脊椎インプラントおよび方法
本発明は、人間の脊椎の互いに隣接する棘突起の間に配置される脊椎インプラントを提供する。いくつかの実施形態においては、脊椎インプラントが、スペーサおよび1つ以上の保持部材を備えている。いくつかの実施形態においては、保持部材がスペーサに対して固定され、他の実施形態においては、保持部材が、第1の位置または密集位置あるいは収容位置から、第2の位置または膨張位置または展開位置へと展開可能である。いくつかの実施形態においては、スペーサが、第1のサイズから第2のサイズへと膨張可能である。いくつかの実施形態においては、スペーサが先細りの本体を有する。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2008年1月11日に出願された「SPINAL IMPLANTS AND METHODS」という名称の米国特許出願第12/013,351号の部分継続出願であり、米国特許出願第12/013,351号は、2005年12月2日に出願された「INTERSPINOUS DISTRACTION DEVICES AND ASSOCIATED METHODS OF INSERTION」という名称の米国特許出願第11/293,438号の部分継続出願であり、米国特許出願第11/293,438号は、2005年10月25日に出願された「INTERSPINOUS DISTRACTION DEVICES AND ASSOCIATED METHODS OF INSERTION」という名称の米国特許出願第11/257,647号の部分継続出願であり、これらの各出願は、その全体がここでの言及によって本明細書に援用される。
【0002】
本出願は、2007年11月2日に出願された「SPINOUS PROCESS IMPLANTS AND ASSOCIATED METHODS」という名称の米国特許出願第11/934,604号の部分継続出願でもあり、米国特許出願第11/934,604号は、その全体がここでの言及によって本明細書に援用される。
【0003】
さらに、本出願は、2007年1月11日に出願された「SPINAL STABILIZATION」という名称の米国特許仮出願第60/884,581号、2004年10月25日に出願された「INTERSPINOUS DISTRACTION DEVICES AND ASSOCIATED METHODS OF INSERTION」という名称の米国特許仮出願第60/621,712号、2004年12月3日に出願された「INTERSPINOUS DISTRACTION DEVICES AND ASSOCIATED METHODS OF INSERTION」という名称の米国特許仮出願第60/633,112号、2004年12月29日に出願された「INTERSPINOUS DISTRACTION DEVICES AND ASSOCIATED METHODS OF INSERTION」という名称の米国特許仮出願第60/639,938号、2005年2月21日に出願された「INTERSPINOUS DISTRACTION DEVICES AND ASSOCIATED METHODS OF INSERTION」という名称の米国特許仮出願第60/654,483号、2005年4月14日に出願された「INTERSPINOUS DISTRACTION DEVICES AND ASSOCIATED METHODS OF INSERTION」という名称の米国特許仮出願第60/671,301号、2005年5月6日に出願された「INTERSPINOUS DISTRACTION DEVICES AND ASSOCIATED METHODS OF INSERTION」という名称の米国特許仮出願第60/678,360号、および2007年4月17日に出願された「FUSION PLATE WITH REMOVABLE OR ADJUSTABLE SPIKES」という名称の米国特許仮出願第60/912,273号の利益を主張し、これらの各出願は、その全体がここでの言及によって本明細書に援用される。
【技術分野】
【0004】
[0001]本発明は、脊椎インプラントおよび関連の方法に関する。
【背景技術】
【0005】
[0002]人間の脊柱の椎骨は、上下に次々と重ねて柱状に配列される。隣合う椎骨間には、隣合う椎骨間で力を伝達しかつそれらの間にクッションを提供する椎間板が存在する。椎間板は脊柱の屈曲および捩りを可能にする。年齢と共に椎間板の破壊または変性が始まり、結果的に椎間板の流体の損失が生じ、したがって結果的に椎間板の柔軟性が低下する。同様に、椎間板が薄くなり、椎骨を互いに接近させる。変性の結果、椎間板の外層すなわち線維輪に断裂または亀裂が生じることもあり得る。椎間板が、外向きに膨隆し始めることがあり得る。より重篤な事例では、椎間板の内部物質すなわち髄核が事実上、椎間板から外に押し出され得る。椎間板の変性変化に加えて、脊柱は自動車事故、転落、力仕事、および他の活動による外傷のため変化をきたし得る。さらに、脊椎狭窄として知られるプロセスで、過度の骨成長、脊柱管内の(靭帯のような)組織の肥厚、または両方のため、脊柱管は狭窄する。これらの状態の全てにおいて、脊髄および脊髄神経根が通過する空間が狭められて、神経組織の圧迫を導き、それは身体の種々の部分の疼痛、しびれ感、脱力感、または麻痺さえも引き起こすことがあり得る。最後に、隣合う椎骨間の椎間関節が変性し、限局痛および/または放散痛を引き起こすことがあり得る。上記状態の全てを集合的にここでは脊柱疾患と呼ぶ。
【0006】
[0003]従来、外科医は、隣合う椎骨間の正常な間隔を回復しようと試みることによって脊柱疾患を治療している。これは、冒された神経組織から圧力を解放するのには充分であり得る。しかし、神経組織を侵害している椎間板物質、骨、または他の組織を外科的に除去し、かつ/または椎間関節を創傷清拭することもしばしば必要である。ほとんどの場合、椎骨間隔の回復は、骨、金属、またはプラスチックから作られた剛性スペーサを隣合う椎骨間の椎間板空間内に挿入し、かつ椎骨を合体または融合させて単一の骨片にすることによって達成される。椎骨は一般的に、この融合プロセス中、隣合う椎骨に固定された骨プレートおよび/またはペディクルスクリュを使用して安定化される。
【0007】
[0004]椎間スペーサ、プレート、およびペディクルスクリュ固定システムを配置するための技術は近年、低侵襲性になってきたが、それらは依然として、脊柱に隣接する手術部位の深部にハードウェアを配置することが必要である。そのような外科手術からの回復は、数日の入院および正常な活動レベルまで長期の緩慢なリハビリテーションを必要とすることがあり得る。
【0008】
[0005]最近になって研究者らは、隣合う椎骨が相互に対して動くことを可能にする可動性維持インプラントおよび技術の使用を促進してきた。わずかしか成功していない1つのそのようなインプラントとして、人工椎間板インプラントがある。これらは一般的に、椎間板空間に挿入される可撓性物質または2部品構成接合関節のいずれかを含む。別のそのようなインプラントとして、隣合う椎骨の後方に延びる棘突起間に挿入され、脊柱が伸張するときに伸張停止体として働きかつ棘突起間の最小間隔を維持する、棘突起スペーサがある。棘突起スペーサは、脊柱が屈曲したときに隣合う棘突起を離間させることができる。
【0009】
[0006]本発明の種々の実施形態を、添付の図面を参照しつつ説明する。これらの図面は、本発明の例示の実施形態を示すにすぎず、本発明の範囲を限定するものと考えるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明による脊椎インプラントの斜視図である。
【図2】図1の脊椎インプラントの断面図であり、第1の位置にあるインプラントを示している。
【図3】図1の脊椎インプラントの断面図であり、第2の位置にあるインプラントを示している。
【図4】本発明による脊椎インプラントの正面図であり、第1の位置にあるインプラントを示している。
【図5】図4の脊椎インプラントの正面図であり、第2の位置にあるインプラントを示している。
【図6】本発明による脊椎インプラントの斜視図である。
【図7】図6のインプラントの断面図である。
【図8】本発明による脊椎インプラントの斜視図である。
【図9】第1の位置にある図8の脊椎インプラントのスペーサ構成部品の斜視図である。
【図10】第2の位置にある図8の脊椎インプラントのスペーサ構成部品の斜視図である。
【図11】第1の位置にある図8の脊椎インプラントのコア構成部品の正面図である。
【図12】本発明による脊椎インプラントの斜視図である。
【図13】挿入の一方法を示している図12の脊椎インプラントの斜視図である。
【図14】別の挿入方法を示している図12の脊椎インプラントの斜視図である。
【図15】図12の脊椎インプラントの保持部材の別の構成の斜視図である。
【図16】本発明による脊椎インプラントの斜視図である。
【図17】第1の位置にある本発明による脊椎インプラントの正面図である。
【図18】第2の位置にある図17の脊椎インプラントの正面図である。
【図19】図17の脊椎インプラントの一端の斜視詳細図であり、第1および第2の位置を互いに重ねて示している。
【図20】本発明による脊椎インプラントの斜視図である。
【図21】図20の脊椎インプラントの斜視図であり、第1の位置で埋め込まれて示されている。
【図22】図20の脊椎インプラントの斜視図であり、第2の位置で埋め込まれて示されている。
【図23】第1の位置にある本発明による脊椎インプラントの斜視図である。
【図24】第2の位置にある図23の脊椎インプラントの斜視図である。
【図25】第1の位置にある本発明による脊椎インプラントの斜視図である。
【図26】第2の位置にある図24の脊椎インプラントの斜視図である。
【図27】第3の位置にある図26の脊椎インプラントの斜視図である。
【図28】第1の位置にある本発明による脊椎インプラントの断面図である。
【図29】第2の位置にある図28の脊椎インプラントの断面図を示している。
【図30】第1の位置にある本発明による脊椎インプラントの斜視図である。
【図31】第1の位置にある図30の脊椎インプラントの側面図である。
【図32】第1の位置にある図30の脊椎インプラントの正面図である。
【図33】第2の位置にある図30の脊椎インプラントの斜視図である。
【図34】第1の位置にある本発明による脊椎インプラントの斜視図である。
【図35】第2の位置にある図34の脊椎インプラントの斜視図である。
【図36】第3の位置にある図34の脊椎インプラントの斜視図である。
【図37】脊椎に埋め込まれた図34の脊椎インプラントの斜視図である。
【図38】本発明による脊椎インプラントの斜視図である。
【図39】脊椎に埋め込まれた図38の脊椎インプラントの正面図である。
【図40】脊椎に埋め込まれた本発明による脊椎インプラントの断面図である。
【図41】脊椎に埋め込まれた本発明による脊椎インプラントの断面図である。
【図42】脊椎に埋め込まれようとしている本発明による脊椎インプラントの構成部品の正面図である。
【図43】脊椎に埋め込まれ完全に組み立てられた図42のインプラントの正面図である。
【図44】第1の位置にある本発明による脊椎インプラントの斜視図である。
【図45】第2の位置にある図44の脊椎インプラントの斜視図である。
【図46】第3の位置にある図44の脊椎インプラントの斜視図である。
【図47】第1の位置にある本発明による脊椎インプラントの斜視図である。
【図48】第2の位置にある図47の脊椎インプラントの斜視図である。
【図49】第1の位置にある本発明による脊椎インプラントの斜視図である。
【図50】第2の位置にある図49の脊椎インプラントの側面図である。
【図51】第1の位置にある本発明による脊椎インプラントの斜視図である。
【図52】第2の位置にある図51の脊椎インプラントの斜視図である。
【図53】第1の位置にある本発明による脊椎インプラントの斜視図である。
【図54】第2の位置にある図53の脊椎インプラントの斜視図である。
【図55】本発明による脊椎インプラントの分解斜視図である。
【図56】第1の位置にある図55の脊椎インプラントの正面図である。
【図57】第2の位置にある図55の脊椎インプラントの正面図である。
【図58】本発明による脊椎インプラントの分解斜視図である。
【図59】本発明による脊椎インプラントの分解斜視図である。
【図60】本発明による脊椎インプラントの右斜視図である。
【図61】図60の脊椎インプラントの左斜視図である。
【図62】本発明による脊椎インプラントの左斜視図である。
【図63】図62の脊椎インプラントの右斜視図である。
【図64】本発明による脊椎インプラントの斜視図である。
【図65】本発明による脊椎インプラントの斜視図である。
【図66】図65の脊椎インプラントの正面図である。
【図67】本発明による脊椎インプラントの正面図である。
【図68】本発明による脊椎インプラントの挿入方法のフロー図である。
【図69】本発明による脊椎インプラントの正面図である。
【図70】図69の脊椎インプラントの別の実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[0077]本発明による脊椎インプラントの実施形態は、スペーサおよび1つ以上の保持部材を備えている。本明細書の全体を通して、脊椎インプラントが、棘突起インプラントの文脈において説明される。しかしながら、脊椎インプラントを、頸椎、胸椎、および/または腰椎へと、互いに隣接する棘突起、横突起、および/または他の椎骨構造の間に挿入されるように構成できることを、理解すべきである。スペーサを、患者間の身体構造上のばらつきに対応するため、およびさまざまな間隔矯正の程度に対応するために、さまざまなサイズで用意することができる。スペーサは、スペーサを椎体へと固定すべく、組織の成長および進入(脊椎からの組織の成長および進入、など)を促進するための開口を備えることができる。例えば、スペーサを、上側および下側の棘突起から組織が成長および進入し、互いに隣接する棘突起の癒合を引き起こすように構成することができる。開口は比較的大きくてよく、さらには/あるいはスペーサの中空の内部につながることができる。中空の内部を、例えば物質を中空の内部へと詰めることによって、骨成長促進物質を受け入れるように構成することができる。開口は比較的小さくてよく、さらには/あるいはスペーサ表面の少なくとも一部分に分布した微細孔または互いにつながった微細孔を含むことができる。開口を骨成長促進物質で満たしてもよい。
【0012】
[0078]スペーサは、任意の適切な断面形状を有することができる。例えば、円筒形、くさび形、D字形、C字形、およびH字形であってよく、別々の片持ち梁を備えてもよく、さらには/あるいは任意の他の適切な形状を含むことができる。形状は、面取り、隅肉、平坦部、逃げの切り欠き、および/または身体構造上の特徴に対応するための他の造作(例えば、ラミナ(laminae)および/またはファセット(facets)など)を含むことができる。
【0013】
[0079]スペーサは、非圧縮性であってもよく、中程度に圧縮可能であってもよく、高度に圧縮可能であってもよく、圧縮性から非圧縮性へと変換可能であってもよく、さらには/あるいは任意の他の構成であってよい。例えば、スペーサは、互いに隣接する骨の間への挿入のために密集形態へと圧縮可能であってもよく、その後に骨を押し広げるために膨張可能であってよい。スペーサは、骨の間に弾性クッションを提供するために、たわむことが可能であってよい。スペーサを、密集形態へと復帰することがないように膨張状態に固定することができる。
【0014】
[0080]保持部材は、スペーサを隣り合う棘突起の間に保持するために、スペーサからスペーサの長手軸線に対して横方向に延びることができる。ただ1つの保持部材が、1つ以上の方向に延びることができ、あるいは複数の方向に延びる複数の延長部を設けてもよい。1つ以上の保持部材を、スペーサに対して長手方向および/または半径方向に固定することができる。1つ以上の保持部材が、保持部材を棘突起に対して配置できるよう、スペーサおよび/または他の保持部材に対して長手方向および/または半径方向に調節可能であり得る。保持部材は、侵襲が最小限なやり方でスペーサを配置して保持部材を展開できるよう、スペーサの内部を通って展開可能であってもよくり得、さらには/あるいはスペーサの内部から展開可能であり得る。保持部材は、1つ以上のねじ、ピン、くぎ、ボルト、ホチキス、フック、プレート、羽根、棒、延長部、フィラメント、ワイヤ、ループ、帯、ストラップ、ケーブル、コード、縫合糸、および/または他の適切な保持部材を含むことができる。保持部材を、金属、金属合金、ポリマ、および/または他の適切な材料で製作することができる。保持部材は、骨および/または軟組織を把持することができ、骨および/または軟組織に当接でき、組織の中への成長および/または表面への成長を促進でき、さらには/あるいは他の方法でインプラントを保持することができる。
【0015】
[0081]保持部材は、棘突起および/または軟組織に係合できる固定具と協働することができる。そのような固定具として、1つ以上のねじ、ピン、くぎ、リベット、ボルト、ホチキス、フック、縫合糸、ワイヤ、ストラップ、クランプ、スパイク、歯、接着剤、および/または他の適切な固定具を含むことができる。固定具は、保持部材へと一体化でき、あるいはモジュール式であり得る。保持部材および/または固定具は、互いに隣接する骨の固定の種類および質をあつらえることができるように、調節可能、交換可能、および/または着脱可能であり得、一方向および/またはインプラントの片側に使用することができ、あるいは複数の方向および/またはインプラントの複数の側に使用することができる。例えば、インプラントを、互いに隣接する骨の間のスペーサとして、互いに隣接する骨の間の弾性的な拘束として、あるいは互いに隣接する骨の間の剛な固定としてのみ機能するように、配置することができる。スペーサ、保持部材、および/または固定具を、好都合には、異なる材料で製作することができる。
