説明

置換二環系および置換三環系トロンビン受容体アンタゴニスト

式(I)の置換二環式および三環式修飾ヒンバシン誘導体あるいは前記化合物の医薬的に許容される塩または溶媒和物(式中、(DU)は任意の二重結合を表し、式中、E、F、G、Z、J、X、R、R、R10、R11、R32、R33、BおよびHetは本明細書に定義され開示される)、ならびにそれらを含有する医薬組成物、ならびに前記化合物を投与することにより血栓症、アテローム性動脈硬化症、再狭窄、高血圧、狭心症、不整脈、心不全および癌に伴う疾患を治療する方法。他の薬剤との併用療法も請求される。


【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、血栓症、アテローム性動脈硬化症、再狭窄、高血圧、狭心症、不整脈、心不全、脳虚血、卒中、神経変性疾患および癌を伴う疾患の治療においてトロンビン受容体アンタゴニストとして有用であり得るヒンバシン誘導体に関する。トロンビン受容体アンタゴニストはまた、プロテアーゼ活性化受容体‐1(PAR‐1)アンタゴニストとしても知られる。本発明の化合物はまた、リウマチ性関節炎、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、糖尿病、骨粗しょう症、腎虚血、脳卒中、脳虚血、腎炎、肺および消化管の炎症性障害、および可逆性気道閉塞、慢性喘息および気管支炎などの呼吸器障害の治療においてカンナビノイド(CB)受容体阻害薬としても有用であり得る。本発明はまた、前記化合物を含む医薬組成物にも関する。
【0002】
トロンビンは種々の細胞型でさまざまな活性を有することが知られている。トロンビン受容体は、ヒト血小板、血管平滑筋細胞、内皮細胞および線維芽細胞などの細胞型で存在することが知られている。そのため、トロンビン受容体アンタゴニストは、血栓性、炎症性、アテローム動脈硬化性および線維増殖性障害、ならびにトロンビンおよびその受容体が病理学的役割を果たす他の障害の治療に有用であることが予測される。
【0003】
トロンビン受容体アンタゴニストペプチドは、トロンビン受容体上のアミノ酸の置換に関与する構造活性試験に基づき同定されてきた。非特許文献1には、強力なトロンビン受容体アンタゴニストであるとして、テトラペプチドおよびペンタペプチド(例えば、N‐trans‐シンナモイル‐p‐フルオロPhe‐p‐グアニジノPhe‐Leu‐Arg‐NHおよびN‐trans‐シンナモイル‐p‐フルオロPhe‐p‐グアニジノPhe‐Leu‐Arg‐Arg‐NHなど)が開示されている。ペプチドトロンビン受容体アンタゴニストはまた、1994年2月17日公開の特許文献1にも開示されている。
【0004】
カンナビノイド受容体は、Gタンパク質共役受容体のスーパーファミリーに属する。これらは主として神経に分布するCB受容体と主として末梢に分布するCB受容体に分類される。これらの受容体は、アデニル酸シクラーゼおよびCa+2およびK流動を調節することによってその生物学的作用を発揮する。CB受容体の作用は主として中枢神経系に関連するのに対して、CB受容体は気管支収縮、免疫調節および炎症に関連する末梢作用を有すると考えられている。そのため、選択的なCB受容体結合剤は、リウマチ性関節炎、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、糖尿病、骨粗しょう症、腎虚血、脳卒中、脳虚血、腎炎、肺および消化管の炎症性障害、ならびに可逆性気道閉塞、慢性喘息および気管支炎などの呼吸器障害に伴う疾患の制御において治療的有用性を有することが予想されている(非特許文献2;非特許文献3)。
【0005】
以下の式
【0006】
【化1】

のピペリジンアルカロイドであるヒンバシンが、ムスカリン受容体アンタゴニストとして同定されている。(+)‐ヒンバシンの全合成については、非特許文献4に開示されている。トロンビン受容体アンタゴニストであるヒンバシン由来化合物の特性は既述されている(非特許文献5)。
【0007】
置換三環系トロンビン受容体アンタゴニストについては、特許文献2、特許文献3、ならびに米国特許出願第09/880222号(特許文献4)、第10/271715号および第10/412982号に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第94/03479号パンフレット
【特許文献2】米国特許第6,063,847号明細書
【特許文献3】米国特許第6,326,380号明細書
【特許文献4】国際公開第01/96330号パンフレット
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Bernatowiczら、J.Med.Chem.,39(1996),p.4879‐4887
【非特許文献2】R.G.Pertwee,Curr.Med.Chem.(1999)6(8)635
【非特許文献3】M.Bensaid,Molecular Pharmacology(2003)63(4)、908
【非特許文献4】Chackalamannilら、J.Am.Chem.Soc.(1996)118,p.9812‐9813
【非特許文献5】Chackalamannilら、J.Med.Chem.(2005)48,5884‐5887
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、以下の式I:
【0011】
【化2】

で表される化合物であって、
式中、
【0012】
【化3】

が、原子価の要件で許容される二重結合または単結合を表すが、但し、R10およびR11が結合する炭素が二重結合の一部である場合には、R10またはR11が不在であることを条件とし、
Bが、
【0013】
【化4】

であって、式中、nが0〜5であり、nおよびnが独立して0〜2であり、R12およびR12aが、水素、アルキルおよびハロゲンからなる群から独立して選択され、
E、F、G、ZおよびJが、
【0014】
【化5】

からなる群から独立して選択されるが、但し、E、F、G、ZおよびJの選択により酸素または硫黄原子が隣接せず、少なくとも1つの炭素原子が前記酸素、窒素または硫黄原子の間に存在することを条件とし、
Xが、
【0015】
【化6】

であり、
各nが0、1または2であるが、但し、すべてのn変数が0とはなり得ないことを条件とし、
Hetが、1〜13個の炭素原子からなる5〜14個の原子、およびN、OおよびSからなる群から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子の単環式、二環式または三環式ヘテロ芳香族基であるが、但し、前記ヘテロ芳香族基の中に隣接する酸素または硫黄原子が存在しないことを条件とし、環の窒素がアルキル基とともにN‐オキシドまたは第4級基を形成してもよく、Hetが炭素原子環のメンバーによってBに結合し、前記Het基が1〜4個の部分Wによって置換され、各Wが、
水素、
アルキル、
フルオロアルキル、ジフルオロアルキル、トリフルオロアルキル、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、
シクロアルキル、またはアルキル、アルケニルもしくはアルキニルで置換されるシクロアルキル、
ヘテロシクロアルキル、またはアルキル、アルケニルもしくはアルキニルで置換されるヘテロシクロアルキル、
21‐アリールアルキル、R21‐アリール‐アルケニル、
ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、
ヒドロキシアルキル、ジヒドロキシアルキル、
アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジ‐(アルキル)‐アミノアルキル、
チオアルキル、
アルコキシ、アルケニルオキシ、
ハロゲン、
‐NR
‐SH、
‐CN、
‐OH、
‐C(O)OR17、‐COR16、‐OS(O)CF、‐CHOCHCF
アルキルチオ、
‐C(O)NR
‐OCHR‐フェニル、
フェノキシアルキル、
‐NHCOR16
‐NHSO16
ビフェニル、
‐OC(RCOOR、‐OC(RC(O)NR
アルキル、アミノまたは‐NHC(O)OR17で置換されるアルコキシ、
アリール、
アルキル、ハロゲン、アルコキシ、メチレンジオキシ、カルボン酸、カルボキシアミド、アミン、尿素、アミド、スルホンアミド、‐CN、‐CF、‐OCF、‐OH、アルキルアミノ‐、ジ‐(アルキル)アミノ‐、‐NR2526アルキル‐、ヒドロキシアルキル‐、‐C(O)OR17、‐COR17、‐NHCOR16、‐NHS(O)16、‐NHS(O)CHCF、‐C(O)NR2526、‐NR25‐C(O)‐NR2526、‐S(O)R13、‐S(O)13および‐SR13からなる群から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されるアリール、
あるいは‐NR、‐NRCOR、‐NRCONR、‐NRC(O)OR、‐NRS(O)、‐NRS(O)NR、‐C(O)OH、‐C(O)OR、‐CONRヘテロアリール、ヒドロキシアルキル、アルキル、‐S(O)‐アルキル、‐C(O)NRまたはヘテロアリールで場合により置換されるアルキル
からなる群から独立して選択され、前記Het環上の隣接する炭素が、場合によりメチレンジオキシ基と環を形成してもよく、
およびRが、水素、ハロゲン、アルキル、フルオロアルキル、ジフルオロアルキル、トリフルオロアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルコキシ、アリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミン、アミノアルキル、アリール、チオヒドロキシ、CNおよびチオアルキルからなる群から独立して選択されるか、あるいは
およびRが、窒素に結合する場合に一緒になって、‐O‐、‐N‐、‐S‐、‐S(O)‐、‐S(O)‐および
【0016】
【化7】

から選択される1〜3個のヘテロ原子とともに、4〜10個の原子の単環式または二環式ヘテロ環を形成するが、但し、前記へテロ環が非置換であるか、アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシおよびアリールアルコキシから独立して選択される1つ以上の基で置換される場合は、SおよびO環原子が互いに隣接しないことを条件とし、
が、R、フルオロアルコキシ、ジフルオロアルコキシ、トリフルオロアルコキシ、シクロアルキルオキシ、アルケニルオキシ、アルコキシ、アリールアルコキシ、アリールアルケニルオキシ、ヘテロアリールアルコキシ、ヘテロアリールアルケニルオキシ、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、アリールオキシまたはチオアルコキシであり、
が、水素、アルキルまたはフェニルであり、
が、水素またはアルキルであり、
各R13が、水素、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、ハロゲン、‐(CHn6NHC(O)OR16b、‐(CHn6NHC(O)R16b、‐(CHn6NHC(O)NR、‐(CHn6NHSO16、‐(CHn6NHSONR、および‐(CHn6C(O)NR2829から独立して選択され、式中、nが0〜4であり、
各R14が、水素、アルキル、‐OH、アルコキシ、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ハロゲン、ハロアルキル、‐(CHn6NHC(O)OR16b、‐(CHn6NHC(O)R16b、‐(CHn6NHC(O)NR、‐(CHn6NHSO16、‐(CHn6NHSONR、および‐(CHn6C(O)NR2829からなる群から独立して選択され、式中、nが0〜4であり、式中、RおよびRが、水素、アルキル、フェニル、ベンジルおよびシクロアルキルからなる群から独立して選択されるか、RおよびRが一緒になって、それらが結合する窒素とともに環を形成してもよく、RおよびRによって形成される前記環が、場合により=O、OH、ORまたは‐C(O)OHで置換されるか、あるいは
13およびR14が一緒になって、3〜6個の環原子からなるスピロ環またはヘテロスピロ環を形成し、前記ヘテロスピロ環が、2〜5個の炭素環原子、ならびにO、SおよびNからなる群から選択される1または2個のヘテロ環原子を含有し、
16が、水素、アルキル、フェニルおよびベンジルからなる群から独立して選択され、
16aが、水素、アルキル、フェニルおよびベンジルからなる群から独立して選択され、
16bが、水素、アルコキシ、アルキル、アルコキシアルキル‐、R22‐O‐C(O)‐アルキル‐、シクロアルキル、R21‐アリール、R21‐アリールアルキル、ハロアルキル、アルケニル、ハロ置換アルケニル、アルキニル、ハロ置換アルキニル、R21‐ヘテロアリール、(R21‐ヘテロアリール)‐アルキル‐、(R21‐ヘテロシクロアルキル)‐アルキル‐、R2829N‐アルキル‐、R2829N‐C(O)‐アルキル‐、R2829N‐C(O)O‐アルキル‐、R28OC(O)N(R29)‐アルキル‐、R28S(O)N(R29)‐アルキル‐、R2829N‐C(O)‐N(R29)‐アルキル‐、R2829N‐S(O)N(R29)‐アルキル‐、R28‐C(O)N(R29)‐アルキル‐、R2829N‐S(O)‐アルキル‐、HOS(O)‐アルキル‐、(OH)P(O)‐アルキル‐、R28‐S‐アルキル‐、R28‐S(O)‐アルキル‐、またはヒドロキシアルキルであり、
17が、水素、アルキル、フェニルおよびベンジルからなる群から独立して選択され、
18およびR19が、水素、アルキル、アリール、R21‐アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アルコキシアルキル、ハロアルコキシアルキル、アリールオキシアルキル、アリールアルコキシアルキル、ヘテロアリールオキシアルキル、ヘテロアリールアルコキシアルキル、シクロアルキルオキシアルキル、(ヘテロシクリル)アルキルオキシアルキル、アルコキシアルキルオキシアルキル、‐S(O)‐アルキル、‐C(NH)NR、またはシクロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、‐NR、‐NRC(O)R、‐NRC(O)NR、‐NRC(O)OR、‐NRS(O)、‐NRS(O)NR、‐C(O)OH、‐C(O)ORおよび‐C(O)NRから選択される1または2個の部分で置換されるアルキルであるか、あるいは
18およびR19が、それらが結合する窒素と一緒になって、‐O‐、‐N‐、‐S‐、‐S(O)‐、‐S(O)および‐C(O)‐から選択される1〜3個のヘテロ環原子を有する4〜10個の原子の単環式または二環式へテロ環を形成するが、但し、SおよびO原子が互いに隣接せず、前記環が非置換であるか、アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アリールアルコキシ、‐NR、‐NRCOR、‐NRC(O)NR、‐NRC(O)OR、‐NRS(O)、‐NRS(O)NR、‐C(O)OR、‐CONR、ならびに‐NR、‐NRCOR、‐NRCOR、‐NRC(O)OR、‐NRS(O)、‐NRS(O)NR、‐C(O)OR、または‐CONRで置換されるアルキルから選択される1つ以上の基で置換され、
21が、1〜3個の部分であって、各R21が、水素、‐CN、‐CF、‐OCF、ハロゲン、‐NO、アルキル、‐OH、アルコキシ、アルキルアミノ‐、ジ‐(アルキル)アミノ‐、‐NR2526アルキル‐、ヒドロキシアルキル‐、‐C(O)OR17、‐COR17、‐NHCOR16、‐NHS(O)16、‐C(NH)‐NH、‐NHS(O)CHCF、‐C(O)NR2526、‐NR25‐C(O)‐NR2526、‐S(O)R16、‐S(O)16、‐SR16、‐SONRおよび‐CONRからなる群から独立して選択されるか、あるいは2個の隣接するR21部分がメチレンジオキシ基を形成してもよく、
22が、水素、アルキル、フェニル、ベンジル、‐COR16、‐CONR1819、‐COR23、‐S(O)R31、‐S(O)31、‐S(O)NR2425、または‐C(O)OR27であり、
23が、
【0017】
【化8】

であり、式中、R35およびR36が、水素、アルキルおよびR37置換アルキルからなる群から独立して選択され、式中、R37が、HO‐、HS‐、CHS‐、‐NH、フェニル、p‐ヒドロキシフェニルおよびインドリルからなる群から選択されるか、R23が、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル;アルコキシアルキル、アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アリールアルコキシ、‐NR、‐NRC(O)R、‐NRC(O)NR、‐NRC(O)OR、‐NRS(O)、‐NRS(O)NR、‐C(O)ORおよび‐CONRからなる群から選択される1〜3個の置換基で置換されるシクロアルキル;アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル;‐NR、‐NRCOR、‐NRCONR、‐NRC(O)OR、‐NRS(O)R、‐NRS(O)NR、‐C(O)OR、‐CONRおよび‐SOHで置換されるアルキルであり、
24、R25およびR26が、水素、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、ハロシクロアルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシおよびアルコキシからなる群から独立して選択され、
27が、1〜3個の部分であり、各R27が、水素、アルキルおよびシクロアルキルからなる群から選択され、R27が場合により‐OH、‐C(O)OH、ハロゲンおよびアルコキシで置換され、
28およびR29が、水素、アルキル、アルコキシ、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキルおよびハロアルキルからなる群から独立して選択されるか、あるいは
28およびR29が一緒になって、3〜6個の環原子を有するスピロ環またはヘテロスピロ環を形成し、
32およびR33が、水素、R34‐アルキル、R34‐アルケニル、R34‐アルキニル、R40‐ヘテロシクロアルキル、R38‐アリール、R38‐アラルキル、R42‐シクロアルキル、R42‐シクロアルケニル、‐OH、‐OC(O)R43、‐C(O)OR43、‐C(O)R43、‐C(O)NR4344、‐NR4344、‐NR43C(O)R44、‐NR43C(O)R44、‐NR43C(O)NR4445、‐NHS(O)43、‐OC(O)NR4344、R37‐アルコキシ、R37‐アルケニルオキシ、R37‐アルキニルオキシ、R40‐ヘテロシクロアルキルオキシ、R42‐シクロアルキルオキシ、R42‐シクロ‐アルケニルオキシ、R42‐シクロアルキル‐NH‐、‐NHSONHR16および‐CH(=NOR17)からなる群から独立して選択されるか、
あるいはR32およびR33が組み合わさって以下の環構造Qを形成し
【0018】
【化9】

式中、
が、水素、OH、アルコキシ、ハロゲンまたはハロアルキルであり、
Qが、縮合R置換アリール、R置換ヘテロアリール、ならびにO、S、S(O)、S(O)およびNR22から選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する4〜8個の原子のR置換へテロ環であるが、但し、SおよびOが互いに隣接できないことを条件とするか、あるいは
Qが、
【0019】
【化10】

