説明

結合体及び結合方法

【課題】一方の部材に形成された凸部を他方の部材に形成された凹部に形成された尖(せん)頭突起に押し付けて塑性流動させることによって、複数の部材を、特別な設備を使用することなく、かつ、多量のエネルギーを消費することなく、容易な操作によって、強固に結合することができるようにする。
【解決手段】幅狭の入口14及び幅広の奥部15から成り、底面16に尖頭突起を備える凹部が形成された母材11と、凸部が形成され、該凸部が前記尖頭突起の尖頭18を起点とする塑性流動を起こして前記凹部に嵌(かん)合することによって、前記母材11に結合される結合材21とを有する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、結合体及び結合方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、2つの金属部材を結合する方法として、溶接、接着、リベット結合、ボルト結合等の方法以外に、冷間圧接法、熱間圧接法、爆着圧着法、拡散法等の接合方法が存在することが知られている。
【0003】
まず、冷間圧接法は、2つの金属部材を加熱することなく冷間の状態(室温の状態)において、互いに圧接して接合させる方法である。また、熱間圧接法は、接合し易くするために、前記2つの金属部材を加熱して、高温にしてから互いに圧接して接合させる方法である。これにより、接合面近傍において前記2つの金属部材が融合した状態となり、一部に金属間化合物が生じ、強固な結合体を形成することができる。
【0004】
しかし、前記冷間圧接法及び熱間圧接法においては、大きな面圧を金属部材に加える必要があるので、厚板部材や幅広部材から成るクラッド板を形成することは困難である。また、接合面を清浄化するための表面処理が必要である。さらに、接合面近傍において、脆(ぜい)性な金属間化合物が成長すると、加工が困難となり、また、原子空孔が成長すると接合強度が低下してしまう。また、前記金属部材が脆性材料から成る場合や、2つの金属部材が塑性変形能の差が大きい異種材料から成る場合には、接合不良が発生してしまう。さらに、熱間圧接法においては、2つの金属部材の熱膨張差が大きい場合、結合体に反りが発生することもある。
【0005】
また、爆着圧着法は、爆薬を爆発させることによって、2つの金属部材間を真空状態にして、接合する方法であるが、爆薬を使用するので、危険性が高く、かつ、エネルギー消費量が大きくなってしまう。また、前記金属部材が脆性材料から成る場合には、爆発による衝撃で、金属部材に割れが発生する。さらに、爆発音が大きいので、騒音問題が発生する。
【0006】
さらに、拡散法は、金属部材を加熱して、一方の金属を他方の金属中に拡散させ接合する方法であるが、脆性な金属間化合物が成長すると、加工が困難となり、また、原子空孔が成長すると接合強度が低下してしまう。また、金属部材を加熱する時に接合面に酸化膜が発生し易く、該酸化膜が成長すると、接合不良が発生してしまう。さらに、2つの金属部材の熱膨張差が大きい場合、結合体に反りが発生することもある。
【0007】
そこで、一方の金属部材に形成された突出部を塑性変形させて、他方の金属部材に形成された溝部に充満させることによって、2つの金属部材を結合する結合方法が提案されている(特開2000−311932号公報及び特公昭57−46931号公報参照)。
【0008】
これにより、前記冷間圧接法、熱間圧接法、爆着圧着法、拡散法等の接合方法における問題が発生することなく、2つの金属部材を強固に結合することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の結合方法においては、金属部材に形成された突出部に大きな力を加えて塑性変形させるようになっている。そのため、結合するために使用する装置は、大きな力を発生する必要があるので、大型化し、また、製造コストが高くなってしまう。また、前記装置のエネルギー消費量が大きくなってしまう。そして、前記結合方法によって形成された結合体のコストも高くなってしまう。
【0010】
本発明は、従来の問題点を解決して、一方の部材に形成された凸部を他方の部材に形成された凹部に形成された尖(せん)頭突起に押し付けて塑性流動させることによって、複数の部材を、特別な設備を使用することなく、かつ、多量のエネルギーを消費することなく、容易な操作によって、強固に結合することができる結合体及び結合方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明の結合体においては、幅狭の入口及び幅広の奥部から成り、底面に尖頭突起を備える凹部が形成された母材と、凸部が形成され、該凸部が前記尖頭突起の尖頭を起点とする塑性流動を起こして前記凹部に嵌(かん)合することによって、前記母材に結合される結合材とを有する。
【0012】
本発明の他の結合体においては、さらに、前記凹部は幅狭の入口及び幅広の奥部から成る断面を備える溝であり、前記尖頭突起は断面三角形状の単数又は複数の尖頭凸条であり、前記凸部は断面矩(く)形の矩形凸条である。
【0013】
本発明の更に他の結合体においては、さらに、前記尖頭突起は前記底面と一体的に形成されたものである。
【0014】
本発明の更に他の結合体においては、さらに、前記尖頭突起は前記底面に固着されたものである。
【0015】
本発明の更に他の結合体においては、さらに、前記凹部と凸部とは、少なくとも部分的に接合している。
【0016】
本発明の更に他の結合体においては、さらに、前記母材の凹部形成面、及び、前記結合材の凸部形成面は互いに接触している。
【0017】
本発明の更に他の結合体においては、さらに、前記母材及び結合材は板状体であり、前記凹部形成面と凸部形成面とは互いに密着してクラッド板を形成する。
【0018】
本発明の更に他の結合体においては、さらに、前記母材の凹部形成面、及び、前記結合材の凸部形成面は互いに離間している。
【0019】
本発明の更に他の結合体においては、さらに、前記母材及び結合材は板状体であり、前記凹部形成面と凸部形成面との間は流体の流路である。
【0020】
本発明の更に他の結合体においては、さらに、前記母材は、金属又はセラミクスから成る。
【0021】
本発明の更に他の結合体においては、さらに、前記結合材は、金属又は樹脂から成る。
【0022】
本発明の更に他の結合体においては、さらに、前記母材の少なくとも尖頭突起は相対的に硬質な材質から成り、前記結合材は相対的に軟質な材質から成る。
【0023】
本発明の更に他の結合体においては、さらに、前記母材及び結合材は同一の材質から成る。
【0024】
本発明の結合方法においては、母材に形成された幅狭の入口及び幅広の奥部から成り、底面に尖頭突起を備える凹部に、結合材に形成された凸部を前記凹部に挿入し、前記凸部の先端を前記尖頭突起の尖頭に押し付け、前記凸部の前記尖頭に押し付けた部分に、該尖頭を起点とする塑性流動を起こし、前記凸部を前記奥部に進入させて前記凹部に嵌合させる。
【0025】
本発明の他の結合方法においては、さらに、前記凹部は幅狭の入口及び幅広の奥部から成る断面を備える溝であり、前記尖頭突起は断面三角形状の単数又は複数の尖頭凸条であり、前記凸部は断面矩形の矩形凸条である。
【0026】
本発明の更に他の結合方法においては、さらに、前記凹部と凸部とは、少なくとも部分的に接合する。
【0027】
本発明の更に他の結合方法においては、さらに、前記凹部は、塑性加工により形成される。
【0028】
本発明の更に他の結合方法においては、さらに、前記凹部は、穿孔工具又は圧延ロールを母材に押し付けることにより形成される。
【0029】
