説明

置換されたフェニルアミジン及び殺真菌剤としてのその使用

本発明は、一般式(I)を有するオキシムエーテル置換、ヒドラゾン置換又はアゾメチン置換されたフェニルアミジン、その製造方法、望ましくない微生物を駆除するための特許請求の範囲に記載されているアミジンの使用、及び特許請求に記載されたアミジンを含むこの目的のための手段に関する。さらに、本発明は、微生物及び/又はその生息環境へ特許請求に記載された化合物を適用することによって、望ましくない微生物を駆除するための方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般式(I)のオキシムエーテル置換、ヒドラゾン置換又はアゾメチン置換されたフェニルアミジン、その調製方法、望ましくない微生物を駆除するための本発明のアミジンの使用に関し、及び本発明のアミジンを含むこの目的のための組成物にも関する。さらに、本発明は、本発明の化合物を微生物及び/又はその生息環境に適用することによって、望ましくない微生物を駆除するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
WO−A−00/046184号は、アミジンの殺真菌剤としての使用を開示する。
【0003】
WO−A−03/093224号は、アリールアミジン誘導体の、特にN−エチル−N−メチル−N’−[4−(3−トリメチルシリルプロピル−1−オキシ)−2,5−ジメチルフェニル]ホルムアミジンの殺真菌剤としての使用を開示する。
【0004】
WO−A−03/024219号は、さらなる選択された公知の活性化合物と組み合わせて、少なくとも1つのN2−フェニルアミジン誘導体を含む殺真菌剤組成物を開示する。
【0005】
WO−A−04/037239号は、N2−フェニルアミジン誘導体を基礎とする抗殺真菌性医薬を開示する。
【0006】
WO−A−05/089547号は、さらなる公知の殺真菌活性化合物と組み合わせて、少なくとも1つのアリールアミジン誘導体を含む殺真菌剤混合物を開示する。
【0007】
WO−A−05/120234号は、少なくとも1つのフェニルアミジン誘導体及びさらなる選択された公知の殺真菌剤を含む殺真菌剤混合物を開示する。
【0008】
従来技術に記載されているアミジンの有効性は優れているが、多くの事例で、何らかの不満がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】国際公開第00/046184号パンフレット
【特許文献2】国際公開第03/093224号パンフレット
【特許文献3】国際公開第03/024219号パンフレット
【特許文献4】国際公開第04/037239号パンフレット
【特許文献5】国際公開第05/089547号パンフレット
【特許文献6】国際公開第05/120234号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、改善された殺真菌有効性を有するアミジンを提供することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
驚くべきことに、この目的は、式(I)の置換されたフェニルアミジン及びその塩によって達成された。
【0012】
【化1】

(式中、
Yは、O、NH及び単結合からなる群から選択され;
は、水素、直鎖又は分岐の、C1−12−アルキル、C2−12−アルケニル、C2−12−アルキニル基、環状C3−8アルキル、C4−8アルケニル、C4−8アルキニル基(上記されている環状基の全ての環系において、1つ又はそれ以上の炭素原子は、N、O、P及びSからなる群から選択されるヘテロ原子によって置換され得、並びに上記されている基の全ては、−R’、−X、−OR’、−SR’、−NR’、−SiR’、−COOR’、−CN及び−CONR’(R’は、水素又はC1−12−アルキル基を表し得る。)からなる群から選択される1つ又はそれ以上の基によって置換され得る。);
−SH;−SR’’(R’’は、−R’、−X、−OR’、−SR’、−NR’、−SiR’、−COOR’、−CN及び−CONR’(R’は上記意味を有する。)からなる群から選択される1つ又はそれ以上の基によって置換され得る直鎖又は分岐のC1−12−アルキル基を表し得る。);
からなる群から選択され;
は、直鎖又は分岐の、C1−12−アルキル、C2−12−アルケニル、C2−12−アルキニル基、環状C3−8アルキル、C4−8アルケニル又はC4−8アルキニル基、C5−18−アリール、C7−19−アラルキル及びC7−19アルカリール基(上記されている環状基の全ての環系において、1つ又はそれ以上の炭素原子は、N、O、P及びSからなる群から選択されるヘテロ原子によって置換され得、並びに上記されている基の全ては、−R’、−X、−OR’、−SR’、−NR’、−SiR’、−COOR’、−CN及び−CONR’(R’は、上記意味を有する。)からなる群から選択される1つ又はそれ以上の基によって置換され得る。)からなる群から選択され;
は、−CN、−SH、−SR’’、−OR’’、−(C=O)−R’’、直鎖又は分岐のC1−12−アルキル、C2−12−アルケニル、C2−12−アルキニル基、環状C3−8アルキル、C4−8アルケニル及びC4−8アルキニル基、C5−18−アリール、C7−19−アラルキル及びC7−19アルカリール基(上記されている環状基の全ての環系において、1つ又はそれ以上の炭素原子は、N、O、P及びSからなる群から選択されるヘテロ原子によって置換され得、並びに上記されている基の全ては、−R’、−X、−OR’、−SR’、−NR’、−SiR’、−COOR’、−CN及び−CONR’(R’及びR’’は、上記意味を有する。)からなる群から選択される1つ又はそれ以上の基によって置換され得る。)からなる群から選択され;
又は
及びR
及びR若しくは
及びRは、これらが結合している原子とともに、若しくはN、O、P及びSからなる群から選択されるさらなる原子とともに、それ自体、1つ又はそれ以上のX、R’、OR’、SR’、NR’、SiR’、COOR’、CN及びCONR’基(R’は、上記意味を有する。)によって置換され得る4員から7員環を形成し得;
は、−X、−CN、−SH、−SR’’、−OR’’、−(C=O)−R’’、直鎖又は分岐のC1−12−アルキル、C2−12−アルケニル、C2−12−アルキニル基、環状C3−8アルキル、C4−8アルケニル及びC4−8アルキニル基、C5−18−アリール、C7−19−アラルキル及びC7−19アルカリール基(上記されている環状基の全ての環系において、1つ又はそれ以上の炭素原子は、N、O、P及びSからなる群から選択されるヘテロ原子によって置換され得、並びに上記されている基の全ては、−R’、−X、−OR’、−SR’、−NR’、−SiR’、−COOR’、−CN及び−CONR’(R’及びR’’は、上記意味を有する。)からなる群から選択される1つ又はそれ以上の基によって置換され得る。)からなる群から選択され;
は、水素、−X、−CN、−SH、−SR’’、−OR’’、−(C=O)−R’’、直鎖又は分岐の、C1−12−アルキル、C2−12−アルケニル、C2−12−アルキニル基、環状C3−8アルキル、C4−8アルケニル及びC4−8アルキニル基、C5−18−アリール、C7−19−アラルキル及びC7−19アルカリール基(上記されている環状基の全ての環系において、1つ又はそれ以上の炭素原子は、N、O、P及びSからなる群から選択されるヘテロ原子によって置換され得、並びに上記されている基の全ては、−R’、−X、−OR’、−SR’、−NR’、−SiR’、−COOR’、−CN及び−CONR’(R’及びR’’は、上記意味を有する。)からなる群から選択される1つ又はそれ以上の基によって置換され得る。)からなる群から選択され;
は、水素;直鎖又は分岐の、C1−12−アルキル、C2−12−アルケニル、C2−12−アルキニル基、環状C3−8アルキル、C4−8アルケニル、C4−8アルキニル基(上記されている環状基の全ての環系において、1つ又はそれ以上の炭素原子は、N、O、P及びSからなる群から選択されるヘテロ原子によって置換され得、並びに上記されている基の全ては、−R’、−X、−OR’、−SR’、−NR’、−SiR’、−COOR’、−CN及び−CONR’からなる群から選択される1つ又はそれ以上の基によって置換され得る。);
−SH;−SR’’(R’及びR’’は、上記意味を有する。)
からなる群から選択され;
は、以下の基(i)から(iii)から選択され、
(i)その環系中、1つ、2つ又はそれ以上の炭素原子が、N、O、P、Sからなる群から選択されるヘテロ原子によって置換され得る式(II)のC5−18−アリール若しくはC7−19アルカリール基;
【0013】
【化2】

(式中、
mは、0、1、2又は3を表し
nは、0又は1を表し、
は、水素、−X、−CN、−SH、−SR’’、−OR’’、−(C=O)−R’’、直鎖又は分岐の、C1−12−アルキル、C2−12−アルケニル、C2−12−アルキニル基、環状C3−8アルキル、C4−8アルケニル及びC4−8アルキニル基及びC5−18−アリール、C7−19−アラルキル及びC7−19アルカリール基(上記されている環状基の全ての環系において、1つ又はそれ以上の炭素原子は、N、O、P及びSからなる群から選択されるヘテロ原子によって置換され得、並びに上記されている基の全ては、−R’、−X、−OR’、−SR’、−NR’、−SiR’、−COOR’、−CN及び−CONR’(R’及びR’’は、上記意味を有する。)からなる群から選択される1つ又はそれ以上の基によって置換され得る。)からなる群から選択され;
は、水素、−X、−CN、−SH、−SR’’、−OR’’、−(C=O)−R’’;直鎖又は分岐の、C1−12−アルキル、C2−12−アルケニル、C2−12−アルキニル基、C3−8アルキル、C4−8アルケニル及びC4−8アルキニル基並びにC5−18−アリール、C7−19−アラルキル及びC7−19アルカリール基(上記されている環状基の全ての環系において、1つ又はそれ以上の炭素原子は、N、O、P及びSからなる群から選択されるヘテロ原子によって置換され得、並びに上記されている基の全ては、−R’、−X、−OR’、−SR’、−NR’、−SiR’、−COOR’、−CN及び−CONR’(R’及びR’’は、上記意味を有する。)からなる群から選択される1つ又はそれ以上の基によって置換され得る。)からなる群から選択され;
又はR及びRは、これらが結合している骨格原子とともに、若しくはN、O、P及びSからなる群から選択される1つ、2つ又はそれ以上の原子とともに、1つ又はそれ以上のX、R’、OR’、SR’、NR’、SiR’、COOR’、CN−及びCONR’基(R’水素は、上記意味を有する。)によって置換され得る4員から7員環を形成し得;
10は、水素並びに直鎖及び分岐のC1−12−アルキル基及び環状C3−12−アルキル基(上記環状基の環系において、1つ又はそれ以上の炭素原子は、N、O、P及びSからなる群から選択されるヘテロ原子によって置換され得る。)からなる群から選択される。)
(ii)直鎖又は分岐の、C1−12−アルキル、C2−12−アルケニル、C2−12−アルキニル基、環状C3−8アルキル、C4−8アルケニル及びC4−8アルキニル基(上記されている環状基の全ての環系において、1つ又はそれ以上の炭素原子は、N、O、P及びSからなる群から選択されるヘテロ原子によって置換され得、並びに上記されている基の全ては、−R’、−X、−OR’、−SR’、−NR’、−SiR’、−COOR’、−CN及び−CONR’(R’は、上記意味を有する。)からなる群から選択される1つ又はそれ以上の基によって置換され得る。);
(iii)式(III)の基
【0014】
【化3】

(式中、
pは、0、1、2又は3を表し、
11からR13は、水素、直鎖又は分岐の、C1−12−アルキル、C2−12−アルケニル、C2−12−アルキニル基、環状C3−8アルキル、C4−8アルケニル及びC4−8アルキニル基並びにC5−18−アリール、C7−19−アラルキル及びC7−19アルカリール基(上記されている環状基の全ての環系において、1つ又はそれ以上の炭素原子は、N、O、P及びSからなる群から選択されるヘテロ原子によって置換され得、並びに上記されている基の全ては、−R’、−X、−OR’、−SR’、−NR’、−SiR’、−COOR’、−CN及び−CONR’(R’は、上記意味を有する。)からなる群から選択される1つ又はそれ以上の基によって置換され得る。)からなる群から互いに独立に選択される。)
さらに、本発明は、以下の工程(a)から(f)の少なくとも1つを含む、請求項1から4の何れかに記載の置換されたフェニルアミジンを調製するための方法を提供する。
【0015】
(a)以下の反応スキームに従う、式(V)のアミンとの式(IV)のニトロベンゾアルデヒド又はニトロベンゾケトンの反応:
【0016】
【化4】

(b)以下の反応スキームに従う、式(V)のアミンとの式(VII)のアミノベンゾアルデヒド又はニトロベンゾケトンの反応:
【0017】
【化5】

(c)以下の反応スキームに従う、式(VIII)のアニリンへの式(VI)のニトロ芳香族物質の還元:
【0018】
【化6】

(d)以下の反応スキーム:
【0019】
【化7】

に従う、
(i)式(XIII)のアミノアセタールとの、又は
(ii)式(XIV)のアミドとの、又は
(iii)式(XVI)のオルトエステルの存在下にある式(XV)のアミンとの、
式(VIII)のアニリノオキシムエーテルの反応
(e)以下の反応スキーム:
【0020】
【化8】

に従う、
(i)式(XIII)のアミノアセタールとの、又は
(ii)式(XIV)のアミドとの、又は
(iii)式(XVI)のオルトエステルの存在下にある式(XV)のアミンとの、
式(VII)のアミノベンゾアルデヒド又はアミノベンゾケトンの反応:
(f)以下の反応スキームに従う、式(V)のアミンとの式(X)のアミジンの反応:
【0021】
【化9】

(上記スキームにおいて、
Y、RからR13は、上記意味を有し;
14及びR15は、互いに独立に、水素、C1−12−アルキル、C2−12−アルケニル、C2−12−アルキニル又はC5−18−アリール若しくはC7−19−アリールアルキル基からなる群から選択され、及びそれらが結合する酸素原子と一緒に、5員環、6員環又は7員環を形成し得;
16、R17及びR18は、互いに独立に、水素、C1−12−アルキル、C2−12−アルケニル、C2−12−アルキニル又はC5−18−アリール若しくはC7−19−アリールアルキル、C7−19−アルキルアリール基からなる群から選択され、並びに各事例において、R10とR12、R10とR11又はR11とR12は、これらが結合している酸素原子と一緒に、5員環、6員環又は7員環を形成し得る。)
本発明の第三の主題は、式(X)のアミジンに関する。
【0022】
【化10】

(式中、
からRは、上記意味を有する。)
本発明の第四の主題は、式(IV)のニトロベンゾアルデヒドに関する。
【0023】
【化11】

(式中、
からRは、上記意味を有する。)
本発明の第五の主題は、式(VII)のアミノベンゾアルデヒド又はアミノベンゾケトンに関する。
【0024】
【化12】

(式中、
からRは、上記意味を有する。)
本発明の第六の主題は、式(VI)のニトロオキシムエーテルに関する。
【0025】
【化13】

(式中、
からRは、上記意味を有する。)
本発明の第七の主題は、式(VI)のニトロオキシムエーテルに関する。
【0026】
【化14】

(式中、
からRは、上記意味を有する。)
本発明の第八の主題は、望ましくない微生物を駆除するための、本発明の置換されたフェニルアミジン又はこれらの混合物の使用である。
【0027】
本発明の第九の主題は、本発明の少なくとも1つの置換されたフェニルアミジンを含む、望ましくない微生物を駆除するための組成物である。
【0028】
本発明のさらなる主題は、本発明のアミジンが微生物及び/又はその生息環境に適用されることを特徴とする、望ましくない微生物を駆除するための方法に関する。
【0029】
さらに、本発明は、本発明のアミジンの少なくとも1つで処理された種子に関する。
【0030】
本発明の最後の主題は、本発明の少なくとも1つのフェノキシアミジンで処理された種子を使用することによって、望ましくない微生物に対して種子を保護する方法に関する。
【0031】
本発明に関連して、ハロゲン(X)という用語は、別段の定義がなければ、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素からなる群から選択される元素を含み、フッ素、塩素及び臭素が好ましく使用され、フッ素及び塩素が特に好ましく使用される。
【0032】
場合によって置換された基は、一又は多置換されることができ、多置換の場合には、置換基は同一又は別異であり得る。
【0033】
本発明において、基−Xは、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素からなる群から、好ましくはフッ素、塩素及び臭素、特に好ましくはフッ素及び塩素からなる群から選択されるハロゲン原子を表す。
【0034】
1つ又はそれ以上のハロゲン原子(−X)によって置換されたアルキル基は、例えば、トリフルオロメチル(CF)、ジフルオロメチル(CHF)、CFCH、ClCH、CFCClからなる群から選択される。
【0035】
本発明において、アルキル基は、別段の定義がなければ、1つ、2つ若しくはそれ以上の一重の若しくは二重の不飽和又はO、N、P及びSからなる群から選択される1つ、2つ若しくはそれ以上のヘテロ原子を場合によって有し得る直鎖、分岐又は環状の炭化水素基である。さらに、本発明におけるアルキル基は、−R’、ハロゲン(−X)、アルコキシ(−OR’)、チオエーテル又はメルカプト(−SR’)、アミノ(−NR’)、シリル(−SiR’)、カルボキシル(−COOR’)、シアノ(−CN)、アシル(−(C=O)R’)及びアミド基(−CONR’)(R’は、水素を表し、又はC1−12−アルキル基、好ましくはC2−10−アルキル基、特に好ましくはC3−8−アルキル基(N、O、P及びSからなる群から選択される1つ若しくはそれ以上のヘテロ原子を有し得る。)を表す。)からなる群から選択されるさらなる基によって、場合によって置換され得る。
【0036】
1−12−アルキル基の定義は、本明細書において、アルキル基に対して定義された最も広い範囲を含む。具体的には、この定義は、例えば、メチル、エチル、n−、イソプロピル、n−、イソ−、sec−及びt−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、1,3−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、n−ヘプチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシルという意味を含む。
【0037】
本発明において、アルケニル基は、別段の定義がなければ、少なくとも1つの一重の不飽和(二重結合)を含み、並びに1つ、2つ若しくはそれ以上の一重の若しくは二重の不飽和又はO、N、P及びSからなる群から選択される1つ、2つ若しくはそれ以上のヘテロ原子を場合によって有し得る直鎖、分岐又は環状の炭化水素基である。さらに、本発明におけるアルケニル基は、−R’、ハロゲン(−X)、アルコキシ(−OR’)、チオエーテル又はメルカプト(−SR’)、アミノ(−NR’)、シリル(−SiR’)、カルボキシル(−COOR’)、シアノ(−CN)、アシル(−(C=O)R’)及びアミド基(−CONR’)(R’は、水素を表し、又はC1−12−アルキル基、好ましくはC2−10−アルキル基、特に好ましくはC3−8−アルキル基(N、O、P及びSからなる群から選択される1つ若しくはそれ以上のヘテロ原子を有し得る。)を表す。)からなる群から選択されるさらなる基によって、場合によって置換され得る。
【0038】
2−12−アルケニルの定義は、本明細書において、アルケニル基に対して定義された最も広い範囲を含む。具体的には、この定義は、例えば、ビニル;アリル(2−プロペニル)、イソプロペニル(1−メチルエテニル);ブト−1−エニル(クロチル)、ブト−2−エニル、ブト−3−エニル;ヘクス−1−エニル、ヘクス−2−エニル、ヘクス−3−エニル、ヘクス−4−エニル、ヘクス−5−エニル;ヘプト−1−エニル、ヘプト−2−エニル、ヘプト−3−エニル、ヘプト−4−エニル、ヘプト−5−エニル、ヘプト−6−エニル;オクト−1−エニル、オクト−2−エニル、オクト−3−エニル、オクト−4−エニル、オクト−5−エニル、オクト−6−エニル、オクト−7−エニル;ノン−1−エニル、ノン−2−エニル、ノン−3−エニル、ノン−4−エニル、ノン−5−エニル、ノン−6−エニル、ノン−7−エニル、ノン−8−エニル;デク−1−エニル、デク−2−エニル、デク−3−エニル、デク−4−エニル、デク−5−エニル、デク−6−エニル、デク−7−エニル、デク−8−エニル、デク−9−エニル;ウンデク−1−エニル、ウンデク−2−エニル、ウンデク−3−エニル、ウンデク−4−エニル、ウンデク−5−エニル、ウンデク−6−エニル、ウンデク−7−エニル、ウンデク−8−エニル、ウンデク−9−エニル、ウンデク−10−エニル;ドデク−1−エニル、ドデク−2−エニル、ドデク−3−エニル、ドデク−4−エニル、ドデク−5−エニル、ドデク−6−エニル、ドデク−7−エニル、ドデク−8−エニル、ドデク−9−エニル、ドデク−10−エニル、ドデク−11−エニル;ブタ−1,3−ジエニル、ペンタ−1,3−ジエニルという意味を含む。
【0039】
本発明において、アルキニル基は、別段の定義がなければ、少なくとも1つの二重の不飽和(三重結合)を含み、並びに1つ、2つ若しくはそれ以上の一重の若しくは二重の不飽和又はO、N、P及びSからなる群から選択される1つ、2つ若しくはそれ以上のヘテロ原子を場合によって有し得る直鎖、分岐又は環状の炭化水素基である。さらに、本発明におけるアルキニル基は、−R’、ハロゲン(−X)、アルコキシ(−OR’)、チオエーテル又はメルカプト(−SR’)、アミノ(−NR’)、シリル(−SiR’)、カルボキシル(−COOR’)、シアノ(−CN)、アシル−(−(C=O)R’)及びアミド基(−CONR’)(R’は、水素を表し、又は直鎖、分岐若しくは環状のC1−12−アルキル基(N、O、P及びSからなる群から選択される1つ若しくはそれ以上のヘテロ原子を有し得る。)を表す。)からなる群から選択されるさらなる基によって、場合によって置換され得る。
【0040】
2−12−アルキニル基の定義は、本明細書において、アルキニル基に対して定義された最も広い範囲を含む。具体的には、この定義は、例えば、エチニル(アセチレニル)、プロプ−1−イニル及びプロプ−2−イニルという意味を含む。
【0041】
本発明において、アリール基は、別段の定義がなければ、O、N、P及びSからなる群から選択される1つ、2つ又はそれ以上のヘテロ原子を有し得、並びに、−R’、ハロゲン(−X)、アルコキシ(−OR’)、チオエーテル又はメルカプト(−SR’)、アミノ(−NR’)、シリル(−SiR’)、カルボキシル(−COOR’)、シアノ(−CN)、アシル(−(C=O)R’)及びアミド基(−CONR’)(R’は、水素を表し、又はC1−12−アルキル基、好ましくはC2−10−アルキル基、特に好ましくはC3−8−アルキル基(N、O、P及びSからなる群から選択される1つ若しくはそれ以上のヘテロ原子を有し得る。)を表す。)からなる群から選択されるさらなる基によって、場合によって置換され得る芳香族炭化水素基である。
【0042】
5−18−アリールという定義は、5から18個の原子を有するアリール基に対して本明細書中に定義された最も広い範囲を含む。具体的には、この定義は、例えば、シクロペンタジエニル、フェニル、シクロヘプタトリエニル、シクロオクタテトラエニル、ナフチル及びアントラセニルという意味を含む。
【0043】
本発明において、アリールアルキル基(アラルキル基)は、別段の定義がなければ、C1−8−アルキレン鎖を有し得、並びに、アリール骨格中において又はアルキレン鎖中において、O、N、P及びSからなる群から選択される1つ又はそれ以上のヘテロ原子によって置換され得、並びに−R’、ハロゲン(−X)、アルコキシ(−OR’)、チオエーテル又はメルカプト(−SR’)、アミノ(−NR’)、シリル(−SiR’)、カルボキシル(−COOR’)、シアノ(−CN)、アシル(−(C=O)R’)及びアミド基(−CONR’)(R’は、水素を表し、又はC1−12−アルキル基、好ましくはC2−10−アルキル基、特に好ましくはC3−8−アルキル基(N、O、P及びSからなる群から選択される1つ若しくはそれ以上のヘテロ原子を有し得る。)を表す。)からなる群から選択されるさらなる基によって、場合によって置換され得る、アリール基によって置換されたアルキル基である。
【0044】
7−19−アラルキル基という定義は、骨格及びアルキレン鎖中に計7から19個の原子を有するアラルキル基に対して本明細書中で定義された最も広い範囲を含む。具体的には、この定義は、例えば、ベンジル及びフェニルエチルという意味を含む。
【0045】
本発明において、アルキルアリール基(アラカリール基)は、別段の定義がなければ、C1−8−アルキレン鎖を有し得、並びに、アリール骨格中において又はアルキレン鎖中において、O、N、P及びSからなる群から選択される1つ又はそれ以上のヘテロ原子によって置換され得、並びに−R’、ハロゲン(−X)、アルコキシ(−OR’)、チオエーテル又はメルカプト(−SR’)、アミノ(−NR’)、シリル(−SiR’)、カルボキシル(−COOR’)、シアノ(−CN)、アシル(−(C=O)R’)及びアミド基(−CONR’)(R’は、水素を表し、又はC1−12−アルキル基、好ましくはC2−10−アルキル基、特に好ましくはC3−8−アルキル基(N、O、P及びSからなる群から選択される1つ若しくはそれ以上のヘテロ原子を有し得る。)を表す。)からなる群から選択されるさらなる基によって、場合によって置換され得る、アルキル基によって置換されたアリール基である。
【0046】
7−19−アルキルアリール基という定義は、骨格及びアルキレン鎖中に計7から19個の原子を有するアルキルアリール基に対して本明細書中で定義された最も広い範囲を含む。具体的には、この定義は、例えば、トリル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−又は3,5−ジメチルフェニルという意味を含む。
【0047】
アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルカリール及びアラルキル基は、1つ又はそれ以上のヘテロ原子(別段の定義がなければ、N、O、P及びSからなる群から選択される。)をさらに有し得る。ここでは、ヘテロ原子は、表記されている炭素原子を置換する。
【0048】
自然法則に反し、及び当業者の専門知識に基づいて、当業者が除外した組み合わせは含まれない。例えば、3つ又はそれ以上の隣接する酸素原子を有する環構造は除外される。
【0049】
適宜、本発明の化合物は、様々な可能な異性体形態、特に、例えば、E及びZ、スレオ及びエリスロなどの立体異性体並びに光学異性体並びに適宜互変異性体の混合物として存在し得る。開示され及び特許が請求されているのは、E及びZ異性体、並びにスレオ及びエリスロの両方、並びに光学異性体、これらの異性体のあらゆる混合物、並びに可能な互変異性体形態である。
【0050】
本発明の置換されたフェニルアミジンは、式(I)の化合物又はその塩、N−オキシド、金属錯体及びこれらの立体異性体である。
【0051】
【化15】

