説明

結合組織損傷を治療するための組成物及び方法

治療有効量のコンドロイチン硫酸、N−アセチル−D−グルコサミン、及び、ヒアルロナン(ヒアルロン酸)からなる、ヒト及び動物における結合組織損傷を治療するための組成物及びその組成物を使用する方法を、本発明は提供する。特に、本発明は、関節炎疾患、変形性関節症、リウマチ性関節炎、離断性骨軟骨炎、軟骨損傷、関節損傷、関節炎症、関節滑膜炎、変形性関節疾患(DJD)、外傷後の変形性関節疾患、外傷、骨折、腱損傷、靱帯損傷、骨格損傷、筋骨格損傷、繊維損傷、脂肪組織損傷、血球損傷、及び、血漿損傷を、限られることなく含む結合組織損傷を治療するための組成物、及び、その組成物を使用する方法を提供する。本発明のデリバリのための組成物は、非経口投与の、経口投与の、及び、経粘膜的なデリバリのためのもの、及び、罹患組織の上に直接の外科的プレイスメントためのものを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[発明の技術分野]
本発明は、一般に人間及び動物における結合組織損傷を治療するための組成物やそれを使用する方法に関する。より詳しくは、例えば変形性関節症(osteoarthritis)、関節リウマチ(rheumatoid arthritis)、離断性骨軟骨症(osteochondrosis dessicans)、軟骨損傷(cartilage damage)、関節炎症(joint inflammation)、関節滑膜炎(joint synovitis)、関節損傷(joint injuries)、 変形性関節疾患(degenerative joint disease)、術後変形性関節疾患(post surgical degenerative joint disease)、外傷性損傷(traumatic injuries)、骨折(fractures)、腱損傷(tendon damage)、靱帯損傷(ligament damage)、骨格障害(skeletal damage)、筋骨格損傷(musculoskeletal damage)、骨損傷(bone damage)、繊維損傷(fiber damage)、脂肪組織損傷(adipose tissue damage)、血球損傷(blood cell damage)、そして血漿損傷(plasma damage)の治療において使用するプロテオグリカン組成(proteoglycan composition)を本発明は提供する。
【背景技術】
【0002】
[発明の背景]
主な4つのタイプの脊椎動物の組織は、上皮組織(epithelial tissue),筋肉組織(muscle tissue), 神経組織(nerve tissue), そして結合組織(connective tissue)である。結合組織は典型的に構造及びサポートに含まれ、通常中胚葉細胞に由来する。結合組織は体内に広く広まり、そしてその名前が暗示するように、臓器又はその他の組織を結合又は強化する結合機能を主に果たす。また、体内において、他の組織構造を分離し、コンパートメント化するように機能する。
【0003】
脊椎動物において、最も一般的なタイプの結合組織は、疎性結合組織である。疎性結合組織は、臓器を所定の位置に保持し、上皮組織を他の下層組織に付着させる。疎性結合組織は、その構成繊維の「織り模様」に基づき命名される。疎性結合組織には主に3つの構成タイプがあり、それぞれ、膠原線維、弾性繊維、細網繊維という。膠原線維は、コラーゲンでできており、コラーゲン分子のコイルである線維の束からなる。弾性繊維は、エラスチンでできており、伸縮自在である。細網繊維は、結合組織を他の組織に接続する。疎性結合組織はまた、脂肪を蓄える脂肪組織を含む。
【0004】
別のタイプの結合組織は、腱や靱帯において見られる、線維性結合組織である。線維性結合組織は、大量のぎっしり詰まった膠原線維からなる。軟骨は、軟骨質と呼ばれる弾性のある膠様質におけるぎっしり詰まった膠原線維からなるある形態の線維性結合組織である。鮫の骨格は軟骨からなる。軟骨はまた、例えば、鼻、気管、耳、及び、結合関節を含む人間におけるある構造のために柔軟なサポートを提供する。
【0005】
骨及び血液は2つの他の特別な結合組織である。骨は、膠原質及びリン酸カルシウムを含むあるタイプの石灰化結合組織であり、鉱物結晶である。リン酸カルシウムは、骨に堅さを与える。血液はまた、あるタイプの結合組織と考えられる。他の結合組織と比べて異なる機能を備えるとしても、それは細胞外マトリックスを持つ。マトリックスは、血漿及び赤血球であり、白血球及び血小板は血漿中に懸濁する。
【0006】
人間の及び人の結合組織は、関節炎や、関節の炎症のこわばりや結合組織の損傷や、腱炎のような結合組織の損傷、滑液包炎、ピンと張られた又は引き裂かれた靱帯や腱等のような、心身の苦痛になり得る病気から、及び、機械的な力からストレスとストレイン(応力と歪)を常に受ける。まさしく、結合組織の心身の苦痛は、全く一般的な、何百万ものアメリカ人を現在も襲っているものである。更に、そのような心身の苦痛は、苦痛であるだけでなく、極端な場合、衰弱させる。
【0007】
痛みによって特徴付けられる関節炎疾患、動きの狭められた範囲に繋がる関節の炎症及びこわばり(stiffness)は、関節における結合組織(主に軟骨)の変性による。そのような病気は、股関節や、膝や、脊椎や、足首や、足のような体重を支える関節を特に侵す。例えば、変形性関節症(OA)は特に、関節腔の狭小化になる関節軟骨の変性疾患であり、下層の骨において変化する(Barclay, et at, The Annals of Pharmacotherapy, (May. 1998) 32: 574-79)変形性関節症は、最も一般的な形の関節炎であり、北アメリカにおいて10人に約1人がかかっている。変形性関節症は、ヒトに限らず、馬や、犬や、猫や、ねずみや、モルモットのような他の哺乳動物にも同様に起こり、変形性関節症は、獣医によって見られる慢性痛の最も一般的な原因の1つとされる。
【0008】
ヒトにおいて、関節リウマチ(RA)は、変形性関節症に似た幾らかの同様の症状を備える結合組織疾患である。関節リウマチは、関節が痛み、ズキズキし、ついには変形するようなあらゆる形の関節炎の最も衰弱させるものに含まれる。時々これらの症状は、最も簡単な日々の活動を行うことすら困難にする。
【0009】
関節リウマチの正確な原因は分かっていない。しかしながら、それは自己免疫疾患であると信じられている(Maim, et al, Aetiopathogenesis of Rheumatoid Arthritis, in Mechanisms and Modes of Rheumatoid Arthritis, (1995) Academic Press Ltd. pp. 25-46)。そして、免疫システムが、例えば、滑膜のような生体組織を攻撃し、それらがあたかも侵入した異物であるかのように、他の組織と同様に関節における炎症性のかつ破壊的な反応になってしまう。関節リウマチは、おそらく、遺伝的感受性を持つ人々の中のウィルス又は細菌の感染によって引き起こされると、仮定されてきた。ある研究者はまた、ホルモンが関節リュウマチの進行に関与するかもしれないと信じている。
【0010】
他の形の関節炎に関するように、関節リュウマチは関節の炎症に関与する。関節リュウマチにおいて、細菌やウィルス等のような好ましくない侵入者を攻撃するのが通常の仕事である白血球は、血流から滑膜へと移動する。ここで、これらの白血球は、滑膜が炎症(滑膜炎)を起こすようになる重要な役割を果たしているようである。この炎症は、滑膜の増厚化を、数ヶ月又は数十年に渡って、引き起こすタンパク質の放出という結果となる。これらのタンパク質は、軟骨、骨、腱、及び靱帯をも損傷させることができる。徐々に、関節は、その形やアライメントを失い、ついには、それが破壊されるかもしれない。
【0011】
通常の条件下で、体は、多彩な複雑なホルモンの及び機械的なフィードバックメカニズムを通して、ホメオスタシスの状態に滑膜関節を維持する。幾つかのタイプの損傷又は負傷は、デリケートな恒常性(homeostatic)バランスを狂わせてしまうことがある。例えば、運動トレーニング又はパフォーマンスのような、毎日の使用の間に関節に繰り返しなされる身体的外傷又はストレスは、しばしば、ホメオスタシス(homeostasis)の喪失及び関節の炎症の誘因となる。最初、そのようなストレスは、骨膜炎(synovitis)又は被膜炎(capsulitis)(例えば、外傷性の骨膜炎(traumatic synovitis))の形における単に軟部組織炎症にしかならない。軟骨損傷は、ストレスに関連する外傷又は炎症の初期の段階にあるかもしれず、最初はないかもしれない。しかしながら、プロスタグランジン(prostaglandins)、サイトカイン(cytokines)、リソソーム酵素(lysosomal enzymes)、及び、フリーラジカル(free radicals)のような、炎症性メディエータ(inflammatory mediators)の関節への放出は、関節軟骨の損傷へと導き得、軟骨退化や変形性関節疾患(DJD)の進展への導きを引き起こすことができる。
【0012】
例えば剥離骨折のような軟骨欠損である第2のタイプの損傷又は負傷は、そのような剥離は慢性的変形性関節疾患に関連付けられる第2の合併症によるとすることができるのであるが、例えば、急性レーシング又はトレーニング損傷のような急性的な機械的な損傷又は外傷にしばしば関連付けられる。このシナリオ下において、皮膚損傷は、関節軟骨において外傷性に誘起された欠陥としてしばしば開始される。これは、関節軟骨の表面及び完全性を危うくする関節縁又は他の欠陥から本来の組織の分解として起こるかもしれない。くり返される関節の運動(トレーニング又はレーシングの繰り返されるストレスや外傷)によって生成する滑液の間欠圧力や滑液に支持する軟骨下骨が曝されることにより、進行性の軟骨下骨硬化、及び、骨の断片又は剥離片の結果的な除去へと導かれる。治療されずに放置されると、結果的な損傷は、しばしば、進行性となり、変形性関節疾患という結果になる(例えば、Nixon et ah, "EQUINE FRACTURE REPAIR", W. B. Saunders Co., 1996 (ISBN 0-7216-6754-6)参照)。
