説明

組合せ鋼矢板によるコーナー部の壁体構造

【課題】断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板と断面略T字状の組み合わせ鋼矢板とを組み合わせたコーナー部の壁体構造を提供すること。
【解決手段】断面略U字状部を備えた鋼矢板2の溝側と反対側のフランジ7の外面に断面略H字状の形鋼6を固着した断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板1をコーナー部壁体8に接続させるために端部に備えた一方および他方の鋼矢板壁16,17と、コーナー部壁体8とを接続するコーナー部の壁体構造であって、前記コーナー部壁体8に、断面略U字状部を備えた鋼矢板2の溝側のフランジ外面に断面略H字状の形鋼6を固着した断面略T字状の組合せ矢板9が用いられ、前記一方および他方の鋼矢板壁16,17の断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板1A(1)、1B(1)の継ぎ手と、コーナー部壁体8における断面略T字状の組合せ矢板9の継ぎ手とが、嵌合されて接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、港湾岸壁施設、埋立護岸、都市内の盛土、地下掘削工事などの土留め壁などの壁体隅角部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
断面略U字型鋼矢板とH形状をした形鋼を略T字またはY字形状に固着し成形した組み合わせ鋼矢板は、古くから知られ利用されている。これらの鋼矢板は、通常の鋼矢板の断面性能では、設計上必要な断面性能を満足することができない場合があるので、H形形状の形鋼を鋼矢板に溶接などにより固着して、全体の断面形状をY字状あるいはT字状とした組み合わせ鋼矢板として、より大きな断面性能がえられる組み合わせ鋼矢板が知られている。
【0003】
例えば、図13に示すように、熱間圧延された略U字状の鋼矢板26における溝と反対側におけるフランジ外面に、断面略H字状の形鋼6を溶接により固着して、全体の断面形状が、断面略H字状の形鋼を溶接により固着して、断面略Y字状に固着し成形した組み合せ鋼矢板25が知られている。(例えば、特許文献1参照)
【0004】
前記のような組み合わせ鋼矢板25を土留め壁に用いる場合、あるいは図8に示すような組み合わせ鋼矢板1を土留め壁16,17に用いる場合、図3あるいは図4に示すように、組合せ鋼矢板1が大型断面になると、断面H字状の形鋼6を内側にする土留め壁法線変更角90°の隅角部等のコーナー部において、断面H字状の形鋼6の内側部分(例えばフランジ6b)が交錯し、直線部およびコーナー部を含めて同じ断面性能となるような施工ができなくなるため、隅角部の処理ができず、大規模の土留め構造には利用できないという問題があった。
例えば、有効幅900mm、有効高さ230mmの断面略U字状部を備えた鋼矢板2を使用した断面略Y字状の組合せ矢板1では、フランジ幅250mmのH形鋼の場合、高さが概ね500mm、フランジ幅200mmのH形鋼の場合、高さが概ね600mmまでしか適用ができなかった。前記断面略U字状部を備えた鋼矢板2と、フランジ幅200mm、高さ600mmのH形鋼6を使用した組合せ矢板1の断面係数は、土留め壁1m当たり5300cm程度であり、同様に断面略U字状部を備えた鋼矢板2とフランジ幅250mm、高さ900mmのH形鋼6を使用した組合せ矢板の断面係数は、土留め壁1m当たり11000cm程度であることから、隅角部の処理ができないため、本来、直線部と同じものをコーナー部に使用した場合に期待できる組合せ矢板が有する断面係数の半分程度の領域しか使用できず、コーナー部の断面性能が格段に低い壁体構造物になるという課題があった。
【特許文献1】特開2002―212943号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板と断面略T字状の組み合わせ鋼矢板とを組み合わせたコーナー部の壁体構造を提供することを目的とする。
また、本発明は、断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板と断面略T字状の組み合わせ鋼矢板とを組み合わせることにより、前記の課題を有利に解消することができるコーナー部の壁体構造を提供することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の課題を有利に解決するために、第1発明のコーナー部の壁体構造では、断面略U字状部を備えた鋼矢板の溝側と反対側のフランジ外面に断面略H字状の形鋼を固着した断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板をコーナー部壁体に接続させるために端部に備えた一方および他方の鋼矢板壁と、コーナー部壁体とを接続するコーナー部の壁体構造であって、前記コーナー部壁体に、断面略U字状部を備えた鋼矢板の溝側のフランジ外面に断面略H字状の形鋼を固着した断面略T字状の組合せ矢板が用いられ、前記一方および他方の鋼矢板壁の断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板の継ぎ手と、コーナー部壁体における断面略T字状の組合せ矢板の継ぎ手とが、嵌合されて接続されていることを特徴とする。
