説明

緊急データ保存サービス

コンピュータシステム上のデータバックアッププロセスを開始する方法及びシステムが説明される。1つの方法は、バックアップされるべきデータが特定されることを要求する。コンピュータシステムが、バックアップトリガイベントの発生に関して監視される。トリガが発生するとデータバックアッププロセスが開始される。

【発明の詳細な説明】
【分野】
【0001】
[0001]本明細書に記載の実施形態は、概してデジタル情報の保存に関し、より具体的には切迫した又は緊急の場合のデジタル情報の自動的バックアップに関する。
【関連技術】
【0002】
[0002]デジタルデータの便利な点の1つは、デジタルデータの操作の容易性である。コンピュータシステム内のファイルは、迅速に及び容易に編集、移動、複製、及び削除されることができる。残念なことに、デジタルデータは同様に非常に喪失しやすい。1つの命令の打ち間違い、ウィルスに感染したファイル、又はハードドライブの故障は、それぞれが価値がある可能性がある数千のファイルを消し去るのに十分である。
【0003】
[0003]少なくとも3つの要因が、電子的に記憶されたデータの価値に影響を与える。データがコンピュータに入力されるのに多くの時間を必要とした場合、そのデータの喪失は、そのデータを再作成するためにさらに時間が費やされなければならなくなることを意味する。例えば、企業は、それらの企業の納入業者の情報のすべてが記憶されるデータベースを有する可能性がある。データベースを含むハードドライブがクラッシュする場合、たとえそのデータベースを再作成することが可能であるとしても、そのような再作成を行うことは多大な時間を要する。
【0004】
[0004]一部のファイルは、関連する金銭的コストを有する。一部の小規模なソフトウェア会社は、ユーザがインターネットを介したダウンロード用のソフトウェアを購入することができるようにする。それらのファイルがウィルスによって破壊され、再購入されなければならない場合、それらのファイルの喪失は、それらのファイルを購入するために使用された金銭の損失を表す。
【0005】
[0005]本当にただ1つしかないファイルもあり、それらのファイルの喪失は最も損害が大きい可能性がある。歴史的な出来事のデジタル画像、又は何年にもわたるビジネス上のやりとりの電子メールの記録は再作成されることができず、再購入されることができない。いったんただ1つのデータが失われると、どれだけの時間又は金銭を費やしてもその2つとないデータを復元することはできない。
【0006】
[0006]デジタル情報の保存の問題に対する1つの解決策は、その情報を別の場所に記憶すること、すなわち、データを「バックアップする」、又はバックアップを作成すると表現されることが多いプロセスである。しかし、総じてバックアッププロセスは不便である。場合によっては、バックアップは、大量のフロッピーディスク又は第2のハードドライブなどの別の場所にファイルを手動で複製するという、時間を要するプロセスによって作成される。その他の場合、自動バックアップソフトウェアが、バックアップを作成するために使用される。そのようなソフトウェアは、せいぜい特定の時間に開始するように設定されることぐらいしかできず、特定の時間に始動することはその所与の時間にコンピュータを使用しようとする人にとっては不都合である可能性がある。さらに、これらの自動バックアッププロセスは動作が遅い。多くの場合、何らかのデータがバックアップされる前にソフトウェアがコンピュータシステムを調べている間に数分が経過する。
【0007】
[0007]従来技術のバックアップシステムはすべて予防的であり、少しでも意味を持つためには、それらのバックアップシステムは何らかの実際に危機的状況が起こる前に利用されなければならない。そのようなシステムは、重要なデータを直ちにバックアップすることによって状況に対応することができない。既存のシステムは、重要なデータをバックアップする必要があるかどうかを判定することもできない。
【概要】
【0008】
[0008]緊急データ保存サービスを実行するための方法及び兆候が説明される。一実施形態において、バックアップイベントトリガが定義され、これらのトリガの発生を検出するためにコンピュータが監視される。トリガが検出される場合、バックアッププロセスが開始されるべきか否かを判定するために衡量的ヒューリスティックが適用される。この実施形態において、バックアッププロセスの自動的な初期化は、従来技術で知られているような単純な時間的トリガに限定されない。例えばハードドライブが故障することを予測するなどといったシステムの故障を予測する可能性があり、システムが温度限度に近付いているかどうかを検出する監視システムイベントにシステム監視ソフトウェアが適用され、及び/又はシステム監視ソフトウェアが手動バックアップがいつ行われるかを決定する。さらに、衡量的テストを適用することによってコンピュータが使用中である間はバックアッププロセスが開始されにくくなるので、コンピュータを使用しようとするユーザに対する不都合が低減される。
【0009】
[0009]別の実施形態において、バックアッププロセスが開始される前にバックアップされるべきデータが特定される。コンピュータがバックアップイベントトリガに関して監視され、検出されるとバックアッププロセスが開始される。バックアッププロセスが開始する前に保存されるべきデータを突き止めることによって、低速なバックアッププロセスという従来技術の問題が大幅に軽減される。
概して、本明細書は、コンピュータシステム上のデータバックアッププロセスを開始する方法及びシステムを開示する。
1つの方法は、バックアップされるべきデータが特定されることを要求する。コンピュータシステムは、バックアップトリガイベントの発生に関して監視される。トリガが発生するとデータバックアッププロセスが開始される。
【0010】
[0011]本明細書の一部に組み込まれ、本明細書の一部を形成する添付の図面は、本発明の実施形態を例示し、記述と共に本発明の原理を説明するために働く。
【詳細な説明】
【0011】
[0019]緊急データ保存サービスを提供するための方法及びシステムが説明される。ここで、本発明のいくつかの実施形態に対して詳細な参照がなされる。本発明が(1つ又は複数の)代替実施形態に関連して説明されるが、それらの代替実施形態は本発明をこれらの実施形態に限定するように意図されていないことが理解されるであろう。それどころか、本発明は、添付された特許請求の範囲によって定義された本発明の精神及び範囲に含まれることができる代替形態、修正形態、及び均等物を包含するように意図される。
【0012】
表記及び用語
[0020]さらに、本発明の以下の詳細な説明において、本発明の完全な理解をもたらすために多くの具体的な詳細が説明される。しかし、本発明がこれらの具体的な詳細なしに、又はそれらの均等物を用いて実施され得ることが当業者によって認識されるであろう。その他の場合、本発明の態様を不必要に曖昧化しないように、よく知られている方法、プロシージャ、コンポーネント、及び回路は詳細に説明されていない。
【0013】
[0021]以下に続く詳細な説明の部分は、方法の観点で示され、検討される。ステップ及びそれらのステップの順序付けがこの方法の動作を説明する本明細書の図(例えば、図3、5、及び6)に開示されるが、そのようなステップ及び順序付けは典型的である。本発明の実施形態は、様々なその他のステップ、又は本明細書の図のフローチャートに記載のステップの変更形態を実行すること、及び本明細書に記載され、説明される順番とは異なる順番で実行することによく適する。
【0014】
[0022]以下に続く詳細な説明の一部は、プロシージャ、ステップ、論理ブロック、処理、及びコンピュータメモリ上で実行されることができるデータビットに対する操作のその他の象徴的表現の観点で示される。これらの記述及び表現は、データ処理技術に精通した者によって、それらの者の業績の内容を他の当業者に最も効果的に伝えるために使用される手段である。プロシージャ、コンピュータによって実行されるステップ、論理ブロック、プロセスなどは、本明細書においては、概して所望の結果をもたらす自己矛盾のない一連のステップ又は命令であると考えられる。ステップとは、物理量の物理的操作を必要とするステップである。必ずではないが通常は、これらの量は、記憶、転送、組合せ、比較、及びコンピュータシステムにおけるその他の操作を行われることができる電気的又は磁気的信号の形態を取る。これらの信号をビット、値、要素、シンボル、文字、語、数などと呼ぶことが、主に共通使用のために便利であることがあることが分かっている。
【0015】
[0023]しかし、これらの及び同様の用語のすべては適切な物理量に関連付けられるべきであり、これらの量に付される便宜的なラベルであるに過ぎないことに留意されたい。以下の検討から明らかなように、別途具体的に示されない限り、本発明の全体を通じて、「アクセスする」、「書き込む」、「含む」、「試験する」、「使用する」、「詳しく検討する」、「関連付ける」、「特定する」などの用語を利用する検討は、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内で物理(電子的)量として表されるデータを操作し、コンピュータシステムのメモリ、又はレジスタ、又はその他のそのような情報記憶、送信、若しくは表示デバイス内で同様に物理量として表されるその他のデータに変換するコンピュータシステム、又は同様の電子的コンピューティングデバイスの動作及びプロセスに言及することが理解される。
【0016】
典型的コンピュータシステム及びネットワーク
[0024]ここで図1を参照すると、典型的なコンピュータシステム112の構成図が示される。本明細書において説明されるコンピュータシステム112は、本発明の実施形態が実装されることができる動作プラットフォームの典型的な構成を示すことが理解される。しかし、異なる構成を有するその他のコンピュータシステムが、本発明の範囲内でコンピュータシステム112の代わりに使用されることもできる。すなわち、コンピュータシステム112は、図1に関連して説明される要素以外の要素を含むことができる。例えばいくつかの実施形態において、システム112の代わりにメディアサーバ又はパーソナルビデオレコーダ(PVR)が利用される。別の実施形態において、システム112は、ネットワーク接続ストレージ(NAT)に接続される。さらに、本発明は、コンピュータシステム112のようなコンピュータシステムだけでなく、本発明が実施されることを可能にするように構成されることができる任意のシステム上で実施されてもよい。
【0017】
