説明

管路の分岐管内への付属装置の装着構造及び付属装置の着脱方法並びにその着脱器具

【課題】分岐管内に装着する種々の付属装置(例えば空気抜き装置)を、分岐管への不断水着脱を容易に行うことができる付属装置の装着構造を提供する。
【解決手段】開閉弁装置1と連結体2と付属装置3で構成され、開閉弁装置1の弁開口部と連結体2の透孔部を通して付属装置3の主要部を挿入して、連結体2の装置取付部に付属装置3を装着する。また前記連結体2には、所定の着脱器具を装着するための密封取付部を備え、前記密封取付部に対応する装着部を設けた密封本体を有する着脱器具を装着して、付属装置の不断水着脱を実現するとともに、付属装置分離後に、開閉弁装置で分岐管路との遮断を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却水供給管、及び原料(液体)供給管等の各種プラントの管路、その他水道本管等の管路の分岐管内に装着される空気抜き装置等の付属装置の装着構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液体の流通路である管路内に存在する空気は、液体の流れを阻害する大きな要因となる。この対策として管路中高所に配管された部分に立上分岐管を設け、当該立上分岐管に空気抜き装置を装着しているものである。前記の空気抜き装置は、フロート弁機構を利用して、管内の空気を外気に放出する場合に、液体中に含まれるゴミ等の浮遊物も空気と一緒にフロート弁機構の弁筺内に流入してしまうもので、該弁筺の清掃が必要となる。しかも、この清掃は、管路の流れを停止することなく、当該装置を管内との連通を遮断した状態で行われなければならない。
【0003】
この対応として、特許文献1(特開2001−65733号公報)に、当該装置と分岐管との間に開閉弁を介設し、開閉弁の操作で当該装置の着脱を可能としている構成が開示されている。
【0004】
また特許文献2(特開2000−337540号公報)には別の対応として、立上分岐管に固定される外筺と、該外筺内に回動可能に密嵌されて内部にフロートを配置する内筺と、弁口を有する内筺の蓋体とを備え、上記外筺と内筺の夫々に対応する透孔を穿設して、内筺の回動により透孔との位置関係を変化させて、内筺内と管路内との連通及び遮断状態を得るように構成した空気抜き装置が開示されており、特許文献3(特開平10−299927号公報)には、更に前記の内筺又は外筺を上下動させて内筺内と管路内との連通及び遮断状態を得るように構成した空気抜き装置が開示されている。
【0005】
また管路の立上分岐管に装着される種々の付属装置を、管路不断水で着脱する技術として、特許文献4(特開2007−239860号公報)には、立上分岐管のフランジに、仕切弁及び付属装置部分の着脱駆動機構を備えた密閉収納ケースを装着し、密閉状態で付属装置部分を取り外し、密閉収納ケースが管路内流水で満たされた状態で付属装置を上方に移動させ、仕切弁を閉じて密閉収納ケース内を上下室に分断し、密閉収納ケース内の上室から付属装置を取り出す手段が開示されている。
【0006】
また特許文献5(特開2005−265087号公報)には、付属装置の開閉弁を通して、軸部材の先端に設けた止水弁を立上分岐管の基部に差し入れて、分岐管への流れを閉鎖し、止水弁を仮固定している間に開閉弁を交換する手法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−65733号公報。
【特許文献2】特開2000−337540号公報。
【特許文献3】特開平10−299927号公報。
【特許文献4】特開2007−239860号公報。
【特許文献5】特開2005−265087号公報。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
付属装置が、前記特許文献1に開示されているように、開閉弁を介して立上分岐管に連結されている空気抜き装置の場合には、開閉弁の開閉操作で付属装置である空気抜き装置の、着脱が容易であり、内部清掃も容易に行うことができるが、立上分岐管からの分岐のために寒冷地においては凍結という問題が生ずる。
【0009】
これに対して特許文献2,3に示されている空気抜き装置のように、立上分岐管内に設置して本管の流れの影響を受ける状態に組み込むと、寒冷期における装置の凍結が防止されるが、弁機構自体に内外内筺遮断構造を必要として、構造自体が複雑になり製造コストが高くなる問題がある。
【0010】
