説明

紙容器およびその製造方法

【課題】
紙端面の被覆に支障をきたさず、かつ、胴部貼り合わせ部の段差を解消した紙容器およびその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】
少なくとも内面に熱可塑性樹脂層が設けられた紙を基材とする積層シートから構成されたブランクの、一方の側端縁を他方の側端縁に重ね合わせて胴部貼り合わせ部を有する紙容器において、
前記ブランクの重ね合わせ部の内側に位置する側端縁は、前記基材の側端縁から延出する樹脂部を、基材の外面側に折り返した折り返し樹脂部を設けることにより解決した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙容器とその製造方法に関する、特に、開口部に上縁部を巻き込んで形成したフランジ部を有するカップ状紙容器とその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ジュース等の飲料を充填し、上部の開口部を蓋材で密封して使用するカップ状紙容器は、紙を基材とし、両面にポリエチレン等の熱可塑性樹脂層を設けた積層材料を所定の形状としたブランクを、胴部に接合部を設けて成形したカップ状紙容器が一般的であった。
【0003】
また、バリア性を必要とする場合、前記胴部の積層材料として、例えば、表側から、ポリエチレン/紙/ポリエチレン/アルミニウム箔/ポリエチレンテレフタレートフィルム/ポリエチレン、またはポリエチレン/紙/ポリエチレン/金属酸化物蒸着層を有するプラスチックフィルム/ポリエチレンを用い、成形していた。
【0004】
そして、カップ状紙容器の接合部のバリア性を確保するため、例えば、カップ状紙容器の胴部を構成する胴部材の接合部の内側は、先端から所定の長さだけ、積層シートの厚みの半分を削除(スカイブ)し、削り取った残りの半分を削除面が内側になるように折り返し(ヘミング)、紙端面の保護を行っている。
【0005】
しかしながら、上述の紙端面のスカイブヘミング加工を行うためには、あらかじめ打ち抜いたブランクを紙カップに成形する前に、特別の機械を用いて紙端面のスカイブヘミング加工をする必要があり、そのため複雑な加工工程を経ねばならず、また、紙粉発生の面からも改善が要望されていた。
【0006】
スカイブヘミング加工を行わずにバリア性に優れたカップ状紙容器を作製する方法として、紙基材の端面がフィルムで覆われたブランクを用い、カップ状紙容器を製造する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
しかし、この紙基材の端面を保護したバリア性を有するカップ状紙容器においては、胴部貼り合わせ部の内側の端縁は全体にわたって熱可塑性樹脂層が紙基材から延出して作製されている。このように、紙基材から延出した熱可塑性樹脂層のフィルムは、カップ成形する際に、不規則に成形されてしまい、本来の目的である紙基材の端面を十分に被覆ができなかった。
【0008】
また、カップ状紙容器としての仕上がりが悪く、外観的に不具合が生じてしまう等の問題がある。
【0009】
また、スカイブ端面を一直線上にそろえるため、カップ成形機でスカイブヘミング加工をすると同時にカップ成形をすることは困難であった。
【0010】
上記課題を解決する手段として、少なくとも内面に熱可塑性樹脂層が設けられた紙を基材とする積層シートを所定の形状に打ち抜き、一方の側端縁に外方に延出する樹脂部を、基材の端面に沿って、密着被覆させたブランクを、前記ブランクの樹脂部を密着被覆させた側端縁を、他方の側端縁の内側となるように重ね合わせ、密着することにより胴部貼り合わせ部を形成することが提案されている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特公昭58−43264号公報(請求項1)。
【特許文献2】特開2005−272010号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
少なくとも内面に熱可塑性樹脂層が設けられた紙を基材とする積層シートを所定の形状に打ち抜き、一方の側端縁に外方に延出する樹脂部、基材の端面に沿って、密着被覆させたブランクを、前記ブランクの樹脂部を密着被覆させた側端縁を、他方の側端縁の内側となるように重ね合わせ、密着することにより胴部貼り合わせ部を形成した紙容器は、貼り合わせ部における基材端面は、熱可塑性樹脂層で被覆することにより保護されている。
【0012】
しかし、胴部貼り合わせ部に段差部が生じ、内容物の充填、容器内面を殺菌処理した、所謂アセプチック充填包装に不都合が生じる恐れがあった。
【0013】
また、カップ状容器の場合、開口部に胴部材の上端縁部を巻き込んでフランジ部が形成されているため、前記フランジ部で、基材の紙の厚みによる段差部が生じる。そのため、前記フランジ部の上面に蓋材を重ね、そのまま加熱シールした場合、前記段差部により密封が確実に行うことができなかった。特に、前記フランジ部が扁平状態の場合、前記基材の厚みによる影響が大きかった。
【0014】
また、前記密封を確実に行うために、前記フランジ部の上面の段差部を埋めるため、別の樹脂等からなる充填部材を設け、段差部を解消する。
【0015】
前記段差部の位置の密封シールを、部分的に行なわなければならなかった。
