説明

結露防止システム、サーバ及び結露防止プログラム

【課題】 ユーザの許可を得た上で印刷装置内の結露を防止するための制御を行うことができる結露防止システム、サーバ及び結露防止プログラムを提供する。
【解決手段】 プリンタ3に備えられた内部温度センサ、外部温度センサ及び湿度センサでプリンタ3の内部の温度、同外部の温度、湿度(環境データ)を測定する。そして、管理コンピュータ7がそれら環境データと基準値記憶部35に記憶された基準値と比較し、環境データが基準値を超えたときは、携帯端末5に加熱許可依頼として電子メールを送信する。携帯端末5がその電子メールに返信したとき、管理コンピュータ7は、プリンタ3の加熱時間を設定し、プリンタ3にその加熱時間を送信して、プリンタ3のヒータをオン状態にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、結露防止システム、サーバ及び結露防止プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタや複写機等の印刷装置は、その印刷装置の内部と外気との温度差が大きい場合に、結露が生じることがあった。結露が生じた状態で印刷を実行すると、印刷画質が低下していた。また、印刷時に水蒸気が発生するため、その水蒸気を発煙と誤解したユーザからの問い合わせが多く、対応に時間を要していた。
【0003】
そこで、温湿度センサ、ヒータ、ファンを備えた印刷装置が提案されていた(例えば、特許文献1)。この印刷装置は、温湿度センサによって、印刷装置内部と外気との温度差を測定し、その温度差と外気の湿度とから印刷装置内で結露が発生するか否かを判断する。そして、印刷装置内部の温度が結露の発生する限界(結露限界点)に達しているときは、ヒータを動作させるとともにファンを駆動させて、印刷装置内部の温度を高める。そして、印刷装置内部と外気との温度差が結露限界点より下がり、結露が生じないと判断した後に印刷を実行する。
【特許文献1】特開2004−13015号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、印刷装置にファンを備え、それを駆動させる構成では、印刷装置が大型化していた。さらに、例えば、会社の始業時間においては印刷装置内部の温度が低いにも関わらず、外気の温度が暖房により上昇することがある。このような結露が生じやすい時間帯において、印刷装置は結露を防止するためにヒータで加熱中であることが多く、ユーザが印刷を実行したいときであっても、加熱が終了するまで待たなくてはならない。この問題に対し、例えば、始業時間前に印刷装置に備えた温湿度センサで印刷装置の内部と外気との温度差を判断し、予め自動的に印刷装置の電源をオン状態にして、ヒータで印刷装置の内部を加熱しておくことも考えられる。しかし、ユーザの許可を得ずに自動的に印刷装置の電源をオン状態にすることを望まないユーザに対応することができなかった。
【0005】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その目的は、ユーザの許可を得た上で印刷装置内の結露を防止するための制御を行うことができる結露防止システム、サーバ及び結露防止プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題点を解決するために、本発明の結露防止システムは、印刷装置とサーバとが第1のネットワークを介して接続され、前記サーバは、前記印刷装置の管理者が所有する外部端末と第2のネットワークを介して接続された結露防止システムにおいて、前記サーバは、前記印刷装置の環境データを取得する環境データ取得手段と、前記環境データ取得手段が取得した環境データが所定基準値を超えるか否かを判断する判断手段と、前記判断手段により前記所定基準値を超えたと判断した場合に、前記外部端末に加熱許可依頼を送信する加熱許可依頼送信手段と、前記外部端末から送信された加熱許可を受信する加熱許可受信手段と、前記加熱許可に基づき前記印刷装置を加熱させるオン命令を前記印刷装置に送信するオン命令送信手段とを有し、前記印刷装置は、前記オン命令送信手段により送信されたオン命令を受信するオン命令受信手段と、前記オン命令受信手段が受信したオン命令により当該印刷装置を加熱する加熱手段とを有する。
【0007】
この発明によれば、サーバは、環境データ取得手段が印刷装置の環境データを取得し、判断手段は、その環境データが所定基準値を超えるか否かを判断し、超えた場合に加熱許可依頼送信手段は外部端末に加熱許可依頼を送信する。また、加熱許可受信手段は外部端末から送信された加熱許可を受信し、オン命令送信手段が、加熱許可に基づき印刷装置にその印刷装置を加熱させるオン命令を送信する。そして、印刷装置は、オン命令受信手段がオン命令送信手段により送信されたオン命令を受信すると、加熱手段がそのオン命令により印刷装置を加熱する。
【0008】
この結果、例えば、始業時間前等の印刷装置が結露しやすいときに、予め加熱手段をオン状態にし、印刷装置の内部の温度を上昇させることによって結露を防止することができる。従って、例えば、自動的に印刷装置の電源をオン状態にする処理を望まない顧客に対しても、印刷装置内の結露を防止するための制御を行うことができる。
【0009】
本発明の結露防止システムは、印刷装置とサーバとが第1のネットワークを介して接続され、前記サーバは、前記印刷装置の管理者が所有する外部端末と第2のネットワークを介して接続された結露防止システムにおいて、前記サーバは、前記印刷装置の環境データを取得する環境データ取得手段と、前記環境データ取得手段が取得した環境データが所定基準値を超えるか否かを判断する判断手段と、前記判断手段により前記所定基準値を超えたと判断した場合に、前記外部端末に加熱許可依頼を送信する加熱許可依頼送信手段と、前記外部端末から送信された加熱許可を受信する加熱許可受信手段と、前記加熱許可に基づき前記印刷装置を加熱させるオン命令を前記印刷装置に送信するオン命令送信手段とを有し、前記印刷装置は、当該印刷装置の環境データを測定する環境データ測定手段と、前記環境データ測定手段が測定した環境データを前記サーバに送信する環境データ送信手段と、前記オン命令送信手段により送信されたオン命令を受信するオン命令受信手段と、前記オン命令受信手段が受信したオン命令により当該印刷装置を加熱する加熱手段とを有する。
