説明

組合せ療法

本発明は、電離放射線で処置されていてよいヒトなどの温血動物での抗血管新生作用および/または血管透過性減少作用の生成方法、具体的には、癌、具体的には、充実性腫瘍を包含する癌の処置方法であって、アンドロゲン物質除去との組合せでのZD6474の投与を含む方法;ZD6474および抗アンドロゲン物質を含む医薬組成物;療法によるヒトまたは動物体の処置方法で用いるためのZD6474および抗アンドロゲン物質を含む組合せ製品;ZD6474および抗アンドロゲン物質を含むキット;電離放射線で処置されていてよいヒトなどの温血動物での抗血管新生作用および/または血管透過性減少作用の生成に用いるための薬剤の製造におけるZD6474および抗アンドロゲン物質の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電離放射線で処置されていてよいヒトなどの温血動物での抗血管新生作用および/または血管透過性減少作用の生成方法、具体的には、癌、具体的には、充実性腫瘍を包含する癌の処置方法であって、アンドロゲン物質除去(androgen ablation)との組合せでのZD6474の投与を含む方法;ZD6474および抗アンドロゲン物質(antiandrogen)を含む医薬組成物;療法によるヒトまたは動物体の処置方法で用いるためのZD6474および抗アンドロゲン物質を含む組合せ製品;ZD6474および抗アンドロゲン物質を含むキット;電離放射線で処置されていてよいヒトなどの温血動物での抗血管新生作用および/または血管透過性減少作用の生成に用いるための薬剤の製造におけるZD6474および抗アンドロゲン物質の使用に関する。
【0002】
正常な血管新生は、胚発生、創傷治癒およびいくつかの雌性生殖機能成分を含めたいろいろな過程において重要な役割を果たしている。望ましくないまたは病的な血管新生は、糖尿病性網膜症、乾癬、癌、関節リウマチ、アテローム、カポージ肉腫および血管腫を含めた疾患状態に関連していた(Fan et al, 1995, Trends Pharmacol. Sci. 16: 57-66; Folkman, 1995, Nature Medicine 1: 27-31)。血管透過性の変化は、正常および病的双方の生理学的過程においてある役割を果たしていると考えられる(Cullinan-Bove et al, 1993, Endocrinology 133: 829-837; Senger et al, 1993, Cancer and Metastasis Reviews, 12: 303-324)。酸性および塩基性の線維芽細胞増殖因子(aFGFおよびbFGF)および血管内皮増殖因子(VEGF)を含めた、in vitro 内皮細胞増殖促進活性を有するいくつかのポリペプチドが識別された。その受容体の制限された発現によって、VEGFの増殖因子活性は、FGFのそれとは対照的に、内皮細胞に対して比較的特異性である。最近の立証は、VEGFが、正常および病的双方の血管新生(Jakeman et al, 1993, Endocrinology, 133: 848-859; Kolch et al, 1995, Breast Cancer Research and Treatment, 36:139-155)および血管透過性(Connolly et al, 1989, J. Biol. Chem. 264: 20017-20024)の重要な刺激物質であるということを示している。抗体でのVEGFの隔離によるVEGF作用の拮抗は、腫瘍成長の阻害を引き起こすことがありうる(Kim et al, 1993, Nature 362: 841-844)。
【0003】
受容体チロシンキナーゼ(RTK)は、細胞の原形質膜を越えた生化学的シグナルの伝達に重要である。これら膜貫通分子は、特徴的に、原形質膜中のセグメントを介して細胞内チロシンキナーゼドメインに連通した細胞外リガンド結合ドメインから成る。受容体へのリガンドの結合は、受容体上および他の細胞内分子上双方のチロシン残基のリン酸化をもたらす受容体関連チロシンキナーゼ活性の刺激を引き起こす。チロシンリン酸化におけるこれら変化は、いろいろな細胞応答をもたらすシグナリングカスケードを開始する。これまでに、アミノ酸配列相同性によって規定された少なくとも19種類の異なったRTKサブファミリーが識別された。これらサブファミリーの内の一つは、現在のところ、fms様チロシンキナーゼ受容体Flt−1(VEGFR−1とも称される)、キナーゼインサートドメイン含有受容体KDR(VEGFR−2またはFlk−1とも称される)および別のfms様チロシンキナーゼ受容体Flt−4によって構成されている。これら関連したRTKの内のFlt−1およびKDRの二つは、VEGFを高親和性で結合することが分かった(De Vries et al, 1992, Science 255: 989-991; Terman et al, 1992, Biochem. Biophys. Res. Comm. 1992, 187: 1579-1586)。異種細胞中で発現されたこれら受容体へのVEGFの結合は、細胞タンパク質のチロシンリン酸化状態の変化およびカルシウムフラックスに関連していた。
【0004】
VEGFは、血管形成(vasculogenesis)および血管新生(angiogenesis)に不可欠な刺激因子である。このサイトカインは、内皮細胞増殖、プロテアーゼ発現および遊走、そして引き続きの毛細管を形成する細胞の組織化を誘発することによって血管萌芽性表現型を誘発する(Keck, P.J., Hauser, S.D., Krivi, G., Sanzo, K., Warren, T., Feder, J., and Connolly, D.T., Science (Washington DC), 246: 1309-1312, 1989; Lamoreaux, W.J., Fitzgerald, M.E., Reiner, A., Hasty, K.A., and Charles, S.T., Microvasc. Res., 55: 29-42, 1998; Pepper, M.S., Montesano, R., Mandroita, S.J., Orci, L. and Vassalli, J.D., Enzyme Protein, 49: 138-162, 1996.)。更に、VEGFは、有意の血管透過性を誘発して(Dvorak, H.F., Detmar, M., Claffey, K.P., Nagy, J.A., van de Water, L., and Senger, D.R., (Int. Arch. Allergy Immunol., 107: 233-235, 1995; Bates, D.O., Heald, R.I., Curry, F.E. and Williams, B. J. Physiol. (Lond.), 533: 263-272, 2001)、病的血管新生に特有の高透過性未成熟血管網の形成を促進する。
【0005】
KDR単独の活性化は、内皮細胞の増殖、遊走および生存を含めたVEGFへの主要な表現型応答の全ておよび血管透過性の誘発を促進するのに充分であるということが分かった(Meyer, M., Clauss, M., Lepple-Wienhues, A., Waltenberger, J., Augustin, H.G., Ziche, M., Lanz, C., Buttner, M., Rziha, H-J., and Dehio, C., EMBO J., 18: 363-374, 1999; Zeng, H., Sanyal, S. and Mukhopadhyay, D., J. Biol. Chem., 276: 32714-32719, 2001; Gille, H., Kowalski, J., Li, B., LeCouter, J., Moffat, B, Zioncheck, T.F., Pelletier, N. and Ferrara, N., J. Biol. Chem., 276: 3222-3230, 2001)。
