説明

給電システム、制御装置、及び放電制御方法

【課題】より有効な燃料電池の負荷追従性を補うための二次電池により追従遅延不足分だけでなく定格超過不足分も補うことができるようにする。
【解決手段】負荷追従制御が適用されるSOFC110と、SOFC110の負荷追従性を補うための二次電池115と、を有する給電システムは、負荷400の消費電力が増加する場合に、SOFC110の出力電力の不足分を補うように二次電池115を放電する第1の放電制御を行うSOFC制御装置140を有する。SOFC制御装置140は、負荷400の消費電力が増加して当該消費電力がSOFC110の定格出力電力を超過する場合に、第1の放電制御を行った上で、二次電池115の蓄電量の少なくとも一部をさらに放電する第2の放電制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池及び二次電池を併用して負荷に電力を供給するための給電システム、制御装置、及び放電制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電力の需要家において、分散型電源の一種である燃料電池の普及が進んでいる。燃料電池は、ガスから取り出した水素と空気中の酸素との化学反応により発電を行う。
【0003】
燃料電池は、定格出力電力(最大出力電力)までの範囲内で出力電力が可変であることから、負荷の消費電力の増減に合わせて燃料電池の出力電力を増減する「負荷追従制御」を適用することが一般的である。
【0004】
燃料電池は、その発電原理に起因して、発電量を急激に変更できない。よって、負荷追従制御を燃料電池に適用しても、負荷の消費電力が急増すると、負荷の消費電力に対して燃料電池の出力電力に不足(以下、「追従遅延不足分」と称する)が生じる。
【0005】
このような状況に鑑みて、燃料電池を小型小容量の二次電池と併用し、当該二次電池の放電により追従遅延不足分を補う給電システムが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7−123609号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、追従遅延不足分を二次電池の放電により補っても、負荷の消費電力が燃料電池の定格出力電力を超過してしまえば、やはり負荷の消費電力に対して燃料電池の出力電力に不足(以下、「定格超過不足分」と称する)が生じる。
【0008】
ここで、商用電力系統からの電力によって定格超過不足分を補うことは可能であるが、買電を行うことによる光熱費増加の問題がある。あるいは、燃料電池に加えて太陽電池も有する需要家は、太陽電池の出力電力によって定格超過不足分を補うことができるが、現状、太陽電池からの売電単価は高く設定されており、光熱費削減の観点では太陽電池の出力電力は積極的に売電することが望ましい。
【0009】
そこで、本発明は、より有効な燃料電池の負荷追従性を補うための二次電池により追従遅延不足分だけでなく定格超過不足分も補うことができる給電システム、制御装置、及び放電制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決するために、本発明は以下のような特徴を有している。
【0011】
本発明に係る給電システムの特徴は、負荷追従制御が適用される燃料電池(例えばSOFC110)と、前記燃料電池の負荷追従性を補うための二次電池(二次電池115)と、を有する給電システムであって、負荷(負荷400)の消費電力が増加する場合に、前記燃料電池の出力電力の不足分を補うように前記二次電池を放電する第1の放電制御を行う制御部(制御部143)を有し、前記制御部は、前記負荷の消費電力が増加して当該消費電力が前記燃料電池の定格出力電力を超過する場合に、前記第1の放電制御を行った上で、前記二次電池の蓄電量の少なくとも一部をさらに放電する第2の放電制御を行うことを要旨とする。
【0012】
このような給電システムは、負荷の消費電力が増加して当該消費電力が燃料電池の定格出力電力を超過する場合に、追従遅延不足分を補うための第1の放電制御を行った上で、定格超過不足分を補うための第2の放電制御を行う。これにより、燃料電池の負荷追従性を補うための二次電池により追従遅延不足分だけでなく定格超過不足分も補うことができる。
【0013】
また、燃料電池に加えて太陽電池も有する場合には、負荷で消費される分の太陽電池の出力電力を売電に回すことができるため、売電量を増加させることができる。
【0014】
本発明に係る給電システムの他の特徴によれば、前記制御部は、前記負荷の消費電力が増加して当該消費電力が前記定格出力電力を超過する場合で、前記第1の放電制御を行った上での前記二次電池の蓄電量が、前記第1の放電制御を次回行う際に必要と予測される前記二次電池の放電量から、前記第1の放電制御を次回行うまでに可能と予測される前記二次電池の充電量を減じた量よりも多い場合に、前記第2の放電制御を行う。
【0015】
本発明に係る給電システムの他の特徴によれば、前記制御部は、前記負荷の消費電力が増加して当該消費電力が前記定格出力電力を超過する場合であっても、前記第1の放電制御を行った上での前記二次電池の蓄電量が、前記第1の放電制御を次回行う際に必要と予測される前記二次電池の放電量から、前記第1の放電制御を次回行うまでに可能と予測される前記二次電池の充電量を減じた量よりも少ない場合には、前記第2の放電制御を行わない。
【0016】
本発明に係る給電システムの他の特徴によれば、前記制御部は、前記負荷の消費電力が増加して当該消費電力が前記定格出力電力を超過する場合で、当該超過する期間が経過してから前記第1の放電制御を次回行うまでに前記二次電池の充電が可能であると予測される場合に、前記第2の放電制御を行う。
【0017】