また、第2発明では、第1発明のコーナー部の壁体構造において、前記断面略U字状部を備えた鋼矢板は、フランジの両端部に外側に向かって広がるように傾斜したウェブが一体に連設され、各ウェブに前記フランジと平行にアーム部が一体に連設され、各アーム部の端部に、継ぎ手が一体に形成されている断面ハット形のハット形鋼矢板であることを特徴とする。
また、第3発明では、第1発明または第2発明のコーナー部の壁体構造において、前記断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板を構成する断面略U字状部を備えた鋼矢板および断面略H字状の形鋼と、前記断面略T字形状の組み合わせ鋼矢板を構成する断面略U字状部を備えた鋼矢板および断面略H字状の形鋼とは、それぞれ継手部を除き同じ断面形状の断面略U字状部を備えた鋼矢板および同じ断面形状の断面略H字状の形鋼が用いられていることを特徴とする。
また、第4発明では、第3発明のコーナー部の壁体構造において、断面略T字形状の組み合わせ鋼矢板における断面略H字状の形鋼に補強板が固定されていることを特徴する。
また、第5発明では、第3発明のコーナー部の壁体構造において、断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板におけるコーナー部側のアーム部先端側の中心軸線は、アーム部基端側の中心軸線に対して交差するように前記アーム部先端側は曲げ配置され、かつコーナー部に配置されて隣接する断面略T字状の組み合わせ鋼矢板におけるアーム部の中心軸線と一致するようにされていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によると、断面略U字状部を備えた鋼矢板と、断面略H字状部を備えた形鋼を全体とした断面略Y字状に固着し成形した組み合わせ鋼矢板において、コーナー部の壁体(隅角部壁)として、断面略U字状部を備えた鋼矢板と断面略H字状をした形鋼を略T字形状に固着し成形した組合せ矢板を使用したコーナー部壁体構造(隅各部構造)を提供することができる。
本発明によると、コーナー部壁体に接続する一方および他方の断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板を端部に備えた壁体と、コーナー部壁体との接続構造として、コーナー部壁体に断面略T字状の組み合わせ鋼矢板を用いたので、断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板をコーナー部に用いた場合に比べて、断面略T字状の組み合わせ鋼矢板における断面略U字状の鋼矢板のフランジを格段に壁体の外側よりに配置することができ、そのためこれに固定されている形鋼も格段に外側よりに位置をずらして配置することができる。そのため、断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板と、断面略T字状の組み合わせ鋼矢板とで、同様な大型断面の断面H字状の形鋼を使用しても、従来のように、形鋼の内側相互が干渉することなく、配置することができ、そのため、断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板による壁体部分と断面略T字状の組み合わせ鋼矢板との部分で、同様な断面性能の構造のコーナー部の壁体構造とすることができる。
そのため、隅角部等のコーナー部において、組合せ鋼矢板のH形状の形鋼が交錯し施工ができなくなるという従来の技術課題を解決でき、隅角部等のコーナー部の処理ができず適用できなかった大規模土留め構造への適用が可能になり、断面略U字状部を備えた鋼矢板と断面H形状をした形鋼とを断面Y字状に固着し成形した組合せ矢板の適用領域が大幅に拡大できる。
また、第2発明によると、断面U字状の鋼矢板として、市販の安価なハット形鋼矢板を利用して、断面略T字状の組み合わせ鋼矢板あるいは断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板を構成することができるため、安価なコーナー部の壁体構造とすることができる。
第3発明によると、断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板および断面略T字状の組み合わせ鋼矢板に、それぞれ継手部を除き同じ断面形状の断面略U字状部を備えた鋼矢板および同じ断面形状の断面略H字状の形鋼が用いられているので、部材の種類が少なくてすみ、部材の構成が簡単になる。
第4発明によると、断面略T字形状の組み合わせ鋼矢板における断面略H字状の形鋼に補強板が固定されているので、断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板と断面略T字状の組み合わせ鋼矢板との断面係数がことなる場合でも、断面略T字状の組み合わせ鋼矢板における形鋼に補強板を固定することにより、断面略T字状の組み合わせ鋼矢板の断面係数を容易に断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板の断面係数に近づけることができ、コーナー部壁体を構成する断面略T字状の組み合わせ鋼矢板と、これに接続する一方および他方の断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板との剛性を同等にすることができる。