【0016】
[0082]セルクラージュを、脊椎インプラントを安定させるため、および/または他の利点をもたらすために、使用することができる。例えば、ワイヤ、ストラップ、帯、ケーブル、コード、および/または他の細長い部材が、椎弓根、椎弓、棘突起、横突起、および/または他の脊椎構造を取り囲むことができる。セルクラージュは、脊椎の屈曲に堅固な抑制をもたらすために比較的非伸張性であり得、あるいはセルクラージュは、屈曲に対する抵抗を高めるように比較的伸張性であり得る。セルクラージュは、織布などのように比較的柔軟性およびドレープ性を有することができ、あるいは金属帯などのように比較的剛であり得る。セルクラージュは、埋め込み後に事前に設定された形状に復帰する形状記憶特性を有することができる。セルクラージュは、棘突起インプラントから別個独立であり得、あるいは棘突起インプラントに係合することができる。例えば、セルクラージュは、棘突起インプラントの中空な内部を通過することができ、さらには/あるいは延長部に係合することができる。
【0017】
[0083]インプラントを、棘突起、椎弓、横突起、ファセット、および/または他の脊椎構造の間の互いに隣接する椎骨の癒合を促進するための骨成長促進物質で補うことができる。骨成長促進物質は、インプラントから離すことができ、インプラントに隣接して配置することができ、インプラントと下方の骨との間に挟むことができ、インプラントの内部に配置することができ、インプラントの表面へとコートすることができ、さらに/あるいは他のやり方でインプラントに対して配置することができる。インプラントの表面へとコートされる場合、インプラント全体を覆うことができ、あるいはインプラントの所定の部分だけ(スペーサ、保持部材、固定具、および/または他の部位、など)を覆うことができる。
【0018】
[0084]本明細書において使用されるとき、骨成長促進物質は、骨ペースト、骨小片、骨条片、構造骨移植片、血小板由来成長因子、骨髄液、幹細胞、骨成長タンパク質、骨成長ペプチド、骨結合タンパク質、骨結合ペプチド、ヒドロキシルアパタイト、リン酸カルシウム、スタチン、および/または他の適切な骨成長促進物質を含むことができる。
【0019】
[0085]脊椎インプラントならびに関連のセルクラージュまたは他の構成要素を、とりわけ金属、吸収性セラミック、非吸収性セラミック、吸収性ポリマ、および非吸収性ポリマなど、任意の適切な生体適合性材料で製作することができる。いくつかの具体的な実施形態として、ステンレス鋼、チタンおよびチタン合金(ニッケルチタン合金など)、タンタル、ヒドロキシルアパタイト、リン酸カルシウム、骨、ジルコニア、アルミナ、炭素、バイオガラス、ポリエステル、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアクリレート、ポリケトン、フルオロポリマー、および/または他の適切な生体適合性材料、ならびにこれらの組み合わせが挙げられる。
【0020】
[0086]脊椎インプラントを、棘上靭帯犠牲後方進入術、棘上靭帯温存後方進入術、側方進入術、および/または他の適切な手法など、種々の外科的技法で脊椎の疾患を治療するために使用することができる。脊椎インプラントを、互いにする椎骨を癒合させ、あるいは互いに隣接する椎骨間の運動を温存することによって、脊椎の疾患の治療に使用することができる。脊椎インプラントは、スペーサのような伸張停止体のみ、可撓性セルクラージュ要素のような屈曲停止体のみ、または屈曲および伸張停止体の両方を含むことができる。椎間関節への荷重を低減し、棘突起の間隔を増やし、椎間板への荷重を低減し、椎間板の間隔を増やし、さらに/あるいは他の方法で脊椎の疾患を治療するために、棘突起インプラントを使用することができる。脊椎インプラントのための技法は、手術部位の組織を改変せずにそのままにすることを含むことができ、あるいは埋め込み部位の組織を、トリミング、やすり掛け、粗面化、および/または他のやり方での組織の改変など、組織を改変することを含むことができる。
【0021】
[0087]例えば、図1〜3は、スペーサ102と複数の保持部材とを備える脊椎インプラント100を示しており、保持部材が、第1および第2の板状延長部104、105、ならびに展開可能な保持部材106、108、および110の形態である。スペーサ102は、近位端114と、遠位端116と、両者の間を延びる長手方向のスペーサ軸線118とを有する略円柱形の物体112である。遠位端116が、2つの骨(例えば、隣り同士の棘突起)の間へのスペーサ102の挿入を容易にするために、エッジへ向かって先細りになっている。遠位端は、上側ファセット120、下側ファセット122、および横ファセット124(1つが図示されている)によって定められている。
【0022】
[0088]第1の板状延長部104が、近位端の付近においてスペーサ102から半径方向外側へと突き出しており、第2の板状延長部105が、第1の板状延長部104の反対側でスペーサ102から半径方向外側へと突き出している。板状延長部104、105は、図1〜3に示されているようにスペーサ102と一体であってよく、あるいはモジュール式でスペーサ102から分離可能であってよい。板状延長部104、105は、棘突起126、128に当接することによって挿入ストッパをもたらす。
【0023】
[0089]展開可能な保持部材106、108、110を、スペーサ102内にあらかじめ設置することができ、あるいは手術中にスペーサ102へと挿入することができる。好ましくは、図2に示されているように、あらかじめ設置されてスペーサ102の内部に格納されている。展開可能な保持部材106、108、110の各々が、スペーサ102の内部から遠位端116を通ってスペーサ102の外部へと連絡するチャネル130、132、134へと案内される。展開可能な保持部材106、108、110は、近位端において接合されており、したがって一緒に動く。スペーサの内部は、非展開位置にあるときの展開可能な保持部材106、108、110を収容する空洞137を備えている。空洞137は、ねじ山を有しており、アクチュエータねじ138を軸線方向に移動する関係にて収容する。
【0024】
[0090]使用時、脊椎インプラント100が、図示のとおり、隣り合う棘突起126、128の間に挿入される。次いで、アクチュエータねじ138が回転させられ、スペーサ軸線118に沿って平行移動して、チャネル130、132、134を通って、展開可能な保持部材106、108、110を遠位方向へと押す。スペーサ102は、アクチュエータねじ138が回転させられるときにスペーサ102へと対抗トルクを加えるための工具を受け入れるために、近位端114に1対のソケット139を備えている。チャネル130、132、134は、展開可能な保持部材106、108、110をスペーサ軸線118から離れるように曲げて、棘突起126、128および/または周囲の軟組織を把持させるために、湾曲していることができる。また、展開可能な保持部材106、108、110を、あらかじめ曲げておき、図2の非展開位置へと装てんするときに弾性によって真っ直ぐにしてもよい。展開されるときに、あらかじめ曲げられた形状へと復帰することが可能である。展開可能な保持部材106、108、110を、好都合には、ニチノール(Nitinol)などの超弾性材料で製作することができる。また、患者の体温に応答して、図2の真っ直ぐな形状から図3の湾曲した形状へと形状を変化させてもよい。さらに、軟組織が、時間とともに展開可能な保持部材106、108、110の周囲に成長でき、展開可能な保持部材106、108、110へと付着でき、展開可能な保持部材106、108、110の周囲へと瘢痕化でき、さらには/あるいは他のやり方で展開可能な保持部材106、108、110を把持することができる。展開可能な保持部材110は、スペーサ102から展開されたときに開くループ140を形成するように、遠位端において割れており、ループ140の内側および周囲への組織の成長を容易にし、保持の強度を高めている。複数の穴142が、板状延長部104、105を周囲の骨および/または軟組織へと取り付けるための固定具を受け入れるために、板状延長部104、105を貫いて形成されている。そのような固定具は、上述した固定具のいずれかを含むことができる。図3の穴142のうちの1つに、ピン144が図示されている。
【0025】
[0091]図4および5は、形態および機能において図1〜3の脊椎インプラントに類似する脊椎インプラント200を示している。脊椎インプラント200が、スペーサ202、展開可能な保持部材204、およびスペーサ端部ピース206を含んでいる。スペーサ202および端部ピース206は、略円柱形であり、スペーサ軸線208に沿って整列し、端部ピース206に螺合するねじ棒210によって接続されている。ねじ棒210は、軸回転可能にスペーサ202に取り付けられ、ドライバ係合端212を備えている。展開可能な保持部材204がスペーサ202に固定され、端部ピース206のチャネル214にスライド可能に収容されている。
【0026】
[0092]使用時、脊椎インプラント200が、互いに隣接する骨(棘突起220、222など)の間に挿入される。ドライバ(図示されていない)が、ねじ棒210のドライバ係合端212に係合させられ、端部ピース206をスペーサ202に向かって移動させるべく回転させられると、保持部材204が、図5に示されているとおり、スペーサ軸線208から離れるようにチャネル214から突き出す。ねじ棒210が回転させられるときに対抗トルクを加えるために、工具(図示されていない)を、一方の端部ピース206の1つ以上のソケット224またはスペーサ202の切り欠き226に、係合させることができる。
【0027】
[0093]図6および7は、形態および機能において図1〜3の脊椎インプラントに類似する脊椎インプラント300を示している。脊椎インプラント300は、スペーサ302、コア304、およびコア304から延びる展開可能な保持部材306を備えている。展開可能な保持部材306は、コア304の各々の端部においてコア/スペーサ軸線308から放射状のアレイにて突き出している複数のワイヤを含んでいる。棘突起間に配置されるように設計されている図示の例では、小関節面および/または他の脊椎の構造との衝突を避けるために、前方へと突き出すワイヤは存在しない。コア304および展開可能な保持部材306は、スペーサ軸線308に平行にスペーサ302を貫いている通路309に収容されている。
【0028】
[0094]使用時には、スペーサ302が、互いに隣接する骨(棘突起310、312など)の間に配置される。コア304および展開可能な保持部材306を、図7に示されるように、あらかじめ途中まで挿入しておくことができ、スペーサ302の配置後に、コアを前進させて展開可能な保持部材306を展開することができる。あるいは、コアおよび展開可能な保持部材306が、スペーサ302から分離されていて、スペーサの配置後に挿入されてもよい。いずれの場合も、チューブ314を、展開以前の展開可能な保持部材306および/またはコア304を保持するために、随意により使用することができる。図7に示されるとおり、チューブ314を、通路309に整列させてスペーサ302に係合させることができ、コア304および展開可能な保持部材306が、展開可能な保持部材306が通路309の両端から展開されるまで、チューブ314から通路309へと押し込まれる。チューブ314を、残りの展開可能な保持部材306の展開を可能にするために回収することができる。
【0029】
[0095]図8〜11は、形態および機能において図1〜3の脊椎インプラントに類似する脊椎インプラント400を示している。脊椎インプラント400が、第1の端部404と、第2の端部406と、第1の端部404から第2の端部406へと延びるスペーサ軸線408とを有する略円筒形の中空スペーサ402を含んでいる。コア410を、スペーサ軸線408に沿ってスペーサ402の内部に配置することができる。随意により、複数の展開可能な保持部材412が、コア410の各々の端部においてスペーサ軸線408から離れるように放射状に突き出している。スペーサ402は、挿入を容易にすべく圧縮できるよう、超弾性金属またはポリマなどの圧縮可能材料で製作される。例えば、図9に示されているように、工具(図示されていない)の突起420をスペーサ402へと挿入し、スペーサ402を平たい楕円形へと引き伸ばすために広げることができる。次いで、スペーサ402を挿入し、スペーサ402が元の形状へと復帰できるように、突起を取り去ることができる。スペーサ402は、スペーサ402の弾性係数およびスペーサ402に作用する周囲の骨による荷重に応じて、完全な挿入前の高さを回復して骨を離間させることができ、あるいは途中まで回復するだけでもよい。次いで、コア410を、スペーサ402を回復後の高さに保つために挿入することができる。コア410を、スペーサ402へと押し込まれて、挿入後のスペーサ402の圧縮を阻止するように寸法付けることができ、あるいはコアを、弾性スペーサを提供すべくスペーサ402について所定の量の圧縮を許すように寸法付けることができる。随意による展開可能な保持部材412を省略し、脊椎インプラント400を図10に示されている状態で使用することが可能である。好ましくは、コア410が、展開可能な保持部材412を、コア410の各々の端部においてスペーサ軸線408から放射状に外側へと突き出すループのアレイとして展開することができるフィラメントの形態で備えることができる。保持部材412は、回収を物理的に阻止することによってスペーサ402を動かぬように保持することができる。また、保持部材412は、保持部材412の周囲の組織の成長によってもスペーサ402を保持することができる。
【0030】
[0096]図11は、展開可能な保持部材412の配置の1つのやり方を示している。複数のリング422が、コア410に取り付けられており、少なくとも1つのリング422が、コア410に沿って軸線方向に平行移動可能である。リングは、コア410の周囲をらせん状に巡る複数のフィラメント424によって接続されている。
【0031】
[0097]使用時、スペーサ402が、互いに隣接する骨(隣り合う棘突起など)の間に挿入され、コア410が、スペーサ402へと挿入される。少なくとも1つのリング422を、別のリング422に向かって動かすことで、フィラメント424がコアから離れるように曲げられ、図8に示されるとおりのループのアレイを形成する。あるいは、図7の実施形態と同様に、保持部材412をスペーサ軸線408と平行に折り畳んでもよい。
【0032】
[0098]図12〜14は、形態および機能において図1〜3の脊椎インプラントに類似する脊椎インプラント500を示している。脊椎インプラント500が、略円筒形の中空の本体504を有するスペーサ502を含んでおり、本体504が、第1の端部506と、第2の端部508と、第1の端部506から第2の端部508へと延びるスペーサ軸線510とを含んでいる。スペーサ502の端部は、隣り合う骨の間への挿入を容易にするために、先細りになっている。複数のチャネル512が、スペーサ軸線510に略平行に、第1の端部506から第2の端部508まで本体504を貫いて延びている。展開可能な保持部材514を、軸線方向にスライドできる関係でチャネル512に係合させることができる。図12〜14に示した例では、チャネル512および展開可能な保持部材514が、対をなす矩形の断面形状を有する。展開可能な保持部材514が、スペーサ軸線510から離れるように半径方向に延びて棘突起を把持するように湾曲している。
【0033】
[0099]使用時、脊椎インプラント500を棘突起の間に挿入できるよう、展開可能な保持部材514が真っ直ぐにされ、さらには/あるいは格納される。これは、さまざまなやり方で実現可能である。図13に示されるように、展開可能な保持部材514を、チャネル512を通って途中まで引っ込めることで、強制的に真っ直ぐにすることが可能である。展開可能な保持部材514は、完全に引き抜かれてしまうことがないようにするためのストッパを備えることができる。スペーサ502が棘突起の間に挿入された後で、展開可能な保持部材514を、チャネル512を通って送り込み、湾曲した形状を回復できるようにすることができる。あるいは、展開可能な保持部材514をスペーサ502から完全に分離し、スペーサ502が挿入されるまで、導入しないようにしてもよい。図14に示されるように、展開可能な保持部材514を真っ直ぐにし、脊椎インプラント500を、チューブ520を通って棘突起の間の空間へと挿入してもよい。図12は、展開可能な保持部材514が完全に展開されている挿入後の脊椎インプラント500を示している。
【0034】
[0100]図15は、図12〜14の脊椎インプラントと同様の脊椎インプラント600を示している。脊椎インプラント600が、図12〜14の矩形のリボン状の展開可能な保持部材514ではなくて、ワイヤの形態の展開可能な保持部材602を有する。
【0035】
[0101]図16は、図12〜14の脊椎インプラントと同様の脊椎インプラント700を示している。脊椎インプラント700が、通路704を有するスペーサを含んでおり、通路704が、スペーサ軸線706と平行にスペーサ702を貫いている。スペーサ702が互いに隣接する棘突起の間に挿入された後で、ワイヤの形態の前もって成形された展開可能な保持部材708が、通路704の第1の端部から第2の端部へと通路704を通って挿入され、第2の端部から現れて、前もって形成された形状へと復帰し、スペーサ軸線706に対して横方向にスペーサ702の外表面を超えて広がる。また、展開可能な保持部材が棘突起の両側において広がって、棘突起を捕まえることができるよう、展開可能な保持部材の端部は、スペーサ軸線の第1の端部においても、スペーサ軸線706に対して横方向に広がることができる。あるいは、展開可能な保持部材708が展開された後に、展開可能な保持部材708を通路704に固定するために、セットねじまたは他の機構を設けてもよい。図示の実施形態においては、展開可能な保持部材708が、コイルへとあらかじめ成形されている。
