説明

缶容器

【課題】 缶内圧が異常に高くなったときに確実に破断して内部のガスを放出し、それ以外の場合では破断することのない破断容易部を備えた缶容器を提供する。
【解決手段】 缶容器の内圧が異常に上昇してドーム部3Aが缶容器の外方に突出するように変形したときに破断される破断容易部5が、巻締部3Dと連なるドーム部3Aの外周縁部3Cの直ぐ近くに位置するドーム部3Aの外面側に形成されている。例えば、加熱などにより缶容器の内圧が異常に上昇し、底蓋のドーム部の外周縁部を基点とし、ドーム部が反転し、缶容器の外方に突出するように変形したときに破断容易部が破断し、缶容器の内部の内容物を放出するので、内圧が異常に上昇しても缶容器の一部が吹き飛ばされることなくガス抜きができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内容物を充填するエアゾール缶などの缶容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、高圧ガスである噴射剤を充填したエアゾール缶が使用されている。このエアゾール缶は、火中に投入されたり、高温下に長時間放置されたりした場合、噴射剤の熱膨張に伴って、缶容器(容器)内部の圧力が異常に上昇し、缶容器の缶胴と底蓋との巻締部や缶胴とマウンテンキャップとの取付部が破壊されて、缶容器の底蓋やマウンテンキャップが吹き飛ばされるおそれがある。このような圧力の上昇により缶容器の爆発を防止するために、缶容器の内圧が一定値を越えた際に、変形し亀裂する弱化部が形成された構成とすることで、内圧を開放する缶容器の一例が特許文献1や特許文献2に記載されている。
【0003】
特許文献1には、金属製上蓋と金属胴との巻締部上端を含む部分に、上蓋の直径方向に、多数の刻み線を設けることにより、缶容器の内圧が増加して底蓋が吹き飛びそうになる前に生じる上蓋の膨出により刻み線が破断され、内部の圧力を放出できる密封内圧容器が記載されている。
【0004】
特許文献2には、缶容器の底部を構成する部材の周辺を分割する缶容器の内圧が一定値を越えた際に変形し亀裂し得る抵抗力の弱い区域部を備え、底部が外方へ反転(底部が缶容器の外方へ突出)する際にだけ亀裂が生じるように底部の壁に切開予定部を設けた缶容器が記載されている。
【特許文献1】特開昭47−7686号公報
【特許文献2】特開昭48−49591号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された発明の場合、金属製缶容器の巻締部に刻み線を設けているため、巻締密封性が安定せず、正常な内圧の缶であるのに巻締部から内容物又は噴射剤の漏洩が発生したり、巻締部の成形時に発生するスコアーダメージにより、流通時の振動衝撃によりスコアーが破断し、破断した箇所から内容物又は噴射剤が漏洩することがある。また、缶容器を誤って落下させてしまった場合には、床と巻締部とが直接接触する可能性があり、その場合、巻締部に形成された刻み線が落下衝撃により破断しやすくなり、本来刻み線の破断が生じるような高内圧時以外にも内容物が放出されてしまう可能性がある。
【0006】
また、特許文献2に記載された発明では、切開予定部は、缶容器の底部の湾曲区域の周辺部分に形成されているが、缶容器の内圧が一定値を越えて底部が反転した場合、底部の中央部分付近は、缶容器の軸線方向外方に変位するだけで、その中央部にあるドーム部の壁面自体は余り変形しないため、切開予定部を底部の湾曲区域の周辺部分に形成しても、その位置が比較的中央よりであると、底部の反転時に切開予定部が破断しないおそれがある。
【0007】