第5発明によると、断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板におけるコーナー部側のアーム部先端側の中心軸線は、アーム部基端側の中心軸線に対して交差するように前記アーム部先端側は曲げ配置され、かつコーナー部に配置されて隣接する断面略T字状の組み合わせ鋼矢板におけるアーム部の中心軸線と一致するようにされているので、断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板におけるコーナー部側のアーム部先端側を曲げ配置するだけで、断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板による壁体に対して交差するように配置される断面略T字状の組み合わせ鋼矢板における継手と、断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板の継手との中心軸線が一致するように直線状に接続することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
次に、本発明を図示の実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0009】
先ず、図8を参照しながら、本発明において使用する断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板1の一形態について説明すると、この断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板1は、断面略U字状部を備えた鋼矢板2と、断面略H字状の形鋼6とを組み合わせたものである。
【0010】
前記の断面略U字状部を備えた鋼矢板2は、図示の形態では、ハット形鋼矢板2からなる断面略U字状部を備えた鋼矢板2である。このハット形鋼矢板2の特徴として、フランジ7の両端部に外側に向かって広がるように傾斜したウェブ5が一体に連設され、各ウェブ5に前記フランジ7と平行にアーム部3,4が一体に連設され、各アーム部3,4の端部に、継手14が一体に形成されている断面ハット形のハット形鋼矢板2であり、左右の各継手14は、アーム部3,4の中心軸線の中央点に対して、点対称形状の継手14とされ、隣り合うハット形鋼矢板2相互の継手14を嵌合した場合に、アーム中心軸線上にハット形鋼矢板2を配設することも可能にされている。なお、符号12aおよび12bは継手における溝、13は係止爪部、14は継手である。
【0011】
図8に示す形態の断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板1では、H形鋼からなる断面略H字状の形鋼6のフランジ6aが、断面略U字状部を備えた鋼矢板2におけるフランジ7と傾斜したウェブ5とにより形成される溝側と反対側のフランジ7外面に、部材長手方向に重合するように、H形鋼のフランジ6aが配置されてその側縁部が連続または断続した溶接Wにより固定された、断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板1としている。
【0012】
図8の変形形態として、図6には、断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板1を構成する断面略U字状部を備えた鋼矢板2における一方のアーム部4の先端側を、アーム部基端側に対して、45度、H形鋼6側に曲げ配置した異形継ぎ手アーム付き断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板1Aが示されている。また、図7には、断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板1を構成する一方のアーム部3先端側を、アーム部基端側に対して、45度、H形鋼6側に曲げ配置した異形継ぎ手アーム付き断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板1Bが示されている。
これらの異形継ぎ手アーム付き断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板1A,1Bは、コーナー部壁体8(図1参照)に接続される直線部等の壁体の端部に用いられる断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板1である。
前記のアーム部3,4先端側の曲げ配置角度としては、コーナー部壁体8(図1,2参照)の配置角度等により、適宜設定される。
前記のアーム部3,4先端側の曲げ配置する場合、熱間成形により折り曲げてもよく、アーム部先端側を矢板長手方向に切断して、曲げ配置した状態で突合せ溶接により接合するようにしてもよい。
【0013】
前記の断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板1は、例えば、ほぼ直線的な壁体にする場合に有利な組み合わせ鋼矢板であり、前記の異形継ぎ手アーム付き断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板1A,1Bは、壁体の法線方向を変更する場合に有利な組み合わせ鋼矢板である。
【0014】
