説明

粒状体選別装置

【課題】 計測対象領域の横幅方向の全幅又はほぼ全幅にわたって粒状体の選別処理を適切に行うことが可能なように適正光量範囲を設定することを煩わしさの少ない状態で行うことが可能となる粒状体選別装置を提供する。
【解決手段】 粒状体群を横拡がり状態で計測対象領域Jを通過させ、計測対象領域Jからの光を受光する複数の受光部毎に受光する光の受光量が適正光量範囲から外れているか否かを判別して適正光量範囲から外れていると判別された粒状体を他の粒状体群とは異なる経路に分離させる粒状体選別装置において、複数の光量設定単位のうちの特定のものについての適正光量範囲を目標光量範囲調整用情報に基づいて求め、且つ、他の光量設定単位についての適正光量範囲を、粒状体判別処理を実行するに伴って得られる受光量が適正光量範囲から外れる判別頻度に基づいて、特定の光量設定単位における判別頻度と同じ又は略同じになるように自動的に変更調整して求める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒状体群を一層状態で且つ横幅方向に拡がる横拡がり状態で計測対象領域を通過させるように移送する対象物移送手段と、前記計測対象領域からの光を受光する複数の受光部を前記計測対象領域の横幅方向に沿って区分けされる各部の夫々に対応させる状態で備えた受光手段と、前記計測対象領域の横幅方向の全幅又は略全幅を照明する照明手段と、前記受光手段の受光情報に基づいて、各受光部毎に受光する光の受光量が適正光量範囲から外れているか否かを判別する粒状体判別処理を実行する判別手段と、前記判別手段により前記受光量が前記適正光量範囲から外れていると判別された粒状体を前記計測対象領域よりも粒状体移送方向下手側の分離箇所において他の粒状体群とは異なる経路に分離させる分離手段とが設けられた粒状体選別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の粒状体選別装置として、次のように構成されたものがあった。すなわち、前記受光手段が前記複数の受光部をライン状に並ぶ状態で備えるCCDセンサにて構成され、前記照明手段が計測対象領域を照明する蛍光灯等からなるライン状光源にて構成され、複数の受光部の夫々における受光量について、各受光部毎の個体差に起因した受光量の差、及び、照明手段の照明光量の変動に起因した受光量の変動等を打ち消すために、受光手段の出力値を補正して、その補正した出力値に基づいて、判別手段が判別処理を実行するように構成され、且つ、複数の受光部の夫々における受光量に対する適正光量範囲は、複数の受光部の夫々に対して共通のものとして設定されるようになっていた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
前記受光手段の出力値を補正する処理について説明を加えると、粒状体に代えて検査基準物を測定したときの各受光部毎の受光量、及び、それら複数の受光量の平均値を求めて、各受光部毎の受光量と平均値との比率を補正係数として求めておく。一方、照明手段が劣化していない初期状態での複数の受光部毎の受光量の平均値と、粒状体群の選別を実際に行う場合の各受光部の受光量の平均値との比率を照明光量の変化率として求める。そして、実際の粒状体群の選別処理を行うときに、受光手段における各受光部の出力値を、補正係数及び照明光量の変化率により補正するようになっている。
【0004】
又、適正光量範囲を設定する処理について説明を加えると、計測対象領域を通過する状態で粒状体群を流下させて、複数の受光部の各受光量のデータを多数計測して度数分布を求めて、その度数分布から、例えば、光量の最大値よりも設定量大きい値を適正光量範囲の上限値とし、光量の最小値よりも設定量小さい値を適正光量範囲の下限値として、複数の受光部の夫々に対して共通の適正光量範囲を設定するようになっている。
【0005】
【特許文献1】特開平11−94749号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の粒状体選別装置は、例えば、長期間の使用に伴って照明手段としてのライン状光源の光量が減衰する場合に、その長手方向の一部の領域において光量の減衰の仕方が他の領域と異なるような場合であっても、計測対象領域の全ての領域において同じ粒状体を計測したときには略同じ受光量が得られるようにして、計測対象領域の横幅方向の全幅又はほぼ全幅にわたり、判別手段による判別処理並びに粒状体の選別処理を適切に行うことができるようにしたものである。
【0007】
しかし、上記従来構成のように、複数の受光部の夫々についてその出力値を補正するようにしても、上記したような補正係数や照明光量の変化率等を求める場合においても測定の誤差が含まれており、計測対象領域の横幅方向に沿って並ぶ複数の受光部の夫々について、受光量のデータを正確に補正することは実作業上においては難しいものであり、計測対象領域の全ての領域において、同じ粒状体を計測したときに略同じ受光量が得られるようにすることは達成できないおそれが大となっていた。
【0008】
その結果、従来の粒状体選別装置では、前記計測対象領域の横幅方向に沿って区分けされる各部の夫々に対応させる状態で備えられる複数の受光部のうちで、一部の受光部において、前記受光量が正確な受光量とは異なる値になり、粒状体の選別処理が適切に行えないものとなるおそれがあった。すなわち、前記受光量が正確な受光量とは異なる値になることから、正確に計測された場合には受光量が適正光量範囲外にあって分離すべき粒状体として判別すべき粒状体であっても、受光量が適正光量範囲にあるものと誤って判別して、その粒状体を分離できなかったり、それとは逆に、正確に計測された場合には受光量が適正光量範囲内にあって分離されるものではない粒状体として判別すべき粒状体であっても、受光量が適正光量範囲から外れるものと誤って判別して、その粒状体が分離される等、粒状体の選別処理が適切に行えないものとなる不利があった。
【0009】
そこで、従来の不利を回避するために、前記受光手段における全ての受光部に対する適正光量範囲を複数の受光部毎に各別に手動操作にて変更設定することが可能な構成として、前記粒状体判別処理を実行したときにおける粒状体の選別結果を作業者が目視により判別しながら、粒状体の選別処理が適切な状態で行えるように、複数の受光部毎に各別に手動操作にて適正光量範囲を変更調節する構成とすることが考えられるが、このように適正光量範囲を各受光部毎に各別に手動操作にて調整しながら変更設定する構成では、適正光量範囲を手動操作にて変更調整しながら繰り返し粒状体判別処理を行って、その判別結果を目視で判断しながら、適切な適正光量範囲を設定するという処理を、複数の受光部の夫々について実行する必要があり、煩わしい作業となる不利がある。
【0010】
本発明の目的は、計測対象領域の横幅方向の全幅又はほぼ全幅にわたって粒状体の選別処理を適切に行うことが可能なように適正光量範囲を設定することを煩わしさの少ない状態で行うことが可能となる粒状体選別装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る粒状体選別装置は、粒状体群を一層状態で且つ横幅方向に拡がる横拡がり状態で計測対象領域を通過させるように移送する対象物移送手段と、
前記計測対象領域からの光を受光する複数の受光部を前記計測対象領域の横幅方向に沿って区分けされる各部の夫々に対応させる状態で備えた受光手段と、
前記計測対象領域の横幅方向の全幅又は略全幅を照明する照明手段と、
前記受光手段の受光情報に基づいて、各受光部毎に受光する光の受光量が適正光量範囲から外れているか否かを判別する粒状体判別処理を実行する判別手段と、
前記判別手段により前記受光量が前記適正光量範囲から外れていると判別された粒状体を前記計測対象領域よりも粒状体移送方向下手側の分離箇所において他の粒状体群とは異なる経路に分離させる分離手段とが設けられたものであって、その第1特徴構成は、
前記複数の受光部の一つずつ又は隣接して並ぶ数個ずつを単位とする複数の光量設定単位の夫々についての前記適正光量範囲を各別に設定する適正光量範囲調整手段が、複数の光量設定単位のうちの特定のものについての前記適正光量範囲を、目標光量範囲調整用情報に基づいて求め、且つ、他の光量設定単位についての前記適正光量範囲を、前記粒状体判別処理を実行するに伴って得られる各光量設定単位の夫々において前記受光量が適正光量範囲から外れる判別頻度に基づいて、他の光量設定単位の夫々の判別頻度が特定の光量設定単位における判別頻度と同じ又は略同じになるように自動的に変更調整して求めるように構成されている点にある。
【0012】
第1特徴構成によれば、適正光量範囲調整手段は、前記複数の受光部の一つずつ又は隣接して並ぶ数個ずつを単位とする複数の光量設定単位の夫々についての前記適正光量範囲を各別に設定するのであるが、複数の光量設定単位のうちの特定の光量設定単位については、光量範囲調整用情報に基づいて適正光量範囲を求めて設定する。
【0013】
又、前記特定の光量設定単位以外の光量設定単位の夫々については、前記適正光量範囲を、前記粒状体判別処理を実行するに伴って得られる各光量設定単位の夫々において前記受光量が適正光量範囲から外れる判別頻度に基づいて、他の光量設定単位の夫々の判別頻度が特定の光量設定単位における判別頻度と同じ又は略同じなるように自動的に変更調整するのである。
【0014】