であり、
式中、R10およびR11が、Rおよび‐ORからなる群から独立して選択されるが、但し、環Qが芳香族であり、R10およびR11を有する炭素原子が二重結合によって結合している場合は、R10およびR11が不在であることを条件とし、
Rが、1〜5個の部分であり、各Rが、水素、アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルコキシ、‐COR16、‐C(O)OR17、‐C(O)NR、‐SOR16、‐S(O)R16、‐NR16COR16a、‐NR16C(O)OR16a、‐NR16CONR、‐NR16S(O)NR、フルオロアルキル、ジフルオロアルキル、トリフルオロアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アリールおよびチオアルキルからなる群から独立して選択され、
34が、1〜3個の部分であり、各R34が、水素、ハロゲン、‐OH、アルコキシ、R47‐アリール、アルキル‐C(O)‐、アルケニル‐C(O)‐、アルキニル‐C(O)‐、ヘテロシクロアルキル、R39‐シクロアルキル、R39‐シクロアルケニル、‐OC(O)R43、‐C(O)OR43、‐C(O)R43、‐C(O)NR4344、‐NR4344、‐nR43C(O)R44、‐NR43C(O)NR4445、‐NHSO43、‐OC(O)NR4344、R34‐アルケニルオキシ、R34‐アルキニルオキシ、R40‐ヘテロシクロアルキルオキシ、R42‐シクロアルキルオキシ、R42‐シクロアルケニルオキシ、R42‐シクロアルキル‐NH‐、‐NHSONHR16、および‐CH(=NOR17)からなる群から独立して選択され、
38が、1〜3個の部分であり、各R38が、水素、ヘテロシクロアルキル、ハロゲン、‐C(O)OR48、‐CN、‐C(O)NR4950、‐NR51C(O)R52、‐OR48、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルキルシクロアルキルアルキル、ハロアルキルシクロアルキルアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、およびR52‐ヘテロアリールからなる群から独立して選択されるか、隣接する環炭素上の2個のR38基が縮合メチレンジオキシ基を形成し、
39が、1〜3個の部分であり、各R39が、水素、ハロゲンおよびアルコキシからなる群から独立して選択され、
40が、1〜3個の部分であり、各R40が、水素、R41‐アルキル、R41‐アルケニルおよびR41‐アルキニルからなる群から独立して選択され、
41が、水素、‐OHまたはアルコキシであり、
42が、1〜3個の部分であり、各R42が、水素、アルキル、‐OH、アルコキシおよびハロゲンからなる群から独立して選択され、
43、R44およびR45が、水素、アルキル、アルコキシアルキル、R38‐アリールアルキル、R46‐シクロアルキル、R53‐シクロアルキルアルキル、R38‐アリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキルアルキル、およびヘテロアリールアルキルからなる群から独立して選択され、
46が、水素、アルキル、ヒドロキシアルキルまたはアルコキシであり、
47が、1〜3個の部分であり、各R47が、水素、アルキル、‐OH、ハロゲン、‐CN、アルコキシ、トリハロアルコキシ、アルキルアミノ、ジ(アルキル)アミノ、‐OCF、ヒドロキシアルキル、‐CHO、‐C(O)アルキルアミノ、‐C(O)ジ(アルキル)アミノ、‐NH、‐NHC(O)アルキル、および‐N(アルキル)C(O)アルキルからなる群から独立して選択され、
48が、水素、アルキル、ハロアルキル、ジハロアルキル、またはトリフルオロアルキルであり、
49およびR50が、水素、アルキル、アラルキル、フェニル、およびシクロアルキルからなる群から独立して選択されるか、あるいはR49およびR50が一緒になって、‐(CH‐、‐(CH‐または‐(CH‐NR39‐(CH‐であり、それらが結合する窒素とともに環を形成し、
51およびR52が、水素、アルキル、アラルキル、フェニル、およびシクロアルキルからなる群から独立して選択されるか、あるいは‐NR39C(O)R40基中のR51およびR52が、それらが結合する窒素原子と一緒になって、5〜8個の環員を有する環状ラクタムを形成し、
53が、水素、アルコキシ、‐SOR16、‐SO17、‐C(O)OR17、‐C(O)NR1819、アルキル、ハロゲン、フルオロアルキル、ジフルオロアルキル、トリフルオロアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アラルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アリール、チオアルキル、アルコキシアルキル、またはアルキルアミノアルキルであり、
54が、水素、アルキル、フルオロアルキル、ジフルオロアルキル、トリフルオロアルキル、シクロアルキル;アルコキシアルキル、アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アリールアルコキシ、‐NR、‐NRC(O)R、‐NRC(O)NR、‐NRC(O)OR、‐NRS(O)、‐NRS(O)NR、‐C(O)OH、‐C(O)ORおよび‐CONRからなる群から選択される1〜3個の置換基で置換されるシクロアルキル;アルケニル、アルコキシ、アリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヒドロキシ、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アリール、ヘテロアリール、チオアルキル;ならびに尿素、スルホンアミド、カルボキサミド、カルボン酸、カルボン酸エステルおよびスルホニル尿素からなる群から選択される1〜3個の置換基で置換されるアルキルからなる群から選択される、
化合物、あるいは前記化合物の医薬的に許容される塩、溶媒和物またはエステルに関する。
【0020】
また、少なくとも1つの式Iの化合物および少なくとも1つの医薬的に許容される担体を含む医薬組成物も提供される。
【0021】
本発明の化合物は、PAR‐1アンタゴニストとしても知られるトロンビン受容体アンタゴニストとして、またはカンナビノイド(CB)受容体アンタゴニストとして有用であり得る。本発明のトロンビン受容体拮抗化合物は、抗血栓、抗血小板凝集、抗アテローム性動脈硬化、抗狭窄、抗凝固および/または抗炎症作用を有し得る。本発明のCB受容体阻害化合物は、リウマチ性関節炎、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、糖尿病、骨粗しょう症、腎虚血、脳卒中、脳虚血、腎炎、肺および消化管の炎症性障害、および可逆性気道閉塞、慢性喘息および気管支炎などの呼吸器障害の治療に有用であり得る。
【0022】
本発明の化合物は、血栓症、アテローム性動脈硬化症、再狭窄、高血圧、狭心症、脈管形成関連障害、不整脈、心血管または循環系の疾患または状態、心不全、急性冠症候群(ACS)、心筋梗塞、糸球体腎炎、血栓性脳卒中、血栓塞栓性脳卒中、末梢血管疾患、深部静脈血栓症、静脈血栓塞栓症、ホルモン補充療法に伴う心血管疾患、播種性血管内凝固症候群、脳梗塞、偏頭痛、勃起機能障害、リウマチ性関節炎、リウマチ、星膠症(astrogliosis)、肝臓、腎臓、肺または消化管の線維性障害、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、骨粗しょう症、腎疾患、急性腎不全、慢性腎不全、腎血管ホメオスタシス、腎虚血、膀胱炎、糖尿病、糖尿病性ニューロパシー、脳卒中、脳虚血、腎炎、癌、黒色腫、腎細胞癌、ニューロパシー、悪性腫瘍、神経変性および/または神経毒性疾患、状態または傷害、アルツハイマー病、炎症性疾患または状態、喘息、緑内障、黄斑変性、乾癬、肝臓、腎臓または肺の内皮機能障害、肺および消化管の炎症性障害、呼吸器疾患または状態、放射線線維症、内皮機能不全、歯周疾患もしくは創傷、または脊髄損傷、あるいはそれらの症状または結果、ならびにトロンビンとその受容体が病理学的に関与するその他の障害の治療に有用であり得る。
【0023】
特に、本発明の化合物は、急性冠症候群、心筋梗塞または血栓性脳卒中を治療するのに使用される。
【0024】
また、本発明の化合物は、心肺バイパス(CPB)手術に伴う状態を治療または予防する方法であって、前記手術を受ける被験体に少なくとも1つのトロンビン受容体アンタゴニストの有効量を投与することを含む、方法において使用することもできる。CPB手術には、冠動脈バイパス不術(CABG)、心臓弁修復および置換術、心膜および大動脈修復術が含まれる。特に、本発明は、CABG手術に伴う状態を治療または予防する方法であって、前記手術を受ける被験体に少なくとも1つのトロンビン受容体アンタゴニストの有効量を投与することを含む、方法に関する。CABGに伴う状態は、出血、血栓性血管事象(例えば、血栓症、再狭窄)、静脈移植片生着不全、動脈移植片生着不全、アテローム性動脈硬化症、狭心症、心筋虚血、急性冠症候群、心筋梗塞、心不全、不整脈、高血圧、一過性虚血性発作、脳機能障害、血栓塞栓性脳卒中、脳虚血、脳梗塞、血栓静脈炎、深部静脈血栓症および末梢血管疾患からなる群から選択される。
【0025】
別の実施形態において、本発明の化合物は、患者の非悪性組織において放射線および/または化学物質に誘発される毒性を治療および/または予防する方法であって、式Iの化合物の治療有効量を投与することを含む、方法において有用であり得る。特に、放射線および/または化学物質に誘発される毒性は、腸管線維症、肺炎および粘膜炎の1つ以上である。好ましい実施形態において、放射線および/または化学物質に誘発される毒性は、腸管線維症である。別の好ましい実施形態において、放射線および/または化学物質に誘発される毒性は、口腔粘膜炎である。さらに別の実施形態において、放射線および/または化学物質に誘発される毒性は、腸管粘膜炎、腸管線維症、腸管の放射線症候群または腸管の放射線被曝による病態生理学的な症状発現である。
【0026】
また、本発明は、放射線および/または化学物質の毒性に曝露する予定の患者、現在曝露している患者、または以前に曝露した患者において放射線による構造的な損傷を軽減する方法であって、式Iの化合物の治療有効量を投与することを含む、方法も提供する。また、本発明は、放射線および/または化学物質の毒性に曝露する予定の患者、現在曝露している患者、または以前に曝露した患者において炎症を軽減する方法であって、式Iの化合物の治療有効量を投与することを含む、方法も提供する。また、本発明は、放射線および/または化学物質の毒性に曝露する予定の患者、現在曝露している患者、または以前に曝露した患者において有害組織のリモデリングを軽減する方法であって、式Iの化合物の治療有効量を投与することを含む、方法も提供する。また、本発明は、放射線および/または化学物質の毒性に曝露する予定の患者、現在曝露している患者、または以前に曝露した患者において組織の線維増殖作用を軽減する方法であって、式Iの化合物の治療有効量を投与することを含む、方法も提供する。
【0027】
さらに、本発明は、細胞増殖性障害に罹患した患者において前記障害を治療するのに有用な方法であって、式Iの化合物の治療有効量を投与することを含む、方法も提供する。一実施形態において、細胞増殖性障害は、膵癌、グリオーマ、卵巣癌、結腸直腸および/または大腸癌、乳癌、前立腺癌、甲状腺癌、肺癌、黒色腫、または胃癌である。一実施形態において、グリオーマは未分化星状細胞腫である。別の実施形態において、グリオーマは多形性膠芽腫である。
【0028】
上記で使用される炎症性疾患または状態という用語には、過敏性大腸症候群、クローン病、腎炎、あるいは放射線療法および/または化学療法に誘発される消化管、肺、膀胱、消化管または他の臓器の増殖性または炎症性障害が含まれる。呼吸器疾患または状態という用語には、可逆性気道閉塞、喘息、慢性喘息、気管支炎または慢性気道疾患が含まれる。「癌」には、腎細胞癌または脈管形成関連障害が含まれる。「神経変性疾患」には、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、アルツハイマー病、ハンチントン病またはウィルソン病が含まれる。
【0029】
また、本発明の特定の実施形態は、血栓症、アテローム性動脈硬化症、再狭窄、高血圧、狭心症、脈管形成関連障害、不整脈、心血管または循環系の疾患または状態、心不全、急性冠症候群(ACS)、心筋梗塞、糸球体腎炎、血栓性脳卒中、血栓塞栓性脳卒中、末梢血管疾患、深部静脈血栓症、静脈血栓塞栓症、ホルモン補充療法に伴う心血管疾患、播種性血管内凝固症候群、脳梗塞、偏頭痛、勃起機能障害、リウマチ性関節炎、リウマチ、星膠症、肝臓、腎臓、肺または消化管の線維性障害、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、骨粗しょう症、腎疾患、急性腎不全、慢性腎不全、腎血管ホメオスタシス、腎虚血、膀胱炎、糖尿病、糖尿病性ニューロパシー、脳卒中、脳虚血、腎炎、癌、黒色腫、腎細胞癌、ニューロパシー、悪性腫瘍、神経変性および/または神経毒性疾患、状態または傷害、アルツハイマー病、炎症性疾患または状態、喘息、緑内障、黄斑変性、乾癬、肝臓、腎臓または肺の内皮機能障害、肺および消化管の炎症性障害、呼吸器疾患または状態、放射線線維症、内皮機能不全、歯周疾患もしくは創傷、または脊髄損傷、あるいはそれらの症状または結果の治療のために、式Iの化合物の少なくとも1つの有効量を、1つ以上の他の薬剤と併用する方法にも関する。本発明の併用は列挙した疾患の複数を治療するのに有効であることが企図される。
【0030】
非悪性組織において放射線および/または化学物質に誘発される毒性を治療および/または予防するにあたり、本発明は、このような治療を必要とする患者に1つ以上の式Iの化合物と、Kepivance(登録商標)(パリフェルミン(palifermin))、L‐グルタミン、テヅグルチド(teduglutide)、スクラルファート口腔リンス、イセガナン(iseganan)、ラクトフェリン、メスナ(mesna)およびトレフォイルファクター(trefoil factor)からなる群から選択される1つ以上の放射線反応修復剤との組み合わせの有効量を投与することを含む。
【0031】
細胞増殖性障害を治療するにあたり、本発明は、このような治療を必要とする患者に1つ以上の式Iの化合物と、別の抗新生物剤との組み合わせの有効量を投与することを含む。一実施形態において、他の抗新生物剤はテモゾロミドであり、細胞増殖性障害はグリオーマである。別の実施形態において、他の抗新生物剤はインターフェロンであり、細胞増殖性障害は黒色腫である。一実施形態において、他の抗新生物剤はPEG‐イントロン(ペグインターフェロンα‐2b)であり、細胞増殖性障害は黒色腫である。
【0032】
また、少なくとも1つの式Iの化合物と少なくとも1つの他の心血管薬の組み合わせの治療有効量を、医薬的に許容される担体中に含む医薬組成物も提供される。
【0033】
また、少なくとも1つの式Iの化合物と少なくとも1つの他の放射線反応修復剤の組み合わせの治療有効量を、医薬的に許容される担体中に含む医薬組成物も提供される。
【0034】
また、少なくとも1つの式Iの化合物と抗新生物剤の組み合わせの治療有効量を、医薬的に許容される担体中に含む医薬組成物も提供される。
【0035】
さらに、本発明の組み合わせは、医薬組成物中の少なくとも1つの式Iの化合物、および心心血管薬を含む少なくとも1つの別個の医薬組成物を単一のパッケージに含むキットとして提供できることも企図される。
【発明を実施するための形態】
【0036】
一実施形態において、本発明は、構造式Iで表される化合物であって、式中、種々の部分が上述の通りである、化合物、あるいはその医薬的に許容される塩を提供する。
【0037】
式Iの化合物において、式Iの化合物の好ましい実施形態は以下の通りである:
【0038】
【化11】

【0039】
【化12】

【0040】
【化13】

式Iの化合物の追加的に好ましい実施形態は以下の通りである:
【0041】
【化14】

別の実施形態において、式Iでは、R32およびR33は組み合わさって環構造Qを形成する。
【0042】
別の実施形態において、式Iでは、Qは
【0043】
【化15】

である。
【0044】
別の実施形態において、式Iでは、Qは
【0045】
【化16】

である。
【0046】
別の実施形態において、式Iでは、同じであっても異なっていてもよいR32およびR33はそれぞれアルキルである。
【0047】
別の実施形態において、式Iでは、同じであっても異なっていてもよいR32およびR33はそれぞれメチルである。
【0048】
別の実施形態において、式Iでは、Bは
【0049】
【化17】

である。
【0050】
別の実施形態において、式Iでは、Hetは非置換ピリジルである。
【0051】
別の実施形態において、式Iでは、HetはWで置換されるピリジルであり、前記Wは、少なくとも1つの‐CNまたは少なくとも1つのハロゲンで置換されるアリールである。
【0052】
別の実施形態において、式Iでは、HetはWで置換されるピリジルであり、前記Wは、非置換であってもよければ、少なくとも1つの同じまたは異なっていてもよい部分で置換されてもよいフェニルであり、前記部分は‐CNまたはハロゲンからなる群から独立して選択される。
【0053】
別の実施形態において、式Iでは、E
【0054】
【化18】

であって、式中、nは1である。
【0055】
別の実施形態において、式Iでは、F
【0056】
【化19】

であって、式中、nは1である。
【0057】
別の実施形態において、式Iでは、G
【0058】
【化20】

であって、式中、RおよびRはそれぞれ水素、アルキルまたはフェニルであり、さらに式中、nは1である。
【0059】
別の実施形態において、式Iでは、GはGである。
【0060】
別の実施形態において、式Iでは、Z
【0061】
【化21】

であって、式中、nは1である。
【0062】
別の実施形態において、式Iでは、Zは‐CH‐であって、式中、nは1である。
【0063】
別の実施形態において、式Iでは、Jは‐CH‐であって、式中、nは1である。
【0064】
別の実施形態において、式Iでは、Xは
【0065】
【化22】

である。
【0066】
別の実施形態において、式Iでは、R、R、R10およびR11はHである。
【0067】
別の実施形態において、本発明は、以下:
【0068】
【化23】

の式の化合物であって、式中、
Qが
【0069】
【化24】

であり、
HetがW置換ピリジルであり、
Wが少なくとも1つのハロゲンまたは少なくとも1つのシアノで置換されるフェニルであり、
Bが
【0070】
【化25】

であり、

【0071】
【化26】

であって、式中、nが1であり、
が‐O‐であって、式中、nが1であり、
がGであり、
が‐CH‐であって、式中、nが1であり、
が‐CH‐であって、式中、nが1であり、
Xが
【0072】
【化27】

であり、
、R、R10およびR11がHである、
化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、エステルまたはプロドラッグを開示する。
【0073】
別の実施形態において、本発明は、以下の式の化合物であって:
【0074】
【化28】

式中、
HetがW置換ピリジルであり、
Wが少なくとも1つのハロゲンまたは少なくとも1つのシアノで置換されるフェニルであり、
Bが
【0075】
【化29】

であり、

【0076】
【化30】

であって、式中、nが1であり、
が‐O‐であって、式中、nが1であり、
がGであり、
が‐CH‐であって、式中、nが1であり、
が‐CH‐であって、式中、nが1であり、
Xが
【0077】
【化31】

であり、
32およびR33がそれぞれメチルであり、
、R、R10およびR11がHである、
化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、エステルまたはプロドラッグを開示する。
【0078】
別の実施形態において、本発明は、以下の式の化合物であって:
【0079】
【化32】

式中、
Qが
【0080】
【化33】

であり、
HetがW置換ピリジルであり、
Wが少なくとも1つのハロゲンまたは少なくとも1つのシアノで置換されるフェニルであり、
Bが
【0081】
【化34】

であり、
が‐O‐であって、式中、nが1であり、
が‐CH‐であって、式中、nが1であり、

【0082】
【化35】

であって、式中、nが1であり、
が‐CH‐であって、式中、nが1であり、
が‐CH‐であって、式中、nが1であり、
Xが
【0083】
【化36】

であり、
、R、R10およびR11がHである、
化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、エステルまたはプロドラッグを開示する。
【0084】
別の実施形態において、本発明は、以下の式の化合物であって:
【0085】
【化37】

式中、
HetがW置換ピリジルであり、
Wが少なくとも1つのハロゲンまたは少なくとも1つのシアノで置換されるフェニルであり、
Bが
【0086】
【化38】

であり、
が‐O‐であって、式中、nが1であり、
が‐CH‐であって、式中、nが1であり、

【0087】
【化39】

であって、式中、nが1であり、
が‐CH‐であって、式中、nが1であり、
が‐CH‐であって、式中、nが1であり、
Xが
【0088】
【化40】

であり、
、R、R10およびR11がHであり、
32およびR33がそれぞれメチルである、
化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、エステルまたはプロドラッグを開示する。
【0089】
別の実施形態において、本発明は、以下の式の化合物であって:
【0090】
【化41】

式中、
Qが
【0091】
【化42】

であり、
HetがW置換ピリジルであり、
Wが少なくとも1つのハロゲンまたは少なくとも1つのシアノで置換されるフェニルであり、
Bが
【0092】
【化43】

であり、
が‐O‐であって、式中、nが1であり、
が‐CH‐であって、式中、nが1であり、

【0093】
【化44】

であって、式中、nが1であり、
が‐CH‐であって、式中、nが1であり、
が‐CH‐であって、式中、nが1であり、
Xは
【0094】
【化45】

であり、
、R、R10およびR11がHである、
化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、エステルまたはプロドラッグを開示する。
【0095】
別の実施形態において、本発明は、以下の式の化合物であって:
【0096】
【化46】