図10は本発明において使用される断面略T字状の組み合わせ鋼矢板9の一実施形態を示すものであって、断面H字状の形鋼としてのH形鋼6における一方のフランジ6aは、ハット形鋼矢板2におけるフランジ7と傾斜したウェブ5とにより形成される溝側に配置され、前記H形鋼6における一方のフランジ6aは、ハット形鋼矢板2の溝内のフランジ7内面に当接されて、H形鋼6のフランジ6aの両側部は、全長に渡って連続した溶接Wまたは断続した溶接Wにより、ハット形鋼矢板2におけるフランジ7の溝内面側に固定されている。
【0015】
前記のような断面略T字状の組み合わせ鋼矢板9は、同じような部材構成で、断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板1を構成した場合に比べて、断面係数が小さいため、図9に示すように、H形鋼6のフランジ6bに補強板10を溶接等により固定することにより、断面係数を向上させるようにした形態である。このようにすると、補強板10の厚みを適宜設定することにより、断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板1と同等の断面係数の組み合わせ鋼矢板とすることができる。
【0016】
図11および図12は、断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板1あるいは、断面略T字状の組み合わせ鋼矢板9を構成する場合に、Z形鋼矢板11相互を組み合わせて、ハット形鋼矢板2とし、これを断面略U字状部を備えた鋼矢板2の溝側あるいは溝と反対側のフランジ外面等に固定することにより、断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板1あるいは断面略T字状の組み合わせ鋼矢板9とした形態である。
【0017】
図11に示す断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板1では、Z形鋼矢板11を組み合わせた断面略U字状部を備えた鋼矢板2の溝外側のフランジ7の外面は平坦面であるので、H形鋼6のフランジ6aを当接配置して、溶接等により固定することができる。
【0018】
なお、Z形鋼矢板11の嵌合された継手14(14a、14b)相互は、部材長手方向に間隔をおいて、多数箇所でかしめ固定することにより、Z形鋼矢板11相互は一体化された断面略U字状部を備えた鋼矢板2とされている。
【0019】
Z形鋼矢板11相互を組み合わせて構成した断面ハット形のハット形鋼矢板2における溝内側に、形鋼としてのH形鋼6を設置する形態では、継手14(14b)が偏心して突出し、H形鋼6のフランジ6aと干渉するため、鋼製調整板15を個々のZ形鋼矢板11のフランジに固着して、その鋼製調整板15に対して、H形鋼6を溶接等により固定するようにすればよい。
【0020】
<実施形態1、2>
次に、断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板1およびその断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板1の変形形態である異形継ぎ手アーム付き断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板1A、1B並びに断面略T字状の組み合わせ鋼矢板9を使用して、本発明のコーナー部の壁体構造を構成した実施形態を、図1、2を参照しながら説明する。
【0021】
図1,2に示す形態は、いずれも、図8に示す断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板1を直線部の一方の壁体16および他方の壁体17を構成する場合に使用し、前記一方の壁体16の端部に図6に示す異形継ぎ手アーム付き断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板1Aを配置し、他方の壁体17の端部に、図7に示す異形継ぎ手アーム付き断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板1Bを使用した形態である。
【0022】
本願第1発明の実施形態1を図1に、第2実施形態を図2に示している。図1および図2は、それぞれ実施形態1および2の平面図である。
【0023】
図1に示す実施形態1と、図2に示す実施形態2との相違する部分は、コーナー部壁体8を構成する場合に、図1に示す実施形態1では、1枚の断面略T字状の組み合わせ鋼矢板9を使用し、図2に示す実施形態2では、2枚の断面略T字状の組み合わせ鋼矢板9の継手相互を噛み合わせ壁体を構成している点が相違するが、その他の構成は、同様である。隅角部近傍に組み合わせ鋼矢板を配置する場合には、図1に示すように1枚の組み合わせ鋼矢板9によりコーナー部壁体8を形成する形態を採用すればよく、隅角部近傍に1枚の組み合わせ鋼矢板を配置しない場合には、図2に示すように、2枚の組み合わせ鋼矢板9を直列に接続して複数枚の組み合わせ鋼矢板9によるコーナー部壁体8を適宜採用するようにすればよい。
【0024】
実施形態1,2は、断面略U字状部を備えた鋼矢板2と、断面H字状の形鋼6を断面略Y字状に固着し成形した組み合わせ鋼矢板1による鋼矢板壁において、隅角部壁に、断面略U字型鋼矢板2と断面略H字状の形鋼6を全体として略T字形状に固着し成形した組合せ矢板9を使用した隅角部構造の実施形態である。
【0025】
