説明

置換1−フェニル−1,5−ジヒドロ−ピリド−[3,2−b]インドール−2−オンと他のHIV阻害剤の組み合わせ

本発明は式(I)
【化1】


{式中、nは1、2または3であり、RはH、CN、ハロ、アミノC(=O)、C(=O)OH、C1−4アルキルオキシC(=O)、C1−4アルキルC(=O)、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノC(=O)、アリールアミノC(=O)、N−(アリール)−N−(C1−4アルキル)アミノC(=O)、メタンイミダミジル、N−ヒドロキシ−メタンイミダミジル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)メタンイミダミジル、HetまたはHetであり、RはH、C1−10アルキル、C2−10アルケニル、C3−7シクロアルキル[ここで、前記C1−10アルキル、C2−10アルケニルおよびC3−7シクロアルキルは場合により置換されていてもよい]であり、Rはニトロ、シアノ、アミノ、ハロ、ヒドロキシ、C1−4アルキルオキシ、ヒドロキシC(=O)、アミノC(=O)、C1−4アルキルオキシC(=O)、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノC(=O)、C1−4アルキルC(=O)、メタンイミダミジル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)メタンイミダミジル、N−ヒドロキシ−メタンイミダミジルまたはHetである}で表される化合物、これのN−オキサイド、塩、立体異性体形態、ラセミ混合物、プロドラッグ、エステルまたは代謝産物と別のHIV阻害剤を含んで成る組み合わせに関する。本発明は、また、式(I)で表される化合物および別のHIV阻害剤をレトロウイルス感染、例えばHIV感染の治療、特に多剤耐性レトロウイルスによる感染の治療で同時、個別または逐次的に用いるための組み合わせ製剤として含んで成る製品にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、置換インドールピリジニウムと他のHIV阻害剤の組み合わせおよび前記組み合わせを含んで成る薬剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
後天性免疫不全症候群(エイズ)を引き起こすウイルスはいろいろな名前で知られており、それらにはTリンパ球ウイルスIII(HTLV−III)またはリンパ節症関連ウイルス(LAV)またはエイズ関連ウイルス(ARV)またはヒト免疫不全ウイルス(HIV)が含まれる。今日までに異なる2ファミリー、即ちHIV−1およびHIV−2が同定された。本明細書では以降、そのようなウイルスを一般的に表す目的でHIVを用いる。
【0003】
エイズ患者の治療は現在のところHIVプロテアーゼ阻害剤(PI)、ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NRTI)、非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NNRTI)およびヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤(NtRTI)を用いて行われている。そのような化合物は、しばしば、この上に示した種類の薬剤の中の2種以上の化合物を含んで成る薬剤混合物の状態で投与される。そのような抗レトロウイルス薬は非常に有用であるにも拘らず、それらは共通した制限を有する、即ち公知薬剤があまり有効でなくなるか或は変異HIVウイルスに対して効果を示さないと言った様式でHIVウイルスの中の標的酵素が変異を起こし得ると言った制限を有する。即ち、言い換えれば、HIVウイルスは有効な薬剤に対して更に高い耐性を示すようになる。
【0004】
レトロウイルス、特にHIVウイルスが阻害剤に対して示す耐性が治療が失敗する主な原因である。例えば、抗HIV組み合わせ治療を受けた患者の半分はその治療に対して充分な反応を示さないが、その理由は主にウイルスが1種以上の使用薬剤に対して耐性を示すことによる。その上、耐性ウイルスが新しく感染した人に持ち込まれる結果として薬剤が投与されていない患者の治療任意選択がひどく制限されることも分かっている。従って、レトロウイルス治療、より詳細にはエイズ治療用の新規な化合物が求められている。特に、野生型HIVウイルスに対して活性を示すばかりでなくまた益々より一般的になってきている耐性HIVウイルスに対しても活性を示す化合物が緊急に必要とされている。
【0005】
公知の抗レトロウイルスは組み合わせ療法としてしばしば投与されるが、最終的には、この上に述べた如き耐性が発現する。このことから、しばしば、医者は前記抗レトロウイルス薬が変異HIVウイルスに対して示す有効性を取り戻すように活性薬剤の血漿中濃度を高くして行くことが強いられる可能性がある。その結果としてピルの負担が望ましくなく高くなってしまう。血漿中濃度を高くして行くと、また、処方された治療を受諾しないと言った危険が増す可能性もある。
【0006】
現在用いられている市販のHIV逆転写酵素阻害剤は異なる3種類、即ちNRTI、例えばジドブジン、ディダノシン、ザルシバチン(zalcibatine)、スタブジン、アバカビルおよびラミブジンなど、NtRTI、例えばテノホビルなど、およびNNRTI、例えばネビラピン(nevirapine)、デラビルジンおよびエファビレンズ(efavirenz)などに属する。NRTIおよびNtRTIはHIV逆転写酵素(RT)の活性部位を標的にする塩基類似物である。現在用いられているNNRTIはNNRTI結合部位付近のアミノ酸の所に変異によって耐性が速く出現し易いことが知られる(非特許文献1)。
【0007】
従って、医学分野ではHIV逆転写酵素を標的にする抗感染性化合物、特に耐性発現が遅くかつ幅広い種類のHIVウイルス変異体を防除し得る抗レトロウイルス性化合物が非常に求められている。
【0008】
ベンゾイルアルキルインドールピリジニウム化合物が抗ウイルス性化合物として特許文献1および2に開示されている。特定のベンゾイルアルキルインドールピリジニウム化合物の合成をRyabova他が開示している(非特許文献2、3および4)。
【特許文献1】WO 02/055520
【特許文献2】WO 02/059123
【非特許文献1】J AIDS 2001、26、S25−S33
【非特許文献2】Russian Chem.Bull.2001、50(8)、1449−1456
【非特許文献3】Chem.Heterocycl.Compd.(Engl.Translat)36;3;2000;301−306
【非特許文献4】Khim.Geterotsikl.Soedin.;RU;3;2000;362−367
【発明の開示】
【0009】
本発明は、構造式:
【0010】
【化1】

【0011】
{式中、
nは、1、2または3であり、
は、水素、シアノ、ハロ、アミノカルボニル、ヒドロキシカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、C1−4アルキルカルボニル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、N−(アリール)−N−(C1−4アルキル)アミノカルボニル、メタンイミダミジル、N−ヒドロキシ−メタンイミダミジル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)メタンイミダミジル、HetまたはHetであり、
は、水素、C1−10アルキル、C2−10アルケニル、C3−7シクロアルキル[ここで、前記C1−10アルキル、C2−10アルケニルおよびC3−7シクロアルキルは各々個別に独立して場合によりシアノ、NR4a4b、ピロリジニル、ピペリジニル、ホモピペリジニル、ピペラジニル、4−(C1−4アルキル)−ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、1−オキソチオモルホリニル、1,1−ジオキソ−チオモルホリニル、アリール、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、ヒドロキシカルボニル、C1−4アルキルカルボニル、N(R4a4b)カルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、ピロリジン−1−イルカルボニル、ピペリジン−1−イルカルボニル、ホモピペリジン−1−イルカルボニル、ピペラジン−1−イルカルボニル、4−(C1−4アルキル)−ピペラジン−1−イルカルボニル、モルホリン−1−イルカルボニル、チオモルホリン−1−イルカルボニル、1−オキソチオモルホリン−1−イルカルボニルおよび1,1−ジオキソ−チオモルホリン−1−イルカルボニルから成る群から選択される置換基で置換されていてもよい]であり、
は、ニトロ、シアノ、アミノ、ハロ、ヒドロキシ、C1−4アルキルオキシ、ヒドロキシカルボニル、アミノカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニル、C1−4アルキルカルボニル、メタンイミダミジル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)メタンイミダミジル、N−ヒドロキシ−メタンイミダミジルまたはHetであり、
4aは、水素またはC1−4アルキルであるか、或はアミノ、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノ、ピロリジニル、ピペリジニル、ホモピペリジニル、ピペラジニル、4−(C1−4アルキル)−ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、1−オキソチオモルホリニルおよび1,1−ジオキソ−チオモルホリニルから成る群から選択される置換基で置換されているC1−4アルキルであり、
4bは、水素またはC1−4アルキルであるか、或はアミノ、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノ、ピロリジニル、ピペリジニル、ホモピペリジニル、ピペラジニル、4−(C1−4アルキル)−ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、1−オキソチオモルホリニルおよび1,1−ジオキソ−チオモルホリニルから成る群から選択される置換基で置換されているC1−4アルキルであり、
アリールは、場合によりC1−6アルキル、C1−4アルコキシ、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、ヒドロキシC1−6アルキル、シアノC1−6アルキル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノ、アミノC1−4アルキル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノC1−4アルキルから成る群から各々が個別に選択される1個以上の置換基で置換されていてもよいフェニルであり、
Hetは、5員の環系[ここで、1、2、3または4環員は窒素、酸素および硫黄から成る群から各々個別に独立して選択されるヘテロ原子でありそして残りの環員は炭素原子であり、そしてここで、可能ならば、いずれかの窒素環員が場合によりC1−4アルキルで置換されていてもよく、いずれかの環炭素原子が各々個別に独立して場合によりC1−4アルキル、C2−6アルケニル、C3−7シクロアルキル、ヒドロキシ、C1−4アルコキシ、ハロ、アミノ、シアノ、トリフルオロメチル、ヒドロキシC1−4アルキル、シアノC1−4アルキル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノ、アミノC1−4アルキル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノC1−4アルキル、アリールC1−4アルキル、アミノC2−6アルケニル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノC2−6アルケニル、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、アリール、ヒドロキシカルボニル、アミノカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニル、C1−4アルキルカルボニル、オキソ、チオから成る群から選択される置換基で置換されていてもよく、そしてここで、前記フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリルおよびトリアゾリル部分はいずれも場合によりC1−4アルキルで置換されていてもよい]であり、
Hetは、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニルまたはトリアジニルであり、ここで、前記窒素含有6員芳香環は各々のいずれかの環炭素原子が場合によりC1−4アルキルから成る群から選択される置換基で置換されていてもよい}
を有する式(I)で表されるインドールピリジニウム化合物、これのN−オキサイド、塩、立体異性体形態、プロドラッグ、エステルまたは代謝産物と別のHIV阻害剤の組み合わせ物に関する。
【0012】
本発明は、1つの態様において、Rがシアノ、C1−4アルキルアミノカルボニルまたはC1−4アルキルオキシカルボニルであり、Rが水素またはC1−6アルキルであり、nが1でありそしてRがニトロである式(I)で表される置換インドールピリジニウム化合物を用いてHIVの複製を阻害する組み合わせ物に関する。
【0013】
前記式(I)で表される化合物は野生型HIVウイルスに対してばかりでなくまたいろいろな変異HIVウイルス[市販の逆転写酵素(RT)阻害剤に対して耐性を示す変異HIVウイルスを包含]に対しても活性を示す。従って、式(I)で表される化合物を含有させた組み合わせ物はHIVによる感染または感染に伴う病気を予防、治療または防除するに有用である。
【0014】
新規であると考えている式(I)で表される化合物のサブグループは、2,5−ジヒドロ−1−(4−ニトロフェニル)−2−オキソ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリルおよび2,5−ジヒドロ−5−メチル−1−(4−ニトロフェニル)−2−オキソ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリルとは異なることを条件とする式(I)で表される化合物で構成されるサブグループである。
【0015】
1つの態様は、2,5−ジヒドロ−1−(4−ニトロフェニル)−2−オキソ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリルおよび2,5−ジヒドロ−5−メチル−1−(4−ニトロフェニル)−2−オキソ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリルとは異なることを条件として、Rがシアノ、C1−4アルキルアミノカルボニルまたはC1−4アルキルオキシカルボニルであり、Rが水素またはC1−6アルキルであり、nが1でありそしてRがニトロである式(I)で表される化合物、これらのN−オキサイド、塩、立体異性体形態、プロドラッグ、エステルまたは代謝産物を含有させた組み合わせ物に関する。
【0016】
用語「C1−4アルキル」は、基としてか或は基の一部として、炭素原子数が1から4の直鎖および分枝鎖飽和炭化水素基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、2−メチル−プロピルなどを定義するものである。
【0017】
用語「C1−6アルキル」は、基としてか或は基の一部として、炭素原子数が1から6の直鎖および分枝鎖飽和炭化水素基、例えばC1−4アルキルで定義した基およびペンチル、ヘキシル、2−メチルブチル、3−メチル−ペンチルなどを定義するものである。
【0018】
用語「C2−6アルキル」は、基としてか或は基の一部として、炭素原子数が2から6の直鎖および分枝鎖飽和炭化水素基、例えばエチル、プロピル、ブチル、2−メチル−プロピル、ペンチル、ヘキシル、2−メチルブチル、3−メチルペンチルなどを定義するものである。
【0019】
用語「C1−10アルキル」は、基としてか或は基の一部として、炭素原子数が1から10の直鎖および分枝鎖飽和炭化水素基、例えばC1−6アルキルで定義した基およびヘプチル、オクチル、ノニル、デシルなどを定義するものである。
【0020】
用語「C2−6アルケニル」は、基としてか或は基の一部として、飽和炭素−炭素結合を有しかつ二重結合を少なくとも1個有する炭素原子数が2から6の直鎖および分枝鎖炭化水素基、例えばエテニル、プロポ−1−エニル、ブト−1−エニル、ブト−2−エニル、ペント−1−エニル、ペント−2−エニル、ヘキソ−1−エニル、ヘキソ−2−エニル、ヘキソ−3−エニル、1−メチル−ペント−2−エニルなどを定義するものである。
【0021】
用語「C2−10アルケニル」は、基としてか或は基の一部として、飽和炭素−炭素結合を有しかつ二重結合を少なくとも1個有する炭素原子数が2から10の直鎖および分枝鎖炭化水素基、例えばC2−6アルケニル基およびヘプト−1−エニル、ヘプト−2−エニル、ヘプト−3−エニル、オクト−1−エニル、オクト−2−エニル、オクト−3−エニル、ノノ−1−エニル、ノノ−2−エニル、ノノ−3−エニル、ノノ−4−エニル、デコ−1−エニル、デコ−2−エニル、デコ−3−エニル、デコ−4−エニル、1−メチル−ペント−2−エニルなどを定義するものである。
【0022】
用語「C3−7シクロアルキル」は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルの総称である。
【0023】
用語「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードの総称である。
【0024】
用語「メタンイミダミジル」はChemical Abstracts Nomenclature(CAS)に従う基HN−CH=NHの名称である。同様にN−ヒドロキシ−メタンイミダミジルは基HN−CH=N−OHのCAS名称である。
【0025】
用語「C6−14アリール」は、環員数が6−14の芳香炭化水素環、例えばフェニル、ナフタレン、アントラセンおよびフェナントレンなどを意味する。
【0026】
いろいろな複素環のいろいろな異性体が本明細書の全体に渡って用いる如き定義の範囲内に存在し得ることを注目すべきである。例えば、オキサジアゾリルは1,2,4−オキサジアゾリルまたは1,3,4−オキサジアゾリルまたは1,2,3−オキサジアゾリルであってもよく、同様にチアジアゾリルは1,2,4−チアジアゾリルまたは1,3,4−チアジアゾリルまたは1,2,3−チアジアゾリルであってもよく、ピロリルは1H−ピロリルまたは2H−ピロリルであってもよい。
【0027】
また、本定義で用いる分子部分いずれか上の基の位置はそのような部分が化学的に安定である限り前記部分上の如何なる場所であってもよいことも注目すべきである。例えば、ピリジルには2−ピリジル、3−ピリジルおよび4−ピリジルが含まれ、ペンチルには1−ペンチル、2−ペンチルおよび3−ペンチルが含まれる。
【0028】
いずれかの変項(例えばハロゲンまたはC1−4アルキル)がいずれかの成分中に2回以上存在する場合、各定義は独立している。
【0029】
本文の全体に渡って用いる如き用語「プロドラッグ」は、薬理学的に受け入れられる誘導体が生体内生体変換を受ける結果として生じる生成物が前記式(I)で表される化合物で定義した如き活性薬剤であるような誘導体、例えばエステル、アミドおよびホスフェートなどを意味する。プロドラッグを一般的に記述しているGoodmanおよびGilmanによる引用文献[The Pharmacological Basis of Therapeutics、第8版、McGraw−Hill,Int.Ed.1992、「Biotransformation of Drugs」、13−15頁]を引用することによって組み入れる。本発明の化合物のプロドラッグの調製では、本化合物に存在する官能基に修飾をその修飾を受けた部分が常規の操作または生体内で開裂を起こして親化合物になるような様式で受けさせることで調製を実施する。
【0030】
プロドラッグは、優れた水溶性を示しかつ向上した生体利用度を示すことを特徴としかつ生体内で容易に代謝を受けて活性のある阻害剤になる。
【0031】
式(I)で表される化合物の塩を治療で用いる場合の塩は対イオンが薬学的または生理学的に受け入れられる塩である。しかしながら、また、薬学的に受け入れられない対イオンを有する塩も例えば式(I)で表される薬学的に受け入れられる化合物を製造または精製する時などに使用可能である。塩が薬学的に受け入れられるか或は受け入れられないかに拘わらず、あらゆる塩を本発明の範囲内に包含させる。
【0032】
本発明の化合物が形成し得る薬学的に受け入れられるか或は生理学的に許容される付加塩形態の調製は、便利に、適切な酸、例えば無機酸、例えばハロゲン化水素酸、例えば塩酸または臭化水素酸など、硫酸、ヘミ硫酸、硝酸、燐酸など、または有機酸、例えば酢酸、アスパラギン酸、ドデシル硫酸、ヘプタン酸、ヘキサン酸、ニコチン酸、プロピオン酸、ヒドロキシ酢酸、乳酸、ピルビン酸、しゅう酸、マロン酸、こはく酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、シクラミン酸、サリチル酸、p−アミノサリチル酸、パモ酸などを用いて実施可能である。
【0033】
逆に、前記酸付加塩形態を適切な塩基で処理することで遊離塩基形態に変化させることも可能である。
【0034】
また、酸性プロトンを含有する式(I)で表される化合物を適切な有機および無機塩基で処理することで無毒の金属もしくはアミン付加塩形態に変化させることも可能である。適切な塩基塩形態には、例えばアンモニウム塩、アルカリおよびアルカリ土類金属塩、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム塩など、有機塩基との塩、例えばベンザチン、N−メチル,−D−グルカミン、ヒドラバミン塩など、およびアミノ酸との塩、例えばアルギニン、リシンなどとの塩が含まれる。
【0035】
逆に、前記塩基付加塩形態を適切な酸で処理することで遊離酸形態に変化させることも可能である。
【0036】
用語「塩」は、また、本発明の化合物が形成し得る水化物および溶媒付加形態も包含する。そのような形態の例は、例えば水化物、アルコラートなどである。
【0037】
本化合物のN−オキサイド形態は、これに1個または数個の窒素原子が酸化されていわゆるN−オキサイドになっている式(I)で表される化合物を包含させることを意味する。
【0038】
本化合物はまた互変異性形態でも存在し得る。そのような形態を前記式に明確には示さなかったが、それらを本発明の範囲内に包含させることを意図する。例えば、Hetの定義の範囲内で、5員の芳香複素環、例えば1,2,4−オキサジアゾールなどは5位がヒドロキシまたはチオ基で置換されていてもよく、従って、以下に示すように個々の互変異性形態と平衡状態にある。
【0039】
【化2】

