経路制限RFIDシステム
【課題】 作成が複雑な経路テーブルを用いることなく経路制限を実施することが可能な経路制限RFIDシステムを提供すること。
【解決手段】 RFIDタグのタグIDの認証を無線で行う通信制御部2と、この通信制御部2によりタグIDに対して通行許可の認証がなされたとき、開門又は開錠するゲート又は扉で構成され、管理エリアを仕切る複数のエリア仕切り手段とを備え、前記複数のエリア仕切り手段のうち、少なくとも1つ以上のエリア仕切り手段により仕切られた管理エリアが複数存在し、この複数の管理エリアのうちで前記エリア仕切り手段を介して隣り合う二つの管理エリアごとに、その二つの管理エリア間が一方通行又は両方向通行である通行許可の認証、若しくは、通行不可の認証をタグIDごとに前記通信制御部2が行うことを特徴とするものである。
【解決手段】 RFIDタグのタグIDの認証を無線で行う通信制御部2と、この通信制御部2によりタグIDに対して通行許可の認証がなされたとき、開門又は開錠するゲート又は扉で構成され、管理エリアを仕切る複数のエリア仕切り手段とを備え、前記複数のエリア仕切り手段のうち、少なくとも1つ以上のエリア仕切り手段により仕切られた管理エリアが複数存在し、この複数の管理エリアのうちで前記エリア仕切り手段を介して隣り合う二つの管理エリアごとに、その二つの管理エリア間が一方通行又は両方向通行である通行許可の認証、若しくは、通行不可の認証をタグIDごとに前記通信制御部2が行うことを特徴とするものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、会社や工場などの建物において、RFID(Radio Frequency IDentification)タグを用いて、人物の管理エリア内への入退室・入退場を管理し、経路制限することにより管理エリア内に設置したセキュリティ扉内に不正に侵入することを防止する入退室管理及び通行管理を行う経路制限RFIDシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、RFIDタグやICカードを使用する入退場管理(通行管理)システムには、セキュリティ扉(ゲート)ごとにRFIDタグ又はICカードの通行可否を設定するものがあった(例えば、特許文献1及び2)。また、通行可否を発光ダイオードや警笛などにより、RFIDタグ又はICカードの所有者に報知する入退場管理システムがあった(例えば、特許文献3)。なお、RFIDタグやICカードを使用する入退場管理を用いた施設において、その施設内でのRFIDタグ又はICカードの所有者の通過経路を時間により管理する経路管理システムがあった(例えば、特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−315203号公報(第3図、第9図)
【特許文献2】特開平9−6855号公報(第2図)
【特許文献3】特開平8−42209号公報(第1図、第4図、第8図)
【特許文献4】特開2007−80176号公報(第1図〜第4図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の入退場管理(通行管理)システムや経路管理システムにおいて、RFIDタグの所有者に対して、任意の扉への通行を一方通行とするなどの経路制限を行う場合には、RFIDタグから受信したタグIDの過去の入退室情報および通行可能な扉間情報を記述した経路テーブルを用いて、正しい経路を通過しているかを判定し、入退室を許可するか否かを判断する必要があった。このため、経路テーブルを構築するためのロジックの検証作業に時間を費やす必要があり、また、経路の検討漏れによる不適切な経路テーブルが混入する可能性あるという課題があった。さらに、通行許可判定を行う際に、経路テーブルを検索する必要があるため、経路制限を行う扉が多いほど、判定時間が長くなるという課題もあった。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解消するためになされたもので、作成が複雑な経路テーブルを用いることなく経路制限を実施することが可能な経路制限RFIDシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明に係る経路制限RFIDシステムは、RFIDタグのタグIDの認証を無線で行う通信制御部2と、この通信制御部2によりタグIDに対して通行許可の認証がなされたとき、開門又は開錠するゲート又は扉で構成され、管理エリアを仕切る複数のエリア仕切り手段と、このエリア仕切り手段の周囲をRFIDタグ読み取りエリアとし、前記通信制御部2に接続されたアンテナ部と、日時ごとにであって、タグレベルごとに設定された前記エリア仕切り手段が通行許可、若しくは、通行不可の情報を設定する経路制限リストと備え、前記通信制御部2は、前記アンテナ部からの質問波に対してRFIDタグからタグIDの情報を有する返信波が前記アンテナ部を介して前記通信制御部2に送られたとき、そのタグIDの取得日時を取得する現在日時取得手段と、この現在日時取得手段により取得した日時における前記タグレベルごとに設定された前記エリア仕切り手段が通行許可、若しくは、通行不可の情報を前記経路制限リストから取得する通行方向取得手段と、タグIDの情報からタグ情報であるタグレベルを取得するタグ情報取得手段と、このタグ情報取得手段が取得したタグレベルと前記通行方向取得手段が取得したタグレベルごとに設定された情報とを比較して、前記タグ情報取得手段が取得したタグレベルが、通行許可、若しくは、通行不可のいずれかに該当するかを判定する通行判定手段とを有することを特徴とするものである。
【0007】
請求項2の発明に係る経路制限RFIDシステムは、RFIDタグのタグIDの認証を無線で行う通信制御部2と、この通信制御部2によりタグIDに対して通行許可の認証がなされたとき、開門又は開錠するゲート又は扉で構成され、管理エリアを仕切る複数のエリア仕切り手段と、このエリア仕切り手段の周囲をRFIDタグ読み取りエリアとし、前記通信制御部2に接続されたアンテナ部と、日時ごとにであって、タグレベルごとに設定された前記エリア仕切り手段が通行許可、若しくは、通行不可の情報を設定する経路制限リストと備え、前記通信制御部2は、前記アンテナ部からの質問波に対してRFIDタグからタグIDの情報を有する返信波が前記アンテナ部を介して前記通信制御部2に送られたとき、そのタグIDの取得日時を取得する現在日時取得手段と、前記タグレベルごとに設定された前記エリア仕切り手段が通行許可、若しくは、通行不可の情報を前記経路制限リストから取得する通行方向取得手段と、タグIDの情報からタグ情報であるタグレベルを取得するタグ情報取得手段と、このタグ情報取得手段が取得したタグレベルと前記通行方向取得手段が取得したタグレベルごとに設定された情報とを比較して、前記現在日時取得手段により取得した日時における前記タグ情報取得手段が取得したタグレベルが、通行許可、若しくは、通行不可のいずれかに該当するかを判定する通行判定手段とを有することを特徴とするものである。
【0008】
請求項3の発明に係る経路制限RFIDシステムは、RFIDタグのタグIDの認証を無線で行う通信制御部2と、この通信制御部2によりタグIDに対して通行許可の認証がなされたとき、開門又は開錠するゲート又は扉で構成され、管理エリアを仕切る複数のエリア仕切り手段とを備え、前記複数のエリア仕切り手段のうち、少なくとも1つ以上のエリア仕切り手段により仕切られた管理エリアが複数存在し、この複数の管理エリアのうちで前記エリア仕切り手段を介して隣り合う二つの管理エリアごとに、その二つの管理エリア間が一方通行又は両方向通行である通行許可の認証、若しくは、通行不可の認証をタグIDごとに前記通信制御部2が行うことを特徴とするものである。
【0009】
請求項4の発明に係る経路制限RFIDシステムは、RFIDタグのタグIDの認証を無線で行う通信制御部2と、この通信制御部2によりタグIDに対して通行許可の認証がなされたとき、開門又は開錠するゲート又は扉で構成され、管理エリアを仕切る複数のエリア仕切り手段とを備え、前記複数のエリア仕切り手段のうち、少なくとも1つ以上のエリア仕切り手段により仕切られた管理エリアが複数存在し、この複数の管理エリアのうちで前記エリア仕切り手段を介して隣り合う二つの管理エリアごとに、その二つの管理エリア間が一方通行又は両方向通行である通行許可の認証、若しくは、通行不可の認証を前記通信制御部2がタグIDごとに設定された経路制限リストに基づいて行うことを特徴とするものである。
【0010】
請求項5の発明に係る経路制限RFIDシステムは、前記経路制限リストが、所定時間ごとに一方通行許可又は両方向通行許可の通行許可、若しくは、通行不可の条件が前記管理エリアごとに変更される請求項4に記載のものである。
【0011】
請求項6の発明に係る経路制限RFIDシステムは、前記経路制限リストが、曜日ごとに一方通行許可又は両方向通行許可の通行許可、若しくは、通行不可の条件が前記管理エリアごとに変更される請求項4に記載のものである。
【0012】
請求項7の発明に係る経路制限RFIDシステムは、前記通信制御部2が、タグIDが認証された後に前記経路制限リストが変更されたとき、その認証されたタグIDの以後の認証は、変更される前の前記経路制限リストに基づいて成される請求項5又は6に記載のものである。
【0013】
請求項8の発明に係る経路制限RFIDシステムは、前記通信制御部2が、タグIDが認証された後に前記経路制限リストが変更されたとき、その認証されたタグIDの以後の認証は、通過してきた前記管理エリアに戻る一方通行の認証のみを行う請求項5又は6に記載のものである。
【0014】
請求項9の発明に係る経路制限RFIDシステムは、前記経路制限リストが、1つの前記エリア仕切り手段のみによって仕切られた管理エリアに対して、両方向通行許可の通行許可、若しくは、通行不可の条件を設定する請求項4に記載のものである。
【0015】
請求項10の発明に係る経路制限RFIDシステムは、前記タグIDが、所定数のタグレベルに分類される請求項3〜9のいずれかに記載のものである。
【0016】
請求項11の発明に係る経路制限RFIDシステムは、前記複数のエリア仕切り手段のうち少なくとも一つが、前記通信制御部2によるタグIDの認証の結果を表示する表示部を有する請求項3〜10のいずれかに記載のものである。
【0017】
請求項12の発明に係る経路制限RFIDシステムは、前記表示部が、前記通信制御部2によるタグIDの認証の結果が通行不可であるときに警告を報知する請求項11に記載のものである。
【0018】
請求項13の発明に係る経路制限RFIDシステムは、前記複数のエリア仕切り手段のうち少なくとも一つが、前記通信制御部2によるタグIDの認証の結果が通行不可であるときに警告を光又は音若しくは光と音とで報知する警告手段を有する請求項3〜11のいずれかに記載のものである。
【0019】
請求項14の発明に係る経路制限RFIDシステムは、前記通信制御部2が、有線又は無線で互いに接続された複数のRFIDリーダライタで構成される請求項3〜13のいずれかに記載のものである。
【0020】
請求項15の発明に係る経路制限RFIDシステムは、前記通信制御部2が、前記複数のRFIDリーダライタと前記複数のRFIDリーダライタと接続されたサーバとで構成される請求項14に記載のものである。
【0021】
請求項16の発明に係る経路制限RFIDシステムは、前記複数の管理エリアが、管理エリアと管理エリアとを結ぶ通路を含む請求項3〜15のいずれかに記載のものである。
【発明の効果】
【0022】
以上のように、この発明によれば、RFIDタグから受信したタグIDの過去の入退室情報および通行可能な扉間情報を記述した経路テーブルを用いずに、管理エリアごとに、一方通行許可又は両方向通行許可の通行許可、若しくは、通行不可の認証を行うので、複雑な経路テーブルを構築することなく経路の制限を行なうことができる経路制限RFIDシステムを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】この発明の実施の形態1に係る経路制限RFIDシステムを適用した入退室管理システムが導入された建物の構造を示す模式図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る経路制限RFIDシステムを適用した入退室管理システムが導入された建物における管理エリアを示す模式図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係る経路制限RFIDシステムを適用した入退室管理システムのセキュリティ扉付近の構成図である。
【図4】この発明の実施の形態1に係る経路制限RFIDシステムを適用した入退室管理システムのセキュリティ扉付近の構成図である。
【図5】この発明の実施の形態1に係る経路制限RFIDシステムを適用した入退室管理システムのセキュリティ扉付近の構成図である。
【図6】この発明の実施の形態1に係る経路制限RFIDシステムを適用した入退室管理システムのセキュリティ扉付近の構成図である。
【図7】この発明の実施の形態2に係る経路制限RFIDシステムに使用されるRFIDタグのタグレベルの例を示す図である。
【図8】この発明の実施の形態2に係る経路制限RFIDシステムにおける入退室制限情報テーブル(経路制限リスト)の例を示す図である。
【図9】この発明の実施の形態2に係る経路制限RFIDシステムにおける入退室可否判定のフローを示すフローチャートである。
【図10】この発明の実施の形態2に係る経路制限RFIDシステムにおける入退室制限情報テーブル(経路制限リスト)の例を示す図である。
【図11】この発明の実施の形態2に係る経路制限RFIDシステムにおける入退室可否判定のフローを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1について図1〜6を用いて説明する。図1及び図2は実施の形態1に係る経路制限RFIDシステムを適用した入退室管理システムが導入された建物を示しており、上側が北向きに配置された建物である。建物内には、セキュリティ扉を隔てて、通路と繋がる展示室、事務所、食堂、設計室がある。また、セキュリティ扉でない扉を隔てて、通路と繋がるトイレもある。図3(a)はセキュリティ扉付近の構成図、図3(b)はセキュリティ扉内外の構成図、図4(a)はセキュリティ扉付近の構成図、図4(b)は報知部と警告手段が設けられたセキュリティ扉付近の構成図である。図1〜6において、1は内部の管理エリアである通路や居室に対して経路制限が行なわれる建物、2はRFIDタグのタグIDの認証を無線で行う通信制御部(図中では、通信制御装置)、3は通信制御部2によりタグIDに対して通行許可の認証がなされたとき、開門又は開錠するゲート又は扉で構成され、管理エリアを仕切る複数のエリア仕切り手段である。本願実施の形態では、仕切り手段3は、セキュリティ扉3(扉3)を用いて説明する。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。なお、本願発明における全ての実施の形態では、居室を人が居住・作業・娯楽・休憩などの目的のために使用する部屋以外に、展示室・通路・トイレなどの空間も便宜上、居室に含めて説明を行う。なお、エリア仕切り手段3の開錠(開門)は通信制御部2によって行なわれるが、図面上では、通信制御部2とエリア仕切り手段3との間の接続関係は省略する。
【0025】