【0010】
この発明によれば、サーバは、環境データ取得手段が印刷装置の環境データを取得し、判断手段がその環境データが基準値を超えるか否かを判断し、超えた場合に加熱許可依頼送信手段が外部端末に加熱許可依頼を送信する。また、加熱許可受信手段は外部端末から送信された加熱許可を受信し、オン命令送信手段が、加熱許可に基づき印刷装置にその印刷装置を加熱させるオン命令を送信する。印刷装置は、環境データ測定手段が印刷装置の環境データを測定し、環境データ送信手段が環境データ測定手段が測定した環境データをサーバに送信し、オン命令受信手段はオン命令送信手段により送信されたオン命令を受信し、加熱手段はオン命令受信手段が受信したオン命令によりその印刷装置を加熱する。
【0011】
この結果、印刷装置の環境データ測定手段で印刷装置の環境データを測定し、その環境データと所定基準値を比較することによって、予め加熱手段をオン状態にし、印刷装置の内部の温度を上昇させることによって結露を防止することができる。従って、例えば、自動的に印刷装置の電源をオン状態にする処理を望まない顧客に対しても、印刷装置内の結露を防止するための制御を行うことができる。
【0012】
本発明の結露防止システムは、印刷装置とサーバとが第1のネットワークを介して接続され、前記サーバは、前記印刷装置の管理者が所有する外部端末と第2のネットワークを介して接続された結露防止システムにおいて、前記外部端末は、前記サーバに前記印刷装置の加熱指示を送信する加熱指示送信手段とを有し、前記サーバは、前記印刷装置の過去の環境データを環境履歴記憶部に登録する環境データ履歴登録手段と、前記加熱指示送信手段が送信した加熱指示を受信する加熱指示受信手段と、前記加熱指示に基づき環境履歴記憶部を検索する環境データ履歴検索手段と、前記印刷装置を加熱させるオン命令を前記印刷装置に送信するオン命令送信手段とを有し、前記印刷装置は、前記オン命令送信手段
により送信されたオン命令を受信するオン命令受信手段と、前記オン命令受信手段が受信したオン命令により当該印刷装置を加熱する加熱手段とを有する。
【0013】
この発明によれば、外部端末の加熱指示送信手段がサーバに印刷装置の加熱指示を送信する。サーバは、環境データ履歴登録手段が印刷装置の過去の環境データを環境履歴記憶部に登録し、加熱指示受信手段が加熱指示送信手段が送信した加熱指示を受信し、環境データ履歴検索手段が環境履歴記憶部を検索し、オン命令送信手段が印刷装置を加熱させるオン命令を印刷装置に送信する。印刷装置のオン命令受信手段はオン命令送信手段により送信されたオン命令を受信し、加熱手段はオン命令受信手段が受信したオン命令によりその印刷装置を加熱する。
【0014】
この結果、例えば、サーバが印刷装置に環境データを測定させたり、加熱指示を送信したりしないときにも、外部端末から加熱指示を送信することによって、サーバが環境履歴記憶部に登録された環境データに従って印刷装置を加熱させることができる。従って、外部端末の加熱指示によって印刷装置内の結露を防止するための制御を行うことができる。
【0015】
本発明の結露防止システムは、前記サーバが、さらに、前記印刷装置の加熱手段による加熱時間を設定する加熱時間設定手段を有した。
この発明によれば、サーバが、さらに、印刷装置の加熱手段による加熱時間を設定する加熱時間設定手段を備えたので、例えば、結露防止に必要な時間のみ加熱時間として設定し、加熱手段をオン状態にして加熱することができる。従って、低消費電力でありならも印刷装置の結露を防止するための制御を行うことができる。
【0016】
本発明のサーバは、印刷装置と第1のネットワークを介して、外部端末と第2のネットワークを介してそれぞれ接続されたサーバにおいて、前記印刷装置の環境データを取得する環境データ取得手段と、前記環境データ取得手段が取得した印刷装置の環境データが所定基準値を超えるか否かを判断する判断手段と、前記判断手段により前記所定基準値を超えたと判断した場合に、前記外部端末に加熱許可依頼を送信する加熱許可依頼送信手段と、前記外部端末から送信された加熱許可を受信する加熱許可受信手段と、前記加熱許可に基づきオン命令を前記印刷装置に送信するオン命令送信手段とを有した。
【0017】
また、本発明の結露防止プログラムは、印刷装置と第1のネットワークを介して、外部端末と第2のネットワークを介してそれぞれ接続されたサーバを、前記印刷装置の環境データを取得する環境データ取得手段と、前記環境データ取得手段が取得した印刷装置の環境データが所定基準値を超えるか否かを判断する判断手段と、前記判断手段により前記所定基準値を超えたと判断した場合に、前記外部端末に加熱許可依頼を送信する加熱許可依頼送信手段と、前記外部端末から送信された加熱許可を受信する加熱許可受信手段と、前記加熱許可に基づきオン命令を前記印刷装置に送信するオン命令送信手段として機能させる。
【0018】
これらの発明によれば、環境データ取得手段が印刷装置の環境データを取得し、判断手段はその環境データが所定基準値を超えるか否かを判断し、超えた場合に加熱許可依頼送信手段が外部端末に加熱許可依頼を送信する。また、加熱許可受信手段は外部端末から送信された加熱許可を受信し、オン命令送信手段が加熱許可に基づきオン命令を印刷装置に送信する。
【0019】
この結果、印刷装置の環境データ測定手段で印刷装置の環境データを測定し、その環境データと所定基準値を比較することによって、予め加熱手段をオン状態にし、印刷装置の内部の温度を上昇させることによって結露を防止することができる。従って、例えば、自動的に印刷装置の電源をオン状態にする処理を望まない顧客に対しても、印刷装置内の結
露を防止するための制御を行うことができる。
【0020】
本発明のサーバは、前記環境データ取得手段が取得した環境データは、前記印刷装置に備えられた環境データ測定手段が測定した環境データを前記第1のネットワークを介して取得したものである。
【0021】
この発明によれば、環境データ取得手段が取得した環境データは、印刷装置に備えられた環境データ測定手段が測定した環境データであるため、より正確に印刷装置の環境データを取得することができる。
【0022】
本発明のサーバは、前記環境データ取得手段が取得した環境データは、前記サーバが前記第1のネットワークを介して取得した天気予報データである。
