説明

緑色発光蛍光体、その製造方法及びそれを用いた発光素子

【課題】発光ピークがブロードである緑色発光蛍光体を提供する。
【解決手段】本発明に係る緑色発光蛍光体は、カルシウム(Ca)と、マグネシウム(Mg)と、酸化ケイ素と、付活剤と、ハロゲンと、を有する。ストロンチウム(Sr)とバリウム(Ba)の少なくともいずれか一つを含有することも可能である。また、本発明に係る緑色発光蛍光体は、一般式(Ca、Sr、Ba、EuMg1−xMnSi16Cl(ここで、0<a<1.0、0≦b<0.5、0≦c<0.5、0<d<0.2、a+b+c+d=1.0、0≦x<0.3である)で表されることも可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、緑色発光蛍光体、その製造方法及びそれを用いた発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオードは、発光効率が良く、鮮やかな色で発光する。そのため各種インジケータや光源として利用されている。
しかし、発光ダイオードは、優れた単色性ピーク波長を有するので、白色系の発光をすることが困難である。
【0003】
そこで、青色発光ダイオードや紫外線発光ダイオードと蛍光物質とを組み合わせ、青色発光ダイオードや紫外線発光ダイオードからの光と、その光により励起されて色変換された蛍光物質の発色との混色により白色系の光を生み出す技術が開示されている。例えば、青色発光ダイオードと、その青色発光ダイオードからの光を吸収して黄色に発光する蛍光物質とを組み合わせ、青色発光ダイオードからの青色の発光と、蛍光物質の黄色の発光との混色により白色系の光を生み出す。例えば、特許文献1に示すように、(Y、Gd)(Al、Ga)12の組成式で知られるYAG系酸化物母体格子中にCeをドープした蛍光体(YAG:Ce蛍光体)を、青色発光ダイオード(青色LED)を包囲する封止樹脂中に分散させたものが知られている。
【0004】
しかし、この方式で作られた白色光を照明等に用いたとしても、赤色系物質が自然な雰囲気の赤色で見えることが困難である。そのため演色性が低くなるという欠点がある。
【0005】
そこで、特許文献2に示すように、紫外線発光ダイオードと青色、緑色、赤色蛍光体を組み合わせた3波長型の白色発光素子が開発されている。赤色発光蛍光体としてはYS:Eu3+等が挙げられ、青色発光蛍光体としては、BaMgAl1017:Eu2+等が挙げられ、緑色発光蛍光体としては、ZnS:Cu、Al、BaMgAl1017:Eu、Mn等が挙げられる。
【0006】
しかし、紫外線発光ダイオードは、390nm付近に高い発光効率の波長領域を有する一方、上述した赤色、青色および緑色発光蛍光体は、波長370nm付近の光をよく吸収する。そのため、この方式で作られた白色発光素子は、紫外線発光ダイオードの高い発光効率の波長領域である390nm付近の光を効率よく吸収して発光するものとはいえない。
【0007】
そこで、カルシウム、マグネシウム、硅素、酸素を含み、ユーロピウムを付活剤とする緑色発光蛍光体が、特許文献3に開示されている。
【0008】
そして、この文献で開示された緑色発光蛍光体と、赤色発光蛍光体と、青色発光蛍光体と、を所定割合混合し、この混合した蛍光体に対して、紫外線発光ダイオードを組み合わせた白色発光素子が開発されている。
しかし、この文献で開示された蛍光体の発光スペクトルは発光ピークの幅が十分に広いとはいえず、そのためこの方式で得られる白色発光素子の白色光は自然な印象が薄く演色性が低いという問題がある。
【0009】
【特許文献1】特許第2900928号明細書
【特許文献2】特表2000−509912号公報
【特許文献3】特開2004−292569号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は上述の問題を解決するものである。即ち、白色発光ダイオードまたは青色発光ダイオードを励起源として発光する発光スペクトルの発光ピークがブロードである緑色発光蛍光体及びそのような緑色発光蛍光体の製造方法を提供することにある。さらに、そのような緑色発光蛍光体を用いた自然な印象の光を発することができる発光素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、この発明の第1の観点に係る緑色発光蛍光体は、
カルシウム(Ca)と、マグネシウム(Mg)と、酸化ケイ素と、付活剤と、ハロゲンと、を有することを特徴とする。
【0012】
また、ストロンチウム(Sr)とバリウム(Ba)の少なくともいずれか一つを含有することも可能である。
【0013】
また、前記付活剤は、ユーロピウム(Eu)を含有することも可能である。
【0014】
また、マンガン(Mn)を含有するとともに、前記Mgと前記Mnとは、