[0025]コンピュータシステム112は、情報を伝達するためのアドレス/データバス100と、情報及び命令を処理するための、バス100に結合された中央演算処理装置101と、中央演算処理装置101のための情報及び命令を記憶するための、バス100に結合された揮発性メモリユニット102(例えば、ランダムアクセスメモリ[RAM]、スタティックRAM、ダイナミックRAMなど)と、処理装置101のための静的な情報及び命令を記憶するための、バス100に結合された不揮発性メモリユニット103(例えば、読み出し専用メモリ[ROM]、プログラマブルROM、フラッシュメモリなど)とを含む。コンピュータシステム112は、コンピュータのユーザに情報を表示するための、バス100に結合された任意的なディスプレイデバイス105も含んでもよい。さらに、コンピュータシステム112は、情報及び命令を記憶するためのデータ記憶装置104(例えば、ディスクドライブ)も含む。
【0018】
[0026]さらにコンピュータシステム112に含まれるのは、任意的な英数字入力デバイス106である。デバイス106は、情報及び命令の選択を中央演算処理装置101に伝達することができる。コンピュータシステム112は、ユーザ入力情報及び命令の選択を中央演算処理装置101に伝達するための、バス100に結合された任意的なカーソル制御又は指示デバイス107も含む。コンピュータシステム112は、バス100に結合され、シリアルポートでもよい信号通信インターフェース(入力/出力デバイス)108も含む。通信インターフェース108は、無線通信メカニズムも含んでもよい。通信インターフェース108を使用して、コンピュータシステム112は、インターネット又はイントラネット(例えば、ローカルエリアネットワーク)などの通信ネットワークを介してその他のコンピュータシステムに通信可能に結合されてもよい。
【0019】
[0027]本発明の実施形態は多くの異なる種類のコンピュータシステム112上で実施可能であることが理解される。例は、デスクトップコンピュータ、ワークステーション、サーバ、メディアサーバ、ラップトップ、ゲーム機、及び携帯情報端末(PDA)、並びに無線電話、メディアセンタコンピュータ、デジタルビデオレコーダ、デジタルカメラ、及びデジタルオーディオ再生又は録音デバイスなどのコンピューティング機能及びデータ記憶機能を備えたその他の電子デバイスを含むがこれらに限定されない。
【0020】
[0028]ここで図2を参照すると、本発明の実施形態が実装されることができる典型的なコンピュータネットワークの構成図が示される。コンピュータシステム112がネットワーク接続202を介してサーバ212と通信することが示されている。ネットワーク接続202は、システム112とサーバ212の間のデータ転送を可能にする任意の手段であってもよい。一実施形態において、ネットワーク接続202はローカルエリアネットワーク(LAN)である。そのような実施形態において、システム112及びサーバ212は、同じオフィス内など、互いに近くに配置されてもよい。別の実施形態において、ネットワーク接続202はインターネットであり、サーバ212はシステム112に物理的に近く配置される必要はない。別の実施形態において、ネットワーク接続202は無線接続である。別の実施形態において、ネットワーク接続202は、直接接続、例えばユニバーサルシリアルバス(USB)接続である。その他の実施形態では、システム112とサーバ212の間が他の通信方法でもよい。その他の実施形態では間接的な通信でもよく、例えば、システム112はファイアウォールの後ろにある。一部の実施形態において、複数のシステム112は単一のサーバ212に接続してもよい。一部の実施形態において、単一のシステム112が複数のサーバ212に接続することができる。さらなる一連の実施形態において、単一のコンピュータシステムが、例えば、データをバックアップするために別個のハードドライブを利用することによってシステム112及びサーバ212の両方の役割を果たしてもよい。
【0021】
[0029]図2において、コンピュータシステム112はシステム監視ソフトウェア250を実行するように示される。一実施形態において、システム監視ソフトウェア250は、3つの役割、すなわち、コンピュータシステム112上に記憶されたデータをバックアップのために準備することと、コンピュータシステム112をバックアップイベントトリガに関して監視することと、データをネットワーク接続202を介してサーバ212に送信することによってコンピュータ112上に記憶されたデータをバックアップすることとを実行することができる。これら3つの役割を、本発明のさらなる典型的な実施形態に関連して以下でより詳細に説明する。
【0022】
[0030]一部の実施形態において、コンピュータシステム112は、任意的な環境モニタ251に結合される。そのような実施形態において、環境モニタ251は、システム112の周囲の環境の状態についてシステム112に情報を提供する1つの検出器又は一連の検出器である。一実施形態において、環境モニタ251は、システム112の周辺への不正侵入を監視するセキュリティシステム、例えば住居侵入監視システムである。別の実施形態において、環境モニタ251は火災を検出し、例えば、煙感知器である。
【0023】
[0031]一部の実施形態において、コンピュータシステム112は、任意的な無停電電源装置(UPS)252に結合される。そのような実施形態において、システム112は、たとえ通常の電力が止まった場合、例えば、システム112が存在するオフィスに電力を供給する電線が切られた後であっても、限られた時間、UPS252から電力を受け取る。一実施形態において、UPS252は外部ユニットである。別の実施形態において、UPS252はシステム112に組み込まれる。一実施形態において、システム112は、通常の電力が止まり、UPS252が電力を供給しているときを検出する。
【0024】
[0032]一部の実施形態において、コンピュータシステム112は、ハードウェアの故障を予測可能なイベントを検出するために使用する任意的なハードウェア監視センサ260を組み込む。いくつかのそのような実施形態において、ハードウェア監視センサ260はデータ記憶装置104の近くに配置される。一実施形態において、ハードウェア監視センサ260は、音声感知コンポーネント、例えばマイクロホンを含む。別の実施形態において、ハードウェア監視センサ260は、温度感知コンポーネント、例えば熱電対又は温度センサを含む。一実施形態において、ハードウェア監視センサ260はシステム112に結合され、検出された示度はシステム監視ソフトウェア250が利用でき、システム監視ソフトウェア250はセンサ260からの信号に基づいてバックアップイベントトリガを生成することができる。
【0025】
[0033]図2において、サーバ212はバックアップ管理ソフトウェア290を実行するように示される。一実施形態において、バックアップ管理ソフトウェア290は、4つの役割、すなわち、コンピュータシステム112を監視することと、特定の状況下でコンピュータシステム112のバックアップを開始することと、コンピュータシステム112から送信されたデータを取り出し可能に記憶することと、必要に応じてコンピュータシステム112に情報を復元することとを有する。これら4つの役割を、本発明のさらなる典型的実施形態に関連して以下でより詳細に説明する。一部の実施形態において、バックアップ管理ソフトウェア290は、例えば、ネットワーク接続202を介して情報を収集及び転送することによってリモートでこれらの役割を実行する。その他の実施形態において、バックアップ管理ソフトウェア290は部分的にシステム112上で実行され、これらの役割をローカルで実行する。その他の実施形態において、これら2つのアプローチの組合せが利用される。
【0026】
クライアントの動作−システム監視ソフトウェア
[0034]ここで図3を参照すると、本発明の一実施形態によるシステム監視ソフトウェア250の動作のフローチャート300が示されている。ステップ310において、システム監視ソフトウェア250はデータ保存準備タスクを実行する。ステップ320において、システム監視ソフトウェア250は、クライアントシステム、すなわちシステム112をバックアップイベントトリガに関して監視する。バックアップイベントトリガが検出される場合、ステップ330において、システム監視ソフトウェア250はバックアッププロセスを開始する。
【0027】
データ保存の準備
[0035]本発明の一実施形態によれば、システム112からサーバ212へのデータのバックアップが迅速で効率的に進行するために、ステップ310において、データに対していくつかのバックアップ前操作が実行される。示した実施形態において、これらのデータ保存準備タスクは、システム112上で継続的に実行される。この実施形態において、システム112上で新しいデータが作成又は記憶されるとき、システム監視ソフトウェア250は、次のバックアップイベントトリガが検出されたときにバックアッププロセスを迅速に処理するために、バックアップのためにこのデータを準備するように働く。他の実施形態において、データ保存準備タスクは、指定された時間に、又はシステム112がアイドル状態に入ったときなどの指定された条件の下で行われる。その他の実施形態において、データ保存準備タスクは、ネットワーク接続202を介してデータを送信する直前にのみ実行される。いくつかの実施形態において、これらのアプローチの組合せが利用される。例えば、一実施形態において、優先度の高いデータはそのデータがシステム112に記憶された直後にデータ保護の準備をされなければならない一方、重要性の低いデータはシステムが特定の期間アイドル状態であった後にのみ準備される。
【0028】
[0036]いくつかの操作がデータ保存の準備の範囲に入る。一実施形態において、そのような操作の一つはデータの圧縮である。別の実施形態において、データは暗号化される。別の実施形態において、データは優先レベルを割り当てられる。別の実施形態において、データはハードディスク上でソートされ、バックアップ中のアクセス時間を高速化するために配列される。別の実施形態において、データは、バックアップ中のアクセス時間を高速化するためにハードドライブの別個の領域又は別のハードドライブに複製される。その他の実施形態では、その他のデータ保存準備タスク又は操作が実行される。どのタスクが実行されるか、及びいつタスクが実行されるべきかに影響を与える主な要因は、バックアップイベントトリガと、システム112からサーバ212へのデータの送信との間に必要な時間を削減したいという要望である。データに関する送信命令、データの圧縮、及びデータストリームの暗号化などの極めて重要なタスクがバックアップイベントトリガが検出される前に処理される場合、そのような検出とデータ送信の開始との間の遅延が非常に小さいことが要求される。
【0029】
データ圧縮