説明を加えると、適正光量範囲調整手段は、特定の光量設定単位については、前記光量範囲調整用情報に基づいて求めた適正光量範囲を設定する。この光量範囲調整用情報は、例えば、手動操作によって設定されて指令される情報、あるいは、予め適正な値として設定して記憶されている情報等がある。そして、そのように特定の光量設定単位について適正光量範囲を設定している状態で対象物移送手段により粒状体群を計測対象領域を通過させるように移送させながら粒状体判別処理を実行したときの特定の光量設定単位における前記受光量が適正光量範囲から外れる判別頻度を求める。そして、前記特定の光量設定単位以外の光量設定単位については、前記粒状体群を移送させて粒状体判別処理を実行したときの前記判別頻度が、前記特定の光量設定単位における前記判別頻度と同じ又は略同じ判別頻度となるように適正光量範囲を自動的に変更調整するようにして、各光量設定単位についての適切な適正光量範囲を求めて設定するのである。
このようにして、複数の光量設定単位の夫々において、前記受光量が適正光量範囲から外れる判別頻度が同じ又は略同じになるように適正光量範囲を設定することができる。
【0015】
その結果、全ての光量設定単位において、前記受光量が適正光量範囲から外れる判別頻度が同じ又は略同じになるように適正光量範囲を設定することができ、前記計測対象領域の横幅方向の全幅又はほぼ全幅にわたって粒状体の選別処理を適切に行うことができるものとなる。
【0016】
そして、適正光量範囲調整手段により上述したような複数の光量設定単位の夫々について適正光量範囲を設定する一連の処理を自動で行うことができ、作業者の手動操作による煩わしい調整作業や設定作業は不要である。
【0017】
従って、計測対象領域の横幅方向の全幅又はほぼ全幅にわたって粒状体の選別処理を適切に行うことが可能なように適正光量範囲を設定することを煩わしさの少ない状態で行うことが可能となる粒状体選別装置を提供できるに至った。
【0018】
本発明の第2特徴構成は、粒状体群を一層状態で且つ横幅方向に拡がる横拡がり状態で計測対象領域を通過させるように移送する対象物移送手段と、
前記計測対象領域からの光を受光する複数の受光部を前記計測対象領域の横幅方向に沿って区分けされる各部の夫々に対応させる状態で備えた受光手段と、
前記計測対象領域の横幅方向の全幅又は略全幅を照明する照明手段と、
前記受光手段の受光情報に基づいて、各受光部毎に受光する光の受光量が適正光量範囲から外れているか否かを判別する粒状体判別処理を実行する判別手段と、
前記判別手段により前記受光量が前記適正光量範囲から外れていると判別された粒状体を前記計測対象領域よりも粒状体移送方向下手側の分離箇所において他の粒状体群とは異なる経路に分離させる分離手段とが設けられた粒状体選別装置であって、
前記複数の受光部の一つずつ又は隣接して並ぶ数個ずつを単位とする複数の光量設定単位の夫々についての前記適正光量範囲を各別に設定する適正光量範囲調整手段が、複数の光量設定単位についての前記適正光量範囲を、前記粒状体判別処理を実行するに伴って得られる各光量設定単位の夫々において前記受光量が適正光量範囲から外れる判別頻度に基づいて、各光量設定単位の夫々の判別頻度が目標判別頻度と同じ又は略同じなるように自動的に変更調整して求めるように構成されている点にある。
【0019】
第2特徴構成によれば、適正光量範囲調整手段は、複数の光量設定単位の夫々について、前記粒状体判別処理を実行したときにおける前記受光量が適正光量範囲から外れる判別頻度が、目標頻度調整用情報に基づいて定まる目標判別頻度と同じ又は略同じ頻度になるように前記適正光量範囲を自動的に変更調整するのである。
【0020】
説明を加えると、適正光量範囲調整手段は、次のようにして適正光量範囲を設定することになる。すなわち、対象物移送手段により粒状体群を計測対象領域を通過させるように移送させて前記粒状体判別処理を実行して、複数の光量設定単位の夫々について、前記粒状体判別処理を実行したときの前記受光量が適正光量範囲から外れる判別頻度を求め、その判別頻度が目標頻度調整用情報に基づいて定まる目標判別頻度と同じ又は略同じ判別頻度となるときの適正光量範囲を、その光量設定単位における適正光量範囲として設定するのである。このようにして、複数の光量設定単位の夫々において、前記受光量が適正光量範囲から外れる判別頻度が同じ又は略同じになるように、適正光量範囲を変更調整することができる。
【0021】
その結果、全ての光量設定単位において、前記受光量が適正光量範囲から外れる判別頻度が同じ又は略同じになるように適正光量範囲を設定することができ、前記計測対象領域の横幅方向の全幅又はほぼ全幅にわたって粒状体の選別処理を適切に行うことができるものとなる。
【0022】
そして、適正光量範囲調整手段により上述したような複数の光量設定単位の夫々について適正光量範囲を設定する一連の処理を自動で行うことができ、作業者の手動操作による煩わしい調整作業や設定作業は不要である。
【0023】
従って、計測対象領域の横幅方向の全幅又はほぼ全幅にわたって粒状体の選別処理を適切に行うことが可能なように適正光量範囲を設定することを煩わしさの少ない状態で行うことが可能となる粒状体選別装置を提供できるに至った。
【0024】
本発明の第3特徴構成は、第1特徴構成又は第2特徴構成に加えて、前記受光手段が、前記計測対象領域の前方側箇所に位置する前部側の受光部と、前記計測対象領域の後方側箇所に位置する後部側の受光部を備えて構成され、
前記前部側の受光部及び前記後部側の受光部の夫々が、前記照明手段にて照明されて粒状体の表面で反射した光を受光する、又は、前記照明手段にて照明されて粒状体を透過した光を受光するように構成され、
前記適正光量範囲調整手段が、前記前部側の受光部及び前記後部側の受光部の夫々を対象として前記適正光量範囲設定処理を実行するように構成されている点にある。
【0025】
第3特徴構成によれば、受光手段は、前部側の受光部及び後部側の受光部の夫々によって、照明手段にて照明されて粒状体の表面で反射した光を受光する、又は、照明手段にて照明されて粒状体を透過した光を受光する。そして、判別手段は、前記粒状体判別処理を実行するにあたって、粒状体について計測対象領域の前方側及び後方側の前後両側から得られた光の受光量に基づいて判別を行うことができるので、前後のうちの片側のみの情報に基づいて判別するのに比べて粒状体に対する判別精度を向上することになる。
【0026】
そして、前記適正光量範囲調整手段は、前部側の受光部及び後部側の受光部の夫々を対象として前記適正光量範囲設定処理を実行するので、前部側の受光部及び後部側の受光部の夫々について一挙に適正光量範囲を変更調整することができる。
【0027】
従って、前部側の受光部及び後部側の受光部を用いて粒状体の判別を精度よく行えるものでありながら、前部側の受光部及び後部側の受光部の夫々について、計測対象領域の横幅方向の全幅又はほぼ全幅にわたって粒状体の選別処理を適切に行うことが可能なように適正光量範囲を設定することを煩わしさの少ない状態で行うことが可能となる。
【0028】
本発明の第4特徴構成は、第1特徴構成又は第2特徴構成に加えて、前記受光手段が前記計測対象領域の前方側箇所に位置する前部側の受光部と、前記計測対象領域の後方側箇所に位置する後部側の受光部を備えて構成され、
前記前部側の受光部及び前記後部側の受光部のいずれか一方が前記照明手段にて照明されて粒状体の表面で反射した光を受光するように構成され、他方が前記照明手段にて照明されて粒状体を透過した光を受光するように構成され、
前記適正光量範囲調整手段が、前記前部側の受光部及び前記後部側の受光部の夫々について、各別に前記適正光量範囲設定処理を実行するように構成されている点にある。
【0029】
第4特徴構成によれば、受光手段は、前部側の受光部及び後部側の受光部のいずれか一方により照明手段にて照明されて粒状体の表面で反射した光を受光し、他方が照明手段にて照明されて粒状体を透過した光を受光する。そして、判別手段は、前記粒状体判別処理を実行するにあたって、粒状体について、前部側の受光部及び後部側の受光部のいずれか一方により受光した反射光、及び、前部側の受光部及び後部側の受光部のいずれか他方により受光した透過光の夫々の受光量に基づいて判別を行うことができるので、反射光によって判別し易い異常部分及び透過光によって判別し易い異常部分等の夫々を適切に判別することが可能となって、粒状体に対する判別精度を向上することができる。
【0030】
そして、前記適正光量範囲調整手段は前部側の受光部及び後部側の受光部の夫々について、各別に前記適正光量範囲設定処理を実行するので、前部側の受光部及び後部側の受光部の夫々について、粒状体の選別処理を適切に行うことが可能なように適正光量範囲を設定することができる。
【0031】
従って、前部側の受光部及び後部側の受光部を用いて粒状体の判別を精度よく行えるものでありながら、前部側の受光部及び後部側の受光部の夫々について、計測対象領域の横幅方向の全幅又はほぼ全幅にわたって粒状体の選別処理を適切に行うことが可能なように適正光量範囲を設定することを煩わしさの少ない状態で行うことが可能となる。
【0032】
本発明の第5特徴構成は、第1特徴構成〜第4特徴構成のいずれかに加えて、前記適正光量範囲を規定する判別用の閾値として、最も光量大側の上側最大閾値、その上側最大閾値よりも光量小側の上側判定用閾値、その上側判定用閾値よりも光量小側の下側判定用閾値、その下側判定用閾値よりも光量小側の下側最小閾値の夫々が設定され、
前記判別手段が、
前記各受光部の受光量が前記上側最大閾値よりも大側に外れると直ちに他の粒状体群から分離すべき粒状体であると判別し、前記受光量が前記上側最大閾値よりも小さく且つ前記上側判定用閾値よりも大側に外れる状態が設定時間継続する又は設定数以上の受光部にわたって連続すると他の粒状体群から分離すべき粒状体であると判別し、前記受光量が前記下側最小閾値よりも小側に外れると直ちに他の粒状体群から分離すべき粒状体であると判別し、前記受光量が前記下側最小閾値よりも大きく且つ前記下側判定用閾値よりも小側に外れる状態が設定時間継続する又は設定数以上の受光部にわたって連続すると他の粒状体群から分離すべき粒状体であると判別するように構成され、
