去を円滑かつ容易ならしめるべく、たとえば、軸部材の軸線方向での三分割構造とすることができる。
【0009】
この場合、たとえば、軸部材がその一端にフランジを有する部材からなり、筒状部材がL字状縦断面の回転体構造をなすものであるとき、仕切部材は、軸部材のフランジを下型上に位置決め保持する下段部分と、この下段部分に面接触して、筒状部材を位置決め支持する中段部分と、軸部材の他端部を保持するとともに、筒状部材の内側に嵌まり込んで、中段部分に面接触する、上段部分を兼ねる上型とで構成することができる。
【0010】
このような製造金型においてより好ましくは、仕切部材の、軸部材側の表面部分および、筒状部材側の表面部分のそれぞれに、それらの部材のそれぞれの軸線方向、ひいては、製造される筒形防振マウントの軸線方向に延びるそれぞれのゴムの溜り溝を設ける。
【0011】
また好ましくは、仕切部材を、平面外輪郭形状が多角形状をなす軸部材の、および/または、平面内輪郭形状が多角形状をなす筒状部材の角部にセットする。
【発明の効果】
【0012】
この発明に係る筒形防振マウント用製造金型では、とくには、仕切部材の、少なくとも軸部材側の表面部分にゴム溜り溝を設け、その軸部材の周りに、複数種類のゴムを放射状等の配置態様で交互に配設するに当り、隣接する異種ゴムが最も近接して位置することとなるその軸部材の周りで、所定のキャビティから食み出したそれぞれのゴム素材を、ゴム溜り溝内へ流入させて、その溝内、いいかえれば、仕切部材にて区分される、それぞれのゴム間の空間内に、それぞれの種類のゴムからなる防振機能部からは完全に独立した単なるゴム溜りを形成させることにより、防振機能部内での異種ゴムの混じり合いを十分に防止することができ、これにより、防振機能部内で異種ゴムが混じり合うことに起因する、ゴム物性の変動、異種ゴム間へのセパレーションの発生等のおそれを有効に取り除くことができる。
【0013】
そしてこのことは、仕切部材の、軸部材側および筒状部材側の両表面部分にゴム溜り溝を設け、それらの両部材側にともにゴム溜りを形成する場合により確実なものとすることができる。
【0014】
またここで、仕切部材を、平面外輪郭形状が多角形状をなす軸部材の角部にセットするときは、仕切部材のセット位置精度を高めて、ゴムを所期した通りの精度をもって区分することができる。すなわち、平面外輪郭形状を曲線状とした場合に比し、隣り合う辺部分に配設される異種ゴム相互の区画分離を、より容易かつ確実なものとして、異種ゴムの相互の混じり合いのおそれをより十分に取り除くことができ、また、通常は角部に配置されるゴム溜り溝への、余剰ゴムの流入を円滑かつ確実なものとすることができる。
なおこれらのことは、仕切部材を、平面内輪郭形状が多角形状をなす外筒部材の角部にセットする場合についても同様である。
【0015】
ところで、仕切部材を、軸部材および外筒部材の両者の角部にセットしたときは、軸部材側および外筒部材側の別なく、隣接するゴムの区画分離をより一層高い精度で行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1は、この発明に係る製造金型によって製造される筒形防振マウントを例示する斜視図および平面図であり、この筒形防振マウント1は、たとえば、平面外輪郭形状を四角形とすることができる軸部材2と、この軸部材2から間隔をおいてそれを取り囲む、たとえばその軸部材2と同軸の、筒状部材としての外筒部材3と、これらの両部材2,3を、加硫接着等をもって相互連結するゴム材料4とを具えてなり、このゴム材料4は、軸部材2の周りに配設した複数種類、図では円筒形状に構成した、外筒部材3の筒部分3aの、直径方向に対抗する四個所に、軸部材2の平坦面に対応させて配設されて放射配置になる二種類の異種のゴム4a,4bにより形成してなる。
【0017】
この場合、二種類の異種ゴム4a,4bは、軸部材2の周りで、ゴム材料4の全体にわたって貫通する空間5によって、相互に完全に区画分離される。
なおここでの空間5は、後に詳述する仕切部材によって形成されることになり、また、その空間5の、少なくとも軸部材側の表面、図では、軸部材2および外筒部材3のそれぞれの表面に、キャビティから食み出して、仕切部材のゴム溜り溝内へ流入して硬化したゴム素材からなるゴム溜り6a,6bが、それらの軸線方向への延在状態で形成されることになる。
【0018】
また図示のこの防振マウント1では、軸部材2は、その一端としての下端に、円形輪郭形状をなすフランジ2aを有するとともに、柱状部の中央部分に貫通孔2bを有しており、この防振マウント1は、たとえば、貫通孔2bに上下方向に挿通させたボルトによって、自動車車体のキャビンやボディに締付け固定される。
【0019】
一方、外筒部材3は、筒部分3aの下端に、略楕円、略長円等の異形輪郭形状のフランジ3bを有するとともに、このフランジ3bの長軸側の両端に、自動車車体のフレームへの取付け用の貫通孔3cを有する。