引き続き、図1〜6において、3aは建物1の外部と管理エリア1とを仕切るエリア仕切り手段3であって、建物内の通路である管理エリア1に入退場するためのセキュリティ扉A(扉A)、3bは建物1の外部と管理エリア1とを仕切るエリア仕切り手段3であって、建物内の通路である管理エリア1に入退場するためのセキュリティ扉(扉B)、3cは管理エリア1と管理エリア2とを仕切るエリア仕切り手段3であって、建物内の展示室である管理エリア2に入場するためのセキュリティ扉(扉C)、3dは管理エリア1と管理エリア2とを仕切るエリア仕切り手段3であって、建物内の展示室である管理エリア2に退場するためのセキュリティ扉(扉D)、3eは管理エリア1と管理エリア3とを仕切るエリア仕切り手段3であって、建物内の事務所である管理エリア3に入退場するための事務所南のセキュリティ扉(扉E)、3fは管理エリア1と管理エリア3とを仕切るエリア仕切り手段3であって、建物内の事務所である管理エリア3に入退場するための事務所北のセキュリティ扉(扉F)、3gは管理エリア1と管理エリア4とを仕切るエリア仕切り手段3であって、建物内の食堂である管理エリア4に入場するためのセキュリティ扉(扉G)、3hは管理エリア1と管理エリア4とを仕切るエリア仕切り手段3であって、建物内の食堂である管理エリア4に退場するためのセキュリティ扉(扉H)、3iは管理エリア1と管理エリア5とを仕切るエリア仕切り手段3であって、建物内の食堂である管理エリア4に退場するためのセキュリティ扉(扉I)、3jは管理エリア1とトイレとを仕切るエリア仕切り手段3であって、建物内のトイレに入退室するための扉(扉J)であり、セキュリティ扉2aはゲスト用の玄関とし、セキュリティ扉2bは、建物1を使用している会社の社員(関係者)用出入口である。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。なお、通路を含む各管理エリアは、基本的にはエリア仕切り手段3以外に出入りする手段を有していない空間とする。これは、もちろん、窓から出入りするなどの正常でない出入りまでも排除するものではない。
【0026】
引き続き、図1〜6において、4はエリア仕切り手段3の周囲のRFIDタグ読み取りエリア、5はRFIDタグ読み取りエリア4にビームを放射する通信制御部2に接続されたアンテナ部であり、特に、5a〜5iはセキュリティ扉3a〜3iにそれぞれ設置されたアンテナ部、5jは扉3jに設置されたアンテナ部である。6は通信制御部2を構成するサーバ(制御部)、7はアンテナ部5が接続される通信制御部2を構成するRFIDリーダライタであり、複数のRFIDリーダライタ7は有線又は無線でサーバ6を介して互いに接続されている。アンテナ部5(アンテナ部5a〜5j)は、UHF帯やミリ波帯を使用する電波方式のアンテナを図示しているが、本願発明に係る経路制限RFIDシステムは、HF帯を使用する電磁誘導方式などの別の通信方式を使用するRFIDシステムにも適用できる。また、セキュリティ扉3の制御は、サーバ6側で行ってもよいし、RFIDリーダライタ7側で行ってもよい。図面上では、サーバ6又はRFIDリーダライタ7とエリア仕切り手段3との間の接続関係は省略する。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
【0027】
引き続き、図1〜6において、8は通信制御部2又はRFIDリーダライタ7とアンテナ部5とを接続するケーブル(LANケーブル又は同軸ケーブル)、9は通信制御部2とRFIDリーダライタ7とを接続するLANケーブルである。LANケーブル9は有線のものだけなく、無線のものも含むとする。つまり、サーバ6とRFIDリーダライタ7との間のネットワークは、有線LANと無線LANとをそれぞれ単独で使用してもよいし、両方を併用してもよい。10はRFIDリーダライタ7とアンテナ部5とを接続する同軸ケーブル、11は表示部(報知部)であるディスプレイ部、12は報知部である回転灯、13はディスプレイ部11及び回転灯12とRFIDリーダライタ7とを接続する報知部ケーブル、14は警告手段(報知部)であるスピーカ、15はスピーカ14とRFIDリーダライタ7とを接続する報知部ケーブル、16は管理エリアへの入退場する関係者やゲストなどの通行者、17は通行者16が保有するRFIDタグ(ICカード)である。アンテナ部5(アンテナ部5a〜5j)と同様にRFIDタグ17は、本願発明に係る経路制限RFIDタグシステムにおいては、UHF帯やミリ波帯を使用する電波方式やHF帯を使用する電磁誘導方式などの種々の通信方式を利用したRFIDタグやICカードを使用することが可能である。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
【0028】
図1及び2から、通路である管理エリア1は、全ての居室である管理エリア2〜5とセキュリティ扉3により仕切られていることが分かるが、実施の形態1に係る経路制限システムは、建物1のような構造の建物でなくても適用することが可能である。例えば、通路がなく、全ての管理エリアが居室で構成される場合や、通路もあるが通路と面していない居室もある場合などが想定される。もちろん、建物でなく工場や学校施設などの屋外でも仕切られた空間であれば適用可能であるし、屋内及び屋外の両方に適用してもよいことはいうまでもない。なお、このような場合は、セキュリティ扉に加えて、エリア仕切り手段にフラッパゲートを用いるなどが考えられる。また、図1及び2に示す扉3jで仕切られたトイレのように、全てに、居室にセキュリティ扉3を設ける必要はない。なお、図1及び2においては、扉3jの開錠に関して、ケーブル8を介して通信制御部2に接続されている。したがって、扉3jの開錠は、扉3jの付近に設置されたアンテナ部5jを介して、RFIDタグ17のタグIDを通信制御部2が読み込むことにより行なわれるが、認証に関しては、通行者16が所持を許された正式なRFIDタグ17であれば、そのタグIDによる通行許可又は通行不可の認証を実施せずに、正式なRFIDタグ17のタグIDが認証されれば、扉3jを開錠すればよい。
【0029】
セキュリティ扉3及びこれに付随する構成について、図3〜6を用いて説明する。補足的に図1及び2も説明に用いることがある。図3(a)は管理エリアが2枚のセキュリティ扉3で仕切られており、それぞれの上方にアンテナ部5が設置されている。通行者16がアンテナ部5のRFIDタグ読み取りエリア4に進入することにより、通信制御部2がタグIDを認証し、タグIDの内容によって、通行を許可されたタグIDであれば、通信制御部2がセキュリティ扉3を開錠する。次に、図3(b)はセキュリティ扉3の内部にもアンテナ部5が設置されていることを点線で示している。このように、セキュリティ扉3の内外にアンテナ部5を設置することにより、セキュリティ扉3の内外でRFIDタグ17のタグIDを認証することが可能であるので、通行者16が入退室(入退場)することができる。一つのアンテナ部5でもセキュリティ扉3の内外にRFIDタグ読み取りエリア4を形成することが可能であれば、セキュリティ扉3の片側だけにアンテナ部5を設置すればよいが、その場合は、通行者16の進行方向を検出する必要がある。また、いかなるタグIDであっても一方通行の通行許可又は通行不可の認証のみ行う場合は、セキュリティ扉3の片側だけにアンテナ部5を設置すればよい。このようなことから、図3(b)以外の図面では、管理エリア内のアンテナ部5の図示は省略する。なお、管理エリア5(設計室)のように、1つのエリア仕切り手段3のみによって仕切られている場合は、図3(a)(b)に示す2枚のセキュリティ扉3ではなく、片方のセキュリティ扉3だけになるが、そのセキュリティ扉3に両方向通行許可の通行許可、若しくは、通行不可の条件を設定することは、他の管理エリアと同じである。
【0030】
図3では、管理エリアを特定せずに2枚のセキュリティ扉3で仕切られた管理エリアと説明したが、図4では、管理エリアを管理エリア2(展示室)に特定し、さらに、通信制御部2をサーバ6とRFIDリーダライタ7とで構成したものを説明するが、本質的な構成に相違はない。図4(a)はセキュリティ扉3cとセキュリティ扉3dとで管理エリア2を仕切った状態を示すものである。アンテナ部5cとアンテナ部5dとは、同軸ケーブル10によりRFIDリーダライタ7に接続され、RFIDリーダライタ7はLANケーブル9によりサーバ6と接続されている。図4(a)のように、通信制御部2の機能をサーバ6とRFIDリーダライタ7とに分けることにより、RFIDリーダライタ7を各セキュリティ扉3(エリア仕切り手段3)の近傍に設置することにより、セキュリティ扉3ごとのメンテナンス性がこうじょうするだけでなく、後述する経路制限リストをサーバ6若しくは外部から取得しておけば、RFIDリーダライタ7とセキュリティ扉3(図4では、セキュリティ扉3cとセキュリティ扉3d)との間の閉じたネットワークだけでも、タグIDの認証を行うことができる。
【0031】
図4(b)は、図4(a)に記載のセキュリティ扉付近の構成に報知部と警告手段を付加したセキュリティ扉付近の構成を示している。また、対象とする管理エリアを管理エリア3(事務所)としている。図4(a)(b)において、本質的な構成に相違はない。セキュリティ扉3eには、表示部11と回転灯12とが報知部ケーブル13を介してRFIDリーダライタ7に接続されている。この表示部11と回転灯12とは、タグIDの認証結果を報知する報知手段として機能する。表示部11は、タグIDの認証結果を表示する液晶ディスプレイのような画面でもよいし、LEDなどの発光素子でもよい。表示部11は、通行許可であれば「OK」、通行不可であれば「NG」などと表示することが考えられる(図4(b)では、「OK」の表示を例示している)が、表示部11に発光素子を使用する場合であって、発光素子の数が少ない場合は、タグIDの認証結果を発光素子の点灯色を変える、発光素子の点滅させる、通行許可や通行不可を図示し、それらに対応する発光素子を点灯させる、などにより報知すればよい。
【0032】
表示部11は、通行許可である場合も、単に「OK」など表示するだけでなく、通行許可とされたタグIDが、セキュリティ扉に対して、一方通行の通行制限があるかどうかを表示してもよい。一方通行とは、タグIDが認証され、セキュリティ扉を介して隣り合う管理エリアへは入室することは可能であるが、入室した先の管理エリアから元にいた管理エリアには通行許可の認証が下りないことを指す。具体的には、管理エリア1(通路)からセキュリティ扉3cを介して管理エリア2(展示室)には入室できるが、管理エリア2(展示室)からセキュリティ扉3cを介して管理エリア1(通路)には入室できない(管理エリア2から退室できない)という設定であるときが考えられる。また、通行不可である場合でも、セキュリティ扉の反対側からなら入室できる場合であれば、その意味での一方通行を表示部11により報知してもよい。この場合は、一方通行(通行許可)、一方通行(通行不可)などと一方通行の表示を二種類準備すればよい。もちろん、このような通行制限がない場合は、表示部11は、両方向通行である旨を表示して通行制限がないことを報知してもよい。このように、通行制限の有無も事前に通行者16に知らせておくことができるので、通行者16が管理エリア内で迷う可能性も低くなる。さらに、回転灯12も、表示部11と同様に、通行許可であれば点灯、通行不可であれば非点灯などと表示することが考えられる(図4(b)では、例示的の点灯している状態を示しているが、点灯だけでなく点滅や消灯により、通行許可や通行不可を報知してもよい。但し、消灯の場合は、事前に点灯する必要があるが、消灯したままであることが、報知の一つである場合は、この限りではない)。一方通行の通行制限も同様に回転灯12により報知してもよい。その場合は、両方向通行,一方通行,通行不可を識別するために、事前に三種類の報知パターンを点灯,点滅,消灯により取り決めておけばよい。これは、表示部11においても同様であり、両方向通行,一方通行,通行不可を識別するために、三種類の表示パターンを事前に設定しておけばよい。なお、三種類の報知パターン(表示パターン)は、一方通行を一方通行(通行許可)と一方通行(通行不可)とに分けて表示(報知)する場合は、報知パターン(表示パターン)が四種類に増えることになる。言い換えると、報知したい種類だけ報知パターン(表示パターン)を準備しておけばよいことになる。さらに、表示部11や回転灯12は、タグIDの認証の結果が通行不可であるときに警告を光や表示で報知するようにしてもよい。
【0033】
続いて、図4(b)に記載のセキュリティ扉3fには、スピーカ14が報知部ケーブル15を介してRFIDリーダライタ7に接続されている。このスピーカ14は、前述の表示部11及び回転灯12のように、タグIDの認証結果を報知する報知手段として機能する。スピーカ14は、タグIDの認証結果を音声や音により報知するものであればよく、通行許可であれば「OKを示すメロディ」、通行不可であれば「NGを示すメロディ」を流することが考えられる(図4(b)では、例示的の音声又は音(メロディ)が流れている状態を示している)。もちろん、表示部11や回転灯12のように、前述した一方通行の通行制限がある旨をスピーカ14から報知してもよい。なお、スピーカ14は、タグIDの認証の結果が通行不可であるときに警告を音声や音により報知するようにしてもよい。つまり、報知手段である表示部11、回転灯12、スピーカ14を警告手段として使用する場合は、タグIDの認証の結果が通行不可であるときに警告を表示部11、回転灯12、スピーカ14から発する光又は音若しくは光と音とで報知することになる。また、図4(b)に記載の表示部11、回転灯12、スピーカ14は、それぞれ一つのセキュリティ扉3に自由に組み合わせて使用してもよいし、それぞれ単品で使用してもよい。さらに、図4(b)に記載の表示部11、回転灯12、スピーカ14は、一体化した装置で構成してもよい。一体化の組み合わせに選択する報知手段やその数は任意である。
【0034】
次に、図5及び6を用いて、管理エリア同士の関係を説明する。図3及び4では、通信制御部2と一つの管理エリアとが結ばれて管理されているような説明を行ったが実際は、図1及び2に示すように、通信制御部2は管理エリア1〜5に結ばれて管理を行っている。複数の管理エリアに対して一つのRFIDリーダライタ7を設置して管理してもよいし、管理エリアごとにRFIDリーダライタ7を設置箇所と複数の管理エリアに対して一つのRFIDリーダライタ7を設置箇所との設けてもよい。具体的には、図5に示すように、管理エリアごとにRFIDリーダライタ7を設置して、通行許可や通行不可の認証を行ってもよいし、図6に示すように、二つの管理エリアに対して一つのRFIDリーダライタ7を設置して、通行許可や通行不可の認証を行ってもよい。図5及び6では、管理エリア2と管理エリア3とを対象にしたものを示したが、他の管理エリア1、4、5でも同様な通信制御部2の構成を適用することが可能である。
【0035】
最後に、実施の形態1に係る経路制限RFIDシステムの動作について、図1〜6を用いて説明する。大まかな動作は、複数のエリア仕切り手段3のうち、少なくとも1つ以上のエリア仕切り手段により仕切られた管理エリアが複数存在し、この複数の管理エリアのうちでエリア仕切り手段3を介して隣り合う二つの管理エリアごとに、その二つの管理エリア間が一方通行又は両方向通行である通行許可の認証、若しくは、通行不可の認証をタグIDごとに通信制御部2が行うことである。図1及び図2に記載の建物1内の管理エリア1(通路)と管理エリア2(展示室)を用いて説明する。一例として、管理エリア1と管理エリア2とのセキュリティの事前設定事項を以下の通りとする。通行者16が関係者である場合、通行者16が所持するRFIDタグ17のタグIDは、管理エリア2のセキュリティ扉3c・セキュリティ扉3dの両方向通行の通行許可が成されているものとする。通行者16がゲストである場合、通行者16が所持するRFIDタグ17のタグIDは、管理エリア2のセキュリティ扉3c・セキュリティ扉3dの一方通行の通行許可が成されているものとする。詳しくは、ゲストが保持するRFIDタグ17のタグIDは、通路である管理エリア1からセキュリティ扉3cを越えて管理エリア2に入室することは許されているが、管理エリア2からセキュリティ扉3cを越えて通路である管理エリア1へ退室することは許されていないものし、また、ゲストが保持するRFIDタグ17のタグIDは、管理エリア2からセキュリティ扉3dを越えて通路である管理エリア1へ退室することは許されているが、通路である管理エリア1からセキュリティ扉3dを越えて管理エリア2に入室することは許されていないものとする。