本発明に係る給電システムの他の特徴によれば、前記制御部は、前記負荷の消費電力が増加して当該消費電力が前記定格出力電力を超過する場合であっても、当該超過する期間が経過してから前記第1の放電制御を次回行うまでに前記二次電池の充電が不能であると予測される場合には、前記第2の放電制御を行わない。
【0018】
本発明に係る給電システムの他の特徴によれば、商用電力系統(商用電力系統10)への出力電力の売電が許容される他の発電装置(例えばPV210)をさらに有し、前記制御部は、前記他の発電装置が前記商用電力系統との連系運転を行っている場合に、前記第2の放電制御を行うことを可能とする。
【0019】
本発明に係る給電システムの他の特徴によれば、前記制御部は、前記負荷の消費電力が増加して当該消費電力が前記定格出力電力を超過する場合であっても、前記他の発電装置が自立運転を行っている場合には、前記第2の放電制御を行わない。
【0020】
本発明に係る給電システムの他の特徴によれば、前記制御部は、前記負荷の消費電力が前記定格出力電力に達するタイミングで、前記第2の放電制御を行うか否かの判断を行う。
【0021】
本発明に係る給電システムの他の特徴によれば、前記制御部は、前記第2の放電制御を開始した後、定期的に、当該第2の放電制御を継続すべきか否かの判断を行う。
【0022】
本発明に係る制御装置の特徴は、負荷追従制御が適用される燃料電池(例えばSOFC110)と、前記燃料電池の負荷追従性を補うための二次電池(二次電池115)と、を有する給電システムにおいて用いられる制御装置(例えばSOFC制御装置140)であって、負荷の消費電力が増加する場合に、前記燃料電池の出力電力の不足分を補うように前記二次電池を放電する第1の放電制御を行う制御部(制御部143)を有し、前記制御部は、前記負荷の消費電力が増加して当該消費電力が前記燃料電池の定格出力電力を超過する場合に、前記第1の放電制御を行った上で、前記二次電池の蓄電量の少なくとも一部をさらに放電する第2の放電制御を行うことを要旨とする。
【0023】
本発明に係る放電制御方法の特徴は、負荷追従制御が適用される燃料電池と、前記燃料電池の負荷追従性を補うための二次電池と、を有する給電システムにおいて用いられる放電制御方法であって、負荷の消費電力が増加する場合に、前記燃料電池の出力電力の不足分を補うように前記二次電池を放電する第1の放電制御を行うステップ(例えばステップS105)と、前記負荷の消費電力が増加して当該消費電力が前記燃料電池の定格出力電力を超過する場合に、前記第1の放電制御を行った上で、前記二次電池の蓄電量の少なくとも一部をさらに放電する第2の放電制御を行うステップ(例えばステップS110)と、を有することを要旨とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、より有効な燃料電池の負荷追従性を補うための二次電池により追従遅延不足分だけでなく定格超過不足分も補うことができる給電システム、制御装置、及び放電制御方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の第1実施形態〜第3実施形態に係る給電システムのブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態〜第3実施形態に係るSOFC制御装置のブロック図である。
【図3】本発明の第1実施形態〜第3実施形態に係る負荷追従制御を説明するための図である。
【図4】本発明の第1実施形態〜第3実施形態に係る負荷追従制御の処理フロー図である。
【図5】本発明の第1実施形態〜第3実施形態に係る第1の放電制御を説明するための図である。
【図6】本発明の第1実施形態〜第3実施形態に係る第2の放電制御を説明するための図である。
【図7】本発明の第1実施形態に係る充放電制御の処理フロー図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係る充放電制御の処理フロー図である。
【図9】本発明の第3実施形態に係る充放電制御の処理フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図面を参照して、本発明の第1実施形態〜第3実施形態、及びその他の実施形態を説明する。以下の各実施形態に係る図面において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
【0027】
[第1実施形態]
(給電システムの構成)
図1は、本実施形態に係る給電システムのブロック図である。図1において、太線は電力ラインを示し、破線は制御ラインを示す。制御ラインは無線で構成してもよい。
【0028】
図1に示すように、本実施形態に係る給電システムは、固体酸化物形燃料電池(SOFC)ユニット100、太陽電池(PV)ユニット200、分電盤300、1又は複数の負荷400、及び住宅エネルギー管理システム(HEMS)500を有する。SOFCユニット100、PVユニット200、分電盤300、負荷400、及びHEMS500は、商用電力系統10から交流(AC)電力の供給を受ける需要家1に設けられる。
【0029】
SOFCユニット100は、SOFC110、二次電池115、パワーコンディショナ(PCS)120、及びSOFC制御装置140を有する。
【0030】
SOFC110は、燃料電池の一種であり、天然ガスなどから取り出した水素と空気中の酸素との化学反応により発電を行い、直流(DC)電力をPCS120に出力する。SOFC110の発電量は、SOFC110で消費されるガス及び空気の量に応じて変化する。ガス及び空気の量は、SOFC制御装置140によって制御される。SOFC110の出力電力は商用電力系統10への売電が許容されていない。
【0031】