【0016】
本発明は、開口部に胴部材を巻き込んでフランジ部が形成されているカップ状容器、特に、扁平状態のフランジ部が形成されているカップ状容器で、蓋材の密封が容易で、かつ、密封性が優れたカップ状容器を提供することを目的とする。
【0017】
また、上記機能に加えて、バリア性が優れた機能を有するカップ状容器を提供することを目的とする。
【0018】
重ね合わせ部の内側に位置する側端縁は、延出した熱可塑性樹脂層からなる樹脂部フィルムがはみだして形成されている胴部材を用いてバリア性に優れた容器を成形する際に発生する以上のような問題に鑑みてなされたもので、紙端面の被覆に支障をきたさず、かつ、紙カップとしての仕上がり外観の綺麗なバリア性を有する紙カップ等の紙容器と該紙カップや紙容器をロール状の紙基材から直接紙カップや紙容器にする紙容器と紙カップの作製方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は、 少なくとも内面に熱可塑性樹脂層が設けられた紙を基材とする積層シートから構成されたブランクの、一方の側端縁を他方の側端縁に重ね合わせて胴部貼り合わせ部を有する紙容器において、
前記ブランクの重ね合わせ部の内側に位置する側端縁は、前記基材の側端縁から延出する樹脂部を、基材の外面側に折り返した折り返し樹脂部を有することを特徴とする紙容器である。
【0020】
ここで、前記熱可塑性樹脂層を、ガスバリア性層が含まれた構成とすることにより、内容物の保存性が優れた紙容器が得られる。
【0021】
また、 前記樹脂部を、前記基材の外面側に折り返した樹脂部を有した構成とすることにより、胴部貼り合わせ部の樹脂量が確保でき、さらに、ガスバリア層を含む熱可塑性樹
脂層の場合、前記ガスバリア層の端面が露出しない紙容器が得られる。
【0022】
また、前記樹脂部を、側端縁の全長に設けることで、フランジ部以外の胴部貼り合わせ部の密封性の優れた紙容器が得られる。
【0023】
また、前記樹脂部は、前記切欠き部を含む箇所に設けることで、フランジ部の密封性がさらに優れた紙容器が得られる。
【0024】
また、本発明は、前記樹脂部を、胴部材を形成するブランクの熱可塑性樹脂層により形成した、胴部材を形成するブランクの熱可塑性樹脂層以外の別部材により形成した、または、胴部材を形成するブランクの熱可塑性樹脂層と、前記ブランクの熱可塑性樹脂層以外の別部材とにより形成した、いずれかの構成からなる紙容器である。
【0025】
前記紙容器は、カップ状紙容器であることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれかに記載の紙容器。
【0026】
前記ブランクは、側縁部の上部に切欠き部を設けたことを特徴とする、請求項7に記載の紙容器。
また、本発明は、前記切欠き部は、それぞれ異なる形状とすることで、フランジ部の段差部を解消したカップ状紙容器である。
【0027】
また、本発明は、前記切欠き部を、樹脂部を設けた側端部の切欠き部の幅が、他方の側端部の切欠き部の幅より大きく、または、樹脂部を設けた側端縁の切欠き部の高さが、他方の側端縁の切欠き部の高さより小さくすることで、フランジ部の段差部を解消したカップ状紙容器である。
【0028】
また、本発明は、前記切欠き部を、三角形状としたカップ状容器である。
【0029】
また、本発明は、前記フランジ部は、上面が平坦状態し、蓋材の密封を確実にしたカップ状紙容器である。
【0030】
また、本発明は、少なくとも内面に熱可塑性樹脂層が設けられた紙を基材とする積層シートを所定の形状に打ち抜きブランクを形成する打ち抜き工程と、
前記ブランクの、一方の側端縁に外方に延出する樹脂部を形成する樹脂部形成工程と、
前記ブランクの、樹脂部を折り返す樹脂部折り返し工程と、
前記ブランクの樹脂部を形成した側端縁を、他方の側端縁の内側となるように重ね合わせ、密着する胴部貼り合わせ部を形成する胴部形成工程と、
を有することを特徴とする紙容器の製造方法である。
【0031】
さらに、本発明は、前記工程に加えて、胴部上端縁を巻き込んでフランジ部を形成するフランジ部形成工程を有することを特徴とするカップ状容器の製造方法の製造方法である。
【0032】
さらに、本発明は、前記工程に加えて、前記巻き込んだフランジ部上面を平坦にする平坦化工程を有することを特徴とする請求項15に記載のカップ状容器の製造方法である。
【0033】
前記圧着工程は、超音波を用いて行われることが好ましい。
【0034】
さらに、本発明は、前記工程に加えて、ブランクの側端縁に切欠き部を形成する切欠き部形成工程を有することを特徴とするカップ状紙容器の製造方法である。
【発明の効果】
【0035】
このように本発明によれば、少なくとも内面に熱可塑性樹脂層が設けられた紙を基材とする積層シートから構成されたブランクの、一方の側端縁を他方の側端縁に重ね合わせて胴部貼り合わせ部を有する紙容器において、
前記ブランクの重ね合わせ部の内側に位置する側端縁は、前記基材の側端縁から延出する樹脂部を、基材の外面側に折り返した折り返し樹脂部を有する構成としたので、胴部貼り合わせ部の樹脂量が確保でき、胴部貼り合わせ部に段差が解消できる。
【0036】
さらに、ガスバリア層を含む熱可塑性樹脂層の場合、前記ガスバリア層の端面が、紙容器内部に露出しない紙容器とすることができる。