単純構造の空気弁を不凍結装置として、立上分岐管内に装着することも可能であるが、その内部清掃や補修等の保守作業に際しては、特許文献4,5に示されているような、複雑な着脱装置と着脱作業を必要とし、定期的に保守作業を必要とする空気抜き装置においては現実的ではない。
【0011】
そこで本発明は、簡易な構造の空気抜き装置やその他の付属装置を分岐管内に、付属装置の着脱を容易にする新規な付属装置の装着構造及び付属装置の着脱方法並びにその着脱器具を提案したものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る管路の分岐管内への付属装置の装着構造は、開閉弁装置と、連結体と、付属装置で構成されるものであり、開閉弁装置は、所定の広さの弁開口部を備え、管路における分岐管に連結するものであり、連結体は、前記開閉弁装置と一体に形成されるか或いは連結されるもので、所定の広さの透孔部と、付属装置を取り付けるための装置取付部と、前記装置取付部の外周側に設けられた所定の着脱器具を装着する密封取付部を備えてなり、付属装置は、その主要部が弁開口部及び透孔部を通して分岐管路内に挿入できる大きさで、前記挿入状態で前記装置取付部に水密に装着するための取付部と、着脱器具による着脱操作を可能とする操作部とを備えたものである。
【0013】
前記構成による管路における分岐管への付属装置の装着は、開閉弁装置を分岐管に連結し、更に開閉弁装置と連結体が一体に形成されていない構成では、連結体を前記開閉弁装置に連続して装着し、付属装置を、その主要部を開閉弁装置の弁開口部及び連結体の透孔部を通して分岐管路内に挿入し、装置取付部に水密に装着してなるもので、付属装置の主要部は、本管流の影響を受ける分岐管内に収められることになり、不凍結装置として機能するものである。
【0014】
本発明に係る付属装置の着脱器具は、前記の管路の分岐管内への付属装置の装着構造に使用する器具であって、付属装置を収納できる容積を備えた下方開口の容器形状で、下方開口部内周に前記連結体の密封取付部に対応する装着部を設けた密封本体と、密封本体を所定箇所に装着した状態で、付属装置の操作部と連結して連結体への付属装置の着脱操作を行う動作部とを備えてなるものである。
【0015】
本発明に係る付属装置の着脱方法は、前記の付属装置の装着構造を採用して分岐管に装着した付属装置を、前記の着脱器具を使用して行うものである。
【0016】
その手順は、主要部を分岐管内に収まるように連結体に装着した付属装置に対して、付属装置の露出部分を被冠するように密封本体を連結体の密封取付部に連結して付属装置の上方空間を密閉状態とした後に、動作部を付属装置の操作部に連結して操作し、付属装置を装置取付部から外すと共に、付属装置を分岐管から引き抜いて取り出し、当該密閉状態のまま開閉弁装置を閉じ、その後着脱器具及び付属装置を管路から分離し、また開閉弁装置を閉じた状態で、付属装置を内装した着脱器具を密封取付部に装着し、しかる後開閉弁装置を動作させて弁を開口し、弁開口部から付属装置の主要部を分岐管内に挿入し、前記挿入状態で付属装置を装置取付部に水密に装着してなることを特徴とするものである。
【0017】
従って着脱器具を使用することによって、開閉弁装置を介しての内外空間(分岐管内と付属装置の上方空間)が外気に対して密閉状態となるので、付属装置の着脱は、管路の流れを遮断することなく不断水で実施することができるものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明の構成は上記の通りで、分岐管に装着する空気抜き装置等の種々の付属装置を、その主要部を分岐管内に挿入した状態で装着して不凍結状態で使用することができると共に、前記付属装置を簡易な着脱器具を使用して簡単な作業で分岐管から着脱することができるので、特に空気抜き装置のように定期的に内部清掃が必要な付属装置においては、装置自体に簡易な構造を採用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第一の実施例を示す断面図(付属装置装着時を示す)。
【図2】同付属装置(空気抜き装置)の説明図(Aは斜視図、Bは正面図)。
【図3】同図(拡大断面図)。
【図4】同連結体の説明図(Aは斜視図、Bは一部切断正面図)。
【図5】同着脱器具の全体斜視図。
【図6】同着脱器具の動作部の操作部の斜視図。
【図7】同着脱器具の動作部の連結部の説明図(下方斜視図)。
【図8】同着脱器具の断面図。
【図9】同付属装置着脱手順の説明図(取り外し開始時)。
【図10】同図(取り外し作業中)。
【図11】同図(取り外し終了状態)。