式中、
HetがW置換ピリジルであり、
Wが少なくとも1つのハロゲンまたは少なくとも1つのシアノで置換されるフェニルであり、
Bが
【0097】
【化47】

であり、
が‐O‐であって、式中、nが1であり、
が‐CH‐であって、式中、nが1であり、

【0098】
【化48】

であって、式中、nが1であり、
が‐CH‐であって、式中、nが1であり、
が‐CH‐であって、式中、nが1であり、
Xが
【0099】
【化49】

であり、
、R、R10およびR11がHであり、
32およびR33がそれぞれメチルである、
化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、エステルまたはプロドラッグを開示する。
【0100】
別の実施形態において、本発明は、以下の式の化合物であって:
【0101】
【化50】

式中、
Qが
【0102】
【化51】

であり、
HetがW置換ピリジルであり、
Wが少なくとも1つのハロゲンまたは少なくとも1つのシアノで置換されるフェニルであり、
Bが
【0103】
【化52】

であり、

【0104】
【化53】

であって、式中、nが1であり、
が‐CH‐であって、式中、nが1であり、

【0105】
【化54】

であって、式中、nが1であり、
が‐CH‐であり、
が‐CH‐であり、
Xが
【0106】
【化55】

であり、
が、水素、アルキル、フルオロアルキル、ジフルオロアルキル、トリフルオロアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルコキシ、アリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アリールおよびチオアルキルからなる群から選択され、
、R、R10およびR11がHである、
化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、エステルまたはプロドラッグを開示する。
【0107】
別の実施形態において、本発明は、以下の式の化合物であって:
【0108】
【化56】

式中、
HetがW置換ピリジルであり、
Wが少なくとも1つのハロゲンまたは少なくとも1つのシアノで置換されるフェニルであり、
Bが
【0109】
【化57】

であり、

【0110】
【化58】

であって、式中、nが1であり、
が‐CH‐であって、式中、nが1であり、

【0111】
【化59】

であって、式中、nが1であり、
が‐CH‐であり、
が‐CH‐であり、
Xが
【0112】
【化60】

であり、
、R、R10およびR11がHであり、
が、水素、アルキル、フルオロアルキル、ジフルオロアルキル、トリフルオロアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルコキシ、アリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アリールおよびチオアルキルからなる群から選択され、
32およびR33がそれぞれメチルである、
化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、エステルまたはプロドラッグを開示する。
【0113】
別の実施形態において、本発明は、以下の式の化合物であって:
【0114】
【化61】

式中、
Qが
【0115】
【化62】

であり、
HetがW置換ピリジルであり、
Wが少なくとも1つのハロゲンまたは少なくとも1つのシアノで置換されるフェニルであり、
Bが
【0116】
【化63】

であり、

【0117】
【化64】

であって、式中、nが1であり、
が‐CH‐であって、式中、nが1であり、

【0118】
【化65】

であって、式中、nが1であり、
が‐CH‐であり、
が‐CH‐であり、
Xが
【0119】
【化66】

であり、
が、水素、アルキル、フルオロアルキル、ジフルオロアルキル、トリフルオロアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルコキシ、アリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アリールおよびチオアルキルからなる群から選択され、
、R、R10およびR11がHである、
化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、エステルまたはプロドラッグを開示する。
【0120】
別の実施形態において、本発明は、以下の式の化合物であって:
【0121】
【化67】

式中、
HetがW置換ピリジルであり、
Wが少なくとも1つのハロゲンまたは少なくとも1つのシアノで置換されるフェニルであり、
Bが
【0122】
【化68】

であり、

【0123】
【化69】

であって、式中、nが1であり、
が‐CH‐であって、式中、nが1であり、

【0124】
【化70】

であって、式中、nが1であり、
が‐CH‐であって、式中、nが1であり、
が‐CH‐であって、式中、nが1であり、
Xが
【0125】
【化71】

であり、
、R、R10およびR11がHであり、
が、水素、アルキル、フルオロアルキル、ジフルオロアルキル、トリフルオロアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルコキシ、アリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アリールおよびチオアルキルからなる群から選択され、
32およびR33がそれぞれメチルである、
化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、エステルまたはプロドラッグを開示する。
【0126】
別の実施形態において、本発明は、以下の式の化合物であって:
【0127】
【化72】

式中、
Qが
【0128】
【化73】

であり、
HetがW置換ピリジルであり、
Wが少なくとも1つのハロゲンまたは少なくとも1つのシアノで置換されるフェニルであり、
Bが
【0129】
【化74】

であり、

【0130】
【化75】

であって、式中、nが1であり、
が‐CH‐であって、式中、nが1であり、

【0131】
【化76】

であって、式中、nが1であり、
が‐CH‐であり、
が‐CH‐であり、
Xが
【0132】
【化77】

であり、
が、水素、アルキル、フルオロアルキル、ジフルオロアルキル、トリフルオロアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルコキシ、アリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アリールおよびチオアルキルからなる群から選択され、
、R、R10およびR11がHである、
化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、エステルまたはプロドラッグを開示する。
【0133】
別の実施形態において、本発明は、以下の式の化合物であって:
【0134】
【化78】

式中、
HetがW置換ピリジルであり、
Wが少なくとも1つのハロゲンまたは少なくとも1つのシアノで置換されるフェニルであり、
Bが
【0135】
【化79】

であり、

【0136】
【化80】

であって、式中、nが1であり、
が‐CH‐であって、式中、nが1であり、

【0137】
【化81】

であって、式中、nが1であり、
が‐CH‐であって、式中、nが1であり、
が‐CH‐であって、式中、nが1であり、
Xが
【0138】
【化82】

であり、
、R、R10およびR11がHであり、
が、水素、アルキル、フルオロアルキル、ジフルオロアルキル、トリフルオロアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルコキシ、アリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アリールおよびチオアルキルからなる群から選択され、
32およびR33がそれぞれメチルである、
化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、エステルまたはプロドラッグを開示する。
【0139】
別の実施形態において、本発明は、以下の式の化合物であって:
【0140】
【化83】

式中、
Qが
【0141】
【化84】

であり、
HetがW置換ピリジルであり、
Wが少なくとも1つのハロゲンまたは少なくとも1つのシアノで置換されるフェニルであり、
Bが
【0142】
【化85】

であり、

【0143】
【化86】

であって、式中、nが1であり、
が‐O‐であって、式中、nが1であり、

【0144】
【化87】

であって、式中、nが1であり、
が‐CH‐であって、式中、nが1であり、
が‐CH‐であって、式中、nが1であり、
Xが
【0145】
【化88】

であり、
が、水素、アルキル、フルオロアルキル、ジフルオロアルキル、トリフルオロアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルコキシ、アリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アリールおよびチオアルキルからなる群から選択され、
、R、R10およびR11がHである、
化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、エステルまたはプロドラッグを開示する。
【0146】
別の実施形態において、本発明は、以下の式の化合物であって:
【0147】
【化89】

式中、
HetがW置換ピリジルであり、
Wが少なくとも1つのハロゲンまたは少なくとも1つのシアノで置換されるフェニルであり、
Bが
【0148】
【化90】

であり、

【0149】
【化91】

であって、式中、nが1であり、
が‐O‐であって、式中、nが1であり、

【0150】
【化92】

であって、式中、nが1であり、
が‐CH‐であって、式中、nが1であり、
が‐CH‐であって、式中、nが1であり、
Xが
【0151】
【化93】

であり、
、R、R10およびR11がHであり、
が、水素、アルキル、フルオロアルキル、ジフルオロアルキル、トリフルオロアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルコキシ、アリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アリールおよびチオアルキルからなる群から選択され、
32およびR33がそれぞれメチルである、
化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、エステルまたはプロドラッグを開示する。
【0152】
別の実施形態において、本発明は、以下の式の化合物であって:
【0153】
【化94】

式中、
Qが
【0154】
【化95】

であり、
HetがW置換ピリジルであり、
Wが少なくとも1つのハロゲンまたは少なくとも1つのシアノで置換されるフェニルであり、
Bが
【0155】
【化96】

であり、

【0156】
【化97】

であって、式中、nが1であり、
が‐O‐であって、式中、nが1であり、
がGであり、
が‐CH‐であって、式中、nが1であり、

【0157】
【化98】

であって、式中、nが1であり、
Xが
【0158】
【化99】

であり、
が、水素、アルキル、フルオロアルキル、ジフルオロアルキル、トリフルオロアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルコキシ、アリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アリールおよびチオアルキルからなる群から選択され、
、R、R10およびR11がHである、
化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、エステルまたはプロドラッグを開示する。
【0159】
別の実施形態において、本発明は、以下の式の化合物であって:
【0160】
【化100】

式中、
HetがW置換ピリジルであり、
Wが少なくとも1つのハロゲンまたは少なくとも1つのシアノで置換されるフェニルであり、
Bが
【0161】
【化101】

であり、

【0162】
【化102】

であって、式中、nが1であり、
が‐O‐であって、式中、nが1であり、
がGであり、
が‐CH‐であって、式中、nが1であり、

【0163】
【化103】

であって、式中、nが1であり、
Xが
【0164】
【化104】

であり、
、R、R10およびR11がHであり、
が、水素、アルキル、フルオロアルキル、ジフルオロアルキル、トリフルオロアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルコキシ、アリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アリールおよびチオアルキルからなる群から選択され、
32およびR33がそれぞれメチルである、
化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、エステルまたはプロドラッグを開示する。
【0165】
別の実施形態において、本発明は、以下の式の化合物であって:
【0166】
【化105】

式中、
Qが
【0167】
【化106】

であり、
HetがW置換ピリジルであり、
Wが少なくとも1つのハロゲンまたは少なくとも1つのシアノで置換されるフェニルであり、
Bが
【0168】
【化107】

であり、

【0169】
【化108】

であって、式中、nが1であり、

【0170】
【化109】

であって、式中、nが1であり、
がGであり、
が‐CH‐であって、式中、nが1であり、

【0171】
【化110】

であって、式中、nが1であり、
Xが
【0172】
【化111】

であり、
が、水素、アルキル、フルオロアルキル、ジフルオロアルキル、トリフルオロアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルコキシ、アリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アリールおよびチオアルキルからなる群から選択され、
、R、R10およびR11がHである、
化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、エステルまたはプロドラッグを開示する。
【0173】
別の実施形態において、本発明は、以下の式の化合物であって:
【0174】
【化112】

式中、
HetがW置換ピリジルであり、
Wが少なくとも1つのハロゲンまたは少なくとも1つのシアノで置換されるフェニルであり、
Bが
【0175】
【化113】

であり、

【0176】
【化114】

であって、式中、nが1であり、

【0177】
【化115】

であって、式中、nが1であり、
がGであり、
が‐CH‐であって、式中、nが1であり、

【0178】
【化116】

であって、式中、nが1であり、
Xが
【0179】
【化117】

であり、
、R、R10およびR11がHであり、
およびRが、水素、アルキル、フルオロアルキル、ジフルオロアルキル、トリフルオロアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルコキシ、アリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アリールおよびチオアルキルからなる群から選択され、
32およびR33がそれぞれメチルである、
化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、エステルまたはプロドラッグを開示する。
【0180】
別の実施形態において、本発明は、以下の式の化合物であって:
【0181】
【化118】

式中、
Qが
【0182】
【化119】

であり、
HetがW置換ピリジルであり、
Wが少なくとも1つのハロゲンまたは少なくとも1つのシアノで置換されるフェニルであり、
Bが
【0183】
【化120】

であり、

【0184】
【化121】

であって、式中、nが1であり、

【0185】
【化122】

であって、式中、nが1であり、

【0186】
【化123】

であって、式中、nが1であり、
が‐CH‐であって、式中、nが1であり、

【0187】
【化124】

であって、式中、nが1であり、
Xが
【0188】
【化125】

であり、
およびRが、水素、アルキル、フルオロアルキル、ジフルオロアルキル、トリフルオロアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルコキシ、アリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アリールおよびチオアルキルからなる群から独立して選択され、
、R、R10およびR11がHである、
化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、エステルまたはプロドラッグを開示する。
【0189】
別の実施形態において、本発明は、以下の式の化合物であって:
【0190】
【化126】

式中、
HetがW置換ピリジルであり、
Wが少なくとも1つのハロゲンまたは少なくとも1つのシアノで置換されるフェニルであり、
Bが
【0191】
【化127】

であり、

【0192】
【化128】

であって、式中、nが1であり、

【0193】
【化129】

であって、式中、nが1であり、

【0194】
【化130】

であって、式中、nが1であり、
が‐CH‐であって、式中、nが1であり、

【0195】
【化131】

であって、式中、nが1であり、
Xが
【0196】
【化132】

であり、
、R、R10およびR11がHであり、
およびRが、水素、アルキル、フルオロアルキル、ジフルオロアルキル、トリフルオロアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルコキシ、アリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アリールおよびチオアルキルからなる群から独立して選択され、
32およびR33がそれぞれメチルである、
化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、エステルまたはプロドラッグを開示する。
【0197】
別の実施形態において、本発明は、以下の式の化合物であって:
【0198】
【化133】

式中、
Qが
【0199】
【化134】

であり、
HetがW置換ピリジルであり、
Wが少なくとも1つのハロゲンまたは少なくとも1つのシアノで置換されるフェニルであり、
Bが
【0200】
【化135】

であり、

【0201】
【化136】

であって、式中、nが1であり、

【0202】
【化137】

であって、式中、nが1であり、

【0203】
【化138】

であって、式中、nが1であり、
が‐CH‐であって、式中、nが1であり、

【0204】
【化139】

であって、式中、nが1であり、
Xが
【0205】
【化140】

であり、
およびRが、水素、アルキル、フルオロアルキル、ジフルオロアルキル、トリフルオロアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルコキシ、アリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アリールおよびチオアルキルからなる群から独立して選択され、
が、水素、アルキルまたがフェニルであり、
、R、R10およびR11がHである、
化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、エステルまたはプロドラッグを開示する。
【0206】
別の実施形態において、本発明は、以下の式の化合物であって:
【0207】
【化141】

式中、
HetがW置換ピリジルであり、
Wが少なくとも1つのハロゲンまたは少なくとも1つのシアノで置換されるフェニルであり、
Bが
【0208】
【化142】

であり、

【0209】
【化143】

であって、式中、nが1であり、

【0210】
【化144】

であって、式中、nが1であり、

【0211】
【化145】

であって、式中、nが1であり、
が‐CH‐であって、式中、nが1であり、

【0212】
【化146】

であって、式中、nが1であり、
Xが
【0213】
【化147】

であり、
、R、R10およびR11がHであり、
およびRが、水素、アルキル、フルオロアルキル、ジフルオロアルキル、トリフルオロアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルコキシ、アリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アリールおよびチオアルキルからなる群から独立して選択され、
が、水素、アルキルまたがフェニルであり、
32およびR33がそれぞれメチルである、
化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、エステルまたはプロドラッグを開示する。
【0214】
別の実施形態において、本発明は、以下の式の化合物であって:
【0215】
【化148】

式中、
Qが
【0216】
【化149】

であり、
HetがW置換ピリジルであり、
Wが少なくとも1つのハロゲンまたは少なくとも1つのシアノで置換されるフェニルであり、
Bが
【0217】
【化150】

であり、

【0218】
【化151】

であって、式中、nが1であり、
が‐O‐であって、式中、nが1であり、
がGであり、
が‐CH‐であって、式中、nが1であり、

【0219】
【化152】

であって、式中、nが1であり、
Xが
【0220】
【化153】

であり、
およびRが、水素、アルキル、フルオロアルキル、ジフルオロアルキル、トリフルオロアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルコキシ、アリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アリールおよびチオアルキルからなる群から独立して選択され、
、R、R10およびR11がHである、
化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、エステルまたはプロドラッグを開示する。
【0221】
別の実施形態において、本発明は、以下の式の化合物であって:
【0222】
【化154】

式中、
HetがW置換ピリジルであり、
Wが少なくとも1つのハロゲンまたは少なくとも1つのシアノで置換されるフェニルであり、
Bが
【0223】
【化155】

であり、

【0224】
【化156】

であって、式中、nが1であり、
が‐O‐であって、式中、nが1であり、
がGであり、
が‐CH‐であって、式中、nが1であり、

【0225】
【化157】

であって、式中、nが1であり、
Xが
【0226】
【化158】

であり、
、R、R10およびR11がHであり、
およびRが、水素、アルキル、フルオロアルキル、ジフルオロアルキル、トリフルオロアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルコキシ、アリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アリールおよびチオアルキルからなる群から独立して選択され、
32およびR33がそれぞれメチルである、
化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、エステルまたはプロドラッグを開示する。
【0227】
式Iの化合物の非制限例には、以下が含まれる:
【0228】
【化159】

