説明

給紙搬送装置

【課題】給紙トレイの中の足りなくなったサイズの用紙を他のサイズの給紙トレイの中の用紙から一時的に代用可能な装置を提供する。
【解決手段】用紙を積載する第1トレイ208を有し、給紙搬送する第1給紙部201と、第1トレイ208に積載されている2倍のサイズの用紙が積載されている第2トレイ210を有し、給紙搬送する第2給紙部202と、用紙の搬送経路中に出入れ可能に設けられ、用紙を裁断する用紙裁断部50と、第1トレイ208から用紙を供給し、第1トレイ208の用紙が空になったとき、第2トレイ210を選択して給紙搬送し、用紙裁断部50により、搬送途中において用紙を1/2に裁断した後、搬送する給紙制御手段(システムコントローラ180)と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、プロッタ、印刷機等の画像形成装置またはそれら複数の機能を備えた複合機等の画像形成装置に搭載される給紙搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置に備えられた給紙トレイにおいて、あるサイズの用紙をすべて使用してしまい、在庫もすぐに用意することができなくなってしまった場合、どうしても印刷物として残さなければならないときは1サイズ大きな用紙に印刷するなど、無駄に用紙を使って印刷していた。そこで、従来技術として、給紙トレイの用紙がなくなったときにインターシートから自動的に用紙を搬送できる画像形成装置が知られている。
【0003】
また、給紙トレイまたは手差しトレイにセットした用紙を所望の用紙サイズの用紙に裁断する手段として、用紙を用紙裁断用トレイに入れてから裁断し、搬送する装置が開示されている(たとえば、特許文献1参照)。その他にも、A4サイズの用紙がなくなったときにA3サイズの用紙の片側にA4サイズの画像を印刷した用紙を半分に裁断し、印刷したA4用紙と白紙のA4用紙を別々の排紙トレイに排出するという装置が知られている(たとえば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−84777号公報
【特許文献2】特開2005−169934号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記に示されるような従来の技術にあっては、その用紙サイズの在庫自体がなくなってしまったときに所望のサイズの用紙で印刷することができないという問題点があった。また、給紙トレイまたは手差しトレイにセットした用紙を所望とする用紙サイズの用紙に裁断する手段として、用紙を用紙裁断用トレイに入れてから裁断し、搬送する装置にあっては、用紙切断用のトレイや手差しトレイの分だけ装置が大きくなってしまう。その他にも、A4サイズの用紙がなくなったときに、A3サイズの用紙の片側にA4サイズの画像を印刷した用紙を半分に裁断し、印刷したA4用紙と白紙のA4用紙を別々の排紙トレイに排出するという装置の場合には、白紙の用紙が余ってしまうという問題点があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、給紙トレイの中の足りなくなったサイズの用紙を他のサイズの給紙トレイの中の用紙から一時的に代用可能な装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、用紙を積載する第1給紙トレイを有し、給紙搬送する第1給紙手段と、前記第1給紙トレイに積載されている2倍のサイズの用紙が積載されている第2給紙トレイを有し、給紙搬送する第2給紙手段と、前記用紙の搬送経路中に出入れ可能に設けられ、用紙を裁断する用紙裁断手段と、前記第1給紙トレイから用紙を供給し、前記第1給紙トレイの用紙が空になったとき、前記第2給紙トレイを選択して給紙搬送し、前記用紙裁断手段により、搬送途中において用紙を1/2に裁断した後、搬送する給紙制御手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明にかかる給紙搬送装置は、用紙を裁断する裁断具を取り付け、要求したサイズの用紙が積載されているトレイから要求したサイズの2倍サイズの用紙が積載されているトレイに切り替えることが可能であることによって、要求したサイズの用紙がなくなってしまったときに要求したサイズの2倍サイズの用紙を半分に裁断して使用することができる。