一般式Mg1−xMn(ここで、0≦x<0.3である)で表される比率である、とすることも可能である。
【0015】
また、前記ハロゲンは、塩素である、ことも可能である。
【0016】
また、本発明に係る緑色発光蛍光体は、
一般式(Ca、Sr、Ba、EuMg1−xMnSi16Cl
(ここで、0<a<1.0、0≦b<0.5、0≦c<0.5、0<d<0.2、a+b+c+d=1.0、0<x≦0.3である)
で表されることも可能である。
【0017】
また、本発明に係る緑色発光蛍光体は、発光スペクトルの発光ピークの半値幅が52nm以上60nm以下である、とすることも可能である。
【0018】
また、本発明に係る緑色発光蛍光体は、波長330〜340nm、波長385〜390nm及び波長465〜475nmに励起スペクトルのピークを有する、とすることも可能である。
【0019】
また、上記目的を達成するため、この発明の第2の観点に係る緑色発光蛍光体の製造方法は、
カルシウム(Ca)と、マグネシウム(Mg)と、酸化ケイ素と、付活剤と、ハロゲンと、を混合させて、原料粉末を作成する、混合工程と、
前記原料粉末を加圧状態下にして焼成する、焼成工程と、
を有することを特徴とする。
【0020】
前記混合工程では、前記原料粉末に、ストロンチウム(Sr)とバリウム(Ba)の少なくともいずれか一つを含有する、ことも可能である。
【0021】
また、前記付活剤は、ユーロピウムを含有する、ことも可能である。
【0022】
また、前記混合工程は、マンガン(Mn)が混合されるとともに、
前記Mgと前記Mnとが、
一般式Mg1−xMn(ここで、0≦x<0.3である)で表される比率で混合される、ことも可能である。
【0023】
また、前記ハロゲンは、塩素である、ことも可能である。
【0024】
また、前記混合工程において、一般式(Ca、Sr、Ba、EuMg1−xMnSi16Cl(ここで、0<a<1.0、0≦b<0.5、0≦c<0.5、0<d<0.2、a+b+c+d=1.0、0≦x<0.3である)をみたす比率で原料粉末を混合する、ことも可能である。
【0025】
また、前記焼成工程は、1.00気圧以上1.50気圧以下の加圧状態下で行われる、ことも可能である。
【0026】
また、前記焼成工程は、900℃以上1300℃以下の温度で行われる、ことも可能である。
【0027】
また、前記焼成工程は、水素及び窒素を混合させた還元雰囲気中で行われる、ことも可能である。
【0028】
また、前記焼成工程の終了後、得られた焼成物を粉砕し混合することで混合物を得て、さらに再度、得られた混合物を加圧状態下にして再焼成する、再焼成工程を有する、ことも可能である。
【0029】
また、上記目的を達成するため、この発明の第3の観点に係る発光素子は、
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の緑色発光蛍光体と、
蛍光体の励起光源としての紫外線発光ダイオードと、を有することを特徴とする。
【0030】
また、上記目的を達成するため、この発明の第4の観点に係る発光素子は、
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の緑色発光蛍光体と、
蛍光体の励起光源としての青色発光ダイオードと、を有することを特徴とする。
【0031】
また、請求項19記載の発光素子において、赤色発光蛍光体と、青色発光蛍光体と、を含有する、ことも可能である。
【0032】
また、請求項20記載の発光素子において、赤色発光蛍光体を含有する、ことも可能である。
【0033】
また、請求項21記載の発光素子において、
前記赤色発光蛍光体は、SrS:Eu、CaS:Eu、CaAlSiN:Eu及びLaS:Euのうち少なくともいずれか一つを含有し、
前記青色発光蛍光体は、(Ba,Sr)MgAl1017:Eu,Mn、(Ba,Sr,Ca,Mg)10(POCl:Eu、Sr(POCl:Eu及びZnS:Agのうち少なくともいずれか一つを含有する、ことを特徴とする。
【0034】
また、請求項22記載の発光素子において、
前記赤色発光蛍光体は、SrS:Eu、CaS:Eu及びCaAlSiN:Euのうち少なくともいずれか一つを含有する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0035】
本発明に係る緑色発光蛍光体は、発光スペクトルの発光ピークがブロードである。さらに、本発明に係る緑色発光蛍光体を用いた発光素子は、見る者に自然な印象を与える光を発することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
(実施例1に係る緑色発光蛍光体)