【0036】
上記の事前設定事項をふまえて、実施の形態1に係る経路制限RFIDシステムを具体的に説明する。管理エリア1にいる関係者がセキュリティ扉3cに設置されたアンテナ部5cのRFIDタグ読み取りエリア4に入ると、通信制御部2に制御されたアンテナ部5cからタグIDを確認する電波(質問波)がRFIDタグ読み取りエリア4に送信され、質問波を受信した関係者が保持するRFIDタグ17が自身のタグIDを情報としてのせた返信波をアンテナ部5cに送信する。返信波を受信したアンテナ部5cは、その受信信号を通信制御部2に送信する。通信制御部2ではRFIDタグ17からの返信波由来の受信信号からタグIDを取り出し、関係者のID(タグID)であることを認証した後に、セキュリティ扉3cに開錠の指示を出す。関係者の管理エリア2への入室が完了後、セキュリティ扉3cに施錠の指示を出す。関係者が管理エリア2から退室して管理エリア1へ向かう場合は、退室するために選択するセキュリティ扉3が、セキュリティ扉3c又はセキュリティ扉3dのいずれであっても、通信制御部2は、管理エリア1から管理エリア2への入室時と同じ処理を行う。
【0037】
管理エリア1にいるゲストがセキュリティ扉3cに設置されたアンテナ部5cのRFIDタグ読み取りエリア4に入ると、通信制御部2に制御されたアンテナ部5cからタグIDを確認する電波(質問波)がRFIDタグ読み取りエリア4に送信され、質問波を受信したゲストが保持するRFIDタグ17が自身のタグIDを情報としてのせた返信波をアンテナ部5cに送信する。返信波を受信したアンテナ部5cは、その受信信号を通信制御部2に送信する。通信制御部2ではRFIDタグ17からの返信波由来の受信信号からタグIDを取り出し、ゲストのID(タグID)であることを認証した後に、セキュリティ扉3cに開錠の指示を出す。ゲストの管理エリア2への入室が完了後、セキュリティ扉3cに施錠の指示を出す。
【0038】
ゲストが管理エリア2から退室して管理エリア1へ向かう意思があるとき、退室するために選択するセキュリティ扉3が、セキュリティ扉3cであった場合、セキュリティ扉3cに設置されたアンテナ部5cのRFIDタグ読み取りエリア4に入ると、通信制御部2に制御されたアンテナ部5cからタグIDを確認する電波(質問波)がRFIDタグ読み取りエリア4に送信され、質問波を受信したゲストが保持するRFIDタグ17が自身のタグIDを情報としてのせた返信波をアンテナ部5cに送信する。返信波を受信したアンテナ部5cは、その受信信号を通信制御部2に送信する。通信制御部2ではRFIDタグ17からの返信波由来の受信信号からタグIDを取り出し、ゲストのID(タグID)であることを認証し、その認証が通行不可であるので、セキュリティ扉3cに開錠の指示を出さない。ゲストに退室できるセキュリティ扉3ではないことを報知する必要がある場合は、表示部11、回転灯12、スピーカ14をセキュリティ扉(この場合はセキュリティ扉3c)に設置して、通行不可である旨をゲストに伝えればよい。場合によっては、退室が可能なセキュリティ扉3はセキュリティ扉3dであることを報知手段によって、ゲストへお知らせしてもよい。
【0039】
ゲストが管理エリア2から退室して管理エリア1へ向かう意思があるとき、退室するために選択するセキュリティ扉3が、セキュリティ扉3dであった場合、セキュリティ扉3dに設置されたアンテナ部5dのRFIDタグ読み取りエリア4に入ると、通信制御部2に制御されたアンテナ部5dからタグIDを確認する電波(質問波)がRFIDタグ読み取りエリア4に送信され、質問波を受信したゲストが保持するRFIDタグ17が自身のタグIDを情報としてのせた返信波をアンテナ部5dに送信する。返信波を受信したアンテナ部5dは、その受信信号を通信制御部2に送信する。通信制御部2ではRFIDタグ17からの返信波由来の受信信号からタグIDを取り出し、ゲストのID(タグID)であることを認証した後に、セキュリティ扉3dに開錠の指示を出す。ゲストの管理エリア1への退室が完了後、セキュリティ扉3dに施錠の指示を出す。
【0040】
管理エリア1にいるゲストがセキュリティ扉3dに設置されたアンテナ部5dのRFIDタグ読み取りエリア4に入ると、通信制御部2に制御されたアンテナ部5dからタグIDを確認する電波(質問波)がRFIDタグ読み取りエリア4に送信され、質問波を受信したゲストが保持するRFIDタグ17が自身のタグIDを情報としてのせた返信波をアンテナ部5dに送信する。返信波を受信したアンテナ部5dは、その受信信号を通信制御部2に送信する。通信制御部2ではRFIDタグ17からの返信波由来の受信信号からタグIDを取り出し、ゲストのID(タグID)であることを認証し、その認証が通行不可であるので、セキュリティ扉3dに開錠の指示を出さない。ゲストに入室できるセキュリティ扉3ではないことを報知する必要がある場合は、表示部11、回転灯12、スピーカ14をセキュリティ扉(この場合はセキュリティ扉3d)に設置して、通行不可である旨をゲストに伝えればよい。場合によっては、入室が可能なセキュリティ扉3はセキュリティ扉3cであることを報知手段によって、ゲストへお知らせしてもよい。
【0041】
以上のような処理を管理エリア1〜5で行うことにより、容易にRFIDを用いた入退場システムにおいて、RFIDタグのタグIDごとの経路制限を行うことができる。つまり、管理エリア1〜5のうち、隣り合う二つの管理エリアごとに、その二つの管理エリア間が一方通行又は両方向通行である通行許可の認証、若しくは、通行不可の認証をタグIDごとに通信制御部2が行えばよい。もちろん、管理エリア5(設計室)のように、1つのエリア仕切り手段3のみによって仕切られているでも、他の管理エリアと同じである。また、隣り合う二つの管理エリアごとであって、タグIDごとの認証は、タグIDごとに設定された経路制限リストに基づいて通信制御部2が行えば容易に行うことができる。経路制限リストは、所定時間ごとに一方通行許可又は両方向通行許可の通行許可、若しくは、通行不可の条件が前記管理エリアごとに変更されるものを設定すれば、展示室である管理エリア2の展示時間に合わせてゲストに入退室を許可し、関係者は常時入退室できるようにする処理や食堂である管理エリア4では食事時で混雑が予想される時間だけは出入口(入口:セキュリティ扉3g、出口:セキュリティ扉3h)を一方通行に制限し、混雑していない時間は、両方向通行に設定することも容易に行える。もちろん、経路制限リストを所定時間ごとに一方通行許可又は両方向通行許可の通行許可、若しくは、通行不可の条件が前記管理エリアごとに変更されるものを設定することが可能であるので、経路制限リストを曜日ごとに設定することもできることはいうまでもない。なお、曜日ごとは、単に24時間ごとだけを指すのではなく、曜日ごとに認証される通行方向や通行許可・通行不可が異なることを指し、経路制限リストが24時間ごとにきっちりと変更されることだけ指しているのではない。
【0042】
通行者16(関係者やゲスト)が管理エリア1〜5のいずれかに入室中、又は、退室中(退室中とは別の管理エリアに入室中である場合のみの退室であって建物1から退室している場合は含まない。)に経路制限リストが変更された場合、通行方向や通行許可・通行不可の設定によっては、通行者16(関係者やゲスト)が、その時点で所在している管理エリアに閉じ込められてしまう場合も想定されるので、その場合は、通信制御部2が、タグIDが認証された後に経路制限リストが変更されたとき、その認証されたタグIDの以後の認証は、変更される前の前記経路制限リストに基づいて行うか、タグIDが認証された後に経路制限リストが変更されたとき、その認証されたタグIDの以後の認証は、通過してきた管理エリアに戻る一方通行の認証のみを行うようにすればよい。つまり、そのような経路制限を設定した経路制限リストを用意しておけばよい。
【0043】
通行者16(関係者やゲスト)が多数おり、一つ一つのタグIDに、二つの管理エリア間が一方通行又は両方向通行である通行許可、若しくは、通行不可を設定することが煩雑な場合は、タグIDを建物1のセキュリティを鑑みて、想定される通行者16のセキュリティレベルに合わせた所定数のタグレベルにタグIDを分類して、タグレベルごとに二つの管理エリア間が一方通行又は両方向通行である通行許可、若しくは、通行不可を設定してもよい。このタグレベルは、RFIDタグ17のタグIDに付加してRFIDタグ内のメモリに記憶(記録)しておいてもよいし、通信制御部2(サーバ6又はRFIDリーダ7)側で、タグIDとタグレベルとを紐付けて管理してもよい。つまり、紐付ける場合は、通信制御部2がアンテナ部5経由で通行者16が保有するRFIDタグ17のタグIDを取得し、そのタグIDが分類されているタグレベルを検索することになる。
【0044】
実施の形態2.
実施の形態1では、経路制限リストに関して、管理エリアごとの詳細設定は例示していなかったが、実施の形態2では、管理エリアごとの詳細設定を施した場合の経路制限RFDIDシステムの動作に関して、より詳細に説明する。実施の形態2では、経路制限リストを建物1に関する場合の詳細を記した入退室制限情報テーブルとして説明する。したがって、実施の形態1及び2に係る経路制限RFIDシステムの基本的な構成や動作は共通であるので、実施の形態2では再度説明はしない場合がある。この発明の実施の形態2について図7〜11を用いて説明する。図7は実施の形態1でも説明したRFIDタグのタグレベルの例を示す図、図8及び10は入退室制限情報テーブルを示す図であり、図中(表中)の扉IDの列に記載されたA〜Iは、扉A(セキュリティ扉3a)〜扉I(セキュリティ扉3i)を指している。図9及び11は入退室可否判定のフローを示すフローチャートであり、入退室可否判定とは、実施の形態1に係る経路制限RFIDシステムの通信制御部2がタグIDごと(タグレベルごと)に行う、二つの管理エリア間が一方通行又は両方向通行である通行許可の認証、若しくは、通行不可の認証を指している。また、図中(フローチャート中)の警報発報とは、警告手段により、警告を発することを指す。なお、基本的な構成や動作は、図1〜6で説明したものと同様であるので、実施の形態2の説明に必要な場合は、図1〜6やこれらに記載の符号を適宜引用することがある。
【0045】
次に、実施の形態2に係る経路制限RFIDシステムの動作について説明する。図7は、実施の形態2に係る経路制限RFIDシステムに使用するRFIDタグ17(タグID)のタグレベルテーブルの例を示す図であり、セキュリティレベルごとに通行者16のグループが設定されるものである。また、図8はこの実施の形態2において入退室制限情報を含むセキュリティ扉3のテーブルの例である。個々の扉(セキュリティ扉3)に対し、どのセキュリティレベル(タグレベル)のタグが入退室できるのかを管理するために、図7、図8に示したような入退室制限情報テーブル(経路制限リスト)を通信制御部2が保有する。また、図8は経路制限RFIDシステムのシステム管理者により、任意に入退室制限情報の設定を変更することが可能であり、ある時間帯の通行を動的に制限する場合に設定される。図9は、この実施の形態1における入退室可否の判定のフローを示すフローチャートであり、図中の(S1A)〜(S11A)は、フローチャート中のステップを示す省略記号である。RFIDタグ17を携帯した通行者16が建物1のアンテナ部5が設置されたセキュリティ扉3の前に立つと、アンテナ部5がRFIDタグ17の情報を読み取り、RFIDリーダライタ7によりサーバ6へ有線又は無線で送信される。
【0046】
サーバ6は、RFIDリーダライタ7から送信されたRFIDタグ17の情報を受信(S1A)すると、現在の日時を取得し(S2A)、送信してきた情報を基にセキュリティ扉3のIDおよび通行方向(セキュリティ扉3のIDは、セキュリティ扉3ごとに設定したIDでもよいし、アンテナ部5ごと又はRFIDリーダライタ7ごとにIDを設定して代用してもよい。一つのRFIDリーダライタ7に複数のセキュリティ扉3を管理させる場合は、RFIDリーダライタ7ごとに設定したIDでは、代用できない場合があることはいうまでもない。通行方向は、セキュリティ扉3の内外、どちらのアンテナ部5由来の情報かで判断する)を取得し、対応するキュリティ扉のテーブルより、入退室制限情報を取得する(S3A)。さらに、通信制御部2は受信したRFIDタグ17のタグID(タグレベル)から通行者16を特定し、RFIDタグ17のセキュリティレベルを取得する(S4)。
【0047】
さらに、サーバ6は取得した入退室制限情報のセキュリティレベルとタグレベルとを比較して、タグレベルが扉のセキュリティレベル以上であるか否かを判定する(S5A)。タグレベルがセキュリティ扉のセキュリティレベル以上であった場合には、タグIDを読み取った読み取り部の方向で通行可時間であるか否かを判定する(S6A)。RFIDタグ17を受信した日時が通行可時間でなかった場合、不可時間中であっても通行許可されているか否かを判定する(S7A)。RFIDタグ17を受信した日時が通行可時間であった場合と、不可時間中であっても通行許可されている場合には、タグを受信した曜日が通行可曜日であるか否かを判定する(S8A)。RFIDタグ17を受信した曜日が通行可曜日でなかった場合、不可曜日であっても入退室許可されているか否かを判定する(S9A)。RFIDタグ17を受信した曜日が通行可曜日であった場合と、不可曜日であっても入退室許可されている場合に、入退室を許可と判断し、扉を解錠および表示部により表示(S10A)した後、サーバ6の判定処理を終了する。なお、これらの判定処理は、RFIDリーダライタ7において実行してもよい。各判定により、入退室を許可されなかった場合は、報知手段(警告手段)である表示部11、回転灯12、スピーカ14のいずれか、又はそれらの組み合わせにより警告を発し(S11A)、判定処理を終了する。
【0048】
運用例として、図1及び2に記載のセキュリティ扉3gの食堂入口に注目する。セキュリティ扉3gはセキュリティレベル1であるため、全てのタグ所有者がセキュリティ扉3gを介して、管理エリア1(通路)から管理エリア4(食堂)へ、管理エリア4(食堂)から管理エリア1(通路)へ通行することができるが、入室方向の通行可時間が0:00〜24:00、退室方向の通行可時間が14:00〜21:00であり、また、不可時間中の通行可タグレベルが入室退室方向ともに設定されていないため、14:00までは入室することしかできず退室は不可となる。14:00〜21:00は入退室ともに可能となる。
【0049】
実施の形態2に係る経路制限RFIDシステムによれば、セキュリティ扉ごとに入退室制限情報テーブル(経路制限リスト)を設定することによって、一方通行制限、時間帯通行制限、曜日別通行制限による入退室管理が可能となる。また、任意の時間帯のみ任意の扉を一方通行にするといった、時間帯の一方通行制限が可能となる。さらに、一方通行制限を実施するために、経路テーブルを作成する必要がなく、入退室制限情報の設定作業が柔軟かつ容易になる。
【0050】