本発明の更に他の結合方法においては、さらに、前記母材を圧延して前記凹部を形成し、前記結合材を圧延して前記凸部を形成し、前記母材及び結合材を、前記凸部が凹部に挿入されるように配置して、ロールによって互いに押し付ける。
【0030】
本発明の更に他の結合方法においては、さらに、前記母材は、金属又はセラミクスから成る。
【0031】
本発明の更に他の結合方法においては、さらに、前記結合材は、金属又は樹脂から成る。
【0032】
本発明の更に他の結合方法においては、さらに、前記母材の少なくとも尖頭突起は相対的に硬質な材質から成り、前記結合材は相対的に軟質な材質から成る。
【0033】
本発明の更に他の結合方法においては、さらに、前記結合材を加熱して、軟化させ、前記母材より軟質にする。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0035】
図1は本発明の第1の実施の形態における結合体を示す断面図、図2は本発明の第1の実施の形態における結合前の母材及び結合材を示す斜視図である。
【0036】
図において、10は、凹部としての凹溝13が形成された母材11と、凸部としての矩形凸条23が形成された結合材21とから成る結合体である。ここで、前記母材11及び結合材21は、図2に示されるように、概略直方体の形状を有している。そして、前記凹溝13は、前記母材11の結合材21に向かい合う凹部形成面としての面12に、母材11の長手方向に延在するように形成され、幅狭の入口14及び幅広の奥部15から成る。さらに、前記凹溝13の底面16の中心部には、凹溝13と同方向に延在する尖頭突起としての尖頭凸条17が形成されている。すなわち、本実施の形態における前記凹溝13は、図1及び2に示されるように、Y字状の断面形状を有する。なお、前記尖頭凸条17は母材11と一体的に形成されている。
【0037】
一方、前記矩形凸条23は、図2に示されるように、前記結合材21の母材11と向かい合う凸部形成面としての面22に、結合材21の長手方向に延在するように形成される。ここで、結合前の状態において、図2に示されるように、前記矩形凸条23の幅は一定であり、前記凹溝13の入口14の幅よりわずかに狭くなっている。なお、前記矩形凸条23は結合材21と一体的に形成されている。
【0038】
そして、前記母材11及び結合材21を結合させる時に、前記矩形凸条23が凹溝13に挿入されると、前記矩形凸条23の平坦(たん)な先端24が前記尖頭凸条17の尖頭18に押し付けられ、塑性流動を起こして変形し、前記矩形凸条23の先端近傍部分は、図1に示されるように、尖頭凸条17の両側に分岐した形状となって、前記凹溝13の奥部15に進入する。これにより、本実施の形態における前記矩形凸条23は、図1に示されるように、略Y字状の断面形状を有するものとなり、前記凹溝13に嵌合する。そのため、母材11と結合材21とが結合され、結合体10が構成される。なお、前記母材11と結合材21との位置関係は逆であってもよく、例えば、結合材21が上に位置し、母材11が下に位置していてもよい。さらに、前記母材11と結合材21が横に並んでいてもよいし、斜めの位置関係であってもよい。
【0039】
ここで、前記母材11の材質は、例えば、アルミニウム合金、鉄鋼、ステンレス鋼、鋳鉄等の鉄合金、マグネシウム合金、黄銅等の銅合金、金、銀等の金属であるが、いかなるものであってもよく、アルミナ、窒化珪(けい)素等のセラミクスであってもよい。また、前記結合材21の材質は、例えば、アルミニウム合金、鉄鋼、ステンレス鋼、鋳鉄等の鉄合金、マグネシウム合金、黄銅等の銅合金、金、銀等の金属であるが、いかなるものであってもよく、プラスチックのような樹脂であってもよい。
【0040】
そして、前記母材11と結合材21との材質の組合せは、母材11の材質が結合材21の材質よりも硬質となるような組合せ、すなわち、母材11が相対的に硬質な材質から成り、結合材21が相対的に軟質な材質から成るような組合せであればいかなる組合せであってもよい。なお、本実施の形態において、前記母材11は鉄合金、より詳細には、JISにおいて規定されるS45Cであり、前記結合材21はアルミニウム合金、より詳細には、JISにおいて規定されるA1050である。
【0041】
本実施の形態において、結合体10を構成する場合、結合材21に形成された矩形凸条23の平坦な先端24が、母材11に形成された尖頭凸条17の尖頭18に押し付けられ、塑性流動を起こして変形し、前記矩形凸条23の先端近傍部分が尖頭凸条17の両側に分岐した形状となって、前記凹溝13の奥部15に進入する。そのため、結合材21に形成された矩形凸条23の平坦な先端24が、母材11に形成された尖頭凸条17の尖頭18に押し付けられて塑性流動を起こす程度に、前記母材11の材質が結合材21の材質よりも硬質であることが必要になる。
【0042】
なお、前記母材11と結合材21との材質の組合せは、前記母材11と結合材21とを結合する時においてだけ、前述されたように、母材11の材質が結合材21の材質よりも硬質となるような組合せであればよく、結合の前後においてはいかなる組合せであってもよい。
【0043】
したがって、前記母材11及び結合材21の材質が同一のものである場合、前記母材11と結合材21とを結合する時に結合材11だけを加熱して軟化させるようにしてもよい。この場合、前記母材11及び結合材21を結合させる時には結合材21が母材11よりも相対的に軟質になっている。そのため、前記結合材21に形成された矩形凸条23の平坦な先端24が、母材11に形成された尖頭凸条17の尖頭18に押し付けられると、塑性流動を起こして変形する。そして、前記矩形凸条23の先端近傍部分が尖頭凸条17の両側に分岐した形状となって、前記凹溝13の奥部15に進入するので、母材11及び結合材21が結合される。
【0044】
さらに、前記結合材11を加熱して軟化させると、母材11の材質が結合材21の材質よりも硬質となるのであれば、常温において、母材11の材質が結合材21の材質よりも軟質であるような組合せであってもよい。
【0045】
次に、本実施の形態における結合材の変形状態を詳細に説明する。
【0046】
図3は本発明の第1の実施の形態における結合材の変形状態を示す第1の図、図4は本発明の第1の実施の形態における結合材の変形状態を示す第2の図である。
【0047】
まず、図2に示されるような状態から結合材21を上方に移動させ、矩形凸条23を母材11の凹溝13の入口14に進入させる。この場合、前記母材11と結合材21とが相対的に近付く方向に移動すればよく、前記母材11を下方に移動させるようにしてもよいが、本実施の形態においては、前記母材11を固定して結合材21を上方に移動させる場合について説明する。
【0048】
そして、前記矩形凸条23の先端24は、前記凹溝13の入口14から奥部15に向けてさらに進入すると、前記凹溝13の底面16の中心部に形成された尖頭凸条17の尖頭18に押し付けられる。ここで、結合材21をさらに上方に移動させると、前記矩形凸条23の先端24が前記尖頭18に接触する部分の近傍範囲19において、図3に示されるように、前記尖頭18を起点とする塑性流動が起きる。なお、前記尖頭18に接触する部分の近傍範囲19以外の矩形凸条23の部分には、塑性流動が発生しない。このように、矩形凸条23における塑性流動が起きる範囲が狭いので、わずかな力で結合材21を移動させることによって、塑性流動を起こすことができる。
【0049】
続いて、結合材21をさらに上方に移動させると、図4に示されるように、前記矩形凸条23が前記尖頭18に接触する部分の近傍範囲19においては、引き続き前記尖頭18を起点とする塑性流動が継続的に起きているが、前記尖頭18に接触する部分の近傍範囲19以外の矩形凸条23の部分には、塑性流動が発生しない。そして、前記矩形凸条23の先端近傍部分は、尖頭凸条17の両側に分岐して、前記凹溝13の奥部15に進入する。図4に示される状態においても、矩形凸条23における塑性流動が起きる範囲が狭いので、依然として、わずかな力で結合材21を移動させることができ、前記矩形凸条23の先端近傍部分を尖頭凸条17の両側に分岐させることができる。