また、用紙の搬送経路単に裁断機構を設けることによって裁断用スペースを設けることがなく小型の用紙裁断可能な画像形成装置を提供することができる。さらに、裁断機構のカッターが搬送経路に出入りすることによって、用紙裁断中のみ裁断機構のカッターは搬送経路中に入った状態になり、その他、用紙の搬送中は裁断機構のカッターが搬送経路中から退避状態にすることができるため、搬送経路に裁断機構を設けても用紙の搬送を行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明の実施の形態にかかる給紙搬送装置を搭載した画像形成装置の概略構成を示す説明図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態にかかる画像形成装置のシステム構成例を示すブロック図である。
【図3】図3は、用紙給紙前における裁断機構および用紙突き当て部材の状態を示す説明図である。
【図4】図4は、用紙がセンサ通過時における裁断機構および用紙突き当て部材の状態を示す 説明図である。
【図5】図5は、用紙突き当て部材に用紙突き当て時の裁断機構および用紙突き当て部材の状態を示す説明図である。
【図6】図6は、用紙裁断後における裁断機構および用紙突き当て部材の状態を示す説明図である。
【図7】図7は、裁断機構における裁断時の構成・動作の様子を示す正面図である。
【図8】図8は、第1トレイに用紙がないときの処理動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる給紙搬送装置の最良な実施の形態を詳細に説明する。
【0011】
(実施の形態)
本発明は、印刷前の搬送経路に裁断機を取り付けることによって、あるサイズの用紙がなくなってしまったときに、当該用紙の倍の大きさの用紙が積載されて他のトレイから給紙搬送し、搬送中に当該用紙サイズに裁断することにより、先に述べた従来のような用紙の無駄をなくし、かつ省スペースで用紙の裁断が可能な給紙搬送装置を提供するものである。
【0012】
図1は、本発明の実施の形態にかかる給紙搬送装置を搭載した画像形成装置の概略構成を示す説明図である。この図において、符号100は画像形成装置、符号200は給紙バンクユニットである。また、符号101は複写対象の原稿を1枚ずつ繰り出しスキャナのコンタクトガラス上に搬送するADF(自動原稿搬送装置)、符号102は原稿を照射してその反射光をCCD(charge coupled device:固体撮像素子)に結像させて読み取るスキャナ、符号1は静電潜像を形成する感光体ドラム、符号103は画像情報にしたがったレーザ光を感光体ドラム1に書き込む光書込ユニット、符号104は感光体ドラム1上に形成された潜像をトナー像として現像する現像装置、符号105は転写後の感光体ドラム1の残トナーを除去回収するクリーニング装置、符号106は画像が形成された用紙をスタックする排紙スタック装置、符号200は後述するように2つの給紙トレイが設けられ給紙搬送する給紙バンクユニットである。
【0013】
また、符号110は画像形成装置100本体側に標準装備として設けられ給紙搬送する本体給紙部、符号120は感光体ドラム1上に形成されたトナー像と給紙された用紙とのタイミングをとって搬送するレジストローラ、符号121は給紙部からレジストローラ120間に設けられ用紙を中継搬送する搬送ローラ、符号130は感光体ドラム1上に形成されたトナー像を用紙に転写する転写部、符号140は転写後の用紙を定着部(不図示)に搬送する搬送ユニット、符号111は本体給紙トレイ113上の用紙を繰り出すピックアップローラ、符号112はピックアップローラ111で繰り出された用紙を給紙する給紙ローラ、符号113は本体給紙トレイである。
【0014】
また、符号201は第1給紙部、符号202は第2給紙部、符号203,204は搬送ローラ、符号208は第1トレイ、符号210は第2トレイ、符号10は搬送経路に出し入れ可能に設置され、所定のタイミングで用紙を突き当てて一時停止させる用紙突き当て部材、符号11は裁断機構のホルダー、符号12は裁断機構の軸、符号13は裁断機構のカッター 、符号14は用紙の通過をたとえば光学的に検知する用紙通過検知センサ、符号15a,15bは給紙ローラ112の回転をピックアップローラ111に駆動伝達するローラベルト、符号16a,16bは給紙ローラ112と接触し、用紙を一枚ずつ分離するための分離パッド、符号17a,17bはトレイ上の用紙を給紙ローラ112側に繰り出すピックアップローラ、符号18a,18bは用紙を給紙搬送する給紙ローラ、符号19は搬送経路のガイド横、符号P,P’は用紙である。なお、この実施の形態では給紙方式として公知のフリクションパッド方式の摩擦分離を用いた例について示したが、フリクションローラ方式であってもよく、あるいは コーナーセバータ方式などいずれの給紙分解力式であってもよい。また、給紙トレイに限らず給紙カセットであってももちろんよい。