本願発明の発明者らは鋭意研究を重ねた結果、カルシウム(Ca)と、マグネシウム(Mg)と、酸化ケイ素と、付活剤と、ハロゲンと、を有する緑色発光蛍光体が、紫外線発光ダイオードまたは青色発光ダイオードを励起源とさせた場合の発光スペクトルの発光ピークがブロードであることを見いだした。
【0037】
まず、実施例1として、本実施例に係る緑色発光蛍光体(組成式(Ca0.98Eu0.02)MgSiO16Cl)の励起スペクトルと発光スペクトルを図1に示す。励起スペクトルは破線で示され、発光スペクトルは実線で示される。
紫外から青色領域の波長300〜480nm付近まで励起帯があり、それぞれ紫外線発光ダイオードおよび青色発光ダイオードにて効率よく発光する。
発光スペクトルは、発光ピークが505nm付近にあり、半値幅が54nmとブロードである。
【0038】
(実施例2〜6に係る緑色発光蛍光体)
次に、実施例2〜6は、実施例1に係る緑色発光蛍光体(組成式(Ca0.98Eu0.02MgSi16Cl)のEu元素の濃度を変更したものである。
実施例2に係る緑色発光蛍光体は、組成式(Ca0.99Eu0.01MgSi16Clである。実施例3に係る緑色発光蛍光体は、組成式(Ca0.97Eu0.03MgSi16Clである。実施例4に係る緑色発光蛍光体は、組成式(Ca0.95Eu0.05MgSi16Clである。実施例5に係る緑色発光蛍光体は、組成式(Ca0.93Eu0.07MgSi16Clである。実施例6に係る緑色発光蛍光体は、組成式(Ca0.90Eu0.10MgSi16Clである。
【0039】
図2には実施例2〜6に係る緑色発光蛍光体それぞれの励起スペクトルを示す。実施例2から実施例6まで順にEu濃度が高くなっているところ、Eu元素の濃度が高くなるにつれて、青色LED領域における励起強度が高くなる。
図3には実施例2〜6に係る緑色発光蛍光体それぞれの発光スペクトルを示す。実施例2から実施例6まで順にEu濃度が高くなっているところ、Eu元素の濃度が高くなるにつれて、発光波長が長波長側へシフトし、発光スペクトルも次第にブロードなる。
【0040】
(実施例7〜10に係る緑色発光蛍光体)
次に、実施例7〜10については、組成式(Ca0.98Eu0.02Mg1−xMnSi16Clにおいて、xを変化させたものである。実施例7に係る緑色発光蛍光体は、組成式(Ca0.98Eu0.02Mg0.97Mn0.03Si16Clである。実施例8に係る緑色発光蛍光体は、組成式(Ca0.98Eu0.02Mg0.95Mn0.05Si16Clである。実施例9に係る緑色発光蛍光体は、組成式(Ca0.98Eu0.02Mg0.93Mn0.07Si16Clである。実施例10に係る緑色発光蛍光体は、組成式(Ca0.98Eu0.02Mg0.90Mn0.10Si16Clである。
図4に実施例7〜10に係る緑色発光蛍光体それぞれの発光スペクトルを示す。発光スペクトルは544nm付近にみられる。実施例7から実施例10まで順にMn濃度が増加するに伴い、発光スペクトルがよりブロードな発光となる。
なお、実施例7〜10の緑色発光蛍光体それぞれの励起スペクトルに変化はなく、実施例1の励起スペクトルとほぼ同様の形状を示した。
【0041】
(比較例における蛍光体)
次に、比較例1として、蛍光体であるBaMgAl1017:Euの励起スペクトルと発光スペクトルを図5に示す。励起スペクトルは破線で示され、発光スペクトルは実線で示される。
BaMgAl1017:Euは、波長300〜420nm付近にかけて励起帯があり、紫外線領域での励起においては高い発光強度を示す。
しかし、発光スペクトルは、半値幅が27nmと狭い発光形状であり、ブロードな発光形状であるとはいえない。
【0042】
次に、比較例2として、蛍光体であるSrGa:Euの励起スペクトルと発光スペクトルを図6に示す。励起スペクトルは破線で示され、発光スペクトルは実線で示される。
SrGa:Euは、励起スペクトルでは、300nm〜520nmまで励起帯が伸びており、紫外から青色領域まで発光する。
しかし、発光スペクトルは、半値幅が48nm程度であり、十分にブロードな発光形状であるとはいえない。
なお、SrGa:Euは硫化物蛍光体である。この硫化物蛍光体は耐湿性等の化学安定性が低く、樹脂、LEDチップ、金属ワイヤー等を腐食させるおそれもありうる。そのため、SrGa:Eu等の硫化物蛍光体を用いる場合は腐食防止措置を設けることが好ましい。
【0043】
次に、表1に比較例1、2と実施例1〜10における蛍光体組成式、その発光波長、そのCIE色度座標を示す。
【0044】
【表1】

【0045】
本実施例に係る緑色発光蛍光体はブロードな発光スペクトルを有する。
また、本実施例に係る緑色発光蛍光体の励起スペクトルは、波長300nm以上480nm以下まで励起帯がある。そのため、青色発光ダイオード若しくは紫外線発光ダイオードのいずれを使用したとしても、発光を得ることができる。
また、本実施例に係る緑色発光蛍光体は、紫外線発光ダイオード及び青色発光ダイオードに対して効率よく励起される。
