説明

置換ナフチリジン及び医薬としてのその使用

本発明は、式(1)[式中、R及びRは基Aでありうるか、又は、Rは請求項1記載の基Bであってもよく、R、R、R、R、R6’、R、R、R、R10、V、n及びmは、請求項1に示された意味を有してもよい]で示される新規な置換ナフチリジン及びその薬理学的に適合性の塩、ジアステレオマー、鏡像異性体、ラセミ体、水和物又は溶媒和物、並びにこれらの化合物を含有する医薬組成物に関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式
【0002】
【化1】


[式中、
は、−O−R、−NR、−CR、−(エチン)−R、−S−R、−SO−R及びSO−Rより選択される基Aを意味するか、
又は
は、
− C6−10−アリール、
− N、O及びSより相互に独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、5〜10員の単環又は二環式ヘテロアリール(このヘテロアリールは、C原子又はN原子のいずれかを介して式で示される構造に結合している)、
− N、O及びSより相互に独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、3〜10員の単環又は二環式、飽和又は部分飽和複素環基(この複素環基は、C原子又はN原子のいずれかを介して式で示される構造に結合している)、並びに
− N、O及びSより相互に独立して選択される1、2又は3個のヘテロ原子を場合により有しうる5〜11員スピロ基(このスピロ基は、C原子又はN原子のいずれかを介して式で示される構造に結合している)、
より選択される基Bを意味し、
この基Bは、場合により請求項1記載のように置換されていることがあり、
は、
【0003】
【化2】


であり、
、R、R、R、R6’、R、R、R、R10、V、n及びmは、請求項1に示された意味を有しうる]
で示される新規な置換ナフチリジン及びその薬理学的に許容される塩、ジアステレオマー、鏡像異性体、ラセミ体、水和物又は溶媒和物、並びにこれらの化合物を含有する医薬組成物に関する。
【0004】
1. 発明の背景
1.1 SYK−阻害剤
本発明は、プロテインキナーゼSyk(脾臓チロシンキナーゼ)を阻害する新規な置換ナフチリジン、その調製及び製剤並びに医薬の調製のためのその使用を記載する。
【0005】
Sykは、B細胞、マスト細胞、単球、マクロファージ、好中球、T細胞、樹状細胞及び上皮細胞における異なるレセプターのシグナル伝達に重要なメディエーター機能を有する細胞内チロシンキナーゼである。Sykがシグナル伝達に重要な機能を果たすレセプターには、例えば、マスト細胞及びB細胞上のIgEに対するレセプター(FcεRI)及びIgGに対するレセプター(FcγR1)、B細胞及びT細胞上のB細胞レセプター(BCR)及びT細胞レセプター(TCR)、呼吸器上皮細胞上のICAM1レセプター(ICAM1R)、ナチュラルキラー細胞、樹状細胞及び破骨細胞上のDAP12レセプター、ヘルパーT細胞亜集団(Th−17細胞)上のデクチン1レセプター、並びに好中球、単球及びマクロファージ上の、β1−、β2−及びβ3−インテグリンに対するインテグリン レセプターが含まれる(Wong et al.; Expert Opin. Investig. Drugs (2004) 13(7), 743-762; Ulanova et al.; Expert Opion. Ther. Target (2005) 9(5); 901-921; Wang et al.; J. Immunol. (2006) 177, 6859-6870; LeibundGut-Landmann et al.; Nature Immunology (2007) 8, 630-638; Slack et al., European J. Immunol. (2007) 37, 1600-1612)。最良の説明は、FcεRIのシグナル伝達の際の分子過程のレセプターである。マスト細胞において、FcεRIへのIgEの結合は、IgEレセプターの架橋並びにLyn(Srcファミリーチロシンキナーゼ)の動員及び活性化を引き起こす。活性Lynは、上に挙げたレセプターの多くに存在するいわゆるITAMモチーフをリン酸化することによってSykのSH2ドメインに対する結合部位を形成する。ITAMモチーフに結合する結果、Sykは活性化し、次に例えばヒスタミン及びβ−ヘキソサミダーゼ(βHA)のようなアレルギーメディエーター及び炎症メディエーターの放出並びに例えばプロスタグランジン及びロイコトリエンなどの脂質メディエーターの合成に必要な様々な基質をリン酸化する。
【0006】
異なるシグナル伝達経路に果たす中心的な機能を考慮して、Sykは、例えばアレルギー性鼻炎、喘息、自己免疫性疾患、関節リウマチ、骨減少症、骨粗鬆症、COPD並びに各種白血病及びリンパ腫などの異なる疾患に対する治療ターゲットとして議論されている(Wong et al.; Expert Opin. Investig. Drugs (2004) 13(7), 743-762; Ulanova et al.; Expert Opion. Ther. Target (2005) 9(5); 901-921; Sigh and Masuda. Annual Reports in Medicinal Chemistry (2007) Vol 42; 379-391; Bajpai et al.; Expert Opin. Investig. Drugs (2008) Vol 15 (5); 641-659; Masuda and Schmitz; PPT (2008) Vol 21; 461-467)。
【0007】
アレルギー性鼻炎及び喘息は、アレルギー反応及び炎症過程に関連する、例えばマスト細胞、好酸球、T細胞及び樹状細胞などの異なる細胞型が関係する疾患である。アレルゲンへの曝露が起こった後で、IgEに対する高親和性免疫グロブリンレセプター(FcεRI)及びIgGに対する高親和性免疫グロブリンレセプター(FcγR1)が活性化し、炎症促進性メディエーター及び気管支収縮因子の放出を誘導する。したがって、Sykキナーゼ活性の阻害剤は、これらの段階を阻害することができるはずである。
【0008】
関節リウマチ(RA)は、骨及び関節周囲の靱帯構造が進行的に破壊される自己免疫性疾患である。RAの病態生理において、例えばB細胞枯渇化抗体であるリツキシマブの治療的使用により実証されたように、B細胞は、重大な役割を果たす。BCR(刺激された後で炎症促進性メディエーターの放出も誘導する)のシグナル伝達に果たすSykの機能に加えて、Sykは、B細胞の成熟及び増殖に重要な役目も果たす(Cheng et al. Nature (1995) 378, 303-306, Cornall et al., PNAS (2000) 97(4), 1713-1718)。したがって、Sykキナーゼ活性の阻害剤は、RAなどの自己免疫性疾患及び例えばB細胞リンパ腫などのB細胞の増殖増加を伴う疾患の処置のための治療上の選択肢を提供することができる。
【0009】
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、肺機能及び気道の慢性炎症における経時的悪化を特徴とし、慢性炎症は、あらゆる種類の有害物質により開始及び生成され、疾患過程の維持の原因となる。COPDでは細胞レベルで、特にTリンパ球、好中球、顆粒球及びマクロファージの増倍がある。特に、CD8陽性リンパ球数の増加があり、それは肺機能障害と直接関係する。COPDの別の特徴は、ウイルス(例えばライノウイルス)又は細菌(例えば肺炎レンサ球菌、インフルエンザ菌及びカタル球菌)感染を特徴とする肺機能の急性悪化(増悪)である。
【0010】
上記のようにマクロファージ、T細胞及び好中球におけるSykの炎症促進機能を考慮すると(Wong et al.; Expert Opin. Investig. Drugs (2004) 13(7), 743-762及びそこに引用された参考文献を参照されたい)、Sykキナーゼ活性の阻害剤は、COPDを引き起こす炎症過程を処置するための新規な治療アプローチでありうる。呼吸器上皮細胞において、SykがICAM1R介在性取込み及びそれに続くライノウイルス複製に関与すること、並びにSykに対するsi−RNAがこれらの段階を遮断することもまた示された(Wang et al.; J. Immunol. (2006) 177, 6859-6870; Lau et al.; J. Immunol. (2008) 180, 870-880)。したがって、Sykキナーゼ活性の阻害剤は、また、ライノウイルスによって引き起こされる増悪に治療的に使用することができよう。
【0011】
様々な研究により、Sykがリンパ球の悪性形質転換に関与することが示唆されている(Sigh and Masuda. Annual Reports in Medicinal Chemistry (2007) Vol 42; 379-391に概説)。構成的Syk活性を有するTEL−Syk融合タンパク質が、骨髄異形成症候群を患う患者のB細胞を形質転換し、構成的に活性なITK−Syk融合タンパク質が、T細胞リンパ腫を患う患者から単離された。さらに、構成的に活性なSykが、患者のB細胞リンパ腫細胞から見出された。これらのデータに基づくと、Sykは造血細胞における癌原遺伝子であり、ある種の白血病及びリンパ腫を処置するための潜在的ターゲットとなると思われる。
【0012】
1.2 先行技術
BE 835770は、抗菌活性を有する5−アミノ−1,6−ナフチリジンを記載している。米国特許第3,928,367号、同第4,017,500号、同第4,115,395号及び同第4,260,759号は、抗真菌及び抗細菌活性を有する5−アミノ−1,6−ナフチリジンを記載している。国際公開公報第9918077号は、セロトニン拮抗薬として5−ピペラジニル−1,6−ナフチリジンを記載している。米国特許第7,321,041号は、SYK阻害剤として置換[1,6]−ナフチリジンを記載しているが、それらは、本発明による化合物と全く異なる置換パターンを有する。
【0013】
2. 発明の説明
驚くことに、今回、式で示されるナフチリジンが、呼吸器の病訴、アレルギー疾患、骨粗鬆症、胃腸疾患、自己免疫性疾患、炎症性疾患及び末梢又は中枢神経系の疾患の処置に、特に喘息、アレルギー性鼻炎、関節リウマチ、アレルギー性皮膚炎及びCOPDの処置に特に適することが見出された。
【0014】
したがって、本発明は、式
【0015】
【化3】


[式中、
は、−O−R、−NR、−CR、−(エチン)−R、−S−R、−SO−R及びSO−Rより選択される基Aであるか、
又は
は、
− C6−10−アリール、
− N、O及びSより相互に独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、5〜10員の単環又は二環式ヘテロアリール(このヘテロアリールは、C原子又はN原子のいずれかを介して式1で示される構造に結合している)、
− N、O及びSより相互に独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、3〜10員の単環又は二環式、飽和又は部分飽和複素環基(この複素環基は、C原子又はN原子のいずれかを介して式で示される構造に結合している)、並びに
− N、O及びSより相互に独立して選択される1、2又は3個のヘテロ原子を場合により有しうる5〜11員スピロ基(このスピロ基は、C原子又はN原子のいずれかを介して式1で示される構造に結合している)
より選択される基Bであり、
ここで、この基Bは、相互に独立してH、ハロゲン、−C1−3−アルキル、−NH(C1−4−アルキル)、−N(C1−4−アルキル)、−NH、−C1−3−アルキル−OH、−OH、オキソ、−CO−NH、−C1−3−アルキレン−CO−NH、−CO−NH−(C1−3−アルキル)、−C1−3−アルキレン−CO−NH(C1−3−アルキル)、−CO−NH(C3−5−シクロアルキル)、−C1−3−アルキレン−CO−NH(C3−5−シクロアルキル)、−NH−CO−NH、−NH−CO−NH(C1−3−アルキル)、−NH−CO−N(C1−3−アルキル)、O−C1−3−アルキル、−(C1−3−アルキレン)−NH、−フェニル及び−CO−(C1−5−アルキル)より選択される一つ以上の基により場合により置換されていてもよく、
ここでRは、
【0016】
【化4】


を意味し、
ここで、
Vは、CH、O、NH、S、SO、SO、N−(C1−3−アルキル)、N−(C1−3−アルキレン)−(C3−7−シクロアルキル)、N−(C3−7−シクロアルキル)、N−CO−C1−6−アルキル、N−CO−(C3−7−シクロアルキル)、N−(C1−3−アルキレン)−フェニルを意味し、
n=0〜2であり、
及びR6’は、相互に独立してH、ハロゲン、メチル、−O−メチル、エチル、−O−エチル、プロピル、−O−プロピル、OH、=O、−CO−NH、−CO−NH−C1−3−アルキル、−COOH、−COO−C1−3−アルキルより選択され、
;R、R及びR10は、H、C1−3−アルキル、−O−(C1−3−アルキル)、F、=O又はOHを意味し、
は、H又は
−C1−6−アルキル、−C1−6−フルオロアルキル、−(C1−5−アルキル)−OH、−C6−10−アリール、−C1−4−アルキレン−C6−10−アリール、−エテニル、−C1−4−アルキレン−(エテン)、−エチニル、−C1−4−アルキレン−(エチン)、−C1−4−アルキレン−(エチン)−NH、−C1−4−アルキレン−(エチン)−(C1−4−アルキレン)−NH、−CHOH−(C1−4−アルキレン)−NH、−(C1−4−アルキレン)−CHOH−(C1−4−アルキレン)−NH、−CHOH−NH、−(C1−4−アルキレン)−CHOH−NH、−NH(C1−3−アルキレン)、−(C1−4−アルキレン)−NH(C1−3−アルキル)、単環又は二環式の飽和又は部分飽和−C3−10−シクロアルキル、単環又は二環式の飽和又は部分飽和−(C1−4−アルキレン)−C3−10−シクロアルキル、−(ヘト)、−(C1−4−アルキレン)−(ヘト)、−(ヘタリール)、及び−(C1−4−アルキレン)−(ヘタリール)より選択される基を意味するが、
この基は、相互に独立してH、−OH、−オキソ、−COOH、−ハロゲン、−C1−3−アルキル、−C1−3−ハロアルキル、−C1−3−アルキル−OH、−C3−7−シクロアルキル、−O−(C1−4−アルキル)、−NH(C1−4−アルキル)、−(C1−4−アルキレン)−NH(C1−4−アルキル)、−N(C1−4−アルキル)、−(C1−4−アルキレン)−N(C1−4−アルキル)、−NH−CO−NH、−(C1−4−アルキレン)−NH−CO−NH、−CO−NH、−(C1−4−アルキレン)−CO−NH、−CO−NH(C1−3−アルキル)、−(C1−4−アルキレン)−CO−NH(C1−3−アルキル)、−CO−N(C1−3−アルキル)、−(C1−4−アルキレン)−CO−N(C1−3−アルキル)、−NH−(CO)−NH、−NH−(C1−4−アルキレン)−(CO)−NH、−NH−(CO)−NH(C1−3−アルキル)、−NH−(C1−4−アルキレン)−(CO)−NH(C1−3−アルキル)、−NH−(CO)−N(C1−3−アルキル)、−NH−(C1−4−アルキレン)−(CO)−N(C1−3−アルキル)、−O−(C2−4−アルキレン)−NH、−O−(C2−4−アルキレン)−NH(C1−3−アルキル)、−O−(C2−4−アルキレン)−N(C1−3−アルキル)、−NH−CO−(C1−3−アルキル)、−(C1−4−アルキレン)−NH−CO−(C1−3−アルキル)、−C3−5−シクロアルキル、−SO−(C1−4−アルキル)、−SO−(C3−5−シクロアルキル)、−SO−NH、−SO−NH−C1−3−アルキル、−SO−N(C1−3−アルキル)、−SO−(ヘト)、−O−(ヘト)、−O−(C1−4−アルキレン)−(ヘト)、−NH−(ヘト)、−NH−(C1−4−アルキレン)−(ヘト)、−NH−(ヘタリール)、−NH−(C1−4−アルキレン)−(ヘタリール)、−(ヘト)及び−(C1−4−アルキレン)−(ヘト)より選択される一つ以上の基により場合により置換されていてもよく、
ここで、(ヘト)は、C1−3−アルキル、ハロゲン、CH−NH、NH、OH;CO−NH及びオキソより選択される1〜3個の基により場合により置換された複素環基であって、N、O及びSより相互に独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、3〜10員の飽和又は部分飽和、単環又は二環式複素環基を意味し、
ここで、(ヘタリール)は、C1−3−アルキル、ハロゲン、CH−NH、NH、OH、CO−NH及びオキソより選択される1〜3個の基により場合により置換されたヘテロアリールであって、N、O及びSより相互に独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、5〜10員の単環又は二環式ヘテロアリールを意味し、
m=0又は1であり、
及びRは、H、メチル又はエチルを意味する]
で示される化合物、並びにその薬学的に許容される塩、ジアステレオマー、鏡像異性体、ラセミ体、水和物及び溶媒和物に関する。
【0017】
本発明の好ましい目的は、上記定義の個別の可変部を有する、上記式[式中、n=1である]で示される化合物、並びにその薬学的に許容される塩、ジアステレオマー、鏡像異性体、ラセミ体、水和物及び溶媒和物に関する。
【0018】
同様に好ましいのは、上記定義の個別の可変部を有する、式[式中、R及びR6’は、相互に独立してH、メチル及び−OCHより選択される]で示される化合物、並びにその薬学的に許容される塩、ジアステレオマー、鏡像異性体、ラセミ体、水和物及び溶媒和物である。
【0019】
好ましい本発明は、さらに、上記定義の個別の可変部を有する、式1[式中、R;R、R及びR10は、それぞれ相互に独立してH又は−OCHより選択される]で示される化合物、並びにその薬学的に許容される塩、ジアステレオマー、鏡像異性体、ラセミ体、水和物及び溶媒和物に関する。
【0020】
別の好ましい局面において、本発明は、上記定義の個別の可変部を有する、式[式中、Vは、N−CH、O又はN−(C1−3−アルキレン)−フェニルのいずれかを意味する]で示される化合物、並びにその薬学的に許容される塩、ジアステレオマー、鏡像異性体、ラセミ体、水和物及び溶媒和物に関する。
【0021】
同様に好ましいのは、上記定義の個別の可変部を有する、式[式中、Rは、−O−R、−NR、−CR及び(エチン)−Rより選択される]で示される化合物、並びにその薬学的に許容される塩、ジアステレオマー、鏡像異性体、ラセミ体、水和物及び溶媒和物である。
【0022】
別の好ましい局面において、本発明は、上記定義の個別の可変部を有する、式[式中、
は、−NRを意味し、
は、Hを意味し、
は、−C6−10−アリール、−C1−4−アルキレン−C6−10−アリール、−(ヘト)、−(C1−4−アルキレン)−(ヘト)、−(ヘタリール)、及び−(C1−4−アルキレン)−(ヘタリール)より選択され、
この基Rは、相互に独立してH、−OH、−オキソ、−COOH、−C1−3−アルキル、−C1−3−ハロアルキル、−C1−3−アルキル−OH、−CO−NH、−(C1−4−アルキレン)−CO−NH、−CO−NH(C1−3−アルキル)、−(C1−4−アルキレン)−CO−NH(C1−3−アルキル)、−CO−N(C1−3−アルキル)、−(C1−4−アルキレン)−CO−N(C1−3−アルキル)、−NH−(CO)−NH、−NH−(C1−4−アルキレン)−(CO)−NH、−NH−(CO)−NH(C1−3−アルキル)、−NH−(C1−4−アルキレン)−(CO)−NH(C1−3−アルキル)、−NH−(CO)−N(C1−3−アルキル)及び−NH−(C1−4−アルキレン)−(CO)−N(C1−3−アルキル)より選択される一つ以上の基により場合により置換されていてもよい]で示される化合物、並びにその薬学的に許容される塩、ジアステレオマー、鏡像異性体、ラセミ体、水和物及び溶媒和物に関する。
【0023】
本発明の範囲内で特に好ましいのは、上記定義の個別の可変部を有する、式[式中、
は、−NRを意味し、
は、Hを意味し、
は、−C6−10−アリール、−C1−4−アルキレン−C6−10−アリール、−(ヘト)、−(C1−4−アルキレン)−(ヘト)、−(ヘタリール)、及び−(C1−4−アルキレン)−(ヘタリール)より選択され、
ここで、この基Rは、相互に独立してH、−OH、−オキソ、−COOH、−C1−3−アルキル、−CO−NH、−(C1−4−アルキレン)−CO−NH、−CO−NH(C1−3−アルキル)、−(C1−4−アルキレン)−CO−NH(C1−3−アルキル)、−CO−N(C1−3−アルキル)、−(C1−4−アルキレン)−CO−N(C1−3−アルキル)より選択される一つ以上の基により置換されていてもよい]で示される化合物、並びにその薬学的に許容される塩、ジアステレオマー、鏡像異性体、ラセミ体、水和物及び溶媒和物である。
【0024】
別の好ましい局面において、本発明は、上記定義の個別の可変部を有する、式[式中、
は、−ORを意味し、
は、Hを意味し、
は、−C6−10−アリール、−C1−4−アルキレン−C6−10−アリール、−(ヘト)、−(C1−4−アルキレン)−(ヘト)、−(ヘタリール)、及び−(C1−4−アルキレン)−(ヘタリール)より選択され、
ここで、この基Rは、相互に独立してH、−OH、−オキソ、−COOH、−C1−3−アルキル、−C1−3−ハロアルキル、−C1−3−アルキル−OH、−CO−NH、−(C1−4−アルキレン)−CO−NH、−CO−NH(C1−3−アルキル)、−(C1−4−アルキレン)−CO−NH(C1−3−アルキル)、−CO−N(C1−3−アルキル)、−(C1−4−アルキレン)−CO−N(C1−3−アルキル)、−NH−(CO)−NH、−NH−(C1−4−アルキレン)−(CO)−NH、−NH−(CO)−NH(C1−3−アルキル)、−NH−(C1−4−アルキレン)−(CO)−NH(C1−3−アルキル)、−NH−(CO)−N(C1−3−アルキル)及び−NH−(C1−4−アルキレン)−(CO)−N(C1−3−アルキル)より選択される一つ以上の基により場合により置換されていてもよい]で示される化合物、並びにその薬学的に許容される塩、ジアステレオマー、鏡像異性体、ラセミ体、水和物及び溶媒和物に関する。
【0025】
別の好ましい局面において、本発明は、上記定義の個別の可変部を有する、式[式中、
は、−CRを意味し、
は、H、メチルを意味し、
は、H、メチルを意味し、
は、−C6−10−アリール、−C1−4−アルキレン−C6−10−アリール、−(ヘト)、−(C1−4−アルキレン)−(ヘト)、−(ヘタリール)、及び−(C1−4−アルキレン)−(ヘタリール)より選択され、
ここで、この基Rは、相互に独立してH、−OH、−オキソ、−COOH、−C1−3−アルキル、−C1−3−ハロアルキル、−C1−3−アルキル−OH、−CO−NH、−(C1−4−アルキレン)−CO−NH、−CO−NH(C1−3−アルキル)、−(C1−4−アルキレン)−CO−NH(C1−3−アルキル)、−CO−N(C1−3−アルキル)、−(C1−4−アルキレン)−CO−N(C1−3−アルキル)、−NH−(CO)−NH、−NH−(C1−4−アルキレン)−(CO)−NH、−NH−(CO)−NH(C1−3−アルキル)、−NH−(C1−4−アルキレン)−(CO)−NH(C1−3−アルキル)、−NH−(CO)−N(C1−3−アルキル)及び−NH−(C1−4−アルキレン)−(CO)−N(C1−3−アルキル)より選択される一つ以上の基により場合により置換されていてもよい]で示される化合物並びにその薬学的に許容される塩、ジアステレオマー、鏡像異性体、ラセミ体、水和物及び溶媒和物に関する。
【0026】
本発明は、また、特に好ましくは上記定義の個別の可変部を有する、式[式中、Rは、
− N、O及びSより相互に独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5〜10員の単環又は二環式ヘテロアリール(この1〜3個のヘテロ原子の少なくとも一つはN原子である)並びに
− N、O及びSより相互に独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する3〜10員の単環又は二環式、飽和又は部分飽和複素環基(この1〜3個のヘテロ原子の少なくとも一つはN原子である)
より選択され、
上記ヘテロアリール及び複素環は、それぞれ少なくとも一つのN原子を介して式1で示される構造に結合しているか、
或いは、Rは、
− N、O及びSより相互に独立して選択される1、2又は3個のヘテロ原子を有する5〜11員スピロ基(このスピロ基の1〜3個のヘテロ原子の少なくとも一つは、N原子であり、そのスピロ基は、このN原子を介して式で示される構造に結合している)
である]で示される化合物、並びにその薬学的に許容される塩、ジアステレオマー、鏡像異性体、ラセミ体、水和物及び溶媒和物に関する。
【0027】
特に本発明は、上記定義の個別の可変部を有する、式[式中、Rは、
【0028】
【化5】