【0036】
[0102]図17〜19は、先の実施形態と同様の脊椎インプラント800を示している。脊椎インプラント800が、第1および第2の端部804、806と、両者の間を延びるスペーサ軸線808とを有するスペーサ802を含んでいる。スペーサ802は、くさび形、円柱形、楕円形、矩形、および/または任意の他の適切な形状であってよい。形状は、身体構造上の考慮事項にもとづくことができる。展開可能な保持部材が、スペーサ802の各々の端部804、806から延びる終端部810、812の形態で設けられている。終端部810、812は、図17に示されるとおりにスペーサ軸線808により近い密集位置または密集形状と、図18に示されるとおりにスペーサ軸線808から離れた膨張位置または膨張形状とを有する。図19は、密集位置および膨張位置を比較のために重ねて示している。図17〜19に示した実施形態においては、終端部810、812が、従来からのつる巻きばねコイルなどのコイルとして設けられており、密集位置が、きつく巻かれたコイルに相当し、膨張位置が、緩く巻かれたコイルに相当する。しかしながら、終端部810、812を、設計上の選択の問題として、フランジ、中実円板、突起、棒、などとして形作ることもできる。脊椎インプラント800は、少なくとも一方の終端部810、812を密集位置にして埋め込まれる。ひとたび配置されると、一方または両方の終端部を膨張させることができる。例えば、コイルの巻きを、コイル自身のばねの張力によって緩めることができる。あるいは、コイルを、例えば熱などによって活性化させ、膨張させることができる。スペーサ802が、隣り合う棘突起を隔て、膨張した終端部810、812が、スペーサ802を棘突起の間に維持する。
【0037】
[0103]終端部810、812は、別々の装置であってよいが、図17〜19に示した実施形態においては、終端部810、812が、スペーサ軸線808に沿ってスペーサ802を貫いて形成された通路814を通って接続されている。この実施形態においては、終端部810、812が、通路814内に配置された連続的なコイルの端部である。コイルを、終端部が棘突起に着座してスペーサ802を動かぬように堅固に保持する傾向を有するような緊張状態にあるように設計することができる。
【0038】
[0104]終端部810、812を、いくつかある任意の材料から形成することができるが、形状記憶金属合金またはポリマなどの超弾性材料が、好都合である。特に、形状記憶材料を、外傷の少ない装置の埋め込みを可能にするための第1の小型の形状を有するように設計することができる。ひとたび埋め込まれたならば、形状記憶材料を活性化することで、終端部810、812を密集位置から膨張位置へと移動させることができる。さらには、連続的なコイルの実施形態においては、コイルを、終端部を引き込むことによって棘突起へと着座させるように構成することができる。
【0039】
[0105]スペーサ802に、例えば外科用離間工具の突起を受け入れるための1つ以上の表面の溝816を設けることができ、そのようにすることで、スペーサを、棘突起を離間させた後で突起に沿って配置することができる。
【0040】
[0106]図20〜22は、図17〜19の装置の代案の装置を示しており、脊椎インプラント900が、スペーサ902およびスペーサ902の外側に巻き付いたコイル904を備えている。コイル904は、密集位置から膨張位置への変態を可能にする形状記憶特性を有することができ、あるいはコイル904を、膨張位置に向かって常に付勢しておくことができる。膨張位置に向かって常に付勢されている場合には、コイル904を、スリーブ906または他の包囲構造によって密集位置に保つことができる。脊椎インプラント900が、密集位置にて互いに隣接する骨(例えば、棘突起910、912)の間に配置され(図21)、スペーサ902を骨の間に保持するために膨張位置(図22)へと移行可能にされ、あるいは膨張位置へと移行させられる。代案として、スペーサ902を、脊椎インプラントの埋め込み後に取り除くことができ、あるいはコイル904だけがスペーサおよび保持部材の両方として機能するように、スペーサ902を完全に省略することができる。
【0041】
[0107]図23および24は、近位端1004と、遠位端1006と、両者の間を延びるスペーサ軸線1008とを有するスペーサ1002を備えている脊椎インプラント1000を示している。随意により、遠位端1006を、隣り合う骨の間への挿入を容易にするために、図示のとおりに先細りにすることができる。脊椎インプラント1000は、密集位置または収容位置(図23)と膨張位置または展開位置(図24)との間を回転するように、スペーサ1002へと回転可能に取り付けられた1つ以上の展開可能な保持部材を備えている。図23および24に示した実施形態においては、展開可能な保持部材が、スペーサ軸線1008から離れるように半径方向に延びているブラケット1012に取り付けられたワイヤ1010の形態である。ワイヤ1010が、ブラケット1012の間をスペーサ軸線1008に略平行に延び、その後に近位端1004および遠位端1006においてスペーサ軸線1008に対する横方向に曲げられている。スペーサ1002が、遠位端の付近に環状の溝1014を備えており、ワイヤ1010の遠位側が、密集位置または収容位置において溝1014に係合するように湾曲している。図23に示されるように、溝1014が、埋め込みを容易にすべくワイヤ1010の湾曲部が完全に引っ込むように、ワイヤ1010を収容することができる。ワイヤ1010の近位端は、埋め込みを容易にするために、密集位置または収容位置においてスペーサ1002の近位端1004の背後に位置する。脊椎インプラント1000が互いに隣接する骨(例えば、棘突起)の間に挿入された後で、ワイヤ1010を、スペーサ1002を骨の間に保持するために、収容位置から展開位置へと回転させることができる。図23および24に示した実施形態においては、埋め込み後にワイヤ1010を回転させるために、ワイヤの近位端にアクセスすることができる。ワイヤは、ブラケット1012との摩擦によって自身の位置を保つことができ、あるいは追加のロック機構を設けてもよい。例えば、ワイヤを受け止め、例えば展開位置に動かぬように保持するために、戻り止め1016を設けることができる。
【0042】
[0108]図25〜27は、第1の端部1104と、第2の端部1106と、両者の間を延びるスペーサ軸線1108とを有するスペーサ1102を備えている脊椎インプラント1100を示している。端部ピースの形態の1つ以上の展開可能な保持部材が、スペーサ軸線1108により近い収容位置とスペーサ軸線から遠ざかる展開位置との間を回転するように、スペーサ1102へと取り付けられている。例えば、脊椎インプラントは、1対の外側端部ピース1110および1対の内側端部ピース1112を、スペーサの各々の端部に1つの外側端部ピースおよび1つの内側端部ピースが位置するように備えることができる。外側端部ピース1110は、回転時にスペーサ軸線1108に近付き、あるいはスペーサ軸線1108から離れるよう、スペーサ軸線1108からオフセットされた軸線1114を中心にして回転するように取り付けられている。例えば、外側端部ピース1110を、一緒に回転するように共通のシャフト1116へと取り付けることができる。同様に、内側端部ピース1112も、オフセットされた軸線1118を中心にして回転するように共通のシャフト1120に取り付けることができる。好ましくは、内側ピース1112は、内側端部ピース1112および外側端部ピース1110が異なる方向に移動してスペーサ軸線1108から離れるよう、スペーサ軸線1108および外側端部ピース1110が取り付けられているシャフト1116の両方からオフセットされたシャフト1120に取り付けられる。図25〜27の例では、内側端部ピース1112が、図25に示されるとおりにスペーサ1102と同軸な収容位置へと回転できるよう、外側端部ピース1110のシャフトを避けるための逃げを有しており、例えば切り欠き1122(図27)を備えている。使用時に、脊椎インプラント1100は、図25の収容位置にて互いに隣接する骨(例えば、棘突起)の間に挿入される。ひとたびスペーサ1102が所望の位置に位置すると、外側および内側端部ピース1110、1112のうちの1つ以上を、スペーサ1102を動かぬように保持するために展開位置へと回転させることができる。ドライバ係合ソケット1124が、端部ピースの回転を容易にするために設けられる。任意の数の端部ピースを設けることが可能であり、スペーサの全体が端部ピースの連なりで形成されるインプラント1100も可能である。端部ピースを、互いに隣接する骨との所望の適合を達成するように、選択的に回転させることができる。端部ピースを、別々のシャフトに取り付けても、あるいは他のやり方で独立して回転するように取り付けることができる。端部ピースを、トルクしきい値に達したときに滑るように、シャフトへと取り付けることができる。例えば、複数の端部ピースが共通のシャフトにて一緒に回転させられ、1つの端部ピースが骨に当接する場合に、当接した端部ピースがシャフト上で滑ることで、残りの端部ピースを展開位置へと完全に回転させることができるよう、端部ピースをあらかじめ定められたトルクで滑るように取り付けることができる。
【0043】
[0109]図28および29は、図25〜27の脊椎インプラントに類似した脊椎インプラント1200を示している。脊椎インプラント1200は、スペーサ1202と、近位端1204と、遠位端1206と、両者の間を延びているスペーサ軸線1208とを備えている。板状または棒状の延長部1210の形態である固定の保持部材が、近位端1204の付近においてスペーサ軸線1208から遠ざかるように半径方向に延びている。端部ピース1212の形態の展開可能な保持部材が、遠位端1206に取り付けられている。端部ピース1212は、互いに隣接する骨の間への挿入を容易にするために、好ましくは図示のとおりに先細りである。端部ピース1212は、スペーサ軸線1208を横切る端部ピース回転軸線1214を中心にして回転するように、スペーサ1202へと取り付けられている。例えば、スペーサの遠位端1206は、スペーサ軸線1208を横切る遠位面1216と、遠位面1216に垂直に外へと突き出しているトラニオン1218とを備えている。端部ピース1212は、トラニオン1218を受け入れるためのソケット1222を備える対をなす近位面1220を備えている。端部ピース1212は、端部ピース1212がスペーサ軸線1208に略平行に延びる密集位置または収容位置(図28に示されている)から、端部ピース212がスペーサ軸線1288を実質的に横切るように延びる膨張位置または展開位置(図29に示されている)へと、回転軸線1214を中心にして回転可能である。端部ピース1212の回転を容易にするために、シャフト1224が、端部ピース1212からスペーサ1202の通路1226を通って近位端1204まで延びている。シャフト1224は、回転軸線1214に平行に延びることができ、あるいは図示のように曲げられてもよい。曲げられたシャフトは、可撓部、自在継手、かさ歯車、および/または曲げ部を通ってトルクを伝達できる何らかの他の機構を備えることができる。ドライバ係合ソケット1228が、端部ピースを回転させるための工具と係合するように、シャフトの端部に設けられている。
【0044】
[0110]図30〜33は、図28および29の脊椎インプラントに類似した脊椎インプラント1300を示している。脊椎インプラント1300は、近位端1304と、遠位端1306と、両者の間を延びるスペーサ軸線1308とを有するスペーサ1302を備えている。複数の展開可能な保持部材が、スペーサ軸線1308を横切る軸線を中心にして回転するように取り付けられた端部ピース1310、1312の形態で、各々の端部に設けられている。図30のスペーサ1302の切除部分によって明らかにされるとおり、端部ピースは歯車1314へと取り付けられ、歯車1314が、駆動シャフト1318上のさらなる歯車1316に係合している。駆動シャフト1318が回転するとき、端部ピース1310、1312が、図30〜32の収容位置から図33の展開位置へとスペーサ軸線1308から離れるように回転する。
【0045】
[0111]図34〜37は、第1の端部1404と、第2の端部1406と、両者の間を延びるスペーサ軸線1408とを有するスペーサ1402を備えている別の脊椎インプラント1400を示している。スペーサ1402は、円筒、矩形、くさび、円錐、および/または他の何らかの適切な形状の形態であり、スペーサ軸線1408を横切る方向に圧縮可能である。図34〜37に示した例では、スペーサが中空であり、弾性材料(好ましくは、超弾性材料)および/または形状記憶材料で作られている。脊椎インプラント1400は、スペーサ1402の端部1404、1406から遠ざかるように延びている1つ以上のアーム1410を備えている。アームも、好ましくは、超弾性材料などの弾性材料および/または形状記憶材料から作られている。密集位置または収容位置(図34)においては、スペーサ1402がスペーサ軸線1408に向かって半径方向に圧縮されており、アーム1410がスペーサ軸線1408に略平行に外へと延びている。膨張位置または展開位置(図36)においては、スペーサ1402がスペーサ軸線1408から離れるように広がり、アーム1410がスペーサ軸線1408に対して横方向に延びている。使用時、脊椎インプラント1400は、密集位置で互いに隣接する骨(例えば、棘突起1420、1422)の間に挿入され、その後に膨張位置(図37)への移行が可能にされ、あるいは膨張位置へと移行させられる。図34〜37に示した例では、アーム1410が、棘突起を把持すべくスペーサ1402に被さるように曲げ戻されたあらかじめ形成された形状を有する。図示の例では、アーム1410が、図1〜3の実施形態と同様の固定具を受け入れるための穴1424をさらに有する。さらに、スペーサ1402が、図9〜12の実施形態と同様に、最小限の膨張時高さを維持するために、コア(図示されていない)を収容することができる。
【0046】
[0112]図38および39は、スペーサ1502を備える脊椎インプラント1500を示しており、スペーサ1502が、図1〜3の実施形態と同様の固定具を受け入れるための1つ以上の穴1504を有する。図38および39に示した例では、スペーサ1502が中空円筒であり、穴1504が、円筒の壁を貫いて延びており、スペーサ1502の端部を巡って配置されている。穴1504を通って固定具を1つ以上の互いに隣接する骨および/または周囲の軟組織へと配置することによって、スペーサ1502を固定することができる。スペーサ1502を、一端において固定でき、両端において固定でき、隣接する1つの骨に関係する組織へと固定でき、隣接する複数の骨に関係する組織へと固定でき、さらには/あるいは固定の構成の任意の組み合わせが可能である。図39の例では、スペーサ1502が互いに隣接する棘突起の間に配置され、両端において周囲の軟組織1506へと縫い付けられる。
【0047】
[0113]図40は、図38および39の脊椎インプラントに類似した脊椎インプラント1600を示している。脊椎インプラント1600は、略中実なスペーサ1602を備えており、1つ以上の固定具1606を受け入れるための1つ以上の斜めの通路1604を備えている。好ましくは、通路1604は、図示のとおりにスペーサ軸線を横切ってスペーサの端部からスペーサの外表面へと通じている。スペーサ1602を、隣接する1つの骨へと、隣接する両方の骨へと、片側から、あるいは両側から取り付けることができる。例えば、片側性の施術においては、スペーサ1602を所定の位置に保持するために、固定具を一方の骨にのみ配置することができる。あるいは、スペーサ1602を所定の位置に保持するとともに、互いに隣接する骨を互いに動かぬように保持するために、固定具を互いに隣接する骨の各々へと配置することができる。図40の例では、ねじが、スペーサ1602の各側から互いに隣接する棘突起1610、1612へと配置される。
【0048】
[0114]図41は、図40の脊椎インプラントに類似した脊椎インプラント1700を示している。脊椎インプラント1700は、スペーサ1702、フランジ1704の形態の保持部材、および固定具1708を受け入れるべくフランジを貫いている穴1706を備えている。穴1706は、(図示のように)スペーサ軸線に平行であり得、あるいはスペーサ軸線に対して斜めでもよい。
【0049】
[0115]図42および43は、ベース1802とフック1806とを備える脊椎インプラント1800を示しており、ベース1802が、ベース軸線1804を有しており、フック1806が、ベース軸線1804から遠ざかるように実質的に横方向に延びている部位1808と、ベース軸線1804に略平行に延びている部位1810とを有する。さらに、脊椎インプラント1800は、ベース1802に係合させることができるスペーサ1812を備えている。スペーサ1812は、円柱形、矩形、円錐形、および/または他の任意の適切な形状であってもよい。図42および43に示した例では、スペーサ1812が略円錐形であり、軸線方向に平行移動する関係でベース1802に螺合する。使用時には、フック1806が1つ以上の隣接する骨の一部分の周囲に配置される。例えば、図42に示されるように、互いに隣接する棘突起の間に、一方の棘突起を捕まえるように挿入することが可能である。スペーサが、図43に示されるように、棘突起を所望の距離だけ引き離す。脊椎インプラント1800は、先の例と同様の片側性の最小限の侵襲での配置を可能にし、さらには円錐形のスペーサ1812の軸線方向の位置によって決定される調節可能な間隔を可能にする。
【0050】