さらに、本実施例に係る緑色発光蛍光体はEu濃度を適宜変更することや、Mn濃度を適宜変更することにより、発光色を微妙に変更できる。例えば実施例1に係る緑色発光蛍光体は、CIE色度座標がxが0.141であり、yが0.590であるから、やや青みがかかった緑色に発光する。これに対して実施例10に係る緑色発光蛍光体は、CIE色度座標がxが0.244であり、yが0.575であるから、ほんのわずかにオレンジがかかった緑色に発光する。照明はその用途や使用態様においてニーズが多様化しており、多様な色調設計が求められている。本実施例に係る緑色発光蛍光体は、そのような多様なニーズに応答できる。
【0046】
(本実施例に係る緑色発光蛍光体の製造方法)
(実施例1に係る緑色発光蛍光体の製造方法)
原料粉末として、炭酸カルシウム(CaCO)及び塩化カルシウム(CaCl)と、炭酸マグネシウム(MgCO)と、酸化ケイ素(SiO)と、ユーロピウム化合物としての酸化ユーロピウム(Eu)と、を準備する。ユーロピウム化合物は、塩化ユーロピウム(EuCl)やフッ化ユーロピウム(EuF)等であってもよい。また、ユーロピウム化合物はイミド化合物やアミド化合物を用いることも可能である。酸化ユーロピウム(Eu)は市販の物を用いることができるが、高純度の物が望ましい。
さらに、加熱処理の際に蛍光体粒子の結晶成長を促進するような添加物であるフラックス材として、塩化アンモニウム(NHCl)を準備する。なお、フラックス材は、フッ化アルミニウム(AlF)等のハロゲン化アンモニウム、NaCO、LiCO等のアルカリ金属炭酸塩、LiCl、NaCl、KCl等のアルカリハロゲン化物、CaCl、CaF、BaFのようなアルカリ土類金属のハロゲン化物、B、HBO、NaBのようなホウ酸塩化合物、LiPO、NHPOのようなリン酸塩等が使用できる。
そして、炭酸カルシウム(CaCO)は11.43g、塩化カルシウム(CaCl)は1.68g、炭酸マグネシウム(MgCO)は1.40g、酸化ケイ素(SiO)は4.50g、酸化ユーロピウム(Eu)は0.11g、秤量する。塩化アンモニウム(NHCl)は0.5g秤量する。なお、塩化カルシウム(CaCl)と酸化ケイ素(SiO)は化学量論比から想定される量よりもやや過剰に秤量してもよい。
【0047】
そして、それら原料粉末を湿式で十分良く混合する。湿式で混合するために有機溶媒としてアセトンを用いた。なお、イソプロピルアルコールやエタノール等の有機溶媒を用いることも可能である。水で混合することも可能であるが、有機溶媒を用いることが好ましい。アセトンと秤量した原料とに、さらにジルコニアボールを加えて、セラミックス製ボールミルに入れ、12時間混合する。混合時間は1時間以上24時間以下の範囲で行うことが好ましい。混合が終了するとジルコニアボールを篩により分離させ、その後、アセトンを乾燥させ、原料粉末を得る。
なお、原料粉末を湿式で混合すること以外にも、乾式で混合することも可能である。乾式の混合では、アルミナ製や瑪瑙製の乳鉢と乳棒を用いて秤量された材料を良く混合する。乾式の混合では混合するための時間が湿式の混合よりもかかるが、湿式の混合と比較して有機溶媒を乾燥させる工程がない点で有利である。
【0048】
次に、得られた原料粉末を、窒化ホウ素坩堝に充填し、電気炉にセットする。なお、得られた原料粉末は、アルミナ坩堝やアルミナトレイ、カーボン坩堝やカーボントレイ、窒化ホウ素トレイ等の耐熱容器に充填することも可能である。
そして、水素及び窒素を混合させた還元雰囲気下で焼成する。なお、窒素ガス雰囲気中で焼成することも可能であり、さらには一酸化炭素気流中で焼成することも可能である。
【0049】
焼成する場合における圧力は1.1気圧である。焼成する場合における圧力は1.00〜1.50気圧が良い。圧力が1.00気圧より低いと反応が十分に促進されない可能性があるからであり、一方、圧力が1.50気圧よりも高いと窒素ガスを閉じこめる容器を頑丈にする必要がありそのため製造装置が高価な物になる可能性があるからである。焼成する場合の圧力は、好ましくは1.02〜1.3気圧、さらに好ましくは1.05〜1.2気圧にすると良い。
【0050】
焼成温度は1100℃である。焼成温度は、900℃〜1300℃が良い。焼成温度が900℃よりも小さいと反応の進行度が遅くて反応に時間がかかるおそれがあるからであり、一方、焼成温度が1300℃よりも大きいと予期せぬ副反応が生じるおそれがあるからである。焼成する温度は、より好ましくは1000〜1250℃、さらに好ましくは1050℃〜1200℃が良い。
【0051】
焼成時間は3時間である。焼成時間は、3〜10時間で焼成するのが好ましい。
【0052】