この発明によれば、環境データ取得手段が取得した環境データは、サーバが第1のネットワークを介して取得した天気予報データであるため、例えば、環境データ測定手段を備えていない印刷装置の環境データを取得することができる。
【0023】
本発明のサーバは、さらに、管理者の稼働日を記憶する稼働日記憶部を有し、前記環境データ取得手段は、前記稼働日記憶部に記憶された稼働日のみ環境データを取得する。
この発明によれば、さらに、管理者の稼働日を記憶する稼働日記憶部を有し、環境データ取得手段は、稼働日記憶部に記憶された稼働日のみ環境データを取得する。この結果、結露を防止する必要があるときのみサーバ、印刷装置、外部端末が処理を行うので、低消費電力であって、しかも管理者に手間をかけることがない。
【0024】
本発明のサーバは、印刷装置と第1のネットワークを介して、外部端末と第2のネットワークを介してそれぞれ接続されたサーバにおいて、前記印刷装置の過去の環境データを環境履歴記憶部に登録する環境データ履歴登録手段と、前記外部端末が送信した加熱指示を受信する加熱指示受信手段と、前記加熱指示により環境履歴記憶部を検索する環境データ履歴検索手段と、前記印刷装置を加熱させるオン命令を前記印刷装置に送信するオン命令送信手段とを有した。
【0025】
この発明によれば、環境データ履歴登録手段が印刷装置の過去の環境データを環境履歴記憶部に登録し、加熱指示受信手段は外部端末が送信した加熱指示を受信し、その加熱指示により環境データ履歴検索手段が環境履歴記憶部を検索し、オン命令送信手段が印刷装置を加熱させるオン命令を印刷装置に送信する。この結果、例えば、サーバが印刷装置に環境データを測定させたり、加熱指示を送信したりしないときにも、外部端末からの加熱指示に基づき、サーバが環境履歴記憶部に登録された環境データに従って印刷装置を加熱させることができる。従って、外部端末の加熱指示によって印刷装置内の結露を防止するための制御を行うことができる。
【0026】
本発明のサーバは、さらに、前記印刷装置の加熱手段をオン状態にする時間を設定する加熱時間設定手段を有した。
この発明によれば、サーバが、さらに、印刷装置の加熱手段による加熱時間を設定する加熱時間設定手段を備えたので、例えば、結露防止に必要な時間のみ加熱手段をオン状態にして加熱することができる。従って、低消費電力でありならも印刷装置の結露を防止するための制御を行うことができる。
【0027】
本発明のサーバは、前記印刷装置は複数台であって、前記オン命令送信手段は、複数台の印刷装置に対して同じオン命令を送信する。
この発明によれば、印刷装置は複数台であって、オン命令送信手段は、複数台の印刷装置に対して同じオン命令を送信する。この結果、例えば、複数台の印刷装置の環境データ
を取得して、それら複数の環境データに対応したオン命令をそれぞれ送信するときと比較して、簡単な処理となる。従って、簡単でありながらも複数台の印刷装置の結露を防止するための制御を行うことができる。
【0028】
本発明のサーバは、前記印刷装置は複数台であって、前記オン命令送信手段は、複数台の印刷装置の各々に対してそれぞれオン命令を送信する。
この発明によれば、印刷装置は複数台であって、オン命令送信手段は、複数台の印刷装置の各々に対してそれぞれオン命令を送信する。この結果、各々の印刷装置の環境データに合わせて精度良くオン命令を送信することができる。従って、精度良く複数台の印刷装置の結露を防止するための制御を行うことができる。
【0029】
本発明のサーバは、前記印刷装置は複数台であって、それら複数台の印刷装置は複数のグループに分割され、前記オン命令送信手段は、前記複数のグループの各々に対してそれぞれオン命令を送信する。
【0030】
この発明によれば、印刷装置は複数台であって、それら複数台の印刷装置は複数のグループに分割され、オン命令送信手段は、複数のグループの各々に対してそれぞれオン命令を送信する。この結果、例えば、環境データがほぼ同じ値であるグループ毎にオン命令を送信することができるので、処理が簡単でありながらも精度良くオン命令を送信することができる。従って、簡単でありながらも精度良く結露を防止するための制御を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図1〜図5に従って説明する。本実施形態では、結露防止システムを、複数の会社(顧客)が所有するプリンタ等の印刷装置の結露を防止するときに具体化した場合について説明する。
【0032】
図1に示すように、管理サーバ1は、第1のネットワークとしてのネットワークNを介して、印刷装置としてのプリンタ3に接続されている。管理サーバ1は、プリンタ3の保守管理等を提供する業者が所有するサーバである。プリンタ3は、例えば、複数の会社(顧客)がそれぞれ所有する印刷装置である。また、ネットワークNは、インターネット等である。そして、管理サーバ1は、携帯電話網等の第2のネットワークとしてのネットワークIを介して、複数の外部端末としての携帯端末5と接続されている。携帯端末5は、例えば、前記プリンタ3の管理者(ユーザ)が所有する携帯電話である。なお、管理者とは、印刷装置を使用する会社(顧客)において印刷装置を管理する者である。
【0033】
管理サーバ1は、管理コンピュータ7を備えている。管理コンピュータ7は、CPU、RAM、ROM及び図示しない通信手段等を備えている。管理コンピュータ7は、ユーザ情報の管理、プリンタ3から送信された内部温度データ、外部温度データ、湿度データ等の管理、結露するか否かの判断、携帯端末5とのメールとのやり取りや、その他、各種プログラムの実行や処理等を行っている。すなわち、本実施形態では、この管理コンピュータ7(管理サーバ1)が、環境データ取得手段、判断手段、加熱許可依頼送信手段、加熱許可受信手段、オン命令送信手段、環境データ履歴登録手段、加熱時間設定手段等として機能する。また、管理コンピュータ7の稼働日記憶部としてのRAM(図示しない)には、稼働日カレンダが記憶されている。稼働日カレンダは、各ユーザ(管理者)の稼働日(請求項8に記載の管理者の稼働日に相当する)に対応したカレンダであって、ユーザ毎に設定されている。
【0034】
プリンタ3は、本実施形態では、例えば、レーザプリンタであって、ネットワークNを