【0013】
何れのシナリオにおいても、一度危うくされてしまうと、関節軟骨への損傷は通常永久のものとなる。一般に、一度危うくされてしまうと、治療は通常、関節の炎症を制限若しくは低下させること、炎症性メディエータの放出を制限すること、(例えば、剥離片)誘因の除去、及び、滑液成分の置換に向けられる。これらの手段は、患部での治療及びフィブロカーティラジ(fibrocartilage)の堆積のために許される残りの期間と組合わされる。長期の治療目的は、悪化するプロセスの進展を遅らせ、変形性関節疾患の臨床的症状をコントロールすることに向けられる。予防はしばしば、軟骨への損傷が起きる前に関節の炎症を制限すること、及び、適切な栄養サポートすることを目的とする。
【0014】
結合組織の痛みへの治療は、全く解決が難しいであろう。結合組織が曝されるストレスにおける単純な減少は、しばしば取り得るオプションではなく、特に競馬の馬のような動物やアスリートの場合は取り得るオプションではない。結果として、治療はしばしば、悪化のプロセスの進行ステージに関係なく、原因ではなく、苦痛の症状のコントロールに向けられる。現在のところ、コルチコステロイド(corticosteroids)や非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)のようなステロイドが、このような慢性的な病気の治療のために広く使われる(Vidal, et at, Pharmocol. Res. Comraun., 10:557-569 (1978))。しかしながら、このような、体自身の自然治癒プロセスを妨害する薬は、結合組織の更なる悪化に繋がるかもしれない。
【0015】
例えば、軟骨のような結合組織は、とてつもない量のコラーゲンやプロテオグリカン(PGs)を製造及びリモデルすることによって、自身を修復しようと試みるように生来備えられている。この進行中の過程は、傷害が生じるとストレス下に置かれる。そのようなケースでは、結合組織マトリックス(コラーゲン及びプロテオグリカン)の生産は、通常のレベルの2倍又は3倍にもされるため、コラーゲン及びプロテオグリカンの両方の構成要素に対する要求を増加させる。コラーゲンのための構成要素は、特に、プロリン、グリシン、及び、リジンのようなアミノ酸である。プロテオグリカンは、グリコサミノグリカン(GAGs)又はムコ多糖と呼ばれる変性糖部の長い鎖から主になる大きな高分子複合体である。グリコサミノグリカン及びムコ多糖という用語は、当技術分野において交換可能であると理解されている。濃い陰イオン量により、プロテオグリカン分子は、特に潤滑のために形成される軟骨内の水を吸収し保持することができる。プロテオグリカンは、圧縮力下における回復と、圧縮力に対する抵抗と、弾力性と、柔軟性に対してユニークな機械的特性を提供する。
【0016】
グルコサミノグリカンは、動物界において広く生じる多糖であり、脊椎動物の組織において存在するグルコサミノグリカンは、2つの単糖からなる二糖の繰り返しであるリニアナ構造を主に備える。5種類のグルコサミノグリカンは、脊椎動物の組織及び体液において見つけられ、コンドロイチン硫酸、ケラチン硫酸、デルマタン硫酸、ヘパリン硫酸、そして、ヒアルロン酸である。
【0017】
プロテオグリカン及びコラーゲンは、全ての結合組織の主な構造要素である。それらの合成は、結合組織の適切なメンテナンス及び修理のために不可欠である。グリコサミノグリカンのためのキーとなる前駆体である、グルコサミンの導入は、線維芽細胞におけるグリコサミノグリカン及びコラーゲンの合成を増加させると、インビトロにおいて、証明されてきた。インビボで、グルコサミンの局所適用は、創傷治癒を促進させた。グルコサミンはまた、変形性関節症に関しヒトにおける軟骨の完全性及び症状において再現性のある改善を示してきた(L. Bucci, Nutritional Supplement Advisor, July 1992)。
【0018】
軟骨において見つけられる主なプロテオグリカンは、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ケラタン硫酸、及び、ヒアルロン酸(また、ヒアルロナン又はHAとしても知られている)である。ヘパリン硫酸はまた、関節軟骨の要素ではないけれども、プロテオグリカンである。プロテオグリカンのためのより新しい名前は時々、例えば、大きなプロテオグリカンがヒアルロニン(hyaluronin)と集まるという、アグレガン(aggregan)のように、また、参照位置(例えば、タイプIのコラーゲン原線維を修飾する、デコリン(デルマタン硫酸))のように、又は、2つのグリコサミノグリカン鎖を持つバイグリカンという、参照一次構造のように、コンドロイチン硫酸及びケラチン硫酸において見つけられる分子内のコアタンパク質の機能を参照する。軟骨細胞は、損傷した軟骨やプロテオグリカンの除去において援助する、酵素を排出しつつ、新しいコラーゲンやプロテオグリカン分子を製造する、軟骨基質内で活性な細胞である。
【0019】
コンドロイチン硫酸は、N−アセチル・ガラクトサミン及び硫酸二糖類に分解される。グルクロン酸は、ヒアルロン酸分子の半分からなるキーとなる基質であるが、他方の半分はN−アセチルD−グルコサミンである。コンドロイチン硫酸は、その本体にCS4及びCS6として、関節軟骨基質へ水を結合させる、そして、プロテオグリカンの形成に必要である不可欠のグリコスアミノグリカンであると思われる。
【0020】
特に、コンドロイチン硫酸は、繰り返す糖の長い親水性鎖である。このグリコサミノグリカンは、関節軟骨内で水及び栄養の輸送において補助するプロテオグリカン分子に結合する硫酸塩の形におけるコンドロイチンは、グリコサミノグリカン生産のために利用されるヘキソサミン経路に次ぐプロテオグリカン合成のための二糖経路、一次基質のヒアルロナン(hylauronan)、及び、ガラクトサミン(galactosamine)を含む。コンドロイチン硫酸鎖は、プロテオグリカン分子の不可欠な部分、及び、軟骨基質の空間形成を含む。コンドロイチンは、健康な軟骨の構成要素である、コラーゲン、グリコサミノグリカン、及び、プロテオグリカンの生産を促進する。コンドロイチン硫酸はまた、関節軟骨内における軟骨細胞による退行性酵素の分泌を阻害する。コンドロイチン硫酸は、毒性がなく、軟骨を修理し潤いを与えるようにグルコサミンと相乗的に働く。
【0021】
ヒアルロナン(Hylauronan)は、滑液(synovial fluid)及び関節軟骨(articular cartilage)の不可欠な部分である。関節軟骨(articular cartilage)内において、ヒアルロナン(hylauronan)は、対向する表面及び増加する圧縮力抵抗の間の動きの容易性を許す粘弾性特性を提供する。滑膜(synovium)内において、滑液(synovial fluid)の構成要素としてのヒアルロナン(hylauronan)は、血漿成分の導入を規制する効果的な障壁を提供する。通常の条件下で、体は、破壊的なプロティナーゼ(destructive proteinases)、炎症性メディエータ(inflammatory mediators)、及び、異化酵素(catabolic enzymes)の生産及び放出を制限しつつ、健康な関節軟骨(articular cartilage)を維持かつ成長させる基本構成要素の十分な量を合成するであろう。
【0022】
グルコサミン−5−リン酸としてのグルコサミンは、体内で自然に生じ、グリコサミノグリカン(glycosaminoglycans)、プロテオグリカン(proteoglycans)、ヒアルロナン(hyaluronan)、及び、コラーゲン(collagen)の生合成における要素である。グルコサミンは、外因性型で、グルコサミン硫酸ナトリウム塩(glucosamine sulfate sodium)、グルコサミン塩酸塩(glucosamine hydrochloride)、及び、N-アセチル-D-グルコサミン(N-acetyl D-glucosamine)、のように得られるN-アセチル-D-グルコサミン(N-acetyl
D-glucosamine)はまた、キチンの化学的加水分解によって得られるブドウ糖(glucose)の誘導体である。この多糖は、水に易溶性であり、生物学的に極めて利用可能である。N−アセチル−D−グルコサミン(N-acetyl D-glucosamine)は、ヒアルロン酸、ケラタン硫酸、及び、コンドロイチン硫酸への前駆体となるガラクトース(galactose)と同様にグルクロン酸に結合する。このユニークな誘導体は、プロテオグリカン、コラーゲン、及び、グリコサミノグリカンの生産において助けとなる。N−アセチル−D−グルコサミンはまた、軟部組織損傷の治癒において助けとなると示されてきた。
【0023】
これまで、関節疾患の処置のための無数の治療アプローチがあり、プロテオグリカン、グリコサミノグリカン、ヒアルロナン、そして、コラーゲンの生合成において助けとなるように治療食への代謝前駆体の栄養強化を提供する(米国特許5,364,845号及び米国特許5,587,363号を参照)。多くの他の開示はまた、結合組織の治療のための治療方法として栄養補助食品の導入を提案している。例えば、Rovati et al.に認可された米国特許3,683,076号は、グルコサミン・サルフェイトが関節炎状態を治療するために有用であると教示する。Rovati et al.に認可された米国特許3,697,652号は、N−アセチルグルコサミンが関節の退行性の苦痛を治療するために使用できることを開示する。Henderson et al.に認可された米国特許5,364,845号及び米国特許5,587,36号米国特許6,492,349号米国特許6,271,213号及び米国特許6,583,123号は、グルコサミン、コンドロイチン、マンガン、及び/又は、S−アデノシルメチオニン(SAM)は、結合組織を修理し保護するために使用されると教示する。Ekanauakeに認可された米国特許6,632,804号は、第一鉄イオン及びアスコルビン酸塩、そして、グルコサミン(glucodamine)誘導体は、変形性関節症の治療に有用であることを教示する。Prtito et al.に認可された米国特許6,645,948号は、グルコサミン塩、コンドロイチン硫酸、コラーゲン、及び、ヒアルロン酸ナトリウムを含む結合組織を治療するための栄養組成を教示する。