【0050】
続いて、結合材21をさらに上方に移動させると、図1に示されるように、母材11における凹溝13が形成された面12と前記結合材21における前記矩形凸条23が形成された面22とが互いに接触し、密着する。また、前記矩形凸条23の先端近傍部分は、尖頭凸条17の両側に分岐して、前記凹溝13の奥部15に進入し、底面16に接触する。これにより、前記矩形凸条23が、略Y字状の断面形状を有するものとなって前記凹溝13に嵌合するので、前記母材11と結合材21とが結合され、結合体10が構成される。
【0051】
なお、図1に示されるように、前記奥部15の最も深い部分、すなわち、前記底面16の両側部分と、前記矩形凸条23の先端近傍部分との間には、隙(すき)間27が発生する。該隙間27の大きさは、図2に示されるような結合前の状態における凹溝13の断面積と矩形凸条23の断面積との大きさを調整することによって、調整することができる。すなわち、前記凹溝13の断面積を矩形凸条23の断面積よりも大きくすれば、前記隙間27は大きくなり、前記凹溝13の断面積を矩形凸条23の断面積と同一にすれば前記隙間27は消滅する。
【0052】
また、前記凹溝13の側面と矩形凸条23の側面とが互いに強く圧接されている部分においては、拡散接合が発生することがある。例えば、アルミニウムと銅は低温においても拡散接合が発生する可能性が高い。したがって、母材11と結合材21の一方がアルミニウム合金から成り、他方が銅合金から成る場合には、拡散接合が発生することが考えられる。また、結合材21を加熱して軟化させた場合も、高温になるので、拡散接合が発生しやすくなる。このように、拡散接合が発生すると、前記凹溝13と矩形凸条23とが強固に結合されるので、母材11と結合材21との結合が強固になる。
【0053】
なお、前記尖頭凸条17の尖頭18の尖(とが)りの度合い、すなわち、尖頭18の中心角は、適宜変更することができる。
【0054】
図5は本発明の第1の実施の形態における母材に形成された尖頭の中心角を示す第1の図、図6は本発明の第1の実施の形態における母材に形成された尖頭の中心角を示す第2の図、図7は本発明の第1の実施の形態における母材に形成された尖頭の中心角を示す第3の図である。
【0055】
図5において、前記尖頭凸条17の尖頭18の中心角の角度は60度であり、かつ、奥部15の側面の傾斜角度が前記尖頭凸条17の側面の傾斜角度と等しい。また、図6において、前記尖頭凸条17の尖頭18の中心角の角度は90度であり、かつ、奥部15の側面の傾斜角度が前記尖頭凸条17の側面の傾斜角度と等しい。なお、図7においては、前記尖頭凸条17の尖頭18の中心角の角度は120度であるが、奥部15の側面の傾斜角度は、図5における前記尖頭凸条17の側面の傾斜角度と等しい。
【0056】
前記尖頭凸条17の尖頭18の尖りの度合い、すなわち、尖頭18の中心角、及び、奥部15の側面の傾斜角度は、図5〜7に示された例に限ることなく、母材11及び結合材21の材質等を考慮して、任意に変更することができる。
【0057】
また、凹溝13の入口14の断面形状も適宜変更することができる。
【0058】
図8は本発明の第1の実施の形態における母材に形成された凹溝の入口の他の形状を示す第1の図、図9は本発明の第1の実施の形態における母材に形成された凹溝の入口の他の形状を示す第2の図である。
【0059】
図8において、凹溝13の入口14の奥側部分14bの幅は一定であるが、手前部分14aはR(アール)の付いた曲面であり、奥側部分14bに近付くに従って幅が狭くなるようになっている。これにより、結合材21の矩形凸条23を凹溝13に挿入する際に、矩形凸条23と凹溝13との相対的な位置や角度にズレがある場合でも、矩形凸条23を凹溝13にスムーズに挿入することが可能となる。なお、前記Rの大きさ、すなわち、半径は、適宜定めることができ、例えば、入口14の全体が曲面であってもよい。さらに、手前部分14aを、曲面に代えて、テーパの付いた傾斜面とすることもできる。
【0060】
また、図9において、凹溝13の入口14はテーパの付いた傾斜面であり、奥部15に近付くに従って幅が狭くなるようになっている。これにより、結合材21の矩形凸条23を凹溝13に挿入する際に、矩形凸条23と凹溝13との相対的な位置や角度にズレがある場合でも、矩形凸条23を凹溝13にスムーズに挿入することが可能となる。なお、前記テーパの角度は適宜定めることができ、また、傾斜面の範囲も適宜定めることができる。
【0061】
なお、結合材21の矩形凸条23の断面形状も適宜変更することができる。
【0062】
図10は本発明の第1の実施の形態における結合材に形成された矩形凸条の他の形状を示す第1の図、図11は本発明の第1の実施の形態における結合材に形成された矩形凸条の他の形状を示す第2の図、図12は本発明の第1の実施の形態における結合材に形成された矩形凸条の他の形状を示す第3の図である。
【0063】
図10において、結合材21の矩形凸条23の幅は一定であるが、先端24の両側端24aはRの付いた曲面であり、先端24のの平坦な部分の幅が矩形凸条23の側面23bの幅よりも狭くなっている。これにより、結合材21の矩形凸条23を母材11の凹溝13に挿入する際に、矩形凸条23と凹溝13との相対的な位置や角度にズレがある場合でも、矩形凸条23を凹溝13にスムーズに挿入することが可能となる。なお、前記Rの大きさ、すなわち、半径は、適宜定めることができる。さらに、先端24の両側端24aを、曲面に代えて、テーパの付いた傾斜面とすることもできる。
【0064】
また、図11において、矩形凸条23の側面23bの全体がテーパの付いた傾斜面であり、先端24に近付くに従って幅が狭くなるようになっている。これにより、結合材21の矩形凸条23を凹溝13に挿入する際に、矩形凸条23と凹溝13との相対的な位置や角度にズレがある場合でも、矩形凸条23を凹溝13にスムーズに挿入することが可能となる。なお、前記テーパの角度は適宜定めることができ、また、傾斜面の範囲も適宜定めることができる。
【0065】
さらに、図12において、矩形凸条23の先端24の平坦な部分には、ノッチ24bが形成されている。該ノッチ24bは、微小なV字状の凹部、切欠き又は溝であり、母材11における尖頭凸条17の尖頭18に対応する位置に形成される。そして、前記ノッチ24bの深さ、角度等は適宜定めることができるが、例えば、ノッチ24bの深さは3〔mm〕程度、角度は約60度とすることができる。なお、ノッチ24bの角度は対応する尖頭凸条17の尖頭18の中心角とほぼ同一であることが望ましい。
【0066】
このように、矩形凸条23の先端24の平坦な部分にノッチ24bを形成することによって、前記矩形凸条23の先端24が尖頭凸条17の尖頭18に押し付けられて塑性流動が起きる際に、前記ノッチ24bの部分から塑性流動が起きやすくなるとともに、矩形凸条23の先端24が両側に分岐しやすくなるので、極めてわずかな力で結合材21を移動させることができる。
【0067】
また、母材11における尖頭凸条17の材質を、母材11の他の部分の材質とは別の材質とすることもできる。
【0068】
図13は本発明の第1の実施の形態における母材の構成を示す第1の図、図14は本発明の第1の実施の形態における母材の構成を示す第2の図である。
【0069】