【0037】
また、前記熱可塑性樹脂層を、ガスバリア性層が含まれた構成とすることにより、基材の内面側が保護され、ガスバリア性が確保されるので、内容物の保存性が優れた紙容器とすることができる。
【0038】
また、カップ状紙容器とした場合、巻き込んだフランジ部上面を平坦にしても段差部がなく、より確実に蓋材を重ねてそのままシールすることで密封することが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
本発明をカップ状紙容器の一実施形態に基づいて以下に詳細に説明する。
【0040】
本発明の紙容器は、例えば、少なくとも内側面に熱可塑性樹脂層(40)が設けられた紙を基材(1)とする積層シート(3)から構成されている。
【0041】
図1に示すように、胴部材(18)は、両側端縁上部にそれぞれ切欠き部(31)(32)を設けた胴部材ブランク(10)の、一方の端縁(11)をもう一方の端縁(12)に重ね合わせて胴部貼り合わせ部(15)を形成させて円筒形状とする。
【0042】
また、底部材(20)は、円形状で、下向きに起立させた周縁部(21)を有する。
【0043】
そして、前記胴部材(18)の下部内面に、底部材(20)の周縁部(21)の外面を接合させる。
【0044】
さらに周縁部(21)を覆うように、前記胴部材(18)の下端縁部を内方に折り曲げ、底部材の周縁部(21)内面に接合させて環状脚部(22)を形成させる。
【0045】
一方、胴部材の上部周縁を外方に、1周以上巻き込み、フランジ部(16)を形成させたカップ状紙容器である。
【0046】
なお、このような構造は、テーパー状のカップ状紙容器に限定されず、円筒状のカップ状紙容器であっても同様である。
【0047】
そして、図2に示すように、胴部材ブランク(10)は、一方の端縁(11)が、少なくとも内面側の熱可塑性樹脂層(40)が、紙基材(1)の側端縁より外方に延出した樹脂部(4a)を、基材(1)の近傍で、基材(1)の外面側に折り返した折り返し樹脂部(4b)構成とする。
【0048】
このように、樹脂部(4b)は、基材(1)の外面側に折り返した構成とすることで、貼り合わせ部(15)における樹脂量が確保でき、貼り合わせ部の密封性が良好となる。
【0049】
このような構造を有している本発明のカップ状紙容器は、胴部貼り合わせ部(15)の内側に位置する紙基材の端面が、折り返し樹脂部(4b)で保護されているので、容器に充填された内容物が紙基材端面から浸透することがない。
【0050】
ここで、前記熱可塑性樹脂層(40)は、図3(a)に示すように、内面側だけでなく、外面側にも設けた構成としてもよい。このように、紙基材の両面に熱可塑性樹脂層(40)(41)を設けることにより、基材端面に形成される樹脂部(4a)が、前記両面の熱可塑性樹脂層(40)(41)が外縁で一体化された状態で形成される。
【0051】
そして、前記樹脂部(4a)は、基材に設けた熱可塑性樹脂層で形成する以外、図4(a)に示すように、別の部材、例えば、テープ(50)(51)を基材の端部に設け、前述と同様に、外縁で一体化した構成でもよい。
【0052】
また、図5(a)に示すように、一方を紙基材に設けた熱可塑性樹脂層(40)を用い、他方をテープ(50)とし、前述と同様外縁で一体化した樹脂部(4a)でもよい。
【0053】
そして、前記樹脂部(4a)は、前述のように紙基材の端縁から外方に延出した構成でなく、図3(b)、図4(b)、図5(b)に示すように、前記延出した樹脂部(4a)を、紙基材の外面側に折り返した折り返し樹脂部(4b)の構成とする。
【0054】
このように、樹脂部を基材の外面側に折り返した、折り返し樹脂部(4b)の構成とすることによって、胴部貼り合わせ部の段差が、前記折り返し樹脂部(4b)で埋まり、段差のない構成とすることができるうえ、前記折り返し樹脂部(4b)の端面(4c)が紙容器内部に露出しない構成とすることができる。
【0055】
図6に示すように、胴部材(18)は、両側端縁上部にそれぞれ切欠き部(31)(32)を設けた胴部材ブランク(10)を用いているので、胴部材の上部周縁を外方に1周以上巻き込んで、少なくとも3重構成のフランジ部を形成した際、貼り合わせ部においても、基材が、前記貼り合せ部以外の部分と同様の3重構成の巻き込み状態となる。
【0056】
ここで、図7に示すように、この切欠き部(31)(32)の形状を異なる形状とすることにより、少なくとも3重構成のフランジ部(16)の上面を平坦にしても、フランジ部上面(16a)に、前記貼り合せ部の位置に生じる段差を解消することができる。
【0057】
胴部材(18)は、両側端縁上部にそれぞれ切欠き部(31)(32)を設けた胴部材ブランク(10)を用いているので、胴部材(18)の上部周縁を外方に1周以上巻き込んで、フランジ部(16)を形成した際、貼り合わせ部(15)においても、紙基材が、前記貼り合せ部以外の部分と同様の重なりの巻き込み状態となるので、フランジ部(16)の段差を解消することができる。
【0058】
また、この切欠き部(31)(32)の形状を異なる形状とすると、フランジ部(16)の上面を平坦にしても、フランジ部上面(16a)に生じる段差を解消することができる。
【0059】