図10は、実施の形態2に係る経路制限RFIDシステムにおける入退室制限情報を含む扉のテーブルの例(変形例)である。図8と同様に、実施の形態2に係る経路制限RFIDシステムのシステム管理者により、任意に入退室制限情報の設定を変更することが可能である。図11は、この実施の形態における入退室可否の判定のフローを示すフローチャートであり、図中の(S1B)〜(S13B)は、フローチャート中のステップを示す省略記号である。(S1B)〜(S5B)については、実施の形態2の(S1A)〜(S5A)と同様であるため、(S6B)より説明を行う。
【0051】
タグレベルがセキュリティ扉3のセキュリティレベル以上であった場合には、タグ情報を送信したRFIDリーダライタ3が入退室制限情報の通行可能方向であるか否かを判定する(S6B)。通行可能方向でなかった場合、不可方向からでも入退室許可されているか否かを判定する(S7B)。タグ情報を送信したRFIDリーダライタ3が通行可能方向であった場合と、不可方向であっても入退室許可されている場合には、RFIDタグ17を受信した日時が通行可時間であるか否かを判定する(S8B)。RFIDタグ17を受信した日時が通行可時間でなかった場合、不可時間中であっても入退室許可されているか否かを判定する(S9B)。RFIDタグ17を受信した日時が通行可時間であった場合と、不可時間中であっても入退室許可されている場合には、RFIDタグ17を受信した曜日が通行可曜日であるか否かを判定する(S10B)。RFIDタグ17を受信した曜日が通行可曜日でなかった場合、不可曜日であっても入退室許可されているか否かを判定する(S11B)。RFIDタグ17を受信した曜日が通行可曜日であった場合と、不可曜日であっても入退室許可されている場合に、入退室を許可と判断し、扉を解錠および表示部により表示(S12B)した後、サーバ6の判定処理を終了する。なお、これらの判定処理は、RFIDリーダライタ7において実行してもよい。各判定により、入退室を許可されなかった場合は、報知手段(警告手段)である表示部11、回転灯12、スピーカ14のいずれか、又はそれらの組み合わせにより警告を発し(S13B)、判定処理を終了する。
【0052】
この実施の形態2の変形例によれば、セキュリティ扉3に入退室制限情報テーブル(経路制限リスト)を設定することによって、一方通行制限、時間帯通行制限、曜日別通行制限による入退室管理が可能となる。また、一方通行制限を実施するために、経路テーブルを作成する必要がなく、各制限がそれぞれ異なっているため、実施の形態2に比べ入退室制限の設定作業が容易になる。
【0053】
以上のように、実施の形態2に係る経路制限RFIDシステムにおいて、通信制御部2(サーバ6、RFIDリーダライタ7)は、日時ごとにであって、タグレベルごとに設定されたエリア仕切り手段3が通行許可、若しくは、通行不可の情報を設定する経路制限リストと備え、アンテナ部5からの質問波に対してRFIDタグ17からタグIDの情報を有する返信波がアンテナ部5を介して通信制御部2に送られたとき、そのタグIDの取得日時を取得する現在日時取得手段を有し、この現在日時取得手段により取得した日時におけるタグレベルごとに設定されたエリア仕切り手段3が通行許可、若しくは、通行不可の情報を経路制限リストから取得する通行方向取得手段、タグIDの情報からタグ情報であるタグレベルを取得するタグ情報取得手段、このタグ情報取得手段が取得したタグレベルと通行方向取得手段が取得したタグレベルごとに設定された情報とを比較して、タグ情報取得手段が取得したタグレベルが、通行許可、若しくは、通行不可のいずれかに該当するかを判定する通行判定手段とを有するものである。
【0054】
現在日時取得手段の後段は、下記の構成でもよい。タグレベルごとに設定されたエリア仕切り手段3が通行許可、若しくは、通行不可の情報を経路制限リストから取得する通行方向取得手段、タグIDの情報からタグ情報であるタグレベルを取得するタグ情報取得手段と、このタグ情報取得手段が取得したタグレベルと通行方向取得手段が取得したタグレベルごとに設定された情報とを比較して、現在日時取得手段により取得した日時におけるタグ情報取得手段が取得したタグレベルが、通行許可、若しくは、通行不可のいずれかに該当するかを判定する通行判定手段でもよい。なお、上記の二種類の通行方向取得手段とは、例えば、管理エリア1(通路)から管理エリア2(展示室)への通行方向なのか、管理エリア2(展示室)から管理エリア1(通路)への通行方向なのかは、タグID(返信波)を受信したアンテナ部5を特定することにより判断する手段である。仮に、セキュリティ扉3cの外側に設置されたアンテナ部5cがタグIDを受信した場合は、管理エリア1(通路)から管理エリア2(展示室)への通行方向であり、セキュリティ扉3cの内側に設置されたアンテナ部5cがタグIDを受信した場合は、管理エリア2(展示室)から管理エリア1(通路)への通行方向である。
【0055】
実施の形態3.
実施の形態3では、実施の形態2のさらなる変形例を説明する。したがって、実施の形態1〜3に係る経路制限RFIDシステムの基本的な構成や動作は共通であるので、実施の形態3では再度説明はしない場合がある。図8において、通行可曜日および不可曜日通行可タグレベルを削除すると、曜日別通行制限を行わない場合に、任意の時間帯のみ任意の扉の一方通行が可能となる。図10において、通行可曜日および不可曜日通行可タグレベルを削除すると、曜日別通行制限を行わない場合に、一方通行制限および時間帯通行制限を容易に実施可能となる。
【0056】
図10において、通行可時間帯および不可時間通行可タグレベルを削除すると、時間帯通行制限を行わない場合に、一方通行制限および曜日別通行制限を容易に実施可能となる。図10において、通行可方向および不可方向通行可タグレベルを削除すると、一方通行制限を行わない場合に、時間帯通行制限および曜日別通行制限を容易に実施可能となる。図10において、通行可時間帯および不可時間通行可タグレベルと、通行可曜日および不可曜日通行可タグレベルを削除すると、一方通行制限のみを行う場合に、一方通行制限を容易に実施可能となる。
【0057】
図10において、通行可方向および不可方向通行可タグレベルと、通行可曜日および不可曜日通行可タグレベルを削除すると、時間帯通行制限のみを行う場合に、時間帯通行制限を容易に実施可能となる。図10において、通行可方向および不可方向通行可タグレベルと、通行可時間帯および不可時間通行可タグレベルを削除すると、曜日別通行制限のみを行う場合に、曜日別通行制限を容易に実施可能となる。以上のように、実施の形態1〜3に係る経路制限RFIDシステムを適用した入退室管理システムによれば、会社などの建物(建物1)において、一方通行制限、時間帯通行制限、曜日別通行制限を実施するのに有効に利用することができる。なお、実施の形態1〜3に係る経路制限RFIDシステムは、その特徴から交通標識型経路制限システム(RFIDシステム)ともいえる。
【符号の説明】
【0058】
1・・建物、2・・通信制御部(通信制御装置)、3・・エリア仕切り手段(セキュリティ扉・扉)、3a・・セキュリティ扉(扉A)、3b・・セキュリティ扉(扉B)、3c・・セキュリティ扉(扉C)、3d・・セキュリティ扉(扉D)、3e・・セキュリティ扉(扉E)、3f・・セキュリティ扉(扉F)、3g・・セキュリティ扉(扉G)、3h・・セキュリティ扉(扉H)、3i・・セキュリティ扉(扉I)、3j・・扉(扉J)、4・・RFIDタグ読み取りエリア、5・・アンテナ部、5a・・アンテナ部(扉Aに設置)、5b・・アンテナ部(扉Bに設置)、5c・・アンテナ部(扉Cに設置)、5d・・アンテナ部(扉Dに設置)、5e・・アンテナ部(扉Eに設置)、5f・・アンテナ部(扉Fに設置)、5g・・アンテナ部(扉Gに設置)、5h・・アンテナ部(扉Hに設置)、5i・・アンテナ部(扉Iに設置)、5j・・アンテナ部(扉Jに設置)、6・・サーバ(制御部)、7・・RFIDリーダライタ、8・・ケーブル(LANケーブル又は同軸ケーブル)、9・・LANケーブル、10・・同軸ケーブル、11・・ディスプレイ部、12・・回転灯、13・・報知部ケーブル、14・・スピーカ、15・・報知部ケーブル、16・・通行者、17・・RFIDタグ(ICカード)。
【技術分野】
【0001】
この発明は、会社や工場などの建物において、RFID(Radio Frequency IDentification)タグを用いて、人物の管理エリア内への入退室・入退場を管理し、経路制限することにより管理エリア内に設置したセキュリティ扉内に不正に侵入することを防止する入退室管理及び通行管理を行う経路制限RFIDシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、RFIDタグやICカードを使用する入退場管理(通行管理)システムには、セキュリティ扉(ゲート)ごとにRFIDタグ又はICカードの通行可否を設定するものがあった(例えば、特許文献1及び2)。また、通行可否を発光ダイオードや警笛などにより、RFIDタグ又はICカードの所有者に報知する入退場管理システムがあった(例えば、特許文献3)。なお、RFIDタグやICカードを使用する入退場管理を用いた施設において、その施設内でのRFIDタグ又はICカードの所有者の通過経路を時間により管理する経路管理システムがあった(例えば、特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−315203号公報(第3図、第9図)
【特許文献2】特開平9−6855号公報(第2図)
【特許文献3】特開平8−42209号公報(第1図、第4図、第8図)
【特許文献4】特開2007−80176号公報(第1図〜第4図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の入退場管理(通行管理)システムや経路管理システムにおいて、RFIDタグの所有者に対して、任意の扉への通行を一方通行とするなどの経路制限を行う場合には、RFIDタグから受信したタグIDの過去の入退室情報および通行可能な扉間情報を記述した経路テーブルを用いて、正しい経路を通過しているかを判定し、入退室を許可するか否かを判断する必要があった。このため、経路テーブルを構築するためのロジックの検証作業に時間を費やす必要があり、また、経路の検討漏れによる不適切な経路テーブルが混入する可能性あるという課題があった。さらに、通行許可判定を行う際に、経路テーブルを検索する必要があるため、経路制限を行う扉が多いほど、判定時間が長くなるという課題もあった。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解消するためになされたもので、作成が複雑な経路テーブルを用いることなく経路制限を実施することが可能な経路制限RFIDシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明に係る経路制限RFIDシステムは、RFIDタグのタグIDの認証を無線で行う通信制御部2と、この通信制御部2によりタグIDに対して通行許可の認証がなされたとき、開門又は開錠するゲート又は扉で構成され、管理エリアを仕切る複数のエリア仕切り手段と、このエリア仕切り手段の周囲をRFIDタグ読み取りエリアとし、前記通信制御部2に接続されたアンテナ部と、日時ごとにであって、タグレベルごとに設定された前記エリア仕切り手段が通行許可、若しくは、通行不可の情報を設定する経路制限リストと備え、前記通信制御部2は、前記アンテナ部からの質問波に対してRFIDタグからタグIDの情報を有する返信波が前記アンテナ部を介して前記通信制御部2に送られたとき、そのタグIDの取得日時を取得する現在日時取得手段と、この現在日時取得手段により取得した日時における前記タグレベルごとに設定された前記エリア仕切り手段が通行許可、若しくは、通行不可の情報を前記経路制限リストから取得する通行方向取得手段と、タグIDの情報からタグ情報であるタグレベルを取得するタグ情報取得手段と、このタグ情報取得手段が取得したタグレベルと前記通行方向取得手段が取得したタグレベルごとに設定された情報とを比較して、前記タグ情報取得手段が取得したタグレベルが、通行許可、若しくは、通行不可のいずれかに該当するかを判定する通行判定手段とを有することを特徴とするものである。
【0007】
請求項2の発明に係る経路制限RFIDシステムは、RFIDタグのタグIDの認証を無線で行う通信制御部2と、この通信制御部2によりタグIDに対して通行許可の認証がなされたとき、開門又は開錠するゲート又は扉で構成され、管理エリアを仕切る複数のエリア仕切り手段と、このエリア仕切り手段の周囲をRFIDタグ読み取りエリアとし、前記通信制御部2に接続されたアンテナ部と、日時ごとにであって、タグレベルごとに設定された前記エリア仕切り手段が通行許可、若しくは、通行不可の情報を設定する経路制限リストと備え、前記通信制御部2は、前記アンテナ部からの質問波に対してRFIDタグからタグIDの情報を有する返信波が前記アンテナ部を介して前記通信制御部2に送られたとき、そのタグIDの取得日時を取得する現在日時取得手段と、前記タグレベルごとに設定された前記エリア仕切り手段が通行許可、若しくは、通行不可の情報を前記経路制限リストから取得する通行方向取得手段と、タグIDの情報からタグ情報であるタグレベルを取得するタグ情報取得手段と、このタグ情報取得手段が取得したタグレベルと前記通行方向取得手段が取得したタグレベルごとに設定された情報とを比較して、前記現在日時取得手段により取得した日時における前記タグ情報取得手段が取得したタグレベルが、通行許可、若しくは、通行不可のいずれかに該当するかを判定する通行判定手段とを有することを特徴とするものである。
【0008】
請求項3の発明に係る経路制限RFIDシステムは、RFIDタグのタグIDの認証を無線で行う通信制御部2と、この通信制御部2によりタグIDに対して通行許可の認証がなされたとき、開門又は開錠するゲート又は扉で構成され、管理エリアを仕切る複数のエリア仕切り手段とを備え、前記複数のエリア仕切り手段のうち、少なくとも1つ以上のエリア仕切り手段により仕切られた管理エリアが複数存在し、この複数の管理エリアのうちで前記エリア仕切り手段を介して隣り合う二つの管理エリアごとに、その二つの管理エリア間が一方通行又は両方向通行である通行許可の認証、若しくは、通行不可の認証をタグIDごとに前記通信制御部2が行うことを特徴とするものである。
【0009】
請求項4の発明に係る経路制限RFIDシステムは、RFIDタグのタグIDの認証を無線で行う通信制御部2と、この通信制御部2によりタグIDに対して通行許可の認証がなされたとき、開門又は開錠するゲート又は扉で構成され、管理エリアを仕切る複数のエリア仕切り手段とを備え、前記複数のエリア仕切り手段のうち、少なくとも1つ以上のエリア仕切り手段により仕切られた管理エリアが複数存在し、この複数の管理エリアのうちで前記エリア仕切り手段を介して隣り合う二つの管理エリアごとに、その二つの管理エリア間が一方通行又は両方向通行である通行許可の認証、若しくは、通行不可の認証を前記通信制御部2がタグIDごとに設定された経路制限リストに基づいて行うことを特徴とするものである。
【0010】
請求項5の発明に係る経路制限RFIDシステムは、前記経路制限リストが、所定時間ごとに一方通行許可又は両方向通行許可の通行許可、若しくは、通行不可の条件が前記管理エリアごとに変更される請求項4に記載のものである。
【0011】
請求項6の発明に係る経路制限RFIDシステムは、前記経路制限リストが、曜日ごとに一方通行許可又は両方向通行許可の通行許可、若しくは、通行不可の条件が前記管理エリアごとに変更される請求項4に記載のものである。
【0012】
請求項7の発明に係る経路制限RFIDシステムは、前記通信制御部2が、タグIDが認証された後に前記経路制限リストが変更されたとき、その認証されたタグIDの以後の認証は、変更される前の前記経路制限リストに基づいて成される請求項5又は6に記載のものである。