【0006】
VEGF受容体チロシンキナーゼの阻害剤であるキナゾリン誘導体は、国際特許出願公開WO98/13354号およびWO01/32651号に記載されている。WO98/13354号およびWO01/32651号には、VEGF受容体チロシンキナーゼ(VEGF RTK)に対して活性を有し、同時に、上皮増殖因子(EGF)受容体チロシンキナーゼ(EGF RTK)に対して若干の活性を有する化合物が記載されている。ZD6474は、4−(4−ブロモ−2−フルオロアニリノ)−6−メトキシ−7−(1−メチルピペリジン−4−イルメトキシ)キナゾリン:
【0007】
【化1】

【0008】
である。
ZD6474は、WO98/13354号の広範な一般的開示の範囲内であり、WO01/32651号に例示されている。ZD6474は、VEGF RTKの強力な阻害剤であり、そして更に、EGF RTKに対して若干の活性を有する。ZD6474は、一定範囲のモデルにおいて、1日1回経口投与後に広域抗腫瘍活性を引き出すことが分かった(Wedge SR, Ogilvie DJ, Dukes M, et al. ZD6474 inhibits vascular endothelial growth factor signaling, angiogenesis, and tumour growth following oral administration. Cancer Res 2002;62:4645-4655)。
【0009】
WO98/13354号およびWO01/32651号には、本発明の化合物が、
「単独療法として適用されてよいし、または本発明の化合物に加えて、一つまたはそれを超える他の物質および/または処置を伴ってよい。このような共同処置は、その処置の個々の成分の同時の、逐次的なまたは別々の投与によって達成することができる。」
ということが述べられている。
【0010】
次に、WO98/13354号およびWO01/32651号は、外科手術、放射線療法、および「抗アンドロゲン物質(例えば、フルタミド、ニルタミド(nilutamide)、ビカルタミド(bicalutamide)、酢酸シプロテロン)、LHRHアゴニストおよびアンタゴニスト(例えば、酢酸ゴセレリン、ルプロリド(luprolide)、アバレリクス(abarelix))、テストステロン5α−レダクターゼの阻害剤(例えば、フィナステリド)」を含めたいろいろなタイプの化学療法薬を含めたこのような共同処置の例を続けて記載している。
【0011】
しかしながら、WO98/13354号およびWO01/32651号には、ZD6474およびアンドロゲン物質除去の具体的な組合せは、どこにも示唆されていない。
WO98/13354号およびWO01/32651号には、その発明のいずれかの化合物の他の処置と一緒の使用が、驚くべき有益な作用を生じるであろうということは、どこにも述べられていない。
【0012】
抗アンドロゲン物質との組合せのEGF受容体チロシンキナーゼ阻害剤の使用は、国際特許出願WO01/76586号に記載されている。
アンドロゲン物質除去は、外科的および/または化学的手段によって行うことができる。外科的去勢は、外科手術による精巣の切除を伴う。外科的去勢後、アンドロゲンは、副腎によって生産され続けるであろうから、アンドロゲンのレベルは減少するが、完全に除去されることはない。化学的去勢は、抗アンドロゲン物質を投与することによって行うことができる。抗アンドロゲン物質は、精巣によっておよび副腎によって生産されるアンドロゲンの作用を阻害することがありうるので、化学的去勢によって達せられるアンドロゲン物質除去の程度は、外科的去勢によって達せられるよりも大きいことがありうる。外科的去勢および化学的去勢は、一緒に用いることができる。抗アンドロゲン物質の例には、ゴセレリン、ブセレリン、トリプトレリン(triptorelin)またはロイプロレリン(leuprorelin)などの黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)アゴニスト;LHRHアンタゴニスト;ビカルタミド(またはその鏡像異性体)、フルタミドおよびニルタミドなどの非ステロイド性抗アンドロゲン物質;および酢酸シプロテロンおよび酢酸メゲストロールなどのステロイド性抗アンドロゲン物質が含まれる。若干のこれら抗アンドロゲン物質の性質および有用性は、例えば、本明細書中に援用される次の文書に概説された。
【0013】
ビカルタミド:
B J A Furr et al., Urology, 1996, 47 (Suppl. 1A), 13-25、
G J C Kolvenbag et al., Urology, 1996, 47 (Suppl. 1A), 70-79 および
欧州特許出願第0100172号の実施例6の表に挙げられた第8化合物として;
フルタミド:
R O Neri, J. Drug Develop., 1987, 1 (Suppl.), 5-9 および Urology, 1989, 34 (Suppl. 4), 19-21 および英国特許出願第1360001号;
ニルタミド:
M G Harris et al., Drugs and Aging, 1993, 3, 9-25 および英国特許出願第1518444号。
【0014】
アンドロゲン物質除去は、しばしば、前立腺癌を処置するのに用いられる。しかしながら、前立腺癌の場合、前立腺癌細胞のホルモン依存性状態からホルモン非依存性状態への最終的トランスフォーメーションおよび/またはアンドロゲン非依存性前立腺癌細胞のクローン選択のために、アンドロゲン物質除去の利点は、概して、一時的である。前立腺癌細胞のホルモン依存性状態からホルモン非依存性状態へのトランスフォーメーションの阻害への本明細書中の論及はいずれも、アンドロゲン非依存性前立腺癌細胞のクローン選択の阻害への論及と同等とされるということは理解されるはずである。
【0015】
意外にも且つ驚くべきことに、本発明者は、ここで、WO98/13354号およびWO01/32651号に挙げられた組合せ療法の広範な説明からの具体的な選択肢、すなわち、アンドロゲン物質除去との組合せで用いられた具体的な化合物ZD6474が、単独で用いられるZD6474およびアンドロゲン物質除去のいずれか一方よりも有意に優れた作用を生じるということを発見した。具体的には、アンドロゲン物質除去との組合せで用いられたZD6474は、単独で用いられるZD6474およびアンドロゲン物質除去のいずれか一方よりも、有意に優れた抗癌作用、具体的には、充実性腫瘍への有意に優れた作用を生じる。より具体的には、アンドロゲン物質除去との組合せで用いられたZD6474は、前立腺癌において有意に優れた抗癌作用を生じる。
【0016】
本発明の処置方法の抗癌作用には、抗腫瘍作用、応答速度、疾患進行への時間および生存率が含まれるが、これに制限されるわけではない。本発明の処置方法の抗腫瘍作用には、腫瘍成長の阻害、腫瘍成長遅延、腫瘍の退行、腫瘍の縮小、処置中断時の腫瘍の再成長への増加した時間、疾患進行の緩速化が含まれるが、これに制限されるわけではない。本発明の処置方法を、充実性腫瘍を含むまたは含まない癌の処置を必要としているヒトなどの温血動物に投与する場合、この処置方法は、例えば、抗腫瘍作用の程度、応答速度、疾患進行への時間および生存率の内の一つまたはそれを超えるものによって測定されるような作用を生じるであろうと考えられる。抗癌作用には、予防的処置、更には、既存の疾患の処置が含まれる。