【0040】
本明細書の上で用いた如き用語「本発明の化合物の立体化学異性体形態」は、本発明の化合物が持ち得る同じ配列の結合で結合している同じ原子で構成されてはいるが交換不能な異なる三次元構造を有する可能なあらゆる化合物を定義するものである。特に記述することも指示することもない限り、ある化合物の化学的表示は、当該化合物が持ち得る可能なあらゆる立体化学的異性体形態の混合物を包含する。そのような混合物は当該化合物の基本的分子構造を有するあらゆるジアステレオマーおよび/または鏡像異性体を含有している可能性がある。本発明の化合物のあらゆる立体化学的異性体形態(高純度の形態または互いの混合物の形態の両方)を本発明の範囲内に包含させることを意図する。
【0041】
本明細書に挙げる如き化合物および中間体の高純度の立体異性体形態を、前記化合物もしくは中間体と同じ基本的分子構造を有する他の鏡像異性体もしくはジアステレオマー形態を実質的に含有しない異性体であるとして定義する。特に、用語「立体異性体的に高純度」は、立体異性体過剰度が少なくとも80%(即ち、ある異性体が最小限で90%でありかつ可能な他の異性体が最大で10%)から立体異性体過剰度が100%(即ち、ある異性体が100%でその他がゼロ)に及ぶ化合物もしくは中間体、より特別には立体異性体過剰度が90%から100%、更により特別には立体異性体過剰度が94%から100%、最も特別には立体異性体過剰度が97%から100%に及ぶ化合物もしくは中間体に関する。用語「鏡像異性体的に高純度」および「ジアステレオマー的に高純度」も同様な様式で理解されるべきであるが、この場合にはそれぞれ当該混合物の鏡像異性体過剰度およびジアステレオマー過剰度に関する。
【0042】
本技術分野で公知の手順を適用することで本発明の化合物および中間体の高純度の立体異性体形態を得ることができる。例えば、光学活性酸もしくは塩基を用いてそれらのジアステレオマー塩を生じさせてそれを選択的に結晶化させることを通して、鏡像異性体を互いから分離することができる。その例は酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、ジトルオイル酒石酸およびカンホスルホン酸である。別法として、キラル固定相を用いたクロマトグラフィー技術で鏡像異性体を分離することも可能である。また、相当する高純度の立体化学異性体形態の適切な出発材料を用いることでもそのような高純度の立体化学異性体形態を生じさせることができるが、但し反応が立体特異的に起こることを条件とする。特定の立体異性体が望まれる場合、好適には、立体特異的調製方法を用いて前記化合物の合成を行う。そのような方法では有利に鏡像異性体的に高純度の出発材料を用いる。
【0043】
通常の方法を用いて式(I)のジアステレオマーラセミ混合物を個別に得ることができる。有利に使用可能な適切な物理的分離方法は、例えば選択的結晶化およびクロマトグラフィー、例えばカラムクロマトグラフィーなどである。
【0044】
また、本発明に本化合物に存在する原子のあらゆる同位元素を包含させることも意図する。同位元素には同じ原子番号を有するが質量数が異なる原子が含まれる。一般的な例として、限定するものでないが、水素の同位元素にはトリチウムおよびデュテリウムが含まれる。炭素の同位元素にはC−13およびC−14が含まれる。
【0045】
用語「式(I)で表される化合物」または「本化合物」または同様な用語を本明細書の以下で用いる場合にはいつでも、それに一般式(I)で表される化合物、それらのN−オキサイド、塩、立体異性体形態、ラセミ混合物、プロドラッグ、エステルおよび代謝産物ばかりでなくそれらの第四級化窒素類似物を包含させることを意味する。式(I)で表される化合物またはこれらのサブグループのいずれかの中の興味のもたれるサブグループは、式(I)で表される化合物のN−オキサイド、塩およびあらゆる立体異性体形態である。
【0046】
1つの態様において、式(I)で表される化合物におけるnは1でありそしてフェニル環上のR基は本明細書の以下に示すように縮合ピリジン部分中の窒素原子に対してパラ位に存在する(本明細書では以降式(II)で表される化合物と呼ぶ)。
【0047】
【化3】

【0048】
前記式(II)で表される化合物の興味の持たれるサブグループは、Rがニトロである式(II)で表される化合物[本明細書では以降式(II−a)で表される化合物と呼ぶ]である。
【0049】
特別な群の化合物は、Rがシアノ、メチルオキシカルボニル、メチルアミノカルボニル、エチルオキシカルボニルおよびエチルアミノカルボニル、より特別にはRがシアノ、エチルオキシカルボニルおよびエチルアミノカルボニル、更により特別にRがシアノである式(I)で表される化合物である。
【0050】
別の特別な群の化合物は、Rが水素またはC1−4アルキル、より特別には、Rが水素またはメチル、更により特別には、Rがメチルである式(I)で表される化合物である。
【0051】
更に別の特別な群の化合物は、RがシアノでありそしてRが水素またはメチルである式(I)で表される化合物である。
【0052】
特別な群の新規な化合物は、RがC1−4アルキルアミノカルボニルまたはC1−4アルキルオキシカルボニルである式(I)で表される化合物である。
【0053】
別の特別な群の新規な化合物は、RがC1−4アルキルアミノカルボニルまたはC1−4アルキルオキシカルボニルでありそしてRが水素またはメチルである式(I)で表される化合物である。
【0054】
別の特別な群の新規な化合物は、Rがメチルオキシカルボニル、メチルアミノカルボニル、エチルオキシカルボニルまたはエチルアミノカルボニルでありそしてRが水素またはメチルである式(I)で表される化合物である。
【0055】
別の特別な群の新規な化合物は、RがC2−6アルキルである式(I)で表される化合物である。
【0056】
別の特別な群の新規な化合物は、Rがシアノである時にRが水素でもメチルでもない式(I)で表される化合物である。
【0057】
更に別の特別な群の化合物は、Rが水素またはC1−4アルキルでありそしてフェニル環上のニトロ基が縮合ピリジン部分中の窒素原子に対してオルソまたはメタ位に存在する式(I)で表される化合物である。
【0058】
適切な群の化合物は、塩としての式(I)で表される化合物であり、ここでは、前記塩をトリフルオロ酢酸塩、フマル酸塩、クロロ酢酸塩、メタンスルホン酸塩、しゅう酸塩、酢酸塩およびクエン酸塩から選択する。
【0059】
前記式(I)で表される化合物の興味の持たれるサブグループは、下記の制限のいずれかの組み合わせが当てはまる式(I)で表される化合物またはこれのサブグループである:
・ nが1または2、より特別にはnが1であり、
・ Rが水素、シアノ、ハロ、アミノカルボニル、ヒドロキシカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、アリールアミノカルボニル、N−ヒドロキシ−メタンイミダミジル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)メタンイミダミジル、HetまたはHetであり、
・ Rが水素、C1−10アルキル、C2−10アルケニル、C3−7シクロアルキルであるか、或はシアノ、NR4a4b、ピロリジニル、ピペリジニル、4−(C1−4アルキル)−ピペラジニル、モルホリニル、アリール、イミダゾリル、ピリジル、ヒドロキシカルボニル、N(R4a4b)カルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニルまたは4−(C1−4アルキル)−ピペラジン−1−イルカルボニルから成る群から選択される置換基で置換されているC1−10アルキルであり、
・ Rがニトロ、シアノ、アミノ、ハロ、ヒドロキシ、C1−4アルキルオキシ、ヒドロキシカルボニル、アミノカルボニル、アミノチオカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、C1−4アルキルカルボニル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)メタンイミダミジル、N−ヒドロキシ−メタンイミダミジルまたはHetであり、
・ R4aがC1−4アルキルであり、
・ R4bがC1−4アルキルまたはC1−4アルキル置換モルホリニルであり、
・ アリールが場合によりC1−6アルキル、C1−4アルコキシ、シアノ、ニトロから成る群から各々が個別に選択される1個以上の置換基で置換されていてもよいフェニルであり、
・ Hetが5員の環系[ここで、1、2、3または4環員は窒素、酸素および硫黄から成る群から各々個別に独立して選択されるヘテロ原子でありそして残りの環員は炭素原子であり、そしてここで、可能ならば、いずれかの窒素環員が場合によりC1−4アルキルで置換されていてもよく、いずれかの環炭素原子が各々個別に独立して場合によりC1−4アルキル、C3−7シクロアルキル、ハロ、シアノ、トリフルオロメチル、シアノC1−4アルキル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノ、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノC2−6アルケニル、イソオキサゾリル、アリール、ヒドロキシカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、オキソ、チオから成る群から選択される置換基で置換されていてもよく、そしてここで、前記イソオキサゾリルは場合によりC1−4アルキルで置換されていてもよい]であり、
・ Hetがピリジルである。
【0060】
上述した制限を有する前記組み合わせ物の例は、例えば
・ nが1または2、より特別にはnが1であり、そして
・ Rがニトロ、シアノ、アミノ、ハロ、ヒドロキシ、C1−4アルキルオキシ、ヒドロキシカルボニル、アミノカルボニル、アミノチオカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、C1−4アルキルカルボニル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)メタンイミダミジル、N−ヒドロキシ−メタンイミダミジルまたはHetである、
組み合わせ物であるか、或は
・ Rが水素、シアノ、ハロ、アミノカルボニル、ヒドロキシカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、アリールアミノカルボニル、N−ヒドロキシ−メタンイミダミジル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)メタンイミダミジル、HetまたはHetであり、そして
・ アリールが場合によりC1−6アルキル、C1−4アルコキシ、シアノ、ニトロから成る群から各々が個別に選択される1個以上の置換基で置換されていてもよいフェニルであり、そして
・ Hetが5員の環系[ここで、1、2、3または4環員は窒素、酸素および硫黄から成る群から各々個別に独立して選択されるヘテロ原子でありそして残りの環員は炭素原子であり、そしてここで、可能ならば、いずれかの窒素環員が場合によりC1−4アルキルで置換されていてもよく、いずれかの環炭素原子が各々個別に独立して場合によりC1−4アルキル、C3−7シクロアルキル、ハロ、シアノ、トリフルオロメチル、シアノC1−4アルキル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノ、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノC2−6アルケニル、イソオキサゾリル、アリール、ヒドロキシカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、オキソ、チオから成る群から選択される置換基で置換されていてもよく、そしてここで、前記イソオキサゾリルは場合によりC1−4アルキルで置換されていてもよい]であり、そして
・ Hetがピリジルである、
組み合わせ物であるか、或は
・ Rが水素、C1−10アルキル、C2−10アルケニル、C3−7シクロアルキルであるか、或はシアノ、NR4a4b、ピロリジニル、ピペリジニル、4−(C1−4アルキル)−ピペラジニル、モルホリニル、アリール、イミダゾリル、ピリジル、ヒドロキシカルボニル、N(R4a4b)カルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニルまたは4−(C1−4アルキル)−ピペラジン−1−イルカルボニルから成る群から選択される置換基で置換されているC1−10アルキルであり、そして
・ R4aがC1−4アルキルであり、そして
・ R4bがC1−4アルキルまたはC1−4アルキル置換モルホリニルである、
組み合わせ物であるか、或は
・ Rが水素、C1−10アルキル、C2−10アルケニル、C3−7シクロアルキルであるか、或はシアノ、NR4a4b、ピロリジニル、ピペリジニル、4−(C1−4アルキル)−ピペラジニル、モルホリニル、アリール、イミダゾリル、ピリジル、ヒドロキシカルボニル、N(R4a4b)カルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニルまたは4−(C1−4アルキル)−ピペラジン−1−イルカルボニルから成る群から選択される置換基で置換されているC1−10アルキルであり、そして
・ アリールが場合によりC1−6アルキル、C1−4アルコキシ、シアノ、ニトロから成る群から各々が個別に選択される1個以上の置換基で置換されていてもよいフェニルである、
組み合わせ物であるか、或は
・ Rが水素、C1−10アルキル、C2−10アルケニル、C3−7シクロアルキルであるか、或はシアノ、NR4a4b、ピロリジニル、ピペリジニル、4−(C1−4アルキル)−ピペラジニル、モルホリニル、アリール、イミダゾリル、ピリジル、ヒドロキシカルボニル、N(R4a4b)カルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニルまたは4−(C1−4アルキル)−ピペラジン−1−イルカルボニルから成る群から選択される置換基で置換されているC1−10アルキルであり、そして
・ アリールが場合によりC1−6アルキル、C1−4アルコキシ、シアノ、ニトロから成る群から各々が個別に選択される1個以上の置換基で置換されていてもよいフェニルであり、そして
・ R4aがC1−4アルキルであり、そして
・ R4bがC1−4アルキルまたはC1−4アルキル置換モルホリニルである、
組み合わせ物であるか、或は
・ Rがニトロ、シアノ、アミノ、ハロ、ヒドロキシ、C1−4アルキルオキシ、ヒドロキシカルボニル、アミノカルボニル、アミノチオカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、C1−4アルキルカルボニル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)メタンイミダミジル、N−ヒドロキシ−メタンイミダミジルまたはHetであり、そして
・ Hetが5員の環系[ここで、1、2、3または4環員は窒素、酸素および硫黄から成る群から各々個別に独立して選択されるヘテロ原子でありそして残りの環員は炭素原子であり、そしてここで、可能ならば、いずれかの窒素環員が場合によりC1−4アルキルで置換されていてもよく、いずれかの環炭素原子が各々個別に独立して場合によりC1−4アルキル、C3−7シクロアルキル、ハロ、シアノ、トリフルオロメチル、シアノC1−4アルキル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノ、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノC2−6アルケニル、イソオキサゾリル、アリール、ヒドロキシカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、オキソ、チオから成る群から選択される置換基で置換されていてもよく、そしてここで、前記イソオキサゾリルは場合によりC1−4アルキルで置換されていてもよい]である、
組み合わせ物であるか、或は
・ nが1または2、より特別にはnが1であり、そして
・ Rが水素、シアノ、ハロ、アミノカルボニル、ヒドロキシカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、アリールアミノカルボニル、N−ヒドロキシ−メタンイミダミジル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)メタンイミダミジル、HetまたはHetであり、そして
・ Rが水素、C1−10アルキル、C2−10アルケニル、C3−7シクロアルキルであるか、或はシアノ、NR4a4b、ピロリジニル、ピペリジニル、4−(C1−4アルキル)−ピペラジニル、モルホリニル、アリール、イミダゾリル、ピリジル、ヒドロキシカルボニル、N(R4a4b)カルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニルまたは4−(C1−4アルキル)−ピペラジン−1−イルカルボニルから成る群から選択される置換基で置換されているC1−10アルキルであり、そして
・ Rがニトロ、シアノ、アミノ、ハロ、ヒドロキシ、C1−4アルキルオキシ、ヒドロキシカルボニル、アミノカルボニル、アミノチオカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、C1−4アルキルカルボニル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)メタンイミダミジル、N−ヒドロキシ−メタンイミダミジルまたはHetである、
組み合わせ物である。
【0061】
1つの態様では、Rが水素、シアノ、ハロ、アミノカルボニル、N−ヒドロキシ−メタンイミダミジル、Hetであり、特にRが水素、シアノ、ブロモ、テトラゾリルまたはオキサジアゾリル[場合によりC1−4アルキル、C2−6アルケニル、C3−7シクロアルキル、ヒドロキシ、C1−4アルコキシ、アミノ、シアノ、トリフルオロメチル、ヒドロキシC1−4アルキル、シアノC1−4アルキル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノ、アミノC1−4アルキル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノC1−4アルキル、アリールC1−4アルキル、アミノC2−6アルケニル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノC2−6アルケニル、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、アリール、ヒドロキシカルボニル、アミノカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニル、C1−4アルキルカルボニル、オキソ、チオから成る群から選択される置換基で置換されていてもよい]である。
【0062】
適切な化合物は、RがニトロでありそしてRが水素、シアノ、ハロ、アミノカルボニル、N−ヒドロキシ−メタンイミダミジル、Hetである式(II)で表される化合物である。より適切な化合物は、Rがニトロであり、RがC1−6アルキルでありそしてRが水素、シアノ、ブロモ、テトラゾリルまたはオキサジアゾリル[場合によりC1−4アルキル、C2−6アルケニル、C3−7シクロアルキル、ヒドロキシ、C1−4アルコキシ、アミノ、シアノ、トリフルオロメチル、ヒドロキシC1−4アルキル、シアノC1−4アルキル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノ、アミノC1−4アルキル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノC1−4アルキル、アリールC1−4アルキル、アミノC2−6アルケニル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノC2−6アルケニル、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、アリール、ヒドロキシカルボニル、アミノカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニル、C1−4アルキルカルボニル、オキソ、チオから成る群から選択される置換基で置換されていてもよい]である式(II)で表される化合物である。
【0063】
別の態様では、Rが水素、C1−10アルキル、C2−10アルケニル、C3−7シクロアルキル[ここで、前記C1−10アルキルは場合によりシアノ、NR4a4b、ピロリジニル、ピペリジニル、4−(C1−4アルキル)−ピペラジニル、モルホリニル、アリール、イミダゾリル、ピリジル、ヒドロキシカルボニル、N(R4a4b)カルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、4−(C1−4アルキル)−ピペラジン−1−イルカルボニルから成る群から選択される置換基で置換されていてもよい]であり、特に、Rが水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、シクロプロピル、シクロペンチル[ここで、前記C1−6アルキルは場合によりシアノ、ジ(C1−4アルキル)アミノ、ピロリジニル、ピペリジニル、4−(メチル)−ピペラジニル、モルホリニル、フェニル、イミダゾリル、ピリジル、ヒドロキシカルボニル、N(R4a4b)カルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、4−(メチル)−ピペラジン−1−イルカルボニルから成る群から選択される置換基で置換されていてもよい]である。
【0064】
適切な化合物は、RがニトロでありそしてRがシアノでありそしてRがC1−10アルキル、C2−10アルケニル、C3−7シクロアルキル[ここで、前記C1−10アルキルは場合によりシアノ、NR4a4b、ピロリジニル、ピペリジニル、4−(C1−4アルキル)−ピペラジニル、モルホリニル、アリール、イミダゾリル、ピリジル、ヒドロキシカルボニル、N(R4a4b)カルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、4−(C1−4アルキル)−ピペラジン−1−イルカルボニルから成る群から選択される置換基で置換されていてもよい]である式(II)で表される化合物である。
【0065】
別の態様では、Rがニトロ、シアノ、ハロ、C1−4アルキルオキシ、ヒドロキシカルボニル、アミノカルボニル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)メタンイミダミジル、N−ヒドロキシ−メタンイミダミジルまたはHetであり、より特別には、Rがニトロ、シアノ、ハロ、C1−4アルキルオキシ、ヒドロキシカルボニル、アミノカルボニル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)メタンイミダミジル、N−ヒドロキシ−メタンイミダミジル、オキサジアゾリル、チエニル、チアゾリル、フラニル、イソオキサゾリル[ここで、前記オキサジアゾリル、チエニル、チアゾリル、フラニル、イソオキサゾリルは各々がC1−4アルキル、C2−6アルケニル、C3−7シクロアルキル、ヒドロキシ、C1−4アルコキシ、アミノ、シアノ、トリフルオロメチル、ヒドロキシC1−4アルキル、シアノC1−4アルキル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノ、アミノC1−4アルキル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノC1−4アルキル、アリールC1−4アルキル、アミノC2−6アルケニル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノC2−6アルケニル、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、アリール、ヒドロキシカルボニル、アミノカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニル、C1−4アルキルカルボニル、オキソ、チオから成る群から選択される置換基で置換されていてもよく、そしてここで、前記フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリルおよびトリアゾリル部分はいずれも場合によりC1−4アルキルで置換されていてもよい]である。
【0066】
適切な化合物は、RがシアノでありそしてRがニトロ、シアノ、ハロ、C1−4アルキルオキシ、ヒドロキシカルボニル、アミノカルボニル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)メタンイミダミジル、N−ヒドロキシ−メタンイミダミジルまたはHetである式(II)で表される化合物である。より適切な化合物は、Rがシアノであり、RがC1−6アルキルでありそしてRがニトロ、シアノ、ハロ、C1−4アルキルオキシ、ヒドロキシカルボニル、アミノカルボニル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)メタンイミダミジル、N−ヒドロキシ−メタンイミダミジル、オキサジアゾリル、チエニル、チアゾリル、フラニル、イソオキサゾリル[ここで、前記オキサジアゾリル、チエニル、チアゾリル、フラニル、イソオキサゾリルは各々がC1−4アルキル、C2−6アルケニル、C3−7シクロアルキル、ヒドロキシ、C1−4アルコキシ、アミノ、シアノ、トリフルオロメチル、ヒドロキシC1−4アルキル、シアノC1−4アルキル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノ、アミノC1−4アルキル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノC1−4アルキル、アリールC1−4アルキル、アミノC2−6アルケニル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノC2−6アルケニル、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、アリール、ヒドロキシカルボニル、アミノカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニル、C1−4アルキルカルボニル、オキソ、チオから成る群から選択される置換基で置換されていてもよく、そしてここで、前記フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリルおよびトリアゾリル部分はいずれも場合によりC1−4アルキルで置換されていてもよい]である式(II)で表される化合物である。
【0067】
別の態様は、
nが1であり、
がシアノ、ハロ、または場合によりC1−4アルキル、C2−6アルケニル、C3−7シクロアルキル、ヒドロキシ、C1−4アルコキシ、アミノ、シアノ、トリフルオロメチル、ヒドロキシC1−4アルキル、シアノC1−4アルキル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノ、アミノC1−4アルキル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノC1−4アルキル、アリールC1−4アルキル、アミノC2−6アルケニル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノC2−6アルケニル、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、アリール、ヒドロキシカルボニル、アミノカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニル、C1−4アルキルカルボニル、オキソ、チオから成る群から選択される置換基で置換されていてもよいオキサジアゾリルであり、ここで、前記フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリルおよびトリアゾリル部分のいずれも場合によりC1−4アルキルで置換されていてもよく、RがC1−6アルキル、水素、C2−6アルケニルであり、Rがニトロ、場合によりピペリジニル、ピロリジニル、N(R4a4b)、モルホリニル、ピリジル、シアノ、4−(C1−4アルキル)−ピペラジン−1−イルで置換されていてもよいC1−6アルキルである、
式(I)で表される化合物に関する。
【0068】
更に別の態様は、Hetがフラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル[これらは各々が個別に独立して場合によりC1−4アルキル、C2−6アルケニル、C3−7シクロアルキル、ヒドロキシ、C1−4アルコキシ、ハロ、アミノ、シアノ、トリフルオロメチル、ヒドロキシC1−4アルキル、シアノC1−4アルキル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノ、アミノC1−4アルキル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノC1−4アルキル、アリールC1−4アルキル、アミノC2−6アルケニル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノC2−6アルケニル、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、アリール、ヒドロキシカルボニル、アミノカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニル、C1−4アルキルカルボニル、オキソ、チオから成る群から選択される置換基で置換されていてもよく、そしてここで、前記フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリルおよびトリアゾリル部分はいずれも場合によりC1−4アルキルで置換されていてもよい]である式(I)で表される化合物に関する。
【0069】
本発明に従う組み合わせで用いるに好適な化合物は下記である:
1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
5−メチル−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
5−イソブチル−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
5−アリル−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
5−ブチル−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
5−エチル−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
5−(2−モルホリン−4−イル−エチル)−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
5−メチル−1−(4−ニトロ−フェニル)−1,5−ジヒドロ−ピリド[3,2−b]インドール−2−オン、
5−ブト−3−エニル−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−5−(2−ピロリジン−1−イル−エチル)−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−5−(2−ピペリジン−1−イル−エチル)−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
5−(3−ジメチルアミノ−プロピル)−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
3−ブロモ−5−メチル−1−(4−ニトロ−フェニル)−1,5−ジヒドロ−ピリド[3,2−b]インドール−2−オン、
5−メチル−1−(3−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−5−(3−ピペリジン−1−イル−プロピル)−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
5−(4−モルホリン−4−イル−ブチル)−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−5−(4−ピロリジン−1−イル−ブチル)−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
5−[3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−プロピル]−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
5−シアノメチル−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
5−(3−モルホリン−4−イル−プロピル)−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−5−(4−ピペリジン−1−イル−ブチル)−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
5−(4−ジメチルアミノ−ブチル)−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−5−ピリジン−4−イルメチル−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
3−(5−t−ブチル−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−5−メチル−1−(4−ニトロ−フェニル)−1,5−ジヒドロ−ピリド[3,2−b]インドール−2−オン、
5−メチル−1−(4−ニトロ−フェニル)−3−(5−トリフルオロメチル[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−1,5−ジヒドロ−ピリド[3,2−b]インドール−2−オン、および
これらのN−オキサイド、塩および立体異性体。
【0070】
本発明の組み合わせで用いるに特に興味の持たれるものは下記である:
5−(2−モルホリン−4−イル−エチル)−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−5−(2−ピペリジン−1−イル−エチル)−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−5−(2−ピロリジン−1−イル−エチル)−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、および
これらのN−オキサイド(これらの塩および可能な立体異性体を包含)。
【0071】
本発明の組み合わせで用いるに特に好適な化合物は、5−メチル−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリルである。
【0072】
本発明の化合物はHIV逆転写酵素を阻害しかつまたHIV逆転写酵素に類似した逆転写酵素も阻害し得る。そのような類似性は、本技術分野で公知のプログラム(BLASTを包含)を用いて決定可能である。1つの態様におけるアミノ酸レベルの類似性は、少なくとも25%、興味の持たれることに少なくとも50%、より興味の持たれることに少なくとも75%である。別の態様において、本発明の化合物をHIV逆転写酵素と比較した時の結合ポケットの所のアミノ酸レベルの類似性は少なくとも75%、特に少なくとも90%である。本発明の化合物にHIV−1以外の他のレンチウイルス、例えばSIVおよびHIV−2などを用いた試験も受けさせた。
【0073】
本発明の化合物は、抗ウイルス分析実施例に記述しかつ例示するように、EC50とCC50の間の比率で測定した時に良好な選択性を示す。本発明の化合物は、また、好ましい特異性も示し得る。レンチウイルスに対する活性を他のレトロウイルス、例えばMLVなどに対するそれと対比させかつウイルス以外の病原体に対するそれと対比させた時にそれらの間に大きな隔たりが存在する。例えば、化合物2がマイコバクテリウムb.、プラスモジウムf.、トリパノソーマb.およびトリパノソーマc.に対して示すEC50値は32μM以上である一方、野生型HIVに対して示すEC50値は100nMよりもずっと低かった。
【0074】
市販のHIV逆転写酵素阻害剤を用いて、HIV逆転写酵素がある薬剤に対して示す「感受性」または別法として「耐性」の標準を設定する。現存の商業的HIV逆転写酵素阻害剤(エファビレンズ、ネンビラピンおよびデラビルジンを包含)は患者の中のHIVウイルス集団に対する効果を経時的に失う可能性がある。その理由は、現存するHIVウイルス集団、通常は主に野生型HIV逆転写酵素が個々のHIV逆転写酵素阻害剤の存在による圧力下で変異を起こして異なる変異体になりそしてその変異体が同じHIV逆転写酵素阻害剤に対してほとんど感受性を示さなくなることによる。このような現象が起こった場合、それは耐性変異体と呼ばれる。そのような変異体はある種の特別なHIV逆転写酵素阻害剤に耐性を示すばかりでなくまた他の複数の市販HIV逆転写酵素阻害剤にも耐性を示し、それは多剤耐性HIV逆転写酵素と呼ばれる。ある変異体が特別なHIV逆転写酵素阻害剤に対して示す耐性を表す1つの方法は、前記HIV逆転写酵素阻害剤が変異HIV逆転写酵素に対して示すEC50と前記HIV逆転写酵素阻害剤が野生型HIV逆転写酵素に対して示すEC50の間の比率を取る方法である。前記比率はまたフォールドチェンジインレジスタンス(fold change in resistance)(FR)とも呼ばれる。EC50値は、細胞の50%をウイルスの細胞変性効果から保護するに要する当該化合物の量を表す値である。
【0075】
病院で生じる変異体の多くはネビラピン、エファビレンズ、デラビルジンの如き市販のHIV逆転写酵素阻害剤に対して100以上のフォールドレジスタンスを示す。HIV逆転写酵素の臨床的に関連した変異体は、コドン位置100、103および181の所に変異を有することで特徴づけ可能である。本明細書で用いる如きコドン位置は、蛋白質配列の中のアミノ酸の位置を意味する。位置100、103および181の所の変異は非ヌクレオシド系RT阻害剤に関係している(D’Aquila他、Topics in HIV medicine、2002、10、11−15)。そのような臨床関連変異HIV逆転写酵素の例を表1に挙げる。
【0076】
【表1】

