説明

管の接続構造および接続用管

【課題】管同士の伸縮が可能であり、且つ、管同士を屈曲させた際に、その接続部が破損することなく、所定の屈曲角度で屈曲することが可能で、しかも、敷設現場において、容易且つ迅速に接続できるようにする。
【解決手段】複数本の管10を接続する管の接続構造である。管10の一端には受口部12が設けられるとともに、他端には差口部13が設けられ、隣接する管10の受口部12に管10の差口部13が挿入される。差口部の先端部には、環状のシール材17が設けられ、受口部12は、シール材17が摺動自在なストレート部を有する収容部12bと、収容部から先端に向けて拡径するテーパー部12cとを備えている。受口部12に対して差口部13を屈曲させた際に、差口部13がテーパー部12cに当接する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、土木分野、電線ケーブル、光ケーブル等の保護管として使用される管の接続構造および接続用管に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電線ケーブル、光ケーブルは、長尺筒状の保護管に挿入された状態で、地中に埋設されるのが一般的である。かかる保護管100は、図10(a)および(b)に示すように、所定長さの複数本の管(管路部材)110を接続して構成されている。
【0003】
かかる保護管100は、管路部材110の一端に受口部112が設けられ、他端に差口部113が設けられている。また、受口部112先端部の内周面には、環状のシ−ル溝115が形成され、このシ−ル溝115には、シールリング116が嵌合固定されている。
【0004】
一の管路部材110の受口部112に、他の管路部材110の差口部113が所定長さ摺動自在に挿入され、シールリング116により、受口部112と差口部113との間が、水密状にシールされている。
【0005】
また、地中に埋設される電線ケーブル等の敷設現場において、管路に予期しない障害物が存在する場合等には、その障害物を回避して配管しなければならない。かかる場合、障害物を避けるべく、障害物の大きさに適した曲管が必要となる。
【0006】
そこで、可撓性を有する保護管も公知である(例えば、特許文献1参照)。かかる保護管は、複数の短管を屈曲自在(可撓自在)に連結したものである。短管の一端には外周面側に嵌入凹部を設け、他端には内周面側に係止凹部を設け、互いに隣接する短管の嵌入凹部と係止凹部とを係合して連結している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−84814号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記図10に示す従来の管路部材110の接続構造において、互いに隣接する管路部材110同士の受口部112と差口部113との接合部分で、若干屈曲することは可能である(図10(b)参照)。しかしながら、前記従来の管路部材110の接続構造は、差口部113と受口部112との間に所定長さ分の挿入代を確保していることから、所望角度まで屈曲させることは困難である。
【0009】
すなわち、差口部113は、弾性変形するシールリング116を中心にして屈曲しようとするが、シールリング116と差口部113先端との距離が長いため、差口部113先端が受口部112内周面に当接し、管路部材110同士の接続部分を屈曲させるには不適である。仮に、無理に管路部材110同士を屈曲させると、受口部112の先端部112aが不用意に変形または破損するおそれがある。
【0010】
また、前記特許文献1に記載の保護管は、隣接する短管同士の屈曲は可能であるが、嵌入凹部と係止凹部とを係合して連結する構成である。そのため、保護管を屈曲させた場合、隣接する管路部材同士が伸縮する方向に摺動するのが困難となり、この結果、保護管は、伸縮機能が損なわれる。このように、埋設された保護管の伸縮機能が損なわれると、地震等における耐震性を確保することができなくなる。
【0011】
また、かかる保護管は、嵌入凹部と係止凹部とを係合して短管同士を連結する構成であるため、敷設現場において、短管同士を連結する作業が困難で且つ煩雑となる問題があった。
【0012】