[0037]いくつかの実施形態において、データ圧縮はステップ310の一部である。データ圧縮は、ネットワーク接続202を介して転送されなければならないバイト数を削減することによってバックアッププロセスを高速化する。また、データ複製が利用される実施形態において、以下で検討するように、データ圧縮は、複製データを記憶するためにシステム監視ソフトウェア250によって使用される記憶空間の量を削減する。選択された圧縮ルーチンの種類と、圧縮されているデータのサイズと種類とによっては、データ圧縮(及び解凍)は大量の時間及びプロセッササイクルを必要とする可能性がある。バックアップイベントトリガが検出される前にデータ圧縮が実行される実施形態において、バックアップイベントトリガの検出と、システム112からサーバ212へのデータの送信との間の時間の量は、データが既に圧縮されており、転送の準備がされているので大幅に削減される。
【0030】
[0038]一部の実施形態において、利用されるデータ圧縮の種類は、最初の品質をまったく損なわずにデータ圧縮とその後の解凍とを可能にするいわゆる「可逆」圧縮ルーチンの群から選択される。例えばランレングス符号化などの多くのそのような圧縮ルーチンが当技術分野で知られている。その他の実施形態において、可逆圧縮によって可能である以上のデータ圧縮を可能にするために「不可逆」圧縮ルーチンが使用される。一部の実施形態は、不可逆圧縮ルーチンと可逆圧縮ルーチンの組合せを利用する。そのような実施形態の一つでは、どの種類のデータが損失なしに保存されるべきであるか、及びどれが最初の品質を多少損なってバックアップされることが可能なのかをユーザが選択できる。そのような実施形態において、重要な又は不可欠なデータ、例えば修正されることができないデータは可逆圧縮技術を使用して保存されることができる一方、重要性が低いデータは不可逆技術を使用して圧縮される。
【0031】
[0039]一部の実施形態において、データの圧縮は、データがシステムに入力されるときに行われる。そのような実施形態の一つでは、以下で説明するデータ複製と組み合わされる。この組合せは、システム監視ソフトウェア250がバックアップの準備が整ったデータの完全な圧縮されたコピーを保有することをやはり可能にしながら、データがアクセスされる度にそのデータを解凍する必要なしにユーザがシステム112上に記憶されたそのユーザのデータに無制限にアクセスすることを可能にする。その他の実施形態において、データの圧縮は、例えば毎晩午前0時、又はシステムが15分間アイドル状態であった後など、予め決められた時間、又は予め決められたトリガが発生した後に行われる。その他の実施形態において、選択されたデータのみがそのデータがシステム112に入力されるときに圧縮される一方、その他のデータはそのデータへのローカルアクセスを容易にするために未圧縮のまま残される。そのような実施形態の一つでは、テキストドキュメントは必要に応じてすぐに解凍されることができるのでテキストドキュメントが直ちに圧縮されるが、必要な場合にアクセス可能になるまでに大幅に長い時間を要するマルチメディアファイルは圧縮されない。
【0032】
[0040]その他の実施形態において、データは、バックアップイベントトリガが検出された後でのみ圧縮される。別の実施形態において、圧縮が利用されるか否かは、検出されたバックアップイベントトリガの種類に応じて決まる。一実施形態において、データ圧縮は実行されない。
【0033】
データ暗号化
[0041]一部の実施形態において、データ暗号化はステップ310の一部である。データ暗号化は、転送されているデータが権限のない者によってアクセスされることをずっと難しくすることによってバックアッププロセスをユーザにとってより安全なものにする。サーバ212及びシステム112が異なる主体によって所有され、運用されるいくつかの実施形態において、データ暗号化を含むことは、たとえデータの所有者がサーバ212を管理していないとしてもサーバ212上に記憶されたデータが安全なままであることを保証することができる。
【0034】
[0042]多くの種類のデータ暗号化が当技術分野において知られており、本発明の実施形態に関連して実施されることができる。いくつかの実施形態は、システム監視ソフトウェア250がデータの圧縮及び暗号化を両方同時に行うようにデータ圧縮とデータ暗号化とを組み合わせる。一部の実施形態において、データ暗号化は、データがシステム112に入力されるときに行われる。そのような実施形態の一つでは以下で検討されるデータ複製と組み合わされ、この実施形態においては、データの重複コピーは、その重複コピーが作成されるとき又は作成された直後に暗号化される。その他の実施形態において、データ暗号化は指定された時間に、又は指定されたイベントの後で行われ、例えば、新しいデータは毎日午前0時に、又はシステム112が15分間アイドル状態であった後で暗号化される。その他の実施形態において、選択されたデータのみがそのデータがシステム112に入力されるときに暗号化される一方、その他のデータはユーザのアクセスを容易にするために暗号化されないまま残される。
【0035】
[0043]その他の実施形態において、データは、バックアップイベントトリガが検出された後で暗号化される。その他の実施形態において、データが暗号化されるかどうか、及びどの種類の暗号化を使用するかは、検出されたバックアップイベントトリガの種類に応じて決まる。例えば、検出されたバックアップイベントトリガが差し迫ったハードドライブの故障である場合、ユーザは、データの暗号化に時間を費やし、場合によってはそのデータのすべてを失うよりも、暗号化されていない重要なデータをバックアップすることを望む可能性がある。その他の実施形態では、データ保存の準備の一部としてデータ暗号化は含まれない。
【0036】
優先度
[0044]一部の実施形態において、システム112内に記憶されるデータは、ステップ310の一部として優先レベルを割り当てられる。システム112内に記憶されるすべてのデータが同じ価値であるわけではない。ほとんどのユーザは、たとえその他のファイルを犠牲にしても特定の種類のデータを保存することを望む。システム監視ソフトウェア250を使用して異なるデータに重要性の異なるレベルを割り当てることによって、ユーザは、バックアッププロセスにおいてどのファイルが所与の優先度であるかを決定することができる。
【0037】
[0045]一部の実施形態において、ユーザは優先レベルをファイルに割り当てる。一実施形態において、この割り当ては、ユーザが各ファイルに対して優先レベルを選択するようにしてファイル毎に行われる。別の実施形態において、ユーザは異なる種類のファイルに対して優先レベルを決定し、そのような実施形態において、ユーザは、例えば、映画のデジタルコピーよりもデジタル写真を優先することを選択する可能性がある。別の実施形態において、ユーザはシステム112のファイルシステム内の位置によって優先度を指定し、この実施形態においては、ユーザは、自分の電子メールメッセージのすべてが記憶されるディレクトリにオペレーティングシステムのファイルよりも高い優先度を持たせることを選択する可能性がある。別の実施形態において、ユーザは、どの優先度がファイルに割り当てられるかに関する規則を設定することができ、システム監視ソフトウェア250はそれらの規則に基づいて優先レベルを設定することができる。この実施形態において、ユーザは、あらゆるファイルに優先度を割り当てる必要はないが、例えば、システム監視ソフトウェア250がインストールされたときにそのシステム監視ソフトウェア250を.doc及び.jpgで終わるあらゆるファイルにすべてのその他のファイルよりも高い優先度を与えるように構成する可能性がある。その他の実施形態において、ユーザは異なるやり方で優先度を割り当ててもよい。
【0038】
[0046]その他の実施形態において、システム監視ソフトウェア250はデータに優先度を割り当てる。そのような実施形態の一つにおいて、優先度は、より多くアクセスされるユーザ作成ファイルがより高いレベルの優先度を得るようにしてアクセスの頻度に基づいて割り当てられる。別の実施形態において、システム監視ソフトウェア250は、文書処理ドキュメント及びデジタル写真などのユーザが作成したコンテンツを特定するように、並びにそのようなファイルにオペレーティングシステムのファイルよりも高い優先度を割り当てるように構成される。別の実施形態において、より速くバックアップされることができるより小さなファイルに対してより高い優先度が自動的に割り当てられる。その他の実施形態において、異なるファイル、ファイルの種類、又はファイルシステム内の位置に重要性のレベルを割り当てることに対するその他のアプローチが実行される。
【0039】
[0047]一部の実施形態において、ユーザ及びシステム監視ソフトウェア250の両方がシステム112上のデータに優先レベルを割り当てる。そのような実施形態の一つにおいて、システム監視ソフトウェア250は、上述の規則などの予め設定された規則に基づいて所与のファイルにデフォルトの優先レベルを割り当て、ユーザは、異なる優先レベルを割り当てることを選択することができる。
【0040】
[0048]一部の実施形態において、同じデータに複数の優先レベルが割り当てられる。そのような実施形態の一つにおいて、ユーザは、様々なバックアップイベントトリガが検出される場合に自分のデータがどのように保存されることを望むかに基づいて優先度を割り当てることができる。例えば、ユーザは、定期的バックアップのためにデジタルムービーファイルに高い優先度を割り当てるが、差し迫ったハードウェアの故障によって緊急バックアップが開始される場合には同じファイルに大幅に低い優先レベルを割り当てる可能性がある。このようにして、ユーザは、自分のデータの保護について高い柔軟性を持つ。
【0041】
[0049]本発明の異なる実施形態においては、優先度のシステムが動作する規則は大きく変わる可能性がある。例えば、一部の実施形態において、ユーザは、ファイルの相対的な変化とファイルがどのぐらい重要かとを考慮に入れるように優先度の規則を指定することができ、例えば、既存のファイルに対するわずかな修正は、まったく新しいファイルよりも前のバックアップを使用して再作成することが容易であるという考えの下で、最後にファイルがバックアップされてからほんのわずかしか変わっていない高い優先度のファイルは、以前にバックアップされたことがない低い優先度のファイルよりもユーザにとって重要性が低い可能性がある。同様に、ユーザは、フルバックアップが実行されるべきである場合はある優先レベルをファイルに割り当て、増分バックアップが実行されるときは異なる優先レベルを割り当てることができる。本発明の実施形態は、多くの異なる状況を考慮するために多くの異なる優先度の規則がデータに適用されることを可能にする。
【0042】
[0050]優先度と、様々な優先レベルがバックアッププロセスに対して有する効果とを、さらなる実施形態を参照して以下でより詳細に検討する。
【0043】
ファイル再配置