より選択され、
は、
【0029】
【化6】


より選択され、
は、式の構造へのRの結合点を意味し、
は、式の構造へのRの結合点を意味する]
で示される化合物、並びにその薬学的に許容される塩、ジアステレオマー、鏡像異性体、ラセミ体、水和物及び溶媒和物に関する。
【0030】
本発明は、さらに、医薬組成物としての、上記定義の個別の可変部を有する、式で示される上記化合物に関する。
【0031】
本発明は、さらに、SYK酵素を阻害することにより処置される疾患の処置のための医薬を調製するための、上記定義の個別の可変部を有する、式で示される上記化合物の使用に関する。
【0032】
別の好ましい局面において、本発明は、アレルギー性鼻炎、喘息、COPD、成人呼吸促迫症候群、気管支炎、皮膚炎及び接触皮膚炎、アレルギー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎結膜炎、関節リウマチ、抗リン脂質症候群、ベルジェ病、エバンス症候群、潰瘍性大腸炎、アレルギー性抗体性糸球体腎炎、顆粒球減少症、グッドパスチャー症候群、肝炎、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、過敏性血管炎、免疫性溶血性貧血、特発性血小板減少性紫斑病、川崎症候群、アレルギー性結膜炎、エリテマトーデス、好中球減少症、非家族性側索硬化症、クローン病、多発性硬化症、重症筋無力症、骨粗鬆症、骨溶解性疾患、骨減少症、乾癬、シェーグレン症候群、強皮症、蕁麻疹/血管性浮腫、ウェゲナー肉芽腫症及びセリアック病より選択される疾患の処置のための医薬を調製するための、上記定義の個別の可変部を有する、式で示される上記化合物の使用に関する。
【0033】
特に好ましい局面において、本発明は、喘息、COPD、アレルギー性鼻炎、成人呼吸促迫症候群、気管支炎、アレルギー性皮膚炎、接触皮膚炎、特発性血小板減少性紫斑病、関節リウマチ及びアレルギー性鼻炎結膜炎より選択される疾患の処置のための医薬を調製するための、上記定義の個別の可変部を有する、式で示される上記化合物の使用に関する。
【0034】
本発明は、特に、喘息、COPD、アレルギー性鼻炎、アレルギー性皮膚炎及び関節リウマチより選択される疾患の処置のための医薬を調製するための、上記定義の個別の可変部を有する、式で示される上記化合物の使用に関する。
【0035】
さらに本発明は、好ましくは、上記定義の個別の可変部を有する、式で示される一つ以上の化合物を含有する医薬製剤に関する。
【0036】
本発明は、さらに、上記定義の個別の可変部を有する、式で示される一つ以上の化合物を、β模倣体、コルチコステロイド、PDE4阻害剤、EGFR阻害剤及びLTD4拮抗薬、CCR3阻害剤、iNOS阻害剤及び他のSYK阻害剤より選択される活性物質と組合せて含有する医薬製剤に関する。
【0037】
別の好ましい局面では、本発明は、式1で示される上記化合物の調製における、以下の
【0038】
【化7】






より選択される中間生成物並びにその薬学的に許容される塩、ジアステレオマー、鏡像異性体、ラセミ体、水和物及び溶媒和物に関する。
【0039】
3.使用する用語及び定義
特に述べない限り、全ての置換基は、相互に独立している。例えば一つの基でいくつかのC1−6−アルキル基が可能な置換基であるならば、例えば3個の置換基の場合に、C1−6−アルキルは、相互に独立して、メチル、n−プロピル及びtert−ブチルを表しうる。
【0040】
本出願の範囲内で、可能な置換基の定義においてこれらを構造式の形式で表現してもよい。置換式の構造式における星印(*)は、分子の残りへの結合点であると理解されたい。さらに、結合点に続く置換基の原子は、位置の番号1の原子であると理解される。したがって、例えば、基N−ピペリジニル(I)、4−ピペリジニル(II)、2−トリル(III)、3−トリル(IV)及び4−トリル(V)は、以下のように表される:
【0041】
【化8】

【0042】
置換基の構造式に星印(*)がないならば、各水素原子が置換基のところで除去されることがあり、そうして自由になった結合価が分子の残りへの結合部位として働くことができる。したがって、例えばVI
【0043】
【化9】


は、2−トリル、3−トリル、4−トリル及びベンジルを表しうる。
【0044】
本出願の範囲内で、*の代わりにXもまた、式の構造への基Rの結合点であり、Xは、式の構造への基Rの結合点であるとして理解される。
【0045】
用語「C1−6−アルキル」(他の基の部分であるものを含む)は、1〜6個の炭素原子を有する分岐及び非分岐アルキル基を意味し、用語「C1−3−アルキル」は、1〜3個の炭素原子を有する分岐及び非分岐アルキル基を意味する。したがって、「C1−4−アルキル」は、1〜4個の炭素原子を有する分岐及び非分岐アルキル基を意味する。1〜4個の炭素原子を有するアルキル基が好ましい。これらの例には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル又はヘキシルが含まれる。略語Me、Et、n−Pr、i−Pr、n−Bu、i−Bu、t−Bu等は、また、場合により上記の基について使用することができる。特に述べない限り、定義プロピル、ブチル、ペンチル及びヘキシルには、問題となる基の全ての可能な異性体型が含まれる。したがって、例えば、プロピルにはn−プロピル及びイソプロピルが含まれ、ブチルにはイソブチル、sec−ブチル及びtert−ブチル等が含まれる。
【0046】
用語「C1−6アルキレン」(他の基の部分であるものを含む)は、1〜6個の炭素原子を有する分岐及び非分岐アルキレン基を意味し、用語「C1−4アルキレン」は、1〜4個の炭素原子を有する分岐及び非分岐アルキレン基を意味する。1〜4個の炭素原子を有するアルキレン基が好ましい。これらの例には、メチレン、エチレン、プロピレン、1−メチルエチレン、ブチレン、1−メチルプロピレン、1,1−ジメチルエチレン、1,2−ジメチルエチレン、ペンチレン、1,1−ジメチルプロピレン、2,2−ジメチルプロピレン、1,2−ジメチルプロピレン、1,3−ジメチルプロピレン又はヘキシレンが含まれる。特に述べない限り、定義プロピレン、ブチレン、ペンチレン及びヘキシレンには、同じ炭素数の、問題となる基の全ての可能な異性体型が含まれる。したがって、例えばプロピルには1−メチルエチレンも含まれ、ブチレンには1−メチルプロピレン、1,1−ジメチルエチレン、1,2−ジメチルエチレンが含まれる。
【0047】
炭素鎖が、アルキレン鎖の1又は2個の炭素原子と一緒になって3、5又は6個の炭素原子を有する炭素環を形成する基により置換されているならば、これにはとりわけ以下の例の環が含まれる:
【0048】
【化10】

【0049】
用語「C2−6アルケニル」(他の基の部分であるものを含む)は、2〜6個の炭素原子を有する分岐及び非分岐アルケニル基を意味し、用語「C2−4アルケニル」は、2〜4個の炭素原子を有する分岐及び非分岐アルケニル基を意味するが、但し、それらは少なくとも一つの二重結合を有する。2〜4個の炭素原子を有するアルケニル基が好ましい。例には、エテニル又はビニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル又はヘキセニルが含まれる。特に述べない限り、定義プロペニル、ブテニル、ペンテニル及びヘキセニルには、問題となる基の全ての可能な異性体型が含まれる。したがって、例えば、プロペニルには1−プロペニル及び2−プロペニルが含まれ、ブテニルには1−、2−及び3−ブテニル、1−メチル−1−プロペニル、1−メチル−2−プロペニル等が含まれる。
【0050】
用語「C2−6アルケニレン」(他の基の部分であるものを含む)は、2〜6個の炭素原子を有する分岐及び非分岐アルケニレン基を意味し、用語「C2−4アルケニレン」は、2〜4個の炭素原子を有する分岐及び非分岐アルケニレン基を意味する。2〜4個の炭素原子を有するアルケニレン基が好ましい。これらの例には、エテニレン、プロペニレン、1−メチルエテニレン、ブテニレン、1−メチルプロペニレン、1,1−ジメチルエテニレン、1,2−ジメチルエテニレン、ペンテニレン、1,1−ジメチルプロペニレン、2,2−ジメチルプロペニレン、1,2−ジメチルプロペニレン、1,3−ジメチルプロペニレン又はヘキセニレンが含まれる。特に述べない限り、定義プロペニレン、ブテニレン、ペンテニレン及びヘキセニレンには、同じ炭素数の、問題となる基の全ての可能な異性体型が含まれる。したがって、例えば、プロペニレンには1−メチルエテニレンも含まれ、ブテニレンには1−メチルプロペニレン、1,1−ジメチルエテニレン、1,2−ジメチルエテニレンが含まれる。
【0051】
用語「C2−6アルキニル」(他の基の部分であるものを含む)は、2〜6個の炭素原子を有する分岐及び非分岐アルキニル基を意味し、用語「C2−4アルキニル」は、2〜4個の炭素原子を有する分岐及び非分岐アルキニル基を意味するが、但し、それらは少なくとも一つの三重結合を有する。2〜4個の炭素原子を有するアルキニル基が好ましい。例には、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、又はヘキシニルが含まれる。特に述べない限り、定義プロピニル、ブチニル、ペンチニル及びヘキシニルには、問題となる基の全ての可能な異性体型が含まれる。したがって、例えばプロピニルには1−プロピニル及び2−プロピニルが含まれ、ブチニルには1、2−及び3−ブチニル、1−メチル−1−プロピニル、1−メチル−2−プロピニル等が含まれる。
【0052】
用語「C2−6アルキニレン」(他の基の部分であるものを含む)は、2〜6個の炭素原子を有する分岐及び非分岐アルキニレン基を意味し、用語「C2−4アルキニレン」は、2〜4個の炭素原子を有する分岐及び非分岐アルキレン基を意味する。好ましいのは、2〜4個の炭素原子を有するアルキニレン基である。例には、エチニレン、プロピニレン、1−メチルエチニレン、ブチニレン、1−メチルプロピニレン、1,1−ジメチルエチニレン、1,2−ジメチルエチニレン、ペンチニレン、1,1−ジメチルプロピニレン、2,2−ジメチルプロピニレン、1,2−ジメチルプロピニレン、1,3−ジメチルプロピニレン又はヘキシニレンが含まれる。特に述べない限り、定義プロピニレン、ブチニレン、ペンチニレン及びヘキシニレンには、同じ炭素数の、問題となる基の全ての可能な異性体型が含まれる。したがって、例えばプロピニルには1−メチルエチニレンも含まれ、ブチニレンには1−メチルプロピニレン、1,1−ジメチルエチニレン、1,2−ジメチルエチニレンが含まれる。
【0053】
用語「アリール」(他の基の部分であるものを含む)は、6又は10個の炭素原子を有する芳香環系を意味する。例には、フェニル又はナフチルが含まれ、好ましいアリール基はフェニルである。特に述べない限り、芳香族基は、メチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、ヒドロキシ、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素より選択される一つ以上の基により置換されていることがある。
【0054】
用語「アリール−C1−6−アルキレン」(他の基の部分であるものを含む)は、6又は10個の炭素原子を有する芳香環系により置換された、1〜6個の炭素原子を有する分岐及び非分岐アルキレン基を意味する。例には、ベンジル、1−若しくは2−フェニルエチル又は1−若しくは2−ナフチルエチルが含まれる。特に述べない限り、芳香族基は、メチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、ヒドロキシ、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素より選択される一つ以上の基により置換されていてもよい。
【0055】
用語「ヘテロアリール−C1−6−アルキレン」(他の基の部分であるものを含む)は、「アリール−C1−6−アルキレン」に既に含まれているが、ヘテロアリールにより置換された、1〜6個の炭素原子を有する分岐及び非分岐アルキレン基を意味する。
【0056】
この種のヘテロアリールには、5若しくは6員の複素環式芳香族基又は5〜10員の二環式ヘテロアリール環が含まれ、それらは、酸素、硫黄及び窒素より選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子を有してもよく、芳香族系が形成されるほどの数の共役二重結合を有する。以下は、5若しくは6員の複素環式芳香族基又は二環式ヘテロアリール環の例である。
【0057】
【化11】

【0058】
特に述べない限り、これらのヘテロアリールは、メチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、ヒドロキシ、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素より選択される一つ以上の基により置換されていてもよい。
【0059】
以下は、ヘテロアリール−C1−6−アルキレンの例である。
【0060】
【化12】

【0061】
用語「C1−6−ハロアルキル」(他の基の部分であるものを含む)は、一つ以上のハロゲン原子により置換された、1〜6個の炭素原子を有する分岐及び非分岐アルキル基を意味する。用語「C1−4−ハロアルキル」は、一つ以上のハロゲン原子により置換された、1〜4個の炭素原子を有する分岐及び非分岐アルキル基を意味する。1〜4個の炭素原子を有するアルキル基が好ましい。例には、CF、CHF、CHF、CHCFが含まれる。
【0062】
用語「C3−7−シクロアルキル」(他の基の部分であるものを含む)は、3〜7個の炭素原子を有する環状アルキル基を意味する。例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル又はシクロヘプチルが含まれる。特に述べない限り、環状アルキル基は、メチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、ヒドロキシ、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素より選択される一つ以上の基により置換されていてもよい。
【0063】
用語「C3−10−シクロアルキル」は、また、3〜7個の炭素原子を有する単環式アルキル基及び7〜10個の炭素原子を有する二環式アルキル基又は少なくとも一つのC1−3−炭素橋で架橋された単環式アルキル基も意味する。
【0064】
用語「複素環式環」又は「複素環」は、特に述べない限り、酸素、硫黄及び窒素より選択される1、2又は3個のヘテロ原子を有してもよい、5、6又は7員の飽和、部分飽和又は不飽和複素環式環を意味するが、その環は、炭素原子又は存在するならば窒素原子を介して分子と結合していてもよい。用語「複素環式環」又は「複素環」に含まれているものの、用語「飽和複素環式環」は、5、6又は7員飽和環を表す。例には、以下:
【0065】
【化13】


が含まれる。
【0066】
用語「複素環式環」又は「複素環基」に含まれているものの、用語「部分飽和複素環基」は、1又は2個の二重結合を有するが、芳香族系が形成されるほど多数の二重結合は生成しない、5、6又は7員部分飽和環を表す。例には、以下:
【0067】
【化14】


が含まれる。
【0068】
用語「複素環式環」又は「複素環」に含まれているものの、用語「複素環式芳香環」、「不飽和複素環基」又は「ヘテロアリール」は、酸素、硫黄及び窒素より選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子を有してもよく、かつ芳香族系が形成されるほどの数の共役二重結合を有する、5若しくは6員複素環式芳香族基又は5〜10員二環式ヘテロアリール環を表す。5又は6員複素環式芳香族基の例には、以下:
【0069】
【化15】


が含まれる。
【0070】
特に述べない限り、複素環式環(又は複素環)に、ケト基が付いていてもよい。例には、以下:
【0071】
【化16】


が含まれる。
【0072】
用語「シクロアルキル」に既に包含されているものの、用語「二環式シクロアルキル」は、一般に8、9又は10員の二環式炭素環を意味する。例には、以下:
【0073】
【化17】


が含まれる。
【0074】
用語「複素環」に既に含まれているものの、用語「二環式複素環」は、一般に、酸素、硫黄及び窒素より選択される一つ以上のヘテロ原子、好ましくは1〜4個、さらに好ましくは1〜3個、なおさらに好ましくは1〜2個、特に1個のヘテロ原子を有してもよい、8、9又は10員の二環式環を意味する。この環は、環の炭素原子又は存在するならば環の窒素原子を介して分子に結合していてもよい。例には、以下:
【0075】
【化18】


