説明

糖尿病の治療および予防のためのジペプチジルペプチダーゼ阻害薬としての3−アミノ−4−フェニルブタン酸誘導体

本発明は、ジペプチジルペプチダーゼ−IV酵素の阻害薬(「DP−IV阻害薬」)であり、ジペプチジルペプチダーゼ−IV酵素が関与する疾患、例えば糖尿病および特に2型糖尿病の治療または予防において有用である3−アミノ−4−フェニルブタン酸誘導体に関する。本発明はさらに、前記化合物を含む医薬組成物ならびにジペプチジルペプチダーゼ−IV酵素が関与するそのような疾患の予防または治療における前記化合物および組成物の使用に関するものでもある。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記構造式Iの化合物または該化合物の製薬上許容される塩。
【化1】

[式中、
各nは独立に0、1または2であり;
W、X、YおよびZはそれぞれ独立に、NまたはCRであり;
ただし、W、X、YおよびZのうちの少なくとも1個がCRであり;WおよびYがNである場合、XおよびZのうちの1個がNであり;
Arは、1〜5個のR置換基で置換されたフェニルであり;
各Rは独立に、
水素、
ハロゲン、
ヒドロキシ、
シアノ、
1−10アルキル[アルキルは、未置換であるか独立にハロゲンまたはヒドロキシから選択される1〜5個の置換基で置換されている]、
1−10アルコキシ[アルコキシは、未置換であるか独立にハロゲンまたはヒドロキシから選択される1〜5個の置換基で置換されている]、
1−10アルキルチオ[アルキルチオは、未置換であるか独立にハロゲンまたはヒドロキシから選択される1〜5個の置換基で置換されている]、
2−10アルケニル[アルケニルは、未置換であるか独立にハロゲン、ヒドロキシ、COOHおよびCOOC1−6アルキルから選択される1〜5個の置換基で置換されている]、
(CHCOOH、
(CHCOOC1−6アルキル、
(CHCONR[RおよびRは独立に、水素、テトラゾリル、チアゾリル、(CH−フェニル、(CH−C3−6シクロアルキルおよびC1−6アルキルからなる群から選択され(アルキルは未置換であるか1〜5個のハロゲンで置換されている);フェニルおよびシクロアルキルは未置換であるか独立にハロゲン、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、(CHCOOHおよび(CHCOOC1−6アルキルから選択される1〜5個の置換基で置換されており(アルキルおよびアルコキシは、未置換であるか1〜5個のハロゲンで置換されている);
またはRおよびRがそれらが結合している窒素原子と一体となって、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジンおよびモルホリンから選択される複素環を形成しており;前記複素環は未置換であるか独立にハロゲン、ヒドロキシ、(CHCOOH、(CHCOOC1−6アルキル、C1−6アルキルおよびC1−6アルコキシから選択される1〜5個の置換基で置換されており;アルキルおよびアルコキシは未置換であるかフェニルまたは1〜5個のハロゲンで置換されている];
(CH−NR
(CH−OCONR
(CH−SONR
(CH−SO
(CH−NRSO
(CH−NRCONR
(CH−NRCOR
(CH−NRCO
(CH−COR
(CH−C3−6シクロアルキル[シクロアルキルは、未置換であるか独立にハロゲン、ヒドロキシ、C1−6アルキルおよびC1−6アルコキシから選択される1〜3個の置換基で置換されており;アルキルおよびアルコキシは、未置換であるか1〜5個のハロゲンで置換されている]、
(CH−アリール[アリールは、未置換であるか独立ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、NRSO、SO、COH、COOC1−6アルキル、C1−6アルキルおよびC1−6アルコキシから選択される1〜5個の置換基で置換されており;アルキルおよびアルコキシは未置換であるか1〜5個のハロゲンで置換されている]、
(CH−ヘテロアリール[ヘテロアリールは、未置換であるか独立にヒドロキシ、ハロゲン、C1−6アルキルおよびC1−6アルコキシから選択される1〜3個の置換基で置換されており;アルキルおよびアルコキシは未置換であるか1〜5個のハロゲンで置換されている]、および
(CH−複素環[複素環は、未置換であるか独立にオキソ、ヒドロキシ、ハロゲン、C1−6アルキルおよびC1−6アルコキシから選択される1〜3個の置換基で置換されており;アルキルおよびアルコキシは、未置換であるか1〜5個のハロゲンで置換されている]