焼成が終了すると、徐々に冷却し、そして得られた焼成物を粉砕し混合する。その後さらに窒素ガスの雰囲気下で、圧力を1.1気圧程度にし、1100℃で3時間、再度、焼成する。再焼成が終了すると、徐々に冷却して得られた再焼成物を粉砕し混合した。これにより本実施例に係る緑色発光蛍光体を得る。
【0053】
なお、得られた緑色発光蛍光体は、平均粒子径が20〜220μm、特に80〜160μmのものである。平均粒子径が220μmを超えると、蛍光体の均一な分散が得られなくなるおそれがあり、また、他の蛍光体と併用した場合、色むらが起こるおそれがあるからである。一方、平均粒子径が20μmより小さいと、蛍光体の強度が低下するおそれがあるからである。
【0054】
(実施例2〜6に係る緑色発光蛍光体の製造方法)
実施例2では、実施例1と異なり、炭酸カルシウム(CaCO)は46.18g、塩化カルシウム(CaCl)は6.74g、炭酸マグネシウム(MgCO)は5.61g、酸化ケイ素(SiO)は18.00g、酸化ユーロピウム(Eu)は0.23g、準備する。その他の湿式での混合条件、焼成温度、焼成圧力、焼成時間等は、実施例1と共通である。
そして、実施例3では、実施例2と異なり、酸化ユーロピウム(Eu)は0.70g準備する。実施例4では、実施例2と異なり、酸化ユーロピウム(Eu)は1.17g準備する。実施例5では、実施例2と異なり、酸化ユーロピウム(Eu)は1.64g準備する。実施例6では、実施例2と異なり、酸化ユーロピウム(Eu)は2.34g準備する。その他は、実施例3〜6は、実施例2と共通である。
【0055】
(実施例7〜10に係る緑色発光蛍光体の製造方法)
実施例7では、実施例1と異なり、炭酸カルシウム(CaCO)は45.71g、塩化カルシウム(CaCl)は6.74g、炭酸マグネシウム(MgCO)は5.44g、炭酸マンガン(MnCO)は0.23g、酸化ケイ素(SiO)は18.00g、酸化ユーロピウム(Eu)は0.47g、準備する。その他の湿式での混合条件、焼成温度、焼成圧力、焼成時間等は、実施例1と共通である。
そして、実施例8では、実施例7と異なり、炭酸マグネシウム(MgCO)は5.33g、炭酸マンガン(MnCO)は0.38gである。実施例9では、実施例7と異なり、炭酸マグネシウム(MgCO)は5.22g、炭酸マンガン(MnCO)は0.54gである。実施例10では、実施例7と異なり、炭酸マグネシウム(MgCO)は5.05g、炭酸マンガン(MnCO)は0.77gである。その他は、実施例8〜10は、実施例7と共通である。
【0056】
(本実施例に係る緑色発光蛍光体を用いた発光素子)
図7は、本発明の実施例に係る緑色発光蛍光体を用いた発光素子111の断面図である。発光素子111は、前面に透明基板101を備える。また、発光素子111は、ドーム状に形成された透明樹脂103の内側に発光ダイオード105を配置する。
透明樹脂103は、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、等で構成される。なお、シリコン樹脂若しくはエポキシ樹脂を透明樹脂103として用いる方が、蛍光体粉の分散性が良い。
蛍光体の粉を透明樹脂中に分散させる場合、蛍光体粉と透明樹脂との合計に対するその蛍光体粉の重量割合は、通常0.1〜20重量%、好ましくは0.3〜15重量%である。この範囲よりも蛍光体が多すぎると蛍光体粉の凝集により発光効率が低下することがあるからであり、一方、少なすぎると今度は樹脂による光の吸収や散乱のため発光効率が低下することがあるからである。透明樹脂中には、色斑(ムラ)を防止するため増量剤を添加してもよい。
発光ダイオード105は紫外線発光ダイオードInGaNまたはGaNが用いられている。
【0057】
透明樹脂103にはそれぞれ赤、緑、青色発光の三種類の蛍光体粉末102を混入してあり、透明樹脂の表面はミラー104として作用するようにミラー加工を施してある。赤色発光蛍光体にはCaAlSiN:Euを用いる。青色発光蛍光体にはSr(POCl:Euを用いる。そして、緑色発光蛍光体には(Ca0.98Eu0.02Mg0.90Mn0.10Si16Clを用いる。なお、補色を加えるために、CaGa:Euやα−サイアロン:Eu等を含有させることも可能である。
紫外線発光ダイオード105は、波長370〜410nmの紫外領域、特に390nm付近で最も高い効率で紫外線を発光する。赤、緑、青色の各色発光の蛍光体はその紫外線に励起されて、これにより透明基板101から白色光が放射される。そのため、発光素子111は白色発光素子である。
【0058】
なお、透明樹脂103に拡散剤を含有させることにより、紫外線発光ダイオード105からの指向性を緩和させて視野角をさらに増大させることも可能である。拡散剤としては、チタン酸バリウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ケイ素等を用いることができる。さらに透明樹脂103はドーム状に形成されるが、これを所望の形状に形成することにより、紫外線発光ダイオード105からの発光を収束させたり拡散させたり等のレンズ効果をもたらすことが可能である。