【0015】
図2は、本発明の実施の形態にかかる画像形成装置のシステム構成例を示すブロック図である。この図2において、符号150はテンキー、ボタン、液晶パネルなどを備え、画像形成にあたって入力設定機能や装置の状態などを表示する機能を有する操作パネル、符号160は電子写真プロセス(帯電、露光、現像、転写・分離工程)にしたがって画像を形成する画像形成部、符号170は給紙部から搬送される用紙を画像形成部160に搬送する用紙搬送部、符号180はマイクロコンピュータシステムで構成され、給紙制御手段を含み、画像形成装置100全体を統括的に制御するシステムコントローラ、符号20は用紙突き当て部材10を検知するストッパセンサ、符号50は用紙を搬送路でカッター13(図7参照)をスライド移動して切断する用紙裁断部である。また、第1給紙部201および第2給紙部201の第1トレイ208、第2トレイ210の用紙サイズを検知するサイズセンサ、ペーパーエンドを検知するペーパーエンド検知センサ(不図示)がそれぞれ公知の機構で設けられている。
【0016】
上記のように構成された画像形成装置は、一般に知られているように、原稿をADF101で読み取って画像を形成する場合、以下のような処理動作を行なう。操作パネル150を介してユーザーからの指示によりシステムコントローラ180の統括的な制御によってADF101およびスキャナ102による原稿読み取り、光書込ユニット103による光画像の書込み、画像形成部160の電子写真プロセスにしたがった感光体ドラム1への静電潜像の形成、現像、転写、分離といった画像形成処理を行ない、さらにクリーニング処理、定着処理を行なって所望の画像を給紙装置から送られる用紙に形成し、排紙する。
【0017】
特に、本用紙搬送装置は、第1トレイ208、第2トレイ210を備えており、たとえば第1トレイ208に積載されている用紙サイズはA4、第2トレイ210に積載されている用紙サイズはA3のように、第1トレイ208に積載された用紙は第2トレイ210に積載された用紙の半分のサイズの用紙が積載されている。そして、第1トレイ208の用紙がなくなってしまったときに第2トレイ210に載置された用紙P’を用紙突き当て部材10に突き当て、その後、裁断機構のカッター13によって用紙を半分に裁断できる構造になっている。
【0018】
ちなみに、第2トレイ210に戟置されている用紙のサイズがA3、第1トレイ208に積載されている用紙サイズがA4(A4横送り時)のとき、用紙突き当て部材10の突き当て部分から裁断機構13の裁断部までの距離および裁断機構13の裁断部から給紙ローラ18までの搬送経路の距離はA4横サイズに相当する210mm以下である。また、第2トレイ210に載置されている用紙のサイズがB4、第1トレイ208に積載されている用紙サイズがB5(B5横送り時)のときは、用紙突き当て部材10の突き当て部分から裁断機構 13の裁断部(カッター13)までの距離および裁断機構13の裁断部から給紙ローラ18までの搬送経路の距離がB5横サイズに相当する182mm以下である。
【0019】
図3は、用紙給紙前における裁断機構(用紙裁断部50)および用紙突き当て部材10の状態を示す説明図である。この図3に示すように、用紙P’が用紙通過検知センサ14を通る前は用紙突き当て部材10および裁断機構のカッター13は搬送経路の外で待機した状態となっている。また、裁断機構のカッター13は裁断機構の軸12によって裁断機構のホルダー11に取り付けられている。
【0020】
図4は、用紙がセンサ通過時の裁断機構および用紙突き当て部材10の状態を示す説明図である。用紙通過検知センサ14で1枚目の用紙P’−1を検知すると、用紙突き当て部材10が搬送経路中に現れる。このとき裁断機構のカッター13はまだ搬送経絡の外で待機した状態である。
【0021】