U形鋼矢板あるいはハット形鋼矢板のように、フランジ7の両側にそれぞれ傾斜したウェブ5を一体に連設して、前記フランジ7とウェブ5とにより形成される断面略U字状の溝を備え、両端部に継手14を備えた鋼矢板を、断面略U字状部を備えた鋼矢板2と呼び、断面略U字状部を形成するフランジ7の溝外側の外面に、断面H字状の形鋼6を固着させて全体として断面略Y字状とした組み合わせ鋼矢板を「断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板」と呼び、同じく、断面略U字状部を形成するフランジ7の溝側の外面に、断面H字状の形鋼を固着させて全体として断面略T字状(または断面略逆T字状)とした組み合わせ鋼矢板を「断面略T字形状の組み合わせ鋼矢板」と呼ぶ。
【0026】
実施形態1では、1枚の熱間圧延された断面略U字状鋼矢板2と断面略H字状のH形鋼6を使用した形態の断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板1あるいは異形継ぎ手アーム付き断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板1A,1Bあるいは断面略T字状の組み合わせ鋼矢板9を示したが、1枚の熱間圧延された断面略U字状部を備えた鋼矢板2の代わりに、冷間成形された断面略U字状部を備えた鋼矢板を使用してもよく、前記のように、2枚1組のZ形鋼矢板11の継手を嵌合させて、断面略U字状部を備えた鋼矢板2を使用してもよく、断面略H字状の形鋼6の代わりに、断面I字状あるいは断面H字状に類似した断面形状の形鋼でもよい。
【0027】
図示の形態では、断面略U字状部を備えた鋼矢板2と、断面略H字状の形鋼6とを使用し、形鋼6のフランジ6aを断面略U字状部を備えた鋼矢板2のフランジ7に当接して、形鋼6のフランジ6a側縁部を、部材長手方向に連続または断続溶接により固着させている形態を示したが、形鋼6のフランジ6aと、鋼矢板のフランジ7とに、ボルト挿通孔を設けて、ボルトを使用して両者を固着させてもよい。
【0028】
図1に示す実施形態1では、断面略H字状の形鋼6を、断面略U字状の鋼矢板2における溝外側に設置した断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板1による一方および他方の土留め壁16,17の土留め壁法線変更角が90°の場合に、これらを接続する隅角部のコーナー部壁体を構成する組み合わせ鋼矢板として、断面略U字状部を備えた鋼矢板2と断面略H字状の形鋼6を、全体として断面略T字状に固着し成形した組合せ矢板9を1枚使用し、一方および他方の土留め壁16,17の端部に配置された異形継ぎ手アーム付き断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板1A、1Bと接続したコーナー部接続構造(隅角部構造)とされている。
【0029】
図2に示す実施形態2では、断面略H字状の形鋼6を、断面略U字状部を備えた鋼矢板2における溝外側に設置した断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板1による一方および他方の土留め壁16,17の土留め壁法線変更角が90°の場合に、これらを接続する隅角部のコーナー部壁体を構成する組み合わせ鋼矢板として、断面略U字状部を備えた鋼矢板2と断面略H字状の形鋼6を、全体として断面略T字状に固着し成形した組合せ矢板9を2枚使用し、一方および他方の土留め壁16,17の端部に配置された異形継ぎ手アーム付き断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板1A、1Bと接続したコーナー部接続構造(隅角部構造)とされている。
【0030】
図1および図2の実施形態1,2では、いずれの形態も、土留め壁法線を変更するにあたり、断面略U字状部を備えた鋼矢板2におけるアーム部中間部を部材長手方向に渡って切断して、継手付きアーム部先端側を法線変更角分、アーム部基端側中心軸線に対して、形鋼6側に方向を変更させて配置し、両者を、突合せ溶接により固着させた異形継ぎ手アーム付き断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板1A,1Bを使用している。
【0031】
なお、図示を省略するが、コーナー部壁体として、図示の形態では、1枚または2枚の断面略T字状の組み合わせ鋼矢板9を使用した形態を示したが、本発明を実施する場合、3枚以上の断面略T字状の組み合わせ鋼矢板9の継手を接続したコーナー部壁体8としてもよい。
【0032】
図1および図2に示す実施形態では、90°の土留め壁の法線角度を変更するのに、直線部の鋼矢板壁体端部に、それぞれ異形継ぎ手アーム付き断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板1を配置して、隅角部では、略45°ずつ2回法線を変更しているが、配置上許す範囲で、法線変更角90°を満足するよう、隅角部の鋼矢板の法線変更角を決定すればよい。
【0033】
また、法線変更角が90°以外のコーナー部(例えば、隅角部)では、配置上許す範囲で、異形継ぎ手アーム付き断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板1におけるアーム部の法線変更角の合計が、法線変更角を満足するように、個々のアーム部の変更角を決定すればよい。
【0034】