この発明は上記の事情を背景としてなされたものであり、缶内圧が異常に高くなったときに確実に破断して内部のガスを放出し、それ以外の場合では破断することのない破断容易部を備えた缶容器を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、缶容器の下端に形成された環状接地部と、その環状接地部の内周面から缶容器の内方に凹んでいるドーム部とが形成されている缶容器において、缶容器の内圧が異常に上昇して前記ドーム部が缶容器の外方に突出するように変形したときに破断される破断容易部が、前記環状接地部と連なる前記ドーム部の外周縁部の直ぐ近くに位置する前記ドーム部の外面側に形成されていることを特徴とする缶容器である。
【0009】
また、請求項2の発明は、請求項1における前記破断容易部が、前記破断容易部が、前記ドーム部の外周縁部からその半径方向に向かって内方にかつ所定の範囲に形成されていることを特徴とする缶容器である。
【0010】
さらに、請求項3の発明は、請求項1または2における前記ドーム部の外面部に設けられている前記破断容易部が、縦断面形状で、前記ドーム部の外面側から内面側に近づくに従って先細りとなる傾斜側面と、その傾斜側面を繋ぐ底面とを有する逆台形状となるスコア線であることを特徴とする缶容器である。
【0011】
そして、請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかにおける前記破断容易部が、平面形状で略半円弧状となる端部を有し、その端部が缶容器の略半径方向に向けて延在していることを特徴とする缶容器である。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明によれば、加熱などにより缶容器の内圧が異常に上昇し、缶容器の底部側に形成されたドーム部の外周縁部(缶容器を床に正置した場合に、床と直接接触する環状の接地部と連なるドーム部の下端縁)を基点とし、ドーム部が反転し、缶容器の外方に突出するように変形したときに、破断容易部が破断し、缶容器の内部の内容物を放出するため、内圧が異常に上昇した時に缶容器の一部が吹き飛ばされることなくガス抜きができる。しかも、破断容易部が、ドーム部が反転する際に変形度合いの大きいドーム部の外周縁部の直ぐ近くに形成されているため、ドーム部の反転時に確実に破断容易部を破断させることができる。この破断容易部は、ドーム部の外周縁部の直ぐ近くに位置するドーム部の外面側に形成されることにより、缶を誤って落下させたときに直接地面と接触し易い環状接地部に破断容易部が形成されている場合に比べて、落下衝撃による不用意な破断が生じるのを防止できる。
【0013】
また、請求項2の発明によれば、破断容易部が、ドーム部の外周縁部からその半径方向内方にかつ所定の範囲に位置することで、より確実に破断容易部を破断することができる。
【0014】
さらに、請求項3の発明によれば、破断容易部の縦断面形状が逆台形状をしており、破断容易部の一対の傾斜側面と、その傾斜側面同士を繋ぐ底面が形成されているため、加熱や衝撃等で内圧がある程度上昇して、多少ドーム部が外方へ膨らんでも、その底面のある分だけ傾斜側面間に隙間が生じるので、不用意に破断容易部が破断するようなことはない。
【0015】
そして、請求項4の発明によれば、破断容易部の平面形状が略半円弧状であり、その端部が缶容器の略半径方向に向けて延在しているため、ドーム部の反転時に、破断容易部が破断した際に、直線状に破断容易部が形成されている場合に比べて、破断容易部で囲まれた部分が、外方へ浮き上がり易いため、迅速に缶容器内部の圧力を開放できる。さらに、破断容易部の破断が、破断容易部の端部の延長線上にまで生じて、ドーム部に亀裂が生じた場合でも、破断容易部の端部が、円周方向の隣に位置する他の破断容易部の方向を向いていないため、ドーム部の亀裂が円周方向の隣に位置する他の破断容易部に達して、ドーム部の一部が破断分離されるようなことはない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。図6,7には、金属製の容器内部に高圧ガスである噴射剤などを充填するエアゾール缶などの缶容器が示されている。この缶容器(本体)1には円筒状の金属製の缶胴部(胴部)2が構成されている。この缶胴部2の一端には内容物噴射用のエアゾール用バルブ部材(図示せず)が取り付けられ、その他端には円板状の金属製の底蓋(缶蓋)3が巻き締め固着される。なお、内容物としては、化粧品、殺虫剤、薬剤、洗浄剤、塗料、潤滑剤、食品と、噴射剤としての高圧ガス等がある。