【0052】
式(I)において、基は以下に定義されている意味を有する。与えられている定義は、全ての中間物にも適用される。
【0053】
Yは、O、NH及びaからなる群から選択される。
【0054】
は、以下からなる群から選択される。
【0055】
−水素;
−直鎖又は分岐の、C1−12−アルキル、C2−12−アルケニル、C2−12−アルキニル基;
−環状C3−8アルキル、C4−8アルケニル又はC4−8アルキニル基;
(上記環状基の全ての環系において、1つ又はそれ以上の炭素原子は、N、O、P及びSからなる群から選択されるヘテロ原子によって置換され得、並びに上記基の全ては、−R’、ハロゲン(−X)、アルコキシ(−OR’)、チオエーテル又はメルカプト(−SR’)、アミノ(−NR’)、シリル(−SiR’)、カルボキシル(−COOR’)、シアノ(−CN)及びアミド基(−CONR’)(R’は、水素又はC1−12−アルキル基、好ましくはC2−10−アルキル基、特に好ましくはC3−8−アルキル基を表し得る。)からなる群から選択される1つ又はそれ以上の基によって置換され得る。)
−メルカプト(−SH)及びチオエーテル(−SR’’)(R’’は、基によって置換され得る、直鎖又は分岐のC1−12−アルキル基、好ましくはC2−10−アルキル基、特に好ましくはC3−8−アルキル基を表し得る(上記基は、−R’、ハロゲン(−X)、アルコキシ(−OR’)、チオエーテル又はメルカプト(−SR’)、アミノ(−NR’)、シリル(−SiR’)、カルボキシル(−COOR’)、シアノ(−CN)及びアミド基(−CONR’)(R’は、上記意味を有する。)からなる群から選択される。)。)
は、以下からなる群から選択される。
【0056】
−直鎖又は分岐の、C1−12−アルキル、C2−12−アルケニル、C2−12−アルキニル基;
−環状C3−12アルキル、C4−12アルケニル又はC4−12アルキニル基;
5−18−アリール、C7−19−アラルキル又はC7−19−アルカリール基、
上記環状基の全ての環系において、1つ又はそれ以上の炭素原子は、N、O、P及びSからなる群から選択されるヘテロ原子によって置換され得、並びに上記基の全ては、−R’、ハロゲン(−X)、アルコキシ(−OR’)、チオエーテル又はメルカプト(−SR’)、アミノ(−NR’)、シリル(−SiR’)、カルボキシル(−COOR’)、シアノ(−CN)及びアミド基(−CONR’)(R’は、上記意味を有する。)からなる群から選択される1つ又はそれ以上の基によって置換され得る。
【0057】
は、以下からなる群から選択される。
【0058】
−シアノ(−CN)、メルカプト(−SH)、チオエーテル(−SR’’)、アルコキシ(−OR’’)及びアシル基(−(C=O)−R’’)(R’は、上記意味を有する。);
−直鎖又は分岐のC1−12−アルキル、C2−12−アルケニル、C2−12−アルキニル、環状C3−12アルキル、C4−12アルケニル、C4−12アルキニル基、C5−18−アリール、C7−19−アラルキル又はC7−19アルカリール基(上記されている環状基の全ての環系において、1つ又はそれ以上の炭素原子は、N、O、P及びSからなる群から選択されるヘテロ原子によって置換され得、並びに上記されている基の全ては、−R’、ハロゲン(−X)、アルコキシ(−OR’)、チオエーテル又はメルカプト(−SR’)、アミノ(−NR’)、シリル(−SiR’)、カルボキシル(−COOR’)、シアノ(−CN)及びアミド基(−CONR’)(R’は、上記意味を有する。)からなる群から選択される1つ又はそれ以上の基によって置換され得る。)。
【0059】
本発明の別の実施形態において、R及びR、R及びR又はR及びRは、これらが結合している原子と一緒に、又はN、O、P及びSからなる群から選択されるさらなる原子と一緒に、1つ又はそれ以上のR’、ハロゲン(−X)、アルコキシ(−OR’)、チオエーテル又はメルカプト(−SR’)、アミノ(−NR’)、シリル(−SiR’)、カルボキシル(−COOR’)、シアノ(−CN)及びアミド基(−CONR’)(R’は、上記意味を有する。)によってそれ自体置換され得る4員から7員環を形成し得る。
【0060】
は、以下からなる群から選択される。
【0061】
−ハロゲン原子(X−);
−シアノ(−CN)、メルカプト(−SH)、チオエーテル(−SR’’)、アルコキシ(−OR’’)及びアシル基(−(C=O)−R’’)(R’は、上記意味を有する。);
−直鎖又は分岐のC1−12−アルキル、C2−12−アルケニル、C2−12−アルキニル、環状C3−12アルキル、C4−12アルケニル、C4−12アルキニル基、C5−18−アリール、C7−19−アラルキル又はC7−19アルカリール基(上記されている環状基の全ての環系において、1つ又はそれ以上の炭素原子は、N、O、P及びSからなる群から選択されるヘテロ原子によって置換され得、並びに上記されている基の全ては、−R’、ハロゲン(−X)、アルコキシ(−OR’)、チオエーテル又はメルカプト(−SR’)、アミノ(−NR’)、シリル(−SiR’)、カルボキシル(−COOR’)、シアノ(−CN)及びアミド基(−CONR’)(R’は、上記意味を有する。)からなる群から選択される1つ又はそれ以上の基によって置換され得る。)。
【0062】
は、以下からなる群から選択される。
【0063】
−水素;
−ハロゲン原子(X−)、シアノ(−CN)、メルカプト(−SH)、チオエーテル(−SR’’)、アルコキシ(−OR’’)及びアシル基(−(C=O)−R’’)(R’’は、上記意味を有する。);
−直鎖又は分岐のC1−12−アルキル、C2−12−アルケニル、C2−12−アルキニル、環状C3−8アルキル、C4−8アルケニル、C4−8アルキニル基、C5−18−アリール、C7−19−アラルキル又はC7−19アルカリール基(上記されている環状基の全ての環系において、1つ又はそれ以上の炭素原子は、N、O、P及びSからなる群から選択されるヘテロ原子によって置換され得、並びに上記されている基の全ては、−R’、ハロゲン(−X)、アルコキシ(−OR’)、チオエーテル又はメルカプト(−SR’)、アミノ(−NR’)、シリル(−SiR’)、カルボキシル(−COOR’)、シアノ(−CN)及びアミド基(−CONR’)(R’は、上記意味を有する。)からなる群から選択される1つ又はそれ以上の基によって置換され得る。)。
【0064】
は、以下からなる群から選択される。
【0065】
−水素;
−直鎖又は分岐の、C1−12−アルキル、C2−12−アルケニル、C2−12−アルキニル、環状C3−8アルキル、C4−8アルケニル、C4−8アルキニル基(上記されている環状基の全ての環系において、1つ又はそれ以上の炭素原子は、N、O、P及びSからなる群から選択されるヘテロ原子によって置換され得、並びに上記されている基の全ては、−R’、ハロゲン(−X)、アルコキシ(−OR’)、チオエーテル又はメルカプト(−SR’)、アミノ(−NR’)、シリル(−SiR’)、カルボキシル(−COOR’)、シアノ(−CN)及びアミド基(−CONR’)からなる群から選択される1つ又はそれ以上の基によって置換され得る。)。
【0066】
−チオエーテル(−SR’’)又はメルカプト基(−SH)、
R’及びR’’は、上記意味を有する。
【0067】
は、以下の基(i)から(iii)から選択され、
(i)その環系中、1つ、2つ又はそれ以上の炭素原子が、N、O、P、Sからなる群から選択されるヘテロ原子によって置換され得る式(II)のC5−18−アリール若しくはC7−19アルカリール基;
【0068】
【化16】

【0069】
式(II)中の基は、以下の意味を有する。
【0070】
*は、Y原子に対する結合を表す。
【0071】
mは、0、1、2及び3からなる群から選択される整数である。
【0072】
nは、0及び1からなる群から選択される整数である。m=0であれば、式(II)の基はアリール又はヘテロアリール基であり、m=1、2又は3であれば、アルカリール又はヘテロアルカリール基である。
【0073】
は、以下からなる群から選択される。
【0074】
−水素;
−X、−CN、−SH、−SR’’、−OR’’、−(C=O)−R’’、
−直鎖又は分岐の、C1−12−アルキル、C2−12−アルケニル、C2−12−アルキニル基、環状C3−12アルキル、C4−12アルケニル、C4−12アルキニル基又はC5−18−アリール、C7−19−アラルキル若しくはC7−19アルカリール基(上記されている環状基の全ての環系において、1つ又はそれ以上の炭素原子は、N、O、P及びSからなる群から選択されるヘテロ原子によって置換され得、並びに上記されている基の全ては、−R’、−X、−OR’、−SR’、−NR’、−SiR’、−COOR’、−CN及び−CONR’からなる群から選択される1つ又はそれ以上の基によって置換され得る。);
R’及びR’’は、上記意味を有する。
【0075】
は、以下からなる群から選択される。
【0076】
−水素;
−X、−CN、−SH、−SR’’、−OR’’、−(C=O)−R’’、
−直鎖又は分岐の、C1−12−アルキル、C2−12−アルケニル、C2−12−アルキニル基、環状C3−8アルキル、C4−8アルケニル、C4−8アルキニル基又はC5−18−アリール、C7−19−アラルキル若しくはC7−19アルカリール基(上記されている環状基の全ての環系において、1つ又はそれ以上の炭素原子は、N、O、P及びSからなる群から選択されるヘテロ原子によって置換され得、並びに上記されている基の全ては、−R’、−X、−OR’、−SR’、−NR’、−SiR’、−COOR’、−CN及び−CONR’からなる群から選択される1つ又はそれ以上の基によって選択され得る。);
R’及びR’’は、上記意味を有する。
【0077】
あるいは、R及びRは、これらが結合している骨格原子とともに、若しくはN、O、P及びSからなる群から選択される1つ、2つ又はそれ以上の原子とともに、1つ又はそれ以上のX、R’、OR’、SR’、NR’−、SiR’、COOR’、CN及びCONR’基(R’は、上記意味を有する。)によって置換され得る4員から7員環を形成し得る。
【0078】
10は、以下からなる群から選択される。
【0079】
−水素;
−直鎖又は分岐の、C1−12−アルキル、C1−12−アルケニル、C1−12−アルキニル基又は環状C3−12−アルキル基(上記環状基の環系において、1つ又はそれ以上の炭素原子は、N、O、P及びSからなる群から選択されるヘテロ原子によって置換され得る。)並びに
R’は上記意味を有する。
【0080】
(ii)本発明の別の実施形態において、基Rは、直鎖又は分岐の、C1−12−アルキル、C2−12−アルケニル、C2−12−アルキニル基、環状C3−8アルキル、C4−8アルケニル、C4−8アルキニル基(上記されている環状基の全ての環系において、1つ又はそれ以上の炭素原子は、N、O、P及びSからなる群から選択されるヘテロ原子によって置換され得、並びに上記されている基の全ては、−R’、−X、−OR’、−SR’、−NR’、−SiR’、−COOR’、−CN及び−CONR’(R’は、上記意味を有する。)からなる群から選択される1つ又はそれ以上の基によって置換され得る。)からなる群から選択される。)。
【0081】
(iii)さらなる別の実施形態において、基Rは、式(III)の基の中から選択される。
【0082】
【化17】

【0083】
式(III)において、基は以下の意味を有する。
【0084】
*は、Y原子に対する結合を表す。
【0085】
pは、0、1、2及び3からなる群から選択される整数を表す。
【0086】
11からR13は、
互いに独立に、以下の群から選択される。
【0087】
−水素;
−直鎖又は分岐の、C1−12−アルキル、C2−12−アルケニル、C2−12−アルキニル基、環状C3−8アルキル、C4−8アルケニル、C4−8アルキニル基又はC5−18−アリール、C7−19−アラルキル又はC7−19アルカリール基(上記されている環状基の全ての環系において、1つ又はそれ以上の炭素原子は、N、O、P及びSからなる群から選択されるヘテロ原子によって置換され得、並びに上記されている基の全ては、−R’、−X、−OR’、−SR’、−NR’、−SiR’、−COOR’、−CN及び−CONR’(R’は、上記意味を有する。)からなる群から選択される1つ又はそれ以上の基によって置換され得る。)。
【0088】
式(I)において、基は以下に定義されている好ましい意味を有する。好ましいものとして与えられている定義は、同様に全ての中間物に適用される。
【0089】
Yは、好ましくは、O及び単結合からなる群から選択される。
【0090】
は、好ましくは、水素、メルカプト基(−SH)又はC1−8−アルキル基からなる群から選択される。
【0091】
は、好ましくは、直鎖又は分岐のC1−8−アルキル基からなる群から選択される。
【0092】
は、好ましくは、直鎖又は分岐のC2−8−アルキル及び脂環式C3−8−アルキル基からなる群から選択される。
【0093】
あるいは、好ましくは、R及びRは、これらが結合している窒素原子と一緒に、又はさらなる原子と一緒に、5員から6員環を形成し得る。
【0094】
は、以下からなる群から好ましく選択される。
【0095】
−ハロゲン原子(−X);
−直鎖若しくは分岐のC1−8−アルキル基又は
−直鎖若しくは分岐のC1−5−ハロアルキル基。
【0096】
は、以下からなる群から好ましく選択される。
【0097】
−ハロゲン原子(−X);
−直鎖若しくは分岐のC1−8−アルキル基又は
−直鎖若しくは分岐のC1−5−ハロアルキル基。
【0098】
は、好ましくは、直鎖又は分岐のC2−8−アルキル基からなる群から選択される。
【0099】
は、好ましくは、基(i)から(iii)から選択され、
(i)式(II−a)から(II−3)の基、
【0100】
【化18】

【0101】
式(II−a)から(II−e)において、基は以下の意味を有する。
【0102】
*は、Y原子に対する結合を表す。
【0103】
mは、好ましくは、0又は1を表す。
【0104】
は、好ましくは、水素、Cl、F又はBr、C1−8−アルキル、C6−12アリール、C7−16−アルキルアリール又はC7−16アラルキル基からなる群から選択される。
【0105】
は、好ましくは、水素、Cl、F又はBr、C1−8−アルキル、C6−12アリール、C7−16−アルキルアリール又はC7−16アラルキル基からなる群から選択される。
【0106】
あるいは、R及びRは、これらが結合している骨格原子とともに、又は場合によって、1つ、2つ若しくはそれ以上の、好ましくはN、O及びSからなる群から選択される原子とともに、5員から6員環を形成し得る。
【0107】
10は、好ましくは、水素、直鎖又は分岐のC1−8−アルキル基からなる群から選択される。
【0108】
(iii)本発明のさらなる好ましい実施形態において、Rは、式(III)の基の中から選択される。
【0109】
【化19】