【図12】本発明の第二の実施例の付属装置(空気抜き装置)の説明図(斜視図)。
【図13】同連結体の説明図(Aは斜視図、Bは一部切断正面図)。
【図14】同着脱器具の説明図(Aは一部裁断斜視図、Bは断面図)。
【図15】同付属装置着脱手順の説明図(取り外し開始時)。
【図16】同図(取り外し作業中)。
【図17】同連結体の別例(第三実施例)の説明図(付属装置を装着した通常時を示す)。
【図18】同図17の構造において着脱器具を装着した説明図(取り外し作業中)。
【図19】同連結体を開閉弁装置と一体に形成した別例(第四実施例)の説明図(付属装置を装着した通常時を示す)。
【図20】同図19の構造において着脱器具を装着した説明図(取り外し開始時)。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に本発明の実施形態について説明する。実施形態としての第一の実施例は図1乃至11に示したもので、付属装置として空気抜き装置を採用した例であり、本管(管路)aから立ち上り形成された分岐管bの管端のフランジcに、開閉弁装置1、及び連結体2、及び付属装置(空気抜き装置)3を装着する構造を示したものである。
【0021】
開閉弁装置1は、上下に連結用のフランジ部11,12を備え、下方フランジ部11をフランジcに連結し、上方フランジ部12に、後述する連結体2を装着するものである。
【0022】
前記の上下フランジ部11,12間には、横軸回動するボール弁体13を内装し、外部に付設した駆動操作部14で、ボール弁体13の開閉作動を行うようにしたもので、特に弁開口部15は出来るだけ大径に形成するものである。
【0023】
連結体2は、前記上方フランジ部12と対応するベース部21と、前記ベース部21の中央に筒状部22を立設してなり、ベース部21には上方フランジ部12と連結するためのボルト孔211を穿設し、筒状部22の内方の底面に、所定の大きさの透孔部23を穿設し、筒状部22の内周面には付属装置を取り付けるための装置取付部24を設け、筒状部22の外周には、密封取付部25を設けてなるものである。尚透孔部23の内周面には付属装置(空気抜き装置)3を装着した際に、透孔部23における内外間の水密性を確保するための水封パッキン231を設けているものである。
【0024】
装置取付部24は、透孔部外縁面241と、筒状部22の上部内方に間欠的に突出させた抜け止め突部242と、抜け止め突部242間の切欠個所の差入部243とで構成されるものである。また密封取付部25は、筒状部22の外周面に適宜間隔で係止突条を周設して形成したものである。
【0025】
付属装置(空気抜き装置)3は、フロート機構による空気抜き装置であり、筒状のフロート室31と、装着フランジ部32と、蓋体33と、第一フロート34と、第二フロート35を備えてなる。
【0026】
フロート室31は、本発明の付属装置の主要部に該当するもので、前記の弁開口部15及び透孔部23に挿入できる外径を備えてなるもので、前記第一フロート34及び第二フロート35を内置すると共に、底面近傍と上方周面に空気導入孔311,312を設けたものである。
【0027】
装着フランジ部32は、フロート室31の上方外周に突設したものであり、特に前記差入部243からの差し入れが可能であり、装置全体の回動動作によって抜け止め突部242の下方に入り込む外周突部321を備えたものである。
【0028】
蓋体33は、フロート室31の上部開口を塞ぐものであり、中央に小透孔331を設けてなるもので、装着フランジ部32に止着ボルト36で固定してなり、この止着ボルト36の対向する一対の止着ボルト36aは、上方に係止用軸部361と係止用軸部361の上方に連続して大径の係止用頭部362を設けて操作部としているものである。
【0029】
また第一フロート34は、フロート室31の上方に配置され、蓋体33の下面(フロート室31の天井面)と当接することでフロート室31と外気との遮断を実現しており(着脱用開閉弁機構の弁部に該当する)、前記の遮断を解除する構成として、小透孔331内に位置する突出部(着脱用開放弁機構の弁操作部となる)341と、前記突出部341を上下に貫通する空気孔部342を備え、第二フロート35は、前記の空気孔部342の下開口部分を閉塞する位置に配置したものである。
【0030】
而して前記の開閉弁装置1及び連結体2を使用しての空気抜き装置(付属装置)3の装着は、開閉弁装置1の下方フランジ部11を分岐管bのフランジcに連結し、更に連結体2のベース部21を開閉弁装置1の上方フランジ部12に連続して装着する。
【0031】