図13において、尖頭凸条17は、母材本体11aとは別個に形成されたものであり、前記尖頭凸条17の底面が母材本体11aにおける凹溝13の底面16の中心部に、接着剤によって接着され、固着されている。なお、前記接着剤は、エポキシ樹脂等の樹脂から成るものであってもよいし、はんだ(Solder)、ろう(Brazing Filler Material)等の金属から成るものであってもよい。
【0070】
これにより、凹溝13を有する母材本体11aを軟質な材質で形成し、尖頭凸条17だけを硬質な材質で形成し、該尖頭凸条17を前記凹溝13の底面16に固着することができる。例えば、母材本体11aを加工性の良好な軟質な材質で形成した後、硬質な材質から成る尖頭凸条17を固着することによって、加工が容易で、かつ、結合材21の矩形凸条23に塑性流動を起こすのに十分な硬度の尖頭凸条17を有する母材11を得ることができる。さらに、例えば、母材本体11aを結合材21と拡散接合が発生しやすい材質で形成した後、硬質な材質から成る尖頭凸条17を固着することによって、母材11と結合材21との結合を強固にすることができる。
【0071】
また、 図14において、母材本体11aとは別個に形成された尖頭凸条17は、前記母材本体11aにおける凹溝13の底面16に形成された嵌合用凹部16aに嵌合されて、前記底面16固着されている。この場合、尖頭凸条17の一部が嵌合用凹部16aに嵌合されているので、尖頭凸条17は前記底面16に強固に固着される。また、前記尖頭凸条17の底面を接着剤によって接着してもよいし、接着剤を省略してもよい。
【0072】
さらに、凹溝13の断面形状も適宜変更することができる。
【0073】
図15は本発明の第1の実施の形態における母材に形成された凹溝の他の形状を示す第1の図、図16は本発明の第1の実施の形態における母材に形成された凹溝の他の形状を示す第2の図、図17は本発明の第1の実施の形態における母材に形成された凹溝の他の形状を示す第3の図である。
【0074】
図15において、凹溝13の断面形状は、略V字形状であり、図1〜7に示された略Y字形状の凹溝13における入口14が省略されたような形状となっている。この場合、尖頭凸条17の尖頭18は、母材11の面12に近接した状態となる。また、図16において凹溝13の断面形状は、図1〜7に示された凹溝13の奥部15の側壁を円弧状に外方へ膨出させた形状を有する。この場合、図1〜7に示された凹溝13の底面16が省略された状態となっている。さらに、図17において凹溝13の断面形状は、図16に示された凹溝13の入口14が省略されたような形状となっている。
【0075】
なお、本実施の形態においては、凹部が溝である場合について説明したが、凹部は必ずしも溝でなくてもよく、例えば、穴、窪(くぼ)みのような形状のものであってもよい。この場合、凸部もそれに対応した突起のような形状となる。
【0076】
このように、本実施の形態においては、相対的に硬質の材質から成る母材11に形成され、幅狭の入口14及び幅広の奥部15から成り、底面16の中心部に尖頭凸条17を備える凹溝13に、相対的に軟質の材質から成る結合材21の矩形凸条23を挿入する。そして、該矩形凸条23が前記尖頭凸条17の尖頭18に接触する部分の近傍範囲19に、前記尖頭18を起点とする塑性流動を起こして、前記矩形凸条23を凹溝13に嵌合させることによって、前記結合材21を母材11に結合して結合体10を形成するようになっている。
【0077】
そのため、矩形凸条23における塑性流動が起きる範囲が狭いので、わずかな力で結合材21を移動させることができ、前記矩形凸条23の先端近傍部分を尖頭凸条17の両側に分岐させることができる。したがって、わずかな力を加え、わずかなエネルギーを消費するだけで、特別な設備を使用することなく、容易に異種の材質からなる結合体10を形成することができる。
【0078】
また、母材11が相対的に硬質な材質から成り、結合材21が相対的に軟質な材質から成るような組合せであればいかなる組合せであってもよいので、種々の材質から成る母材11と結合材21とを結合することができる。
【0079】
さらに、結合材21を加熱して軟化させることができるのであれば、前記結合材21と母材11とが同一の材質であってもよいし、常温において結合材21が相対的に硬質な材料から成る組合せであってもよい。
【0080】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、前記第1の実施の形態と同じ構造を有するもの及び同じ動作については、その説明を省略する。
【0081】
図18は本発明の第2の実施の形態における結合前の母材及び結合材を示す斜視図である。
【0082】
本実施の形態において、母材11は、図において横方向に長く延在する板状であり、複数、例えば、4つの凹溝13が形成されている。一方、結合材21も、図において横方向に長く延在する板状であり、複数、例えば、4つの矩形凸条23が形成されている。なお、その他の点については、前記第1の実施の形態と同様である。
【0083】
そして、前記4つの矩形凸条23のそれぞれに対応する4つの凹溝13に嵌合させて、板状の母材11及び結合材21を結合させ、対向する面12及び22を互いに密着させることによって、クラッド板が形成される。
【0084】
このように、本実施の形態においては、複数の凹溝13が形成された板状の母材11と、複数の矩形凸条23が形成された板状の結合材21とを結合させ、対向する面12及び22を互いに密着させることによって、特別な設備を使用することなく、かつ、多量のエネルギーを消費することなく、容易にクラッド板を形成することができる。
【0085】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、前記第1及び第2の実施の形態と同じ構造を有するもの及び同じ動作については、その説明を省略する。
【0086】
図19は本発明の第3の実施の形態における母材に形成された尖頭凸条の形状を示す断面図である。
【0087】
本実施の形態においては、母材11の凹溝13の底面16に複数条の尖頭凸条17が形成されている。そのため、前記凹溝13に図示されない結合材21の矩形凸条23を嵌合させた場合、前記凹溝13の側面及び尖頭凸条17の側面が矩形凸条23と接触する面積が、前記第1の実施の形態よりも増大する。そのため、拡散接合が発生する可能性が高くなり、凹溝13と矩形凸条23とが強固に結合されるので、母材11と結合材21との結合が強固になる。
【0088】
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。なお、前記第1〜3の実施の形態と同じ構造を有するもの及び同じ動作については、その説明を省略する。
【0089】
図20は本発明の第4の実施の形態における結合体を形成する方法を示す図、図21は本発明の第4の実施の形態における結合体を形成するための工具を示す第1の図、図22は本発明の第4の実施の形態における結合体を形成するための工具を示す第2の図である。
【0090】
本実施の形態においては、母材に尖頭突起を備える凹部を形成する方法について説明する。前記第1〜3の実施の形態における凹部としての凹溝13は、放電加工等の機械加工によって形成することが可能であるが、本実施の形態においては、塑性加工によって形成する。
【0091】
まず、図20(a)に示されるように、穿孔工具51の押込部52を母材11の凹部形成面12に押し付ける。ここで、前記押込部52は、凹溝を形成するために図面に垂直な方向に延在する形状を有するものとする。また、前記押込部52には尖頭凸条を形成するための凹部53が形成されている。この場合、押込部52が母材11中に所定量だけ押し込まれるまで、穿孔工具51を母材11の凹部形成面12に押し付ける。
【0092】