が含まれる。
【0076】
用語「アリール」に既に含まれているものの、用語「二環式アリール」は、芳香族系を形成するために十分な共役二重結合を有する5〜10員の二環式アリール環を意味する。二環式アリールの一例はナフチルである。
【0077】
「ヘテロアリール」に既に含まれているものの、用語「二環式ヘテロアリール」は、酸素、硫黄及び窒素より選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子を有してもよく、かつ芳香族系を形成するために十分な共役二重結合を有する、5〜10員の二環式ヘテロアリール環を意味する。
【0078】
用語「二環式シクロアルキル」又は「二環式アリール」に含まれているものの、用語「縮合シクロアルキル」又は「縮合アリール」は、環を分離する橋が直接単結合を意味する二環式環を意味する。以下は、縮合二環式シクロアルキルの例である。
【0079】
【化19】

【0080】
用語「二環式複素環」又は「二環式ヘテロアリール」に既に含まれているものの、「縮合二環式ヘテロアリール」の用語「縮合二環式複素環」は、酸素、硫黄及び窒素より選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子を有する二環式5〜10員複素環を意味し、ここで、環を分離している橋は直接単結合を意味する。さらに、「縮合二環式ヘテロアリール」は、芳香族系を形成するために十分な数の共役二重結合を有する。例には、ピロリジン、インドール、インドリジン、イソインドール、インダゾール、プリン、キノリン、イソキノリン、ベンズイミダゾール、ベンゾフラン、ベンゾピラン、ベンゾチアゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイソチアゾール、ピリドピリミジン、プテリジン、ピリミドピリミジン、
【0081】
【化20】


が含まれる。
【0082】
用語「スピロ基」(スピロ)は、酸素、硫黄及び窒素より選択される1、2又は3個のヘテロ原子を場合により有してもよい、5〜10員スピロ環式環を意味するが、その環は、炭素原子又は利用できれば窒素原子を介して分子に結合していてもよい。特に述べない限り、スピロ環式環に、オキソ、メチル又はエチル基が付いていてもよい。この例には、以下が含まれる。
【0083】
【化21】

【0084】
「ハロゲン」は、本発明の範囲内でフッ素、塩素、臭素又はヨウ素を意味する。反対のことを述べていない限り、フッ素、塩素及び臭素が好ましいハロゲンと見なされる。
【0085】
一般式1で示される化合物は、酸性基、主にカルボキシル基及び/又は例えばアミノ官能基などの塩基性基を有しうる。したがって、一般式1で示される化合物は、内部塩として、塩酸、硫酸、リン酸、スルホン酸などの薬学的に使用可能な無機酸若しくは有機酸(例えばマレイン酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸又は酢酸など)との塩として、又はアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の水酸化物若しくは炭酸塩、水酸化亜鉛若しくは水酸化アンモニウム若しくは例えばとりわけジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミンなどの有機アミンなどの薬学的に使用可能な塩基との塩として存在しうる。
【0086】
前述のように、式1で示される化合物は、その塩に、特に薬学的使用のためにその生理学的及び薬理学的に許容される塩に変換することができる。これらの塩は、一方で、式1で示される化合物と無機酸又は有機酸との生理学的及び薬理学的に許容される酸付加塩として存在しうる。他方で、Rが水素の場合に式1で示される化合物は、無機塩との反応により、対イオンとしてアルカリ金属又はアルカリ土類金属陽イオンとの生理学的及び薬理学的に許容される塩に変換することができる。酸付加塩は、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、酢酸、フマル酸、コハク酸、乳酸、クエン酸、酒石酸又はマレイン酸を使用して調製することができる。上記酸の混合物を使用することも可能である。式1[式中、Rは水素を意味する]で示される化合物のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩を調製するために、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の水酸化物及び水素化物を使用することが好ましく、その中でアルカリ金属、特にナトリウム及びカリウムの水酸化物及び水素化物が好ましく、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムが特に好ましい。
【0087】
一般式1で示される化合物は、場合によりその塩に、特に薬学的使用のために無機酸又は有機酸との薬理学的に許容される酸付加塩に変換することができる。この目的に適する酸の例には、コハク酸、臭化水素酸、酢酸、フマル酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、乳酸、リン酸、塩酸、硫酸、酒石酸又はクエン酸が含まれる。上記酸の混合物を使用することも可能である。
【0088】
本発明は、場合により個別の光学異性体、個別の鏡像異性体の混合物又はラセミ体の形態の、互変異性体の形態の、及び遊離塩基又は薬理学的に許容される酸との対応する酸付加塩、例えばハロゲン化水素酸、例えば塩酸又は臭化水素酸又は有機酸、例えばシュウ酸、フマル酸、ジグリコール酸又はメタンスルホン酸との酸付加塩の形態の、問題の化合物に関する。
【0089】
本発明による化合物は、場合によりラセミ体として存在しうるが、純粋な鏡像異性体、すなわち(R)又は(S)体として得ることもできる。
【0090】
本発明は、場合により個別の光学異性体、ジアステレオマー、ジアステレオマーの混合物、個別の鏡像異性体の混合物又はラセミ体の形態の、互変異性体の形態の、及び遊離塩基又は薬理学的に許容される酸との対応する酸付加塩、例えばハロゲン化水素酸、例えば塩酸若しくは臭化水素酸、又は有機酸、例えばシュウ酸、フマル酸、ジグリコール酸若しくはメタンスルホン酸との酸付加塩の形態の、問題となる化合物に関する。
【0091】
本発明は、式で示されるそれぞれの化合物であって、その薬理学的に許容される塩の形態の化合物に関する。式で示される化合物のこれらの薬理学的に許容される塩は、また、それぞれの水和物(例えば一水和物、二水和物など)の形態で、及びそれぞれの溶媒和物の形態で存在しうる。
【0092】
本発明のために、式による化合物の水和物は、結晶水を有する式による化合物の結晶性塩を意味する。
【0093】
本発明のために、式による化合物の溶媒和物は、結晶格子中に溶媒分子(例えばエタノール、メタノールなど)を有する、式による化合物の結晶性塩を意味する。
【0094】
熟練者であれば、水和物及び溶媒和物を得る標準法(例えば対応する溶媒又は水からの再結晶)に精通しているであろう。
【0095】
4. 調製方法
請求された化合物は、公知の方法(例えば国際公開公報第03/057695号)により調製してもよい。本発明の実施例は、スキーム1に従って調製した。
【0096】
【化22】


[式中、Xは、例えばCl又はトリフレートなどの脱離基であり、
Yは、−H、−MgBr、−B(OH)であり、
及びRは、本明細書前記と同義である。]
【0097】
場合により基R又はRは、例えば還元的アミノ化又はアミド結合により続いて改変することができる。
【0098】
4.1. 中間生成物
4.1.1. スキーム1の化合物(ベンゾニトリル誘導体)の合成
4−モルホリノ−3−メトキシ−ベンゾニトリル(4.3)の合成(実施例10、70について)
【0099】
【化23】

【0100】
6.7mL(75mmol)のモルホリンを20g(141mmol)の炭酸カリウム及び10.0g(66mmol)の4−フルオロ−3−メトキシ−ベンゾニトリルと一緒に50mlのジメチルスルホキシドに入れて100℃で8時間撹拌した。反応混合物に500mlの氷水を加え、形成した沈殿を濾取し、乾燥させた。
収量:11.2g(51mmol=理論値の78%)
分析:HPLC−MS(方法D): R:1.36分、(M+H):219
【0101】
以下を同様に調製した:
3−メチル−4−モルホリノベンゾニトリル(4.2) 実施例60、66、73、74、80参照
3−ブロモ−4−モルホリノベンゾニトリル(4.4) 実施例145参照
4−モルホリノベンゾニトリル(4.1)は市販されている。
【0102】
4.1.2. R誘導体(アミン誘導体)の合成
N−(4−アミノシクロヘキシル)−2,2,2−トリフルオロ−N−メチル−アセトアミド(実施例9について)の合成
【0103】
工程1
【0104】
【化24】

【0105】
22.1g(103mmol)のシス−(4−アミノシクロヘキシル)−カルバミン酸tert−ブチル及び11ml(110mmol)のトリフルオロ酢酸メチルを110mlのメタノールに入れて周囲温度で4時間撹拌し、反応混合物を氷浴中で冷却し、形成した沈殿を吸引濾過し、ジエチルエーテルで洗浄した。
収量:17.6g(57mmol=理論値の55%)
【0106】
工程2
【0107】
【化25】

【0108】
反応は窒素雰囲気下で実施した。8.30g(26.8mmol)のシス−[4−(2,2,2−トリフルオロアセチルアミノ)−シクロヘキシル]−カルバミン酸tert−ブチルを100mlのN,N−ジメチルアセトアミドに入れ、1.28g(32mmol)の水素化ナトリウム(60%)を添加した。周囲温度で20分間撹拌後に4.54g(32mmol)のヨウ化メチルを添加し、反応混合物を周囲温度でさらに一晩撹拌した。その混合物を800mlの氷水に注ぎ込み、沈殿を吸引濾過し、水及び石油エーテルで洗浄した。次に、200mlのジイソプロピルエーテル及び10mlのアセトニトリルからそれを再結晶させた。
収量:11.0g(34mmol)
【0109】
工程3
【0110】
【化26】

【0111】
4.20g(13mmol)のシス−{4−[メチル−(2,2,2−トリフルオロアセチル)−アミノ]−シクロヘキシル}−カルバミン酸tert−ブチルを60mlのジクロロメタン中で30mlのトリフルオロ酢酸と共に周囲温度で一晩撹拌した。それを蒸発させ、残渣をジエチルエーテルと共にトリチュレートし、沈殿を濾取した。
収量:5.30g(16mmol=理論値の121%)
【0112】
4−(3−ジエチルアミノプロポキシ)−フェニルアミン(実施例20について)の合成
【0113】
工程1:
【0114】
【化27】

【0115】
25.0g(0.18mol)のp−ニトロフェノール、32.3g(0.22mol)のジエチルアミノプロピルクロリド及び29.9g(0.22mol)の炭酸カリウムを300mlのジメチルホルムアミド中で一晩還流させた。溶媒を反応混合物から除去し、残渣を酢酸エチルに溶かし、有機層を水及び水酸化ナトリウム溶液(2mol/l)で洗浄し、乾燥させ、濾過し、溶媒を濾液から除去した。
収量:28.9g(15.7mmol=理論値の64%)
【0116】
工程2:
【0117】
【化28】

【0118】
29.0g(0.12mol)のジエチル−[3−(4−ニトロフェノキシ)−プロピル]−アミン及び2.9gのPd/Cを300mlのエタノール中で周囲温度で水素化した。触媒を濾別し、溶媒を除去した。
収量:39.0g(0.18mol)
【0119】
R−3−(アミノメチル)−1−メチル−ピロリジン(実施例64について)の合成
【0120】
【化29】


6.00ml(6mmol)の水素化アルミニウムリチウムをテトラヒドロフランに入れ、次に、6mlのテトラヒドロフランに溶解した0.30g(1.49mmol)のR−3−(アミノメチル)−1−N−tert−ブチルオキシカルボニル−ピロリジンを周囲温度で滴加した。反応混合物を周囲温度で一晩撹拌し、次に冷却し、1.5mlの水、10mlのTHF及び1.5mlの4N水酸化ナトリウム溶液を撹拌しながら加え、その混合物を10分間撹拌した。珪藻土を通過させてその懸濁物を濾過し、テトラヒドロフランで洗浄し、溶媒を濾液から除去した。
収量:130mg(1.14mmol=理論値の76%)
分析:ESI−MS、(M+H):115
【0121】
1−(3−アミノプロピル)テトラヒドロピリミジン−2−オン(実施例23について)
【0122】
【化30】


1−(3−アミノプロピル)テトラヒドロピリミジン−2−オンは、以下の文献に従って合成することができる:Tang, Peng Cho; Miller, Todd; Li, Xiaoyuan; Sun, Li; Wei, Chung Chen; Shirazian, Shahrzad; Liang, Congxin; Vojkovsky, Tomas; Nematalla, Asaad S.、国際公開公報第2001060814号
【0123】
N−メチル−N’−ピペラジン尿素(実施例123について)
【0124】
【化31】


N−メチル−N’−ピペラジン尿素は、以下の文献に従って合成することができる:Zhao, Matthew; Yin, Jingjun; Huffman, Mark A.; McNamara, James M. Tetrahedron (2006), 62(6), 1110-1115。
【0125】
4,5,7,8−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−d]アゼピン(実施例133について)
【0126】
【化32】


4,5,7,8−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−d]アゼピンは、以下の文献に従って合成することができる:Dorwald, Florencio Zaragoza; Andersen, Knud Erik; Jorgensen, Tine Krogh; Peschke, Bernd; Wulff, Birgitte Schjellerup; Pettersson, Ingrid; Rudolf, Klaus; Stenkamp, Dirk; Hurnaus, Rudolf; Muller, Stephan Georg; Krist, Bernd、国際公開公報第2000063208号。
【0127】
2−メチル−N1−2−ピリミジニル−1,2−プロパンジアミン(実施例139について)
【0128】
【化33】


2−メチル−N1−2−ピリミジニル−1,2−プロパンジアミンは、以下の文献に従って合成することができる:Matsuno, Kenji; Ueno, Kimihisa; Iwata, Yasuhiro; Matsumoto, Yuichi; Nakanishi, Satoshi; Takasaki, Kotaro; Kusaka, Hideaki; Nomoto, Yuji; Ogawa, Akira、国際公開公報第2002051836号。
【0129】
4.1.3. R誘導体(アルコール誘導体)の合成
(S)−4−(ヒドロキシメチル)−1−((S)−1−フェニルエチル)ピロリジン−2−オン(実施例85について)の合成
【0130】
【化34】


500mg(2.14mmol)の(1’S,3S)−1−(1’−フェニルエチル)−5−オキソ−3−ピロリジンカルボン酸を5mLのTHFに溶解し、次に、その溶液を5℃に冷却した。1.83mL(3.6mmol)のBHSMe(2mol/l THF溶液)をゆっくりと滴加し、反応溶液をゆっくりと25℃に加温し、25℃でさらに5時間撹拌した。反応混合物を2.5mLの飽和NaHCO溶液と合わせ、発泡が終わった後でその混合物を2×ジクロロメタンで抽出し、有機相を飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSOで乾燥及び蒸発させた。
収量:500mg(2.05mmol=理論値の96%)
分析:HPLC−MS(方法D):R=1.21分、(M+H)=220
【0131】
(R)−4−(ヒドロキシメチル)−1−((R)−1−フェニルエチル)ピロリジン−2−オンを同様に調製した(実施例84)。
【0132】
4.2. スキーム1の反応1:式で示される化合物の合成
7−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−[1.6]ナフチリジン−5−オール(5.1)の合成
【0133】
【化35】

【0134】
アルゴン雰囲気下で反応を実施した。4.05g(29.5mmol)の2−メチル−ニコチン酸を130mlのテトラヒドロフランに懸濁し、エタノール/ドライアイス浴で−65℃に冷却した。43.5ml(65mmol)のリチウムジイソプロピルアミド(1.5mol/lテトラヒドロフラン溶液)を30分以内に滴加し、その混合物を氷浴(0℃)中で2.5時間撹拌した。次に、それを−65℃に再び冷却し、6.12g(32.5mmol)4−モルホリン−ベンゾニトリルのテトラヒドロフラン溶液70mlを30分以内に滴加した。次に、反応混合物を周囲温度で一晩撹拌した。その懸濁物を200mlの水と合わせ、溶媒を蒸発させた。水性残渣を200mlの酢酸エチルと合わせ、2時間撹拌し、次に沈殿を吸引濾過し、乾燥させた。
収量:3.75g(12mmol=理論値の41%)
分析: ESI−MS: (M+H):308
【0135】
以下の化合物は、記載された方法と同様に調製した(表1参照)。
【0136】
【表1】

【0137】
4.3. スキーム1の反応2:式で示される化合物の合成
4.3.1. 式で示される化合物(5−クロロ−[1,6]ナフチリジン誘導体)の合成
5−クロロ−7−(4−モルホリノフェニル)−[1,6]ナフチリジン(6.1)の合成
【0138】
【化36】

【0139】
5.0g(16mmol)の7−(4−モルホリノ−フェニル)−[1,6]−ナフチリジン−5−オール(5.1)及び0.50ml(2.3mmol)のN,N−ジエチルアニリンを100ml(1090mmol)のオキシ塩化リンに入れ、120℃で一晩撹拌した。反応混合物を蒸発させ、残渣を約100mlの水と合わせ、NaCO溶液で中和し、塩化メチレンで抽出した。有機相を乾燥させ、蒸発させた。
収量:5.3g(13mmol=理論値の80%)
分析(方法D): R:1.57分、(M+H):326/328(Cl)
【0140】
以下の化合物は、上記方法と同様に調製した(表2参照)。
【0141】
【表2】

【0142】
4.3.2. 式で示される化合物([1,6]ナフチリジン−5−イル−トリフルオロメタンスルホン酸エステル誘導体)の合成
7−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−[1,6]ナフチリジン−5−イル−トリフルオロメタンスルホン酸エステル(6.6)の合成
【0143】
【化37】

【0144】
12.3g(40mmol)の5.1を800mlのジクロロメタンに入れ、次に3.16ml(40mmol)のピリジンを加えた。0℃で7.26ml(44mmol)の無水トリフルオロメタンスルホン酸のジクロロメタン溶液を滴加し、反応混合物の添加後に周囲温度に加温した。次に、さらに7.26ml(44mmol)の無水トリフルオロメタンスルホン酸を周囲温度で添加し、その混合物をさらに1時間撹拌した。反応混合物を水と混合し、ジクロロメタンで抽出した。有機相をMgSOで乾燥させ、濾過し、濾液から溶媒を除去した。
【0145】
残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル、シクロヘキサン/酢酸エチル:70/30〜50/50)により精製し、対応する画分を蒸発させた。
収量:9.70g(22.1mmol=理論値の55%)
【0146】
以下の化合物は、上記の方法と同様に調製した(表3参照)。
【0147】
【表3】

【0148】
4.4.スキーム1(式1の特許実施例の合成)の反応物3
実施例1:
5−[(1H−インダゾール−6−イル)アミノ]−7−(4−モルホリノフェニル)−[1,6]ナフチリジン
【0149】
【化38】

【0150】
6.1 150mg(0.41mmol)及び6−アミノインダゾール300mg(2.25mmol)を、100℃で2時間撹拌した。次にN−メチルピロリドン0.5ml及びジオキサン塩酸(4mol/l)0.10ml(0.41mmol)を加え、混合物を100℃で4時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタン及び少量のメタノールと合わせ、形成された沈殿物を濾別し、次にメタノールで撹拌し、吸入濾過して、乾燥させた。
収率:130mg(0.31mmol=理論値74%)
分析:HPLC−MS(方法A):R:2.51分
【0151】
実施例106を同様にして得た。
【0152】
実施例2:
2−[7−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−[1,6]ナフチリジン−5−イルアミノ]−ニコチンアミド
【0153】
【化39】

【0154】
6.1 100mg(0.31mmol)、2−アミノニコチンアミド50mg(0.37mmol)、2,2’−ビス−(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル37mg(0.06mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)−ジパラジウム(0)24.2mg(0.03mmol)及び炭酸セシウム0.41g(1.25mmol)を、トルエン2ml中で5時間撹拌しながら還流した。反応混合物をジクロロメタン/メタノールに溶解し、珪藻土で濾過した。濾液を蒸発させ、残留物をジクロロメタン/水に溶解し、相を分離した。有機相を水で洗浄し(2×)、MgSOで乾燥させ、濾過して、蒸発させた。残留物を、クロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン100%〜ジクロロメタン:メタノール 99:1)によりもう一度精製した。対応する画分を蒸発させた。混合物をクロマトグラフィー(RP−HPLC)により精製し、アセトニトリルを対応する画分から留去し、水溶液をKCOで塩基性化し、沈殿物を吸引濾過した。
収率:15mg(0.04mmol=理論値の11%)
分析:HPLC−MS(方法A):R:2.40分
【0155】
実施例3:
N−メチル−(4−モルホリノフェニル)−[1,6]ナフチリジン−5−イル−アミン
【0156】
【化40】