そこで、本発明は、管同士の伸縮が可能であり、且つ、管同士を屈曲させた際に、その接続部が破損することなく、所定の屈曲角度で屈曲することが可能で、しかも、敷設現場において、容易且つ迅速に接続することができる管の接続構造および接続用管を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、複数本の管を接続する管の接続構造であって、前記管の一端には受口部が設けられるとともに、他端には差口部が設けられ、隣接する管の受口部に前記管の差口部が挿入され、前記差口部の先端部には、環状のシール材が設けられ、前記受口部は、前記シール材が摺動自在なストレート部を有する収容部と、該収容部から先端に向けて拡径するテーパー部とを備え、前記受口部に対して該受口部に挿入された差口部を屈曲させた際に、前記差口部が前記テーパー部に当接することにある。
【0014】
かかる管の接続構造は、受口部に先端に向けて拡径するテーパー部が設けられているため、このテーパー部が案内部の機能を有し、差口部を受口部に容易且つ迅速に挿入することができる。従って、管同士の接続作業を簡単に行うことができる。しかも、管同士の接続部分は摺動自在(前記シール材がストレート部を摺動自在)であるとともに、管同士が屈曲した際には、差口部は、テーパー部に面接触しているため、受口部との接触面積を大きくでき、受口部を無理に変形させることはなく、テーパー部が不用意に破損するのを防止できる。
【0015】
前記管の接続構造において、前記管には、隣接する管が挿入される標準挿入位置を確認するための位置合わせ手段が設けられていることにある。
【0016】
かかる管の接続構造は、作業者が差口部を受口部の標準挿入位置まで差し込んだことを確実に確認することができる。
【0017】
前記管の接続構造において、前記受口部と該受口部に挿入された差口部には、前記受口部と差口部との間に生じる隙間の開口を閉塞する保護カバーが装着されていることにある。
【0018】
そして、保護カバーを装着することにより、テーパー部と差口部との間に生じている隙間の開口を閉塞することができる。
【0019】
また、本発明の接続用管は、管の一端には受口部が設けられるとともに、他端には差口部が設けられ、隣接する管の受口部に前記管の差口部が挿入可能で、前記差口部の先端部には、環状のシール材が設けられ、前記受口部は、隣接する管のシール材が摺動自在な収容部と、前記収容部から先端に向けて拡径するテーパー部とを備え、前記受口部に対して該受口部に挿入された差口部を屈曲させた際に、前記差口部が前記テーパー部に当接する構成である。
【0020】
かかる接続用管は、受口部に先端に向けて拡径するテーパー部が設けられているため、差口部を受口部に容易且つ迅速に挿入することができる。従って、管同士の接続作業を簡単に行うことができる。しかも、管同士が屈曲した際には、差口部は、テーパー部に面接触しているため、受口部との接触面積を大きくでき、受口部を無理に変形させることはなく、テーパー部が不用意に破損するのを防止できる。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、互いに隣接する管同士の伸縮が可能となり、しかも、管同士を屈曲させた際には、受口部に挿入されている管の差口部が、テーパー部に当接するため、管の屈曲を所望の角度まで屈曲することができる。また、差口部がテーパー部に面接触するため、受け口部の破損も防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施の形態に係る保護管の接続状態を示し、(a)は直線状態の断面図、(b)は屈曲状態の断面図である。
【図2】同保護管を構成する管路部材の断面図である。
【図3】同保護管の接続状態を示し、(a)は保護管を収縮させた状態の断面図、(b)は保護管を伸長させた状態の断面図である。
【図4】管路部材の接続工程をそれぞれ示し、(a)は保護カバーでOリングを被覆した状態の正面図、(b)はOリングを露出させた状態の正面図、(c)は保護カバーで受口部と差口部との間に生じる隙間の開口を閉塞した状態の一部断面を含む正面図である。
【図5】管路部材同士を屈曲させた状態の断面図である。
【図6】管路部材を屈曲させて使用する状態を示し、(a)は直管からなる管路部材を屈曲させた状態の断面図、(b)は曲管からなる管路部材を屈曲させた状態の断面図である。
【図7】本発明の他の実施の形態に係る保護管の接続状態を示し、(a)は直線状態の断面図、(b)は屈曲状態の断面図である。
【図8】同保護管の接続状態を示し、(a)は短くした状態の断面図、(b)は伸長した状態の断面図である。
【図9】本発明の他の実施の形態に係る保護管の接続状態を示し、(a)は接続直前を示す断面図、(b)は直線状態の断面図、(c)は屈曲状態の断面図である。
【図10】従来例を示し、(a)は接続直前を示す断面図、(b)は屈曲状態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1〜図6は、本発明の一実施の形態を示す。
【0024】