[0116]図44〜46は、スペーサ1902と展開可能な保持部材1904とを備える脊椎インプラント1900を示している。スペーサ1902が、上側表面1908および下側表面1910を有する割れた本体1906を備えている。上側表面1908および下側表面1910は、ドライバ1912へと可動に接続されている。ドライバ1912にねじ1914が取り付けられており、ねじ1914は、ドライバ1912から上側表面1908および下側表面1910の間をくさび1918のねじ穴1916へと延びている。動作時、ドライバ1912を回転させることで、ねじ1914が穴1916へとねじ込まれ、結果としてくさび1918が、上側表面1908および下側表面1910の間を移動する。くさび1918がさらに表面1908、1910の間へと移動するにつれて、表面1908、1910が引き離されて、スペーサ1902の高さが増加する。チャネル1920とリブ1922との組み合わせが、表面1908、1910に対するくさび1918の移動に安定をもたらす。スペーサ1902の保持は、上述したコイル、フランジ、円板、ワイヤ、および/または他の突起を使用して達成できる。例えば、挿入のためにスペーサ軸線1924に平行に畳むことができる弾性ワイヤの形態の展開可能な保持部材1904が、スペーサ1902の横保持をもたらすことができる。
【0051】
[0117]図47および48は、スペーサ2002を備える脊椎インプラント2000を示している。スペーサ2002は、大まかには、内腔2004を有する円筒またはスリーブとして形作られている。すき間2006またはスロットが、スペーサ2002の全長にわたって延びている。内腔2004は、完全な貫通穴であってよく、あるいは安定化のために中央の壁または栓(図示されていない)が存在してもよい。さらに、脊椎インプラント2000は、略円錐形またはくさび形を有する端部キャップ2010を備えている。端部キャップ2010が内腔2004へと押し込まれ、あるいはねじ込まれるとき、すき間2006があるため、キャップ2010の形状ゆえに、スペーサ2002の直径を広げることができる。すき間2006を、適切な弾性材料で満たすことができる。成形されたキャップ2010に代えて、キャップ2010を、形状記憶合金、ばね鋼、樹脂、ポリマ、などといった膨張可能な材料で製作して、同じ結果を達成することもできる。スペーサの横方向の保持は、上述および後述のコイル、フランジ、円板、ワイヤ、および/または他の突起を使用して達成でき、この実施形態に関しては再度の説明は省略する。
【0052】
[0118]図49および50は、図47および48の脊椎インプラントに類似の脊椎インプラント2100を示している。脊椎インプラント2100は、巻かれたシートの形態のスペーサ2102を有する。スペーサ2102は、コイルが自身の周囲を何度も回ってスペーサ軸線2104により近く位置する密集位置(図49)から、(例えば、ただ1つの連続リングを形成するように)巻きの数がより少なくなってスペーサ軸線2104から遠ざかる膨張位置(図50)へと、スペーサを緩めることによって可動である。スペーサは、スペーサ2102の膨張量を制限すべく図50に示されるように係合することができる内側および外側のフック状の縁2106、2108を有する。さらに、脊椎インプラント2100は、スペーサ2102を潰れぬように支持するために、先の実施形態に示したような栓またはコアを含むことができる。スペーサの横方向の保持は、上述および後述のコイル、フランジ、円板、ワイヤ、および/または他の突起を使用して達成でき、この実施形態に関しては再度の説明は省略する。
【0053】
[0119]図51および52は、図49および50の脊椎インプラントに類似した脊椎インプラント2200を示している。脊椎インプラント2200は、コイル状に巻かれたシート状のスペーサ2202を備えており、タブ2204が、スペーサ2202の膨張量を制限すべくスロット2206に係合するために、シートから突き出している。タブ2204および/またはスロット2206を、コイル状のスペーサ2202の内縁および外縁に配置することができ、あるいは両縁の中間の1つ以上の位置に配置することができる。例えば、スペーサは、一端に位置するタブ2204と、スペーサを種々のサイズに固定することができるように複数の位置に配置されたスロットとを有することができる。さらに、脊椎インプラント2200は、スペーサ2202を潰れぬように支持するために、先の例に示したような栓またはコアを含むことができる。スペーサの横方向の保持は、上述および後述のコイル、フランジ、円板、ワイヤ、および/または他の突起を使用して達成でき、この実施形態に関しては再度の説明は省略する。
【0054】
[0120]図53および54は、ポリマまたは樹脂材料などの弾性材料で形成されスペーサ軸線2303を有するスペーサ2302を備える脊椎インプラント2300を示している。例えば、スペーサ2302は、ヒドロゲルや他の複合またはポリマ材料(シリコーン材料など)であってよい。内腔2304が、スペーサ2302を貫いてベース2306へと延びている。ベース2306は、挿入を容易にするためにくさび形または円錐形を有して図示されているが、丸みのある形状または尖っていない形状など、任意の形状であってもよい。弾性アーム2308の形態の展開可能な保持部材が、ベース2306に取り付けられている。使用時、ベース2306が、互いに隣接する骨(例えば、棘突起)の間にスペーサ軸線2303と平行に挿入される。棘突起を通過するとき、アーム2308は、スペーサ軸線2303により近く位置して、スペーサ軸線に略平行にスペーサ2302の側面に沿って位置する挿入のための密集位置または収容位置へと畳まれる(図53)。アーム2308は、ひとたび棘突起を過ぎると、スペーサ軸線2303を横切る方向に外へと突き出す保持のための膨張位置または展開位置へと復帰する(図54)。好ましくは、アーム2308は、挿入後の保持を向上させるために、一方向にしか畳まれない。さらに、脊椎インプラント2300は、内腔2304を通って延びてベース2306に螺合することができるねじ棒などの突起2312を有するプレート2310を備えている。例えばねじをベース2306へとねじ込むことによって、スペーサ2302が圧縮され、スペーサ2302の直径が大きくなって、棘突起を離間させる力がもたらされる。横方向の安定は、棘突起の各側においてスペーサ軸線2303から離れるように延びるプレート2310およびアーム2308によってもたらされる。
【0055】
[0121]ベース2306への螺合に代えて、ボルトをベースおよびプレート2310に取り付け、スペーサ2302をナット2314で圧縮することができる。ラチェット、圧入、リベット、および/または他の任意の適切な機構など、他の機構もスペーサ2302を圧縮するために使用することができる。
【0056】
[0122]図55〜57は、ベースプレート2402とくさびプレート2404とを備える脊椎インプラント2400を示している。ベースプレート2402が、矩形の形状を有するものとして示されているが、円形、楕円形、正方形、半円形、三角形、台形、あるいは不規則形など、任意の形状が可能である。ベースプレート2402は、貫通穴2406(図示の例では正方形である)と2つの取り付けタブ2408とを有する。取り付けタブは、穴2410を有する。
【0057】
[0123]くさびプレート2404は、ベースプレート2402と同様の矩形の形状を有するものとして示されているが、ベースプレート2402およびくさびプレート2404は、必ずしも同じ形状を有する必要はない。さらに、くさびプレート2404は、ベースプレート2402に関して説明したような多数の考えられる形状を有することができる。くさび突起2414が、くさびプレート2404の第1の面から延びている。くさび突起2414は、真っ直ぐな側面を有する略三角形の形状を備えて図示されているが、側面が丸みを帯びており、斜めにされており、湾曲しており、弓なりであり、凸状であり、あるいは凹状であるなど、他の形状も可能である。くさび突起2414は、くさびプレート2404から遠ざかるにつれて実質的に収束する上側表面2416および下側表面2418を有する。くさび突起2414は、くさび突起2414の一部分を貫いて延びる溝穴2420を有する。必須ではないが、身体構造上の要因に依存するが、溝穴2420は、上側表面2416および下側表面2418の間の中間に位置することができる。くさび突起2414および貫通穴2406は、ベースプレート2402とくさびプレート2404とが当接できるように寸法付けられているが、典型的な埋め込み後の構成においては、ベースプレート2402およびくさびプレート2404は、図57に示されるように骨(例えば、棘突起)がベースプレート2402とくさびプレート2404との間に介在するため、実際には当接しないと考えられる。
【0058】
[0124]図56および57に最もよく見られるように、使用時に、くさび突起2414が貫通穴2406内に位置したときに、コネクタ2422が穴2410および溝穴2430を通って延びてベースプレート2402およびくさびプレート2404を接続できるよう、取り付けタブ2408の穴2410が溝穴2420に実質的に整列する。典型的には、コネクタ2422は、ねじおよびナットを備えているが、任意の従来からのコネクタを使用することが可能である。最初に埋め込まれるときに、ベースプレート2402およびくさびプレート2404が、上側の棘突起2450および下側の棘突起2452の周囲に整列させられる。コネクタ2422が、取り付けタブ2408と、くさび突起2414とを接続する。必須ではないが、理想的には、コネクタ2422が締められず、ベースプレート2402およびくさびプレート2404がお互いに対して動くことができるが、初期の状態においては、互いに近付く移動だけが可能である。ひとたびプレートが適切な間隔にて整列させられると、コネクタ2422を締めて、脊椎インプラント2400をその場に固定することができる。必須ではないが、理想的には、脊椎インプラント2400が棘突起間の空間から背中側へと移動することがないように、棘上靱帯が手つかずのままである。あるいは、随意により、ベースプレート2402およびくさびプレート2404が、縫合穴2424(図57)を備えることができる。縫合糸2426が、縫合穴2424へと接続されて、上側の棘突起2450および下側の棘突起2452を横切ることができる。さらには、わずかに1対の穴が1対の縫合糸とともに示されているが、より多く設けることも可能である。さらには、縫合糸2426を、ケーブル、ワイヤ、バンド、または他の可撓かつ生体適合性のコネクタを広く指すものと解釈されたい。そのような縫合糸を縛ることができ、あるいは結び目、ケーブルロック、またはクリンプを使用して固定することができる。
【0059】
[0125]図58は、形態および機能において図55〜57の脊椎インプラントに類似する別の脊椎インプラント2500を示している。脊椎インプラント2500は、ベースプレート2502およびくさびプレート2504を備えている。ベースプレート2502は、取り付けタブ2506および穴2508を備えている。くさびプレート2504は、少なくとも1つのくさび突起2510を有するが、装置の安定性を向上させるためには、2つのくさび突起2510が設けられる。2つのくさび突起2510が、取り付けタブ2506を受け入れるための突起溝2512を形成し、或る程度の追加の安定性をもたらす。くさび突起2510は、溝穴2514を有する。取り付けタブ2506およびくさび突起2510の両者が、くさび形であるとして図示されているが、必ずしもくさび形である必要はない。穴2508および溝穴2514は、両者の間にコネクタ2516を取り付けて、ベースプレート2502およびくさびプレート2504を一体に結合できるよう、整列している。代案として、穴2508が溝穴として形成されることができ、溝穴2514が穴として形成されることができ、あるいはプレートの横方向の調節を可能にするために、すべてが溝穴であり得る。
【0060】
[0126]図59は、図58の脊椎インプラントに類似しているが、穴およびコネクタの代わりに、突起溝2604の内側および取り付けタブ2606の表面に突起2602が形成されている別の脊椎インプラント2600を示している。突起2602は、リブ、ピン、段差、返し、フランジ、くぼみ、戻り止め、チャネル、溝、歯、および/または他の適切な突起であってよい。突起2602は、ラチェット機構と同様に機能することができ、ベースプレートおよびくさびプレートをお互いに向かって動かして、互いに隣接する骨(例えば、棘突起)の間隔を広げることができるように構成することが可能である。突起2602は、プレートが押し合わせられた後にプレートが移動して離れることがないように係合する。突起2602を解放して、プレートの分離を可能にするために、突起溝2604を、例えばてこで開くことによって広げることができる。
【0061】
[0127]図60および61は、脊椎インプラント2700を示している。脊椎インプラント2700は、スペーサ軸線2701と、第1のパーツ2702と、第2のパーツ2704とを有するスペーサを備えている。第1のパーツ2702は、第1の端部2708および第2の端部2710を有する本体2706を有する。1つ以上の横壁2712が、第1の端部2708においてスペーサ軸線2701を横切るように第1のパーツ2702から延びている。壁2712は、第1の側において上側および下側の棘突起に沿って延びるように構成されている。第2の端部2710は、上側および下側の棘突起の間の空間に位置するように構成されている。第2のパーツ2704が、第1の端部2716および第2の端部2718を有する本体2714を有する。1つ以上の横壁2720が、第1の端部2716においてスペーサ軸線2701を横切るように第2のパーツ2704から延びている。壁2720は、第2の側において上側および下側の棘突起に沿って延びるように構成されている。第2の端部2718は、上側および下側の棘突起の間の空間に位置するように構成されている。横壁2712、2720を、身体の構造に合わせて形作ることができる。第1のパーツ2702の第2の端部2710および第2のパーツ2704の第2の端部2718が、当接または係合する。この係合を強化するために、さまざまな造作を設けることができる。例えば、第2の端部が、1つ以上のチャネルおよび/またはチャネルにはまり込む1つ以上の突起を備えることができる。第1および第2のパーツを整列した状態に保つため、両者を貫いて延びる穴にセットねじなどを螺合させることができる。しかしながら、後述のように、セットねじおよび穴は随意である。端部は、単純に当接するだけでよく、あるいは緩衝する表面を有してもよいため、互いに噛み合うチャネルおよび突起は、随意である。端部を、挿入を容易にするため、および/または当接面積を増やすために、図示のようにスペーサ軸線2701を横切るように斜めにすることができる。いくつかの他の例が、図62〜67に関して後述される。
【0062】
[0128]さらに図60および61を参照すると、1つ以上の貫通溝または穴2722が、第1および第2のパーツ2702、2704を貫いて延びている。案内ワイヤ2732が、スペーサ軸線2701と略平行にチャネル2722を通って延びている。案内ワイヤ2732を、ワイヤ、(金属またはポリマ素線で作られた)編みケーブルまたは縒りケーブル、縫合材料、(編まれており、あるいは中実である)金属またはポリマの平帯、ならびに/あるいは他の適切な材料および構成で形成することができる。複数の貫通溝は、図61に示されるとおり、案内ワイヤ2732が第1の端部2702の周囲にループを形成することを可能にする。案内ワイヤ2732の端部を、タイ、クリンプ、結び目、ツイストロック、ケーブルロック、および/または他の適切な接続などによって、第2の端部を巡って接続することができる。案内ワイヤ2732がループを形成しない場合、案内ワイヤ2732を、ケーブルロック、クリンプ、結び目、および/または任意の他の適切な固定装置など、固定装置を使用して、第1および第2の端部の両方に固定することができる。案内ワイヤ2732が、第1のおよび第2のパーツを一体に固定された状態に保つ。
【0063】
[0129]図62および63は、第1および第2のパーツをお互いに対して安定させるために第1のパーツ2702から延びているスロット2802に係合すべく第2のパーツ2704から延びる突起2804を備えている点を除き、図60および61の脊椎インプラントと同様の脊椎インプラント2800を示している。
【0064】
[0130]図64は、第1のパーツ2702がスロット2902を定めており、第2のパーツ2704がスロット2902に係合する刃状の先端部へと先細りにされている点を除き、図60および61の脊椎インプラントと同様の脊椎インプラント2900を示している。
【0065】
[0131]図65および66は、第1のパーツ2702が、中央のくさび状の壁3004によって隔てられた先細りの側面の切り欠き3002を定めており、第2のパーツ2704が、くさび状の第2の端部3006へと先細りになっている点を除き、図60および61の脊椎インプラントと同様の脊椎インプラント3000を示している。くさび状の第2の端部が、溝3008によって分割されている。第1および第2のパーツが押し合わされるとき、壁3004が溝3008に係合し、くさび状の第2の端部3006が、側面の切り欠き3002に係合する。やはり、図65および66の実施形態においても、第1および第2のパーツ2702、2704は、これらのパーツを一体に固定するために固定具を受け入れるために、スペーサ軸線2701を横切る1つ以上の穴3010、3012を有する。
【0066】
[0132]図67は、図60〜66の脊椎インプラントに類似した脊椎インプラント3100を、埋め込みされた状態で示している。第1および第2のパーツ2002、2704が、クリンプ3104によって各々の端部に固定されたただ1つの案内ワイヤ3102によって一体に固定されている。通路3106が、横壁2712、2720を貫いて設けられている。縫合糸、ワイヤ、ケーブル、帯、または他の可撓な生体適合性材料3108を、通路3106を通り、棘突起を超え、さらには/あるいは棘突起を貫いて延ばすことができる。可撓な生体適合性材料3108は、(上側の棘突起3110について図示されているように)1つの棘突起の下方または上方を巡ることができ、(下側の棘突起3112について図示されているように)1つの棘突起の周囲を巡ることができ、あるいは両方の棘突起の周囲を巡ることができ、あるいはこれらの組み合わせであってもよい。可撓な生体適合性材料3108を、上述と同様の固定装置を使用して固定することができる。可撓な生体適合性材料3108および案内ワイヤ3102は、随意により同じ構成部材であってもよい。