特に、前記切欠き部(31)(32)として、樹脂部を設けた側端部の切欠き部(31)の幅が、他方の側端部の切欠き部(32)の幅より大きく、または、樹脂部を設けた側端縁の切欠き部(31)の高さが、他方の側端縁の切欠き部(32)の高さより小さくすることで、上端縁を1周以上巻き込んで形成したフランジ部(16)の上面を平坦にしても、フランジ部(16)上面に生じる段差を確実に解消することができる。
【0060】
前記熱可塑性樹脂層(2)が、バリア層(2a)を含む構成とすることもできる。
【0061】
このように、バリア層(2a)を含む構成とすることにより、紙基材(1)の端面も保護されるので、バリア性に優れたカップ状紙容器とすることができる。
【0062】
また、図8に示すように、樹脂部(4)を折り返した構成とすることで、バリア層(2a)の端面が、容器内部に露出しない構成となり、内容物がバリア層と接触ことがないようにすることができ、内容物の保存に悪影響を及ぼさない。
【0063】
このように、折り返し樹脂部(4b)は、樹脂部先端が、基材外面側に折り返した構成となっている。このような構成にすることにより、前記熱可塑性樹脂層(40)が、異なる材料のバリア層(2a)を含む構成であっても、胴部を形成した際、一定の樹脂量が確保でき、紙基材(1)の端面も保護ばかりでなく、胴部貼り合わせ部(15)の紙基材による段差を解消することができる。
【0064】
また、紙基材(1)の外側面にもポリエチレン等の熱可塑性樹脂層(41)を設け、紙基材の両面に熱可塑性樹脂層(40)(41)を設けた構成とすることもできる。
【0065】
両面に熱可塑性樹脂層を設けた構成にすることにより、両面の熱可塑性樹脂層(40)(41)の先端の内面同士を一体化することで樹脂部(4a)を形成することができる。
【0066】
特に、両面の熱可塑性樹脂層(40)(41)で形成した樹脂部(4b)は、さらに、樹脂部(4a)を基材外面側に折り返した構成となっていることで、一定の樹脂量が確保でき、胴部を形成した際、胴部貼り合わせ部(15)の段差を解消することができる。
【0067】
また、前記熱可塑性樹脂層(40)が、異なる材料のバリア層(2a)を含む構成であっても、折り返した構成となっていることで、バリア層(2a)の端面が、容器内部に露出しない構成となり、内容物がバリア層と接触ことがないようにすることができ、内容物の保存に悪影響を及ぼさない。
【0068】
また、外側から水等の液体が付着しても紙基材の剛性が弱くなることがなく、耐水性に優れたカップ状紙容器とすることができる。
【0069】
なお、このような構造は、テーパー状のカップ状紙容器に限定されず、円筒状のカップ状紙容器であってもよい。
【0070】
次に、他の紙容器の製造方法について、特に、胴部材ブランクの製造方法を含めて説明する。
【0071】
先ず、ロール状の紙基材(1)に扇形状の胴部材ブランク(10)を複数個並べて割りつけ印刷すると共に、胴部材ブランクの一方の端縁(11)に、その端縁を含めて外方の部分を長窓(13)として穿設する(図9(a),(b)参照)〜第1打ち抜き工程。
【0072】
胴部材ブランク(10)を印刷して長窓(13)が穿設された紙基材(1)の内側面、および外側面にポリエチレン樹脂などの熱可塑性樹脂層(40)(41)を溶融樹脂押し出し法により積層して、積層シート(3)を形成させる。この時、基材(1)の長窓部分に、前記2つの熱可塑性樹脂層で樹脂部(4a)を形成させる(図10(a),(b)参照)〜熱可塑性樹脂貼り合わせ工程。
【0073】
あるいは、胴部材ブランク(10)を印刷して長窓(13)が穿設された基材(1)の内側面に、バリア層(2a)を有する熱可塑性樹脂層(40)を、外側面にバリア層を含まない熱可塑性樹脂層(40)を積層して、積層シート(3)を形成させる。この時、基材の長窓部分に、前記2つの熱可塑性樹脂層で樹脂部(40(41))を形成させる(図10(a)(b)参照)〜熱可塑性樹脂貼り合わせ工程。
【0074】
前記バリア層(2a)としては、アルミニウム箔、アルミニウム蒸着プラスチックフィルム、無機化合物蒸着プラスチックフィルム、エチレン−ポリビニルアルコール共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリアミドフィルムなど、ガスバリア性の優れた材料を使用できる。
【0075】
前記積層シート(3)の、基材(1)からは、外方に延出して設けられた樹脂部(4a)を含む、長窓部分を形成させた側の胴部材ブランク(10)の不必要部分(14)を連続してカットする(図11(a),(b)参照)〜スクラップカット工程。
【0076】
片側の不必要部分(14)が切り取られた積層シート(3)から、印刷された複数個の扇形状の胴部材ブランク(10)を打ち抜き、樹脂部(4a)を形成させた一枚ずつの胴部材ブランク(10)を作製する(第2打ち抜き工程)。
【0077】
このような各工程を経て紙基材(1)より所定幅外方に延出した樹脂部(4a)を、一方の側端縁に形成させた胴部材ブランク(10)を作製することができる。
【0078】
つぎに、この胴部材ブランク(10)の樹脂部(4a)を、紙基材端面(5)に形成させる方法について、図12、図13に沿って説明する。
【0079】
胴部材ブランク(10)の紙基材(1)より所定幅だけ延出した樹脂層(4a)を、紙カップに成形した際の、紙基材(1)の外面側となる側に向けて、櫛状に形成された押さえ突起(D11)を具備した第1部材(D1)を、上方から下方に垂直方向に移動させて略90°の角度に押し曲げ、仮折りする(図13(a),(b)参照)。