【0024】
Florioに認可された米国特許5,840,715号において、N‐アセチルグルコサミン・サルフェイト、コンドロイチン硫酸、ガンマリノレン酸、エイコサペンタエン酸(ercosapentaenoic acid)、ドコサヘキサエン酸(docosahexaneoic acid)、そして、アスパラギン酸マンガンが、関節炎症状を治療するために配合される。Rose et al.に認可された米国特許5,916,565号は、脊椎動物の関節における損傷した組織を修理し保守するために、D−グルコサミン塩酸塩、コンドロイチン硫酸、粉末唐辛子、生姜、ターメリック(turmeric)、ユッカ(yucca)、デビルズクロー(Devil's Claw)、ネトル リーフ(nettle leaf)、ブラック・コホッシュ(Black Cohosh)、ムラサキウマゴヤシ(alfalfa)、及び、セロリシード(celery seeds)からなる組成物を教示する。米国特許5,922,692号において、マリノ(Marino)は、グルコサミン・サルフェイト及びコンドロイチン硫酸が食材に添加できることを開示する。米国特許4,216,204号、米国特許4,782,046号、米国特許4,808,576号、米国特許4,837,024号、米国特許5,141,928号、米国特許5,840,715号、米国特許5,442,053号、米国特許及び米国特許5,929,050号のような、追加の関連する技術において、ヒト及び動物における結合組織の治療のための医薬組成物及び方法が開示されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
全ての上記参考文献はそれぞれの目的とする使用において有効であったと記述されているが、結合組織の治療において強化された有効性を実証し、他の改善された有益な物性を示し、そして、投与モードにおけるより広範囲な応用を提供する、治療組成物に対する技術分野の必要性は残る。本発明は、少なくとも部分的にこれらの必要性に合致している。
【課題を解決するための手段】
【0026】
[発明の概要]
本発明は、結合組織の損傷の予防又は治療における強化された有効性を実証する組成物を提供する。本発明の好ましい実施例の1つにおいて、組成物は、コンドロイチン硫酸、グルコサミン、及び、ヒアルロナン(ヒアルロン酸)を含む。例えば、関節において、プロテオグリカン、グリコサミノグリカン、及びコラーゲンの生産を促進するようにコンドロイチン硫酸は働き、また軟骨細胞及び滑膜細胞によって分泌される退行性酵素を抑制し、更に滑液内での栄養の輸送において助けとなる。例えば、好ましいN−アセチル−D−グルコサミンのようなグルコサミンは、そのプライム・サブストレート・ガラクトサミン(コンドロイチン硫酸同化により)及びN−アセチル−D−グルコサミンの直接その場(in situ)包含によって、滑膜細胞及び軟骨細胞の生産を増やし、内因性ヒアルロナンのそれに続く利用可能性を増大させる。外因性ヒアルロナンは、修復過程において、劣化した内因性ヒアルロナンを取りかえ、損傷した関節組織だけでなく健康な関節組織をも潤滑しコーティングするように機能する。機能の上記モードは、正確であると信じられているが、本組成物のクレームした使用は、効能を発揮するための活動のそのような仮定されたメカニズムに限られない。
【0027】
1つの好ましい実施例において、その組成物に含まれるコンドロイチン硫酸は、好ましくは、コンドロイチン−4−硫酸(CS4)、コンドロイチン−6−硫酸(CS6)、又は、CS4及びCS6の混合物である。コンドロイチン硫酸及びN−アセチル−D−グルコサミンの治療効果のある量は、好ましくは単位投与量(unit dose)あたり約0.5gから約1.5gであり、ヒアルロナンの治療効果のある量は、好ましくは単位投与量(又は「単位投薬量」)あたり約10mgから約50mgである。
【0028】
別の好ましい実施例において、ここに供給される組成物は、好ましくは、滅菌溶液、懸濁液、又は、他の製薬学的に許容される剤形状態にある。ここに提供される組成物は、罹患した結合組織に直接適用されることができ、又は、関節内の投与、及び/又は、全身投与又は非経口投与のために、好ましくは適応させられる。全身投与は、筋肉注射、静脈注射、皮下注射、又は、例えば舌下投与のような非胃腸の経粘膜的な投与を介して血流への直接吸着経由を、限られることなく、含むことができる。
【0029】
1つの実施例において、ここに供給される組成物は、例えば、腱、靱帯、又は、骨のようなターゲットの結合組織への直接注射のために適応させられる。或いは、組成物は、ターゲット組織との接触を強く及び/又は長くするために、例えば、ゲル又はペーストような材料の中にあるようなターゲット組織への直接適用のために適応させられるであろう。別の実施例において、本発明の組成物は、舌下の又は他の経口経粘膜的なデリバリによるように、血流の中に直接吸着に対する経粘膜的なデリバリのために適応させられる。本発明のある実施例によって、経粘膜的なデリバリは、血流の中へと直接吸着のために粘膜面面積を供給し、かつ、胃又は腸の酵素を経由して消化及び/又は他の変更を本発明の組成物が受けることがないようにする如何なる粘膜組織をも含むことができることが考えられる。本組成物は、所望の粘膜組織への直接適用に対する液体又は半固体として供給され得る。本組成物は、血流中へと吸着を促進するために、所望の粘膜組織との接触を高め及び/又は長期にするために設計された多様な体裁の如何なるものにも形成可能である。例えば、本組成物は、中咽頭(oropharnyx)又は他のターゲット粘膜組織の粘膜との接触を高め及び/又は長期にするために設計された、経口若しくは鼻腔用スプレー又は他の体裁として、例えば舌下において配置するための溶ける又は生物分解性のフィルムに組込まれることができる。
【0030】
更に別の実施例において、ここで提供される組成物は、哺乳類体の組織上又は組織間に注入するために適応させられたシート状の材料に付着される。好ましくは、組成物は、粘着及び/又は毛細管現象によってガーゼのような材料又はそれに接合されるものの上にコーティングされる、又は、高分子のガーゼのような材料内に含浸される。その組成物が付着する材料は、永久埋め込み又は、生分解性であるかもしれない。更に別の好ましい実施例において、ここに提供される組成物は、外科用縫合材料、外科用ステープル、又は、バックルのような装置を、限ることなく、含む包帯又は他の外科用の材料に付着する。
【0031】
ここに提供される組成物は、更に、オプションとして、合成及び非合成のコルチコステロイド試薬(synthetic and non-synthetic corticosteroid agents)、非ステロイド性抗炎症薬(nonsteroidal anti-inflammatory drugs)、抗リウマチ剤(antirheumatics)、免疫調節剤(immunoregulators)、免疫抑制剤(immunosuppressant)、関節機能増強因子(articular function augmenters)、インターロイキン生成阻害因子(interleukin production inhibitors)、成長因子(grow factor)、又は、治療効果を備える幹細胞を、限られることなく含む1又はそれ以上のその他の治療剤を備えてよい。如何なる望ましい治療効果を示すような、知られた及び/又は開発される如何なる薬、薬剤、化合物もこの発明の範囲内にある。他の実施例において、本発明は、上述の治療薬の1又はそれ以上を特に除外してもよい。
【0032】
本発明は、結合組織損傷の治療において結合組織の健康的な成長を促進する高められた有効性を実証する組成物を提供する。ここで用いられるように、「結合組織」という用語は、疎性結合組織、密性規則性結合組織、及び弾性結合組織に言及する。疎性結合組織は、膠原線維、弾性繊維、細網繊維を、限られることなく含む構成繊維からなる。疎性結合組織はまた、脂肪組織に言及する。密性規則性結合組織は、腱、靱帯、軟骨、骸骨、及び、他の線維性結合組織を、限られることなく含む。ここに使用される結合組織はまた血液に言及する。
【0033】
本発明の組成物は、ヒト又は動物における結合組織への原発性又は続発性の疾病又は傷害を含む、結合組織傷害の予防又は治療において使用できる。そのような病気又は傷害は、関節炎疾患、変形性関節症(OA)、リウマチ性関節炎(RA)、離断性骨軟骨症(OCD)、軟骨損傷、関節損傷、関節の炎症、関節滑膜炎、変形性関節疾患(DJD)、外傷後の変形性関節疾患、外傷、骨折、腱損傷、靱帯損傷、骨格損傷、筋骨格損傷、骨損傷、繊維損傷、脂肪組織損傷、血球損傷、及び、血漿損傷を、限られることなく含む。
【0034】
本発明は更に、コンドロイチン硫酸や、例えばN−アセチル−D−グルコサミンのようなグルコサミンや、ヒアルロナンを含む組成物の治療効果のある量を、それを必要とするヒト又は動物に投与することを含むヒト又は動物における結合組織の予防又は治療のための方法を提供する。1つの好ましい実施例において、本組成物は罹患結合組織へ直接的に適用される。別の好ましい実施例において、ここに提供される本組成物は、関節内投与又は全身投与又は非経口投与のために適応させられる。全身投与は、筋肉注射、静脈注射、又は、皮下注射、及び、例えば舌下投与のような経粘膜的投与を、限られることなく含むことができる。ここで結合組織損傷と言及されるものは、ヒト又は動物における結合組織への如何なる原発性又は続発性の病気又は傷害をも含む。
【0035】
本発明は更に、治療効果のある量のコンドロイチン硫酸、例えばN−アセチル−D−グルコサミンのようなグルコサミン、及び、ヒアルロナンを含む、ここに提供される組成物を含む1又はそれ以上の容器と、ヒト又は動物における結合組織損傷を予防又は治療するための組成物の使用のための使用説明書とを含むキットを提供することができる。ここに提供されるキットの発明はまた、所望の治療効果を備える他の薬、薬剤、化合物のために、他の分離した容器を、含む、又は特に除外することができる。これらの薬、薬剤、及び化合物としての例は、合成及び非合成のコルチコステロイド剤、非ステロイド性抗炎症薬(NSAlDS)、抗リウマチ薬(例えば、組織壊死因子遮断薬(TNFs)のような疾患修飾性抗リウマチ薬)、免疫調節剤、免疫抑制剤、関節機能増強因子、インターロイキン生成阻害因子、軟骨由来の形態形成タンパク質(例えば、CDMP-2)のような成長因子、骨形態形成タンパク質、及び、治療効果を持つ幹細胞及び/又は前駆細胞を、限られることなく含む。