【0110】
式(III)において、基は以下の意味を有する。
【0111】
*は、Y原子に対する結合を表す。
【0112】
pは、0又は1を表す。
【0113】
11は、水素、直鎖又は分岐の、C1−8−アルキル、C2−8−アルケニル、C2−8−アルキニル基又は環状C3−8アルキル、C4−8アルケニル、C4−8アルキニル基からなる群から選択される。
【0114】
12は、水素、直鎖又は分岐の、C1−8−アルキル、C2−8−アルケニル、C2−8−アルキニル基又は環状C3−8アルキル、C4−8アルケニル、C4−8アルキニル基からなる群から選択される。
【0115】
13は、水素、直鎖又は分岐の、C1−8−アルキル、C2−8−アルケニル、C2−8−アルキニル基又は環状C3−8アルキル、C4−8アルケニル、C4−8アルキニル基からなる群から選択される。
【0116】
式(I)において、基は以下に定義されている特に好ましい意味を有する。特に好ましいものとして与えられている定義は、同様に全ての中間物に適用される。
【0117】
Yは、特に好ましくは、酸素を表す。
【0118】
は、特に好ましくは、以下からなる群から選択される。
【0119】
−水素;
−メチル及びエチル。
【0120】
は、特に好ましくは、メチル及びエチルからなる群から選択される。
【0121】
は、特に好ましくは、メチル及びシクロプロピルからなる群から選択される。
【0122】
あるいは、R及びRは、これらが結合している窒素原子とともに、特に好ましくは、ピペリジル又はピロリジル環を形成する。
【0123】
は、特に好ましくは、Cl及びF原子並びに−CF、−CFH及びメチル基から選択される。
【0124】
は、特に好ましくは、Cl及びF原子並びに−CF、−CFH及びメチル基から選択される。
【0125】
は、特に好ましくは、水素、メチル及びエチルからなる群から選択される。
【0126】
は、特に好ましくは、基(i)から(iii)から選択される。
【0127】
(i)1つ又は2つのN、O又はS原子によって置換され得る式(II−f)から(II−j)の基。
【0128】
【化20】


【0129】
式(II−f)から(II−j)において、基は以下の意味を有する。
【0130】
*は、Y原子に対する結合を表す。
【0131】
mは、0又は1を表す。
【0132】
は、水素、塩素、フッ素、臭素;メチル、トリフルオロメチル、t−ブチル及びフェノキシからなる群から選択される。
【0133】
は、水素、塩素、フッ素、臭素;メチル、トリフルオロメチル、t−ブチル及びフェノキシからなる群から選択される。
【0134】
あるいは、R及びRは、これらが結合している骨格原子とともに、特に好ましくは、5員又は6員環を形成し得る。
【0135】
10は、特に好ましくは、水素及びメチルを表す。
【0136】
(ii)本発明の別の特に好ましい実施形態において、Rは、2−(トリメチルシリル)エチル、エチル、アリル、n−プロピル、3−メチルブト−2−エン−1−イル、ブト−2−イニル、3−フェニルプロプ−2−エン−1−イル、2−メトキシエトキシ)メチル、シクロペンチル、1−メチルプロプ−2−イン−1−イル及び2−メチルプロプ−2−エン−1−イルからなる群から選択される。
【0137】
(iii)本発明のさらなる別の特に好ましい実施形態において、Rは、式(III)の基の中から選択される。
【0138】
【化21】

(pは、0又は1を表す。
【0139】
11は、水素、メチル、エチル、シクロプロピル及びトリフルオロメチルからなる群から選択される。
【0140】
12は、水素、メチル、エチル、シクロプロピル及びトリフルオロメチルからなる群から選択される。
【0141】
13は、水素、メチル、エチル、シクロプロピル及びトリフルオロメチルからなる群から選択される。
【0142】
上に定義されている置換基の性質に応じて、本発明のアミジンは酸性又は塩基性の特性を有し、無機若しくは有機酸若しくは塩基と又は金属イオンと塩(適宜、内部塩又は付加物も)形成し得る。
【0143】
適切な金属イオンは、特に、第二主族の元素(特に、カルシウム及びマグネシウム)、第三及び第四主族の元素(特に、アルミニウム、スズ及び鉛)並びに第五から第八亜群の元素(特に、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛及びその他)のイオンである。特に好ましいのは、第四周期の元素の金属イオンである。ここで、金属は、それらが採り得る様々な価数で存在することができる。
【0144】
式(I)の化合物がヒドロキシル基、カルボキシル基又は酸性特性を誘導する他の基を有する場合、これらの化合物は、塩を与えるために、塩基と反応させることができる。
【0145】
適切な塩基は、例えば、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の、特に、ナトリウム、カリウム、マグネシウム及びカルシウムの水酸化物、カーボナート、バイカーボナートであり、さらに、アンモニア、(C−C)−アルキル基を有する一級、二級及び三級アミン、(C−C)−アルカノールのモノ−、ジー及びトリアルカノールアミン、コリン及びクロロコリンである。
【0146】
式(I)の化合物がアミノ基、アルキルアミノ基又は塩基性の特性を誘導する他の基を有する場合、これらの化合物は、塩を与えるために、酸と反応させることができる。
【0147】
無機酸の例は、フッ化水素、塩化水素、臭化水素及びヨウ化水素などのハロゲン化水素酸、硫酸、リン酸並びに硝酸並びにNaHSO及びKHSOなどの酸性塩である。
【0148】
適切な有機酸は、例えば、ギ酸、炭酸並びに酢酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸及びプロピオン酸などのアルカン酸であり、並びにグリコール酸、チオシアン酸、乳酸、コハク酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、シュウ酸、アルキルスルホン酸(1から20個の炭素原子を有する直鎖又は分岐アルキル基を有するスルホン酸)、アリールスルホン酸又はジスルホン酸(1つ又は2つのスルホン酸基を有するフェニル及びナフチルなどの芳香族基)、アルキルホスホン酸(1から20個の炭素原子を有する直鎖又は分岐アルキル基を有するホスホン酸)、アリールホスホン酸又はジホスホン酸(1つ又は2つのホスホン酸基を有するフェニル及びナフチルなどの芳香族基)でもあり、前記アルキル及びアリール基は、さらなる置換基を有し得る(例えば、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸、p−アミノサリチル酸、2−フェノキシ安息香酸、2−アセトキシ安息香酸など)。
【0149】
このようにして得ることができる塩も、殺真菌特性を有する。
【0150】
本発明に関連して特に好ましいアミジンは、N’−{4−[(E)−{[(2,4−ジメチルベンジル)オキシ]イミノ}メチル]−2,5−ジメチルフェニル}−N,N−ジメチルイミドホルムアミド(1)、N’−{2,5−ジメチル−4−[(E)−({[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]オキシ}イミノ)メチル]フェニル}−N,N−ジメチル−イミドホルムアミド(2)、N’−(4−{(E)−[(ベンジルオキシ)イミノ]メチル}−2,5−ジメチルフェニル)−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(3)、N’−(4−{(E)−[(4H−1,3−ベンゾジオキシン−7−イルメトキシ)イミノ]メチル}−2,5−ジメチルフェニル)−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(4)、N’−{4−[(E)−{[(2−クロロベンジル)オキシ]イミノ}メチル]−2,5−ジメチルフェニル}−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(5)、N’−{2,5−ジメチル−4−[(E)−{[(2−メチルプロプ−2−エン−1−イル)オキシ]イミノ}メチル]フェニル}−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(6)、N’−{4−[(E)−{[(2,4−ジクロロベンジル)オキシ]イミノ}メチル]−2,5−ジメチルフェニル}−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(7)、N’−{4−[(E)−{[(3,5−ジクロロベンジル)オキシ]イミノ}メチル]−2,5−ジメチル−フェニル}−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(8)、N−エチル−N’−{4−[(1E)−N−tert−ブトキシエタンイミドイル]−2,5−ジメチルフェニル}−N−メチルイミドホルムアミド(9)、N−エチル−N’−{4−[(1E)−N−イソプロポキシエタンイミドイル]−2,5−ジメチルフェニル}−N−メチルイミドホルムアミド(10)、N’−{2,5−ジメチル−4−[(1E)−N−フェノキシエタンイミドイル]フェニル}−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(11)、N’−(4−{(1E)−N−[(4−tert−ブチルベンジル)オキシ]エタンイミドイル}−2,5−ジメチルフェニル)−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(12)、N−エチル−N’−{4−[(1E)−N−イソブトキシエタンイミドイル]−2,5−ジメチルフェニル}−N−メチルイミドホルムアミド(13)、N’−{4−[(1E)−N−(シクロペンチルオキシ)エタンイミドイル]−2,5−ジメチルフェニル}−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(14)、N’−(2,5−ジメチル−4−{(1E)−N−[(1−メチルプロプ−2−イン−1−イル)オキシ]エタンイミドイル}フェニル)−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(15)、N’−{4−[(1E)−N−(ブト−2−イン−1−イルオキシ)エタンイミドイル]−2,5−ジメチルフェニル}−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(16)、N’−{2,5−ジメチル−4−[(1E)−N−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)エタンイミドイル]フェニル}−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(17)、N’−{2,5−ジメチル−4−[(1E)−1−メチル−3,5,8−トリオキサ−2−アザノン−1−エン−1−イル]フェニル}−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(18)、N’−{2,5−ジメチル−4−[(1E)−N−{[(2E)−3−フェニルプロプ−2−エン−1−イル]オキシ}エタンイミドイル]フェニル}−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(19)、N’−{4−[(1E)−N−(ジシクロプロピルメトキシ)エタンイミドイル]−2,5−ジメチルフェニル}−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(20)、N’−(2,5−ジメチル−4−{(1E)−N−[(4−フェニル−1,3−チアゾール−2−イル)メトキシ]エタンイミドイル}フェニル)−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(21)、N’−(2,5−ジメチル−4−{(1E)−N−[(3−フェノキシベンジル)オキシ]エタンイミドイル}フェニル)−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(22)、N−エチル−N’−{4−[(1E)−N−エトキシエタンイミドイル]−2,5−ジメチルフェニル}−N−メチルイミドホルムアミド(23)、N−エチル−N’−{4−[(1E)−N−メトキシエタンイミドイル]−2,5−ジメチルフェニル}−N−メチルイミドホルムアミド(24)、N’−(4−{(1E)−N−[2−(4−クロロフェニル)エトキシ]エタンイミドイル}−2,5−ジメチルフェニル)−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(25)、N−エチル−N’−{4−[(E)−{[(4−フルオロベンジル)オキシ]エタンイミドイル]−2,5−ジメチルフェニル}−N−メチルイミドホルムアミド(26)、N’−(2,5−ジメチル−4−{(E)−[1−フェニルエトキシ]エタンイミドイル}フェニル)−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(27)、N’−(2,5−ジメチル−4−{(1E)−N−[1−(6−メチルピリジン−2−イル)エトキシ]エタンイミドイル}フェニル)−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(28)、N’−(4−{(1E)−N−[(2,6−ジクロロベンジル)オキシ]エタンイミドイル}−2,5−ジメチルフェニル)−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(29)、N’−(4−{(1E)−N−[(3,4−ジクロロベンジル)オキシ]エタンイミドイル}−2,5−ジメチルフェニル)−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(30)、N’−(4−{(1E)−N−[ベンジルオキシ]エタンイミドイル}−2,5−ジメチルフェニル)−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(31)、N’−(4−{(1E)−N−[(6−クロロピリジン−3−イル)メトキシ]エタンイミドイル}−2,5−ジメチルフェニル)−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(32)、N’−(2,5−ジメチル−4−{(1E)−N−[(3−メチルブト−2−エン−1−イル)オキシ]エタンイミドイル}フェニル)−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(33)、N’−{2,5−ジメチル−4−[(1E)−N−{2−[3−(トリフルオロメチル)フェノキシ]エトキシ}エタンイミドイル]フェニル}−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(34)、N’−{4−[(1E)−N−(アリルオキシ)エタンイミドイル]−2,5−ジメチルフェニル}−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(35)、N’−(4−{(1E)−N−[(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)メトキシ]エタンイミドイル}−2,5−ジメチルフェニル)−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(36)、N’−{4−[(1E)−N−(n−プロポキシ)エタンイミドイル]−2,5−ジメチルフェニル}−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(37)、N’−(4−{(1E)−N−[1−(4−クロロフェニル)エトキシ]エタンイミドイル}−2,5−ジメチルフェニル)−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(38)、N’−{4−[(E)−(tert−ブトキシイミノ)メチル]−2,5−ジメチルフェニル}−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(39)、N−エチル−N’−{4−[(E)−(イソプロポキシイミノ)メチル]−2,5−ジ−メチルフェニル}−N−メチルイミドホルムアミド(40)、N’−(2,5−ジメチル−4−{(1E)−N−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]エタンイミドイル}フェニル)−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(41)、N’−(4−{(E)−[(4−tert−ブチルフェノキシ)イミノ]メチル}−2,5−ジメチルフェニル)−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(42)、N’−{2,5−ジメチル−4−[(1E)−N−{2−[3−(トリフルオロメチル)フェノキシ]エトキシ}エタンイミドイル]フェニル}−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(43)、N’−(2,5−ジメチル−4−{(1E)−N−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]エタンイミドイル}フェニル)−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(44)、N−エチル−N’−(4−{(1E)−1−[2−(2−フルオロフェニル)ヒドラジニリデン]エチル}−2,5−ジメチルフェニル)−N−メチルイミドホルムアミド(45)、N’−{4−[(1E)−N−(4,4−ジメチルペンチル)エタンイミドイル]−2,5−ジメチルフェニル}−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(46)、N’−(4−{(E)−[(シクロプロピルメトキシ)イミノ]メチル}−2,5−ジメチルフェニル)−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(47)、N’−(4−{(E)−[(3,3−ジメチルブトキシ)イミノ]メチル}−2,5−ジメチルフェニル)−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(48)からなる群から選択される。
【0151】
本発明のアミジンの調製
本発明のアミジンは、以下のスキーム(I)に示されている方法によって得ることができる。
【0152】
【化22】

【0153】
工程(a)
本発明の一実施形態において、式(VI)のニトロ芳香族物質を与えるために、以下の反応スキームに従って、式(IV)のニトロベンゾアルデヒド(R=H)又はニトロベンゾケトン(R≠H)を式(V)のアミンと反応させる。
【0154】
【化23】

【0155】
式(V)の第一級アミンの性質は、本質的に、基Yによって決定される。接続は、下表I中に見ることができる。
【0156】
【表1】

【0157】
式(I)のヒドラゾン置換されたフェニルアミジンを調製するために使用される式(V)のヒドラジンは、例えば、N−アリールヒドラジン、N−ベンジルヒドラジン及びN−アルキルヒドラジンの群から選択される。
【0158】
式(I)のオキシムエーテル置換されたフェニルアミジンを調製するために使用される式(V)のヒドロキシルアミンは、例えば、O−アリールヒドロキシルアミン、O−ベンジルヒドロキシルアミン及びN−アルキルヒドロキシルアミンからなる群から選択される。
【0159】
式(I)のアゾメチン置換されたフェニルアミジンを調製するために使用される式(V)の第一級アミンは、例えば、アニリン、ベンジルアミン及び第一級アルキルアミンの群から選択される。
【0160】
反応は、好ましくは、塩基の存在下で実施される。
【0161】
適切な塩基は、このような反応において通常使用される有機及び無機塩基である。例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水素化物、水酸化物、アミド、アルコキシド、アセタート、フッ化物、ホスファート、カルボナート及びバイカーボナートからなる群から選択される塩基を使用することが好ましい。本明細書において、特に好ましいのは、ナトリウムアミド、水素化ナトリウム、リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムメトキシド、カリウムtert−ブトキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム及び炭酸セシウムである。さらに、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチルベンジルアミン、ピリジン、N−メチルピペリジン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアミノピリジン、ジアザビシクロオクタン(DABCO)、ジアザビシクロノネン(DBN)及びジアザビシクロウンデセン(DBU)などの三級アミン。
【0162】
適宜、パラジウム、銅及びこれらの塩又は錯体からなる群から選択される触媒を使用し得る。
【0163】
ニトロベンゼン誘導体のフェノールとの反応は、希釈せずに又は溶媒中で実施することができる。好ましくは、反応は、一般的反応条件下において不活性である標準的な溶媒から選択される溶媒中で実施される。
【0164】
好ましいのは、例えば、石油エーテル、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン又はデカリンなどの脂肪族、脂環式又は芳香族炭化水素;例えば、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン又はトリクロロエタンなどのハロゲン化された炭化水素;例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル(MTBE)、メチルtert−アミルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン又はアニソールなどのエーテル;例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、n−又はイソブチロニトリル又はベンゾニトリルなどのニトリル;例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルピロリドン(NMP)又はヘキサメチレンリン酸トリアミドなどのアミド;又は水とのこれらの混合物及び純水である。
【0165】
反応は、減圧下で、大気圧で又は超大気圧下で、及び−20から200℃の温度で実施することができる。好ましくは、反応は、大気圧及び50から150℃の温度で行われる。
【0166】
工程(b)
本発明の別の実施形態において、式(VIII)のアニリンを与えるために、以下の反応スキームに従い、式(VII)のアミノベンゾアルデヒド又はアミノベンゾケトンを式(V)のアミンと反応させる。
【0167】
【化24】

【0168】
反応条件、溶媒、触媒及び式(V)のアミンの性質に関しては、工程(a)を参照し得る。
【0169】
工程(c)
工程(a)及び(b)において得られた式(VI)のニトロ芳香族物質は、式(VIII)のアニリンを得るために、以下の反応スキームに従って還元することができる。
【0170】
【化25】

【0171】
工程(c)に従う還元は、従来技術に記載されているニトロ基を還元するための何れの方法によって実施することができる。
【0172】
好ましくは、還元は、WO0046184号に記載されているように、濃塩酸中の塩化スズを用いて実施される。しかしながら、これに代えて、還元は、好ましくは、例えば、Raneyニッケル、Pd/Cなどの適切な水素添加触媒の存在下で、水素気体を使用することによっても実施することができる。反応条件は、従来技術中に既に記載されており、当業者に周知である。
【0173】
還元が液相で実施される場合、反応は、一般的反応条件に対して不活性な溶媒中で行うべきである。1つのこのような溶媒は、例えば、トルエンである。
【0174】
工程(d)
工程(d)に従う、式(VIII)のアニリンの本発明の式(I)のアミジンへの転化は、以下の反応スキームに従って、
(i)式(XIII)のアミノアセタール又は
(ii)式(XIV)のアミド又は
(iii)式(XVI)のオルトエステルの存在下にある式(XV)のアミン、
を用いる異なる別の方法を用いて、スキーム(I)に上述されているように実施することができる。
【0175】
【化26】

【0176】
本発明の方法のそれぞれの別の実施形態(i)から(iii)が、以下に簡潔に例示されている。
【0177】
(i)工程(i)としてスキーム(I)に示されている本発明の一実施形態に従って、式(VIII)のアニリンを、R及びRが上に定義されており、並びにR14及びR15がC1−8−アルキル基から、好ましくはC2−6−アルキル基、特に好ましくはC3−5−アルキル基からなる群から選択される式(XIII)のアミノアセタールと反応させ、それらが結合している酸素原子と一緒に、5員又は6員環を形成し得、本発明の式(I)のアミジンを与える。
【0178】
式(XIII)のアミノアセタールは、例えば、硫酸ジメチルなどのアルキル化剤との反応によって、「JACS,65、1566(1943)」に記載されているホルムアミドから取得することができる。
【0179】
工程(i)の反応は、酸の存在下で好ましく実施される。
【0180】
適切な酸は、例えば、有機及び無機酸であり、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、塩酸(気体、水性又は有機溶液中)又は硫酸が好ましい。
【0181】
(ii)工程(ii)としてスキーム(I)に示されている本発明の別の実施形態では、本発明のアミジンを得るために、式(VIII)のアニリンを、基RからRが上に定義されているとおりである式(XIV)のアミドと反応させる。
【0182】
工程(ii)の反応は、適宜、ハロゲン化剤の存在下で実施される。適切なハロゲン化剤は、例えば、PCl、PCl、POCl又はSOClからなる群から選択される。
【0183】
あるいは、さらに、この反応は、縮合剤の存在下で実施され得る。
【0184】
適切な縮合剤は、アミド結合を形成するために一般的に使用されている縮合剤である。例えば、ホスゲン、三臭化リン、三塩化リン、五塩化リン、オキシ三塩化リン又は塩化チオニルなどの酸ハロゲン化物形成物質;例えば、クロロホルマート、クロロギ酸メチル、クロロギ酸イソプロピル、クロロギ酸イソブチル又は塩化メタンスルホニルなどの無水物形成物質;例えば、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミン(DCC)などのカルボジイミン又は、例えば、五酸化リン、ポリリン酸、N,N’−カルボジイミダゾール、2−エトキシ−N−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリン(EEDQ)、トリフェニルホスフィン/四塩化炭素又はブロモトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスファートなどの他の慣用の縮合剤を例としてして挙げることができる。
【0185】
工程(ii)の反応は、一般的反応条件下において不活性である標準的な溶媒から選択される溶媒中で好ましく実施される。
【0186】
好ましいのは、例えば、石油エーテル、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン又はデカリンなどの脂肪族、脂環式又は芳香族炭化水素;例えば、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン又はトリクロロエタンなどのハロゲン化された炭化水素;例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル(MTBE)、メチルtert−アミルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン又はアニソールなどのエーテル;例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、n−又はイソブチロニトリル又はベンゾニトリルなどのニトリル;例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルピロリドン(NMP)又はヘキサメチレンリン酸トリアミドなどのアミド;例えば、酢酸メチル又は酢酸エチルなどのエステル;例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)などのスルホキシド;例えば、スルホランなどのスルホン;例えば、メタノール、エタノール、n−又はイソプロパノール、n−、イソ−、sec−又はtert−ブタノール、エタンジオール、プロパン−1,2−ジオール、エトキシエタノール、メトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのアルコール又はこれらの混合物である。
【0187】
(iii)工程(iii)としてスキーム(I)に示されている本発明のさらなる別の実施形態に従って、式(VIII)のアニリンを、Rが上に定義されているとおりであり、及びR16からR18が互いに独立にC1−8−アルキル基、好ましくはC2−6−アルキル基、特に好ましくはC3−5−アルキル基からなる群から選択される式(XVI)のオルトエステルの存在下において、基R及びRが上に定義されているとおりである式(XV)のアミンと反応させ、それらが結合している酸素原子と一緒に、5員又は6員環を形成し得、本発明のアミジンを与える。
【0188】
工程(iii)の反応は、一般的反応条件下において不活性である標準的な溶媒から選択される溶媒中で好ましく実施される。好ましいのは、例えば、石油エーテル、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン又はデカリンなどの脂肪族、脂環式又は芳香族炭化水素;例えば、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン又はトリクロロエタンなどのハロゲン化された炭化水素;例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル(MTBE)、メチルtert−アミルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジオエトキシエタン又はアニソールなどのエーテル;例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、n−又はイソブチロニトリル又はベンゾニトリルなどのニトリル;例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルピロリドン(NMP)又はヘキサメチレンリン酸トリアミドなどのアミド;例えば、酢酸メチル又は酢酸エチルなどのエステル;例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)などのスルホキシド;例えば、スルホランなどのスルホン;例えば、メタノール、エタノール、n−又はイソプロパノール、n−、イソ−、sec−又はtert−ブタノール、エタンジオール、プロパン−1,2−ジオール、エトキシエタノール、メトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのアルコール又は水とのこれらの混合物及び純水である。
【0189】
工程(e)
本発明の別の実施形態では、式(X)のアミジンを与えるために、以下の反応スキームに従って、式(VII)のアミノベンゾアルデヒド又はアミノベンゾケトンを
(i)式(XIII)のアミノアセタールと、又は
(ii)式(XIV)のアミドと、又は
(iii)式(XVI)のオルトエステルの存在下にある式(XV)のアミンと、
反応させることが既に可能である。
【0190】
【化27】