【0077】
興味の持たれる群の化合物は、少なくとも1種の変異HIV逆転写酵素に対して0.01から100の範囲、適切には0.1から100の範囲、より適切には0.1から50の範囲、更により適切には0.1から30の範囲のフォールドレジスタンスを示す式(I)で表される化合物である。特に、少なくとも1種の変異HIV逆転写酵素に対して0.1から約20の範囲のフォールドレジスタンスを示す式(I)で表される化合物に興味が持たれ、少なくとも1種の変異HIV逆転写酵素に対して0.1から10の範囲のフォールドレジスタンスを示す式(I)で表される化合物に更に大きな興味が持たれる。
【0078】
興味が持たれる群の化合物は、本明細書に記述する方法に従って測定して、HIV逆転写酵素のアミノ酸配列の中に野生型配列と対比した時に100、103および181から選択した位置の中の少なくとも1つの位置に変異、特に位置100、103および181から選択した少なくとも2つの位置に変異を有するHIV種(genbank登録が例えばM38432、K03455、gi327742の種)に対して0.01から100の範囲のフォールドレジスタンスを示す式(I)で表される化合物である。前記興味の持たれる群の化合物の中で更により大きな興味が持たれる化合物は、0.1から100の範囲、特に0.1から50の範囲、より特別には0.1から30の範囲内のフォールドレジスタンスを示す化合物である。前記興味の持たれる群の化合物の中で最も興味の持たれる化合物は、0.1から20の範囲、特に0.1から10の範囲内のフォールドレジスタンスを示す化合物である。
【0079】
1つの態様において、本発明の化合物が少なくとも1種の臨床関連変異HIV逆転写酵素に対して示すフォールドレジスタンスは直ぐこの上に記述した範囲内である。
【0080】
特別な群の化合物は、本明細書に記述する方法に従ってインビトロ選別を受けさせた時に野生型ウイルスに比べてIC50が1μM以下、適切にはIC50が100nM以下の式(I)で表される化合物である。
【0081】
本化合物が現在公知のRT阻害剤の圧力下で変異を起こした逆転写酵素(RT)を有するHIV−1、HIV−2、SIVおよびHIVウイルスを阻害する能力を有することに加えて現在公知のRT阻害剤と交差耐性を示さないことは、本化合物を公知NNRTIおよびNRTIと比較した時に本化合物がRT酵素と結合する様式がそれらが結合する様式と異なることを示している。交差耐性に関して、8000以上のウイルスを用いた研究により、本化合物2と公知NRTI、例えば3TC、アバカビル、AZT、D4T、DDC、DDIなどの間の計算した相互関係係数は相互関係係数が約0.63である3TCを除くあらゆるケースで0.28未満であることが分かった。本化合物2と公知NNRTI、例えばカプラビリン、デラビルジン、ネビラピンおよびエファビレンズなどの間の相互関係係数はあらゆるケースで約0.13以下であった。
【0082】
本発明の化合物は抗レトロウイルス特性、特にヒトにおける後天性免疫不全症候群(エイズ)の病因媒体であるヒト免疫不全ウイルス(HIV)に対して抗レトロウイルス特性を示す。HIVウイルスは優先的にCD4受容体含有細胞、例えばヒトT4細胞などに感染してそれらを崩壊させるか或はそれらの正常な機能、特に免疫系の調整を変化させる。その結果として、感染した患者はT4細胞の数が激減し、その上、T4細胞が異常な挙動を示すようになる。従って、免疫防御系が感染および/または腫瘍を防除することができなくなりそしてHIVに感染した被験体は一般に日和見感染、例えば肺炎などまたは癌などで死亡する。HIV感染に伴う他の病気には、血小板減少症、カポジ肉腫および進行性脱髄で特徴づけられる中枢神経系感染(結果として認知症および進行性構音障害、運動失調および見当識障害などの如き症状が現れる)が含まれる。HIV感染は更にまた抹消神経障害、進行性全身性リンパ節腫(PGL)およびエイズ関連症候群(ARC)も伴う。HIVウイルスはまたCD8受容体含有細胞にも感染する。HIVウイルスの他の標的細胞には小グリア細胞、樹枝状細胞、B細胞およびマクロファージが含まれる。
【0083】
本発明の化合物またはこれのサブグループのいずれも好適な薬理学的特性を有し、特にHIV逆転写酵素に対して活性を示すことから、上述した病気に対抗する薬剤としてか或はそれの予防で使用可能である。前記薬剤としての使用または治療方法は、それをHIVに感染した被験体にHIVに伴う病気を防除するに有効な量で全身投与することを含んで成る。
【0084】
本発明は、1つの態様において、式(I)で表される化合物またはこれのサブグループのいずれかをHIV感染または感染に伴う病気を予防、治療または防除するに有用な薬剤を製造する時に用いることに関する。
【0085】
本発明は、別の態様において、式(I)で表される化合物またはこれのサブグループのいずれかをHIVウイルス、特に変異HIV逆転写酵素を有するHIVウイルス、より特別には多剤耐性変異HIV逆転写酵素を有するHIVウイルスの複製を阻害するに有用な薬剤を製造する時に用いることに関する。
【0086】
その上、式(I)で表される化合物またはこれのサブグループのいずれもHIVウイルスの逆転写酵素が変異を起こしたHIVウイルス、特に多剤耐性変異HIV逆転写酵素を有するHIVウイルスによる感染に伴う病気を予防、治療または防除するに有用である。
【0087】
式(I)で表される化合物またはこれのサブグループのいずれかを含有させた本発明の組み合わせは、また、哺乳動物におけるHIV感染または感染に伴う病気を予防、治療または防除する方法で用いるにも有用であり、この方法は、前記哺乳動物に式(I)で表される化合物またはこれのサブグループのいずれかを有効量で投与することを包含する。
【0088】
別の面において、式(I)で表される化合物またはこれのサブグループのいずれかを含有させた本発明の組み合わせは、哺乳動物における変異HIVウイルスによる感染または変異HIVウイルス感染に伴う病気を予防、治療または防除する方法で用いるに有用であり、この方法は、前記哺乳動物に式(I)で表される化合物またはこれのサブグループのいずれかを有効量で投与することを包含する。
【0089】
別の面において、式(I)で表される化合物またはこれのサブグループのいずれかを含有させた本発明の組み合わせは、哺乳動物における多剤耐性HIVウイルスによる感染またはそれの感染に伴う病気を予防、治療または防除する方法で用いるに有用であり、この方法は、前記哺乳動物に式(I)で表される化合物またはこれのサブグループのいずれかを有効量で投与することを包含する。
【0090】
更に別の面において、式(I)で表される化合物またはこれのサブグループのいずれもHIVウイルス、特に変異HIV逆転写酵素を有するHIVウイルス、より特別には多剤耐性変異HIV逆転写酵素を有するHIVウイルスの複製を阻害する方法で用いるに有用であり、これは、それを必要としている哺乳動物に式(I)で表される化合物またはこれのサブグループのいずれかを有効量で投与することを包含する。
【0091】
本発明の方法に記述する如き哺乳動物は好適にはヒトである。
【0092】
本発明の組み合わせはまたHIVを含有するか或はHIVに接触したと思われる生体外サンプルを阻害する時にも使用可能である。従って、前記組み合わせはHIVを含有するか或は含有すると思われるか或はHIVに接触したと思われる体液サンプルに存在するHIVを阻害する目的で使用可能である。
【0093】
式(I)で表される化合物を調製する個々の反応手順を以下に記述する。これらの調製では、反応生成物を媒体から単離してもよく、そして必要ならば、本技術分野で一般に公知の方法論、例えば抽出、結晶化、磨り潰しおよびクロマトグラフィーなどに従ってさらなる精製を実施してもよい。
経路1:Rがニトロ、シアノ(R3’)である式(I)で表される化合物の合成
【0094】
【化4】

【0095】
化合物(a−6)および(a−7)の合成を便利に1−C1−6アルキルカルボニル−3−ヒドロキシインドール(a−1)を用いて出発する。(a−1)とニトロアニリンの縮合を高温の適切な溶媒、例えば酢酸、トルエン、ベンゼン、アルコールなど中で起こさせることで3−((ニトロフェニル)アミノ)インドール(a−2)を生じさせる。1つの態様におけるニトロアニリンはパラ−ニトロアニリンである。次に、中間体(a−2)に脱アシルを塩基、例えばトリエチルアミン、水酸化ナトリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウムまたは炭酸カリウムなどを適切な溶媒、例えばメタノールまたはエタノールなど中で用いて好適には高温で受けさせることで中間体(a−3)を生じさせることができる。中間体(a−3)にホルミル化を受けさせる結果としてインドールアルデヒド(a−4)を生じさせるが、これは例えばビルスメイヤー(Vilsmeier)反応を用いて実施可能である。中間体(a−4)を縮合させる結果として中間体(a−5)を生じさせる。1つの態様では、前記縮合を塩基、例えばトリエチルアミン、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、ピペリジンなどを用いて幅広く多様な溶媒中で式CHR−C(=O)−OP[式中、PはC1−6アルキル、C6−14アリールまたはC6−14アリール−C1−6アルキルを表しそしてPは水素、カルボン酸エステル、ホスホニウム塩またはホスホネートエステルを表す]で表されるオキシカルボニルメチレン反応体を用いて実施することができる。前記反応体は、適切には、式CH−C(=O)−OP[式中、PはC1−6アルキルである]で表される。次に、中間体(a−5)の分子内環化を高温の溶媒、例えばエチレングリコール、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキサイド、グライム、ジグライムなど中で起こさせることで化合物(a−6)を生じさせた後、それを式R−X[式中、Xは脱離基である]で表される中間体を用いたN−アルキル置換反応で式(a−7)で表される化合物に変化させることができる。そのような脱離基の例には、スルホネート、例えばトシレート、メシレートなど、アセテート、ハロゲン、例えば臭化物、ヨウ化物、塩化物およびフッ化物などが含まれる。
【0096】
式(a−6)および(a−7)で表される化合物を用いた他の変換を本技術分野で公知の変換技術を用いて実施することも可能である。例えば、Rがニトロである式(a−6)または(a−7)で表される化合物に還元を受けさせることでRをアミノにした後、それにさらなる誘導体化を受けさせてもよい。変換反応のさらなる例を実験部分の中の実施例スキームA2からA15に示す。
【0097】
前記プロセススキームAの中の前記段階の順を異ならせることも可能である。例えば、脱アシルを実施する前にホルミル化を実施することも可能である。
【0098】
式CHR−C(=O)−OP[式中、Pはカルボン酸エステルを表す]で表されるオキシカルボニルメチレン反応体は、例えば式PO−C(=O)−CHP−C(=O)−OPで表されるジカルボン酸エステルである。式CHR−C(=O)−OP[式中、Pはホスホニウム塩を表す]で表されるオキシカルボニルメチレン反応体は例えば式(PP=CR−C(=O)−OPなどで表され得る。式CHR−C(=O)−OP[式中、Pは(PO)P(=O)−を表す]で表されるオキシカルボニルメチレン反応体は例えば式(PO)P(=O)−CHR−C(=O)−OPなどで表され得る。
経路2:RがハロまたはC1−6アルキルオキシ(R3”)である式(I)で表される化合物の合成
【0099】
【化5】

【0100】
中間体(b−1)と式(i)で表される反応体を適切な溶媒、例えばトルエン、酢酸、アルコールなど中で触媒、例えばp−トルエンスルホン酸などを存在させて反応させることで式(b−2)で表される中間体を生じさせることができる。温度を高くしかつ撹拌を実施することで反応を促進させることができる。次に、前記中間体(b−2)と塩化クロロアセチルまたはこれの機能的誘導体を適切には高温で反応させることで式(b−3)で表される中間体を生じさせることができる。前記式(b−3)で表される中間体に脱保護を適切な塩基、例えばトリエチルアミン、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウムなどを用いて溶媒、例えばメタノールまたはエタノールなど中で受けさせてもよい。撹拌および加熱を実施することで反応を促進させることができる。そのようにして生じさせた式(b−4)で表される中間体の環化を最初にシアン化カリウムまたはシアン化テトラブチルアルミニウムを用いて起こさせた後に前記中間体にPOClを用いたビルスメイヤーホルミル化をN,N−ジメチルホルムアミド中で受けさせることで化合物(b−5)を生じさせることができるが、この化合物は式(I)で表される化合物の種類の属する。
【0101】
前記化合物(b−5)にさらなる変換を本技術分野で公知の変換反応を用いて受けさせることで式(I)で表される他の化合物を生じさせることができる。それらの中の数種を本説明の実験部分の中の例示スキームの中に記述する。例えば、RがBrの場合、Brに複素環式ボレートおよびパラジウムを用いた変換を受けさせることでそれを複素環式環にすることができる。
経路3:Rがシアノ、ニトロまたはC1−6アルキルオキシカルボニル(R3’”)である式(I)で表される化合物の合成
【0102】
【化6】

【0103】
中間体(c−1)と式(i)で表される反応体を適切な溶媒、例えばトルエン、酢酸、アルコールなど中で触媒、例えばp−トルエンスルホン酸などを存在させて反応させることで式(c−2)で表される中間体を生じさせることができる。温度を高くしかつ撹拌を実施することで反応を促進させることができる。次に、前記中間体(c−2)と無水酢酸を触媒、例えばピリジンまたはジメチルアミノピリジンなどの存在下で適切には高温で反応させることで式(c−3)で表される中間体を生じさせることができる。そのようにして生じさせた式(c−3)で表される中間体とPOClの反応をビルスメイヤー反応を用いてN,N−ジメチルホルムアミド中で起こさせることで中間体(c−4)を生じさせることができ、次に、それのさらなる環化を酸水溶液環境下で起こさせることで化合物(c−5)を生じさせることができる。
【0104】
前記化合物(c−5)[これは式(I)で表される化合物の種類に属する]にさらなる変換を本技術分野で公知の変換反応を用いて受けさせることで式(I)で表される他の化合物を生じさせることができる。それらの中の数種を本説明の実験部分の中の例示スキームの中に記述する。例えば、RがC1−6アルキルオキシカルボニルの場合、それを相当するカルボン酸またはアミドに変化させることができる。また、Rがシアノの場合、それを複素環、例えばテトラゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリルなどに変換させることができる。
経路4:Rが水素である式(I)で表される化合物の合成
【0105】
【化7】

