説明

耐火性吹付材およびそれを使用した吹付け施工方法

【課題】特定量の炭素質原料を含むアルミナ−炭化珪素質の耐火性吹付材において、耐剥離損傷性、熱伝導性、付着性および耐食性を向上させること。
【解決手段】炭素原料微粉0.5〜10質量%、残部がアルミナ質耐火原料および/またはアルミナ−シリカ質耐火原料と炭化珪素原料とを主材とする耐火原料組成100質量部に対し、長さ5〜25mm、厚さ0.01〜0.5mm、アスペクト比(幅/長さ)1:2〜1:10で且つ湾曲状の銅板および/または銅合金板1〜15質量部と結合剤とを添加してなる耐火性吹付材である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐火性吹付材と、その耐火性吹付材を使用した吹付け施工方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
製鉄産業における炉の内張りにおいて、それに使用される耐火物の耐用性は、自身の耐食性・熱間強度等の特性に加えて、炉殻鉄皮を介しての冷却効果が影響する。例えばアルミナ−炭化珪素質耐火物は、炭化珪素の熱伝導性による冷却作用が耐用性の向上に寄与する。
【0003】
また、耐火物への添加材として金属ファイバーがある。金属ファイバーは耐火物組織を補強し、耐火物に亀裂が生じても剥離損傷を防止する他、ファイバーネット作用による付着性、さらにはその熱伝導性によって耐火物の冷却作用にも寄与する。
【0004】
一方、炉の内張りあるいはその補修として、吹付け法がある。吹付け法は流し込み法と違って型枠を必要とせず、施工が迅速かつ簡単である。そして、この吹付け法に用いられる耐火性吹付材の一種として、金属ファイバーを添加したアルミナ−炭化珪素質の吹付材が知られている(例えば特許文献1)。
【特許文献1】特開昭59−156968号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
アルミナ−炭化珪素質の吹付材には、特定量の炭素原料微粉が添加される場合がある。炭素原料微粉はマトリックス組織の密充填化(低水分化)を図り、耐食性を向上させる。また、炭素原料微粉は、マトリックス組織の密充填化(低水分化)と炭素原料微粉が持つ熱伝導性によって、吹付け施工体の熱伝導性をより一層向上させる。
【0006】
しかし、この炭素原料微粉を添加したアルミナ−炭化珪素質の吹付材において、金属ファイバーを添加した場合、吹付け施工体の厚さ方向の背面側に金属ファイバーが集積する現象がある。すなわち、金属ファイバーが施工体中に均一分散しない。その結果、金属ファイバーがもつ耐剥離損傷性、付着性、熱伝導性の効果が十分に発揮されない。
【0007】
本発明は、特定量の炭素質原料を含むアルミナ−炭化珪素質の耐火性吹付材において、金属ファイバーを添加した場合の上述の課題を解決し、耐剥離損傷性、熱伝導性、付着性および耐食性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の特徴とするところは、炭素原料微粉0.5〜10質量%、残部がアルミナ質耐火原料および/またはアルミナ−シリカ質耐火原料と炭化珪素原料とを主材とする耐火原料組成100質量部に対し、長さ5〜25mm、厚さ0.01〜0.5mm、アスペクト比(幅/長さ)1:2〜1:10で且つ湾曲状の銅板および/または銅合金板1〜15質量部と結合剤とを添加してなる耐火性吹付材である。
【0009】
本発明は、骨材の一部を耐火物使用後品等の耐火物廃材を使用してもよい。耐火物廃材を使用した場合の本発明は、炭素原料微粉0.5〜10質量%、アルミナ質、アルミナ−シリカ質、アルミナ−炭化珪素質から選ばれる1種以上の耐火物廃材70質量%以下、残部がアルミナ質耐火原料および/またはアルミナ−シリカ質耐火原料と炭化珪素原料とを主材とする耐火原料組成100質量部に対し、長さ5〜25mm、厚さ0.01〜0.5mm、アスペクト比(幅/長さ)1:2〜1:10で且つ湾曲状の銅板および/または銅合金板1〜15質量部と結合剤とを添加してなる耐火性吹付材である。