【0017】
本発明により、ヒトなどの温血動物での抗血管新生作用および/または血管透過性減少作用の生成方法であって、その動物に、有効量のZD6474またはその薬学的に許容しうる塩を、有効量のアンドロゲン物質除去の前に、当該物質除去の後に、または当該物質除去と同時に投与することを含む方法を提供する。
【0018】
本発明のもう一つの側面により、ヒトなどの温血動物の癌の処置方法であって、その動物に、有効量のZD6474またはその薬学的に許容しうる塩を、有効量のアンドロゲン物質除去の前に、当該物質除去の後に、または当該物質除去と同時に投与することを含む方法を提供する。
【0019】
とりわけ、癌は、前立腺癌である。
本発明のもう一つの側面により、ヒトなどの温血動物の充実性腫瘍を包含する癌の処置方法であって、その動物に、有効量のZD6474またはその薬学的に許容しうる塩を、有効量のアンドロゲン物質除去の前に、当該物質除去の後に、または当該物質除去と同時に投与することを含む方法を提供する。
【0020】
具体的には、充実性腫瘍を包含する癌は、前立腺癌である。
本発明のもう一つの側面により、ヒトなどの温血動物の前立腺の癌細胞の、ホルモン依存性状態からホルモン非依存性状態へのトランスフォーメーションを阻害する方法であって、その動物に、有効量のZD6474またはその薬学的に許容しうる塩を、有効量のアンドロゲン物質除去の前に、当該物質除去の後に、または当該物質除去と同時に投与することを含む方法を提供する。
【0021】
本発明のもう一つの側面により、ヒトなどの温血動物の前立腺細胞の癌細胞へのトランスフォーメーションを阻害する方法であって、その動物に、有効量のZD6474またはその薬学的に許容しうる塩を、有効量のアンドロゲン物質除去の前に、当該物質除去の後に、または当該物質除去と同時に投与することを含む方法を提供する。
【0022】
本発明のもう一つの側面により、ヒトなどの温血動物での抗血管新生作用および/または血管透過性減少作用の生成方法であって、その動物に、有効量のZD6474またはその薬学的に許容しうる塩を、有効量の抗アンドロゲン物質の前に、後にまたはと同時に投与することを含み、ここにおいて、ZD6474および抗アンドロゲン物質は各々、薬学的に許容しうる賦形剤または担体と一緒に投与されてもよい方法を提供する。
【0023】
本発明のもう一つの側面により、ヒトなどの温血動物の癌の処置方法であって、その動物に、有効量のZD6474またはその薬学的に許容しうる塩を、有効量の抗アンドロゲン物質の前に、後にまたはと同時に投与することを含み、ここにおいて、ZD6474および抗アンドロゲン物質は各々、薬学的に許容しうる賦形剤または担体と一緒に投与されてもよい方法を提供する。
【0024】
本発明のもう一つの側面により、ヒトなどの温血動物の充実性腫瘍を包含する癌の処置方法であって、その動物に、有効量のZD6474またはその薬学的に許容しうる塩を、有効量の抗アンドロゲン物質の前に、後にまたはと同時に投与することを含み、ここにおいて、ZD6474および抗アンドロゲン物質は各々、薬学的に許容しうる賦形剤または担体と一緒に投与されてもよい方法を提供する。
【0025】
本発明のもう一つの側面により、ヒトなどの温血動物の前立腺の癌細胞の、ホルモン依存性状態からホルモン非依存性状態へのトランスフォーメーションを阻害する方法であって、その動物に、有効量のZD6474またはその薬学的に許容しうる塩を、有効量の抗アンドロゲン物質の前に、後にまたはと同時に投与することを含み、ここにおいて、ZD6474および抗アンドロゲン物質は各々、薬学的に許容しうる賦形剤または担体と一緒に投与されてもよい方法を提供する。
【0026】
本発明のもう一つの側面により、ヒトなどの温血動物の前立腺細胞の癌細胞へのトランスフォーメーションを阻害する方法であって、その動物に、有効量のZD6474またはその薬学的に許容しうる塩を、有効量の抗アンドロゲン物質の前に、後にまたはと同時に投与することを含み、ここにおいて、ZD6474および抗アンドロゲン物質は各々、薬学的に許容しうる賦形剤または担体と一緒に投与されてもよい方法を提供する。
【0027】
本発明のもう一つの側面により、医薬組成物であって、ZD6474またはその薬学的に許容しうる塩および抗アンドロゲン物質を、薬学的に許容しうる賦形剤または担体と一緒に含む医薬組成物を提供する。
【0028】
本発明のもう一つの側面により、ヒトまたは動物体の療法による処置方法で用いるための、ZD6474またはその薬学的に許容しうる塩および抗アンドロゲン物質を含む組合せ製品を提供する。
【0029】
本発明のもう一つの側面により、ZD6474またはその薬学的に許容しうる塩および抗アンドロゲン物質を含むキットを提供する。
本発明のもう一つの側面により、キットであって、
(a)第一単位剤形中のZD6474またはその薬学的に許容しうる塩;
(b)第二単位剤形中の抗アンドロゲン物質;および
(c)それら第一および第二剤形を含有するための容器手段
を含むキットを提供する。
【0030】
本発明のもう一つの側面により、キットであって、
(a)第一単位剤形中の薬学的に許容しうる賦形剤または担体と一緒のZD6474またはその薬学的に許容しうる塩;
(b)第二単位剤形中の薬学的に許容しうる賦形剤または担体と一緒の抗アンドロゲン物質;および
(c)それら第一および第二剤形を含有するための容器手段
を含むキットを提供する。
【0031】
本発明のもう一つの側面により、ヒトなどの温血動物での抗血管新生作用および/または血管透過性減少作用の生成に用いるための薬剤の製造における、ZD6474またはその薬学的に許容しうる塩および抗アンドロゲン物質の使用を提供する。
【0032】
本発明のもう一つの側面により、ヒトなどの温血動物での抗癌作用の生成に用いるための薬剤の製造における、ZD6474またはその薬学的に許容しうる塩および抗アンドロゲン物質の使用を提供する。
【0033】
とりわけ、癌は、前立腺癌である。
本発明のもう一つの側面により、ヒトなどの温血動物での抗腫瘍作用の生成に用いるための薬剤の製造における、ZD6474またはその薬学的に許容しうる塩および抗アンドロゲン物質の使用を提供する。
【0034】
とりわけ、腫瘍は、前立腺癌腫瘍(prostate cancer tumour)である。
本発明のもう一つの側面により、ヒトなどの温血動物の前立腺の癌細胞の、ホルモン依存性状態からホルモン非依存性状態へのトランスフォーメーションを阻害するのに用いるための薬剤の製造における、ZD6474またはその薬学的に許容しうる塩および抗アンドロゲン物質の使用を提供する。
【0035】
本発明のもう一つの側面により、ヒトなどの温血動物の前立腺細胞の癌細胞へのトランスフォーメーションを阻害するのに用いるための薬剤の製造における、ZD6474またはその薬学的に許容しうる塩および抗アンドロゲン物質の使用を提供する。
【0036】
本発明のもう一つの側面により、アンドロゲン物質除去で処置されているヒトなどの温血動物での抗血管新生作用および/または血管透過性減少作用の生成に用いるための薬剤の製造における、ZD6474またはその薬学的に許容しうる塩の使用を提供する。
【0037】
本発明のもう一つの側面により、アンドロゲン物質除去で処置されているヒトなどの温血動物での抗癌作用の生成に用いるための薬剤の製造における、ZD6474またはその薬学的に許容しうる塩の使用を提供する。
【0038】
とりわけ、癌は、前立腺癌である。