上記および本開示内容全体で使用される以下の用語は、特に記載がない限り、以下の意味を有するものとして理解されるものとする。
【0229】
「患者」には、ヒトおよび動物の両方が含まれる。
【0230】
「被験体」には、哺乳動物および非哺乳動物の両方が含まれる。
【0231】
「哺乳動物」とは、ヒトおよび他の哺乳動物を意味する。
【0232】
「アルキル」とは、直鎖または分枝鎖である場合があり、約1〜約20個の炭素原子を鎖内に含む脂肪族炭化水素基を意味する。好ましいアルキル基は、鎖内に約1〜約12個の炭素原子を含有する。より好ましいアルキル基は、鎖内に約1〜約6個の炭素原子を含有する。分枝鎖とは、メチル、エチルまたはプロピルなどの1つ以上の低級アルキル基が直鎖アルキル鎖に結合していることを意味する。「低級アルキル」とは、直鎖または分枝鎖である場合がある鎖に約1〜約6個の炭素原子を有する基を意味する。「アルキル」は非置換である場合もあれば、同じ場合もあれば異なる場合もある1つ以上の置換基によって場合により置換される場合があり、各置換基は、ハロ、アルキル、アリール、シクロアルキル、シアノ、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキルチオ、アミノ、‐NH(アルキル)、‐NH(シクロアルキル)、‐N(アルキル)、カルボキシおよび‐C(O)O‐アルキルからなる群から独立して選択される。適切なアルキル基の非制限例には、メチル、エチル、n‐プロピル、イソプロピルおよびt‐ブチル、n‐ペンチル、ヘプチル、ノニル、デシル、フルオロメチル、トリフルオロメチル、およびシクロプロピルメチルが含まれる。
【0233】
「アルケニル」とは、少なくとも1つの炭素‐炭素二重結合を含有し、直鎖または分枝鎖である場合があり、鎖内に約2〜約15個の炭素原子を含む脂肪族炭化水素基を意味する。好ましいアルケニル基は、鎖内に約2〜約12個の炭素原子を有し、より好ましくは鎖内に約2〜約6個の炭素原子を有する。分枝鎖とは、メチル、エチルまたはプロピルなどの1つ以上の低級アルキル基が直鎖アルケニル鎖に結合していることを意味する。「低級アルケニル」とは、直鎖または分枝鎖である場合がある鎖に約2〜約6個の炭素原子を有する基を意味する。「アルケニル」は非置換である場合もあれば、同じ場合もあれば異なる場合もある1つ以上の置換基によって場合により置換される場合があり、各置換基は、ハロ、アルキル、アリール、シクロアルキル、シアノ、アルコキシおよび‐S(アルキル)からなる群から独立して選択される。適切なアルケニル基の非制限例には、エテニル、プロペニル、n‐ブテニル、3‐メチルブト‐2‐エニル、n‐ペンテニル、オクテニルおよびデセニルが含まれる。
【0234】
「アルキレン」とは、上に定義したアルキル基から水素原子を除去することによって得られるニ官能基を意味する。アルキレンの非制限例には、メチレン、エチレンおよびプロピレンが含まれる。
【0235】
「アルケニレン」とは、上に定義したアルケニル基から水素原子を除去することによって得られるニ官能基を意味する。アルケニレンの非制限例には、‐CH=CH‐、‐C(CH)=CH‐、および‐CH=CHCH‐が含まれる。
【0236】
「アルキニル」とは、少なくとも1つの炭素‐炭素三重結合を含有し、直鎖または分枝鎖である場合があり、鎖内に約2〜約15個の炭素原子を含む脂肪族炭化水素基を意味する。好ましいアルキニル基は、鎖内に約2〜約12個の炭素原子を有し、より好ましくは鎖内に約2〜約4個の炭素原子を有する。分枝鎖とは、メチル、エチルまたはプロピルなどの1つ以上の低級アルキル基が直鎖アルキニル鎖に結合していることを意味する。「低級アルキニル」とは、直鎖または分枝鎖である場合がある鎖に約2〜約6個の炭素原子を有する基を意味する。適切なアルキニル基の非制限例には、エチニル、プロピニル、2‐ブチニルおよび3‐メチルブチニルが含まれる。「アルキニル」は非置換である場合もあれば、同じ場合もあれば異なる場合もある1つ以上の置換基によって場合により置換される場合があり、各置換基は、アルキル、アリールおよびシクロアルキルからなる群から独立して選択される。
【0237】
「アリール」とは、約6〜約14個の炭素原子、好ましくは約6〜約10個の炭素原子を含む芳香族単環系または多環系を意味する。アリール基は、同じ場合もあれば異なる場合もあり、本明細書に定義する通りである1つ以上の「環系置換基」によって場合により置換されてもよい。適切なアリール基の非制限例には、フェニルおよびナフチルが含まれる。
【0238】
「ヘテロアリール」とは、約5〜約14個の環原子、好ましくは約5〜約10個の環原子を含み、環原子の1つ以上が炭素以外の元素、例えば窒素、酸素または硫黄の単独または組み合わせである、芳香族単環系または多環系を意味する。好ましいヘテロアリールは、約5〜約6個の環原子を含有する。「ヘテロアリール」は、同じ場合もあれば異なる場合もあり、本明細書に定義する通りである1つ以上の「環系置換基」によって場合により置換されてもよい。ヘテロアリールの語根名の前に付く接頭語アザ、オキサまたはチアとは、それぞれ少なくとも窒素、酸素または硫黄原子が環原子として存在することを意味する。ヘテロアリールの窒素原子は、場合により対応するN‐オキシドに酸化されてもよい。また「ヘテロアリール」には、上に定義したようなアリールに縮合する、上に定義したようなヘテロアリールが含まれる場合もある。適切なヘテロアリールの非制限例には、ピリジル、ピラジニル、フラニル、チエニル、ピリミジニル、ピリドン(N置換ピリドンを含む)、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、フラザニル、ピロリル、ピラゾリル、トリアゾリル、1,2,4‐チアジアゾリル、ピラジニル、ピリダジニル、キノキサリニル、フタラジニル、オキシインドリル、イミダゾ[1,2‐a]ピリジニル、イミダゾ[2,1‐b]チアゾリル、ベンゾフラザニル、インドリル、アザインドリル、ベンジミダゾリル、ベンゾチエニル、キノリニル、イミダゾリル、チエノピリジル、キナゾリニル、チエノピリミジル、ピロロピリジル、イミダゾピリジル、イソキノリニル、ベンゾアザインドリル、1,2,4‐トリアジニル、ベンゾチアゾリルなどが含まれる。また「ヘテロアリール」という用語は、例えばテトラヒドロイソキノリル、テトラヒドロキノリルなどの部分飽和ヘテロアリール部分も指す。
【0239】
「Het」という用語は、直前に定義したような単一の環、二環式およびベンゾ縮合ヘテロアリール基によって例示される。Het基は、炭素環のメンバーによってB基に結合し、例えば、Hetは2‐ピリジル、3‐ピリジルまたは2‐キノリルである。Het環は、いずれかの可能な環炭素上でW基によって置換されてもよく、1〜4個のW置換基がHet環上に存在してもよい。
【0240】
「アラルキル」または「アリールアルキル」とは、アリールおよびアルキルが上述の通りであるアリール‐アルキル基を意味する。好ましいアラルキルは低級アルキル基を含む。適切なアラルキル基の非制限例には、ベンジル、2‐フェネチルおよびナフタレニルメチルが含まれる。親部分への結合はアルキルを介する。
【0241】
「アルキルアリール」とは、アルキルおよびアリールが上述の通りであるアルキル‐アリール基を意味する。好ましいアルキルアリールは低級アルキル基を含む。適切なアルキルアリール基の非制限例はトリルである。親部分への結合はアリールを介する。
【0242】
「シクロアルキル」とは、約3〜約10個の炭素原子、好ましくは約5〜約10個の炭素原子を含む非芳香族単環系または多環系を意味する。好ましいシクロアルキル環は、約5〜約7個の環原子を含有する。シクロアルキルは、同じ場合もあれば異なる場合もあり、本明細書に定義する通りである1つ以上の「環系置換基」によって場合により置換されてもよい。適切な単環式シクロアルキルの非制限例には、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどが含まれる。適切な多環式シクロアルキルの非制限例には、1‐デカリニル、ノルボルニル、アダマンチルなどが含まれる。
【0243】
「シクロアルキルアルキル」とは、アルキル部分(上に定義)を介して親核に結合する上に定義したようなシクロアルキル部分を意味する。適切なシクロアルキルアルキルの非制限例には、シクロヘキシルメチル、アダマンチルメチルなどが含まれる。
【0244】
「シクロアルケニル」とは、少なくとも1つの炭素‐炭素二重結合を含有する、約3〜約10個の炭素原子、好ましくは約5〜約10個の炭素原子を含む、非芳香族単環系または多環系を意味する。好ましいシクロアルケニル環は、約5〜約7個の環原子を含有する。シクロアルケニルは、同じ場合もあれば異なる場合もあり、本明細書に定義する通りである1つ以上の「環系置換基」によって場合により置換されてもよい。適切な単環式シクロアルケニルの非制限例には、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプタ‐1,3‐ジエニルなどが含まれる。適切な多環式シクロアルケニルの非制限例は、ノルボルニレニルである。
【0245】
「シクロアルキレン」とは、他の基との結合点がすべての位置異性体を含む、対応する二価環を指す。
【0246】
「ジヒドロキシアルキル」とは、2種類の炭素原子上で2個のヒドロキシ基で置換されるアルキル鎖を指す。
【0247】
「フルオロアルキル」、「ジフルオロアルキル」および「トリフルオロアルキル」とは、末端の炭素がそれぞれ1個、2個または3個のフルオロ原子によって置換されるアルキル鎖、例えば‐CF、‐CHCF、‐CHCHFまたは‐CHCHFを意味する。
【0248】
「ハロ」とは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素基を指す。好ましいのはフルオロ、クロロまたはブロモであり、より好ましいのはフルオロおよびクロロである。
【0249】
「シクロアルケニルアルキル」とは、アルキル部分(上に定義)を介して親核に結合する上に定義したようなシクロアルケニル部分を意味する。適切なシクロアルケニルアルキルの非制限例には、シクロペンテニルメチル、シクロヘキセニルメチルなどが含まれる。
【0250】
「ハロ」とは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素基を指す。好ましいのはフルオロ、クロロまたはブロモであり、より好ましいのはフルオロおよびクロロである。
【0251】
「ハロゲン」とは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味する。好ましいのはフッ素、塩素および臭素である。
【0252】
「環系置換基」とは、例えば環系上の利用可能な水素と置換する芳香族または非芳香族環系に結合する置換基を意味する。環系置換基は、同じ場合もあれば異なる場合もあり、それぞれは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アルキルアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキニル、アルキルヘテロアリール、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、アシル、アロイル、ハロ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アラルコキシカルボニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アルキルチオ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、アラルキルチオ、ヘテロアラルキルチオ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、‐C(=N‐CN)‐NH、‐C(=NH)‐NH、‐C(=NH)‐NH(アルキル)、YN‐、YN‐アルキル‐、YNC(O)‐、YNSO‐およびSONY(式中、YおよびYは同じであっても異なっていてもよく、水素、アルキル、アリール、シクロアルキルおよびアラルキルからなる群から独立して選択される)からなる群から独立して選択される。また「環系置換基」とは、環系上の2個の隣接する炭素原子上の2個の利用可能な水素(各炭素上の1個のH)を同時に置換する単一の部分を意味する場合もある。このような部分の例は、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、‐C(CH‐などであり、例えば
【0253】
【化160】

のような部分を形成する。
【0254】
「Boc」という用語は、N‐tert‐ブトキシカルボニルを指す。
【0255】
「ヘテロアリールアルキル」とは、アルキル部分(上に定義)を介して親核に結合する上に定義したようなヘテロアリール部分を意味する。適切なヘテロアリールの非制限例には、2‐ピリジニルメチル、キノリニルメチルなどが含まれる。
【0256】
「ヘテロシクリル」または「ヘテロシクロアルキル」とは、約3〜約10個の環原子、好ましくは約5〜約10個の環原子を含み、環系の1つ以上の原子が炭素以外の元素、例えば窒素、酸素または硫黄の単独または組み合わせである、非芳香族飽和単環系または多環系を意味する。この環系に隣接する酸素および/または硫黄原子は存在しない。好ましいヘテロシクリルは約5〜約6個の環原子を含有する。ヘテロシクリルの語根名の前に付く接頭語アザ、オキサまたはチアとは、それぞれ少なくとも窒素、酸素または硫黄原子が環原子として存在することを意味する。ヘテロシクリル環のいずれかの‐NHが、例えば‐N(Boc)、‐N(CBz)、‐N(Tos)基などのように保護されて存在する場合があり、このような保護も本発明の一部とみなされる。ヘテロシクリルは、同じ場合もあれば異なる場合もあり、本明細書に定義する通りである1つ以上の「環系置換基」によって場合により置換されてもよい。ヘテロシクリルの窒素または硫黄原子は、場合により対応するN‐オキシド、S‐オキシドまたはS,S‐ジオキシドに酸化されてもよい。適切な単環式へテロシクリル環の非制限例には、ピペリジル、ピロリジニル、ピペラジニル、モルフォリニル、チオモルフォリニル、チアゾリジニル、1,4‐ジオキサニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ラクタム、ラクトンなどが含まれる。「ヘテロシクリル」は、環系上の同じ炭素原子上の2個の利用可能な水素を同時に置換する単一の部分(例えば、カルボニル)を意味する場合もある。このような部分の例には、以下のピロリドンがある:
【0257】
【化161】

「ヘテロシクリルアルキル」または「ヘテロシクロアルキルアルキル」とは、アルキル部分(上に定義)を介して親核に結合する上に定義したようなヘテロシクリル部分を意味する。適切なヘテロシクリルアルキルの非制限例には、ピペリジニルメチル、ピペラジニルメチルなどが含まれる。
【0258】
「ヘテロシクレニル」とは、約3〜約10個の環原子、好ましくは約5〜約10個の環原子を含み、その環系の1つ以上の原子が炭素以外の元素、例えば窒素、酸素または硫黄の単独または組み合わせであり、少なくとも1つの炭素‐炭素二重結合または炭素‐窒素二重結合を含有する、非芳香族飽和単環系または多環系を意味する。この環系に隣接する酸素および/または硫黄原子は存在しない。好ましいヘテロシクレニル環は、約5〜約6個の環原子を含有する。ヘテロシクレニルの語根名の前に付く接頭語アザ、オキサまたはチアとは、それぞれ少なくとも窒素、酸素または硫黄原子が環原子として存在することを意味する。ヘテロシクレニルは、場合により1つ以上の環系置換基で置換されてもよく、「環系置換基」とは上に定義した通りである。ヘテロシクレニルの窒素または硫黄原子は、場合により対応するN‐オキシド、S‐オキシドまたはS,S‐ジオキシドに酸化されてもよい。適切なヘテロシクレニルの非制限例には、1,2,3,4‐テトラヒドロピリジニル、1,2‐ジヒドロピリジニル、1,4‐ジヒドロピリジニル、1,2,3,6‐テトラヒドロピリジニル、1,4,5,6‐テトラヒドロピリミジニル、2‐ピロリニル、3‐ピロリニル、2‐イミダゾリニル、2‐ピラゾリニル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロオキサゾリル、ジヒドロオキサジアゾリル、ジヒドロチアゾリル、3,4‐ジヒドロ‐2H‐ピラニル、ジヒドロフラニル、フルオロジヒドロフラニル、7‐オキサビシクロ[2.2.1]ヘプテニル、ジヒドロチオフェニル、ジヒドロチオピラニルなどが含まれる。「ヘテロシクレニル」とは、環系上の同じ炭素原子上の2個の利用可能な水素を同時に置換する単一の部分(例えば、カルボニル)も意味する場合がある。このような部分の例には、以下のピロリジノンがある:
【0259】
【化162】

「ヘテロシクレニルアルキル」とは、アルキル部分(上に定義)を介して親核に結合する上に定義したようなヘテロシクレニル部分を意味する。
【0260】
本発明の環系を含有するヘテロ原子には、N、OまたはSに隣接する炭素原子上にヒドロキシル基がなく、別のヘテロ原子に隣接する炭素上にN基もS基もないことに留意する必要がある。このため、例えば、以下の環には:
【0261】
【化163】

2および5と記された炭素に直接結合する‐OHはない。
【0262】
また、例えば以下の部分:
【0263】
【化164】

のような互変異性形態は、本発明の特定の実施形態においては同等であるとみなされることにも留意する必要がある。
【0264】
「ヘテロスピロ環」用語は、3〜5個の炭素原子およびN、SおよびOからなる群から選択される1または2個のヘテロ原子を含有し、前記ヘテロ原子が隣接していないスピロ環構造を指す。
【0265】
「アルキルアミノ」とは、アルキル基が上述の通りであるアルキル‐アミノ基を意味する。親部分への結合はアミノを介する。
【0266】
「アルキルアミノアルキル」とは、アルキル基が上述の通りであるアルキル‐アミノ‐アルキル基を意味する。親部分への結合はアルキルを介する。
【0267】
「アルキルシクロアルキルアルキル」とは、アルキルおよびシクロアルキル基が上述の通りであるアルキル‐シクロアルキル‐アルキル基を意味する。親部分への結合はアルキルを介する。
【0268】
「アルキルヘテロアリール」とは、アルキルおよびヘテロアリール基が上述の通りであるアルキル‐ヘテロアリール基を意味する。親部分への結合はヘテロアリールを介する。
【0269】
「アルキルへテロシクロアルキル」とは、アルキルおよびヘテロシクロアルキル基が上述の通りであるアルキル‐ヘテロシクロアルキル基を意味する。親部分への結合はヘテロシクロアルキルを介する。
【0270】
「アルコキシアルキロキシアルキル」とは、アルコキシおよびアルキル基が上述の通りであるアルコキシ‐アルキル‐O‐アルキル基を意味する。親部分への結合はアルキルを介する。
【0271】
「アルキニルアルキル」とは、アルキニルおよびアルキル基が上述の通りであるアルキニル‐アルキル基を意味する。好ましいアルキニルアルキルは、低級アルキニル基および低級アルキル基を含有する。親部分への結合はアルキルを介する。適切なアルキニルアルキル基の非制限例には、プロパルギルメチルが含まれる。
【0272】
「ヘテロアラルキル」とは、ヘテロアリールおよびアルキルが上述の通りであるヘテロアリール‐アルキル基を意味する。好ましいヘテロアラルキルは低級アルキル基を含有する。適切なアラルキル基の非制限例には、ピリジルメチルおよびキノリン‐3‐イルメチルが含まれる。親部分への結合はアルキルを介する。
【0273】
「ハロアルキル」とは、アルキル基が上述の通りであるハロ‐アルキル基を意味する。親部分への結合はアルキルを介する。適切なハロアルキル基の非制限例には、フルオロメチルおよびジフルオロメチルが含まれる。
【0274】
「ヘテロアリールアルケニル」とは、ヘテロアリールおよびアルケニルが上述の通りであるヘテロアリール‐アルケニル基を意味する。好ましいヘテロアリールアルケニルは低級アルケニル基を含有する。親部分への結合はアルケニル基を介する。
【0275】
「ヘテロシクロアルキルオキシ」とは、ヘテロシクロアルキル基が上述の通りであるヘテロシクロアルキル‐O‐基を意味する。親部分への結合はエーテル原子を介する。
【0276】
「ヘテロアリールアルコキシアルキル」とは、ヘテロアリールおよびアルコキシアルキル基が上述の通りであるヘテロアリール‐アルコキシアルキル基を意味する。親部分への結合はアルキル基を介する。
【0277】
「ヒドロキシアルキル」とは、アルキルが上に定義した通りであるHO‐アルキル基を意味する。適切なヒドロキシアルキル基の非制限例には、ヒドロキシメチルおよび2‐ヒドロキシエチルが含まれる。
【0278】
「アシル」とは、種々の基が上述の通りであるH‐C(O)‐、アルキル‐C(O)‐またはシクロアルキル‐C(O)‐基を意味する。親部分への結合はカルボニルを介する。好ましいアシルは低級アルキルを含有する。適切なアシル基の非制限例には、ホルミル、アセチルおよびプロパノイルが含まれる。
【0279】
「アロイル」とは、アリール基が上述の通りであるアリール‐C(O)‐基を意味する。親部分への結合はカルボニルを介する。適切な基の非制限例には、ベンゾイルおよび1‐ナフトイルが含まれる。
【0280】
「アルコキシ」とは、アルキル基が上述の通りであるアルキル‐O‐基を意味する。適切なアルコキシ基の非制限例には、メトキシ、エトキシ、n‐プロポキシ、イソプロポキシおよびn‐ブトキシが含まれる。親部分への結合はエーテル酸素を介する。
【0281】
「アリールオキシ」とは、アリール基が上述の通りであるアリール‐O‐基を意味する。適切なアリールオキシ基の非制限例には、フェノキシおよびナフトキシが含まれる。親部分への結合はエーテル酸素を介する。
【0282】
「アラルキルオキシ」とは、アラルキル基が上述の通りであるアラルキル‐O‐基を意味する。適切なアラルキルオキシ基の非制限例には、ベンジルオキシおよび1‐または2‐ナフタレンメトキシが含まれる。親部分への結合はエーテル酸素を介する。
【0283】
「アミノアルキル」とは、アルキル基が上述の通りであるアミノ‐アルキル基を意味する。親部分への結合はアルキルを介する。
【0284】
「アルケニルオキシ」とは、アルケニル基が上述の通りであるアルケニル‐O‐基を意味する。親部分への結合はエーテル酸素を介する。
【0285】
「アルキニルオキシ」とは、アルキニル基が上述の通りであるアルキニル‐O‐基を意味する。親部分への結合はエーテル酸素を介する。
【0286】
「アリールオキシアルキル」とは、アリールおよびアルキル基が上述の通りであるアリール‐O‐アルキル基を意味する。適切なアリールオキシアルキル基の非制限例には、フェノキシメチルおよびナフトキシメチルが含まれる。親部分への結合はアルキルを介する。
【0287】
「アリールアルコキシアルキル」とは、アリールおよびアルコキシアルキル基が上述の通りであるアリール‐アルコキシアルキル基を意味する。親部分への結合はアルキル基を介する。
【0288】
「アラルキルオキシ」とは、アラルキル基が上述の通りであるアラルキル‐O‐基を意味する。適切なアラルキルオキシ基の非制限例には、ベンジルオキシおよび1‐または2‐ナフタレンメトキシが含まれる。親部分への結合はエーテル酸素を介する。
【0289】
「アリールオキシカルボニル」とは、アリール‐O‐C(O)‐基を意味する。適切なアリールオキシカルボニル基の非制限例には、フェノキシカルボニルおよびナフトキシカルボニルが含まれる。親部分への結合はカルボニルを介する。
【0290】
「アリールスルホニル」とは、アリール‐S(O)‐基を意味する。親部分への結合はスルホニルを介する。
【0291】
「シクロアルケニルオキシ」とは、シクロアルケニル基が上述の通りであるシクロアルケニル‐O‐基を意味する。親部分への結合はエーテル原子を介する。
【0292】
「アリールチオ」とは、アリール基が上述の通りであるアリール‐S‐基を意味する。適切なアリールチオ基の非制限例には、フェニルチオおよびナフチルチオが含まれる。親部分への結合は硫黄を介する。
【0293】
「アラルキルチオ」とは、アラルキル基が上述の通りであるアラルキル‐S‐基を意味する。適切なアラルキルチオ基の非制限例には、ベンジルチオがある。親部分への結合は硫黄を介する。
【0294】
「アルコキシカルボニル」とは、アルキル‐O‐CO‐基を意味する。適切なアルコキシカルボニル基の非制限例には、メトキシカルボニルおよびエトキシカルボニルが含まれる。親部分への結合はカルボニルを介する。
【0295】
「アリールオキシカルボニル」とは、アリール‐O‐C(O)‐基を意味する。適切なアリールオキシカルボニル基の非制限例には、フェノキシカルボニルおよびナフトキシカルボニルが含まれる。親部分への結合はカルボニルを介する。
【0296】
「アラルコキシカルボニル」とは、アラルキル‐O‐C(O)‐基を意味する。適切なアラルコキシカルボニル基の非制限例には、ベンジルオキシカルボニルがある。親部分への結合はカルボニルを介する。
【0297】
「アルキルスルホニル」とは、アルキル‐S(O)‐基を意味する。好ましい基は、アルキル基が低級アルキルである基である。親部分への結合はスルホニルを介する。
【0298】
「アリールスルホニル」とは、アリール‐S(O)‐基を意味する。親部分への結合はスルホニルを介する。
【0299】
「シクロアルキルオキシ」または「シクロアルコキシ」とは、シクロアルキル基が上述の通りであるシクロアルキル‐O‐基を意味する。親部分への結合はエーテル原子を介する。
【0300】
「シクロアルキルオキシアルキル」とは、シクロアルキルおよびアルキル基が上述の通りであるシクロアルキル‐O‐アルキル基を意味する。親部分への結合はアルキル基を介する。
【0301】
「ハロアルコキシアルキル」とは、アルコキシアルキル基が上述の通りであるハロアルコキシアルキル基を意味する。親部分への結合はアルキル基を介する。
【0302】
「ヘテロシクリルアルコキシアルキル」とは、アルコキシアルキル基が上述の通りであるヘテロシクリル‐アルコキシアルキル基を意味する。親部分への結合はアルキル基を介する。
【0303】
【化165】