前記適正光量範囲調整手段が、前記上側最大閾値、前記上側判定用閾値、前記下側判定用閾値及び前記下側最小閾値の夫々を変更調整するように構成されている点にある。
【0033】
第5特徴構成によれば、他の粒状体群とは異なる経路に分離させるための粒状体として、種々の異常を有する粒状体を適切に判別することが可能となる。例えば、粒状体群として米粒群を対象として、粒状体からの反射光を受光する場合であれば、次のような粒状体が対象となる。前記各受光部の受光量が前記上側最大閾値よりも大側に外れる場合としては、他の粒状体群に比べて光反射率が非常に大きい部分を含む粒状体、例えばガラス片や金属片等の異物等が相当する。前記各受光部の受光量が前記上側最大閾値よりも小さく且つ前記上側判定用閾値よりも大側に外れる状態としては、他の粒状体群に比べて光反射率が大きい部分を含む粒状体、例えば未熟米等が相当する。前記受光量が前記下側最小閾値よりも小側に外れる場合としては、他の粒状体群に比べて光反射率が非常に小さい部分を含む粒状体、例えば黒色に変色している米粒や黒い小石等が相当する。又、前記受光量が前記下側最小閾値よりも大きく且つ前記下側判定用閾値よりも小側に外れる状態としては、他の粒状体群に比べて光反射率が小さい部分を含む粒状体、例えば黄色等の薄い色で変色している米粒等が相当する。このように種々の異常を有する粒状体を適正に判別して他の粒状体群から分離させることが可能となるのである。
【0034】
そして、前記適正光量範囲調整手段が、前記上側最大閾値、前記上側判定用閾値、前記下側判定用閾値及び前記下側最小閾値の夫々を変更調整するように構成されているから、粒状体群の中から上記したような種々の異常を有する粒状体を判別すべく前記受光量が適正光量範囲から外れている判別頻度を、複数の光量設定単位において同じ又は略同じになるように調整することが可能となる。
【0035】
従って、このように種々の異常を有する粒状体を適切に判別することが可能なものでありながら、種々の異常を有する粒状体を判別すべく前記受光量が適正光量範囲から外れる判別頻度を複数の光量設定単位において同じ又は略同じになるように調整することにより、粒状体の選別処理をより一層適正に行うことが可能となる。
【0036】
本発明の第6特徴構成は、第1特徴構成〜第5特徴構成のいずれかに加えて、前記適正光量範囲調整手段によって複数の光量設定単位の夫々について変更調整された前記適正光量範囲を記憶する記憶手段が設けられ、前記判別手段が、装置の運転を停止した後に再起動したときは、前記記憶手段にて記憶されている記憶情報に基づいて前記粒状体判別処理を実行するように構成されている点にある。
【0037】
第6特徴構成によれば、適正光量範囲調整手段によって複数の光量設定単位の夫々について変更調整された前記適正光量範囲が記憶手段に記憶され、装置の運転を停止した後に再起動したときは、記憶手段にて記憶されている記憶情報に基づいて粒状体判別処理を実行するようになっているから、運転停止の前後で選別対象である粒状体群の種類が変化していない場合には、適正光量範囲調整手段による適正光量範囲調整処理を実行しなくても、粒状体の選別処理を適切に行うことが可能となる。
【0038】
従って、運転を開始する度に適正光量範囲調整手段による適正光量範囲調整処理を実行する等の操作の煩わしさのない状態で、能率よく選別作業を行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
〔第1実施形態〕
以下、本発明に係る粒状体選別装置の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2に示すように、前記粒状体選別装置には、広幅の板状のシュータ1が水平面に対して所定角度に傾斜する状態で設置され、このシュータ1の上部側に設けた貯留タンク2から振動フィーダ3によって搬送されて供給される外周面が曲面である粒状体群としての米粒群kが、シュータ1の上面を一層状態で横幅方向に拡がる横拡がり状態で流下案内される構成となっている(図3参照)。尚、図3は動作説明図であるため、図1、図2とは装置構成の配置が異なる箇所がある。上記シュータ1は、幅方向全幅に亘って平坦な案内面に形成された平面シュータである。尚、ここでは、一層状態で移送させることを目的としているので、流れ状態により部分的に粒が重なって二層状態等になっても、一層状態の概念に含まれる。
【0040】
貯留タンク2には、外部の精米機等から供給される米粒群kや、その外部からの米粒群kを1次選別処理した後再選別される正常物又は不良物が貯留される。貯留タンク2から振動フィーダ3上に落下した米粒群kのシュータ1への供給量は、振動フィーダ3の振動による米粒群kの搬送速度を変化させて調節される。そして、図2に示すように、米粒群kがシュータ1の下端部から移動落下する予定移送経路IK中に米粒群kに対する計測対象領域Jが設定されている。又、米粒群kは一層状態で且つ経路横幅方向に拡がる横拡がり状態で計測対象領域Jを通過するように移送される構成となっている。従って、振動フィーダ3及びシュータ1により、外周面が曲面である米粒群を計測対象領域を通過させながら一層状態で且つ横幅方向に拡がる横拡がり状態で移送する対象物移送手段TIが構成されている。
【0041】
又、前記計測対象領域Jにおける前記経路横幅方向での全幅又は略全幅を照明する照明手段4として、予定移送経路IKの装置前面側(図1において左側)に位置する前面側照明手段4Bと、装置後面側(図1において右側)に位置する後面側照明手段4Aとが設けられている。
【0042】
以下、照明手段4の具体的な構成について説明する。
先ず、後面側照明手段4Aについて説明する。この後面側照明手段4Aは、図5にも示すように、予定移送経路IKの装置前面側において、前記計測対象領域Jを経路横幅方向の全幅又は略全幅にわたって直接照明する2本の円柱状の蛍光灯を並べて構成されるライン状光源41Aと、そのライン状光源41Aが発した光を反射してその反射した光によりライン状光源41Aによる照明方向とは異なる照明方向から計測対象領域Jを経路横幅方向の全幅又は略全幅にわたって照明する光反射体42Aとを備えて、互いに異なる複数の照明方向から夫々計測対象領域Jを照明するように構成されている。従って、前記粒状体移送方向の上手側に設けられる照明部S1がライン状光源41Aにて構成され、前記粒状体移送方向の下手側に設けられる照明部S2が光反射体42Aにて構成されている。
【0043】
米粒の外周部は断面形状が略円形状又は略楕円形状であり、外周面が曲面となるものであるが、計測対象領域Jに位置している米粒群に対して、上述したように互いに異なる方向から夫々照明することで、照明ムラの少ない極力均一な状態で良好に照明できるようにしている。
【0044】
前記ライン状光源41Aには、その背部側及び一部側方箇所を覆う状態で内面につや消しの白色塗装を施した曲面状の拡散反射板43が配置されている。そして、前記光反射体42Aは、米粒移送方向に対して幅狭でありライン状光源41Aの長手方向に沿って長尺の矩形状に構成され、反射面が鏡面にて構成されている。尚、ライン状光源41A及び光反射体42Aを装置に組付ける際には、前記計測対象領域Jにおいて、ライン状光源41Aにより照明される光量と光反射体42Aにて照明される光量とが同じ又は略同じになるように、計測対象領域Jに対するライン状光源41Aの傾斜角度を適切な角度になるように調整を行った後に位置固定で組み付けることになる。因みに、この実施形態では、光反射体42Aは後述するような背景光量調節部8と共通な支持ブラケット44に支持される構成となっている。
【0045】
図2に示すように、ライン状光源41Aを上方側すなわち米粒群の移送方向の上手側に位置し、光反射体42Aを下方側すなわち米粒群の移送方向の下手側に位置させて設けるようにしているので、後述する如く計測対象領域Jよりも移送方向下手側に不良物分離用のエアー吹き付け装置6を設ける場合に、設置スペースをできるだけ広くして光反射体42Aに干渉することなく良好に設置することが可能な構成となっている。
【0046】
図2に示すように、前記前面側照明手段4Bは、前記後面側照明手段4Aと同様に、前記計測対象領域Jに位置する米粒群kの移送方向上手側に位置する上手側外面部分を直接照明する2本の円柱状の蛍光灯を並べて構成されるライン状光源41Bと、そのライン状光源41Bが発した光を反射して、その反射した光により計測対象領域Jに位置する米粒群の移送方向下手側に位置する下手側外面部分を照明する光反射体42Bとを備えて構成されるが、各部材の配置構成が計測対象領域Jを中心として前後で対称な配置関係となるだけで、それ以外は後面側照明手段4Aと同じであるから詳細な説明は省略する。
【0047】
前面側照明手段4Bからの照明光が計測対象領域Jの前面側で反射した反射光を受光する前面側受光装置5Bと、後面側照明手段4Aからの照明光が計測対象領域Jの後面側で反射した反射光を受光する後面側受光装置5Aとが設けられ、この両受光装置5A,5Bにて計測対象領域Jからの光を受光する受光手段5が構成されている。
【0048】