【0157】
6.1 200mg(0.61mmol)、メチルアミン溶液(THF中2mol/l)1.75ml(3.5mmol)を、加圧試験管中の、N−メチルピロリドン0.8ml中で120℃にて5時間撹拌した。混合物を蒸発させ、アセトニトリル/水及びトリフルオロ酢酸と合わせ、クロマトグラフィー(RP−HPLC)により精製した。対応する画分を凍結乾燥させた。
収率:210mg(0.48mmol=理論値の78%)
分析:HPLC−MS(方法C):R:1.08分、(M+H):321
【0158】
実施例7、60、74、80、87〜91、94、96、97、100、101、108、109、117〜127、及び129〜131を、実施例3と同様にして得た。
【0159】
実施例4:
4−[7−(4−モルホリノフェニル)−[1,6]ナフチリジン−5−イルオキシ]−ブタン−1−オール
【0160】
【化41】

【0161】
1,4−ブタンジオール136.4μl(1.54mmol)を、ジメチルアセトアミド1.5mlに入れ、水素化ナトリウム(60%)43mg(1.08mmol)を加え、混合物を周囲温度で15分間撹拌した。次に、6.1 100mg(0.31mmol)を加え、混合物を70℃で2時間撹拌した。反応混合物を水に加え、沈殿物を吸入濾過した。残留物をクロマトグラフィー(RP−HPLC−MS)により精製した。対応する画分を凍結乾燥させた。
収率:100mg(0.20mmol=理論値の66%)
分析:HPLC−MS(方法C):R:1.13分、(M+H):380
【0162】
以下の実施例:実施例5、6、72、73、83、116、133を、実施例4と同様にして調製した。
【0163】
実施例8:
2−{3−[7−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−[1,6]ナフチリジン−5−イルアミノ]−プロピルアミノ}−アセトアミド
【0164】
【化42】

【0165】
−[7−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−[1,6]ナフチリジン−5−イル]−プロパン−1,3−ジアミンを、反応物6.1を使用して実施例3と同様にして調製した。
−[7−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−[1,6]ナフチリジン−5−イル]−プロパン−1,3−ジアミン50mg(0.11mmol)をジメチルホルムアミド1mlに溶解し、炭酸カリウム40mgを加えた。次に反応混合物を氷浴中で冷却し、次にジメチルホルムアミド1mlに溶解した2−ブロモアセトアミド16mg(0.12mmol)を、5分以内で滴下した。反応混合物を周囲温度に加熱し、濾過した。濾液をクロマトグラフィー(RP−HPLC−MS)により精製し、対応する画分を凍結乾燥させた。
収率:8mg(0.02mmol=理論値の18%)
分析:HPLC−MS(方法D):R:1.10分、(M+H):421
【0166】
実施例9:
N−メチル−N’−[7−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−[1,6]ナフチリジン−5−イル]−シクロヘキサン−1,4−ジアミン
【0167】
【化43】

【0168】
2,2,2−トリフルオロ−N−メチル−N−{4−[7−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−[1,6]ナフチリジン−5−イルアミノ]−シクロヘキシル}−アセトアミドを、反応物6.1を使用して実施例3と同様にして調整した。
2,2,2−トリフルオロ−N−メチル−N−{4−[7−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−[1,6]ナフチリジン−5−イルアミノ]−シクロヘキシル}−アセトアミド120mg(0.19mmol)を、メタノール2mlに懸濁し、水酸化ナトリウム溶液(2mol/l)200μlと合わせた。反応混合物を周囲温度で一晩撹拌した。さらに水酸化ナトリウム溶液(2mol/l)400μlを加えた。混合物を蒸発させ、残留物をクロマトグラフィー(RP−HPLC−MS)により精製し、対応する画分を凍結乾燥させた。
収率:85mg(0.16mmol=理論値の84%)
分析:HPLC−MS(方法D):R:1.16分、(M+H):418
【0169】
実施例10:
5−[(ピロリジン−3−イル−メチルアミノ]−7−(4−モルホリノ−3−メトキシフェニル)−[1,6]ナフチリジン
【0170】
【化44】

【0171】
6.3 100mg(0.37mmol)を、N−メチルピロリジン0.5ml中で、(R)−3−アミノメチル−1−N−tert−ブチルオキシカルボニル−ピロリジン170mg(1.04mmol)と共に225℃で25分間撹拌した。混合物をアセトニトリル/水で希釈し、クロマトグラフィー(RP−HPLC−MS)により精製した。対応する画分を凍結乾燥させた。
収率:40mg(0.086mmol=理論値の31%)
分析:HPLC−MS(方法D):R:1.07分、(M+H):420
【0172】
以下の化合物:実施例61、70、71、102〜104、111、112、128を、実施例10と同様にして得た。
【0173】
実施例62:
4−[7−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−[1,6]ナフチリジン−5−イルアミノ]−シクロヘキサノール
【0174】
【化45】

【0175】
6.6 50mg(0.11mmol)、cis−4−アミノシクロヘキサノール塩酸塩38mg(0.25mmol)及びジイソプロピルエチルアミン50μl(0.29mmol)を、N−メチルピロリドン0.5ml中で80℃にて6時間撹拌した。
混合物をクロマトグラフィー(RP−HPLC−MS)により精製した。対応する画分を凍結乾燥させた。
収率:35mg(0.07mmol=理論値59%)
分析:HPLC−MS(方法D):R:1.24分、(M+H):405
【0176】
実施例11〜59、64、75、76、114、115、134〜139、141、143及び144を、実施例62と同様にして得た。
【0177】
実施例63:
モルホリン−2−イル−メチル−[7−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−[1,6]ナフチリジン−5−イル]−アミン
【0178】
【化46】

【0179】
6.6 70mg(0.16mmol)及び2−アミノメチル−4−tert−ブチルオキシカルボニル−モルホリン76mg(0.35mmol)を、N−メチルピロリドン0.5ml中で80℃にて2時間撹拌した。反応混合物をトリフルオロ酢酸1mlと合わせ、周囲温度で一晩撹拌した。混合物をクロマトグラフィー(RP−HPLC−MS)により精製した。対応する画分を凍結乾燥させた。
収率:65mg(0.13mmol=理論値79%)
分析:HPLC−MS(方法D):R:1.11分、(M+H):406
【0180】
以下の実施例:実施例67、68、77、78、86を、実施例63と同様にして調製した。
【0181】
実施例65:
4−[7−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−[1,6]ナフチリジン−5−イルオキシメチル]−ピロリジン−2−オン
【0182】
【化47】

【0183】
4−ヒドロキシメチルピロリジン−2−オン32.8mg(0.28mmol)をジメチルアセトアミド1mlに入れ、水素化ナトリウム11.5mg(0.29mmol)(60%)を加え、混合物を周囲温度で15分間撹拌した。次に6.6 50mg(0.11mmol)を加え、混合物を70℃で2時間撹拌した。反応混合物をクロマトグラフィー(RP−HPLC−MS)により精製した。対応する画分を凍結乾燥させた。
収率:15mg(0.03mmol=理論値25%)
分析:HPLC−MS(方法D):R:1.18分、(M+H):405
【0184】
実施例66:
(S)−4−(2−メチル−4−(5−(ピペリジン−3−イルメトキシ)−[1,6]ナフチリジン−7−イル)フェニル)モルホリン
【0185】
【化48】

【0186】
(S)−1−tert−ブチルオキシカルボニル−3−(ヒドロキシメチル)−ピペリジン111mg(0.52mmol)及び水素化ナトリウム21mg(0.52mmol)(60%)を、ジメチルアセトアミド0.5mlに入れ、周囲温度で15分間撹拌した。次に6.2 70mg(0.22mmol)を加え、混合物を70℃で2時間撹拌した。トリフルオロ酢酸0.5mlを加え、混合物を40℃で4時間撹拌し、25℃で一晩撹拌した。
反応混合物をクロマトグラフィー(RP−HPLC−MS)により精製した。対応する画分を凍結乾燥させた。
収率:70mg(0.13mmol=理論値64%)
分析:HPLC−MS(方法D):R:1.64分、(M+H):519
【0187】
以下の化合物:実施例69、81、110、145を、実施例66と同様にして得た。
【0188】
実施例79:5−エトキシ−7−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−[1,6]ナフチリジン
【0189】
【化49】

【0190】
6.1 100mg(0.31mmol)をN−メチル−ピロリドン0.5mlに入れ、次にナトリウムメトキシド100mg(1.44mmol)を加えた。反応混合物を50℃で1時間撹拌した。
混合物をクロマトグラフィー(RP−HPLC−MS)により精製して、対応する画分を凍結乾燥させた。
収率:72mg(0.22mmol=理論値70%)
分析:HPLC−MS(方法D):R:1.40分、(M+H):336
【0191】
実施例95を同様にして調製した。
【0192】
実施例82:
3−[7−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−[1,6]ナフチリジン−5−イル]−プロパ−2−イン−1−オール
【0193】
【化50】

【0194】
反応を、アルゴン雰囲気下、実施した。
6.6 250mg(0.57mmol)、プロパルギルアルコール95.7mg(1.71mmol)、ジイソプロピルエチルアミン300μl(1.75mmol)、トリフェニルホスフィンパラジウム(II)クロリド41mg(0.06mmol)及びヨウ化銅(I)5.5mg(0.03mmol)を、乾燥アセトニトリル2ml中で、80℃にて2時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタン/メタノールで希釈し、珪藻土で濾過し、濾液を蒸発させた。残留物をジクロロメタンに溶解し、アンモニア水及び飽和塩化ナトリウム溶液で抽出し、有機相を蒸発させ、クロマトグラフィーにより精製した。(シリカゲル、ジクロロメタン100〜ジクロロメタン/メタノール:95/5)。対応する画分蒸発させた。
収率:150mg(0.43mmol=理論値76%)
分析:HPLC−MS(方法D):R:1.26分、(M+H):346
【0195】
実施例84:
(R)−4−[7−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−[1,6]ナフチリジン−5−イルオキシメチル]−ピロリジン−2−オン
【0196】
【化51】

【0197】
(R,R)−4−[7−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−[1,6]ナフチリジン−5−イルオキシメチル]−1−(1−フェニル−エチル)−ピロリジン−2−オンを、実施例10と同様にして、反応物6.1を使用して、調製した。
(R,R)−4−[7−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−[1,6]ナフチリジン−5−イルオキシメチル]−1−(1−フェニル−エチル)−ピロリジン−2−オン30mg(0.06mmol)を、トリフルオロ酢酸1mlに溶解し、撹拌しながらマイクロ波で150℃にて45分間加熱した。混合物をクロマトグラフィー(RP−HPLC−MS)により精製し、対応する画分を凍結乾燥させた。
収率:20mg(0.05mmol=理論値84%)
分析:HPLC−MS(方法D):R:1.20分、(M+H):405
【0198】
実施例85を同様に調製した。
【0199】
実施例92:
1−エチル−3−(1−{7−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−[1,6]ナフチリジン−5−イル}−アゼチジン−3−イル)−ウレア
【0200】
【化52】

【0201】
1−{7−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−[1,6]ナフチリジン−5−イル}−アゼチジン−3−イル−アミンを、反応物6.5を反応温度110℃及び反応時間24時間で使用して、実施例63に従って調製した。
1−{7−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−[1,6]ナフチリジン−5−イル}−アゼチジン−3−イル−アミン 77.1mg(0.21mmol)を、乾燥ジクロロメタン2ml及び乾燥ジメチルホルムアミド0.5mlに入れ、次にジイソプロピルエチルアミン211μl(1.24mmol)を加えた。混合物を0℃に冷却し、ジクロロメタンに溶解したエチル イソシアナート14.6mg(0.21mmol)をゆっくりと滴下した。反応混合物を周囲温度で30分間撹拌し、次に蒸発させた。残留物を、クロマトグラフィー(RP−HPLC)により精製した。
収率:55mg(0.12mmol=理論値60%)
分析:HPLC−MS(方法L):R:1.51分、(M+H):446
【0202】
実施例93:
2−({7−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−[1,6]ナフチリジン−5−イルアミノ}−メチル)−ピロリジン−1−カルボン酸エチルアミド
【0203】
【化53】

【0204】
{7−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−[1,6]ナフチリジン−5−イル}−ピロリジン−2−イル−メチルアミンを、反応温度110℃及び反応時間24時間で反応物6.5を使用して、実施例62と同様にして調製した。
{7−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−[1,6]ナフチリジン−5−イル}−ピロリジン−2−イル−メチルアミン39mg(0.09mmol)を、乾燥ジクロロメタン2mlに入れ、次にジイソプロピルエチルアミン45μl(0.28mmol)を加えた。混合物を0℃に冷却し、ジクロロメタンに溶解したエチル イソシアナート8.2mg(0.12mmol)をゆっくりと滴下した。反応混合物を周囲温度で30分間撹拌し、次に蒸発させた。残留物を、クロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン:メタノール:アンモニア=9:1:0.1)により精製した。
収率:23mg(0.05mmol=理論値50%)
分析:HPLC−MS(方法F):R:1.59分、(M+H):474
【0205】
実施例98:
4−[7−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−[1,6]ナフチリジン−5−イル]−ピペラジン−1−カルボン酸アミド
【0206】
【化54】

【0207】
7−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−5−ピペラジン−1−イル−[1,6]ナフチリジンを、反応物6.1を使用して、実施例3と同様にして調製した。
7−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−5−ピペラジン−1−イル−[1,6]ナフチリジン63mg(0.17mmol)を、エタノール6mlに入れ、氷酢酸50μl(0.84mmol)を加え、次にシアン酸カリウム14.3mg(0.18mmol)を加えた。反応混合物を、撹拌しながら周囲温度で一晩放置し、次にメタノールで希釈した。それを、クロマトグラフィー(RP−HPLC、塩基性、%ACN 15−>60(10分で))により精製し、対応する画分を凍結乾燥させた。
収率:45mg(0.11mmol=理論値64%)
分析:HPLC−MS(方法I):R:1.53分、(M+H):419
【0208】
同様にして、実施例99及び105を得た。
【0209】
実施例107:
1−[7−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−[1,6]ナフチリジン−5−イル]−ピロリジン−3−カルボン酸アミド
【0210】
【化55】

【0211】
1−[7−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−[1,6]ナフチリジン−5−イル]−ピロリジン−3−カルボン酸を、反応物6.1を使用して、実施例3と同様にして得た。
1−[7−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−[1,6]ナフチリジン−5−イル]−ピロリジン−3−カルボン酸40mg(0.10mmol)、2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム−テトラフルオロボラート38mg(0.12mmol)、トリエチルアミン41μl(0.30mmol)及び濃アンモニア100μlをジメチルホルムアミド200μl中で周囲温度にて一晩撹拌した。溶液をクロマトグラフィー(RP−HPLC)により精製し、対応する画分を凍結乾燥させた。
収率:3mg(0.007mmol=理論値8%)
分析:HPLC−MS(方法I):R:1.53分、(M+H):404
【0212】
実施例113:
N−{4−[7−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−[1,6]ナフチリジン−5−イルアミノ]−シクロヘキシル}−アセトアミド
【0213】
【化56】

【0214】
N−[7−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−[1,6]ナフチリジン−5−イル]−シクロヘキサン−1,4−ジアミンを、反応物6.1を使用して、実施例3と同様にして得た。
N−[7−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−[1,6]ナフチリジン−5−イル]−シクロヘキサン−1,4−ジアミン50mg(0.12mmol)をジクロロメタン0.5mlに入れ、次にジイソプロピルエチルアミン63μl(0.37mmol)及びアセチルクロリド7μl(0.09mmol)を加えた。反応混合物を周囲温度で一晩撹拌した。さらにアセチルクロリド5μl(0.07mmol)を加え、混合物を一晩撹拌した。
それを、クロマトグラフィー(RP−HPLC)により精製し、対応する画分を凍結乾燥させた。
収率:40mg(0.09mmol=理論値73%)
分析:HPLC−MS(方法G):R:1.54分、(M+H):446
【0215】
実施例132:
(4−(5−フェニル−1,6−ナフチリジン−7−イル)フェニル)モルホリン
【0216】
【化57】

【0217】
6.1 50mg(0.15mmol)を、THF0.5ml、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(I)5.6mg(0.08mmol)及びフェニルボロン酸31.4mg(0.26mmol)中で懸濁し、最後に水0.1mlに溶解したCsCO66.9mg(0.21mmol)を滴下し、混合物を、アルゴン下、100℃で20分間撹拌し、次に、それをメタノールで希釈し、生成物をHPLCにより精製した。
収率:38mg(0.10mmol=理論値67%)
分析:HPLC−MS(方法K):R:1.97分、(M+H):368
【0218】
実施例140:
(4−(5−エチル−[1,6]ナフチリジン−7−イル)フェニル)モルホリン
【0219】
【化58】

【0220】
6.1 50mg(0.1mmol)、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパンニッケル(II)クロリド0.1mgを、THF0.5mlに溶解し、0℃に冷却した。次に、エチルマグネシウムブロミド溶液0.465ml(0.4mmol)(THF中1N)を加え、混合物を0℃で1時間撹拌し、25℃で2時間撹拌した。次に、更に1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパンニッケル(II)クロリド0.1mg及びエチルマグネシウムブロミド溶液0.465ml(0.4mmol)(THF中1N)を加え、混合物を撹拌しながら5時間還流した。次に水を加え、混合物を蒸発させ、水、アセトニトリル及びトリフルオロ酢酸にもう一度溶解し、混合物を濾過し、生成物をHPLCにより精製した。
収率:5mg(理論値10%)赤色の固体
分析:HPLC−MS(方法D):R:1.26分、(M+H):320
【0221】
実施例142:
(4−(5−エチニル−[1,6]ナフチリジン−7−イル)フェニル)モルホリン
【0222】
【化59】