【0191】
反応条件、溶媒、触媒に関しては、工程(d)を参照し得る。
【0192】
本発明の式(I)の標的分子への式(X)のアミジンのさらなる転化は、例えば、工程(f)に記載されているように実施することができる。
【0193】
工程(f)
本発明のさらなる実施形態に従えば、以下の反応スキームに従って、本発明の式(I)の標的分子を与えるために、工程(e)から取得可能な式(X)のアミジンを式(V)のアミジンと反応させることが可能である。
【0194】
【化28】

【0195】
反応条件、溶媒及び触媒及びアミン(V)の性質に関しては、工程(a)を参照されたい。
【0196】
式(I)のアミジンを調製するための本発明の方法に関連して、反応工程の以下の組み合わせが有利なものと認められる。工程(a)と(c)、工程(b)と(d)、工程(c)と(f)、工程(e)と(f)並びに工程(a)、(c)及び(d)。
【0197】
本発明のアミジンの調製は、中間体の中間的単離なしに、好ましく実施される。
【0198】
アミジンの最終的精製は、慣用の精製方法を用いて実施することができる。好ましくは、精製は、結晶化によって実施される。
【0199】
望ましくない微生物の駆除
本発明のアミジンは強力な殺微生物作用を示し、植物保護において及び資材保護において、真菌及び細菌などの望ましくない微生物を駆除するために使用することができる。
【0200】
植物保護において、殺真菌剤は、ネコブカビ(Plasmodiophoromycete)、卵菌(Oomycete)、ツボカビ(Chytridiomycete)、接合菌(Zygomycete)、子嚢菌(Ascomycete)、担子菌(Basidiomycete)及び不完全菌(Deuteromycete)を駆除するために使用することが可能である。
【0201】
植物保護において、殺微生物剤は、シュードモナス科(Pseudomonadaceae)、リゾビウム科(Rhizobiaceae)、腸内細菌科(Enterobacteriaceae)、コリネバクテリウム科(Corynebacteriaceae)及びストレプトマイセス科(Streptomycetaceae)を駆除するために使用することが可能である。
【0202】
例として、但し、限定を加えることなく、上に列記されている総称的用語に属する真菌及び細菌性の病気の幾つかの病原体を挙げることができる。
【0203】
例えば、以下のようなうどん粉病の病原菌によって引き起こされる病気。
ブルメリア種、例えば、ブルメリア・グラミニス(Blumeria graminis)など;
ポドスファエラ種、例えば、ポドスファエラ・ロイコトリカ(Podosphaera leucotricha)など;
スファエロセカ種、例えば、スファエロセカ・フリギネア(Sphaerotheca fuliginea)など;
ウンシヌラ種、例えば、ウンシヌラ・ネケータ(Uncinula necator)など;
【0204】
例えば、以下のようなさび病病原菌によって引き起こされる病気。
ギムノスポランギウム種、例えば、ギムノスポランギウム・サビナエ(Gymnosporangium sabinae)など;
ヘミレイア種、例えば、ヘミレイア・バスタトリックス(Hemileia vastatrix)など;
ファコスプソラ種、例えば、ファコプソラ・パチライジ(Phakopsora pachyrhizi)及びファコプソラ・マイボミアエ(Phakopsora meibomiae)など;
プッシニア種、例えば、プッシニア・レコンディタ(Puccinia recondita)など;
ウロミセス種、例えば、ウロミセス・アッペンディキュラタス(Uromyces appendiculatus)など;
【0205】
例えば、以下のような卵菌群から得られる病原体によって引き起こされる病気。
ブレミア種、例えば、ブレミア・ラクチュカエ(Bremia lactucae)など;
ペロノスポラ種、例えば、ペロノスポラ・ピシ(Peronospora pisi)又はP.ブラッシカエ(P.brassicae)など;
フィトフソラ種、例えば、フィトフソラ・インフェスタンス(Phytophthora infestans)など;
プラスモパラ種、例えば、プラスモパラ・ビチコラ(Plasmopara viticola)など;
シュードペロノスポラ種、例えば、シュードペロノスポラ・フムリ(Pseudoperonospora humuli)又はシュードペロノスポラ・キュベンシス(Pseudoperonospora cubensis)など;
ピチウム種、例えば、ピチウム・ウルティマム(Pythium ultimum)など;
【0206】
例えば、以下のものによって引き起こされる斑点病及び葉枯れ病。
アルテルナリア種、例えば、アルテルナリア・ソラニ(Alternaria solani)など;
セルコスポラ種、例えば、セルコスポラ・ベチコラ(Cercospora beticola)など;
クラドスポリウム種、例えば、クラドスポリウム・キュキュメリナム(Cladiosporium cucumerinum)など;
コクリオボラス(Cochliobolus)種、例えば、コクリオボラス・サティブス(Cochliobolus sativus)など
(分生子型:ドレクスレラ(Drechslera)、syn:ヘルミントスポリウム(Helminthosporium))
コレトトリカム種、例えば、コレトトリカム・リンデムサニウム(Colletotrichum lindemuthanium)など;
シクロコニウム種、例えば、シクロコニウム・オレアギナム(Cycloconium oleaginum)など;
ディアポルテ種、例えば、ディアポルテ・シトリ(Diaporthe citri)など;
エルシノエ種、例えば、エルシノエ・フォーセッティイ(Elsinoe fawcettii)など;
グレオスポリウム種、例えば、グレオスポリウム・ラエティカラー(Gloeosporium laeticolor)など;
グロメレラ種、例えば、グロメレラ・シンギュラータ(Glomerella cingulata)など;
ギニャルディア種、例えば、ギニャルディア・ビドウェリ(Guignardia bidwelli)など;
レプトスファエリア種、例えば、レプトスファエリア・マキュランス(Leptosphaeria maculans)など;
マグナポルテ種、例えば、マグナポルテ・グリージー(Magnaporthe grisea)など;
マイコスファエレラ種、例えば、マイコスファエレラ・グラミニコラ(Mycosphaerelle graminicola)及びマイコスファエレラ・フィジエンシス(Mycosphaerelle fijiensis)など;
フェオスファエリア種、例えば、フェオスファエリア・ノドラム(Phaeosphaeria nodorum)など;
ピレノフォラ種、例えば、ピレノフォラ・テレス(Pyrenophora teres)など;
ラムラリア種、例えば、ラムラリア・コロシグニ(Ramularia collo−cygni)など;
リンコスポリウム種、例えば、リンコスポリウム・セカリス(Rhynchosporium secalis)など;
セプトリア種、例えば、セプトリア・アピイ(Septoria apii)など;
チフラ種、例えば、チフラ・インカルナータ(Typhula incarnata)など;
ベンチュリア種、例えば、ベンチュリア・イナエキュアリス(Venturia inaequalis)など;
【0207】
例えば、以下のものによって引き起こされる根及び茎の病気(root and stalk disease)。
コルチシウム種、例えば、コルチシウム・グラミネアラム(Corticium graminearum)など;
フサリウム種、例えば、フサリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)など;
ゲウマノミセス種、例えば、ゲウマノミセス・グラミニス(Gaeumannomyces graminis)など;
リゾクトニア種、例えば、リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)など;
タペシア種、例えば、タペシア・アキュフォルミス(Tapesia acuformis)など;
チエラビオプシス種、例えば、チエラビオプシス・バシコラ(Thielaviopsis basicola)など;
【0208】
例えば、以下のものによって引き起こされる穂及び円錐花序病(Ear and panicle disease)(トウモロコシの穂軸を含む。)。
アルテルナリア種、例えば、アルテルナリア属種など;
アスペルギルス種、例えば、アスペルギルス・フラバス(Aspergillus flavus)など;
クラドスポリウム種、例えば、クラドスポリウム・クラドスポリオイデス(Cladosporium cladosporioides)など;
クラビセプス種、例えば、クラビセプス・パープレア(Claviceps purpurea)など;
フサリウム種、例えば、フサリウム・カルモラム(Fusarium culmoram)など;
ギッベレラ種、例えば、ギッベレラ・ゼアエ(Gibberella zeae)など;
モノグラフェラ(Monographella)種、例えば、モノグラフェラ・ニバリス(Monographella nivalis)など;
【0209】
例えば、以下のような、黒穂菌類(smut)によって引き起こされる病気。
スファエロセカ種、例えば、スファエロセカ・ライリアナ(Sphacelotheca reiliana)など;
ティレチア種、例えば、ティレチア・カリエス(Tilletia caries)など;
ウロシスティス種、例えば、ウロシスティス・オキュラータ(Urocystis occulta)など;
ウスティラゴ種、例えば、ウスティラゴ・ヌーダ(Ustilago nuda)など;
【0210】
例えば、以下のものによって引き起こされる果実腐敗。
アスペルギルス種、例えば、アスペルギルス・フラバス(Aspergillus flavus)など;
ボトリティス種、例えば、ボトリティス・シネレア(Botrytis cinerea)など;
ペニシリウム種、例えば、ペニシリウム・エクスパンサム(Penisillium expansum)及びペニシリウム・パープロゲナム(Penisillium purpurogenum)など;
スクレロティニア種、例えば、スクレロティニア・スクレロティオラム(Sclerotinia sclerotiorum)など;
ベルティシリウム種、例えば、ベルティシリウム・アルボアトラム(Verticilium alboatrum)など;
【0211】
例えば、以下のものによって引き起こされる種子及び土壌伝染性の葉枯病及び立ち枯れ病並びに苗木の病気。
アルテルナリア種、例えば、アルテルナリア・ブラッシシコラ(Alternaria brassicicola)など;
アファノミセス種、例えば、アファノミセス・ユーテイクス(Aphanomyces euteiches)など;
アスコチタ種、例えば、アスコチタ・レンティス(Ascochyta lentis)など;
アスペルギルス種、例えば、アスペルギルス・フラバス(Aspergillus flavus)など;
クラドスポリウム種、例えば、クラドスポリウム・ヘルバラム(Cladosporium herbarum)など;
コクリオボラス(Cochliobolus)種、例えば、コクリオボラス・サティブス(Cochliobolus sativus)など
(分生子型:ドレクスレラ(Drechslera)、syn:ヘルミントスポリウム(Helminthosporium))
コレトトリカム種、例えば、コレトトリカム・コッコデス(Colletotrichum coccodes)など;
フサリウム種、例えば、フサリウム・カルモラム(Fusarium culmoram)など;
ギッベレラ種、例えば、ギッベレラ・ゼアエ(Gibberella zeae)など;
マクロフォミナ種、例えば、マクロフォミナ・ファセオリナ(Macrophomina phaseolina)など;
モノグラフェラ種、例えば、モノグラフェラ・ニバリス(Monographella nivalis)など;
ペニシリウム種、例えば、ペニシリウム・エクスパンサム(Penisillium expansum)など;
フォーマ種、例えば、フォーマ・リンガム(Phoma lingam)など;
フォモプシス種、例えば、フォモプシス・ソジャエ(Phomopsis sojae)など;
フィトフソラ種、例えば、フィトフソラ・カクトラム(Phytophthora cactorum)など;
ピレノフォラ種、例えば、ピレノフォラ・グラミネア(Pyrenophora graminea)など;
ピリキュラリア種、例えば、ピリキュラリア・オリザエ(Pyricularia oryzae)など;
ピチウム種、例えば、ピチウム・ウルティマム(Pythium ultimum)など;
リゾクトニア種、例えば、リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)など;
リゾパス種、例えば、リゾパス・オリザエ(Rhizopus oryzae)など;
スクレロティウム種、例えば、スクレロティウム・ロルフシイ(Sclerotium rolfsii)など;
セプトリア種、例えば、セプトリア・ノドラム(Septoria nodorum)など;
チフラ種、例えば、チフラ・インカルナータ(Typhula incarnata)など;
ベルチシリウム種、例えば、ベルチシリウム・ダフリアエ(Verticillium dahliae)など;
【0212】
例えば、以下のものによって引き起こされる癌性の病気、えい瘤及びてんぐ巣病。
ネクトリア種、例えば、ネクトリア・ガリゲナ(Nectria galligena)など;
【0213】
例えば、以下のものによって引き起こされる立ち枯れ病。
モニリニア種、例えば、モニリニア・ラクサ(Monilinia laxa)など;
【0214】
例えば、以下のものによって引き起こされる葉、花及び果実の奇形。
タフリナ種、例えば、タフリナ・デフォルマンス(Taphrina deformans)など;
【0215】
例えば、以下のものによって引き起こされる木性植物の変性疾患。
エスカ(Esca)種、例えば、ファエオモニエラ・クラミドスポラ(Phaeomoniella clamydospora)、ファエオアクレモニウム・アレオフィラム(Phaeoacremonium aleophilum)及びフォミチポリア・メディテラネア(Fomitiporia mediterranea)など;
【0216】
例えば、以下のものによって引き起こされる花及び種子の病気。
ボトリティス種、例えば、ボトリティス・シネレア(Botrytis cinerea)など;
【0217】
例えば、以下のものによって引き起こされる植物塊茎の病気。
リゾクトニア種、例えば、リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)など;
ヘルミントスポリウム種、例えば、ヘルミントスポリウム・ソラニ(Helminthosporium solani)など;
【0218】
例えば、以下のような、細菌性病原体によって引き起こされる病気。
キサントモナス種、例えば、キサントモナス・キャンペストリスpv.オリザエ(Xanthomonas campestris pv. oryzae)など;
シュードモナス種、例えば、シュードモナス・シリンガエpv.ラクリマンス(Pseudomonas syringae pv. lachrymans)など;
エルウィニア種、例えば、エルウィニア・アミロボラ(Erwinia amylovorae)など。
【0219】
好ましくは、大豆の以下の病気を駆除することが可能である。
【0220】
例えば、以下のものによって引き起こされる、葉、茎、鞘及び種子に対する真菌性の病気。
アルテルナリア斑点病(アルテルナリア種アトランス・テニュイッシマ(Alternaria spec. atrans tenuissima))、炭疽病(コレトトリカム・グロエオスポロイデス・デマティウムvar.トランケイタム(Colletotrichum gloeosporoides dematium var. truncatum))、褐斑病(セプトリア・グリシネス(Septoria glycines))、セクロスポラ斑点病及び胴枯れ病(セクロスポラ・キクチイ(Cercospora kikuchii))、コアネフォラ黒葉枯れ病(コアネフォラ・インファンディブリフェラ・トリスポラ(Choanephora infundibulifera trispora)(同義))、ダクチュリオフォラ斑点病(ダクチュリオフォラ・グリシネス(Dactuliophora glycines))、べと病(ペロノスポラ・マンシュリカ(Peronospora manshurica))、ドレクスレラ胴枯れ病(ドレクスレラ・グリシニ(Drechslera glycini))、赤星病(セルコスポラ・ソジナ(Cercospora sojina))、レプトスファエルリナ斑点病(レプトスファエルリナ・トリフォリイ(Leptosphaerulina trifolii))、フィロスティクタ斑点病(フィロスティクタ・ソジャエコラ(Phyllosticta sojaecola))、鞘及び茎の胴枯れ病(フォモプシス・ソジャエ(Phomopsis sojae))、ウドンコ病(ミクロスファエラ・ディフューザ(Microsphaera diffusa))、ピレノチャエタ斑点病(ピレノチャエタ・グリシネス(Pyrenochaeta glycines))、リゾクトニア葉(aerial)腐れ病、葉(foliage)腐れ病及びくもの巣病(リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani))、さび病(ファコプソラ・パチライジ(Phakopsora pachyrhizi))、腐敗病(スファセロマ・グリシネス(Sphaceloma glycines))、輪紋病(ステムフィリウム・ボトリオサム(Stemphylium botryosum))、紫斑点病(target spot)(コリネスポラ・カッシイコラ(Corynespora cassiicola))
【0221】
例えば、以下のものによって引き起こされる、根及び茎基部に対する真菌性の病気。
黒根病(カロネクトリア・クロタラリアエ(Calonectria crotalariae))、炭腐病(マクロフォミナ・ファセオリナ(Macrophomina phaseolina))、フサリウム胴枯れ病又は立ち枯れ病、根腐れ並びに鞘及び頭領の腐敗(フサリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)、フサリウム・オルトセラス(Fusarium orthoceras)、フサリウム・セミテクタム(Fusarium semitectum)、フサリウム・エクイセチ(Fsarium equiseti)、マイコレプトディスカス根腐れ(マイコレプトディスカス・テレストリス(Mycoleptodiscus terrestris))、ネオコスモスポラ(ネオコスモプスポラ・バスインフェクタ(Neocosmopspora vasinfecta))、鞘及び茎の胴枯れ病(ディアポルセ・ファセオロラム(Diaporthe phaseolorum))、茎がん腫病(ディアポルセ・ファセオロラムvar.カウリボラ(Diaporthe phaseolorum var.caulivora))、フィトフトラ腐敗(フィトフトラ・メガスペルマ(Phytophthora megasperma))、落葉病(フィアロフォラ・グレガータ(Phialophora gregata))、ピチウム属腐敗(ピチウム・アファニデルマタム(Pythium aphanidermatum)、ピチウム・イレギュラーレ(Pythium irregulare)、ピチウム・デバリアナム(Pythium debaryanum)、ピチウム・ミリオチラム(Pythium myriothylum)、ピチウム・ウルチマム(Pythium ultimum))、リゾクトニア根腐れ、茎腐敗及び立ち枯れ病(リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani))、スクレロティニア茎腐敗(スクレロティニア・スクレロティオラム(Sclerotinia sclerotiorum))、スクレロティニア白絹病(スクレロティニア・ロルフシイ(Sclerotinia roolfsii))、チエラビオプシス根腐れ(チエラビオプシス・バシコラ(Thielaviopsis basicola))。
【0222】
本発明の活性化合物は、植物における強力な強化効果も示す。従って、本発明の活性化合物は、望ましくない微生物による攻撃に対して植物の内因性防御を動員するのに適している。
【0223】
本明細書において、植物強化(耐性誘導)化合物は、その後に望ましくない微生物が接種された場合に、処理された植物が、これらの微生物に対して大幅な耐性を示すように、植物の防御系を刺激することができる物質を意味するものとして理解される。
【0224】
本事例では、望ましくない微生物は、植物病原性真菌、細菌及びウイルスを意味するものとして理解される。従って、本発明の物質は、処理後のある一定期間、挙げられている有害な病原体による攻撃から植物を保護するために使用することができる。保護が為される期間は、一般に、活性化合物での植物の処理後、1から10日、好ましくは1から7日にわたる。
【0225】
植物の病気を駆除するために必要な濃度で、活性化合物が植物によって良好に耐容されるという事実は、植物増殖物質及び種子の地上植物部分並びに土壌の処理を可能とする。
【0226】
これに関して、本発明の活性化合物は、例えば、プシニア種などの穀物の病気、並びに、例えば、ボトリティス(Botrytis)、ベンチュリア(Venturia)又はアルテルナリア(Alternaria)種など、ブドウ栽培、果物栽培及び野菜栽培における病気を駆除する上で、特に首尾よく使用することができる。
【0227】
本発明の活性化合物は、作物の収穫高を増加させるためにも適している。さらに、本発明の活性化合物はより低い毒性を示し、植物によって良好に耐容される。
【0228】
特定の濃度及び適用割合において、本発明の活性化合物は、適宜、除草剤として、植物の成長に影響を与えるために、及び有害動物を駆除するためにも場合によって使用することができる。本発明の活性化合物は、さらなる活性化合物の合成のための中間体及び前駆体としても場合によって使用することができる。
【0229】
本発明に従って、あらゆる植物及び植物の部分を処理することができる。これに関して、植物とは、望ましい及び望ましくない野生の植物又は栽培された植物(自然に発生する栽培植物を含む。)などの全ての植物及び植物集団を意味するものとして理解しなければならない。栽培植物は、慣用的な植物品種改良と最適化法によって又はバイオテクノロジー及び遺伝子工学法によって又はこれらの方法の組み合わせによって取得できる植物であり得、トランスジェニック植物が含まれ、変種認証に関する法律によって保護され得る又は保護され得ない植物変種が包含される。植物の部分とは、芽、葉、花及び根など、地上及び地下にある植物のあらゆる部分及び器官を意味するものとして理解しなければならず、例としては、葉、針状葉(needle)、茎、幹、花、子実体、果実及び種子、並びに根、塊茎及び地下茎が挙げられる。植物の部分には、採取された作物、並びに無性及び生殖により増殖する物質、例えば、苗木、塊茎、地下茎、切り枝及び種子も含まれる。
【0230】
本発明による、活性化合物での植物及び植物の部分の処理は、直接実施されるか、又は、慣用的な処理法、例えば、浸漬、噴霧、蒸発、微粒化、散乱、塗布によって、増殖物質、特に種子を用いて、さらに1つ又はそれ以上の層でコーティングすることによって、それらの環境、生息環境又は保存領域に作用させることにより実施される。
【0231】
マイコトキシン
さらに、本発明の処理によって、収穫された作物並びに収穫された作物から調製される食物及び飼料中のマイコトキシン含量を低下させることが可能である。これに関して、特に(但し、網羅的なものではない。)、以下のマイコトキシンを挙げることができる。例えば、以下の真菌:フサリウム・アキュミナタム(Fusarium acuminatum)、フサリウム・アベナセウム(F.avenaceum)、フサリウム・クロークウェレンス(F.crookwellense)、フサリウム・カルモラム(F.culmorum)、フサリウム・グラミネアラム(F.graminearum(ジベレラ・ゼアエ(Gibberella zeae)))、フサリウム・エキセチ(F.equiseti)、フサリウム・フジコロイ(F.fujikoroi)、フサリウム・ムサラム(F.musarum)、フサリウム・オキシスポラム(F.oxysporum)、フサリウム・プロリフェラタム(F.proliferatum)、フサリウム・ポアエ(F.poae)、フサリウム・シュードグラミネアラム(F.pseudograminearum)、フサリウム・サムブシナム(F.sambucinum)、フサリウム・シルピ(F.scirpi)、フサリウム・セミテクタム(F.semitectum)、フサリウム・ソラニ(F.solani)、フサリウム・スポロトリコイデス(F.sporotrichoides)、フサリウム・ラングセチアエ(F.langsethiae)、フサリウム・サブグルチナンス(F.subglutinans)、フサリウム・トリシンクタム(F.tricinctum)、フサリウム・フェルチシリオイデス(F.verticillioides)及びその他などのフサリウム種、並びにアスペルギルス種、ペニシリウム種、クラビセプス・パープレア(Claviceps purpurea)、スタキボトリス(Stachybotrys)種及びその他によって引き起こされ得る、デオキシニバレノール(DON)、ニバレノール、15−Ac−DON、3−Ac−DON、T2及びHT2トキシン、フモニシン、ゼアラレノン、モニリフォルミン、フサリン、ジアセトキシシルペノール(DAS)、ボーベリシン、エンニアチン、フサロプロリフェリン、フサレノール、オクラトキシン、パツリン、麦角アルカロイド及びアフラトキシン。