本発明を実施する場合、断面H字状の形鋼6は、断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板1と、断面略T字状の組み合わせ鋼矢板9に成形した隅角部に使用する組合せ鋼矢板で、同じ形鋼を使用してもよいし、形状の異なる断面H字状の形鋼を使用してもよい。
【0035】
同じ形状の断面略H字状の形鋼6を、断面略U字状部を備えた鋼矢板2に使用した場合、断面略Y字状部に固着し成形した組合せ鋼矢板1に固着させた場合に比較し、断面略T字状に固着し成形した組合せ鋼矢板9の断面性能は低下するので、図9に示すように、断面略H字状の形鋼6のフランジ6b外側に、補強鋼板10を隅肉溶接などにより固着させる。
例えば、有効幅900mm、有効高さ230mmの断面略U字状の鋼矢板を使用し高さ700mm、フランジ幅250mm、フランジ厚19mmのH形鋼を組合せた組合せ鋼矢板では、幅150mm、板厚14mmの補強板10を隅肉溶接により形鋼のフランジ6bに固着すれば、全体として、断面略T字状に固着し成形した組合せ鋼矢板9の断面係数は、補強鋼板10を使用せずに、断面略Y字状に固着させた組合せ鋼矢板1(1A,1B)の断面性能とほぼ同等の値が確保できる。
【0036】
図1および図2に示すような本発明の形態では、コーナー部壁体に接続する一方および他方の壁体端部に、異形継ぎ手アーム付き断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板1を備えた壁体と、コーナー部壁体との接続構造として、コーナー部壁体に断面略T字状の組み合わせ鋼矢板9を用いたので、断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板1をコーナー部に用いた場合に比べて、断面略T字状の組み合わせ鋼矢板9における断面略U字状部を備えた鋼矢板2のフランジ7を格段に壁体16(17)の外側よりに配置することができ、そのためこれに固定されている形鋼6も格段に外側よりに位置をずらして配置することができる。そのため、断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板1と、断面略T字状の組み合わせ鋼矢板9とで、同様な大型断面の断面H字状の形鋼6を使用しても、従来のように、形鋼6の内側(環状の壁体を構成する場合等における壁体半径方向の内側)相互が干渉することなく、配置することができ。そのため、断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板1による壁体部分と断面略T字状の組み合わせ鋼矢板9との部分で、同様な断面性能の構造のコーナー部の壁体構造とすることができる。
そのため、隅角部等のコーナー部において、組合せ鋼矢板のH形状の形鋼が交錯し施工ができなくなるという従来の技術課題を解決でき、隅角部等のコーナー部の処理ができず適用できなかった大規模土留め構造への適用が可能になり、断面略U字状部を備えた鋼矢板2と断面H形状をした形鋼6とを断面Y字状に固着し成形した組合せ矢板の適用領域が大幅に拡大できる。
例えば、断面H字状の形鋼6を(壁体の)内側にする土留め壁で、法線変更角90°の隅角部において、有効幅900mm、有効高さ230mmの断面略U字状の鋼矢板を使用した組合せ矢板1では、従来、高さ500mm〜600mm程度の断面H形状の形鋼6、壁1m当たり断面係数で5300cm程度までしか使用できなかったが、本発明のコーナー部壁体構造(隅角部構造)を使用することにより、例えば、高さ900mm程度の断面H字状の形鋼6、壁1m当たり断面係数で11000cm程度まで使用範囲が拡大できる。
【0037】
また、本発明によると、断面U字状の鋼矢板として、市販の安価なハット形鋼矢板を利用して、断面略T字状の組み合わせ鋼矢板あるいは断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板を構成することができるため、安価なコーナー部の壁体構造とすることができる。
【0038】
また、本発明によると、断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板および断面略T字状の組み合わせ鋼矢板に、それぞれ継手部を除き同じ断面形状の断面略U字状部を備えた鋼矢板および同じ断面形状の断面略H字状の形鋼が用いられているので、部材の種類が少なくてすみ、部材の構成が簡単になると共に鋼矢板の運搬あるいは資材管理が単純容易になり、組み合わせ鋼矢板の製作も容易になる。
【0039】
また、本発明によると、断面略T字形状の組み合わせ鋼矢板における断面略H字状の形鋼に補強板が固定されているので、断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板と断面略T字状の組み合わせ鋼矢板との断面係数がことなる場合でも、断面略T字状の組み合わせ鋼矢板における形鋼に補強板を固定することにより、断面略T字状の組み合わせ鋼矢板の断面係数を容易に断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板の断面係数に近づけることができ、コーナー部壁体を構成する断面略T字状の組み合わせ鋼矢板と、これに接続する一方および他方の断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板との剛性を同等にすることができる。
【0040】