【0223】
6.1 70mg(0.22mmol)、トリメチルシリルアセチレン91μL(1mmol)、0.11ml(0.645mmol)、トリフェニルホスフィンパラジウム(II)クロリド15.5mg(0.022mmol)及びヨウ化銅(I)2.1mg(0.01mmol)を、アセトニトリル2mlに溶解し、混合物を80℃で1.5時間撹拌した。反応混合物をMeOH及びジクロロメタンで希釈し、珪藻土で濾過し、蒸発させた。残留物をジクロロメタンで溶解し、続いてアンモニア33%及び飽和NaCl溶液で洗浄し、有機相を蒸発させた。
収率:褐色の固体100mg
分析:HPLC−MS(方法D):R:1.77分、(M+H):388
【0224】
前記で得た褐色の固体100mgをTHF 2mlに溶解し、フッ化テトラブチルアンモニウム溶液0.234ml(0.23mmol)(THF中1N)と合わせ、25℃で1時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタンで希釈し、有機相を水で洗浄し、蒸発させ、生成物をHPLCにより精製した。
収率:黄色の固体10mg(0.032=理論値15%)
分析:HPLC−MS(方法D):R:1.39分、(M+H):316
【0225】
4.5 クロマトグラフ法(HPLC−MS法)
前記の合成スキームに従って調製した実施例の化合物は、下記のクロマトグラフ法(それらは、実施されている場合、表5に個々に記載されている)により特徴付けられた。
【0226】
方法A
Waters ZMD、Alliance 2690/2695 HPLC、Waters 2700 Autosampler、Waters 996/2996ダイオードアレイ検出器
使用された移動相は:
A:0.10% TFAを有する水
B:0.10% TFAを有するアセトニトリル
であった。
時間(分) %A %B 流速(ml/min)
0.0 95 5 1.00
0.1 95 5 1.00
3.1 2 98 1.00
4.5 2 98 1.00
5.0 95 5 1.00
【0227】
使用した固定相は、XTerra(登録商標)カラム、MS C18 2.5μm、4.6mm×30mm(カラム温度:常時25℃)であった。
ダイオードアレイ検出を、波長範囲210〜400nmで行った。
【0228】
方法B
Waters ZQ2000、Alliance 2795+2996 HPLC、Waters 2700 Autosampler
使用した移動相は:
A:0.10% TFAを有する水
B:0.10% TFAを有するアセトニトリル
であった。
時間(分) %A %B 流速(ml/min)
0.0 95 5 1.5
2.0 0 100 1.5
3.0 0 100 1.5
3.4 95 5 1.5
【0229】
使用した固定相は、X−Terra カラム MS C18 4.6×50mm、3.5μm(カラム温度:常時40℃)であった。
ダイオードアレイ検出を、波長範囲210〜500nmで行った。
【0230】
方法C
Waters ZMD、Alliance 2690/2695 HPLC、Waters 2700 Autosampler、Waters 996/2996ダイオードアレイ検出器
使用した移動相は:
A:0.10% TFAを有する水
B:0.10% TFAを有するアセトニトリル
であった。
時間(分) %A %B 流速(ml/min)
0.00 95 5 2.50
0.20 95 5 2.50
1.50 2 98 2.50
1.70 2 98 2.50
1.90 95 5 2.50
2.20 95 5 2.50
【0231】
使用した固定相は、Merck Chromolith(登録商標)フラッシュ RP−18e カラム、4.6mm×25mm(カラム温度:常時25℃)であった。
ダイオードアレイ検出を波長範囲210〜400nmで行った。
【0232】
方法D
Waters ZMD、Alliance 2690/2695 HPLC、Waters 996/2996ダイオードアレイ検出器
使用した移動相は:
A:0.10% TFAを有する水
B:0.10% TFAを有するアセトニトリル
であった。
時間(分) %A %B 流速(ml/min)
0.00 95 5 2.80
0.30 95 5 2.80
1.60 2 98 2.80
1.90 2 98 2.80
2.00 95 5 2.50
【0233】
使用した固定相は、Merck Chromolith(登録商標)フラッシュ RP−18e カラム、3mm×100mm(カラム温度:常時25℃)であった。
ダイオードアレイ検出を、波長範囲210〜400nmで行った。
【0234】
方法E
Waters ZQ2000、HP1100 HPLC、Gilson 215 Autosampler
使用した移動相は:
A:0.10% TFAを有する水
B:0.10% TFAを有するアセトニトリル
であった。
時間(分) %A %B 流速(ml/min)
0.0 95 5 1.5
2.0 0 100 1.5
2.5 0 100 1.5
2.6 95 5 1.5
【0235】
使用した固定相は、Sunfire カラム C18 4.6×50mm、3.5μm
(カラム温度:常時40℃)であった。
ダイオードアレイ検出を、波長範囲210〜500nmで行った。
【0236】
方法F
Agilent 1100 Series LC/MSD SL、DAD:G1315B;MS:G1946D
使用した移動相は:
A:0.2% ギ酸を有する水
B:0.2% ギ酸を有するアセトニトリル
であった。
時間(分) %A %B 流速(ml/min)
0.0 95 5 1.5
0.5 95 5 1.5
4.0 5 95 1.5
6.0 5 95 1.5
【0237】
使用した固定相は、Agilent Zorbax カラム SB−C8、2.1×50mm、3.5μm(カラム温度:常時35℃)であった。
ダイオードアレイ検出を波長範囲190〜450nmで行った。
【0238】
方法G
Agilent 1100 Series LC/MSD SL、DAD:G1315B;MS:G1946D
使用した移動相は:
A:0.2% ギ酸を有する水
B:0.2% ギ酸を有するアセトニトリル
であった。
時間(分) %A %B 流速(ml/min)
0.01 95 5 1.2
1.50 5 95 1.2
1.51 0 100 1.2
2.0 0 100 1.2
2.01 95 5 1.2
停止時間:3.01分
【0239】
使用した固定相は、Agilent Zorbax カラム SB−C8、2.1×50mm、3.5μm
(カラム温度:常時35℃)であった。
ダイオードアレイ検出を波長範囲190〜450nmで行った。
【0240】
方法H
Agilent 1100 Series LC/MSD SL、DAD:G1315B;MS:G1946D
使用した移動相は:
A:20mM NHを有する5mM NHHCO−緩衝水溶液
B:アセトニトリル
であった。
時間(分) %A %B 流速(ml/min)
0.01 95 5 1.2
1.25 5 95 1.2
2.0 5 95 1.2
2.01 95 5 1.2
停止時間:3.01分
【0241】
使用した固定相は、Waters X-Bridge カラム C18、2.1×50mm、3.5μm(カラム温度:常時35℃)であった。
ダイオードアレイ検出を波長範囲190〜450nmで行った。
【0242】
方法I
Agilent 1100 Series LC/MSD SL、DAD:G1315B;MS:G1946D
使用した移動相は:
A:20mM NHを有する5mM NHHCO−緩衝水溶液
B:アセトニトリル
であった。
時間(分) %A %B 流速(ml/min)
0.01 95 5 1.2
1.25 5 95 1.2
2.0 5 95 1.2
2.01 95 5 1.2
停止時間:3.01分
【0243】
使用した固定相は、Waters X-Bridge カラム C18、2.1×50mm、3.5μm(カラム温度:常時35℃)であった。
ダイオードアレイ検出を波長範囲190〜450nmで行った。
【0244】
方法K
Agilent 1100 Series LC/MSD SL、DAD:G1315B;MS:G1946D
使用した移動相は:
A:0.2% ギ酸を有する水
B:0.2% ギ酸を有するアセトニトリル
であった。
時間(分) %A %B 流速(ml/min)
0.01 95 5 1.2
1.50 5 95 1.2
1.51 0 100 1.2
2.0 0 100 1.2
2.1 95 5 1.2
停止時間:3.0分
【0245】
使用した固定相は、Agilent Zorbax カラム SB−C8、2.1×50mm、3.5μm(カラム温度:常時35℃)であった。
ダイオードアレイ検出を波長範囲190〜450nmで行った。
【0246】
方法L
Agilent 1100 Series LC/MSD SL、DAD:G1315B;MS:G1946D
使用した移動相は:
A:0.2% ギ酸を有する水
B:0.2% ギ酸を有するアセトニトリル
であった。
時間(分) %A %B 流速(ml/min)
0.0 95 5 1.5
0.25 95 5 1.5
2.0 5 95 1.5
3.0 5 95 1.5
【0247】
使用した固定相は、Agilent Zorbax カラム SB−C8、2.1×50mm、3.5μm(カラム温度:常時35℃)であった。
ダイオードアレイ検出を波長範囲190〜450nmで行った。
【0248】
方法M
Waters ZQ2000、HP1100 HPLC、Gilson 215 Autosampler、Waters 996/2996ダイオードアレイ検出器
使用した移動相は:
A:0.10% TFAを有する水
B:0.10% TFAを有するアセトニトリル
であった。
時間(分) %A %B 流速(ml/min)
0.0 95 5 1.50
2.0 0 100 1.50
2.5 0 100 1.50
2.6 95 5 1.50
【0249】
使用した固定相は、Sunfire カラム C18 3.5μm、4.6mm×50mm(カラム温度:常時40℃)であった。
ダイオードアレイ検出を波長範囲210〜500nmで行った。
【0250】
5. 例
以下の例(表4に示す)を、上記合成方法と同様に調製した。これらの化合物は、SYK阻害剤として適切であり、1μmol以下のIC50値を有する。個別の実例物質1μMでの阻害(%)を以下の例の表に示すが、それらは以下のように決定した。
【0251】
Sykキナーゼ試験
リコンビナントヒトSykをN−末端GSTタグを有する融合蛋白質として発現させ、親和性精製し、使用する必要になるまで試験緩衝液(25mM HEPES pH7.5;25mM MgCl;5mM MnCl;50mM KCl;0.2% BSA;0.01% CHAPS;100μM NaVO;0.5mM DTT)及び10%グリセロール中に約50〜100μMの濃度で−80℃に急速凍結した。
【0252】
Messrs PromegaのKinase Glo(登録商標)発光キナーゼ試験を使用してGST−Sykキナーゼ融合タンパク質の触媒活性を決定した。この均一試験では、キナーゼ反応が起こった後に残るATPの量を、発光を利用したルシフェリン−ルシフェラーゼ反応により定量する。得られた発光シグナルは、まだ存在するATPの量と相関することから、プロテインキナーゼの活性と逆相関する。
【0253】
方法
被験物質を濃度10mMで100% DMSOに溶解させ、DMSOで希釈して濃度1mMとした。濃度が最終試験濃度の7.5倍超に達するまで、さらなる物質の希釈は、全て試験緩衝液中に7.5%のDMSO濃度で実施した(物質の最終濃度:通常の場合30μM〜1nM)。これらの希釈物の2μlアリコートを384ウェルOptiplate(Perkin Elmer、番号6007290)に移した。GST−Sykを試験緩衝液で6.0nMに希釈し、この希釈液の10μlをキナーゼ試験に使用した(総容量15μl中のSykの終濃度=4nM)。周囲温度で15分間インキュベーションした後で、試験緩衝液中の750nM ATP及び100μg/ml ポリ(L−グルタミン酸L−チロシン4:1)、Fluka番号81357)の混合物3μlを各ウェルに添加し、次にインキュベーションを周囲温度でさらに60分間継続した。陽性対照は、被験物質を含有しない反応混合物であり、陰性対照は、キナーゼを含有しない反応混合物である。60分後に、10μlのKinase-Glo(登録商標)溶液(Promega、カタログ番号V6712)(周囲温度に加温)を各ウェルに添加し、インキュベーションを周囲温度でさらに15分間継続する。次に、Microplate Scintillation and Luminescence Counter(PerkinElmer/Wallac: MicroBeta TRILUX 1450 LSC & Luminescence Counter)でプレートを読み取る。
【0254】
データの評価及び計算:
「MicroBeta TRILUX」の出力ファイルは、ウェル番号及び得られた測定値を有するテキストファイルである。評価のために、陰性対照の測定値を100%阻害に設定し、陽性対照の測定値を0%阻害に設定した。次に、「MS-Excel - VBマクロ」を使用して、これから各物質濃度の測定値についての%固有値を計算した。通常、計算された%阻害値は、100%〜0%阻害であるが、個別の場合では、値がこれらの限度を超えることもありうる。IC50値は、「GraphPadPrism」ソフトウェア(バージョン5)(GraphPad Software Inc.)を使用して%阻害値から計算した。
【0255】
表4:式の例
上記合成方法により、以下の特性を有する以下の式
【0256】
【化60】