【0010】
炭素原料微粉を含むアルミナ−炭化珪素質の耐火性吹付材において、ステンレス鋼ファイバー等の金属ファイバーを添加した場合、金属ファイバーが、吹付け施工体の厚さ方向の背面側に金属ファイバーが集積する。これは、炭素質原料が耐火性原料の中でも特にカサ比重が小さく、このカサ比重の小さい炭素質原料を配合した耐火性吹付材に比重の大きな金属ファイバーが混在することで、吹付け時において、金属ファイバーがその慣性力によって吹付け施工体を貫通し易くなるためと考えられる。また、金属ファイバーの形状は一般にストレート型あるいは略ストレート型を呈しているため、吹付材が圧送、あるいはエアー搬送ノズル内での搬送の際、整流され、吹付けノズルからの噴出時にはその吹付け方向に配向することもある。
【0011】
これに対し、本発明による耐火性吹付材は、炭素原料微粉を含むこのアルミナ−炭化珪素質の耐火性吹付材において、前記金属ファイバーに換えて、特定の寸法・形状の湾曲状の銅板を添加する。この湾曲状の銅板は、湾曲していることで一方向への配向が生じず、しかも施工体中への貫入の際の抵抗が大きい。このため、炭素原料微粉を含む吹付材であっても、吹付け施工体において金属ファイバーで見られる偏在が殆ど無く、施工体中に均一分散される。
【0012】
金属ファイバーを使用した場合、その添加量が多くなると金属ファイバーが絡み合ういわゆるファイバー・ボールになり、分散性に劣る。これに対し、湾曲状の銅板は、曲面の存在で互いの面接触が阻止され、湾曲状の銅板同士の距離が保たれることで互いの絡み合いが少なくなるためか、比較的多量の添加でも分散性に優れている。
【0013】
また、この湾曲状の銅板は銅材質であることで、ステンレス鋼ファイバー等の金属ファイバーに比べて自身の熱伝導性にも優れる。そして、湾曲状であることで、以上に説明したとおり、吹付け施工体の厚さ方向の背面側に集積することもなく、均一分散され、アルミナ−炭化珪素質がもつ熱伝導性の効果がいかんなく発揮される。
【0014】
なお、この本発明の以上の効果は、湾曲状の銅板を銅合金板に換えても同様である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、以上に説明したとおり、炭素原料微粉を含むアルミナ−炭化珪素質の耐火性吹付材において、耐剥離損傷性、熱伝導性、付着性および耐食性に優れた効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明で使用する湾曲状の銅板は、長さ5〜25mm、厚さ0.01〜0.5mm、アスペクト比(幅/長さ)1:2〜1:10を有する寸法・形状のものを使用する。以下の説明は湾曲状の銅板を使用した場合を主体に説明するが、これを湾曲状の銅合金板に換えても同じである。
【0017】
湾曲状の銅板は、金属切削加工の副産物であるダライ粉から入手することができる。ダライ粉の使用は、コストと資源有効利用の面から好ましい。ダライ粉から得る場合、ダライ粉は一般に本発明で規定したものより長いケースが多いので、必要により、切断あるいは加圧破砕によって長さ調整を行う。コスト面を考慮しなければ、旋盤等を用いて本発明の規定に見合う寸法・形状の銅板を得て使用する。
【0018】
旋盤切削によるダライ粉は、湾曲形状を有している。図1の写真は、旋盤切削から得られた銅ダライ粉から、本発明の規定範囲の形状・寸法に調整した例である。図2は他の湾曲の態様例を示したものであり、(a)は反り形状、(b)は扇型、(c)は螺旋である。
【0019】
湾曲状の銅板において、長さ5mm未満あるいは厚さ0.01mm未満であれば、耐火性吹付材の熱伝導性、耐剥離防止性、付着性の効果において不十分である。長さが25mm超では銅板同士の絡み合いのためか分散性が低下する。厚さ0.5mm超では、銅板が低融点物質のために耐火性吹付材の耐食性が低下する。
【0020】