【0036】
そのキットにおいて提供される組成物は、種々の投与単位において、注射器や小瓶(vials)を、限られることなく含む如何なる適切な容器の中に蓄えられる。好ましくは、コンドロイチン硫酸及びN−アセチル−D−グルコサミンのようなここで好ましいグルコサミンのための投与量は、それぞれ単位投与量あたり約0.5gから約1.5gであり、ヒアルロナンのための投与量は、単位投与量あたり約10mgから約50mgである。このキットにおいて提供されるコンドロイチン硫酸、N−アセチル−D−グルコサミン、及び、ヒアルロナンは、滅菌溶液状、懸濁液状、及び、製薬学的に許容される如何なる状態においても処方される。好ましくは、ここに提供される組成物を収容するキットにおける容器は、使い捨てできる。
【0037】
更に別の好ましい実施例において、ここで提供されるキットは、ヒトの体の組織間又は組織上への埋め込み、及び、その組成物をその上に付着させておくために、適応させられるシート状の材料を含む。好ましくは、シート状の材料は、含浸可能な材料の形であり、溶けることができ、生分解性である。更に、ここに提供されるキットは、ヒト又は動物における結合組織への如何なる原発性又は続発性の疾患又は傷害をも治療する組成物の使用の方法を示す使用説明書を含む。
【発明を実施するための形態】
【0038】
[発明の詳細な記述]
本発明の追加的な目的、有利な点、及びその他の新規な特徴は、以下に続く記述において1つには説明されるであろう。そして、また1つには、上述を調べればこの技術分野の通常の技術を持つ者には明らかになるであろう。又は、本発明の実施化について学ばれるかもしれない。更に、この文書を通して、種々の発行文献及び特許が引用されているが、それらの内容は全体が参照されここに組込まれている。
【0039】
結合組織損傷の治療における高められた有効性を実証する組成物に関連する具体的な詳細は、以下により詳しく説明されている。ここにおいて提供される組成物は、治療効果のある量のコンドロイチン硫酸、例えばN−アセチル−D−グルコサミンのような適したグルコサミン誘導体、及び、適したヒアルロナン(ヒアルロン酸)を含む。コンドロイチン硫酸はプロテオグリカン、グリコサミノグリカン、及び、コラーゲンの生産を刺激するように機能し、軟骨細胞及び滑膜細胞によって分泌される退行性酵素を阻害し、滑液内の栄養輸送を助けると信じられている。例えばN−アセチル−D−グルコサミンのようなグルコサミン誘導体が、そのプライム・サブストレート・ガラクトサミン(コンドロイチン硫酸同化による)及びN−アセチル−D−グルコサミンの直接その場(in situ)包含によって、滑膜細胞及び軟骨細胞の生産を増やし、内因性ヒアルロナンのそれに続く利用可能性を増大させると信じられている。外因性ヒアルロナンは、修復過程において、劣化した内因性ヒアルロナンを取りかえ、損傷した関節組織だけでなく健康な関節組織をも潤滑しコーティングするように機能すると更に信じられている。ここにおいて説明される機能の提案されるメカニズムや例は、本発明の範囲を限定する意図は全くない。本技術分野の通常の技術を持つ者は、ここに提供される教示を与えられれば、本発明の範囲内にある、組成物の多くのバリエーションや、それらの使用方法が可能であることに気が付くであろう。
【0040】
本発明の組成物は、自然に生じるグルコサミノグリカンであるコンドロイチン硫酸CS4及びCS6、適するヒアルロナン(ヒアルロン酸)、及び、例えばN−アセチル−D−グルコサミンのような適するグルコサミン誘導体からなるユニークな混合物を提供する。ターゲットとなる結合組織により、適するグルコサミン誘導体は、グルコサミン−5−リン酸、グルコサミン・サルフェイト・ナトリウム、グルコサミン塩酸塩、N-アセチル-D-グルコサミン、及び、それらの混合物を、限ることなく含むグルコサミン誘導体の如何なるものからも選択され得るということが認識できる。
【0041】
コンドロイチン硫酸は、本発明の組成物のある実施例の1つの重要な構成要素である。一般に、コンドロイチン硫酸は、D-グルクロン酸及びN-アセチルガラクトサミンの二糖の繰返しによる2つのフォームにおいて動物の結合組織内に広く見つけられる。1つは、CS4サルフェイトで、N-アセチルガラクトサミンがそのCS4の位置にエステル硫酸を保持し、もう1つのCS6サルフェイトはCS6の位置にエステル硫酸が存在する。CS4及びCS6の両方のコンドロイチン硫酸(サルフェイト)は、主要な成分として関節基質において機能する。コンドロイチン硫酸は、アンチープロストグランジン(anti-prostoglandin)活動を示すことにより、補体カスケードを阻害する酵素に直接作用して炎症過程を抑制するだけでなく、プロテオグリカン合成のための軟骨細胞によって用いられるグルコサミノグリカン・プールの増加を通して軟骨基質のノーマルな特徴を維持することに寄与する。
【0042】
本発明の組成物のある実施例の別の重要な構成要素である、ヒアルロナン及びその塩(例えば、ヒアルロン酸ナトリウム)は、結合組織の、及び、D−グルクロン酸(D-glucoranic acid)及びN−アセチル−D−グルコサミン(N-acetyl D-glucosamine)からなるくり返される二糖からなる滑液の天然成分である。関節包内において、関節軟骨の表面がヒアルロン酸ナトリウムの薄い層によって覆われる。それは、特に、軟骨プロテオグリカンと相互作用し、安定した会合体を形成する。滑液内において、潤滑特性だけでなくヴィスカル弾性(viscal elasticity)にも参照する。ヒアルロナンは、栄養を供給することを助け、関節基質から廃棄物除去を助ける。それはまた、過剰な線維組織が軟骨基質において形成されないように助けるという生化学的機能を提供する。
【0043】
加えて、N−アセチル−D−グルコサミンはまた、本発明の組成物のある実施例に対して重要である。そして、それがグルコサミノグリカンの軟骨細胞合成を促進するので、軟骨基質合成のためのキー化合物である。N−アセチル−D−グルコサミンまた、プロテオグリカンだけでなく、ヒアルロナンの生産のために必要な反応物を供給することにより、滑液のキーとなる構成要素の合成を高める能力を保有する。従って、手術の間に可動関節の侵入により失った特定のグルコサミノグリカンを置換することにより、また、ノーマルなヒアルロナンやプロテオグリカンの合成の回復を高めて促進するためのキーとなる分子を供給することにより、医者又は獣医が、治癒プロセスにおいて援助するだけでなく、関節を保護するその組成物の能力を確信できる。
【0044】
ここで用いられるように、その組成に含まれるコンドロイチン硫酸(サルフェイト)は、好ましくは、コンドロイチン−4−サルフェイト(CS4)、コンドロイチン−6−サルフェイト(CS6)、又は、両CS4及びCS6の混合物である。治療有効量のコンドロイチン硫酸及びN−アセチル−D−グルコサミンは、それぞれ好ましくは、単位投与量当り約0.5gから約1.5gであり、治療有効量のヒアルロナンは、好ましくは、単位投与量当り約10mgから約50mgである。1つの実施例において、治療有効量は、単位投与量当り、約1gのCS4コンドロイチン硫酸、又は約1gのCS6コンドロイチン硫酸、又は約1gのCS4及びCS6コンドロイチン硫酸の混合物からなる。別の実施例において、治療有効量のコンドロイチン硫酸は、約40%のCS4コンドロイチン硫酸と約60%のCS6コンドロイチン硫酸からなる約1gのコンドロイチン硫酸である。
【0045】
特に好ましい治療有効量のN−アセチル−D−グルコサミンは、その組成物の単位投与当り約1gのN−アセチル−D−グルコサミンである。ここに好ましい治療有効量のヒアルロナンは、組成物の単位投与当り約10mgから約50mgのヒアルロナンを含む。特に好ましい治療有効量のヒアルロナンは、組成物の単位投与当り約20mgから約40mgのヒアルロナンを含む。
【0046】
ヒアルロナンは、市販されるヒアルロン酸ナトリウムのような多くの市販される源の如何なるものからも選ぶことができ、また、代替となる塩や代謝前駆体又はその代謝産物を含むことができることは、当業者によって認識され得る。同様に、N−アセチル−D−グルコサミンやコンドロイチン硫酸、そして、ここにおいて説明される組成物において使用のために利用できる種々の代替塩又は代謝前駆体又はその代謝産物の商業的に利用可能な源は数多くある。
【0047】
ここで好ましい本発明の実施例の1つは、その組成物の単位投与当り、約40%のCS4及び60%のCS6コンドロイチン硫酸の混合物としての約1gのコンドロイチン硫酸と、約1gのN−アセチル−D−グルコサミンと、約20-40mg(特に約30mg)のヒアルロナン(例えば、ヒアルロン酸ナトリウム)からなる滅菌溶液又は懸濁液からなる組成物を提供する。
【0048】
本発明の好ましい実施例の1つの実験例は、10mlの単位投与量の組成物からなる。その組成物は以下のように作られる。1グラムのコンドロイチン硫酸粉末が1gのN−アセチル−D−グルコサミン粉末と混合される。これらの粉末は、秤量され、混合され、そして、2mlの10mg/mlのヒアルロン酸ナトリウム溶液がその粉末混合物に添加される。コンドロイチン硫酸、N−アセチル−D−グルコサミン、ヒアルロン酸ナトリウムの得られた混合物は、10mlの最終体積を達成するために約10mlの静菌性の水と共にqsである。この組成物におけるコンドロイチン硫酸の最終濃度は、0.1g/ml又は10%である。この組成物におけるN-アセチル-D-グルコサミンの最終濃度は、0.1g/ml又は10%であり、ヒアルロン酸ナトリウムの最終濃度は、0.2mg/ml又は20%である。
【0049】
本発明のここにおいて好ましい実施例の1つは、治療有効量のコンドロイチン硫酸、N−アセチル−D−グルコサミン、及び、ヒアルロナンのみから実質的になる組成物を提供する。その組成物は、鎮痛薬のような他の治療薬を特に排除してもよく、免疫抑制剤又は殺菌剤のような他の治療薬を特に含んでもよい。
【0050】