図1は、保護管1を示し、この保護管1は、地中に埋設される電気、通信関係のケーブル等を保護するもので、管としての複数本の管路部材10が接続されて構成されている。
【0025】
各管路部材10は、図2に示すように、例えば合成樹脂材料や金属系材料からなる部材で、円筒形状に形成されている。また、管路部材10は、その全長Lが例えば1mに設定された直線状の直管を例示する。
【0026】
管路部材10は、管本体部11の一端側に設けられた受口部12と、他端に設けられた差口部13とから構成されている。管本体部11の外径と差口部13の外径とは同等に設定されている。また、管本体部11と差口部13との境界部分には、互いに隣接する管路部材10との標準挿入位置を確認するための位置合わせ手段(2条のライン)15a、15bが、管路部材10の周方向に平行に設けられている。管本体部11および差口部13の口径(内径)d1は、例えば、略200mmに設定されている。更に具体的には、塩化ビニル管(VP管)である場合、内径基準値が194mmに設定されている。
【0027】
前記差口部13の先端部には、シール材としてのOリング17が設けられている。すなわち、差口部13の先端部には、環状の止水溝16が形成されており、この止水溝16にOリング17が嵌合固定されている。このOリング17は、受口部12と差口部13との間を水密状にシールするものである。シール材はOリング17に限定されるものではなく、Dリング、Xリング等の任意の断面形状ものが採用可能であるが、本実施の形態においては、Oリング17を例示する。また、シール材の材質は、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、シリコンゴムやフッ素ゴム等を挙げることができる。
【0028】
Oリング17の幅寸法w1は、例えば、略30mmに設定され、Oリング17は、差口部13の先端面13aから略25mmの位置に設けられている。
【0029】
前記受口部12は、本体部11から拡径する傾斜部12aと、この傾斜部12aから延設された円筒状のストレート部からなる収容部12bと、この収容部12bから次第に拡径するように、所定の屈曲角度αで屈曲されたテーパー部12cとからなる。
【0030】
収容部12bの内径d2は、例えば、230mm〜235mm(好ましくは、232mm程度)に設定されている。収容部12bは、図1に示すように、Oリング17が摺動自在に挿入された標準挿入位置において、Oリング17から±50(左右方向に50)mm以上のストレート部を有しているのが好ましい。そのため、収容部12bの寸法L2は、170mm以上で、好ましくは、170mm〜175mmに設定されている。このように、収容部12bは、Oリング17から±50mm以上のストレート部を有しているため、Oリング17が収容部12bのストレート部内で摺動することができ、この結果、互いに隣接する管路部材10同士は、標準挿入位置から少なくとも50mm伸縮することが可能となっている。
【0031】
前記テーパー部12cの寸法L3は、例えば、60mm〜70mmに設定され、且つ、テーパー部12cの屈曲角度αは、5°〜6°(好ましくは、5.5°)に設定されている。従って、一の管路部材10が屈曲した際に、一の管路部材10が他の管路部材10のテーパー部12cに当接する。このように、一の管路部材10が他の管路部材10のテーパー部12cに当接することにより、管路部材10同士の屈曲角度αを略5.5°に設定できる。
【0032】
また、一の管路部材10の管本体部11と他の管路部材10の受口部12とを跨いで、伸縮性を有する帯状ゴムからなる保護カバー20が装着されている。
【0033】
次に、以上の構成からなる管路部材10を敷設現場において敷設する場合について説明する。
【0034】
先ず、複数の管路部材10を敷設現場まで搬送する際には、予め保護カバー20でOリング17を被覆しておく(図4(a)参照)。このように、保護カバー20でOリング17を保護しているため、敷設現場までの搬送時や配管直前までにOリング17が損傷するのを防止できる。
【0035】
さらに、保護カバー20を管本体部11側(受口部12側)にずらして、Oリング17およびライン15a、15bを露出させる(図4(b)参照)。
【0036】
次に、一の管路部材10の差口部13を、他の管路部材10の受口部12に挿入する。他の管路部材10の受口部12には、テーパー部12cが設けられているため、このテーパー部12cが案内部の機能を有し、差口部13を受口部12に容易且つ迅速に挿入することができる。
【0037】
挿入された差口部13のライン15a、15b間に、受口部12のテーパー部12cの先端が達した際に、作業者は、差口部13を標準挿入位置まで差し込んだことを確認することができる。さらに、一の管路部材10の一旦ずらした保護カバー20を、他の管路部材10の受口部12のテーパー部12cに被せる(図4(c)参照)。