【0020】
以上のような筒形防振マウント1は、それの垂直姿勢で、ボディマウント、キャブマウント等として、自動車に適用されて、主には、いずれか一対、たとえば一対のゴム4aの圧縮および引張り変形をもって、車両の左右方向の振動の、防振および減衰機能を、また、他の一対のゴム4bの圧縮および引張り変形をもって車両の前後方向の振動の、防振および減衰機能をそれぞれ発揮し、併せて、車両の上下方向の振動に対しては、それぞれのゴム4a,4bの、フランジ2a,3b間部分の圧縮および引張り変形に加え、それらのゴム4a,4bの、軸部材2の柱状部と、外筒部材3の筒部分3aとの間の部分の剪断変形に基いて、防振および減衰機能を発揮することができる。
【0021】
ところで、このような筒形防振マウントの製造、すなわち、予め製造した、軸部材2と外筒部材3との、ゴム材料4としての二種類の異種ゴム4a,4bによる、加硫接着に基く相互連結は、図2に示すような製造金型を用いることによって行うことができる。
【0022】
ここで、図2(a)は、製品マウントの平面図(図1(b))の、相互に対抗する一対の空間5を通るa−a線に沿う縦断面に対応する金型断面図、図2(b)は、製品マウントの平面図の、フランジ3bの長軸を通るb−b線に沿う縦断面に対応する金型断面図であり、図2(c)は、図2(a)のc−c線に沿う横断面図である。
【0023】
この製造金型は、図2(a)に示すところでは、下型21および上型22の他、軸部材2を、その一端に設けたフランジ2aによって下型21上に着座させた状態で、そのフランジ2aをその下型上に位置決め保持する、セグメント状の複数の中型下段部分23と、この下段部分23への面接触状態で、外筒部材3、なかでもそれのフランジ3bを位置決め支持する中型中段部分24と、軸部材2の他端部を保持するとともに、外筒部材3の内側に嵌まり込んで、中型中段部分24に面接触する、上段部分を兼ねる上型22とからなる三分割構造の仕切部材25を具えるとともに、上型22と中段部分24との間に介装されて、外筒部材3を中段部分24上に押圧する拘束部材(中型上段部分)26とを具えてなる。
なお、以上のような構成は、図1(b)のa−a線と直交する線分に沿う縦断面に対応する金型断面についても同様である。
【0024】
またこの金型は、図2(b)に示すところでは、下型21および上型22の他、外筒部材3のフランジ3bを支持するとともに、そのフランジ3bと軸部材フランジ2aとの間へのキャビティ27の区画に寄与するキャビティ部材28を具え、また、上述したと同様の拘束部材26を具えてなる。
【0025】
なおこの図に示すところでは、キャビティ部材28によって、両フランジ2a,3b間に区画されるキャビティ27は、軸部材2の柱状部と、外筒部材3の筒部分3aとの間に連通する一方、それらの両者間を閉止する上型22によって終了される。
そしてこれらのことは、図1(b)のb−b線と直交する線分に沿う縦断面に対応する金型断面についても同様である。
【0026】
ところで、図2(a)に示すところでは、軸部材2の周りに形成される四個のキャビティ27の相互間に配設される各仕切部材25、直接的には、その仕切部材25を構成する中型下段部分23、中型中段部分24および上型部分のそれぞれは、軸部材2の、平面外輪郭形状が四角形をなす柱状部の各角部に位置決め配置してなり、この仕切部材25は、それの、軸部材2側の表面部分および、外筒部材3側の表面部分のそれぞれに、それらの部材2,3の軸線方向に延びて、軸部材2の柱状部のほぼ全長、または、外筒部材3の筒部分3aのほぼ全長にわたる長さを有するゴム溜り溝29,30を具える。
【0027】
ここで、これらの各ゴム溜り溝29,30は、仕切部材25を隔てて隣接するそれぞれのキャビティ27内へ種類の異なるゴム素材を射出等して加硫成形するに当り、各キャビティ27からの食み出しゴム素材を、それらのゴム溜り溝29,30内へ流入させてそこで硬化させることによって、製品マウントでの異種ゴムの混じり合いを効果的に防止するべく機能することになる。
【0028】
またここでは、隣接するキャビティ27内へ供給されるゴム素材の、仕切部材25による区分をより確実なものとするべく、仕切部材25を分割構造として、プレス成形品からなる軸部材2および外筒部材3のそれぞれの、フランジ2aおよび3bの突出基部の曲面部分の液封を相互に別体になる中型下段部分23および中型中段部分24によって実現することとしているも、軸部材2の柱状部と、フランジ2aとの交角は、できるだけ90°に近づけることが、中型下段部分23による液封をより確実なものとする上で好ましく、そして、外筒部材3の筒部分3aの内面と、フランジ3bの下面との交角もまた、できるだけ90°に近づけることが、中型中段部分24による液封をより確実なものとする上で好ましい。