別の実施例において、本発明は、治療有効量のコンドロイチン硫酸、N−アセチル−D−グルコサミン、及び、ヒアルロナンを提供する。その組成物の単位投与当りの分子量は、約450,000ダルトンから約1,600,000ダルトンである。更に別の実施例において、本発明は治療有効量のコンドロイチン硫酸、N−アセチル−D−グルコサミン、及び、ヒアルロナンを含む組成物を提供する。ここで、その組成の単位投与当りの分子量は約500,000ダルトンから約1,400,000ダルトンである。更に別の実施例において、本発明は、治療有効量のコンドロイチン硫酸、N−アセチル−D−グルコサミン、及び、ヒアルロナンを含む組成物を提供する。その組成物の単位投与当りの分子量は約550,000ダルトンから約700,000ダルトンであるが、特に、約600,000ダルトンであってもよい。
【0051】
好ましい実施例において、本発明は、治療有効量のコンドロイチン硫酸、N−アセチル−D−グルコサミン、及び、ヒアルロナンを含む組成物を提供する。この組成物の単位投与当りの分子量は、約450,000ダルトンよりも大きい。別の実施例において、本発明は、治療有効量のコンドロイチン硫酸、N−アセチル−D−グルコサミン、及び、ヒアルロナンを含む組成物を提供する。この組成物の単位投与当りの分子量は、約550,0000ダルトンよりも大きい。
【0052】
ここに提供される組成物の準備は、従来の方法によりなされてもよい。例えば、本発明の組成物を準備するために、上述の原料は、従来の配合技術により適する担体と共に又は担体無しに均質な混合物状態下の活性成分として配合される。この担体は、例えば、経口投与、舌下投与、経鼻投与、喉投与、直腸投与、経皮投与、又は、非経口投与のような投与に対して所望の製剤のフォームにより広く多様なフォームを取ることができる。
【0053】
経口投与フォームにおける組成物の準備(製剤)において、如何なる通常の薬学的な媒体をも使用してよい。経口用液体製剤(例えば、懸濁液、エリキシル剤、及び溶液)のために、例えば、水、油、アルコール、香料添加剤、保存料、着色剤等を含む媒体を用いてもよい。デンプン、糖、希釈剤、造粒剤、滑剤、結合剤、崩壊剤等のような担体が、経口用の固体剤(例えば、粉末、カプセル、錠剤、カプレット、タブレット、マイクロカプセル化した顆粒、マイクロタブレット、コートされた顆粒、及び、薬用キャンディー)を製剤するために用いられてよい。カプセル又はタブレットは、好ましい経口投与フォームである。放出制御製剤もまた用いられてよい。投与における容易さのため、薬用キャンディー、タブレット、錠剤、カプレット、及び、カプセルは、最も有利な経口投与ユニットフォームを代表する。この場合、固体医薬担体が明らかに用いられる。望まれるなら、タブレットは糖衣錠であってよく、標準的な技術で腸溶性にコートされてもよい。本発明の組成物は、これらの経口投与フォームの1又はそれ以上のフォームにであってよく、即ち、単一投与が複数フォームにおいてなされてもよい。
【0054】
本発明の組成物はまた、舌下デリバリ又は鼻内デリバリのためのように、バイオアベイラビリティが高くなる、非胃腸経粘膜的デリバリフォームにおいても提供され得る。ドラッグ・デリバリに対する舌下吸収及びその利益に関する詳しい考察は、Lea(Sublingual
Absorption, Positive Health)や、Tolson(Bulk Nutrition, HPBCD Basics)によって提供されている(これらの文献の全内容はここに参照され組込まれている)。経粘膜的な製薬は、スプレー、ペースト、ゲル、又は、分解できるタブレット又はシートにあるように、担体又はポリマーの高厚化を含んでよく、そのようにして、経口又は鼻粘膜への組成物の粘着性を長寿命化する。
【0055】
1つの実施例において、本発明の組成物は、ポリエチレン・グリコール、香料、及び、ステビオシド90%パワー(stevioside 90% power)からなる風味付けされた経口用ペーストへの経粘膜的なデリバリのために製剤され得る。別の実施例において、本発明の組成物は、ヒドロキシプロピル・セルロース(例えば、1%)/プロピレン・グリコール・ゲルへの経粘膜的なデリバリのために製剤されることができる。更に別の実施例において、本発明の組成物は、ヒドロキシプロピル・セルロース(例えば、1.75%)/グリセリン(例えば、20%)/プロピレン・グリコール(例えば、30%)水性ゲルへの経粘膜的なデリバリのために製剤されることができる。更に別の実施例において、本発明の組成物は、ヒドロキシプロピル・セルロース(例えば、2.5%)水性ゲルへの経粘膜的なデリバリのために製剤されることができる。
【0056】
保存のために、又は、溶解度を助けるために、他の原料が含まれるかもしれないが、非経口用の製品に対して、担体は通常滅菌水を含むであろう。注射可能な懸濁液もまた、準備されるであろうが、適当な液体担体、懸濁剤等が用いられてもよい。
【0057】
好ましい実施例において、ここに提供する組成物は、好ましくは滅菌した溶液、懸濁液、又は、他の薬学的に受容できる製剤である。ここに提供される組成物は罹患結合組織に直接適用されることができる。或いは、関節内投与、及び/又は、全身投与、又は、非経口投与のために適合させられる。全身投与は、筋肉注射、静脈注射、又は、皮下注射を限定することなく含むことができる。前述の活性な薬剤に加え、関節内使用及び他の治療使用のために適応させられた本発明の組成物が、また、保存料、薬学的活性な担体、賦形剤、安定剤、バッファ、及び、抗菌性成長抑制剤等を含むことができる。そして、そのようなものの使用は、本発明により、想定されている、ということは本技術分野の当業者によって認識される。
【0058】
例えば、適する注射可能な液体と共に再構築のために、又は、予め選択された洗浄液に加えるために適する粉末化された製剤のように、他の製剤が可能であり、それは本発明の範囲内であることもまた想定されている。特に、その組成物の活性薬剤が、所望の時に再構成及び使用するため、フリーズド・ドライ、又は、凍結乾燥された状態で貯蔵できるということは、本技術分野の当業者によって認識され得る。
【0059】
更にもう1つの好ましい実施例において、ここに提供された組成物は、例えばはん痕組織形成のような手術後の癒着の形成を妨げるために、哺乳動物の体の結合組織の間に又はその上に直接埋め込みのために適応させられたシート状の材料又は含浸されたボーラスに付着される。好ましくは、組成物は、吸収性のガーゼのような材料の中に含浸され、又は、材料の上にコーティングされ、又は、メッシュ或いはガーゼへの付着及び/又は毛管現象によりその材料に結合する。組成物が付着又は吸収される材料は、永久埋め込みであってもよく、それが生分解性であってもよい。1つの実施例において、治療の組成物は、病気に罹った又は切除された組織スペースの中へと挿入するために形づくられることができるような展性の材料の上若しくは中に分散される。更にもう1つの好ましい実施例において、ここに提供された組成物は、包帯、又は、外科用の縫合材料、外科用のステープル、若しくは、バックルのような装置を、限定されることなく含む他の外科用の材料に付着する。外科的に埋め込まれたデバイスとその上に付着された薬/組成物を備えるシート状の材料が、米国特許6,534,693号(全内容がここに参照され組込まれる)に開示される。
【0060】
ここに提供された組成物が、ヒト及び動物の如何なる結合組織に対する如何なる原発性及び/又は続発性の損傷及び/又は傷害の治療において、高められた有効性を実証することは、本発明の想定するところである。このような病気及び/又は傷害は、関節炎疾患、変形性関節症(OA)、リウマチ性関節炎(RA)、離断性骨軟骨症(OCD)、軟骨損傷、関節損傷、関節炎症、関節滑膜炎、変形性関節疾患(DJD)、外傷後の変形性関節疾患、外傷、骨折、腱損傷、靱帯損傷、骨格損傷、筋骨格損傷、骨損傷、繊維損傷、脂肪組織損傷、血球損傷、及び、血漿損傷等を、限定することなく含む。
【0061】
本発明の1つの実施例において、リウマチ性関節炎(RA)の治療のための組成物及び方法が提供される。リウマチ性関節炎(又は関節リュウマチ)は、滑膜関節の慢性炎症、及び、関節軟骨基質の進行性エロージョンによって特徴付けられる自己免疫疾患であると思われている。リウマチ性関節炎の病因学及び病理学はまったく理解されないが、ある特定のパラメーターは常に存在している。サイトカイン、フリーラジカル、反応性の酸素種、及び、劣化した酵素は、リウマチ性関節炎に罹患した関節において、食作用活性の結果として形成される。IL1、TNF、MMPs、RNOsのような炎症性メディエータは、低分子量ヒアルロン酸だけでなく、リウマチ性関節炎における関節損傷のメディエータとして、関係があると長くされてきた。リウマチ性関節炎の関節においてこれらのものの生産の存在に対する生物学的反応は、病気が進行すると、体の防衛メカニズムが圧倒されので、存在するGAGレベルにおける増加を説明するかもしれない。
【0062】
活性の如何なる特定の理論によって拘束されないようにすると、リウマチ性関節炎に対する体のノーマルな反応は、その病理学をコントロールすることにおいて効果的でないかもしれないし、本発明の組成物によって提供されるように、特定のGAGsの内因性の増加は、リウマチ性関節炎の治療に対してより好ましい長期の反応と結果としてなるであろうと仮定される。本発明によって提供され、ここに説明される複数のGAG製剤の投与は、特定の生物学的な及び化学的な経路を経由して、上述の炎症性メディエータの生産及び存在を減少させるであろう。
【0063】
従って、本発明は、本発明の組成物の治療量の周期的な投与を含む、リウマチ性関節炎の治療方法を提供する。治療計画(例えば、投与周期及び投与量)が、特定の対象体におけるリウマチ性関節炎病気の臨床病期(clinical stage)及び/又は重症度や、シグナルメント(年齢、性別等)や、履歴に応じて変化するであろうことは、当該技術分野の当業者には認識できるであろう。本発明のある実施例において、本発明の組成物は、例えば、DMARDs、TNF遮断剤、IL-1Ras、免疫抑制剤等のような他の知られたリウマチ性関節炎の治療薬剤と共に使われるかもしれない。
【0064】