【0232】
資材保護
資材の保護において、本発明の物質は、望ましくない微生物による攻撃及び破壊から産業用資材を保護するために使用することができる。
【0233】
本明細書において、産業用資材は、産業において使用するために調製された非生物材料を意味するものと理解される。例えば、微生物による変化又は破壊から本発明の活性化合物によって保護されるべき産業用資材は、接着剤、糊、紙及びボール紙、織物、皮革、材木、塗料及びプラスチック製品、冷却用潤滑剤及び微生物によって攻撃又は破壊され得る他の資材であり得る。保護されるべき資材に関連して、微生物の増殖によって悪影響を受け得る製造工場の一部、例えば、冷却水回路も挙げることができる。本発明において、産業用資材として、接着剤、糊、紙及びボール紙、皮革、材木、塗料、冷却用潤滑剤及び熱伝達液体、特に、木を好ましいものとして挙げることができる。
【0234】
産業用資材を分解又は改変し得る微生物として挙げられる例は、細菌、真菌、酵母、藻類及び軟体生物である。本発明の活性化合物は、好ましくは、真菌、特にカビ、木材変色及び木材破壊性真菌(担子菌(Basidiomycete)並びに軟体生物及び藻類に対して活性を示す。
【0235】
以下の属の微生物を例として挙げることができる。
【0236】
アルテルナリア・テニュイス(Alternaria tenuis)などのアルテルナリア(Alternaria)、
アスペルギルス・ニガー(AspergillUSniger)などのアスペルギルス(Aspergillus)、
ケトミウム・グロボサム(Chaetomium globosum)などのケトミウム(Chaetomium)、
コニオフォラ・プエタナ(Coniophora puetana)などのコニオフォラ、
レンティナス・チグリナス(LentinUStigrinus)などのレンティナス(Lentinus)、
ペニシリウム・グラウカム(Penicillium glaucum)などのペニシリウム(Penicillium)、
ポリポラス・ベルシカラー(PolyporUSversicolor)などのポリポラス(Polyporus)
アウレオバシジウム・プルーランス(Aureobasidium pullulans)などのアウレオバシジウム(Aureobasidium)、
スクレロフォーマ・ピチオフィラ(Sclerophoma pityophila)などのスクレロフォーマ(Sclerophoma)、
トリコデルマ・ビリデ(Trichoderma viride)などのトリコデルマ(Trichoderma)、
エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)などのエシェリヒア(Escherichia)、
シュードモナス・アエルギノサ(Pseudomonas aeruginosa)などのシュードモナス、
スタフィロコッカス・オーレウス(Staphylococcus aureus)などのスタフィロコッカス(StaphylococcUSaureus)。
【0237】
製剤
本発明は、本発明のアミジンの少なくとも1つを含む、望ましくない微生物を駆除するための組成物に関する。
【0238】
それぞれの物理的及び/又は化学的特性に応じて、本発明のアミジンは、溶液、エマルジョン、懸濁液、粉末、泡、ペースト、顆粒、エアロゾル、ポリマー性物質中及び種子用コーティング材中への超微小封入、並びにULV冷及び温雲霧製剤などの標準的な製剤へ転化することができる。
【0239】
これらの製剤は、公知の様式、例えば、活性化合物を増量剤、すなわち液体溶媒、圧力下にある液化された気体及び/又は固体担体と混合し、場合によって、界面活性剤、すなわち乳化剤及び/又は分散剤及び/又は発泡剤を使用することによって調製される。増量剤として水を使用する場合には、補助溶媒として、例えば有機溶媒を使用することもできる。本質的に、可能な液体溶媒は、キシレン、トルエン又はアルキルナフタレンなどの芳香族炭化水素、クロロベンゼン、クロロエチレン又は塩化メチレンなどの塩素化された芳香族炭化水素又は塩素化された脂肪族炭化水素、シクロヘキサン又はパラフィンなどの脂肪族炭化水素、例えば、石油留分、ブタノール又はグリコールなどのアルコール及びそれらのエーテル及びエステル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン又はシクロヘキサノンなどのケトン、ジメチルホルムアミド及びジメチルスルホキシドなどの強い極性溶媒並びに水である。液化された気体状増量剤又は担体は、標準的な温度及び標準的な圧力において気体形態である液体、例えば、ハロゲン化された炭化水素及びブタン、プロパン、窒素及び二酸化炭素などのエアロゾル噴射剤を意味するものとして理解される。可能な固体担体は、以下のとおりである。例えば、カオリン、陶土、タルク、胡粉、石英、アタパルガイト、モントモリロナイト又は珪藻土などの土壌の天然ミネラル、並びに高度に分散されたシリカ、酸化アルミニウム及びケイ酸塩などの土壌の合成ミネラルである。顆粒用の可能な固体担体は、例えば、方解石、軽石、大理石、海泡石又は白雲石などの破壊され、分画された天然の岩のほか、無機及び有機粉塵から形成される合成顆粒、並びに紙、おがくず、椰子の実、トウモロコシの穂軸及びタバコの茎などの有機素材から形成された顆粒である。可能な乳化剤及び/又は発泡剤は、例えば、非イオン性及び陰イオン性乳化剤、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル、例えば、アルキルアリールポリグリコールエーテル、アルキルスルホナート、アルキルサルファート、アリールスルホナートなど、及びタンパク質の加水分解物である。可能な分散剤は、例えば、リグノサルファイト廃棄液及びメチルセルロースである。
【0240】
カルボキシメチルセルロース、アラビアゴム、ポリビニルアルコール及びポリ酢酸ビニルなどの粉末、顆粒又はラテックスの形態の天然及び合成ポリマーなどの結合剤の他に、セファリン及びレシチンなどの天然リン脂質及び合成リン脂質のような結合剤を、前記製剤中で使用することもできる。他の可能な添加物は、鉱物及び植物油である。
【0241】
酸化鉄、酸化チタン、プルシアン・ブルーなどの無機顔料、並びにアリザリン染料、アゾ染料及び金属フタロシアニン染料などの有機着色料などの着色料、並びに鉄、マンガン、ホウ素、銅、コバルト、モリブデン及び亜鉛の塩などの微量栄養素を使用することが可能である。
【0242】
前記製剤は、一般に、活性化合物の0.1と95重量%の間、好ましくは0.5と90重量%の間を含む。
【0243】
上述されている製剤は、本発明のアミジンが微生物及び/又はその生息環境に適用される、望ましくない微生物を駆除するための本発明の方法において使用することができる。
【0244】
種子処理
植物の種子を処理することによる植物病原性真菌の駆除は、長い間公知であり、絶え間ない改良の対象である。しかしながら、種子の処理には、必ずしも満足に解決できるとは限らない一連の問題が生じる。従って、播種後又は植物の発生後に、植物保護組成物のさらなる適用を不要とする又は少なくとも顕著に低減する、種子及び発芽中の植物を保護する方法を開発することが望ましい。植物病原性真菌による攻撃に対して可能な限り最高の保護が種子及び発芽中の植物に与えられるように、但し、使用される活性化合物によって植物自体が損傷を受けないように、使用される活性化合物の量を最適化することがさらに望ましい。特に、種子の処理方法は、植物保護組成物の消費を最小限に抑えながら、種子及び発芽中の植物の最適な保護を達成するために、トランスジェニック植物の内在性殺真菌特性も含むべきである。
【0245】
従って、本発明は、特に、本発明の組成物で種子を処理することによって、植物病原性真菌による攻撃から種子及び発芽中の植物を保護する方法にも関する。
【0246】
同様に、本発明は、植物病原性真菌から種子及び発芽中の植物を保護するために種子を処理するための、本発明の組成物の使用に関する。
【0247】
さらに、本発明は、植物病原性真菌から保護するために、本発明の組成物で処理された種子に関する。
【0248】
本発明の利点の1つは、本発明の組成物の特定の浸透特性の故に、これらの組成物での種子の処理が種子そのものを植物病原性真菌から保護するだけでなく、発芽後に種子から生じた植物を植物病原性真菌から保護することである。このように、播種又は播種直後の時点で作物を直ちに処理する必要が省略され得る。
【0249】
同様に、本発明の混合物は、特に、トランスジェニック種子とともに使用できることも有利であると認められる。
【0250】
本発明の組成物は、農業、温室、森林又は園芸において使用されるあらゆる植物品種の種子を保護するのにも適している。特に、これに関する種子は、穀類(小麦、大麦、ライ麦、キビ及びオーツ麦)、トウモロコシ、ワタ、大豆、コメ、イモ、ヒマワリ、豆、コーヒー、ビート(例えば、砂糖大根及び家畜ビート(fodder beet))、落花生、野菜(トマト、キュウリ、タマネギ及びレタスなど)、芝生及び観葉植物の種子である。穀類(小麦、大麦、ライ麦及びオーツ麦など)、トウモロコシ及びコメの種子の処理が特に重要である。
【0251】
本発明において、本発明の組成物は、単独で、又は適切な製剤中で、種子に適用される。好ましくは、種子は、処理中に損傷が発生するのを避けるのに十分に安定な条件で処理される。一般に、種子の処理は、収穫と播種の間の何れの時点においても実施され得る。植物から分離され、穂軸、鞘、茎、皮、毛又は果肉が除去された種が通常使用される。従って、例えば、収穫され、清浄化され、15重量%未満の水分含量まで乾燥された種子を使用することが可能である。あるいは、乾燥後に、例えば水で処理され、次いで、再び乾燥された種子を使用することも可能である。
【0252】
一般に、種子の処理では、種子の発芽が損なわれないように、又は種子から得られた植物が損傷されないように、本発明の組成物及び/又は種子に適用されるさらなる添加物の量が選択されることに注意しなければならない。特に、ある適用割合で植物毒性効果を示し得る活性化合物を用いる場合に、このことを考慮すべきである。
【0253】
本発明の組成物は、直ちに、従って、追加成分を含まずに及び希釈されずに適用することができる。適切な製剤の形態で、組成物を種子に適用することが一般に好ましい。種子処理のための適切な製剤及び方法は、当業者に公知であり、例えば、以下の文献:US4,272,417A、US4,245,432A、US4,808,430A、US5,876,739A、US2003/0176428A1、WO2002/080675A1、WO2002/028186A2に記載されている。
【0254】
本発明に従って使用することができる活性化合物の組み合わせは、溶液、エマルジョン、懸濁液、粉末、泡、スラリー又は種子のための他のコーティング材料及びULV製剤などの通常の種子粉衣製剤へ転化することができる。
【0255】
これらの製剤は、例えば、慣用の増量剤及び溶媒又は希釈剤、着色料、湿潤剤、分散剤、乳化剤、消泡剤、防腐剤、二次濃縮剤、接着剤、ジベレリン及び水などの慣用の添加物と活性化合物又は活性化合物の組み合わせを混合することによって、公知の様式で調製される。
【0256】
本発明に従って使用することができる種子粉衣製剤中に存在し得る適切な着色料は、このような目的のために慣用される全ての着色料を含む。これに関して、水への溶解性が乏しい顔料及び水に溶解する色素の両方を使用し得る。例として挙げられるものは、ローダミンB、C.I.ピグメントレッド112及びC.I.ソルベントレッド1の名称で知られる着色料である。
【0257】
本発明に従って使用することができる種子粉衣製剤中に存在し得る可能な湿潤剤は、湿潤を促進し、農芸化学的活性化合物の製剤において慣用される全ての物質を含む。好ましくは、ジイソプロピル又はジイソブチルナフタレンスルホナートなどのアルキルナフタレンスルホナートを使用し得る。
【0258】
本発明に従って使用することができる種子粉衣製剤中に存在し得る適切な分散剤及び/又は乳化剤は、農芸化学的活性物質の製剤において慣用される全ての非イオン性、陰イオン性及び陽イオン性分散剤を含む。好ましくは、非イオン性若しくは陰イオン性分散剤又は非イオン性若しくは陰イオン性分散剤の混合物を使用し得る。特に適切な非イオン性分散剤として、エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックポリマー、アルキルフェノールポリグリコールエーテル及びトリスチリルフェノールポリグリコールエーテル及びリン酸化又は硫酸化されたこれらの誘導体を挙げることができる。特に、適切な陰イオン性分散剤は、リグノスルホナート、ポリアクリル酸塩及びアリールスルホナート/ホルムアルデヒド縮合物である。
【0259】
本発明に従って使用することができる種子粉衣製剤中に存在し得る消泡剤は、農芸化学的活性化合物の製剤において慣用される全ての発泡阻害物質を含む。好ましくは、シリコーン消泡剤及びステアリン酸マグネシウムを使用し得る。
【0260】
本発明に従って使用することができる種子粉衣製剤中に存在し得る適切な防腐剤は、農芸化学的組成物中でこのような目的のために使用することができる全ての物質を含む。例として、ジクロロフェン及びベンジルアルコールヘミフォルマールが挙げられる。
【0261】
本発明に従って使用することができる種子粉衣製剤中に存在し得る適切な二次濃縮剤は、このような目的のために農芸化学的組成物中で使用することができる全ての物質を含む。好ましくは、セルロース誘導体、アクリル酸誘導体、キサンタン、修飾された粘土及び高分散シリカが適切である。
【0262】
本発明に従って使用することができる種子粉衣製剤中に存在し得る可能な接着剤は、種子粉衣において使用することができる全ての慣用の結合剤を含む。好ましくは、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール及びチロースが挙げられる。
【0263】
本発明に従って使用することができる種子粉衣製剤中に存在し得る可能なジベレリンは、好ましくは、ジベレリンA1、A3(=ジベレリン酸)、A4及びA7を含み、特に好ましくは、ジベレリン酸が使用される。ジベレリンは公知である(R.Wegler「Chemie der Pflanzenschutz und Schadlingsbekampfungsmittel」[Chemistry of Plant Protection and Pest Control Agents]、Vol.2,Springer Verlag,1970,pp.401−412参照)。
【0264】
本発明に従って使用することができる種子粉衣製剤は、直接又は事前に水で希釈した後に、最も多様な種の種子を処理するために使用され得る。従って、小麦、大麦、ライ麦、オーツ麦及びライ小麦などの穀類の種子、並びにトウモロコシ、米、アブラナ、豆(pea)、豆(bean)、綿、ヒマワリ及びビートの種子、あるいは、最も多様な性質の野菜の種子を粉衣するために、濃縮物又は水での希釈によって濃縮物から得ることができる調製物を使用し得る。本発明に従って使用することができる種子粉衣製剤又はそれらの希釈された調製物は、トランスジェニック植物の種子を粉衣するためにも使用し得る。これに関して、発現によって形成された物質との相互作用において、さらなる相乗効果も生じ得る。
【0265】
粉衣のために慣用的に使用することができる全ての混合装置が、水の添加によって、本発明に従って使用することができる種子粉衣製剤又は種子粉衣製剤から調製される調製物で種子を処理するのに適している。具体的には、粉衣操作では、種子を混合装置中に導入し、そのまま又は事前に水で希釈した後に、種子粉衣製剤の所望の量を各回添加し、及び製剤が種子上に均一に分布するまで混合を実施する。
適宜、その後に、乾燥操作が行われる。
【0266】
本発明に従って使用することができる種子粉衣製剤の適用割合は、比較的幅広い範囲内を変動することができる。適用割合は、製剤中及び種子上の活性化合物の各含量に依存する。一般に、活性化合物の組み合わせの適用割合は、種子の1kg当り0.001と50gの間、好ましくは種子の1kg当り0.01と15gの間である。
【0267】
公知の殺真菌剤、殺菌剤、殺ダニ剤、殺線虫剤又は殺虫剤との混合物
従って、例えば、活性スペクトルを広げるために、又は耐性の発生を防ぐために、本発明のアミジンは、そのまま又はそれらの製剤中で、公知の殺真菌剤、殺菌剤、殺ダニ剤、殺線虫剤又は殺虫剤との混合物として使用することもできる。
【0268】
除草剤などの他の公知の活性化合物との又は肥料及び成長制御物質、安全化剤又は情報化学物質との混合物も可能である。
【0269】
さらに、本発明の式(I)の化合物は、極めて優れた抗真菌活性も示す。本発明の式(I)の化合物は、特に皮膚糸状菌及び出芽真菌、カビ及び二相性真菌に対して(例えば、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、カンジダ・グラブラータ(Candida glabrata)などに対して)、並びにエピデルモフィトン・フロッコサム(Epidermophyton floccosum)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)及びアスペルギルス・フミガタス(Aspergillus fumigatus)などのアスペルギルス種、トリコフィトン・メンタグロファイテス(Trichophyton mentagrophytes)などのトリコフィトン種、ミクロスポロン・カニス(Microsporon canis)及びアウドウイニイ(audouinii)などのミクロスポロン種に対して、抗真菌活性の極めて幅広いスペクトルを有する。これらの真菌の列記は、含まれ得る真菌スペクトルに対する限定をいかなる意味においても表すものではなく、例示に過ぎない。
【0270】
従って、本発明の3−置換されたフェノキシフェニルアミジンは、医薬用途及び非医薬用途の両方において使用することができる。
【0271】
活性化合物は、そのまま、それらの製剤の形態で、又は即時使用溶液、懸濁液、噴霧可能な粉末、ペースト、可溶性粉末、粉塵及び顆粒など、製剤から調製される適用形態で適用することができる。適用は、標準的な様式で、例えば、注入、噴霧、微粉化、散布、雲霧化、発泡、拡散などによって実施される。さらに、超低容量法によって活性化合物を適用すること又は活性化合物の調製物若しくは活性化合物そのものを土壌中へ注入することが可能である。
【0272】
植物の種子を処理することも可能である。
【0273】
本発明のアミジンが殺真菌剤として使用される場合には、適用の種類に応じて、適用割合は、相対的に幅広い範囲内を変動することができる。植物部分の処理において、活性化合物の適用割合は、一般に、0.1と10,000g/haの間、好ましくは10と1000g/haの間である。種子処理において、活性化合物の適用割合は、一般に、種子の1kg当り0.001と50gの間、好ましくは種子の1kg当り0.01と10gの間である。土壌処理において、活性化合物の適用割合は、一般に、0.1と10,000g/haの間、好ましくは1と5,000g/haの間である。
【0274】
GMO
本発明の処理方法は、遺伝子改変生物(GMO)、例えば植物又は種子の処理において使用することができる。遺伝子改変植物(又はトランスジュエニック植物)とは、異種遺伝子がゲノム中に安定に組み込まれた植物である。「異種遺伝子」という表現は、植物外に与えられ又は組み立てられ、核内に導入されたときに、目的のタンパク質若しくはポリペプチドを発現することによって、又は(例えば、アンチセンス技術、共抑制技術又はRNA干渉−RNAi技術を用いて)植物中に存在する他の遺伝子を下方制御若しくは発現停止させることによって、葉緑体の又は下肋部の(hypoochondrial)ゲノムが形質転換された植物に新しい又は改善された農学的又は他の特性を与えることを本質的に意味する。ゲノム中に位置する異種遺伝子は、導入遺伝子とも称される。植物ゲノム中のその具体的な位置によって規定される導入遺伝子は、形質転換又は導入遺伝子事象と称される。
【0275】
植物種又は植物栽培品種、これらの位置及び成長条件(土壌、気候、栽培期間、栄養)に応じて、本発明の処理は、超加算(「相乗」)効果ももたらし得る。従って、例えば、実際に予想される効果を超える、本発明に従って使用することができる活性化合物及び組成物の低下した適用割合及び/又は活性スペクトルの広がり及び/又は活性の増加、植物成長の改善、高温又は低温に対する耐性の増加、旱魃又は水又は土壌に含まれる塩に対する耐性の増加、開花能の増加、収穫の簡易化、成熟の加速、より高い収穫高、より大きな果実、より大きな植物高、より緑の葉の色、開花の早期化、収穫された産物の品質の向上及び/又は栄養価の向上、果実内の糖濃度の増加、保存安定性の向上及び/又は収穫された産物の加工性が可能である。
【0276】
ある種の適用割合において、本発明の活性化合物の組み合わせは、植物中の強化効果も有し得る。従って、本発明の活性化合物の組み合わせは、望ましくない植物病原性真菌及び/又は微生物及び/又はウイルスによる攻撃に対する植物の防御系を動員するのに適している。これは、適宜、例えば、真菌に対する本発明の組み合わせの増強された活性に関する理由の1つであり得る。本明細書において、植物強化(耐性誘導)物質は、その後に、望ましくない植物病原性真菌及び/又は微生物及び/又はウイルスが接種された場合に、処理された植物が、これらの望ましくない植物病原性真菌及び/又は微生物及び/又はウイルスに対する耐性の大幅な程度を示すように、植物の防御系を刺激することができる物質又は物質の組み合わせを意味するものとして理解される。本明細書において、望ましくない植物病原性真菌及び/又は微生物及び/又はウイルスは、植物病原性真菌、細菌及びウイルスを意味するものとして理解される。従って、本発明の物質は、処理後のある期間内に、上記病原体による攻撃に対して植物を保護するために使用することができる。保護が為される期間は、一般に、活性化合物での植物の処理後、1から10日、好ましくは1から7日に及ぶ。
【0277】
本発明に従って好ましく処理される植物及び植物栽培品種には、(品種改良及び/又はバイオテクノロジー手段によって得られたかどうかを問わず)これらの植物に、特に有利で、有用な形質を付与する遺伝物質を有する全ての植物が含まれる。
【0278】
同じく本発明に従って好ましく処理される植物及び植物栽培品種は、1つ又はそれ以上の生物的ストレスに対して耐性を有する。すなわち、前記植物は、線虫、昆虫、ダニ、植物病原性真菌、細菌、ウイルス及び/又はウイロイドなどの有害動物及び微生物に対して、より優れた防御を示す。
【0279】
同じく本発明に従って好ましく処理され得る植物及び植物栽培品種は、1つ又はそれ以上の非生物的ストレスに対して耐性を有する植物である。非生物的ストレス状況には、例えば、旱魃、低温曝露、熱曝露、浸透圧ストレス、洪水、土壌塩分の増加、無機物曝露の増加、オゾン曝露、高い光曝露、窒素栄養素の制限された利用可能性、リン栄養素の制限された利用可能性、陰影(shade)の回避が含まれ得る。
【0280】
同じく本発明に従って好ましく処理され得る植物及び植物栽培品種は、増強された収穫高特性を特徴とする植物である。前記植物における増加した収穫高は、例えば、水使用効率、水保持効率、改善された窒素使用、増強された炭素同化、改善された光合成、増加した発芽効率及び加速された成熟など、改善された植物生理、成長及び発育の結果であり得る。さらに、収穫高は、早期の開花、ハイブリッド種子産生のための開花調節、苗の活力、植物サイズ、節間の数及び距離、根の成長、種子サイズ、果実サイズ、鞘のサイズ、鞘又は穂の数、鞘又は穂当りの種子数、種子質量、増強された種子の充填、低下した種子の分散、低下した鞘の裂開及び耐倒伏性など、(ストレス条件及び非ストレス条件下での)改善された植物構造によって影響を受け得る。さらなる収穫高形質には、炭水化物含量、タンパク質含量、油含量及び組成、栄養価、抗栄養化合物の低下、改善された加工性及びより優れた保存安定性などの種子組成が含まれる。
【0281】
本発明に従って処理され得る植物は、より高い収穫高、活力、健康並びに生物的及び非生物的なストレス因子に対する耐性を一般にもたらす雑種強勢(heterosis or hybrid vigor)の特徴を既に発現する雑種植物である。このような植物は、近交系雄性不稔性親株(雌性親)を、別の近親交配雄性稔性親株(雄性親)と交配することによって典型的に作製される。雑種種子は、雄性不稔植物から典型的に採取され、栽培者に販売される。雄性不稔植物は、時々、(例えば、トウモロコシにおいて)、房除去(detassele)(すなわち、雄性生殖器官又は雄花の機械的除去)によって作製され得るが、より典型的には、雄性不稔は、植物ゲノム中の遺伝的決定因子の結果である。その場合には、特に、種子が雑種植物から採取すべき所望の産物である場合には、雄性不稔性の原因となる遺伝的決定因子を含有する雑種植物中での雄性稔性が完全に回復されることを確保するのが通例有用である。これは、雄性親が雄性不稔性の原因となる遺伝的決定因子を含有する雑種植物中で雄性稔性を回復することができる適切な稔性回復遺伝子を有することを確保することによって達成することができる。雄性不稔性に対する遺伝的決定因子は、細胞質中に位置し得る。細胞質性雄性不粘性(CMS;cytoplasmic male sterility)の例は、例えば、アブラナ種で記載された(WO1992/005251、WO1995/009910、WO1998/27806、WO2005/002324、WO2006/021972及びUS6,229,072)。しかしながら、雄性不稔性に対する遺伝的決定因子は、核のゲノム中にも位置し得る。雄性不稔植物は、遺伝子工学などの植物バイオテクロノジー法によっても取得することができる。例えば、バーナーゼなどのリボヌクレアーゼが雄しべ中のじゅうたん組織細胞中で選択的に発現されている雄性不稔植物を取得する特に有用な手段が、WO89/10396号に記載されている。次いで、barstar(例えば、WO1991/002069)などのリボヌクレアーゼ阻害剤のじゅうたん組織細胞中での発現によって、稔性を回復させることができる。