【0038】
このように、テーパー部12cと差口部13とを跨ぐように、保護カバー20を装着することにより、テーパー部12cと差口部13との間に生じている環状の隙間の開口を閉塞することができる。この結果、土砂等がこの開口から環状の隙間内へ侵入するのを防止できる。
【0039】
また、Oリング17は、標準挿入位置において収容部12bの略中央に位置しており、この位置から収容部12bの内周面を摺動自在になっている。具体的には、管路部材10同士間に、互いに縮める方向の力が作用すると、Oリング17は、収容部12bを傾斜部12a側に摺動する。これにより、管路部材10同士の寸法は短くなる(図3(a)参照)。
【0040】
また、反対に、管路部材10同士間に、互いに伸長させる方向の力が作用すると、Oリング17は、収容部12bの先端側に摺動する。これにより、管路部材10同士の寸法は長くなる(図3(b)参照)。
【0041】
本実施の形態では、地震時等における保護管1の伸縮に対応できるように、受口部12は、Oリング17から±50mm以上のストレート部を有しているため、管路部材10同士は、標準挿入位置から少なくとも左右に50mm伸縮することが可能となっている。この管路部材10の伸縮に際して、保護カバー20は、伸縮性を有し柔軟性があるため、管路部材10の伸縮に追従して変形し、地震時等における保護管1の伸縮にも柔軟に対応することができる。また、管路部材10同士間に、屈曲する方向の力が作用した際には、一の管路部材10は、Oリング17を中心にして他の管路部材10に対して容易に屈曲する。
【0042】
また、保護管1の敷設現場の状況により、保護管1を湾曲させる場合がある。かかる場合、複数本の管路部材10を屈曲させることにより、保護管1を所定曲率で湾曲させることができる。すなわち、図1(b)および図5に示すように、一の管路部材10の差口部13は、他の管路部材10のテーパー部12cに当接し、このテーパー部12cにより、他の管路部材10に対して一の管路部材10の屈曲が規制される。
【0043】
従って、一の管路部材10を、他の管路部材10に対して所定の屈曲角度α(5.5°)で屈曲させることができる。このとき、差口部13は、テーパー部12cに面接触しているため、受口部12との接触面積を大きくでき、受口部12を無理に変形させることはなく、テーパー部12cが不用意に破損するのを防止できる。この結果、管路部材10同士の接続部分の耐震性を確保することができる。
【0044】
また、Oリング17を差口部13の先端部に設けているため、管路部材10同士の屈曲に際して、差口部13の先端が、受口部12の収容部12b内周面に当接し難く、差口部13が管路部材10同士の屈曲の支障になることもない。
【0045】
このように、保護管1は、隣接する管路部材10同士の連結部分を適宜曲げることによって、必要な施工曲率で敷設することが可能となる。具体的には、全長が1mの直管を複数本接続し、その接続部を5.5°の屈曲角度αで屈曲させることにより、曲率半径R1が10mの保護管1を得ることができる((図6(a)参照)。従って、従来、所定曲率に湾曲された曲管を使用しないと施工できなかった保護管1の湾曲施工(曲率半径が無限大〜10mの範囲内での施工)においては、直管の管路部材10のみで、保護管1を所望曲率の湾曲形状とすることができるため、前記曲管が不要となる。
【0046】
しかも、本実施の形態では、先端部にOリング17を有する差口部13を、受口部12の収容部12bに挿入しているだけであるため、管路部材10同士を屈曲させた状態であっても、Oリング17が受口部12を摺動でき、管路部材10同士の伸縮は可能である。
【0047】
本発明は、前記実施の形態に限定されるものではない。例えば、図6(b)に示すように、全長が1mでかつ曲率半径が10mの曲管10Aを複数本使用し、各曲管10Aを受口部12と差口部13との接続部で5.5°の屈曲角度αで屈曲させることにより、曲率半径R2が5mの保護管1で敷設することもできる。かかる場合には、曲率半径が5mの曲管が不要となる。しかも、保護管1の最大曲げ状態は、曲率半径R2が5mとなるため、曲げの基準を曲率半径R2が5mと設定した場合には、その基準の曲率半径R2よりも小さな曲率半径で配管されるおそれはなく、所定曲率の配管が可能となる。
【0048】
また、図7および図8に本発明の他の実施の形態を示す。本他の実施の形態は、受口部12の収容部12b中央部に内周面が凹部となる環状溝の位置決め部22が設けられている。尚、本他の実施の形態において、前記実施の形態と同一部材は、同一符号を付してそれぞれの具体的な説明は省略する。
