説明

継手

【課題】連結金具が装着される凹部を形成する部位が損傷を受けることを防止し、該部位の強度を維持することができる継手を提供する。
【解決手段】継手10は、樹脂製配管11が接続される第1継手12と水栓器具13が接続される第2継手14とが、第1継手12の第1フランジ部15と第2継手14の第2フランジ部16とを連結金具としてのクイックファスナー17で連結して構成されている。前記第1継手12は第1フランジ部15を形成する凹部34が設けられた接続部材19を備え、該接続部材19は金属で構成されると共に、接続部材19が樹脂製の第1継手本体18に対してインサート成形法により一体化されている。接続部材19と第1継手本体18との間には凹凸部20が噛み合うように形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば給水系や給湯系の配管システムにおいて使用され、樹脂製配管を接続する継手部材と水栓器具や金属製配管に接続される継手部材とが連結金具で連結された継手に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の継手としては、例えば次のような管継手が提案されている(特許文献1を参照)。この管継手は、金属製の配管を接続可能な管継手に対し弾性接続金具を介して連結される樹脂製の配管を接続可能なものである。前記弾性接続金具は、金属製の配管を接続する管継手のフランジと、樹脂製の配管を接続する管継手のフランジ部とを連結するようになっている。この樹脂製配管を接続する管継手のフランジ部は金属により形成され、樹脂製の配管を接続可能な樹脂製の本体部にインサート成形によって一体化されている。そして、金属製配管を接続する管継手と樹脂製配管を接続する管継手とが弾性接続金具により強固に連結されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−138980号公報(第2頁〜第4頁)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された従来の管継手においては、樹脂製配管を接続する管継手のフランジ部は金属により形成されているが、そのフランジ部を形成する凹部の一部(フランジ部と対向する側壁部分)が樹脂製の本体部の一部によって形成されている(特許文献1の図1)。このため、金属製配管を接続する管継手のフランジと樹脂製配管を接続する管継手のフランジ部とを弾性接続金具(連結金具)で連結するとき、該弾性接続金具で凹部の一部を形成する樹脂部分が損傷を受けやすい。さらに、樹脂製の本体部が外端側では外部に露出する構造となっていることから、外力によって損傷を受けやすく、樹脂製の本体部の強度が低下するという問題があった。
【0005】
そこで本発明の目的とするところは、連結金具が装着される凹部を形成する部位が損傷を受けることを防止し、該部位の強度を維持することができる継手を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、請求項1に係る発明の継手は、樹脂製配管が接続される第1継手と水栓器具又は金属製配管が接続される第2継手とが、第1継手の第1フランジ部と第2継手の第2フランジ部とを連結金具で連結することにより一体化されている。そして、前記第1継手には第1フランジ部を形成する凹部が設けられる接続部材を備え、該接続部材を金属で構成すると共に、接続部材が樹脂製の第1継手本体に対してインサート成形法により一体化されていることを特徴とする。
【0007】
請求項2に係る発明の継手は、請求項1において、前記接続部材と第1継手本体との間には凹凸部が噛み合うように形成されていることを特徴とする。
請求項3に係る発明の継手は、請求項1又は請求項2において、前記接続部材の凹部において第1フランジ部に対向する側壁の開口端部には開口部が広くなるように傾斜する傾斜面が形成されていることを特徴とする。
【0008】
請求項4に係る発明の継手は、請求項1から請求項3のいずれか1項において、前記接続部材の内周部は第1継手本体内に埋設されて構成されていることを特徴とする。
請求項5に係る発明の継手は、請求項1において、前記接続部材の内周部には第1継手本体の連結部が貫通形成されていることを特徴とする。
【0009】
請求項6に係る発明の継手は、請求項1から請求項5のいずれか1項において、前記第1継手本体はエンジニアリングプラスチックにより形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る発明の継手では、樹脂製配管が接続される第1継手と水栓器具又は金属製配管が接続される第2継手とが、第1継手の第1フランジ部と第2継手の第2フランジ部とを連結金具で連結することにより一体化されて構成されている。そして、第1継手には第1フランジ部を形成する凹部が設けられる接続部材を備え、該接続部材が金属で構成されている。このため、接続部材は従来の樹脂に比べて強固に形成され、連結金具を第1フランジ部及び第2フランジ部に装着するときに接続部材が傷付くことを抑えることができる。さらに、接続部材は樹脂製の第1継手本体に対してインサート成形法により一体化されていることから、接続部材が第1継手本体に対して強固に保持される。