通じて管理コンピュータ7に接続されている。プリンタ3は、図示しないコンピュータと接続されており、それらコンピュータからそれぞれ送信された印刷データに基づいて印刷を行うようになっている。
【0035】
そして、プリンタ3は管理コンピュータ7と通信可能に接続されており、図2に示すように、CPU11、ROM13、RAM15及びASIC17等を備えている。CPU11はROM13に記憶されたプログラムを実行することで、ASIC17に対し印刷制御上必要な指示や加熱処理の指示を出す。すなわち、本実施形態では、このプリンタ3が、オン命令受信手段等として機能する。
【0036】
ASIC17は、印刷制御を司るとともに、CPU11が指示する加熱処理を実行する。ASIC17には、プリンタ3の内部温度を検出する内部温度センサ21、プリンタ3の外部温度を検出する外部温度センサ23、プリンタ3の外部の湿度を検出する湿度センサ25が接続されている。内部温度センサ21及び外部温度センサ23は、例えば、サーミスタ等で形成されている。本実施形態では、内部温度センサ21、外部温度センサ23及び湿度センサ25により環境データ測定手段を構成する。
【0037】
また、ASIC17には加熱手段としてのヒータ27が接続されている。ASIC17は、プリンタ3の内部の温度が最適な温度になるように、図示しないヒータ駆動回路を介してヒータ27を制御し、プリンタ3の内部を加熱する。ヒータ27は、プリンタ3と独立して電源をオン状態、オフ状態とできる。すなわち、プリンタ3の電源がオフ状態であっても、管理コンピュータ7からの制御で、ヒータ27の電源をオン状態にできる。
【0038】
携帯端末5(図1参照)は、本実施形態では携帯電話の機能を有し、前記プリンタ3の管理者が所有する携帯電話である。そして、携帯端末5は、プリンタ3のヒータ27をオン状態にするか否かの通知、その他の情報を管理コンピュータ7からネットワークIを介して受信する。また、携帯端末5は、管理コンピュータ7に対して、プリンタ3のヒータ27をオン状態にするか否かの通知等をネットワークIを介して送信する。なお、図1では、説明の便宜上、3人の管理者の3個の携帯端末5しか図示していないが、実際はそれ以上の管理者の携帯端末5との間でのデータの授受が行われる。
【0039】
次に、管理コンピュータ7に備えられる各記憶部について説明する。図1に示すように、管理コンピュータ7は、ユーザ情報記憶部31、環境履歴記憶部33、基準値記憶部35を備えている。
【0040】
図3に示すように、ユーザ情報記憶部31には、管理コンピュータ7内の各プリンタ3を所有しているユーザ(管理者)に関するユーザ情報31aが、ユーザ毎に記憶されている。このユーザ情報31aは、ユーザ識別子41、電子メールアドレス43、管理者名45及びプリンタ識別子47の各データから構成されている。ユーザ識別子41は、ユーザ(管理者)毎に割り振られる識別子である。電子メールアドレス43は、そのユーザ(管理者)の所有する電子メールのアドレスである。管理者名45は、そのユーザ(管理者)の名前であって、電子メールの文面に記載される。プリンタ識別子47は、プリンタ3毎に割り振られる識別子である。なお、本実施形態では、管理者が管理するプリンタ3は1台であるためプリンタ識別子47は1つであるが、管理者が複数台のプリンタ3を管理するときには、そのプリンタ3の台数と同数のプリンタ識別子47が記憶される。
【0041】
図4に示すように、環境履歴記憶部33には、管理者の所有する携帯端末5が管理コンピュータ7に送信したプリンタ3の内部温度、同外部温度、湿度等の環境履歴情報33aが、ユーザ毎に記憶されている。この環境履歴情報33aは、ユーザ識別子51、測定日時53、内部温度データ55、外部温度データ57及び湿度データ59の各データから構
成されている。
【0042】
ユーザ識別子51は、内部温度データ55、外部温度データ57及び湿度データ59を送信したユーザの識別子であって、ユーザ情報記憶部31のユーザ識別子41のいずれかと対応している。測定日時53は、プリンタ3の各種センサが、内部温度データ55、外部温度データ57及び湿度データ59を測定した日時である。内部温度データ55は、プリンタ3の内部温度センサ21が測定したプリンタ3の内部の温度データである。外部温度データ57は、プリンタ3の外部温度センサ23が測定したプリンタ3の外部の温度データである。湿度データ59は、プリンタ3の湿度センサ25が測定したプリンタ3の周辺の湿度データである。
【0043】
基準値記憶部35(図1参照)は、プリンタ3が結露するか否かを判断するときの所定基準値としての基準値Tが記憶されている。基準値Tは、例えば、プリンタ3の内部と外部との温度差(以下、内外温度差という)、プリンタ3の外部の湿度(以下、単に湿度という)とから結露が発生すると判断するための基準となる値であって、内外温度差と湿度との相関が記憶されている。従って、管理コンピュータ7は、プリンタ3から送信された内外温度差、湿度と基準値記憶部35に記憶された基準値Tとを比較することにより、プリンタ3が結露するか否かを判断する。そして、プリンタ3の結露を防止するためには、一定の時間、ヒータ27をオン状態にしてプリンタ3の内部を加熱するが、その加熱時間は内外温度差、湿度と基準値Tとを比較することによって設定される。
【0044】
次に、結露防止システムの作用について、図5に従って説明する。
管理コンピュータ7は、まず、日付が稼働日であるか否かを判断する(ステップS10)。すなわち、管理コンピュータ7のRAMから稼働日カレンダを読み出し、日付が顧客の稼働日であるか否かを判断する。日付が稼働日でないとき(ステップS10でNO)、ヒータ27をオン状態にする必要がないので、結露防止システムを終了する。一方、日付が稼働日であるとき(ステップS10でYES)、管理コンピュータ7は、プリンタ3に環境データ測定命令を出力する(ステップS15)。すなわち、プリンタ3にその内部に備えられた内部温度センサ21、外部温度センサ23及び湿度センサ25でプリンタ3の内部の温度、外部の温度及び湿度(以下、環境データという)を測定させる。
【0045】