本発明のもう一つの側面により、アンドロゲン物質除去で処置されているヒトなどの温血動物での抗腫瘍作用の生成に用いるための薬剤の製造における、ZD6474またはその薬学的に許容しうる塩の使用を提供する。
【0039】
とりわけ、腫瘍は、前立腺癌腫瘍である。
本発明のもう一つの側面により、アンドロゲン物質除去で処置されているヒトなどの温血動物の前立腺の癌細胞の、ホルモン依存性状態からホルモン非依存性状態へのトランスフォーメーションを阻害するのに用いるための薬剤の製造における、ZD6474またはその薬学的に許容しうる塩の使用を提供する。
【0040】
本発明のもう一つの側面により、アンドロゲン物質除去で処置されているヒトなどの温血動物の前立腺細胞の癌細胞へのトランスフォーメーションを阻害するのに用いるための薬剤の製造における、ZD6474またはその薬学的に許容しうる塩の使用を提供する。
【0041】
本発明のもう一つの側面により、治療的組合せ処置であって、このような治療的処置を必要としているヒトなどの温血動物への、薬学的に許容しうる賦形剤または担体と一緒であってよい有効量のZD6474またはその薬学的に許容しうる塩の投与と、有効量の抗アンドロゲン物質の同時の、逐次的なまたは別々の投与とを含み、ここにおいて、抗アンドロゲン物質は、薬学的に許容しうる賦形剤または担体と一緒に投与されてもよい治療的組合せ処置を提供する。
【0042】
このような治療的処置には、抗血管新生作用および/または血管透過作用、抗癌作用および抗腫瘍作用が含まれる。
このような治療的処置には、更に、前立腺の癌細胞の、ホルモン依存性状態からホルモン非依存性状態へのトランスフォーメーションの阻害;および前立腺細胞の癌細胞へのトランスフォーメーションの阻害が含まれる。
【0043】
本明細書中に定義の本発明の組合せ処置は、その処置の個々の成分の同時の、逐次的なまたは別々の投与によって達成することができる。本明細書中に定義の組合せ処置は、単独療法として適用されてよいし、または本発明の組合せ処置に加えて、追加の外科手術または放射線療法、または追加の化学療法薬を伴ってよい。
【0044】
外科手術は、部分的なまたは完全な腫瘍切除の工程を、本明細書中に記載のZD6474での組合せ処置の投与前、中または後に含むことができる。
本発明の組合せ処置での任意の使用のための他の化学療法薬には、本明細書中に援用されるWO01/32651号に記載のものが含まれる。このような化学療法は、5種類の主な治療薬:
(i)血管標的指向薬(vascular targeting agents)を含めた他の抗血管新生薬;
(ii)細胞分裂抑制薬;
(iii)生物学的応答調節剤(例えば、インターフェロン);
(iv)抗体(例えば、エドレコロマブ(edrecolomab));および
(v)医学腫瘍学で用いられるような抗増殖薬/抗腫瘍薬およびそれらの組合せにわたっていてよく;そして他の種類の薬剤は、
(vi)アンチセンス療法;
(vii)遺伝子治療アプローチ;および
(ix)免疫療法アプローチである。
本発明の組合せ処置で用いるための化学療法薬の具体例は、シクロホスファミド、ラルチトレキセド(raltitrexed)、エトポシド、ビンクリスチン、ビノレルビン(vinorelbine)、パクリタキセル、ドセタキセル(docetaxel)、シスプラチン、オキサリプラチン(oxaliplatin)、カルボプラチン、ジェムシタビン(gemcitabine)、イリノテカン(irinotecan)(CPT−11)および5−フルオロウラシル(5−FU)であり;このような組合せは、前立腺癌の処置に特に有用であると考えられる。
【0045】
ZD6474、アンドロゲン物質除去および電離放射線の三重組合せの投与は、単独で用いられるZD6474、アンドロゲン物質除去および電離放射線のいずれかで達せられる作用よりも大きい;ZD6474およびアンドロゲン物質除去の組合せで達せられる作用よりも大きい;ZD6474および電離放射線の組合せで達せられる作用よりも大きい;アンドロゲン物質除去および電離放射線の組合せで達せられる作用よりも大きい、抗腫瘍作用などの作用を生じることができる。
【0046】
本発明により、ヒトなどの温血動物での抗血管新生作用および/または血管透過性減少作用の生成方法であって、その動物に、有効量のZD6474またはその薬学的に許容しうる塩を、有効量のアンドロゲン物質除去の前に、当該物質除去の後に、または当該物質除去と同時に、そして有効量の電離放射線の前に、当該放射線の後にまたは当該放射線と同時に投与することを含む方法を提供する。
【0047】
本発明のもう一つの側面により、ヒトなどの温血動物の癌の処置方法であって、その動物に、有効量のZD6474またはその薬学的に許容しうる塩を、有効量のアンドロゲン物質除去の前に、当該物質除去の後に、または当該物質除去と同時に、そして有効量の電離放射線の前に、当該放射線の後にまたは当該放射線と同時に投与することを含む方法を提供する。
【0048】
とりわけ、癌は、前立腺癌である。
本発明のもう一つの側面により、ヒトなどの温血動物の充実性腫瘍を包含する癌の処置方法であって、その動物に、有効量のZD6474またはその薬学的に許容しうる塩を、有効量のアンドロゲン物質除去の前に、当該物質除去の後に、または当該物質除去と同時に、そして有効量の電離放射線の前に、当該放射線の後にまたは当該放射線と同時に投与することを含む方法を提供する。
【0049】
具体的には、充実性腫瘍を包含する癌は、前立腺癌である。
本発明のもう一つの側面により、ヒトなどの温血動物の前立腺の癌細胞の、ホルモン依存性状態からホルモン非依存性状態へのトランスフォーメーションを阻害する方法であって、その動物に、有効量のZD6474またはその薬学的に許容しうる塩を、有効量のアンドロゲン物質除去の前に、当該物質除去の後に、または当該物質除去と同時に、そして有効量の電離放射線の前に、当該放射線の後にまたは当該放射線と同時に投与することを含む方法を提供する。
【0050】
本発明のもう一つの側面により、ヒトなどの温血動物の前立腺細胞の癌細胞へのトランスフォーメーションを阻害する方法であって、その動物に、有効量のZD6474またはその薬学的に許容しうる塩を、有効量のアンドロゲン物質除去の前に、当該物質除去の後に、または当該物質除去と同時に、そして有効量の電離放射線の前に、当該放射線の後にまたは当該放射線と同時に投与することを含む方法を提供する。
【0051】
本発明のもう一つの側面により、ヒトなどの温血動物での抗血管新生作用および/または血管透過性減少作用の生成方法であって、その動物に、有効量のZD6474またはその薬学的に許容しうる塩を、有効量の抗アンドロゲン物質の前に、後にまたはと同時に、そして有効量の電離放射線の前に、当該放射線の後にまたは当該放射線と同時に投与することを含み、ここにおいて、ZD6474および抗アンドロゲン物質は各々、薬学的に許容しうる賦形剤または担体と一緒に投与されてもよい方法を提供する。
【0052】
本発明のもう一つの側面により、ヒトなどの温血動物の癌の処置方法であって、その動物に、有効量のZD6474またはその薬学的に許容しうる塩を、有効量の抗アンドロゲン物質の前に、後にまたはと同時に、そして有効量の電離放射線の前に、当該放射線の後にまたは当該放射線と同時に投与することを含み、ここにおいて、ZD6474および抗アンドロゲン物質は各々、薬学的に許容しうる賦形剤または担体と一緒に投与されてもよい方法を提供する。
【0053】