【0017】
本発明の缶容器における缶胴および缶蓋用の金属素材としては、圧延されてから必要に応じて適宜の表面処理やメッキが施された金属材を主材として、少なくとも内容物と接する面に樹脂被膜を形成したものが使用できる。また、その金属板としては、例えば、純アルミニウムやアルミニウム合金によるアルミ板材や、電解クロム酸処理鋼板、ニッケルメッキ鋼板、錫メッキ鋼板等のような鋼板材が使用できる。さらに、樹脂被膜としては、耐食性や加工性等の観点から、エポキシ−フェノール樹脂、エポキシ−アクリル樹脂、塩化ビニル系樹脂等の塗料や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、アイオノマー等の熱可塑性樹脂の1種又は2種以上から構成される樹脂フィルム等が使用できる。
【0018】
缶胴部2は、金属薄板を絞りしごき加工してシームレス缶に成形し、そのシームレス缶の底部側に絞り加工を施すことにより、缶胴部2よりも小径の有底円筒部2Aを成形し、缶胴部2の開口端側と、小径の有底円筒部2Aの先端側とをトリミングし、有底円筒部2A側にエアゾール用バルブ部材を取り付けるための開ロカール部2Bを成形し、缶胴部2の開口端側に、底蓋3を巻き締めるためのフランジ部2Cを成形したものである。また、底蓋3は、金属板材に破断容易部5となるスコア線Lを形成した後、その金属板材を円板状に打ち抜き、プレス成形を施したものであり、缶胴部2に巻き締める際に缶容器1の内方に凹むような縦断面円弧状のドーム部3Aと、缶胴部2に巻き締め固着するためのフランジ部3Bとを有する。
【0019】
さらに、図1に示すように、ドーム部3Aの半径方向の最外端部分に位置し、フランジ部3Bと連なる外周縁部3Cの近傍の缶容器1外面側に、ドーム部3Aが変形したときに破断される破断容易部5として、平面形状で半円弧状のスコア線Lが円周方向に等間隔に4箇所形成されている。図1および図2では、スコア線Lの両端部は、底蓋3の半径方向内方を向いており、底蓋3の半径方向で最外端に位置するスコア線Lの部分は、ドーム部3Aの外周縁部3Cの直ぐ近くに位置し、ドーム部3Aの外周縁部3Cから半径方向内方に約3mm以内の範囲に位置している。なお、図2に示す2点鎖線Mは、スコア線Lがドーム部3Aの外周縁部3Cに接触した状態を示す図である。
【0020】
図3〜5に示すスコア線Lにおける縦断面形状は、底蓋3(缶容器1)の外面側から内面側に近づくに従って先細りとなる一対の傾斜側面5Aを有し、傾斜側面5Aの下端には、両傾斜側面5Aを繋ぐ底蓋3に略平行な底面5Bが形成された逆台形状(V部参照)となっている。なお、本実施例では、底蓋3のドーム部3Aの板厚が0.3mmであり、スコア線L部分の残厚は0.15mmであり、その底面5Bの縦断面形状の幅は、0.06mmであり、一対の傾斜側面5Aのなす開き角度は50°である。また、スコア線Lの本数は、多すぎると底蓋3の耐圧強度が低下するため、上記範囲内で底蓋3の円周方向に略等間隔に2〜10本程度であることが好ましい。
【0021】
また、図6に示すように、上記缶胴部2と底蓋3とを巻き締めることで本発明の缶容器となり、この缶胴部2(フランジ部2C)と底蓋3(フランジ部3B)とを巻き締めした巻締部3Dが、本発明の環状接地部に相当する。この巻締部3Dは、床やテーブル等の上に直接接触する環状の接地面と、その接地面の周縁部から略垂直に延びる環状の内周面3Eと外周面3Fとで構成されており、巻締部3Dの内周壁の上端とドーム部3Aの外周縁部3C(ドーム部3Aの下端)とが接続されている。
【0022】