環境データ測定命令を受信したプリンタ3は、内部温度センサ21、外部温度センサ23及び湿度センサ25で環境データの測定を開始する(ステップS20)。測定が終了すると、プリンタ3は、その環境データを管理コンピュータ7に送信する(ステップS25)。環境データを受信すると(環境データ取得)、管理コンピュータ7は、その環境データをユーザ識別子51、測定日時53と共に環境履歴情報33aとして環境履歴記憶部33に記憶する。そして、管理コンピュータ7は、環境データが基準値Tを超えるか否かを判断する(ステップS30)。すなわち、環境履歴記憶部33から環境データを、基準値記憶部35から基準値Tを読み出して比較する。環境データが基準値T以下だったとき(ステップS30でNO)、ヒータ27をオン状態にする必要がないので、結露防止システムの処理を終了する。一方、環境データが基準値Tを超えたとき(ステップS30でYES)、管理コンピュータ7は、携帯端末5に加熱許可依頼を送信する(ステップS35)。すなわち、管理コンピュータ7は、ユーザ情報記憶部31から該当するユーザの電子メールアドレス43、管理者名45、プリンタ識別子47を読み出し、その電子メールアドレス43を送信先として、管理者名45、プリンタ識別子47が文面に記載された電子メールを送信する。
【0046】
携帯端末5が加熱許可依頼を受信すると、加熱が必要なときは管理コンピュータ7に加熱許可を送信する。そして、加熱許可が送信されていないとき(ステップS40でNO)すなわち、例えば、始業時間後、すぐにプリンタ3で印刷をする必要がないとき等は、予
めヒータ27をオン状態にする必要がないため、結露防止システムを終了する。一方、始業時間後、すぐに印刷をする必要があるとき等、予めヒータ27をオン状態として結露を防止する必要があるとき、管理コンピュータ7に加熱許可(電子メール)を送信する(ステップS40でYES)。
【0047】
管理コンピュータ7は、携帯端末5から加熱許可を受信すると、プリンタ3の加熱時間を設定する(ステップS45)。すなわち、測定した環境データを参考にして、プリンタ3内部が結露しない環境データとなるのに必要な加熱時間を算出する。そして、管理コンピュータ7は、プリンタ3に対してその設定した加熱時間を送信する(ステップS50)。プリンタ3は、加熱時間を受信すると、例えば、始業時間より加熱時間だけ前にヒータ27をオン状態にし(ステップS55)、結露防止システムの処理が終了する。
【0048】
上記第1実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1) 第1実施形態によれば、プリンタ3に備えられた内部温度センサ21、外部温度センサ23及び湿度センサ25でプリンタ3の内部の温度、同外部の温度、湿度(環境データ)を測定した。そして、管理コンピュータ7がそれら環境データと基準値記憶部35に記憶された基準値Tとを比較し、環境データが基準値Tを超えたときは、携帯端末5に加熱許可依頼として電子メールを送信した。携帯端末5がその電子メールに返信したとき、すなわち、加熱許可を得たとき、管理コンピュータ7は、プリンタ3の加熱時間を設定し、プリンタ3にその加熱時間を送信した。この結果、例えば、始業時間前等のプリンタ3が結露しやすいときに、携帯端末5からの電子メール(加熱許可)を受信したときのみ予めヒータ27をオン状態にし、プリンタ3の内部の温度を上昇させることによって結露を防止することができる。従って、例えば、自動的に印刷装置の電源をオン状態にする処理を望まない顧客に対しても、そのプリンタ3内の結露を防止することができる。
【0049】
(2) 第1実施形態によれば、管理コンピュータ7により、プリンタ3のヒータ27が予めオン状態になり、プリンタ3が加熱される。この結果、例えば、始業時間開始直後等の結露が発生しやすいときにも、予めプリンタ3内の温度を上昇させておくことによって、結露することなしにプリンタ3を使用することができる。従って、例えば、始業時間後にプリンタ3の内部を加熱するときのように、顧客を待たせることがない。
【0050】
(3) 第1実施形態によれば、加熱許可は、携帯端末5から管理コンピュータ7に電子メールを送信するだけでよいので、ユーザに手間をかけることなく、プリンタ3内の結露を防止することができる。
【0051】
(4) 第1実施形態によれば、環境データを測定するためにプリンタ3に内部温度センサ21、外部温度センサ23及び湿度センサ25を設けるだけでよいので、簡単で小型でありながもプリンタ3内の結露を防止することができる。
【0052】
(5) 第1実施形態によれば、プリンタ3を予め加熱する際に起動させるのはヒータ27のみでよいので、低消費電力でありならもプリンタ3内の結露を防止することができる。
【0053】
(6) 第1実施形態によれば、日付が稼働日であるときのみ結露防止システムによってヒータ27が予めオン状態にしたので、稼働日でないときに管理コンピュータ7が内部温度センサ21、外部温度センサ23及び湿度センサ25を起動させたり、携帯端末5に電子メールを送信したりすることがない。この結果、低消費電力でありならも、顧客に手間をかけることがない。
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化した第2実施形態を図6に従って説明する。本実施形態では、第
1実施形態で説明したプリンタ3の環境データを、プリンタ3の内部温度センサ21、外部温度センサ23、湿度センサ25で測定した測定結果でなく、管理コンピュータ7が取得する天気予報を利用する点に特徴を有する。従って、その特徴部分について詳細に説明し、前記第1実施形態と同様の部分については、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。図6は、第2実施形態の結露防止システムの作用を示すフローチャートである。本実施形態では、このプリンタ3が、さらに、環境データ送信手段等として機能する。
【0054】