本発明によって提供される好ましい方法は、本発明の組成物と一緒に、例えば、適するDMARD、TNF遮蔽剤、又は、他の免疫抑制剤での前治療、又は、病気のプロセスの全体の短期の抑制を提供するための分離した前治療、を含む第1の治療計画であり、次に、例えば、TNF遮断剤のような全身の免疫抑制剤の有害な副作用がない長期をベースとするリウマチ性関節炎の症状を軽減するために、体の反応をノーマル化し安定化する本発明の組成物での治療という第2の治療計画である。例えば、適するDMARD、TNF遮断薬、又は、他の免疫抑制剤での最初の治療計画は、本発明の治療量の組成物と共にできると考えられる。
【0065】
本発明の更にもう1つの実施例において、ここに説明される組成物は、限られることなく抗生物質を含む、治療有効量の他の適する治療薬を更に含むことができる。例えば、ここに提供される組成物における使用のための適する抗生物質は、関節内使用のために適応されることができる抗生物質("Infectious Arthritis" Alicia L, Bertone, pp. 397-409, in JOINT DISEASE
IN THE HORSE", W. B. Sanders, 1996 (ISBN 0-7216-
5135-6)を参照)の如何なるものも限られることなく含む。当該技術分野の当業者によって認識されるように、抗生物質及び他の適する治療薬、及び、それらの治療有効量の選択は、例えば、治療されている感染性の生物の病因学、又は、治療を行う獣医又は医者の個人的な好みを、限られることなく含む多くのファクターに依存し得る。
【0066】
本発明の組成物はまた、結合組織疾患(例えば、腱炎)のための治療として一般に使われている限りにおいて、他の治療薬剤を更に含み、又は、除外することができる。他のそのような治療薬剤の例は、合成及び非合成のコルチコステロイド剤、非ステロイド性抗炎症薬、抗リウマチ剤、免疫調節剤、免疫抑制剤、関節機能増強因子、及び、インターロイキン生成阻害因子を、限られることなく含む。コルチコステロイド薬剤の特定の例は、デキサメタゾン(dexamethasone)、ヒドロコルチゾン(hydrocortisone)、トリアムシノロン(triamcinolone)、ベタメタゾン(betamethasone)、プリドニソロン(predonisolone)、メチルプリドニソロン(methyipredonisolone)、ハロプレドン(halopredone)、ベクロメタゾン(beclomethasone)等を、限定することなく含む。
【0067】
非ステロイド性抗炎症薬剤の特定の例は、ジクロフェナク(diclofenac)、インドメタシン(indomethacin)、イブプロフェン(ibuprofen)、ケトプロフェン(ketoprofen)、アスピリン(aspirin)、ジフルニサル(diflunisal)、フルフェナム酸(fulfenamic acid)、フロクタフェニン(floctafenine)、トルフェナム酸(tolfenamic acid)、スリンダク(sulindac)、フェンブフェン(fenbufen)、サリチル酸(salicylic acid)、アセメタシン(acemetacin)、プログルメタシン(proglumetacin)、ナブメトン(nabumetone)、プロチジン酸(protizinic acid)、チアプロフェン(thiaprofen)、オキサプロジン(oxaprozin)、ロキソプロフェン(loxoprofen)、アルミノプロフェン(alminoprofen)、ザルトプロフェン(zaltoprofen)、フルルビプロフェン(flurbiprofen)、フルルビプロフェン(flurbiprofen)等を、限られることなく含む。
【0068】
1つの実施例において、本発明の組成物は、少なくとも1つのピラゾリル・ベンゼンスルホンアミド化合物(pyrazolyl benzenesulfonamide)を更に含むことができる。これは、例えば、米国特許5,756,529号及び米国特許5,466,823号に説明があり、これに関することは参照されてここに組込まれる。特に、本発明の組成物は、炎症及び/又は痛みの治療に対して有用性があるジアリール置換型ピラゾール(diaryl substituted pyrazole)を更に含むことができる。本発明の組成が、ジアリール置換型ピラゾール、それらの異性体、類似物、及び/又は、代謝産物のクラスの如何なるものの治療量を更に含むことができると、特に考えられる。本発明の好ましい実施例において、提供された組成物は主に、シクロオキシゲナーゼ−2(COX-2)の阻害を経由して、及び、シクロオキシゲナーゼ−1(COX-1)の阻害が実質的にないところで、主に炎症及び/又は痛みを低減する非ステロイド薬剤を更に含む。本発明の組成物において使用するための適するジアリール置換型ピラゾールの例は、セレコクシブ(celecoxib)、ロフェコキシブ(rofecoxib)等を、限ることなく含む。
【0069】
ここに説明されるコア組成物に加えられてよい他の薬剤の例は、アキセチル(axetil)、ピロキシカム(piroxicam)、テノキシカム(tenoxicam)、アンピロキシカム(ampiroxicam)、メロキシカム(meloxicam)、D‐ペニシラミン(D-penicillamine)、ブシラミン(bucillamine)、金チオリンゴ酸ナトリウム(gold sodium thiomalate)、オーラノフィン(auranofin)、ロベンザリット(lobenzarit)、サラゾスルファピリジン(salazosulfapyridine)、メトトレキセート(methotrexate)、シクロホスファミド(cyclophosphamide)、アザチオプリン(azathioprine)、ミゾリビン(mizoribine)、シクロスポリン(cyclosporin)等を含む。
【0070】
特に好ましい実施例において、本発明はまた、治療有効量のコンドロイチン硫酸、N-アセチル-D-グルコサミン、ヒアルロナン、及び、酸化防止剤又はフリーラジカル捕捉剤からなる組成物を提供する。1つの実施例において、本発明の組成物は、Crapo et at.に発行され、ここに参照され組込まれた米国特許6,127,356号に説明される例を、限定されることなく含む他の酸化防止剤、又は、適したスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)の治療量を含む。
【0071】
本発明は、ヒト又は動物において結合組織損傷を治療する方法を提供する。それは、コンドロイチン硫酸、N-アセチル-D-グルコサミン、及び、ヒアルロナンからなる組成物の治療有効量を必要とするヒト又は動物に投与する工程を含む。1つの好ましい実施例において、組成物は、罹患した結合組織に直接適用される。別の好ましい実施例において、ここに提供された組成物は、関節内投与、及び/又は、全身投与又は非経口投与のために適応させられる。全身の投与は、筋肉注射、静脈注射、又は、皮下注射を、限ることなく含むことができる。ここに参照される結合組織損傷は、ヒト及び/又は動物における結合組織へ、原発性の又は続発性の病気又は傷害の如何なるものも含む。このような病気又は傷害は、関節炎疾患、変形性関節症(OA)、リウマチ性関節炎(RA)、離断性骨軟骨症(OCD)、軟骨損傷、関節損傷、関節炎症、関節滑膜炎、変形性関節疾患(DJD)、外傷後の変形性関節疾患、外傷、骨折、腱損傷、靱帯損傷、骨格損傷、筋骨格損傷、骨損傷、繊維損傷、脂肪組織損傷、血球損傷、及び、血漿損傷を、限られることなく含む。
【0072】
その技術分野の当業者は、結合組織の病気を治療する方法において、治療投与量は病気の重症度及び治療される特定の条件により変化する。従って、治療投与量は1つの投与量において与えられることができ、そして、必要に応じてくり返されることを理解するであろう。また、投与量は幾つかの小さな投与量において徐々に増えるように与えられ得ることを理解するであろう。それで、本発明の組成物は、推奨される治療投与量が単一の投与量の投与により、又は、幾つかのより小さな投与量の投与により達成できるように、計画が立てられる。ある特定の方法において、注射は全身的に3-4日毎に幾週も与えられ、そして病巣内の注射は、例えば、3週間の間隔で、1つの注射或いは一連の注射でもよい。
【0073】
この発明の組成物が、結合組織の病気に対して使用するための使用説明書と一緒に、パッケージに含められることは、当該技術分野の当業者にとって明らかである。そのようにして、治療有効量のコンドロイチン硫酸、N-アセチル-D-グルコサミン、及び、ヒアルロナンを含む組成物であってここに提供されるものを含む1又はそれ以上の容器と、人間又は動物において結合組織の損傷を治療するための組成物を使用するための使用説明書と、を含むキットを本発明は提供する。ここに供給されたキットはまた、合成及び非合成のコルチコステロイド剤、非ステロイド性抗炎症薬、抗リウマチ剤、免疫調節剤、免疫抑制剤、関節機能増強因子、及び、インターロイキン生成阻害因子を、限定することなく含みつつ、他の薬、薬剤、所望の治療効果を備える化合物に対する他の分離した容器を含むことができる。
【0074】
キットにおいて提供された組成物は、注射器及びバイアルを限定することなく含む如何なる適する容器の中に、種々の投薬量単位で貯蔵され得る。好ましくは、コンドロイチン硫酸及びN−アセチル−D−グルコサミンに対する投薬量は、それぞれ単位投薬量当り約0.5gから約1.5gであり、ヒアルロナンの投薬量は、単位投薬量当り約10mgから約50mgである。キットに供給されるコンドロイチン硫酸、N−アセチル−D−グルコサミン、ヒアルロナンは、殺菌溶液に、懸濁液に、又は、薬学的に許容できる如何なる製剤形態に製剤され、種々の投薬量単位で、別々に又は配合されて、適する容器の中に貯蔵される。好ましくは、ここに提供された組成物を含むキットにおける容器は、使い捨てできる。
【0075】