これにより、尖頭凸条17を備える凹溝13が母材11に形成される。この場合、前記凹溝13の断面形状は、図20(b)に示されるように、入口と奥部の幅がほぼ等しくなっている。しかも、凹部形成面12が湾曲している。
【0093】
そこで、押付工具55の平坦な押付面56を母材11の凹部形成面12に押し付ける。これにより、前記凹溝13の断面形状は、図20(c)に示されるように、入口が幅狭で奥部が幅広となる。また、凹部形成面12も修正されて平坦になる。これにより、母材11に所定の断面形状を有する凹溝13を塑性加工によって容易に形成することができる。
【0094】
なお、穿孔工具51の形状は、母材11に形成される凹部の形状に合わせて適宜決定することができる。例えば、前記穿孔工具51の押込部52は、図21(a)に示されるような形状を有している。この場合、尖頭凸条17を形成するための凹部53が、押込部52の長手方向に延在するように形成されている。
【0095】
また、例えば、母材に形成される凹部が凹溝でなく、円筒状の凹部である場合、図21(b)に示されるような形状の押込部52を有する穿孔工具を使用することができる。この場合、押込部52は概略円柱状の形状を有し、尖頭突起を形成するための凹部53が形成されている。
【0096】
さらに、塑性加工として圧延加工を行うこともできる。この場合、母材11に圧延加工を施して連続的に凹溝13を形成するために、図22(a)及び図22(b)に示されるように、鍔部58を備える圧延ロール57を使用する。図において、鍔部58の数は、三つであるが、適宜選択することができる。なお、図22(b)は図22(a)のA矢視図である。また、前記鍔部58の周縁には、尖頭凸条17を形成するための凹部59が形成されている。
【0097】
そして、圧延ロール57を母材11の凹部形成面12に押し付けながら転動させることにより、図20(b)に示されるように、尖頭凸条17を備える凹溝13が母材11に形成される。続いて、鍔部58を備えておらず滑らかな周面を有する図示されない圧延ロールを、母材11の凹部形成面12に押し付けながら転動させることにより、前記凹溝13の断面形状は、図20(c)に示されるように、入口が幅狭で奥部が幅広となる。また、凹部形成面12も修正されて平坦になる。これにより、母材11に所定の断面形状を有する凹溝13を圧延加工によって形成することができる。この場合、母材11を圧延ロール57に対して移動させてもよいし、圧延ロール57を母材11に対して移動させてもよい。
【0098】
なお、本実施の形態における塑性加工は、母材11を加熱して行う熱間加工であってもよいし、母材11を加熱することなく行う冷間加工であってもよい。熱間加工か冷間加工かは、母材11、穿孔工具51、押付工具55等の材質、穿孔工具51及び押付工具55を駆動する装置の性能等を考慮して適宜決定することができる。
【0099】
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。なお、前記第1〜4の実施の形態と同じ構造を有するもの及び同じ動作については、その説明を省略する。
【0100】
図23は本発明の第5の実施の形態における結合体を形成する方法を示す図である。
【0101】
本実施の形態においては、長尺の母材の原料材11a及び結合材の原料材21aに圧延加工を施して連続的に凹溝13b及び矩形凸条23aをそれぞれ形成した母材11c及び結合材21bを形成し、続いて、母材11c及び結合材21bを連続的に結合させ、結合体としてのクラッド板10aを連続的に形成する方法を説明する。
【0102】
まず、図23(a)に示されるような断面形状を有する長尺の結合材の原料材21aを、図23(b)に示されるように、ロール31a及び31bによって圧延し、図23(c)に示されるように、複数の矩形凸条23aが面22aに形成された結合材21bを連続的に形成する。
【0103】
一方、図23(d)に示されるような断面形状を有する長尺の母材の原料材11aを、図23(e)に示されるように、ロール32a及び32bによって圧延し、図23(f)に示されるように、複数の凹溝13aが形成された母材の原料材11bを連続的に形成する。この場合、前記ロール32a又は32bは、前記第4の実施の形態における圧延ロール57と同様の構成を有するものである。
【0104】
ここで、前記凹溝13aの断面形状は、図23(f)に示されるように、入口と奥部の幅がほぼ等しくなっている。続いて、前記母材の原料材11bを、図23(g)に示されるように、ロール33a及び33bによって圧延し、図23(h)に示されるように、複数の凹溝13bが面12aに形成された母材11cを連続的に形成する。ここで、前記凹溝13bの断面形状は、図23(h)に示されるように、入口が幅狭で奥部が幅広となっている。
【0105】
そして、前記結合材21b及び母材11cを、前記面22aと面12aとが向き合うようにして、図23(i)に示されるように、ロール34a及び34bによって互いに押し付ける。そして、それぞれの矩形凸条23aに対応する凹溝13bに嵌合させ、前記面22aと面12aとを密着させて、クラッド板10aを連続的に形成する。
【0106】
このように、本実施の形態においては、長尺の母材の原料材11a及び結合材の原料材21aに圧延加工を施して連続的に凹溝13b及び矩形凸条23aをそれぞれ形成した母材11c及び結合材21bを形成する。続いて、母材11c及び結合材21bをロール34a及び34bによって互いに押し付ける。そして、矩形凸条23aを凹溝13bに嵌合させ、面22aと面12aとを密着させて、クラッド板10aを連続的に形成する。
【0107】
そのため、クラッド板10aを連続的に形成することができ、該クラッド板10aの製造工程のスループットが向上する。なお、前記面22aと面12aとは必ずしも密着させる必要はなく、この場合、後述される第5の実施の形態における結合体を形成するために、本実施の形態における方法を適用してもよい。
【0108】
次に、本発明の第6の実施の形態について説明する。なお、前記第1〜5の実施の形態と同じ構造を有するもの及び同じ動作については、その説明を省略する。
【0109】
図24は本発明の第6の実施の形態における結合体を示す断面図である。
【0110】
本実施の形態においては、結合材21の面22に形成される矩形凸条23の高さ寸法が、母材11の面12に形成される凹溝13の深さ寸法よりも相当程度に大きくなるように前記矩形凸条23を形成する。そして、該矩形凸条23を凹溝13に嵌合させて、結合体10を形成すると、図に示されるように、結合材21の面22と母材11の面12との間が離れた状態となる。
【0111】
これにより、隣り合う矩形凸条23の間には閉じた断面を有する空間25が形成される。該空間25は、前記結合体10の長手方向、すなわち、図24の紙面に垂直な方向に連続し、かつ、閉じた断面を有するので、気体、液体等の流体を流通させるための流路として利用することができる。
【0112】
例えば、前記空間25内に温水を流通させて、前記結合体10を室内暖房用のラジエータとすることもできるし、前記空間25内に冷媒を流通させて、前記結合体10を冷蔵庫等の冷却器とすることもできるし、前記空間25内に水又は水蒸気を流通させて、前記結合体10を燃焼炉の炉壁とすることもできる。
【0113】
なお、前記空間25の断面積は、前記矩形凸条23の高さ寸法及び間隔を変更することによって、適宜変更することができる。
【0114】
このように、本実施の形態において、結合体10は、結合材21の面22と母材11の面12との間が離れた状態となっている。そのため、前記結合材21の面22と母材11の面12との間の空間25を流体の流路としても使用することができる。
【0115】
次に、本発明の第7の実施の形態について説明する。なお、前記第1〜6の実施の形態と同じ構造を有するもの及び同じ動作については、その説明を省略する。