【0013】
請求項8の発明に係る経路制限RFIDシステムは、前記通信制御部2が、タグIDが認証された後に前記経路制限リストが変更されたとき、その認証されたタグIDの以後の認証は、通過してきた前記管理エリアに戻る一方通行の認証のみを行う請求項5又は6に記載のものである。
【0014】
請求項9の発明に係る経路制限RFIDシステムは、前記経路制限リストが、1つの前記エリア仕切り手段のみによって仕切られた管理エリアに対して、両方向通行許可の通行許可、若しくは、通行不可の条件を設定する請求項4に記載のものである。
【0015】
請求項10の発明に係る経路制限RFIDシステムは、前記タグIDが、所定数のタグレベルに分類される請求項3〜9のいずれかに記載のものである。
【0016】
請求項11の発明に係る経路制限RFIDシステムは、前記複数のエリア仕切り手段のうち少なくとも一つが、前記通信制御部2によるタグIDの認証の結果を表示する表示部を有する請求項3〜10のいずれかに記載のものである。
【0017】
請求項12の発明に係る経路制限RFIDシステムは、前記表示部が、前記通信制御部2によるタグIDの認証の結果が通行不可であるときに警告を報知する請求項11に記載のものである。
【0018】
請求項13の発明に係る経路制限RFIDシステムは、前記複数のエリア仕切り手段のうち少なくとも一つが、前記通信制御部2によるタグIDの認証の結果が通行不可であるときに警告を光又は音若しくは光と音とで報知する警告手段を有する請求項3〜11のいずれかに記載のものである。
【0019】
請求項14の発明に係る経路制限RFIDシステムは、前記通信制御部2が、有線又は無線で互いに接続された複数のRFIDリーダライタで構成される請求項3〜13のいずれかに記載のものである。
【0020】
請求項15の発明に係る経路制限RFIDシステムは、前記通信制御部2が、前記複数のRFIDリーダライタと前記複数のRFIDリーダライタと接続されたサーバとで構成される請求項14に記載のものである。
【0021】
請求項16の発明に係る経路制限RFIDシステムは、前記複数の管理エリアが、管理エリアと管理エリアとを結ぶ通路を含む請求項3〜15のいずれかに記載のものである。
【発明の効果】
【0022】
以上のように、この発明によれば、RFIDタグから受信したタグIDの過去の入退室情報および通行可能な扉間情報を記述した経路テーブルを用いずに、管理エリアごとに、一方通行許可又は両方向通行許可の通行許可、若しくは、通行不可の認証を行うので、複雑な経路テーブルを構築することなく経路の制限を行なうことができる経路制限RFIDシステムを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】この発明の実施の形態1に係る経路制限RFIDシステムを適用した入退室管理システムが導入された建物の構造を示す模式図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る経路制限RFIDシステムを適用した入退室管理システムが導入された建物における管理エリアを示す模式図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係る経路制限RFIDシステムを適用した入退室管理システムのセキュリティ扉付近の構成図である。
【図4】この発明の実施の形態1に係る経路制限RFIDシステムを適用した入退室管理システムのセキュリティ扉付近の構成図である。
【図5】この発明の実施の形態1に係る経路制限RFIDシステムを適用した入退室管理システムのセキュリティ扉付近の構成図である。
【図6】この発明の実施の形態1に係る経路制限RFIDシステムを適用した入退室管理システムのセキュリティ扉付近の構成図である。
【図7】この発明の実施の形態2に係る経路制限RFIDシステムに使用されるRFIDタグのタグレベルの例を示す図である。
【図8】この発明の実施の形態2に係る経路制限RFIDシステムにおける入退室制限情報テーブル(経路制限リスト)の例を示す図である。
【図9】この発明の実施の形態2に係る経路制限RFIDシステムにおける入退室可否判定のフローを示すフローチャートである。
【図10】この発明の実施の形態2に係る経路制限RFIDシステムにおける入退室制限情報テーブル(経路制限リスト)の例を示す図である。
【図11】この発明の実施の形態2に係る経路制限RFIDシステムにおける入退室可否判定のフローを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1について図1〜6を用いて説明する。図1及び図2は実施の形態1に係る経路制限RFIDシステムを適用した入退室管理システムが導入された建物を示しており、上側が北向きに配置された建物である。建物内には、セキュリティ扉を隔てて、通路と繋がる展示室、事務所、食堂、設計室がある。また、セキュリティ扉でない扉を隔てて、通路と繋がるトイレもある。図3(a)はセキュリティ扉付近の構成図、図3(b)はセキュリティ扉内外の構成図、図4(a)はセキュリティ扉付近の構成図、図4(b)は報知部と警告手段が設けられたセキュリティ扉付近の構成図である。図1〜6において、1は内部の管理エリアである通路や居室に対して経路制限が行なわれる建物、2はRFIDタグのタグIDの認証を無線で行う通信制御部(図中では、通信制御装置)、3は通信制御部2によりタグIDに対して通行許可の認証がなされたとき、開門又は開錠するゲート又は扉で構成され、管理エリアを仕切る複数のエリア仕切り手段である。本願実施の形態では、仕切り手段3は、セキュリティ扉3(扉3)を用いて説明する。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。なお、本願発明における全ての実施の形態では、居室を人が居住・作業・娯楽・休憩などの目的のために使用する部屋以外に、展示室・通路・トイレなどの空間も便宜上、居室に含めて説明を行う。なお、エリア仕切り手段3の開錠(開門)は通信制御部2によって行なわれるが、図面上では、通信制御部2とエリア仕切り手段3との間の接続関係は省略する。
【0025】
引き続き、図1〜6において、3aは建物1の外部と管理エリア1とを仕切るエリア仕切り手段3であって、建物内の通路である管理エリア1に入退場するためのセキュリティ扉A(扉A)、3bは建物1の外部と管理エリア1とを仕切るエリア仕切り手段3であって、建物内の通路である管理エリア1に入退場するためのセキュリティ扉(扉B)、3cは管理エリア1と管理エリア2とを仕切るエリア仕切り手段3であって、建物内の展示室である管理エリア2に入場するためのセキュリティ扉(扉C)、3dは管理エリア1と管理エリア2とを仕切るエリア仕切り手段3であって、建物内の展示室である管理エリア2に退場するためのセキュリティ扉(扉D)、3eは管理エリア1と管理エリア3とを仕切るエリア仕切り手段3であって、建物内の事務所である管理エリア3に入退場するための事務所南のセキュリティ扉(扉E)、3fは管理エリア1と管理エリア3とを仕切るエリア仕切り手段3であって、建物内の事務所である管理エリア3に入退場するための事務所北のセキュリティ扉(扉F)、3gは管理エリア1と管理エリア4とを仕切るエリア仕切り手段3であって、建物内の食堂である管理エリア4に入場するためのセキュリティ扉(扉G)、3hは管理エリア1と管理エリア4とを仕切るエリア仕切り手段3であって、建物内の食堂である管理エリア4に退場するためのセキュリティ扉(扉H)、3iは管理エリア1と管理エリア5とを仕切るエリア仕切り手段3であって、建物内の食堂である管理エリア4に退場するためのセキュリティ扉(扉I)、3jは管理エリア1とトイレとを仕切るエリア仕切り手段3であって、建物内のトイレに入退室するための扉(扉J)であり、セキュリティ扉2aはゲスト用の玄関とし、セキュリティ扉2bは、建物1を使用している会社の社員(関係者)用出入口である。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。なお、通路を含む各管理エリアは、基本的にはエリア仕切り手段3以外に出入りする手段を有していない空間とする。これは、もちろん、窓から出入りするなどの正常でない出入りまでも排除するものではない。
【0026】
引き続き、図1〜6において、4はエリア仕切り手段3の周囲のRFIDタグ読み取りエリア、5はRFIDタグ読み取りエリア4にビームを放射する通信制御部2に接続されたアンテナ部であり、特に、5a〜5iはセキュリティ扉3a〜3iにそれぞれ設置されたアンテナ部、5jは扉3jに設置されたアンテナ部である。6は通信制御部2を構成するサーバ(制御部)、7はアンテナ部5が接続される通信制御部2を構成するRFIDリーダライタであり、複数のRFIDリーダライタ7は有線又は無線でサーバ6を介して互いに接続されている。アンテナ部5(アンテナ部5a〜5j)は、UHF帯やミリ波帯を使用する電波方式のアンテナを図示しているが、本願発明に係る経路制限RFIDシステムは、HF帯を使用する電磁誘導方式などの別の通信方式を使用するRFIDシステムにも適用できる。また、セキュリティ扉3の制御は、サーバ6側で行ってもよいし、RFIDリーダライタ7側で行ってもよい。図面上では、サーバ6又はRFIDリーダライタ7とエリア仕切り手段3との間の接続関係は省略する。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
【0027】
引き続き、図1〜6において、8は通信制御部2又はRFIDリーダライタ7とアンテナ部5とを接続するケーブル(LANケーブル又は同軸ケーブル)、9は通信制御部2とRFIDリーダライタ7とを接続するLANケーブルである。LANケーブル9は有線のものだけなく、無線のものも含むとする。つまり、サーバ6とRFIDリーダライタ7との間のネットワークは、有線LANと無線LANとをそれぞれ単独で使用してもよいし、両方を併用してもよい。10はRFIDリーダライタ7とアンテナ部5とを接続する同軸ケーブル、11は表示部(報知部)であるディスプレイ部、12は報知部である回転灯、13はディスプレイ部11及び回転灯12とRFIDリーダライタ7とを接続する報知部ケーブル、14は警告手段(報知部)であるスピーカ、15はスピーカ14とRFIDリーダライタ7とを接続する報知部ケーブル、16は管理エリアへの入退場する関係者やゲストなどの通行者、17は通行者16が保有するRFIDタグ(ICカード)である。アンテナ部5(アンテナ部5a〜5j)と同様にRFIDタグ17は、本願発明に係る経路制限RFIDタグシステムにおいては、UHF帯やミリ波帯を使用する電波方式やHF帯を使用する電磁誘導方式などの種々の通信方式を利用したRFIDタグやICカードを使用することが可能である。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
【0028】
図1及び2から、通路である管理エリア1は、全ての居室である管理エリア2〜5とセキュリティ扉3により仕切られていることが分かるが、実施の形態1に係る経路制限システムは、建物1のような構造の建物でなくても適用することが可能である。例えば、通路がなく、全ての管理エリアが居室で構成される場合や、通路もあるが通路と面していない居室もある場合などが想定される。もちろん、建物でなく工場や学校施設などの屋外でも仕切られた空間であれば適用可能であるし、屋内及び屋外の両方に適用してもよいことはいうまでもない。なお、このような場合は、セキュリティ扉に加えて、エリア仕切り手段にフラッパゲートを用いるなどが考えられる。また、図1及び2に示す扉3jで仕切られたトイレのように、全てに、居室にセキュリティ扉3を設ける必要はない。なお、図1及び2においては、扉3jの開錠に関して、ケーブル8を介して通信制御部2に接続されている。したがって、扉3jの開錠は、扉3jの付近に設置されたアンテナ部5jを介して、RFIDタグ17のタグIDを通信制御部2が読み込むことにより行なわれるが、認証に関しては、通行者16が所持を許された正式なRFIDタグ17であれば、そのタグIDによる通行許可又は通行不可の認証を実施せずに、正式なRFIDタグ17のタグIDが認証されれば、扉3jを開錠すればよい。
【0029】
セキュリティ扉3及びこれに付随する構成について、図3〜6を用いて説明する。補足的に図1及び2も説明に用いることがある。図3(a)は管理エリアが2枚のセキュリティ扉3で仕切られており、それぞれの上方にアンテナ部5が設置されている。通行者16がアンテナ部5のRFIDタグ読み取りエリア4に進入することにより、通信制御部2がタグIDを認証し、タグIDの内容によって、通行を許可されたタグIDであれば、通信制御部2がセキュリティ扉3を開錠する。次に、図3(b)はセキュリティ扉3の内部にもアンテナ部5が設置されていることを点線で示している。このように、セキュリティ扉3の内外にアンテナ部5を設置することにより、セキュリティ扉3の内外でRFIDタグ17のタグIDを認証することが可能であるので、通行者16が入退室(入退場)することができる。一つのアンテナ部5でもセキュリティ扉3の内外にRFIDタグ読み取りエリア4を形成することが可能であれば、セキュリティ扉3の片側だけにアンテナ部5を設置すればよいが、その場合は、通行者16の進行方向を検出する必要がある。また、いかなるタグIDであっても一方通行の通行許可又は通行不可の認証のみ行う場合は、セキュリティ扉3の片側だけにアンテナ部5を設置すればよい。このようなことから、図3(b)以外の図面では、管理エリア内のアンテナ部5の図示は省略する。なお、管理エリア5(設計室)のように、1つのエリア仕切り手段3のみによって仕切られている場合は、図3(a)(b)に示す2枚のセキュリティ扉3ではなく、片方のセキュリティ扉3だけになるが、そのセキュリティ扉3に両方向通行許可の通行許可、若しくは、通行不可の条件を設定することは、他の管理エリアと同じである。
【0030】
図3では、管理エリアを特定せずに2枚のセキュリティ扉3で仕切られた管理エリアと説明したが、図4では、管理エリアを管理エリア2(展示室)に特定し、さらに、通信制御部2をサーバ6とRFIDリーダライタ7とで構成したものを説明するが、本質的な構成に相違はない。図4(a)はセキュリティ扉3cとセキュリティ扉3dとで管理エリア2を仕切った状態を示すものである。アンテナ部5cとアンテナ部5dとは、同軸ケーブル10によりRFIDリーダライタ7に接続され、RFIDリーダライタ7はLANケーブル9によりサーバ6と接続されている。図4(a)のように、通信制御部2の機能をサーバ6とRFIDリーダライタ7とに分けることにより、RFIDリーダライタ7を各セキュリティ扉3(エリア仕切り手段3)の近傍に設置することにより、セキュリティ扉3ごとのメンテナンス性がこうじょうするだけでなく、後述する経路制限リストをサーバ6若しくは外部から取得しておけば、RFIDリーダライタ7とセキュリティ扉3(図4では、セキュリティ扉3cとセキュリティ扉3d)との間の閉じたネットワークだけでも、タグIDの認証を行うことができる。
【0031】
図4(b)は、図4(a)に記載のセキュリティ扉付近の構成に報知部と警告手段を付加したセキュリティ扉付近の構成を示している。また、対象とする管理エリアを管理エリア3(事務所)としている。図4(a)(b)において、本質的な構成に相違はない。セキュリティ扉3eには、表示部11と回転灯12とが報知部ケーブル13を介してRFIDリーダライタ7に接続されている。この表示部11と回転灯12とは、タグIDの認証結果を報知する報知手段として機能する。表示部11は、タグIDの認証結果を表示する液晶ディスプレイのような画面でもよいし、LEDなどの発光素子でもよい。表示部11は、通行許可であれば「OK」、通行不可であれば「NG」などと表示することが考えられる(図4(b)では、「OK」の表示を例示している)が、表示部11に発光素子を使用する場合であって、発光素子の数が少ない場合は、タグIDの認証結果を発光素子の点灯色を変える、発光素子の点滅させる、通行許可や通行不可を図示し、それらに対応する発光素子を点灯させる、などにより報知すればよい。