前記各受光装置5A,5Bは、幅広の計測対象領域Jからの光を受光する複数の受光部5aを計測対象領域Jの幅方向に沿って並置させる状態で備えて、米粒の大きさよりも小さい範囲を受光範囲とする分解能状態で計測対象領域Jからの検出光を受光するように構成されている。つまり、図9に示すように、前記各受光装置5A,5Bは、前記米粒群の各米粒の大きさよりも小さい範囲p、例えば米粒の大きさの10分の1よりも小さい範囲を夫々の受光範囲とする受光部5aを幅広の計測対象領域Jに対応させてライン状に複数(具体的には5000個)並ぶ状態で並置させたモノクロタイプのCCDセンサ部50と、設定視野角の範囲内より入射される光を集光させて複数の受光部5aに導く集光レンズを備えた光学系51とから構成されている。そして、各受光装置5A,5Bは、後述するように、計測対象領域Jの経路横幅方向の全幅又は略全幅にわたり計測対象領域Jに位置する米粒群kの像をCCDセンサ部50の各受光部5a上に結像させる状態で設けられ、例えば図9において計測対象領域Jの右端側から左端側に向けて各受光部5aから各受光情報が順次取り出されるように構成される。又、CCDセンサ部50における複数の受光部5aによる横幅方向の全受光範囲は、計測対象領域Jの横幅方向の全幅を対象とするが、米粒群の通過領域は計測対象領域Jの横幅方向の全幅よりも少しだけ狭い領域として設定され、横幅方向の両側部に位置する設定個数の受光部5aは米粒群の判定には利用しないようになっている。
【0049】
前記前面側受光装置5Bの各受光部5aが計測対象領域の前方側箇所に位置する前部側の受光部5aに対応しており、前記後面側受光装置5Aの各受光部5aが計測対象領域の後方側箇所に位置する後部側の受光部5aに対応している。
【0050】
前記各受光装置5A,5Bから計測対象領域Jを見たときに計測対象領域Jの背景に相当する箇所に、前記各受光装置5A,5Bに向けて光を投射する背景光量調整部8が設けられている。この背景光量調整部8は、図4に示すように、計測対象領域Jの横幅方向に沿って密状態で並べて設置される複数のLED発光素子80と、それらの複数のLED発光素子80が設置される領域の光投射側に配置されて複数のLED発光素子80が発光した光を拡散させる拡散板81とを備えて構成されている。そして、ケーシング83の内部に、複数のLED発光素子80が設置されたLED基板82が放熱板84に貼り付ける状態で取り付けられている。そして、図7に示すように、複数のLED発光素子80の発光出力を変更調整自在な調光装置85が備えられ、この調光装置85は、後述する制御装置24からの制御指令に基づいてLED発光素子80の発光出力を変更調整するように構成されている。
尚、この変更調節は手動設定にて行う構成となっているが、受光手段5の計測結果に基づいて、計測対象となる粒状体の種類の違い等に応じて後述する制御装置24からの指令に基づいて光量を自動調整する構成としてもよい。
【0051】
そして、予定移送経路IKの装置前面側及び装置後面側の夫々において、計測対象領域Jの像を縮小した像を受光手段5が受光するように、計測対象領域からの光を受光手段5における光軸方向に折り返して受光手段5に導く光反射式の折り曲げ光路形成手段9が備えられている。
【0052】
次に、予定移送経路IKの装置後面側に位置する折り曲げ光路形成手段9について具体的に説明する。
すなわち、前記折り曲げ光路形成手段9は、計測対象領域Jからの光を反射する第1の反射体10と、その第1の反射体10にて反射した光を反射する第2の反射体11とを備えて構成され、且つ、前記第1の反射体10及び第2の反射体11の夫々が光反射面を平面状に形成して構成され、しかも、各反射体10、11はその光反射面10a,11aが鏡面にて構成されており、略長方形の板状に形成されている。
【0053】
図5、図6に示すように、装置枠体としての収納用ケーシング13の左右側壁にわたって略コの字形に屈曲した支持ステー14が架設される状態で設けられ、この支持ステー14に対して、その長手方向の中央部付近にて前記各反射体10、11並びに後面側受光装置5Aが支持される構成となっている。つまり、支持ステー14から固定延設した支持ブラケット15を介して前記第1の反射体10が取り付け支持されている。そして、その第1の反射体10は、前記支持ブラケット15に対して前記経路横幅方向に沿う横軸芯X1周りで回動自在に支持され、且つ、複数の調節ネジ16を反射体10に当て付けた状態で締め付けることで第1の反射体10を位置固定することが可能であり、しかも、各調節ネジ16を回動させて位置を変更させることで第1の反射体10の前記軸芯X1周りでの傾斜角度を変更調節並びに固定自在に構成されている。
【0054】
又、第2の反射体11と後面側受光装置5Aとは、支持具17により一体的に組み付けた状態で支持ステー14に固定装着する構成となっている。すなわち、支持具17は、底板17aと、その底板17aの左右両側から固定立設した左右の支持板17bとにより構成され、左右の支持板17bは支持ステー14に対する取り付け箇所から計測対象領域J側に向けて延設させる構成となっており、その延設方向の先端部付近において、左右の支持板17bにわたって第2の反射体11を架け渡す状態で取り付ける構成としている。又、この第2の反射体11は、第1の反射体10と同様に、前記経路横幅方向に沿う軸芯X2周りで回動自在に左右の支持板17bに支持されており、複数の調節ネジ18を第2の反射体11に当て付けた状態で締め付けることで第2の反射体11を位置固定することが可能であり、しかも、各調節ネジ18を回動させて位置を変更させることで第2の反射体11の前記軸芯X2周りでの傾斜角度を変更調節並びに固定自在に構成されている。
【0055】
又、受光装置5Aを保持する受光装置保持具19を、前記左右の支持板17bにて経路横幅方向に沿う軸芯X3周りで回動自在に枢支する構成となっており、左右の支持板17bにおける軸芯X3の上下両側に位置する箇所に夫々設けられた調節ネジ20を受光装置保持具19に当て付けた状態で締め付けることで受光装置保持具19すなわち後面側受光装置5Aを位置固定することが可能であり、しかも、各調節ネジ20を回動させて位置を変更させることで後面側受光装置5Aの軸芯X3周りでの傾斜角度を変更調節並びに固定自在に構成されている。尚、支持ステー14における後面側受光装置5Aが位置する箇所には、受光装置保持具19の回動を許容するための開口14Aが形成されている。
【0056】
従って、前記計測対象領域Jの像を縮小した像を後面側受光装置5Aが受光するように、計測対象領域Jからの光を後面側受光装置5Aにおける光軸方向(図のラインOLに沿う方向)に折り返して後面側受光装置5Aに導く折り曲げ光路形成手段9が構成される。尚、予定移送経路IKの装置前面側に位置する折り曲げ光路形成手段9についても同様な構成であり、配置構成が前後で対称となるだけでそれ以外は同じ構成であるから説明は省略する。
【0057】
図2に示すように、前面側照明手段4B、前面側受光装置5B、前面側の背景光量調整部8、前面側の折り曲げ光路形成手段9の夫々が前面側の収納ケーシング13に収納され、後面側照明手段4A、後面側受光装置5A、後面側の背景光量調整部8、後面側の折り曲げ光路形成手段9の夫々が後面側の収納ケーシング13に収納されており、両収納ケーシング13は側板が共通の一体の箱体に形成され、各収納ケーシング13は、計測対象領域Jに面する側に板状の透明なガラスからなる透過窓13A,13Bを備えている。
【0058】
予定移送経路IKの計測対象領域Jから経路下手側の分離箇所において、計測対象領域Jでの受光情報に基づいて不良と判定された米粒や異物等の不良物に対してエアーを吹き付けて正常な米粒群kの移動方向から分離させるためのエアー吹き付け装置6が設けられ、このエアー吹き付け装置6は、噴射ノズル6aの複数個を、計測対象領域Jの全幅を所定幅で複数個の区画に分割形成した各区画に対応する状態で並置させ、不良物が存在する区画の噴射ノズル6aが作動されるように構成されている。従って、前記エアー吹き付け装置6が、前記分離箇所に移送された米粒群kのうちの正常物と不良物とを異なる経路に分離させる分離手段を構成することになる。尚、このエアー吹き付け装置6は、詳述はしないが、不良物が存在する区画の噴射ノズル6aが作動させるように、エアー状態を変更調節するエアー噴出状態を切り換え操作するエアー切り換えバルブが一体的に備えられる構成となっている。
【0059】
そして、シュータ1の下端部から所定経路に沿って流下する米粒群kのうちで、前記噴射ノズル6aからのエアーの吹き付けを受けずにそのまま進行してくる正常な米粒を回収する良米用の受口部21と、エアーの吹き付けを受けて正常な米粒の流れから横方向に分離した着色米や胴割れ米等の不良米又は石やガラス片等の異物を回収する不良物用の受口部22とが設けられ、良米用の受口部21が横幅方向に細長い筒状に形成され、その良米用の受口部21の周囲を囲むように、不良物用の受口部22が形成されている。尚、良米用の受口部21にて回収された米粒、及び、不良物用の受口部22にて回収された不良物は、再選別等のために、本装置の貯留タンク2又は他の選別装置に搬送される。図1に示すように、表側の上部斜め部分に情報の表示及び入力用の操作卓23が設置され、又、装置外面を覆うカバーKが機枠に取り付けられている。
【0060】
次に、制御構成について説明する。
図7に示すように、マイクロコンピュータ利用の制御装置24が設けられ、この制御装置24に、各受光装置5A,5Bからの各画像信号と、操作卓23からの操作情報とが入力されている。一方、制御装置24からは、ライン状光源41A,41Bを点灯させる点灯回路25に対する駆動信号と、各噴射ノズル6aへのエアー供給をオンオフする複数個の電磁弁26に対する駆動信号と、振動フィーダ3に対する駆動信号と、調光装置85への制御指令用の信号とが出力されている。又、操作卓23には、後述するように基準となる特定の光量設定単位(チャンネル)における判別用の閾値を変更設定するための光量範囲設定器27が設けられている。
【0061】