で表される任意の二重結合は、少なくとも単結合が存在しなければならないが、二重結合が存在してもよく、すなわち、二重結合が存在する場合は、R10が不在であることを意味する。
【0304】
およびRが結合して、それらが結合する窒素とともに環を形成する場合、形成される環は、1‐ピロリジニル、1‐ピペリジニルおよび1‐ピペラジニルであって、前記ピペラジニル環は、4位の窒素がR基によって置換される場合もある。
【0305】
およびRが置換基の群から独立して選択されるとされる上の説明は、RおよびRが同じ窒素に結合する場合に独立して選択されるが、RまたはRの変数が分子中に複数回生じる場合は、これらの発生ごとに独立して選択されることも意味する。同様に、R13またはR14のそれぞれの発生は、同じQ環に存在するその他いずれかのR13またはR14から独立している。置換基のサイズおよび性質が、存在できる置換基の数に影響を及ぼすことを、当業者であれば理解するであろう。
【0306】
「置換(される)」という用語は、所定の原子上の1つ以上の水素が所定の群からの選択によって置換され、既存の環境下における指定の原子の通常の原子価が限度を超えておらず、置換の結果安定した化合物が得られることを意味する。置換基および/または変数の組み合わせは、このような組み合わせが安定した化合物を形成する場合にのみ許容される。「安定した化合物」または「安定した構造」とは、反応混合物から有用な純度に単離し、有効な治療薬に配合することに耐えるほどに十分頑健な化合物を意味する。
【0307】
「場合により置換される」という用語は、特定の基、ラジカルまたは部分との任意の置換を意味する。
【0308】
化合物に関する「精製された」、「精製された形態」または「単離および精製された形態」という用語は、合成プロセス(例えば、反応混合物)または天然の供給源またはそれらの組み合わせから単離した後の前記化合物の物理的状態を指す。このため、化合物に関する「精製された」、「精製された形態」または「単離および精製された形態」という用語は、本明細書に記載の、または当業者に既知の1つ以上の精製プロセス(例えば、クロマトグラフィー、再結晶化など)によって得た後、本明細書に記載の、または当業者に既知の標準的な分析法により特性評価が可能なほどに十分な純度にある、前記化合物の物理的状態を指す。
【0309】
式Iの化合物中の構造
【0310】
【化165a】

は、任意の二重結合を示し、点線は結合でもあれば、非結合でもあり、原子価の要件によって二重結合になることもあれば、単結合になることもある。但し、Rが結合する炭素が二重結合の一部である場合は、Rが不在であることを条件とする。
【0311】
また、本明細書の本文、スキーム、実施例および表において原子価が不十分であるいずれの炭素ならびにヘテロ原子も、原子価を満足するのに十分な数の水素原子を有すると仮定されることに留意する必要がある。
【0312】
化合物中の官能基が「保護されている」と呼ばれる場合は、前記化合物が反応に供された場合に、保護された部位において望ましくない副反応を排除するように前記基が修飾された形態であることを意味する。適切な保護基は当業者であれば認識するであろうが、同様に例えばT.W.Greeneら、Protective Groups in organic Synthesis(1991),Wiley,New Yorkなどの標準的な教則本を参照することによっても認識されるであろう。
【0313】
いずれかの構成要素または式Iにおいていずれかの変数(例えば、アリール、ヘテロ環、Rなど)が複数回生じる場合、各発生におけるその定義は、その他のあらゆる発生の定義から独立している。
【0314】
本明細書で使用される「組成物」という用語は、特定量の特定の成分を含む産物、ならびに特定量の特定の成分の組み合わせによって直接的または間接的に生じるいずれかの産物を包含するものとして意図される。
【0315】
本発明の化合物のプロドラッグ、溶媒和物および共結晶も本明細書で企図される。プロドラッグに関する考察は、T.Higuchi and V.Stella,Pro‐drugs as Novel Delivery Systems(1987)14 of the A.C.S.Symposium Series、およびBioreversible Carriers in Drug Design,(1987)Edward B.Roche,ed.,American Pharmaceutical Association and Pergamon Pressに記載されている。「プロドラッグ」という用語は、In vivoで変換されて、式(I)の化合物または前記化合物の医薬的に許容される塩、水和物または溶媒和物が得られる化合物(例えば、薬物前駆体)を意味する。変換は、例えば血中の加水分解など種々の機序(例えば、代謝または化学的プロセス)によって生じる場合がある。プロドラッグの使用に関する考察は、T.Higuchi and V.Stella,“Pro‐drugs as Novel Delivery Systems,”Vol.14 of the A.C.S.Symposium Series、およびBioreversible Carriers in Drug Design,ed.Edward B.Roche,American Pharmaceutical Association and Pergamon Press,1987に記載されている。
【0316】
例えば、式(I)の化合物または前記化合物の医薬的に許容される塩、水和物または溶媒和物がカルボン酸官能基を含有する場合、プロドラッグは、酸基の水素原子を、例えば(C‐C)アルキル、(C‐C12)アルカノイルオキシメチル、4〜9個の炭素原子を有する1‐(アルカノイルオキシ)エチル、5〜10個の炭素原子を有する1‐メチル‐1‐(アルカノイルオキシ)‐エチル、3〜6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニルオキシメチル、4〜7個の炭素原子を有する1‐(アルコキシカルボニルオキシ)エチル、5〜8個の炭素原子を有する1‐メチル‐1‐(アルコキシカルボニルオキシ)エチル、3〜9個の炭素原子を有するN‐(アルコキシカルボニル)アミノメチル、4〜10個の炭素原子を有する1‐(N‐(アルコキシカルボニル)アミノ)エチル、3‐フタリジル、4‐クロトノラクトニル、γ‐ブチロラクトン‐4‐イル、ジ‐N,N‐(C‐C)アルキルアミノ(C‐C)アルキル(例えば、β‐ジメチルアミノエチル)、カルバモイル‐(C‐C)アルキル、N,N‐ジ(C‐C)アルキルカルバモイル‐(C‐C)アルキル、およびピペリジノ(C‐C)アルキル、ピロリジノ(C‐C)アルキルまたはモルフォリノ(C‐C)アルキルなどの基で置換することによって形成されるエステルを含んでもよい。
【0317】
同様に、式(I)の化合物がアルコール官能基を含有する場合、プロドラッグは、アルコール基の水素原子を、例えば(C‐C)アルカノイルオキシメチル、1‐((C‐C)アルカノイルオキシ)エチル、1‐メチル‐1‐((C‐C)アルカノイルオキシ)エチル、(C‐C)アルコキシカルボニルオキシメチル、N‐(C‐C)アルコキシカルボニルアミノメチル、スクシノイル、(C‐C)アルカノイル、α‐アミノ(C‐C)アルカニル、アリールアシルおよびα‐アミノアシル、あるいは各α‐アミノアシル基が天然のL‐アミノ酸、P(O)(OH)、‐P(O)(O(C‐C)アルキル)またはグリコシル(炭水化物のヘミアセタール形態のヒドロキシル基を除去することによって得られるラジカル)などから独立して選択されるα‐アミノアシル‐α‐アミノアシルなどの基で置換することによって形成されてもよい。
【0318】
式(I)の化合物にアミン官能基を組み入れる場合、プロドラッグは、アミン基の水素原子を、例えばR‐カルボニル、RO‐カルボニル、NRR’‐カルボニル(式中、RおよびR’はそれぞれ独立して(C‐C10)アルキル、(C‐C)シクロアルキル、ベンジルであるか、R‐カルボニルは天然のα‐アミノアシルまたは天然のα‐アミノアシルである)、‐C(OH)C(O)OY(式中、YはH、(C‐C)アルキルまたはベンジルである)、‐C(OY)Y(式中、Yは(C‐C)アルキルであり、Yは(C1‐C)アルキル、カルボキシ(C‐C)アルキル、アミノ(C‐C)アルキルまたはモノ‐N‐またはジ‐N,N‐(C‐C)アルキルアミノアルキルである)、‐C(Y)Y(式中、YはHまたはメチルであり、Yはモノ‐N‐またはジ‐N,N‐(C‐C)アルキルアミノモルフォリノ、ピペリジン‐1‐イルまたはピロリジン‐1‐イルである)などの基で置換することによって形成されてもよい。
【0319】
本発明の1つ以上の化合物は、溶媒和されていない形態、ならびに水、エタノールなどの医薬的に許容される溶媒で溶媒和された形態にて存在し得、本発明は溶媒和された形態と溶媒和されていない形態の両方を包含するものとして意図される。「溶媒和物」とは、本発明の化合物と1つ以上の溶媒分子との物理的な会合を意味する。この物理的な会合は、水素結合を含めた種々の程度のイオン結合および共有結合を伴う。特定の例において、例えば1つ以上の溶媒分子が結晶質固体の結晶格子に組み入れられる場合に、溶媒和物は単離が可能である。「溶媒和物」は液相溶媒和物と単離可能な溶媒和物の両方を包含する。適切な溶媒和物の非制限例には、エタノール付加物、メタノール付加物などが含まれる。「水和物」とは、溶媒分子がHOである溶媒和物である。
【0320】
本発明の1つ以上の化合物は、場合により溶媒和物に変換される場合がある。溶媒和物の調製方法は、一般に既知である。例えば、M.Cairaら、J.Pharmaceutical Sci.,93(3),601‐611(2004)には、酢酸エチル中の抗真菌フルコナゾールの溶媒和物ならびに水による溶媒和物の調製方法が記載されている。同様に、溶媒和物、半溶媒和物、水和物などの調製方法が、E.C.van Tonderら、AAPS PharmSciTech.,5(1),article 12(2004)、およびA.L.Binghamら、Chem.Commun.,603‐604(2001)に記載されている。典型的かつ非制限的なプロセスは、室温よりも高い温度にて本発明の化合物を所望の量の所望の溶媒(有機物質または水またはそれらの混合物)に溶解し、その溶液を結晶を形成するのに十分な速度で冷却した後、標準的な方法で結晶を単離する手順を伴う。例えば、I.R.分光法などの分析法により、溶媒和物(または水和物)として結晶中に溶媒(または水)が存在することが明らかにされる。
【0321】
共結晶は、活性を有する医薬中間産物と、結晶性を生じる不活性分子とを結合して、結合形態にすることによって形成される結晶構造である。共結晶は、フマル酸、コハク酸などのジカルボン酸と、本発明の化合物Iで表されるされるような塩基性アミンとにより、共結晶の性質に応じて種々の比率で形成されることが多い(Rmenar,J.F.et al.J Am.Chem.Soc.2003,125,8456)。
【0322】
「有効量」または「治療有効量」は、本発明の化合物または組成物が上述の疾患を阻害し、それによって所望の治療作用、改善作用、阻害作用または予防作用を発揮するのに有効な量を記載するものとして意図される。
【0323】
式Iの化合物は、同様に本発明の適用範囲内に含まれる塩を形成することができる。本明細書における式Iの化合物の言及は、特に記載がない限り、前記化合物の塩の言及も包含するものとして理解される。本明細書で使用される「塩」という用語は、無機および/または有機酸で形成される酸性塩、ならびに無機および/または有機塩基で形成される塩基性塩を指す。また、式Iの化合物が、ピリジンまたはイミダゾールなどがあるがこれらに限定されない塩基性部分と、カルボン酸などがあるがこれに限定されない酸性部分の両方を含有する場合、両性イオン(「内部塩」)が形成される場合があり、これも本明細書で使用される「塩」という用語に含まれる。医薬的に許容される(例えば、非毒性で生理学的に許容される)塩が好ましいが、他の塩も有用である。式Iの化合物の塩は、例えば、塩が沈殿するような媒質または水性媒質中で式Iの化合物を等量などの量の酸または塩基と反応させた後、凍結乾燥させることによって形成される場合がある。
【0324】
酸付加塩の例には、酢酸塩、アスコルビン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、カンフル酸塩(camphorate)、カンフルスルホン酸塩、フマル酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、リン酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トルエンスルホン酸塩(トシル酸塩としても知られる)などが含まれる。また、塩基性医薬化合物から医薬的に有用な塩を形成するのに適切であると一般的に考えられる酸については、例えば、P.Stahlら、Camille G.(eds.)Handbook of Pharmaceutical Salts.Properties,Selection and Use.(2002)Zurich:Wiley‐VCH、S.Bergeら、Journal of Pharmaceutical Sciences(1977)66(1)1‐19、P.Gould,International J.of Pharmaceutics(1986)33 201‐217、Andersonら、The Practice of Medicinal Chemistry(1996),Academic Press,New York、およびThe Orange book(Food&Drug Administration,Washington,D.C.on their website)で考察されている。これらの開示内容は、参考として本明細書で援用される。
【0325】
塩基性塩の例には、アンモニウム塩、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、リチウム塩およびカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩およびマグネシウム塩)、有機塩基(例えば、有機アミン)を含む塩(例えば、ジシクロヘキシルアミン、t‐ブチルアミン)、およびアミノ酸を含む塩(例えば、アルギニン、リジン)などが含まれる。塩基性窒素含有基は、ハロゲン化低級アルキル(例えば、塩化メチル、臭化メチルおよびヨウ化メチル、塩化エチル、臭化エチルおよびヨウ化エチル、ならびに塩化ブチル、臭化ブチルおよびヨウ化ブチル)、硫酸ジアルキル(例えば、硫酸ジメチル、硫酸ジエチルおよび硫酸ジブチル)、長鎖ハロゲン化物(例えば、塩化デシル、臭化デシルおよびヨウ化デシル、塩化ラウリル、臭化ラウリルおよびヨウ化ラウリル、ならびに塩化ステアリル、臭化ステアリルおよびヨウ化ステアリル)、ハロゲン化アラルキル(例えば、臭化ベンジルおよび臭化フェネチル)などの物質で四級化される場合がある。
【0326】
このような酸性塩および塩基性塩はすべて、本発明の適用範囲内に含まれる医薬的に許容される塩であるものとして意図されており、また酸性塩および塩基性塩はすべて、本発明における対応する化合物の遊離型と等価であると考えられている。
【0327】
本発明の化合物の医薬的に許容されるエステルには、以下の群が含まれる:(1)エステル群のカルボン酸部分の非カルボニル部分が、直鎖または分枝鎖アルキル(例えば、アセチル、n‐プロピル、t‐ブチルまたはn‐ブチル)、アルコキシアルキル(例えば、メトキシメチル)、アラルキル(例えば、ベンジル)、アリールオキシアルキル(例えば、フェノキシメチル)、アリール(例えばハロゲン、C1‐4アルキルまたはC1‐4アルコキシまたはアミノで場合により置換されるフェニル)から選択される、ヒドロキシ基のエステル化によって得られるカルボン酸エステル、(2)アルキルスルホニルまたはアラルキルスルホニル(例えば、メタンスルホニル)などのスルホン酸エステル、(3)アミノ酸エステル(例えば、L‐バリルまたはL‐イソロイシル)、(4)リン酸エステル、ならびに(5)一リン酸エステル、二リン酸エステルまたは三リン酸エステル。リン酸エステルはさらに、例えばC1‐20アルコールまたはその反応性誘導体によって、あるいは2,3‐ジ(C6‐24)アシルグリセロールによってエステル化される場合がある。
【0328】
式Iの化合物、ならびにそれらの塩、溶媒和物、エステルおよびプロドラッグは、それらの互変異性体で(例えば、アミドエーテルまたはイミノエーテルとして)存在する場合がある。このような互変異性体はすべて、本明細書では本発明の一部として企図される。
【0329】
式(I)の化合物は、不斉中心またはキラル中心を含有するため、種々の立体異性体で存在する場合がある。式(I)の化合物のすべての立体異性体、ならびにラセミ混合物を含めたそれらの混合物は、本発明の一部を形成するものとして意図される。また、本発明はすべての幾何異性体および位置異性体を包含する。例えば、式(I)の化合物が二重結合または縮合環を組み込んでいる場合は、cis型およびtrans型の両方ならびにそれらの混合物が本発明の適用範囲内に包含される。
【0330】
ジアステレオ異性体混合物は、その物理化学的特性の差異によって、当業者に周知の方法、例えばクロマトグラフィーおよび/または分別晶出によって個々のジアステレオ異性体に分離することができる。鏡像異性体は、適切な光学活性化合物(例えば、キラルアルコールまたはモッシャー酸塩化物などのキラル補助基(chiral auxiliary))と反応させることによって鏡像異性体混合物をジアステレオ異性体混合物に変換し、そのジアステレオ異性体を分離して、個々のジアステレオ異性体を対応する純粋な鏡像異性体に変換する(例えば、加水分解する)ことによって分離することができる。また、式(I)の化合物のいくつかは、アトロプ異性体(例えば、置換ビアリール)である場合があり、本発明の一部であるとみなされる。鏡像異性体はキラルHPLCカラムを使用することによって分離することもできる。
【0331】
また、式(I)の化合物が種々の互変異性形態として存在する場合があり、このような形態がすべて本発明の適用範囲内に包含されることもある。また、例えば、本化合物のすべてのケト‐エノール体およびイミン‐エナミン体が本発明に含まれる。
【0332】
鏡像異性体(不斉炭素原子の非存在下でも存在する場合がある)、回転異性体、アトロプ異性体およびジアステレオ異性体を含めた、種々の置換基上の不斉炭素原子により存在するものをはじめとする、本発明の化合物の立体異性体(例えば、幾何異性体、光学異性体など)(本化合物の塩、溶媒和物、エステルおよびプロドラッグならびに前記プロドラッグの塩、溶媒和物およびエステルの立体異性体を含む)はすべて、本発明の適用範囲内に含まれるものとして企図され、位置異性体(例えば、4‐ピリジルおよび3‐ピリジルなど)も同様である。(例えば、式(I)の化合物が二重結合または縮合環を組み込んでいる場合、cisおよびtrans型の両方ならびにそれらの混合物が本発明の適用範囲内に包含される。また、例えば、本化合物のすべてのケト‐エノールおよびイミン‐エナミン体が本発明に含まれる。)
本発明の化合物の個々の立体異性体は、例えば、他の異性体を実質的に含まない場合もあれば、例えばラセミ体として、あるいはその他すべての立体異性体またはその他の選択される立体異性体とともに混合される場合もある。本発明のキラル中心は、IUPAC1974勧告事項に定義されるようなSまたはR配置を有してもよい。「塩」、「溶媒和物」、「エステル」、「プロドラッグ」などの用語の使用は、鏡像異性体、本発明の化合物の立体異性体、回転異性体、互変異性形態、位置異性体、ラセミ体またはプロドラッグの塩、溶媒和物、エステルおよびプロドラッグに等しく適用されるものとして意図される。
【0333】
また、本発明は、本明細書に言及されるものと同一である本発明の同位体標識化合物も包含するが、それは、1つ以上の原子が、通常天然で認められる原子質量または質量数と異なる原子質量または質量数を有する原子で置換されるという事実があるためである。本発明の化合物に組み込むことができる同位体の例には、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素および塩素の同位体、例えばそれぞれH、H、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18Fおよび36Clが含まれる。
【0334】
式(I)の特定の同位体標識化合物(例えば、Hおよび14Cで標識されたもの)は、化合物および/または基質の組織分布アッセイに有用である。トリチウム化(すなわちH)および炭素14(すなわち14C)同位体は、調製および追跡が容易であるため特に好ましい。さらに、重水素(H)などの重い同位体で置換を行うと、代謝安定性の向上(例えば、in vivoでの半減期の延長、または投与条件の緩和)に伴う特定の治療上の利点が得られる場合があるため、状況によっては好ましい場合がある。一般的に、式(I)の同位体標識化合物は、非同位体標識試薬を適切な同位体標識試薬に置換することによって、本明細書の以下のスキームおよび/または実施例の開示内容と似た手順に従って調製することができる。
【0335】
式Iの化合物の多形相ならびに式Iの化合物の塩、溶媒和物、エステルおよびプロドラッグは、本発明に含まれるものとして意図される。
【0336】
本発明に基づく化合物は薬理学的特性を有するため、特に、式Iの化合物は、トロンビン受容体アンタゴニストとして有用なノル‐セコヒンバシン誘導体であってもよい。
【0337】
本発明の化合物は、少なくとも1つの不斉炭素原子を有するため、式(I)の化合物の鏡像異性体、立体異性体、回転異性体、互変異性形態およびラセミ体を含めたすべての異性体(存在する場合)が、本発明の一部として企図される。本発明は、純粋な形態と混合物(ラセミ混合物を含む)の両方のD型およびL型異性体を含む。異性体は、従来の技法を使用して、光学的に純粋なまたは光学的に濃縮された出発材料を反応させるか、式Iの化合物の異性体を分離するかのいずれかによって調製することができる。また、異性体は、例えば二重結合が存在する場合に、幾何異性体を含む場合もある。式(I)の化合物の多形形態も、結晶質または非晶質を問わず、本発明の一部として企図される。
【0338】
本発明の典型的な好ましい化合物は、以下:
【0339】
【化166】