【0116】
図25は本発明の第7の実施の形態における結合体を形成する方法を示す図である。
【0117】
本実施の形態においては、単位部材31は、図25(a)に示されるように、一方の面32に形成された凹溝34、及び、前記面32に対向する他方の面33に形成された矩形凸状35を有し、母材及び結合材として機能する。そして、1つの単位部材31の凹溝34に他の単位部材31の矩形凸状35を嵌合させ、1つの単位部材31の面32に他の単位部材31の面33を密着させて、図25(b)に示されるように、複数の単位部材31が結合された結合体36が形成される。
【0118】
この場合、単位部材31同士とを結合する時に結合材として機能する部分である矩形凸状35の近傍だけを加熱する。これにより、1つの単位部材31の凹溝34に他の単位部材31の矩形凸状35を嵌合させる時には、前記矩形凸状35が凹溝34よりも相対的に軟質になっている。そのため、前記矩形凸条35の平坦な先端が、凹溝34内に形成された尖頭凸条の尖頭に押し付けられると、塑性流動を起こして変形する。そして、前記矩形凸条35の先端近傍部分が尖頭凸条の両側に分岐した形状となって、前記凹溝34の奥部に進入するので、隣接する単位部材31同士が結合される。
【0119】
このように、本実施の形態において、隣接する単位部材31同士を結合して結合体36を形成することができる。そのため、例えば、単位部材31が帯状の板部材である場合、結合体36として壁や床に適した広い面積の板状部材を容易に形成することができる。
【0120】
次に、本発明の第8の実施の形態について説明する。なお、前記第1〜7の実施の形態と同じ構造を有するもの及び同じ動作については、その説明を省略する。
【0121】
図26は本発明の第8の実施の形態における結合体を形成する方法を示す斜視図である。
【0122】
本実施の形態においては、母材11は角柱状の長尺部材であり、かつ、前記母材11の1側面としての面12には母材11の軸方向に延在するの凹溝13が形成されている。一方、結合材21は角柱状の長尺部材であり、少なくとも一方の端面としての面22に結合材21の軸方向と垂直の方向に延在する短い矩形凸条23が形成される。そして、前記凹溝13は軸方向に長く延在しているのに対し、矩形凸条23は短いので、該矩形凸条23は凹溝13の任意の位置に嵌合することができる。すなわち、前記結合材21は母材11の長手方向に関して任意の位置に結合することができる。これにより、角柱状の長尺部材である母材11の任意の位置に該母材11の軸方向と垂直な方向に延在するように角柱状の長尺部材である結合材21を結合することができる。
【0123】
このように、本実施の形態においては、長尺部材を互いに垂直に結合することができるので、例えば、鋼鉄製の結合材21を柱とし、鋼鉄製の母材11を梁(はり)として、建築物の骨組みのようなラーメン構造を有する鋼鉄製の構造体を形成することができる。
【0124】
次に、本発明の第9の実施の形態について説明する。なお、前記第1〜8の実施の形態と同じ構造を有するもの及び同じ動作については、その説明を省略する。
【0125】
図27は本発明の第9の実施の形態における結合体を形成する方法を示す図である。
【0126】
本実施の形態においては、図27(a)に示されるように、結合材21の両側の面22−1及び22−2にはそれぞれ矩形凸条23−1及び23−2が形成されている。また、母材11−1及び11−2の一方の面12−1及び12−2にはそれぞれ凹溝13−1及び13−2が形成されている。なお、該矩形凸条23−1及び23−2は互いに同一の寸法及び形状を有し、前記凹溝13−1及び13−2も互いに同一の寸法及び形状を有する。
【0127】
そして、前記結合材21の両側に母材11−1及び11−2を配設し、矩形凸条23−1及び23−2をそれぞれ凹溝13−1及び13−2に嵌合して、図27(b)に示されるような結合体10を形成することができる。なお、単一の母材11の両面に凹溝13を形成し、前記母材11の両側に結合材21を結合するようにすることもできる。
【0128】
このように、本実施の形態においては、結合材21の両側に母材11−1及び11−2を結合して、サンドウィッチ状の結合体10を形成することができる。そのため、例えば、結合材21を樹脂製の板状部材とし、母材11−1及び11−2を鋼鉄製の板状部材とすると、振動吸収鋼板を製造することができる。また、結合材21と母材11−1及び11−2の材質を適宜選択することによって、各種のクラッド板を製造することができる。
【0129】
次に、本発明の第10の実施の形態について説明する。なお、前記第1〜9の実施の形態と同じ構造を有するもの及び同じ動作については、その説明を省略する。
【0130】
図28は本発明の第10の実施の形態における結合体を形成する方法を示す図である。
【0131】
本実施の形態においては、図28(a)に示されるように、母材11は円筒状の長尺部材であり、かつ、前記母材11の円筒内壁の面12には母材11の軸方向に延在するの複数の凹溝13が形成されている。一方、結合材21は外径が前記母材11の内径よりも小さい円筒状の長尺部材であり、円筒外壁の面22には結合材21の軸方向に延在する複数の矩形凸条23が形成される。
【0132】
そして、前記結合材21を母材11内に挿入し、それぞれ対応する凹溝13と矩形凸条23とが向き合うようにして、図28(a)に示されるように、回転するロール34a及び34bによって互いに押し付ける。これにより、前記結合材21及び母材11はともに回転しながら、それぞれの矩形凸条23が対応する凹溝13に嵌合する。そして、前記結合材21の面22と母材11の面12とが密着して、図28(b)に示されるような結合体10としての多重管が形成される。なお、結合材21の円筒内壁に矩形凸条23を形成し、該結合材21の内部に円筒外壁に凹溝13を形成した母材11を挿入して、結合することもできる。
【0133】
このように、本実施の形態においては、円筒状の母材11及び結合材21を結合して多重管を形成することができるので、例えば、内面に耐腐食性ライニングを施した管を容易に形成することができる。
【0134】
次に、本発明の第11の実施の形態について説明する。なお、前記第1〜10の実施の形態と同じ構造を有するもの及び同じ動作については、その説明を省略する。
【0135】
図29は本発明の第11の実施の形態における結合体を形成する方法を示す断面図である。
【0136】
本実施の形態において、結合材41はリベットのような形状を有し、凸部としての円柱状の突起42が図における下側の面43に形成されている。また、母材44の面46には、凹部としての嵌合孔45が形成されている。なお、該嵌合孔45の断面形状は、図29に示されるように、前記第1の実施の形態における凹溝13の断面形状と同様である。さらに、前記突起42は板状の締結部材47に形成された貫通孔に挿入されている。そして、前記突起42を嵌合孔45に嵌合することによって、締結部材47を母材44に締結して固定することができる。
【0137】
このように、本実施の形態においては、リベットのような形状を有する結合材41と母材44との間に締結部材47を挟み込んだ状態で前記結合材41を母材44に結合することによって、締結部材47を母材44に締結して固定することができる。
【0138】
次に、本発明の第12の実施の形態について説明する。なお、前記第1〜11の実施の形態と同じ構造を有するもの及び同じ動作については、その説明を省略する。
【0139】
図30は本発明の第12の実施の形態における結合体を形成する方法を示す図である。
【0140】