【0067】
[0133]図68は、図60〜67の脊椎インプラントを埋め込むための1つの典型的な方法を説明するフロー図である。最初に、患者が、脊椎インプラントの埋め込みについて準備される(ステップ3202)。患者の準備として、例えば、脊椎分節へのアクセスをもたらす1つ以上の切開の形成、案内ワイヤの配置、などを挙げることができる。手術部位が、従来からの離間ツールを使用して広げられる(あるいは、スペーサそのものによって離間を生じさせることができる場合には、測定される)(ステップ3204)。ひとたび露出されると、棘突起の間の空間が、脊椎インプラントを受け入れるように準備される(ステップ3206)。これは、典型的には、脊椎インプラントを受け付けるように、棘突起を準備することを含み、棘突起の一部分の除去、ならびに脊椎インプラントの埋め込みを妨げかねず、さらには/あるいは脊椎インプラントを押しのける傾向の力をもたらしかねない筋肉、腱、および靱帯の除去を含むことができる。脊椎インプラントの第1のパーツが、案内ワイヤによって、切開などを通って手術部位へと挿入される(ステップ3208)。ひとたび手術部位に位置すると、脊椎インプラントの第1のパーツを、横壁が上側および下側の棘突起の第1の側に軽く当接し、第2の端部が棘突起の間の空間へと延びるように、配置または整列させることができる(ステップ3210)。一般に、これは、第1のパーツが棘突起の間の空間を通って埋め込まれることを意味する。上述のように脊椎インプラントの第1のパーツへと取り付けられた案内ワイヤが、第1のパーツの第2の端部から延び、脊椎インプラントの第2のパーツへと取り付けられる。したがって、医師が案内ワイヤに沿って第2のパーツを挿入する(ステップ3212)。第1および第2のパーツを、工具を使用して配置することができ、あるいは医師が、手および指を使用してパーツを配置できることに、注意すべきである。案内ワイヤを使用し、脊椎インプラントの第1のパーツおよび第2のパーツを整列させるべく、第2のパーツの突起(存在する場合)が第1のパーツのチャネル(存在する場合)へと挿入される(ステップ3214)。第1のパーツおよび第2のパーツを対にするために、圧縮力が加えられる(ステップ3216)。圧縮力を、案内ワイヤのクリンプ、ケーブルロックの装着、別途のクランプ、などによって加えることができる。ひとたび充分に圧縮されると、第1のパーツおよび第2のパーツは一体に固定される(ステップ3218)。随意により、余分な案内ワイヤを切断して除去することができ、あるいは堅固な着座をもたらすために、互いに隣接する上側および下側の棘突起の周囲に巡らせることができる(ステップ3220)。ひとたび棘突起の間の空間に組み合わせられると、脊椎分節の離間を緩めることができ(ステップ3222)、患者の手術部位を閉じることができる(ステップ3224)。
【0068】
[0134]図69は、脊椎インプラント3300を示している。脊椎インプラント3300は、上側棘突起座3302および下側棘突起座3304を備えている。図示のように、座3302および3304は、U字および逆U字の形状を形成しているが、各々の座について四角い溝形状、C字形、および/または他の任意の適切な形状など、他の形状も可能である。しかしながら、図示のような鞍状の形状が、上手く機能すると考えられる。
【0069】
[0135]座3302は、上側の棘突起に接触する表面3306と、上側の棘突起の各側を横切って上側の棘突起を座3302に捕まえる壁3308とを備えている。壁3308は、末狭まり、末広がり、または互いに平行であることができる。壁3308は、むしろ隆起、リブ、または段差に類似していて、棘突起のうちのわずかな部分を横切るだけでよく、あるいはより長くて、棘突起の大部分を横切ることができる。表面3306および壁3308は、不連続であることができ、あるいは鞍のように形作られて、上側の棘突起を載せることができる滑らかな表面を形成することができる。一方の壁3308に、下側の座3304に向かって延びる垂直離間柱3310が取り付けられる。垂直離間柱3310が1つだけ図示されているが、複数の柱も可能である。さらに、複数の柱が使用される場合、垂直離間柱3310を、上側棘突起座3302の両側に位置させることができる。真っ直ぐな柱として図示されているが、垂直離間柱3310は、身体構造上の考慮事項などに応じて、湾曲していることも、真っ直ぐであることもできる。
【0070】
[0136]座3302と同様に、座3304は、下側の棘突起に接触する表面3306と、下側の棘突起の各側を横切って下側の棘突起を座3304に捕まえる壁3308とを備えている。一方の壁3308(垂直離間柱3310に対応する側の壁)に、取り付けタブ3312が取り付けられている。取り付けタブ3312は、垂直離間柱3310が通過する垂直穴3314を有する。座3304を、垂直離間柱3310に沿って動かして、座3302へと近付けることができ、座3302から離すことができる。取り付けタブ3312は、さらに水平穴3316を備えている。水平穴3316は、垂直穴3314に交差する。座装置3318を、水平穴3316に挿入することができる。図示のとおり、水平穴3316には、セットねじなどを受け付けるためのねじ山が設けられている。
【0071】
[0137]使用時、医師は、上側および下側の棘突起を離間させ、脊椎インプラント3300を埋め込むことができる。座3302および3304を、所望の離間に設定することができ、座3302および3304を設定された離間距離に固定すべく垂直離間柱3310を垂直穴3314内に据えるための着座力を加えるために、例えばセットねじ3318を水平穴3316へとねじ込むことができる。
【0072】
[0138]垂直離間柱3310および/または垂直穴3314に、垂直離間柱3310が垂直穴3314から抜けてしまうことがないように、突起3319または戻り止めを配置することができる。
【0073】
[0139]図70は、別の座3400および3402を示している。座3400および3402は、入れ子になるように設計され、すなわち噛み合うように設計されている。この点で、座3400は、1つ以上の第1のブレード3404または複数の表面を、第1のすき間3406によって第1のブレード3404が隔てられるように離間させて有する。座3402も、同様に、1つ以上の第2のブレード3408または複数の表面を有することができる。座3402は、便宜上、第2のブレードを1つだけ備えて図示されている。第2のプレート3408は、座3400および3402を入れ子にでき、すなわち噛み合わせることができるよう、第1のすき間3406に整列している。同様に、第1のブレード3404を、第2のすき間(図示されていない)に整列させることができる。第1のブレード3404または第2のブレード3408のいずれか(図示では、第1のブレード3404)を、垂直離間柱3410に取り付けることができ、第2のブレード3408または第1のブレード3404(図示では、第2のブレード3408)を、取り付けタブ3412に取り付けることができる。
【0074】
[0140]脊椎インプラントの例およびその使用について詳しく説明および図示したが、それらが説明および例示を目的としているにすぎず、本発明を限定するものとして受け取るべきではないことを、理解されたい。本発明を、人間の脊柱の互いに隣接する棘突起の離間に使用される脊椎インプラントの形態で説明した。しかしながら、脊椎インプラントを、脊柱の他の部位または他の骨を離間させるように構成することができる。したがって、脊椎インプラントおよびその使用について、変種および変更が当業者にとって明らかであろう。例示した種々の実施形態は、スペーサ、保持部材、さらなる固定具、などといった種々の構成部品について、選択肢となる構成を示している。多くの場合、当業者であれば理解できるとおり、一実施形態における或る構成部品の一選択肢の構成を、別の実施形態の同様の構成部品で置き換えることが可能である。例えば、一実施形態における異なる形状または膨張可能なスペーサを、別の実施形態のスペーサで置き換えることができる。同様に、保持部材を展張させるための種々の機構、またはさらなる固定具をもたらすための種々の機構も、置き換えが可能である。さらには、典型的な実施形態の全体において、対をなす関係の構成部品が例示されている場合に、それら構成部品の雄雌を逆にしてもよいことは、この技術分野において公知のとおりであり、本発明の技術的範囲に包含される。以下の特許請求の範囲は、そのような変更および均等物をすべて包含する。
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2008年1月11日に出願された「SPINAL IMPLANTS AND METHODS」という名称の米国特許出願第12/013,351号の部分継続出願であり、米国特許出願第12/013,351号は、2005年12月2日に出願された「INTERSPINOUS DISTRACTION DEVICES AND ASSOCIATED METHODS OF INSERTION」という名称の米国特許出願第11/293,438号の部分継続出願であり、米国特許出願第11/293,438号は、2005年10月25日に出願された「INTERSPINOUS DISTRACTION DEVICES AND ASSOCIATED METHODS OF INSERTION」という名称の米国特許出願第11/257,647号の部分継続出願であり、これらの各出願は、その全体がここでの言及によって本明細書に援用される。
【0002】
本出願は、2007年11月2日に出願された「SPINOUS PROCESS IMPLANTS AND ASSOCIATED METHODS」という名称の米国特許出願第11/934,604号の部分継続出願でもあり、米国特許出願第11/934,604号は、その全体がここでの言及によって本明細書に援用される。
【0003】
さらに、本出願は、2007年1月11日に出願された「SPINAL STABILIZATION」という名称の米国特許仮出願第60/884,581号、2004年10月25日に出願された「INTERSPINOUS DISTRACTION DEVICES AND ASSOCIATED METHODS OF INSERTION」という名称の米国特許仮出願第60/621,712号、2004年12月3日に出願された「INTERSPINOUS DISTRACTION DEVICES AND ASSOCIATED METHODS OF INSERTION」という名称の米国特許仮出願第60/633,112号、2004年12月29日に出願された「INTERSPINOUS DISTRACTION DEVICES AND ASSOCIATED METHODS OF INSERTION」という名称の米国特許仮出願第60/639,938号、2005年2月21日に出願された「INTERSPINOUS DISTRACTION DEVICES AND ASSOCIATED METHODS OF INSERTION」という名称の米国特許仮出願第60/654,483号、2005年4月14日に出願された「INTERSPINOUS DISTRACTION DEVICES AND ASSOCIATED METHODS OF INSERTION」という名称の米国特許仮出願第60/671,301号、2005年5月6日に出願された「INTERSPINOUS DISTRACTION DEVICES AND ASSOCIATED METHODS OF INSERTION」という名称の米国特許仮出願第60/678,360号、および2007年4月17日に出願された「FUSION PLATE WITH REMOVABLE OR ADJUSTABLE SPIKES」という名称の米国特許仮出願第60/912,273号の利益を主張し、これらの各出願は、その全体がここでの言及によって本明細書に援用される。
【技術分野】
【0004】
[0001]本発明は、脊椎インプラントおよび関連の方法に関する。
【背景技術】
【0005】
[0002]人間の脊柱の椎骨は、上下に次々と重ねて柱状に配列される。隣合う椎骨間には、隣合う椎骨間で力を伝達しかつそれらの間にクッションを提供する椎間板が存在する。椎間板は脊柱の屈曲および捩りを可能にする。年齢と共に椎間板の破壊または変性が始まり、結果的に椎間板の流体の損失が生じ、したがって結果的に椎間板の柔軟性が低下する。同様に、椎間板が薄くなり、椎骨を互いに接近させる。変性の結果、椎間板の外層すなわち線維輪に断裂または亀裂が生じることもあり得る。椎間板が、外向きに膨隆し始めることがあり得る。より重篤な事例では、椎間板の内部物質すなわち髄核が事実上、椎間板から外に押し出され得る。椎間板の変性変化に加えて、脊柱は自動車事故、転落、力仕事、および他の活動による外傷のため変化をきたし得る。さらに、脊椎狭窄として知られるプロセスで、過度の骨成長、脊柱管内の(靭帯のような)組織の肥厚、または両方のため、脊柱管は狭窄する。これらの状態の全てにおいて、脊髄および脊髄神経根が通過する空間が狭められて、神経組織の圧迫を導き、それは身体の種々の部分の疼痛、しびれ感、脱力感、または麻痺さえも引き起こすことがあり得る。最後に、隣合う椎骨間の椎間関節が変性し、限局痛および/または放散痛を引き起こすことがあり得る。上記状態の全てを集合的にここでは脊柱疾患と呼ぶ。
【0006】
[0003]従来、外科医は、隣合う椎骨間の正常な間隔を回復しようと試みることによって脊柱疾患を治療している。これは、冒された神経組織から圧力を解放するのには充分であり得る。しかし、神経組織を侵害している椎間板物質、骨、または他の組織を外科的に除去し、かつ/または椎間関節を創傷清拭することもしばしば必要である。ほとんどの場合、椎骨間隔の回復は、骨、金属、またはプラスチックから作られた剛性スペーサを隣合う椎骨間の椎間板空間内に挿入し、かつ椎骨を合体または融合させて単一の骨片にすることによって達成される。椎骨は一般的に、この融合プロセス中、隣合う椎骨に固定された骨プレートおよび/またはペディクルスクリュを使用して安定化される。
【0007】
[0004]椎間スペーサ、プレート、およびペディクルスクリュ固定システムを配置するための技術は近年、低侵襲性になってきたが、それらは依然として、脊柱に隣接する手術部位の深部にハードウェアを配置することが必要である。そのような外科手術からの回復は、数日の入院および正常な活動レベルまで長期の緩慢なリハビリテーションを必要とすることがあり得る。
【0008】
[0005]最近になって研究者らは、隣合う椎骨が相互に対して動くことを可能にする可動性維持インプラントおよび技術の使用を促進してきた。わずかしか成功していない1つのそのようなインプラントとして、人工椎間板インプラントがある。これらは一般的に、椎間板空間に挿入される可撓性物質または2部品構成接合関節のいずれかを含む。別のそのようなインプラントとして、隣合う椎骨の後方に延びる棘突起間に挿入され、脊柱が伸張するときに伸張停止体として働きかつ棘突起間の最小間隔を維持する、棘突起スペーサがある。棘突起スペーサは、脊柱が屈曲したときに隣合う棘突起を離間させることができる。
【0009】
[0006]本発明の種々の実施形態を、添付の図面を参照しつつ説明する。これらの図面は、本発明の例示の実施形態を示すにすぎず、本発明の範囲を限定するものと考えるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明による脊椎インプラントの斜視図である。
【図2】図1の脊椎インプラントの断面図であり、第1の位置にあるインプラントを示している。
【図3】図1の脊椎インプラントの断面図であり、第2の位置にあるインプラントを示している。
【図4】本発明による脊椎インプラントの正面図であり、第1の位置にあるインプラントを示している。
【図5】図4の脊椎インプラントの正面図であり、第2の位置にあるインプラントを示している。
【図6】本発明による脊椎インプラントの斜視図である。
【図7】図6のインプラントの断面図である。
【図8】本発明による脊椎インプラントの斜視図である。
【図9】第1の位置にある図8の脊椎インプラントのスペーサ構成部品の斜視図である。
【図10】第2の位置にある図8の脊椎インプラントのスペーサ構成部品の斜視図である。
【図11】第1の位置にある図8の脊椎インプラントのコア構成部品の正面図である。
【図12】本発明による脊椎インプラントの斜視図である。
【図13】挿入の一方法を示している図12の脊椎インプラントの斜視図である。
【図14】別の挿入方法を示している図12の脊椎インプラントの斜視図である。
【図15】図12の脊椎インプラントの保持部材の別の構成の斜視図である。
【図16】本発明による脊椎インプラントの斜視図である。
【図17】第1の位置にある本発明による脊椎インプラントの正面図である。
【図18】第2の位置にある図17の脊椎インプラントの正面図である。
【図19】図17の脊椎インプラントの一端の斜視詳細図であり、第1および第2の位置を互いに重ねて示している。
【図20】本発明による脊椎インプラントの斜視図である。
【図21】図20の脊椎インプラントの斜視図であり、第1の位置で埋め込まれて示されている。
【図22】図20の脊椎インプラントの斜視図であり、第2の位置で埋め込まれて示されている。
【図23】第1の位置にある本発明による脊椎インプラントの斜視図である。
【図24】第2の位置にある図23の脊椎インプラントの斜視図である。
【図25】第1の位置にある本発明による脊椎インプラントの斜視図である。