からなる群から選択され;
におけるいずれのメチレン(CH)炭素原子も、未置換であるか独立にハロゲン、ヒドロキシおよび未置換もしくは1〜5個のハロゲンで置換されたC1−4アルキルから選択される1〜2個の基で置換されており;
各Rは独立に、
水素、
ハロゲン、
シアノ、
ヒドロキシ、
未置換であるか1〜5個のハロゲンで置換されたC1−6アルキル、および
未置換であるか1〜5個のハロゲンで置換されたC1−6アルコキシ
からなる群から選択され;
各Rは独立に、テトラゾリル、チアゾリル、(CH−フェニル、(CH−C3−6シクロアルキルおよびC1−6アルキルからなる群から選択され(アルキルは、未置換であるか1〜5個のハロゲンで置換されている);フェニルおよびシクロアルキルは、未置換であるか独立にハロゲン、ヒドロキシ、C1−6アルキルおよびC1−6アルコキシから選択される1〜5個の置換基で置換されており(アルキルおよびアルコキシは、未置換であるか1〜5個のハロゲンで置換されている);Rにおけるいずれのメチレン(CH)炭素原子も、未置換であるか独立にハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルキルおよびC1−4アルコキシから選択される1〜2個の基で置換されており(アルキルおよびアルコキシは、未置換であるか1〜5個のハロゲンで置換されている);
各Rは、水素またはRであり;
、RおよびRはそれぞれ独立に、
水素、
シアノ、
(CHCOOH、
(CHCOOC1−6アルキル、
1−10アルキル[未置換であるか独立にハロゲン、ヒドロキシ、C1−6アルコキシおよびフエニル−C1−3アルコキシから選択される1〜5個の置換基で置換されており、アルコキシは未置換であるか1〜5個のハロゲンで置換されている]、
(CH−アリール[アリールは、未置換であるか独立にハロゲン、ヒドロキシ、C1−6アルキルおよびC1−6アルコキシから選択される1〜5個の置換基で置換されており;アルキルおよびアルコキシは、未置換であるか1〜5個のハロゲンで置換されている]、
(CH−ヘテロアリール[ヘテロアリールは、未置換であるか独立にヒドロキシ、ハロゲン、C1−6アルキルおよびC1−6アルコキシから選択される1〜3個の置換基で置換されており;アルキルおよびアルコキシは未置換であるか1〜5個のハロゲンで置換されている]、
(CH−複素環[複素環は、未置換であるか独立にオキソ、ヒドロキシ、ハロゲン、C1−6アルキルおよびC1−6アルコキシから選択される1〜3個の置換基で置換されており;アルキルおよびアルコキシは、未置換であるか1〜5個のハロゲンで置換されている]、
(CH−C3−6シクロアルキル[シクロアルキルは、未置換であるか独立にハロゲン、ヒドロキシ、C1−6アルキルおよびC1−6アルコキシから選択される1〜3個の置換基で置換されており;アルキルおよびアルコキシは、未置換であるか1〜5個のハロゲンで置換されている]、および
(CHCONR[RおよびRは独立に、水素、テトラゾリル、チアゾリル、(CH−フェニル、(CH−C3−6シクロアルキルおよびC1−6アルキルからなる群から選択され(アルキルは未置換であるか1〜5個のハロゲンで置換されている);フェニルおよびシクロアルキルは未置換であるか独立にハロゲン、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、(CHCOOHおよび(CHCOOC1−6アルキルから選択される1〜5個の置換基で置換されており(アルキルおよびアルコキシは、未置換であるか1〜5個のハロゲンで置換されている);
またはRおよびRがそれらが結合している窒素原子と一体となって、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジンおよびモルホリンから選択される複素環を形成しており;前記複素環は未置換であるか独立にハロゲン、ヒドロキシ、(CHCOOH、(CHCOOC1−6アルキル、C1−6アルキルおよびC1−6アルコキシから選択される1〜5個の置換基で置換されており;アルキルおよびアルコキシは未置換であるかフェニルまたは1〜5個のハロゲンで置換されている]
からなる群から選択され;
、RまたはRにおけるいずれのメチレン(CH)炭素原子も、未置換であるか独立にハロゲン、ヒドロキシおよび未置換もしくは1〜5個のハロゲンで置換されたC1−4アルキルから選択される1〜2個の基で置換されている。]
【請求項2】
*印を施した炭素原子がR立体化学配置を有する下記構造式Iaの請求項1に記載の化合物。
【化2】