【0106】
式(d−1)で表される中間体とヨウ化C1−6アルキルまたは硫酸C1−6アルキルを塩基、例えば炭酸カリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどの存在下で反応に不活性な溶媒、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、アセトン、エタノール、水など中で反応させてもよい。撹拌を実施することで反応速度を速めることができる。次に、そのようにして生じさせた式(d−2)で表され中間体を更にヒドロキシルアミンと溶媒、例えば水、エタノールまたはこれらの混合物など中で塩基、例えば酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、炭酸カリウム、酢酸ナトリウムなどを存在させて反応させることで式(d−3)で表される中間体を生じさせることができる。式(d−3)で表される中間体を酸水溶液環境下で加熱すると式(d−4)で表される中間体が生じる。次に、前記中間体に分子内環化をPOClの存在下のN,N−ジメチルホルムアミド中で受けさせてもよい。その反応混合物を冷却するのが有利であり得る。そのようにして生じさせた式(d−5)で表される中間体に亜鉛を用いた処理を酸水溶液環境、例えばHClなど中で受けさせることで式(d−6)で表される中間体を生じさせることができる。メタクロロ過安息香酸、過酸化水、t−ブチルヒドロパーオキサイドなど、またはこれらの機能的相当物を溶媒、例えばジクロロメタン、クロロホルム、アルコール、トルエンなど中で用いかつ高温を用いることでN−オキサイドを生じさせることができる。前記式(d−7)で表されるN−オキサイドを更に無水酢酸と適切には高温で反応させることで式(d−8)で表される中間体を生じさせることができる。最後に、式(ii)で表されるホウ素酸を用いて式(d−9)に相当する式(I)で表される化合物を生じさせることができる。前記反応段階は、酢酸銅(II)またはこれの相当物を溶媒、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン、トルエン、アルコール、クロロホルムなど中で用いることを伴う。この反応混合物に適切なクエンチャー、例えばピリジンなどを加えてもよい。温度を高くすることで反応を促進させることができる。
経路5:いろいろなR基を有する式(I)で表される化合物の合成
【0107】
【化8】

【0108】
が水素である式(I)で表される化合物をRが水素以外である式(I)で表される化合物に変化させることができる。この目的で、R−Cl[ここで、Clは脱離基である]の如き反応体を塩基、例えば水素化ナトリウムまたは炭酸カリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどの存在下で用いてもよい。また、他の適切な脱離基、例えばスルホネート、例えばトシレート、メシレートなど、アセテート、ハロゲン、例えば臭化物、ヨウ化物、塩化物およびフッ化物などを用いることも可能である。このような反応手順を用いて例えば下記を導入することができる:
・ メチル、エチル、シクロプロピル、ブチル、イソブチル、イソペンチル、シクロペンチル、
・ アリル、ホモアリル、ベンジル、
・ 4−ピリジニルメチル、3−ピリジニルメチル、2−ピリジニルメチル、
・ 4−イミダゾリル−エチル、
・ ジメチルアミノ(−エチル、−プロピル、−ブチル)、ピペリジノ(−エチル、−プロピル、−ブチル)、ピロリジノ(−エチル、−プロピル、−ブチル)、N−メチル−ピペラジノ(−エチル、−プロピル、−ブチル)、ピロリジノ(−エチル、−プロピル、−ブチル)、
・ シアノメチル、シアノエチル、
・ ブロモ酢酸エチルを用いたアルキル置換およびエステルからカルボン酸およびアミドを生じさせるさらなる変換。
【0109】
また、この上に具体的には記述しなかった他の変換反応を実施することも可能である。それらのいくつかの例を本説明の実験部分の中の例示スキームの中に記述する。
【0110】
また、三価窒素をN−オキサイド形態に変化させるに適することが本技術分野で公知の手順に従って式(I)で表される化合物を相当するN−オキサイド形態に変化させることも可能である。前記N−オキサイド化反応は一般に前記式(I)で表される出発材料を適切な有機もしくは無機過酸化物と反応させることで実施可能である。適切な無機過酸化物には、例えば過酸化水素、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の過酸化物、例えば過酸化ナトリウム、過酸化カリウムなどが含まれ、適切な有機過酸化物には過酸、例えば過安息香酸またはハロ置換過安息香酸、例えば3−クロロ−過安息香酸など、過アルカン酸、例えば過酢酸など、アルキルヒドロパーオキサイド、例えばt−ブチルヒドロパーオキサイドなどが含まれ得る。適切な溶媒は、例えば水、低級アルカノール、例えばエタノールなど、炭化水素、例えばトルエンなど、ケトン、例えば2−ブタノンなど、ハロゲン置換炭化水素、例えばジクロロメタンなど、およびそのような溶媒の混合物である。
【0111】
本化合物に存在する塩基性窒素に第四級化を本技術分野で公知の手順に従って本分野の通常の技術者に公知の作用剤のいずれかを用いて受けさせることも可能であり、そのような作用剤には例えば低級アルキルのハロゲン化物、硫酸ジアルキル、長鎖ハロゲン化物およびハロゲン化アラルキルが含まれる。
【0112】
本発明の組み合わせは薬製剤の形態で哺乳動物、特にヒトに用いることができる。
【0113】
本明細書に示す如き式(I)で表される化合物ばかりでなく他のHIV阻害剤1種または2種以上を薬製剤に調製することができる。本明細書に示す如き式(I)で表される化合物1種または2種以上を1種以上の製剤に調製しかつHIV阻害剤1種または2種以上を他の1種以上の製剤に調製してもよく、それらを一緒にして製品にする。さもなければ、本明細書に示す如き式(I)で表される化合物1種または2種以上ばかりでなくHIV阻害剤1種または2種以上を含有させた組み合わせ製剤を提供することも可能である。そのような製剤に持たせる形態は単位投薬形態、例えば錠剤またはカプセルなどの形態であってもよい。そのような薬製剤は前記式(I)で表される化合物の中の少なくとも1種または少なくとも1種のHIV阻害剤または両方を有効量で含有することに加えて通常の薬学的に無毒の賦形剤および助剤も含有し得る。そのような薬製剤に含有させる式(I)で表される化合物または別のHIV阻害剤または両方の量は通常0.1から90重量%であってもよい。そのような薬製剤の調製は本分野の技術者に本質的に公知の様式で実施可能である。この目的で、そのような活性材料1種または2種以上を1種以上の固体状もしくは液状薬学的賦形剤および助剤および望まれるならば他の薬学的に活性な化合物と組み合わせて一緒にすることで適切な投与形態もしくは投薬形態物にした後、それを薬としてヒト用薬剤または獣医学用薬剤として用いてもよい。
【0114】
薬製剤の投与は経口、非経口、例えば静脈内、直腸、吸入または局所投与などで実施可能であるが、好適な投与は個々のケース、例えば治療すべき疾患の個々の過程などに依存する。経口投与が好適である。
【0115】
本分野の技術者は、専門知識を基にして、所望の薬製剤に適した助剤を周知している。溶媒に加えてまたゲル形成剤、座薬基材、錠剤助剤および他の活性化合物担体、抗酸化剤、分散剤、乳化剤、消泡剤、風味矯味薬、防腐剤、可溶化剤、持続性薬効果を達成する作用剤、緩衝用物質または着色剤なども有用である。
【0116】
本発明は、更に、(a)本明細書に示す式(I)で表される化合物のサブグループのいずれかの1種以上の化合物と(b)他の1種以上のHIV阻害剤の組み合わせにも関する。特別な組み合わせは、式(I)で表される化合物1種または2種以上が本明細書の上または以下に示す如き式(II)、(III)、(IV)で表される化合物のサブグループまたは化合物(V)または(VI)の群に属する組み合わせである。他の特別の組み合わせは、他のHIV阻害剤1種または2種以上が本明細書の以下に示すHIV阻害剤の群のいずれかに属する組み合わせである。
【0117】
本発明に従う更に他の組み合わせは、式(I)で表される化合物1種または2種以上が式(I)で表される化合物のサブグループのいずれか、より詳細には、本明細書の上または以下に示す如き式(II)、(III)、(IV)で表される化合物のサブグループまたは化合物(V)または(VI)の群のいずれかに属しかつ他のHIV阻害剤1種または2種以上が本明細書の以下に示すHIV阻害剤の群のいずれかに属する組み合わせである。
【0118】
本発明の組み合わせで使用可能な他のHIV阻害剤の群には、例えば結合阻害剤、融合阻害剤、共受容体結合阻害剤、RT阻害剤、ヌクレオシド系RTI、ヌクレオチド系RTI、NNRTI、RNA分解酵素H阻害剤、TAT阻害剤、インテグラーゼ阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、グリコシル化阻害剤、侵入阻害剤などから選択されるHIV阻害剤が含まれる。
【0119】
本発明の組み合わせで使用可能なHIV阻害剤の別の群には、例えば結合阻害剤、例えば硫酸デキストラン、スラミン、ポリアニオン、可溶CD4、PRO−542、BMS−806など、融合阻害剤、例えばT20、T1249、RPR 103611、YK−FH312、IC 9564、5−ヘリックス、D−ペプチド ADS−J1など、共受容体結合阻害剤、例えばAMD 3100、AMD−3465、AMD7049、AMD3451(Bicyclams)、TAK 779、T−22、ALX40−4C、SHC−C(SCH351125)、SHC−D、PRO−140、RPR103611など、RT阻害剤、例えばフォスカルネットおよびプロドラッグなど、ヌクレオシド系RTI、例えばAZT、3TC、DDC、テノフォビル、DDI、D4T、Abacavir、FTC、DAPD(Amdoxovir)、dOTC(BCH−10652)、フォジブジン、DPC 817など、ヌクレオチド系RTI、例えばPMEA、PMPA(TDFまたはテノフォビル)など、NNRTI、例えばネヴィラピン、デラビルジン、エファビレンズ、8および9−Cl TIBO(チビラピン)、ロビリド、TMC−125、4−[[4−[[4−(2−シアノエテニル)−2,6−ジフェニル]アミノ]−2−ピリミジニル]アミノ]−ベンゾニトリル(R278474)、ダピビリン(R147681またはTMC120)、MKC−442、UC781、UC 782、Capravirine、QM96521、GW420867X、DPC 961、DPC963、DPC082、DPC083、カラノリド A、SJ−3366、TSAO、4”−脱アミノTSAO、MV150、MV026048、PNU−142721など、RNA分解酵素H阻害剤、例えばSP1093V、PD126338など、TAT阻害剤、例えばRO−5−3335、K12、K37など、インテグラーゼ阻害剤、例えばL 708906、L 731988、S−1360など、プロテアーゼ阻害剤、例えばアムプレナビルおよびフォサムプレナビル、リトナビル、ネルフィナビル、サキナビル、インジナビル、ロピナビル、パリナビル、BMS 186316、アタザナビル、DPC 681、DPC 684、チプラナビル、AG1776、モゼナビル、DMP−323、GS3333、KNI−413、KNI−272、L754394、L756425、LG−71350、PD161374、PD173606、PD177298、PD178390、PD178392、PNU 140135、TMC−114、マスリニックアシッド(maslinic acid)、U−140690など、グリコシル化阻害剤、例えばカスタノスペルミン、デオキシノジリマイシンなど、侵入阻害剤CGP64222などから選択されるHIV阻害剤が含まれる。
【0120】
本発明の組み合わせは相乗効果をもたらす可能性があり、それによって、ウイルス感染およびそれに伴う症状を防止するか、実質的に軽減するか或は完全になくすことができる。
【0121】
式(III)で表される群の化合物は式:
【0122】
【化9】

【0123】
{式中、
3aは、ニトロであり、
1aは、シアノであり、
2aは、場合によりNR4a4b、ピロリジニル、ピペリジニル、ホモピペリジニル、ピペラジニル、4−(C1−4アルキル)−ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、1−オキソチオモルホリニルまたは1,1−ジオキソ−チオモルホリニルで置換されていてもよいC1−4アルキルであり、
4aは、水素またはC1−4アルキルであるか、或はアミノ、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノ、ピロリジニル、ピペリジニル、ホモピペリジニル、ピペラジニル、4−(C1−4アルキル)−ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、1−オキソチオモルホリニルおよび1,1−ジオキソ−チオモルホリニルから成る群から選択される置換基で置換されているC1−4アルキルであり、
4bは、水素またはC1−4アルキルであるか、或はアミノ、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノ、ピロリジニル、ピペリジニル、ホモピペリジニル、ピペラジニル、4−(C1−4アルキル)−ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、1−オキソチオモルホリニルおよび1,1−ジオキソ−チオモルホリニルから成る群から選択される置換基で置換されているC1−4アルキルである}
で表される化合物、これらのN−オキサイド、塩、立体異性体形態、ラセミ混合物、プロドラッグ、エステルおよび代謝産物である。
【0124】
式(IV)で表される群の化合物は式:
【0125】
【化10】