【図26】第2の位置にある図24の脊椎インプラントの斜視図である。
【図27】第3の位置にある図26の脊椎インプラントの斜視図である。
【図28】第1の位置にある本発明による脊椎インプラントの断面図である。
【図29】第2の位置にある図28の脊椎インプラントの断面図を示している。
【図30】第1の位置にある本発明による脊椎インプラントの斜視図である。
【図31】第1の位置にある図30の脊椎インプラントの側面図である。
【図32】第1の位置にある図30の脊椎インプラントの正面図である。
【図33】第2の位置にある図30の脊椎インプラントの斜視図である。
【図34】第1の位置にある本発明による脊椎インプラントの斜視図である。
【図35】第2の位置にある図34の脊椎インプラントの斜視図である。
【図36】第3の位置にある図34の脊椎インプラントの斜視図である。
【図37】脊椎に埋め込まれた図34の脊椎インプラントの斜視図である。
【図38】本発明による脊椎インプラントの斜視図である。
【図39】脊椎に埋め込まれた図38の脊椎インプラントの正面図である。
【図40】脊椎に埋め込まれた本発明による脊椎インプラントの断面図である。
【図41】脊椎に埋め込まれた本発明による脊椎インプラントの断面図である。
【図42】脊椎に埋め込まれようとしている本発明による脊椎インプラントの構成部品の正面図である。
【図43】脊椎に埋め込まれ完全に組み立てられた図42のインプラントの正面図である。
【図44】第1の位置にある本発明による脊椎インプラントの斜視図である。
【図45】第2の位置にある図44の脊椎インプラントの斜視図である。
【図46】第3の位置にある図44の脊椎インプラントの斜視図である。
【図47】第1の位置にある本発明による脊椎インプラントの斜視図である。
【図48】第2の位置にある図47の脊椎インプラントの斜視図である。
【図49】第1の位置にある本発明による脊椎インプラントの斜視図である。
【図50】第2の位置にある図49の脊椎インプラントの側面図である。
【図51】第1の位置にある本発明による脊椎インプラントの斜視図である。
【図52】第2の位置にある図51の脊椎インプラントの斜視図である。
【図53】第1の位置にある本発明による脊椎インプラントの斜視図である。
【図54】第2の位置にある図53の脊椎インプラントの斜視図である。
【図55】本発明による脊椎インプラントの分解斜視図である。
【図56】第1の位置にある図55の脊椎インプラントの正面図である。
【図57】第2の位置にある図55の脊椎インプラントの正面図である。
【図58】本発明による脊椎インプラントの分解斜視図である。
【図59】本発明による脊椎インプラントの分解斜視図である。
【図60】本発明による脊椎インプラントの右斜視図である。
【図61】図60の脊椎インプラントの左斜視図である。
【図62】本発明による脊椎インプラントの左斜視図である。
【図63】図62の脊椎インプラントの右斜視図である。
【図64】本発明による脊椎インプラントの斜視図である。
【図65】本発明による脊椎インプラントの斜視図である。
【図66】図65の脊椎インプラントの正面図である。
【図67】本発明による脊椎インプラントの正面図である。
【図68】本発明による脊椎インプラントの挿入方法のフロー図である。
【図69】本発明による脊椎インプラントの正面図である。
【図70】図69の脊椎インプラントの別の実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[0077]本発明による脊椎インプラントの実施形態は、スペーサおよび1つ以上の保持部材を備えている。本明細書の全体を通して、脊椎インプラントが、棘突起インプラントの文脈において説明される。しかしながら、脊椎インプラントを、頸椎、胸椎、および/または腰椎へと、互いに隣接する棘突起、横突起、および/または他の椎骨構造の間に挿入されるように構成できることを、理解すべきである。スペーサを、患者間の身体構造上のばらつきに対応するため、およびさまざまな間隔矯正の程度に対応するために、さまざまなサイズで用意することができる。スペーサは、スペーサを椎体へと固定すべく、組織の成長および進入(脊椎からの組織の成長および進入、など)を促進するための開口を備えることができる。例えば、スペーサを、上側および下側の棘突起から組織が成長および進入し、互いに隣接する棘突起の癒合を引き起こすように構成することができる。開口は比較的大きくてよく、さらには/あるいはスペーサの中空の内部につながることができる。中空の内部を、例えば物質を中空の内部へと詰めることによって、骨成長促進物質を受け入れるように構成することができる。開口は比較的小さくてよく、さらには/あるいはスペーサ表面の少なくとも一部分に分布した微細孔または互いにつながった微細孔を含むことができる。開口を骨成長促進物質で満たしてもよい。
【0012】
[0078]スペーサは、任意の適切な断面形状を有することができる。例えば、円筒形、くさび形、D字形、C字形、およびH字形であってよく、別々の片持ち梁を備えてもよく、さらには/あるいは任意の他の適切な形状を含むことができる。形状は、面取り、隅肉、平坦部、逃げの切り欠き、および/または身体構造上の特徴に対応するための他の造作(例えば、ラミナ(laminae)および/またはファセット(facets)など)を含むことができる。
【0013】
[0079]スペーサは、非圧縮性であってもよく、中程度に圧縮可能であってもよく、高度に圧縮可能であってもよく、圧縮性から非圧縮性へと変換可能であってもよく、さらには/あるいは任意の他の構成であってよい。例えば、スペーサは、互いに隣接する骨の間への挿入のために密集形態へと圧縮可能であってもよく、その後に骨を押し広げるために膨張可能であってよい。スペーサは、骨の間に弾性クッションを提供するために、たわむことが可能であってよい。スペーサを、密集形態へと復帰することがないように膨張状態に固定することができる。
【0014】
[0080]保持部材は、スペーサを隣り合う棘突起の間に保持するために、スペーサからスペーサの長手軸線に対して横方向に延びることができる。ただ1つの保持部材が、1つ以上の方向に延びることができ、あるいは複数の方向に延びる複数の延長部を設けてもよい。1つ以上の保持部材を、スペーサに対して長手方向および/または半径方向に固定することができる。1つ以上の保持部材が、保持部材を棘突起に対して配置できるよう、スペーサおよび/または他の保持部材に対して長手方向および/または半径方向に調節可能であり得る。保持部材は、侵襲が最小限なやり方でスペーサを配置して保持部材を展開できるよう、スペーサの内部を通って展開可能であってもよくり得、さらには/あるいはスペーサの内部から展開可能であり得る。保持部材は、1つ以上のねじ、ピン、くぎ、ボルト、ホチキス、フック、プレート、羽根、棒、延長部、フィラメント、ワイヤ、ループ、帯、ストラップ、ケーブル、コード、縫合糸、および/または他の適切な保持部材を含むことができる。保持部材を、金属、金属合金、ポリマ、および/または他の適切な材料で製作することができる。保持部材は、骨および/または軟組織を把持することができ、骨および/または軟組織に当接でき、組織の中への成長および/または表面への成長を促進でき、さらには/あるいは他の方法でインプラントを保持することができる。
【0015】
[0081]保持部材は、棘突起および/または軟組織に係合できる固定具と協働することができる。そのような固定具として、1つ以上のねじ、ピン、くぎ、リベット、ボルト、ホチキス、フック、縫合糸、ワイヤ、ストラップ、クランプ、スパイク、歯、接着剤、および/または他の適切な固定具を含むことができる。固定具は、保持部材へと一体化でき、あるいはモジュール式であり得る。保持部材および/または固定具は、互いに隣接する骨の固定の種類および質をあつらえることができるように、調節可能、交換可能、および/または着脱可能であり得、一方向および/またはインプラントの片側に使用することができ、あるいは複数の方向および/またはインプラントの複数の側に使用することができる。例えば、インプラントを、互いに隣接する骨の間のスペーサとして、互いに隣接する骨の間の弾性的な拘束として、あるいは互いに隣接する骨の間の剛な固定としてのみ機能するように、配置することができる。スペーサ、保持部材、および/または固定具を、好都合には、異なる材料で製作することができる。
【0016】
[0082]セルクラージュを、脊椎インプラントを安定させるため、および/または他の利点をもたらすために、使用することができる。例えば、ワイヤ、ストラップ、帯、ケーブル、コード、および/または他の細長い部材が、椎弓根、椎弓、棘突起、横突起、および/または他の脊椎構造を取り囲むことができる。セルクラージュは、脊椎の屈曲に堅固な抑制をもたらすために比較的非伸張性であり得、あるいはセルクラージュは、屈曲に対する抵抗を高めるように比較的伸張性であり得る。セルクラージュは、織布などのように比較的柔軟性およびドレープ性を有することができ、あるいは金属帯などのように比較的剛であり得る。セルクラージュは、埋め込み後に事前に設定された形状に復帰する形状記憶特性を有することができる。セルクラージュは、棘突起インプラントから別個独立であり得、あるいは棘突起インプラントに係合することができる。例えば、セルクラージュは、棘突起インプラントの中空な内部を通過することができ、さらには/あるいは延長部に係合することができる。
【0017】
[0083]インプラントを、棘突起、椎弓、横突起、ファセット、および/または他の脊椎構造の間の互いに隣接する椎骨の癒合を促進するための骨成長促進物質で補うことができる。骨成長促進物質は、インプラントから離すことができ、インプラントに隣接して配置することができ、インプラントと下方の骨との間に挟むことができ、インプラントの内部に配置することができ、インプラントの表面へとコートすることができ、さらに/あるいは他のやり方でインプラントに対して配置することができる。インプラントの表面へとコートされる場合、インプラント全体を覆うことができ、あるいはインプラントの所定の部分だけ(スペーサ、保持部材、固定具、および/または他の部位、など)を覆うことができる。
【0018】
[0084]本明細書において使用されるとき、骨成長促進物質は、骨ペースト、骨小片、骨条片、構造骨移植片、血小板由来成長因子、骨髄液、幹細胞、骨成長タンパク質、骨成長ペプチド、骨結合タンパク質、骨結合ペプチド、ヒドロキシルアパタイト、リン酸カルシウム、スタチン、および/または他の適切な骨成長促進物質を含むことができる。
【0019】
[0085]脊椎インプラントならびに関連のセルクラージュまたは他の構成要素を、とりわけ金属、吸収性セラミック、非吸収性セラミック、吸収性ポリマ、および非吸収性ポリマなど、任意の適切な生体適合性材料で製作することができる。いくつかの具体的な実施形態として、ステンレス鋼、チタンおよびチタン合金(ニッケルチタン合金など)、タンタル、ヒドロキシルアパタイト、リン酸カルシウム、骨、ジルコニア、アルミナ、炭素、バイオガラス、ポリエステル、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアクリレート、ポリケトン、フルオロポリマー、および/または他の適切な生体適合性材料、ならびにこれらの組み合わせが挙げられる。
【0020】
[0086]脊椎インプラントを、棘上靭帯犠牲後方進入術、棘上靭帯温存後方進入術、側方進入術、および/または他の適切な手法など、種々の外科的技法で脊椎の疾患を治療するために使用することができる。脊椎インプラントを、互いにする椎骨を癒合させ、あるいは互いに隣接する椎骨間の運動を温存することによって、脊椎の疾患の治療に使用することができる。脊椎インプラントは、スペーサのような伸張停止体のみ、可撓性セルクラージュ要素のような屈曲停止体のみ、または屈曲および伸張停止体の両方を含むことができる。椎間関節への荷重を低減し、棘突起の間隔を増やし、椎間板への荷重を低減し、椎間板の間隔を増やし、さらに/あるいは他の方法で脊椎の疾患を治療するために、棘突起インプラントを使用することができる。脊椎インプラントのための技法は、手術部位の組織を改変せずにそのままにすることを含むことができ、あるいは埋め込み部位の組織を、トリミング、やすり掛け、粗面化、および/または他のやり方での組織の改変など、組織を改変することを含むことができる。
【0021】
[0087]例えば、図1〜3は、スペーサ102と複数の保持部材とを備える脊椎インプラント100を示しており、保持部材が、第1および第2の板状延長部104、105、ならびに展開可能な保持部材106、108、および110の形態である。スペーサ102は、近位端114と、遠位端116と、両者の間を延びる長手方向のスペーサ軸線118とを有する略円柱形の物体112である。遠位端116が、2つの骨(例えば、隣り同士の棘突起)の間へのスペーサ102の挿入を容易にするために、エッジへ向かって先細りになっている。遠位端は、上側ファセット120、下側ファセット122、および横ファセット124(1つが図示されている)によって定められている。
【0022】
[0088]第1の板状延長部104が、近位端の付近においてスペーサ102から半径方向外側へと突き出しており、第2の板状延長部105が、第1の板状延長部104の反対側でスペーサ102から半径方向外側へと突き出している。板状延長部104、105は、図1〜3に示されているようにスペーサ102と一体であってよく、あるいはモジュール式でスペーサ102から分離可能であってよい。板状延長部104、105は、棘突起126、128に当接することによって挿入ストッパをもたらす。
【0023】
[0089]展開可能な保持部材106、108、110を、スペーサ102内にあらかじめ設置することができ、あるいは手術中にスペーサ102へと挿入することができる。好ましくは、図2に示されているように、あらかじめ設置されてスペーサ102の内部に格納されている。展開可能な保持部材106、108、110の各々が、スペーサ102の内部から遠位端116を通ってスペーサ102の外部へと連絡するチャネル130、132、134へと案内される。展開可能な保持部材106、108、110は、近位端において接合されており、したがって一緒に動く。スペーサの内部は、非展開位置にあるときの展開可能な保持部材106、108、110を収容する空洞137を備えている。空洞137は、ねじ山を有しており、アクチュエータねじ138を軸線方向に移動する関係にて収容する。
【0024】
[0090]使用時、脊椎インプラント100が、図示のとおり、隣り合う棘突起126、128の間に挿入される。次いで、アクチュエータねじ138が回転させられ、スペーサ軸線118に沿って平行移動して、チャネル130、132、134を通って、展開可能な保持部材106、108、110を遠位方向へと押す。スペーサ102は、アクチュエータねじ138が回転させられるときにスペーサ102へと対抗トルクを加えるための工具を受け入れるために、近位端114に1対のソケット139を備えている。チャネル130、132、134は、展開可能な保持部材106、108、110をスペーサ軸線118から離れるように曲げて、棘突起126、128および/または周囲の軟組織を把持させるために、湾曲していることができる。また、展開可能な保持部材106、108、110を、あらかじめ曲げておき、図2の非展開位置へと装てんするときに弾性によって真っ直ぐにしてもよい。展開されるときに、あらかじめ曲げられた形状へと復帰することが可能である。展開可能な保持部材106、108、110を、好都合には、ニチノール(Nitinol)などの超弾性材料で製作することができる。また、患者の体温に応答して、図2の真っ直ぐな形状から図3の湾曲した形状へと形状を変化させてもよい。さらに、軟組織が、時間とともに展開可能な保持部材106、108、110の周囲に成長でき、展開可能な保持部材106、108、110へと付着でき、展開可能な保持部材106、108、110の周囲へと瘢痕化でき、さらには/あるいは他のやり方で展開可能な保持部材106、108、110を把持することができる。展開可能な保持部材110は、スペーサ102から展開されたときに開くループ140を形成するように、遠位端において割れており、ループ140の内側および周囲への組織の成長を容易にし、保持の強度を高めている。複数の穴142が、板状延長部104、105を周囲の骨および/または軟組織へと取り付けるための固定具を受け入れるために、板状延長部104、105を貫いて形成されている。そのような固定具は、上述した固定具のいずれかを含むことができる。図3の穴142のうちの1つに、ピン144が図示されている。
【0025】
[0091]図4および5は、形態および機能において図1〜3の脊椎インプラントに類似する脊椎インプラント200を示している。脊椎インプラント200が、スペーサ202、展開可能な保持部材204、およびスペーサ端部ピース206を含んでいる。スペーサ202および端部ピース206は、略円柱形であり、スペーサ軸線208に沿って整列し、端部ピース206に螺合するねじ棒210によって接続されている。ねじ棒210は、軸回転可能にスペーサ202に取り付けられ、ドライバ係合端212を備えている。展開可能な保持部材204がスペーサ202に固定され、端部ピース206のチャネル214にスライド可能に収容されている。
【0026】
[0092]使用時、脊椎インプラント200が、互いに隣接する骨(棘突起220、222など)の間に挿入される。ドライバ(図示されていない)が、ねじ棒210のドライバ係合端212に係合させられ、端部ピース206をスペーサ202に向かって移動させるべく回転させられると、保持部材204が、図5に示されているとおり、スペーサ軸線208から離れるようにチャネル214から突き出す。ねじ棒210が回転させられるときに対抗トルクを加えるために、工具(図示されていない)を、一方の端部ピース206の1つ以上のソケット224またはスペーサ202の切り欠き226に、係合させることができる。
【0027】