本発明のもう一つの側面により、ヒトなどの温血動物の充実性腫瘍を包含する癌の処置方法であって、その動物に、有効量のZD6474またはその薬学的に許容しうる塩を、有効量の抗アンドロゲン物質の前に、後にまたはと同時に、そして有効量の電離放射線の前に、当該放射線の後にまたは当該放射線と同時に投与することを含み、ここにおいて、ZD6474および抗アンドロゲン物質は各々、薬学的に許容しうる賦形剤または担体と一緒に投与されてもよい方法を提供する。
【0054】
本発明のもう一つの側面により、ヒトなどの温血動物の前立腺の癌細胞の、ホルモン依存性状態からホルモン非依存性状態へのトランスフォーメーションを阻害する方法であって、その動物に、有効量のZD6474またはその薬学的に許容しうる塩を、有効量の抗アンドロゲン物質の前に、後にまたはと同時に、そして有効量の電離放射線の前に、当該放射線の後にまたは当該放射線と同時に投与することを含み、ここにおいて、ZD6474および抗アンドロゲン物質は各々、薬学的に許容しうる賦形剤または担体と一緒に投与されてもよい方法を提供する。
【0055】
本発明のもう一つの側面により、ヒトなどの温血動物の前立腺細胞の癌細胞へのトランスフォーメーションを阻害する方法であって、その動物に、有効量のZD6474またはその薬学的に許容しうる塩を、有効量の抗アンドロゲン物質の前に、後にまたはと同時に、そして有効量の電離放射線の前に、当該放射線の後にまたは当該放射線と同時に投与することを含み、ここにおいて、ZD6474および抗アンドロゲン物質は各々、薬学的に許容しうる賦形剤または担体と一緒に投与されてもよい方法を提供する。
【0056】
本発明のもう一つの側面により、電離放射線で処置されているヒトなどの温血動物での抗血管新生作用および/または血管透過性減少作用の生成に用いるための薬剤の製造における、ZD6474またはその薬学的に許容しうる塩および抗アンドロゲン物質の使用を提供する。
【0057】
本発明のもう一つの側面により、電離放射線で処置されているヒトなどの温血動物での抗癌作用の生成に用いるための薬剤の製造における、ZD6474またはその薬学的に許容しうる塩および抗アンドロゲン物質の使用を提供する。
【0058】
とりわけ、癌は、前立腺癌である。
本発明のもう一つの側面により、電離放射線で処置されているヒトなどの温血動物での抗腫瘍作用の生成に用いるための薬剤の製造における、ZD6474またはその薬学的に許容しうる塩および抗アンドロゲン物質の使用を提供する。
【0059】
とりわけ、腫瘍は、前立腺癌腫瘍である。
本発明のもう一つの側面により、電離放射線で処置されているヒトなどの温血動物の前立腺の癌細胞の、ホルモン依存性状態からホルモン非依存性状態へのトランスフォーメーションを阻害するのに用いるための薬剤の製造における、ZD6474またはその薬学的に許容しうる塩および抗アンドロゲン物質の使用を提供する。
【0060】
本発明のもう一つの側面により、電離放射線で処置されているヒトなどの温血動物の前立腺細胞の癌細胞へのトランスフォーメーションを阻害するのに用いるための薬剤の製造における、ZD6474またはその薬学的に許容しうる塩および抗アンドロゲン物質の使用を提供する。
【0061】
本発明のもう一つの側面により、アンドロゲン物質除去で処置されている且つ電離放射線で処置されているヒトなどの温血動物での抗血管新生作用および/または血管透過性減少作用の生成に用いるための薬剤の製造における、ZD6474またはその薬学的に許容しうる塩の使用を提供する。
【0062】
本発明のもう一つの側面により、アンドロゲン物質除去で処置されている且つ電離放射線で処置されているヒトなどの温血動物での抗癌作用の生成に用いるための薬剤の製造における、ZD6474またはその薬学的に許容しうる塩の使用を提供する。
【0063】
とりわけ、癌は、前立腺癌である。
本発明のもう一つの側面により、アンドロゲン物質除去で処置されている且つ電離放射線で処置されているヒトなどの温血動物での抗腫瘍作用の生成に用いるための薬剤の製造における、ZD6474またはその薬学的に許容しうる塩の使用を提供する。
【0064】
とりわけ、腫瘍は、前立腺癌腫瘍である。
本発明のもう一つの側面により、アンドロゲン物質除去で処置されている且つ電離放射線で処置されているヒトなどの温血動物の前立腺の癌細胞の、ホルモン依存性状態からホルモン非依存性状態へのトランスフォーメーションを阻害するのに用いるための薬剤の製造における、ZD6474またはその薬学的に許容しうる塩の使用を提供する。
【0065】
本発明のもう一つの側面により、アンドロゲン物質除去で処置されている且つ電離放射線で処置されているヒトなどの温血動物の前立腺細胞の癌細胞へのトランスフォーメーションを阻害するのに用いるための薬剤の製造における、ZD6474またはその薬学的に許容しうる塩の使用を提供する。
【0066】
本発明のもう一つの側面により、治療的組合せ処置であって、このような治療的処置を必要としているヒトなどの温血動物への、薬学的に許容しうる賦形剤または担体と一緒であってよい有効量のZD6474またはその薬学的に許容しうる塩の投与と、薬学的に許容しうる賦形剤または担体と一緒であってよい有効量の抗アンドロゲン物質の投与と、有効量の電離放射線の投与とを含み、ここにおいて、ZD6474、抗アンドロゲン物質および電離放射線は、同時に、逐次的にまたは別々に、いずれの順序でも投与されてよい治療的組合せ処置を提供する。
【0067】
電離放射線で処置されているヒトなどの温血動物とは、ZD6474およびアンドロゲン物質除去を含む薬剤または組合せ処置の投与前に、後にまたはと同時に、電離放射線で処置されているヒトなどの温血動物を意味する。例えば、この電離放射線は、ヒトなどのその温血動物に、ZD6474およびアンドロゲン物質除去を含む薬剤または組合せ処置の投与の1週間前〜1週間後の期間内に与えられてよい。これは、ZD6474、アンドロゲン物質除去および電離放射線が、別々にまたは逐次的に、いずれの順序でも投与されてよいし、または同時に投与されてよいということを意味する。その温血動物は、ZD6474、アンドロゲン物質除去および放射線各々の作用を同時に経験してよい。
【0068】
本発明の一つの側面により、電離放射線は、ZD6474およびアンドロゲン物質除去の一方の前に、またはZD6474およびアンドロゲン物質除去の一方の後に投与する。
本発明の一つの側面により、電離放射線は、ZD6474およびアンドロゲン物質除去双方の前に、またはZD6474およびアンドロゲン物質除去双方の後に投与する。
【0069】
本発明の一つの側面により、ZD6474は、温血動物に、その動物が電離放射線で処置された後に投与する。
本発明の別の側面により、本発明の処置方法の作用は、単独で用いられるその処置の成分各々の、すなわち、単独で用いられるZD6474およびアンドロゲン物質除去各々の、または単独で用いられるZD6474、アンドロゲン物質除去および電離放射線各々の作用の相加と少なくとも同等であると考えられる。
【0070】
本発明の別の側面により、本発明の処置方法の作用は、単独で用いられるその処置の成分各々の、すなわち、単独で用いられるZD6474およびアンドロゲン物質除去各々の、または単独で用いられるZD6474、アンドロゲン物質除去および電離放射線各々の作用の相加より大であると考えられる。
【0071】
本発明の別の側面により、本発明の処置方法の作用は、共力作用であると考えられる。