【0049】
本他の実施の形態は、Oリング17を位置決め部22に嵌入させることにより、受口部12への標準挿入位置が確認できる。位置決め部22は、管路部材10の長手方向に所定の寸法を有している。図7(a)は、Oリング17が位置決め部22中の標準挿入位置に位置する状態を示す。同図(b)は、管路部材10同士を屈曲させた状態を示す。
【0050】
図8(a)は、管路部材10同士を若干収縮させた状態を示す。同図(b)は、管路部材10同士を若干伸長させた状態を示す。なお、位置決め部22が位置合わせ手段として機能する。地震等の場合には、一の管路部材10と他の管路部材10とが図7および図8のいずれの姿勢であっても、Oリング17が位置決め部22を乗り越えて摺動するように、位置決め部22の溝深さは浅く設定されている。
【0051】
図9はさらに本発明の他の実施の形態を示し、前記実施の形態と同一部材は同一符号を付して、それぞれの具体的な説明は省略する。前記管路部材10の所定位置(前記ライン15a、15bの設けられていた位置)には、容易に圧縮可能な環状体25が設けられている。この環状体25は、発泡ゴム、発泡ウレタン、不織布等からなる。
【0052】
また、前記受口部12の先端には、前記環状体25が嵌合される環状受部26が設けられている。
【0053】
そして、環状体25を環状受部26に嵌合させることにより、環状体25が位置決め機能と、受口部12と差口部13と間の隙間の開口を閉塞する閉塞機能とを備えている(図9(b)参照)。また、環状体25は容易に圧縮可能な材料から構成されているので、管路部材10同士を屈曲させた際に、環状体25が変形するため、環状体25が支障となることはない(図9(c)参照)。
【0054】
また、環状体25を環状受部26に固定するとともに、環状体25を管路部材10に対して摺動自在に設けた場合には、管路部材10同士の伸縮も可能となる。
【0055】
なお、受口部12と差口部13との間は、Oリング17でシールされていることから、環状体25を、例えば水膨張性不織布を採用した場合、敷設後土中の水分で膨張し、受口部12と差口部13との隙間を、より強力に閉塞する効果がある。
【符号の説明】
【0056】
1 保護管
10 管路部材
10A 曲管
11 管本体部
12 受口部
12b 収容部
12c テーパー部
13 差口部
15a、15b ライン(位置合わせ手段)
17 Oリング(シール材)
20 環状カバー
22 位置決め部(位置合わせ手段)
25 環状体
26 環状受部
α 屈曲角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数本の管を接続する管の接続構造であって、
前記管の一端には受口部が設けられるとともに、他端には差口部が設けられ、
隣接する管の受口部に前記管の差口部が挿入され、
前記差口部の先端部には、環状のシール材が設けられ、
前記受口部は、前記シール材が摺動自在なストレート部を有する収容部と、該収容部から先端に向けて拡径するテーパー部とを備え、
前記受口部に対して該受口部に挿入された差口部を屈曲させた際に、前記差口部が前記テーパー部に当接することを特徴とする管の接続構造。
【請求項2】
前記請求項1に記載の管の接続構造において、前記管には、隣接する管が挿入される標準挿入位置を確認するための位置合わせ手段が設けられていることを特徴とする管の接続構造。
【請求項3】
前記請求項1または2に記載の管の接続構造において、前記受口部と該受口部に挿入された差口部には、前記受口部と差口部との間に生じる隙間の開口を閉塞する保護カバーが装着されていることを特徴とする管の接続構造。
【請求項4】
管の一端には受口部が設けられるとともに、他端には差口部が設けられ、
隣接する管の受口部に前記管の差口部が挿入可能で、
前記差口部の先端部には、環状のシール材が設けられ、
前記受口部は、隣接する管のシール材が摺動自在な収容部と、前記収容部から先端に向けて拡径するテーパー部とを備え、前記受口部に対して該受口部に挿入された差口部を屈曲させた際に、前記差口部が前記テーパー部に当接する構成であることを特徴とする接続用管。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−122540(P2012−122540A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−273323(P2010−273323)
【出願日】平成22年12月8日(2010.12.8)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】