で示される例を調製した[Xは、基Rが式で示される構造と結合する点を意味し、Xは、基Rが式で示される構造と結合する点を意味する]。
【0257】
【表4】





























【0258】
6. 適用
明らかになったように、式で示される化合物は、治療分野におけるその用途の範囲を特徴とする。本発明による式で示される化合物が、好ましくは、SYK阻害剤としてその薬学的活性に基づき使用される用途を、特に挙げるべきであろう。例には、呼吸器の病訴、アレルギー疾患、骨粗鬆症、胃腸疾患又は病訴、免疫性又は自己免疫性疾患、アレルギー疾患、炎症性疾患、例えば関節、皮膚及び眼の炎症性疾患、並びに末梢又は中枢神経系の疾患が含まれる。
【0259】
気道の粘液生成増加、炎症及び/又は閉塞疾患を合併する呼吸器及び肺疾患の予防及び治療を特に挙げるべきである。これらの例には、喘息、小児喘息、ARDS(成人呼吸促迫症候群)、急性、アレルギー性又は慢性気管支炎、慢性閉塞性気管支炎(COPD)(ライノウイルス誘導性増悪の処置を含む)、咳、アレルギー性鼻炎又は副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎結膜炎、慢性鼻炎又は副鼻腔炎、肺胞炎、農夫肺、過反応性気道、感染性気管支炎又は肺臓炎、気管支拡張症、肺線維症、気管支水腫、肺水腫、誤嚥、有毒ガスの吸入又は気管支炎などの様々な原因によりトリガーされる肺炎又は間質性肺炎、心不全、放射線照射、化学療法、嚢胞性線維症又は嚢胞性膵臓線維症、α1アンチトリプシン欠損症によりトリガーされる肺炎又は間質性肺炎が含まれる。
【0260】
本発明による化合物は、好ましくは、例えばアレルギー性鼻炎、アレルギー性鼻炎結膜炎、アレルギー性結膜炎、及び接触皮膚炎、蕁麻疹/血管性浮腫及びアレルギー性皮膚炎などのアレルギー疾患の処置にも適する。
【0261】
好ましくは、消化管の炎症性疾患の処置も挙げるべきである。これらの例は、クローン病及び潰瘍性大腸炎である。
【0262】
本発明による化合物は、好ましくは、関節の炎症性疾患又は皮膚及び眼の炎症性疾患の処置にも適する。これらの例は、関節リウマチ、抗体性糸球体腎炎、乾癬、川崎症候群、セリアック病(スプルー)及びウェゲナー肉芽腫症である。
【0263】
本発明による化合物は、好ましくは、自己免疫性疾患の処置にも適する。これらの例は、肝炎(自己免疫性)、エリテマトーデス、抗リン脂質症候群、ベルジェ病、エバンス症候群、免疫性溶血性貧血、ITP(特発性血小板減少性紫斑病;成人、新生児及び小児)、重症筋無力症、シェーグレン症候群及び強皮症である。
【0264】
本発明による化合物は、好ましくは、B細胞リンパ腫の処置にも適する。
【0265】
好ましくは、末梢又は中枢神経系の疾患の予防及び治療も挙げることができる。これらの例は、急性及び慢性多発性硬化症又は非家族性側索硬化症である。
【0266】
好ましくは、例えば疾患関連骨減少症、骨粗鬆症及び骨溶解性疾患などの骨粗鬆症性疾患の予防及び治療も挙げることができる。
【0267】
本発明は、特に好ましくは、喘息、COPD、アレルギー性鼻炎、成人呼吸促迫症候群、気管支炎、アレルギー性皮膚炎、接触皮膚炎、ITP、関節リウマチ及びアレルギー性鼻炎結膜炎より選択される疾患の処置のための医薬組成物を調製するための、式で示される化合物の使用に関する。
【0268】
最も好ましくは、式で示される化合物は、喘息、アレルギー性鼻炎、関節リウマチ、アレルギー性皮膚炎及びCOPDより選択される疾患を処置するために使用することができる。
【0269】
7. 組合せ
で示される化合物は、単独又は本発明による式で示される他の活性物質と共に使用することができる。式で示される化合物は、場合により、他の薬理学的活性物質と共に使用してもよい。好ましくは、ここに使用される活性物質は、例えば、β模倣体、抗コリン薬、コルチコステロイド、PDE4阻害剤、LTD4拮抗薬、EGFR阻害剤、MRP4阻害剤、ドーパミン作動薬、H1抗ヒスタミン薬、PAF拮抗薬、iNos阻害剤、PI3キナーゼ−阻害剤、CCR3拮抗薬、CCR2拮抗薬、CCR1拮抗薬、IKK2阻害剤、A2a作動薬、α−4インテグリン阻害剤、CRTH2拮抗薬、ヒスタミン1、H1/H3拮抗薬合剤、p38キナーゼ阻害剤、メチルキサンチン、ENaC阻害剤、CXCR1拮抗薬、CXCR2拮抗薬、ICE阻害剤、LTB4拮抗薬、5−LO拮抗薬、FLAP拮抗薬より選択することができる。LTB4拮抗薬;クロモグリシン(cromoglycine)、解離グルココルチコイド模倣体、抗TNF抗体、抗GM−CSF抗体、抗CD46抗体、抗IL−1抗体、抗IL−2抗体、抗IL−4抗体、抗IL−5抗体、抗IL−13抗体、抗IL−4/IL−13抗体、又はその二つ若しくは三つの組合せ、例えば式で示される化合物と、
・ β模倣体、コルチコステロイド、式で示されるSYK阻害剤、EGFR阻害剤及びPDE4拮抗薬、
・ 抗コリン薬、β模倣体、コルチコステロイド、式で示されるSYK阻害剤、EGFR阻害剤及びPDE4拮抗薬、
・ PDE4阻害剤、コルチコステロイド、EGFR阻害剤及び式で示されるSYK阻害剤、
・ EGFR阻害剤、PDE4阻害剤及び式で示されるSYK阻害剤、
・ EGFR阻害剤及び式で示されるSYK阻害剤、
・ 式で示されるSYK阻害剤、β模倣体及び抗コリン薬、
・ 抗コリン薬、β模倣体、コルチコステロイド、PDE4阻害剤及び式で示されるSYK阻害剤
より選択される一つ又は二つの化合物との組合せより選択することができる。
【0270】
上記化合物分類の一つからそれぞれ採用した三つの活性物質の組合せもまた、本発明の目的である。
【0271】
使用される適切なβ模倣体は、好ましくは、アルブテロール、バンブテロール、ビトルテロール、ブロキサテロール、カルブテロール、カルモテロール、インダカテロール、クレンブテロール、フェノテロール、ホルモテロール、アルホルモテロール、ジンテロール、ヘキソプレナリン、イブテロール、イソエタリン、イソプレナリン、レボサルブタモール、マブテロール、メルアドリン、メタプロテレノール、オルシプレナリン、ピルブテロール、プロカテロール、レプロテロール、リミテロール、リトドリン、サルメテロール、サルメファモール、ソテレノール、スルホンテロール、チアラミド、テルブタリン、トルブテロール(tolubuterol)、CHF−1035、HOKU−81、KUL−1248、3−(4−{6−[2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−フェニル)−エチルアミノ]−ヘキシルオキシ}−ブチル)−ベンジル−スルホンアミド、5−[2−(5,6−ジエチル−インダン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシ−エチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン、4−ヒドロキシ−7−[2−{[2−{[3−(2−フェニルエトキシ)プロピル]スルホニル}エチル]−アミノ}エチル]−2(3H)−ベンゾチアゾロン、1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−2−[4−(1−ベンゾイミダゾリル)−2−メチル−2−ブチルアミノ]エタノール、1−[3−(4−メトキシベンジル−アミノ)−4−ヒドロキシフェニル]−2−[4−(1−ベンゾイミダゾリル)−2−メチル−2−ブチルアミノ]エタノール、1−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−1,4−ベンゾオキサジン−8−イル]−2−[3−(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)−2−メチル−2−プロピルアミノ]エタノール、1−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−1,4−ベンゾオキサジン−8−イル]−2−[3−(4−メトキシフェニル)−2−メチル−2−プロピルアミノ]エタノール、1−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−1,4−ベンゾオキサジン−8−イル]−2−[3−(4−n−ブチルオキシフェニル)−2−メチル−2−プロピルアミノ]エタノール、1−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−1,4−ベンゾオキサジン−8−イル]−2−{4−[3−(4−メトキシフェニル)−1,2,4−トリアゾール−3−イル]−2−メチル−2−ブチルアミノ}エタノール、5−ヒドロキシ−8−(1−ヒドロキシ−2−イソプロピルアミノブチル)−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3−(4H)−オン、1−(4−アミノ−3−クロロ−5−トリフルオロメチルフェニル)−2−tert−ブチルアミノ)エタノール、6−ヒドロキシ−8−{1−ヒドロキシ−2−[2−(4−メトキシ−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−エチル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、6−ヒドロキシ−8−{1−ヒドロキシ−2−[2−(エチル4−フェノキシ−アセテート)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−エチル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、6−ヒドロキシ−8−{1−ヒドロキシ−2−[2−(4−フェノキシ−酢酸)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−エチル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、8−{2−[1,1−ジメチル−2−(2,4,6−トリメチルフェニル)−エチルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−6−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、6−ヒドロキシ−8−{1−ヒドロキシ−2−[2−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−エチル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、6−ヒドロキシ−8−{1−ヒドロキシ−2−[2−(4−イソプロピル−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−エチル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、8−{2−[2−(4−エチル−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−6−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、8−{2−[2−(4−エトキシ−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−6−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、4−(4−{2−[2−ヒドロキシ−2−(6−ヒドロキシ−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−8−イル)−エチルアミノ]−2−メチル−プロピル}−フェノキシ)−酪酸、8−{2−[2−(3,4−ジフルオロ−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−6−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン及び1−(4−エトキシ−カルボニルアミノ−3−シアノ−5−フルオロフェニル)−2−(tert−ブチルアミノ)エタノールより選択される化合物(場合によりそのラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマーの形態、及び場合により薬理学的に許容される酸付加塩、溶媒和物又は水和物の形態のもの)である。
【0272】
これらのβ模倣体のうち、本発明による特に好ましいものは、ホルモテロール、サルメテロール、3−(4−{6−[2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−フェニル)−エチルアミノ]−ヘキシルオキシ}−ブチル)−ベンゼンスルホンアミド、6−ヒドロキシ−8−{1−ヒドロキシ−2−[2−(4−メトキシ−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−エチル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、6−ヒドロキシ−8−{1−ヒドロキシ−2−[2−(エチル4−フェノキシ−アセテート)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−エチル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、6−ヒドロキシ−8−{1−ヒドロキシ−2−[2−(4−フェノキシ−酢酸)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−エチル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、8−{2−[1,1−ジメチル−2−(2,4,6−トリメチルフェニル)−エチルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−6−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、6−ヒドロキシ−8−{1−ヒドロキシ−2−[2−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−エチル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、6−ヒドロキシ−8−{1−ヒドロキシ−2−[2−(4−イソプロピル−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−エチル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、8−{2−[2−(4−エチル−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−6−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、8−{2−[2−(4−エトキシ−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−6−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、4−(4−{2−[2−ヒドロキシ−2−(6−ヒドロキシ−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−8−イル)−エチルアミノ]−2−メチル−プロピル}−フェノキシ)−酪酸、8−{2−[2−(3,4−ジフルオロ−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−6−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン及び5−[2−(5,6−ジエチル−インダン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシ−エチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン(場合によりそのラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマーの形態、及び場合により薬理学的に許容される酸付加塩、溶媒和物又は水和物の形態のもの)である。
【0273】
本発明によると、β模倣体の酸付加塩は、好ましくは、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、ヒドロスルフェート、ヒドロホスフェート、ヒドロメタンスルホネート、ヒドロニトレート、ヒドロマレエート、ヒドロアセテート、ヒドロシトレート、ヒドロフマレート、ヒドロタルトレート、ヒドロオキサレート、ヒドロスクシネート、ヒドロベンゾエート及びヒドロ−p−トルエンスルホネート、好ましくは塩酸塩、臭化水素酸塩、ヒドロスルフェート、ヒドロホスフェート、ヒドロフマレート及びヒドロメタンスルホネートより選択される。上記酸付加塩のうち、塩酸、メタンスルホン酸、安息香酸及び酢酸の塩が、本発明により特に好ましい。
【0274】
使用される抗コリン薬は、好ましくは、チオトロピウム塩、オキシトロピウム塩、フルトロピウム塩、イプラトロピウム塩、グリコピロニウム塩、臭化アクリジニウム、トロスピウム塩、トロペノール2,2−ジフェニルプロピオネートメトブロミド、スコピン2,2−ジフェニルプロピオネートメトブロミド、スコピン2−フルオロ−2,2−ジフェニルアセテートメトブロミド、トロペノール2−フルオロ−2,2−ジフェニルアセテートメトブロミド、トロペノール3,3’,4,4’−テトラフルオロベンジレートメトブロミド、スコピン3,3’,4,4’−テトラフルオロベンジレートメトブロミド、トロペノール4,4’−ジフルオロベンジレートメトブロミド、スコピン4,4’−ジフルオロベンジレートメトブロミド、トロペノール3,3’−ジフルオロベンジレートメトブロミド、スコピン3,3’−ジフルオロベンジレートメトブロミド、トロペノール9−ヒドロキシ−フルオレン−9−カルボキシレート−メトブロミド、トロペノール9−フルオロ−フルオレン−9−カルボキシレート−メトブロミド、スコピン9−ヒドロキシ−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド、スコピン9−フルオロ−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド、トロペノール9−メチル−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド、スコピン9−メチル−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド、シクロプロピルトロピンベンジレートメトブロミド、シクロプロピルトロピン2,2−ジフェニルプロピオネートメトブロミド、シクロプロピルトロピン9−ヒドロキシ−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド、シクロプロピルトロピン9−メチル−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド、シクロプロピルトロピン9−メチル−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド、シクロプロピルトロピン9−ヒドロキシ−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド、メチルシクロプロピルトロピン4,4’−ジフルオロベンジレートメトブロミド、トロペノール9−ヒドロキシ−キサンテン−9−カルボキシレート−メトブロミド、スコピン9−ヒドロキシ−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド、トロペノール9−メチル−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド、スコピン9−メチル−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド、トロペノール9−エチル−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド、トロペノール9−ジフルオロメチル−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド、スコピン9−ヒドロキシメチル−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミドより選択される化合物(場合によりその溶媒和物又は水和物の形態のもの)である。
【0275】
上記塩の中で、陽イオンチオトロピウム、オキシトロピウム、フルトロピウム、イプラトロピウム、グリコピロニウム、アクリジニウム(aclidinium)及びトロスピウムは、薬理学的活性成分である。上記塩は、陰イオンとして好ましくは塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、硝酸、マレイン酸、酢酸、クエン酸、フマル酸、酒石酸、シュウ酸、コハク酸、安息香酸又はp−トルエンスルホン酸イオンを有し、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸、メタンスルホン酸又はp−トルエンスルホン酸イオンが対イオンとして好ましい。全ての塩のうち、塩化物、臭化物、ヨウ化物及びメタンスルホン酸塩が特に好ましい。
【0276】
特に重要なのは臭化チオトロピウムである。臭化チオトロピウムの場合、本発明による薬学的組合せは、好ましくは、国際公開公報第02/30928号から公知の結晶性臭化チオトロピウム一水和物の形態でそれを含有する。本発明による薬学的組合せに臭化チオトロピウムが無水形態で使用される場合に、国際公開公報第03/000265号から公知の無水結晶性臭化チオトロピウムを使用することが好ましい。
【0277】
ここで使用されるコルチコステロイドは、好ましくは、プレドニゾロン、プレドニゾン、ブチキソコルト(butixocort)プロピオネート、フルニソリド、ベクロメタゾン、トリアムシノロン、ブデソニド、フルチカゾン、モメタゾン、シクレソニド、ロフレポニド(rofleponide)、デキサメタゾン、ベタメタゾン、デフラザコート、RPR−106541、NS−126、(S)−フルオロメチル6,9−ジフルオロ−17−[(2−フラニルカルボニル)オキシ]−11−ヒドロキシ−16−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17−カルボチオネート及び(S)−(2−オキソ−テトラヒドロ−フラン−3S−イル)6,9−ジフルオロ−11−ヒドロキシ−16−メチル−3−オキソ−17−プロピオニルオキシ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17−カルボチオネートより選択される化合物(場合によりそのラセミ体、鏡像異性体又はジアステレオマーの形態及び場合によりその塩及び誘導体、溶媒和物及び/又は水和物の形態のもの)である。
【0278】
特に好ましくは、ステロイドは、ブデソニド、フルチカゾン、モメタゾン、シクレソニド及び(S)−フルオロメチル6,9−ジフルオロ−17−[(2−フラニルカルボニル)オキシ]−11−ヒドロキシ−16−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17−カルボチオネート(場合によりそのラセミ体、鏡像異性体又はジアステレオマーの形態及び場合によりその塩及び誘導体、溶媒和物及び/又は水和物の形態のもの)より選択される。
【0279】
ステロイドの任意の参照には、存在しうるその任意の塩又は誘導体、水和物又は溶媒和物への参照が含まれる。ステロイドの可能な塩及び誘導体の例は、例えばそのナトリウム塩又はカリウム塩などのアルカリ金属塩、スルホ安息香酸塩、リン酸塩、イソニコチン酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、リン酸二水素塩、パルミチン酸塩、ピバル酸塩又はフロ酸塩でありうる。
【0280】
使用することのできるPDE4阻害剤は、好ましくは、エンプロフィリン、テオフィリン、ロフルミラスト、アリフロ(シロミラスト)、トフィミラスト、プマフェントリン、リリミラスト、アロフィリン(arofyllin)、アチゾラム、D−4396(Sch−351591)、AWD−12−281(GW−842470)、NCS−613、CDP−840、D−4418、PD−168787、T−440、T−2585、V−11294A、Cl−1018、CDC−801、CDC−3052、D−22888、YM−58997、Z−15370、N−(3,5−ジクロロ−1−オキソ−ピリジン−4−イル)−4−ジフルオロメトキシ−3−シクロプロピルメトキシベンズアミド、(−)p−[(4aR.10bS)−9−エトキシ−1,2,3,4,4a,10b−ヘキサヒドロ−8−メトキシ−2−メチルベンゾ[s][1.6]ナフチリジン−6−イル]−N,N−ジイソプロピルベンズアミド、(R)−(+)−1−(4−ブロモベンジル)−4−[(3−シクロペンチルオキシ)−4−メトキシフェニル]−2−ピロリドン、3−(シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)−1−(4−N’−[N−2−シアノ−S−メチル−イソチオウレイド]ベンジル)−2−ピロリドン、シス[4−シアノ−4−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)シクロヘキサン−1−カルボン酸]、2−カルボメトキシ−4−シアノ−4−(3−シクロプロピルメトキシ−4−ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン−1−オン、シス[4−シアノ−4−(3−シクロプロピルメトキシ−4−ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン−1−オール]、(R)−(+)−エチル[4−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)ピロリジン−2−イリデン]アセテート、(S)−(−)−エチル[4−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)ピロリジン−2−イリデン]アセテート、9−シクロペンチル−5,6−ジヒドロ−7−エチル−3−(2−チエニル)−9H−ピラゾロ[3,4−c]−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジン及び9−シクロペンチル−5,6−ジヒドロ−7−エチル−3−(tert−ブチル)−9H−ピラゾロ[3,4−c]−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジンより選択される化合物(場合によりそのラセミ体、鏡像異性体又はジアステレオマーの形態及び場合により薬理学的に許容される酸付加塩、溶媒和物及び/又は水和物の形態のもの)である。
【0281】
特に好ましくは、PDE4阻害剤は、ロフルミラスト、アリフロ(シロミラスト)、アロフィリン、AWD−12−281(GW−842470)、2−カルボメトキシ−4−シアノ−4−(3−シクロプロピルメトキシ−4−ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン−1−オン、シス[4−シアノ−4−(3−シクロプロピルメトキシ−4−ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン−1−オール]、アチゾラム、Z−15370、9−シクロペンチル−5,6−ジヒドロ−7−エチル−3−(2−チエニル)−9H−ピラゾロ[3,4−c]−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジン及び9−シクロペンチル−5,6−ジヒドロ−7−エチル−3−(tert−ブチル)−9H−ピラゾロ[3,4−c]−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジン(場合によりそのラセミ体、鏡像異性体又はジアステレオマーの形態及び場合により薬理学的に許容される酸付加塩、溶媒和物及び/又は水和物の形態のもの)より選択される。
【0282】
上記PDE4阻害剤が形成することのできる、薬理学的に許容される酸との酸付加塩は、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、ヒドロスルフェート、ヒドロホスフェート、ヒドロメタンスルホネート、ヒドロニトレート、ヒドロマレエート、ヒドロアセテート、ヒドロベンゾエート、ヒドロシトレート、ヒドロフマレート、ヒドロタルトレート、ヒドロオキサレート、ヒドロスクシネート、ヒドロベンゾエート及びヒドロ−p−トルエンスルホネート、好ましくは 塩酸塩、臭化水素酸塩、ヒドロスルフェート、ヒドロホスフェート、ヒドロフマレート及びヒドロメタンスルホネートより選択される塩を意味する。
【0283】
使用することのできるLTD4拮抗薬は、好ましくはモンテルカスト、プランルカスト、ザフィルルカスト、MCC−847(ZD−3523)、MN−001、MEN−91507(LM−1507)、VUF−5078、VUF−K−8707、L−733321、1−(((R)−(3−(2−(6,7−ジフルオロ−2−キノリニル)エテニル)フェニル)−3−(2−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)フェニル)チオ)メチルシクロプロパン−酢酸、1−(((1(R)−3(3−(2−(2,3−ジクロロチエノ[3,2−b]ピリジン−5−イル)−(E)−エテニル)フェニル)−3−(2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)フェニル)プロピル)チオ)メチル)シクロプロパン−酢酸及び[2−[[2−(4−tert−ブチル−2−チアゾリル)−5−ベンゾフラニル]オキシメチル]フェニル]酢酸より選択される化合物(場合によりそのラセミ体、鏡像異性体又はジアステレオマーの形態、場合により薬理学的に許容される酸付加塩の形態、並びに場合により塩及び誘導体、溶媒和物及び/又は水和物の形態のもの)である。
【0284】
特に好ましくは、LTD4−拮抗薬は、モンテルカスト、プランルカスト、ザフィルルカスト、MCC−847(ZD−3523)、MN−001及びMEN−91507(LM−1507)(場合によりそのラセミ体、鏡像異性体又はジアステレオマーの形態、場合により薬理学的に許容される酸付加塩の形態、並びに場合により塩及び誘導体、溶媒和物及び/又は水和物の形態のもの)より選択される。
【0285】
LTD4−拮抗薬が形成することのできうる、薬理学的に許容される酸との酸付加塩は、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、ヒドロスルフェート、ヒドロホスフェート、ヒドロメタンスルホネート、ヒドロニトレート、ヒドロマレエート、ヒドロアセテート、ヒドロベンゾエート、ヒドロシトレート、ヒドロフマレート、ヒドロタルトレート、ヒドロオキサレート、ヒドロスクシネート、ヒドロベンゾエート及びヒドロ−p−トルエンスルホネート、好ましくは塩酸塩、臭化水素酸塩、ヒドロスルフェート、ヒドロホスフェート、ヒドロフマレート及びヒドロメタンスルホネートより選択される塩を意味する。LTD4−拮抗薬が形成することのできうる塩又は誘導体は、例えばアルカリ金属塩、例えばナトリウム塩又はカリウム塩、アルカリ土類金属塩、スルホ安息香酸塩、リン酸塩、イソニコチン酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、リン酸二水素塩、パルミチン酸塩、ピバル酸塩又はフロ酸塩を意味する。
【0286】