まず、管理コンピュータ7は、第1実施形態と同様に、稼働日であるか否かを判断し(ステップS10)、稼働日であるときは天気予報を取得する(ステップS12)。すなわち、プリンタ3の内部温度センサ21、外部温度センサ23及び湿度センサ25で環境データを測定せずに、管理コンピュータ7がネットワークNを介して天気予報データとしての天気予報情報(環境データ)を取得し、その環境データをプリンタ3の環境データとする。なお、天気予報情報の取得は、例えば、管理コンピュータ7が、ネットワークNを介して天気予報情報を提供するウェブサイトから、プリンタ3の所在地における天気予報データを取得することにより行う。ここで取得する天気予報データとしては、晴れ、曇り、雨などの天気データ、所定時間(例えば、午前7時)における気温及び湿度などがある。そして、その取得した環境データが基準値Tを超えるか否かを判断する(ステップS30)。すなわち、その天気予報(環境データ)と、基準値記憶部35から読み出した基準値Tとを比較する。環境データが基準値T以下のとき(ステップS30でNO)、結露防止システムの処理を終了する。一方、取得した天気予報(環境データ)が基準値Tを超えたとき(ステップS30でYES)、第1実施形態と同様に、ステップS35〜ステップS55の処理を実行して、結露防止システムの処理を終了する。
【0055】
上記第2実施形態によれば、第1実施形態の(2)、(3)、(5)の効果に加えて以下のような効果を得ることができる。
(7) 第2実施形態によれば、管理コンピュータ7が天気予報を取得し、その天気予報(環境データ)と基準値記憶部35に記憶された基準値Tとを比較し、環境データが基準値Tを超えたときは、携帯端末5に加熱許可依頼として電子メールを送信した。携帯端末5がその電子メールに返信したとき、管理コンピュータ7は、プリンタ3のヒータ27の加熱時間を設定した。この結果、例えば、始業時間前等のプリンタ3が結露しやすいときに、携帯端末5からの電子メールを受信したときのみ予めヒータ27をオン状態にし、プリンタ3の内部の温度を上昇させることによって結露を防止することができる。従って、自動的に印刷装置の電源をオン状態にする処理を望まない顧客に対しても、そのプリンタ3内の結露を防止することができる。
【0056】
(8) 第2実施形態によれば、管理コンピュータ7が取得した天気予報により、プリンタ3のヒータ27を予めオン状態にした。この結果、内部温度センサ21、外部温度センサ23、湿度センサ25を備えていないプリンタ3であっても、プリンタ3内の結露を防止することができる。
【0057】
(9) 第2実施形態によれば、管理コンピュータ7が取得した天気予報により、プリンタ3のヒータ27を予めオン状態にした。この結果、例えば、内部温度センサ21、外部温度センサ23、湿度センサ25でプリンタ3の環境データを測定するときと比較して、内部温度センサ21、外部温度センサ23、湿度センサ25を起動する必要がないので、低消費電力でありならもプリンタ3内の結露を防止することができる。
(第3実施形態)
次に、本発明を具体化した第3実施形態を図4及び図7に従って説明する。本実施形態では、プリンタ3の環境データの測定をせず、管理者からの要求があったときに管理コンピュータ7がプリンタ3の環境履歴情報を利用して加熱時間を設定し、ヒータ27をオン状態にする点に特徴を有する。従って、その特徴部分について詳細に説明し、前記第1及
び第2実施形態と同様の部分については、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0058】
図7は、第3実施形態の結露防止システムの作用を示すフローチャートである。本実施形態では、管理コンピュータ7(管理サーバ1)が、さらに、加熱指示受信手段、環境データ履歴検索手段等として機能する。また、本実施形態では、携帯端末5が、さらに、加熱指示送信手段として機能する。
【0059】
携帯端末5は、例えば、稼働日でないとき等、自動的に結露防止システムが動作しないときは、管理コンピュータ7から加熱許可依頼を受信していなくても、加熱指示を管理コンピュータ7に送信する(ステップS65)。管理コンピュータ7は、加熱指示を受信すると、管理コンピュータ7に蓄積されている環境履歴記憶部33の環境履歴情報33a(図4参照)を検索する(ステップS70)。管理コンピュータ7は、そのプリンタ3の過去の環境履歴情報33aを検索し、環境履歴情報33aの測定日時53から、昨年の同じくらいの測定日時を検索する。そして、その検索した測定日時の内部温度データ55、外部温度データ57及び湿度データ59を読み出し、環境データとする。そして、その環境データと基準値記憶部35に記憶された基準値Tとを比較して、ヒータ27をオン状態にするか否かを判断し、ヒータ27をオン状態にするときは結露防止に必要な加熱時間を設定する。そして、加熱時間を設定すると(ステップS75)、管理コンピュータ7はプリンタ3に加熱時間を送信する(ステップS80)。そして、加熱時間を受信したプリンタ3は、その設定された加熱時間、ヒータ27をオン状態にして(ステップS85)、結露防止システムの処理を終了する。
【0060】
上記第3実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(10) 第3実施形態によれば、例えば、稼働日でない日に、携帯端末5の要求によって管理コンピュータ7が環境履歴記憶部33から過去の環境履歴情報33aを検索し、その環境データに従ってプリンタ3のヒータ27を予めオン状態にすることができる。この結果、稼働日でないときであってもプリンタ3内の結露を防止することができる。
【0061】
(11) 第3実施形態によれば、内部温度センサ21、外部温度センサ23及び湿度センサ25によってプリンタ3の環境データを測定しなくても、環境履歴記憶部33の環境履歴情報33aを参考にしてヒータ27を予めオン状態にすることができる。従って、低消費電力でありならもプリンタ3内の結露を防止することができる。
【0062】
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
○上記第1及び第2実施形態では、稼働日のみ結露防止システムによる結露防止サービスが実行されたが、これを稼働日であるか否かに関わらず、毎日結露防止サービスを実行してもよい。
【0063】
○上記第3実施形態では、管理コンピュータ7は、そのプリンタ3の過去の環境履歴情報33aを検索し、環境履歴情報33aの測定日時53から、昨年の同じくらいの測定日時を検索する。そして、その検索した測定日時の内部温度データ55、外部温度データ57及び湿度データ59を読み出し、環境データとした。これを、例えば、前日、前々日の内部温度データ55、外部温度データ57及び湿度データ59を読み出し、それらの内部温度データ55、外部温度データ57及び湿度データ59の変動の傾向から、環境データを推定してもよい。