1つの好ましい実施例において、キットは複数の事前充填された注射器を含んでいる。少なくとも1つの注射器は、その組成物の単位投薬量当り、例えば、約40%のCS4及び60%のCS6のコンドロイチン硫酸の混合物としてのコンドロイチン硫酸を約1g、N−アセチル−D−グルコサミンを約1g、そして、ヒアルロナン(例えば、ヒアルロン酸ナトリウム)を約20−40mgであるが、特には、約30mgを、それぞれ含む組成物の比例した体積当りの重量比を含む滅菌溶液において本発明の組成物の約2から約10mlの予め選択された体積において事前充填されている。事前充填された注射器の体積は、もちろんターゲット組織においての病気状態、及び、動物などの種類によって変化するであろう。キットはまた、その技術分野で周知の他の治療薬を所望の量だけ事前充填した1又はそれ以上の別の注射器を含むことができる。更に別の好ましい実施例において、キットは、少なくとも3つの別々の容器を含み、1つは、CS4又はCS6のようなコンドロイチン硫酸、又は、40%CS4及び60%CS6の混合物を含み、1つは、N−アセチル−D−グルコサミンを含み、そして、1つは、ヒアルロナン(例えば、ヒアルロン酸ナトリウム)を含む。3つの成分は、それが投与される前に、所望の投薬量単位において混ぜられる。
【0076】
更に別の好ましい実施例において、ここに提供されたキットは、哺乳動物の体の組織間に又はその上に、その組成がその上に付着するように、埋め込まれるために適応させられる材料を含む。好ましくは、その材料は、展性がある半固体基板、又は、メッシュ、又は、ガーゼのような担体のフォームにあり、溶けるか、或いは、生分解性がある。好ましくは、その組成物は、メッシュ、ガーゼ、又は、ガーゼのような材料に対して、付着及び/又は毛管現象により、材料の中に含浸され、又は、材料の上にコートされ、又は、材料と結合する。代わりに、組成物は、包帯、外科用縫合又はステープル材料、外科用のプロセス又はデバイスに対して適するバックルのような外科用デバイスを限定することなく含む材料に付着する。
【0077】
さらに、ここに提供されたキットは、ヒト又は動物における結合組織に対する如何なる原発性又は続発性の病気又は傷害の治療のための組成物の使用の方法を示す使用説明書を含む。このような病気又は傷害は、関節炎疾患、変形性関節症(OA)、リウマチ性関節炎(RA)、離断性骨軟骨症(OCD)、軟骨損傷、関節損傷、関節炎症、関節滑膜炎、外傷後の変形性関節疾患、外傷後の変形性関節疾患、外傷、骨折、腱損傷、靱帯損傷、骨格損傷、筋骨格損傷、骨損傷、繊維損傷、脂肪組織損傷、血球損傷、及び、血漿損傷を、限定することなく含む。使用説明書は、書かれた材料の形態を通常備えるが、それには限定されない。
【0078】
本発明の組成物を述べてきたが、それを使用する方法は、結合組織損傷の治療のために高められた有効性を提供する。以下、ある好ましい実施例の例を提供するが、本発明を限定するものではない、明細書の実験例から、本発明はより明白に認識され、よりよく理解されるであろう。
【実施例1】
【0079】
[実験例1]
3歳の未去勢のサラブレッド競走馬は左前足の中部に拡大部を備えていた。罹患した場所に基づく熱を伴い、触診により足が痛んだ。対象となる馬は、グレイデッド・ステイクス・レースにおいてレースをしてきており、レース後2日で傷害が発見された。罹患した場所の超音波診断により、ゾーン1Bからゾーン3Aの浅指屈筋のコア損傷、グレードIIIが30%あった。腱を分ける外科的処理は、16ゲージ注射針を用いて、半インチ間隔で尾っぽから頭蓋まで傷のコアに向いて行われた。6つの腱の分岐サイトのそれぞれに、コンドロイチン硫酸、N-アセチル-D-グルコサミン、及びヒアルロン酸(POLYGLYCAN(登録商標)として市販、ArthroDynamic Technologies, Lexington, KY)からなる組成物の0.5mlが、コア損傷へと直接に注射された。
【0080】
手術後のケアは、罹患した足について、引いて歩かせる(handwalking)2週間のハイパートニック・スウェット(hypertonic sweat)を含んだ。手術から30日後、対象の馬は、限られた運動のために小さなパドックへと移された。術から60日後、本発明の組成物での治療、超音波試験で、ゾーン1Bから2Aでのコア損傷の修復完了、ゾーン2Bから3Aにおいて15%のグレード1損傷となった。術及び治療から150日後、浅指屈筋腱の超音波では、まだゾーン3Aで高エコー領域(hyperechoic areas)があった。しかし、全体としてよい質の繊維構造が腱を通して明らかであった。前にコア損傷を含んでいたところを含む。術及び治療後8月、超音波をかけた腱は通常の範囲内、但し、ゾーン3Aは除く、区域 3A に 尾の端に偶然の繊維パターンと共に緩やかな拡大があった。治療後8ヶ月で対象の馬が訓練を再開、10月目にフルの競争訓練をしても馬の腱に変化なかった。
【実施例2】
【0081】
[実験例2]
4歳の去勢したオスのサラブレッドの競走馬、左の前足の急性の痛みが主な問題であった。5ランクのうちグレード2であった。現在の病気の履歴は、ギャロップした後の急性の痛みを含んだ。屈曲すると痛みの程度の増加が含まれる。上の提靱帯の触診で増加した痛み。幾つかのステップに対して2つ折り。診断を確認するために、疑われた提靱帯が外側縁から6mlのカルボカイン(carbocaine)でブロックした。馬は約5分後快適にジョギングした。上の提靱帯の超音試験により、軽い靱帯炎が認められた。しかし、靱帯の繊維の断裂は見つけられなかった。
【0082】
治療:次の日、コンドロイチン硫酸、N−アセチル−D−グルコサミン、及びヒアルロン酸(POLYGLYCAN(登録商標)として市販、Arthro Dynamic Technologies, Lexington, KY)からなる組成物の2.5mlが、21ゲージ針で懸垂帯に注射された対象の馬は、怪我から3日で歩かされた。そして、訓練が再開された。怪我から3週間で、馬は良好であった。馬は、定量レースで勝った。状態は良好であった。レースにうまく戻っていった。
【実施例3】
【0083】
[実験例3]
4歳の未去勢サラブレッド競走馬。左前足の拡大した中部が主な問題。熱を持つ触診で痛み。現在の病気の履歴は、対象の馬が、グレード2ステークでの勝利の後でびっこに戻ったことを含む。診断用超音波試験により、22%のグレードIIコア損傷が左前の浅指屈筋腱。ゾーン1Bから2B。
【0084】
浅指屈筋腱の罹患部の腱分岐外科処理からなる治療、16ゲージ針を用い、半インチの間隔で尾っぽから頭蓋へと損傷のコアに向かった。5つの腱の分岐した位置のそれぞれに、コンドロイチン硫酸、N−アセチル−D−グルコサミン、及びヒアルロン酸(POLYGLYCAN(登録商標)として市販、ArthroDynamic Technologies, Lexington, KY)からなる組成物の0.5mlが、21ゲージ針で注射され、全部で2.5mlの本発明の組成物が使われた。外科手術及び注射治療の後、2週間のハイパートニック・スウェット(hypertonic sweat)が罹患した四肢になされた。対象となる動物は引いて歩かせること(handwalking)にに限られた。
【0085】
手術後30日で、馬は小さいパドックへと戻された。手術後60日で、フォローアップの浅指屈筋腱の超音波検査、10%のグレード1のコア損傷がゾーン1Bから2Bに。外科手術後120日で、フォローアップの超音波検査、オリジナルのコア損傷の完全な解消が判明。外科手術後240日で、フォローアップ超音波検査で、腱にノーマルな構造。馬は訓練を再開し、定量レースでレースを行い2番目でフィニッシュ。レースへの成功裏の復帰に続き、腱は触診でノーマルの限界以内に止まる。これ以上の超音波検査は行われなかった。
【0086】
[実験例4]
大人のオスの毛の長い飼い猫が拒食症の履歴と一時的な嘔吐及び約3から4日間続く下痢を示した。対象となる動物は、小腸における毛玉形成のため一時的な腸閉塞の過去の履歴があった。身体検査により、左の頭蓋の腹部において、小腸の厚くなったエリアが判明。
腹部のレントゲン写真は、小腸の厚くなったエリアを示した。また、レントゲン写真は、新生組織形成又は慢性の部分的な閉塞と合致した。診査開腹を行い、小腸近傍の疾患エリアのおよそ10−12インチの長さのものが識別された。腸の壁は厚くなり、小腸の機能性の管腔は疾患したエリアで減少していた。幾つかのエリアに巣状壊死と腸間膜の癒着があった。およそ15インチの小腸が切除され、疾患部が取り除かれ、小腸の2つの健康な端部が吻合された。
【0087】
腹部の縫合の前に、本発明によるコンドロイチン硫酸、N−アセチル−D−グルコサミン、及びヒアルロン酸からなる組成物の約4mlで腸の吻合のエリアはコートされた。腹部の縫合はルーティンであった。動物には予防的抗生剤が手術に続いて処理された。手術からの回復は平凡であり、そして限定された食事とケージ閉じ込めに続き、約2週以内でノーマルな活動に戻った。外科視点でのフォローアップ検査では、重要な発見は無かった。外科の腹部の付着は、身体検査に記録されていたが、フォローアップレントゲン写真及び超音波検査では重要な発見は無かった。
【0088】
本発明の好ましい実施例のこれまでの記述は、説明及び記述の目的のためになされた。それらが、網羅的なものを意図せず、開示された厳密なフォームに発明を制限するつもりはない。明白な修飾又は変更は、上記教示に照らして可能である。実施例は、本発明の原理及びその実際の適用の最良の説明を提供するために選択され記述された。それによって、当業者は種々の実施例において、また、考慮される特定の使用に適合するように種々の変更を伴って、本発明を利用することができる。クレームが公平に、法的に、そして、衡平法的に認められる広さに従って解釈されたとき、このような修飾及び変更は全て、添付されるクレームにより決定されるように本発明の範囲内にある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分離鎮痛薬の不存在下、治療有効量のコンドロイチン硫酸、N−アセチル−D−グルコサミン、及び、ヒアルロナンを含む、哺乳動物における結合組織損傷を治療する組成物。
【請求項2】
前記治療有効量のコンドロイチン硫酸が、前記組成物の単位投与量当り、約0.5gから約1.5gまでの間のコンドロイチン硫酸からなる、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
前記コンドロイチン硫酸が、コンドロイチン-4-硫酸である、請求項2記載の組成物。
【請求項4】
前記コンドロイチン硫酸が、コンドロイチン-6-硫酸である、請求項2記載の組成物。
【請求項5】
前記コンドロイチン硫酸が、コンドロイチン-4-硫酸及びコンドロイチン-6-硫酸の混合物である、請求項2記載の組成物。
【請求項6】