図5は、用紙突き当て部材に用紙突き当て時の裁断機構および用紙突き当て部材10の状態を示す説明図である。1枚目の用紙P’−1が用紙突き当て部材10に突き当たり、用紙突き当て検知センサ20で突き当たったことを検知すると、用紙の搬送は一旦ストップする。そして裁断機構のホルダー11が搬送経路のガイド板19の方に移動することによって裁断機構のカッター13が搬送経路中に現れ、裁断機構のホルダー11と共に裁断機構のカッター13は用紙幅方向にスライド移動し、1枚目の用紙P’−1を裁断する。このとき1枚目の用紙P’−1は、搬送ローラ204と給紙ローラ18、分離パッド16に挟まれることによって張った状態になっており、裁断機構のカッター13が搬送ローラ204と給紙ローラ18との問部分の用紙を裁断する。ここで、第2トレイ210に載置されている用紙のサイズがA3、第1トレイ208に積戟されている用紙サイズがA4のとき、搬送ローラ204から給紙ローラ18までの搬送経路の距離は210mm以下であり、第2トレイ210に載置されている用紙のサイズがB4、第1トレイ208に積載されている用紙サイズがB5のとき、搬送ローラ204から給紙ローラ18までの搬送経路の距離は182mm以下である。
【0022】
図6は、用紙裁断後の裁断機構および用紙突き当て部材10の状態を示す説明図である。1枚目の用紙P’−1の裁断が完了すると、用紙突き当て部材10および裁断機構のカッター13は再び搬送経路の外に出て待機した状態に戻る。裁断された1枚目の用紙P’−1は搬送され、第1トレイ208の用紙Pの代わりとして印刷される。図2〜5に示した動作を第1トレイ208で足りない用紙の枚数分繰り返し実行する。用紙P’を半分に裁断した用紙の要求枚数が奇数でも、一旦、用紙通過検知センサ14が検知した用紙はすべて搬送ローラ204に受け渡され排紙される。
【0023】
図7は、裁断機構(用紙裁断部50)における裁断時の構成・動作の様子を示す正面図である。この図に示すように、裁断機構のホルダー11が図の矢印の方向にスライド移動することによって裁断機構のホルダー11に取り付けられた裁断機構のカッター13も矢印の方向に移動し、1枚目の用紙P’−1は裁断機構のカッター13によって裁断される。
【0024】
図8は、第1トレイ208に用紙がないときの処理動作を示すフローチャートである。この処理動作は、たとえば給紙制御手段の機能を有するシステムコントローラ180によって実行される。なお、第1トレイ208にたとえばA4サイズ(210×297mm)の用紙が横送り可能に積載され、第2トレイ210にA4サイズの2倍のA3サイズ(420×297mm)の用紙 が積載される例について説明する。まず、第1トレイ208を選択した後(ステップS11)、第1トレイ208に用紙がないか否かを判断する(ステップS12)。ここで第1トレイ208に用紙がないと判断した場合、さらに第2トレイ210に用紙があるか否かを判断する(ステップS13)。ここで第2トレイ210に用紙があれば、その第2トレイ210を選択して給紙を行ない(ステップS14〉、第2トレイ210から給紙された用紙を用紙裁断部50により裁断する(ステップS15〉。ステップS12において第1トレイ208に用紙があると判断した場合には第1トレイ208から給紙を行なう(ステップS16〉。また、ステップS13において用紙がないと判断した場合、第2トレイ210の給紙を禁止する(ステップS17)。
【0025】
このように、第1トレイ208にA4サイズの用紙がなくなったときにトレイを切り替えるかどうかを判断する。A3サイズが積載されている第2トレイ210から第1トレイ208の用紙の代わりとして用紙を裁断し、供給している途中で、第1トレイ208に用紙が補充されたときにトレイを切り替えるかどうかを判断し、給紙搬送の制御を行なう。また、第1トレイ208にB5サイズを、第2トレイ210にB4サイズを積載する場合にももちろん適用できる。
【0026】
したがって、上述した実施の形態の給紙搬送装置によれば、用紙を裁断する裁断具(裁断部50のカッター13)を取り付け、要求したサイズの用紙が積載されているトレイから要求したサイズの2倍サイズの用紙が積載されているトレイに切り替えることが可能であることによって、要求したサイズの用紙がなくなってしまったときに要求したサイズの2倍サイズの用紙を半分に裁断して使用することができる。また、用紙の搬送経路中に裁断部50を設けることによって裁断用スペースを設けることがなく小型の用紙裁断可能な画像形成装置を提供することができる。さらに、裁断機構のカッター13が搬送経路に出入りすることによって、用紙裁断中のみ裁断機構のカッター13は搬送経路中に入った状態になり、その他、用紙の搬送中は裁断機構のカッター13が搬送経路中から退避状態にすることができるため、搬送経路に裁断機構を設けても用紙の搬送を行うことができる。