前記光量範囲設定器27は、4つの閾値を各別に設定可能な構成となっている。つまり、図8に示すように、4個の閾値変更用の設定ダイヤル27a〜27dが備えられ、4つの閾値を各別に設定することができるようになっている。又、この設定ダイヤル27a〜27dにて閾値を設定する処理の実行を指令する設定指令スイッチ27e、全チャンネルについて適正光量範囲が適正に設定されていることを表示するOK表示ランプ27fが備えられている。
【0062】
そして、制御装置24を利用して、各受光装置5A,5Bの受光量の情報に基づいて、各受光部5a毎に受光する光の受光量が適正光量範囲から外れているか否かにより、その計測対象部位に存在する米粒が他の米粒群kから分離すべき粒状体であるか否かを判別する粒状体判別処理を実行する判別手段100が構成されている。具体的には、この判別手段100は、前面側受光装置5Bの各受光部5aの受光量が適正光量範囲から外れているか否かの判別を行うとともに、後面側受光装置5Aの各受光部5aの受光量が適正光量範囲から外れているか否かの判別を行い、受光部5aの受光量が適正光量範囲から外れている場合に、その受光部5aの計測対象部位に存在する米粒kが他の米粒群kから分離すべき粒状体(以下、分離対象物という)であると判別するように構成されている。
【0063】
例えば、外部の精米機等から供給される米粒群kを対象とする場合には、米粒群kの中から着色米等の不良米又は石やガラス片等の異物を分離対象物として判別するが、不良物を再選別するときには、不良物の中に含まれる正常米を分離対象物として判別することになる。
【0064】
又、制御装置24を利用して、隣接して並ぶ数個ずつの受光部5aを単位とする複数の光量設定単位の夫々についての適正光量範囲を各別に設定する適正光量範囲調整手段101が構成されている。この適正光量範囲調整手段101は、複数の光量設定単位のうちの特定のものについての前記適正光量範囲を目標光量範囲調整用情報に基づいて求め、且つ、他の光量設定単位についての前記適正光量範囲を、前記粒状体判別処理を実行するに伴って得られる各光量設定単位の夫々において前記受光量が適正光量範囲から外れる判別頻度に基づいて、他の光量設定単位の夫々の判別頻度が特定の光量設定単位における判別頻度と同じ又は略同じなるように自動的に変更調整して求めるように構成されている。
【0065】
前記適正光量範囲調整手段101によって複数の光量設定単位の夫々について変更調整された前記適正光量範囲を記憶する記憶手段としての不揮発性のメモリMが設けられている。
【0066】
図12に示すように、前記複数の光量設定単位(以下、チャンネルと称する場合がある)として、具体的には、計測対象領域Jの横幅方向の全幅にわたり60個の光量設定単位(チャンネル)が設定されており、1つのチャンネルは受光部5aが設定個数隣接する状態で並ぶ領域の受光範囲に相当するものである。例えば、各チャンネルについて例えば80個ずつ隣接して並ぶ領域の受光範囲として設定される。尚、そのとき上記したように米粒群kの判別に利用しない計測対象領域Jの横幅方向両側部に位置する複数の受光部5aは除外される。
【0067】
以下、図11に示すフローチャートを参照しながら制御装置24による制御処理について具体的に説明する。尚、例えば、前面側受光装置5Bにおける中央部付近に位置する1つのチャンネルを、前記特定の光量設定単位としての基準チャンネルRchとして予め設定する。
【0068】
電源スイッチ28がオン操作されて装置が運転を開始すると、そのとき、光量範囲設定器27における設定指令スイッチ27eの操作によって目標適正光量範囲の設定操作が指令されていれば、目標光量範囲調整用情報としての前記各設定ダイヤル27a〜27dにより指令される目標適正光量範囲の設定情報を読み込み、その読み込んだ情報に基づいて基準チャンネルRchについての目標とする適正光量範囲を設定する(ステップ1〜4)。
【0069】
ところで、適正光量範囲を規定する判別用の閾値としては、後述するように、最も光量大側の上側最大閾値L1、その上側最大閾値L1よりも光量小側の上側判定用閾値L2、その上側判定用閾値L2よりも光量小側の下側判定用閾値L3、その下側判定用閾値L3よりも光量小側の下側最小閾値L4という4つの閾値があるが、前記各設定ダイヤル27a〜27dにより指令される目標適正光量範囲の情報に基づいて、基準チャンネルRchにおける4つの閾値L1,L2,L3,L4の夫々を設定するのである。
【0070】
ちなみに、光量範囲設定器27にて各閾値を設定するときは、例えば予めサンプリングされた米粒群kを用いて、適宜閾値を変更させながら粒状体判別処理を行ったときにおける分離対象物の検出割合(不良率)を作業者が目視判断して適切な閾値を予め経験的に求めておき、実際の選別作業にあたっては、そのようにして経験的に求めた値を設定することになる。尚、前記各閾値に対応する分離対象物については後述する。
【0071】
貯留タンク2内に計測対象となる米粒群kが供給され、その米粒群を振動フィーダ3を作動させてシュータ1により米粒群kを一層状態で且つ経路横幅方向に拡がる横拡がり状態で移送させる。米粒群kの搬送量としては、例えば1チャンネルあたり1秒間に500粒程度の米粒群kが供給されるような供給状態に調節される。設定指令スイッチ27eの操作によって目標適正光量範囲の設定操作が指令され、各チャンネルについて適正光量範囲を設定する処理を行う場合には、良米用の受口部21にて回収された米粒、及び、不良物用の受口部22にて回収された不良物は図示しない循環用の搬送装置を用いて貯留タンク2に循環供給する状態に設定される。
【0072】
そして、計測対象領域Jを流下案内される米粒群kについて粒状体判別処理を実行する(ステップ5)。基準チャンネルRch以外の他の複数のチャンネルにおける適正光量範囲としては、装置の運転初期においては予め標準的な値(4つの閾値)が初期設定されるが、メモリMに情報が記憶された後は後述するようにメモリMに記憶された値が用いられる。
【0073】
図10に示すように、適正光量範囲を規定する判別用の閾値として、最も光量大側の上側最大閾値L1、その上側最大閾値L1よりも光量小側の上側判定用閾値L2、その上側判定用閾値L2よりも光量小側の下側判定用閾値L3、その下側判定用閾値L3よりも光量小側の下側最小閾値L4の夫々が設定されており、前記判別手段100は、粒状体判別処理において、各受光部の受光量が前記上側最大閾値L1よりも大側に外れると直ちに分離対象物であると判別し、前記受光量が前記上側最大閾値L1よりも小さく且つ前記上側判定用閾値L2よりも大側に外れる状態が設定回数以上連続すると分離対象物であると判別し、前記受光量が前記下側最小閾値L4よりも小側に外れると直ちに分離対象物であると判別し、前記受光量が前記下側最小閾値L4よりも大きく且つ前記下側判定用閾値L3よりも小側に外れる状態が設定回数以上連続すると分離対象物であると判別するように構成されている。
【0074】
各受光部5aの受光量に基づく分離対象物の判別について図10に例示している。
図10において、受光量データe0は正常な米粒からの標準的な反射光に対する受光量であり、受光量データe1は受光部5aの受光量が前記下側最小閾値L4よりも小側に外れる場合を示している。この場合には、判別手段100は直ちに分離対象物であると判別することになる。このときの分離対象物としては、例えば米粒の表面に黒色に変色した不良米や黒い小石等がある。
【0075】
受光量データe2は、1回の計測処理において前記受光量が前記下側最小閾値L4よりも大きく且つ前記下側判定用閾値L3よりも小側に外れた場合を示している。この場合には分離対象物であるという判定は行わない。受光量データe3は、前記受光量が前記下側最小閾値L4よりも大きく且つ前記下側判定用閾値L3よりも小側に外れた状態が設定数の受光部にわたって連続した場合を示している。この場合には、判別手段100は分離対象物であると判別することになる。このときの分離対象物としては、例えば少し広い範囲にわたり黄色に変色した箇所がある不良米等がある。
【0076】
受光量データe4は受光部5aの受光量が前記上側最大閾値L1よりも大側に外れる場合を示している。この場合には、判別手段100は直ちに分離対象物であると判別することになる。このときの分離対象物としては、光反射率が大きいガラス片や金属片等の異物がある。受光量データe5は、1回の計測処理において前記受光量が前記上側最大閾値L1よりも小さく且つ前記上側判定用閾値L2よりも大側に外れた場合を示している。この場合には分離対象物であるという判定は行わない。受光量データe6は、前記受光量が前記上側最大閾値L1よりも小さく且つ前記上側判定用閾値L2よりも大側に外れた状態が設定数の受光部にわたって連続した場合を示している。この場合には、判別手段100は分離対象物であると判別することになる。このときの分離対象物としては表面の光反射率が正常な米粒よりも高い未熟米等がある。
【0077】
前記粒状体判別処理においては、計測対象領域Jを通過した米粒群kのうちで、上記したような判別処理により分離対象物の存在が判別された場合には、計測対象領域Jから噴射ノズル6aの噴射位置に米粒群kが搬送されるのに要する時間が経過するのに伴って、分離対象物に対してその位置に対応する区画の各噴射ノズル6aからエアーを吹き付けて正常な米粒の経路から分離させるべくエアー吹き付け装置6を作動させて、正常な米粒は良米用の受口部21に回収し、不良米又は石やガラス片等の異物を不良物用の受口部22に回収する。つまり、米粒群kの選別処理を行うことになる。
【0078】