【0126】
{式中、
3aおよびR1aは、この上で定義した通りであり、そして
2bは、場合によりNR4a4b、ピロリジニル、ピペリジニル、ホモピペリジニル、ピペラジニル、4−(C1−4アルキル)−ピペラジニル、モルホリニルで置換されていてもよいC1−4アルキルであり、
4aは、水素またはC1−4アルキルであり、
4bは、水素またはC1−4アルキルである}
で表される化合物、これらのN−オキサイド、塩、立体異性体形態、ラセミ混合物、プロドラッグ、エステルおよび代謝産物である。
【0127】
群(V)の化合物は、
5−メチル−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
5−イソブチル−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
5−ブチル−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
5−エチル−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
5−(2−モルホリン−4−イル−エチル)−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−5−(2−ピロリジン−1−イル−エチル)−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−5−(2−ピペリジン−1−イル−エチル)−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
5−(3−ジメチルアミノ−プロピル)−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
5−メチル−1−(3−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−5−(3−ピペリジン−1−イル−プロピル)−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
5−(4−モルホリン−4−イル−ブチル)−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−5−(4−ピロリジン−1−イル−ブチル)−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
5−[3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−プロピル]−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
5−(3−モルホリン−4−イル−プロピル)−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−5−(4−ピペリジン−1−イル−ブチル)−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
5−(4−ジメチルアミノ−ブチル)−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、および
これらのN−オキサイド、塩および可能な立体異性体、
から成る群から選択した化合物である。
【0128】
群(VI)の化合物は、
5−(2−モルホリン−4−イル−エチル)−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−5−(2−ピロリジン−1−イル−エチル)−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−5−(2−ピペリジン−1−イル−エチル)−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
5−(3−ジメチルアミノ−プロピル)−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−5−(3−ピペリジン−1−イル−プロピル)−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
5−(4−モルホリン−4−イル−ブチル)−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−5−(4−ピロリジン−1−イル−ブチル)−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
5−[3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−プロピル]−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
5−(3−モルホリン−4−イル−プロピル)−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−5−(4−ピペリジン−1−イル−ブチル)−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
5−(4−ジメチルアミノ−ブチル)−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、および
これらのN−オキサイド、塩および可能な立体異性体、
から成る群から選択した化合物である。
【0129】
本発明の態様は、(a)本明細書に示す如き式(I)で表される化合物または式(I)で表される化合物のサブグループ、特に式(II)、(III)、(IV)で表される化合物のサブグループまたは(V)または(VI)のグループのいずれかの化合物(N−オキサイド、塩、立体異性体形態、ラセミ混合物、プロドラッグ、エステルおよび代謝産物を包含)の中の1種以上と
(b)下記:
(i)1種以上の融合阻害剤、例えばT20、T1249、RPR 103611、YK−FH312、IC 9564、5−ヘリックス、D−ペプチド ADS−J1、エンフビルチド(ENF)、GSK−873,140、PRO−542、SCH−417,690、TNX−355、マラビロック(UK−427,857)など、好適には1種以上の融合阻害剤、例えばエンフビルチド(ENF)、GSK−873,140、PRO−542、SCH−417,690、TNX−355、マラビロック(UK−427,857)など、
(ii)1種以上のヌクレオシド系RTI、例えばAZT、3TC、ザルシタビン(ddC)、ddI、d4T、Abacavir(ABC)、FTC、DAPD(Amdoxovir)、dOTC(BCH−10652)、フォジブジン、D−D4FC[DPC 817またはReverset(商標)]、アロブジン(MIV−310またはFLT)、エルブシタビン(ACH−126,443)など、好適には1種以上のヌクレオシド系RTI、例えばAZT、3TC、ザルシタビン(ddC)、ddI、d4T、Abacavir(ABC)、FTC、DAPD(Amdoxovir)、D−D4FC[DPC 817またはReverset(商標)]、アロブジン(MIV−310またはFLT)、エルブシタビン(ACH−126,443)など、
(iii)ヌクレオチド系RTI、例えばPMEA、PMPA(TDFまたはテノフォビル)またはテノフォビル ジソプロキシル フマレートなど、好適にはテノフォビルまたはテノフォビル ジソプロキシル フマレート、
(iv)1種以上のNNRTI、例えばネヴィラピン、デラビルジン、エファビレンズ、8および9−Cl TIBO(チビラピン)、ロビリド、TMC−125、4−[[4−[[4−(2−シアノエテニル)−2,6−ジフェニル]アミノ]−2−ピリミジニル]アミノ]−ベンゾニトリル(TMC278またはR278474)、ダピビリン(R147681またはTMC120)、MKC−442、UC781、UC 782、Capravirine、QM96521、GW420867X、DPC 961、DPC963、DPC082、DPC083(またはBMS−561390)、カラノリド A、SJ−3366、TSAO、4”−脱アミノTSAO、MV150、MV026048、PNU−14272など、好適には1種以上のNNRTI、例えばネヴィラピン、デラビルジン、エファビレンズ、TMC−125、TMC278、TMC120、カプラビリン、DPC083、カラノリド Aなど、
(v)1種以上のプロテアーゼ阻害剤、例えばアムプレナビルおよびフォサムプレナビル、ロピナビル、リトナビル[ばかりでなくリトナビルとロピナビルの組み合わせ、例えばKaletra(商標)]、ネルフィナビル、サキナビル、インジナビル、パリナビル、BMS 186316、アタザナビル、DPC 681、DPC 684、チプラナビル、AG1776、モゼナビル、DMP−323、GS3333、KNI−413、KNI−272、L754394、L756425、LG−71350、PD161374、PD173606、PD177298、PD178390、PD178392、PNU 140135、TMC−114、マスリニックアシッド、U−140690など、特に1種以上のプロテアーゼ阻害剤、例えばアムプレナビルおよびフォサムプレナビル、ロピナビル、リトナビル[ばかりでなくリトナビルとロピナビルの組み合わせ]、ネルフィナビル、サキナビル、インジナビル、アタザナビル、チプラナビル、TMC−114など、
から選択した1種以上のHIV阻害剤、
を含んで成る組み合わせである。
【0130】
本発明のさらなる面では、本明細書に示す如き式(I)で表される化合物または式(I)で表される化合物のサブグループ、特に式(II)、(III)、(IV)で表される化合物のサブグループまたは(V)または(VI)のグループのいずれかの化合物(N−オキサイド、塩、立体異性体形態、ラセミ混合物、プロドラッグ、エステルおよび代謝産物を包含)の中の少なくとも1種と他の少なくとも2種類の異なる抗レトロウイルス薬を含んで成る組み合わせを提供する。
【0131】
1つの態様は、前記他の少なくとも2種類の異なる抗レトロウイルス薬が
(i)2種類のヌクレオシド系転写酵素阻害剤(NRTI)、
(ii)ヌクレオシド系(NRTI)とヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤(NtRTI)、
(iii)NRTIとNNRTI、
(iv)NRTIとプロテアーゼ阻害剤(PI)、
(v)2種類のNRTIとPI、
(vi)NRTIと融合阻害剤、
であるこの上のパラグラフに示した如き組み合わせである。
【0132】
この上のパラグラフに記述した組み合わせの中のNRTI、NtRTI、NNRTI、PIおよび融合阻害剤は、材料(a)と(b)を含んで成る組み合わせである態様に関して上述したNRTI、NtRTI、NNRTI、PIおよび融合阻害剤(i)、(ii)、(iii)、(iv)または(v)の群から選択可能である。
【0133】
この上に挙げた組み合わせの中で特に興味の持たれる組み合わせは、式(III)または(IV)で表される本発明の化合物またはこの上に示した如き化合物(V)または(V)の群に属する化合物と
(1)エンフビルチド(ENF)、GSK−873,140、PRO−542、SCH−417,690、TNX−355、マラビロック(UK−427,857)から選択した融合阻害剤、
(2)ネヴィラピン、デラビルジン、エファビレンズ、TMC−125、TMC278、TMC120、カプラビリン、DPC083、カラノリド Aから選択したNNRTI、
(3)AZT、3TC、ザルシタビン(ddC)、ddI、d4T、Abacavir(ABC)、FTC、DAPD(Amdoxovir)、D−D4FC[DPC 817またはReverset(商標)]、アロブジン(MIV−310またはFLT)、エルブシタビン(ACH−126,443)から選択したNRTI、
(4)テノフォビルまたはテノフォビル ジソプロキシル フマレートから選択したNtRTI、
(5)アムプレナビルおよびフォサムプレナビル、ロピナビル、リトナビル[ばかりでなくリトナビルとロピナビルの組み合わせ]、ネルフィナビル、サキナビル、インジナビル、アタザナビル、チプラナビル、TMC−114から選択したPI、
(6)(3)に示した如きNRTIと(5)に示した如きPI、
(7)(3)に示した如き異なる2種類のNRTI、
(8)(3)に示した如きNRTIと(2)に示した如きNNRTI、
(9)(3)に示した如き異なる2種類のNRTIと(2)に示した如きNNRTI、
(10)(3)に示した如き異なる2種類のNRTIと(5)に示した如きPI、
(11)(3)に示した如きNRTIと(4)に示した如きNtRTI、または
(12)NRTIと(1)に示した如き融合阻害剤、
を含んで成る組み合わせである。
【0134】
本発明のある種の態様は、3TCを含有させていない本明細書に概略を示した如き組み合わせである。
【0135】
本発明は、また、(a)本発明の化合物、特に本明細書に定義する如き式(I)で表される化合物または本明細書に定義する如きサブグループのいずれかの式(I)で表される化合物、これのN−オキサイド、塩、立体異性体形態、プロドラッグ、エステルおよび代謝産物、または本明細書に示す如きサブグループのいずれかの化合物と(b)別の抗レトロウイルス性化合物をレトロウイルス感染、例えばHIV感染などを治療、特に多剤耐性レトロウイルスによる感染を治療する時に同時、個別または逐次的に用いる目的で組み合わせ製剤として含有させた製品にも関する。
【0136】
この上に示した組み合わせはいずれも相乗効果を示す可能性があり、それによって、ウイルス感染およびそれに伴う症状を防止、実質的に軽減または完全になくすことができる。
【0137】
この上に記述した組み合わせまたは製品のいずれかを用いてHIV感染およびHIV感染に伴う病気、例えば後天性免疫不全症候群(エイズ)またはエイズ関連症候群(ARC)などを予防、防除または治療することができる。従って、さらなる面では、HIVに感染したか或はHIVに感染する危険性のある哺乳動物、特にヒトを治療する方法を提供し、この方法は、前記哺乳動物、特に前記ヒトに本明細書に示す如き組み合わせまたは製品を投与することを含んで成る。
【0138】
また、本発明の組み合わせを免疫賦活剤(例えばブロピリミン、抗−ヒトアルファインターフェロン抗体、IL−2、メチオニンエンケファリン、インターフェロンアルファおよびナルトレキソン)に加えて抗生物質(例えばペンタミジンイソチオレート)、サイトカイン(例えばTh2)サイトカイン調節剤、ケモカインまたはケモカインの調節剤、ケモカイン受容体(例えばCCR5、CXCR4)、ケモカイン受容体の調節剤またはホルモン(例えば成長ホルモン)と一緒に組み合わせて投与することでHIV感染およびそれの症状を軽減、防除またはなくすことも可能である。そのような組み合わせ治療薬はいろいろな製剤の状態で同時にか、逐次的にか或は互いに独立して投与可能である。別法として、そのような組み合わせを単一の製剤として投与することも可能であり、それによって、活性材料が前記製剤から同時または個別に放出されるようにする。
【0139】
また、本発明の組み合わせを当該薬剤を個人に投与した後に起こる代謝を調節する調節剤と一緒に投与することも可能である。そのような調節剤には、シトクロム、例えばシトクロムP450の所の代謝を妨害する化合物が含まれる。シトクロムP450のイソ酵素が数種存在していて、それらの中の1つがシトクロムP450 3A4であることが知られている。リトナビルがシトクロムP450による代謝の調節剤の例である。そのような組み合わせ治療薬をいろいろな製剤の状態で同時、逐次的または互いに独立して投与してもよい。別法として、そのような組み合わせを単一の製剤として投与することも可能であり、それによって、活性材料が前記製剤から同時または個別に放出されるようにする。そのような調節剤の投与は本発明の化合物と同じまたは異なる比率で実施可能である。式(I)で表される化合物に対する前記調節剤の重量比[調節剤:式(I)で表される化合物]を好適には1:1以下、より好適には前記比率を1:3以下、適切には前記比率を1:10以下、より適切には前記比率を1:30以下にする。
【0140】
式(I)で表される化合物および/または他のHIV阻害剤1種または2種以上、即ち活性物質を経口投与形態にする場合、これを適切な添加剤、例えば賦形剤、安定剤または不活性希釈剤などと混合した後、通常方法で適切な投与形態物、例えば錠剤、被覆錠剤、硬質カプセル、水溶液、アルコール溶液または油溶液などにする。適切な不活性担体の例はアラビアゴム、マグネシア、炭酸マグネシウム、燐酸カリウム、ラクトース、グルコースまたは澱粉、特にコーンスターチである。この場合の調製は乾燥した粒子または湿った粒子の両方として実施可能である。適切な油状賦形剤または溶媒は植物もしくは動物油、例えばヒマワリ油またはタラ肝油などである。水溶液またはアルコール溶液に適した溶媒は水、エタノール、糖溶液またはこれらの混合物である。また、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールも他の投与形態物用のさらなる助剤として用いるに有用である。
【0141】
本活性化合物を皮下または静脈内投与する場合、望まれるならば、それをそれ用の通常の物質、例えば可溶化剤、乳化剤またはさらなる助剤と一緒にして溶液、懸濁液または乳液にする。また、本活性物質に凍結乾燥を受けさせることも可能であり、その得た凍結乾燥品を例えば注射または輸液用製剤を製造する目的で用いてもよい。適切な溶媒は、例えば水、生理学的食塩溶液またはアルコール、例えばエタノール、プロパノール、グリセロールなどに加えてまた糖溶液、例えばグルコースまたはマンニトール溶液など、または別法として、この挙げたいろいろな溶媒の混合物である。
【0142】
エーロゾルまたはスプレーの形態で投与するに適した薬製剤は、例えば本活性物質またはこれの生理学的に許容される塩を薬学的に受け入れられる溶媒、例えばエタノールまたは水または前記溶媒の混合物などに入れることで生じさせた溶液、懸濁液または乳液などである。必要ならば、そのような製剤にまた追加的に他の薬学的賦形剤、例えば界面活性剤、乳化剤および安定剤などばかりでなく噴射剤などを含有させることも可能である。そのような製剤に通常は本活性化合物を約0.1から50%、特に約0.3から3重量%の濃度で含有させる。
【0143】
本活性物質が薬組成物中で示す溶解度および/または安定性を向上させる目的で、α−、β−またはγ−シクロデキストリンまたはこれらの誘導体を用いるのが有利であり得る。また、共溶媒、例えばアルコールなども本活性物質が薬組成物中で示す溶解性および/または安定性を向上させる可能性がある。水性組成物の調製では、本活性物質の付加塩の方が高い水溶性を示すことから明らかにより適切である。
【0144】
適切なシクロデキストリンはα−、β−またはγ−シクロデキストリン(CD)、またはシクロデキストリンのアンヒドログルコース単位が有するヒドロキシ基の1個以上がC1−6アルキル、特にメチル、エチルまたはイソプロピルなどで置換(例えば無作為にメチル化されたβ−CDなど);ヒドロキシC1−6アルキル、特にヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピルまたはヒドロキシブチル;カルボキシC1−6アルキル、特にカルボキシルメチルまたはカルボキシルエチル;C1−6アルキルカルボニル、特にアセチル;C1−6アルキルオキシカルボニルC1−6アルキルまたはカルボキシC1−6アルキルオキシC1−6アルキル、特にカルボキシメトキシプロピルまたはカルボキシエトキシプロピル;C1−6アルキルカルボニルオキシC1−6アルキル、特に2−アセチルオキシプロピルで置換されているそれらのエーテルおよび混合エーテルである。錯化剤および/または可溶化剤として、β−CD、無作為にメチル化されたβ−CD、2,6−ジメチル−β−CD、2−ヒドロキシエチル−β−CD、2−ヒドロキシエチル−γ−CD、2−ヒドロキシプロピル−γ−CDおよび(2−カルボキシメトキシ)プロピル−β−CD、特に2−ヒドロキシプロピル−β−CD(2−HP−β−CD)が特に注目に価する。
【0145】
用語「混合エーテル」は、シクロデキストリンが有する少なくとも2個ヒドロキシ基がいろいろな基、例えばヒドロキシ−プロピルおよびヒドロキシエチルなどでエーテル化されているシクロデキストリン誘導体を表す。
【0146】
本活性物質をシクロデキストリンまたはこれの誘導体と組み合わせて調製する興味の持たれる方法がヨーロッパ特許出願公開第721,331に記述されている。そこに記述されている製剤は抗菌・カビ性の活性材料を用いて調製されているが、それらは他の活性材料を調製する時にも等しく興味が持たれる。そこに記述されている製剤は特に経口投与に適し、抗菌・カビ剤を活性材料として含有し、シクロデキストリンまたはこれの誘導体を可溶化剤として充分な量で含有し、水性の酸性媒体を多量の液状担体として含有しかつ当該組成物の調製を非常に簡潔にするアルコール系共溶媒を含有して成る。また、薬学的に受け入れられる甘味剤および/または風味剤を添加することで前記製剤をより口に合うようにすることも可能である。
【0147】
本活性物質が薬剤組成物中で示す溶解性を向上させる他の便利な方法がWO 94/05263、WO 98/42318、ヨーロッパ特許出願公開第499,299およびWO 97/44014(全部引用することによって本明細書に組み入れられる)に記述されている。
【0148】
より詳細には、本活性物質を(a)式(I)で表される化合物と(b)1種以上の薬学的に受け入れられる水溶性重合体を含んで成る固体状分散体で構成されている粒子を治療的に有効な量で含んで成る薬剤組成物の状態に調製してもよい。
【0149】
用語「固体状分散体」は、少なくとも2種類の成分を含んで成っていて一方の成分が他の成分1種または2種以上の全体に渡って多少ともむらなく分散している固体状態(液体または気体状態とは対照的に)の系を定義するものである。前記成分の分散体がその系が化学的および物理的に全体に渡って均一または均質であるか或は熱力学で定義される如き1相で構成されているような状態の時、そのような固体状分散体は「固溶体」と呼ばれる。固溶体が好適な物理的系である、と言うのは、その中に入っている成分を一般にそれを投与した有機体が容易に生体利用することができるからである。用語「固体状分散体」に、また、固溶体に比べて全体に渡る均質度が低い分散体も包含させる。そのような分散体は化学的および物理的に全体に渡って均一ではないか或は相を2相以上含んで成る。
【0150】
そのような粒子に入れる水溶性重合体は便利にこれを2%の水溶液として溶液が20℃になるように溶解させた時に1から100mPa.sの見かけ粘度を示す重合体である。
【0151】
好適な水溶液重合体はヒドロキシプロピルメチルセルロース、即ちHPMCである。メトキシ置換度が約0.8から約2.5でヒドロキシプロピルモル置換度が約0.05から約3.0のHPMCは一般に水に溶解する。メトキシ置換度は、セルロース分子が有するアンヒドログルコース単位当たりに存在するメチルエーテル基の平均数を指す。ヒドロキシ−プロピルモル置換度は、セルロース分子が有するアンヒドログルコース単位の各々が反応したプロピレンオキサイドの平均モル数を指す。
【0152】
本明細書の上で定義した如き粒子の調製は、最初に当該成分の固体状分散体を生じさせた後に場合により前記分散体を粉砕または製粉することで実施可能である。固体状分散体を製造する技術はいろいろ存在し、それには溶融押出し加工、噴霧乾燥および溶液蒸発が含まれるが、溶融押出し加工が好適である。
【0153】
更に、本活性物質をナノ粒子の形態に調製するのも便利であり得、それの表面に表面修飾剤を有効平均粒径が1000nm未満に維持されるほどの量で吸着させる。有用な表面修飾剤には、抗レトロウイルス薬の表面に物理的に接着するが抗レトロウイルス薬と化学的には結合しない表面修飾剤が含まれると考えている。
【0154】
適切な表面修飾剤は好適には公知の薬学的有機および無機賦形剤から選択可能である。そのような賦形剤にはいろいろな重合体、低分子量のオリゴマー、天然産物および界面活性剤が含まれる。好適な表面修飾剤には非イオン性およびアニオン性界面活性剤が含まれる。
【0155】
本活性物質を調製する更に別の興味の持たれる方法は、本化合物を親水性重合体の中に混合しそしてその混合物を被膜として多数の小型ビードの上に付着させて良好な生体利用度を示す組成物を生じさせることで薬剤組成物を調製することを包含し、それは便利に製造可能でありかつ経口投与に適した薬学的投薬形態物を調製しようとする場合に適する。
【0156】
前記ビードは(a)中心の円形もしくは球形コア、(b)親水性重合体と抗レトロウイルス薬の被膜および(c)密封被覆用重合体層を含んで成る。
【0157】
前記ビードの中のコアとして用いるに適した材料は多様であるが、但し前記材料が薬学的に受け入れられかつ適切な寸法および堅さを有することを条件とする。そのような材料の例は重合体、無機物質、有機物質、糖およびこれらの誘導体である。
【0158】
投与経路は被験体の状態、共薬物療法などに依存し得る。
【0159】
投与すべき活性物質、例えば式(I)で表される化合物の量は個々のケースに依存するが、一般に、効果が最適になるように個々のケースの状態に適合させるべきである。従って、それは勿論投与の頻度および治療または予防の目的で各ケースで用いる化合物の効力および作用期間に依存するばかりでなくまた感染および症状の性質およびひどさおよび治療すべきヒトまたは動物の性、年齢、体重、共療法および個人の反応そして治療が急を要するか或は予防であるかに依存する。式(I)で表される化合物を体重が約75kgの患者に投与する場合の1日当たりの用量は一般に1mgから3g、好適には3mgから1g、より好適には5mgから0.5gである。この用量を個々の投薬の形態でか或は数回に分割した形態、例えば2、3または4回に分割した個々の投薬の形態で投与してもよい。
実験部分
式(I)で表される化合物およびこれらの中間体の製造
【0160】
【化11】

【0161】
化合物(f)および(g)の合成を市販の1−アセチル−3−ヒドロキシインドール(a)を用いて出発した。中間体(a)と4−ニトロアニリンの縮合を還流条件下の酢酸中で起こさせることで3−((4−ニトロフェニル)アミノ)インドール(b)を生じさせた[Valezheva他、Chem.Heterocycl.Compd.(Engl.Transl.);14;1978;757,759,760;Khim.Geterotsikl.Soedin.;14;1978;939]。中間体(b)に脱アシルをトリエチルアミンを用いて還流メタノール中で受けさせそして中間体(c)にホルミル化をオキシ塩化燐を用いてジメチルホルムアミド中で受けさせる結果として中間体(d)を生じさせた[Ryabova,S.Yu.;Tugusheva,N.Z.;Alekseeva,L.M.;Granik,V.G.;Pharm.Chem.J.(Engl.Transl.);EN;30;7;1996;472−477;Khim.Farm.Zh.;RU;30;7;1996;42−46]。中間体(d)とシアノ酢酸エチルのKnoevenagel縮合を触媒量のトリエチルアミンの存在下で起こさせた後、中間体(e)の分子内環化を還流下の1,2−エタンジオール中で起こさせることで化合物(1)[1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル]を生じさせた[Ryabova,S.Yu.;Alekseeva,L.M.;Granik,B.G.;Chem.Heterocycl.Compd.(Engl.Translat.)36;3;2000;301−306;Khim.Geterotsikl.Soedin.;RU;3;2000;362−367]。ヨウ化メチルを用いたN−メチル化で化合物(2)(5−メチル−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル)を生じさせた。
【0162】
より詳細には、N−アセチル−3−ヒドロキシインドール(a)(0.114モル、20g)を酢酸(150ml)に入れることで生じさせた混合物に4−ニトロアニリン(1.5当量、0.171モル、23.65g)を加えた。この混合物を還流に5時間加熱した後、室温に冷却した。オレンジ色の沈澱物を濾別した後、イソプロパノールそしてジイソプロピルエーテルで洗浄することで中間体bを得た[S.Yu.Ryabova、N.Z.Tugusheva、L.M.Alekseeva、V.G.Granik、Pharmaceutical Chemistry Journal 1996、30、472−477][20.71g、収率=62%、純度(LC)>98%]。
【0163】
中間体b(0.070モル、20.71g)をメタノール(200ml)およびトリエチルアミン(3当量、0.210モル、21.27g)と混合した後、その混合物を還流に4時間加熱し、室温に冷却した後、減圧下で蒸発させることで乾燥した粉末を得た。その租生成物c[S.Yu.Ryabova、N.Z.Tugusheva、L.M.Alekseeva、V.G.Granik、Pharmaceutical Chemistry Journal 1996、30、472−477][純度(LC)>95%]をそのまま次の段階で用いた。
【0164】
氷冷N,N−ジメチルホルムアミド(本明細書では以降DMFと呼ぶ)(50ml)に内部温度を<10℃に維持しながらオキシ塩化燐(3当量、0.210モル、32.22g)を滴下した後、その冷混合物を1時間撹拌した。次に、cをDMF(100ml)に入れることで生じさせた溶液を滴下したが、この滴下中の反応温度を<10℃に維持した。氷浴を取り外した後、その反応混合物を室温で1.5時間撹拌した。この混合物を氷水(1リットル)の中に注ぎ込んだ後、60℃に一晩加熱し、そして室温に冷却した。沈澱物を濾過で単離し、逐次的に水、イソプロパノールそしてジイソプロピルエーテルで洗浄することで中間体dを得た[S.Yu.Ryabova、N.Z.Tugusheva、L.M.Alekseeva、V.G.Granik、Pharmaceutical Chemistry Journal 1996、30、472−477][15.93g、収率=81%、純度(LC)>95%]。
【0165】
d(0.056ミリモル、15.93g)をイソプロパノール(150ml)に入れることで生じさせた混合物にトリエチルアミン(1.5当量、0.085モル、8.59g)およびシアノ酢酸エチル(0.068モル、7.69g)を加えた。この混合物を還流に2時間加熱し、室温に冷却し、濾過した後、その残留物を逐次的にイソプロパノールそしてジイソプロピルエーテルで洗浄することで中間体eを得た[S.Yu.Ryabova、L.M.Alekseeva、B.G.Granik、Chemistry of Heterocyclic Compounds 2000、36、301−306][16.42g、収率=78%、純度(LC)>95%]。
【0166】
d(0.043モル、16.42g)をエチレングリコール(200ml)に入れることで生じさせた懸濁液を撹拌しながら還流に2時間加熱した後、室温に冷却した。沈澱物を濾過で単離した後、逐次的にイソプロパノールそしてジイソプロピルエーテルで洗浄した。粗化合物1を下記のようにしてDMF/水から結晶化させた:粗沈澱物を温DMF(250ml)に溶解させた。その温溶液に水(100ml)を加え、その溶液を室温に冷却すると化合物1が沈澱してきた。その沈澱物を濾過で単離した後、逐次的にイソプロパノールそしてジイソプロピルエーテルで洗浄することで化合物1を得た[10.52g、収率=73%、純度(LC)>98%]。H NMR(δ,DMSO−D6):6.11(1H,d,J約8Hz),6.86(1H,t,J約8Hz),7.38(1H,t,J約8Hz),7.54(1H,d,J約8Hz),7.91(2H,d,J=8.6Hz),8.55(2H,d,J=8.6Hz),8.70(1H,s),12.00(1H,brs)。
【0167】
化合物1(6.05ミリモル、2.0g)をDMF(20ml)に入れることで生じさせた混合物に炭酸カリウム(2当量、12.11ミリモル、1.674g)およびヨウ化メチル(1.5当量、9.08ミリモル、1.289g)を加えた後、その混合物を還流に2時間加熱した。その温懸濁液を更にDMF(40ml)で希釈した。その温溶液に水(40ml)を滴下した後、その混合物を室温に冷却すると化合物2が結晶化してきた。沈澱物を濾過で集めた後、逐次的にイソプロパノールそしてジイソプロピルエーテルで洗浄することで化合物2を得た[2.085g、収率=91%、純度(LC)>98%]。H NMR(δ,DMSO−D6):3.93(3H,s),6.12(1H,d,J約8Hz),6.89(1H,t,J約8Hz),7.45(1H,t,J約8Hz),7.64(1H,d,J約8Hz),7.89(2H,d,J=8.5Hz),8.54(2H,d,J=8.5Hz),8.99(1H,s)。
【0168】
【化12】

【0169】
1(0.006モル、2g)をエタノール(50ml)に入れることで生じさせた冷(0℃)溶液に塩化錫(II)二水化物(10当量、0.060モル、13.54g)を濃塩酸(20ml)に入れることで生じさせた溶液を滴下した。この混合物を60℃に4時間加熱した。その溶液を室温に冷却した後、飽和重炭酸ナトリウム水溶液をpH>7になるまで加えた。化合物54を濾過で単離した後、逐次的にイソプロパノールそしてジイソプロピルエーテルで洗浄した[1.23g、収率=68%、純度(LC)>98%]。
【0170】
化合物54(0.333ミリモル、100mg)をDMF(1ml)に入れることで生じさせた混合物にN,N−ジメチルホルムアミドのジメチルアセタール(10当量、3.33ミリモル、396mg)を加えた。この反応混合物を還流に1時間加熱した。この反応混合物が冷えた後、それを室温に冷却し、その溶液をジイソプロピルエーテルで希釈した後、1/2時間撹拌した。沈澱物を濾過で単離した後、ジイソプロピルエーテルで洗浄することで化合物40を得た[103mg、収率=84%、純度(LC)=96%]。
【0171】
【化13】