【0080】
ついで、櫛状に形成された押さえ突起(D21)を具備した形成された第2部材(D2)を、前記第1部材の押さえ突起(D11)と押さえ突起(D11)の間の間隙(D12)を目掛けて、胴部材ブランクの外側方向より内側方向に向けて水平移動させ、樹脂部(4a)を略90°押し曲げ、前記樹脂部層(4a)が、折り返し樹脂部(4b)を具備するように、胴部材ブランクの紙基材外側方向に重なるように仮折りする(図13(c)参照)。
【0081】
最後に、第1部材の下側に配置され、櫛状に形成された押さえ突起(D31)を具備する第3部材(D3)を、垂直に上方に押しつけ圧着して、折り返し樹脂部(4b)を胴部材ブランク(10)の紙基材の外面側に仮接着させる(図13(d)参照)。
【0082】
なお、第3部材の押さえ突起(D31)を適宜の温度に加熱しておくと樹脂部の接着性が向上してより効果的である。
【0083】
このような方法により作製した胴部材ブランク(10)を用いてカップ状紙容器を成形する成形方法の一例を説明する(図1参照)。
【0084】
胴部材ブランクの端面の折り返し樹脂部(4b)を設けた側端縁(11)を内面側にして、もう一方の側端縁に重ね合わせて、胴部貼り合わせ部(15)を形成させて円筒形状の胴部材(18)とする。
【0085】
前記胴部材(18)の下部内面に、底部材(20)の周縁部(21)の外面を接合させ、さらに周縁部(21)を覆うように、前記胴部材(18)の下端縁部を内方に折り曲げ、底部材の周縁部(21)内面に接合させて環状脚部(22)を形成させる。
【0086】
最後に胴部材(18)の上部周縁を外方に1周以上巻き込み、フランジ部(16)を形成させ、本発明のカップ状紙容器とする。
【0087】
フランジ部(16)は、前記のように上部周縁を外方に1周以上巻き込んだ構成だけでなく、さらに、このフランジ部を上下から、加圧圧着して、上面を平坦にしてもよい。
【0088】
ここで、胴部材(18)は、両側端縁上部にそれぞれ切欠き部(31)(32)を設けた胴部材ブランク(10)を用いているので、胴部材(18)の上部周縁を外方に1周以上巻き込んで、フランジ部(16)を形成した際、貼り合わせ部(15)においても、紙基材が、前記貼り合せ部以外の部分と同様の重なりの巻き込み状態となるので、フランジ部の段差を解消することができる。
【0089】
また、この切欠き部(31)(32)の形状を異なる形状とすると、フランジ部(15)の上面を平坦にしても、フランジ部上面に生じる段差を解消することができる。
【0090】
特に、前記切欠き部(31)(32)として、樹脂部を設けた側端部の切欠き部(31)の幅が、他方の側端部の切欠き部(32)の幅より大きく、または、樹脂部を設けた側端縁の切欠き部(31)の高さが、他方の側端縁の切欠き部(32)の高さより小さくすることで、上端縁を1周以上巻き込んで形成したフランジ部(16)の上面を平坦にしても、フランジ部(16)上面に生じる段差を確実に解消することができる。
【0091】
つぎに、他の紙容器の作製方法の一実施形態を説明する。
【0092】
先ず、連続状の紙基材(51) に、所要寸法の略四角形状のブランク(52)を複数個並べて割り付けると共に、前記各ブランクの一方の端縁(53)からその端縁を含んだ外方の部分を長窓(54)として穿設する(図14(a),(b)参照)〜第1打ち抜き工程。
【0093】
長窓(54)が穿設された紙基材の外面側に熱可塑性樹脂層(2)、内面側にバリア層(2a)を有する熱可塑性樹脂層(2)を積層して積層シート(3)を形成する。この時、同時に長窓部分に、端縁に樹脂部を形成し、さらに、基材からから外方に延出する樹脂層を基材の外面側に折り返した、折り返し樹脂部(4b)を形成する(図15(a),(b)、参照)〜熱可塑性樹脂層貼り合わせ工程。
【0094】
前記熱可塑性樹脂層が積層された連続状の積層シートから略四角形状のブランクに所要の罫線加工を施すと共に、略4角形状のブランクを打ち抜き、折り返し樹脂部(4)を形成させた一枚ずつの紙容器ブランク(32)を作製する(図16(a),(b)参照)〜第2打ち抜き工程。
【0095】
このような各工程を経て紙基材から外方に延出した折り返し樹脂部(4b)を一方の端縁に形成させた紙容器ブランク(32)を作製することができる。
【0096】
略四角形状の紙容器ブランク(32)の前記折り返し樹脂部(4b)を紙基材の外面側(5)に仮着させる方法は、図12、図13の扇形状の胴部材ブランクの場合と基本的には同じであるので省略する。
【0097】
樹脂部(4b)を紙基材の外面側(5)に仮着に仮着させた折り返し樹脂部を有する紙容器ブランク(32)を、罫線の沿って折り曲げ、前記樹脂部(4b)を設けた側端縁を内面側とし、もう一方の側端縁を外面側として重ね合わせた胴部貼り合わせ部(15)を形成させて筒状の胴部材を形成する。
【0098】
そして、前記胴部材の上下部をシールすることで、屋根型形状の紙容器とする。
【0099】
カップ状紙容器の装飾について具体例を説明する。
a.紙基材の表面に印刷等により、装飾層を設けた基材を胴部ブランクとして用い、紙容器を製造する。
b.紙基材の表面側に印刷等による装飾層および/または金属蒸着層を設けたプラスチックフィルムを積層した積層材料を用い、紙容器を製造する。