本実施の形態において、図30(a)に示されるように、結合材41はリベットのような形状を有し、凸部としての円柱状の突起42が図30(a)における下側の面43に形成されている。また、母材44の図30(a)における上側の面46には、凹部として嵌合孔45が形成されている。ここで、該嵌合孔45の底部には尖頭を備えた円錐(すい)状突起47が形成されている。そして、前記嵌合孔45は入口の径よりも中間部分の径が大きく、前記嵌合孔45の側壁48は中間部分が外側へ膨出した樽状の形状を有する。
【0141】
なお、前記突起42の容積は、前記嵌合孔45の容積よりも十分に小さくなっている。そのため、前記突起42を嵌合孔45に嵌合させ、図30(b)に示されるような結合体40を形成しても、前記突起42と嵌合孔45の側壁48との間には隙間が形成される。そのため、前記突起42と嵌合孔45とは互いにフリーの状態であり、結合材41は母材44に対して回転可能である。しかし、嵌合孔45に嵌合された突起42の先端部分は外側に広げられ、かつ、前記嵌合孔45は入口の径が絞られているので、前記突起42が嵌合孔45から抜け出ることはない。
【0142】
このように、本実施の形態において、結合材41は、母材44に対して、軸方向に移動不能に、かつ、回転可能に取り付けられる。
【0143】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0144】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、結合体においては、幅狭の入口及び幅広の奥部から成り、底面に尖頭突起を備える凹部が形成された母材と、凸部が形成され、該凸部が前記尖頭突起の尖頭を起点とする塑性流動を起こして前記凹部に嵌合することによって、前記母材に結合される結合材とを有する。
【0145】
この場合、特別な設備を使用することなく、かつ、多量のエネルギーを消費することなく、容易な操作によって、強固に結合された結合体を形成することができる。
【0146】
他の結合体においては、さらに、前記凹部は幅狭の入口及び幅広の奥部から成る断面を備える溝であり、前記尖頭突起は断面三角形状の単数又は複数の尖頭凸条であり、前記凸部は断面矩形の矩形凸条である。
【0147】
この場合、板状の母材と結合材とを強固に結合した結合体を形成することができる。
【0148】
更に他の結合体においては、さらに、前記尖頭突起は前記底面と一体的に形成されたものである。
【0149】
この場合、母材を一体的に形成することができ、母材の成形が容易である。
【0150】
更に他の結合体においては、さらに、前記尖頭突起は前記底面に固着されたものである。
【0151】
この場合、尖頭突起の材質の選択の幅が広くなる。
【0152】
更に他の結合体においては、さらに、前記凹部と凸部とは、少なくとも部分的に接合している。
【0153】
この場合、凹部と凸部とが強固に結合した結合体を形成することができる。
【0154】
更に他の結合体においては、さらに、前記母材及び結合材は板状体であり、前記凹部形成面と凸部形成面とは互いに密着してクラッド板を形成する。
【0155】
この場合、特別な設備を使用することなく、かつ、多量のエネルギーを消費することなく、容易な操作によって、強固に結合されたクラッド板を形成することができる。
【0156】
更に他の結合体においては、さらに、前記母材及び結合材は板状体であり、前記凹部形成面と凸部形成面との間は流体の流路である。
【0157】
この場合、熱交換機等の各種の用途に利用することのできる結合体を形成することができる。
【0158】
更に他の結合体においては、さらに、前記母材の少なくとも尖頭突起は相対的に硬質な材質から成り、前記結合材は相対的に軟質な材質から成る。
【0159】
この場合、種々の材質を組み合わせた結合体を形成することができる。
【0160】
結合方法においては、母材に形成された幅狭の入口及び幅広の奥部から成り、底面に尖頭突起を備える凹部に、結合材に形成された凸部を前記凹部に挿入し、前記凸部の先端を前記尖頭突起の尖頭に押し付け、前記凸部の前記尖頭に押し付けた部分に、該尖頭を起点とする塑性流動を起こし、前記凸部を前記奥部に進入させて前記凹部に嵌合させる。
【0161】
この場合、特別な設備を使用することなく、かつ、多量のエネルギーを消費することなく、容易な操作によって、強固に結合された結合体を形成することができる。
【0162】
他の結合方法においては、さらに、前記凹部は幅狭の入口及び幅広の奥部から成る断面を備える溝であり、前記尖頭突起は断面三角形状の単数又は複数の尖頭凸条であり、前記凸部は断面矩形の矩形凸条である。
【0163】
この場合、板状の母材と結合材とを強固に結合した結合体を形成することができる。
【0164】
更に他の結合方法においては、さらに、前記凹部と凸部とは、少なくとも部分的に接合する。
【0165】
この場合、凹部と凸部とが強固に結合した結合体を形成することができる。
【0166】
更に他の結合方法においては、さらに、前記母材を圧延して前記凹部を形成し、前記結合材を圧延して前記凸部を形成し、前記母材及び結合材を、前記凸部が凹部に挿入されるように配置して、ロールによって互いに押し付ける。
【0167】
この場合、結合体を連続的に効率よく形成することができる。
【0168】
更に他の結合方法においては、さらに、前記母材の少なくとも尖頭突起は相対的に硬質な材質から成り、前記結合材は相対的に軟質な材質から成る。
【0169】
この場合、種々の材質を組み合わせて結合体を形成することができる。
【0170】
更に他の結合方法においては、さらに、前記結合材を加熱して、軟化させ、前記母材より軟質にする。
【0171】
この場合、材質の硬度をあまり考慮することなく、組み合わせて結合体を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における結合体を示す断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における結合前の母材及び結合材を示す斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における結合材の変形状態を示す第1の図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における結合材の変形状態を示す第2の図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における母材に形成された尖頭の中心角を示す第1の図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態における母材に形成された尖頭の中心角を示す第2の図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態における母材に形成された尖頭の中心角を示す第3の図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態における母材に形成された凹溝の入口の他の形状を示す第1の図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態における母材に形成された凹溝の入口の他の形状を示す第2の図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態における結合材に形成された矩形凸条の他の形状を示す第1の図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態における結合材に形成された矩形凸条の他の形状を示す第2の図である。
【図12】本発明の第1の実施の形態における結合材に形成された矩形凸条の他の形状を示す第3の図である。
