説明

美肌健康茶およびその製造方法

【課題】見た目の美しさを向上させるとともに美肌効果を向上させた美肌健康茶を提供する。
【解決手段】美肌健康茶の一実施例は、乾燥白きくらげを一晩水に漬けた後、水を足しながら約10時間加熱する。途中で百合根を加え、10時間後に真珠粉を加え火を止める。全体をミキサーまたはミルサーにかけ、再び沸騰する直前まで加熱して氷砂糖を加える。これにより美しい真珠色で滑らかな舌触りの美肌健康茶を提供することができる。別の実施例では、黒大豆の抽出水を約10%加えることにより、パールピンクの美肌健康茶を得ることができる。この健康茶は特に美肌効果と精神安定に効果がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は茶飲料とその製造方法に関し、特に、真珠粉と白きくらげを配合することにより、美肌効果が高く、また見た目に美しく舌触りのよい状態を持続させた美肌健康茶およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
古くから、中国伝統医学(中医学)の分野において真珠粉は精神安定、美肌効果、解毒、免疫力向上などに有効とされている。また、真珠粉は光を反射して淡く滑らかな光沢を放つため、見た目の高級感が増し、透き通るような白色により美肌効果への期待感を呈する作用がある。
【0003】
一方、様々なお茶が広く親しまれているが、このうち体調保全や老化防止などに役立つ成分を含むものがある。高機能食品の開発とともにお茶も、肥満防止機能、持久力保持等の生体調整機能を向上させる成分を含有するものが注目されてきている。例えば特許文献1では、真珠粉を配合することによりアトピー性皮膚炎の改善効果を狙った健康茶が提案されている。
【0004】
【特許文献1】特開平10−14548号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、真珠粉は難溶であるためお茶に配合してもすぐに沈殿してしまい、お茶としての見た目の美しさや美肌に対する期待感を持続できないという問題があった。また、摂取する際にも沈殿した真珠粉が器に残ってしまい、配合された分量を十分に体内に取り込めない問題もあった。したがって、真珠粉を配合して直後に供するならともかく、瓶に詰めて小売店に陳列したり消費者に配送したりする形態にそぐわないという問題があった。
【0006】
本発明はこのような問題に鑑みなされたものであり、飲料にとろみ成分を添加して真珠粉の沈殿を遅らせ、見た目の美しさを持続させて外観品質を向上させた飲料を提供することを目的とする。同時に、真珠粉による美肌効果をさらに引き立てるべく、とろみ成分に白きくらげを所定の方法で用いた飲料を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成すべく、本発明にかかる美肌健康茶は、真珠粉と、白きくらげとを主剤とし、必要に応じて百合根と、氷砂糖とを混入してなることを最も主要な特徴とする。
【0008】
この美肌健康茶は、その有効成分中に前記真珠粉を5乃至20%重量、乾燥状態の白きくらげを3乃至10%重量含み、これを10乃至20倍の水に配合してなることが望ましい。
【0009】
本発明の実施例では、大豆に漬けた水を配合して着色してもよい。
【0010】
また本発明は、真珠粉と白きくらげを主成分とする美肌健康茶の製造方法であって、乾燥させた白きくらげを水で戻し、水を補給しながら8乃至24時間煮込み、真珠粉を混入してから加熱を止めてミキサーまたはミルサーにかけ、再び加熱し必要に応じて氷砂糖を加えることを特徴とする方法に関する。
【0011】
この美肌健康茶の製造方法において、さらに、大豆に漬けた水を加えて着色する工程を備えてもよい。
【発明の効果】
【0012】
中医学の見地では、真珠粉は甘鹹・寒の分類に属し、精神安定、美肌効果、解毒、免疫力向上の効果がある。一方、白きくらげは、甘淡・平の分類に属し、養陰潤肺、益胃生律、動脈硬化、美肌、不老長寿の効果がある。これらは美肌を創る食材として高い効果があり、これらを主成分として配合することにより高い美肌効果を得ることができる。
【0013】
また、真珠粉を水に溶かしただけではすぐに沈殿してしまうが、白きくらげを配合することによりぬめりの成分が加わって真珠粉の沈殿を遅らせることができ、真珠粉による白く淡い光沢を持続させることができる。同時に、ぬめりの成分によりしっとりと滑らかな口当たりとなり、飲みやすく一層の美肌効果を期待させる食感となる。
【0014】