c.成形された紙容器の胴部の表面に、印刷、金属蒸着により装飾層を施したプラスチックフィルムを被覆する。
【実施例】
【0100】
(実施例1)
表側から、紙基材(坪量260g/m2)からなるシートに長窓を形成した(図10参照)。
【0101】
次に、前記シートの紙基材の表面に低密度ポリエチレン層(30μm)、紙基材の裏面に低密度ポリエチレン層(30μm)/アルミニウム箔(9μm)/ポリエチレンテレフタレートフィルム(12μm)/低密度ポリエチレン層(70μm)を設け、前記長窓の位置で、前記低密度ポリエチレン層の内面を接合、一体化した(図11参照)。
【0102】
そして、長窓側の紙基材の側端縁上部に、幅が9mm、高さが5mmの三角形の切欠き部、他方の側端部上部に、幅が8mm、高さが6mmの三角形の切欠き部を有する扇形形状(上辺の長さ225mm、下辺の長さ162mm)に打ち抜き、胴部ブランクを形成した(図12参照)。
【0103】
なお、一方の側端縁に設けた樹脂部は、5mm幅で設け、折り返した、2.5mm延出する折り返し樹脂部を有する胴部ブランクを形成した(図12参照)。
【0104】
前記樹脂部を有する前記ブランクの樹脂層を有する側端縁を内側とした状態で、側端縁を重ね合わせ接合一体化し、幅が5mmの胴部貼り合わせ部を設けて胴部を形成した。
【0105】
次に、前記胴部の下部内面に、円形状で、下向きに起立させた周縁部(21)を有する底部材の周縁部(21)の外面を接合させる。
【0106】
そして、カップ成形機を用い、前記胴部材(18)の下部内面に、底部材(20)の周縁部(21)の外面を接合させ、さらに周縁部(21)を覆うように、前記胴部材(18)の下端縁部を内方に折り曲げ、底部材の周縁部(21)内面に接合させて、直径が52mmの環状脚部(22)を形成した。
【0107】
また、トップカールユニットにより、上部開口部を1周以上巻き込み、下側半分が一重巻き、上側半分が二重巻きとなる、幅が3mmのフランジ部を有する、開口の直径が69mmのカップ状紙容器を成形した。
【0108】
前記カップ状紙容器は、フランジ部の上面の、胴部貼り合わせ部に位置する部分に段差
がなく成形された。
(実施例2)
実施例1のフランジ部を、超音波シール装置を用い、上下から加圧圧着し、フランジ上面を平坦にした。
【0109】
前記、カップ状紙容器は、フランジ部の上面を平坦にしたにもかかわらず、胴部貼り合わせ部に位置する部分に段差がなく成形された。
(実施例3)
表側から、紙基材(坪量260g/m2)低密度ポリエチレン(30μm)/アルミニウム箔(9μm)/ポリエチレンテレフタレートフィルム(12μm)からなるシートに長窓を形成した(図10参照)。
【0110】
次に、前記積層シートの紙基材表面に、低密度ポリエチレン層(30μm)、ポリエチレンテレフタレートフィルム面にポリエチレン(70μm)を設け、前記長窓で、前記低密度ポリエチレン層の内面を接合、一体化した(図11参照)。
【0111】
そして、長窓側の紙基材の側端縁上部に、幅が9mm、高さが5mmの三角形の切欠き部、他方の側端部上部に、幅が8mm、高さが6mmの三角形の切欠き部を有する扇形形状(上辺の長さ225mm、下辺の長さ162mm)に打ち抜き、胴部ブランクを形成した(図12参照)。
【0112】
なお、一方の側端縁に設けた樹脂部は、5mm幅で設け、折り返し樹脂部は、2.5mmの幅で設けた。
【0113】
前記樹脂部を有する前記ブランクの樹脂層を有する側端縁を内側とした状態で、側端縁を重ね合わせ接合一体化し、幅が5mmの胴部貼り合わせ部を設けて胴部を形成した。
【0114】
次に、前記胴部の下部内面に、円形状で、下向きに起立させた周縁部(21)を有する底部材の周縁部(21)の外面を接合させる。
【0115】
そして、カップ成形機を用い、前記胴部材(18)の下部内面に、底部材(20)の周縁部(21)の外面を接合させ、さらに周縁部(21)を覆うように、前記胴部材(18)の下端縁部を内方に折り曲げ、底部材の周縁部(21)内面に接合させて、直径が52mmの環状脚部(22)を形成した。
【0116】
また、トップカールユニットにより、上部開口部を1周以上巻き込み、下側半分が一重巻き、上側半分が二重巻きとなる、幅が3mmのフランジ部を有する、開口の直径が69mmのカップ状紙容器を成形した。
【0117】
前記カップ状紙容器は、フランジ部の上面の、胴部貼り合わせ部に位置する部分に段差がなく成形された。
(実施例4)
実施例3のフランジ部を、超音波シール装置を用い、上下から加圧圧着し、フランジ上面を平坦にした。
【0118】
前記、カップ状紙容器は、フランジ部の上面を平坦にしたにもかかわらず、胴部貼り合わせ部に位置する部分に段差がなく成形された。
(実施例5)
表側から、紙基材(坪量260g/m2)からなるシートに長窓を形成した(図10参照)。
【0119】
次に、前記紙基材の裏面に、低密度ポリエチレン(20μm)/アルミニウム箔(9μm)/ポリエチレンテレフタレートフィルム(12μm)/低密度ポリエチレン(15μm)を設け、シート紙基材表面の長窓部分を覆うように、低密度ポリエチレン層(70μm)/ポリエチレンテレフタレートフィルム(12μm)/低密度ポリエチレン層(20μm)からなるテープを設け、前記長窓で、前記ポリエチレン層の内面を接合、一体化した(図11参照)。