【0282】
本発明に従って処理され得る(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られた)植物又は植物栽培品種は、除草剤耐性植物、すなわち、1つ又はそれ以上の所定の除草剤に対して耐性とされた植物である。このような植物は、遺伝的形質転換によって、又はこのような除草剤耐性を付与する変異を含有する植物の選択によって取得することができる。
【0283】
除草剤耐性植物は、例えば、グリホサート耐性植物、すなわち、除草剤グリホサート又はその塩に対して耐性とされた植物である。例えば、グリホサート耐性植物は、酵素5−エオールピルビルシキミ酸−3−リン酸シンターゼ(EPSPS)をコードする遺伝子で植物を形質転換することによって取得することができる。このようなEPSPS遺伝子の例は、細菌サルモネラ・チフィムリウム(Salmonella typhimurium)のAroA遺伝子(変異体CT7)(Comai et al., Science(1983),221,370−371)、細菌アグロバクテリウム種のCP4遺伝子(Barry et al., Curr.Topics Plant Physiol.(1992), 7, 139−145)、ペチュニアEPSPSをコードする遺伝子(Shah et al., Science(1986),233,478−481)、トマトEPSPS(Gasser et al.,J.Biol.Chem.(1988),263,4280−4289)又はオヒシバ属(eleusine)EPSPS(WO2001/66704)である。例えば、EP−A0837944、WO2000/066746、WO2000/066747又はWO2002/026995に記載されているように、変異されたEPSPSでもあり得る。グリホサート耐性植物は、US5776760号及びUS5463175号に記載されているように、グリホサートオキシドレダクターゼ酵素をコードする遺伝子を発現することによって取得することもできる。グリホサート耐性植物は、例えば、WO2002/036782、WO2003/092360、WO2005/012515及びWO2007/024782に記載されているように、グリホサートアセチル転移酵素をコードする遺伝子を発現することによっても取得することができる。グリホサート耐性植物は、例えば、WO2001/024615又はWO2003/013226に記載されているように、上記遺伝子の天然に存在する変異を含有する植物を選択することによって取得することもできる。
【0284】
他の除草剤耐性植物は、例えば、ビアラホス、ホスフィノトリシン又はグルホシナートなど、酵素グルタミンシンターゼを阻害する除草剤に対して耐性とされた植物である。このような植物は、除草剤を解毒する酵素又は阻害に対して耐性であるグルタミンシンターゼ酵素の変異体を発現させることによって取得することができる。1つのこのような効率的な解毒酵素は、(ストレプトミセス種由来のbar又はpatタンパク質などの)ホスフィノトリシンアセチル転移酵素をコードする酵素である。外来ホスフィノトリシンアセチル転移酵素を発現する植物は、例えば、US5,561,236;US5,648,477;US5,646,024;US5,273,894;US5,637,489;US5,276,268;US5,739,082;US5,908,810及びUS7,112,665に記載されている。
【0285】
さらなる除草剤耐性植物は、酵素ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ(HPPD)を阻害する除草剤に対して耐性とされた植物でもある。ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼは、p−ヒドロキシフェニルピルベート(HPP)をホモゲンチザートへ転換する反応を触媒する酵素である。HPPD阻害剤に対して耐性を有する植物は、天然に存在する耐性HPPD酵素をコードする遺伝子又はWO1996/038567、WO1999/024585及びWO1999/024586に記載されているような変異されたHPPD酵素をコードする遺伝子で形質転換することができる。HPPD阻害剤に対する耐性は、HPPD阻害剤による固有のHPPD酵素の阻害に関わらず、ホモゲンチザートの形成を可能とするある種の酵素をコードする遺伝子で植物を形質転換することによっても取得することができる。このような植物及び遺伝子は、WO1999/034008及びWO2002/36787に記載されている。HPPD阻害剤に対する植物の耐性は、WO2004/024928号に記載されているように、HPPD耐性酵素をコードする遺伝子に加えて、酵素プレフェナート脱水素酵素をコードする遺伝子で植物を形質転換することによっても改善することができる。
【0286】
さらなる除草剤耐性植物は、アセト乳酸シンターゼ(ALS)阻害剤に対して耐性とされた植物である。公知のALS阻害剤には、例えば、スルホニル尿素、イミダゾリノン、トリアゾロピリミジン、ピリミジニルオキシ(チオ)ベンゾアート及び/又はスルホニルアミノカルボニルトリアゾリノン除草剤が含まれる。例えば、「Tranel and Wright,Weed Science(2002),50,700−712」並びにUS5,605,011、US5,378,824、US5,141,870及びUS5,013,659に記載されているように、ALS酵素(アセトヒドロキシ酸合成酵素、AHASとしても知られる。)中の様々な変異が、様々な除草剤及び除草剤の群に対する耐性を付与することが知られている。スルホニル尿素耐性植物及びイミダゾリノン耐性植物の作製は、US5,605,011;US5,013,659;US5,141,870;US5,767,361;US5,731,180;US5,304,732;US4,761,373;US5,331,107;US5,928,937;及びUS5,378,824並びに国際公開WO1996/033270号に記載されている。他のイミダゾリノン耐性植物は、例えば、WO2004/040012、WO2004/106529、WO2005/020673、WO2005/093093、WO2006/007373、WO2006/015376、WO2006/024351及びWO2006/060634にも記載されている。さらなるスルホニル尿素及びイミダゾリノン耐性植物が、例えば、WO2007/024782号にも記載されている。
【0287】
イミダゾリノン及び/又はスルホニル尿素に対して耐性を有する他の植物は、誘導された突然変異誘発、除草剤の存在下での細胞培養物中の選択によって、又は例えば、大豆に関してUS5084082に、米に関してWO1997/41218に、サトウダイコンに関してUS5773702及びWO1999/057965に、レタスに関してUS5198599に、又はヒマワリに関してWO2001/065922に記載されているような突然変異育種によって取得することができる。
【0288】
同じく本発明に従って処理され得る(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られた)植物又は植物栽培品種は、昆虫耐性トランスジェニック植物、すなわち、ある標的昆虫による攻撃に対して耐性とされた植物である。このような植物は、遺伝的形質転換によって、又はこのような昆虫耐性を付与する変異を含有する植物の選択によって取得することができる。
【0289】
本明細書において使用される「昆虫耐性トランスジェニック植物」には、以下のものをコードするコード配列を含む少なくとも1つの導入遺伝子を含有するあらゆる植物が含まれる。
【0290】
1)バシラス・チューリンゲンシス毒素命名法に、http://www.lifesci.sussex.ac.uk/Home/Neil Crickmore/Bt/)にオンラインでCrickmore他(2005)に更新された「Crickmore et al., Microbiology and Molecular Biology Reviews(1998),62,807−813」に列記されている殺虫性の結晶タンパク質など、バシラス・チューリンゲンシス由来の殺虫性の結晶タンパク質又はその殺虫性部分、又はその殺虫性部分、例えば、Cryタンパク質クラスCry1Ab、Cry1Ac、Cry1F、Cry2Ab、Cry3Ae若しくはCry3Bbのタンパク質若しくはその殺虫性部分;又は
2)Cy34及びCy35結晶タンパク質から構成されたバイナリー毒素など、バシラス・チューリンゲンシス由来の第二の他の結晶タンパク質若しくはその一部の存在下で殺虫性であるバシラス・チューリゲンシス由来の結晶タンパク質若しくはその一部(Moellenbeck et al., Nat.Biotechnol.(2001),19,668−72;Schnepf et al.,Applied Environm.Microb.(2006),71,1765−1774);又は
3)上記1)のタンパク質のハイブリッド又は上記2)のタンパク質のハイブリッド、例えば、トウモロコシ事象MON98034によって産生されるCry1A.105タンパク質(WO2007/027777)など、バシラス・チューリンゲンシス由来の2つの異なる殺虫性結晶タンパク質の部分を含むハイブリッド殺虫性タンパク質;又は
4)トウモロコシ事象(event)MON863若しくはMON88017中のCry3Bb1タンパク質又はトウモロコシ事象MIR604中のCry3Aタンパク質など、標的昆虫種に対してより高い殺虫活性を得るために、及び/又は影響を受ける標的昆虫種の範囲を広げるために、及び/又はクローニング若しくは形質転換の間にコードDNA中に誘導された変化のために、幾つかの、特に1から10個のアミノ酸が別のアミノ酸によって置換されている上記1)から3)の何れか1つのタンパク質;
5)http://www.lifesci.sussex.ac.uk/Home/Neil Crickmore/Bt/vip.htmlに列記されている植物性殺虫性(VIP;vegetative insecticidal)タンパク質など、バシラス・チューリンゲンシス若しくはバシラス・セレウス(Bacillus cereus)由来の殺虫性分泌タンパク質又はその殺虫性部分、例えば、VIP3Aaタンパク質クラス由来のタンパク質;又は
6)VIP1A及びVIP2Aタンパク質から構成されたバイナリー毒素(WO1994/21795)など、バシラス・チューリンゲンシス若しくはバシラス・セレウス由来の第二の分泌タンパク質の存在下で殺虫性を有するバシラス・チューリンゲンシス若しくはバシラス・セレウス由来の分泌タンパク質;
7)上記1)のタンパク質のハイブリッド若しくは上記2)のタンパク質のハイブリッドなど、バシラス・チューリンゲンシス若しくはバシラス・セレウス由来の異なる分泌タンパク質から得られる部分を含むハイブリッド殺虫性タンパク質;又は
8)綿事象COT102中のVIP3Aaタンパク質など、標的昆虫種に対してより高い殺虫活性を得るために、及び/又は影響を受ける標的昆虫種の範囲を広げるために、及び/又は(なお、殺虫性タンパク質をコードしながら)クローニング若しくは形質転換の間にコードDNA中に誘導された変化のために、幾つかの、特に1から10個のアミノ酸が別のアミノ酸によって置換されている上記1)から3)の何れか1つのタンパク質。
【0291】
もちろん、本明細書において使用される、昆虫耐性トランスジェニック植物には、上記クラス1から8の何れか1つのタンパク質をコードする遺伝子の組み合わせを含むあらゆる植物も含まれる。一実施形態において、同じ標的昆虫種に対して殺虫性であるが、昆虫内の異なる受容体結合部位への結合などの異なる作用様式を有する異なるタンパク質を使用することによって、影響を受ける標的昆虫種の範囲を広げるために、又は植物への昆虫耐性の発達を遅延させるために、昆虫耐性植物は、上記クラス1から8の何れか1つのタンパク質をコードする2以上の導入遺伝子を含有する。
【0292】
同じく本発明に従って処理され得る(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られた)植物又は植物栽培品種は、非生物的ストレスに対して耐性である。このような植物は、遺伝的形質転換によって、又はこのようなストレス耐性を付与する変異を含有する植物の選択によって取得することができる。特に有用なストレス耐性植物には、以下のものが含まれる。
【0293】
a.WO2000/004173又はEP04077984.5又はEP06009836.5に記載されている植物細胞又は植物中でのポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ(PARP)遺伝子の発現及び/又は活性を低下させることができる導入遺伝子を含有する植物;
b.例えば、WO2004/090140号に記載されているような、植物又は植物細胞のPARGコード遺伝子の発現及び/又は活性を低下させることができるストレス耐性増強導入遺伝子を含有する植物;
c.例えば、EP04077624.7又はWO2006/133827又はPCT/EP07/002433中に記載されているような、ニコチンアミダーゼ、ニコチン酸ホスホリボシル転移酵素、ニコチン酸一ヌクレオチドアデニル転移酵素、ニコチンアミドアデニン二ヌクレオチド合成酵素又はニコチンアミドホスホリボシル転移酵素など、ニコチンアミドアデニン二ヌクレオチド再利用生合成経路の植物機能的酵素をコードするストレス耐性増強導入遺伝子を含有する植物。
【0294】
以下のような同じく本発明に従って処理され得る(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られた)植物又は植物栽培品種が、収穫された産物の変化した量、品質及び/又は保存安定性及び/又は収穫された産物の特定の成分の変化を受けた特性を示す。
【0295】
1)改変されたデンプンが特別な用途に対してよりよく適合するように、野生型植物細胞又は植物中で合成されたデンプンと比べて、その物理−化学的特性、特に、アミロース含量又はアミロース/アミロペクチン比、分岐の程度、平均鎖長、側鎖の分布、粘度挙動、ゲル化強度、デンプン粒のサイズ及び/又はデンプン粒の形態が変化している、改変されたデンプンを合成するトランスジェニック植物。改変されたデンプンを合成する前記トランスジェニック植物は、例えば、EP0571427、WO1995/004826、EP0719338、WO1996/15248、WO1996/19581、WO1996/27674、WO1997/11188、WO1997/26362、WO1997/32985、WO1997/42328、WO1997/44472、WO1997/45545、WO1998/27212、WO1998/40503、WO99/58688、WO1999/58690、WO1999/58654、WO2000/008184、WO2000/008185、WO2000/28052、WO2000/77229、WO2001/12782、WO2001/12826、WO2002/101059、WO2003/071860、WO2004/056999、WO2005/030942、WO2005/030941、WO2005/095632、WO2005/095617、WO2005/095619、WO2005/095618、WO2005/123927、WO2006/018319、WO2006/103107、WO2006/108702、WO2007/009823、WO2000/22140、WO2006/063862、WO2006/072603、WO2002/034923、EP06090134.5、EP06090228.5、EP06090227.7、EP07090007.1、EP07090009.7、WO2001/14569、WO2002/79410、WO2003/33540、WO2004/078983、WO2001/19975、WO1995/26407、WO1996/34968、WO1998/20145、WO1999/12950、WO1999/66050、WO1999/53072、US6,734,341、WO2000/11192、WO1998/22604、WO1998/32326、WO2001/98509、WO2001/98509、WO2005/002359、US5,824,790、US6,013,861、WO1994/004693、WO1994/009144、WO1994/11520、WO1995/35026又はWO1997/20936に開示されている。
【0296】
2)遺伝的修飾を持たない野生型植物と比べて、非デンプン炭水化物ポリマーを合成し、又は変化を受けた特性を有する非デンプン炭水化物ポリマーを合成するトランスジェニック植物。例は、EP0663956、WO1996/001904、WO1996/021023、WO1998/039460及びWO1999/024593に開示されているような、(特に、イヌリン及びレバン型の)ポリフルクトースを産生する植物、WO1995/031553、US2002/031826、US6,284,479、US5,712,107、WO1997/047806、WO1997/047807、WO1997/047808及びWO2000/14249に開示されているα−1,4−グルカンを産生する植物、WO2000/73422に開示されているようなα−1,6分岐、α−1,4−グルカンを産生する植物並びにWO2000/047727、EP06077301.7、US5,908,975及びEP0728213に開示されているアルテルナンを産生する植物である。
【0297】
3)例えば、WO2006/032538、WO2007/039314、WO2007/039315、WO2007/039316、JP2006/304779及びWO2005/012529に開示されているようなヒアルロナンを産生するトランスジェニック植物。
【0298】
同じく本発明に従って処理され得る(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られた)植物又は植物栽培品種は、変化を受けた繊維特性を有する植物(綿植物など)である。このような植物は、遺伝的形質転換によって、又はこのような変化を受けた繊維特性を付与する変異を含有する植物の選択によって取得することができ、以下のものが含まれる。
【0299】
a)WO1998/000549号に記載されているようなセルロースシンターゼ遺伝子の変化を受けた形態を含有する植物(綿植物など);
b)WO2004/053219号に記載されているようなrsw2又はrsw3相同的核酸の変化を受けた形態を含有する植物(綿植物など);
c)WO2001/017333号に記載されているようなスクロースホスファートシンターゼの増加した発現を有する植物(綿植物など);
d)WO02/45485号に記載されているようなスクロースシンターゼの増加した発現を有する植物(綿植物など);
e)例えば、WO2005/017157号に記載されているような繊維選択的β−1,3−グルカナーゼの下方制御を通じて、繊維細胞の基部に原形質連絡のゲート開閉のタイミングが変化を受けている植物(綿植物など);
f)WO2006/136351号に記載されているような、例えばnodC及びキチンシンターゼ遺伝子を含むN−アセチルグルコサミン転移酵素遺伝子の発現を通じて、変化を受けた反応性を有する繊維を有する植物(綿植物など)。
【0300】
同じく本発明に従って処理され得る(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られた)植物又は植物栽培品種は、変化を受けた油特性を有する植物(アブラナ又は関連するアブラナ植物など)である。このような植物は、遺伝的形質転換によって、又はこのような変化を受けた油特性を付与する変異を含有する植物の選択によって取得することができ、以下のものが含まれる。
【0301】
a)例えば、US5,969,169、US5,840,946、US6,323,392又はUS6,063,947に記載されているような、高オレイン酸含量を有する油を産生する植物(アブラナ植物など);
b)US6,270828、US6,169,190又はUS5,965,755に記載されているような低リノレン酸linolenic含量を有する油を産生する植物(アブラナ植物など);
c)例えば、US5434283に記載されているような飽和脂肪酸の低いレベルを有する油を産生する植物(アブラナ植物など)。
【0302】
本発明に従って処理され得る特に有用なトランスジェニック植物は、1つ又はそれ以上の毒素をコードする1つ又はそれ以上の遺伝子を含む植物であり、以下の製品名で販売されているトランスジェニック植物である。YIELD GARD(R)(例えば、トウモロコシ、綿、大豆)、KnockOut(R)(例えば、トウモロコシ)、BiteGard(R)(例えば、トウモロコシ)、BT−Xtra(R)(例えば、トウモロコシ)、StarLink(R)(例えば、トウモロコシ)、Bollgard(R)(綿)、Nucotn(R)(綿)、Nucotn33B(R)(綿)、NatureGard(R)(例えば、トウモロコシ)、Protecta(R)及びNewLeaf(R)(芋)。挙げることができる除草剤耐性植物の例は、以下の製品名で販売されているトウモロコシ変種、綿変種及び大豆変種である。Roundup Ready(R)(グリホサートに対する耐性、例えば、トウモロコシ、綿、大豆)、Liberty Link(R)(ホスフィノトリシンに対する耐性、例えば、菜種)IMI(R)(イミダゾリノンに対する耐性)及びSCS(R)(スルホニル尿素に対する耐性)、例えば、トウモロコシ。挙げることができる除草剤耐性植物(除草剤耐性に対して慣用の様式で品種改良された植物)には、Clearfield(R)(例えば、トウモロコシ)の名称で販売されている変種が含まれる。
【0303】
本発明に従って処理され得る特に有用なトランスジェニック植物は、例えば、様々な国家又は地域規制当局から得られるデータベース中に列記されている、形質転換事象又は形質転換事象の組み合わせを含有する植物である(例えば、http://gmoinfo.jrc.it/gmp browse.aspx及びhttp://www.agbios.com/dbase.php)。
【0304】
本発明の活性化合物の調製及び使用は、以下の実施例からより完全に説明されることが予定されるが、これらに限定されるものではない。
【0305】
調製例
例1:N−エチル−N−メチル−N’−[4−(イソプロポキシイミノメチル)−2,5−ジメチルフェニル]ホルムアミジン
トルエン10mL中に、4−(イソプロポキシイミノメチル)−2,5−ジメチルアニリン0.29g(1.38mmol)を溶解し、メタノール中のN−エチル−N−メチルホルムアミジンジメチルアセタールの溶液(60%)0.3mLを添加する。50℃で12時間、反応混合物を撹拌し、減圧下で溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィーによって精製する。これにより、産物0.38gを得る(純度90.0%、収率95.0%;logP(pH2.3)=1.76)。
【0306】
出発材料の合成:
4−(イソプロポキシイミノメチル)−2,5−ジメチルアニリン
まず、メタノール10mL中に、4−アミノ−2,5−ジメチルベンゾアルデヒド0.32g(2.10mmol)を加え、O−イソプロピルヒドロキシルアミン塩酸塩0.31g(2.73mmol)を室温で添加し、還流下で、6時間、反応混合物を加熱する。次いで、回転式蒸発装置を用いて、混合物を濃縮し、ジクロロメタン中に残留物を回収し、水で2回抽出し、NaSO上で乾燥させ、減圧下で溶媒を除去した。これにより、産物0.35gを得る(純度98.0%、収率79.1%;logP(pH2.3)=2.77)。
【0307】
4−アミノ−2,5−ジメチルベンゾアルデヒド
まず、DMSO1000mL中に、2,5−ジメチルアニリン6.06g(50.0mmol)を加え、塩化銅(II)13.55g(100.0mmol)を添加し、次いで、濃塩酸をゆっくり添加する。90℃で3時間、反応混合物を加熱し、次いで、氷水に添加する。水酸化ナトリウム水溶液の添加後、混合物をろ過し、酢酸エチルで繰り返し抽出し、合わせた有機相をNaSO上で乾燥させ、減圧下で溶媒を除去した。カラムクロマトグラフィーによって、粗生成物を精製する。(2.27g、純度75.0%、収率22.8%、logP(pH2.3)=1.34)。
【0308】
例2:N−エチル−N−メチル−N’−[4−(ベンジルオキシイミノメチル)−2,5−ジメチルフェニル]ホルムアミジン
トルエン10mL中に、4−(ベンジルオキシイミノメチル)−2,5−ジメチルアニリン0.34g(1.10mmol)を溶解し、メタノール中のN−エチル−N−メチルホルムアミジンジメチルアセタールの溶液(60%)0.3mLを添加する。50℃で12時間、反応混合物を撹拌し、減圧下で溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィーによって精製する。これにより、産物0.15gを得る(純度80.0%、収率33.4%;logP(pH2.3)=2.02)。
【0309】
出発材料の合成:
4−(ベンジルオキシイミノメチル)−2,5−ジメチルアニリン
まず、メタノール10mL中に、4−アミノ−2,5−ジメチルベンゾアルデヒド0.50g(2.51mmol)を加え、O−ベンジルヒドロキシルアミン塩酸塩0.40g(3.27mmol)を室温で添加し、還流下で、18時間、反応混合物を加熱する。次いで、回転式蒸発装置を用いて、混合物を濃縮し、ジクロロメタン中に残留物を回収し、水で2回抽出し、NaSO上で乾燥させ、減圧下で溶媒を除去した。これにより、産物0.38gを得る(純度82.0%、収率47.7%;logP(pH2.3)=4.22)。
【0310】
【化29】