湾曲状の銅板はアスペクト比(幅/長さ)1:2〜1:10とし、アスペクト比において長さの比の数値がこれより小さいと湾曲による分散性効果に劣る。アスペクト比において長さの比の数値がこれより大きいと湾曲状銅板同士が絡み合うことで分散性に劣る。
【0021】
湾曲状の銅板の添加量は、耐火原料組成100質量部に対して1〜15質量部とする。1質量部未満では熱伝導性の効果に劣る。銅板が低融点物質であることから、15質量部を超えると低融点物質の絶対量が過多となって耐火性吹付材の耐食性が低下する。湾曲状の銅板のさらに好ましい範囲は3〜10質量部である。
【0022】
本発明は、この湾曲状の銅板の一部または全部を湾曲状の銅合金板としてもよい。銅合金材質の具体例は、黄銅、洋白、青銅等である。高熱伝導性の効果を得るために、銅合金のCu純度は50質量%以上が好ましい。
【0023】
耐火原料組成は、アルミナ質耐火原料および/またはアルミナ−シリカ質耐火原料と炭化珪素原料とを主材とし、さらに炭素原料微粉を含む。
【0024】
炭素原料微粉の具体例は、ピッチ、カーボンブラック、コークス、無煙炭、仮焼無煙炭、りん状黒鉛、土状黒鉛、電極屑等が挙げられる。粒径はマトリック部への充填を図るために、1mm以下が好ましい。
【0025】
炭素原料微粉の耐火原料組成に占める割合は0.5質量%未満では、炭素原料微粉がもつ吹付け施工体に対する緻密性、熱伝導性付与の効果に劣り、ひいては耐食性が低下する。10質量%を超えると酸化が原因したと思われる耐食性低下の問題がある。さらに好ましい割合は、1〜7質量%である。
【0026】
アルミナ質耐火原料、アルミナ−シリカ質耐火原料は、耐食性と容積安定性付与の効果をもつ。アルミナ質耐火原料の具体例は、焼結アルミナ、電融アルミナである。アルミナ−シリカ質耐火原料の具体例は、ばん土けつ岩、ボーキサイト、ろう石、ムライト等である。その割合は、炭化珪素と共に、前記炭素原料微粉の残部の主体とする。好ましくは、10〜80質量%である。
【0027】
アルミナ質耐火原料、アルミナ−シリカ質耐火原料の粒径は、好ましくは最大5〜3mmとし、粗粒、微粒に適宜調整する。微粒部には仮焼アルミナを使用してもよい。
【0028】
炭化珪素は熱伝導性に優れ、冷却付与の効果をもつ。また、耐スラグ性付与の効果に優れている。その割合は熱伝導性および耐スラグ性の面から、好ましくは例えば15〜70質量%である。
【0029】
耐火原料として、一部に耐火物使用後品等の耐火物廃材を使用する場合は、アルミナ質、アルミナ−シリカ質、アルミナ−炭化珪素質から選ばれる1種以上を用いる。これらは、例えば溶鋼取鍋、タンデッシュ、混銑車、混銑炉、高炉樋、高炉樋カバー等の内張りに使用された定形耐火物、不定形耐火物の使用後品から得ることができる。地金、スラグ等を除き、粉砕し、粒度調整して使用する。
【0030】
これらの耐火物廃材の使用量は、耐火原料組成に占める割合で70質量%以下とする。さらに好ましくは50質量%以下である。耐火物廃材は比較的多孔質であることから、配合量が多いと熱伝導性低下の原因となる。
【0031】
本発明の効果を損わない範囲であれば耐火原料として、さらにジルコン、ジルコニア、窒化珪素、揮発シリカ等を適当量組み合わせてもよい。揮発シリカは微粉であることから、例えば5質量%以下使用することで、吹付材施工時の流動性付与の効果がある。
【0032】
結合剤および分散剤の種類とその添加量は従来の耐火性吹付材と同様のもので足りる。必要により、さらに酸化防止剤、乾燥促進剤、増粘剤、有機質ファイバー、塩基性乳酸アルミニウム等を添加する。
【0033】
結合剤の種類は特に限定されるものではない。リン酸ソーダ、ヘキサメタリン酸ソーダ、リン酸カリ、リン酸カルシウムなどのリン酸塩、珪酸ソーダ、メタ珪酸ソーダ、珪酸カリなどの珪酸塩、あるいはアルミナセメント、ポルトランドセメント等である。その添加量は耐火原料組成100質量部に対し3〜15質量部が好ましい。結合剤の種類によっては、さらに硬化促進剤を添加する。硬化促進剤の具体例としては、消石灰、生石灰、炭酸カルシウム等のカルシウム塩である。
【0034】