また、有効成分中に真珠粉を5乃至20%重量、乾燥状態の白きくらげを3乃至10%重量含み、より好ましくは真珠粉を約10%重量、白きくらげを乾燥重量で約5%重量として約15倍の水で希釈すると、飲みやすく且つ見た目に綺麗な美肌健康茶となる。
【0015】
また、この美肌健康茶に黒大豆の抽出水を約10%混合することにより、薄いピンク色に着色することができ、所謂パールピンク色の美肌健康茶を提供することができる。成分の持つ美肌効果と併せて特に女性の嗜好に合致させた美肌健康茶を提供することができる。
【0016】
一方、本発明にかかる美肌健康茶の製造方法では、白きくらげを8乃至24時間煮続け、真珠粉を加えてからミキサーまたはミルサーにかけることにより、真珠粉の沈殿を遅らせて且つしっとりと滑らかな口当たりの最適な状態の美肌健康茶を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明を実施するための最良の実施形態について、以下に詳細に説明する。
【実施例1】
【0018】
本発明にかかる美肌健康茶の第1実施例の材料と製造方法を説明する。
美肌健康茶1500ccあたりの材料として、真珠粉10g、乾燥白きくらげ5g(水で戻したもの50g)、百合根30g、氷砂糖50gを用いる。以下に製造工程を説明する。
(1)乾燥重量5gの白きくらげを一晩水で戻す。これにより約50gとなる。
(2)1500ccの水に洗浄した白きくらげをほぐして投入し、加熱する。
(3)沸騰したら弱火にして、そのまま10時間程度煮続ける。焦げつかないよう1時間毎に木べら等で底から混ぜる。また、常に1500ccを保つよう水を注ぎ足す。
(4)百合根30gを一枚一枚に剥がし、茶色の着色部分は小さくても除去する。綺麗に洗浄してから、1回目の水足しの際に投入する。
(5)10時間煮終わったら、真珠粉10gを投入して攪拌する。加熱を止め、少し冷めたらミキサーまたはミルサーにかけ、その後再び加熱する。
(6)沸騰する直前に加熱を中止して氷砂糖を加え、自然に冷ます。時折かき混ぜて、氷砂糖をゆっくり溶融させる。
【0019】
このようにして作成した美肌健康茶を、目安として1日1回50cc、一週間に3〜5日摂取する。
【0020】
本実施例で用いた真珠粉の成分はカルシウム91.7%、有機物5.7%(ロイシン、メチオニン、アラニン、グリシン、グルタミン酸、アスパラギン酸等のアミノ酸、コンキオリンアミノ酸)である。コンキオリンアミノ酸はコラーゲンに似た良質なタンパク質であり、肌つやを綺麗にする。中医学では真珠粉は甘鹹・寒の分類に属し、これを有効成分として含有することにより、精神安定、美肌効果、解毒、免疫力向上の効果を得ることができる。主成分が炭酸カルシウムであり、コンキオリンアミノ酸やミネラルを多く含有しているため、保湿効果があり肌の潤いが得られる。また、腸内を弱酸性に保つので便通が改善され、肌のシミの発生を防止することができる。また、代謝を促進して体調が良好に整えられる。
【0021】
一方、白きくらげは甘淡・平の分類に属し、これを配合することにより養陰潤肺、益胃生律、動脈硬化、美肌、不老長寿の効果を得ることができる。また、食物繊維を多く含むため血中コレステロールが低下し、カルシウムも多く含み精神安定や便通改善の効果がある。また、植物性タンパク質やエルゴステリン(エルゴステロール)を含んでおりビタミンDを取り入れることができる。ぬめりの成分である膠質は滋養強壮の効果があり、老化防止に有効である。
【0022】
また、百合根は甘・微苦・微寒の分類に属し、潤肺止核、清心安神、不眠改善の効果がある。さらに氷砂糖を自然に溶かして用いており、真珠本来の美しい色が損なわれないようにしている。
【0023】
これらの成分を上記のように混合することにより、美肌効果や体質改善に有用な美肌健康茶を得ることができる。また、白きくらげのぬめり成分により真珠粉や百合根の沈殿を遅らせることができ、全体が真珠色に輝く見た目に美しい状態が持続する。また、このぬめり成分によりしっとりと滑らかな口当たりとなるとともに、飲む際に真珠粉や百合根が沈殿して器に残ることがなく、成分を無駄なく体内に取り込むことができる。さらに、百合根を配合したため潤肺のほか精神安定の効果を有し、特に就寝前に摂取すると眠りが深くなり体力気力の回復効果が高くなる。
【0024】
この美肌健康茶を試験的に数人に摂取させたところ、数回飲んだだけで肌がしっとりしてきた、打撲の痕跡が通常よりかなり早く改善されたとの例が報告された。また、透明感のある真珠色の液体でしっとりと滑らかな口当たりのお茶を摂取することにより、自身も透明感のある白い肌になりそうだという印象が与えられ、期待感による美肌作用や免疫力向上作用を得ることができる。