【0059】
本実施例に係る緑色発光蛍光体はブロードな発光スペクトルを有する。そのため、本実施例に係る緑色発光蛍光体を使用した発光素子は、自然な印象を与える光を発することができる。
【0060】
(その他の実施例)
なお、本実施例に係る発光素子は、白色の発光素子に限定されず、暖色系や寒色系等の色調の光を発光する発光素子としてもよい。勿論、緑色単色の発光素子としてもよい。
【0061】
上述の実施例では、Caと、Mgと、酸化ケイ素と、ユーロピウムと、塩素と、を含有する緑色発光蛍光体が、発光スペクトルの発光ピークがブロードであることを示した。さらに、SrやBaを含有させた場合は、発光スペクトルの発光ピークをブロードに保ちつつ、しかも、SrやBaの含有量を調整することにより、発光色をやや青みがかかった緑色や黄色にやや近い緑色等の様々な微妙な色合いに変化させることが可能である。
【0062】
具体的には、Srを含有させたものとして、(Ca0.97Sr0.01Eu0.02MgSiO16Cl、(Ca0.97Sr0.02Eu0.01MgSi16Cl、(Ca0.94Sr0.03Eu0.03MgSi16Cl、(Ca0.90Sr0.05Eu0.05MgSi16Cl、(Ca0.86Sr0.07Eu0.07MgSi16Cl、(Ca0.80Sr0.10Eu0.10MgSi16Cl、(Ca0.96Sr0.02Eu0.02Mg0.97Mn0.03Si16Cl、(Ca0.96Sr0.02Eu0.02Mg0.95Mn0.05Si16Cl、(Ca0.96Sr0.02Eu0.02Mg0.93Mn0.07Si16Cl、(Ca0.96Sr0.02Eu0.02Mg0.90Mn0.10Si16Clについて発光スペクトルを調べたところ、発光ピークはブロードである。
【0063】
また、Baを含有させたものとして、(Ca0.97Ba0.01Eu0.02MgSiO16Cl、(Ca0.97Ba0.02Eu0.01MgSi16Cl、(Ca0.94Ba0.03Eu0.03MgSi16Cl、(Ca0.90Ba0.05Eu0.05MgSi16Cl、(Ca0.86Ba0.07Eu0.07MgSi16Cl、(Ca0.80Ba0.10Eu0.10MgSi16Cl、(Ca0.96Ba0.02Eu0.02Mg0.97Mn0.03Si16Cl、(Ca0.96Ba0.02Eu0.02Mg0.95Mn0.05Si16Cl、(Ca0.96Ba0.02Eu0.02Mg0.93Mn0.07Si16Cl、(Ca0.96Ba0.02Eu0.02Mg0.90Mn0.10Si16Clについて発光スペクトルを調べたところ、発光ピークはブロードである。
【0064】
さらに、Sr及びBaを含有させたものとして、(Ca0.96Sr0.01Ba0.01Eu0.02MgSiO16Cl、(Ca0.95Sr0.02Ba0.02Eu0.01MgSi16Cl、(Ca0.91Sr0.03Ba0.03Eu0.03MgSi16Cl、(Ca0.85Sr0.05Ba0.05Eu0.05MgSi16Cl、(Ca0.79Sr0.07Ba0.07Eu0.07MgSi16Cl、(Ca0.70Sr0.10Ba0.10Eu0.10MgSi16Cl、(Ca0.94Sr0.02Ba0.02Eu0.02Mg0.97Mn0.03Si16Cl、(Ca0.94Sr0.02Ba0.02Eu0.02Mg0.95Mn0.05Si16Cl、(Ca0.94Sr0.02Ba0.02Eu0.02Mg0.93Mn0.07Si16Cl、(Ca0.94Sr0.02Ba0.02Eu0.02Mg0.90Mn0.10Si16Clについて発光スペクトルを調べたところ、発光ピークはブロードである。
【0065】
Srを含有させる場合は、炭酸ストロンチウム(SrCO)、塩化ストロンチウム(SrCl)、臭化ストロンチウム(SrBr)や硫酸ストロンチウム(SrSO)等を原料粉末に含有させる。
また、Baを含有させる場合は、メタリン酸バリウム(Ba(PO)、シュウ酸バリウム(BaC)、硝酸バリウム(BaNO)や塩化バリウム(BaCl)等を原料粉末に含有させる。
【0066】
また、上述の実施例では、原料粉末として、炭酸カルシウム(CaCO)、塩化カルシウム(CaCl)、炭酸マグネシウム(MgCO)、酸化ケイ素(SiO)、酸化ユーロピウム(Eu)を混合させた。もっとも、本発明に係る緑色発光蛍光体はかかる実施例に限定されない。カルシウム化合物としては、亜塩素酸カルシウム(Ca(ClO)、亜硫酸カルシウム(CaSO)、亜リン酸カルシウム(CaPHO)、アルミノケイ酸一カルシウム(CaO・Al)、過塩素酸カルシウム(Ca(ClO)、窒化カルシウム(Ca)等を用いることも可能である。
【0067】