前記粒状体判別処理が行われるに伴って、前記各チャンネルを対象として、前面側受光装置5B及び後面側受光装置5Aの受光情報に基づいて各受光部5aの受光量が適正光量範囲から外れる判別頻度を求める(ステップ6)。説明を加えると、上述したような各閾値L1〜L4を越えた回数をカウントして、設定時間が経過する毎に計測されたカウント値を読み出して、そのカウント値に基づいて前記判別頻度を求めるのである。そのとき各チャンネルには複数(約80個)の受光部5aがあるがそれら複数の受光部5aにおけるカウント値を合計することになる。
【0079】
各閾値L1〜L4を越えた回数をカウントするためのカウンタは、各チャンネル毎に前記4個の閾値L1〜L4に対して夫々設けられ、それら4個のカウンタのカウント値により前記カウント値(判別頻度)が4個の各閾値L1〜L4に対して夫々求められることになる。
【0080】
判別頻度を求める処理が開始されてから設定時間(例えば数秒間)が経過する間において全チャンネルにおいて4個のカウンタにて各閾値L1〜L4を越えた回数がカウントされる。前記設定時間が経過して調節用タイミングに至ると、前記カウンタのカウント値が読み込まれ、各カウント値のカウント値はリセットされ、再度、新たなカウントを開始する。そして、前面側受光装置5Bにおける基準チャンネルRch以外の他の全てのチャンネルにおける各受光部5a、及び、後面側受光装置5Aにおける全てのチャンネルにおける各受光部5aを対象として、順次、該当するチャンネル(N番目のチャンネルNch)について上述したようにして求められた前記判別頻度と、基準チャンネルRchにおける判別頻度とを比較して、それらが同じ又は略同じになるように該当するチャンネルNchにおける適正光量範囲を変更調節する(ステップ7、8、9)。
【0081】
具体的には、4個の閾値L1〜L4の夫々について、各別に次のような処理を実行する。つまり、該当するチャンネルNchにおける前記カウント値と、基準チャンネルにおける前記カウント値とを比較して、両者のカウント値が異なっていると、それらが同じになるように、該当するチャンネルNchにおける閾値を設定量(ΔV)だけ変更調整するのである。
【0082】
例えば、下側判定用閾値L3及び下側最小閾値L4については、該当するチャンネルNchにおける前記カウント値が基準チャンネルにおける前記カウント値とを比較して少ない場合であれば、判定レベルが緩すぎて分離対象物の判定が行われ難い状態になっているので、該当するチャンネルNchにおける下側判定用閾値L3又は下側最小閾値L4を設定量(ΔV)だけ光量大側に変更調整するのである。それにより判定レベルが厳しくなるので分離対象物の判定が行われ易い状態に変化する。又、逆に、該当するチャンネルNchにおける前記カウント値が基準チャンネルにおける前記カウント値とを比較して多い場合であれば、判定レベルが厳しすぎるので、該当するチャンネルNchにおける下側判定用閾値L3又は下側最小閾値L4を設定量(ΔV)だけ光量小側に変更調整することになる。
又、同様にして、上側最大閾値L1及び上側判定用閾値L2については、判定レベルが緩いときは設定量(ΔV)だけ光量小側に変更調整し、判定レベルが厳しいときは設定量(ΔV)だけ光量大側に変更調整することになる。
【0083】
そして、このような閾値の調整処理を4個の閾値L1〜L4の夫々について実行し、該当チャンネルについて4個の閾値L1〜L4が全て調整されると、次に、チャンネル番号をインクリメント(+1)して、別のチャンネルについても同様にして、同じような適正光量範囲調整処理を実行し、このような処理を前面側受光装置5Bの及び後面側受光装置5Aの各受光部5aを対象として全チャンネルについて実行する(ステップ8〜11)。
【0084】
図11のフローチャートでは省略しているがチャンネル番号(n)は「1」が初期設定され、上述したようにチャンネル番号が順次インクリメントされて各チャンネルについて調整処理を行うことになる。そして、第1番目のチャンネル(1ch)から第60番目のチャンネル(60ch)にわたる全てのチャンネルについて調整処理が終了すると、設定された適正光量範囲つまり各閾値の値は、記憶手段としての不揮発性のメモリMに記憶される(ステップ12)。
【0085】
全チャンネルについて判別頻度が同じ又はほぼ同じ値に調整されたことが確認されなければ、引き続いて上記したような適正光量範囲調節処理を実行することになるが、前記設定時間が経過して調節用タイミングに至ると適正光量範囲調節処理を繰り返し実行することになる。そして、このような処理を繰り返し実行することで、図13(イ)に示すように、互いに異なった値になっていた各チャンネルの判別頻度が、同図(ロ)に示すように略同じ値に調整されることになる。尚、図13にて黒色で示す部分は、各チャンネル毎の前面側受光装置5Bの各受光部5aについての前記判別頻度の大きさを示し、図13にて白色で示す部分は、各チャンネル毎の後面側受光装置5Aの各受光部5aについての前記判別頻度の大きさを示している。
【0086】
全チャンネルについて判別頻度が同じ又はほぼ同じ値に調整されたことが確認されると、前記光量範囲設定器27におけるOK表示ランプ27fを点灯させてそのことを表示する(ステップ14)。作業者は、そのOK表示ランプ27fが点灯したことにより、全チャンネルについて判別頻度が同じ又はほぼ同じ値に調整されたことが分かるので、貯留タンク2に選別対象となる米粒群を供給する状態に切り換え、良米用の受口部21にて回収された米粒、及び、不良物用の受口部22にて回収された不良物は区分けした状態で後工程に搬送される状態に切り換える。
【0087】
このようにして粒状体判別処理を実行する場合における適正光量範囲を設定することができるが、一旦作業を終了して電源供給を停止して装置の運転を停止(ステップ15)したのちに、運転を再開したときに、選別対象である米粒群として、引き続き同じ生産ロットの米粒群を対象とするような場合であれば、メモリMに基準チャンネルを含む各チャンネルについての適正光量範囲つまり各閾値の値が記憶されているので、判別手段100は、メモリMにて記憶されている記憶情報に基づいて基準チャンネルの適正光量範囲を設定して、粒状体判別処理を実行することになる(ステップ16)。この場合には、メモリMにて記憶されている記憶情報が目標光量範囲調整用情報に対応することになる。
【0088】
又、一旦作業を終了して電源供給を停止して装置の運転を停止させた後、運転を再開する場合において、選別対象である米粒群として、例えば前回の作業で選別していた米粒群とは生産ロットが異なる米粒群、例えば生産された圃場が異なる米粒群等が対象となるような場合には、メモリMに記憶されている記憶情報はそのまま利用することができないので、電源スイッチ28がオン操作されたのちに、上記したような適正光量範囲調整処理を実行することになる。
【0089】
このように構成することで、運転を実行する毎に、上述したような目標適正光量範囲の設定情報を設定する煩わしさがなく、作業を能率よく行える。
【0090】
〔第2実施形態〕
以下、本発明に係る粒状体選別装置の第2実施形態を図面に基づいて説明する。
この実施形態では、前記適正光量範囲調整手段及び手動操作式の指令手段の構成が異なるが、それ以外の構成は第1実施形態と同じであるから、異なる構成についてのみ説明し、同じ構成については説明は省略する。
【0091】
この実施形態では、図14に示すように、前記操作卓23に、作業者が手動操作によって目標頻度調整用情報を指令するための目標頻度設定器29が設けられている。この目標頻度設定器29にて設定される目標頻度調整用情報は、前記粒状体判別処理を実行するに伴って得られる各光量設定単位の夫々において前記受光量が適正光量範囲から外れる判別頻度についての目標となる目標判別頻度に対応する指令情報である。
【0092】
前記目標頻度設定器29は、第1実施形態における前記光量範囲設定器27と同様に、4つの閾値の夫々に対応する目標判別頻度を各別に設定可能な構成となっている。この目標判別頻度は、例えば、2%、3%等の割合で表示され、分離対象物の全粒状体群に対する割合の目標値をいう。
説明を加えると、図15に示すように、4個の目標頻度変更用の設定ダイヤル29a〜29dが備えられ、4つの閾値の夫々に対応する目標判別頻度を各別に設定することができるようになっている。又、この設定ダイヤル29a〜29dにて目標判別頻度を設定する処理の実行を指令する設定指令スイッチ29e、及び、全チャンネルについて適正光量範囲が適正に設定されていることを表示するOK表示ランプ27fが備えられている。
【0093】
そして、前記適正光量範囲調整手段101が、複数の光量設定単位についての前記適正光量範囲を、前記粒状体判別処理を実行するに伴って得られる各光量設定単位の夫々において前記受光量が適正光量範囲から外れる判別頻度に基づいて、各光量設定単位の夫々の判別頻度が目標判別頻度と同じ又は略同じになるように自動的に変更調整して求めるように構成されている。
【0094】
以下、図16に示すフローチャートを参照しながら制御装置24による制御処理について具体的に説明する。
又、この処理を実行するにあたって、作業者は前記目標頻度設定器29によって目標判別頻度に対応する目標頻度調整用情報を指令する。次に、第1実施形態と同じように、貯留タンク2内に計測対象となる米粒群kを供給して、その米粒群kを一層状態で且つ経路横幅方向に拡がる横拡がり状態で移送させることになる。
【0095】
電源スイッチ28がオン操作されて装置が運転を開始すると、そのとき、目標頻度設定器29における設定指令スイッチ29eの操作によって目標頻度の設定操作が指令されていれば、各設定ダイヤル29a〜29dにより指令される目標判別頻度の情報を読み込み、その読み込んだ情報に基づいて目標判別頻度を設定する(ステップ21〜24)。
【0096】