【0027】
また、搬送経路に用紙突き当て部材10を設けることによって、用紙突き当て部材10に用紙が突き当たった位置で用紙を一時停止させ、その状態で用紙を裁断することができる。また、レジストローラ120に用紙を突き当てて停止し再起動するといった動作と同じように、用紙を用紙突き当て部材に突き当てた後、少し停止し用紙をたるませてローラニップに突き当てることで、このニップ部分での斜め送りを補正(スキュー補正)することが可能となり、用紙を直角に裁断することができる。
【0028】
また、用紙突き当て部材10が搬送経路に出入りすることによって、用紙の裁断前に用紙を突き当てるときには用紙突き当て部材10が搬送経路中に入った状態に、用紙の裁断後に裁断した用紙を搬送するときには用紙突き当て部材10は搬送経路中から出た状態にすることができるため、搬送経路に用紙突き当て部材10を設けても用紙の搬送を行うことができる。
【0029】
また、用紙切断のときに、搬送経路途中のローラが搬送中の用紙の搬送方向に少なくとも2箇所以上接触しており、前記裁断機構のカッター13が用紙の搬送方向のロ一ラとローラの間に位置していることによって、裁断時に用紙はローラとローラに引っ張られている状態になるので裁断機構で用紙を裁断することが容易になる。
【0030】
また、A3サイズの用紙を縦送りで搬送するとき、裁断機構に最も近い場所にある用紙搬送方向の下流側のローラと裁断機構のカッター13までの搬送経路の距離、および裁断機構のカッター13と前記用紙突き当て部材10までの搬送経路の距離をそれぞれ210mm以下にすることによって、A3サイズの用紙を半分に裁断してA4サイズの用紙にすることができる。
【0031】
また、B4サイズの用紙を縦送りで搬送するとき、裁断機構に最も近い場所にある用紙搬送方向の下流側のローラと裁断機構のカッター13までの搬送経路の距離、および裁断機構のカッター13と前記用紙突き当て部材までの搬送経路の距離をそれぞれ182mm以下にすることによって、B4サイズの用紙を半分に裁断してB5サイズの用紙にすることができる。
【0032】
また、裁断機構のカッター13が用紙の順方向に移動することによって、用紙の幅よりも小さなカッターで用紙を裁断することができる。
【0033】
また、搬送経路に用紙通過検知センサ14を取り付けることによって、用紙の通過した位置を検知することにより用紙突き当て部材10を搬送経路に出入りさせるタイミングを決めることができる。
【0034】
また、用紙突き当て部材10にストッパセンサ20を取り付けることによって、用紙が用紙突き当て部材10に突き当たったことを検知することにより、搬送経路外に退避している裁断具のカッター13を搬送経路中に出現させることができる。
【0035】
また、第2トレイ210に積載されている用紙の1/2サイズの用紙を奇数枚供給することが要求されたとき、最終紙が裁断されて、余った1/2サイズの用紙も続いて排紙されることによって、搬送経路中に用紙が残ったままにならないので、次のジョブでは新たな用紙サイズを選択し、搬送することができる。
【0036】
また、第2トレイ210から1/2サイズに裁断した用紙を供給している途中で、指定したサイズの用紙が第1トレイ208に供給されたとき、第2トレイ210から1/2サイズに裁断した用紙を偶数枚供給した後に用紙の供給が第1トレイ208に切り替わることによって、すでに1/2サイズに裁断された用紙を使い切った後に、切り口や寸法の精度が良い本来のサイズの用紙を供給することができる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
以上のように、本発明にかかる給紙搬送装置は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、プロッタ、印刷機等の画像形成装置またはそれら複数の機能を備えた複合機等の画像形成装置などに有用であり、特に、用紙の裁断をすることによって、足りなくなったサイズの用紙を他のサイズの用紙から一時的に代用する装置やシステムに適している。
【符号の説明】
【0038】
10 用紙突き当て部材
11 裁断機構のホルダー
12 裁断機構の軸
13 裁断機構のカッター