上述の実施例に係る発光素子111では、赤色発光蛍光体にはCaAlSiN:Euを、青色発光蛍光体にはSr(POCl:Euを、緑色発光蛍光体には(Ca0.98Eu0.02Mg0.90Mn0.10Si16Clを用いた。
もっとも、これに限定されない。赤色発光蛍光体には、SrS:Eu、CaS:Eu及びLaS:Eu等を用いることができる。また、青色発光蛍光体は、(Ba,Sr)MgAl1017:Eu,Mn、(Ba,Sr,Ca,Mg)10(POCl:Eu及びZnS:Ag等を用いることができる。さらに、緑色発光蛍光体には、本実施例に係る種々の緑色発光蛍光体を用いることができる。
【0068】
さらに、発光素子111では、本実施例に係る緑色発光蛍光体に加えて、以下に示す緑色発光蛍光体を混合して使用することも可能である。例えば、BaMgAl1627:Eu、MnやBaMgAl1017:Eu、Mnで表されるユーロピウム付活アルミン酸塩蛍光体、(MgCaSrBa)Si:Euで表されるユーロピウム付活アルカリ土類シリコンオキシナイトライド系蛍光体、BaSiO:Euで表されるユーロピウム付活アルカリ土類金属珪酸塩系蛍光体等を、本実施例に係る緑色発光蛍光体に加えて使用することも可能である。
【0069】
また、上述の実施例に係る発光素子111では、発光ダイオード105として紫外線発光ダイオードを用いた。
もっとも、これに限定されない。発光ダイオード105として青色発光ダイオードGaNを用いることもできる。かかる場合は、透明樹脂103にはそれぞれ赤、緑色発光の二種類の蛍光体粉末102が混入される。例えば、緑色発光蛍光体には(Ca0.98Eu0.02Mg0.90Mn0.10Si16Clを用いる。赤色発光蛍光体は、SrS:Eu、CaS:Eu及びCaAlSiN:Eu等を用いることができる。また、さらには、補色を加えるために、YAG:CeやCaGa:Euやα−サイアロン:Eu等を含有させることも可能である。
【0070】
上述の実施例では、紫外線発光ダイオードとしてInGaNまたはGaNが用いられた。また、青色発光ダイオードとしてGaNを用いた。もっともこれに限定されない。発光素子を形成するための発光ダイオードとしては、InAlGaN、AlGaN、BAlGaN、BInAlGaN等を用いることが可能である。
【0071】
緑色発光蛍光体は、一般式(Ca、Sr、Ba、EuMg1−xMnSi16Cl(ここで、0<a<1.0、0≦b<0.5、0≦c<0.5、0<d<0.2、a+b+c+d=1.0、0≦x<0.3である)で表されるものとした。
もっとも、0.001≦a≦0.999、0≦b≦0.499、0≦c≦0.499、0.001≦d≦0.199、a+b+c+d=1.0、0≦x≦0.299とすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】実施例1における緑色発光蛍光体の励起スペクトルと発光スペクトルを説明する図である。
【図2】実施例2〜6における緑色発光蛍光体の励起スペクトルを説明する図である。
【図3】実施例2〜6における緑色発光蛍光体の発光スペクトルを説明する図である。
【図4】実施例7〜10における緑色発光蛍光体の発光スペクトルを説明する図である。
【図5】比較例1における蛍光体の励起スペクトルと発光スペクトルを説明する図である。
【図6】比較例2における蛍光体の励起スペクトルと発光スペクトルを説明する図である。
【図7】本実施例にかかる発光素子を説明する図である。
【符号の説明】
【0073】
101 透明基板
102 三種類の蛍光体粉末
103 透明樹脂
104 ミラー
105 発光ダイオード
111 本実施例に係る発光素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カルシウム(Ca)と、マグネシウム(Mg)と、酸化ケイ素と、付活剤と、ハロゲンと、を有する緑色発光蛍光体。
【請求項2】
ストロンチウム(Sr)とバリウム(Ba)の少なくともいずれか一つを含有する、
ことを特徴とする請求項1記載の緑色発光蛍光体。
【請求項3】
前記付活剤は、ユーロピウム(Eu)を含有する、
ことを特徴とする請求項1又は2記載の緑色発光蛍光体。
【請求項4】
マンガン(Mn)を含有するとともに、前記Mgと前記Mnとは、
一般式Mg1−xMn(ここで、0≦x<0.3である)で表される比率である、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の緑色発光蛍光体。
【請求項5】
前記ハロゲンは、塩素である、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の緑色発光蛍光体。
【請求項6】
一般式(Ca、Sr、Ba、EuMg1−xMnSi16Cl
(ここで、0<a<1.0、0≦b<0.5、0≦c<0.5、0<d<0.2、a+b+c+d=1.0、0≦x<0.3である)