そして、計測対象領域Jを流下案内される米粒群kについて粒状体判別処理を実行する(ステップ25)。粒状体判別処理が行われるに伴って、前記各チャンネルを対象として、前面側受光装置5B及び後面側受光装置5Aの受光情報に基づいて各受光部5aの受光量が適正光量範囲から外れる判別頻度を求める(ステップ26)。具体的な内容は第1実施形態と同じである。
【0097】
次に、調整用タイミングになると、所定のチャンネル(N番目のチャンネルNch)について上述したようにして求められた前記判別頻度と、目標判別頻度とを比較して、それらが同じ又はほぼ同じになるように該当するチャンネルNchにおける適正光量範囲を変更調節する(ステップ27、28,29)。具体的な調整方法は、第1実施形態と同じである。そして、このような処理を全チャンネルについて実行し、処理が終了すると、設定された目標判別頻度は、記憶手段としての不揮発性のメモリMに記憶される(ステップ30〜32)。
【0098】
全チャンネルについて判別頻度が同じ又はほぼ同じ値に調整されたことが確認されなければ、引き続いて上記したような適正光量範囲調節処理を実行することになるが、前記設定時間が経過して調節用タイミングに至ると適正光量範囲調節処理を繰り返し実行することになる。そして、このような処理を繰り返し実行することで、各チャンネルの判別頻度が略同じ値に調整されることになる。
【0099】
全チャンネルについて判別頻度が同じ又は略同じ値に調整されたことが確認されると、前記光量範囲設定器27におけるOK表示ランプ27gを点灯させてそのことを表示する(ステップ33、34)。作業者は、そのOK表示ランプ27gが点灯したことにより、全チャンネルについて判別頻度が同じ又は略同じ値に調整されたことが分かるので、貯留タンク2に選別対象となる米粒群を供給する状態に切り換え、良米用の受口部21にて回収された米粒、及び、不良物用の受口部22にて回収された不良物は区分けした状態で後工程に搬送される状態に切り換える。
【0100】
電源供給を停止して装置の運転を停止(ステップ35)したのちに、運転を再開したときには、メモリMに目標判別頻度が記憶されているので、判別手段100は、メモリMにて記憶されている記憶情報に基づいて目標判別頻度を設定して粒状体判別処理を実行することになる(ステップ36)。この場合には、メモリMにて記憶されている記憶情報が目標判別頻度についての情報に対応することになる。
【0101】
〔別実施形態〕
次に、粉粒体検査装置の別実施形態について説明する。
【0102】
(1)上記実施形態では、前記受光手段における前記計測対象領域の前方側箇所に位置する前部側の受光部としての前面側受光装置5Bの各受光部、及び、前記計測対象領域の後方側箇所に位置する後部側の受光部としての後面側受光装置5Aの各受光部の夫々が、照明手段にて照明されて粒状体の表面で反射した光を受光する構成としたが、このような構成に代えて、次のように構成してもよい。
【0103】
前記前部側の受光部としての前面側受光装置5Bの各受光部、及び、前記後部側の受光部としての後面側受光装置5Aの各受光部の夫々が、照明手段にて照明されて粒状体を透過した光を受光する構成としてもよい。
【0104】
又、前記前部側の受光部及び前記後部側の受光部のうちのいずれか一方が前記照明手段にて照明されて粒状体の表面で反射した光を受光するように構成され、他方が前記照明手段にて照明されて粒状体を透過した光を受光するように構成するものでもよい。
【0105】
説明を加えると、例えば、上記第1実施形態と同じ配置構成において、前面側ライン状光源4Bのみ点灯し、後面側ライン状光源4Aを消灯した状態で評価処理を行うような場合、又は、前面側ライン状光源4Bのみ備えており、後面側ライン状光源4Aが備えられていない構成等である。
【0106】
このような構成であれば、正常な米粒kを「もち米」として設定して「うるち米」を分離対象物として選別処理を行うことができる。すなわち、前面側受光装置5Bは前面側ライン状光源4Bから照射されて米粒を反射した光を受光し、後面側受光装置5Aは前面側ライン状光源4Bから照射されて米粒を透過した光を受光して、制御装置10は、それらの受光情報に基づいて、米粒が「もち米」であるか「うるち米」であるかを評価する処理を行うことが可能となる。
【0107】
(2)上記実施形態では、前記適正光量範囲設定処理を実行するときにおいて、米粒群を一層状態で且つ経路横幅方向に拡がる横広がり状態で移送させるようにしたが、このような米粒供給方法に代えて次のように構成するものでもよい。
すなわち、複数の光量設定単位(チャンネル)のうちで前記判別頻度を求める対象となる光量設定単位にだけ米粒群を流下させるようにして、その他の光量設定単位には米粒群を流下させないように仕切り具によって流下経路を閉塞しておき、対象となる光量設定単位における前記判別頻度を求め、仕切り具による閉塞状態を変更させて、このような判別頻度を求める処理を各光量設定単位毎に各別に実行する構成としてもよい。
【0108】
(3)上記実施形態では、前記適正光量範囲設定処理を実行するときにおいて、閾値L1〜L4の夫々を変更調整するときの閾値の変更量として設定単位量ずつ変更させる構成としたが、このような構成に限らず、前記判別頻度の差分値が大きいほど大きい変更量にて変更調整してもよい。
【0109】
(4)上記実施形態では、前記受光手段として、予定移送経路IKの装置前面側に位置する前面側受光手段5Bと装置後面側に位置する後面側受光手段5Aとが設けられ、前記照明手段4として、予定移送経路IKの装置前面側に位置する前面側照明手段4Bと装置後面側に位置する後面側照明手段4Aとが設けられる構成としたが、前面側受光手段5B及び前面側照明手段4Bだけを備える構成や、後面側受光手段5A及び後面側照明手段4Aだけを備える構成としてもよい。
【0110】
(5)上記実施形態では、適正光量範囲調整手段により前記適正光量範囲を各別に設定するための複数の光量設定単位として、隣接して並ぶ設定個数の受光部を単位とする構成としたが、このような構成に代えて、1個ずつの受光部を光量設定単位として設定するものでもよいが、このように各受光部毎に適正光量範囲を各別に設定するようにすると、受光部の個数が非常に多い(5000個)ので、調整処理に長い時間がかかる不利がある。
各受光部には受光量の個体差があるが、そのような個体差による差異はそれほど大きいものではなく、照明手段の長手方向の一部における光量の減衰による影響が大きいものであるから、上記実施形態のように60個程度に区分けした複数の光量設定単位毎に適正光量範囲の調整処理を行うことにより必要な精度は充分確保することができる。
【0111】
(6)上記実施形態では、前記判別手段が、前記受光量が前記上側最大閾値L1よりも小さく且つ前記上側判定用閾値L2よりも大側に外れる状態が設定回数以上連続すると分離対象物であると判別し、且つ、前記受光量が前記下側最小閾値L4よりも大きく且つ前記下側判定用閾値L3よりも小側に外れる状態が設定回数以上連続すると分離対象物であると判別する構成としたが、このような構成に代えて、前記受光量が前記上側最大閾値L1よりも小さく且つ前記上側判定用閾値L2よりも大側に外れる状態が設定時間以上継続すると分離対象物であると判別し、且つ、前記受光量が前記下側最小閾値L4よりも大きく且つ前記下側判定用閾値L3よりも小側に外れる状態が設定時間以上継続すると分離対象物であると判別する構成としてもよい。つまり、隣接する受光部5aにて連続して上記したような計測状態が計測されるのではなく、同じ受光部5aにおける受光量が複数回以上継続して上記したような計測状態が計測されたような場合である。
【0112】
(7)上記実施形態では、適正光量範囲を規定する判別用閾値として、4つの閾値を設定するようにしたが、このような構成に代えて、例えば、上下両側に1つずつ2つの閾値を設定するものでもよい。そして、上記第1実施形態では、目標光量範囲調整用情報を設定する光量範囲設定器として、4つの閾値を各別に設定する4個の設定ダイヤルを設ける構成としたが、上記したように2つの閾値を設定するものであれば1つの設定ダイヤルによって一体的に上側の閾値を上昇させ下側の閾値を下降させて間隔を変更調整するようにしたり、あるいは、上下の閾値を同一幅を有したまま上下に移動調整する等、各種の形態で実施することができる。
【0113】
又、第2実施形態では、目標判別頻度の情報を設定する目標頻度設定器として、4つの閾値に対応する目標判別頻度を各別に設定する4個の設定ダイヤルを設ける構成としたが、上記したように2つの閾値を設定した場合には各閾値毎の対応する目標判別頻度を各別に設定するようにしてもよく、又、4個の閾値を有する場合において、4個の閾値のうちの中間側に位置する2つの閾値L2,L3の夫々に対応する目標判別頻度だけを変更調整する構成としてもよい。
【0114】
(8)上記実施形態では、前記粒状体判別処理を実行したときにおける判別頻度を求める構成として、前記各閾値を外れる回数をカウントして設定時間内のそのカウント値を判別頻度として求めるようにしたが、このような構成に代えて、次のようにして求めてもよい。
例えば、前記粒状体判別処理を実行したときにおける設定時間が経過する間における、該当するチャンネルに対応するエアー吹き付け装置6における噴射ノズル6aの作動回数をカウントして、そのカウント値を判別頻度として求めるようにしてもよい。又、前記粒状体判別処理を実行したときにおける設定時間が経過する間において、該当するチャンネル内の各受光部の受光量の全データを計測して受光量の度数分布を求めて、その度数分布の計測結果に基づいて判別頻度を求めるようにしてもよい。
【0115】