【0311】
【表2】




【0312】
使用例
アルテルナリア(Alternaria)試験(トマト)保護的
溶媒:アセトンの24.5重量部
ジメチルアセトアミドの24.5重量部
乳化剤:アルキルアリールポリグリコールエーテルの1重量部
活性化合物の適切な調製物を作製するために、活性化合物の1重量部を、溶媒及び乳化剤の表記量と混合し、水を用いて、濃縮物を所望の濃度まで希釈する。
【0313】
保護活性を検査するために、表記適用割合で、活性化合物調製物を幼若な植物に噴霧する。スプレーコーティングが乾燥した後に、アルテルナリア・ソラニ(Alternaria solani)の水性芽胞懸濁液を植物に接種する。次いで、約20℃及び100%の相対大気湿度で、温置キャビン中に植物を配置する。
【0314】
接種から3日後に、評価を行う。0%は対照の効力に対応する効力を意味するのに対して、100%の効力は感染が観察されないことを意味する。
【0315】
この試験において、上の表IIの本発明の化合物3、20、41及び42が、100ppmの活性化合物濃度で、70%又はそれ以上の効力を示す。
【0316】
ウロミセス(Uromyces)試験(豆)保護的
溶媒:アセトンの24.5重量部
ジメチルアセトアミドの24.5重量部
乳化剤:アルキルアリールポリグリコールエーテルの1重量部
活性化合物の適切な調製物を作製するために、活性化合物の1重量部を、溶媒及び乳化剤の表記量と混合し、水を用いて、濃縮物を所望の濃度まで希釈する。
【0317】
保護活性を検査するために、表記適用割合で、活性化合物調製物を幼若な植物に噴霧する。スプレーコーティングが乾燥した後に、豆サビ病菌の病原体ウロミセス・アペンディキュラタス(Uromyces appendiculatus)の水性芽胞懸濁液を植物に接種し、次いで、約20℃及び100%の相対大気湿度の温置キャビン中に1日間保つ。
【0318】
次いで、約21℃及び約90%の相対大気湿度の温室中に植物を配置する。
【0319】
接種から10日後に、評価を行う。0%は対照の効力に対応する効力を意味するのに対して、100%の効力は感染が観察されないことを意味する。
【0320】
この試験において、上の表IIの本発明の化合物3、20、25、41及び42が、100ppmの活性化合物濃度で、70%又はそれ以上の効力を示す。
【0321】
スファエロセカ(Sphaerotheca)試験(キュウリ)/保護的
溶媒:N,N−ジメチルホルムアミドの49重量部
乳化剤:アルキルアリールポリグリコールエーテルの1重量部
活性化合物の適切な調製物を作製するために、活性化合物の1重量部を、溶媒及び乳化剤の表記量と混合し、水を用いて、濃縮物を所望の濃度まで希釈する。
【0322】
保護活性を検査するために、表記適用割合で、活性化合物調製物を幼若なキュウリ植物に噴霧する。処理の1日後に、スファエロセカ・フリギネア(Sphaerotheca fuliginea)の芽胞懸濁液を植物に接種する。次いで、70%の相対大気湿度及び23℃の温度の温室中に植物を配置する。
【0323】
接種から7日後に、評価を行う。0%は対照の効力に対応する効力を意味するのに対して、100%の効力は感染が観察されないことを意味する。
【0324】
この試験において、上の表IIの本発明の化合物3、11、12、14、15、16、17、20、21、22、25、26、29、30、31、32、33、34、36、37、39、40、41、42及び43は、500ppmの活性化合物濃度で、70%又はそれ以上の効力を示す。
【0325】
エリシフェ(Erysiphe)試験(大麦)保護的
溶媒:N,N−ジメチルホルムアミドの49重量部
乳化剤:アルキルアリールポリグリコールエーテルの1重量部
活性化合物の適切な調製物を作製するために、活性化合物の1重量部を、溶媒及び乳化剤の表記量と混合し、水を用いて、濃縮物を所望の濃度まで希釈する。
【0326】
保護活性を検査するために、表記適用割合で、活性化合物調製物を幼若な植物に噴霧する。スプレーコーティングが乾燥した後、エリシフェ・グラミニス・f.sp.ホルデイ(Erysiphe graminis f.sp. hordei)の芽胞を植物に噴霧する。うどん粉病の膿疱(pustule)の発達を促進するために、約20℃の温度及び約80%の相対大気湿度の温室中に植物を配置する。
【0327】
接種から7日後に、評価を行う。0%は対照の効力に対応する効力を意味するのに対して、100%の効力は感染が観察されないことを意味する。
【0328】
この試験において、上の表IIの本発明の化合物3、20、25、38及び39が、1000ppmの活性化合物濃度で、70%又はそれ以上の効力を示す。
【0329】
プッシニア(Puccinia)試験(小麦)保護的
溶媒:N,N−ジメチルホルムアミドの49重量部
乳化剤:アルキルアリールポリグリコールエーテルの1重量部
活性化合物の適切な調製物を作製するために、活性化合物の1重量部を、溶媒及び乳化剤の表記量と混合し、水を用いて、濃縮物を所望の濃度まで希釈する。
【0330】
保護活性を検査するために、表記適用割合で、活性化合物調製物を幼若な植物に噴霧する。スプレーコーティングが乾燥した後、プッシニア・レコンディタ(Puccinia recondita)の分生子懸濁液を植物に噴霧する。温置キャビン中において、植物を20℃及び100%の相対大気湿度に48時間保つ。さび病の膿疱の発達を促進するために、約20℃の温度及び80%の相対大気湿度の温室中に植物を配置する。
【0331】
接種から10日後に、評価を行う。0%は対照の効力に対応する効力を意味するのに対して、100%の効力は感染が観察されないことを意味する。
【0332】
この試験において、上の表IIの本発明の化合物3、20、25、38及び39が、1000ppmの活性化合物濃度で、70%又はそれ以上の効力を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の置換されたフェニルアミジン又はその塩。
【化1】

(式中、
Yは、O、NH及び単結合からなる群から選択され;
は、水素、直鎖又は分岐の、C1−12−アルキル、C2−12−アルケニル、C2−12−アルキニル基、環状C3−8アルキル、C4−8アルケニル、C4−8アルキニル基(上記されている環状基の全ての環系において、1つ又はそれ以上の炭素原子は、N、O、P及びSからなる群から選択されるヘテロ原子によって置換され得、並びに上記されている基の全ては、−R’、−X、−OR’、−SR’、−NR’、−SiR’、−COOR’、−CN及び−CONR’(R’は、水素又はC1−12−アルキル基を表し得る。)からなる群から選択される1つ又はそれ以上の基によって置換され得る。);
−SH;−SR’’(R’’は、−R’、−X、−OR’、−SR’、−NR’、−SiR’、−COOR’、−CN及び−CONR’(R’は上記意味を有する。)からなる群から選択される1つ又はそれ以上の基によって置換され得る直鎖又は分岐のC1−12−アルキル基を表し得る。);
からなる群から選択され;
は、直鎖又は分岐の、C1−12−アルキル、C2−12−アルケニル、C2−12−アルキニル基、環状C3−8アルキル、C4−8アルケニル又はC4−8アルキニル基、C5−18−アリール、C7−19−アラルキル及びC7−19アルカリール基(上記されている環状基の全ての環系において、1つ又はそれ以上の炭素原子は、N、O、P及びSからなる群から選択されるヘテロ原子によって置換され得、並びに上記されている基の全ては、−R’、−X、−OR’、−SR’、−NR’、−SiR’、−COOR’、−CN及び−CONR’(R’は、上記意味を有する。)からなる群から選択される1つ又はそれ以上の基によって置換され得る。)からなる群から選択され;
は、−CN、−SH、−SR’’、−OR’’、−(C=O)−R’’、直鎖又は分岐のC1−12−アルキル、C2−12−アルケニル、C2−12−アルキニル基、環状C3−8アルキル、C4−8アルケニル、C4−8アルキニル基、C5−18−アリール、C7−19−アラルキル及びC7−19アルカリール基(上記されている環状基の全ての環系において、1つ又はそれ以上の炭素原子は、N、O、P及びSからなる群から選択されるヘテロ原子によって置換され得、並びに上記されている基の全ては、−R’、−X、−OR’、−SR’、−NR’、−SiR’、−COOR’、−CN及び−CONR’(R’及びR’’は、上記意味を有する。)からなる群から選択される1つ又はそれ以上の基によって置換され得る。)からなる群から選択され;
又は
及びR
及びR若しくは
及びRは、これらが結合している原子とともに、若しくはN、O、P及びSからなる群から選択されるさらなる原子とともに、それ自体、1つ又はそれ以上のX、R’、OR’、SR’、NR’、SiR’、COOR’、CN及びCONR’基(R’は、上記意味を有する。)によって置換され得る4員から7員環を形成し得;
は、−X、−CN、−SH、−SR’’、−OR’’、−(C=O)−R’’、直鎖又は分岐のC1−12−アルキル、C2−12−アルケニル、C2−12−アルキニル基、環状C3−8アルキル、C4−8アルケニル、C4−8アルキニル基、C5−18−アリール、C7−19−アラルキル及びC7−19アルカリール基(上記されている環状基の全ての環系において、1つ又はそれ以上の炭素原子は、N、O、P及びSからなる群から選択されるヘテロ原子によって置換され得、並びに上記されている基の全ては、−R’、−X、−OR’、−SR’、−NR’、−SiR’、−COOR’、−CN及び−CONR’(R’及びR’’は、上記意味を有する。)からなる群から選択される1つ又はそれ以上の基によって置換され得る。)からなる群から選択され;
は、水素、−X、−CN、−SH、−SR’’、−OR’’、−(C=O)−R’’、直鎖又は分岐の、C1−12−アルキル、C2−12−アルケニル、C2−12−アルキニル基、環状C3−8アルキル、C4−8アルケニル及びC4−8アルキニル基、C5−18−アリール、C7−19−アラルキル及びC7−19アルカリール基(上記されている環状基の全ての環系において、1つ又はそれ以上の炭素原子は、N、O、P及びSからなる群から選択されるヘテロ原子によって置換され得、並びに上記されている基の全ては、−R’、−X、−OR’、−SR’、−NR’、−SiR’、−COOR’、−CN及び−CONR’(R’及びR’’は、上記意味を有する。)からなる群から選択される1つ又はそれ以上の基によって置換され得る。)からなる群から選択され;
は、水素;直鎖又は分岐の、C1−12−アルキル、C2−12−アルケニル、C2−12−アルキニル基、環状C3−8アルキル、C4−8アルケニル、C4−8アルキニル基(上記されている環状基の全ての環系において、1つ又はそれ以上の炭素原子は、N、O、P及びSからなる群から選択されるヘテロ原子によって置換され得、並びに上記されている基の全ては、−R’、−X、−OR’、−SR’、−NR’、−SiR’、−COOR’、−CN及び−CONR’からなる群から選択される1つ又はそれ以上の基によって置換され得る。);
−SH;−SR’’(R’及びR’’は、上記意味を有する。)
からなる群から選択され;
は、以下の基(i)から(iii)から選択され、
(i)その環系中、1つ、2つ又はそれ以上の炭素原子が、N、O、P、Sからなる群から選択されるヘテロ原子によって置換され得る式(II)のC5−18−アリール若しくはC7−19アルカリール基;
【化2】