また、本発明の缶容器の他の実施形態として、図8のように、ドーム部3Aの外周縁部3Cの直ぐ近くに形成されたスコア線Lの半径方向内方に、スコア線Lよりも残厚の厚い副スコア線6を形成しても良い。この場合、スコア線Lと同時に副スコア線6を成形することにより、スコア線の成形時におけるスコア線Lへの応力集中を緩和することができ、スコア線Lの損傷を防ぐことができる。特に、スコア線の成形後に、ドーム部3Aを成形する場合は、スコア線の成形時にスコア線が損傷していると、ドーム部3Aの成形により、スコア線の損傷が増し、スコア線の内面を覆う樹脂被膜が破壊されたり、スコア線に割れが発生したりする可能性があるが、副スコア線6を形成することにより、このような事態を防ぐことができる。
【0023】
本発明の缶容器では、加熱等により缶容器1の内圧が異常に上昇した場合に、底蓋3のドーム部3Aの外周縁部3Cを基点とし、ドーム部3Aが反転し、缶容器1の外方に突出するように変形する。このとき、ドーム部3Aの外周縁部3Cの直ぐ近くに形成されたスコア線Lが破断し、缶容器1内部の内容物(図示せず)が放出されるため、缶胴部2と底蓋3との巻締部3Dが破壊されて底蓋3が吹き飛ばされるようなことはない。
【0024】
ところで、ドーム部3Aが反転する際、ドーム部3Aの中央部分は、缶容器1の軸線方向外方(下方)に変位するだけで、ドーム部3Aの壁面自体は余り変形しないが、ドーム部3Aの外周縁部3Cの直ぐ近くの壁面は、ドーム部3Aの半径方向内方かつ缶容器1の軸線方向外方へ引っ張られるように大きく変形する。したがって、従来の発明では、ドーム部3Aの中央部分付近にスコア線Lが形成されていても、ドーム部3Aの反転時にスコア線Lが破断しないのに対し、本発明では、スコア線Lはドーム部3Aの外周縁部3Cの直ぐ近くに形成されているため、ドーム部3Aの反転時に確実にスコア線Lを破断させることができる。特に、スコア線Lの少なくとも一部が、ドーム部3Aの外周縁部3Cからその半径方向内方に約3mm以内の範囲に位置することが好ましい。
【0025】
したがって、その範囲にスコア線Lを形成することにより、より確実にスコア線Lを破断することができる。また、スコア線Lは、ドーム部3Aの外周縁部3Cの直ぐ近くに形成されているので、缶を誤って落下させたときに直接地面と接触し易い環状接地部である巻締部3Dにスコア線が形成されている場合に比べて、落下衝撃による不用意な破断が生じるのを防止できる。さらに、本実施例のように、スコア線Lの縦断面形状が逆台形状であり、傾斜側面5Aを繋ぐ底面5Bが形成されているとすれば、加熱や衝撃などで缶容器1の内圧がある程度上昇して、多少ドーム部3Aが外方へ膨らんだとしても、不用意にスコア線Lが破断するようなことはない。
【0026】
さらに、底蓋3は、缶容器1の内圧により変形し、反転する際にスコア線Lの傾斜側面5A同士が当接することで、底面5Bに亀裂が生じる。例えば、スコア線Lに底面5Bが無く、両傾斜側面5Aの下端同士が直接連なっている場合には、底蓋3が反転するほど圧力が高くならなくても、ある程度、缶容器1の内圧が上昇し、ドーム部3Aが外方へ膨らんだだけで、両傾斜側面5A同士が当接し、スコア線Lが破断するおそれがある。
【0027】
それに対して、本発明の缶容器では、スコア線Lが断面逆台形状であるので、底面5Bがあるため、缶容器1の内圧がある程度上昇して多少ドーム部3Aが外方へ膨らんだとしても、その底面5Bにより両傾斜側面5Aの間には隙間ができる。そのため、両傾斜側面5A同士はすぐには当接せず、缶容器1の多少の圧力上昇だけで、不用意にスコア線Lが破断するようなことはない。なお、底面5Bの縦断面形状の幅は、狭すぎると上述したように多少の底蓋3の変形により、スコア線Lが破断してしまうが、広すぎると底蓋3が反転した際にスコア線Lが破断し難くなるため、0.03mm〜0.1mm程度の幅が好ましい。
【0028】