【請求項3】
下記構造式Ibの請求項1に記載の化合物。
【化3】

【請求項4】
*印を施した炭素原子がR立体化学配置を有する下記構造式Icの請求項3に記載の化合物。
【化4】

【請求項5】
およびRが水素である請求項3に記載の化合物。
【請求項6】
がCONRまたは水素である請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
下記構造式Ieの請求項1に記載の化合物。
【化5】

【請求項8】
*印を施した炭素原子がR立体化学配置を有する下記構造式Ifの請求項7に記載の化合物。
【化6】

【請求項9】
およびRが水素である請求項7に記載の化合物。
【請求項10】
下記構造式Ihの請求項1に記載の化合物。
【化7】

【請求項11】
*印を施した炭素原子がR立体化学配置を有する下記構造式Iiの請求項10に記載の化合物。
【化8】

【請求項12】
およびRが水素である請求項10に記載の化合物。
【請求項13】
下記構造式Ikの請求項1に記載の化合物。
【化9】

【請求項14】
*印を施した炭素原子がR立体化学配置を有する下記構造式Ilの請求項13に記載の化合物。
【化10】

【請求項15】
およびRが水素である請求項13に記載の化合物。
【請求項16】
下記構造式Inの請求項1に記載の化合物。
【化11】

【請求項17】
*印を施した炭素原子がR立体化学配置を有する下記構造式Ioの請求項16に記載の化合物。
【化12】

【請求項18】
およびRが水素である請求項16に記載の化合物。
【請求項19】
下記構造式Iqの請求項1に記載の化合物。
【化13】

【請求項20】
*印を施した炭素原子がR立体化学配置を有する下記構造式Irの請求項19に記載の化合物。
【化14】

【請求項21】
およびRが水素である請求項19に記載の化合物。
【請求項22】
下記構造式Itの請求項1に記載の化合物。
【化15】

【請求項23】
*印を施した炭素原子がR立体化学配置を有する下記構造式Iuの請求項22に記載の化合物。
【化16】

【請求項24】
およびRが水素である請求項22に記載の化合物。
【請求項25】
下記構造式Iwの請求項1に記載の化合物。
【化17】

【請求項26】
*印を施した炭素原子がR立体化学配置を有する下記構造式Ixの請求項25に記載の化合物。
【化18】

【請求項27】
およびRが水素である請求項25に記載の化合物。
【請求項28】
下記構造式Izの請求項1に記載の化合物。
【化19】

【請求項29】
*印を施した炭素原子がR立体化学配置を有する下記構造式Iaaの請求項28に記載の化合物。
【化20】

【請求項30】
およびRが水素である請求項28に記載の化合物。
【請求項31】
が水素、フッ素、塩素、臭素、トリフルオロメチルおよびメチルからなる群から選択される請求項1に記載の化合物。
【請求項32】
が、
水素、
ハロゲン、
ヒドロキシ、
シアノ、
1−10アルキル[アルキルは、未置換であるか独立にハロゲンまたはヒドロキシから選択される1〜5個の置換基で置換されている]、
1−10アルコキシ[アルコキシは、未置換であるか独立にハロゲンまたはヒドロキシから選択される1〜5個の置換基で置換されている]、
(CHCOOH、
(CHCOOC1−6アルキル、
(CHCONR[RおよびRは独立に、水素、テトラゾリル、チアゾリル、(CH−フェニル、(CH−C3−6シクロアルキルおよびC1−6アルキルからなる群から選択され(アルキルは未置換であるか1〜5個のハロゲンで置換されている);フェニルおよびシクロアルキルは未置換であるか独立にハロゲン、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、(CHCOOHおよび(CHCOOC1−6アルキルから選択される1〜5個の置換基で置換されており(アルキルおよびアルコキシは、未置換であるか1〜5個のハロゲンで置換されている);
またはRおよびRがそれらが結合している窒素原子と一体となって、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジンおよびモルホリンから選択される複素環を形成しており;前記複素環は未置換であるか独立にハロゲン、ヒドロキシ、(CHCOOC1−6アルキル、C1−6アルキルおよびC1−6アルコキシから選択される1〜5個の置換基で置換されており;アルキルおよびアルコキシは未置換であるかフェニルまたは1〜5個のハロゲンで置換されている];
(CH−SONR
(CH−NRSO
(CH−NRCOR
(CH−C3−6シクロアルキル[シクロアルキルは、未置換であるか独立にハロゲン、ヒドロキシ、C1−6アルキルおよびC1−6アルコキシから選択される1〜3個の置換基で置換されており;アルキルおよびアルコキシは、未置換であるか1〜5個のハロゲンで置換されている]、
(CH−アリール[アリールは、未置換であるか独立にハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、NRSO、SO、COH、COOC1−6アルキル、C1−6アルキルおよびC1−6アルコキシから選択される1〜5個の置換基で置換されており;アルキルおよびアルコキシは未置換であるか1〜5個のハロゲンで置換されている]、
(CH−ヘテロアリール[ヘテロアリールは、未置換であるか独立にヒドロキシ、ハロゲン、C1−6アルキルおよびC1−6アルコキシから選択される1〜3個の置換基で置換されており;アルキルおよびアルコキシは未置換であるか1〜5個のハロゲンで置換されている]
からなる群から選択され;
におけるいずれのメチレン(CH)炭素原子も、未置換であるか独立にハロゲン、ヒドロキシおよび未置換もしくは1〜5個のハロゲンで置換されたC1−4アルキルから選択される1〜2個の基で置換されている請求項1に記載の化合物。
【請求項33】