(式中、
mは、0、1、2又は3を表し
nは、0又は1を表し、
は、水素、−X、−CN、−SH、−SR’’、−OR’’、−(C=O)−R’’、直鎖又は分岐の、C1−12−アルキル、C2−12−アルケニル、C2−12−アルキニル基、環状C3−8アルキル、C4−8アルケニル、C4−8アルキニル基及びC5−18−アリール、C7−19−アラルキル及びC7−19アルカリール基(上記されている環状基の全ての環系において、1つ又はそれ以上の炭素原子は、N、O、P及びSからなる群から選択されるヘテロ原子によって置換され得、並びに上記されている基の全ては、−R’、−X、−OR’、−SR’、−NR’、−SiR’、−COOR’、−CN及び−CONR’(R’及びR’’は、上記意味を有する。)からなる群から選択される1つ又はそれ以上の基によって置換され得る。)からなる群から選択され;
は、水素、−X、−CN、−SH、−SR’’、−OR’’、−(C=O)−R’’;直鎖又は分岐の、C1−12−アルキル、C2−12−アルケニル、C2−12−アルキニル基、環状C3−8アルキル、C4−8アルケニル、C4−8アルキニル基並びにC5−18−アリール、C7−19−アラルキル及びC7−19アルカリール基(上記されている環状基の全ての環系において、1つ又はそれ以上の炭素原子は、N、O、P及びSからなる群から選択されるヘテロ原子によって置換され得、並びに上記されている基の全ては、−R’、−X、−OR’、−SR’、−NR’、−SiR’、−COOR’、−CN及び−CONR’(R’及びR’’は、上記意味を有する。)からなる群から選択される1つ又はそれ以上の基によって置換され得る。)からなる群から選択され;
又はR及びRは、これらが結合している骨格原子とともに、若しくはN、O、P及びSからなる群から選択される1つ、2つ又はそれ以上の原子とともに、1つ又はそれ以上のX、R’、OR’、SR’、NR’、SiR’、COOR’、CN−及びCONR’基(R’水素は、上記意味を有する。)によって置換され得る4員から7員環を形成し得;
10は、水素並びに直鎖及び分岐のC1−12−アルキル基及び環状C3−12−アルキル基(上記環状基の環系において、1つ又はそれ以上の炭素原子は、N、O、P及びSからなる群から選択されるヘテロ原子によって置換され得る。)からなる群から選択される。)
(ii)直鎖又は分岐の、C1−12−アルキル、C2−12−アルケニル、C2−12−アルキニル基、環状C3−12アルキル、C4−12アルケニル、C4−12アルキニル基(上記されている環状基の全ての環系において、1つ又はそれ以上の炭素原子は、N、O、P及びSからなる群から選択されるヘテロ原子によって置換され得、並びに上記されている基の全ては、−R’、−X、−OR’、−SR’、−NR’、−SiR’、−COOR’、−CN及び−CONR’(R’は、上記意味を有する。)からなる群から選択される1つ又はそれ以上の基によって置換され得る。);
(iii)式(III)の基
【化3】

(式中、
pは、0、1、2又は3を表し、
11からR13は、水素、直鎖又は分岐の、C1−12−アルキル、C2−12−アルケニル、C2−12−アルキニル基、環状C3−12アルキル、C4−12アルケニル、C4−12アルキニル基並びにC5−18−アリール、C7−19−アラルキル及びC7−19アルカリール基(上記されている環状基の全ての環系において、1つ又はそれ以上の炭素原子は、N、O、P及びSからなる群から選択されるヘテロ原子によって置換され得、並びに上記されている基の全ては、−R’、−X、−OR’、−SR’、−NR’、−SiR’、−COOR’、−CN及び−CONR’(R’は、上記意味を有する。)からなる群から選択される1つ又はそれ以上の基によって置換され得る。)からなる群から互いに独立に選択される。))
【請求項2】
Yが、O、NH及び単結合からなる群から選択され;
が、水素、メルカプト(−SH)又はC1−8−アルキル基からなる群から選択され;
が、直鎖又は分岐のC1−8−アルキル基からなる群から選択され;
が、直鎖、分岐及び脂環式のC2−8−アルキル基からなる群から選択され;
又は
及びRが、これらが結合している窒素原子とともに、若しくはさらなる原子とともに、R’、X、OR’、SR’、NR’、SiR’基(R’は、上記意味を有する。)によって置換され得る5員から6員環を形成し得;並びに
及びRが、互いに独立に、−X、直鎖又は分岐のC1−8−アルキル基及びC1−5−ハロアルキル基からなる群から選択され;
が、直鎖又は分岐のC1−8−アルキル基からなる群から選択され;
が、以下の基(i)から(iii)から選択され、
(i)式(II−a)から(II−e)のC5−18−アリール又はC7−19−アルカリール基
【化4】


(mは、0又は1を表し、
は、水素、Cl、F若しくはBr、C1−8−アルキル、C6−12アリール、C7−16−アルキルアリール若しくはC7−16アラルキル基からなる群から選択され;
は、水素、Cl、F若しくはBr、C1−8−アルキル、C6−12アリール、C7−16−アルキルアリール若しくはC7−16アラルキル基からなる群から選択され;
又は、R及びRは、これらが結合している骨格原子とともに、又は適宜、1つ、2つ若しくはそれ以上の、N、O及びSからなる群から選択される原子とともに、5員から6員環を形成し得;
10は、水素、直鎖又は分岐のC1−8−アルキル基からなる群から選択される。)
(ii)直鎖又は分岐の、C1−8−アルキル、C2−8−アルケニル、C2−8−アルキニル基(上記基の全ては、−R’、−X、−OR’、−SR’、−NR’、−SiR’、−COOR’、−CN及び−CONR’(R’は、上記意味を有する。)からなる群から選択される1つ又はそれ以上の基によって置換され得る。);
(iii)式(III)の基
【化5】

(pは、0、1又は2を表し、
11は、水素、直鎖の、C1−8−アルキル、C2−8−アルケニル、C2−8−アルキニル基、分岐又は環状C3−8アルキル、C4−8アルケニル、C4−8アルキニル基からなる群から選択され;
12は、水素、直鎖の、C1−8−アルキル、C2−8−アルケニル、C2−8−アルキニル基、分岐又は環状C3−8アルキル、C4−8アルケニル、C4−8アルキニル基からなる群から選択され;
13は、水素、直鎖の、C1−8−アルキル、C2−8−アルケニル、C2−8−アルキニル基、分岐又は環状C3−8アルキル、C4−8アルケニル、C4−8アルキニル基からなる群から選択される。)
請求項1に記載のオキシムエーテル置換されたフェニルアミジン又はその塩。
【請求項3】
Yが、O、NH及び単結合からなる群から選択され;
が、水素、メチル及びエチルからなる群から選択され;
が、メチル及びエチルからなる群から選択され;
が、エチル及びシクロプロピルからなる群から選択され;
又は
及びRが、これらが結合している窒素原子とともに、ピペリジル又はピロリジル基を形成し;
及びRが、互いに独立に、Cl及びF原子並びに−CF、−CFH及びメチル基からなる群から選択され;
が、Rと独立に、フッ素、塩素、臭素及び直鎖又は分岐のC2−8−アルキル基からなる群から選択され;
が、以下の基(i)から(iii)から選択され、
(i)式(II−f)から(II−j)のC5−18−アリール又はC7−19−アルカリール基、
【化6】

(mは、0又は1を表し、
は、水素、塩素、フッ素、臭素;メチル、トリフルオロメチル、t−ブチル及びフェノキシからなる群から選択され;
は、水素、塩素、フッ素、臭素;メチル、トリフルオロメチル、t−ブチル及びフェノキシからなる群から選択され;
又は、R及びRは、これらが結合している原子とともに、並びに、適宜、N、O及びSからなる群から選択されるさらなる原子とともに、5員環又は6員環を形成し得;
10は、水素及びメチルからなる群から選択される。)
(ii)2−(トリメチルシリル)エチル、エチル、アリル、n−プロピル、3−メチルブト−2−エン−1−イル、ブト−2−イニル、3−フェニルプロプ−2−エン−1−イル、2−メトキシエトキシ)メチル、シクロペンチル、1−メチルプロプ−2−イン−1−イル及び2−メチルプロプ−2−エン−1−イル
(iii)式(III)の基
【化7】

(pは、0又は1であり、
11は、R12及びR13とは独立に、水素、メチル、エチル、シクロプロピル及びトリフルオロメチルからなる群から選択される。
12は、R10及びR13とは独立に、水素、メチル、エチル、シクロプロピル及びトリフルオロメチルからなる群から選択される。
13は、R11及びR12とは独立に、水素、メチル、エチル、シクロプロピル及びトリフルオロメチルからなる群から選択される。)
請求項1又は2に記載の置換されたフェニルアミジン又はその塩。
【請求項4】
N’−{4−[(E)−{[(2,4−ジメチルベンジル)オキシ]イミノ}メチル]−2,5−ジメチルフェニル}−N,N−ジメチルイミドホルムアミド(1)、N’−{2,5−ジメチル−4−[(E)−({[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]オキシ}イミノ)メチル]フェニル}−N,N−ジメチル−イミドホルムアミド(2)、N’−(4−{(E)−[(ベンジルオキシ)イミノ]メチル}−2,5−ジメチルフェニル)−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(3)、N’−(4−{(E)−[(4H−1,3−ベンゾジオキシン−7−イルメトキシ)イミノ]メチル}−2,5−ジメチルフェニル)−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(4)、N’−{4−[(E)−{[(2−クロロベンジル)オキシ]イミノ}メチル]−2,5−ジメチルフェニル}−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(5)、N’−{2,5−ジメチル−4−[(E)−{[(2−メチルプロプ−2−エン−1−イル)オキシ]イミノ}メチル]フェニル}−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(6)、N’−{4−[(E)−{[(2,4−ジクロロベンジル)オキシ]イミノ}メチル]−2,5−ジメチルフェニル}−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(7)、N’−{4−[(E)−{[(3,5−ジクロロベンジル)オキシ]イミノ}メチル]−2,5−ジメチル−フェニル}−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(8)、N−エチル−N’−{4−[(1E)−N−tert−ブトキシエタンイミドイル]−2,5−ジメチルフェニル}−N−メチルイミドホルムアミド(9)、N−エチル−N’−{4−[(1E)−N−イソプロポキシエタンイミドイル]−2,5−ジメチルフェニル}−N−メチルイミドホルムアミド(10)、N’−{2,5−ジメチル−4−[(1E)−N−フェノキシエタンイミドイル]フェニル}−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(11)、N’−(4−{(1E)−N−[(4−tert−ブチルベンジル)オキシ]エタンイミドイル}−2,5−ジメチルフェニル)−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(12)、N−エチル−N’−{4−[(1E)−N−イソブトキシエタンイミドイル]−2,5−ジメチルフェニル}−N−メチルイミドホルムアミド(13)、N’−{4−[(1E)−N−(シクロペンチルオキシ)エタンイミドイル]−2,5−ジメチルフェニル}−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(14)、N’−(2,5−ジメチル−4−{(1E)−N−[(1−メチルプロプ−2−イン−1−イル)オキシ]エタンイミドイル}フェニル)−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(15)、N’−{4−[(1E)−N−(ブト−2−イン−1−イルオキシ)エタンイミドイル]−2,5−ジメチルフェニル}−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(16)、N’−{2,5−ジメチル−4−[(1E)−N−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)エタンイミドイル]フェニル}−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(17)、N’−{2,5−ジメチル−4−[(1E)−1−メチル−3,5,8−トリオキサ−2−アザノン−1−エン−1−イル]フェニル}−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(18)、N’−{2,5−ジメチル−4−[(1E)−N−{[(2E)−3−フェニルプロプ−2−エン−1−イル]オキシ}エタンイミドイル]フェニル}−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(19)、N’−{4−[(1E)−N−(ジシクロプロピルメトキシ)エタンイミドイル]−2,5−ジメチルフェニル}−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(20)、N’−(2,5−ジメチル−4−{(1E)−N−[(4−フェニル−1,3−チアゾール−2−イル)メトキシ]エタンイミドイル}フェニル)−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(21)、N’−(2,5−ジメチル−4−{(1E)−N−[(3−フェノキシベンジル)オキシ]エタンイミドイル}フェニル)−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(22)、N−エチル−N’−{4−[(1E)−N−エトキシエタンイミドイル]−2,5−ジメチルフェニル}−N−メチルイミドホルムアミド(23)、N−エチル−N’−{4−[(1E)−N−メトキシエタンイミドイル]−2,5−ジメチルフェニル}−N−メチルイミドホルムアミド(24)、N’−(4−{(1E)−N−[2−(4−クロロフェニル)エトキシ]エタンイミドイル}−2,5−ジメチルフェニル)−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(25)、N−エチル−N’−{4−[(E)−{[(4−フルオロベンジル)オキシ]エタンイミドイル]−2,5−ジメチルフェニル}−N−メチルイミドホルムアミド(26)、N’−(2,5−ジメチル−4−{(E)−[1−フェニルエトキシ]エタンイミドイル}フェニル)−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(27)、N’−(2,5−ジメチル−4−{(1E)−N−[1−(6−メチルピリジン−2−イル)エトキシ]エタンイミドイル}フェニル)−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(28)、N’−(4−{(1E)−N−[(2,6−ジクロロベンジル)オキシ]エタンイミドイル}−2,5−ジメチルフェニル)−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(29)、N’−(4−{(1E)−N−[(3,4−ジクロロベンジル)オキシ]エタンイミドイル}−2,5−ジメチルフェニル)−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(30)、N’−(4−{(1E)−N−[ベンジルオキシ]エタンイミドイル}−2,5−ジメチルフェニル)−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(31)、N’−(4−{(1E)−N−[(6−クロロピリジン−3−イル)メトキシ]エタンイミドイル}−2,5−ジメチルフェニル)−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(32)、N’−(2,5−ジメチル−4−{(1E)−N−[(3−メチルブト−2−エン−1−イル)オキシ]エタンイミドイル}フェニル)−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(33)、N’−{2,5−ジメチル−4−[(1E)−N−{2−[3−(トリフルオロメチル)フェノキシ]エトキシ}エタンイミドイル]フェニル}−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(34)、N’−{4−[(1E)−N−(アリルオキシ)エタンイミドイル]−2,5−ジメチルフェニル}−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(35)、N’−(4−{(1E)−N−[(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)メトキシ]エタンイミドイル}−2,5−ジメチルフェニル)−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(36)、N’−{4−[(1E)−N−(n−プロポキシ)エタンイミドイル]−2,5−ジメチルフェニル}−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(37)、N’−(4−{(1E)−N−[1−(4−クロロフェニル)エトキシ]エタンイミドイル}−2,5−ジメチルフェニル)−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(38)、N’−{4−[(E)−(tert−ブトキシイミノ)メチル]−2,5−ジメチルフェニル}−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(39)、N−エチル−N’−{4−[(E)−(イソプロポキシイミノ)メチル]−2,5−ジ−メチルフェニル}−N−メチルイミドホルムアミド(40)、N’−(2,5−ジメチル−4−{(1E)−N−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]エタンイミドイル}フェニル)−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(41)、N’−(4−{(E)−[(4−tert−ブチルフェノキシ)イミノ]メチル}−2,5−ジメチルフェニル)−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(42)、N’−{2,5−ジメチル−4−[(1E)−N−{2−[3−(トリフルオロメチル)フェノキシ]エトキシ}エタンイミドイル]フェニル}−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(43)、N’−(2,5−ジメチル−4−{(1E)−N−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]エタンイミドイル}フェニル)−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(44)、N−エチル−N’−(4−{(1E)−1−[2−(2−フルオロフェニル)ヒドラジニリデン]エチル}−2,5−ジメチルフェニル)−N−メチルイミドホルムアミド(45)、N’−{4−[(1E)−N−(4,4−ジメチルペンチル)エタンイミドイル]−2,5−ジメチルフェニル}−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(46)、N’−(4−{(E)−[(シクロプロピルメトキシ)イミノ]メチル}−2,5−ジメチルフェニル)−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(47)、N’−(4−{(E)−[(3,3−ジメチルブトキシ)イミノ]メチル}−2,5−ジメチルフェニル)−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド(48)
からなる群から選択される、請求項1から3の何れかに記載の置換されたフェニルアミジン。
【請求項5】
以下の段階(a)から(f)の少なくとも1つを含む、請求項1から4の何れかに記載の置換されたフェニルアミジンを調製するための方法。
(a)以下の反応スキームに従う、式(V)のアミンとの式(IV)のニトロベンゾアルデヒド又はニトロベンゾケトンの反応:
【化8】

(b)以下の反応スキームに従う、式(V)のアミンとの式(VII)のアミノベンゾアルデヒド又はアミノベンゾケトンの反応:
【化9】

(ci)以下の反応スキームに従う、式(VIII)のアニリンへの式(VI)のニトロ芳香族物質の還元:
【化10】

(d)以下の反応スキーム:
【化11】

に従う、
(i)式(XIII)のアミノアセタールとの、又は
(ii)式(XIV)のアミドとの、又は
(iv)式(XVI)のオルトエステルの存在下にある式(XV)のアミンとの、
式(VIII)のアニリノオキシムエーテルの反応
(e)以下の反応スキーム:
【化12】

に従う、
(i)式(XIII)のアミノアセタールとの、又は
(ii)式(XIV)のアミドとの、又は
(iii)式(XVI)のオルトエステルの存在下にある式(XV)のアミンとの、
式(VII)のアミノベンゾアルデヒド又はアミノベンゾケトンの反応:
(f)以下の反応スキームに従う、式(V)のアミンとの式(X)のアミジンの反応:
【化13】

(上記スキームにおいて、
Y、RからR13は、上記意味を有し;
14及びR15は、互いに独立に、水素、C1−12−アルキル、C2−12−アルケニル、C2−12−アルキニル又はC5−18−アリール若しくはC7−19−アリールアルキル基からなる群から選択され、及びそれらが結合する酸素原子と一緒に、5員環、6員環又は7員環を形成し得;
16、R17及びR18は、互いに独立に、水素、C1−12−アルキル、C2−12−アルケニル、C2−12−アルキニル又はC5−18−アリール若しくはC7−19−アリールアルキル、C7−19−アルキルアリール基からなる群から選択され、並びに各事例において、R10とR12、R10とR11又はR11とR12は、これらが結合している酸素原子と一緒に、5員環、6員環又は7員環を形成し得る。)
【請求項6】
式(X)のアミジン。
【化14】

(RからRは、上記意味を有する。)
【請求項7】
式(IV)のニトロベンゾアルデヒド。
【化15】

(RからRは、上記意味を有する。)
【請求項8】
式(VII)のアミノベンゾアルデヒド又はアミノベンゾケトン。
【化16】

(RからRは、上記意味を有する。)
【請求項9】
式(VI)のニトロオキシム。
【化17】

(RからRは、上記意味を有する。)
【請求項10】
式(VIII)のアミノオキシム。
【化18】

(RからRは、上記意味を有する。)
【請求項11】
請求項1から4の何れかに記載の少なくとも1つの置換されたフェニルアミジンを含む、望ましくない微生物を駆除するための組成物。
【請求項12】
望ましくない微生物を駆除するための、請求項1から4の何れかに記載の置換されたフェニルアミジン又はこれらの混合物の使用。
【請求項13】
請求項1から4の何れかに記載の置換されたフェニルアミジンが微生物及び/又はその生息環境に適用されることを特徴とする、望ましくない微生物を駆除する方法。
【請求項14】
請求項1から4の何れかに記載の少なくとも1つの置換されたフェニルアミジンで処理された種子。
【請求項15】
種子を処理するための、請求項1から4の何れかに記載の置換されたフェニルアミジンの使用。
【請求項16】
トランスジェニック植物を処理するための、請求項1から4の何れかに記載の置換されたフェニルアミジンの使用。
【請求項17】
トランスジェニック植物の種子を処理するための、請求項1から4の何れかに記載の置換されたフェニルアミジンの使用。
【請求項18】
請求項1から4の何れかに記載の少なくとも1つの置換されたフェニルアミジンで処理された種子を使用することによって、望ましくない微生物に対して種子を保護する方法。

【公表番号】特表2010−520903(P2010−520903A)
【公表日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−553052(P2009−553052)
【出願日】平成20年3月8日(2008.3.8)
【国際出願番号】PCT/EP2008/001861
【国際公開番号】WO2008/110312
【国際公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【出願人】(302063961)バイエル・クロツプサイエンス・アクチエンゲゼルシヤフト (524)
【Fターム(参考)】