【0011】
従って、本発明の継手によれば、連結金具が装着される凹部を形成する部位が損傷を受けることを防止し、該部位の強度を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1実施形態における継手を分解して示す半断面図。
【図2】(a)は接続部材を示す半断面図、(b)はその接続部材を示す側面図。
【図3】(a)は連結部材としてのクイックファスナーを示す斜視図、(b)は図3(a)の3b−3b線における断面図。
【図4】第1継手に樹脂製配管を途中まで差し込んだ状態を示す継手の半断面図。
【図5】第1継手に対して樹脂配管の差し込みが完了した状態を示す継手の半断面図。
【図6】第1継手と第2継手とをクイックファスナーで連結した状態を示す継手の半断面図。
【図7】(a)は本発明の第2実施形態における継手を示す半断面図、(b)は図7(a)の7b−7b線における断面図、(c)は接続部材を示す半断面図。
【図8】第1継手の別例を示す半断面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態を図1〜図6に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態の継手10は、樹脂製配管11が接続される第1継手12と水栓器具13又は金属製配管が接続される第2継手14とが、第1継手12の第1フランジ部15と第2継手14の第2フランジ部16とを突き合せた状態で連結金具としてのクイックファスナー17で連結することにより一体化されて構成されている。図1は継手10の組付け前の状態を示し、図6は組付け後の状態を示している。
【0014】
まず、第1継手12について説明する。この第1継手12は樹脂製配管11を差し込むだけで接続できるワンプッシュ式の継手である。図1に示すように、第1継手12を構成する第1継手本体18はエンジニアリングプラスチックにより形成され、外周部に位置する真鍮、青銅(砲金)等の金属製の接続部材19をインサートとするインサート成形法により形成されている。インサート成形では、金型内の所定位置に接続部材19を配置した状態で、第1継手本体18を形成する溶融樹脂を射出した後、冷却することによって行われる。従って、第1継手本体18は接続部材19の外形形状に倣った形状に成形されると共に、接続部材19の内周部が第1継手本体18内に埋設されて埋設部19aとなっている。
【0015】
この場合、接続部材19の第1フランジ部15側の内周面には凹凸部20としての内周側凹凸部21が設けられ、その内周側凹凸部21により第1継手本体18の外周面に凹凸部20としての外周側凹凸部22が内周側凹凸部21に噛み合うように形成される。また、接続部材19は凹部34から外周側を外端方向へ延びる延出部19bを有しており、該延出部19bにより第1継手12の外周部の損傷を抑制するように構成されている。第1継手12の内端側の外周面には一対の円環状をなす環状溝23が凹設され、各環状溝23にはそれぞれゴム製のOリング24が嵌着されている。これらのOリング24により、第1継手本体18の外周面と後述する第2継手本体25の内周面との間が止水されるように構成されている。
【0016】
第1継手本体18には第1継手12の軸線方向xの内側へ内筒部26が延出され、該内筒部26の外周には樹脂製配管11の差込空間27を形成し、接続部材19内周の雌ねじ部28に雄ねじ部29が螺合固定された外筒体30が同心円状に設けられている。前記内筒部26の外周面には、一対の凹溝31が軸線方向xに所定間隔をおいて設けられ、両凹溝31にはそれぞれ樹脂製配管11と接触して止水するためのゴム製のシールリング32が嵌着されている。これら2つのシールリング32により、内筒部26の外周面と樹脂製配管11の内周面との間の止水性が高められている。第1継手本体18の内周には、水が流通する流通孔33が形成されている。
【0017】
図2(a)及び(b)に示すように、接続部材19の内端側外周面には第1フランジ部15を形成する凹部34が設けられ、該凹部34において第1フランジ部15に対向する側壁35の開口端部には開口部が広くなるように傾斜する傾斜面36が形成されている。この傾斜面36により、クイックファスナー17の装着が容易になると共に、クイックファスナー17の装着時に前記側壁35の開口端部が傷付けられないようになっている。第1フランジ部15の外周部両端縁は断面円弧状に形成され、クイックファスナー17が円滑に装着されるようになっている。接続部材19の外端側内周面は前記内端側内周面よりも拡径され、そこに前記雌ねじ部28が螺設されている。
【0018】