水素、
メチル、
トリフルオロメチル、
フェニル、
4−フルオロフェニル、
シクロプロピル、
塩素、
メトキシ、
ヒドロキシ、
シアノ、
メトキシカルボニル、
エトキシカルボニル、
tert−ブチルアミノカルボニル、
カルボキシ、
アセトアミド、
メタンスルホニルアミノ、
ベンゼンスルホニルアミノ、
アミノスルホニルおよび
5−(トリフルオロメチル)オキサジアゾール−3−イル
からなる群から選択される請求項32に記載の化合物。
【請求項34】
、RおよびRがそれぞれ独立に、
水素、
1−10アルキル[未置換であるか独立にハロゲン、ヒドロキシ、C1−6アルコキシおよびフェニル−C1−3アルコキシから選択される1〜5個の置換基で置換されており、アルコキシは未置換であるか1〜5個のハロゲンで置換されている]、および
(CHCONR[RおよびRは独立に、水素、テトラゾリル、チアゾリル、(CH−フェニル、(CH−C3−6シクロアルキルおよびC1−6アルキルからなる群から選択され(アルキルは未置換であるか1〜5個のハロゲンで置換されている);フェニルおよびシクロアルキルは未置換であるか独立にハロゲン、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、(CHCOOHおよび(CHCOOC1−6アルキルから選択される1〜5個の置換基で置換されており(アルキルおよびアルコキシは、未置換であるか1〜5個のハロゲンで置換されている);
またはRおよびRがそれらが結合している窒素原子と一体となって、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジンおよびモルホリンから選択される複素環を形成しており;前記複素環は未置換であるか独立にハロゲン、ヒドロキシ、(CHCOOC1−6アルキル、C1−6アルキルおよびC1−6アルコキシから選択される1〜5個の置換基で置換されており;アルキルおよびアルコキシは未置換であるかフェニルまたは1〜5個のハロゲンで置換されている]
からなる群から選択され;
、RまたはRにおけるいずれのメチレン(CH)炭素原子も、未置換であるか独立にハロゲン、ヒドロキシおよび未置換もしくは1〜5個のハロゲンで置換されたC1−4アルキルから選択される1〜2個の基で置換されている請求項1に記載の化合物。
【請求項35】
、RおよびRがそれぞれ独立に、
水素、
メチル、
エチル、
[[4−(カルボキシメチル)フェニル]メチル]アミノカルボニル、
ピロリジン−1−イルカルボニル、
ピペリジン−1−イルカルボニル、
4−[(メトキシカルボニル)メチル]ベンジルアミノカルボニル、および
4−[(ベンジルオキシ)カルボニル]ピペラジン−1−イルカルボニル
からなる群から選択される請求項34に記載の化合物。
【請求項36】
およびRが水素である請求項35に記載の化合物。
【請求項37】
およびRが水素である請求項35に記載の化合物。
【請求項38】
が水素である請求項37に記載の化合物。
【請求項39】
下記のものからなる群から選択される請求項35に記載の化合物または該化合物の製薬上許容される塩。
【化21】



【請求項40】
請求項1に記載の化合物および製薬上許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項41】
哺乳動物での高血糖、2型糖尿病、肥満および脂質障害からなる群から選択される状態を治療するのに使用される医薬の製造における請求項1に記載の化合物の使用。

【公表番号】特表2006−516573(P2006−516573A)
【公表日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−501124(P2006−501124)
【出願日】平成16年1月27日(2004.1.27)
【国際出願番号】PCT/US2004/002309
【国際公開番号】WO2004/069162
【国際公開日】平成16年8月19日(2004.8.19)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【Fターム(参考)】