【0064】
○上記各実施形態では、結露防止システムは、外部端末として携帯電話等の携帯端末5を備えたが、これを外部端末としてコンピュータを備えてもよい。
○上記各実施形態では、内部温度センサ21、外部温度センサ23及び湿度センサ25
を設け、それらを全て使ってプリンタ3の環境データを測定したが、これを湿度センサ25の測定結果のみを使用し、その測定した湿度を基準に結露するか否かを判断するようにしてもよい。
【0065】
○上記各実施形態では、一人の管理者が管理するプリンタ3は1台であったが、プリンタ3が複数台であってもよい。また、それら複数台のプリンタ3に対して個別に加熱時間を送信してもよい。このとき、ユーザ情報記憶部31に記憶されたプリンタ識別子47を用いて各プリンタ3を特定し、それぞれのプリンタ3に適した加熱時間を送信する。また、全てのプリンタ3に対して同じ加熱時間を送信してもよい。さらに、それら複数台のプリンタ3を複数のグループに分割し、グループ毎にそれぞれ異なる加熱時間を送信してもよい。
【0066】
○上記各実施形態では、結露防止システムのプリンタ3は、内部温度センサ21、外部温度センサ23及び湿度センサ25を備えたが、内部温度センサ21、外部温度センサ23及び湿度センサ25を備えていないプリンタ3であってもよい。すなわち、複数台のプリンタ3のうちの少なくとも1台が内部温度センサ21、外部温度センサ23及び湿度センサ25を備え、他のプリンタ3は内部温度センサ21、外部温度センサ23及び湿度センサ25を備えなくてもよい。
【0067】
そして、内部温度センサ21、外部温度センサ23及び湿度センサ25を備えたプリンタ3は、管理コンピュータ7から加熱時間を受信すると、その加熱時間を内部温度センサ21、外部温度センサ23及び湿度センサ25を備えていないプリンタ3に送信する。これにより、内部温度センサ21、外部温度センサ23及び湿度センサ25を備えていないプリンタ3であっても、プリンタ3の結露を防止することができる。
【0068】
○上記各実施形態では、複数台のプリンタ3が全て、内部温度センサ21、外部温度センサ23及び湿度センサ25で環境データを測定したが、これを近くに配置されている数台のうち1台のプリンタ3のみ、内部温度センサ21、外部温度センサ23及び湿度センサ25で環境データを測定するようにしてもよい。このとき、ユーザ情報記憶部31に記憶されたプリンタ識別子47を用いて環境データを測定するプリンタ3を特定する。
【0069】
そして、環境データの測定を行ったプリンタ3が管理コンピュータ7から加熱時間を受信すると、環境データの測定を行っていないプリンタ3にその加熱時間を送信する。これにより、全てのプリンタ3が環境データの測定を行い、その環境データを管理コンピュータ7に送信する場合と比較して、管理コンピュータ7の処理を簡単にすることができる。
【0070】
○上記各実施形態では、管理コンピュータ7が携帯端末5から加熱許可を受信した後にヒータ27の加熱時間を設定したが、これを、ヒータ27の加熱時間を設定せずにヒータ27をオン状態にするか否かのみを決定し、オン命令としてプリンタ3に送信してもよい。このとき、管理コンピュータ7は、例えば、プリンタ3の環境データが基準値Tよりどれくらい高いかに関係なくヒータ27を予め定めた時間にオン状態にする。
【0071】
○上記各実施形態では、第1のネットワークとしてのネットワークNはインターネットであって、第2のネットワークとしてのネットワークIは携帯電話網であった。これを第1及び第2のネットワークが、例えば、インターネット等の同じ種類のネットワークであってもよい。
【0072】
○上記各実施形態では、結露防止システムの印刷装置をプリンタ3として具体化したが、プリンタ3に限らず、ファクシミリ、コピー等であってもよい。また、プリンタ3はレーザプリンタに限らず、インクジェット式プリンタ等であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】第1実施形態のシステム概略図。
【図2】同じく、プリンタの概略図。
【図3】同じく、管理コンピュータのユーザ情報記憶部の説明図。
【図4】同じく、管理コンピュータの環境履歴記憶部の説明図。
【図5】同じく、処理手順の説明図。
【図6】第2実施形態の処理手順の説明図。
【図7】第3実施形態の処理手順の説明図。
【符号の説明】
【0074】
1…管理サーバ、3…プリンタ、5…携帯端末、7…管理コンピュータ、21…内部温度センサ、23…外部温度センサ、25…湿度センサ、27…ヒータ、31…ユーザ情報記憶部、31a…ユーザ情報、33…環境履歴記憶部、33a…環境履歴情報、35…基準値記憶部、I,N…ネットワーク、T…基準値。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷装置とサーバとが第1のネットワークを介して接続され、前記サーバは、前記印刷装置の管理者が所有する外部端末と第2のネットワークを介して接続された結露防止システムにおいて、
前記サーバは、
前記印刷装置の環境データを取得する環境データ取得手段と、
前記環境データ取得手段が取得した環境データが所定基準値を超えるか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により前記所定基準値を超えたと判断した場合に、前記外部端末に加熱許可依頼を送信する加熱許可依頼送信手段と、
前記外部端末から送信された加熱許可を受信する加熱許可受信手段と、
前記加熱許可に基づき前記印刷装置を加熱させるオン命令を前記印刷装置に送信するオン命令送信手段とを有し、
前記印刷装置は、
前記オン命令送信手段により送信されたオン命令を受信するオン命令受信手段と、
前記オン命令受信手段が受信したオン命令により当該印刷装置を加熱する加熱手段とを有することを特徴とする結露防止システム。
【請求項2】
印刷装置とサーバとが第1のネットワークを介して接続され、前記サーバは、前記印刷装置の管理者が所有する外部端末と第2のネットワークを介して接続された結露防止システムにおいて、
前記サーバは、
前記印刷装置の環境データを取得する環境データ取得手段と、