分散剤は耐火物の施工時の流動性を付与する。具体例としては、トリポリリン酸ソーダ、ヘキサメタリン酸ソーダ、ウルトラポリリン酸ソーダ、酸性ヘキサメタリン酸ソーダ、ホウ酸ソーダ、炭酸ソーダ、ポリメタリン酸塩などの無機塩、クエン酸ソーダ、酒石酸ソーダ、ポリアクリル酸ソーダ、スルホン酸ソーダ、ポリカルボン酸塩、β−ナフタレンスルホン酸塩類、ナフタリンスルフォン酸等である。耐火原料組成100質量部に対し0.01〜1質量部程度添加する。
【0035】
酸化防止剤は、シリコン、フェロシリコン、炭化ホウ素(BC)、ホウ化ジルコニウム、ホウ化カルシウム等である。中でも炭化ホウ素が好ましい。その添加量は、耐火原料組成100質量部に対し0.1〜3質量部が好ましい。増粘剤は、粘土、ベントナイト、CMC等であり、好ましい添加量は耐火原料組成100質量部に対し、2質量部以下である。
【0036】
有機ファイバー類の具体例は、ポリプロピレン、ナイロン、PVA、ビニロン、ポリエチレン、アクリル、ポリエステル、パルプ、紙繊維、セピオライト等である。耐火原料組成100質量部に対する割合で、0.05〜1質量部の添加が好ましい。有機ファイバー類は、乾燥時に水蒸気の通路を形成し、乾燥爆裂防止に効果をもつ。
【0037】
以上の配合物よりなる耐火性吹付材は、例えば任意の吹付装置を使用し、吹付ける。吹付け法は乾式法と湿式法とに大別される。乾式法は耐火性吹付材を吹付装置にてノズルへ搬送し、ノズルあるいはノズル近傍にて施工水を添加し、吹付ける。この際、発塵防止のために施工水の一部を予め耐火性吹付材に添加しておいてもよい。湿式法は耐火性吹付材を施工水で予め混練後、圧送ポンプでノズルに搬送し、ノズルあるいはノズル近傍にて急結剤を添加して吹付ける。本発明の耐火性吹付材は乾式法と湿式法のいずれの方法でも施工することができる。その際の施工水の好ましい添加量は、吹付け施工法によっても異なる。乾式法では、吹付材組成100質量部に対し15〜30質量部が好ましい。湿式法では吹付材組成100質量部に対し5〜15質量部が好ましい。
【実施例】
【0038】
以下に本発明実施例とその比較例を示す。表1は各例で使用した銅板、銅合金板、ステンレス鋼ファイバーの寸法・形状である。表2は、各例の耐火性吹付材の組成とその試験結果である。
【0039】
ここで使用した湾曲状の銅板または銅合金板は、ダライ粉から得た。一方、湾曲しない平板状のものは、銅板をカッターで切断して得た。
【0040】
吹付装置としてロテクターガンを使用し、各例の耐火性吹付材を乾式法にて施工し、試験した。施工水は耐火性吹付材100質量部に対して23〜25質量部とした。被施工面はY字型スタッドを設けた垂直鉄皮に対して約200〜300mmの厚さに吹付けた。
【0041】
付着性の試験は、施工に使用した吹付材の量から、吹付け時の跳ね返り損失量を差し引き、付着率を求めた。
【0042】
吹付け施工体における均一分散性の試験は、吹付け施工体を切り出し、その断面の観察から、銅板、銅合金板、ステンレス鋼ファイバーの偏在程度から均一分散性を評価した。評価結果は、○…実質的に偏在無し、△…施工体背面側への偏在が見られる、×…施工体背面側への偏在が著しい、で表した。
【0043】
実機試験は実施例および比較例を高炉樋カバーの内張りとして吹付け施工し、耐剥離損傷性と耐用性(損耗指数)を試験調査した。施工はロテクターガンを使用した乾式法とした。施工水は耐火性吹付材100質量部に対して23質量部とした。高炉樋カバーは鉄皮の内面側にY字型のスタッドを立設し、施工時はこの鉄皮を上下逆に反転させた状態で吹付けた。施工体厚さは約300mmとした。この高炉樋カバーは使用時において鉄皮の外表面にミスト水を散布し、水冷した。
【0044】
耐剥離損傷性は、高炉樋カバー使用の過程において、耐剥離損傷を目視観察で判断した。結果は、○…実質的に剥離損傷無し、△…剥離損傷が見られる、×…剥離損傷が著しい、で表した。
【0045】
耐用性(損耗指数)は、比較例1の損耗量を100とする指数で表した。
【表1】

【表2】

【0046】