また、本発明によると、断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板におけるコーナー部側のアーム部先端側の中心軸線は、アーム部基端側の中心軸線に対して交差するように前記アーム部先端側は曲げ配置され、かつコーナー部に配置されて隣接する断面略T字状の組み合わせ鋼矢板におけるアーム部の中心軸線と一致するようにされているので、断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板におけるコーナー部側のアーム部先端側を曲げ配置するだけで、断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板による壁体に対して交差するように配置される断面略T字状の組み合わせ鋼矢板における継手と、断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板の継手との中心軸線が一致するように直線状に接続することができる。
【0041】
次に、本発明の実施形態において使用した断面略T字状の組み合わせ鋼矢板9によるコーナー部壁体に代えて、鋼管矢板によるコーナー部壁体の場合を参考形態として説明する。
【0042】
参考形態を図5に示す。図5は、参考形態の平面図である。参考形態は、断面略U字状部を備えた鋼矢板2と断面H字状の形鋼6を、断面略Y字状に固着し成形した組合せ鋼矢板壁1において、隅角部壁に、鋼管矢板18を使用した隅角部構造の参考形態である。
この参考形態では、軸方向にスリットが設けられたパイプ型継手19を、鋼管杭20側面に軸方向に溶接で固定した鋼管矢板18を使用している。
この参考形態では、土留め壁法線を変更するにあたり、断面略U字状部を備えた鋼矢板2継手部の一部(アーム部3,4)を切断し、法線変更角分方向を変更させ、突合せ溶接により固着させた異型継手付き組み合わせ鋼矢板1A,1Bを使用した形態を示したが、鋼管矢板18を使用する場合、鋼管矢板18の継手取り付け角、継手スリット位置の変更で法線角度の変更も可能なので、その場合は異形継ぎ手アーム付き断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板1A,1Bを使用しなくてもよい。
異形継ぎ手アーム付き断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板1A,1Bの継手14に代えて、カットT形鋼を固着して継手として使用して法線変更する場合は、(1)メス型継手であるスリットの入ったパイプ型継手と雄型継手であるカットT形鋼継手の組合せ継手、あるいは(2)メス型継手である2つのアングル材を組み合わせた雌継手と、雄型継手であるT継手の組合せ継手を溶接で固定した鋼管矢板を使用可能である。
図5に示す参考形態では、直径600mmから1000mm程度の鋼管矢板18を想定しているが、壁体16,17における隅角部の必要断面性能、鋼矢板の配置計画より判断し、左記の範囲を超える直径の鋼管矢板を使用してもよい。
例えば、直径900mmの鋼管矢板18は、板厚を10mmから19mmまで変化させることにより土留め壁1mあたり5000cmから12000cm程度の断面係数を提供することができる。
【0043】
壁体におけるコーナー部壁体(隅角部の壁体)に鋼管矢板18を使用した場合、最適な鋼管の直径と板厚を選定することにより、断面略U字状部を備えた鋼矢板2と、断面略H字状をした形鋼6を、全体として断面略Y字状に固着し成形した組合せ鋼矢板壁の断面係数を満足できる断面を提供することができるが、断面略U字状部を有する鋼矢板2と、断面略H字状の形鋼6と、スリット付きパイプ型継手19と、鋼管杭20の多品種の部材が必要になり、施工が煩雑になるという問題がある。
【0044】
図5に示す参考形態でも、前記実施形態と同様に、90°の土留め壁の法線角度を変更するのに、直線部の鋼矢板壁体端部に、それぞれ異形継ぎ手アーム付き断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板1を配置して、隅角部では、略45°ずつ2回法線を変更しているが、配置上許す範囲で、法線変更角90°を満足するよう、隅角部の鋼矢板の法線変更角を決定すればよい。
【0045】
また、前記実施形態と同様、法線変更角が90°以外のコーナー部(例えば、隅角部)では、配置上許す範囲で、異形継ぎ手アーム付き断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板1におけるアーム部の法線変更角の合計が、法線変更角を満足するように、個々のアーム部の変更角を決定すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の実施形態1の鋼矢板壁体の隅角部構造を示す横断平面図である。
【図2】本発明の実施形態2の鋼矢板壁体の隅角部構造を示す横断平面図である。
【図3】断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板の1種類では、鋼矢板壁体の隅角部構造を設計できない場合の一形態を示す横断平面図である。
【図4】断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板の1種類では、鋼矢板壁体の隅角部構造を設計できない場合の他の形態を示す横断平面図である。