【0172】
7(0.312ミリモル、107mg)をエタノール(1ml)に入れることで生じさせた溶液を撹拌しながらこれに塩化錫(II)二水化物(3.5当量、1.09ミリモル、245mg)を濃塩酸(0.4ml)に入れることで生じさせた溶液を加えた後、その反応混合物を60℃で2時間撹拌した。この反応混合物を水で希釈した後、重炭酸ナトリウムをpH>7になるまで加えた。沈澱物を濾過で単離した。その沈澱物をイソプロパノールそしてジイソプロピルエーテルで洗浄することで粗化合物89を得て、これをそのまま次の段階で用いた。
【0173】
アミン89(132mg、0.42ミリモル)を酢酸(5mL)に入れることで生じさせた90℃の溶液に2,5−ジメトキシテトラヒドロフラン(160mg、1.21ミリモル、2.9当量)を酢酸(2.5ml)に入れることで生じさせた溶液を滴下した。この混合物を90℃で5分間撹拌した後、室温に冷却した。沈澱物を濾過した後、水で洗浄した。褐色の固体を130mg得た。この粗生成物を更に調製用HPLCで精製することで化合物59を褐色の固体として得た[63mg、収率=41%、純度(LC)=94%]。
【0174】
【化14】

【0175】
アミン89(104mg、0.33ミリモル)をピリジン(3ml)に入れることで生じさせた混合物にジホルミルヒドラジン(87mg、0.99ミリモル)に続いて塩化トリメチルシリル(539mg、4.96ミリモル)およびトリエチルアミン(234mg、2.32ミリモル)を滴下した。この反応物を100℃に2.5時間加熱した後、室温に冷却した。その混合物に濃縮を受けさせた後、トルエンを用いた共蒸発を受けさせた。その結果として得た残留物をメタノールで取り上げた後、濾過した。その濾液に濃縮を受けさせることで黄色の固体を110mg得た。この粗生成物を調製用HPLCで精製することで化合物61を明黄色の固体として得た(50mg、収率=41%)。
【0176】
【化15】

【0177】
方法A:
化合物1(0.6ミリモル、0.200g)をDMF(15ml)に入れることで生じさせた溶液を撹拌しながらこれに炭酸カリウム(3当量、1.8ミリモル、0.248g)および塩酸1−(2−クロロエチル)−ピロリジン(1.5当量、0.9ミリモル、0.152g)を加えた後、その混合物を還流に5時間加熱した。この混合物を室温に冷却し、水を加え、沈澱物を濾過で単離した後、逐次的にイソプロパノールそしてジイソプロピルエーテルで洗浄することで化合物13を得た[0.192g、収率=75%、純度(LC)>95%]。
方法B:
化合物1(6.1ミリモル、2.00g)をDMF(20ml)に入れることで生じさせた混合物をN雰囲気下室温で撹拌しながらこれに水素化ナトリウム(13ミリモル、0.538g、60%)を加えた。この反応混合物を室温で30分間撹拌した後、1−(2−クロロエチル)ピロリジン(6.6ミリモル、1.13g)を分割して加えた。その混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、水を加えた後、その水溶液に酢酸エチルを用いた抽出(3x)を受けさせた。その有機相を乾燥(MgSO)させ、濾過した後、溶媒を減圧下で除去した。その粗生成物をシリカで精製(ジクロロメタン/メタノールを90/10)することで化合物13を得た[1.023g、収率=40%、純度(LC)>98%]。
【0178】
【化16】

【0179】
化合物1(3ミリモル、1.00g)をDMF(25ml)に入れることで生じさせた混合物に水素化ナトリウム(1.2当量、3.6ミリモル、鉱油中50%のNaHを172mg)を加えた後、この混合物を50℃に1時間加熱した。この混合物を室温に冷却した後、1−ブロモ−3−クロロプロパン(1.5当量、4.5ミリモル、0.702g)を加えた。この反応混合物を室温で一晩撹拌した。中間体fが入っている前記反応混合物をそのまま次の段階で用いた。
【0180】
中間体f(0.606モル)が入っている前記段階で得た反応混合物(5ml)にピロリジン(1.5当量、0.909ミリモル、0.065g)を加えた後、その混合物を70℃に5時間加熱した。この反応混合物を室温に冷却し、水を用いて沈澱を起こさせた後、それを逐次的にイソプロパノールそしてジイソプロピルエーテルで洗浄した。調製用HPLCによる精製で化合物24を得た[0.040g、収率=15%、純度(LC)>95%]。
【0181】
【化17】

【0182】
化合物1(2ミリモル、0.660g)をDMF(7.5ml)に入れることで生じさせた混合物を撹拌しながらこれに炭酸カリウム(6ミリモル、0.828g)およびt−ブチル−2−ブロモアセテート(2当量、4ミリモル、0.776g)を加えた後、その混合物を還流に1時間加熱した。化合物125を単離しないでそのまま次の段階で用いた。
【0183】
前記化合物125が入っている粗反応混合物に12Nの塩酸をpH=0−1になるまで加えた。この混合物を還流に1時間加熱し、室温に冷却した後、水を用いて沈澱を起こさせた。その沈澱物を濾過で単離した後、逐次的に水、イソプロパノールそしてジイソプロピルエーテルで洗浄することで化合物19を得た[0.496g、収率=64%、純度>98%]。
【0184】
化合物19(0.13ミリモル、0.0050g)をDMF(4ml)に入れることで生じさせた混合物に1,1’−カルボニルジイミダゾールを加えた後、その混合物を室温で2時間撹拌した。1−メチルピペラジンを加えた後の混合物を室温で一晩撹拌した。水を添加すると化合物20が沈澱し、この生成物を濾過で単離した。その沈澱物を逐次的にイソプロパノールそしてジイソプロピルエーテルで洗浄することで20を得た[0.039g、収率=63%、純度(LC)>95%]。
【0185】
【化18】

【0186】
化合物2(2.90ミリモル、1.00g)をエタノール(20ml)に入れることで生じさせた混合物に塩酸ヒドロキシルアミン(5当量、14.52ミリモル、1.01g)および炭酸カリウム(6当量、17.43ミリモル、2.408g)を加えた。その混合物を還流に24時間加熱し、室温に冷却した後、沈澱物を濾過で単離し、逐次的に水、イソプロパノールそしてジイソプロピルエーテルで洗浄することで化合物70を得た[0.933g、収率=81%、純度(LC)=94%]。
【0187】
化合物70(0.265ミリモル、0.100g)をピリジン(15ml)に入れることで生じさせた混合物に無水トリフルオロ酢酸(1.2当量、0.318ミリモル、0.038g)およびトリエチルアミン(1.5当量、0.400ミリモル、0.040g)を加えた後、その混合物を還流に12時間加熱した。溶媒を真空下で除去した後、その残留物をシリカゲル使用クロマトグラフィーにかけてジクロロメタン/メタノール(95/5)を用いて精製することで化合物72を得た[0.044g、収率=33%、純度(LC)=91%]。
【0188】
【化19】

【0189】
化合物70(0.265ミリモル、0.100g)をアセトニトリル(15ml)に入れることで生じさせた混合物を撹拌しながらこれに1,1’−カルボニルジイミダゾール(0.318ミリモル、0.052g)を加えた後、その混合物を還流に一晩加熱した。この混合物を室温に冷却し、水を加えた後、ジクロロメタン(3x30ml)で抽出した。その水層に蒸発を受けさせることで化合物63を得た[0.058g、収率=45%、純度=83%]。
【0190】
【化20】

【0191】
化合物70(0.265ミリモル、0.100g)をアセトニトリル(15ml)に入れることで生じさせた混合物を撹拌しながらこれに1,1’−チオカルボニルジイミダゾール(0.318ミリモル、0.057g)および1,8−ジアゾビシクロ[5.4.0]ウンデコ−7−エン(0.318ミリモル、0.048g)を加えた後、この混合物を80℃に1時間加熱した。溶媒を減圧下で除去し、水を加えた後、その混合物を1Nの塩酸でpH=1になるまで酸性にした。沈澱物を濾過した後、逐次的に水、イソプロパノールそしてジイソプロピルエーテルで洗浄した。その沈澱物に再結晶化をDMF/水を用いて受けさせた後、その結晶を濾過で単離し、逐次的に水、イソプロパノールそしてジイソプロピルエーテルで洗浄することで化合物73を得た[0.063g、収率=54%、純度(LC)=96%]。
【0192】
【化21】

【0193】
中間体d(7.43ミリモル、2.091g)をメタノール(50ml)に入れることで生じさせた混合物にマロン酸ジメチル(1.2当量、8.92ミリモル、1.179g)およびピペリジン(触媒量)を加えた後、その混合物を還流に5時間加熱した。沈澱物を濾別した後、逐次的にイソプロパノールそしてジイソプロピルエーテルで洗浄することで化合物74を得た[1.53g、収率=54%、純度(LC)=95%]。
【0194】
化合物74(3.48ミリモル、1.265g)をDMF(35ml)に入れることで生じさせた混合物にヨウ化メチル(1.5当量、5.22ミリモル、0.741g)および炭酸カリウム(2当量、6.963ミリモル、0.962g)を加えた。その混合物を100℃に2時間加熱し、室温に冷却した後、水を添加すると沈澱物が生じた。その沈澱物を濾別した後、逐次的にイソプロパノールそしてジイソプロピルエーテルで洗浄することで化合物75を得た[1.213g、収率=92%、純度(LC)=98%]。
【0195】
化合物75(0.53ミリモル、0.200g)をDMF(5ml)に入れることで生じさせた混合物にナトリウムメトキサイド(2当量、1.06ミリモル、0.057g)をメタノール(2ml)に溶解させて加えそしてホルムアミド(10当量、5.30ミリモル、0.239g)を加えた後、その混合物を100℃に1時間加熱した。この反応物を室温に冷却した後、水を添加すると沈澱物が生じた。その沈澱物を濾過した後、逐次的にイソプロパノールそしてジイソプロピルエーテルで洗浄することで化合物76を得た[0.150g、収率=78%、純度(LC)=97%]。
【0196】
化合物74をメタノール(7ml)に入れることで生じさせた溶液を撹拌しながらこれに水酸化カリウム(1.10ミリモル、0.062g)を水(3ml)に入れることで生じさせた溶液を加えた後、その混合物を還流に2時間加熱した。この混合物を室温に冷却した後、2Nの塩酸を用いて生成物が沈澱するまで酸性にした。その沈澱物を濾過で単離した後、真空オーブンに入れて50℃で一晩乾燥させることで化合物77を得た[0.110g、収率=40%、純度(LC)>98%]。
【0197】
【化22】

【0198】
化合物1(0.303ミリモル、100mg)をDMF(2ml)に溶解させた。アジ化ナトリウム(15当量、4.545ミリモル、294mg)および塩化アンモニウム(15当量、4.545ミリモル、240mg)を6日間に渡って反応混合物を125℃で撹拌しながら等しい分率で加えた。その反応混合物を室温に冷却し、水(30ml)の中に注ぎ込んだ後、室温で1/2時間撹拌した。沈澱物を濾過で単離した。その沈澱物を水で洗浄した。アセトニトリル/アセトンを用いた再結晶化で化合物69を得た[23mg、収率=20%、純度(LC)>95%]。
【0199】
【化23】

【0200】
中間体d(1.00ミリモル、0.281g)をTHF(10ml)に入れることで生じさせた混合物にカリウムt−ブトキサド(1.10当量、1.10ミリモル、0.123g)および3−ピリジル酢酸エチル(1.00当量、1.00ミリモル、0.165g)を加えた。この混合物を撹拌しながら90℃に一晩加熱した。この反応混合物に濃縮を受けさせた。その残留物を酢酸エチルに溶解させた後、水で洗浄した。その有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過した後、蒸発乾固させた。その残留物を調製用HPLCで精製することで化合物64を得た[0.008g、収率=2%、純度(LC)>50%]。
【0201】
【化24】

【0202】
N−アセチル−3−ヒドロキシインドール(0.057モル、10.00g)をトルエン(100ml)に入れることで生じさせた混合物に4−ブロモアニリン(1.1当量、0.063モル、10.80g)および触媒量のp−トルエンスルホン酸を加えた。この反応混合物を還流に4時間加熱しながら水を共沸で除去した。それを室温に冷却すると中間体gが結晶化してきた。その沈澱物を濾過で単離した後、トルエンで洗浄することで中間体gを得た[9.60g、収率=51%、純度(LC)>95%]。
【0203】
g(0.056モル、18.53g)を塩化クロロアセチル(85ml)に入れることで生じさせた混合物を還流に15分間加熱した。この反応混合物に濃縮を減圧下で受けさせた。その残留物にイソプロパノール(50ml)を加えた後、その反応混合物を還流に10分間加熱した。この反応混合物を冷却し、沈澱物を濾過した後、イソプロパノールで洗浄することで中間体hを得た[17.00g、収率=74%、純度(LC)=95%]。
【0204】
中間体h(0.0419モル、17.00g)をメタノール(170ml)に入れることで生じさせた混合物にトリエチルアミン(1.2当量、0.0503ミリモル、5.09g)を加えた。この反応混合物を還流に1時間加熱した。その反応混合物を冷却した後、濾過した。沈澱物をジエチルエーテルで洗浄することで中間体iを得た(13.41g、収率=88%、純度(LC)=95%]。
【0205】
1番目の反応槽の中で中間体i(0.0386モル、14.03g)をDMF(140ml)に入れることで生じさせた溶液にシアン化カリウム(2.50当量、0.0965モル、6.28g)を加えた。この反応物を還流に3時間加熱した後、室温に冷却した。2番目の反応槽の中で無水DMF(45ml)を0℃に冷却した。内部温度を<10℃に維持しながらオキシ塩化燐(2.5当量、0.0965モル、14.8g)を滴下した後の反応混合物を0℃で更に1/2時間撹拌した。次に、この2番目の反応槽の中のPOCl−DMF錯体を撹拌しながらこれに前記1番目の反応槽の内容物を温度を<10℃に維持しながら滴下した。この反応混合物を室温で一晩撹拌し、水(860ml)の中に注ぎ込んだ後、70℃で6時間撹拌した。この反応混合物を冷却した後、濾過した。その沈澱物をイソプロパノールそしてジイソプロピルエーテルで洗浄することで化合物38を得た[12.18g、収率=87%、純度(LC)>95%]。
【0206】
化合物38(0.0233モル、8.49g)をDMF(85ml)に入れることで生じさせた溶液にN,N−ジメチルホルムアミドのジメチルアセタール(10当量、0.233モル、27.72g)を加えた。この反応混合物を還流に1時間加熱した。この反応混合物を室温に冷却し、水(500ml)の中に注ぎ込んだ後、1/2時間撹拌した。沈澱物を濾過で単離し、水そしてジイソプロピルエーテルで洗浄することで化合物39を得た[4.54g、収率=51%、純度(LC)=95%]。
H NMR(δ,DMSO−D6):3.92(3H,s),6.10(1H,d,J約8Hz),6.91(1H,t,J約8Hz),7.44(1H,t,J約8Hz),7.52(2H,d,J=8.6Hz),7.63(1H,d,J約8Hz),7.91(2H,d,8.6Hz),8.95(1H,s)。
【0207】
【化25】

【0208】
密封型管の中でトリ(t−ブチル)ホスフィンをトルエンに入れることで生じさせた溶液(0.24当量、0.0635ミリモル、0.4M、159μl)にトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.1当量、0.026ミリモル、24mg)を加えた。無水THF(3ml)を加えた後の反応混合物を窒素下室温で10分間撹拌した。2番目の密封型管の中で化合物39(0.264ミリモル、100mg)と3−フリルホウ素酸(2当量、0.53ミリモル、59mg)とフッ化カリウム(3.3当量、0.87ミリモル、51mg)を混合した後、この懸濁液を撹拌しながらこれに前記1番目の密封型管から溶液をシリンジで加えた。この反応混合物を窒素下室温で2日間撹拌した。この反応混合物をジカライトの上に置いて濾過した後、そのジカライトをジクロロメタン(100ml)で洗浄した。その濾液を一緒にして真空下で濃縮することで暗褐色の油を得た。この残留物をDMF(2ml)に溶解させ、水(20ml)の中に注ぎ込んだ後、室温で1/2時間撹拌した。沈澱物を濾過で単離し、水、イソプロパノールそしてジイソプロピルエーテルで洗浄した後、更に調製用HPLCで精製することで化合物58を得た[25mg、収率=26%、純度(LC)>95%]。
【0209】
【化26】

【0210】
N−アセチル−3−ヒドロキシインドールa(85.624ミリモル、15g)を酢酸(150ml)に入れることで生じさせた混合物に4−アミノベンゾニトリル(1.5当量、0.128モル、15.17g)を加えた後、その混合物を還流に4時間加熱した。この反応混合物を氷の上に置いて1時間冷却することで反応生成物を結晶化させた。その沈澱物を濾別した後、逐次的にイソプロパノールそしてジイソプロピルエーテルで洗浄することで中間体jを白色粉末として得た[9.24g、収率=58%、純度(LC)>98%]。
【0211】
中間体j(0.053モル、14.7g)を無水酢酸(150ml)に入れることで生じさせた混合物に触媒量のジメチルアミノピリジンを加えた後、その混合物を還流に一晩加熱した。溶媒を減圧下で除去することで中間体kを含有する黒色のタール状物を得た。この粗反応混合物をそのまま次の段階で用いた。
【0212】
中間体kを含有する前記粗混合物をDMF(200ml)に溶解させた後、氷浴で冷却した。この反応混合物を撹拌しながらこれにオキシ塩化燐(5当量、0.31モル、30ml)とDMF(50ml)を前以て混合することで生じさせておいた溶液(冷却を使用)を滴下した後、撹拌を0℃で数時間継続した。次に、この反応物の内容物を氷水(1.5 l)の中に注ぎ込んだ後、還流に一晩加熱した。この混合物を室温に冷却し、濾過した後、沈澱物を逐次的に水、イソプロパノール、ジイソプロピルエーテルで洗浄することで化合物93を黒色の結晶として得た[12.4g、収率=81%(2段階)、純度(LC)>98%]。
【0213】
化合物93(0.043モル、12.4g)をDMF(120ml)に入れることで生じさせた混合物にN,N−ジメチルホルムアミドのジメチルアセタール(5当量、0.217モル、29ml)を加えた後、その混合物を還流に加熱した。3時間後に更にN,N−ジメチルホルムアミドのジメチルアセタール(5当量、0.217モル、29ml)を加えた後の反応混合物を還流に一晩加熱した。この反応混合物を水(800ml)と酢酸(10ml)の混合物の中に注ぎ込んだ後、1時間撹拌することで黒色の沈澱物を得た。この沈澱物を濾別した後、逐次的に水、イソプロパノールそしてジイソプロピルエーテルで洗浄することで化合物96を黒色粉末として得た[8.20g、収率=63%、純度(LC)>98%]。
H NMR(δ,DMSO−D6):3.90(3H,s),6.06(1H,d,J約8Hz),6.61(1H,d,J=9.60Hz),6.85(1H,t,J約8HzHz),7.31(1H,t,J約8Hz),7.58(1H,d,J約8Hz),7.72(2H,d,J=8.3Hz),8.15−>8.19(3H,m)。
【0214】
【化27】

【0215】
96(40.758ミリモル、12.2g)をエタノール(130ml)に入れることで生じさせた溶液を撹拌しながらこれに塩酸ヒドロキシルアミン(5当量、0.143モル、9.91g)および炭酸カリウム(6当量、0.171モル、23.6g)を加えた後、その混合物を70℃に一晩加熱した。溶媒を減圧下で除去した。その残留物をジクロロメタン(250ml)と水(1 l)で取り上げた後、1時間激しく撹拌した。その混合物を濾過した後、その沈澱物を水、イソプロパノールそしてジイソプロピルエーテルで洗浄することで化合物97を黒色粉末として得た[5.68g、収率=60%、純度(LC)=90%]。
【0216】
化合物97(0.0003モル、100mg)をピリジン(2ml)に入れることで生じさせた溶液を撹拌しながらこれに塩化アセチル(1.2当量、0.00036モル、28mg)を加えた後、その反応混合物を還流に一晩加熱した。溶媒を減圧下で除去し、その残留物をジクロロメタン(25ml)で取り上げた後、食塩水で洗浄した。その有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過した後、溶媒を減圧下で除去した。生成物をフラッシュクロマトグラフィー(溶離剤:ジクロロメタン/メタノール:9/1)で精製することで化合物103をオレンジ色の結晶として得た。
【0217】
【化28】

【0218】
化合物97(0.3ミリモル、100mg)をアセトニトリル(5ml)に入れることで生じさせた混合物に1,1’−カルボニルジイミダゾール(1.2当量、0.36ミリモル、0.060g)を加えた後、加熱(80℃)下で6時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、その残留物をジクロロメタン(25ml)と食塩水(25ml)で取り上げた後、30分間激しく撹拌した。その溶媒混合物を濾過することで化合物83を得た[0.067g、収率=62%、純度(LC)>98%]。
【0219】
化合物83(0.1g、0.279ミリモル)を入れておいたフラスコにCaCl管を取り付けた。オキシ塩化燐(3ml)を滴下した後の混合物を還流に一晩加熱した。この反応混合物を氷水(150ml)の中に注ぎ込んだ後、1時間撹拌した。その混合物を濾過した後、水、イソプロパノールそしてジイソプロピルエーテルで洗浄することで化合物126を得た[0.080g、収率=71%、純度(LC)=93%]。
【0220】
化合物126(0.090g、0.239ミリモル)をアセトニトリル(4ml)に入れることで生じさせた溶液を撹拌しながらこれに水中40%のメチルアミン(10当量、2.390ミリモル、269mg)を加えた後、その反応混合物を室温で2時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去することで化合物120を得た[0.091g、収率=99%、純度>95%]。
【0221】
【化29】