【0032】
表示部11は、通行許可である場合も、単に「OK」など表示するだけでなく、通行許可とされたタグIDが、セキュリティ扉に対して、一方通行の通行制限があるかどうかを表示してもよい。一方通行とは、タグIDが認証され、セキュリティ扉を介して隣り合う管理エリアへは入室することは可能であるが、入室した先の管理エリアから元にいた管理エリアには通行許可の認証が下りないことを指す。具体的には、管理エリア1(通路)からセキュリティ扉3cを介して管理エリア2(展示室)には入室できるが、管理エリア2(展示室)からセキュリティ扉3cを介して管理エリア1(通路)には入室できない(管理エリア2から退室できない)という設定であるときが考えられる。また、通行不可である場合でも、セキュリティ扉の反対側からなら入室できる場合であれば、その意味での一方通行を表示部11により報知してもよい。この場合は、一方通行(通行許可)、一方通行(通行不可)などと一方通行の表示を二種類準備すればよい。もちろん、このような通行制限がない場合は、表示部11は、両方向通行である旨を表示して通行制限がないことを報知してもよい。このように、通行制限の有無も事前に通行者16に知らせておくことができるので、通行者16が管理エリア内で迷う可能性も低くなる。さらに、回転灯12も、表示部11と同様に、通行許可であれば点灯、通行不可であれば非点灯などと表示することが考えられる(図4(b)では、例示的の点灯している状態を示しているが、点灯だけでなく点滅や消灯により、通行許可や通行不可を報知してもよい。但し、消灯の場合は、事前に点灯する必要があるが、消灯したままであることが、報知の一つである場合は、この限りではない)。一方通行の通行制限も同様に回転灯12により報知してもよい。その場合は、両方向通行,一方通行,通行不可を識別するために、事前に三種類の報知パターンを点灯,点滅,消灯により取り決めておけばよい。これは、表示部11においても同様であり、両方向通行,一方通行,通行不可を識別するために、三種類の表示パターンを事前に設定しておけばよい。なお、三種類の報知パターン(表示パターン)は、一方通行を一方通行(通行許可)と一方通行(通行不可)とに分けて表示(報知)する場合は、報知パターン(表示パターン)が四種類に増えることになる。言い換えると、報知したい種類だけ報知パターン(表示パターン)を準備しておけばよいことになる。さらに、表示部11や回転灯12は、タグIDの認証の結果が通行不可であるときに警告を光や表示で報知するようにしてもよい。
【0033】
続いて、図4(b)に記載のセキュリティ扉3fには、スピーカ14が報知部ケーブル15を介してRFIDリーダライタ7に接続されている。このスピーカ14は、前述の表示部11及び回転灯12のように、タグIDの認証結果を報知する報知手段として機能する。スピーカ14は、タグIDの認証結果を音声や音により報知するものであればよく、通行許可であれば「OKを示すメロディ」、通行不可であれば「NGを示すメロディ」を流することが考えられる(図4(b)では、例示的の音声又は音(メロディ)が流れている状態を示している)。もちろん、表示部11や回転灯12のように、前述した一方通行の通行制限がある旨をスピーカ14から報知してもよい。なお、スピーカ14は、タグIDの認証の結果が通行不可であるときに警告を音声や音により報知するようにしてもよい。つまり、報知手段である表示部11、回転灯12、スピーカ14を警告手段として使用する場合は、タグIDの認証の結果が通行不可であるときに警告を表示部11、回転灯12、スピーカ14から発する光又は音若しくは光と音とで報知することになる。また、図4(b)に記載の表示部11、回転灯12、スピーカ14は、それぞれ一つのセキュリティ扉3に自由に組み合わせて使用してもよいし、それぞれ単品で使用してもよい。さらに、図4(b)に記載の表示部11、回転灯12、スピーカ14は、一体化した装置で構成してもよい。一体化の組み合わせに選択する報知手段やその数は任意である。
【0034】
次に、図5及び6を用いて、管理エリア同士の関係を説明する。図3及び4では、通信制御部2と一つの管理エリアとが結ばれて管理されているような説明を行ったが実際は、図1及び2に示すように、通信制御部2は管理エリア1〜5に結ばれて管理を行っている。複数の管理エリアに対して一つのRFIDリーダライタ7を設置して管理してもよいし、管理エリアごとにRFIDリーダライタ7を設置箇所と複数の管理エリアに対して一つのRFIDリーダライタ7を設置箇所との設けてもよい。具体的には、図5に示すように、管理エリアごとにRFIDリーダライタ7を設置して、通行許可や通行不可の認証を行ってもよいし、図6に示すように、二つの管理エリアに対して一つのRFIDリーダライタ7を設置して、通行許可や通行不可の認証を行ってもよい。図5及び6では、管理エリア2と管理エリア3とを対象にしたものを示したが、他の管理エリア1、4、5でも同様な通信制御部2の構成を適用することが可能である。
【0035】
最後に、実施の形態1に係る経路制限RFIDシステムの動作について、図1〜6を用いて説明する。大まかな動作は、複数のエリア仕切り手段3のうち、少なくとも1つ以上のエリア仕切り手段により仕切られた管理エリアが複数存在し、この複数の管理エリアのうちでエリア仕切り手段3を介して隣り合う二つの管理エリアごとに、その二つの管理エリア間が一方通行又は両方向通行である通行許可の認証、若しくは、通行不可の認証をタグIDごとに通信制御部2が行うことである。図1及び図2に記載の建物1内の管理エリア1(通路)と管理エリア2(展示室)を用いて説明する。一例として、管理エリア1と管理エリア2とのセキュリティの事前設定事項を以下の通りとする。通行者16が関係者である場合、通行者16が所持するRFIDタグ17のタグIDは、管理エリア2のセキュリティ扉3c・セキュリティ扉3dの両方向通行の通行許可が成されているものとする。通行者16がゲストである場合、通行者16が所持するRFIDタグ17のタグIDは、管理エリア2のセキュリティ扉3c・セキュリティ扉3dの一方通行の通行許可が成されているものとする。詳しくは、ゲストが保持するRFIDタグ17のタグIDは、通路である管理エリア1からセキュリティ扉3cを越えて管理エリア2に入室することは許されているが、管理エリア2からセキュリティ扉3cを越えて通路である管理エリア1へ退室することは許されていないものし、また、ゲストが保持するRFIDタグ17のタグIDは、管理エリア2からセキュリティ扉3dを越えて通路である管理エリア1へ退室することは許されているが、通路である管理エリア1からセキュリティ扉3dを越えて管理エリア2に入室することは許されていないものとする。
【0036】
上記の事前設定事項をふまえて、実施の形態1に係る経路制限RFIDシステムを具体的に説明する。管理エリア1にいる関係者がセキュリティ扉3cに設置されたアンテナ部5cのRFIDタグ読み取りエリア4に入ると、通信制御部2に制御されたアンテナ部5cからタグIDを確認する電波(質問波)がRFIDタグ読み取りエリア4に送信され、質問波を受信した関係者が保持するRFIDタグ17が自身のタグIDを情報としてのせた返信波をアンテナ部5cに送信する。返信波を受信したアンテナ部5cは、その受信信号を通信制御部2に送信する。通信制御部2ではRFIDタグ17からの返信波由来の受信信号からタグIDを取り出し、関係者のID(タグID)であることを認証した後に、セキュリティ扉3cに開錠の指示を出す。関係者の管理エリア2への入室が完了後、セキュリティ扉3cに施錠の指示を出す。関係者が管理エリア2から退室して管理エリア1へ向かう場合は、退室するために選択するセキュリティ扉3が、セキュリティ扉3c又はセキュリティ扉3dのいずれであっても、通信制御部2は、管理エリア1から管理エリア2への入室時と同じ処理を行う。
【0037】
管理エリア1にいるゲストがセキュリティ扉3cに設置されたアンテナ部5cのRFIDタグ読み取りエリア4に入ると、通信制御部2に制御されたアンテナ部5cからタグIDを確認する電波(質問波)がRFIDタグ読み取りエリア4に送信され、質問波を受信したゲストが保持するRFIDタグ17が自身のタグIDを情報としてのせた返信波をアンテナ部5cに送信する。返信波を受信したアンテナ部5cは、その受信信号を通信制御部2に送信する。通信制御部2ではRFIDタグ17からの返信波由来の受信信号からタグIDを取り出し、ゲストのID(タグID)であることを認証した後に、セキュリティ扉3cに開錠の指示を出す。ゲストの管理エリア2への入室が完了後、セキュリティ扉3cに施錠の指示を出す。
【0038】
ゲストが管理エリア2から退室して管理エリア1へ向かう意思があるとき、退室するために選択するセキュリティ扉3が、セキュリティ扉3cであった場合、セキュリティ扉3cに設置されたアンテナ部5cのRFIDタグ読み取りエリア4に入ると、通信制御部2に制御されたアンテナ部5cからタグIDを確認する電波(質問波)がRFIDタグ読み取りエリア4に送信され、質問波を受信したゲストが保持するRFIDタグ17が自身のタグIDを情報としてのせた返信波をアンテナ部5cに送信する。返信波を受信したアンテナ部5cは、その受信信号を通信制御部2に送信する。通信制御部2ではRFIDタグ17からの返信波由来の受信信号からタグIDを取り出し、ゲストのID(タグID)であることを認証し、その認証が通行不可であるので、セキュリティ扉3cに開錠の指示を出さない。ゲストに退室できるセキュリティ扉3ではないことを報知する必要がある場合は、表示部11、回転灯12、スピーカ14をセキュリティ扉(この場合はセキュリティ扉3c)に設置して、通行不可である旨をゲストに伝えればよい。場合によっては、退室が可能なセキュリティ扉3はセキュリティ扉3dであることを報知手段によって、ゲストへお知らせしてもよい。
【0039】
ゲストが管理エリア2から退室して管理エリア1へ向かう意思があるとき、退室するために選択するセキュリティ扉3が、セキュリティ扉3dであった場合、セキュリティ扉3dに設置されたアンテナ部5dのRFIDタグ読み取りエリア4に入ると、通信制御部2に制御されたアンテナ部5dからタグIDを確認する電波(質問波)がRFIDタグ読み取りエリア4に送信され、質問波を受信したゲストが保持するRFIDタグ17が自身のタグIDを情報としてのせた返信波をアンテナ部5dに送信する。返信波を受信したアンテナ部5dは、その受信信号を通信制御部2に送信する。通信制御部2ではRFIDタグ17からの返信波由来の受信信号からタグIDを取り出し、ゲストのID(タグID)であることを認証した後に、セキュリティ扉3dに開錠の指示を出す。ゲストの管理エリア1への退室が完了後、セキュリティ扉3dに施錠の指示を出す。
【0040】
管理エリア1にいるゲストがセキュリティ扉3dに設置されたアンテナ部5dのRFIDタグ読み取りエリア4に入ると、通信制御部2に制御されたアンテナ部5dからタグIDを確認する電波(質問波)がRFIDタグ読み取りエリア4に送信され、質問波を受信したゲストが保持するRFIDタグ17が自身のタグIDを情報としてのせた返信波をアンテナ部5dに送信する。返信波を受信したアンテナ部5dは、その受信信号を通信制御部2に送信する。通信制御部2ではRFIDタグ17からの返信波由来の受信信号からタグIDを取り出し、ゲストのID(タグID)であることを認証し、その認証が通行不可であるので、セキュリティ扉3dに開錠の指示を出さない。ゲストに入室できるセキュリティ扉3ではないことを報知する必要がある場合は、表示部11、回転灯12、スピーカ14をセキュリティ扉(この場合はセキュリティ扉3d)に設置して、通行不可である旨をゲストに伝えればよい。場合によっては、入室が可能なセキュリティ扉3はセキュリティ扉3cであることを報知手段によって、ゲストへお知らせしてもよい。
【0041】
以上のような処理を管理エリア1〜5で行うことにより、容易にRFIDを用いた入退場システムにおいて、RFIDタグのタグIDごとの経路制限を行うことができる。つまり、管理エリア1〜5のうち、隣り合う二つの管理エリアごとに、その二つの管理エリア間が一方通行又は両方向通行である通行許可の認証、若しくは、通行不可の認証をタグIDごとに通信制御部2が行えばよい。もちろん、管理エリア5(設計室)のように、1つのエリア仕切り手段3のみによって仕切られているでも、他の管理エリアと同じである。また、隣り合う二つの管理エリアごとであって、タグIDごとの認証は、タグIDごとに設定された経路制限リストに基づいて通信制御部2が行えば容易に行うことができる。経路制限リストは、所定時間ごとに一方通行許可又は両方向通行許可の通行許可、若しくは、通行不可の条件が前記管理エリアごとに変更されるものを設定すれば、展示室である管理エリア2の展示時間に合わせてゲストに入退室を許可し、関係者は常時入退室できるようにする処理や食堂である管理エリア4では食事時で混雑が予想される時間だけは出入口(入口:セキュリティ扉3g、出口:セキュリティ扉3h)を一方通行に制限し、混雑していない時間は、両方向通行に設定することも容易に行える。もちろん、経路制限リストを所定時間ごとに一方通行許可又は両方向通行許可の通行許可、若しくは、通行不可の条件が前記管理エリアごとに変更されるものを設定することが可能であるので、経路制限リストを曜日ごとに設定することもできることはいうまでもない。なお、曜日ごとは、単に24時間ごとだけを指すのではなく、曜日ごとに認証される通行方向や通行許可・通行不可が異なることを指し、経路制限リストが24時間ごとにきっちりと変更されることだけ指しているのではない。
【0042】
通行者16(関係者やゲスト)が管理エリア1〜5のいずれかに入室中、又は、退室中(退室中とは別の管理エリアに入室中である場合のみの退室であって建物1から退室している場合は含まない。)に経路制限リストが変更された場合、通行方向や通行許可・通行不可の設定によっては、通行者16(関係者やゲスト)が、その時点で所在している管理エリアに閉じ込められてしまう場合も想定されるので、その場合は、通信制御部2が、タグIDが認証された後に経路制限リストが変更されたとき、その認証されたタグIDの以後の認証は、変更される前の前記経路制限リストに基づいて行うか、タグIDが認証された後に経路制限リストが変更されたとき、その認証されたタグIDの以後の認証は、通過してきた管理エリアに戻る一方通行の認証のみを行うようにすればよい。つまり、そのような経路制限を設定した経路制限リストを用意しておけばよい。
【0043】
通行者16(関係者やゲスト)が多数おり、一つ一つのタグIDに、二つの管理エリア間が一方通行又は両方向通行である通行許可、若しくは、通行不可を設定することが煩雑な場合は、タグIDを建物1のセキュリティを鑑みて、想定される通行者16のセキュリティレベルに合わせた所定数のタグレベルにタグIDを分類して、タグレベルごとに二つの管理エリア間が一方通行又は両方向通行である通行許可、若しくは、通行不可を設定してもよい。このタグレベルは、RFIDタグ17のタグIDに付加してRFIDタグ内のメモリに記憶(記録)しておいてもよいし、通信制御部2(サーバ6又はRFIDリーダ7)側で、タグIDとタグレベルとを紐付けて管理してもよい。つまり、紐付ける場合は、通信制御部2がアンテナ部5経由で通行者16が保有するRFIDタグ17のタグIDを取得し、そのタグIDが分類されているタグレベルを検索することになる。
【0044】
実施の形態2.