二次電池115は、SOFC110の負荷追従性を補うための小型・小容量のものである。二次電池115は、SOFC110からPCS120を介して入力されるDC電力によって充電される。ただし、PCS120がDC−AC変換機能だけでなく、AC−DC変換機能を有する場合には、PVユニット200からの出力電力及び/又は商用電力系統10からの電力により二次電池115を充電してもよい。二次電池115は、放電によりDC電力をPCS120に出力する。
【0032】
PCS120は、SOFC110が出力するDC電力及び二次電池115が出力するDC電力が入力され、入力されたDC電力をAC電力に変換し、SOFC電力ライン12を介してAC電力(以下、「SOFCユニット出力電力」と称する)を分電盤300に出力する。
【0033】
SOFC制御装置140は、分電盤300に設けられた計測部310との通信、及びHEMS500との通信を行う。SOFC制御装置140は、計測部310及びHEMS500からの情報に基づいて、SOFC110、二次電池115、及びPCS120を制御する。
【0034】
SOFC制御装置140は、負荷400の消費電力の増減に合わせてSOFC110の出力電力を増減する負荷追従制御を行う。また、SOFC制御装置140は、二次電池115の充放電制御を行う。負荷追従制御及び充放電制御の詳細については後述する。
【0035】
PVユニット200は、PVユニット200は、PV210及びPCS220を有する。
【0036】
PV210は、太陽光を受けて発電を行い、DC電力を出力する。PV210の発電量は、PV210に照射される日射量に応じて変化する。
【0037】
PCS220は、PV210が出力するDC電力が入力され、当該入力されたDC電力をAC電力に変換し、PV電力ライン13を介してAC電力(以下、「PVユニット出力電力」と称する)を分電盤300に出力する。PCS220は、PV210が商用電力系統10との連系運転を行っている際に、商用電力系統10の停電又は不安定状態を検知すると、PV210を商用電力系統10から解列して自立運転を行う。
【0038】
分電盤300は、商用電力系統10から系統電力ライン11を介して電力(以下、「買電電力」と称する)が入力され、SOFCユニット100からSOFC電力ライン12を介してSOFCユニット出力電力が入力され、PVユニット200からPV電力ライン13を介してPVユニット出力電力が入力される。
【0039】
分電盤300は、負荷400の消費電力をSOFCユニット出力電力のみで賄える場合には、商用電力系統10からの買電を行わず、かつ、PVユニット出力電力を全て商用電力系統10に売電(逆潮流)する。分電盤300は、負荷400の消費電力をSOFCユニット出力電力のみで賄えない場合には、不足分をPVユニット出力電力で補い、それでも不足する場合には、商用電力系統10からの買電を行う。
【0040】
分電盤300は、負荷400の消費電力、売電電力、及び買電電力を定期的に計測する計測部310を含む。計測部310は、計測値を、定期的にSOFC制御装置140及びHEMS500に通知する。
【0041】
負荷400は、分電盤300から負荷電力ライン14を介してAC電力が入力され、当該入力されたAC電力を消費して動作する。負荷400は、例えば、照明、エアコン、冷蔵庫、又はテレビ等の家電機器である。
【0042】
HEMS500は、需要家1における電力管理を行うためのものである。HEMS500は、負荷400の消費電力、売電電力、及び買電電力を管理して表示したり、省電力のための制御を負荷400に対して行ったりする。
【0043】
次に、SOFC制御装置140の構成を説明する。図2は、SOFC制御装置140のブロック図である。
【0044】
図2に示すように、SOFC制御装置140は、通信部141、記憶部142、及び制御部143を有する。
【0045】
通信部141は、SOFC110、二次電池115、PCS120、計測部310、及びHEMS500との通信を行う。通信部141は、計測部310から、現時点での負荷400の消費電力の情報を受信する。また、通信部141は、SOFC110又はPCS120から、現時点でのSOFC110の出力電力の情報を受信する。通信部141は、二次電池115又はPCS120から、現時点での二次電池115の蓄電量の情報を受信する。
【0046】
記憶部142は、メモリなどにより構成されており、制御部143における制御に使用される各種情報を記憶する。記憶部142は、負荷400の消費電力の遷移パターン(以下、「消費電力遷移パターン」)の情報と、SOFC110の定格出力電力(以下、「SOFC定格出力電力」)の情報と、SOFC110の負荷追従性能(以下、「SOFC負荷追従性能」)の情報と、を予め記憶している。消費電力遷移パターンの情報は、1日以上の学習に基づいて作成される。消費電力遷移パターンの情報は、制御部143で作成してもよく、HEMS500で作成してもよい。
【0047】
制御部143は、プロセッサなどにより構成されており、SOFC制御装置140の各種機能を制御する。制御部143は、負荷追従制御及び充放電制御を行う。
【0048】
制御部143は、負荷400の消費電力が増加する場合に、SOFC110の出力電力の不足分を補うように二次電池115を放電する第1の放電制御を行う。また、制御部143は、負荷400の消費電力が増加して当該消費電力がSOFC定格出力電力を超過する場合に、第1の放電制御を行った上で、二次電池115の蓄電量の少なくとも一部をさらに放電する第2の放電制御を行う。
【0049】
(SOFC制御装置の動作)
次に、SOFC制御装置140の動作について、負荷追従制御、充放電制御の順に説明する。
【0050】
(1)負荷追従制御
図3は、負荷追従制御を説明するための図である。図3(及び図5、図6)において、実線は負荷400の消費電力を示し、破線はSOFC110の出力電力を示し、太線はSOFC定格出力電力を示す。
【0051】