[0051]一部の実施形態において、システム監視ソフトウェア250は、ステップ310の一部としてシステム112のデータ記憶装置104上のデータを再配列する。バックアッププロセス中、サーバ212上に記憶されるべきあらゆるファイルは、データ記憶装置104上に配置されなければならない。データ記憶装置104が機械的なストレージシステム、例えばハードディスクドライブ(HDD)である実施形態において、バックアップされるべきファイルは、複数のプラッタにわたって様々な位置に散らばっていることが多い。したがって、各ファイル間の移動は時間を要する。データをシークすることによって消費される時間を減らすことに対する1つのアプローチは、バックアップイベントトリガが検出される前にシステム監視ソフトウェア250がデータ記憶装置104上に記憶されたデータを再配列するファイル再配置である。このアプローチを組み込む実施形態を、図4a及び4bを参照して説明する。
【0044】
[0052]ここで図4aを参照すると、データ記憶装置104、すなわちハードディスクドライブの上面図の表現が示される。本発明の実施形態は、本明細書に示される種類のハードディスクドライブだけでなく、多くの異なる種類のデータ記憶装置104に関連して実施可能であることが理解される。HDD104は、回転するプラッタ401、移動するアーム403、及び読み取りヘッド405を有するように示されている。バックアップされるべき複数のファイルは、プラッタ401上にファイル411、412、413、414、415、416、及び417として示されている。これらのファイルをバックアップするために、アーム403は、読み取りヘッド405をそれらのファイルのそれぞれに順番に移動する必要があり、そのプロセスはシークとして知られている。アーム403は、各ファイルを順番にシークしなければならず、各ファイルに到達するために少なくとも7回移動することになる。シークは、バックアッププロセスに余分な時間を加え、ハードドライブが故障しかけている場合には、すべてのファイルがバックアップされる前にハードドライブが完全に故障する可能性があるさらなる負担をコンポーネントに与える。
【0045】
[0053]ここで図4bを参照すると、データ記憶装置104の上面図の表現が、本発明の一実施形態に従って再び示される。この実施形態において、システム監視ソフトウェア250は、ファイル411、412、413、414、415、416、及び417がプラッタ401上で互いに近くに配置されるようにHDD104上のバックアップされるべきファイルを配列するために、ステップ310においてファイル再配置を実行した。バックアップイベントトリガが検出され、これらのファイルがバックアップされる必要がある場合、アーム403は、バックアップされるべきファイルのすべてに到達するためにそれほど何度も又はそれほど遠くに移動する必要はない。これは、時間の節約、及びHDD104のコンポーネントへの負担の軽減の双方をもたらす。
【0046】
[0054]優先度のシステム及びファイル再配置の両方を組み込む一部の実施形態において、ファイルの再配置はデータの相対的な優先度を考慮に入れる。例えば、図4bを参照して、ファイル411、412、及び417がすべて高い優先度のファイルであるものとして示され、ファイル413及び415が中程度の優先度であり、ファイル414及び416が低い優先度である場合、優先度及びファイル再配置の両方を利用する実施形態は、例えばファイル411、412、417、413、425、414、416など、より高い優先度のデータをより低い優先度のデータの前に置くようにファイルを整列する。
【0047】
[0055]本発明のその他の実施形態はファイル再配置を組み込まない。
【0048】
データ複製
[0056]一部の実施形態は、バックアッププロセスを迅速に処理するためにステップ310の一部としてデータ複製スキームを組み込む。上述のように、より速く、より安全なバックアッププロセスを提供するためにデータ圧縮及び暗号化技術が本発明の実施形態に組み込まれる。しかし、ファイルの圧縮及び暗号化の両方は、システム112がそのデータにアクセスする際の速度を低下させる。例えば、ユーザがシステム監視ソフトウェア250によって圧縮及び暗号化されたデジタルムービーファイルを開くために、ファイルは最初に暗号化解除及び解凍されなければならない。大きなファイルについて、このプロセスは数分を要する可能性がある。データ複製を組み込む実施形態において、バックアップされるべきファイルは、データ記憶装置104上の別の位置か、又はシステム112が利用可能な別のデータ記憶装置上のいずれかに複製される。したがって、ユーザがアクセスしたいファイルは、ステップ310のデータ保存準備プロセスによって得られる利点を損なうことなく容易に利用可能なままである。
【0049】
[0057]そのような実施形態の一つにおいて、データは、そのデータがシステム112に入力されるか、又は修正されるとすぐに複製される。他の実施形態では、データは、毎日午前0時、又はシステム112が15分間アイドル状態であった後など、指定された時間に、又は指定されたトリガが発生した後で複製される。その他の実施形態では、特定の指定された種類のデータは直ちに複製される一方、その他の種類は指定された時間に、又は指定されたトリガが発生した後で複製される。その他の実施形態では、データ複製は、ハードディスクドライブ上のバックアップされるべき複製ファイルをより適切に整列するためにファイル再配置と組み合わせられる。
【0050】
[0058]優先度及びデータ複製の両方が実行される一部の実施形態において、データ複製及びその後の記憶はデータの相対的な優先度を考慮に入れる。例えば、図4bに示すように、ファイル411、412、及び417がすべて高い優先度のファイルであるものとして示され、ファイル413及び415が中程度の優先度であり、ファイル414及び416が低い優先度である場合、優先度及びデータ複製の両方を利用する実施形態では、例えば複製ファイル411、412、417、413、425、414、416というように、より高い優先度のデータがより低い優先度のデータの前に置かれるように複製ファイルが整列される。
【0051】
[0059]他の実施形態では、指定されたファイルだけがデータ複製される。更に別の実施形態では、データ複製は利用されない。
【0052】
バックアップイベントトリガの監視
[0060]本発明のいくつかの実施形態において、システム監視ソフトウェア250は、クライアントシステム112をバックアップイベントトリガに関して監視するステップ320を実行する。一実施形態では、バックアップイベントトリガは、条件が合えば以下で定義されるバックアッププロセスを開始する条件としてシステム監視ソフトウェア250において定義される。バックアップイベントトリガを構成することができる条件は、異なる実施形態において変わる。特定の実施形態に関するバックアップイベントトリガの集合を列挙する際の1つの考慮すべき事柄は、どのような条件の下でユーザがシステム112に記憶されたデータを自動的にバックアップすることを有益だと思うのかということである。バックアップイベントトリガの典型的なリストを下記表1に示す。このリストは網羅的ではなく、その他の実施形態は他のバックアップイベントトリガを組み込むことが理解される。
【表1】

【0053】
時間予約バックアップ
[0061]一部の実施形態において、システム監視ソフトウェア250は、時間予約バックアップスキームを実行するように構成される。一実施形態において、時間予約バックアップスキームは、システム監視ソフトウェア250に予め設定された時間にバックアップイベントトリガを生成させる。一部の実施形態において、この時間はユーザによって設定され、例えば、ユーザは、毎週月曜の夜の午前0時に開始するようにシステム監視ソフトウェア250を設定する可能性がある。別の実施形態では、システム監視ソフトウェア250が、バックアップを開始する時間を選択する。そのような実施形態の一つにおいて、システム監視ソフトウェア250は、検出された過去の使用に基づいてユーザがシステム112を使っていそうにない時間を選択するように構成される。その他の実施形態において、時間予約バックアップトリガは最後の成功したバックアップから所定の期間の後に行われ、例えば、システム監視ソフトウェア250は、最後の成功したバックアップ操作から72時間後に行われるようにバックアップをスケジューリングする。時間予約バックアップスキームを実行する際の1つの考慮すべき事柄は、システム112上のデータが定期的及び規則的に保護されることである。
【0054】
システムアイドル状態バックアップ
[0062]一部の実施形態において、システム監視ソフトウェア250は、システムアイドル状態バックアップスキームを実行するように構成される。そのような実施形態において、システム監視ソフトウェア250は、システム112の最後の動作から所定の期間が過ぎた後にシステムアイドル状態バックアップトリガを生成する。そのような実施形態の一つでは、システム112がHDDを動作させていないかどうかが判定される。別の実施形態では、キーボード、マウス、又はその他の入力デバイスからの入力の存在に基づいてシステムの動作が判定される。システムアイドル状態バックアップスキームを実行する際の1つの考慮すべき事柄は、システム監視ソフトウェア250のバックアップ動作が、システム112上のデータに対して通常の保護を提供しながらシステム112に対するユーザのアクセスを妨げないことである。この場合、バックアッププロセスは、ユーザの活動が検出された期間中は抑制されてもよい。
【0055】
[0063]一実施形態において、システム監視ソフトウェア250は、以下で述べるように、システムアイドル状態バックアップスキーム及び増分バックアップスキームを実行するように構成される。この実施形態において、例えばシステム112がアイドル状態に入るときに、システム監視ソフトウェア250はシステムアイドル状態バックアップトリガを生成し、バックアッププロセスが開始される。例えばユーザがシステム112にアクセスするなどして、システム112がもはやアイドル状態でないときには、このバックアッププロセスは一時停止される。第2のバックアッププロセスが開始されるとき、第1の中断されたバックアッププロセス中に既に送信されたデータは再送信されない。
【0056】
ユーザ起動バックアップ
[0064]一部の実施形態において、システム監視ソフトウェア250は、ユーザ起動バックアップスキームを実行するように構成される。そのような実施形態において、システム監視ソフトウェア250は、ユーザがユーザ起動バックアップトリガを生成し、それによってバックアッププロセスを開始することを可能にする。ユーザ起動バックアップスキームを実行する際の1つの考慮すべき事柄は、ユーザの方がシステム監視ソフトウェア250よりも真に重要なデータがシステム112にいつ入力されたかをよく知っていることが多く、したがって、バックアッププロセスを開始することによってデータを保護するように行動できることである。さらに考慮すべき事柄は、ユーザの方がシステム監視ソフトウェア250よりもシステム112が電源を落とされるか又はネットワーク接続202から切り離されるべきであるかどうかをよく知っており、これが行われる前にバックアッププロセスを開始できることである。
【0057】
新データ保存バックアップ