本発明により、組合せ処置は、その作用が、例えば、応答の程度、応答速度、疾患進行への時間または生存期間によって測定したところ、組合せ処置の成分の一つまたはその他をその慣用的な用量で投与時に達成しうる作用よりも治療的に優れている場合、共力作用を与えると定義される。例えば、組合せ処置の作用は、その作用が、ZD6474またはアンドロゲン物質除去または電離放射線単独で達成しうる作用よりも治療的に優れている場合、共力的である。更に、組合せ処置の作用は、ZD6474またはアンドロゲン物質除去または電離放射線単独に応答しない(または不十分にしか応答しない)患者群において有益な作用が得られる場合、共力的である。更に、組合せ処置の作用は、それら成分の内の一つを、その慣用的な用量で投与し且つ他の一つまたは複数の成分を低用量で投与し、そして例えば、応答の程度、応答速度、疾患進行への時間または生存期間によって測定されるような治療的作用が、組合せ処置の成分の慣用的な量を投与時に達成しうる作用と同等である場合、共力作用を与えると定義される。具体的には、ZD6474またはアンドロゲン物質除去または電離放射線の慣用的な用量を、応答の程度、応答速度、疾患進行への時間および生存データの内の一つまたはそれを超えるものへの不利益を伴うことなく、具体的には、各々の成分の慣用的な用量が用いられた時に生じる副作用より少ないおよび/または厄介でない副作用を伴う以外は、応答持続期間への不利益を伴うことなく減少させることができる場合、共力作用が存在すると考えられる。
【0072】
上述のように、本明細書中に定義の本発明の組合せ処置は、それらの抗血管新生作用および/または血管透過性作用について興味深い。血管新生および/または血管透過性増加は、癌(白血病、多発性骨髄腫およびリンパ腫を含めた)、糖尿病、乾癬、関節リウマチ、カポージ肉腫、血管腫、急性および慢性の腎症、アテローム、動脈再狭窄、自己免疫疾患、急性炎症、リンパ浮腫、子宮内膜症、不正子宮出血、および加齢性横斑変性を含めた網膜血管増殖を伴う眼疾患を含めた広範囲の疾患状態に存在する。本発明の組合せ処置は、前立腺癌の予防および処置に特に有用であると考えられる。本発明の組合せ処置は、更に、良性前立腺肥大/良性前立腺増殖症(BPH)のような前立腺の良性疾患の予防および処置に特に有用であると考えられる。
【0073】
本明細書中に記載の組成物は、経口投与に適する形で、例えば、錠剤またはカプセル剤として、鼻腔投与または吸入による投与用に、例えば、散剤または液剤として、非経口注射用に(静脈内、皮下、筋肉内、脈管内または注入を含めた)、例えば、滅菌液剤、懸濁剤または乳剤として、局所投与用に、例えば、軟膏剤またはクリーム剤として、直腸投与用に、例えば、坐剤としてあってよいし、または投与経路は、腫瘍中への直接注射、または限局デリバリー若しくは局所デリバリーによってよい。本発明の他の態様において、組合せ処置のZD6474は、内視鏡的に、気管内に、病巣内に、経皮で、静脈内に、皮下に、腹腔内にまたは腫瘍内に送達することができる。好ましくは、ZD6474は経口投与される。概して、本明細書中に記載の組成物は、慣用的な賦形剤を用いて慣用法で製造することができる。本発明の組成物は、好都合には、単位剤形で与えられる。
【0074】
ZD6474は、通常は、温血動物に、その動物の体表面積1平方メートルにつき10〜500mgの範囲内、例えば、ヒトの場合、約0.3〜15mg/kgの単位用量で投与されるであろう。例えば、約0.3〜15mg/kg、好ましくは、0.5〜5mg/kgの範囲内の単位用量が考えられるが、通常は、これが治療的有効量である。錠剤またはカプセル剤などの単位剤形は、通常は、例えば、25〜500mgの活性成分を含有するであろう。好ましくは、0.5〜5mg/kgの範囲内の1日用量を用いる。
【0075】
抗アンドロゲン物質は、既知の投与経路および投与量にしたがって投与することができる。例えば、ビカルタミドは、単回1日経口用量として150mg/日で投与することができる。例えば、ゴセレリンは、皮下注射によって、28日ごとに3.6mgかまたは12週ごとに10.8mg投与することができる。
【0076】
投与量およびスケジュールは、特定の疾患状態および患者の全身状態によって異なることがありうる。投与量およびスケジュールは、更に、本発明の組合せ処置に加えて、一つまたはそれを超える追加の化学療法薬を用いる場合、異なることがありうる。スケジュール作成は、いずれか特定の患者を処置している医療の実務者が決定することができる。
【0077】
放射線療法は、臨床的放射線療法における既知の慣例にしたがって投与することができる。電離放射線の投与量は、臨床的放射線療法での使用について知られている投与量であろう。用いられる放射線療法には、例えば、γ線、X線の使用および/または放射性同位体からの放射線の指向送達(directed delivery)が含まれるであろう。マイクロ波およびUV照射のような他の形のDNA損傷性因子も、本発明に包含される。例えば、X線は、1.8〜2.0Gyの1日線量で、週に5日、5〜6週間投与することができる。通常は、全分割線量は、45〜60Gyの範囲内であろう。より大きい単回線量、例えば、5〜10Gyは、放射線療法過程の一部分として投与することができる。単回線量は、術中投与することができる。高分割放射線療法を用いることができ、それによって、少ない線量のX線が、一定時間にわたって定期的に、例えば、0.1Gy/時で何日間にもわたって投与される。放射性同位体の線量範囲は、広く異なるが、その同位体の半減期、放射される放射線の強さおよびタイプ、および細胞による吸収量に依存する。
【0078】
上述のように、特定の疾患状態の治療的または予防的処置に必要とされる各々の療法の用量サイズは、必然的に、処置される宿主、投与経路および処置されている疾患の重症度に依存して異なるであろう。したがって、最適投与量は、いずれか特定の患者を処置している医療の実務者が決定してよい。例えば、組合せ処置の成分の上述の用量を、毒性を減少させるために減少させることは、必要でありうるしまたは望ましいことがありうる。
【0079】
本発明は、アンドロゲン物質除去とZD6474またはZD6474の塩との組合せに関する。
医薬組成物中で用いるためのZD6474の塩は、薬学的に許容しうる塩であろうが、他の塩は、ZD6474およびその薬学的に許容しうる塩の製造に有用でありうる。このような塩は、薬学的に許容しうる陽イオンを与える無機塩基または有機塩基で形成されてよい。無機塩基または有機塩基とのこのような塩には、例えば、ナトリウム塩またはカリウム塩のようなアルカリ金属塩;カルシウム塩またはマグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩;または例えば、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ピペリジン、モルホリンまたはトリス−(2−ヒドロキシエチル)アミンとの塩が含まれる。
【0080】
ZD6474は、ZD6474を製造する既知の方法のいずれかにしたがって合成することができる。例えば、ZD6474は、WO01/32651号に記載の方法;例えば、WO01/32651号の実施例2(a)、2(b)および2(c)に記載の方法のいずれかにしたがって製造することができる。
【0081】
抗アンドロゲン物質は、商業的に入手可能である。
好ましい抗アンドロゲン物質は、ビカルタミドである。
好ましい抗アンドロゲン物質は、ゴセレリンである。
【0082】
次の試験は、アンドロゲン物質除去との組合せでのZD6474の活性を示すのに用いることができる。
LNCaPヒト前立腺癌異種移植片モデル
6〜8週令の Swiss ヌードマウスの前方側腹部に、100μlの Matrigel を追加した0.1mlの血清不含培地中に懸濁させた5x10個の腫瘍細胞を1回注射した。腫瘍が定着したら、マウスを無作為に分けて、対照群と処置群とにした。ZD6474を、脱イオン水中の1%(v/v)ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレアート溶液中に懸濁させ、そして毎日の経口強制飼養により、0.1ml/10g体重で投与した。