また、上述したように、スコア線Lの平面形状が半円弧状であり、スコア線Lの端部が缶容器1の略半径方向に向けて延在しているので、例えば底蓋に直線状にスコア線が形成されていた場合に比べて、ドーム部3Aの反転時にスコア線Lが破断した際に、スコア線Lで囲まれた部分が外方へ浮き上がり易い。そのため、迅速に缶容器1内部の圧力を開放できる。さらに、スコア線Lの端部が缶容器1の略半径方向に向けて延在しているので、缶容器1の内圧によりスコア線Lの破断が、スコア線Lの端部の延長線上にまで生じて、底蓋3に亀裂が生じた場合でも、底蓋3の一部が破断分離されるようなことはない。例えば、スコア線Lの端部が円周方向に延在していた場合にスコア線Lが破断し、その破断がスコア線Lの端郡の延長線上にまで生じて底蓋3に亀裂が生じた場合に、その亀裂が円周方向の隣に位置する他のスコア線Lと繋がって、底蓋3の一部が円板状に破断分離するおそれがある。
【0029】
それに対して、本発明の缶容器では、スコア線Lの端部が缶容器1の略半径方向に向けて延在しているので、スコア線Lの端部の延長線上に、円周方向の隣に位置するスコア線Lが位置しない。そのため、スコア線Lの破断が、その端部の延長線上にまで生じて、底蓋に亀裂が生じた際でも、底蓋の一部が破断分離されるようなことはない。なお、本発明の缶容器は、缶胴部2に底蓋3を巻き締めたものだけなく、缶胴部と底蓋とを一部材から一体に成形したものであっても良く、また、缶容器自体もエアゾール缶だけでなく、缶胴部2の一端にネジ部を成形したボトル型缶であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の缶容器を示す底面図である。
【図2】図1の缶容器における破断容易部の位置を示す図である。
【図3】本発明の缶容器におけるドーム部を示す縦断面図である。
【図4】図3のドーム部を示す拡大図である。
【図5】図4のV部を示す拡大図である。
【図6】本発明の缶容器を示す縦断面図である。
【図7】本発明の缶容器を示す正面図である。
【図8】本発明の缶容器の他の実施形態を示す底面図である。
【符号の説明】
【0031】
1…缶容器、 3…底蓋、 3A…ドーム部、 3C…外周縁部、 3D…巻締部(環状接地部)、 5…破断容易部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
缶容器の下端に形成された環状接地部と、その環状接地部の内周面から缶容器の内方に凹んでいるドーム部とが形成されている缶容器において、
缶容器の内圧が異常に上昇して前記ドーム部が缶容器の外方に突出するように変形したときに破断される破断容易部が、前記環状接地部と連なる前記ドーム部の外周縁部の直ぐ近くに位置する前記ドーム部の外面側に形成されていることを特徴とする缶容器。
【請求項2】
前記破断容易部が、前記ドーム部の外周縁部からその半径方向に向かって内方にかつ所定の範囲に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の缶容器。
【請求項3】
前記ドーム部の外面部に設けられている前記破断容易部が、縦断面形状で、前記ドーム部の外面側から内面側に近づくに従って先細りとなる傾斜側面と、その傾斜側面を繋ぐ底面とを有する逆台形状となるスコア線であることを特徴とする請求項1または2に記載の缶容器。
【請求項4】
前記破断容易部が、平面形状で略半円弧状となる端部を有し、その端部が缶容器の略半径方向に向けて延在していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の缶容器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2006−51964(P2006−51964A)
【公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−233458(P2004−233458)
【出願日】平成16年8月10日(2004.8.10)
【出願人】(000208455)大和製罐株式会社 (309)
【Fターム(参考)】