[0093]図6および7は、形態および機能において図1〜3の脊椎インプラントに類似する脊椎インプラント300を示している。脊椎インプラント300は、スペーサ302、コア304、およびコア304から延びる展開可能な保持部材306を備えている。展開可能な保持部材306は、コア304の各々の端部においてコア/スペーサ軸線308から放射状のアレイにて突き出している複数のワイヤを含んでいる。棘突起間に配置されるように設計されている図示の例では、小関節面および/または他の脊椎の構造との衝突を避けるために、前方へと突き出すワイヤは存在しない。コア304および展開可能な保持部材306は、スペーサ軸線308に平行にスペーサ302を貫いている通路309に収容されている。
【0028】
[0094]使用時には、スペーサ302が、互いに隣接する骨(棘突起310、312など)の間に配置される。コア304および展開可能な保持部材306を、図7に示されるように、あらかじめ途中まで挿入しておくことができ、スペーサ302の配置後に、コアを前進させて展開可能な保持部材306を展開することができる。あるいは、コアおよび展開可能な保持部材306が、スペーサ302から分離されていて、スペーサの配置後に挿入されてもよい。いずれの場合も、チューブ314を、展開以前の展開可能な保持部材306および/またはコア304を保持するために、随意により使用することができる。図7に示されるとおり、チューブ314を、通路309に整列させてスペーサ302に係合させることができ、コア304および展開可能な保持部材306が、展開可能な保持部材306が通路309の両端から展開されるまで、チューブ314から通路309へと押し込まれる。チューブ314を、残りの展開可能な保持部材306の展開を可能にするために回収することができる。
【0029】
[0095]図8〜11は、形態および機能において図1〜3の脊椎インプラントに類似する脊椎インプラント400を示している。脊椎インプラント400が、第1の端部404と、第2の端部406と、第1の端部404から第2の端部406へと延びるスペーサ軸線408とを有する略円筒形の中空スペーサ402を含んでいる。コア410を、スペーサ軸線408に沿ってスペーサ402の内部に配置することができる。随意により、複数の展開可能な保持部材412が、コア410の各々の端部においてスペーサ軸線408から離れるように放射状に突き出している。スペーサ402は、挿入を容易にすべく圧縮できるよう、超弾性金属またはポリマなどの圧縮可能材料で製作される。例えば、図9に示されているように、工具(図示されていない)の突起420をスペーサ402へと挿入し、スペーサ402を平たい楕円形へと引き伸ばすために広げることができる。次いで、スペーサ402を挿入し、スペーサ402が元の形状へと復帰できるように、突起を取り去ることができる。スペーサ402は、スペーサ402の弾性係数およびスペーサ402に作用する周囲の骨による荷重に応じて、完全な挿入前の高さを回復して骨を離間させることができ、あるいは途中まで回復するだけでもよい。次いで、コア410を、スペーサ402を回復後の高さに保つために挿入することができる。コア410を、スペーサ402へと押し込まれて、挿入後のスペーサ402の圧縮を阻止するように寸法付けることができ、あるいはコアを、弾性スペーサを提供すべくスペーサ402について所定の量の圧縮を許すように寸法付けることができる。随意による展開可能な保持部材412を省略し、脊椎インプラント400を図10に示されている状態で使用することが可能である。好ましくは、コア410が、展開可能な保持部材412を、コア410の各々の端部においてスペーサ軸線408から放射状に外側へと突き出すループのアレイとして展開することができるフィラメントの形態で備えることができる。保持部材412は、回収を物理的に阻止することによってスペーサ402を動かぬように保持することができる。また、保持部材412は、保持部材412の周囲の組織の成長によってもスペーサ402を保持することができる。
【0030】
[0096]図11は、展開可能な保持部材412の配置の1つのやり方を示している。複数のリング422が、コア410に取り付けられており、少なくとも1つのリング422が、コア410に沿って軸線方向に平行移動可能である。リングは、コア410の周囲をらせん状に巡る複数のフィラメント424によって接続されている。
【0031】
[0097]使用時、スペーサ402が、互いに隣接する骨(隣り合う棘突起など)の間に挿入され、コア410が、スペーサ402へと挿入される。少なくとも1つのリング422を、別のリング422に向かって動かすことで、フィラメント424がコアから離れるように曲げられ、図8に示されるとおりのループのアレイを形成する。あるいは、図7の実施形態と同様に、保持部材412をスペーサ軸線408と平行に折り畳んでもよい。
【0032】
[0098]図12〜14は、形態および機能において図1〜3の脊椎インプラントに類似する脊椎インプラント500を示している。脊椎インプラント500が、略円筒形の中空の本体504を有するスペーサ502を含んでおり、本体504が、第1の端部506と、第2の端部508と、第1の端部506から第2の端部508へと延びるスペーサ軸線510とを含んでいる。スペーサ502の端部は、隣り合う骨の間への挿入を容易にするために、先細りになっている。複数のチャネル512が、スペーサ軸線510に略平行に、第1の端部506から第2の端部508まで本体504を貫いて延びている。展開可能な保持部材514を、軸線方向にスライドできる関係でチャネル512に係合させることができる。図12〜14に示した例では、チャネル512および展開可能な保持部材514が、対をなす矩形の断面形状を有する。展開可能な保持部材514が、スペーサ軸線510から離れるように半径方向に延びて棘突起を把持するように湾曲している。
【0033】
[0099]使用時、脊椎インプラント500を棘突起の間に挿入できるよう、展開可能な保持部材514が真っ直ぐにされ、さらには/あるいは格納される。これは、さまざまなやり方で実現可能である。図13に示されるように、展開可能な保持部材514を、チャネル512を通って途中まで引っ込めることで、強制的に真っ直ぐにすることが可能である。展開可能な保持部材514は、完全に引き抜かれてしまうことがないようにするためのストッパを備えることができる。スペーサ502が棘突起の間に挿入された後で、展開可能な保持部材514を、チャネル512を通って送り込み、湾曲した形状を回復できるようにすることができる。あるいは、展開可能な保持部材514をスペーサ502から完全に分離し、スペーサ502が挿入されるまで、導入しないようにしてもよい。図14に示されるように、展開可能な保持部材514を真っ直ぐにし、脊椎インプラント500を、チューブ520を通って棘突起の間の空間へと挿入してもよい。図12は、展開可能な保持部材514が完全に展開されている挿入後の脊椎インプラント500を示している。
【0034】
[0100]図15は、図12〜14の脊椎インプラントと同様の脊椎インプラント600を示している。脊椎インプラント600が、図12〜14の矩形のリボン状の展開可能な保持部材514ではなくて、ワイヤの形態の展開可能な保持部材602を有する。
【0035】
[0101]図16は、図12〜14の脊椎インプラントと同様の脊椎インプラント700を示している。脊椎インプラント700が、通路704を有するスペーサを含んでおり、通路704が、スペーサ軸線706と平行にスペーサ702を貫いている。スペーサ702が互いに隣接する棘突起の間に挿入された後で、ワイヤの形態の前もって成形された展開可能な保持部材708が、通路704の第1の端部から第2の端部へと通路704を通って挿入され、第2の端部から現れて、前もって形成された形状へと復帰し、スペーサ軸線706に対して横方向にスペーサ702の外表面を超えて広がる。また、展開可能な保持部材が棘突起の両側において広がって、棘突起を捕まえることができるよう、展開可能な保持部材の端部は、スペーサ軸線の第1の端部においても、スペーサ軸線706に対して横方向に広がることができる。あるいは、展開可能な保持部材708が展開された後に、展開可能な保持部材708を通路704に固定するために、セットねじまたは他の機構を設けてもよい。図示の実施形態においては、展開可能な保持部材708が、コイルへとあらかじめ成形されている。
【0036】
[0102]図17〜19は、先の実施形態と同様の脊椎インプラント800を示している。脊椎インプラント800が、第1および第2の端部804、806と、両者の間を延びるスペーサ軸線808とを有するスペーサ802を含んでいる。スペーサ802は、くさび形、円柱形、楕円形、矩形、および/または任意の他の適切な形状であってよい。形状は、身体構造上の考慮事項にもとづくことができる。展開可能な保持部材が、スペーサ802の各々の端部804、806から延びる終端部810、812の形態で設けられている。終端部810、812は、図17に示されるとおりにスペーサ軸線808により近い密集位置または密集形状と、図18に示されるとおりにスペーサ軸線808から離れた膨張位置または膨張形状とを有する。図19は、密集位置および膨張位置を比較のために重ねて示している。図17〜19に示した実施形態においては、終端部810、812が、従来からのつる巻きばねコイルなどのコイルとして設けられており、密集位置が、きつく巻かれたコイルに相当し、膨張位置が、緩く巻かれたコイルに相当する。しかしながら、終端部810、812を、設計上の選択の問題として、フランジ、中実円板、突起、棒、などとして形作ることもできる。脊椎インプラント800は、少なくとも一方の終端部810、812を密集位置にして埋め込まれる。ひとたび配置されると、一方または両方の終端部を膨張させることができる。例えば、コイルの巻きを、コイル自身のばねの張力によって緩めることができる。あるいは、コイルを、例えば熱などによって活性化させ、膨張させることができる。スペーサ802が、隣り合う棘突起を隔て、膨張した終端部810、812が、スペーサ802を棘突起の間に維持する。
【0037】
[0103]終端部810、812は、別々の装置であってよいが、図17〜19に示した実施形態においては、終端部810、812が、スペーサ軸線808に沿ってスペーサ802を貫いて形成された通路814を通って接続されている。この実施形態においては、終端部810、812が、通路814内に配置された連続的なコイルの端部である。コイルを、終端部が棘突起に着座してスペーサ802を動かぬように堅固に保持する傾向を有するような緊張状態にあるように設計することができる。
【0038】
[0104]終端部810、812を、いくつかある任意の材料から形成することができるが、形状記憶金属合金またはポリマなどの超弾性材料が、好都合である。特に、形状記憶材料を、外傷の少ない装置の埋め込みを可能にするための第1の小型の形状を有するように設計することができる。ひとたび埋め込まれたならば、形状記憶材料を活性化することで、終端部810、812を密集位置から膨張位置へと移動させることができる。さらには、連続的なコイルの実施形態においては、コイルを、終端部を引き込むことによって棘突起へと着座させるように構成することができる。
【0039】
[0105]スペーサ802に、例えば外科用離間工具の突起を受け入れるための1つ以上の表面の溝816を設けることができ、そのようにすることで、スペーサを、棘突起を離間させた後で突起に沿って配置することができる。
【0040】
[0106]図20〜22は、図17〜19の装置の代案の装置を示しており、脊椎インプラント900が、スペーサ902およびスペーサ902の外側に巻き付いたコイル904を備えている。コイル904は、密集位置から膨張位置への変態を可能にする形状記憶特性を有することができ、あるいはコイル904を、膨張位置に向かって常に付勢しておくことができる。膨張位置に向かって常に付勢されている場合には、コイル904を、スリーブ906または他の包囲構造によって密集位置に保つことができる。脊椎インプラント900が、密集位置にて互いに隣接する骨(例えば、棘突起910、912)の間に配置され(図21)、スペーサ902を骨の間に保持するために膨張位置(図22)へと移行可能にされ、あるいは膨張位置へと移行させられる。代案として、スペーサ902を、脊椎インプラントの埋め込み後に取り除くことができ、あるいはコイル904だけがスペーサおよび保持部材の両方として機能するように、スペーサ902を完全に省略することができる。
【0041】
[0107]図23および24は、近位端1004と、遠位端1006と、両者の間を延びるスペーサ軸線1008とを有するスペーサ1002を備えている脊椎インプラント1000を示している。随意により、遠位端1006を、隣り合う骨の間への挿入を容易にするために、図示のとおりに先細りにすることができる。脊椎インプラント1000は、密集位置または収容位置(図23)と膨張位置または展開位置(図24)との間を回転するように、スペーサ1002へと回転可能に取り付けられた1つ以上の展開可能な保持部材を備えている。図23および24に示した実施形態においては、展開可能な保持部材が、スペーサ軸線1008から離れるように半径方向に延びているブラケット1012に取り付けられたワイヤ1010の形態である。ワイヤ1010が、ブラケット1012の間をスペーサ軸線1008に略平行に延び、その後に近位端1004および遠位端1006においてスペーサ軸線1008に対する横方向に曲げられている。スペーサ1002が、遠位端の付近に環状の溝1014を備えており、ワイヤ1010の遠位側が、密集位置または収容位置において溝1014に係合するように湾曲している。図23に示されるように、溝1014が、埋め込みを容易にすべくワイヤ1010の湾曲部が完全に引っ込むように、ワイヤ1010を収容することができる。ワイヤ1010の近位端は、埋め込みを容易にするために、密集位置または収容位置においてスペーサ1002の近位端1004の背後に位置する。脊椎インプラント1000が互いに隣接する骨(例えば、棘突起)の間に挿入された後で、ワイヤ1010を、スペーサ1002を骨の間に保持するために、収容位置から展開位置へと回転させることができる。図23および24に示した実施形態においては、埋め込み後にワイヤ1010を回転させるために、ワイヤの近位端にアクセスすることができる。ワイヤは、ブラケット1012との摩擦によって自身の位置を保つことができ、あるいは追加のロック機構を設けてもよい。例えば、ワイヤを受け止め、例えば展開位置に動かぬように保持するために、戻り止め1016を設けることができる。
【0042】
[0108]図25〜27は、第1の端部1104と、第2の端部1106と、両者の間を延びるスペーサ軸線1108とを有するスペーサ1102を備えている脊椎インプラント1100を示している。端部ピースの形態の1つ以上の展開可能な保持部材が、スペーサ軸線1108により近い収容位置とスペーサ軸線から遠ざかる展開位置との間を回転するように、スペーサ1102へと取り付けられている。例えば、脊椎インプラントは、1対の外側端部ピース1110および1対の内側端部ピース1112を、スペーサの各々の端部に1つの外側端部ピースおよび1つの内側端部ピースが位置するように備えることができる。外側端部ピース1110は、回転時にスペーサ軸線1108に近付き、あるいはスペーサ軸線1108から離れるよう、スペーサ軸線1108からオフセットされた軸線1114を中心にして回転するように取り付けられている。例えば、外側端部ピース1110を、一緒に回転するように共通のシャフト1116へと取り付けることができる。同様に、内側端部ピース1112も、オフセットされた軸線1118を中心にして回転するように共通のシャフト1120に取り付けることができる。好ましくは、内側ピース1112は、内側端部ピース1112および外側端部ピース1110が異なる方向に移動してスペーサ軸線1108から離れるよう、スペーサ軸線1108および外側端部ピース1110が取り付けられているシャフト1116の両方からオフセットされたシャフト1120に取り付けられる。図25〜27の例では、内側端部ピース1112が、図25に示されるとおりにスペーサ1102と同軸な収容位置へと回転できるよう、外側端部ピース1110のシャフトを避けるための逃げを有しており、例えば切り欠き1122(図27)を備えている。使用時に、脊椎インプラント1100は、図25の収容位置にて互いに隣接する骨(例えば、棘突起)の間に挿入される。ひとたびスペーサ1102が所望の位置に位置すると、外側および内側端部ピース1110、1112のうちの1つ以上を、スペーサ1102を動かぬように保持するために展開位置へと回転させることができる。ドライバ係合ソケット1124が、端部ピースの回転を容易にするために設けられる。任意の数の端部ピースを設けることが可能であり、スペーサの全体が端部ピースの連なりで形成されるインプラント1100も可能である。端部ピースを、互いに隣接する骨との所望の適合を達成するように、選択的に回転させることができる。端部ピースを、別々のシャフトに取り付けても、あるいは他のやり方で独立して回転するように取り付けることができる。端部ピースを、トルクしきい値に達したときに滑るように、シャフトへと取り付けることができる。例えば、複数の端部ピースが共通のシャフトにて一緒に回転させられ、1つの端部ピースが骨に当接する場合に、当接した端部ピースがシャフト上で滑ることで、残りの端部ピースを展開位置へと完全に回転させることができるよう、端部ピースをあらかじめ定められたトルクで滑るように取り付けることができる。
【0043】