【0083】
腫瘍成長へのZD6474の影響を、腫瘍を保持している正常マウスおよび去勢マウス双方において、適当な対照群に対して50mg/kg/日の用量で調べた。
マウスを週2回調べ、そして腫瘍をカリパスで、最大の2か所の直径を交差して測定した。安楽死の時点で、解剖により、腫瘍を隣接した臓器および構造から離して摘出し、化学天秤で秤量した。組織学的分析のために、組織試料を、10%中性緩衝化ホルマリン中で固定し、そして標準法を用いたパラフィン包埋および染色用の等級のエタノールおよびキシレンによって処理した。壊死パーセントの計算のために、40日目に採取された腫瘍から、一つの腫瘍につき5か所の無作為の視野を低倍率(10x)で調べた。各々の視野中の一つまたは複数の壊死面積を、ImagePro コンピューター処理画像分析パッケージ(Media Cybernetics)において利用可能な手段を用いて電子的に境界を画定して、一定面積を生じた。ヒト作業者は、全ての分析事項について、壊死面積のこの識別および囲い込みを行った。その断面の全面積を分母として用いて、各々の視野について壊死百分率を評価した。実験全体の腫瘍群の平均を得るために、各々の視野の壊死パーセントを、その群における全腫瘍数にわたって平均した。
【0084】
反復測定モデルを、in vivo 腫瘍体積の分析に用いた。AR−1および無作為係数モデルを含めたいくつかの共分散構造を用いたが、全て、類似の結論を生じた。本明細書中に報告された分析は、共分散行列のロバスト推定値を含む無作為係数モデルに基づいている。処置群間の具体的な比較は、対比に基づくF検定を用いて行った。統計的分析は、SAS PROC MIXEDで行ったが;それらプロットは、GAUSS 5.0で作成した。誤差バーは、平均による一つの標準誤差を示す。処置開始から、腫瘍体積がカットオフ値(>300mmの腫瘍体積)を超える時点までの時間を、Kaplan-Meier 曲線で推定し、そして処置群にわたって対数順位検定で比較した。腫瘍体積カットオフは、被験動物へのかなりの窮迫を伴ったと考えられる生存終点を用いるのを免れるために、そして全ての群にわたって腫瘍成長データを比較するのに適当であった閾値を用いるために用いられた。
【0085】
用いられた用量において、50mg/kg/日のZD6474に関連した in vivo のLNCaP異種移植片成長への作用は、VEGF受容体シグナリングへの作用に関係していると考えられる。
【0086】
異種移植片は、処置前に134mmの平均体積(4〜616mmの範囲)に達した。処置開始時において、それら群の間の腫瘍体積には有意差がなかった。ZD6474処置から38日後、腫瘍体積の有意差は、ZD6474群と、精巣摘除群(P<0.001)および対照群(P<0.001)との間に認められた(図1A)。同様に、有意差は、組合せ療法群と、精巣摘除群(P<0.001)および対照群(P<0.001)との間に認められた。
【0087】
統計的有意差(P<0.05)は、ZD6474処置群と精巣摘除群との間で、処置後13〜38日目の間に判明した。この結果は、ZD6474が、腫瘍静止状態を維持すると同時に、アンドロゲン物質除去を施されたマウスの腫瘍が、アンドロゲン不応性になるということを示唆するかもしれない。
【0088】
ZD6474単独で40日間処置された後、化合物離脱を追跡して監視された被験動物の場合、腫瘍成長は、数日(約15日)の遅延後、再開した(図2A)。その遅延は、Kaplan Meier 分析からも明らかである(図2B)。ZD6474の長期投与は、有意の腫瘍壊死を引き起こすことがありうるので、腫瘍再成長の遅延は、一部分は、組織から化合物を除去するのに必要な時間および/または生存可能な腫瘍組織のカリパス測定による過剰推定値のためでありうる。未処置腫瘍および予めZD6474で処置された腫瘍の腫瘍成長速度についての慎重な検討は、約15日の遅延を考慮した場合、それら二つの間に有意差がなかったことを示唆した(図2C)。
【0089】
ZD6474除去を、精巣摘除されたマウスで調べた場合、アンドロゲン物質除去と一定期間のZD6474処置との組合せは、最大正味の治療的作用を生じることが判明した(図2A)。腫瘍成長の証拠は、ZD6474離脱当日に測定された腫瘍体積に相対して、化合物除去後40〜58日目に明らかになったにすぎなかった。そのデータは、アンドロゲン物質除去の細胞分裂抑制作用が、双方の様式で処置された被験動物において、ZD6474投薬中止後でさえも維持されるということを示唆している。
【0090】
免疫組織学によって処置結果を調べるために、本発明者は、処置開始後40日目に、各々の実験群からの5種類の腫瘍を評価した。50mg/kg/日のZD6474(1日1回、p.o.)で処置されたマウス、または精巣摘除術を施されたマウスからの腫瘍異種移植片は、ビヒクル処置された対照と比較した場合、より高い壊死百分率を有することが判明した(31±7%に対して、それぞれ、48±5%および51.1±5%,P=0.047)(図3)。精巣摘除術とZD6474との組合せで処置された被験動物は、どちらかの単一療法群で認められるよりも多く壊死を含む腫瘍を有した(51±5%に対して73±6%,P=0.01)。
【0091】
ZD6474処置を離脱した場合、腫瘍再成長の最大阻害は、アンドロゲン物質除去された被験動物において認められた。増加した腫瘍壊死は、これら二つのアプローチの組合せで処置されたマウスにおいても認められた。
【0092】
類似の実験を用いて、ZD6474と抗アンドロゲン物質との組合せ;およびZD6474およびアンドロゲン物質除去と電離放射線との組合せを調べることができる。
そのデータを、図1、図2および図3にグラフで示す。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】図1:LNCaP腫瘍異種移植片の成長へのビヒクル(対照)、ZD6474(50mg/kg/日)、精巣摘除術、またはZD6474(50mg/kg/日)と精巣摘除術の作用。異種移植片を、ヌードマウスの皮下に定着させ、そして処置前に134mmの平均(全ての処置群組合せ)体積(4〜616mmの範囲)に達しさせた。次に、ZD6474またはビヒクルの1日1回経口投与を開始し、実験期間の間続けた。データポイントは、対照群の9匹、精巣摘除群の12匹、ZD6474群の15匹、および組合せ療法群の12匹のマウスからの平均であり、SEは、一方向に示される。去勢は、ZD6474の開始と同時に行った。データは、各々の被験動物中の最後の予備処置腫瘍体積を引いた後の腫瘍サイズ(mm)である。A、中央初期腫瘍体積(134mm)における群間の推定腫瘍成長。B、第九十100分位数腫瘍体積(339mm)における群間の推定腫瘍成長。C、第二十五100分位数腫瘍体積(30.4mm)における群間の推定腫瘍成長。
【図2】図2:LNCaP腫瘍異種移植片の成長へのZD6474(50mg/kg/日)投薬中止の作用。40日目に、ZD6474での長期処置を中止し、腫瘍監視を続けた。A、データポイント(±SE)は、16匹の正常マウスと、ZD6474を与えられる前に精巣摘除された6匹のマウスからの平均である。データは、腫瘍サイズ(mm)の変化を示している。それら群は、統計的に異なった(P<0.001,F検定)。誤差バーは、その平均の一つの標準誤差を示す。B、腫瘍体積が300mmに達するまでの時間の Kaplan-Meier 推定値。処置開始前に腫瘍が300mmに達した被験動物は、除外した。腫瘍体積が300mm未満であった、安楽死させた被験動物は、最後の追跡時に検閲した。C、対照マウスと、ZD6474で予め処置された(すなわち、投薬中止後の)マウスの腫瘍の比較成長プロット(対照群については0〜35日、そしてZD6474群については41〜76日)。データは、対照群の9匹およびZD6474群の13匹の被験動物からの平均である。