図3に示すように、時刻t1において、負荷400の消費電力が増加し始める。制御部143は、通信部141が計測部310から受信する消費電力情報に基づいて、負荷400の消費電力の増加に追従するようにSOFC110の目標出力電力(以下、「SOFC目標出力電力」)を増加する。SOFC110の出力電力は直ぐにはSOFC目標出力電力に達しないため、時刻t2においてSOFC110の出力電力がSOFC目標出力電力に達する。
【0052】
時刻t2〜t3の期間内で負荷400の消費電力が一旦減少すると、制御部143は、負荷400の消費電力の減少に追従するようにSOFC目標出力電力を減少する。
【0053】
時刻t3において負荷400の消費電力が増加し始め、時刻t3〜t4の期間内で負荷400の消費電力がSOFC定格出力電力を超過し、超過した状態が時刻t5まで継続する。制御部143は、負荷400の消費電力の増加に追従するようにSOFC目標出力電力を増加するが、負荷400の消費電力がSOFC定格出力電力を超過した以降は、SOFC目標出力電力をSOFC定格出力電力と等しい値に設定する。
【0054】
時刻t5〜t6の期間で負荷400の消費電力がSOFC定格出力電力未満まで減少すると、制御部143は、負荷400の消費電力の減少に追従するようにSOFC目標出力電力を減少する。
【0055】
時刻t6において負荷400の消費電力が増加し始めて、時刻t6〜t7の期間内で負荷400の消費電力がSOFC定格出力電力を超過し、超過した状態が時刻t8まで継続する。制御部143は、負荷400の消費電力の増加に追従するようにSOFC目標出力電力を増加するが、負荷400の消費電力がSOFC定格出力電力を超過した以降は、SOFC目標出力電力をSOFC定格出力電力と等しい値に設定する。
【0056】
時刻t8〜t9の期間で負荷400の消費電力がSOFC定格出力電力未満まで大幅に減少すると、制御部143は、負荷400の消費電力の減少に追従するようにSOFC目標出力電力を減少する。
【0057】
時刻t9〜t10の期間で負荷400の消費電力が増加すると、制御部143は、負荷400の消費電力の増加に追従するようにSOFC目標出力電力を増加する。SOFC110の出力電力は直ぐには目標出力電力に達しないため、時刻t10においてSOFC110の出力電力が目標出力電力に達する。
【0058】
図4は、負荷追従制御の処理フロー図である。
【0059】
図4に示すように、ステップS10において、制御部143は、現時点での負荷400の消費電力の情報を通信部141から取得し、SOFC定格出力電力の情報を記憶部142から取得する。その後、処理がステップS20に進む。
【0060】
ステップS20において、制御部143は、ステップS10で取得した情報に基づいて、現時点での負荷400の消費電力がSOFC定格出力電力以上であるか否かを確認する。現時点での負荷400の消費電力がSOFC定格出力電力未満である場合(ステップS20;NO)、処理がステップS30に進む。現時点での負荷400の消費電力がSOFC定格出力電力以上である場合(ステップS20;YES)、処理がステップS40に進む。
【0061】
ステップS30において、制御部143は、SOFC目標出力電力を負荷400の消費電力と等しい値に設定し、当該目標出力電力を記憶部142に記憶させる。その後、処理がステップS50に進む。
【0062】
一方、ステップS40において、制御部143は、SOFC目標出力電力をSOFC定格出力電力と等しい値に設定し、当該目標出力電力を記憶部142に記憶させる。その後、処理がステップS50に進む。
【0063】
ステップS50において、制御部143は、SOFC110の出力電力がステップS30又はステップS40で設定した目標出力電力になるように、SOFC110におけるガス及び空気の量を調整する。その後、処理がステップS10に戻る。
【0064】
(2)充放電制御
図5は、第1の放電制御を説明するための図である。制御部143は、現時点でのSOFC目標出力電力の情報と、現時点でのSOFC110の出力電力の情報とに基づいて、現時点でのSOFC目標出力電力に対する現時点でのSOFC110の出力電力の不足分(すなわち、追従遅延不足分)を計算する。そして、制御部143は、当該追従遅延不足分に相当する電力を放電するように、通信部141を介して二次電池115を制御する。図5において、ハッチングを付した部分は、追従遅延不足分に相当する。
【0065】
図5に示すように、制御部143は、時刻t1〜t2、時刻t3〜t4、時刻t6〜t7、及び時刻t9〜t10の各期間において、追従遅延不足分に相当する電力を放電するよう制御する。
【0066】
図6は、第2の放電制御を説明するための図である。
【0067】
図6に示すように、時刻t3〜t4の途中から時刻t5までの期間、及び時刻t7〜t8の期間において、負荷400の消費電力がSOFC定格出力電力を超過し、負荷400の消費電力に対してSOFC110の出力電力に不足(すなわち、定格超過不足分)が生じている。上述した第1の放電制御では定格超過不足分は補うことができないため、商用電力系統10からの買電電力及び/又はPVユニット出力電力が負荷400で消費されてしまう。
【0068】
そこで、制御部143は、第1の放電制御に支障がない範囲で、定格超過不足分を補うための第2の放電制御を行う。詳細には、制御部143は、負荷400の消費電力が増加して当該消費電力がSOFC定格出力電力を超過する場合に、第1の放電制御を行った上で、二次電池115の蓄電量の少なくとも一部をさらに放電する第2の放電制御を行う。
【0069】
本実施形態では、制御部143は、負荷400の消費電力が増加して当該消費電力がSOFC定格出力電力を超過する場合に、記憶部142に記憶されている消費電力遷移パターン及びSOFC負荷追従性能の情報に基づいて、第1の放電制御を次回行う際に必要と予測される二次電池115の放電量と、第1の放電制御を次回行うまでに可能と予測される二次電池115の充電量と、を取得(計算)する。