図1に示すように、前記外筒体30の外端外周面には雄ねじ部位37が形成され、キャップ38内周面の雌ねじ部位39が螺合されて外筒体30にキャップ38が連結されている。キャップ38の外端部内周には、樹脂製配管11が差込空間27へ差し込まれる開口40が設けられている。また、外筒体30は透明樹脂で形成され、その外筒体30を通して差込空間27内を覗き込むことができるようになっている。
【0019】
外筒体30の外端面とキャップ38の内周面との間には、ステンレス鋼等の金属で形成された抜け止めリング41が介装されている。抜け止めリング41の内周部には抜け止め片41aが斜め方向に突出形成され、樹脂製配管11の外周部に食い込んで樹脂製配管11の抜け止めを行うようになっている。この抜け止めリング41とキャップ38の内周の第1傾斜面43との間には、割りリング44が介在され、抜け止め片41aの傾斜角度を保持するように構成されている。
【0020】
該割りリング44の外端部には、キャップ38の第1傾斜面43と同じ傾斜角度をもつ第2傾斜面45が設けられ、樹脂製配管11に加えられる引き抜き方向への力により抜け止め片41aを介して割りリング44が軸線方向xの外端側へ力を受けたとき、割りリング44を縮径させるように構成されている。そして、割りリング44の内周面に設けられた締付面46が樹脂製配管11の外周面を締付けて保持するようになっている。
【0021】
前記割りリング44の内周には、樹脂製配管11の先端面に押圧されて樹脂製配管11の差し込みを案内する差込ガイド47が配置されている。この差込ガイド47はその一部が切断、除去されてCリング状に形成され、拡縮可能に構成されている。この差込ガイド47の外端面は樹脂製配管11の先端面が当接する平坦面となり、内端部は外周端縁及び内周端縁が断面円弧状に形成されて差込空間27内を円滑に進行できるようになっている。
【0022】
前記差込ガイド47の外径は樹脂製配管11の外径と同一又は若干大きく形成され、その内径は内筒部26の外径より若干大きく形成されている。割りリング44の内周面には、抜け止め用段差48が設けられ、該抜け止め用段差48に差込ガイド47の外端の外周部が係合され、差込ガイド47が抜け止め保持されるようになっている。
【0023】
前記第1継手本体18、外筒体30、キャップ38、割りリング44、差込ガイド47等は、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等の剛性を有する合成樹脂(エンジニアリングプラスチック)によって形成されている。また、樹脂製配管11は、ポリオレフィン(架橋ポリエチレン、ポリブテン等)等の合成樹脂により形成されている。
【0024】
次に、第2継手14について説明する。第2継手14を構成する第2継手本体25は金属により形成され、その内端部には第2フランジ部16が突設されている。この第2フランジ部16の外端側には、該第2フランジ部16を形成する環状の凹状部49が設けられ、クイックファスナー17が装着されるようになっている。第2継手本体25内には外端側に小径孔50が設けられると共に、内端側にその小径孔50に連通される大径孔51が設けられ、該大径孔51には第1継手本体18の内端部が嵌入されるように構成されている。
【0025】
第2継手本体25の外端部外周には雄ねじ52が螺刻され、水栓器具13等に螺合接続されるようになっている。そして、図6に示すように、第1継手12に樹脂製配管11が接続され、第2継手14が水栓器具13に接続された後に第1継手12の内端部が第2継手14の大径孔51に嵌合される。その状態でクイックファスナー17を第1継手12の第1フランジ部15と第2継手14の第2フランジ部16に被せることにより、第1継手12と第2継手14とが連結されるようになっている。
【0026】
上記クイックファスナー17について説明すると、図3(a)及び(b)に示すように、クイックファスナー17は、ばね性を有する金属からなる板材を左右対称に曲げることにより、先端部間に開口された口部53を有するほぼΩ状に形成されている。該クイックファスナー17の周面上には等間隔おきにヒンジ部54が断面コの字状に折曲形成され、両開口端部にはガイド片55がそれぞれ斜め外方へ広がるように折曲形成されている。また、クイックファスナー17の両側壁には挟持孔56がヒンジ部54を避けて周方向に延びるように透設されている。
【0027】
そして、第1継手12の第1フランジ部15と第2継手14の第2フランジ部16を突き合わせた状態で、クイックファスナー17の挟持孔56に第1フランジ部15及び第2フランジ部16が挟持されるようにガイド片55側からクイックファスナー17を装着するようになっている。この場合、第1フランジ部15と第2フランジ部16の合計の幅は挟持孔56の幅とほぼ同じになるように設定され、第1フランジ部15及び第2フランジ部16がクイックファスナー17で連結固定されるように構成されている。
【0028】
次に、以上のように構成された継手10についてその作用を説明する。