実施の形態1では、経路制限リストに関して、管理エリアごとの詳細設定は例示していなかったが、実施の形態2では、管理エリアごとの詳細設定を施した場合の経路制限RFDIDシステムの動作に関して、より詳細に説明する。実施の形態2では、経路制限リストを建物1に関する場合の詳細を記した入退室制限情報テーブルとして説明する。したがって、実施の形態1及び2に係る経路制限RFIDシステムの基本的な構成や動作は共通であるので、実施の形態2では再度説明はしない場合がある。この発明の実施の形態2について図7〜11を用いて説明する。図7は実施の形態1でも説明したRFIDタグのタグレベルの例を示す図、図8及び10は入退室制限情報テーブルを示す図であり、図中(表中)の扉IDの列に記載されたA〜Iは、扉A(セキュリティ扉3a)〜扉I(セキュリティ扉3i)を指している。図9及び11は入退室可否判定のフローを示すフローチャートであり、入退室可否判定とは、実施の形態1に係る経路制限RFIDシステムの通信制御部2がタグIDごと(タグレベルごと)に行う、二つの管理エリア間が一方通行又は両方向通行である通行許可の認証、若しくは、通行不可の認証を指している。また、図中(フローチャート中)の警報発報とは、警告手段により、警告を発することを指す。なお、基本的な構成や動作は、図1〜6で説明したものと同様であるので、実施の形態2の説明に必要な場合は、図1〜6やこれらに記載の符号を適宜引用することがある。
【0045】
次に、実施の形態2に係る経路制限RFIDシステムの動作について説明する。図7は、実施の形態2に係る経路制限RFIDシステムに使用するRFIDタグ17(タグID)のタグレベルテーブルの例を示す図であり、セキュリティレベルごとに通行者16のグループが設定されるものである。また、図8はこの実施の形態2において入退室制限情報を含むセキュリティ扉3のテーブルの例である。個々の扉(セキュリティ扉3)に対し、どのセキュリティレベル(タグレベル)のタグが入退室できるのかを管理するために、図7、図8に示したような入退室制限情報テーブル(経路制限リスト)を通信制御部2が保有する。また、図8は経路制限RFIDシステムのシステム管理者により、任意に入退室制限情報の設定を変更することが可能であり、ある時間帯の通行を動的に制限する場合に設定される。図9は、この実施の形態1における入退室可否の判定のフローを示すフローチャートであり、図中の(S1A)〜(S11A)は、フローチャート中のステップを示す省略記号である。RFIDタグ17を携帯した通行者16が建物1のアンテナ部5が設置されたセキュリティ扉3の前に立つと、アンテナ部5がRFIDタグ17の情報を読み取り、RFIDリーダライタ7によりサーバ6へ有線又は無線で送信される。
【0046】
サーバ6は、RFIDリーダライタ7から送信されたRFIDタグ17の情報を受信(S1A)すると、現在の日時を取得し(S2A)、送信してきた情報を基にセキュリティ扉3のIDおよび通行方向(セキュリティ扉3のIDは、セキュリティ扉3ごとに設定したIDでもよいし、アンテナ部5ごと又はRFIDリーダライタ7ごとにIDを設定して代用してもよい。一つのRFIDリーダライタ7に複数のセキュリティ扉3を管理させる場合は、RFIDリーダライタ7ごとに設定したIDでは、代用できない場合があることはいうまでもない。通行方向は、セキュリティ扉3の内外、どちらのアンテナ部5由来の情報かで判断する)を取得し、対応するキュリティ扉のテーブルより、入退室制限情報を取得する(S3A)。さらに、通信制御部2は受信したRFIDタグ17のタグID(タグレベル)から通行者16を特定し、RFIDタグ17のセキュリティレベルを取得する(S4)。
【0047】
さらに、サーバ6は取得した入退室制限情報のセキュリティレベルとタグレベルとを比較して、タグレベルが扉のセキュリティレベル以上であるか否かを判定する(S5A)。タグレベルがセキュリティ扉のセキュリティレベル以上であった場合には、タグIDを読み取った読み取り部の方向で通行可時間であるか否かを判定する(S6A)。RFIDタグ17を受信した日時が通行可時間でなかった場合、不可時間中であっても通行許可されているか否かを判定する(S7A)。RFIDタグ17を受信した日時が通行可時間であった場合と、不可時間中であっても通行許可されている場合には、タグを受信した曜日が通行可曜日であるか否かを判定する(S8A)。RFIDタグ17を受信した曜日が通行可曜日でなかった場合、不可曜日であっても入退室許可されているか否かを判定する(S9A)。RFIDタグ17を受信した曜日が通行可曜日であった場合と、不可曜日であっても入退室許可されている場合に、入退室を許可と判断し、扉を解錠および表示部により表示(S10A)した後、サーバ6の判定処理を終了する。なお、これらの判定処理は、RFIDリーダライタ7において実行してもよい。各判定により、入退室を許可されなかった場合は、報知手段(警告手段)である表示部11、回転灯12、スピーカ14のいずれか、又はそれらの組み合わせにより警告を発し(S11A)、判定処理を終了する。
【0048】
運用例として、図1及び2に記載のセキュリティ扉3gの食堂入口に注目する。セキュリティ扉3gはセキュリティレベル1であるため、全てのタグ所有者がセキュリティ扉3gを介して、管理エリア1(通路)から管理エリア4(食堂)へ、管理エリア4(食堂)から管理エリア1(通路)へ通行することができるが、入室方向の通行可時間が0:00〜24:00、退室方向の通行可時間が14:00〜21:00であり、また、不可時間中の通行可タグレベルが入室退室方向ともに設定されていないため、14:00までは入室することしかできず退室は不可となる。14:00〜21:00は入退室ともに可能となる。
【0049】
実施の形態2に係る経路制限RFIDシステムによれば、セキュリティ扉ごとに入退室制限情報テーブル(経路制限リスト)を設定することによって、一方通行制限、時間帯通行制限、曜日別通行制限による入退室管理が可能となる。また、任意の時間帯のみ任意の扉を一方通行にするといった、時間帯の一方通行制限が可能となる。さらに、一方通行制限を実施するために、経路テーブルを作成する必要がなく、入退室制限情報の設定作業が柔軟かつ容易になる。
【0050】
図10は、実施の形態2に係る経路制限RFIDシステムにおける入退室制限情報を含む扉のテーブルの例(変形例)である。図8と同様に、実施の形態2に係る経路制限RFIDシステムのシステム管理者により、任意に入退室制限情報の設定を変更することが可能である。図11は、この実施の形態における入退室可否の判定のフローを示すフローチャートであり、図中の(S1B)〜(S13B)は、フローチャート中のステップを示す省略記号である。(S1B)〜(S5B)については、実施の形態2の(S1A)〜(S5A)と同様であるため、(S6B)より説明を行う。
【0051】
タグレベルがセキュリティ扉3のセキュリティレベル以上であった場合には、タグ情報を送信したRFIDリーダライタ3が入退室制限情報の通行可能方向であるか否かを判定する(S6B)。通行可能方向でなかった場合、不可方向からでも入退室許可されているか否かを判定する(S7B)。タグ情報を送信したRFIDリーダライタ3が通行可能方向であった場合と、不可方向であっても入退室許可されている場合には、RFIDタグ17を受信した日時が通行可時間であるか否かを判定する(S8B)。RFIDタグ17を受信した日時が通行可時間でなかった場合、不可時間中であっても入退室許可されているか否かを判定する(S9B)。RFIDタグ17を受信した日時が通行可時間であった場合と、不可時間中であっても入退室許可されている場合には、RFIDタグ17を受信した曜日が通行可曜日であるか否かを判定する(S10B)。RFIDタグ17を受信した曜日が通行可曜日でなかった場合、不可曜日であっても入退室許可されているか否かを判定する(S11B)。RFIDタグ17を受信した曜日が通行可曜日であった場合と、不可曜日であっても入退室許可されている場合に、入退室を許可と判断し、扉を解錠および表示部により表示(S12B)した後、サーバ6の判定処理を終了する。なお、これらの判定処理は、RFIDリーダライタ7において実行してもよい。各判定により、入退室を許可されなかった場合は、報知手段(警告手段)である表示部11、回転灯12、スピーカ14のいずれか、又はそれらの組み合わせにより警告を発し(S13B)、判定処理を終了する。
【0052】
この実施の形態2の変形例によれば、セキュリティ扉3に入退室制限情報テーブル(経路制限リスト)を設定することによって、一方通行制限、時間帯通行制限、曜日別通行制限による入退室管理が可能となる。また、一方通行制限を実施するために、経路テーブルを作成する必要がなく、各制限がそれぞれ異なっているため、実施の形態2に比べ入退室制限の設定作業が容易になる。
【0053】
以上のように、実施の形態2に係る経路制限RFIDシステムにおいて、通信制御部2(サーバ6、RFIDリーダライタ7)は、日時ごとにであって、タグレベルごとに設定されたエリア仕切り手段3が通行許可、若しくは、通行不可の情報を設定する経路制限リストと備え、アンテナ部5からの質問波に対してRFIDタグ17からタグIDの情報を有する返信波がアンテナ部5を介して通信制御部2に送られたとき、そのタグIDの取得日時を取得する現在日時取得手段を有し、この現在日時取得手段により取得した日時におけるタグレベルごとに設定されたエリア仕切り手段3が通行許可、若しくは、通行不可の情報を経路制限リストから取得する通行方向取得手段、タグIDの情報からタグ情報であるタグレベルを取得するタグ情報取得手段、このタグ情報取得手段が取得したタグレベルと通行方向取得手段が取得したタグレベルごとに設定された情報とを比較して、タグ情報取得手段が取得したタグレベルが、通行許可、若しくは、通行不可のいずれかに該当するかを判定する通行判定手段とを有するものである。
【0054】
現在日時取得手段の後段は、下記の構成でもよい。タグレベルごとに設定されたエリア仕切り手段3が通行許可、若しくは、通行不可の情報を経路制限リストから取得する通行方向取得手段、タグIDの情報からタグ情報であるタグレベルを取得するタグ情報取得手段と、このタグ情報取得手段が取得したタグレベルと通行方向取得手段が取得したタグレベルごとに設定された情報とを比較して、現在日時取得手段により取得した日時におけるタグ情報取得手段が取得したタグレベルが、通行許可、若しくは、通行不可のいずれかに該当するかを判定する通行判定手段でもよい。なお、上記の二種類の通行方向取得手段とは、例えば、管理エリア1(通路)から管理エリア2(展示室)への通行方向なのか、管理エリア2(展示室)から管理エリア1(通路)への通行方向なのかは、タグID(返信波)を受信したアンテナ部5を特定することにより判断する手段である。仮に、セキュリティ扉3cの外側に設置されたアンテナ部5cがタグIDを受信した場合は、管理エリア1(通路)から管理エリア2(展示室)への通行方向であり、セキュリティ扉3cの内側に設置されたアンテナ部5cがタグIDを受信した場合は、管理エリア2(展示室)から管理エリア1(通路)への通行方向である。
【0055】
実施の形態3.