【0070】
そして、制御部143は、現時点での二次電池115の蓄電量が、第1の放電制御を次回行う際に必要と予測される二次電池115の放電量から、第1の放電制御を次回行うまでに可能と予測される二次電池115の充電量を減じた量よりも多い場合に、第2の放電制御を行う。これに対し、現時点での二次電池115の蓄電量が、第1の放電制御を次回行う際に必要と予測される二次電池115の放電量から、第1の放電制御を次回行うまでに可能と予測される二次電池115の充電量を減じた量よりも少ない場合には、制御部143は、第2の放電制御を行わない。制御部143は、負荷400の消費電力がSOFC定格出力電力を超過するタイミングでこのような判断を行う。また、第2の放電制御を実行中においてもこのような判断を定期的に実行する。
【0071】
図6においては、制御部143は、時刻t3〜t4の途中から時刻t5までの定格超過期間で第2の放電制御を行わずに、時刻t7〜t8の定格超過期間で第2の放電制御を行う。
【0072】
図7は、本実施形態に係る充放電制御の処理フロー図である。
【0073】
図7に示すように、ステップS100において、制御部143は、現時点での負荷400の消費電力の情報を通信部141から取得し、SOFC定格出力電力の情報を記憶部142から取得する。その後、処理がステップS101に進む。
【0074】
ステップS101において、制御部143は、ステップS100で取得した情報に基づいて、現時点での負荷400の消費電力がSOFC定格出力電力以上であるか否かを確認する。現時点での負荷400の消費電力がSOFC定格出力電力未満である場合(ステップS101;NO)、処理がステップS102に進む。現時点での負荷400の消費電力がSOFC定格出力電力以上である場合(ステップS101;YES)、処理がステップS106に進む。
【0075】
ステップS102において、制御部143は、現時点でのSOFC110の出力電力の情報を通信部141から取得し、現時点でのSOFC目標出力電力の情報を記憶部142から取得する。そして、制御部143は、現時点でのSOFC110の出力電力が現時点でのSOFC目標出力電力と等しいか否かを確認する。現時点でのSOFC110の出力電力が現時点でのSOFC目標出力電力と等しい場合(ステップS102;YES)、処理がステップS100に戻り、現時点でのSOFC110の出力電力が現時点でのSOFC目標出力電力と等しくない場合(ステップS102;NO)、処理がステップS103に進む。
【0076】
ステップS103において、制御部143は、二次電池115へ充電可能であるか否かを判定する。例えば、現時点での二次電池115の蓄電量が最大蓄電量よりも少ない場合には、二次電池115へ充電可能であると判定される。また、PVユニット200からの出力電力及び/又は商用電力系統10からの電力を充電に使用できる場合に、二次電池115を充電可能であると判定してもよい。二次電池115へ充電可能であると判定される場合(ステップS103;YES)、処理がステップS106に進み、二次電池115へ充電不能であると判定される場合(ステップS103;NO)、処理がステップS104に進む。
【0077】
ステップS104において、制御部143は、現時点でのSOFC110の出力電力が現時点でのSOFC目標出力電力よりも小さいか否かを確認する。現時点でのSOFC110の出力電力が現時点でのSOFC目標出力電力よりも小さい場合(ステップS104;YES)、処理がステップS105に進む。現時点でのSOFC110の出力電力が現時点でのSOFC目標出力電力よりも大きい場合(ステップS104;NO)、処理がステップS100に戻る。このような追従遅延による余剰電力は、二次電池115への充電に使用してもよい。
【0078】
ステップS105において、制御部143は、上述した第1の放電制御を行う。詳細には、制御部143は、現時点でのSOFC目標出力電力に対する現時点でのSOFC110の出力電力の不足分(すなわち、現時点でのSOFC目標出力電力−現時点でのSOFC110の出力電力)の電力を放電するよう制御する。その後、処理がステップS100に戻る。
【0079】
一方、ステップS106において、制御部143は、現時点での二次電池115の蓄電量と、現時点でのSOFC110の出力余力(すなわち、SOFC定格出力電力−現時点でのSOFC110の出力電力)と、に基づいて、SOFC定格出力電力を上限として、SOFC目標出力電力を上方修正する。これにより、SOFC110の出力電力の余剰分を増加させる。その後、処理がステップS107に進む。
【0080】
ステップS107において、制御部143は、充電制御を行う。詳細には、制御部143は、SOFC110の出力電力の余剰分を二次電池115に充電するよう制御する。その後、処理がステップS100に戻る。
【0081】
一方、ステップS108において、制御部143は、消費電力遷移パターン及びSOFC負荷追従性能を記憶部142から取得し、現時点での蓄電量の情報を通信部141から取得する。そして、制御部143は、消費電力遷移パターン及びSOFC負荷追従性能に基づいて、第1の放電制御を次回行う際に必要と予測される二次電池115の放電量と、第1の放電制御を次回行うまでに可能と予測される二次電池115の充電量と、を取得(計算)する。その後、処理がステップS109に進む。
【0082】
ステップS109において、制御部143は、現時点での二次電池115の蓄電量が、第1の放電制御を次回行う際に必要と予測される二次電池115の放電量から、第1の放電制御を次回行うまでに可能と予測される二次電池115の充電量を減じた量よりも多いか否かを確認する。多い場合(ステップS109;YES)には、処理がステップS108に進み、少ない場合(ステップS109;NO)には、処理がステップS100に戻る。