[0065]一部の実施形態において、システム監視ソフトウェア250は、新データ保存バックアップスキームを実行するように構成される。そのような実施形態において、システム監視ソフトウェア250は、最後に成功したバックアッププロセス以降に所定の量の新しいデータがシステム112上に記憶された後で新データ保存バックアップトリガを生成する。この種の一実施形態では、ステップ310、すなわちデータ保護の準備中にどれだけの新しいデータがシステム112に入力されたかが判定される。一実施形態において、新しいデータの量はバイトで量られる。別の実施形態において、新しいデータの量は個々のファイルの数で測られる。別の実施形態において、新しいデータの量は記憶されたファイルの種類を基準にして測られ、例えば、テキストドキュメントはデジタルムービーファイルよりも大幅に少ないバイト数しか必要としないが、同等の重要性を与えられることができる。一部の実施形態において、ユーザは、新データ保存バックアップトリガに対して閾値レベルを設定するようにシステム監視ソフトウェア250を構成する。他の実施形態では、システム監視ソフトウェア250が適切な閾値を決定する。そのような実施形態の一つでは、設定された期間中の新しいデータの正常な生成を追跡することによって閾値が決定され、例えば、システム監視ソフトウェア250が毎日150個の新しいファイルがシステム112において生成されていることを認識した場合、適切な閾値はおよそ2日分の生成量である300個の新しいファイルであってもよい。
【0058】
[0066]一部の実施形態において、新データ保存バックアップスキームは優先度のシステムと併せて実行される。そのような実施形態において、より優先度の高いデータは、同量のより優先度の低いデータよりも重要性が高いものとして扱われる。例えば、システム監視ソフトウェア250は、システム112の最後の成功したバックアップ以降に10メガバイトの優先度の低いデータが蓄積された後でバックアップトリガを生成し、1メガバイトだけの優先度の高いデータが蓄積された後でバックアップトリガを生成してもよい。
【0059】
電源異常バックアップ
[0067]一部の実施形態では、システム監視ソフトウェア250は、電源異常バックアップスキームを実行するように構成される。そのような実施形態では、システム112は差し迫った電源異常を検出するように構成される。一実施形態において、システム112は無停電電源装置(UPS)252に接続され、UPS252及びシステム112は、システム112が通常の電力がいつ止まるかを判定し、電力異常バックアップトリガを生成できるように構成される。別の実施形態では、システム112は消耗する電源によって電力供給され、その電源が使い果たされそうなときを検出するように構成される。例えば、ラップトップコンピュータはバッテリ電源で動作する。1つの考慮すべき事柄は、差し迫った電源異常の検出によって、システム112に対する電力が停止する場合にデータが保護されることである。
【0060】
ハードディスクの故障
[0068]一部の実施形態において、システム監視ソフトウェア250は、ハードディスク故障バックアップスキームを実行するように構成される。そのような実施形態において、システム監視ソフトウェア250は、ハードディスク故障バックアップトリガを生成するように構成される。一部の実施形態において、システム監視ソフトウェア250は、HDDの性能及び予想寿命に影響を与え、システムの故障を予測しうる要因を追跡する。そのような実施形態において、HDDがその動作寿命を縮めると予想されるより多くの要因にさらされるとき、システム監視ソフトウェア250は、ハードディスクの故障によってデータを失うリスクを小さくするようにバックアップトリガの頻度を増加させる。
【0061】
[0069]HDDの予想寿命に影響を与える1つの要因はHDDの寿命である。一実施形態において、システム監視ソフトウェア250は、HDDのおおよその寿命を判定する。HDDの寿命を判定する典型的な方法は、システム112のオペレーティングシステムのシステムレジストリをチェックしてHDDがいつシステム112にインストールされたかを判定すること、又はHDDの型番若しくはシリアル番号を知られている製造期間のリストと比較参照することが含まれる。別の実施形態において、システム監視ソフトウェア250は、ハードドライブの耐用寿命に影響を与える、ハードドライブが実行した書き込み/読み出しサイクル数を考慮する。別の実施形態において、システム監視ソフトウェア250は、ハードドライブの耐用寿命に影響を与える、ハードドライブが受けたオン/オフサイクル数を考慮する。さらなる実施形態では、どれだけ頻繁にバックアップトリガを生成するかを検討するに当たって、これらのアプローチの一部又はすべてが組み合わされる。
【0062】
[0070]HDDの寿命に影響を与える別の要因は、温度などの環境要因である。継続的に極端な温度下で動作するHDDは、制御された環境内でのみ動作するHDDよりも動作寿命が短い。同様に、冷却ファンを持たないシステム内、又は冷却ファンが故障したシステム内で動作させられるHDDは、冷却されたシステム内で動作されるHDDよりも動作寿命が短い。一実施形態において、システム112は、システム温度モニタであるハードウェアモニタセンサ260を組み込む。システム監視ソフトウェア250は、システム温度を記録し、平均動作温度を平均システム温度及び予想HDD寿命の蓄積された統計と比較するように構成される。
【0063】
[0071]HDDの寿命に影響を与える関連要因は、HDDがさらされる温度差である。極端な温度で動作することよりもさらに、HDDが大きな突然の温度変化にさらされることの方が予想HDD寿命を大きく減少させる可能性がある。一実施形態において、システム112は、システム温度モニタであるハードウェアモニタセンサ260を組み込む。システム監視ソフトウェア250は、システム温度を記録し、温度差を判定し、温度差及び予想HDD寿命の蓄積された統計と比較するように構成される。
【0064】
[0072]HDDの予想寿命に影響を与えるその他の要因が当技術分野で知られている。その他の実施形態において、システム監視ソフトウェア250及びシステム112は、システム監視ソフトウェア250がこれらの要因を認識し、それに応じてバックアップトリガの頻度を調整することを可能にするように構成される。
【0065】
[0073]一部の実施形態において、システム監視ソフトウェア250及びシステム112は、差し迫ったHDDの故障を予測しうる要因の検出を可能にするように構成される。いくつかのそのような実施形態において、システム112に組み込まれたハードウェアとシステム監視ソフトウェア250に組み込まれた命令との組合せが、HDDの故障の兆候の認識を可能にする。
【0066】
[0074]1つのそのような兆候は、HDDの動作によって発せられる音の変化である。例えば、一部のHDDは音が大きくなり、重大なHDDの故障の直前にカリカリ言う音を発する可能性がある。いくつかの実施形態では、HDDの動作中に発せられる音を測定し、例えば音の高さ及び振幅を測定するために、HDD104の近くに配置されたマイクロホンがシステム112に組み込まれる。その他の実施形態では、同様の目的を達成するためにHDD104自体に音検出センサが組み込まれる。発せられた音を予想音響プロフィールと比較することによって、システム監視ソフトウェア250は、故障しそうなHDDの不具合を予測し、バックアップトリガを生成することができる。一部の実施形態において、システム監視ソフトウェア250は、現在の音を、この同じHDD104の過去の実績から生成された音響プロフィールと比較する。その他の実施形態において、システム監視ソフトウェア250は、特定のHDDの製造者によって蓄積された予め決まった音響プロフィールを使用するように構成される。
【0067】
[0075]今にも発生しそうなHDDの故障の別の兆候は、HDDの動作温度の突然の上昇である。一部の実施形態では、動作温度を測定するためにHDD104の近くに配置された温度センサがシステム12に組み込まれる。その他の実施形態では、同様の目的を達成するためにHDD104自体に温度センサが組み込まれる。動作温度の突然の上昇を検出することによって、システム監視ソフトウェア250は、差し迫ったHDDの不具合又は故障を予測してバックアップトリガを生成することができる。
【0068】
環境要因バックアップトリガ
[0076]一部の実施形態において、システム監視ソフトウェア250は、環境要因バックアップスキームを実行するように構成される。そのような実施形態において、システム監視ソフトウェア250は、所定の環境条件が発生する場合に環境要因バックアップトリガを生成するように構成される。一部の実施形態において、システム112は、システム112が存在する環境についての情報を提供する環境モニタ251に結合される。一実施形態において、システム112はオフィスワークステーションであり、環境モニタ251はオフィスへの不法侵入を監視するセキュリティシステムである。不法侵入が発生する場合、環境モニタ251がその不法侵入を検出し、システム112がそれを知らされ、システム監視ソフトウェア250がバックアップトリガを生成して、システム112が盗まれるか、破壊されるか、又は別なやり方でサーバ212から切り離される前にデータがバックアップされるようにバックアッププロセスを開始する。別の実施形態において、環境モニタ251は火災検知システムであり、システム監視ソフトウェア250が火災が検出されたときにバックアッププロセスを開始することを可能にし、イベントシステム112が損傷を受けるか又は破壊される場合にデータを保存する。その他の実施形態において、バックアップトリガを引き起こすべきシステム112に限られた他の条件を検出するためにその他の環境モニタ251が使用される。環境要因バックアップトリガ及び加重バックアップトリガの両方を実装する一部の実施形態において、一部の又はすべての環境要因バックアップトリガが、速やかなバックアッププロセスを促すように重み付けされる。
【0069】
加重バックアップトリガ
[0077]一部の実施形態において、バックアップイベントトリガは、様々な重み付け、又は重要性のレベルを与えられる。そのような実施形態では、以下でより詳細に検討するように、バックアップ緊急性スキームが実装されることが多い。そのような実施形態において、時間予約バックアップなどのバックアップイベントトリガは、差し迫ったハードウェアの故障よりも小さな重みを受け取る。その他の実施形態では、これらの重み付けが時間の経過と共に変わりうる。そのような実施形態の一つにおいて、例えば、時間予約バックアップが徐々に高くなる重要性のレベルを受け取るにつれて、そのバックアップはより長く延期された。
【0070】
バックアッププロセス