【0222】
化合物83(0.279ミリモル、0.100g)と炭酸カリウム(2当量、0.519ミリモル、0.071g)をDMF(5ml)に入れることで生じさせた混合物にヨウ化メチル(2当量、0.519ミリモル、0.074g)をDMF(5ml)に入れて滴下した。この反応混合物を室温で5時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した後、その残留物を水(100ml)と混合して、1時間激しく撹拌した。沈澱物を濾別した後、水、イソプロパノールそしてジイソプロピルエーテルで洗浄することで化合物117を得た[0.072g、収率=74%、純度(LC)=90%]。
【0223】
【化30】

【0224】
化合物97(0.100g、0.3ミリモル)を蟻酸(2.5ml)に入れて還流に1時間加熱した。次に、溶媒を減圧下で蒸発させた。生成物をフラッシュクロマトグラフィー(溶離剤:ジクロロメタン/メタノール:9/1)で精製することで化合物82を得た[0.022g、収率=16%、純度(LC)=77%]。
【0225】
【化31】

【0226】
化合物97(0.200g、0.6ミリモル)とトリエチルアミン(1.5当量、0.9ミリモル、0.091g)をTHF(3ml)に入れることで生じさせた混合物に塩化エチルオクザリル(1.2当量、0.72ミリモル、0.1g)をTHF(1ml)に入れることで生じさせた溶液を滴下した。この混合物を室温で1.5時間撹拌した。次に、フッ化テトラブチルアンモニウム(0.3当量、0.18ミリモル、0.048g)をアルゴン雰囲気下で加えた後の混合物を一晩撹拌した。この反応混合物を酢酸エチル(40ml)で希釈した後、水そして食塩水で洗浄した。その有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過した後、溶媒を減圧下で除去した。その粗生成物を酢酸エチル/ヘキサンから再結晶化させることで化合物119を黄色粉末として得た[0.006g、収率=2%、純度(LC)>95%]。
【0227】
【化32】

【0228】
化合物97(0.1g、0.3ミリモル)をアセトニトリル(3ml)に入れることで生じさせた混合物に1,1’−チオカルボニルジイミダゾール(1.2当量、0.36ミリモル、0.064g)および1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデコ−7−エン(1.2当量、0.36ミリモル、0.055g)を加えた後、この混合物を還流に1時間加熱した。溶媒を減圧下で除去した後、その残留物を水、イソプロパノール、ジイソプロピルエーテルで洗浄することで化合物118を得た[0.081g、収率=72%、純度(LC)>95%]。
【0229】
【化33】

【0230】
化合物96(0.175ミリモル、50mg)をDMF(2ml)に溶解させた。アジ化ナトリウム(10.4当量、1.848ミリモル、120mg)および塩化アンモニウム(11.6当量、2.036ミリモル、108mg)を10等分して50時間かけて反応混合物を125℃に加熱しながら加えた。この反応混合物を室温に冷却した。次に、それを氷水(30ml)の中に注ぎ込んだ。この反応混合物を1Nの塩酸で酸性にした後、室温で1時間撹拌した。沈澱物を濾過で単離した。その沈澱物を水、イソプロパノールそしてジイソプロピルエーテルで洗浄した。その沈澱物を調製用HPLCで精製することで化合物95を得た[1mg、収率=2%、純度(LC)>95%]。
【0231】
【化34】

【0232】
化合物96(0.0083モル、2.5g)をジクロロメタン(50ml)に入れることで生じさせた混合物にN−ブロモスクシニミド(1当量、0.0083モル、1.48g)を加えた後、その混合物を室温で4時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した。その反応混合物をDMF(30ml)に溶解させた後、水(150ml)を添加することで沈澱を起こさせた。その沈澱物を濾過した後、水、イソプロパノール、ジイソプロピルエーテルで洗浄することで化合物127を得た[2.59g、収率=74%、純度(LC)=91%]。
【0233】
化合物127(0.50ミリモル、0.190g)をトルエン(3ml)とエタノール(1ml)と水(5滴)の中に入れることで生じさせた混合物に炭酸カリウム(1.20当量、0.60ミリモル、0.083g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.10当量、0.05ミリモル、0.058g)および2−フリルホウ素酸(1.20当量、0.60ミリモル、0.067g)を加えた。この混合物を撹拌しながら100℃に一晩加熱した。この反応混合物に濃縮を真空下で受けさせた後、その残留物を酢酸エチルに溶解させて、水で洗浄した。その有機相をMgSOで乾燥させ、濾過した後、減圧下で蒸発させた。その残留物をシリカゲル使用クロマトグラフィーで精製することで化合物88を得た[収率=54%、純度=90%]。
【0234】
【化35】

【0235】
化合物96(0.3344ミリモル、0.100g)をエタノール(9ml)と水(1ml)に入れることで生じさせた混合物に水酸化カリウム(1当量、0.3344ミリモル、0.019g)を加えた。この反応混合物を還流に一晩加熱した後、溶媒を減圧下で除去した。その残留物をジクロロメタンに溶解させ、水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた後、濾過した。溶媒を減圧下で除去することで化合物98を得た[0.055g、収率=52%、純度(LC)>95%]。
【0236】
【化36】

【0237】
化合物96(1.670ミリモル、0.5g)をエタノール(5ml)に入れることで生じさせた混合物に水中50%の水酸化ナトリウム(0.5ml)を加えた後、その混合物を還流に一晩加熱した。この反応混合物を水で希釈した後、1Nの塩酸をpH=2になるまで添加することで99を沈澱させた。その沈澱物を濾別し、水で洗浄した後、真空オーブンに入れて50℃で乾燥させることで化合物99を褐色粉末として得た[0.46g、収率=87%、純度(LC)>95%]。
【0238】
化合物99(0.628ミリモル、0.200g)をジクロロメタン(7ml)に入れることで生じさせた混合物に塩化チオニル(3ml)を3分割して24時間かけて混合物を還流に加熱しながら加えた。溶媒を減圧下で除去した後、その残留物をエタノール(5ml)に溶解させた。この溶液を撹拌しながらこれに水中50%の水酸化ナトリウム(1ml)を加えた後、その混合物を室温で1時間撹拌した。この反応混合物を水で希釈した後、1Nの塩酸をpH=2になるまで添加することで化合物87を沈澱させた。その沈澱物を濾別し、水で洗浄した後、真空オーブンに入れて50℃で乾燥させることで87を褐色粉末として得た[0.033g、収率=12%、純度(LC)=87%]。
【0239】
【化37】

【0240】
塩酸で飽和状態にしておいたDMF(25ml)の溶液を激しく撹拌しながらこれに96(1g、3.34ミリモル)およびチオアセトアミド(2当量、0.502g、6.7ミリモル)を加えた。この混合物を60℃で12時間撹拌した。この混合物を飽和KHCO水溶液(50ml)にゆっくり加えた。その水溶液に酢酸エチルを用いた抽出(3x20ml)を受けさせ、その画分を一緒にして乾燥(MgSO)させた後、減圧下で蒸発させることで化合物128を固体として得た(500mg、45%)。
【0241】
チオアミド128(170mg、0.5ミリモル)をエタノール(20ml)に入れることで生じさせた溶液を撹拌しながらこれにブロモピルビン酸(1.2当量、103mg、0.6ミリモル)を加えた。この混合物を還流に3時間加熱した。溶媒を減圧下で蒸発させた後、調製用HPLCによる精製で化合物81を固体として得た(20mg、収率=11%)。
【0242】
【化38】

【0243】
化合物91(25ミリモル、83mg)をDMF(1ml)に入れることで生じさせた溶液を撹拌しながらこれに2NのNaOH(2ml)を加えた後、その混合物を100℃に1時間加熱した。この混合物を室温に冷却し、水(10ml)で希釈した後、濃塩酸でpH=1になるまで酸性にすることで白色粉末を沈澱させた。その粉末を濾過で単離した後、逐次的に水、イソプロパノールそしてジイソプロピルエーテルで洗浄することで化合物94を得た[67mg、収率=88%、純度(LC)>97%]。
【0244】
化合物94(0.329ミリモル、100mg)を無水DMF(2ml)に入れることで生じさせた混合物に1,1’−カルボニルジイミダゾール(1.2当量、0.395ミリモル、64mg)を加えた。この反応混合物を室温で1時間撹拌した。次に、水中40%のジメチルアミン溶液(1ml)を加えた後の反応混合物を室温で一晩撹拌した。この反応混合物に濃縮を受けさせた後、その残留物を調製用HPLCで精製することで化合物79を得た[11mg、収率=10%、純度(LC)=88%]。
【0245】
【化39】

【0246】
3−アセチルインドールl(0.157モル、25.0g)をDMF(200ml)に入れることで生じさせた混合物に炭酸カリウム(1.05当量、0.165モル、22.8g)およびヨウ化メチル(1.1当量、0.173モル、24.5g)を加えた。その混合物を室温で一晩撹拌した。この混合物に炭酸カリウム(2.1当量、0.330モル、45.6g)およびヨウ化メチル(2.2当量、0.346モル、49.0g)を加えた。この混合物を室温で3時間撹拌した。この混合物に濃縮を減圧下で受けさせることで元々の体積の1/5にした。その残留物をジクロロメタンに溶解させた後、水で洗浄した。その有機相をMgSOで乾燥させ、真空下で濃縮することで中間体mを得た[純度(LC)=90%]。この粗生成物をさらなる精製無しに次の段階で用いた。
【0247】
中間体m(0.312モル、54.0g)をエタノール(150ml)と水(100ml)に入れることで生じさせた混合物に酢酸ナトリウム塩(2.4当量、0.748モル、61.0g)および塩酸ヒドロキシルアミン(3当量、0.935モル、65.0g)を加えた。この混合物を撹拌しながら還流に2.5時間加熱した。この混合物を室温に冷却した。この反応混合物を水(750ml)の中に注ぎ込んだ。沈澱物を濾過で単離した後、水で洗浄した。その粗沈澱物をTHF(200ml)とトルエン(50ml)に溶解させた後、その混合物に蒸発乾固(2x)を受けさせることで中間体nを得た[純度(LC)=80%]。この粗生成物をそのまま次の段階で用いた。
【0248】
中間体n(0.312モル、58.7g)を酢酸(300ml)に溶解させた。この混合物を撹拌しながら還流に2時間加熱した。この混合物に濃縮を真空下で受けさせた。トルエン(100ml)を加えた後、蒸発乾固(2x)させた。エタノール(400ml)を用いた結晶化で粗中間体pを得た[31.0g、純度(LC)=90%]。エタノール(300ml)を用いた再結晶化でpを褐色結晶として得た[C.Papamicael、G.Queguiner、J.Bourguignon、G.Dupas、Tetrahedron 2001、57、5385−5391][29.4g、収率=50%、純度(LC)>98%]。
【0249】
冷(0℃)無水DMF(40ml)にオキシ塩化燐(2.5当量、0.199モル、30.6g)を滴下した後、その反応混合物を0℃で0.5時間撹拌した。次に、p(0.080モル、15.0g)をDMF(160ml)に入れることで生じさせた溶液を加えた。冷却を取り除いた後の反応混合物を室温になるまで一晩かけて温めた。この反応混合物を氷水(2 l)の中に注ぎ込んだ後、0.5時間撹拌した。褐色の沈澱物を濾過で単離した後、水で洗浄した。その沈澱物を開放空気中で24時間乾燥させることで中間体qを褐色粉末として得た[6.10g、収率=35%、純度(LC)=95%]。
【0250】
中間体q(0.005モル、1.13g)とPd/C触媒(10%、0.50g)とトリエチルアミン(6.8当量、0.036モル、3.60g)をTHF(200ml)に入れることで生じさせた混合物に水添を大気圧下で2時間受けさせた。触媒を濾過で除去した。その濾液に蒸発を受けさせることでrを褐色粉末として得た[0.88g、収率=92%、純度(LC)>95%]。
【0251】
中間体r(0.005モル、0.880g)とエタノール(5ml)の混合物に3−クロロ過安息香酸(70−75%、1.2当量、0.006モル、1.43g)を加えた。この反応混合物を還流に2時間加熱した。ピリジン(0.5当量、0.002モル、0.190g)を加えた後の混合物を還流に0.5時間加熱した。この反応混合物を室温に冷却した後、真空下で蒸発乾固させた。その残留物を無水酢酸(10ml)と混合し、還流に4時間加熱した後、蒸発乾固させた。その残留物を2Nの水酸化カリウム(50ml)に溶解させた後、1時間撹拌した。濃塩酸を添加することで反応混合物のpHを1に調整した。褐色の沈澱物を濾過で単離した。その沈澱物を飽和重炭酸ナトリウム溶液(2x10ml)、水、イソプロパノールそしてジイソプロピルエーテルで洗浄することで中間体sを褐色粉末として得た[0.680g、収率=71%、純度(LC)>95%]。
【0252】
s(0.001モル、0.2g)と酢酸銅(II)(2当量、0.002モル、0.366g)と4−アセチルフェニルホウ素酸(2当量、0.002モル、0.328g)と粉末状にしたモレキュラーシーブ(4Å)をDMF/ピリジン(9/1)(3ml)に入れることで生じさせた混合物をストッパー付きフラスコに入れて80℃に一晩加熱した。モレキュラーシーブを濾過で取り出して、アセトニトリルで洗浄した。その濾液を一緒にして減圧下で蒸発させた後、その粗混合物を調製用HPLCで精製することで化合物122を得た[0.066g、収率=21%、純度(LC)>95%]。
【0253】
【化40】

【0254】
化合物122(0.316ミリモル、0.100g)をアセトニトリル(10ml)に入れることで生じさせた混合物にN,N−ジメチルホルムアミドのジメチルアセタール(5当量、1.581ミリモル、0.1883g)を加えた後、その混合物を還流に一晩加熱した。溶媒を減圧下で除去した後、その粗残留物tをそのまま次の段階で用いた。
【0255】
中間体tの粗混合物を酢酸(3ml)に入れて、これに塩酸ヒドロキシルアミン(4当量、1.077ミリモル、0.0748g)および酢酸ナトリウム塩(3当量、0.8077ミリモル、0.0662g)を加えた。この混合物を一晩加熱(70℃)した後、溶媒を減圧下で除去した。生成物を調製用HPLCで精製することで化合物123を得た[0.021g、収率=23%、純度(LC)=91%]。
【0256】
【化41】

【0257】
水素化ナトリウム(鉱油中50%、2.2当量、44ミリモル、2.11g)をテトラヒドロフラン(30ml)に入れることで生じさせた懸濁液を窒素雰囲気下で冷却(−78℃)しつつ撹拌しながらこれに中間体u(20ミリモル、3.5g)をテトラヒドロフラン(50ml)に入れることで生じさせた溶液を滴下した後、この反応物を−78℃に30分間保持した。エトキシメチレンエチルシアノアセテート(1.1当量、2.2ミリモル、3.72g)をテトラヒドロフラン(30ml)に入れることで生じさせた溶液を−78℃で15分間かけて滴下した。この反応物を−78℃に1時間保持した。冷却を取り除いた後の混合物を室温になるまで一晩かけて温めた。この反応混合物を氷水(400ml)の中に注ぎ込んだ後、濃塩酸を用いてpH=1になるまで酸性にした。緑色の沈澱物を濾過した後、開放空気中で一晩乾燥させることで中間体vを得た[J.Y.Merour、S.Piroelle、J.Heterocyclic Chem.1991、28、1869−1873][4.7g、収率=92%、純度(LC)>95%]。
【0258】
中間体v(0.195ミリモル、50mg)と4−メトキシアニリン(1.5当量、0.293ミリモル、36mg)を酢酸(2ml)に入れて還流に1時間加熱した後、室温に冷却した。黄色の沈澱物を濾過で単離した後、イソプロパノールそしてジイソプロピルエーテルで洗浄することで化合物90を得た[28mg、収率=33%、純度(LC)=97%]。
【0259】
以下の表に本発明の化合物の実施例を挙げるが、これらの化合物はこの上に示した合成スキームの中の1つに類似したスキームを用いて生じさせた化合物である。
【0260】
【表2】

【0261】
【表3】

【0262】
【表4】

【0263】
【表5】

【0264】
【表6】

【0265】
【表7】

【0266】
【表8】

【0267】
【表9】

【0268】
【表10】

【0269】
【表11】

【0270】
【表12】

【0271】
HIV逆転写酵素のインビトロ阻害
この検定の実施ではキットTRK 1022(Amersham
Life Sciences)をこの製造業者の使用説明書に従って用いたが、ここでは、その指示を若干修飾した。化合物を100%DMSOで1/4の段階で希釈した後、培地A(1/50の希釈率;培地A:RPMI 1640+10% FetalClone II+ゲンタマイシン20mg/L)に移した。穴に化合物(培地A中2%のDMSOに入れた)を25μlまたは培地A中2%のDMSOを25μl加えた。各穴にマスターミックスを25.5μl[マスターミックス:5μlのプライマー/テンプレートビード、10μlの検定用緩衝液、0.5μlのトレーサー(3H−TTP)、5μlのHIV RT酵素溶液(最終的な酵素活性が50μlの反応物当たり15mUになる量)、5μlの培地A]加えた。そのプレートを密封し、放射能として標識を付けた後、37℃で4時間インキュベートした。次に、各穴に停止用溶液を100μl加えた(R1を除いて)。TopCountを用いて放射能の計数を実施した。
【0272】
化合物2はインビトロでHIV逆転写酵素を阻害し、従って、逆転写酵素を阻害させようとしてそれを活性のある代謝産物に変化させる必要はない。
抗ウイルス分析:
本発明の化合物に抗ウイルス活性に関する試験を細胞検定で受けさせた。この検定で、本化合物が実験室の野生型HIV株(HIV−1株LAI)に対して効力のある抗HIV活性を示すことを立証した。この細胞検定を以下の手順に従って実施した。
【0273】
HIV感染もしくは模擬感染MT4細胞をいろいろな濃度の阻害剤の存在下で5日間インキュベートした。このインキュベーション期間が終了した時、阻害剤が全く入っていない対照培養物ではHIVに感染した細胞の全部が複製ウイルスによって死滅していた。MTT(これは生きている細胞のミトコンドリアの中でのみ水溶性の黄色テトラゾニウム色素が水に不溶な紫色のホルマザンに変化する)の濃度を測定することで細胞生存度を測定した。結果として生じたホルマザン結晶をイソプロパノールで溶解させた後、その溶液が540nmの所に示す吸光度を監視した。その値は5日間のインキュベーションが完了した時点で培養物の中に残存する生きている細胞の数と直接相互に関係している。当該化合物の阻害活性をウイルス感染細胞に関して監視して、EC50およびEC90として表した。これらの値はそれぞれウイルスの細胞病原性効果から細胞の50%および90%を保護するに要する化合物の量に相当する。当該化合物が示す毒性を模擬感染細胞を用いて測定して、それをCC50として表したが、これは細胞の増殖を50%阻害するに要する化合物の濃度に相当する。選択指数(SI)(CC50/EC50比)は当該阻害剤が示す抗HIV活性の選択性の指標である。結果を例えばpEC50またはpCC50値として報告する場合にはいつも、その結果をそれぞれEC50またはCC50として表した結果の対数に負号をつけた値として表す。
【0274】
薬剤耐性HIV株の発現が増していることから、本化合物にまたいくつかの変異を持つ臨床的に単離したHIV株に対して示す効力に関する試験も受けさせた(表1および7)。そのような変異は逆転写酵素阻害剤に対する耐性に関連しており、その結果として、現在商業的に入手可能な薬剤、例えばAZT、ジダノシン、ネビラピン、ラミブジンおよびザルシバチンなどに対していろいろな度合の表現型交差耐性を示すウイルスが発生する。
結果:
本化合物が幅広い範囲の活性を示す尺度としてEC50を測定した。表6に、個々の化合物の抗ウイルス試験の結果を示し、その結果をpEC50として表す。四捨五入して整数にしたフォールドレジスタンスを括弧の中に記述する。
【0275】
この表から分かるであろうように、本化合物は下記の如く幅広い範囲の変異株を阻害する点で有効である:A列:変異体Aに対するpEC50値、B列:変異体Bに対するpEC50値、C列:変異体Cに対するpEC50値、D列:変異体Dに対するpEC50値、E列:変異体Eに対するpEC50値、F列:変異体Fに対するpEC50値、G列:変異体Gに対するpEC50値、H列:変異体Hに対するpEC50値、I列:変異体Iに対するpEC50値、J列:変異体Jに対するpEC50値、K列:変異体Kに対するpEC50値、HIV−2:変異体HIV−2に対するpEC50値、SIV(サル免疫不全ウイルス)列:変異体SIVに対するpEC50値、WT列:野生型HIV−LAI株に対するpEC50値。模擬感染細胞を用いて測定した時の毒性(Tox)をpCC50値として表す。NDは測定せずを意味する。
【0276】
【表13】