【0083】
ステップS110において、制御部143は、上述した第2の放電制御を行う。詳細には、制御部143は、現時点での負荷400の消費電力に対する現時点でのSOFC110の出力電力の不足分(すなわち、現時点での負荷400の消費電力−現時点でのSOFC110の出力電力)の電力を放電するよう制御する。その後、処理がステップS100に戻る。
【0084】
(第1実施形態のまとめ)
以上説明したように、本実施形態に係る給電システムは、負荷追従制御が適用されるSOFC110と、SOFC110の負荷追従性を補うための二次電池115と、を有する。制御部143は、負荷400の消費電力が増加する場合に、SOFC110の出力電力の不足分を補うように二次電池115を放電する第1の放電制御を行う。制御部143は、負荷400の消費電力が増加して当該消費電力がSOFC定格出力電力を超過する場合に、第1の放電制御を行った上で、二次電池115の蓄電量の少なくとも一部をさらに放電する第2の放電制御を行う。
【0085】
このように、負荷400の消費電力が増加して当該消費電力がSOFC定格出力電力を超過する場合に、追従遅延不足分を補うための第1の放電制御を行った上で、定格超過不足分を補うための第2の放電制御を行う。これにより、SOFC110の負荷追従性を補うための二次電池115により追従遅延不足分だけでなく定格超過不足分も補うことができる。また、負荷400で消費される分のPV210の出力電力を売電に回すことができるため、売電量を増加させることができる。
【0086】
本実施形態では、制御部143は、負荷400の消費電力が増加して当該消費電力がSOFC定格出力電力を超過する場合で、現時点での二次電池115の蓄電量が、第1の放電制御を次回行う際に必要と予測される二次電池115の放電量から、第1の放電制御を次回行うまでに可能と予測される二次電池115の充電量を減じた量よりも多い場合に、第2の放電制御を行う。これにより、次回の第1の放電制御に支障がないとみなされる範囲で第2の放電制御を行うことができる。
【0087】
本実施形態では、制御部143は、負荷400の消費電力が増加して当該消費電力がSOFC定格出力電力を超過する場合であっても、現時点での二次電池115の蓄電量が、第1の放電制御を次回行う際に必要と予測される二次電池115の放電量から、第1の放電制御を次回行うまでに可能と予測される二次電池115の充電量を減じた量よりも少ない場合には、第2の放電制御を行わない。これにより、次回の第1の放電制御に支障をきたすことを防止できる。
【0088】
本実施形態では、制御部143は、負荷400の消費電力がSOFC定格出力電力に達するタイミングで、第2の放電制御を行うか否かの判断を行う。これにより、現時点での状況(二次電池115の蓄電量など)を考慮して第2の放電制御を行うか否かを判断できる。
【0089】
本実施形態では、制御部143は、第2の放電制御を開始した後、定期的に、当該第2の放電制御を継続すべきか否かの判断を行う。これにより、第2の放電制御を開始した後の状況(二次電池115の蓄電量など)を考慮して第2の放電制御を行うか否かを判断できる。
【0090】
[第2実施形態]
以下、第2実施形態について、第1実施形態との相違点を主として説明する。本実施形態は、充放電制御の一部処理が第1実施形態とは異なる。
【0091】
本実施形態では、制御部143は、負荷400の消費電力が増加して当該消費電力がSOFC定格出力電力を超過する場合で、当該超過する期間が経過してから第1の放電制御を次回行うまでに二次電池115の充電が可能であると予測される場合に、第2の放電制御を行う。これに対し、負荷400の消費電力が増加して当該消費電力がSOFC定格出力電力を超過する場合であっても、当該超過する期間が経過してから第1の放電制御を次回行うまでに二次電池115の充電が不能であると予測される場合には、制御部143は、第2の放電制御を行わない。
【0092】
図8は、本実施形態に係る充放電制御の処理フロー図である。図8において、ステップS200〜S207は、第1実施形態で説明したステップS100〜S107と同じであるため、ステップS208以降の処理を説明する。
【0093】
図8に示すように、ステップS208において、制御部143は、消費電力遷移パターンの情報を記憶部142から取得し、現時点での蓄電量の情報を通信部141から取得する。そして、制御部143は、当該消費電力遷移パターンに基づいて、次回の第1の放電制御を行うと予測される時刻と、次回の充電制御を行うと予測される時刻と、を取得(計算)する。その後、処理がステップS209に進む。
【0094】
ステップS209において、制御部143は、次回の充電制御を行うと予測される時刻が、次回の第1の放電制御を行うと予測される時刻よりも先であるか否かを確認する。先である場合(ステップS209;YES)には、処理がステップS210に進み、後である場合(ステップS209;NO)には、処理がステップS200に戻る。
【0095】
ステップS210において、制御部143は、上述した第2の放電制御を行う。詳細には、制御部143は、現時点での負荷400の消費電力に対する現時点でのSOFC110の出力電力の不足分(すなわち、現時点での負荷400の消費電力−現時点でのSOFC110の出力電力)の電力を放電するよう制御する。その後、処理がステップS200に戻る。
【0096】
以上説明したように、本実施形態では、制御部143は、負荷400の消費電力が増加して当該消費電力がSOFC定格出力電力を超過する場合で、当該超過する期間が経過してから第1の放電制御を次回行うまでに二次電池115の充電が可能であると予測される場合に、第2の放電制御を行う。これにより、次回の第1の放電制御に支障をきたす可能性を低減しつつ、第2の放電制御を行うことができる。
【0097】