【0120】
そして、長窓側の紙基材の側端縁上部に、幅が9mm、高さが5mmの三角形の切欠き部、他方の側端部上部に、幅が8mm、高さが6mmの三角形の切欠き部を有する扇形形状(上辺の長さ225mm、下辺の長さ162mm)に打ち抜き、胴部ブランクを形成した(図12参照)。
【0121】
なお、一方の側端縁に設けた樹脂部は、5mm幅で設け、折り返し樹脂部は2.5mmの幅であった。
【0122】
前記樹脂部を有する前記ブランクの樹脂層を有する側端縁を内側とした状態で、側端縁を重ね合わせ接合一体化し、幅が5mmの胴部貼り合わせ部を設けて胴部を形成した。
【0123】
次に、前記胴部の下部内面に、円形状で、下向きに起立させた周縁部(21)を有する底部材の周縁部(21)の外面を接合させる。
【0124】
そして、カップ成形機を用い、前記胴部材(18)の下部内面に、底部材(20)の周縁部(21)の外面を接合させ、さらに周縁部(21)を覆うように、前記胴部材(18)の下端縁部を内方に折り曲げ、底部材の周縁部(21)内面に接合させて、直径が52mmの環状脚部(22)を形成した。
【0125】
また、トップカールユニットにより、上部開口部を1周以上巻き込み、下側半分が一重巻き、上側半分が二重巻きとなる、幅が3mmのフランジ部を有する、開口の直径が69mmのカップ状紙容器を成形した。
【0126】
前記カップ状紙容器は、フランジ部の上面の、胴部貼り合わせ部に位置する部分に段差がなく成形された。
(実施例6)
実施例5のフランジ部を、超音波シール装置を用い、上下から加圧圧着し、フランジ上面を平坦にした。
【0127】
前記、カップ状紙容器は、フランジ部の上面を平坦にしたにもかかわらず、胴部貼り合わせ部に位置する部分に段差がなく成形された。
(実施例7)
表側から、低密度ポリエチレン層(30μm)/紙基材(坪量260g/m2)からなるシートに長窓を形成した(図10参照)。
【0128】
次に、前記紙基材の裏面に低密度ポリエチレン(30μm)/アルミニウム箔(9μm)/ポリエチレンテレフタレートフィルム(12μm)/低密度ポリエチレン層(15μm)を設け、シート紙基材表面の長窓部分を覆うように設けた(図11参照)。
【0129】
そして、長窓側の紙基材の側端縁上部に、幅が9mm、高さが5mmの三角形の切欠き部、他方の側端部上部に、幅が8mm、高さが6mmの三角形の切欠き部を有する扇形形状(上辺の長さ225mm、下辺の長さ162mm)に打ち抜き、胴部ブランクを形成し
た(図12参照)。
【0130】
なお、一方の側端縁に設けた樹脂部は、5mm幅で設け、幅が、5mmの折り返し樹脂部は、2.5mmの幅であった。
【0131】
前記樹脂部を有する前記ブランクの樹脂層を有する側端縁を内側とした状態で、側端縁を重ね合わせ接合一体化し、幅が5mmの胴部貼り合わせ部を設けて胴部を形成した。
【0132】
次に、前記胴部の下部内面に、円形状で、下向きに起立させた周縁部(21)を有する底部材の周縁部(21)の外面を接合させる。
【0133】
そして、カップ成形機を用い、前記胴部材(18)の下部内面に、底部材(20)の周縁部(21)の外面を接合させ、さらに周縁部(21)を覆うように、前記胴部材(18)の下端縁部を内方に折り曲げ、底部材の周縁部(21)内面に接合させて、直径が52mmの環状脚部(22)を形成した。
【0134】
また、トップカールユニットにより、上部開口部を1周以上巻き込み、下側半分が一重巻き、上側半分が二重巻きとなる、幅が3mmのフランジ部を有する、開口の直径が69mmのカップ状紙容器を成形した。
【0135】
前記カップ状紙容器は、フランジ部の上面の、胴部貼り合わせ部に位置する部分に段差がなく成形された。
(実施例12)
実施例11のフランジ部を、超音波シール装置を用い、上下から加圧圧着し、フランジ上面を平坦にした。
【0136】
前記、カップ状紙容器は、フランジ部の上面を平坦にしたにもかかわらず、胴部貼り合わせ部に位置する部分に段差がなく成形された。
【図面の簡単な説明】
【0137】
【図1】カップ状容器の製造工程を示す説明図である。
【図2】胴部貼り合わせ部の他の例を示す断面説明図である。
【図3】胴部貼り合わせ部の他の例を示す断面説明図である。
【図4】胴部貼り合わせ部の他の例を示す断面説明図である。
【図5】胴部貼り合わせ部の他の例を示す断面説明図である。
【図6】胴部貼り合わせ部のフランジ部を示す説明図である。
【図7】胴部貼り合わせ部のフランジ部を示す説明図である。
【図8】胴部貼り合わせ部の他の例を示す断面説明図である。
【図9】カップ状紙容器の製造に用いる胴部材ブランクの長窓を設ける第1打ち抜き工程を示し、(a)は平面説明図であり、(b)は(a)のA−A’線断面説明図である。
【図10】カップ状紙容器の製造に用いる胴部材ブランクの熱可塑性樹脂貼り合わせ工程を示し、(a)は平面説明図であり、(b)は(a)のA−A’線断面説明図である。
【図11】カップ状紙容器の製造に用いる、樹脂部を有する胴部材ブランクを所定の形状に打ち抜く第2打ち抜き工程を示し、(a)は平面説明図であり、(b)は(a)のA−A’線断面説明図である。
【図12】樹脂部を紙基材の外面側に折り曲げ仮接着させる、仮接着機構の一例を示す説明図である。
【図13】樹脂部を紙基材の外面側に折り曲げ仮接着させる工程を示す説明図である。