14 用紙通過検知センサ
15 ローラベルト
16 分離パッド
17 ピックアップローラ
18 給紙ローラ
19 搬送経路のガイドイ板
20 用紙突き当て検知センサ
180 システムコントローラ
204 搬送ローラ
208 第1トレイ
210 第2トレイ
P,P’ 用紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙を積載する第1給紙トレイを有し、給紙搬送する第1給紙手段と、
前記第1給紙トレイに積載されている2倍のサイズの用紙が積載されている第2給紙トレイを有し、給紙搬送する第2給紙手段と、
前記用紙の搬送経路中に出入れ可能に設けられ、用紙を裁断する用紙裁断手段と、
前記第1給紙トレイから用紙を供給し、前記第1給紙トレイの用紙が空になったとき、前記第2給紙トレイを選択して給紙搬送し、前記用紙裁断手段により、搬送途中において用紙を1/2に裁断した後、搬送する給紙制御手段と、
を備えることを特徴とする給紙搬送装置。
【請求項2】
さらに、前記用紙の搬送経路に、用紙突き当て部材を備えることを特徴とする請求項1に記載の給紙搬送装置。
【請求項3】
前記用紙突き当て部材は、搬送経路に対して出入れ可能に配置されることを特徴とする請求項2に記載の給紙搬送装置。
【請求項4】
用紙切断のときに、搬送経路途中のローラは搬送中の用紙の搬送方向に少なくとも2箇所以上接触しており、前記用紙裁断手段のカッターが用紙搬送方向の2つのローラ間に位置していることを特徴とする請求項1、2または3に記載の給紙搬送装置。
【請求項5】
A4サイズとA3サイズの用紙を積載する用紙積載装置における、前記用紙裁断手段に最も近い場所にあるローラについて、前記用紙搬送方向の下流側のローラと前記用紙裁断手段のカッターまでの搬送経路の距離、および前記用紙裁断手段のカッターと前記用紙突き当て部材までの搬送経路の距離がそれぞれ210mm以下であることを特徴とする請求項2、3または4に記載の給紙搬送装置。
【請求項6】
B5サイズとB4サイズの用紙を積載する用紙積載装置における、前記用紙裁断手段に最も近い場所にあるローラについて、前記用紙搬送方向の下流側のローラと前記用紙裁断手段のカッターまでの搬送経路の距離、および前記用紙裁断手段のカッターと前記用紙突き当て部材までの搬送経路の距離がそれぞれ182mm以下であることを特徴とする請求項2、3または4に記載の給紙搬送装置。
【請求項7】
前記用紙裁断手段のカッターが用紙搬送方向と垂直方向に移動することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の給紙搬送装置。
【請求項8】
前記用紙の搬送経路に用紙の長さを検知するセンサを設けたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の給紙搬送装置。
【請求項9】
前記用紙突き当て部材の近傍に、前記用紙突き当て部材の出し入れタイミングを検知するためのセンサを設けたことを特徴とする請求項2〜8のいずれか一つに記載の給紙搬送装置。
【請求項10】
前記給紙制御手段は、前記第1給紙トレイの用紙が空になり、第1給紙トレイの2倍のサイズの第2給紙トレイの用紙に要求された1/2のサイズの用紙枚数が奇数であるとき、1/2サイズに裁断され、余った用紙も続いて排紙することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の給紙搬送装置。
【請求項11】
前記給紙制御手段は、前記第2給紙トレイから1/2に裁断した用紙を供給している途中で、指定したサイズの用紙が前記第1給紙トレイに供給されたとき、前記第2給紙トレイから1/2に裁断した用紙を偶数枚供給した後に、供給される用紙が前記第1給紙トレイの用紙に切り替えることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一つに記載の給紙搬送装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2011−121777(P2011−121777A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−283201(P2009−283201)
【出願日】平成21年12月14日(2009.12.14)
【出願人】(000006932)リコーエレメックス株式会社 (708)
【Fターム(参考)】