さて、図4に示すように、樹脂製配管11をキャップ38の開口40から差し込むと、樹脂製配管11の先端面が差込ガイド47の外端面に当たり、さらに樹脂製配管11を差し込むと、差込ガイド47が樹脂製配管11の差し込みを案内する。そして、差込ガイド47及び樹脂製配管11は抜け止めリング41の抜け止め片41aの内周側を通過すると共に、一対のシールリング32の外周側を通過する。このとき、差込ガイド47は拡縮可能に形成されているため、差込ガイド47が抜け止め片41aに摺接して抜け止め片41aを徐々に拡径させると同時に、差込ガイド47自身は縮径して円滑に通過する。引き続き、図5に示すように、樹脂製配管11をさらに差し込むと、差込ガイド47が差込空間27の最も奥まで進行して止まり、樹脂製配管11の差し込みが完了する。
【0029】
一方、図6に示すように、第2継手14の雄ねじ52は水栓器具13の雌ねじに螺合される。その状態で、第1継手本体18の内端部を第2継手14の大径孔51に嵌入することにより、第1継手12の第1フランジ部15と第2継手14の第2フランジ部16とが突き合わされる。このとき、第1継手本体18の外周面と第2継手本体25の内周面との間が、一対のOリング24によって止水される。この状態で、突き合わされた第1フランジ部15及び第2フランジ部16に対してクイックファスナー17を装着する。すなわち、クイックファスナー17の両ガイド片55を第1フランジ部15及び第2フランジ部16を跨ぐようにして第1フランジ部15及び第2フランジ部16に嵌め込むと、第1フランジ部15及び第2フランジ部16がクイックファスナー17の挟持孔56に入り込んで挟着される。このようにして、第1継手12と第2継手14とがクイックファスナー17により強固に連結される。
【0030】
以上の第1実施形態によって発揮される効果について、以下にまとめて説明する。
(1) 本実施形態の継手10では、樹脂製配管11が接続される第1継手12と水栓器具13が接続される第2継手14とが、第1継手12の第1フランジ部15と第2継手14の第2フランジ部16とを連結金具としてのクイックファスナー17で連結することにより一体化されて構成されている。
【0031】
そして、第1継手12には第1フランジ部15を形成する凹部34が設けられている接続部材19を備え、該接続部材19が十分な厚みを有する金属で構成されている。このため、接続部材19は従来の樹脂に比べて強固に形成され、クイックファスナー17を第1フランジ部15及び第2フランジ部16に装着するときに接続部材19が傷付くことを抑制することができる。さらに、接続部材19はエンジニアリングプラスチック製の第1継手本体18に対してインサート成形法により一体化されていることから、接続部材19が第1継手本体18に対して強固に保持される。
【0032】
従って、本実施形態の継手10によれば、クイックファスナー17が装着される凹部34を形成する側壁35が損傷を受けることを防止し、該側壁35の強度を維持することができる。
【0033】
(2) 接続部材19の内周面と第1継手本体18の外周面との間には凹凸部20が噛み合うように形成されていることにより、接続部材19を第1継手本体18に対して強固に連結させることができる。
【0034】
(3) 接続部材19の凹部34において第1フランジ部15に対向する側壁35の開口端部には開口部が広くなるように傾斜する傾斜面36が形成されている。このため、クイックファスナー17を第1フランジ部15及び第2フランジ部16に容易に装着することができると同時に、その際に凹部34を形成する側壁35に損傷を与えることを抑制することができる。
【0035】
(4) 接続部材19の内周部は第1継手本体18内に埋め込まれて埋設部19aとなっていることにより、接続部材19を第1継手本体18に対して強固に保持することができる。
【0036】
(5) 第1継手本体18はエンジニアリングプラスチックで形成されていることにより、第1継手12の剛性を高めることができ、継手10を頑丈なものにすることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を図7に基づいて説明する。なお、この第2実施形態では第1実施形態と異なる部分について説明し、同一部分については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0037】
図7(b)及び(c)に示すように、接続部材19の内端側内周部には周方向に90度間隔で4箇所に貫通孔60が透設されている。この貫通孔60は少なくとも1箇所に設けられておればよく、1〜4箇所に設けられていることが好ましい。該貫通孔60よりも内周部には凹凸のない円孔61が穿設されている。なお、この第2実施形態の接続部材19では、第1実施形態の接続部材19の内周側凹凸部21による凹凸部20は設けられていない。
【0038】
そして、図7(a)及び(b)に示すように、インサート成形において、金型内に接続部材19を配置した状態で第1継手本体18を形成する溶融樹脂を射出し、冷却することにより、貫通孔60及び円孔61に流れ込んだ溶融樹脂が接続部材19の挟持部62を包み込むようにして第1継手本体18の連結部63が形成される。