[0078]一部の実施形態において、システム監視ソフトウェア250は、バックアップイベントトリガが検出された後でバックアッププロセスであるステップ330を実行するように構成される。その他の実施形態において、システム監視ソフトウェア250は、別個のバックアッププロセスが実行されるようにする。一部の実施形態において、バックアッププロセス330は、システム112上に記憶されたデータをネットワーク接続202を介してサーバ212に送信することを伴う。一部の実施形態は、ステップ330の一部としてバックアップ緊急性テストを含む。一部の実施形態は、優先度のスキームを利用してどのデータを始めに送信するかを決定する。一部の実施形態は、データ送信に増分バックアップスキームを利用する。
【0071】
バックアップ緊急性テスト
[0079]一部の実施形態において、バックアップイベントトリガが検出された後、バックアップ緊急性テストが実行される。そのような実施形態において、速やかなバックアップの必要性がその他の関連事項と比較評価され、そのバックアップの必要性がより大きい場合はバックアップが直ちに始まり、そうでない場合はバックアッププロセスは延期される。この衡量的ヒューリスティックのそれぞれの側面に影響を与える典型的要因が以下で説明され、システム監視ソフトウェア250のその他の実施形態では、他の要因がバックアップ緊急性テストに組み込まれる。
【0072】
[0080]一部の実施形態において、バックアップの必要性は、検出されたバックアップイベントトリガの種類によって影響を受ける。一実施形態において、発生しうる差し迫ったハードドライブの不具合又は故障が検出される場合、バックアップの必要性は最も高い緊急性のレベルとなる。別の実施形態において、時間予約バックアップにはかなり低い緊急性のレベルが与えられる。様々なバックアップイベントトリガに対して緊急性のレベルを設定する際の1つの考慮すべき事柄は、バックアッププロセスが直ちに開始されない場合にシステム112上のデータがどれだけ失われやすいのかということである。
【0073】
[0081]一部の実施形態において、バックアップの必要性は、最後の成功したバックアップからの時間の長さによって影響を受ける。時間予約バックアップが複数回延期されたそのような実施形態の一つにおいて、それぞれの連続するバックアップ緊急性テストは、バックアップが実行されるまでバックアップの必要性により高い緊急性を与える。
【0074】
[0082]データに対して優先度のシステムが実行された一部の実施形態において、バックアップの必要性は、最後に成功したバックアップ以降にシステム112上に蓄積されたデータの優先度によって影響を受ける。例えば、そのような実施形態の一つにおいて、例えば、10メガバイトの優先度の低いデータが蓄積されたときよりも、10メガバイトの優先度の高いデータが蓄積された場合に、より高いバックアップの必要性がシステム監視ソフトウェア250によって割り当てられる。
【0075】
[0083]一部の実施形態において、バックアップの必要性は、システム112における現在の動作のレベルと比較される。いくつかのそのような実施形態において、ユーザがシステム112にどのようにアクセスしているかが考慮され、システム監視ソフトウェア250は、バックアップの必要性とユーザのシステム112へのアクセスの希望とのバランスを取る。1つの考慮すべき事柄は、バックアッププロセスがHDD及びネットワーク接続アクセスなどのシステムリソースへの集中的なアクセスを必要とすることが多いことである。ユーザが長いHDD又はネットワークアクセスを伴う何らかのタスクを実行している間にバックアップを開始することはユーザにとって不都合であり、システム112の効率的な使用ではない。
【0076】
[0084]一実施形態では、システム112の動作レベルを判定するためにシステム112上のHDDの動作が監視される。別の実施形態では、ネットワーク接続202がいつデータをサーバ212に送信可能かを判定するためにネットワーク接続の動作が監視される。別の実施形態では、システム112がいつアイドル状態かを判定するために、例えばマウス及びキーボードといった入力デバイスの使用が監視される。別の実施形態では、システムがスクリーンセーバプログラムが実行されるだけ十分に長時間アイドル状態でいなければバックアッププロセスが始まらないように、システム監視ソフトウェア250とシステム112上で実行されるスクリーンセーバプログラムとが関連付けられる。その他の実施形態では、システム又はネットワークの動作レベルを判定するための他の方法が組み込まれる。
【0077】
[0085]バックアップ緊急性テストが実行されないその他の実施形態において、システム監視ソフトウェア250はシステム112の動作を監視し、システム112が使用中であるときにはいつもバックアッププロセスを実行しないようにする。
【0078】
データ完全性
[0086]一部の実施形態では、データが受信された後にデータの完全性をチェックすることを可能にするための様々な方法が組み込まれる。当技術分野で知られている多くの方法がデータの正確性を保証するために適切であり、その保証は、データをサーバ212に転送する前にチェックサムを生成し、チェックサム情報を送信し、送信されたデータの完全性をサーバ212に検証させることを含むがこれらに限定されない。その他の実施形態は、データの完全性をチェックするその他のシステムを組み込む。
【0079】
データ暗号化
[0087]一部の実施形態では、データがネットワーク接続202を介して転送される前に、安全な暗号化された接続がシステム112とサーバ212の間で確立されなければならない。セキュアソケットレイヤ(SSL)又はセキュアシェル(SSH)を含むがこれらに限定されない多くの形態の暗号化接続が、当技術分野で知られており、本発明の実施形態を実施するのに好適である。その他の実施形態では、安全な接続はデータを送信する前は必要とされない。そのような実施形態の一つでは、データが権限のない職員によってアクセスされるリスクを減らすデータの暗号化がステップ310中に組み込まれる。
【0080】
データ転送
[0088]本発明の様々な実施形態では、様々なデータ転送方法が利用される。ネットワーク接続202を介してシステム112からサーバ212にデータを確実に送信する任意の方法を、本発明の実施形態を実施することに利用できる。一実施形態では、インターネットを転送媒体として利用し、インターネットプロトコル(IP)に従ってデータをフォーマットする。その他の実施形態では、異なる種類のネットワーク接続202が利用され、他のデータ転送プロトコルに従ってデータが符号化される。
【0081】
[0089]一部の実施形態において、システム監視ソフトウェア250はデータの増分記憶を実行する。そのような実施形態において、システム監視ソフトウェア250は、システム112が最後にバックアップされてから追加されたデータのみを転送する。一実施形態において、新しいデータの特定がステップ310の一部として実行される。別の実施形態において、新しいデータは、ステップ330の一部として、送信の直前に特定される。増分バックアップを実行するかどうかを判断する際の1つの考慮すべき事柄は、フルバックアップが完了する速さの方がシステム112上のデータの完全な別個のバックアップレコードを保有することよりも重要であるかどうかということである。その他の実施形態では、増分記憶が省略され、代わりに、バックアッププロセスが実行される度にバックアップされるべきすべてのデータが送信される。この種のフルバックアップは、アーカイブ目的の急速に変化するデータを有するシステム、及び不正プログラム又はウィルスによる攻撃を受けやすい可能性があるシステムに対して有用である。いくつかの実施形態では、これらの2つのアプローチの組合せが組み込まれる。そのような実施形態の一つにおいて、例えば、フルバックアップが月に1回実行され、増分バックアップが毎週実行される。
【0082】
[0090]一部の実施形態において、バックアッププロセスはそれが完了するまで実行される。そのような実施形態において、いったんデータ転送が始まると、そのデータ転送はシステム112からのすべてのデータがサーバ212に転送されるまで継続する。その他の実施形態において、バックアッププロセスは、ユーザが別の目的でシステム112にアクセスする度に一時停止される。そのような実施形態において、ユーザのシステム112の使用は、バックアッププロセスの実行によって大きく害されることはない。その他の実施形態において、バックアッププロセスが一時停止されることができるかどうかは、上述のバックアップ緊急性テストと同じ基準に従う。そのような実施形態の一つにおいて、例えば、不都合な時間にバックアッププロセスを強制的に行わせるほど多くの優先度の高いデータが蓄積した場合は、バックアッププロセスは、緊急性テストの結果を変えるのに十分なだけの優先度の高いデータが転送されるまで一時停止されない。実施形態の別の集合において、バックアッププロセスは、ユーザがシステム112にアクセスする間に、しかし引き下げられたレートで継続することができる。例えば、ネットワーク接続202を介したデータの転送は、バックアッププロセスを完全には一時停止しないようにしながらユーザにシステム112の何らかの使用を認めるために、ユーザがシステム112にアクセスしている間、利用可能なネットワークの帯域幅、処理装置の帯域幅、及び/又はドライブの帯域幅の決まった割合に制限されてもよい。
【0083】
サーバの動作−バックアップ管理ソフトウェア
[0091]ここで図5を参照すると、本発明の一実施形態によるバックアップ管理ソフトウェア290の動作のフローチャート500が示されている。ステップ510において、バックアップ管理ソフトウェア290は、クライアントシステム112の動作をリモートで監視する。ステップ520において、バックアップ管理ソフトウェア290は、クライアントシステム112上のバックアッププロセスをリモートで開始する。ステップ530において、バックアップ管理ソフトウェア290がバックアッププロセスをリモートで開始した場合、又はシステム監視ソフトウェア250がバックアッププロセスを開始した場合、バックアップ管理ソフトウェア290は、クライアントシステム112から受信されたデータを取り出し可能に記憶する。ステップ540において、バックアップ管理ソフトウェア290は、記憶されたデータをクライアントに復元するように働く。
【0084】
リモート監視
[0092]一部の実施形態において、バックアップ管理ソフトウェア290は、システム112のリモート監視を実行するように構成される。一部の実施形態において、リモート監視は、不可欠なタスクの何らかの多重性をリモートで提供することによってサーバ212がシステム監視ソフトウェア250に対する多重安全機能として働くことを可能にする。いくつかの実施形態において、バックアップ管理ソフトウェア290は、クライアント側で検出することがより難しい問題に関してシステム112も監視する。
【0085】
クライアントバックアップイベントトリガ