使用されるEGFR阻害剤は、好ましくは4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(モルホリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジエチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−{[4−(モルホリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロペンチルオキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{[4−((R)−6−メチル−2−オキソ−モルホリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{[4−((R)−6−メチル−2−オキソ−モルホリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−[(S)−(テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ]−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{[4−((R)−2−メトキシメチル−6−オキソ−モルホリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[2−((S)−6−メチル−2−オキソ−モルホリン−4−イル)−エトキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−({4−[N−(2−メトキシ−エチル)−N−メチル−アミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロペンチルオキシ−キナゾリン、4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ビス−(2−メトキシ−エチル)−アミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−({4−[N−(2−メトキシ−エチル)−N−エチル−アミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−({4−[N−(2−メトキシ−エチル)−N−メチル−アミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−({4−[N−(テトラヒドロピラン−4−イル)−N−メチル−アミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−((R)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−((S)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−({4−[N−(2−メトキシ−エチル)−N−メチル−アミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロペンチルオキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N−シクロプロピル−N−メチル−アミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロペンチルオキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−[(R)−(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−[(S)−(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6,7−ビス−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−7−[3−(モルホリン−4−イル)−プロピルオキシ]−6−[(ビニルカルボニル)アミノ]−キナゾリン、4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−(4−ヒドロキシ−フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン、3−シアノ−4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−エトキシ−キノリン、4−{[3−クロロ−4−(3−フルオロ−ベンジルオキシ)−フェニル]アミノ}−6−(5−{[(2−メタンスルホニル−エチル)アミノ]メチル}−フラン−2−イル)キナゾリン、4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−{[4−((R)−6−メチル−2−オキソ−モルホリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(モルホリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−[(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−({4−[N,N−ビス−(2−メトキシ−エチル)−アミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−[(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−{[4−(5,5−ジメチル−2−オキソ−モルホリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[2−(2,2−ジメチル−6−オキソ−モルホリン−4−イル)−エトキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[2−(2,2−ジメチル−6−オキソ−モルホリン−4−イル)−エトキシ]−7−[(R)−(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−7−[2−(2,2−ジメチル−6−オキソ−モルホリン−4−イル)−エトキシ]−6−[(S)−(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{2−[4−(2−オキソ−モルホリン−4−イル)−ピペリジン−1−イル]−エトキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[1−(tert−ブチルオキシカルボニル)−ピペリジン−4−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−アミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−メタンスルホニルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−3−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−メチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(モルホリン−4−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(メトキシメチル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(ピペリジン−3−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[1−(2−アセチルアミノ−エチル)−ピペリジン−4−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−4−イルオキシ)−7−エトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−((S)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−7−ヒドロキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−4−イルオキシ)−7−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{トランス−4−[(ジメチルアミノ)スルホニルアミノ]−シクロヘキサン−1−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{トランス−4−[(モルホリン−4−イル)カルボニルアミノ]−シクロヘキサン−1−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{トランス−4−[(モルホリン−4−イル)スルホニルアミノ]−シクロヘキサン−1−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−4−イルオキシ)−7−(2−アセチルアミノ−エトキシ)−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−4−イルオキシ)−7−(2−メタンスルホニルアミノ−エトキシ)−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(ピペリジン−1−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−アミノカルボニルメチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−{N−[(テトラヒドロピラン−4−イル)カルボニル]−N−メチル−アミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−{N−[(モルホリン−4−イル)カルボニル]−N−メチル−アミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン;4−{2−[4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イルオキシ]−エチル}−6−メチル−モルホリン−2−オン、4−{4−[4−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イルオキシ]−シクロヘキシル}−1−メチル−ピペラジン−2−オン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−{N−[(モルホリン−4−イル)スルホニル]−N−メチル−アミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−エタンスルホニルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−メタンスルホニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−エトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−
(1−メタンスルホニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[1−(2−メトキシ−アセチル)−ピペリジン−4−イルオキシ]−7−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−アセチルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−[1−(tert−ブチルオキシカルボニル)−ピペリジン−4−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−4−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−{N−[(ピペリジン−1−イル)カルボニル]−N−メチル−アミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−{N−[(4−メチル−ピペラジン−1−イル)カルボニル]−N−メチル−アミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{シス−4−[(モルホリン−4−イル)カルボニルアミノ]−シクロヘキサン−1−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[2−(2−オキソピロリジン−1−イル)エチル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(モルホリン−4−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(1−アセチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(1−メチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(1−メタンスルホニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−メチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−イソプロピルオキシカルボニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−メチルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{シス−4−[N−(2−メトキシ−アセチル)−N−メチル−アミノ]−シクロヘキサン−1−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−[1−(2−メトキシ−アセチル)−ピペリジン−4−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−{1−[(モルホリン−4−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(シス−2,6−ジメチル−モルホリン−4−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(2−メチル−モルホリン−4−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(S,S)−(2−オキサ−5−アザ−ビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(N−メチル−N−2−メトキシエチル−アミノ)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−エチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(2−メトキシエチル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(3−メトキシプロピル−アミノ)−カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[シス−4−(N−メタンスルホニル−N−メチル−アミノ)−シクロヘキサン−1−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[シス−4−(N−アセチル−N−メチル−アミノ)−シクロヘキサン−1−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−メチルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[トランス−4−(N−メタンスルホニル−N−メチル−アミノ)−シクロヘキサン−1−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−ジメチルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−{N−[(モルホリン−4−イル)カルボニル]−N−メチル−アミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[2−(2,2−ジメチル−6−オキソ−モルホリン−4−イル)−エトキシ]−7−[(S)−(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−メタンスルホニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−シアノ−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、[4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{[4−(ホモモルホリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−[(S)−(テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ]−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−7−(2−{4−[(S)−(2−オキソ−テトラヒドロフラン−5−イル)カルボニル]−ピペラジン−1−イル}−エトキシ)−6−[(ビニルカルボニル)アミノ]−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−7−[2−((S)−6−メチル−2−オキソ−モルホリン−4−イル)−エトキシ]−6−[(ビニルカルボニル)アミノ]−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−7−[4−((R)−6−メチル−2−オキソ−モルホリン−4−イル)−ブチルオキシ]−6−[(ビニルカルボニル)アミノ]−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−7−[4−((S)−6−メチル−2−オキソ−モルホリン−4−イル)−ブチルオキシ]−6−[(ビニルカルボニル)アミノ]−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−7−(2−{4−[(S)−(2−オキソ−テトラヒドロフラン−5−イル)カルボニル]−ピペラジン−1−イル}−エトキシ)−6−[(ビニルカルボニル)アミノ]−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−7−[2−((S)−6−メチル−2−オキソ−モルホリン−4−イル)−エトキシ]−6−[(ビニルカルボニル)アミノ]−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−7−[4−((R)−6−メチル−2−オキソ−モルホリン−4−イル)−ブチルオキシ]−6−[(ビニルカルボニル)アミノ]−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−7−[4−((S)−6−メチル−2−オキソ−モルホリン−4−イル)−ブチルオキシ]−6−[(ビニルカルボニル)アミノ]−キナゾリン、セツキシマブ、トラスツズマブ、ABX−EGF、Mab ICR−62、ゲフィチニブ、カネルチニブ及びエルロチニブより選択される化合物(場合によりそのラセミ体、鏡像異性体又はジアステレオマーの形態、場合によりその薬理学的に許容される酸付加塩、その溶媒和物及び/又は水和物の形態のもの)である。
【0287】
EGFR阻害剤が形成することのできうる、薬理学的に許容される酸との酸付加塩は、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、ヒドロスルフェート、ヒドロホスフェート、ヒドロメタンスルホネート、ヒドロニトレート、ヒドロマレエート、ヒドロアセテート、ヒドロベンゾエート、ヒドロシトレート、ヒドロフマレート、ヒドロタルトレート、ヒドロオキサレート、ヒドロスクシネート、ヒドロベンゾエート及びヒドロ−p−トルエンスルホネート、好ましくは 塩酸塩、臭化水素酸塩、ヒドロスルフェート、ヒドロホスフェート、ヒドロフマレート及びヒドロメタンスルホネートより選択される塩を意味する。
【0288】
使用することのできるドーパミン作動薬の例には、好ましくはブロモクリプチン、カベルゴリン、α−ジヒドロエルゴクリプチン、リスリド、ペルゴリド、プラミペキソール、ロキシンドール、ロピニロール、タリペキソール、テルグリド及びビオザン(viozan)より選択される化合物が含まれる。本発明の範囲内の上記ドーパミン作動薬への任意の参照には、存在しうる、薬理学的に許容される任意の酸付加塩及び場合によりその水和物への参照が含まれる。上記ドーパミン作動薬により形成しうる生理学的に許容される酸付加塩は、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、酢酸、フマル酸、コハク酸、乳酸、クエン酸、酒石酸及びマレイン酸の塩より選択される、薬学的に許容される塩を意味する。
【0289】
H1抗ヒスタミン薬の例には、好ましくはエピナスチン、セチリジン、アゼラスチン、フェキソフェナジン、レボカバスチン、ロラタジン、ミゾラスチン、ケトチフェン、エメダスチン、ジメチンデン、クレマスチン、バミピン、セクスクロルフェニラミン(cexchlorpheniramine)、フェニラミン、ドキシルアミン、クロロフェノキサミン、ジメンヒドリネート、ジフェンヒドラミン、プロメタジン、エバスチン、デスロラチジン(desloratidine)及びメクロジンより選択される化合物が含まれる。本発明の範囲内の上記H1抗ヒスタミン薬への任意の参照には、存在しうる任意の薬理学的に許容される酸付加塩への参照が含まれる。
【0290】
PAF拮抗薬の例には、好ましくは4−(2−クロロフェニル)−9−メチル−2−[3−(4−モルホリニル)−3−プロパノン−1−イル]−6H−チエノ−[3,2−f]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ジアゼピン、6−(2−クロロフェニル)−8,9−ジヒドロ−1−メチル−8−[(4−モルホリニル)カルボニル]−4H,7H−シクロ−ペンタ−[4,5]チエノ−[3,2−f][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ジアゼピンより選択される化合物が含まれる。本発明の範囲内の上記PAF拮抗薬への任意の参照には、存在しうるその任意の薬理学的に許容される酸付加塩への参照が含まれる。
【0291】
使用されるMRP4阻害剤は、好ましくはN−アセチル−ジニトロフェニル−システイン、cGMP、コール酸塩、ジクロフェナク、デヒドロエピアンドロステロン3−グルクロニド、デヒドロエピアンドロステロン3−スルフェート、ジラゼプ、ジニトロフェニル−s−グルタチオン、エストラジオール17−β−グルクロニド、エストラジオール3,17−ジスルフェート、エストラジオール3−グルクロニド、エストラジオール3−スルフェート、エストロン3−スルフェート、フルルビプロフェン、葉酸塩、N5−ホルミル−テトラヒドロ葉酸塩、グリココール酸塩、クリコリトコール酸(clycolithocholic acid)スルフェート、イブプロフェン、インドメタシン、インドプロフェン、ケトプロフェン、リトコール酸スルフェート、メトトレキサート、MK571((E)−3−[[[3−[2−(7−クロロ−2−キノリニル)エテニル]フェニル]−[[3−ジメチルアミノ)−3−オキソプロピル]チオ]メチル]チオ]−プロパン酸)、α−ナフチル−β−D−グルクロニド、ニトロベンジルメルカプトプリンリボシド、プロベネシド、PSC833、シルデナフィル、スルフィンピラゾン、タウロケノデオキシコール酸塩、タウロコール酸塩、タウロデオキシコール酸塩、タウロリトコール酸塩、タウロリトコール酸スルフェート、トポテカン、トレキンシン及びザプリナスト、ジピリミダモールより選択される化合物(場合によりそのラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマーの形態並びに薬理学的に許容される酸付加塩及び水和物の形態のもの)である。
【0292】
本発明は、さらに好ましくは、本発明によるSYK阻害剤及びMRP4阻害剤を含有する呼吸器の病訴の処置のための医薬組成物を調製するための、MRP4阻害剤の使用に関し、そのMRP4阻害剤は、好ましくはデヒドロエピアンドロステロン3−スルフェート、エストラジオール3,17−ジスルフェート、フルルビプロフェン、インドメタシン、インドプロフェン、MK571、タウロコール酸塩(場合によりそのラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマーの形態、並びに薬理学的に許容される酸付加塩及び水和物の形態のもの)より選択される。ラセミ体からの鏡像異性体の分離は、当技術分野で公知の方法(例えばキラル相クロマトグラフィーなど)を用いて実施することができる。
【0293】
薬理学的に許容される酸との酸付加塩は、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、ヒドロスルフェート、ヒドロホスフェート、ヒドロメタンスルホネート、ヒドロニトレート、ヒドロマレエート、ヒドロアセテート、ヒドロベンゾエート、ヒドロシトレート、ヒドロフマレート、ヒドロタルトレート、ヒドロオキサレート、ヒドロスクシネート、ヒドロベンゾエート及びヒドロ−p−トルエンスルホネート、好ましくは塩酸塩、臭化水素酸塩、ヒドロスルフェート、ヒドロホスフェート、ヒドロフマレート及びヒドロメタンスルホネートより選択される塩を意味する。
【0294】
本発明は、さらに、本発明によるSYK阻害剤、MRP4阻害剤及び別の活性物質、例えば、抗コリン薬、PDE4阻害剤、ステロイド、LTD4拮抗薬又はβ模倣体などの三剤組合せを含有する医薬調製物、並びにその調製及び呼吸器の病訴を処置するためのその使用に関する。
【0295】
iNOS阻害剤として使用することのできる化合物は、S−(2−アミノエチル)イソチオ尿素、アミノグアニジン、2−アミノメチルピリジン、AMT、L−カナバニン、2−イミノピペリジン、S−イソプロピルイソチオ尿素、S−メチルイソチオ尿素、S−エチルイソチオ尿素、S−メチルチオシトルリン(S-methyltiocitrullin)、S−エチルチオシトルリン、L−NA(Nω−ニトロ−L−アルギニン)、L−NAME(Nω−ニトロ−L−アルギニンメチルエステル)、L−NMMA(N−モノメチル−L−アルギニン)、L−NIO(Nω−イミノエチル−L−オルニチン)、L−NIL(Nω−イミノエチル−リシン)、(S)−6−アセトイミドイルアミノ−2−アミノ−ヘキサン酸(1H−テトラゾール−5−イル)−アミド(SC−51)(J. Med. Chem. 2002, 45, 1686-1689)、1400W、(S)−4−(2−アセトイミドイルアミノ−エチルスルファニル)−2−アミノ−酪酸(GW274150)(Bioorg. Med. Chem. Lett. 2000, 10, 597-600)、2−[2−(4−メトキシ−ピリジン−2−イル)−エチル]−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン(BYK191023)(Mol. Pharmacol. 2006, 69, 328-337)、2−((R)−3−アミノ−1−フェニル−プロポキシ)−4−クロロ−5−フルオロベンゾニトリル(国際公開公報第01/62704)号、2−((1R,3S)−3−アミノ−4−ヒドロキシ−1−チアゾール−5−イル−ブチルスルファニル)−6−トリフルオロメチル−ニコチノニトリル(国際公開公報第2004/041794号)、2−((1R,3S)−3−アミノ−4−ヒドロキシ−1−チアゾール−5−イル−ブチルスルファニル)−4−クロロ−ベンゾニトリル(国際公開公報第2004/041794号)、2−((1R,3S)−3−アミノ−4−ヒドロキシ−1−チアゾール−5−イル−ブチルスルファニル)−5−クロロ−ベンゾニトリル(国際公開公報第2004/041794号)、(2S,4R)−2−アミノ−4−(2−クロロ−5−トリフルオロメチル−フェニルスルファニル)−4−チアゾール−5−イル−ブタン−1−オール(国際公開公報第2004/041794号)、2−((1R,3S)−3−アミノ−4−ヒドロキシ−1−チアゾール−5−イル−ブチルスルファニル)−5−クロロ−ニコチノニトリル(国際公開公報第2004/041794号)、4−((S)−3−アミノ−4−ヒドロキシ−1−フェニル−ブチルスルファニル)−6−メトキシ−ニコチノニトリル(国際公開公報第02/090332号)、置換3−フェニル−3,4−ジヒドロ−1−イソキノリンアミン、例えばAR−C102222(J. Med. Chem. 2003, 46, 913-916)、(1S,5S,6R)−7−クロロ−5−メチル−2−アザ−ビシクロ[4.1.0]ヘプト−2−エン−3−イルアミン(ONO−1714)(Biochem. Biophys. Res. Commun. 2000, 270, 663-667)、(4R,5R)−5−エチル−4−メチル−チアゾリジン−2−イリデンアミン(Bioorg. Med. Chem. 2004, 12, 4101)、(4R,5R)−5−エチル−4−メチル−セレナゾリジン−2−イリデンアミン(Bioorg. Med. Chem. Lett. 2005, 15, 1361)、4−アミノテトラヒドロビオプテリン(Curr. Drug Metabol. 2002, 3, 119-121)、(E)−3−(4−クロロ−フェニル)−N−(1−{2−オキソ−2−[4−(6−トリフルオロメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ピペリジン−1−イル]−エチルカルバモイル}−2−ピリジン−2−イル−エチル)−アクリルアミド(FR260330)(Eur. J. Pharmacol. 2005, 509, 71-76)、3−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−6−[2−(4−イミダゾール−1−イルメチル−フェノキシ)−エトキシ]−2−フェニル−ピリジン(PPA250)(J. Pharmacol. Exp. Ther. 2002, 303, 52-57)、メチル3−{[(ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルメチル)−カルバモイル]−メチル}−4−(2−イミダゾール−1−イル−ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−カルボキシレート(BBS−1)(Drugs Future 2004, 29, 45-52)、(R)−1−(2−イミダゾール−1−イル−6−メチル−ピリミジン−4−イル)−ピロリジン−2−カルボン酸(2−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル−エチル)−アミド(BBS−2)(Drugs Future 2004, 29, 45-52)より選択される化合物、及びその薬学的塩、プロドラッグ又は溶媒和物である。
【0296】
本発明の範囲内のiNOS阻害剤の例には、また、アンチセンスオリゴヌクレオチド、特にiNOSをコードする核酸と結合するアンチセンスオリゴヌクレオチドが含まれうる。例えば、国際公開公報第01/52902号は、アンチセンスオリゴヌクレオチド、特にiNOSの発現をモデュレーションするための、iNOSをコードする核酸と結合するアンチセンスオリゴヌクレオチドを記載している。したがって、特に国際公開公報第01/52902号に記載されたようなiNOS−アンチセンスオリゴヌクレオチドは、また、iNOS阻害剤に対する類似の効果のために、本発明のPDE4阻害剤と組合せることができる。
【0297】
8. 製剤
適切な投与剤形は、例えば錠剤、カプセル剤、液剤、シロップ剤、乳剤又は吸入用粉末又はエアロゾルである。各場合において薬学的に有効な化合物の含量は、組成物全体の0.1〜90wt%、好ましくは0.5〜50wt%の範囲内にあるべきである、すなわち本明細書下記に詳記する用量範囲を達成するために十分な量であるべきである。
【0298】
調製物は、錠剤の形態で、散剤、カプセル(例えば硬質ゼラチンカプセル)内の散剤、液剤又は懸濁剤として経口投与することができる。吸入により投与する場合に、活性物質の組合せは、散剤、水性若しくは水−エタノール性液剤として、又は噴射ガス製剤を使用して与えてもよい。
【0299】
したがって、好ましくは、医薬製剤は、上記好ましい態様による式1で示される一つ以上の化合物を含有することを特徴とする。
【0300】
式1で示される化合物が経口投与されることが特に好ましく、それが1日1回又は2回投与されることも特に好ましい。適切な錠剤は、例えば、活性物質を、公知の賦形剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウム又はラクトースなどの不活性希釈剤、トウモロコシデンプン又はアルギン酸などの崩壊剤、デンプン又はゼラチンなどの結合剤、ステアリン酸マグネシウム若しくはタルクなどの滑沢剤及び/又はカルボキシメチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、若しくはポリ酢酸ビニルなどの放出遅延剤と混合することにより得ることができる。錠剤は、多層を含むこともある。
【0301】
それに応じて、コーティング錠は、錠剤と同様に製造された内核を、錠剤コーティングに通常使用される物質、例えばコリドン(collidone)又はシェラック、アラビアゴム、タルク、二酸化チタン又は糖でコーティングすることによって調製することができる。遅延放出を達成するために、又は配合変化を防止するために、内核は、多層から成ることもある。同じく遅延放出を達成するために、錠剤コーティングは、場合により錠剤用の上記賦形剤を用いて多層から成ることがある。
【0302】
本発明による活性物質又はその組合せを含有するシロップ剤は、サッカリン、シクラメート、グリセロール又は砂糖などの甘味料及び香味強化剤、例えばバニリン又はオレンジエキスなどの香味料を追加的に含有することがある。シロップは、懸濁佐剤又はカルボキシメチルセルロースナトリウムなどの粘稠化剤、例えば高級アルコールとエチレンオキシドとの縮合生成物などの湿潤剤、又はp−ヒドロキシ安息香酸エステルなどの保存料を含有しうる。
【0303】
一つ以上の活性物質又は活性物質の組合せを含有するカプセル剤は、例えば活性物質をラクトース又はソルビトールなどの不活性担体と混合すること、及びそれをゼラチンカプセルに充填することによって調製することができる。適切な坐剤は、例えばこの目的のために提供された、中性脂肪又はポリエチレングリコール若しくはその誘導体などの担体と混合することによって製造することができる。
【0304】
使用することのできる賦形剤には、例えば、水、パラフィン(例えば石油留分)、植物油(例えばラッカセイ油又はゴマ油)、単又は多官能性アルコール(例えばエタノール又はグリセロール)などの薬学的に許容される有機溶媒、例えば天然無機粉末(例えばカオリン、粘土、タルク、白亜)、合成無機粉末(例えば高分散性ケイ酸及びケイ酸塩)、糖(例えばショ糖、ラクトース及びグルコース)などの担体、乳化剤(例えばリグニン、亜硫酸パルプ廃液、メチルセルロース、デンプン及びポリビニルピロリドン)並びに滑沢剤(例えばステアリン酸マグネシウム、タルク、ステアリン酸及びラウリル硫酸ナトリウム)が含まれる。
【0305】
経口投与のために、錠剤は、上記担体の他にもちろんクエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム及びリン酸二カリウムなどの添加剤を、デンプン、好ましくはバレイショデンプン、ゼラチンなどの様々な添加剤と一緒に含有することがある。さらに、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム及びタルクなどの滑沢剤を打錠工程に同時に使用してもよい。水性懸濁剤の場合、上記賦形剤に加えて、活性物質に様々な香味強化剤又は着色料を配合することができる。
【0306】
式1で示される化合物が吸入により投与されること、特に好ましくはそれが1日1回又は2回投与されることも好ましい。このために、式1で示される化合物は、吸入に適した剤形で使えるようにしなければならない。吸入用調製物には、吸入用粉末、噴射剤を含有する定量エアロゾル又は噴射剤不含の吸入用液剤が含まれ、それは、場合により従来の生理学的に許容される賦形剤と混合されて存在する。
【0307】
本発明の範囲内で、噴射剤不含の吸入用液剤という用語には、また、濃縮液又は無菌の使用準備済の吸入用液剤が含まれる。本発明により使用することのできる調製物を、本明細書の次の部にさらに詳細に説明する。
【0308】
吸入用粉末
式1で示される活性物質が生理学的に許容される賦形剤と混合して存在する場合、以下の生理学的に許容される賦形剤を使用して、本発明による吸入用粉末を調製することができる:単糖(例えばグルコース又はアラビノース)、二糖(例えばラクトース、サッカロース、マルトース)、オリゴ糖及び多糖(例えばデキストラン)、ポリアルコール(例えばソルビトール、マンニトール、キシリトール)、塩(例えば塩化ナトリウム、炭酸カルシウム)又はこれらの賦形剤相互の混合物。好ましくは、単糖又は二糖が使用されるが、ラクトース又はグルコースを、特に(限定するわけではないが)その水和物の形態で使用することが好ましい。本発明のために、ラクトースが特に好ましい賦形剤であり、ラクトース一水和物が最も特に好ましい。摩砕及び微粒子化し、最終的に構成要素を一緒に混合することによる本発明の吸入用粉末を調製する方法は、先行技術から公知である。
【0309】
噴射剤を含有する吸入用エアロゾル
本発明により使用することのできる噴射剤を含有する吸入用エアロゾルは、式で示される化合物を噴射剤ガスに溶解して又は分散した形態で含有することがある。本発明による吸入エアロゾルを調製するために使用することのできる噴射剤ガスは、先行技術から公知である。適切な噴射剤ガスは、n−プロパン、n−ブタン又はイソブタンなどの炭化水素及び好ましくはメタン、エタン、プロパン、ブタン、シクロプロパン又はシクロブタンのフッ素化誘導体などのハロ炭化水素より選択される。上記噴射剤ガスは、単独又はその混合物で使用することができる。特に好ましい噴射剤ガスは、TG134a(1,1,1,2−テトラフルオロエタン)、TG227(1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン)及びその混合物より選択されるフッ素化アルカン誘導体である。本発明による使用の範囲内で使用される、噴射剤に推進される吸入エアロゾルは、また、共溶媒、安定化剤、界面活性剤、抗酸化剤、滑沢剤及びpH調整剤などの他の成分を含有しうる。これらの成分の全ては、当技術分野において公知である。
【0310】
噴射剤不含の吸入用液剤
本発明による式1で示される化合物は、好ましくは噴射剤不含の吸入用液剤及び吸入用懸濁剤を調製するために使用される。このために使用される溶媒には、水性又はアルコール性液剤、好ましくはエタノール性液剤が含まれる。溶媒は、水単独又は水とエタノールとの混合物でありうる。液剤又は懸濁剤は、適切な酸を用いてpH2〜7、好ましくは2〜5に調整される。pHは、無機酸又は有機酸より選択される酸を用いて調整することができる。特に適切な無機酸の例には、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸及び/又はリン酸が含まれる。特に適切な有機酸の例には、アスコルビン酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、マレイン酸、コハク酸、フマル酸、酢酸、ギ酸及び/又はプロピオン酸などが含まれる。好ましい無機酸は、塩酸及び硫酸である。活性物質の一つと酸付加塩を既に形成した酸を使用することも可能である。有機酸のうち、アスコルビン酸、フマル酸及びクエン酸が好ましい。例えばクエン酸又はアスコルビン酸のように、特に酸性化する特質に加えて他の性質を有する酸の場合、所望であれば香味料、抗酸化剤又は錯化剤として上記酸の混合物も使用することができる。本発明によると、pHを調整するために塩酸を使用することが特に好ましい。
【0311】
本発明の目的のために使用される、噴射剤不含の吸入用液剤に、共溶媒及び/又は他の賦形剤を添加してもよい。好ましい共溶媒は、ヒドロキシル基又は他の極性基を有する共溶媒、例えばアルコール、特にイソプロピルアルコール、グリコール、特にプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリコールエーテル、グリセロール、ポリオキシエチレンアルコール及びポリオキシエチレン脂肪酸エステルである。この文脈において賦形剤及び添加剤という用語は、活性物質ではないが、活性物質製剤の品質特性を向上させるために一つ以上の活性物質と共に薬理学的に適切な溶媒に入れて製剤化することのできる任意の薬理学的に許容される物質を意味する。好ましくは、これらの物質は、薬理学的効果を有さないか、又は所望の治療に関連して適用可能な薬理学的効果若しくは少なくとも望まれない薬理学的効果を有さない。賦形剤及び添加剤には、例えば、ダイズレシチンなどの界面活性剤、オレイン酸、ポリソルベートなどのソルビタンエステル、ポリビニルピロリドン、最終的な医薬製剤の保存期間を保証又は延長する他の安定化剤、錯化剤、抗酸化剤及び/又は保存料、香味料、ビタミン、及び/又は当技術分野で公知の他の添加剤が含まれる。添加剤には、また、塩化ナトリウムなどの薬理学的に許容される塩が等張化剤として含まれる。好ましい賦形剤には、例えばアスコルビン酸(pHを調整するためにまだ使用されていない場合)、ビタミンA、ビタミンE、トコフェロール及び人体に存在する類似のビタミン又はプロビタミンなどの抗酸化剤が含まれる。保存料は、病原体の汚染から製剤を守るために使用することができる。適切な保存料は、当技術分野から公知の濃度の当技術分野で公知の保存料、特に塩化セチルピリミジウム、塩化ベンザルコニウム又は安息香酸又は安息香酸ナトリウムなどの安息香酸塩である。
【0312】
上記処置形式のために、式1によるナフチリジン及び上記より選択される一つ以上の組合せパートナーと一緒に、例えば呼吸器疾患、COPD又は喘息という語を含む同封の説明書を含む、呼吸器の病訴の処置のための使用準備済みの医薬のパックが、提供される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】