(9)上記実施形態では、前記照明手段としての前面側照明手段4Bと後面側照明手段4Aとの夫々が、前記計測対象領域を直接照明するライン状光源と、そのライン状光源が発した光を反射して前記計測対象領域を前記ライン状光源の照明方向と異なる方向から照明する照明用の光反射体とを備えて構成されるものを例示したが、このような照明用の光反射体を設けるものではなく、例えば複数のライン状光源を備えて、それら複数のライン状光源により計測対象領域を互いに異なる方向から照明する構成としてもよい。
【0116】
(10)上記実施形態では、粒状体選別装置が運転を開始すると、常に、前記適正光量範囲設定処理を実行するようにしたが、例えば、電源スイッチが入り操作されてから照明手段の照射光量が安定するまでの所定時間が経過したのちに、前記適正光量範囲設定処理を実行する構成としてもよい。その場合、照明手段の照射光量が安定するまでの間は、例えば、前記各受光部における受光量データの度数分布に基づいて、その度数分布の最大光量値よりも設定量大側の値を適正光量範囲の上限値として設定し、度数分布の最小光量値よりも設定量小側の値を適正光量範囲の下限値として設定するような構成としてもよい。
【0117】
(11)上記実施形態では、前記対象物移送手段として、経路横幅方向の全幅にわたって平坦な案内面に形成された平面シュータを備えて構成されるものを例示したが、このような構成に限らず、例えば直線状の溝を経路横幅方向に沿って複数列に並べる状態で形成した溝付きシュータにて構成して、それらの複数列の溝により米粒群を移送するような構成としてもよい。
【0118】
(12)上記実施形態では、受光手段として、モノクロタイプのCCDセンサを用いたが、これ以外に撮像管式のテレビカメラでもよい。又、モノクロタイプではなく、カラータイプのCCDセンサにて構成して、例えば、色情報(R,G,B)毎の受光量から不良米や異物の存否をさらに精度良く判別してもよい。
【0119】
(13)上記実施形態では、分離手段が、不良物に対してエアーを吹き付けて、正常物と異なる経路に分離させるようにしたが、これに限るものではなく、例えば不良物をエアーで吸引して分離させるようにしたり、機械的な接当作用により分離させるようにしてもよい。
【0120】
(14)上記実施形態では、米粒群kが米粒群kである場合について例示したが、これに限るものではなく、例えば、樹脂ペレット等における不良物や異物の存否を検査する場合にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】粉粒体選別装置の全体側面図
【図2】要部側面図
【図3】要部斜視図
【図4】背景光量調整部の構成を示す図
【図5】折れ曲がり光路形成手段の構成を示す図
【図6】折れ曲がり光路形成手段の構成を示す図
【図7】制御構成のブロック図
【図8】光量範囲設定器を示す図
【図9】受光手段の受光状態を示す図
【図10】受光手段の受光量データを示す図
【図11】制御作動のフローチャート
【図12】光量設定単位(チャンネル)を示す図
【図13】各光量設定単位毎の判別頻度を示す図
【図14】別実施形態における制御構成のブロック図
【図15】別実施形態における目標頻度設定器を示す図
【図16】別実施形態における制御作動のフローチャート
【符号の説明】
【0122】
4 照明手段
5 受光手段
5a 受光部
6 分離手段
100 判別手段
101 適正光量範囲調整手段
L1 上側最大閾値
L2 上側判定用閾値
L3 下側判定用閾値
L4 下側最小閾値
TI 対象物移送手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒状体群を一層状態で且つ横幅方向に拡がる横拡がり状態で計測対象領域を通過させるように移送する対象物移送手段と、
前記計測対象領域からの光を受光する複数の受光部を前記計測対象領域の横幅方向に沿って区分けされる各部の夫々に対応させる状態で備えた受光手段と、
前記計測対象領域の横幅方向の全幅又は略全幅を照明する照明手段と、
前記受光手段の受光情報に基づいて、各受光部毎に受光する光の受光量が適正光量範囲から外れているか否かを判別する粒状体判別処理を実行する判別手段と、
前記判別手段により前記受光量が前記適正光量範囲から外れていると判別された粒状体を前記計測対象領域よりも粒状体移送方向下手側の分離箇所において他の粒状体群とは異なる経路に分離させる分離手段とが設けられた粒状体選別装置であって、
前記複数の受光部の一つずつ又は隣接して並ぶ数個ずつを単位とする複数の光量設定単位の夫々についての前記適正光量範囲を各別に設定する適正光量範囲調整手段が、複数の光量設定単位のうちの特定のものについての前記適正光量範囲を、目標光量範囲調整用情報に基づいて求め、且つ、他の光量設定単位についての前記適正光量範囲を、前記粒状体判別処理を実行するに伴って得られる各光量設定単位の夫々において前記受光量が適正光量範囲から外れる判別頻度に基づいて、他の光量設定単位の夫々の判別頻度が特定の光量設定単位における判別頻度と同じ又は略同じになるように自動的に変更調整して求めるように構成されている粒状体選別装置。
【請求項2】
粒状体群を一層状態で且つ横幅方向に拡がる横拡がり状態で計測対象領域を通過させるように移送する対象物移送手段と、
前記計測対象領域からの光を受光する複数の受光部を前記計測対象領域の横幅方向に沿って区分けされる各部の夫々に対応させる状態で備えた受光手段と、
前記計測対象領域の横幅方向の全幅又は略全幅を照明する照明手段と、
前記受光手段の受光情報に基づいて、各受光部毎に受光する光の受光量が適正光量範囲から外れているか否かを判別する粒状体判別処理を実行する判別手段と、
前記判別手段により前記受光量が前記適正光量範囲から外れていると判別された粒状体を前記計測対象領域よりも粒状体移送方向下手側の分離箇所において他の粒状体群とは異なる経路に分離させる分離手段とが設けられた粒状体選別装置であって、
前記複数の受光部の一つずつ又は隣接して並ぶ数個ずつを単位とする複数の光量設定単位の夫々についての前記適正光量範囲を各別に設定する適正光量範囲調整手段が、複数の光量設定単位についての前記適正光量範囲を、前記粒状体判別処理を実行するに伴って得られる各光量設定単位の夫々において前記受光量が適正光量範囲から外れる判別頻度に基づいて、各光量設定単位の夫々の判別頻度が目標判別頻度と同じ又は略同じになるように自動的に変更調整して求めるように構成されている粒状体選別装置。
【請求項3】
前記受光手段が、前記計測対象領域の前方側箇所に位置する前部側の受光部と、前記計測対象領域の後方側箇所に位置する後部側の受光部とを備えて構成され、
前記前部側の受光部及び前記後部側の受光部の夫々が、前記照明手段にて照明されて粒状体の表面で反射した光を受光する、又は、前記照明手段にて照明されて粒状体を透過した光を受光するように構成され、
前記適正光量範囲調整手段が、前記前部側の受光部及び前記後部側の受光部の夫々を対象として前記適正光量範囲設定処理を実行するように構成されている請求項1又は2記載の粒状体選別装置。
【請求項4】
前記受光手段が、前記計測対象領域の前方側箇所に位置する前部側の受光部と、前記計測対象領域の後方側箇所に位置する後部側の受光部とを備えて構成され、
前記前部側の受光部及び前記後部側の受光部のうちのいずれか一方が前記照明手段にて照明されて粒状体の表面で反射した光を受光するように構成され、他方が前記照明手段にて照明されて粒状体を透過した光を受光するように構成され、
前記適正光量範囲調整手段が、前記前部側の受光部及び前記後部側の受光部の夫々について、各別に前記適正光量範囲調整処理を実行するように構成されている請求項1又は2記載の粒状体選別装置。
【請求項5】
前記適正光量範囲を規定する判別用の閾値として、最も光量大側の上側最大閾値、その上側最大閾値よりも光量小側の上側判定用閾値、その上側判定用閾値よりも光量小側の下側判定用閾値、その下側判定用閾値よりも光量小側の下側最小閾値の夫々が設定され、
前記判別手段が、
前記各受光部の受光量が前記上側最大閾値よりも大側に外れると直ちに他の粒状体群から分離すべき粒状体であると判別し、前記受光量が前記上側最大閾値よりも小さく且つ前記上側判定用閾値よりも大側に外れる状態が設定時間継続する又は設定数以上の受光部にわたって連続すると他の粒状体群から分離すべき粒状体であると判別し、前記受光量が前記下側最小閾値よりも小側に外れると直ちに他の粒状体群から分離すべき粒状体であると判別し、前記受光量が前記下側最小閾値よりも大きく且つ前記下側判定用閾値よりも小側に外れる状態が設定時間継続する又は設定数以上の受光部にわたって連続すると他の粒状体群から分離すべき粒状体であると判別するように構成され、
前記適正光量範囲調整手段が、前記上側最大閾値、前記上側判定用閾値、前記下側判定用閾値及び前記下側最小閾値の夫々を変更調整するように構成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の粒状体選別装置。
【請求項6】
前記適正光量範囲調整手段によって複数の光量設定単位の夫々について変更調整された前記適正光量範囲を記憶する記憶手段が設けられ、
前記判別手段が、装置の運転を停止した後に再起動したときは、前記記憶手段にて記憶されている記憶情報に基づいて前記粒状体判別処理を実行するように構成されている請求項1〜5のいずれか1項に記載の粒状体選別装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2007−330880(P2007−330880A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−164999(P2006−164999)
【出願日】平成18年6月14日(2006.6.14)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】