【0029】
以上のような構造とした製造金型による筒形防振マウントの製造に当っては、下型21および上型22間に、軸部材2および外筒部材3のそれぞれを、図2に示すように位置決め配置するとともに、仕切部材25をもまた前述したように配置した状態で、図3に、平面図および側面図で概念的に例示するような射出通路を介し、軸部材2の周りの、対抗する二個所のキャビティ27に対しては、一方のスプルー31から、ランナ32およびゲート33を経て、一方の種類のゴム素材34を射出し、そして、対抗する他の二個所のキャビティ27に対しては、他方のスプルー35から、ランナ36およびゲート37を経て、他方の種類のゴム素材38を射出する。
【0030】
それぞれのキャビティ27への、それぞれのゴム素材34,38のこのような射出成形に当り、キャビティ27からの食み出しゴム素材は、前述したように、仕切部材25のゴム溜り溝29,30内へ流入してそこで加硫硬化する一方、キャビティ27内のそれぞれのゴム素材34,38はそこで加硫硬化して、軸部材2と外筒部材3との、加硫接着による相互連結をもたらす。
【0031】
このようにして製造された筒形防振マウント1は、たとえば、上型22を、図2に示す型閉め位置から、型開き位置まで上昇変位させ、次いで、その防振マウント1を、中型下段部分23,中型中段部分24および拘束部材26とともに下型21から取り出し、その後、下段部分23およびキャビティ部材28のそれぞれを、図2(c)に示すように、軸部材2の柱状部に対して半径方向外方へ抜き出すとともに、拘束部材26をもまた半径方向外方側へ抜き取り、そしてまた、中段部分24を、軸部材2のフランジ2a側へ下降変位させて、その中段部分24の、軸部材2と外筒部材3との間への入り込みを完全に解除した状態で、各中段部分24を半径方向外方へ抜き出すことで、図1に示すような、独立した防振マウントとされる。
【0032】
かくしてここでは、仕切部材25およびそれに設けたゴム溜り溝29,30の作用下で、軸部材2の周りに配設される、種数の異なるゴムの相互の混じり合いを効果的に防止することができるとともに、軸部材2の横断面外輪郭形状を多角形とすることで、それとゴムとの接着面積を十分広く確保して所要の接着強度をもたらすことができる。
また、金型それ自体を仕切部材25として機能させることで、新たな部材を追加する必要なしに、二種類以上の異種ゴムからなる防振マウントを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】この発明に係る金型によって製造される筒形防振マウントを例示する斜視図および平面図である。
【図2】この発明の実施の形態を示す断面図である。
【図3】射出通路を観念的に示す図である。
【符号の説明】
【0034】
1 筒形防振マウント
2 軸部材
2a フランジ
2b 貫通孔
3 外筒部材
3a 筒部分
3b フランジ
3c 貫通孔
4 ゴム材料
4a,4b ゴム
5 空間
6a,6b ゴム溜り
21 下型
22 上型
23 中型下段部分
24 中型中段部分
25 仕切部材
26 拘束部材(中型上段部分)
27 キャビティ
28 キャビティ部材
29,30 ゴム溜り溝
31,35 スプルー
32,36 ランナ
33,37 ゲート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸部材と、この軸部材を、それから間隔をおいて取り囲む筒状部材とをゴム材料により相互連結するとともに、そのゴム材料を、軸部材の周りに配設した複数種類のゴムにて形成してなる筒形防振マウントの製造金型であって、
軸部材と筒状部材との間に配置されて、種類の異なるゴムを区分する仕切部材を設けるとともに、この仕切部材の、少なくとも軸部材側の表面部分に、その軸部材の軸線方向に延びるゴム溜り溝を設けてなる筒形防振マウント用製造金型。
【請求項2】
仕切部材の、軸部材側の表面部分および、筒状部材側の表面部分のそれぞれに、それらの部材のそれぞれの軸線方向に延びるゴム溜り溝を設けてなる請求項1に記載の筒形防振マウント用製造金型。
【請求項3】
仕切部材を、平面外輪郭形状が多角形状をなす軸部材の角部にセットしてなる請求項1もしくは2に記載の筒形防振マウント用製造金型。
【請求項4】
仕切部材を、平面内輪郭形状が多角形状をなす筒状部材の角部にセットしてなる請求項1〜3のいずれかに記載の筒形防振マウント用製造金型。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−96121(P2009−96121A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−271534(P2007−271534)
【出願日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】