本実施形態では、制御部143は、負荷400の消費電力が増加して当該消費電力がSOFC定格出力電力を超過する場合であっても、当該超過する期間が経過してから第1の放電制御を次回行うまでに二次電池115の充電が不能であると予測される場合には、第2の放電制御を行わない。これにより、次回の第1の放電制御に支障をきたすことを防止できる。
【0098】
[第3実施形態]
以下、第3実施形態について、第1実施形態との相違点を主として説明する。本実施形態は、充放電制御の一部処理が第1実施形態とは異なる。
【0099】
本実施形態では、制御部143は、PV210が商用電力系統10との連系運転を行っている場合に、第2の放電制御を行うことを可能とする。これに対し、PV210が自立運転を行っている場合には、第2の放電制御を行わない。
【0100】
図9は、本実施形態に係る充放電制御の処理フロー図である。ステップS300〜S307は、第1実施形態で説明したステップS100〜S107と同じであるため、ステップS308以降の処理を説明する。
【0101】
図9に示すように、ステップS308において、制御部143は、計測部310から得られる情報又はHEMS500から得られる情報に基づいて、PV210が商用電力系統10との連系運転を行っているか否かを確認する。PV210が商用電力系統10との連系運転を行っている場合(ステップS308;YES)、処理がステップS309に進み、PV210が自立運転を行っている場合(ステップS308;NO)、処理がステップS300に戻る。
【0102】
ステップS309において、制御部143は、消費電力遷移パターン及びSOFC負荷追従性能を記憶部142から取得し、現時点での蓄電量の情報を通信部141から取得する。そして、制御部143は、消費電力遷移パターン及びSOFC負荷追従性能に基づいて、第1の放電制御を次回行う際に必要と予測される二次電池115の放電量と、第1の放電制御を次回行うまでに可能と予測される二次電池115の充電量と、を取得(計算)する。その後、処理がステップS310に進む。
【0103】
ステップS310において、制御部143は、現時点での二次電池115の蓄電量が、第1の放電制御を次回行う際に必要と予測される二次電池115の放電量から、第1の放電制御を次回行うまでに可能と予測される二次電池115の充電量を減じた量よりも多いか否かを確認する。多い場合(ステップS310;YES)には、処理がステップS311に進み、少ない場合(ステップS310;NO)には、処理がステップS300に戻る。
【0104】
ステップS311において、制御部143は、上述した第2の放電制御を行う。詳細には、制御部143は、現時点での負荷400の消費電力に対する現時点でのSOFC110の出力電力の不足分(すなわち、現時点での負荷400の消費電力−現時点でのSOFC110の出力電力)の電力を放電するよう制御する。その後、処理がステップS300に戻る。
【0105】
以上説明したように、本実施形態では、PV210が商用電力系統10との連系運転を行っている場合に、第2の放電制御を行うことを可能とする。このように、売電量押し上げ効果を期待できる場合に第2の放電制御を可能として、定格超過不足分を積極的に補うことで売電量増加を図ることができる。
【0106】
本実施形態では、制御部143は、負荷400の消費電力が増加して当該消費電力がSOFC定格出力電力を超過する場合であっても、PV210が自立運転を行っている場合には、第2の放電制御を行わない。このように、売電量押し上げ効果を期待できない場合には第2の放電制御を行わないことで、より確実に追従遅延不足分を補うことができる。
【0107】
[その他の実施形態]
上記のように、本発明は各実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
【0108】
例えば、上述した第2実施形態においても、第3実施形態と同様にPV210が連系運転を行っているか否かの判断を追加してもよい。
【0109】
また、上述した各実施形態では、PVユニット200を有する需要家1を説明したが、PVユニット200に代えて、出力電力を売電可能と定められた他の分散型電源を使用してもよい。また、第1実施形態及び第2実施形態では、PVユニット200は必ずしも設けられていなくてもよい。
【0110】
上述した各実施形態では、二次電池115の充放電制御に係る処理をSOFC制御装置140が行う一例を説明した。しかしながら、二次電池115の充放電制御に係る処理をHEMS500が行い、HEMS500がSOFC制御装置140を介して二次電池115の充放電を制御してもよい。この場合、HEMS500は、例えば、第2の放電制御が可能な期間を判断してその結果をSOFC制御装置140に通知する。SOFC制御装置140は、HEMS500から通知された第2の放電制御が可能な期間において第2の放電制御を行う。
【0111】
上述した各実施形態では、負荷400の消費電力の情報に基づいて負荷追従制御を行う一例を説明したが、買電電力の情報に基づいて負荷追従制御を行ってもよい。買電電力は負荷400の消費電力を反映しており、例えば買電電力がゼロになるようにSOFC目標出力電力を設定することで、負荷追従制御を実現できる。
【0112】
また、SOFCユニット100は、発電の際に発生する排熱を回収して得られるお湯を貯える貯湯ユニットと併設されていてもよい。貯湯ユニット内の貯湯は需要家1における給湯に供することができる。さらに、SOFCユニット100は、1つの筐体にまとめて構成される場合に限らず、複数の筐体に分けて構成されてもよい。
【0113】
このように本発明は、ここでは記載していない様々な実施形態等を包含するということを理解すべきである。
【符号の説明】
【0114】