[0093]一部の実施形態において、バックアップ管理ソフトウェア290は、上述のシステム監視ソフトウェア250において発生するバックアップイベントトリガの監視を多重にする。いくつかのそのような実施形態において、システム監視ソフトウェア250が利用可能な監視情報は、ネットワーク接続202を介してバックアップ管理ソフトウェア290に送信され、現在の状態の同じ評価がシステム112及びサーバ212上で行われる。
【0086】
[0094]その他の実施形態において、選択された情報のみがサーバ212に転送され、バックアップ管理ソフトウェア290は選択バックアップイベントトリガに関してシステム112を監視する。例えば、システム監視ソフトウェア250がハードドライブ故障検出を組み込むそのような実施形態の一つにおいて、現在のハードドライブの音のサンプルがサーバ212に転送され、バックアップ管理ソフトウェア290が差し迫った故障の兆候に関して音を監視する。どの監視タスクをバックアップ管理ソフトウェア290において多重にするかを決定する際の1つの考慮すべき事柄は、バックアップ管理ソフトウェア290がシステム監視ソフトウェア250よりも良好にその監視の役割を実行することができるかどうかということである。例えば、上述の実施形態において、複数のクライアントにバックアップサービスを提供する企業によって維持される敷地外のサーバ212は、すべての利用可能なHDDの音響プロフィールを含む最新バージョンのバックアップ管理ソフトウェア290を含む可能性が高い。
【0087】
[0095]バックアップ管理ソフトウェア290のその他の実施形態では、システム監視ソフトウェア250の監視タスクのいずれも多重化されない。
【0088】
その他の監視タスク
[0096]一部の実施形態において、バックアップ管理ソフトウェア290は、バックアッププロセスを引き起こすべき他の課題又は問題に関してシステム112及びシステム監視ソフトウェア250を監視する。一実施形態において、バックアップ管理ソフトウェア290は、データ破損又はソフトウェアの性能低下に関してシステム112を監視する。そのような不規則なシステム性能は、ウィルス、不正プログラム、又はファイルシステムの破損によって引き起こされる可能性がある。例えば、バックアップ管理ソフトウェア290がシステム監視ソフトウェア250に状態更新要求を用いて連絡し、意味のない又は予期しない応答を受信する場合、システム112は、該システム112に記憶されたデータを危険にさらす問題を有する可能性があり、直ちにバックアップされるべきである。
【0089】
[0097]別の実施形態において、バックアップ管理ソフトウェア290は、最後の成功したバックアッププロセスからどれだけの時間が経過したかを判定するように構成される。一実施形態では、バックアップ管理ソフトウェア290が所定の長さの時間が経過した後でバックアッププロセスを開始するように構成される。別の実施形態では、バックアップ管理ソフトウェア290がシステム112の担当者に例えば電子メールメッセージによって連絡を取り、システム112が最近バックアップされていないことをそれらの担当者に知らせるように構成されてもよい。
【0090】
[0098]別の実施形態において、バックアップ管理ソフトウェア290は、システム112が危険にさらされた場所にあることが分かっている場合にリモートバックアップを開始するように構成される。一実施形態において、例えば、サーバ212は1つの都市内の複数のシステム112に接続され、その都市が大火災、地震、竜巻、台風、又はその他の同様の危機にあることが分かっている場合には、バックアップ管理ソフトウェア290は、危険にさらされた場所にあるすべてのシステム112上でリモートバックアッププロセスを開始することができる。
【0091】
[0099]別の実施形態において、バックアップ管理ソフトウェア290は、ウィルス又はシステムセキュリティ脅威の存在が検出されるときにリモートバックアップを開始するように構成される。一部の実施形態において、バックアップ管理ソフトウェア290は、インターネットを通じて拡散する新しいウィルス、例えば自己複製型電子メールウォームを知らされ、1つ又は複数のシステム112が感染する場合に引き起こされる被害を最小化するために、バックアップ管理ソフトウェア290によって監視されたすべてのシステム112のリモートバックアップを開始する。
【0092】
[00100]その他の実施形態ではその他のリモート監視タスクが組み込まれる。
【0093】
リモートバックアッププロセス
[0100]一部の実施形態において、バックアップ管理ソフトウェア290はリモートバックアッププロセスを開始するように構成される。これらの実施形態において、バックアップ管理ソフトウェア290は、上述したものなどのバックアップイベントトリガに応じて、又は上述の他の監視タスクのうちの1つに応じてリモートバックアッププロセスを開始する。
【0094】
[0101]いくつかのそのような実施形態において、バックアップ管理ソフトウェア290は、バックアッププロセスを開始するためにシステム監視ソフトウェア250に信号を送ることができる。一実施形態において、リモートバックアップトリガは、上述した緊急性衡量テストを受ける。別の実施形態において、リモートバックアップトリガは直ちに行われる。
【0095】
データの取り出し可能な形での記憶
[0102]一部の実施形態において、バックアップ管理ソフトウェア290は、システム112から受信されたデータを取り出し可能に記憶する役割を負う。その他の実施形態において、バックアップ管理ソフトウェア290は、取り出し可能にデータを記憶する他のプログラムを呼び出す。多くの実施形態では、サーバ212上に記憶されたデータの安全を保証するために特別な保護機能が置かれている。いくつかの実施形態では、例えば、独立したディスクの冗長アレイ(RAID)構成が、サーバ212上のデータ保護をより確実にするために利用される。その他の実施形態では、データを安全に記憶するための当技術分野で知られている他のデータ記憶方法が使用される。
【0096】
[0103]一部の実施形態において、バックアップ管理ソフトウェア290は記憶されるべきデータを暗号化する。既に検討したように、多くの種類の暗号化が本発明の実施形態と共に使用できる。
【0097】
[0104]一部の実施形態において、バックアップ管理ソフトウェア290は、サーバ212上に記憶されたデータに対する外部アクセスを可能にする。そのような実施形態の一つでは、ユーザがサーバ212上に記憶された自分のデータにインターネットを介してアクセスすることを可能にする。この実施形態では、ユーザは、システム112を外部アクセスにさらすことを必要とせずに自分のデータにアクセスして表示することができ、このことはシステム112のより優れたセキュリティを可能にする。
【0098】
[0105]一部の実施形態において、バックアップ管理ソフトウェア290は、バックアッププロセスが実行される度にシステム112からの古いデータを上書きする。そのような実施形態において、システム112からのデータを記憶するために必要とされる記憶空間の量がより容易に制御されることができる。その他の実施形態において、バックアップ管理ソフトウェア290は、バックアッププロセスが実行される度にシステム112から受信されたデータを新しい場所に記憶する。より多くの空間を消費するが、これらの実施形態はより優れたデータアーカイブを可能にし、さらに、万一、システム112が不正プログラム又はウィルスに感染した場合に、より優れたデータ復元を可能にする。そのような場合、システム112の最も新しいバックアップも感染している可能性があるが、一方、システム112からのデータのそれよりも古いバージョンは感染していない可能性がある。一部の実施形態では、これら2つのアプローチが混合され、システム112からのいくつかのバックアップセッションがサーバ212上に同時に共存可能である。これにより、記憶の要件とアーカイブ又は復元の使用との間のバランスが取られる。
【0099】
データ復元
[0106]一部の実施形態において、バックアップ管理ソフトウェア290は、データのシステム112への復元を可能にする。いくつかのそのような実施形態において、バックアップ管理ソフトウェア290は、サーバ212上に記憶されたデータをネットワーク接続202を介してシステム112に返送する。一部の実施形態において、サーバ212の所有者又はオペレータは、データの復元のための料金を課すことができる。データを転送し、そのデータをシステム112に復元することは、異なる実施形態において多くの異なるやり方で実行される。ネットワーク接続を介してデータを転送及び復元するための知られている任意のアプローチは、本発明の実施形態を実施するのに十分である。
【0100】
特別な場合−「ローデッドガン(LOADED GUN)」バックアッププロセス
[0107]既に検討したように、従来のバックアップシステムのよくある欠点の一つは、それらのシステムが実際のバックアッププロセスを開始するのが本質的に遅いことである。そのようなシステムは、システムをバックアップするために利用できる時間が制限され不明である緊急の状況下でバックアッププロセスを開始するようになっていない。本発明のいくつかの実施形態は、緊急時にデータバックアップサービスを提供するための方法及びシステムを対象とする。一部の実施形態では、バックアッププロセスは絶えず実行可能な状態にあり、データ転送が緊急バックアップイベントトリガが検出された後で直ちに開始されることを可能にする。
【0101】
[0108]ここで図6を参照すると、本発明の一実施形態によるバックアッププロセスを表すコンピュータ制御フローチャートが示される。図2及び6を参照して、緊急時にデータバックアップサービスを提供するように構成された実施形態が詳細に説明される。
【0102】
[0109]ここでステップ605を参照すると、一部の実施形態において、システム監視ソフトウェア250は、新しい又は変更されたデータに関してシステム112を監視する。システム監視ソフトウェア250を初めて実行すると、システム112内のすべてのデータが新しいデータとして登録する。最初に成功したバックアッププロセスの後は、システム112にその後追加されたデータのみ、又は最後の成功したバックアッププロセス以降に変更されたデータのみが新しいとみなされる。一部の実施形態において、システム監視ソフトウェア250は、特定のファイル、ファイルの種類、又はシステム112のファイル構造内の場所を無視するように構成されることができる。これらの実施形態において、ユーザは、重要性の高いデータを保護することを優先して、特定の重要性の低いファイル、例えば、オペレーティングシステムのファイル、一時記憶ファイル、又は再インストールが容易なプログラムをバックアップしないことを選択することができる。その他の実施形態において、特定の種類の、又はシステム112のファイル構造内の決まった場所内の新しいデータだけが新データとして登録される。一部の実施形態において、既存のファイルの変更の程度も特定され、そのことは、ユーザがわずかに変更されたファイル、大きく変更されたファイル、及びまったく新しいファイルに対して異なる重要性のレベルを指定することを可能にすることができる。これらの実施形態では、デフォルトによってデータを除外し、どのファイルの種類、又はどのディレクトリをバックアップするのかを選択することをユーザに与えることで、どのデータを保存するのかに関するさらなる制御がユーザに付与される。