実施例1〜6の本発明実施例により得られた施工体は、本発明で規定した形状・寸法の湾曲状の銅板または銅合金板を使用したものである。湾曲状の銅板または銅合金板は、施工体中においても偏在もなく、均一に分散している。その結果、付着性にも優れている。実機試験においては、剥離損傷も無く、しかも冷却効果を十分に得ることで優れた耐用性を得ることができた。また、表には示していないが、耐火性吹付材の配合組成を混合調整する際、ここで使用した湾曲状の銅板または銅合金板は、分散性において問題無い。
【0047】
これに対し、比較例1は板状、ステンレス鋼ファイバー等を一切添加していない。付着性および耐剥離損傷性に大きく劣る。熱伝導性が低いことで耐用性にも劣る。
【0048】
湾曲していない平板状の銅板を添加した比較例2は、施工体背面側へ銅板の集積が見られた。また、本発明実施例よりも付着性、耐剥離損傷性、耐用性に劣る。表には示していないが、耐火性吹付材の配合組成を混合調整する際、銅板の分散性が悪い。
【0049】
ステンレス鋼ファイバーを添加した比較例3は、施工体の背面部にステンレス鋼ファイバーが集積した。その結果、均一分散性および付着性に劣る。実機試験においては、耐剥離損傷性、耐用性共に本発明実施例より劣る。また、吹付材混合時のステンレス鋼ファイバーの分散性が悪い。
【0050】
比較例4は、分散性、耐剥離損傷性にやや優れるが、湾曲状の銅板の添加量が多く、耐用性に劣る。
【産業上の利用可能性】
【0051】
前記の実施例での実機試験では高炉樋カバーの施工を挙げたが、本発明はこれに限らず、空冷あるいは水冷による冷却効果で耐火物内張りの耐用性の向上を図った炉あるいはその付随装置に対する吹付け施工に使用することができる。例えば高炉のシャフト部、あるいは炉口部、混銑車の炉口部、溶銑予備処理などにおけるスプラッシュカバー等である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明で使用する湾曲状の銅板の一例を示す写真。
【図2】本発明で使用する湾曲状の銅板の他の形状例。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素原料微粉0.5〜10質量%、残部がアルミナ質耐火原料および/またはアルミナ−シリカ質耐火原料と炭化珪素原料とを主材とする耐火原料組成100質量部に対し、長さ5〜25mm、厚さ0.01〜0.5mm、アスペクト比(幅/長さ)1:2〜1:10で且つ湾曲状の銅板および/または銅合金板1〜15質量部と結合剤とを添加してなる耐火性吹付材。
【請求項2】
炭素原料微粉0.5〜10質量%、アルミナ質、アルミナ−シリカ質、アルミナ−炭化珪素質から選ばれる1種以上の耐火物廃材70質量%以下、残部がアルミナ質耐火原料および/またはアルミナ−シリカ質耐火原料と炭化珪素原料とを主材とする耐火原料組成100質量部に対し、長さ5〜25mm、厚さ0.01〜0.5mm、アスペクト比(幅/長さ)1:2〜1:10で且つ湾曲状の銅板および/または銅合金板1〜15質量部と結合剤とを添加してなる耐火性吹付材。
【請求項3】
炉あるいはこれに付随した装置の内張りに対し、その補修あるいは内張り施工として、請求項1または2記載の耐火性吹付材を使用した吹付け施工方法。

【図2】
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【図1】
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【公開番号】特開2007−106630(P2007−106630A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−298887(P2005−298887)
【出願日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願人】(000170716)黒崎播磨株式会社 (314)
【出願人】(000006655)新日本製鐵株式会社 (6,474)
【Fターム(参考)】