の立体化学的構造を有し、絶対立体化学的構造を有する化合物がより好ましい。
【0340】
式Iの化合物によっては、ある異性体が他の異性体よりも優れた薬理活性を示すものもあることを、当業者は理解するであろう。
【0341】
本発明の化合物は、当該技術分野で既知の手順によって三環式中間産物から調製されるが、典型的な手順を以下のスキーム1および2に示す。
【0342】
以下は、出発物質および式Iの化合物の調製例である。調製手順では以下の略語を使用する。
【0343】
rt 室温
THF テトラヒドロフラン
EtO エチルエーテル
Me メチル
Et エチル
EtOAc 酢酸エチル
DCM ジクロロメタン
DMF N,N‐ジメチルホルムアミド
DMAP ジメチルアミノピリジン
LiHMDSまたはLHMDS リチウム ビス(トリメチルシリル)アミド
Ti(OiPr) チタンイソプロポキシド
TLC 薄層クロマトグラフィー
TMSI ヨウ化トリメチルシリルまたはヨードトリメチルシラン。
【0344】
スキーム1に示すように、ケトン2から4および5のようなラクトンを調製することができる。ケトンをtert‐ブチルブロム酢酸塩でアルキル化して、中間体3を得て、これを水素化ホウ素ナトリウムにより還元した後、環化して、cis形およびtrans形のラクタム4および5を得た。
【0345】
スキーム1
【0346】
【化167】

2の調製
150mLのTHF中の1(9.0g、23.3mmol)(1の調製については米国特許第2004/0152736A1号を参照)の溶液(0℃)に、THF中の1M溶液(35mL、35mmol、1.5当量)としてLHMDSを添加した。混合物を30分間撹拌した後、風船を使用して排気し、酸素を充填した。混合物を酸素雰囲気下で、0℃にて30分間撹拌し、さらに室温にて1時間撹拌した。亜硫酸ナトリウム水溶液を添加して反応物をクエンチした後、1時間撹拌し、酢酸エチルで抽出した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、少量の生成物として300mgの2を得た。
MS:331.1(MH)。
【0347】
3の調製
5mLのTHF中の2(160mg、0.48mmol)の溶液(0℃)に、THF中の1M LHMDS溶液(0.58mL、058mmol、1.2eq)を添加し、10分間撹拌した後、tert‐ブチルブロム酢酸塩を添加した。混合物を室温に加温しながら一晩撹拌した。塩化アンモニウム水溶液を添加して反応物をクエンチした後、酢酸エチルで抽出した。粗生産物を、展開溶媒として30%酢酸エチルのヘキサン溶液を使用した分取TLCにより精製して、36mgの3を得た。
【0348】
4および5の調製
1mLメタノール中の3(43mg、0.097mmol)の溶液(0℃)にNaBH(4mg、0.106mmol、1.0当量)を添加し、10分間撹拌した。塩化アンモニウム水溶液を添加して反応物をクエンチした後、酢酸エチルで抽出し、45mgの粗生成物を得た。この粗生成物にジクロロメタンとトリフルオロ酢酸をそれぞれ0.5mL添加して、室温にて2.5時間撹拌した。溶液を濃縮した後、粗生成物を、35%酢酸エチルのヘキサン溶液を使用した分取TLCにより精製して、16mgの4および21mgの5を得た。
4のMS:373.1(MH
5のMS:373.1(MH)。
【0349】
これらの種類の化合物を調製する代替の手法をスキーム2に示す。カルボン酸6を、アルコール7を介してアルデヒド8に変換した。ホスホン酸塩9を使用したホーナー‐ワズワース反応によりビニルピリジン10を得て、これをα‐ヒドロキシル化して、11を得た。ラクトンからラクトールへ還元した後、デス‐マーチンペリオジナン試薬と反応させてギ酸13を得て、これから塩基性条件下でケトン14を得た。tert‐ブチルブロム酢酸塩によるアルキル化により中間体15および16を得た。L‐セレクトリド(selectride)によりケトン16をアキシアルアルコール(axial alcohol)に還元して、酸性条件下でラクトン17に環化した。17をスズキカップリング反応に供して、目的化合物18〜20を得た。
【0350】
スキーム2
【0351】
【化168】