【化61】


[式中、
は、−O−R、−NR、−CR、−(エチン)−R、−S−R、−SO−R及びSO−Rより選択される基Aであるか
又は、
は、
− C6−10−アリール、
− N、O及びSより相互に独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、5〜10員の単環又は二環式ヘテロアリール(該ヘテロアリールは、C原子又はN原子のいずれかを介して式で示される構造に結合している)、
− N、O及びSより相互に独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、3〜10員の単環又は二環式、飽和又は部分飽和複素環基(該複素環基は、C原子又はN原子のいずれかを介して式で示される構造に結合している)、並びに
− N、O及びSより相互に独立して選択される1、2又は3個のヘテロ原子を場合により有しうる5〜11員スピロ基(該スピロ基は、C原子又はN原子のいずれかを介して式で示される構造に結合している)
より選択される基Bであり、
該基Bは、相互に独立してH、ハロゲン、−C1−3−アルキル、−NH(C1−4−アルキル)、−N(C1−4−アルキル)、−NH、−C1−3−アルキル−OH、−OH、オキソ、−CO−NH、−C1−3−アルキレン−CO−NH、−CO−NH−(C1−3−アルキル)、−C1−3−アルキレン−CO−NH(C1−3−アルキル)、−CO−NH(C3−5−シクロアルキル)、−C1−3−アルキレン−CO−NH(C3−5−シクロアルキル)、−NH−CO−NH、−NH−CO−NH(C1−3−アルキル)、−NH−CO−N(C1−3−アルキル)、O−C1−3−アルキル、−(C1−3−アルキレン)−NH、−フェニル及び−CO−(C1−5−アルキル)より選択される一つ以上の基により場合により置換されていてもよく、
は、
【化62】


を意味し、ここで、
Vは、CH、O、NH、S、SO、SO、N−(C1−3−アルキル)、N−(C1−3−アルキレン)−(C3−7−シクロアルキル)、N−(C3−7−シクロアルキル)、N−CO−C1−6−アルキル、N−CO−(C3−7−シクロアルキル)、N−(C1−3−アルキレン)−フェニルを意味し、
n=0〜2であり、
及びR6’は、相互に独立してH、ハロゲン、メチル、−O−メチル、エチル、−O−エチル、プロピル、−O−プロピル、OH、=O、−CO−NH、−CO−NH−C1−3−アルキル、−COOH、−COO−C1−3−アルキルより選択され、
;R、R及びR10は、H、C1−3−アルキル、−O−(C1−3−アルキル)、F、=O又はOHを意味し、
は、H又は
−C1−6−アルキル、−C1−6−フルオロアルキル、−(C1−5−アルキル)−OH、−C6−10−アリール、−C1−4−アルキレン−C6−10−アリール、−エテニル、−C1−4−アルキレン−(エテン)、−エチニル、−C1−4−アルキレン−(エチン)、−C1−4−アルキレン−(エチン)−NH、−C1−4−アルキレン−(エチン)−(C1−4−アルキレン)−NH、−CHOH−(C1−4−アルキレン)−NH、−(C1−4−アルキレン)−CHOH−(C1−4−アルキレン)−NH、−CHOH−NH、−(C1−4−アルキレン)−CHOH−NH、−NH(C1−3−アルキレン)、−(C1−4−アルキレン)−NH(C1−3−アルキル)、単環又は二環式の飽和又は部分飽和−C3−10−シクロアルキル、単環又は二環式の飽和又は部分飽和−(C1−4−アルキレン)−C3−10−シクロアルキル、−(ヘト)、−(C1−4−アルキレン)−(ヘト)、−(ヘタリール)、及び−(C1−4−アルキレン)−(ヘタリール)より選択される基を意味し(該基は、相互に独立してH、−OH、−オキソ、−COOH、−ハロゲン、−C1−3−アルキル、−C1−3−ハロアルキル、−C1−3−アルキル−OH、−C3−7−シクロアルキル、−O−(C1−4−アルキル)、−NH(C1−4−アルキル)、−(C1−4−アルキレン)−NH(C1−4−アルキル)、−N(C1−4−アルキル)、−(C1−4−アルキレン)−N(C1−4−アルキル)、−NH−CO−NH、−(C1−4−アルキレン)−NH−CO−NH、−CO−NH、−(C1−4−アルキレン)−CO−NH、−CO−NH(C1−3−アルキル)、−(C1−4−アルキレン)−CO−NH(C1−3−アルキル)、−CO−N(C1−3−アルキル)、−(C1−4−アルキレン)−CO−N(C1−3−アルキル)、−NH−(CO)−NH、−NH−(C1−4−アルキレン)−(CO)−NH、−NH−(CO)−NH(C1−3−アルキル)、−NH−(C1−4−アルキレン)−(CO)−NH(C1−3−アルキル)、−NH−(CO)−N(C1−3−アルキル)、−NH−(C1−4−アルキレン)−(CO)−N(C1−3−アルキル)、−O−(C2−4−アルキレン)−NH、−O−(C2−4−アルキレン)−NH(C1−3−アルキル)、−O−(C2−4−アルキレン)−N(C1−3−アルキル)、−NH−CO−(C1−3−アルキル)、−(C1−4−アルキレン)−NH−CO−(C1−3−アルキル)、−C3−5−シクロアルキル、−SO−(C1−4−アルキル)、−SO−(C3−5−シクロアルキル)、−SO−NH、−SO−NH−C1−3−アルキル、−SO−N(C1−3−アルキル)、−SO−(ヘト)、−O−(ヘト)、−O−(C1−4−アルキレン)−(ヘト)、−NH−(ヘト)、−NH−(C1−4−アルキレン)−(ヘト)、−NH−(ヘタリール)、−NH−(C1−4−アルキレン)−(ヘタリール)、−(ヘト)及び−(C1−4−アルキレン)−(ヘト)より選択される一つ以上の基により場合により置換されていてもよい)、
(ヘト)は、C1−3−アルキル、ハロゲン、CH−NH、NH、OH;CO−NH及びオキソより選択される1〜3個の基により場合により置換された、N、O及びSより相互に独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、3〜10員の飽和又は部分飽和、単環又は二環式複素環基を意味し、
(ヘタリール)は、C1−3−アルキル、ハロゲン、CH−NH、NH、OH、CO−NH及びオキソより選択される1〜3個の基で場合により置換された、N、O及びSより相互に独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、5〜10員の単環又は二環式ヘテロアリールを意味し、
m=0又は1であり、
及びRは、H、メチル又はエチルを意味する]
で示される化合物、及びその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
n=1である、請求項1記載の式で示される化合物、及びその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
及びR6’が、相互に独立してH、メチル及び−OCHより選択される、請求項1又は2の一項記載の式で示される化合物、及びその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
;R、R及びR10が、それぞれ相互に独立してH又は−OCHより選択される、請求項1〜3の一項記載の式で示される化合物、及びその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
Vが、N−CH、O又はN−(C1−3−アルキレン)−フェニルのいずれかである、請求項1〜4の一項記載の式で示される化合物、及びその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
が、−O−R、−NR、−CR及び−(エチン)−Rより選択される、請求項1〜5の一項記載の式1で示される化合物、及びその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
が、−NRを意味し、
が、Hを意味し、
が、−C1−6−アルキル、−C6−10−アリール、−C1−4−アルキレン−C6−10−アリール、−(ヘト)、−(C1−4−アルキレン)−(ヘト)、−(ヘタリール)、及び−(C1−4−アルキレン)−(ヘタリール)より選択され、
該基Rが、相互に独立してH、−OH、−オキソ、−COOH、−C1−3−アルキル、−C1−3−ハロアルキル、−C1−3−アルキル−OH、−CO−NH、−(C1−4−アルキレン)−CO−NH、−NH−SO−CH、−CO−NH(C1−3−アルキル)、−(C1−4−アルキレン)−CO−NH(C1−3−アルキル)、−CO−N(C1−3−アルキル)、−(C1−4−アルキレン)−CO−N(C1−3−アルキル)、−NH−(CO)−NH、−NH−(C1−4−アルキレン)−(CO)−NH、−NH−(CO)−NH(C1−3−アルキル)、−NH−(C1−4−アルキレン)−(CO)−NH(C1−3−アルキル)、−NH−(CO)−N(C1−3−アルキル)及び−NH−(C1−4−アルキレン)−(CO)−N(C1−3−アルキル)より選択される一つ以上の基により場合により置換されていてもよい、請求項1〜6の一項記載の式で示される化合物、及びその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
が、−NRを意味し、
が、Hを意味し、
が、−C6−10−アリール、−C1−4−アルキレン−C6−10−アリール、−(ヘト)、−(C1−4−アルキレン)−(ヘト)、−(ヘタリール)、及び−(C1−4−アルキレン)−(ヘタリール)より選択され、
該基Rが、相互に独立してH、−OH、−オキソ、−COOH、−C1−3−アルキル、−CO−NH、−(C1−4−アルキレン)−CO−NH、−CO−NH(C1−3−アルキル)、−(C1−4−アルキレン)−CO−NH(C1−3−アルキル)、−CO−N(C1−3−アルキル)、−(C1−4−アルキレン)−CO−N(C1−3−アルキル)より選択される一つ以上の基により場合により置換されていてもよい、請求項7記載の式で示される化合物、及びその薬学的に許容される塩。
【請求項9】
が、−ORを意味し、
が、Hを意味し、
が、−C6−10−アリール、−C1−4−アルキレン−C6−10−アリール、−(ヘト)、−(C1−4−アルキレン)−(ヘト)、−(ヘタリール)、及び−(C1−4−アルキレン)−(ヘタリール)より選択され、
該基Rが、相互に独立してH、−OH、−オキソ、−COOH、−C1−3−アルキル、−C1−3−ハロアルキル、−C1−3−アルキル−OH、−CO−NH、−(C1−4−アルキレン)−CO−NH、−CO−NH(C1−3−アルキル)、−(C1−4−アルキレン)−CO−NH(C1−3−アルキル)、−CO−N(C1−3−アルキル)、−(C1−4−アルキレン)−CO−N(C1−3−アルキル)、−NH−(CO)−NH、−NH−(C1−4−アルキレン)−(CO)−NH、−NH−(CO)−NH(C1−3−アルキル)、−NH−(C1−4−アルキレン)−(CO)−NH(C1−3−アルキル)、−NH−(CO)−N(C1−3−アルキル)及び−NH−(C1−4−アルキレン)−(CO)−N(C1−3−アルキル)より選択される一つ以上の基により場合により置換されていてもよい、請求項1〜6の一項記載の式で示される化合物、及びその薬学的に許容される塩。
【請求項10】
が、−CRを意味し、
が、H、メチルを意味し、
が、H、メチルを意味し、
が、−C6−10−アリール、−C1−4−アルキレン−C6−10−アリール、−(ヘト)、−(C1−4−アルキレン)−(ヘト)、−(ヘタリール)、及び−(C1−4−アルキレン)−(ヘタリール)より選択され。
該基Rが、相互に独立してH、−OH、−オキソ、−COOH、−C1−3−アルキル、−C1−3−ハロアルキル、−C1−3−アルキル−OH、−CO−NH、−(C1−4−アルキレン)−CO−NH、−CO−NH(C1−3−アルキル)、−(C1−4−アルキレン)−CO−NH(C1−3−アルキル)、−CO−N(C1−3−アルキル)、−(C1−4−アルキレン)−CO−N(C1−3−アルキル)、−NH−(CO)−NH、−NH−(C1−4−アルキレン)−(CO)−NH、−NH−(CO)−NH(C1−3−アルキル)、−NH−(C1−4−アルキレン)−(CO)−NH(C1−3−アルキル)、−NH−(CO)−N(C1−3−アルキル)及び−NH−(C1−4−アルキレン)−(CO)−N(C1−3−アルキル)より選択される一つ以上の基により場合により置換されていてもよい、請求項1〜6の一項記載の式で示される化合物、及びその薬学的に許容される塩。
【請求項11】
が、
− N、O及びSより相互に独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5〜10員の単環又は二環式ヘテロアリール(該1〜3個のヘテロ原子の少なくとも1個はN原子である)並びに
− N、O及びSより相互に独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する3〜10員の単環又は二環式、飽和又は部分飽和複素環基(該1〜3個のヘテロ原子の少なくとも1個はN原子である)
より選択されるか(但し、該ヘテロアリール及び複素環は、それぞれ該少なくとも1個のN原子を介して式で示される構造に結合している)、
或いはRが、
− N、O及びSより相互に独立して選択される1、2又は3個のヘテロ原子を有する5〜11員スピロ基(該スピロ基の1〜3個のヘテロ原子の少なくとも1個はN原子であり、該スピロ基は、該N原子を介して式に示される構造に結合している)
である、請求項1〜5の一項記載の式1で示される化合物、及び薬学的に許容される塩。
【請求項12】
が、
【化63】






より選択され、
が、
【化64】


より選択され、
が、式で示される構造へのRの結合点を意味し、
が、式で示される構造へのRの結合点を意味する、請求項1〜5の一項記載の式1で示される化合物、及びその薬学的に許容される塩。
【請求項13】
医薬としての請求項1〜12の一項記載の化合物。
【請求項14】
SYK酵素の阻害により処置することのできる疾患の処置のための医薬を調製するための、請求項1〜12の一項記載の化合物の使用。
【請求項15】
アレルギー性鼻炎、喘息、COPD、成人呼吸促迫症候群、気管支炎、B細胞リンパ腫、皮膚炎及び接触皮膚炎、アレルギー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎結膜炎、関節リウマチ、抗リン脂質症候群、ベルジェ病、エバンス症候群、潰瘍性大腸炎、アレルギー性抗体性糸球体腎炎、顆粒球減少症、グッドパスチャー症候群、肝炎、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、過敏性血管炎、免疫性溶血性貧血、特発性血小板減少性紫斑病、川崎症候群、アレルギー性結膜炎、エリテマトーデス、被膜細胞リンパ腫、好中球減少症、非家族性側索硬化症、クローン病、多発性硬化症、重症筋無力症、骨粗鬆症、骨溶解性疾患、骨減少症、乾癬、シェーグレン症候群、強皮症、T細胞リンパ腫、蕁麻疹/血管性浮腫、ウェゲナー肉芽腫症及びセリアック病より選択される疾患の処置のための医薬を調製するための、請求項1〜12の一項記載の化合物の使用。
【請求項16】
喘息、COPD、アレルギー性鼻炎、成人呼吸促迫症候群、気管支炎、アレルギー性皮膚炎、接触皮膚炎、特発性血小板減少性紫斑病、関節リウマチ及びアレルギー性鼻炎結膜炎より選択される疾患の処置のための医薬を調製するための、請求項1〜12の一項記載の化合物の使用。
【請求項17】
喘息、COPD、アレルギー性鼻炎、アレルギー性皮膚炎及び関節リウマチより選択される疾患の処置のための医薬を調製するための、請求項1〜12の一項記載の化合物の使用。
【請求項18】
請求項1〜12の一項記載の式で示される一つ以上の化合物を含有することを特徴とする医薬製剤。
【請求項19】
β模倣体、コルチコステロイド、PDE4阻害剤、EGFR阻害剤及びLTD4拮抗薬、CCR3阻害剤、iNOS阻害剤及びSYK阻害剤より選択される活性物質と組合せて、請求項1〜12の一項記載の式で示される一つ以上の化合物を含有することを特徴とする医薬製剤。
【請求項20】
【化65】






より選択される化合物。

【公表番号】特表2011−529932(P2011−529932A)
【公表日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−521516(P2011−521516)
【出願日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際出願番号】PCT/EP2009/059500
【国際公開番号】WO2010/015520
【国際公開日】平成22年2月11日(2010.2.11)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】