【0039】
従って、第2実施形態の継手10によれば、第1継手本体18の連結部63が接続部材19の挟持部62を囲んで保持しているため、接続部材19を第1継手本体18に対して一層強固に保持することができる。
【0040】
なお、本実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 第2継手14を図8に示すように、前記雄ねじ52に代えて第2継手本体25の内周面に雌ねじ57を形成して構成することもできる。そして、この雌ねじ57に金属製配管58などが接続されるようになっている。なお、この雌ねじ57部分の内径と内端側の孔59の内径とはほぼ同じになるように構成されている。
【0041】
・ 連結金具として、第1フランジ部15及び第2フランジ部16を掴んで締付け保持するクランプなどを用いることもできる。
・ 接続部材19の内周側凹凸部21と第1継手本体18の外周側凹凸部22とで構成される凹凸部20の断面形状を、断面円弧状、断面台形状等に形成することもできる。
【0042】
・ 接続部材19の側壁35の傾斜面36を断面円弧状等に変更することも可能である。
・ 接続部材19の埋設部19aを、内周側が幅広になるように構成することも可能である。
【0043】
・ 前記Oリング24又はシールリング32を、扁平状のものや異形形状のものに変更し、止水性を高めるように構成することもできる。
・ 接続部材19及び第2継手14の材質として、ステンレス鋼等を用いることもできる。
【0044】
さらに、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
(イ) 前記接続部材は凹部から外周側を外端方向へ延びる延出部を有していることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の継手。このように構成した場合、請求項1から請求項6のいずれかに係る発明の効果に加えて、延出部により第1継手の外周部の損傷を抑制することができる。
【0045】
(ロ) 前記第1継手はワンプッシュ式の継手であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の継手。このように構成した場合、請求項1から請求項6のいずれかに係る発明の効果に加えて、第1継手に対する樹脂製配管の接続を容易かつ速やかに行うことができる。
【符号の説明】
【0046】
10…継手、11…樹脂製配管、12…第1継手、13…水栓器具、14…第2継手、15…第1フランジ部、16…第2フランジ部、17…連結金具としてのクイックファスナー、18…第1継手本体、19…接続部材、19a…埋設部、20…凹凸部、21…内周側凹凸部、22…外周側凹凸部、34…凹部、35…側壁、36…傾斜面、58…金属製配管、63…連結部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂製配管が接続される第1継手と水栓器具又は金属製配管が接続される第2継手とが、第1継手の第1フランジ部と第2継手の第2フランジ部とを連結金具で連結することにより一体化された継手であって、
前記第1継手には第1フランジ部を形成する凹部が設けられる接続部材を備え、該接続部材を金属で構成すると共に、接続部材が樹脂製の第1継手本体に対してインサート成形法により一体化されていることを特徴とする継手。
【請求項2】
前記接続部材と第1継手本体との間には凹凸部が噛み合うように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の継手。
【請求項3】
前記接続部材の凹部において第1フランジ部に対向する側壁の開口端部には開口部が広くなるように傾斜する傾斜面が形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の継手。
【請求項4】
前記接続部材の内周部は第1継手本体内に埋設された埋設部となっていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の継手。
【請求項5】
前記接続部材の内周部には第1継手本体の連結部が貫通形成されていることを特徴とする請求項1に記載の継手。
【請求項6】
前記第1継手本体はエンジニアリングプラスチックにより形成されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の継手。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−99499(P2011−99499A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−254067(P2009−254067)
【出願日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【出願人】(000128968)株式会社オンダ製作所 (31)
【Fターム(参考)】