更に空気抜き装置(付属装置)3は、フロート室(主要部)31を連結体2の透孔部23及び開閉弁装置1の弁開口部15を通して分岐管bの管路内に挿入して装着するもので、この挿入に際して外周突部321を差入部243から差し入れ、更に全体を回動して外周突部321を抜け止め突部242の下方に移動させ、装着フランジ部32の全体を、透孔部外縁面241と抜け止め突部242の間に密嵌するものである。尚透孔部外縁面241と対面する装着フランジ部32の下面には、リングパッキン322を設けておき、前記した空気抜き装置(付属装置)3の装着時の水封を実現する水封パッキン231の補助機能を果たしたり、或いは代替機能を果たすようにしているものである。
【0032】
従って空気抜き装置(付属装置)3は、分岐管bの管路内に装着されることになり、本管aを流れる液体中の空気泡は分岐管路に入り、空気導入孔311,312の何れからフロート室31に侵入すると、第二フロート35が僅かに下降し、空気孔部342を通して外部に放出される。また大量の空気の放出が必要な場合には、第一フロート34が下降して蓋体33の小透孔331から一気に放出されるもので、従前の空気抜き装置と同様に機能すると共に、分岐管bの管路内に装着されることで不凍結装着が実現するものである。
【0033】
本発明における前記構成の採用は、前記の空気抜き装置(付属装置)3の各種保守作業を行う際に、管路の流路を遮断することなく不断水で装置着脱を行うためのもので、下記の着脱器具4を使用することで実現するものである。
【0034】
第一の実施例として示した着脱器具4は、密封本体41と動作部42を備えたもので、密封本体41は、前記空気抜き装置(付属装置)3が収納できる大きさの下方開口の容器形状で、下方内周面に前記の密封取付部25に対応した装着部(間欠突条)411を設け、下方部分及び上方部分に排出弁412,413を付設すると共に、内周面に動作部42の上下動を行うための内ネジ面414としてなる。
【0035】
動作部42は、密封本体41の上板を貫通する多重管及び軸を伝達機構として、付属装置3を分岐管内に出し入れを行う上下動のための機構と、付属装置3と動作部を連結する係止機構と、付属装置3の突出部(着脱用開放弁機構の弁操作部)341を操作する開放操作機構を備えるものである。
【0036】
付属装置3を上下動させる機構は、前記内ネジ面414に螺合する作動周板421と、前記作動周板421に連結した連結管422と、連結管422の上端に連結した回転ハンドル423で構成され、付属装置3と連結する係止機構は、前記連結管422の内部に設けた二重操作管424と、二重操作管424のそれぞれと連結され作動周板421の下方に設けた半径方向に突出する係止板425と、二重操作管424のそれぞれの上端に連結した係止操作レバー426で構成される。
【0037】
特に前記係止板425の回動方向の端面に平面視U状のU字溝427を設けており、2本の係止操作レバー426を開脚状態にした場合に、前記U字溝427の開口側が離れ(図7参照)、揃えて閉脚状態とした場合に、重なり合ったU字溝427で付属装置3の係止用軸部361と略一致する円孔が形成されるようにしたものである。また開放操作機構は、二重操作管424内を上下に貫通する開放操作杆428で構成されるものである。
【0038】
分岐管bに装着した空気抜き装置(付属装置)3を分岐管bから取り外すには、前記の着脱器具4を使用するもので、はじめに密封本体41の下方開口部分を付属装置3の上面部分を覆うように被せ、連結体2の密封取付部(係止突条)25に装着部(間欠突条)411が衝突しないようにして、装着部411を密封取付部25よりも下方に位置させ、当該状態で密封本体41を回動して密封取付部25に装着部411を係止する。
【0039】
更に係止操作レバー426を開脚状態としてU字溝427が開いた状態とし、係止板425を付属装置3の係止用軸部361の位置まで下げる。当該状態で係止操作レバー426を閉脚位置に回動させると、係止用軸部361がU字溝427に入り込み係止板425で係止用軸部361を挟む。
【0040】
次に上方排出弁413を僅かに開放した状態で、開放操作杆428を操作して突出部(着脱用開放弁機構の弁操作部)341を押し下げると、第一フロート34と蓋体33の下面との水封が解除され、小透孔331が開口することになる。この結果、管路内液体(水)は密封本体41内に溢れ出し、密封本体41内の空気は上方排出弁413から放出され、密封本体41内は、管路内液体で満たされることになる。勿論上方排出弁413は適時閉塞する。
【0041】