【0103】
[0110]ここでステップ610を参照すると、一部の実施形態において、システム監視ソフトウェア250は保存のために新しいデータを準備する。これらの実施形態において、1つの考慮すべき事柄は、緊急バックアップイベントトリガが発生した場合に送信前にデータを探し出すために検索を行うことが必要とされないようなやり方でデータがシステム監視ソフトウェア250に特定されることである。一実施形態において、これは、システム監視ソフトウェア250がシステム112内のすべての新しいデータの位置を特定するリスト、例えば、すべての新しいデータファイルのアドレスを記憶するデータベースを作成又は更新することによって実行される。別の実施形態において、図2を参照して説明したようなファイル再配置スキームが利用される。別の実施形態において、図2を参照して説明したようなデータ複製スキームが利用される。これらの典型的な実施形態のすべてにおいて、システム監視ソフトウェア250は、緊急事態が発生する前にシステム112内のすべての新しいデータの位置を特定しており、新しいデータの検索が必要であることによって時間が失われることはない。
【0104】
[0111]一部の実施形態において、ステップ610はデータ圧縮も包含する。これらの実施形態における考慮すべき事柄は送信の速度であり、その理由は圧縮データをネットワーク接続202を介してサーバ212に送信するためにより少ない時間が要求されるからである。緊急の場合、データのより速い送信は、送信が終了される前により多くのデータがバックアップされることを意味しうる。
【0105】
[0112]一部の実施形態において、ステップ610はデータ暗号化も包含する。これらの実施形態における考慮すべき事柄は、送信中及びデータがサーバ212上に記憶された後の両方でセキュリティが問題であるかどうかということである。サーバ212及びネットワーク接続202が両方とも信頼される場合は、サーバ212が離れた場所にあり、ネットワーク接続202がインターネット接続である場合よりも暗号化は重要でない。
【0106】
[0113]一部の実施形態において、ステップ610はデータ優先フラグ設定も包含する。これらの実施形態において、上述したように、データの相対的な重要性が設定されうる。緊急の場合、より優先度の高いデータがより優先度の低いデータより前に送信されることができ、たとえバックアッププロセスが完了される前に送信が終了するとしても優先度の高いデータの保存をより確実にする。
【0107】
[0114]ここでステップ620を参照すると、一部の実施形態において、システム監視ソフトウェア250は、緊急事態に関してシステム112を監視する。その他の実施形態において、システム監視ソフトウェア250は、緊急事態に関してシステム112の環境を監視する。他の実施形態ではこれらの特徴が組み合わされ、更に別の形態では、他のバックアップイベントトリガに関してもシステム112を監視するためにシステム監視ソフトウェア250が構成される。どのイベントに関して監視を行うかを選択する際の1つの考慮すべき事柄は、特定の状況がバックアッププロセスを妨げる可能性があるかどうかということである。停電、ハードドライブの故障、及び火災又はセキュリティシステムの警告などの環境的な状況を含むそのような状況は、上述した通りである。
【0108】
[0115]ここでステップ625を参照すると、一部の実施形態において、バックアップ管理ソフトウェア290は、緊急事態に関してシステム112を監視する。その他の実施形態において、バックアップ管理ソフトウェア290は、緊急事態に関してシステム112の環境を監視する。他の実施形態では、これらの特徴が組み合わされ、他のバックアップイベントトリガに関してもシステム112を監視するようにバックアップ管理ソフトウェア290が構成される。この場合もやはり、監視するイベントを選択する際の1つの考慮すべき事柄は、特定のイベントがどれだけバックアッププロセスの成功を妨げやすいかということである。ステップ620に関して詳細に説明した状況や、システム112の近くで発生する火災又は自然災害などの他の環境要因を監視する状況を含む場面については、上述した通りである。
【0109】
[0116]ここでステップ630を参照すると、緊急バックアップイベントトリガが検出されている。
【0110】
[0117]ここでステップ640を参照すると、一部の実施形態において、システム監視ソフトウェア250がバックアッププロセスを開始する。その他の実施形態において、バックアップ管理ソフトウェア290は、ネットワーク接続202を介してシステム112に1つの命令又は一連の命令を送信することによってバックアッププロセスを開始する。一部の実施形態において、ネットワーク接続202は、データ伝送が開始することができる前に確立されなければならない。別の実施形態において、ネットワーク接続202は既に確立されている。データは、ネットワーク接続202を介してシステム112からサーバ212へ送信され始める。優先度データシステムが実装された実施形態において、より優先度が高いデータは優先度が低いデータよりも前に送信される。他の実施形態において、より小さなファイルは大きなファイルよりも前に送信される。すべての実施形態に当てはまる1つの考慮すべき事柄は、送信が終了する前に最も多くの量のデータがサーバ212に送信されるようにデータ送信ができるだけ早く始まることである。
【0111】
[0118]本発明の実施形態を説明した。本発明を特定の実施形態で説明したが、本発明はそのような実施形態によって限定されると解釈すべきでなく、むしろ添付の特許請求の範囲に従って解釈すべきであることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】本発明の実施形態が実装されることができる典型的なコンピュータシステムの構成図である。
【図2】本発明の実施形態が実装されることができる典型的なコンピュータネットワークの構成図である。
【図3】本発明の一実施形態によるシステム監視ソフトウェアの動作のフローチャートである。
【図4a】本発明の実施形態が実装されることができるハードディスクドライブの図である。
【図4b】本発明の実施形態が実装されたハードディスクドライブの図である。
【図5】本発明の一実施形態によるバックアップ管理ソフトウェアの動作のフローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態によるバックアッププロセスのフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータシステム上のデータバックアッププロセスを開始する方法であって、
前記コンピュータシステム上の保存されるべきデータを特定するステップと、
バックアップトリガイベントの発生に関して前記コンピュータシステムを監視するステップと、
前記バックアップイベントトリガの前記発生に応じて、バックアッププロセスを開始するかどうかを決定するための衡量的ヒューリスティックを適用するステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記監視するステップは、前記コンピュータシステムに結合された機械的なデータ記憶装置を監視することを含み、前記バックアップトリガイベントは、前記機械的なデータ記憶装置で発生しうる差し迫った不具合の表示を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記監視するステップは、前記コンピュータシステム内に置かれ、前記機械的なデータ記憶装置のごく近くに配置された音声感知デバイスによって生成される音声信号を監視して、前記機械的なデータ記憶装置が機械的な記憶システムの故障の兆候を示すかどうかを前記音声信号から判定することをさらに含む請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記監視するステップは、前記コンピュータシステム内に置かれ、前記機械的なデータ記憶装置のごく近くに配置された温度感知デバイスによって生成される温度信号を監視して、前記機械的なデータ記憶装置が機械的な記憶システムの故障の兆候を示すかどうかを前記温度信号から判定することをさらに含む請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記監視するステップは、前記コンピュータシステムに対する脅威を検出することをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記監視するステップは、前記コンピュータの環境への侵入を検出するセキュリティシステムを監視することをさらに含む請求項5に記載の方法。
【請求項7】
重要性のレベルを前記バックアップイベントトリガに割り当てるステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記衡量的ヒューリスティックは、前記コンピュータ上の現在の動作が前記バックアップイベントトリガの前記重要性のレベルよりも重要性が高いかどうかを判定することを含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記コンピュータがアクティブ状態とアイドル状態の間を切り換えるかどうかを検出するステップと、
前記コンピュータがアイドル状態に切り替わることに応じて増分バックアッププロセスを開始するステップと、
前記コンピュータがアクティブ状態に切り替わることに応じて前記増分バックアッププロセスを一時停止するステップと
をさらに含む請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記監視するステップは、前記バックアップイベントトリガの発生に関して前記コンピュータシステムをリモートで監視することをさらに含む請求項1に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−524122(P2009−524122A)
【公表日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−544511(P2008−544511)
【出願日】平成18年12月6日(2006.12.6)
【国際出願番号】PCT/US2006/046730
【国際公開番号】WO2007/067699
【国際公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(501261300)エヌヴィディア コーポレイション (166)
【Fターム(参考)】