1…需要家、10…商用電力系統、11…系統電力ライン、12…SOFC電力ライン、13…PV電力ライン、14…負荷電力ライン、100…SOFCユニット、110…SOFC、115…二次電池、120…PCS、140…SOFC制御装置、141…通信部、142…記憶部、143…制御部、200…PVユニット、210…PV、220…PCS、300…分電盤、310…計測部、400…負荷、500…HEMS

【特許請求の範囲】
【請求項1】
負荷追従制御が適用される燃料電池と、前記燃料電池の負荷追従性を補うための二次電池と、を有する給電システムであって、
負荷の消費電力が増加する場合に、前記燃料電池の出力電力の不足分を補うように前記二次電池を放電する第1の放電制御を行う制御部を有し、
前記制御部は、前記負荷の消費電力が増加して当該消費電力が前記燃料電池の定格出力電力を超過する場合に、前記第1の放電制御を行った上で、前記二次電池の蓄電量の少なくとも一部をさらに放電する第2の放電制御を行うことを特徴とする給電システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記負荷の消費電力が増加して当該消費電力が前記定格出力電力を超過する場合で、前記第1の放電制御を行った上での前記二次電池の蓄電量が、前記第1の放電制御を次回行う際に必要と予測される前記二次電池の放電量から、前記第1の放電制御を次回行うまでに可能と予測される前記二次電池の充電量を減じた量よりも多い場合に、前記第2の放電制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の給電システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記負荷の消費電力が増加して当該消費電力が前記定格出力電力を超過する場合であっても、前記第1の放電制御を行った上での前記二次電池の蓄電量が、前記第1の放電制御を次回行う際に必要と予測される前記二次電池の放電量から、前記第1の放電制御を次回行うまでに可能と予測される前記二次電池の充電量を減じた量よりも少ない場合には、前記第2の放電制御を行わないことを特徴とする請求項2に記載の給電システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記負荷の消費電力が増加して当該消費電力が前記定格出力電力を超過する場合で、当該超過する期間が経過してから前記第1の放電制御を次回行うまでに前記二次電池の充電が可能であると予測される場合に、前記第2の放電制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の給電システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記負荷の消費電力が増加して当該消費電力が前記定格出力電力を超過する場合であっても、当該超過する期間が経過してから前記第1の放電制御を次回行うまでに前記二次電池の充電が不能であると予測される場合には、前記第2の放電制御を行わないことを特徴とする請求項4に記載の給電システム。
【請求項6】
商用電力系統への出力電力の売電が許容される他の発電装置をさらに有し、
前記制御部は、前記他の発電装置が前記商用電力系統との連系運転を行っている場合に、前記第2の放電制御を行うことを可能とすることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の給電システム。
【請求項7】
前記制御部は、前記負荷の消費電力が増加して当該消費電力が前記定格出力電力を超過する場合であっても、前記他の発電装置が自立運転を行っている場合には、前記第2の放電制御を行わないことを特徴とする請求項6に記載の給電システム。
【請求項8】
前記制御部は、前記負荷の消費電力が前記定格出力電力に達するタイミングで、前記第2の放電制御を行うか否かの判断を行うことを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の給電システム。
【請求項9】
前記制御部は、前記第2の放電制御を開始した後、定期的に、当該第2の放電制御を継続すべきか否かの判断を行うことを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載の給電システム。
【請求項10】
負荷追従制御が適用される燃料電池と、前記燃料電池の負荷追従性を補うための二次電池と、を有する給電システムにおいて用いられる制御装置であって、
負荷の消費電力が増加する場合に、前記燃料電池の出力電力の不足分を補うように前記二次電池を放電する第1の放電制御を行う制御部を有し、
前記制御部は、前記負荷の消費電力が増加して当該消費電力が前記燃料電池の定格出力電力を超過する場合に、前記第1の放電制御を行った上で、前記二次電池の蓄電量の少なくとも一部をさらに放電する第2の放電制御を行うことを特徴とする制御装置。
【請求項11】
負荷追従制御が適用される燃料電池と、前記燃料電池の負荷追従性を補うための二次電池と、を有する給電システムにおいて用いられる放電制御方法であって、
負荷の消費電力が増加する場合に、前記燃料電池の出力電力の不足分を補うように前記二次電池を放電する第1の放電制御を行うステップと、
前記負荷の消費電力が増加して当該消費電力が前記燃料電池の定格出力電力を超過する場合に、前記第1の放電制御を行った上で、前記二次電池の蓄電量の少なくとも一部をさらに放電する第2の放電制御を行うステップと、
を有することを特徴とする放電制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−74757(P2013−74757A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−213560(P2011−213560)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】