実施の形態3では、実施の形態2のさらなる変形例を説明する。したがって、実施の形態1〜3に係る経路制限RFIDシステムの基本的な構成や動作は共通であるので、実施の形態3では再度説明はしない場合がある。図8において、通行可曜日および不可曜日通行可タグレベルを削除すると、曜日別通行制限を行わない場合に、任意の時間帯のみ任意の扉の一方通行が可能となる。図10において、通行可曜日および不可曜日通行可タグレベルを削除すると、曜日別通行制限を行わない場合に、一方通行制限および時間帯通行制限を容易に実施可能となる。
【0056】
図10において、通行可時間帯および不可時間通行可タグレベルを削除すると、時間帯通行制限を行わない場合に、一方通行制限および曜日別通行制限を容易に実施可能となる。図10において、通行可方向および不可方向通行可タグレベルを削除すると、一方通行制限を行わない場合に、時間帯通行制限および曜日別通行制限を容易に実施可能となる。図10において、通行可時間帯および不可時間通行可タグレベルと、通行可曜日および不可曜日通行可タグレベルを削除すると、一方通行制限のみを行う場合に、一方通行制限を容易に実施可能となる。
【0057】
図10において、通行可方向および不可方向通行可タグレベルと、通行可曜日および不可曜日通行可タグレベルを削除すると、時間帯通行制限のみを行う場合に、時間帯通行制限を容易に実施可能となる。図10において、通行可方向および不可方向通行可タグレベルと、通行可時間帯および不可時間通行可タグレベルを削除すると、曜日別通行制限のみを行う場合に、曜日別通行制限を容易に実施可能となる。以上のように、実施の形態1〜3に係る経路制限RFIDシステムを適用した入退室管理システムによれば、会社などの建物(建物1)において、一方通行制限、時間帯通行制限、曜日別通行制限を実施するのに有効に利用することができる。なお、実施の形態1〜3に係る経路制限RFIDシステムは、その特徴から交通標識型経路制限システム(RFIDシステム)ともいえる。
【符号の説明】
【0058】
1・・建物、2・・通信制御部(通信制御装置)、3・・エリア仕切り手段(セキュリティ扉・扉)、3a・・セキュリティ扉(扉A)、3b・・セキュリティ扉(扉B)、3c・・セキュリティ扉(扉C)、3d・・セキュリティ扉(扉D)、3e・・セキュリティ扉(扉E)、3f・・セキュリティ扉(扉F)、3g・・セキュリティ扉(扉G)、3h・・セキュリティ扉(扉H)、3i・・セキュリティ扉(扉I)、3j・・扉(扉J)、4・・RFIDタグ読み取りエリア、5・・アンテナ部、5a・・アンテナ部(扉Aに設置)、5b・・アンテナ部(扉Bに設置)、5c・・アンテナ部(扉Cに設置)、5d・・アンテナ部(扉Dに設置)、5e・・アンテナ部(扉Eに設置)、5f・・アンテナ部(扉Fに設置)、5g・・アンテナ部(扉Gに設置)、5h・・アンテナ部(扉Hに設置)、5i・・アンテナ部(扉Iに設置)、5j・・アンテナ部(扉Jに設置)、6・・サーバ(制御部)、7・・RFIDリーダライタ、8・・ケーブル(LANケーブル又は同軸ケーブル)、9・・LANケーブル、10・・同軸ケーブル、11・・ディスプレイ部、12・・回転灯、13・・報知部ケーブル、14・・スピーカ、15・・報知部ケーブル、16・・通行者、17・・RFIDタグ(ICカード)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
RFIDタグのタグIDの認証を無線で行う通信制御部と、この通信制御部によりタグIDに対して通行許可の認証がなされたとき、開門又は開錠するゲート又は扉で構成され、管理エリアを仕切る複数のエリア仕切り手段と、このエリア仕切り手段の周囲をRFIDタグ読み取りエリアとし、前記通信制御部に接続されたアンテナ部と、日時ごとにであって、タグレベルごとに設定された前記エリア仕切り手段が通行許可、若しくは、通行不可の情報を設定する経路制限リストと備え、前記通信制御部は、前記アンテナ部からの質問波に対してRFIDタグからタグIDの情報を有する返信波が前記アンテナ部を介して前記通信制御部に送られたとき、そのタグIDの取得日時を取得する現在日時取得手段と、この現在日時取得手段により取得した日時における前記タグレベルごとに設定された前記エリア仕切り手段が通行許可、若しくは、通行不可の情報を前記経路制限リストから取得する通行方向取得手段と、タグIDの情報からタグ情報であるタグレベルを取得するタグ情報取得手段と、このタグ情報取得手段が取得したタグレベルと前記通行方向取得手段が取得したタグレベルごとに設定された情報とを比較して、前記タグ情報取得手段が取得したタグレベルが、通行許可、若しくは、通行不可のいずれかに該当するかを判定する通行判定手段とを有することを特徴とする経路制限RFIDシステム。
【請求項2】
RFIDタグのタグIDの認証を無線で行う通信制御部と、この通信制御部によりタグIDに対して通行許可の認証がなされたとき、開門又は開錠するゲート又は扉で構成され、管理エリアを仕切る複数のエリア仕切り手段と、このエリア仕切り手段の周囲をRFIDタグ読み取りエリアとし、前記通信制御部に接続されたアンテナ部と、日時ごとにであって、タグレベルごとに設定された前記エリア仕切り手段が通行許可、若しくは、通行不可の情報を設定する経路制限リストと備え、前記通信制御部は、前記アンテナ部からの質問波に対してRFIDタグからタグIDの情報を有する返信波が前記アンテナ部を介して前記通信制御部に送られたとき、そのタグIDの取得日時を取得する現在日時取得手段と、前記タグレベルごとに設定された前記エリア仕切り手段が通行許可、若しくは、通行不可の情報を前記経路制限リストから取得する通行方向取得手段と、タグIDの情報からタグ情報であるタグレベルを取得するタグ情報取得手段と、このタグ情報取得手段が取得したタグレベルと前記通行方向取得手段が取得したタグレベルごとに設定された情報とを比較して、前記現在日時取得手段により取得した日時における前記タグ情報取得手段が取得したタグレベルが、通行許可、若しくは、通行不可のいずれかに該当するかを判定する通行判定手段とを有することを特徴とする経路制限RFIDシステム。
【請求項3】
RFIDタグのタグIDの認証を無線で行う通信制御部と、この通信制御部によりタグIDに対して通行許可の認証がなされたとき、開門又は開錠するゲート又は扉で構成され、管理エリアを仕切る複数のエリア仕切り手段とを備え、前記複数のエリア仕切り手段のうち、少なくとも1つ以上のエリア仕切り手段により仕切られた管理エリアが複数存在し、この複数の管理エリアのうちで前記エリア仕切り手段を介して隣り合う二つの管理エリアごとに、その二つの管理エリア間が一方通行又は両方向通行である通行許可の認証、若しくは、通行不可の認証をタグIDごとに前記通信制御部が行うことを特徴とする経路制限RFIDシステム。
【請求項4】
RFIDタグのタグIDの認証を無線で行う通信制御部と、この通信制御部によりタグIDに対して通行許可の認証がなされたとき、開門又は開錠するゲート又は扉で構成され、管理エリアを仕切る複数のエリア仕切り手段とを備え、前記複数のエリア仕切り手段のうち、少なくとも1つ以上のエリア仕切り手段により仕切られた管理エリアが複数存在し、この複数の管理エリアのうちで前記エリア仕切り手段を介して隣り合う二つの管理エリアごとに、その二つの管理エリア間が一方通行又は両方向通行である通行許可の認証、若しくは、通行不可の認証を前記通信制御部がタグIDごとに設定された経路制限リストに基づいて行うことを特徴とする経路制限RFIDシステム。
【請求項5】
前記経路制限リストは、所定時間ごとに一方通行許可又は両方向通行許可の通行許可、若しくは、通行不可の条件が前記管理エリアごとに変更される請求項4に記載の経路制限RFIDシステム。
【請求項6】
前記経路制限リストは、曜日ごとに一方通行許可又は両方向通行許可の通行許可、若しくは、通行不可の条件が前記管理エリアごとに変更される請求項4に記載の経路制限RFIDシステム。
【請求項7】
前記通信制御部は、タグIDが認証された後に前記経路制限リストが変更されたとき、その認証されたタグIDの以後の認証は、変更される前の前記経路制限リストに基づいて成される請求項5又は6に記載の経路制限RFIDシステム。
【請求項8】
前記通信制御部は、タグIDが認証された後に前記経路制限リストが変更されたとき、その認証されたタグIDの以後の認証は、通過してきた前記管理エリアに戻る一方通行の認証のみを行う請求項5又は6に記載の経路制限RFIDシステム。
【請求項9】
前記経路制限リストは、1つの前記エリア仕切り手段のみによって仕切られた管理エリアに対して、両方向通行許可の通行許可、若しくは、通行不可の条件を設定する請求項4に記載の経路制限RFIDシステム。
【請求項10】
前記タグIDは、所定数のタグレベルに分類される請求項3〜9のいずれかに記載の経路制限RFIDシステム。
【請求項11】
前記複数のエリア仕切り手段のうち少なくとも一つは、前記通信制御部によるタグIDの認証の結果を表示する表示部を有する請求項3〜10のいずれかに記載の経路制限RFIDシステム。
【請求項12】
前記表示部は、前記通信制御部によるタグIDの認証の結果が通行不可であるときに警報を報知する請求項11に記載の経路制限RFIDシステム。
【請求項13】
前記複数のエリア仕切り手段のうち少なくとも一つは、前記通信制御部によるタグIDの認証の結果が通行不可であるときに警報を光又は音若しくは光と音とで報知する警告手段を有する請求項3〜11のいずれかに記載の経路制限RFIDシステム。
【請求項14】
前記通信制御部は、有線又は無線で互いに接続された複数のRFIDリーダライタで構成される請求項3〜13のいずれかに記載の経路制限RFIDシステム。
【請求項15】
前記通信制御部は、前記複数のRFIDリーダライタと前記複数のRFIDリーダライタと接続されたサーバとで構成される請求項14に記載の経路制限RFIDシステム。
【請求項16】
前記複数の管理エリアは、管理エリアと管理エリアとを結ぶ通路を含む請求項3〜15のいずれかに記載の経路制限RFIDシステム。
【請求項1】
RFIDタグのタグIDの認証を無線で行う通信制御部と、この通信制御部によりタグIDに対して通行許可の認証がなされたとき、開門又は開錠するゲート又は扉で構成され、管理エリアを仕切る複数のエリア仕切り手段と、このエリア仕切り手段の周囲をRFIDタグ読み取りエリアとし、前記通信制御部に接続されたアンテナ部と、日時ごとにであって、タグレベルごとに設定された前記エリア仕切り手段が通行許可、若しくは、通行不可の情報を設定する経路制限リストと備え、前記通信制御部は、前記アンテナ部からの質問波に対してRFIDタグからタグIDの情報を有する返信波が前記アンテナ部を介して前記通信制御部に送られたとき、そのタグIDの取得日時を取得する現在日時取得手段と、この現在日時取得手段により取得した日時における前記タグレベルごとに設定された前記エリア仕切り手段が通行許可、若しくは、通行不可の情報を前記経路制限リストから取得する通行方向取得手段と、タグIDの情報からタグ情報であるタグレベルを取得するタグ情報取得手段と、このタグ情報取得手段が取得したタグレベルと前記通行方向取得手段が取得したタグレベルごとに設定された情報とを比較して、前記タグ情報取得手段が取得したタグレベルが、通行許可、若しくは、通行不可のいずれかに該当するかを判定する通行判定手段とを有することを特徴とする経路制限RFIDシステム。
【請求項2】
RFIDタグのタグIDの認証を無線で行う通信制御部と、この通信制御部によりタグIDに対して通行許可の認証がなされたとき、開門又は開錠するゲート又は扉で構成され、管理エリアを仕切る複数のエリア仕切り手段と、このエリア仕切り手段の周囲をRFIDタグ読み取りエリアとし、前記通信制御部に接続されたアンテナ部と、日時ごとにであって、タグレベルごとに設定された前記エリア仕切り手段が通行許可、若しくは、通行不可の情報を設定する経路制限リストと備え、前記通信制御部は、前記アンテナ部からの質問波に対してRFIDタグからタグIDの情報を有する返信波が前記アンテナ部を介して前記通信制御部に送られたとき、そのタグIDの取得日時を取得する現在日時取得手段と、前記タグレベルごとに設定された前記エリア仕切り手段が通行許可、若しくは、通行不可の情報を前記経路制限リストから取得する通行方向取得手段と、タグIDの情報からタグ情報であるタグレベルを取得するタグ情報取得手段と、このタグ情報取得手段が取得したタグレベルと前記通行方向取得手段が取得したタグレベルごとに設定された情報とを比較して、前記現在日時取得手段により取得した日時における前記タグ情報取得手段が取得したタグレベルが、通行許可、若しくは、通行不可のいずれかに該当するかを判定する通行判定手段とを有することを特徴とする経路制限RFIDシステム。
【請求項3】
RFIDタグのタグIDの認証を無線で行う通信制御部と、この通信制御部によりタグIDに対して通行許可の認証がなされたとき、開門又は開錠するゲート又は扉で構成され、管理エリアを仕切る複数のエリア仕切り手段とを備え、前記複数のエリア仕切り手段のうち、少なくとも1つ以上のエリア仕切り手段により仕切られた管理エリアが複数存在し、この複数の管理エリアのうちで前記エリア仕切り手段を介して隣り合う二つの管理エリアごとに、その二つの管理エリア間が一方通行又は両方向通行である通行許可の認証、若しくは、通行不可の認証をタグIDごとに前記通信制御部が行うことを特徴とする経路制限RFIDシステム。
【請求項4】
RFIDタグのタグIDの認証を無線で行う通信制御部と、この通信制御部によりタグIDに対して通行許可の認証がなされたとき、開門又は開錠するゲート又は扉で構成され、管理エリアを仕切る複数のエリア仕切り手段とを備え、前記複数のエリア仕切り手段のうち、少なくとも1つ以上のエリア仕切り手段により仕切られた管理エリアが複数存在し、この複数の管理エリアのうちで前記エリア仕切り手段を介して隣り合う二つの管理エリアごとに、その二つの管理エリア間が一方通行又は両方向通行である通行許可の認証、若しくは、通行不可の認証を前記通信制御部がタグIDごとに設定された経路制限リストに基づいて行うことを特徴とする経路制限RFIDシステム。
【請求項5】
前記経路制限リストは、所定時間ごとに一方通行許可又は両方向通行許可の通行許可、若しくは、通行不可の条件が前記管理エリアごとに変更される請求項4に記載の経路制限RFIDシステム。
【請求項6】
前記経路制限リストは、曜日ごとに一方通行許可又は両方向通行許可の通行許可、若しくは、通行不可の条件が前記管理エリアごとに変更される請求項4に記載の経路制限RFIDシステム。
【請求項7】
前記通信制御部は、タグIDが認証された後に前記経路制限リストが変更されたとき、その認証されたタグIDの以後の認証は、変更される前の前記経路制限リストに基づいて成される請求項5又は6に記載の経路制限RFIDシステム。
【請求項8】
前記通信制御部は、タグIDが認証された後に前記経路制限リストが変更されたとき、その認証されたタグIDの以後の認証は、通過してきた前記管理エリアに戻る一方通行の認証のみを行う請求項5又は6に記載の経路制限RFIDシステム。
【請求項9】
前記経路制限リストは、1つの前記エリア仕切り手段のみによって仕切られた管理エリアに対して、両方向通行許可の通行許可、若しくは、通行不可の条件を設定する請求項4に記載の経路制限RFIDシステム。
【請求項10】
前記タグIDは、所定数のタグレベルに分類される請求項3〜9のいずれかに記載の経路制限RFIDシステム。
【請求項11】
前記複数のエリア仕切り手段のうち少なくとも一つは、前記通信制御部によるタグIDの認証の結果を表示する表示部を有する請求項3〜10のいずれかに記載の経路制限RFIDシステム。
【請求項12】
前記表示部は、前記通信制御部によるタグIDの認証の結果が通行不可であるときに警報を報知する請求項11に記載の経路制限RFIDシステム。
【請求項13】
前記複数のエリア仕切り手段のうち少なくとも一つは、前記通信制御部によるタグIDの認証の結果が通行不可であるときに警報を光又は音若しくは光と音とで報知する警告手段を有する請求項3〜11のいずれかに記載の経路制限RFIDシステム。
【請求項14】
前記通信制御部は、有線又は無線で互いに接続された複数のRFIDリーダライタで構成される請求項3〜13のいずれかに記載の経路制限RFIDシステム。
【請求項15】
前記通信制御部は、前記複数のRFIDリーダライタと前記複数のRFIDリーダライタと接続されたサーバとで構成される請求項14に記載の経路制限RFIDシステム。
【請求項16】
前記複数の管理エリアは、管理エリアと管理エリアとを結ぶ通路を含む請求項3〜15のいずれかに記載の経路制限RFIDシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−211703(P2010−211703A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−59510(P2009−59510)
【出願日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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