7の調製
400mLジクロロメタン中の6(30g、0.119mol)(6の調製については米国特許第6063847号を参照)の溶液に、塩化オキサリル(21mL、0.241mol、2当量)、次いでDMF(275μL、3.55mmol、5mol%)を添加した。混合物を2時間撹拌し、濃縮した後、トルエンを添加して蒸発させて、酸塩化物を得た。この酸塩化物を500mLのTHFに溶解し、0℃に冷却して、リチウム トリ‐ter‐ブトキシアルミノヒドリド(76g、0.299mol、2.5当量)を添加し、混合物を2時間撹拌した。これを水で希釈し、塩酸で酸性化し、酢酸エチルで抽出して、21.6gの7を得た。
【0352】
8の調製
200mLジクロロメタン中の7(12.0g、50.4mmol)の溶液(0℃)に2,2,6,6‐テトラメチルピペリジノキシ(160mg、1.02mmol、2mol%)および臭化カリウム(600mg、5.04mmol、0.1当量)水溶液10mLを添加した。この混合物に、固形NaHCOで飽和させたClorox溶液(92g、約6.15%NaOClを含む)を滴下して加えた。添加が終了したら、混合物を20分間撹拌した後、有機層を分離し、水層をジクロロメタンで抽出した。有機層を合わせて、Na水溶液、次いでブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させた後、濾過および濃縮して、12gの8を樹脂として得た。
【0353】
10の調製
200mLのTHF中の9(20g、65mmol)(9の調製については米国特許出願第2004/0152736A1号を参照)の溶液(0℃)にTHF中の1M LHMDS溶液(65mL、65mmol)を添加し、混合物を0℃にて30分間撹拌した。この混合物にTi(OPr)(22.3mL、75.5mmol)を添加した後、50mLのTHF中のアルデヒド8(12g)の溶液を添加した。混合物を0℃にて15分間、さらに室温にて30分間撹拌した後、NHCl水溶液でクエンチした。酢酸エチルで抽出した後、0%〜15%酢酸エチル‐ヘキサンを使用したクロマトグラフィーで精製することにより、3.3gの10を得た。
【0354】
11の調製例
50mLのTHF中の10(3.3g、8.46mmol)の溶液(0℃)に、THF中の1M LHMDS溶液(12.7mL、12.7mmol、1.5当量)を添加し、30分間撹拌した。フラスコの排気を行った後、酸素を充填し、酸素雰囲気下で室温にて1時間撹拌した。NaSO水溶液を添加して反応物をクエンチした後、30分間撹拌し、酢酸エチルで抽出した後、0%〜20%酢酸エチル‐ヘキサンを使用したクロマトグラフィーにより精製して、3gの11を得た。
MS:406.1(MH)。
【0355】
12の調製
75mLジクロロメタン中の11(4.2g、10.3mmol)の溶液(−78℃)に、トルエン中のDIBALHの溶液20重量%(34.2mmol、41.4mmol、4当量)を添加し、‐78℃にて1時間撹拌した。酒石酸カリウムナトリウム水溶液を添加して反応物をクエンチし、ジクロロメタンで抽出して、2.89gの12を得た。
MS:408.22(MH)。
【0356】
13の調製
50mLジクロロメタン中の12(2.89g、7.08mmol)の溶液(室温)に、NaHCO(1.2g、14.28mmol、2当量)、次いでデス‐マーチンペリオジナン(3.90g、9.19mmol、1.3当量)を添加し、懸濁液を2時間撹拌した。反応混合物をエーテルで希釈し、NaおよびNaHCO水溶液を加えて、これらの二層が透明になるまで撹拌した。有機層を分離し、水層をエーテルで抽出した。有機層を合わせて、Na、NaHCO混合水溶液およびブラインで洗浄した。溶液をMgSO上で乾燥させ、濾過および濃縮した後、蒸発させて、約3.0gの13を得た。
MS:406.2(MH)。
【0357】
14の調製
50mLメタノール中の14(約7.08mmol)の溶液にKCO(3.9g、28.2mmol、4当量)を添加し、室温にて3時間撹拌した後、水で希釈した。これをエーテルで抽出し、粗生成物を、0%〜10%酢酸エチル‐ヘキサンを使用したクロマトグラフィーにより精製して、1.74gの14を得た。
MS:334.1(MH)。
【0358】
16の調製
30mLのTHF中の14(1.39g、4.15mmol)の溶液(0℃)に、THF中の1M LHMDS溶液(5.0mL、5.0mmol、1.2当量)を添加し、30分間撹拌した後、tert‐ブチルブロモ酢酸塩(0.92mL、6.23mmol、1.5当量)を添加し、混合物を室温に加温しながら一晩撹拌した。この溶液をNHCl水溶液で希釈し、酢酸エチルで抽出した後、粗生成物をクロマトグラフィーにより精製して、920mgの15、および14を約20%含む420mgの16を得た。
15のMS:448.1(MH
16のMS:448.1(MH)。
【0359】
17の調製
10mLのTHF中の16(420mg、0.937mmol)の溶液(−78℃)にTHF中の1M L‐セレクトリド溶液(2.8mL、2.8mmol、3当量)を添加し、混合物を−78℃にて1時間撹拌した。アセトン数滴を添加して反応物をクエンチし、室温にて数分間撹拌した。この溶媒を濃縮して乾燥させた後、残渣にジクロロメタン5mLおよびトリフルオロ酢酸10mLを添加して撹拌し、さらに室温にて2時間撹拌した。溶媒を濃縮し、NaHCO水溶液に溶解した。これを酢酸エチルで抽出し、0%〜20%酢酸エチル‐ヘキサンを使用したクロマトグラフィーにより精製して、80mgの17を得た。
MS:376.2(MH)。
【0360】
18の調製
トルエン0.7mL、エタノール0.3mLおよび水0.15mLの混合物中の17(25mg、0.066mmol)、m‐フルオロフェニルボロン酸(19mg、0.136mmol、2当量)、KCO(37mg、0.268mmol、4当量)およびPd(PPh(4mg、3.5μmol、5mol)の溶液をアルゴンでバブリングし、試験管を密閉して100℃にて5時間加熱した。この溶液を水に移した後、酢酸エチルで抽出し、MgSO上で乾燥させ、濾過および濃縮した後、10%酢酸エチル‐ジクロロメタンを使用した分取TLCにより精製して、6mgの18を得た。
【0361】
化合物19および20は、類似の手順を使用して調製した。
18のMS:392.1(MH
19のMS:442.1(MH
20のMS:399.1(MH)。
【0362】
本発明のさらなる実施形態は、式Iの化合物と少なくとも1つの他の薬剤の併用投与を包含する。企図される他の薬剤は、元素の組成または配置のいずれかが式Iの化合物と異なるものである。本発明の新規の化合物と併用することができる他の薬剤には、血栓症、アテローム性動脈硬化症、再狭窄、高血圧、狭心症、脈管形成関連障害、不整脈、心血管または循環系の疾患または状態、心不全、心筋梗塞、糸球体腎炎、血栓性脳卒中、血栓塞栓性脳卒中、末梢血管疾患、脳虚血、リウマチ性関節炎、リウマチ、星膠症、肝臓、腎臓、肺または消化管の線維性障害、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、骨粗しょう症、糸球体腎炎、腎疾患、急性腎不全、慢性腎不全、腎血管ホメオスタシス、腎虚血、膀胱炎、糖尿病、糖尿病性ニューロパシー、脳卒中、脳虚血、腎炎、癌、黒色腫、腎細胞癌、ニューロパシーおよび/または悪性腫瘍、神経変性および/または神経毒性疾患、状態または傷害、炎症、喘息、緑内障、黄斑変性、乾癬、肝臓、腎臓または肺の内皮機能不全障害、肺および消化管の炎症性障害、呼吸器疾患または状態、放射線線維症、内皮機能不全、歯周疾患もしくは創傷、または脊髄損傷、あるいはそれらの症状または結果、ならびにトロンビンとその受容体が病理学的に関与するその他の障害を含めた、血栓関連疾患の治療に有用な薬物が含まれる。
【0363】
適切な心血管薬は、トロンボキサンA2生合成阻害薬、トロンボキサンアンタゴニスト、アデノシン二リン酸阻害薬、シクロオキシゲナーゼ阻害薬、アンギオテンシンアンタゴニスト、エンドセリンアンタゴニスト、ホスホジエステラーゼ阻害薬、アンギオテンシン変換酵素阻害薬、中性エンドペプチダーゼ阻害薬、抗凝血薬、利尿薬、血小板凝集阻害薬、および血小板膜糖タンパク質IIb‐IIIaアンタゴニストからなる群から選択される。
【0364】
本発明の新規の化合物と併用投与するのに好ましい種類の薬物は、トロンボキサンA2生合成阻害薬、血小板膜糖タンパク質IIb‐IIIaアンタゴニスト、トロンボキサンアンタゴニスト、アデノシン二リン酸阻害薬、シクロオキシゲナーゼ阻害薬、アンギオテンシンアンタゴニスト、エンドセリンアンタゴニスト、アンギオテンシン変換酵素阻害薬、中性エンドペプチダーゼ阻害薬、抗凝血薬、利尿薬、および血小板凝集阻害薬である。
【0365】
特に、適切な心血管薬は、アスピリン、セラトロダスト、ピコタミド、ラマトロバン、クロピドグレル、メロキシカム、ロフェコキシブ、セレコキシブ、バルサルタン、テルミサルタン、カンデサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、エプロサルタン、テゾセンタン、ミルリノン、エノキシモン、カプトプリル、エナラプリル、エナラプリラート、スピラプリル、キナプリル、ペリンドプリル、ラミプリル、フォシノプリル、トランドラプリル、リシノプリル、モエキシプリル、ベナゼプリル、カンドキサトリル、エカドトリル、キシメラガトラン、フォンダパリン、エノキサパリン、クロロチアジド、ヒドロクロロチアジド、エタクリン酸、フロセミド、アミロライド、アブシキシマブ、エプチフィバチド、プラスグレル(parsugrel)、およびフラグミン(fragmin)からなる群から選択される。
【0366】
併用するのに特に好ましいのは、アスピリン、カングレロール(cangrelor)、重硫酸クロピドグレル(clopidogrel)、プラスグレル、およびフラグミンである。
【0367】
本発明が式Iの化合物と別の薬剤との組み合わせを含む場合は、2つの有効成分が同時にまたは連続して投与される場合もあれば、あるいは医薬的に許容される担体中に式Iの化合物と別の薬剤を含む単一の医薬組成物として投与することもできる。前記組み合わせの成分は、カプセル剤、錠剤、散剤、カシェ剤、懸濁剤、溶剤、坐剤、点鼻噴霧剤などのいずれかの従来の剤形で、個別にまたは同時に投与することができる。他の薬剤の投与量は、公表資料から決定することができ、1用量当たり1〜1000mgの範囲になると考えられる。
【0368】
本明細書において、「式Iの少なくとも1つの化合物」という用語は、式Iの1〜3種類の化合物が医薬組成物または治療方法で使用される場合があることを意味する。好ましくは、式Iの1つの化合物が使用される。同様に、「1つ以上の他の心血管薬」という用語は、1〜3種類の他の薬物が式Iの化合物と併用投与される場合があることを意味する。好ましくは、1つの他の化合物が式Iの化合物と併用投与される。前記他の薬剤は、式Iの化合物と連続して投与することもできれば、あるいは同時に投与することもできる。
【0369】
本発明に記載の化合物から医薬組成物を調製するには、医薬的に許容される不活性担体が固形または液体のいずれかであってよい。固形剤には、散剤、錠剤、分散性顆粒剤、カプセル剤、カシェ剤、および坐剤が含まれる。散剤および錠剤は約5%〜約95%の有効成分で構成される場合がある。適切な固形担体は当業者に既知であり、例えば、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、またはラクトースである。経口投与に適切な固形剤としては、錠剤、散剤、カシェ剤およびカプセル剤が使用できる。医薬的に許容される担体の例および種々の組成物の製造方法については、A.Gennaro(ed.),The Science and Practice of Pharmacy,20th Edition,(2000),Lippincott Williams&Wilkins,Baltimore,MDを参照されたい。
【0370】
液体製剤には、溶剤、懸濁剤および乳剤が含まれる。例としては、内服液、懸濁剤および乳剤用の甘味料およびの乳白剤非経口注射または添加用の水または水‐プロピレングリコール溶液が言及される場合がある。液体製剤には、鼻腔内投与用の溶液が含まれる場合もある。
【0371】
吸入に適切なエアゾール剤には、溶剤および固形散剤が含まれる場合があるが、これらは不活性圧縮ガス(例えば、窒素ガス)などの医薬的に許容される担体と組み合わせる場合がある。
【0372】
また、経口または非経口投与のいずれかに使用するために、使用直前に液体製剤に変える固形製剤も含まれる。このような液体剤形には、溶剤、懸濁剤および乳剤が含まれる。
【0373】
本発明の化合物はまた、経皮的に送達できる場合もある。経皮的組成物は、クリーム剤、ローション剤、エアゾール剤および/または乳剤の形態をとることができ、および/またはこの目的のために当該技術分野で従来から使用されているマトリックスタイプまたはリザーバータイプの経皮パッチに含めることができる。
【0374】
好ましくは、前記化合物は経口投与される。
【0375】
好ましくは、医薬製剤は単位剤形をとる。このような剤形の製剤は、適切な量、例えば、所望の目的を達成するのに効果的な量の有効成分を含む適切なサイズの単位用量に分割される。
【0376】
単位用量の製剤中の有効成分の量は、特定の用途に基づき、約1mg〜約150mg、好ましくは約1mg〜約75mg、さらに好ましくは約1mg〜約50mgの範囲に変更または調節される場合がある。
【0377】
使用される実際の投与量は、患者の必要条件と治療中の状態の重症度により変動する場合がある。特定の状態に適切な投与計画を決定することは、当該技術分野の技術範囲に含まれている。便宜上、必要に応じて1日の総投与量が複数に分割され投与される場合がある。
【0378】
本発明の化合物および/またはその医薬的に許容される塩の投与量および投与頻度は、患者の年齢、状態および体格、ならびに治療中の症状の重症度を考慮の上、主治医の判断に基づき調節されることになる。経口投与に推奨される典型的な1日の投与計画は、約1mg/日〜約300mg/日、好ましくは1mg/日〜75mg/日の範囲であり、2回〜4回に分けて投与することができる。
【0379】
式Iの個々の化合物と他の薬剤を個別の医薬組成物として投与する場合は、医薬的に許容される担体中に式Iの化合物を含む1つの容器と、医薬的に許容される担体中に別の心血管薬を含む別の容器とを1つの包装に含めたキットの形でこれらを提供することができる。その場合、前記式Iの化合物と他の薬剤は、併用が治療効果を示すような量にて含められる。例えば各成分を異なる時間間隔で投与しなければならない場合や、あるいは各成分が異なる剤形である場合、キットは併用投与に有利である。
【0380】
式Iの化合物の活性は、以下の手順で決定することができる。
【0381】
トロンビン受容体アンタゴニストのin vitro試験手順:
H]haTRAPの調製
A(pF‐F)R(ChA)(hR)(I‐Y)‐NH(1.03mg)および10%Pd/C(5.07mg)をDMF(250μL)およびジイソプロピルエチルアミン(10μL)に懸濁した。その容器をトリチウム管に連結し、液体窒素で凍結し、排気した。その後、トリチウムガス(342mCi)をフラスコに添加し、室温にて2時間撹拌した。反応が完了したら、過剰なトリチウムを除去し、ペプチド反応溶液をDMF(0.5mL)で希釈し、濾過して触媒を除去した。回収した粗ペプチドのDMF溶液を水で希釈し、凍結乾燥させて不安定なトリチウムを除去した。固形のペプチドを水に再溶解し、凍結乾燥プロセスを繰り返した。トリチウム化したペプチド([H]haTRAP)を0.5mLの0.1%TFA水溶液に溶解し、次の分離条件のHPLCにより精製した:カラム:VydacTM C18、25cm×9.4mm(内径);移動相:(A)0.1%TFA水溶液、(B)0.1%TFAのCHCN溶液;30分間の勾配溶離(A/B):100/0〜40/60;流速:5mL/分;検出:紫外線(UV)、波長215nm。[H]haTRAPの放射化学的純度は、HPLC分析で99%であった。14.9mCiのバッチ(比活性18.4Ci/mmol)を得た。
【0382】
血小板膜の調製
Natarajan等(Natarajanら、Int.J.Peptide Protein Res.45:145‐151(1995))の方法の改変を使用して、採取後48時間以内にNorth Jersey Blood Center(米国ニュージャージー州イーストオレンジ)から入手した20単位の血小板濃縮液から、血小板膜を調製した。すべての手順は、承認されたバイオハザード安全条件下で4℃にて行われた。血小板を100×g、20分間、4℃にて遠心分離し、赤血球を除去した。上清を別の容器に移し、3000×gで15分間遠心分離して、血小板をペレット化した。血小板を10mM Tris‐HCl、pH7.5、150mM NaCl、5mM EDTAに再懸濁し、全量を200mLにした後、4400×gで10分間遠心分離した。この手順をさらに2回繰り返した。血小板を、5mM Tris‐HCl、pH7.5、5mM EDTAに再懸濁し、最終容量を約30mLにした後、DounceTMホモジナイザーでホモジナイズを20ストローク繰り返した。41,000×gで遠心分離して得られた血小板膜のペレットを40〜50mLの20mM Tris‐HCl、pH7.5、1mM EDTA、0.1mMジチオスレイトールに再懸濁した後、10mLずつ分注し、液体窒素で凍結して、−80℃にて保管した。血小板膜の調製の最終段階として、アリコートを解凍し、合わせて、Dounceホモジナイザーでホモジナイズを5ストローク繰り返した。血小板膜をペレット化し、10mMトリエタノールアミン‐HCl、pH7.4、5mM EDTAで3回洗浄した後、20〜25mLの50mM Tris‐HCl、pH7.5、10mM MgCl、1mM EGTAおよび1% DMSOに再懸濁した。血小板膜のアリコートを液体窒素で凍結し、−80℃にて保管した。血小板膜は少なくとも3ヶ月間安定していた。20単位の血小板濃縮液からは、通常250mgの膜タンパク質が得られた。タンパク質濃度は、Lowry法(Lowryら、J.Biol.Chem.,193:265‐275(1951))で測定した。
【0383】
ハイスループットトロンビン受容体放射性リガンド結合アッセイ
トロンビン受容体アンタゴニストを、Ahn等(Ahnら、Mol.Pharmacol.,51:350‐356(1997))のトロンビン受容体放射性リガンド結合アッセイの改変を使用してスクリーニングした。96ウェルのNuncプレート(カタログ番号269620)を使用し、最終アッセイ容量を200μLとして、アッセイを行った。血小板膜および[H]haTRAPを、結合緩衝液(50mM Tris‐HCl、pH7.5、10mM MgCl、1mM EGTA、0.1%BSA)で、それぞれ0.4mg/mLおよび22.2nMまで希釈した。被験化合物の原液(10mMの100%DMSO溶液)をさらに100%DMSOで希釈した。特に指示がない限り、希釈化合物溶液10μLと放射性リガンド(5%DMSO中の最終濃度10nM)90μLを各ウェルに添加し、血小板膜100μL(40μgタンパク質/ウェル)を添加して反応を開始させた。5%DMSOでは、有意な結合の阻害は見られなかった。化合物の試験は、3種類の濃度(0.1μM、1μMおよび10μM)で行った。プレートにカバーを付け、Lab‐LineTMタイタープレートシェーカーで穏徐にボステックス攪拌した。Packard UniFilterTM GF/Cフィルタープレートを0.1%ポリエチレンイミンに少なくとも1時間浸漬した。インキュベートした血小板膜を、Packard FilterMateTM Universal Harvesterを使用して回収し、300μLの氷冷50mM Tris‐HCl、pH7.5、10mM MgCl、1mM EGTAで4回素早く洗浄した。各ウェルに、MicroScintTM 20シンチレーションカクテル(25μL)を添加し、Packard TopCountTM Microplate Scintillation Counterで測定した。特異的結合量は、総結合量から、過剰(50μM)な非標識haTRAPの存在下で認められる非特異的結合量を差し引いた量として定義した。トロンビン受容体に対する[H]haTRAPの結合の被験化合物による阻害率(%)を、次式で計算した。
阻害率(%)=((総結合量−被験化合物存在下での結合量)/(総結合量−非特異的結合量))×100 。
【0384】
材料
A(pF‐F)R(ChA)(hR)Y‐NHおよびA(pF‐F)R(ChA)(hR)(I‐Y)‐NHは、AnaSpec Inc.(米国カリフォルニア州サンホゼ)が特注で合成した。これらのペプチドの純度は95%超であった。トリチウムガス(97%)はEG&G Mound(米国オハイオ州マイアミズバーグ)から購入した。購入後、ガスをIN/US Systems Inc.のTrisorberに充填し保管した。MicroScintTM 20シンチレーションカクテルはPackard Instrument Co.から入手した。
【0385】
カンナビノイドCB受容体結合アッセイ
ヒトカンナビノイドCB受容体結合アッセイは、Showalter,ら、(1996,J.Pharmacol Exp Ther.278(3),989‐99)の手順を一部改変して使用して行った。すべてのアッセイは、最終容量を100μLとして行った。被験化合物をDMSOに再懸濁して10mMにした後、50mM Tris、pH7.1、3mM MgCl、1mM EDTA、50%DMSOで連続希釈した。その後、各希釈試料のアリコート(10μL)を、96ウェルのマイクロタイタープレートの各ウェルに移した。ヒトCBでトランスフェクトされたCHO/Ki細胞(Receptor Biology,Inc)から得た血小板膜を結合緩衝液(50mM Tris、pH7.1、3mM MgCl、1mM EDTA、0.1%脂肪酸非含有ウシ血清アルブミン)に再懸濁した後、結合反応液(アッセイ1回当たり50μL中約15μg)に添加した。結合緩衝役で希釈した[H]CP‐55,940を添加して、反応を開始させた(比活性=180Ci/mmol;New England Nuclear、米国マサチューセッツ州ボストン)。結合反応液中の最終リガンド濃度は0.48nMであった。室温にて2時間インキュベートした後、TomTecTM Mach 3U 96ウェルセルハーベスター(米国コネチカット州ハムデン)を使用して前処理(0.5%ポリエチレンイミン;Sigma P‐3143)したGF‐Cフィルタープレート(Unifilter‐96、Packard)で濾過して、血小板膜を回収した。プレートを100μLの結合緩衝液で10回洗浄した後、血小板膜を風乾させた。Packard OmniscintTM 20シンチレーション液を添加した後、TopCountTM NXT Microplate Scintillation and Luminescence Counter(Packard、米国コネチカット州メリデン)を使用して、血小板膜の放射能を定量化した。PrismTM 20b.(GraphPad Software、米国カリフォルニア州サンディエゴ)を使用して、非線形回帰解析を行った。
【0386】
前述の試験方法を使用して測定を行ったところ、式Iの代表的な化合物は、以下の表1で示すように、トロンビン受容体K値が約3nM〜約20nMの範囲であり、トロンビン受容体IC50が約5nM〜約70nMの範囲であることが明らかになった。
【0387】
【表1−1】

【0388】
【表1−2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造式I:
【化169】

ので表される化合物、あるいは該化合物の医薬的に許容される塩、溶媒和物またはエステルであって、
式中、
【化170】

が、原子価の要件で許容される二重結合または単結合を表すが、但し、R10またはR11が結合する炭素が二重結合の一部である場合には、R10またはR11が不在であることを条件とし、
Bが、
【化171】

であって、式中、nが0〜5であり、nおよびnが独立して0〜2であり、R12およびR12aが、水素、アルキルおよびハロゲンからなる群から独立して選択され、
E、F、G、ZおよびJが、
【化172】

からなる群から独立して選択されるが、但し、E、F、G、ZおよびJの選択により酸素または硫黄原子が隣接せず、少なくとも1つの炭素原子が該酸素、窒素または硫黄原子の間に存在することを条件とし、
Xが、
【化173】

であり、
各nが0、1または2であるが、但し、すべてのn変数が0とはなり得ないことを条件とし、
Hetが、1〜13個の炭素原子からなる5〜14個の原子、およびN、OおよびSからなる群から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子の単環式、二環式または三環式ヘテロ芳香族基であるが、但し、該ヘテロ芳香族基の中に隣接する酸素または硫黄原子が存在しないことを条件とし、環の窒素がアルキル基とともにN‐オキシドまたは第4級基を形成してもよく、Hetが炭素原子環のメンバーによってBに結合し、該Het基が1〜4個の部分Wによって置換され、各Wが、
水素、
アルキル、
フルオロアルキル、ジフルオロアルキル、トリフルオロアルキル、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、
シクロアルキル、またはアルキル、アルケニルもしくはアルキニルで置換されるシクロアルキル、
ヘテロシクロアルキル、またはアルキル、アルケニルもしくはアルキニルで置換されるヘテロシクロアルキル、
21‐アリールアルキル、R21‐アリール‐アルケニル、
ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、
ヒドロキシアルキル、ジヒドロキシアルキル、
アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジ‐(アルキル)‐アミノアルキル、
チオアルキル、
アルコキシ、アルケニルオキシ、
ハロゲン、
‐NR
‐SH、
‐CN、
‐OH、
‐C(O)OR17、‐COR16、‐OS(O)CF、‐CHOCHCF
アルキルチオ、
‐C(O)NR
‐OCHR‐フェニル、
フェノキシアルキル、
‐NHCOR16
‐NHSO16
ビフェニル、
‐OC(RCOOR、‐OC(RC(O)NR
アルキル、アミノまたは‐NHC(O)OR17で置換されるアルコキシ、
アリール、
アルキル、ハロゲン、アルコキシ、メチレンジオキシ、カルボン酸、カルボキシアミド、アミン、尿素、アミド、スルホンアミド、‐CN、‐CF、‐OCF、‐OH、アルキルアミノ‐、ジ‐(アルキル)アミノ‐、‐NR2526アルキル‐、ヒドロキシアルキル‐、‐C(O)OR17、‐COR17、‐NHCOR16、‐NHS(O)16、‐NHS(O)CHCF、‐C(O)NR2526、‐NR25‐C(O)‐NR2526、‐S(O)R13、‐S(O)13および‐SR13からなる群から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されるアリール、
あるいは‐NR、‐NRCOR、‐NRCONR、‐NRC(O)OR、‐NRS(O)、‐NRS(O)NR、‐C(O)OH、‐C(O)OR、‐CONRヘテロアリール、ヒドロキシアルキル、アルキル、‐S(O)‐アルキル、‐C(O)NRまたはヘテロアリールで場合により置換されるアルキル
からなる群から独立して選択され、該Het環上の隣接する炭素が、場合によりメチレンジオキシ基と環を形成してもよく、
およびRが、水素、ハロゲン、アルキル、フルオロアルキル、ジフルオロアルキル、トリフルオロアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルコキシ、アリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミン、アミノアルキル、アリール、チオヒドロキシ、CNおよびチオアルキルからなる群から独立して選択されるか、あるいは
およびRが、窒素に結合する場合に一緒になって、‐O‐、‐N‐、‐S‐、‐S(O)‐、‐S(O)‐および
【化174】