【図5】断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板壁相互を隅角部に配置された鋼管矢板により接続する場合の形態を示す横断平面図である。
【図6】断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板の第1形態を示す平面図である。
【図7】断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板の第2形態を示す平面図である。
【図8】断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板の第3形態を示す平面図である。
【図9】断面略T字状の組み合わせ鋼矢板の変形形態を示す平面図である。
【図10】断面略T字状の組み合わせ鋼矢板の一形態を示す平面図である。
【図11】断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板を構成する場合の他の形態を示す平面図である。
【図12】断面略T字状の組み合わせ鋼矢板を構成する場合の他の形態を示す平面図である。
【図13】従来の鋼矢板壁の一形態を示す平面図である。
【符号の説明】
【0047】
1 断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板
1A 異形継ぎ手アーム付き断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板
1B 異形継ぎ手アーム付き断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板
2 ハット形鋼矢板(断面略U字状部を備えた鋼矢板)
3 ハット形鋼矢板のアーム部
4 ハット形鋼矢板のアーム部
5 ハット形鋼矢板のウェブ
6 H形鋼(断面略H字状の形鋼)
6a H形鋼の一方のフランジ
6b H形鋼の他方のフランジ
6c H形鋼のウェブ
7 ハット形鋼矢板のフランジ
8 コーナー部壁体
9 断面略T字状の組み合わせ鋼矢板
10 補強板
11 Z形鋼矢板
12a 継手における溝
12b 継手における溝
13 係止爪部
14 継手
15 鋼製調整板
16 壁体
17 壁体
18 鋼管矢板
19 パイプ型継手
20 鋼管杭
25 断面略Y字状に固着し成形した組み合せ鋼矢板
26 熱間圧延された略U字状の鋼矢板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
断面略U字状部を備えた鋼矢板の溝側と反対側のフランジ外面に断面略H字状の形鋼を固着した断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板をコーナー部壁体に接続させるために端部に備えた一方および他方の鋼矢板壁と、コーナー部壁体とを接続するコーナー部の壁体構造であって、前記コーナー部壁体に、断面略U字状部を備えた鋼矢板の溝側のフランジ外面に断面略H字状の形鋼を固着した断面略T字状の組合せ矢板が用いられ、前記一方および他方の鋼矢板壁の断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板の継ぎ手と、コーナー部壁体における断面略T字状の組合せ矢板の継ぎ手とが、嵌合されて接続されていることを特徴とするコーナー部の壁体構造。
【請求項2】
前記断面略U字状部を備えた鋼矢板は、フランジの両端部に外側に向かって広がるように傾斜したウェブが一体に連設され、各ウェブに前記フランジと平行にアーム部が一体に連設され、各アーム部の端部に、継ぎ手が一体に形成されている断面ハット形のハット形鋼矢板であることを特徴とする請求項1に記載のコーナー部の壁体構造。
【請求項3】
前記断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板を構成する断面略U字状部を備えた鋼矢板および断面略H字状の形鋼と、前記断面略T字形状の組み合わせ鋼矢板を構成する断面略U字状部を備えた鋼矢板および断面略H字状の形鋼とは、それぞれ継手部を除き同じ断面形状の断面略U字状部を備えた鋼矢板および同じ断面形状の断面略H字状の形鋼が用いられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のコーナー部の壁体構造。
【請求項4】
断面略T字形状の組み合わせ鋼矢板における断面略H字状の形鋼に補強板が固定されていることを特徴する請求項3に記載のコーナー部の壁体構造。
【請求項5】
断面略Y字状の組み合わせ鋼矢板におけるコーナー部側のアーム部先端側の中心軸線は、アーム部基端側の中心軸線に対して交差するように前記アーム部先端側は曲げ配置され、かつコーナー部に配置されて隣接する断面略T字状の組み合わせ鋼矢板におけるアーム部の中心軸線と一致するようにされていることを特徴とする請求項3に記載のコーナー部の壁体構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−19372(P2009−19372A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−181327(P2007−181327)
【出願日】平成19年7月10日(2007.7.10)
【出願人】(000006655)新日本製鐵株式会社 (6,474)
【Fターム(参考)】