前記の状態では、管路内圧力と密封本体41内の圧力が平衡し、空気抜き装置(付属装置)3に加わる管内圧力が緩和され、空気抜き装置(付属装置)3の回動動作に対する抵抗力が軽減されるので、2本の係止操作レバー426を一緒に回動操作して空気抜き装置(付属装置)3を回動させ、この回動操作で外周突部321を差入部243の位置まで移動させる(図9参照)。
【0042】
そうすると装着フランジ部32が、透孔部外縁面241と抜け止め突部242の間の密嵌状態が解除され、空気抜き装置(付属装置)3の取り出しが可能となるので、そのまま回転ハンドル423を回転操作すると、作動周板421が内ネジ面414に添って回転上昇し、これに伴って付属装置3は係止用頭部362を係止板425で吊り下げられた状態で上昇する。従って所定の回転ハンドル423の回転操作で、付属装置3を連結体2の外方へ引き抜いて取り出すことができる(図10参照)。
【0043】
そして開閉弁装置1を動作させて弁開口部15を閉じ、下方排出弁412を開放して密封本体41内の排水を行った後、密封本体41を回動して連結体2から分離し、空気抜き装置(付属装置)3と共に、分岐管bから取り外すものである(図11)。
【0044】
空気抜き装置(付属装置)3は、係止操作レバー426を開脚状態とし着脱器具4から外し、清掃などの所定の保守作業を終えると、空気抜き装置(付属装置)3を取り外しの時と同様に係止操作レバー426の操作で密封本体41内に組み入れ、密封本体41を連結体2の密封取付部25に装着し、しかる後開閉弁装置1を動作させて開放し、密封本体41内を管路内液体で満たした後、空気抜き装置(付属装置)3のフロート室(主要部)31を回転ハンドル423の回転操作で透孔部23及び弁開口部15を通して分岐管b内に挿入し、係止操作レバー426の回動操作で空気抜き装置(付属装置)3の装着フランジ部32を所定位置に嵌合し、空気抜き装置(付属装置)3の装着を行う。
【0045】
空気抜き装置(付属装置)3の装着後は、密封本体41内の排水を行って、係止操作レバー426を開脚状態とし、密封本体41を回動して着脱器具4を連結体2から取り外し、従前の管路状態とするものである。
【0046】
また本発明は前記した第一の実施例に限定されるものではなく、種々の変更構造を採用することができる。例えば密封取付部(係止突条)25の形成位置を、筒状部22の外周とせずに連結体2の筒状部外方のベース部上面や外周面に形成し、着脱器具には、当該密封取付部(係止突条)と対応する密封本体の装着部(間欠突条)を設ければ良いものである。また第二の実施例で説明するように密封取付部に係止突条を採用せずに、ネジによる螺合装着構造を採用しても良い。
【0047】
密封取付部に螺合装着構造を採用する連結体2aは、筒状部22の外周をネジ面に形成して密封取付部26とし、止着ボルト36のボルト頭部363をそのまま操作部とした付属装置3aと、下記の第二の実施例の着脱器具5と組み合わせて使用するものである。
【0048】
第二の実施例として示した着脱器具5は、第一の実施例の着脱器具4と基本的な構成は同一で、密封本体51と動作部52を備えたもので、密封本体51は、所定の容積を備え、下方内周面に前記の密封取付部(ネジ面)26に対応した装着部511を設け、下方部分及び上方部分に排出弁512,513を付設してなる。
【0049】
動作部52は、前記した止着ボルト36のボルト頭部(操作部)363と対応付する嵌合凹部を備えた連結部521と、密封本体51の外方に設けた操作ハンドル522と、前記連結部521と操作ハンドル522とを連結する連結管523と、連結管523の内部を貫通する開放操作杆524で形成してなるものである。
【0050】
開放操作杆524は、上端が操作ハンドル522の上方に突出し、下端が連結部521より突出可能に設けたもので、連結管523内のネジと螺合して上下動可能に組み込んでなる。
【0051】
前記の着脱器具5を使用して分岐管bに装着した空気抜き装置(付属装置)3aを分岐管bから取り外すには、はじめに密封本体51を密封取付部26に螺合装着し、密封本体51内が密閉状態のままで、連結部521の嵌合凹部内にボルト頭部(操作部)363を嵌合する。
【0052】
これ以降の手順は第一の実施例と同様に上方排出弁513を僅かに開放し、開放操作杆524を操作して突出部341を押し下げて小透孔331を開口する。前記の開口によって管路内液体(水)は密封本体51内に溢れ出し、密封本体51内の空気は上方排出弁513から放出され、密封本体51内は管路内液体で満たされ、管路内圧力と密封本体51内の圧力が平衡する。
【0053】