【図14】紙容器の製造に用いる胴部材ブランクの長窓を設ける第1打ち抜き工程を示し、(a)は平面説明図であり、(b)は(a)のA−A’線断面説明図である。
【図15】紙容器の製造に用いる胴部材ブランクの熱可塑性樹脂貼り合わせ工程を示し、(a)は平面説明図であり、(b)は(a)のA−A’線断面説明図である。
【図16】紙容器の製造に用いる、樹脂部を有する胴部材ブランクの第2打ち抜き工程を示し、(a)は平面説明図であり、(b)は(a)のA−A’線断面説明図である。
【符号の説明】
【0138】
1‥‥紙基材 40、41‥‥熱可塑性樹脂層 2a‥バリア層
3‥‥積層シート 4a‥‥樹脂部 4b‥‥折り返し樹脂部
5‥‥紙基材端面 10‥‥胴部材ブランク
11‥‥樹脂部を有する側端縁 12‥‥樹脂部を設けない側端縁
13‥‥長窓 14‥‥胴部材ブランクの不必要部分
15‥‥貼り合わせ部 16‥‥フランジ部 20‥‥底部材
21‥‥周縁部 22‥‥環状脚部 31、32‥‥切欠き部
D1‥‥第1部材 D11‥押さえ突起 D12‥間隙
D2‥‥第2部材 D21‥押さえ突起 D3‥‥第3部材
D31‥押さえ突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも内面に熱可塑性樹脂層が設けられた紙を基材とする積層シートから構成されたブランクの、一方の側端縁を他方の側端縁に重ね合わせて胴部貼り合わせ部を有する紙容器において、
前記ブランクの重ね合わせ部の内側に位置する側端縁は、前記基材の側端縁から延出する樹脂部を、基材の外面側に折り返した折り返し樹脂部を有することを特徴とする紙容器。
【請求項2】
前記熱可塑性樹脂層は、ガスバリア性層を含むことを特徴とする、請求項1記載の紙容器。
【請求項3】
前記樹脂部は、側端縁の全長に設けたことを特徴とする、請求項1または2に記載の紙容器。
【請求項4】
前記樹脂部は、胴部材を形成するブランクの熱可塑性樹脂層により形成されていることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の紙容器。
【請求項5】
前記樹脂部は、胴部材を形成するブランクの熱可塑性樹脂層以外の別部材により形成されていることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の紙容器。
【請求項6】
前記樹脂部は、胴部材を形成するブランクの熱可塑性樹脂層と、前記ブランクの熱可塑性樹脂層以外の別部材とにより形成されていることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の紙容器。
【請求項7】
前記紙容器は、カップ状紙容器であることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれかに記載の紙容器。
【請求項8】
前記ブランクは、側縁部の上部に切欠き部を設けたことを特徴とする、請求項7に記載の紙容器。
【請求項9】
前記切欠き部は、両側縁部の上部に設けられ、それぞれ異なる形状であることを特徴とする、請求項7または8のいずれかに記載の紙容器。
【請求項10】
前記ブランク切欠き部は、樹脂部を設けた側端部の切欠き部の幅が、他方の側端部の切欠き部の幅より大きいことを特徴とする、請求項9に記載の紙容器。
【請求項11】
前記切欠き部は、樹脂部を設けた側端縁の切欠き部の高さが、他方の側端縁の切欠き部の高さより小さいことを特徴とする、請求項9または10に記載の紙容器。
【請求項12】
前記切欠き部は、三角形状であることを特徴とする、請求項8ないし11のいずれかに記載の紙容器。
【請求項13】
少なくとも内面に熱可塑性樹脂層が設けられた紙を基材とする積層シートを所定の形状に打ち抜きブランクを形成する打ち抜き工程と、
前記ブランクの、一方の側端縁に外方に延出する樹脂部を形成する樹脂部形成工程と、
前記ブランクの、樹脂部を折り返す樹脂部折り返し工程と、
前記ブランクの樹脂部を形成した側端縁を、他方の側端縁の内側となるように重ね合わせ、密着する胴部貼り合わせ部を形成する胴部形成工程と、
を有することを特徴とする紙容器の製造方法。
【請求項14】
さらに、ブランクの側端縁に切欠き部を形成する切欠き部形成工程を有することを特徴とする請求項13に記載のカップ状紙容器の製造方法。
【請求項15】
さらに、前記胴部上端縁を巻き込んでフランジ部を形成するフランジ部形成工程を有することを特徴とする請求項14に記載のカップ状容器の製造方法。
【請求項16】
さらに、前記巻き込んだフランジ部上面を平坦にする平坦化工程を有することを特徴とする請求項15に記載のカップ状容器の製造方法。
【請求項17】
前記圧着工程が、超音波を用いて行われることを特徴とする請求項16に記載のカップ状容器の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2008−222245(P2008−222245A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−60049(P2007−60049)
【出願日】平成19年3月9日(2007.3.9)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】