【0277】
比較の目的で、WO 02/055520に記述されている如き2−(ジメチルアミノ)−4,5−ジヒドロ−5−メチル−1−(4−ニトロフェニル)−4−(2−オキソプロピル)−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリルが野生型HIVウイルスに対して示したpEC50は5.5であり、このことは、本発明の化合物が示す効力の方が約1から2 log単位の範囲で高いことを示している。
【0278】
本出願に例示した他の化合物にもまた抗ウイルス活性に関する試験を受けさせた。それらが野生型HIV−LAI株を阻害する能力に関して、化合物番号5,7,8,9,11,12,13,14,15,16,17,18,21,23,25,26,27,28,29,32,35,43,67,68,71および72が示したEC50値は1μM未満であった。化合物番号3,6,10,19,20,22,24,30,31,33,34,36,38,39,40,41,42,46,47,48,49,51,52,53,56,62,66,69,70,73,76,81,82,84,85,86,87,93,94,96,97,98,99,102,103,106,109,110,111,114,115および117が示したEC50値は1μMから32μMの範囲であった。化合物番号37,44,45,50,57,58,63,79,80,83,89,90,91,92,95,100,101,104,105,108,112,113,118,119および120が示したEC50値は32μMより高かった。
製剤
化合物2を用いたカプセル
本明細書の上の実験部分および表に記述した如き化合物2の化合物を有機溶媒、例えばエタノール、メタノールまたは塩化メチレン、好適にはエタノールと塩化メチレンの混合物に溶解させる。重合体、例えばポリビニルピロリドンと酢酸ビニルの共重合体(PVP−VA)またはヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)(典型的には5mPa.s)を有機溶媒、例えばエタノール、メタノール、塩化メチレンなどに溶解させる。適切には、そのような重合体をエタノールに溶解させる。前記重合体と化合物の溶液を混合した後、噴霧乾燥させる。化合物/重合体の比率を1/1から1/6に選択する。中間的範囲は1/1.5から1/3であり得る。適切な比率は1/6であり得る。次に、その噴霧乾燥させた粉末、即ち固体状分散体を投与用カプセルの中に充填する。1カプセル中の薬剤充填量を使用するカプセルの大きさに応じて50から100mgの範囲にする。
TMC278と化合物2を用いたカプセル
TMC278を加える以外はこの上に示した手順を繰り返すことで化合物2をTMC278と一緒に含有するカプセル製剤を得る。
AZTと化合物2を用いたカプセル
AZTを加える以外はこの上に示した手順を繰り返すことで化合物2をAZTと一緒に含有するカプセル製剤を得る。
テノフォビルと化合物2を用いたカプセル
テノフォビルを加える以外はこの上に示した手順を繰り返すことで化合物2をテノフォビルと一緒に含有するカプセル製剤を得る。
化合物2を用いた膜被覆錠剤
錠剤中心部の調製
化合物2が100gでラクトースが570gで澱粉が200gの混合物を充分に混合した後、5gのドデシル硫酸ナトリウムと10gのポリビニルピロリドンを約200mlの水に入れることで生じさせた溶液で湿らせる。その湿らせた粉末混合物をふるいにかけ、乾燥させた後、再びふるいにかける。次に、微結晶性セルロースを100gおよび水添植物油を15g加える。その全体を充分に混合した後、圧縮して錠剤にすることで、各々が活性材料を10mg含有する錠剤を10,000個得る。
被覆
10gのメチルセルロースを75mlの変性エタノールに入れることで生じさせた溶液に5gのエチルセルロースを150mlのジクロロメタンに入れることで生じさせた溶液を加える。次に、ジクロロメタンを75mlおよび1,2,3−プロパントリオールを2.5ml加える。10gのポリエチレングリコールを溶融させた後、75mlのジクロロメタンに溶解させる。後者の溶液を前者に加えた後、オクタデカン酸マグネシウムを2.5g、ポリビニルピロリドンを5gおよび濃カラー懸濁液を30ml加えた後、その全体を均一にする。被覆装置を用いて、そのようにして得た混合物で前記錠剤中心部を被覆する。
TMC278と化合物2を用いた錠剤
錠剤用混合物にTMC278を加える以外はこの上に示した手順を繰り返すことで化合物2をTMC278と一緒に含有する錠剤製剤を得る。
AZTと化合物2を用いた錠剤
錠剤用混合物にAZTを加える以外はこの上に示した手順を繰り返すことで化合物2をAZTと一緒に含有する錠剤製剤を得る。
テノフォビルと化合物2を用いた錠剤
錠剤用混合物にテノフォビルを加える以外はこの上に示した手順を繰り返すことで化合物2をテノフォビルと一緒に含有する錠剤製剤を得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)式(I):
【化1】

{式中、
nは、1、2または3であり、
は、水素、シアノ、ハロ、アミノカルボニル、ヒドロキシカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、C1−4アルキルカルボニル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、N−(アリール)−N−(C1−4アルキル)アミノカルボニル、メタンイミダミジル、N−ヒドロキシ−メタンイミダミジル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)メタンイミダミジル、HetまたはHetであり、
は、水素、C1−10アルキル、C2−10アルケニル、C3−7シクロアルキル[ここで、前記C1−10アルキル、C2−10アルケニルおよびC3−7シクロアルキルは各々個別に独立して場合によりシアノ、NR4a4b、ピロリジニル、ピペリジニル、ホモピペリジニル、ピペラジニル、4−(C1−4アルキル)−ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、1−オキソチオモルホリニル、1,1−ジオキソ−チオモルホリニル、アリール、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、ヒドロキシカルボニル、C1−4アルキルカルボニル、N(R4a4b)カルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、ピロリジン−1−イルカルボニル、ピペリジン−1−イルカルボニル、ホモピペリジン−1−イルカルボニル、ピペラジン−1−イルカルボニル、4−(C1−4アルキル)−ピペラジン−1−イルカルボニル、モルホリン−1−イルカルボニル、チオモルホリン−1−イルカルボニル、1−オキソチオモルホリン−1−イルカルボニルおよび1,1−ジオキソ−チオモルホリン−1−イルカルボニルから成る群から選択される置換基で置換されていてもよい]であり、
は、ニトロ、シアノ、アミノ、ハロ、ヒドロキシ、C1−4アルキルオキシ、ヒドロキシカルボニル、アミノカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニル、C1−4アルキルカルボニル、メタンイミダミジル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)メタンイミダミジル、N−ヒドロキシ−メタンイミダミジルまたはHetであり、
4aは、水素またはC1−4アルキルであるか、或はアミノ、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノ、ピロリジニル、ピペリジニル、ホモピペリジニル、ピペラジニル、4−(C1−4アルキル)−ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、1−オキソチオモルホリニルおよび1,1−ジオキソ−チオモルホリニルから成る群から選択される置換基で置換されているC1−4アルキルであり、
4bは、水素またはC1−4アルキルであるか、或はアミノ、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノ、ピロリジニル、ピペリジニル、ホモピペリジニル、ピペラジニル、4−(C1−4アルキル)−ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、1−オキソチオモルホリニルおよび1,1−ジオキソ−チオモルホリニルから成る群から選択される置換基で置換されているC1−4アルキルであり、
アリールは、場合によりC1−6アルキル、C1−4アルコキシ、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、ヒドロキシC1−6アルキル、シアノC1−6アルキル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノ、アミノC1−4アルキル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノC1−4アルキルから成る群から各々が個別に選択される1個以上の置換基で置換されていてもよいフェニルであり、
Hetは、5員の環系[ここで、1、2、3または4環員は窒素、酸素および硫黄から成る群から各々個別に独立して選択されるヘテロ原子でありそして残りの環員は炭素原子であり、そしてここで、可能ならば、いずれかの窒素環員が場合によりC1−4アルキルで置換されていてもよく、いずれかの環炭素原子が各々個別に独立して場合によりC1−4アルキル、C2−6アルケニル、C3−7シクロアルキル、ヒドロキシ、C1−4アルコキシ、ハロ、アミノ、シアノ、トリフルオロメチル、ヒドロキシC1−4アルキル、シアノC1−4アルキル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノ、アミノC1−4アルキル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノC1−4アルキル、アリールC1−4アルキル、アミノC2−6アルケニル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノC2−6アルケニル、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、アリール、ヒドロキシカルボニル、アミノカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニル、C1−4アルキルカルボニル、オキソ、チオから成る群から選択される置換基で置換されていてもよく、そしてここで、前記フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリルおよびトリアゾリル部分はいずれも場合によりC1−4アルキルで置換されていてもよい]であり、
Hetは、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニルまたはトリアジニルであり、ここで、前記窒素含有6員芳香環は各々のいずれかの環炭素原子が場合によりC1−4アルキルから成る群から選択される置換基で置換されていてもよい}
で表される化合物、これのN−オキサイド、塩、立体異性体形態、ラセミ混合物、プロドラッグ、エステルまたは代謝産物、
(b)別のHIV阻害剤、
を含んで成る抗ウイルス性組み合わせ物。
【請求項2】
nが1であり、Rがニトロであり、Rがシアノ、C1−4アルキルオキシカルボニルまたはC1−4アルキルアミノカルボニルでありそしてRが水素またはC1−6アルキルである請求項1記載の組み合わせ物。
【請求項3】
nが1または2でありそしてRがニトロ、シアノ、アミノ、ハロ、ヒドロキシ、C1−4アルキルオキシ、ヒドロキシカルボニル、アミノカルボニル、アミノチオカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、C1−4アルキルカルボニル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)メタンイミダミジル、N−ヒドロキシ−メタンイミダミジルまたはHetである請求項1または2記載の組み合わせ物。
【請求項4】
前記化合物が式(II)
【化2】

で表される請求項1から3のいずれか1項記載の組み合わせ物。
【請求項5】
がニトロでありそしてRがシアノである請求項1から4のいずれか1項記載の組み合わせ物。
【請求項6】
前記式(I)で表される化合物が式:
【化3】

{式中、
3aは、ニトロであり、
1aは、シアノであり、
2aは、場合によりNR4a4b、ピロリジニル、ピペリジニル、ホモピペリジニル、ピペラジニル、4−(C1−4アルキル)−ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、1−オキソチオモルホリニルまたは1,1−ジオキソ−チオモルホリニルで置換されていてもよいC1−4アルキルであり、
4aは、水素またはC1−4アルキルであるか、或はアミノ、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノ、ピロリジニル、ピペリジニル、ホモピペリジニル、ピペラジニル、4−(C1−4アルキル)−ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、1−オキソチオモルホリニルおよび1,1−ジオキソ−チオモルホリニルから成る群から選択される置換基で置換されているC1−4アルキルであり、
4bは、水素またはC1−4アルキルであるか、或はアミノ、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノ、ピロリジニル、ピペリジニル、ホモピペリジニル、ピペラジニル、4−(C1−4アルキル)−ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、1−オキソチオモルホリニルおよび1,1−ジオキソ−チオモルホリニルから成る群から選択される置換基で置換されているC1−4アルキルである}
で表される請求項1記載の組み合わせ物。
【請求項7】
前記式(I)で表される化合物が式:
【化4】

{式中、
3aは、ニトロであり、
1aは、シアノであり、
2bは、場合によりNR4a4b、ピロリジニル、ピペリジニル、ホモピペリジニル、ピペラジニル、4−(C1−4アルキル)−ピペラジニル、モルホリニルで置換されていてもよいC1−4アルキルであり、
4aは、水素またはC1−4アルキルであり、
4bは、水素またはC1−4アルキルである}
で表される請求項1から4のいずれか1項記載の組み合わせ物。
【請求項8】
前記式(I)で表される化合物が
5−メチル−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
5−イソブチル−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
5−ブチル−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
5−エチル−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
5−(2−モルホリン−4−イル−エチル)−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−5−(2−ピロリジン−1−イル−エチル)−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−5−(2−ピペリジン−1−イル−エチル)−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
5−(3−ジメチルアミノ−プロピル)−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
5−メチル−1−(3−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−5−(3−ピペリジン−1−イル−プロピル)−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
5−(4−モルホリン−4−イル−ブチル)−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−5−(4−ピロリジン−1−イル−ブチル)−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
5−[3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−プロピル]−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
5−(3−モルホリン−4−イル−プロピル)−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−5−(4−ピペリジン−1−イル−ブチル)−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
5−(4−ジメチルアミノ−ブチル)−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
5−(2−モルホリン−4−イル−エチル)−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−5−(2−ピロリジン−1−イル−エチル)−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−5−(2−ピペリジン−1−イル−エチル)−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
5−(3−ジメチルアミノ−プロピル)−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−5−(3−ピペリジン−1−イル−プロピル)−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
5−(4−モルホリン−4−イル−ブチル)−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−5−(4−ピロリジン−1−イル−ブチル)−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
5−[3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−プロピル]−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
5−(3−モルホリン−4−イル−プロピル)−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−5−(4−ピペリジン−1−イル−ブチル)−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
5−(4−ジメチルアミノ−ブチル)−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
これらのN−オキサイド、塩および可能な立体異性体、
から成る群から選択される請求項1記載の組み合わせ物。
【請求項9】
前記式(I)で表される化合物が
5−メチル−1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
およびこれの塩、
1−(4−ニトロ−フェニル)−2−オキソ−5−(2−ピロリジン−1−イル−エチル)−2,5−ジヒドロ−1H−ピリド[3,2−b]インドール−3−カルボニトリル、
およびこれの塩、
から成る群から選択される請求項1から7のいずれか1項記載の組み合わせ物。
【請求項10】
前記他のHIV阻害剤が結合阻害剤、例えば硫酸デキストラン、スラミン、ポリアニオン、可溶CD4、PRO−542、BMS−806など、融合阻害剤、例えばT20、T1249、RPR 103611、YK−FH312、IC 9564、5−ヘリックス、D−ペプチド ADS−J1など、共受容体結合阻害剤、例えばAMD 3100、AMD−3465、AMD7049、AMD3451(Bicyclams)、TAK 779、T−22、ALX40−4C、SHC−C(SCH351125)、SHC−D、PRO−140、RPR103611など、RT阻害剤、例えばフォスカルネットおよびプロドラッグなど、ヌクレオシド系RTI、例えばAZT、3TC、DDC、テノフォビル、DDI、D4T、Abacavir、FTC、DAPD(Amdoxovir)、dOTC(BCH−10652)、フォジブジン、DPC 817など、ヌクレオチド系RTI、例えばPMEA、PMPA(TDFまたはテノフォビル)など、NNRTI、例えばネヴィラピン、デラビルジン、エファビレンズ、8および9−Cl TIBO(チビラピン)、ロビリド、TMC−125、4−[[4−[[4−(2−シアノエテニル)−2,6−ジフェニル]アミノ]−2−ピリミジニル]アミノ]−ベンゾニトリル(R278474)、ダピビリン(R147681またはTMC120)、MKC−442、UC781、UC 782、Capravirine、QM96521、GW420867X、DPC 961、DPC963、DPC082、DPC083、カラノリド A、SJ−3366、TSAO、4”−脱アミノTSAO、MV150、MV026048、PNU−142721など、RNA分解酵素H阻害剤、例えばSP1093V、PD126338など、TAT阻害剤、例えばRO−5−3335、K12、K37など、インテグラーゼ阻害剤、例えばL 708906、L 731988、S−1360など、プロテアーゼ阻害剤、例えばアムプレナビルおよびフォサムプレナビル、リトナビル、ネルフィナビル、サキナビル、インジナビル、ロピナビル、パリナビル、BMS 186316、アタザナビル、DPC 681、DPC 684、チプラナビル、AG1776、モゼナビル、DMP−323、GS3333、KNI−413、KNI−272、L754394、L756425、LG−71350、PD161374、PD173606、PD177298、PD178390、PD178392、PNU 140135、TMC−114、マスリニックアシッド、U−140690など、グリコシル化阻害剤、例えばカスタノスペルミン、デオキシノジリマイシンなど、侵入阻害剤CGP64222などから選択される請求項1から6のいずれか1項記載の組み合わせ物。
【請求項11】
前記他のHIV阻害剤が
(i)融合阻害剤、例えばT20、T1249、RPR 103611、YK−FH312、IC 9564、5−ヘリックス、D−ペプチド ADS−J1、エンフビルチド(ENF)、GSK−873,140、PRO−542、SCH−417,690、TNX−355、マラビロック(UK−427,857)など、好適には1種以上の融合阻害剤、例えばエンフビルチド(ENF)、GSK−873,140、PRO−542、SCH−417,690、TNX−355、マラビロック(UK−427,857)など、
(ii)ヌクレオシド系RTI、例えばAZT、3TC、ザルシタビン(ddC)、ddI、d4T、Abacavir(ABC)、FTC、DAPD(Amdoxovir)、dOTC(BCH−10652)、フォジブジン、D−D4FC[DPC 817またはReverset(商標)]、アロブジン(MIV−310またはFLT)、エルブシタビン(ACH−126,443)など、好適には1種以上のヌクレオシド系RTI、例えばAZT、3TC、ザルシタビン(ddC)、ddI、d4T、Abacavir(ABC)、FTC、DAPD(Amdoxovir)、D−D4FC[DPC 817またはReverset(商標)]、アロブジン(MIV−310またはFLT)、エルブシタビン(ACH−126,443)など、
(iii)ヌクレオチド系RTI、例えばPMEA、PMPA(TDFまたはテノフォビル)またはテノフォビル ジソプロキシル フマレートなど、好適にはテノフォビルまたはテノフォビル ジソプロキシル フマレート、
(iv)NNRTI、例えばネヴィラピン、デラビルジン、エファビレンズ、8および9−Cl TIBO(チビラピン)、ロビリド、TMC−125、4−[[4−[[4−(2−シアノエテニル)−2,6−ジフェニル]アミノ]−2−ピリミジニル]アミノ]−ベンゾニトリル(TMC278またはR278474)、ダピビリン(R147681またはTMC120)、MKC−442、UC781、UC 782、Capravirine、QM96521、GW420867X、DPC 961、DPC963、DPC082、DPC083(またはBMS−561390)、カラノリド A、SJ−3366、TSAO、4”−脱アミノTSAO、MV150、MV026048、PNU−14272など、好適には1種以上のNNRTI、例えばネヴィラピン、デラビルジン、エファビレンズ、TMC−125、TMC278、TMC120、カプラビリン、DPC083、カラノリド Aなど、
(v)プロテアーゼ阻害剤、例えばアムプレナビルおよびフォサムプレナビル、ロピナビル、リトナビル[ばかりでなくリトナビルとロピナビルの組み合わせ、例えばKaletra(商標)]、ネルフィナビル、サキナビル、インジナビル、パリナビル、BMS 186316、アタザナビル、DPC 681、DPC 684、チプラナビル、AG1776、モゼナビル、DMP−323、GS3333、KNI−413、KNI−272、L754394、L756425、LG−71350、PD161374、PD173606、PD177298、PD178390、PD178392、PNU 140135、TMC−114、マスリニックアシッド、U−140690など、特に1種以上のプロテアーゼ阻害剤、例えばアムプレナビルおよびフォサムプレナビル、ロピナビル、リトナビル[ばかりでなくリトナビルとロピナビルの組み合わせ]、ネルフィナビル、サキナビル、インジナビル、アタザナビル、チプラナビル、TMC−114など、
から選択される請求項1から10のいずれか1項記載の組み合わせ物。
【請求項12】
(a)請求項1−9のいずれか記載の式(I)で表される化合物、
(b)他の少なくとも2種類の異なる抗レトロウイルス薬、
を含んで成る請求項1から11のいずれか1項記載の組み合わせ物。
【請求項13】
前記他の少なくとも2種類の異なる抗レトロウイルス薬が
(i)2種類のヌクレオシド系転写酵素阻害剤(NRTI)、
(ii)ヌクレオシド系(NRTI)とヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤(NtRTI)、
(iii)NRTIとNNRTI、
(iv)NRTIとプロテアーゼ阻害剤(PI)、
(v)2種類のNRTIとPI、
(vi)NRTIと融合阻害剤、
である請求項12記載の組み合わせ物。
【請求項14】
請求項1−9のいずれか記載の式(I)で表される化合物および請求項1−13記載の別のHIV阻害剤をレトロウイルス感染、例えばHIV感染の治療、特に多剤耐性レトロウイルスによる感染の治療で同時、個別または逐次的に用いるための組み合わせ製剤として含んで成る製品。
【請求項15】
請求項1から13のいずれか1項記載の組み合わせをHIVウイルスによる感染または感染に伴う病気を予防、治療または防除するための薬剤を製造する目的で用いる使用。
【請求項16】
請求項1から13のいずれか1項記載の組み合わせを有効量で含有しかつ薬学的に許容される賦形剤を含有して成る薬剤組成物。

【公表番号】特表2007−538053(P2007−538053A)
【公表日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−517256(P2007−517256)
【出願日】平成17年5月17日(2005.5.17)
【国際出願番号】PCT/EP2005/052266
【国際公開番号】WO2005/110411
【国際公開日】平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願人】(504347371)テイボテク・フアーマシユーチカルズ・リミテツド (94)
【Fターム(参考)】