そこで操作ハンドル522を操作して空気抜き装置(付属装置)3aを回動すると、外周突部321が差入部243の位置まで移動する(図15参照)。
【0054】
そうすると装着フランジ部32が、透孔部外縁面241と抜け止め突部242の間の密嵌状態が解除され、空気抜き装置(付属装置)3aの取り出しが可能となるので、そのまま操作ハンドル522を引き上げ、付属装置3aを連結体2aの外方に引き抜いて取り出すことができる(図16参照)。
【0055】
尚空気抜き装置(付属装置)3aの引き上げに際して、上方排出弁513を開放すると、密封本体51内の圧力が開放され空気抜き装置(付属装置)3aは、管路内圧力で連結体2aの外方に押し出される。
【0056】
そして開閉弁装置1を動作させて弁開口部15を閉じ、下方排出弁512を開放して密封本体51内の排水を行った後、密封本体51を連結体2aから分離し、空気抜き装置(付属装置)3aと共に、分岐管bから取り外す。
【0057】
空気抜き装置(付属装置)3aの装着は、前記の取り外し操作と逆に、空気抜き装置(付属装置)3aを密封本体51内に配置し、密封本体51を連結体2aの密封取付部26に装着し、しかる後開閉弁装置1を動作させて開放し、密封本体51内を管路内液体で満たした後、空気抜き装置(付属装置)3aのフロート室(主要部)31を透孔部23及び弁開口部15を通して分岐管b内に挿入し、操作ハンドル522の回動操作で空気抜き装置(付属装置)3aの装着フランジ部32を所定位置に嵌合し、空気抜き装置(付属装置)3aの装着を行う。
【0058】
空気抜き装置(付属装置)3aの装着後は、密封本体51内の排水を行って着脱器具5を取り外し、従前の管路状態とするものである。
【0059】
また図17,18に示す第三の実施例のように、連結体の密封取付部を前記の第二の実施例に代えて、上方フランジ部12に装着する連結ボルトを長尺ボルト(密封取付部)27とした連結体2bを採用し、着脱器具5aには、前記長尺ボルト(密封取付部)27に対応する連結用フランジ(装着部)514を採用することができる。
【0060】
前記の着脱器具5aは、密封本体51aの下方開口縁が筒状部22の上縁に密着するように載置して、長尺ボルト27によって連結用フランジ(装着部)514を装着して、密封本体51aの密閉装着を行うようにするものである。
【0061】
更に図19,20に示す通り、開閉弁装置1における上方フランジ部12を、連結体2bのベース部21となるように、連結体2bを開閉弁装置1と一体に形成しても良く、前記上方フランジ部12(ベース部21)にボルト孔を設け、当該ボルト孔に長尺ボルト27を装着し、前記着脱器具5aを採用することもできる。
【0062】
また開閉弁装置1(連結体2b)に、開閉弁装置1内(連結体2b内)と連通して、管路内液体を外部に放出できる放出弁機構16を付設し、他方着脱器具5aに、密封本体51a内に前記管路内液体を導入できるように前記放出弁機構16と連結する管路内圧力導入部515を設ける。
【0063】
そうすると前記の第二の実施例における空気抜き装置(付属装置)3aの取り外し作業と同様に、着脱器具5aを装着した後、上方排出弁513を僅かに開放した状態で、放出弁機構16を開放して、管路内液体を密封本体51a内に導入すると、密封本体51a内は、管路内液体で満たされ、管路内圧力と密封本体51a内の圧力が平衡し、空気抜き装置(付属装置)3aに加わる管内圧力が緩和され、空気抜き装置(付属装置)3aの回動動作に対する抵抗力が軽減され、空気抜き装置(付属装置)3aの回動操作(取り外し操作)が容易に行えるものである。
【0064】
勿論第一の実施例の着脱器具4にも、間欠突条を採用した装着部411に代えて、長尺ボルトを適用した密封取付部27と対応する装着部(連結用フランジ)514を採用することもできるし、また前記の管路内圧力導入部515を採用することもできる。
【0065】
尚前記の各実施例において付属装置を空気抜き装置3,3aとしたが、本発明は、その他分岐管を通して本管路に差し入れるゴミ取りフィルターや、本管路内に取り入れ口を設けた各種計測機器の導入部を主要部とする種々の付属装置に適用できるものである。
【0066】
また開閉弁装置1もボール弁機構に限定されずに、シャッター弁機構のように弁開口部を所定の大径を確保できるものであれば任意の機構を採用することができる。
【0067】
更に、連結体と付属装置の連結着脱構造、連結体と着脱器具の連結着脱構造、付属装置と着脱器具の連結着脱構造、付属装置の着脱用開放弁と着脱器具の開放操作部の対応構造等は、所定の機能を発揮する構成を具備するものであれば、その具体的構造は任意に定められるものである。