【0025】
また、白きくらげを弱火で10時間煮込むことにより、白きくらげを殆ど溶けた状態として好適なぬめりを得ることができる。本願発明者の実験により白きくらげは弱火で8乃至24時間煮込むと好適に殆ど溶けた状態となるが、例えば圧力釜を用いて時間を短縮させたものは白きくらげが硬くなり、ぬめり成分として水に溶け出さない不都合があることが判明している。
【実施例2】
【0026】
本発明にかかる美肌健康茶の第2実施例について説明する。本実施例は美肌健康茶をパールピンクに着色したものである。本実施例の美肌健康茶は、上記第1実施例に加え、黒大豆50gを用いる。この黒大豆50gを300ccの水に浸し、一晩または10時間程度そのままにしておくと大豆の表面成分が溶け出して薄紫色の透明な水となる。この黒大豆を漬けた水を、実施例1のお茶90%に対し10%の割合で配合し攪拌すると、美しいパールピンク色の美肌健康茶が生成される。大豆そのものはお茶には配合しない。
【0027】
黒大豆はエストロゲン、レシチン、アントシアニン、イソフラボンを含み、中医学では甘・平の分類に属し、この抽出水は活血、利水益腎、解毒化の作用がある。これを配合することにより、血液の循環を良くし、体内の悪いものを消す効果が得られる。また、第2実施例のお茶は透明感のあるきれいなパールピンク色をなし、お茶自体の高級感を増大させ、特に女性の好みにあった外観とすることができる。
【0028】
以上に本発明の幾つかの実施例について説明したが、本発明の美肌健康茶は以上の材料および製法のものに限らず、各材料の分量を変更したり、他の材料をさらに追加したりしてもよい。例えば、上記実施例において真珠粉は成分95g中10gとしているが、これは成分中の5乃至20%重量の範囲で変更することができる。5%より少ないとほぼ透明となってしまい真珠色の美しさが得られず、逆に20%以上だと沈殿量が多くなり無駄が生じてしまう。また、上記実施例において乾燥白きくらげは5gとしているが、これは成分95g中3乃至10%重量の範囲で変更することができる。3%より少ないとお茶がさらさらしすぎて真珠粉等の成分が早く沈殿してしまい、逆に10%より多いと滑らかな食感が得られず好ましくない。また、百合根や氷砂糖の量も、需用者の好み等の実施環境に応じて適宜変更してもよい。市場に流通させる場合は、必要に応じて酸化防止剤や防腐剤を配合してもよい。
【0029】
また、上記実施例の製造方法もこれに限定するものではなく、実施環境に応じて適宜変更することができる。例えば上記実施例では白きくらげを最初に10時間煮込んでいるが、これは弱火で8乃至24時間の間で変化させてもよい。また、上記の方法に従って美肌健康茶を製造することが望ましいが、各種材料を投入するタイミングや順番が異なるものを排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明にかかる美肌健康茶および製造方法は、美肌を創る食材の双璧をなす真珠粉と白きくらげを配合してなり、高い美肌効果が得られるものであり、漢方食材や飲料の製造・販売業で好適に利用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
真珠粉と、白きくらげとを主剤とし、必要に応じて百合根と、氷砂糖とを混入してなることを特徴とする美肌健康茶。
【請求項2】
請求項1に記載の美肌健康茶において、その有効成分中に前記真珠粉を5乃至20%重量、乾燥状態の白きくらげを3乃至10%重量含み、これを10乃至20倍の水に配合してなることを特徴とする美肌健康茶。
【請求項3】
請求項1または2に記載の美肌健康茶において、さらに大豆に漬けた水を配合して着色したことを特徴とする美肌健康茶。
【請求項4】
真珠粉と白きくらげを主成分とする美肌健康茶の製造方法であって、乾燥させた白きくらげを水で戻し、水を補給しながら8乃至24時間煮込み、真珠粉を混入してから加熱を止めてミキサーまたはミルサーにかけ、再び加熱してから必要に応じて氷砂糖を加えることを特徴とする美肌健康茶の製造方法。
【請求項5】
請求項4に記載の美肌健康茶の製造方法において、さらに、大豆に漬けた水を加えて着色することを特徴とする美肌健康茶の製造方法。

【公開番号】特開2007−306892(P2007−306892A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−141814(P2006−141814)
【出願日】平成18年5月22日(2006.5.22)
【出願人】(506172621)有限会社アーレス (1)
【Fターム(参考)】