から選択される1〜3個のヘテロ原子とともに、4〜10個の原子の単環式または二環式ヘテロ環を形成するが、但し、該へテロ環が非置換であるか、アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシおよびアリールアルコキシから独立して選択される1つ以上の基で置換される場合は、SおよびO環原子が互いに隣接しないことを条件とし、
が、R、フルオロアルコキシ、ジフルオロアルコキシ、トリフルオロアルコキシ、シクロアルキルオキシ、アルケニルオキシ、アルコキシ、アリールアルコキシ、アリールアルケニルオキシ、ヘテロアリールアルコキシ、ヘテロアリールアルケニルオキシ、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、アリールオキシまたはチオアルコキシであり、
が、水素、アルキルまたはフェニルであり、
が、水素またはアルキルであり、
各R13が、水素、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、ハロゲン、‐(CHn6NHC(O)OR16b、‐(CHn6NHC(O)R16b、‐(CHn6NHC(O)NR、‐(CHn6NHSO16、‐(CHn6NHSONR、および‐(CHn6C(O)NR2829から独立して選択され、式中、nが0〜4であり、
各R14が、水素、アルキル、‐OH、アルコキシ、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ハロゲン、ハロアルキル、‐(CHn6NHC(O)OR16b、‐(CHn6NHC(O)R16b、‐(CHn6NHC(O)NR、‐(CHn6NHSO16、‐(CHn6NHSONR、および‐(CHn6C(O)NR2829からなる群から独立して選択され、式中、nが0〜4であり、式中、RおよびRが、水素、アルキル、フェニル、ベンジルおよびシクロアルキルからなる群から独立して選択されるか、RおよびRが一緒になって、それらが結合する窒素とともに環を形成してもよく、RおよびRによって形成される該環が、場合により=O、OH、ORまたは‐C(O)OHで置換されるか、あるいは
13およびR14が一緒になって、3〜6個の環原子からなるスピロ環またはヘテロスピロ環を形成し、該ヘテロスピロ環が、2〜5個の炭素環原子、ならびにO、SおよびNからなる群から選択される1または2個のヘテロ環原子を含有し、
16が、水素、アルキル、フェニルおよびベンジルからなる群から独立して選択され、
16aが、水素、アルキル、フェニルおよびベンジルからなる群から独立して選択され、
16bが、水素、アルコキシ、アルキル、アルコキシアルキル‐、R22‐O‐C(O)‐アルキル‐、シクロアルキル、R21‐アリール、R21‐アリールアルキル、ハロアルキル、アルケニル、ハロ置換アルケニル、アルキニル、ハロ置換アルキニル、R21‐ヘテロアリール、(R21‐ヘテロアリール)‐アルキル‐、(R21‐ヘテロシクロアルキル)‐アルキル‐、R2829N‐アルキル‐、R2829N‐C(O)‐アルキル‐、R2829N‐C(O)O‐アルキル‐、R28OC(O)N(R29)‐アルキル‐、R28S(O)N(R29)‐アルキル‐、R2829N‐C(O)‐N(R29)‐アルキル‐、R2829N‐S(O)N(R29)‐アルキル‐、R28‐C(O)N(R29)‐アルキル‐、R2829N‐S(O)‐アルキル‐、HOS(O)‐アルキル‐、(OH)P(O)‐アルキル‐、R28‐S‐アルキル‐、R28‐S(O)‐アルキル‐、またはヒドロキシアルキルであり、
17が、水素、アルキル、フェニルおよびベンジルからなる群から独立して選択され、
18およびR19が、水素、アルキル、アリール、R21‐アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アルコキシアルキル、ハロアルコキシアルキル、アリールオキシアルキル、アリールアルコキシアルキル、ヘテロアリールオキシアルキル、ヘテロアリールアルコキシアルキル、シクロアルキルオキシアルキル、(ヘテロシクリル)アルキルオキシアルキル、アルコキシアルキルオキシアルキル、‐S(O)‐アルキル、‐C(NH)NR、またはシクロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、‐NR、‐NRC(O)R、‐NRC(O)NR、‐NRC(O)OR、‐NRS(O)、‐NRS(O)NR、‐C(O)OH、‐C(O)ORおよび‐C(O)NRから選択される1または2個の部分で置換されるアルキルであるか、あるいは
18およびR19が、それらが結合する窒素と一緒になって、‐O‐、‐N‐、‐S‐、‐S(O)‐、‐S(O)および‐C(O)‐から選択される1〜3個のヘテロ環原子を有する4〜10個の原子の単環式または二環式へテロ環を形成するが、但し、SおよびO原子が互いに隣接せず、該環が非置換であるか、アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アリールアルコキシ、‐NR、‐NRCOR、‐NRC(O)NR、‐NRC(O)OR、‐NRS(O)、‐NRS(O)NR、‐C(O)OR、‐CONR、ならびに‐NR、‐NRCOR、‐NRCOR、‐NRC(O)OR、‐NRS(O)、‐NRS(O)NR、‐C(O)OR、または‐CONRで置換されるアルキルから選択される1つ以上の基で置換され、
21が、1〜3個の部分であって、各R21が、水素、‐CN、‐CF、‐OCF、ハロゲン、‐NO、アルキル、‐OH、アルコキシ、アルキルアミノ‐、ジ‐(アルキル)アミノ‐、‐NR2526アルキル‐、ヒドロキシアルキル‐、‐C(O)OR17、‐COR17、‐NHCOR16、‐NHS(O)16、‐C(NH)‐NH、‐NHS(O)CHCF、‐C(O)NR2526、‐NR25‐C(O)‐NR2526、‐S(O)R16、‐S(O)16、‐SR16、‐SONRおよび‐CONRからなる群から独立して選択されるか、あるいは2個の隣接するR21部分がメチレンジオキシ基を形成してもよく、
22が、水素、アルキル、フェニル、ベンジル、‐COR16、‐CONR1819、‐COR23、‐S(O)R31、‐S(O)31、‐S(O)NR2425、または‐C(O)OR27であり、
23が、
【化175】

であり、式中、R35およびR36が、水素、アルキルおよびR37置換アルキルからなる群から独立して選択され、式中、R37が、HO‐、HS‐、CHS‐、‐NH、フェニル、p‐ヒドロキシフェニルおよびインドリルからなる群から選択されるか、R23が、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル;アルコキシアルキル、アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アリールアルコキシ、‐NR、‐NRC(O)R、‐NRC(O)NR、‐NRC(O)OR、‐NRS(O)、‐NRS(O)NR、‐C(O)ORおよび‐CONRからなる群から選択される1〜3個の置換基で置換されるシクロアルキル;アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル;‐NR、‐NRCOR、‐NRCONR、‐NRC(O)OR、‐NRS(O)R、‐NRS(O)NR、‐C(O)OR、‐CONRおよび‐SOHで置換されるアルキルであり、
24、R25およびR26が、水素、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、ハロシクロアルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシおよびアルコキシからなる群から独立して選択され、
27が、1〜3個の部分であり、各R27が、水素、アルキルおよびシクロアルキルからなる群から選択され、R27が場合により‐OH、‐C(O)OH、ハロゲンおよびアルコキシで置換され、
28およびR29が、水素、アルキル、アルコキシ、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキルおよびハロアルキルからなる群から独立して選択されるか、あるいは
28およびR29が一緒になって、3〜6個の環原子を有するスピロ環またはヘテロスピロ環を形成し、
32およびR33が、水素、R34‐アルキル、R34‐アルケニル、R34‐アルキニル、R40‐ヘテロシクロアルキル、R38‐アリール、R38‐アラルキル、R42‐シクロアルキル、R42‐シクロアルケニル、‐OH、‐OC(O)R43、‐C(O)OR43、‐C(O)R43、‐C(O)NR4344、‐NR4344、‐NR43C(O)R44、‐NR43C(O)R44、‐NR43C(O)NR4445、‐NHS(O)43、‐OC(O)NR4344、R37‐アルコキシ、R37‐アルケニルオキシ、R37‐アルキニルオキシ、R40‐ヘテロシクロアルキルオキシ、R42‐シクロアルキルオキシ、R42‐シクロ‐アルケニルオキシ、R42‐シクロアルキル‐NH‐、‐NHSONHR16および‐CH(=NOR17)からなる群から独立して選択されるか、
あるいはR32およびR33が組み合わさって以下の環構造Q
【化176】

を形成し、式中、
が、水素、OH、アルコキシ、ハロゲンまたはハロアルキルであり、
Qが、縮合R置換アリール、R置換ヘテロアリール、ならびにO、S、S(O)、S(O)およびNR22から選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する4〜8個の原子のR置換へテロ環であるが、但し、SおよびOが互いに隣接できないことを条件とするか、あるいは
Qが、
【化177】

であり、
式中、R10およびR11が、Rおよび‐ORからなる群から独立して選択されるが、但し、環Qが芳香族であり、R10およびR11を有する炭素原子が二重結合によって結合している場合は、R10およびR11が不在であることを条件とし、
Rが、1〜5個の部分であり、各Rが、水素、アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルコキシ、‐COR16、‐C(O)OR17、‐C(O)NR、‐SOR16、‐S(O)R16、‐NR16COR16a、‐NR16C(O)OR16a、‐NR16CONR、‐NR16S(O)NR、フルオロアルキル、ジフルオロアルキル、トリフルオロアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アリールおよびチオアルキルからなる群から独立して選択され、
34が、1〜3個の部分であり、各R34が、水素、ハロゲン、‐OH、アルコキシ、R47‐アリール、アルキル‐C(O)‐、アルケニル‐C(O)‐、アルキニル‐C(O)‐、ヘテロシクロアルキル、R39‐シクロアルキル、R39‐シクロアルケニル、‐OC(O)R43、‐C(O)OR43、‐C(O)R43、‐C(O)NR4344、‐NR4344、‐NR43C(O)R44、‐NR43C(O)NR4445、‐NHSO43、‐OC(O)NR4344、R34‐アルケニルオキシ、R34‐アルキニルオキシ、R40‐ヘテロシクロアルキルオキシ、R42‐シクロアルキルオキシ、R42‐シクロアルケニルオキシ、R42‐シクロアルキル‐NH‐、‐NHSONHR16、および‐CH(=NOR17)からなる群から独立して選択され、
38が、1〜3個の部分であり、各R38が、水素、ヘテロシクロアルキル、ハロゲン、‐C(O)OR48、‐CN、‐C(O)NR4950、‐NR51C(O)R52、‐OR48、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルキルシクロアルキルアルキル、ハロアルキルシクロアルキルアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、およびR52‐ヘテロアリールからなる群から独立して選択されるか、隣接する環炭素上の2個のR38基が縮合メチレンジオキシ基を形成し、
39が、1〜3個の部分であり、各R39が、水素、ハロゲンおよびアルコキシからなる群から独立して選択され、
40が、1〜3個の部分であり、各R40が、水素、R41‐アルキル、R41‐アルケニルおよびR41‐アルキニルからなる群から独立して選択され、
41が、水素、‐OHまたはアルコキシであり、
42が、1〜3個の部分であり、各R42が、水素、アルキル、‐OH、アルコキシおよびハロゲンからなる群から独立して選択され、
43、R44およびR45が、水素、アルキル、アルコキシアルキル、R38‐アリールアルキル、R46‐シクロアルキル、R53‐シクロアルキルアルキル、R38‐アリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキルアルキル、およびヘテロアリールアルキルからなる群から独立して選択され、
46が、水素、アルキル、ヒドロキシアルキルまたはアルコキシであり、
47が、1〜3個の部分であり、各R47が、水素、アルキル、‐OH、ハロゲン、‐CN、アルコキシ、トリハロアルコキシ、アルキルアミノ、ジ(アルキル)アミノ、‐OCF、ヒドロキシアルキル、‐CHO、‐C(O)アルキルアミノ、‐C(O)ジ(アルキル)アミノ、‐NH、‐NHC(O)アルキル、および‐N(アルキル)C(O)アルキルからなる群から独立して選択され、
48が、水素、アルキル、ハロアルキル、ジハロアルキル、またはトリフルオロアルキルであり、
49およびR50が、水素、アルキル、アラルキル、フェニル、およびシクロアルキルからなる群から独立して選択されるか、あるいはR49およびR50が一緒になって、‐(CH‐、‐(CH‐または‐(CH‐NR39‐(CH‐であり、それらが結合する窒素とともに環を形成し、
51およびR52が、水素、アルキル、アラルキル、フェニル、およびシクロアルキルからなる群から独立して選択されるか、あるいは‐NR39C(O)R40基中のR51およびR52が、それらが結合する窒素原子と一緒になって、5〜8個の環員を有する環状ラクタムを形成し、
53が、水素、アルコキシ、‐SOR16、‐SO17、‐C(O)OR17、‐C(O)NR1819、アルキル、ハロゲン、フルオロアルキル、ジフルオロアルキル、トリフルオロアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アラルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アリール、チオアルキル、アルコキシアルキル、またはアルキルアミノアルキルであり、
54が、水素、アルキル、フルオロアルキル、ジフルオロアルキル、トリフルオロアルキル、シクロアルキル;アルコキシアルキル、アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アリールアルコキシ、‐NR、‐NRC(O)R、‐NRC(O)NR、‐NRC(O)OR、‐NRS(O)、‐NRS(O)NR、‐C(O)OH、‐C(O)ORおよび‐CONRからなる群から選択される1〜3個の置換基で置換されるシクロアルキル;アルケニル、アルコキシ、アリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヒドロキシ、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アリール、ヘテロアリール、チオアルキル;ならびに尿素、スルホンアミド、カルボキサミド、カルボン酸、カルボン酸エステルおよびスルホニル尿素からなる群から選択される1〜3個の置換基で置換されるアルキルからなる群から選択される、
化合物、あるいは該化合物の医薬的に許容される塩、溶媒和物またはエステル。
【請求項2】
32およびR33が組み合わさって環構造Qを形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Qが
【化178】

である、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
Qが
【化179】

である、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
同じであっても異なっていてもよいR32およびR33がそれぞれアルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
同じであっても異なっていてもよいR32およびR33はそれぞれメチルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
Bが
【化180】

である、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
Hetが非置換ピリジルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
HetがWで置換されるピリジルであり、該Wが、少なくとも1つの‐CNまたは少なくとも1つのハロゲンで置換されるアリールである、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
HetがWで置換されるピリジルであり、該Wが、非置換であってもよければ、少なくとも1つの同じまたは異なっていてもよい部分で置換されてもよいフェニルであり、該部分が‐CNまたはハロゲンからなる群から独立して選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】

【化181】

であって、式中、nが1である、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】

【化182】

であって、式中、nが1である、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】

【化183】

であって、式中、RおよびRがそれぞれ水素、アルキルまたはフェニルであり、さらに式中、nが1である、請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
がGである、請求項1に記載の化合物。
【請求項15】

【化184】

であって、式中、nが1である、請求項1に記載の化合物。
【請求項16】
が‐CH‐であって、式中、nが1である、請求項1に記載の化合物。
【請求項17】
が‐CH‐であって、式中、nが1である、請求項1に記載の化合物。
【請求項18】
Xが
【化185】

である、請求項1に記載の化合物。
【請求項19】
、R、R10およびR11がHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項20】
式:
【化186】

の化合物。
【請求項21】
有効量の少なくとも1つの請求項1に記載の化合物、および医薬的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項22】
トロンビン受容体を抑制する方法であって、このような治療を必要とする哺乳動物に、少なくとも1つの請求項1に記載の化合物の有効量を投与することを含む、方法。
【請求項23】
血栓症、アテローム性動脈硬化症、再狭窄、高血圧、狭心症、脈管形成関連障害、不整脈、心血管または循環系の疾患または状態、心不全、急性冠症候群、心筋梗塞、糸球体腎炎、血栓性脳卒中、血栓塞栓性脳卒中、末梢血管疾患、深部静脈血栓症、静脈血栓塞栓症、ホルモン補充療法に伴う心血管疾患、播種性播種性血管内凝固症候群、脳梗塞、偏頭痛、勃起機能障害、リウマチ性関節炎、リウマチ、星膠症、肝臓、腎臓、肺または消化管の線維性障害、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、骨粗しょう症、腎疾患、急性腎不全、慢性腎不全、腎血管ホメオスタシス、腎虚血、膀胱炎、糖尿病、糖尿病性ニューロパシー、脳卒中、脳虚血、腎炎、癌、黒色腫、腎細胞癌、ニューロパシー、悪性腫瘍、神経変性および/または神経毒性疾患、状態または傷害、アルツハイマー病、炎症性疾患または状態、喘息、緑内障、黄斑変性、乾癬、肝臓、腎臓または肺の内皮機能障害、肺および消化管の炎症性障害、呼吸器疾患または状態、放射線線維症、内皮機能不全、歯周疾患もしくは創傷、または脊髄損傷、あるいはそれらの症状または結果を治療する方法であって、このような治療を必要とする哺乳動物に、少なくとも1つの請求項1に記載の化合物の有効量を投与することを含む、方法。
【請求項24】
前記炎症性疾患または状態が、過敏性大腸症候群、クローン病、腎炎、あるいは放射線療法および/または化学療法に誘発される消化管、肺、膀胱、消化管または他の臓器の増殖性または炎症性障害である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記呼吸器疾患または状態が、可逆性気道閉塞、喘息、慢性喘息、気管支炎または慢性気道疾患である、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記癌が腎細胞癌または脈管形成関連障害である、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記神経変性疾患が、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、アルツハイマー病、ハンチントン病またはウィルソン病である、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
少なくとも2つの治療に有効な薬剤を投与することをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項29】
少なくとも1つの他の心血管薬を投与することを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項30】
前記他の心血管薬が、トロンボキサンA2生合成阻害薬、GP IIb/IIIaアンタゴニスト、トロンボキサンアンタゴニスト、アデノシン二リン酸阻害薬、シクロオキシゲナーゼ阻害薬、アンギオテンシンアンタゴニスト、エンドセリンアンタゴニスト、ホスホジエステラーゼ阻害薬、アンギオテンシン変換酵素阻害薬、中性エンドペプチダーゼ阻害薬、抗凝血薬、利尿薬、および血小板凝集阻害薬からなる群から選択される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記他の心血管薬が、アスピリン、カングレロール、重硫酸クロピドグレル、プラスグレル、およびフラグミンからなる群から選択される、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記複数の他の心血管薬が、アスピリンおよび重硫酸クロピドグレルである、請求項29に記載の方法。
【請求項33】
前記複数の他の心血管薬が、アスピリンおよびプラスグレルである、請求項29に記載の方法。
【請求項34】
カンナビノイド受容体を抑制する方法であって、このような治療を必要とする哺乳動物に、少なくとも1つの請求項1に記載の化合物の有効量を投与することを含む、方法。
【請求項35】
精製された形態である、請求項1に記載の化合物。
【請求項36】
単離された形態である、請求項1に記載の化合物。
【請求項37】
患者の非悪性組織において放射線および/または化学物質に誘発される毒性を治療および/または予防する方法であって、少なくとも1つの請求項1に記載の化合物の治療有効量を投与することを含む、方法。
【請求項38】
前記放射線および/または化学物質に誘発される毒性が、腸管線維症、肺炎、腸管粘膜炎、口腔粘膜炎、腸管の放射線症候群、または腸管の放射線被曝による病態生理学的な症状発現の1つ以上である、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
放射線および/または化学物質の毒性に曝露する予定の患者、現在曝露している患者、または以前に曝露した患者において放射線による構造的な損傷を軽減する;放射線および/または化学物質の毒性に曝露する予定の患者、現在曝露している患者、または以前に曝露した患者において炎症を軽減する;放射線および/または化学物質の毒性に曝露する予定の患者、現在曝露している患者、または以前に曝露した患者において有害組織のリモデリングを軽減する;あるいは放射線および/または化学物質の毒性に曝露する予定の患者、現在曝露している患者、または以前に曝露した患者において組織の線維増殖作用を軽減する方法であって、少なくとも1つの式1の化合物の治療有効量を投与することを含む、方法。
【請求項40】
細胞増殖性障害に罹患した患者において該障害を治療する方法であって、少なくとも1つの式1の化合物の治療有効量を投与することを含む、方法。
【請求項41】
前記細胞増殖性障害が、膵癌、グリオーマ、卵巣癌、結腸直腸癌、大腸癌、乳癌、前立腺癌、甲状腺癌、肺癌、黒色腫、または胃癌である、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記グリオーマが未分化星状細胞腫または多形性膠芽腫である、請求項41に記載の方法。

【公表番号】特表2009−542662(P2009−542662A)
【公表日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−518251(P2009−518251)
【出願日】平成19年6月27日(2007.6.27)
【国際出願番号】PCT/US2007/014938
【国際公開番号】WO2008/005262
【国際公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願人】(596129215)シェーリング コーポレイション (785)
【氏名又は名称原語表記】Schering Corporation
【Fターム(参考)】