【符号の説明】
【0068】
a 本管(管路)
b 分岐管
c フランジ
1 開閉弁装置
11 下方フランジ部
12 上方フランジ部
13 ボール弁体
14 駆動操作部
15 弁開口部
16 放出弁機構
2,2a,2b 連結体
21 ベース部
211 ボルト孔
22 筒状部
23 透孔部
231 水封パッキン
24 取付部(装置取付部)
241 透孔部外縁面
242 抜け止め突部
243 差入部
25 密封取付部(係止突条)
26 密封取付部(ネジ面)
27 長尺ボルト(密封取付部)
3,3a 空気抜き装置(付属装置)
31 フロート室(主要部)
311,312 空気導入孔
32 装着フランジ部
321 外周突部
322 リングパッキン
33 蓋体
331 小透孔
34 第一フロート
341 突出部(着脱用開放弁)
342 空気孔部
35 第二フロート
36,36a 止着ボルト
361 係止用軸部(操作部)
362 係止用頭部(操作部)
363 ボルト頭部(操作部)
4,5,5a 着脱器具
41,51,51a 密封本体
411 装着部(間欠突条)
511 装着部(ネジ面)
514 装着部(連結用フランジ)
412,512 下方排出弁
413,513 上方排出弁
414 内ネジ面
514 連結用フランジ
515 管路内圧力導入部
42,52 動作部
421 作動周板
422,523 連結管
423 回転ハンドル
424 二重操作管
425 係止板
426 係止操作レバー
427 U字溝
428,524 開放操作杆
521 連結部
522 操作ハンドル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の広さの弁開口部を備え、管路における分岐管に連結する開閉弁装置と、
前記開閉弁装置に連結或いは一体に形成され、所定の広さの透孔部、及び下記の付属装置を取り付けるための装置取付部、及び前記装置取付部の外周側に設けた所定の着脱器具を装着する密封取付部を備えた連結体と、
主要部が弁開口部及び透孔部を通して分岐管路内に挿入できる大きさで、前記挿入状態で前記装置取付部に水密に装着するための取付部、及び前記着脱器具による着脱操作を可能とする操作部を備えた付属装置と、
で構成されることを特徴とする管路の分岐管内への付属装置の装着構造。
【請求項2】
付属装置に、外部操作で管路内と連通する着脱用開放弁機構を備えてなる請求項1記載の管路の分岐管内への付属装置の装着構造。
【請求項3】
開閉弁装置又は連結体に、管路内液体の放出弁機構を付設してなる請求項1記載の管路の分岐管内への付属装置の装着構造。
【請求項4】
分岐管端をフランジに形成すると共に、開閉弁装置が開閉弁の上下にフランジ部を設けて分岐管に連結され、連結体が前記開閉弁装置の上方フランジ部と対応するベース部と、ベース部中央に筒状部を立設し、筒状部内周に装置取付部を設け、筒状部外周又はベース部に密封取付部を設けてなる請求項1乃至3記載の何れかの管路の分岐管内への付属装置の装着構造。
【請求項5】
分岐管端をフランジに形成すると共に、開閉弁装置が開閉弁の上下にフランジ部を設けて分岐管に連結され、前記開閉弁装置の上方フランジ部の中央に筒状部を立設し、筒状部内周に装置取付部を設け、筒状部外周又は前記上方フランジ部に密封取付部を設けて連結体を開閉弁装置と一体に形成してなる請求項1乃至3記載の何れかの管路の分岐管内への付属装置の装着構造。
【請求項6】
装置取付部を、透孔部外縁面と、筒状部の上部内方に間欠的に突出させた抜け止め突部と、抜け止め突部間の切欠個所の差入部とで形成し、付属装置の取付部を、差入部からの差し入れが可能とした外周突部を備え、付属装置の差し入れ回動で、透孔部外縁面と抜け止め部突部間に密嵌合する構成とした請求項4又は5記載の何れかの管路の分岐管内への付属装置の装着構造。
【請求項7】
密封取付部を、着脱器具を被冠回動で装着可能とするために、筒状部の外周、ベース部又は上方フランジの外周に間欠的に突出させた係止突条で形成してなる請求項4乃至6記載の何れかの管路の分岐管内への付属装置の装着構造。
【請求項8】
開閉弁装置がボール弁機構を採用してなる請求項1乃至7記載の何れかの管路の分岐管内への付属装置の装着構造。
【請求項9】
付属装置がフロート機構を採用した空気抜き装置で、フロート室が弁開口部及び透孔部を通して分岐管路内に挿入して装着してなる請求項1乃至8記載の何れかの管路の分岐管内への付属装置の装着構造。
【請求項10】