前記環境データ取得手段が取得した環境データが所定基準値を超えるか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により前記所定基準値を超えたと判断した場合に、前記外部端末に加熱許可依頼を送信する加熱許可依頼送信手段と、
前記外部端末から送信された加熱許可を受信する加熱許可受信手段と、
前記加熱許可に基づき前記印刷装置を加熱させるオン命令を前記印刷装置に送信するオン命令送信手段とを有し、
前記印刷装置は、
当該印刷装置の環境データを測定する環境データ測定手段と、
前記環境データ測定手段が測定した環境データを前記サーバに送信する環境データ送信手段と、
前記オン命令送信手段により送信されたオン命令を受信するオン命令受信手段と、
前記オン命令受信手段が受信したオン命令により当該印刷装置を加熱する加熱手段とを有することを特徴とする結露防止システム。
【請求項3】
印刷装置とサーバとが第1のネットワークを介して接続され、前記サーバは、前記印刷装置の管理者が所有する外部端末と第2のネットワークを介して接続された結露防止システムにおいて、
前記外部端末は、
前記サーバに前記印刷装置の加熱指示を送信する加熱指示送信手段とを有し、
前記サーバは、
前記印刷装置の過去の環境データを環境履歴記憶部に登録する環境データ履歴登録手段と、
前記加熱指示送信手段が送信した加熱指示を受信する加熱指示受信手段と、
前記加熱指示に基づき環境履歴記憶部を検索する環境データ履歴検索手段と、
前記印刷装置を加熱させるオン命令を前記印刷装置に送信するオン命令送信手段とを有
し、
前記印刷装置は、
前記オン命令送信手段により送信されたオン命令を受信するオン命令受信手段と、
前記オン命令受信手段が受信したオン命令により当該印刷装置を加熱する加熱手段とを有することを特徴とする結露防止システム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の結露防止システムにおいて、
前記サーバが、さらに、前記印刷装置の加熱手段による加熱時間を設定する加熱時間設定手段を有したことを特徴とする結露防止システム。
【請求項5】
印刷装置と第1のネットワークを介して、外部端末と第2のネットワークを介してそれぞれ接続されたサーバにおいて、
前記印刷装置の環境データを取得する環境データ取得手段と、
前記環境データ取得手段が取得した印刷装置の環境データが所定基準値を超えるか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により前記所定基準値を超えたと判断した場合に、前記外部端末に加熱許可依頼を送信する加熱許可依頼送信手段と、
前記外部端末から送信された加熱許可を受信する加熱許可受信手段と、
前記加熱許可に基づきオン命令を前記印刷装置に送信するオン命令送信手段とを有したことを特徴とするサーバ。
【請求項6】
請求項5に記載のサーバにおいて、
前記環境データ取得手段が取得した環境データは、前記印刷装置に備えられた環境データ測定手段が測定した環境データを前記第1のネットワークを介して取得したものであることを特徴とするサーバ。
【請求項7】
請求項5に記載のサーバにおいて、
前記環境データ取得手段が取得した環境データは、前記サーバが前記第1のネットワークを介して取得した天気予報データであることを特徴とするサーバ。
【請求項8】
請求項5乃至7のいずれか1項に記載のサーバにおいて、
さらに、管理者の稼働日を記憶する稼働日記憶部を有し、
前記環境データ取得手段は、前記稼働日記憶部に記憶された稼働日のみ環境データを取得することを特徴とするサーバ。
【請求項9】
印刷装置と第1のネットワークを介して、外部端末と第2のネットワークを介してそれぞれ接続されたサーバにおいて、
前記印刷装置の過去の環境データを環境履歴記憶部に登録する環境データ履歴登録手段と、
前記外部端末が送信した加熱指示を受信する加熱指示受信手段と、
前記加熱指示により環境履歴記憶部を検索する環境データ履歴検索手段と、
前記印刷装置を加熱させるオン命令を前記印刷装置に送信するオン命令送信手段とを有したことを特徴とするサーバ。
【請求項10】
請求項5乃至9のいずれか1項に記載のサーバにおいて、
さらに、前記印刷装置の加熱手段をオン状態にする時間を設定する加熱時間設定手段を有したことを特徴とするサーバ。
【請求項11】
請求項5乃至10のいずれか1項に記載のサーバにおいて、
前記印刷装置は複数台であって、
前記オン命令送信手段は、複数台の印刷装置に対して同じオン命令を送信することを特徴とするサーバ。
【請求項12】
請求項5乃至10のいずれか1項に記載のサーバにおいて、
前記印刷装置は複数台であって、
前記オン命令送信手段は、複数台の印刷装置の各々に対してそれぞれオン命令を送信することを特徴とするサーバ。
【請求項13】
請求項5乃至10のいずれか1項に記載のサーバにおいて、
前記印刷装置は複数台であって、それら複数台の印刷装置は複数のグループに分割され、
前記オン命令送信手段は、前記複数のグループの各々に対してそれぞれオン命令を送信することを特徴とするサーバ。
【請求項14】
印刷装置と第1のネットワークを介して、外部端末と第2のネットワークを介してそれぞれ接続されたサーバを、
前記印刷装置の環境データを取得する環境データ取得手段と、
前記環境データ取得手段が取得した印刷装置の環境データが所定基準値を超えるか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により前記所定基準値を超えたと判断した場合に、前記外部端末に加熱許可依頼を送信する加熱許可依頼送信手段と、
前記外部端末から送信された加熱許可を受信する加熱許可受信手段と、
前記加熱許可に基づきオン命令を前記印刷装置に送信するオン命令送信手段と
して機能させることを特徴とする結露防止プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−159662(P2006−159662A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−354993(P2004−354993)
【出願日】平成16年12月8日(2004.12.8)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】