で表される請求項5記載の緑色発光蛍光体。
【請求項7】
前記緑色発光蛍光体は、発光スペクトルの発光ピークの半値幅が52nm以上60nm以下である、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の緑色発光蛍光体。
【請求項8】
前記緑色発光蛍光体は、波長330〜340nm、波長385〜390nm及び波長465〜475nmに励起スペクトルのピークを有する、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の緑色発光蛍光体。
【請求項9】
カルシウム(Ca)と、マグネシウム(Mg)と、酸化ケイ素と、付活剤と、ハロゲンと、を混合させて、原料粉末を作成する、混合工程と、
前記原料粉末を加圧状態下にして焼成する、焼成工程と、
を有することを特徴とする緑色発光蛍光体の製造方法。
【請求項10】
前記混合工程では、前記原料粉末に、ストロンチウム(Sr)とバリウム(Ba)の少なくともいずれか一つを含有する、
ことを特徴とする請求項9記載の緑色発光蛍光体の製造方法。
【請求項11】
前記付活剤は、ユーロピウム(Eu)を含有する、
ことを特徴とする請求項9又は10記載の緑色発光蛍光体の製造方法。
【請求項12】
前記混合工程は、マンガン(Mn)が混合されるとともに、
前記Mgと前記Mnとが、
一般式Mg1−xMn(ここで、0≦x<0.3である)
で表される比率で混合される、
ことを特徴とする請求項9乃至11のいずれか1項に記載の緑色発光蛍光体の製造方法。
【請求項13】
前記ハロゲンは、塩素である、
ことを特徴とする請求項9乃至12のいずれか1項に記載の緑色発光蛍光体の製造方法。
【請求項14】
前記混合工程は、
一般式(Ca、Sr、Ba、EuMg1−xMnSi16Cl
(ここで、0<a<1.0、0≦b<0.5、0≦c<0.5、0<d<0.2、a+b+c+d=1.0、0≦x<0.3である)
で表される比率で原料粉末を混合する、
ことを特徴とする請求項13記載の緑色発光蛍光体の製造方法。
【請求項15】
前記焼成工程は、1.00気圧以上1.50気圧以下の加圧状態下で行われる、
ことを特徴とする請求項9乃至14のいずれか1項に記載の緑色発光蛍光体の製造方法。
【請求項16】
前記焼成工程は、900℃以上1300℃以下の温度で行われる、
ことを特徴とする請求項9乃至15のいずれか1項に記載の緑色発光蛍光体の製造方法。
【請求項17】
前記焼成工程は、水素及び窒素を混合させた還元雰囲気中で行われる、
ことを特徴とする請求項9乃至16のいずれか1項に記載の緑色発光蛍光体の製造方法。
【請求項18】
前記焼成工程の終了後、得られた焼成物を粉砕し混合することで混合物を得て、さらに再度、得られた混合物を加圧状態下にして再焼成する、再焼成工程を有する、
ことを特徴とする請求項9乃至17のいずれか1項に記載の緑色発光蛍光体の製造方法。
【請求項19】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の緑色発光蛍光体と、
蛍光体の励起光源としての紫外線発光ダイオードと、
を有する発光素子。
【請求項20】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の緑色発光蛍光体と、
蛍光体の励起光源としての青色発光ダイオードと、
を有する発光素子。
【請求項21】
赤色発光蛍光体と、青色発光蛍光体と、を含有する、
請求項19記載の発光素子。
【請求項22】
赤色発光蛍光体を含有する、請求項20記載の発光素子。
【請求項23】
前記赤色発光蛍光体は、SrS:Eu、CaS:Eu、CaAlSiN:Eu及びLaS:Euのうち少なくともいずれか一つを含有し、
前記青色発光蛍光体は、(Ba,Sr)MgAl1017:Eu,Mn、(Ba,Sr,Ca,Mg)10(POCl:Eu、Sr(POCl:Eu
及びZnS:Agのうち少なくともいずれか一つを含有する、
ことを特徴とする請求項21記載の発光素子。
【請求項24】
前記赤色発光蛍光体は、SrS:Eu、CaS:Eu及びCaAlSiN:Euのうち少なくともいずれか一つを含有する、
ことを特徴とする請求項22記載の発光素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−285576(P2008−285576A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−131304(P2007−131304)
【出願日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【出願人】(300022353)NECライティング株式会社 (483)
【Fターム(参考)】