所定の広さの弁開口部を備え、管路における分岐管に連結する開閉弁装置と、前記開閉弁装置に連結或いは一体に形成され、所定の広さの透孔部、及び付属装置を取り付けるための装置取付部、及び前記装置取付部の外周側に設けた所定の着脱器具を装着する密封取付部を備えた連結体と、主要部が弁開口部及び透孔部を通して分岐管路内に挿入できる大きさで、前記挿入状態で前記装置取付部に水密に装着するための取付部、及び前記着脱器具による着脱操作を可能とする操作部を備えた付属装置とで構成される管路の分岐管内への付属装置の装着構造に使用する器具であって、前記付属装置を収納できる容積を備えた下方開口の容器形状で、下方開口部内周に前記連結体の密封取付部に対応する装着部を設けた密封本体と、密封本体を所定箇所に装着した状態で、付属装置の操作部と連結して連結体への付属装置の着脱操作を行う動作部とを備えてなることを特徴とする管路の分岐管内への付属装置の着脱器具。
【請求項11】
動作部に付属装置の着脱用開放弁機構の開放操作を行う開放操作部を設けてなる請求項10記載の管路の分岐管内への付属装置の着脱器具。
【請求項12】
密封本体に、開閉弁装置又は連結体に付設した管路内液体の放出弁機構と連結する管路内圧力導入部を設けてなる請求項10記載の管路の分岐管内への付属装置の着脱器具。
【請求項13】
密封本体に排出弁機構を付設してなる請求項10乃至12記載の何れかの管路の分岐管内への付属装置の着脱器具。
【請求項14】
動作部が、付属装置の操作部と連結する連結部と、前記連結部と接続して密封本体の外方に突出させて前記連結部を動作させる操作ハンドルとで構成した手動機構である請求項10乃至13記載の何れかの管路の分岐管内への付属装置の着脱器具。
【請求項15】
所定の広さの弁開口部を備えた開閉弁装置を管路における分岐管に連結し、所定の広さの透孔部、及び付属装置を取り付けるための装置取付部、及び前記装置取付部の外周側に設けられた着脱器具の密封取付部を備えた連結体を、前記開閉弁装置に連続して装着し或いは一体に形成し、更に主要部を弁開口部及び透孔部を通して分岐管路内に挿入できる大きさに形成し、且つ着脱器具による着脱操作を可能とする操作部を備えた付属装置を、主要部を分岐管路内に挿入して装置取付部に水密に装着してなる管路の分岐管の付属装置装着構造において、前記付属装置の着脱を、付属装置を収納できる容積を備えた下方開口の容器形状で、下方開口部内周に前記連結体の密封取付部に対応する装着部を設けた密封本体と、密封本体を所定箇所に装着した状態で、付属装置の操作部と連結して連結体への付属装置の着脱操作を行う動作部とを備えてなる着脱器具を用い、密封本体の装着部を密封取付部に取り付けて付属装置の上方空間を密閉状態とした後に、動作部を付属装置の操作部に連結して操作し、付属装置を装置取付部から外すと共に、付属装置を分岐管から引き抜いて取り出し、当該密閉状態のまま開閉弁装置を閉じ、その後着脱器具及び付属装置を管路から分離し、また開閉弁装置を閉じた状態で、付属装置を内装した着脱器具を密封取付部に装着し、しかる後開閉弁装置を動作させて弁を開口し、弁開口部から付属装置の主要部を分岐管内に挿入し、前記挿入状態で付属装置を装置取付部に水密に装着してなることを特徴とする管路の分岐管内への付属装置の着脱方法。
【請求項16】
付属装置に、外部操作で管路内と連通する着脱用開放弁機構を備え、着脱器具の動作部に付属装置の着脱用開放弁機構の開放操作を行う開放操作部を設けて、密封本体を密封取付部に装着した密閉状態で、前記開放操作部を操作して着脱用開放弁機構を動作させて、付属装置に加わる密封本体内の圧力を緩和した後、動作部を操作して付属装置を装置取付部から外してなる請求項15記載の管路の分岐管内への付属装置の着脱方法。
【請求項17】
開閉弁装置又は連結体に、管路内液体の放出弁機構を付設し、密封本体に、放出弁機構と連結する管路内圧力導入部を設けて、密封本体を密封取付部に装着した密閉状態で、前記放出弁機構を動作させて、付属装置に加わる密封本体内の圧力を緩和した後、動作部を操作して付属装置を装置取付部から外してなる請求項15記載の管路の分岐管内への付属装置の着脱方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−215287(P2012−215287A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−273532(P2011−273532)
【出願日】平成23年12月14日(2011.12.14)
【出願人】(591197633)明和工業株式会社 (10)
【Fターム(参考)】