【図3】図3:40日間処置された5種類のLNCaP腫瘍異種移植片の組織学的分析。A、ヘマトキシリンおよびエオシンの組織切片(10x対物)を、無作為に、(i)対照(ビヒクル処置);(ii)精巣摘除術;(iii)ZD6474(50mg/kg/日)処置;(iv)精巣摘除術+ZD6474(50mg/kg/日)処置から得た。全ての腫瘍を、40日目に採取した。全腫瘍壊死百分率の有意の増加は、ZD6474(50mg/kg/日、1日1回、p.o.)+精巣摘除群において、どちらかの処置単独を与えられたマウスからの腫瘍と比較して注目された。B、Aに記載の腫瘍の形態計測画像分析によって決定される腫瘍壊死百分率。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトなどの温血動物での抗血管新生作用および/または血管透過性減少作用の生成に用いるための薬剤の製造における、ZD6474またはその薬学的に許容しうる塩および抗アンドロゲン物質の使用。
【請求項2】
ヒトなどの温血動物での抗癌作用の生成に用いるための薬剤の製造における、ZD6474またはその薬学的に許容しうる塩および抗アンドロゲン物質の使用。
【請求項3】
ヒトなどの温血動物での抗腫瘍作用の生成に用いるための薬剤の製造における、ZD6474またはその薬学的に許容しうる塩および抗アンドロゲン物質の使用。
【請求項4】
ヒトなどの温血動物の前立腺の癌細胞の、ホルモン依存性状態からホルモン非依存性状態へのトランスフォーメーションを阻害するのに用いるための薬剤の製造における、ZD6474またはその薬学的に許容しうる塩および抗アンドロゲン物質の使用。
【請求項5】
ヒトなどの温血動物の前立腺細胞の癌細胞へのトランスフォーメーションを阻害するのに用いるための薬剤の製造における、ZD6474またはその薬学的に許容しうる塩および抗アンドロゲン物質の使用。
【請求項6】
アンドロゲン物質除去(androgen ablation)で処置されているヒトなどの温血動物での抗血管新生作用および/または血管透過性減少作用の生成に用いるための薬剤の製造における、ZD6474またはその薬学的に許容しうる塩の使用。
【請求項7】
アンドロゲン物質除去で処置されているヒトなどの温血動物での抗癌作用の生成に用いるための薬剤の製造における、ZD6474またはその薬学的に許容しうる塩の使用。
【請求項8】
アンドロゲン物質除去で処置されているヒトなどの温血動物での抗腫瘍作用の生成に用いるための薬剤の製造における、ZD6474またはその薬学的に許容しうる塩の使用。
【請求項9】
アンドロゲン物質除去で処置されているヒトなどの温血動物の前立腺の癌細胞の、ホルモン依存性状態からホルモン非依存性状態へのトランスフォーメーションを阻害するのに用いるための薬剤の製造における、ZD6474またはその薬学的に許容しうる塩の使用。
【請求項10】
アンドロゲン物質除去で処置されているヒトなどの温血動物の前立腺細胞の癌細胞へのトランスフォーメーションを阻害するのに用いるための薬剤の製造における、ZD6474またはその薬学的に許容しうる塩の使用。
【請求項11】
医薬組成物であって、ZD6474またはその薬学的に許容しうる塩および抗アンドロゲン物質を、薬学的に許容しうる賦形剤または担体と一緒に含む医薬組成物。
【請求項12】
ZD6474またはその薬学的に許容しうる塩および抗アンドロゲン物質を含むキット。
【請求項13】
電離放射線で処置されているヒトなどの温血動物での抗血管新生作用および/または血管透過性減少作用の生成に用いるための薬剤の製造における、ZD6474またはその薬学的に許容しうる塩および抗アンドロゲン物質の使用。
【請求項14】
電離放射線で処置されているヒトなどの温血動物での抗癌作用の生成に用いるための薬剤の製造における、ZD6474またはその薬学的に許容しうる塩および抗アンドロゲン物質の使用。
【請求項15】
電離放射線で処置されているヒトなどの温血動物での抗腫瘍作用の生成に用いるための薬剤の製造における、ZD6474またはその薬学的に許容しうる塩および抗アンドロゲン物質の使用。
【請求項16】
電離放射線で処置されているヒトなどの温血動物の前立腺の癌細胞の、ホルモン依存性状態からホルモン非依存性状態へのトランスフォーメーションを阻害するのに用いるための薬剤の製造における、ZD6474またはその薬学的に許容しうる塩および抗アンドロゲン物質の使用。
【請求項17】
電離放射線で処置されているヒトなどの温血動物の前立腺細胞の癌細胞へのトランスフォーメーションを阻害するのに用いるための薬剤の製造における、ZD6474またはその薬学的に許容しうる塩および抗アンドロゲン物質の使用。
【請求項18】
アンドロゲン物質除去で処置されている且つ電離放射線で処置されているヒトなどの温血動物での抗血管新生作用および/または血管透過性減少作用の生成に用いるための薬剤の製造における、ZD6474またはその薬学的に許容しうる塩の使用。
【請求項19】
アンドロゲン物質除去で処置されている且つ電離放射線で処置されているヒトなどの温血動物での抗癌作用の生成に用いるための薬剤の製造における、ZD6474またはその薬学的に許容しうる塩の使用。
【請求項20】
アンドロゲン物質除去で処置されている且つ電離放射線で処置されているヒトなどの温血動物での抗腫瘍作用の生成に用いるための薬剤の製造における、ZD6474またはその薬学的に許容しうる塩の使用。
【請求項21】
アンドロゲン物質除去で処置されている且つ電離放射線で処置されているヒトなどの温血動物の前立腺の癌細胞の、ホルモン依存性状態からホルモン非依存性状態へのトランスフォーメーションを阻害するのに用いるための薬剤の製造における、ZD6474またはその薬学的に許容しうる塩の使用。
【請求項22】
アンドロゲン物質除去で処置されている且つ電離放射線で処置されているヒトなどの温血動物の前立腺細胞の癌細胞へのトランスフォーメーションを阻害するのに用いるための薬剤の製造における、ZD6474またはその薬学的に許容しうる塩の使用。
【請求項23】
ヒトなどの温血動物での抗血管新生作用および/または血管透過性減少作用の生成方法であって、該動物に、有効量のZD6474またはその薬学的に許容しうる塩を、有効量のアンドロゲン物質除去の前に、当該物質除去の後に、または当該物質除去と同時に投与することを含む方法。
【請求項24】
ヒトなどの温血動物での抗血管新生作用および/または血管透過性減少作用の生成方法であって、該動物に、有効量のZD6474またはその薬学的に許容しうる塩を、有効量のアンドロゲン物質除去の前に、当該物質除去の後に、または当該物質除去と同時に、そして有効量の電離放射線の前に、当該放射線の後にまたは当該放射線と同時に投与することを含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2008−519019(P2008−519019A)
【公表日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−539629(P2007−539629)
【出願日】平成17年11月1日(2005.11.1)
【国際出願番号】PCT/GB2005/004220
【国際公開番号】WO2006/048633
【国際公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【出願人】(300022641)アストラゼネカ アクチボラグ (581)
【Fターム(参考)】