前記治療有効量のN−アセチル−D−グルコサミンが、前記組成物の単位投与量当り、約0.5gから約1.5gのN−アセチル−D−グルコサミンである、請求項1記載の組成物。
【請求項7】
前記治療有効量のヒアルロナンが、前記組成物の単位投与量当り、約10mgから約50mgのヒアルロナンである、請求項1記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物が、滅菌溶液である、請求項1記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物が、損傷した組織の間又は上に埋め込むために適応させられた半固体又は固体の材料内又は上に分散される、請求項1記載の組成物。
【請求項10】
前記材料が、溶解可能又は生分解可能である、請求項9記載の組成物。
【請求項11】
前記材料が、メッシュ、ガーゼ、又は、包帯のフォームである、請求項9記載の組成物。
【請求項12】
前記材料は、外科用縫合材料、外科用ステープル材料、又は、外科用プロセス又は装置に適するバックルである、請求項9の組成物。
【請求項13】
前記材料が、変形可能な半固体である、請求項9記載の組成物。
【請求項14】
更に、合成又は非合成のコルチコステロイド剤、非ステロイド性抗炎症薬剤、抗リウマチ剤、免疫調節剤、免疫抑制剤、関節機能増強因子剤、及び、インターロイキン生成阻害因子からなるグループから選択される1又はそれ以上の治療薬を更に含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
前記治療薬が、コルチコステロイド剤である、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
前記治療薬が、成長因子である、請求項14に記載の組成物。
【請求項17】
治療有効量の組織又は細胞を更に含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項18】
前記結合組織が、疎性結合組織、密性規則性結合組織、及び、弾性結合組織からなる、請求項1に記載の組成物。
【請求項19】
前記疎性結合組織が、脂肪細胞である、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
前記疎性結合組織が、膠原線維、弾性繊維、細網繊維からなるグループより選ばれる構成繊維である、請求項18に記載の組成物。
【請求項21】
前記密性規則性結合組織は、腱、靱帯、軟骨、及び、他の線維性結合組織からなるグループから選ばれる、請求項18に記載の組成物。
【請求項22】
前記結合組織が、骨である、請求項18に記載の組成物。
【請求項23】
前記結合組織が、軟骨である、請求項18に記載の組成物。
【請求項24】
前記結合組織損傷は、関節炎疾患、変形性関節症、リウマチ性関節炎、離断性骨軟骨症、軟骨損傷、関節損傷、関節炎症、関節滑膜炎、変形性関節疾患、外傷後の変形性関節疾患、外傷、骨折、腱損傷、靱帯損傷、骨格損傷、筋骨格損傷、骨損傷、繊維損傷、脂肪組織損傷、血球損傷、及び、血漿損傷からなるグループから選ばれる損傷から生じる、請求項1に記載の組成物。
【請求項25】
分離鎮痛薬の不存在下、治療有効量のコンドロイチン硫酸、N−アセチル−D−グルコサミン、及び、ヒアルロナンから実質的になる組成物であって、哺乳動物における結合組織損傷を治療するための組成物。
【請求項26】
分離鎮痛薬の不存在下、コンドロイチン硫酸、N−アセチル−D−グルコサミン、及び、ヒアルロナン組成物の治療有効量を、その必要性のある哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物における結合組織損傷を治療する方法。
【請求項27】
前記組成物が、関節内に投与され、又は、損傷部位に直接に注射され、前記損傷部位は、軟骨、腱、又は、靱帯結合組織からなる、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記組成物が、筋肉注射で投与される、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記組成物が、静脈注射で投与される、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
前記組成物が、経粘膜的に投与される、請求項26に記載の方法。
【請求項31】
前記経粘膜的投与が、舌下投与又は鼻内投与である、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記結合組織損傷は、関節炎疾患、変形性関節症、リウマチ性関節炎、離断性骨軟骨症、軟骨損傷、関節損傷、関節炎症、関節滑膜炎、変形性関節疾患、外傷後の変形性関節疾患、外傷、骨折、腱損傷、靱帯損傷、骨格損傷、筋骨格損傷、骨損傷、繊維損傷、脂肪組織損傷、血球損傷、及び、血漿損傷からなるグループから選ばれる損傷から生じる、請求項26に記載の組成物。
【請求項33】
分離鎮痛薬の不存在下、コンドロイチン硫酸、N−アセチル−D−グルコサミン、及び、ヒアルロナンから実質的になる組成物の治療有効量を、その必要性のある哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物における結合組織損傷を治療する方法。
【請求項34】
前記組成物が、関節内に投与され、又は、損傷部位に直接注射投与され、前記損傷部位は、軟骨、腱、又は、靱帯結合組織からなる、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記組成物が、筋肉注射で投与される、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記組成物が、静脈注射で投与される、請求項33に記載の方法。
【請求項37】
前記組成物が、経粘膜的に投与される、請求項33に記載の方法。
【請求項38】
前記経粘膜的投与が、舌下投与又は鼻内投与である、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記結合組織損傷は、関節炎疾患、変形性関節症、リウマチ性関節炎、離断性骨軟骨症、軟骨損傷、関節損傷、関節炎症、関節滑膜炎、変形性関節疾患、外傷後の変形性関節疾患、外傷、骨折、腱損傷、靱帯損傷、骨格損傷、筋骨格損傷、骨損傷、繊維損傷、脂肪組織損傷、血球損傷、及び、血漿損傷からなるグループから選ばれる損傷から生じる、請求項33に記載の方法。
【請求項40】
a) 分離鎮痛薬の不存在下、治療有効量のコンドロイチン硫酸、N−アセチル−D−グルコサミン、及び、ヒアルロナンを含む、組成物を含む1又はそれ以上の容器と、
b)哺乳動物における結合組織損傷を治療するために前記組成物を使用するための使用説明書と、からなるキット。
【請求項41】
前記治療有効量のコンドロイチン硫酸が、前記組成物の単位投与量当り、約0.5gから約1.5gまでの間からなるコンドロイチン硫酸からなる、請求項40記載のキット。
【請求項42】
前記コンドロイチン硫酸が、コンドロイチン-4-硫酸である、請求項40記載のキット。
【請求項43】
前記コンドロイチン硫酸が、コンドロイチン-6-硫酸からなる、請求項40記載のキット。
【請求項44】
前記コンドロイチン硫酸が、コンドロイチン-4-硫酸及びコンドロイチン-6-硫酸の混合物である、請求項40記載のキット。
【請求項45】
前記治療有効量のN−アセチル−D−グルコサミンが、前記組成物の単位投与量当り約0.5gから約1.5gのN−アセチル−D−グルコサミンである、請求項40記載のキット。
【請求項46】
前記治療有効量のヒアルロナンが、前記組成物の単位投与量当り約10mgから約50mgのヒアルロナンである、請求項40記載のキット。
【請求項47】
前記組成物が、滅菌溶液である、請求項40記載のキット。
【請求項48】
前記組成物が、損傷した組織の間又は上に埋め込みのために適応させられた半固体又は固体の材料内又は上に分散される、請求項40記載のキット。
【請求項49】
前記材料が、溶解可能又は生分解可能である、請求項48記載のキット。
【請求項50】
前記材料が、メッシュ、ガーゼ、又は、包帯のフォームである、請求項48記載のキット。
【請求項51】
前記材料は、外科用プロセス又は装置に適する外科用縫合材料又は外科用ステープル材料である、請求項48のキット。
【請求項52】
前記材料が、変形可能な半固体である、請求項48記載のキット。
【請求項53】
合成又は非合成のコルチコステロイド剤、非ステロイド性抗炎症薬剤、抗リウマチ剤、免疫調節剤、免疫抑制剤、関節機能増強因子剤、及び、インターロイキン生成阻害因子からなるグループから選択される1又はそれ以上の治療薬を含む分離容器を更に含む、請求項40に記載のキット。
【請求項54】
前記治療薬が、コルチコステロイド剤である、請求項53記載のキット。
【請求項55】
前記治療薬が、成長因子である、請求項53記載のキット。
【請求項56】
治療有効量の組織又は細胞を含む分離容器を更に含む、請求項40に記載のキット。
【請求項57】
前記容器が、注射器である、請求項40に記載のキット。
【請求項58】
前記容器が、バイアルである、請求項40に記載のキット。
【請求項59】
前記組成物が、経粘膜的投与のために適応させられた製剤状態に製剤される、請求項40に記載のキット。
【請求項60】
前記製剤が、舌下投与のためのゲル、又は、ペーストである、請求項59に記載のキット。
【請求項61】
前記製剤が、鼻内投与のためのスプレー式点鼻である、請求項59に記載のキット。

【公表番号】特表2010−530896(P2010−530896A)
【公表日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−513450(P2010−513450)
【出願日】平成20年6月20日(2008.6.20)
【国際出願番号】PCT/US2008/067688
【国際公開番号】WO2008/157767
【国際公開日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(509348890)アースロダイナミック テクノロジーズ インコーポレーテッド アニマル ヘルス ディビジョン (1)
【Fターム(参考)】