【図13】本発明の第1の実施の形態における母材の構成を示す第1の図である。
【図14】本発明の第1の実施の形態における母材の構成を示す第2の図である。
【図15】本発明の第1の実施の形態における母材に形成された凹溝の他の形状を示す第1の図である。
【図16】本発明の第1の実施の形態における母材に形成された凹溝の他の形状を示す第2の図である。
【図17】本発明の第1の実施の形態における母材に形成された凹溝の他の形状を示す第3の図である。
【図18】本発明の第2の実施の形態における結合前の母材及び結合材を示す斜視図である。
【図19】本発明の第3の実施の形態における母材に形成された尖頭凸条の形状を示す断面図である。
【図20】本発明の第4の実施の形態における結合体を形成する方法を示す図である。
【図21】本発明の第4の実施の形態における結合体を形成するための工具を示す第1の図である。
【図22】本発明の第4の実施の形態における結合体を形成するための工具を示す第2の図である。
【図23】本発明の第5の実施の形態における結合体を形成する方法を示す図である。
【図24】本発明の第6の実施の形態における結合体を示す断面図である。
【図25】本発明の第7の実施の形態における結合体を形成する方法を示す図である。
【図26】本発明の第8の実施の形態における結合体を形成する方法を示す斜視図である。
【図27】は本発明の第9の実施の形態における結合体を形成する方法を示す図である。
【図28】本発明の第10の実施の形態における結合体を形成する方法を示す図である。
【図29】本発明の第11の実施の形態における結合体を形成する方法を示す断面図である。
【図30】本発明の第12の実施の形態における結合体を形成する方法を示す図である。
【符号の説明】
10、36、40 結合体
10a クラッド板
11、11−1、11−2、11c、44 母材
12、12a、22、22a 面
13、13−1、13−2、13a、13b、34 凹溝
14 入口
15 奥部
16 底面
17 尖頭凸条
18 尖頭
21、21b、41 結合材
23、23−1、23−2、23a、35 矩形凸条
24 先端
25 空間
31a、31b、32a、32b、33a、33b、34a、34b ロール
42 突起
45 嵌合孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)幅狭の入口及び幅広の奥部から成り、底面に尖頭突起を備える凹部が形成された母材と、
(b)凸部が形成され、該凸部が前記尖頭突起の尖頭を起点とする塑性流動を起こして前記凹部に嵌合することによって、前記母材に結合される結合材とを有することを特徴とする結合体。
【請求項2】
前記凹部は幅狭の入口及び幅広の奥部から成る断面を備える溝であり、前記尖頭突起は断面三角形状の単数又は複数の尖頭凸条であり、前記凸部は断面矩形の矩形凸条である請求項1に記載の結合体。
【請求項3】
前記尖頭突起は前記底面と一体的に形成されたものである請求項1又は2に記載の結合体。
【請求項4】
前記尖頭突起は前記底面に固着されたものである請求項1又は2に記載の結合体。
【請求項5】
前記凹部と凸部とは、少なくとも部分的に接合している請求項1〜4のいずれか1項に記載の結合体。
【請求項6】
前記母材の凹部形成面、及び、前記結合材の凸部形成面は互いに接触している請求項1〜5のいずれか1項に記載の結合体。
【請求項7】
前記母材及び結合材は板状体であり、前記凹部形成面と凸部形成面とは互いに密着してクラッド板を形成する請求項6に記載の結合体。
【請求項8】
前記母材の凹部形成面、及び、前記結合材の凸部形成面は互いに離間している請求項1〜5のいずれか1項に記載の結合体。
【請求項9】
前記母材及び結合材は板状体であり、前記凹部形成面と凸部形成面との間は流体の流路である請求項8に記載の結合体。
【請求項10】
前記母材は、金属又はセラミクスから成る請求項1〜9のいずれか1項に記載の結合体。
【請求項11】
前記結合材は、金属又は樹脂から成る請求項1〜10のいずれか1項に記載の結合体。
【請求項12】
前記母材の少なくとも尖頭突起は相対的に硬質な材質から成り、前記結合材は相対的に軟質な材質から成る請求項1〜11のいずれか1項に記載の結合体。
【請求項13】
前記母材及び結合材は同一の材質から成る請求項1〜11のいずれか1項に記載の結合体。
【請求項14】
(a)母材に形成された幅狭の入口及び幅広の奥部から成り、底面に尖頭突起を備える凹部に、
(b)結合材に形成された凸部を前記凹部に挿入し、
(c)前記凸部の先端を前記尖頭突起の尖頭に押し付け、
(d)前記凸部の前記尖頭に押し付けた部分に、該尖頭を起点とする塑性流動を起こし、
(e)前記凸部を前記奥部に進入させて前記凹部に嵌合させることを特徴とする結合方法。
【請求項15】
前記凹部は幅狭の入口及び幅広の奥部から成る断面を備える溝であり、前記尖頭突起は断面三角形状の単数又は複数の尖頭凸条であり、前記凸部は断面矩形の矩形凸条である請求項14に記載の結合方法。
【請求項16】
前記凹部と凸部とは、少なくとも部分的に接合する請求項14又は15に記載の結合方法。
【請求項17】
前記凹部は、塑性加工により形成される請求項14〜16のいずれか1項に記載の結合方法。
【請求項18】
前記凹部は、穿孔工具又は圧延ロールを母材に押し付けることにより形成される請求項17に記載の結合方法。
【請求項19】
(a)前記母材を圧延して前記凹部を形成し、
(b)前記結合材を圧延して前記凸部を形成し、
(c)前記母材及び結合材を、前記凸部が凹部に挿入されるように配置して、ロールによって互いに押し付ける請求項14〜18のいずれか1項に記載の結合方法。
【請求項20】
前記母材は、金属又はセラミクスから成る請求項14〜19のいずれか1項に記載の結合方法。
【請求項21】
前記結合材は、金属又は樹脂から成る請求項14〜20のいずれか1項に記載の結合方法。
【請求項22】
前記母材の少なくとも尖頭突起は相対的に硬質な材質から成り、前記結合材は相対的に軟質な材質から成る請求項14〜21のいずれか1項に記載の結合方法。
【請求項23】
前記結合材を加熱して、軟化させ、前記母材より軟質にする請求項14〜21のいずれか1項に記載の結合方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)幅狭の入口及び幅広の奥部から成り、底面に尖頭突起を備える凹部が形成された母材と、
(b)凸部が形成され、該凸部が前記尖頭突起の尖頭を起点とする塑性流動を起こして前記凹部に嵌合することによって、前記母材に結合される結合材とを有し、
(c)前記尖頭突起は、前記底面に固着されたものであることを特徴とする結合体。
【請求項2】
(a)幅狭の入口及び幅広の奥部から成り、底面に尖頭突起を備える凹部が形成された母材と、
(b)凸部が形成され、該凸部が前記尖頭突起の尖頭を起点とする塑性流動を起こして前記凹部に嵌合することによって、前記母材に結合される結合材とを有し、
(c)前記母材の凹部形成面、及び、前記結合材の凸部形成面は互いに離間していることを特徴とする結合体。
【請求項3】
前記母材及び結合材は板状体であり、前記凹部形成面と凸部形成面との間は流体の流路である請求項2に記載の結合体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2006−17131(P2006−17131A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−131871(P2002−131871)
【出願日】平成14年5月7日(2002.5.7)
【出願人】(801000049)財団法人生産技術研究奨励会 (72)
【Fターム(参考)】