[0109]図28および29は、図25〜27の脊椎インプラントに類似した脊椎インプラント1200を示している。脊椎インプラント1200は、スペーサ1202と、近位端1204と、遠位端1206と、両者の間を延びているスペーサ軸線1208とを備えている。板状または棒状の延長部1210の形態である固定の保持部材が、近位端1204の付近においてスペーサ軸線1208から遠ざかるように半径方向に延びている。端部ピース1212の形態の展開可能な保持部材が、遠位端1206に取り付けられている。端部ピース1212は、互いに隣接する骨の間への挿入を容易にするために、好ましくは図示のとおりに先細りである。端部ピース1212は、スペーサ軸線1208を横切る端部ピース回転軸線1214を中心にして回転するように、スペーサ1202へと取り付けられている。例えば、スペーサの遠位端1206は、スペーサ軸線1208を横切る遠位面1216と、遠位面1216に垂直に外へと突き出しているトラニオン1218とを備えている。端部ピース1212は、トラニオン1218を受け入れるためのソケット1222を備える対をなす近位面1220を備えている。端部ピース1212は、端部ピース1212がスペーサ軸線1208に略平行に延びる密集位置または収容位置(図28に示されている)から、端部ピース212がスペーサ軸線1288を実質的に横切るように延びる膨張位置または展開位置(図29に示されている)へと、回転軸線1214を中心にして回転可能である。端部ピース1212の回転を容易にするために、シャフト1224が、端部ピース1212からスペーサ1202の通路1226を通って近位端1204まで延びている。シャフト1224は、回転軸線1214に平行に延びることができ、あるいは図示のように曲げられてもよい。曲げられたシャフトは、可撓部、自在継手、かさ歯車、および/または曲げ部を通ってトルクを伝達できる何らかの他の機構を備えることができる。ドライバ係合ソケット1228が、端部ピースを回転させるための工具と係合するように、シャフトの端部に設けられている。
【0044】
[0110]図30〜33は、図28および29の脊椎インプラントに類似した脊椎インプラント1300を示している。脊椎インプラント1300は、近位端1304と、遠位端1306と、両者の間を延びるスペーサ軸線1308とを有するスペーサ1302を備えている。複数の展開可能な保持部材が、スペーサ軸線1308を横切る軸線を中心にして回転するように取り付けられた端部ピース1310、1312の形態で、各々の端部に設けられている。図30のスペーサ1302の切除部分によって明らかにされるとおり、端部ピースは歯車1314へと取り付けられ、歯車1314が、駆動シャフト1318上のさらなる歯車1316に係合している。駆動シャフト1318が回転するとき、端部ピース1310、1312が、図30〜32の収容位置から図33の展開位置へとスペーサ軸線1308から離れるように回転する。
【0045】
[0111]図34〜37は、第1の端部1404と、第2の端部1406と、両者の間を延びるスペーサ軸線1408とを有するスペーサ1402を備えている別の脊椎インプラント1400を示している。スペーサ1402は、円筒、矩形、くさび、円錐、および/または他の何らかの適切な形状の形態であり、スペーサ軸線1408を横切る方向に圧縮可能である。図34〜37に示した例では、スペーサが中空であり、弾性材料(好ましくは、超弾性材料)および/または形状記憶材料で作られている。脊椎インプラント1400は、スペーサ1402の端部1404、1406から遠ざかるように延びている1つ以上のアーム1410を備えている。アームも、好ましくは、超弾性材料などの弾性材料および/または形状記憶材料から作られている。密集位置または収容位置(図34)においては、スペーサ1402がスペーサ軸線1408に向かって半径方向に圧縮されており、アーム1410がスペーサ軸線1408に略平行に外へと延びている。膨張位置または展開位置(図36)においては、スペーサ1402がスペーサ軸線1408から離れるように広がり、アーム1410がスペーサ軸線1408に対して横方向に延びている。使用時、脊椎インプラント1400は、密集位置で互いに隣接する骨(例えば、棘突起1420、1422)の間に挿入され、その後に膨張位置(図37)への移行が可能にされ、あるいは膨張位置へと移行させられる。図34〜37に示した例では、アーム1410が、棘突起を把持すべくスペーサ1402に被さるように曲げ戻されたあらかじめ形成された形状を有する。図示の例では、アーム1410が、図1〜3の実施形態と同様の固定具を受け入れるための穴1424をさらに有する。さらに、スペーサ1402が、図9〜12の実施形態と同様に、最小限の膨張時高さを維持するために、コア(図示されていない)を収容することができる。
【0046】
[0112]図38および39は、スペーサ1502を備える脊椎インプラント1500を示しており、スペーサ1502が、図1〜3の実施形態と同様の固定具を受け入れるための1つ以上の穴1504を有する。図38および39に示した例では、スペーサ1502が中空円筒であり、穴1504が、円筒の壁を貫いて延びており、スペーサ1502の端部を巡って配置されている。穴1504を通って固定具を1つ以上の互いに隣接する骨および/または周囲の軟組織へと配置することによって、スペーサ1502を固定することができる。スペーサ1502を、一端において固定でき、両端において固定でき、隣接する1つの骨に関係する組織へと固定でき、隣接する複数の骨に関係する組織へと固定でき、さらには/あるいは固定の構成の任意の組み合わせが可能である。図39の例では、スペーサ1502が互いに隣接する棘突起の間に配置され、両端において周囲の軟組織1506へと縫い付けられる。
【0047】
[0113]図40は、図38および39の脊椎インプラントに類似した脊椎インプラント1600を示している。脊椎インプラント1600は、略中実なスペーサ1602を備えており、1つ以上の固定具1606を受け入れるための1つ以上の斜めの通路1604を備えている。好ましくは、通路1604は、図示のとおりにスペーサ軸線を横切ってスペーサの端部からスペーサの外表面へと通じている。スペーサ1602を、隣接する1つの骨へと、隣接する両方の骨へと、片側から、あるいは両側から取り付けることができる。例えば、片側性の施術においては、スペーサ1602を所定の位置に保持するために、固定具を一方の骨にのみ配置することができる。あるいは、スペーサ1602を所定の位置に保持するとともに、互いに隣接する骨を互いに動かぬように保持するために、固定具を互いに隣接する骨の各々へと配置することができる。図40の例では、ねじが、スペーサ1602の各側から互いに隣接する棘突起1610、1612へと配置される。
【0048】
[0114]図41は、図40の脊椎インプラントに類似した脊椎インプラント1700を示している。脊椎インプラント1700は、スペーサ1702、フランジ1704の形態の保持部材、および固定具1708を受け入れるべくフランジを貫いている穴1706を備えている。穴1706は、(図示のように)スペーサ軸線に平行であり得、あるいはスペーサ軸線に対して斜めでもよい。
【0049】
[0115]図42および43は、ベース1802とフック1806とを備える脊椎インプラント1800を示しており、ベース1802が、ベース軸線1804を有しており、フック1806が、ベース軸線1804から遠ざかるように実質的に横方向に延びている部位1808と、ベース軸線1804に略平行に延びている部位1810とを有する。さらに、脊椎インプラント1800は、ベース1802に係合させることができるスペーサ1812を備えている。スペーサ1812は、円柱形、矩形、円錐形、および/または他の任意の適切な形状であってもよい。図42および43に示した例では、スペーサ1812が略円錐形であり、軸線方向に平行移動する関係でベース1802に螺合する。使用時には、フック1806が1つ以上の隣接する骨の一部分の周囲に配置される。例えば、図42に示されるように、互いに隣接する棘突起の間に、一方の棘突起を捕まえるように挿入することが可能である。スペーサが、図43に示されるように、棘突起を所望の距離だけ引き離す。脊椎インプラント1800は、先の例と同様の片側性の最小限の侵襲での配置を可能にし、さらには円錐形のスペーサ1812の軸線方向の位置によって決定される調節可能な間隔を可能にする。
【0050】
[0116]図44〜46は、スペーサ1902と展開可能な保持部材1904とを備える脊椎インプラント1900を示している。スペーサ1902が、上側表面1908および下側表面1910を有する割れた本体1906を備えている。上側表面1908および下側表面1910は、ドライバ1912へと可動に接続されている。ドライバ1912にねじ1914が取り付けられており、ねじ1914は、ドライバ1912から上側表面1908および下側表面1910の間をくさび1918のねじ穴1916へと延びている。動作時、ドライバ1912を回転させることで、ねじ1914が穴1916へとねじ込まれ、結果としてくさび1918が、上側表面1908および下側表面1910の間を移動する。くさび1918がさらに表面1908、1910の間へと移動するにつれて、表面1908、1910が引き離されて、スペーサ1902の高さが増加する。チャネル1920とリブ1922との組み合わせが、表面1908、1910に対するくさび1918の移動に安定をもたらす。スペーサ1902の保持は、上述したコイル、フランジ、円板、ワイヤ、および/または他の突起を使用して達成できる。例えば、挿入のためにスペーサ軸線1924に平行に畳むことができる弾性ワイヤの形態の展開可能な保持部材1904が、スペーサ1902の横保持をもたらすことができる。
【0051】
[0117]図47および48は、スペーサ2002を備える脊椎インプラント2000を示している。スペーサ2002は、大まかには、内腔2004を有する円筒またはスリーブとして形作られている。すき間2006またはスロットが、スペーサ2002の全長にわたって延びている。内腔2004は、完全な貫通穴であってよく、あるいは安定化のために中央の壁または栓(図示されていない)が存在してもよい。さらに、脊椎インプラント2000は、略円錐形またはくさび形を有する端部キャップ2010を備えている。端部キャップ2010が内腔2004へと押し込まれ、あるいはねじ込まれるとき、すき間2006があるため、キャップ2010の形状ゆえに、スペーサ2002の直径を広げることができる。すき間2006を、適切な弾性材料で満たすことができる。成形されたキャップ2010に代えて、キャップ2010を、形状記憶合金、ばね鋼、樹脂、ポリマ、などといった膨張可能な材料で製作して、同じ結果を達成することもできる。スペーサの横方向の保持は、上述および後述のコイル、フランジ、円板、ワイヤ、および/または他の突起を使用して達成でき、この実施形態に関しては再度の説明は省略する。
【0052】
[0118]図49および50は、図47および48の脊椎インプラントに類似の脊椎インプラント2100を示している。脊椎インプラント2100は、巻かれたシートの形態のスペーサ2102を有する。スペーサ2102は、コイルが自身の周囲を何度も回ってスペーサ軸線2104により近く位置する密集位置(図49)から、(例えば、ただ1つの連続リングを形成するように)巻きの数がより少なくなってスペーサ軸線2104から遠ざかる膨張位置(図50)へと、スペーサを緩めることによって可動である。スペーサは、スペーサ2102の膨張量を制限すべく図50に示されるように係合することができる内側および外側のフック状の縁2106、2108を有する。さらに、脊椎インプラント2100は、スペーサ2102を潰れぬように支持するために、先の実施形態に示したような栓またはコアを含むことができる。スペーサの横方向の保持は、上述および後述のコイル、フランジ、円板、ワイヤ、および/または他の突起を使用して達成でき、この実施形態に関しては再度の説明は省略する。
【0053】
[0119]図51および52は、図49および50の脊椎インプラントに類似した脊椎インプラント2200を示している。脊椎インプラント2200は、コイル状に巻かれたシート状のスペーサ2202を備えており、タブ2204が、スペーサ2202の膨張量を制限すべくスロット2206に係合するために、シートから突き出している。タブ2204および/またはスロット2206を、コイル状のスペーサ2202の内縁および外縁に配置することができ、あるいは両縁の中間の1つ以上の位置に配置することができる。例えば、スペーサは、一端に位置するタブ2204と、スペーサを種々のサイズに固定することができるように複数の位置に配置されたスロットとを有することができる。さらに、脊椎インプラント2200は、スペーサ2202を潰れぬように支持するために、先の例に示したような栓またはコアを含むことができる。スペーサの横方向の保持は、上述および後述のコイル、フランジ、円板、ワイヤ、および/または他の突起を使用して達成でき、この実施形態に関しては再度の説明は省略する。
【0054】
[0120]図53および54は、ポリマまたは樹脂材料などの弾性材料で形成されスペーサ軸線2303を有するスペーサ2302を備える脊椎インプラント2300を示している。例えば、スペーサ2302は、ヒドロゲルや他の複合またはポリマ材料(シリコーン材料など)であってよい。内腔2304が、スペーサ2302を貫いてベース2306へと延びている。ベース2306は、挿入を容易にするためにくさび形または円錐形を有して図示されているが、丸みのある形状または尖っていない形状など、任意の形状であってもよい。弾性アーム2308の形態の展開可能な保持部材が、ベース2306に取り付けられている。使用時、ベース2306が、互いに隣接する骨(例えば、棘突起)の間にスペーサ軸線2303と平行に挿入される。棘突起を通過するとき、アーム2308は、スペーサ軸線2303により近く位置して、スペーサ軸線に略平行にスペーサ2302の側面に沿って位置する挿入のための密集位置または収容位置へと畳まれる(図53)。アーム2308は、ひとたび棘突起を過ぎると、スペーサ軸線2303を横切る方向に外へと突き出す保持のための膨張位置または展開位置へと復帰する(図54)。好ましくは、アーム2308は、挿入後の保持を向上させるために、一方向にしか畳まれない。さらに、脊椎インプラント2300は、内腔2304を通って延びてベース2306に螺合することができるねじ棒などの突起2312を有するプレート2310を備えている。例えばねじをベース2306へとねじ込むことによって、スペーサ2302が圧縮され、スペーサ2302の直径が大きくなって、棘突起を離間させる力がもたらされる。横方向の安定は、棘突起の各側においてスペーサ軸線2303から離れるように延びるプレート2310およびアーム2308によってもたらされる。
【0055】
[0121]ベース2306への螺合に代えて、ボルトをベースおよびプレート2310に取り付け、スペーサ2302をナット2314で圧縮することができる。ラチェット、圧入、リベット、および/または他の任意の適切な機構など、他の機構もスペーサ2302を圧縮するために使用することができる。
【0056】
[0122]図55〜57は、ベースプレート2402とくさびプレート2404とを備える脊椎インプラント2400を示している。ベースプレート2402が、矩形の形状を有するものとして示されているが、円形、楕円形、正方形、半円形、三角形、台形、あるいは不規則形など、任意の形状が可能である。ベースプレート2402は、貫通穴2406(図示の例では正方形である)と2つの取り付けタブ2408とを有する。取り付けタブは、穴2410を有する。
【0057】
[0123]くさびプレート2404は、ベースプレート2402と同様の矩形の形状を有するものとして示されているが、ベースプレート2402およびくさびプレート2404は、必ずしも同じ形状を有する必要はない。さらに、くさびプレート2404は、ベースプレート2402に関して説明したような多数の考えられる形状を有することができる。くさび突起2414が、くさびプレート2404の第1の面から延びている。くさび突起2414は、真っ直ぐな側面を有する略三角形の形状を備えて図示されているが、側面が丸みを帯びており、斜めにされており、湾曲しており、弓なりであり、凸状であり、あるいは凹状であるなど、他の形状も可能である。くさび突起2414は、くさびプレート2404から遠ざかるにつれて実質的に収束する上側表面2416および下側表面2418を有する。くさび突起2414は、くさび突起2414の一部分を貫いて延びる溝穴2420を有する。必須ではないが、身体構造上の要因に依存するが、溝穴2420は、上側表面2416および下側表面2418の間の中間に位置することができる。くさび突起2414および貫通穴2406は、ベースプレート2402とくさびプレート2404とが当接できるように寸法付けられているが、典型的な埋め込み後の構成においては、ベースプレート2402およびくさびプレート2404は、図57に示されるように骨(例えば、棘突起)がベースプレート2402とくさびプレート2404との間に介在するため、実際には当接しないと考えられる。
【0058】
[0124]図56および57に最もよく見られるように、使用時に、くさび突起2414が貫通穴2406内に位置したときに、コネクタ2422が穴2410および溝穴2430を通って延びてベースプレート2402およびくさびプレート2404を接続できるよう、取り付けタブ2408の穴2410が溝穴2420に実質的に整列する。典型的には、コネクタ2422は、ねじおよびナットを備えているが、任意の従来からのコネクタを使用することが可能である。最初に埋め込まれるときに、ベースプレート2402およびくさびプレート2404が、上側の棘突起2450および下側の棘突起2452の周囲に整列させられる。コネクタ2422が、取り付けタブ2408と、くさび突起2414とを接続する。必須ではないが、理想的には、コネクタ2422が締められず、ベースプレート2402およびくさびプレート2404がお互いに対して動くことができるが、初期の状態においては、互いに近付く移動だけが可能である。ひとたびプレートが適切な間隔にて整列させられると、コネクタ2422を締めて、脊椎インプラント2400をその場に固定することができる。必須ではないが、理想的には、脊椎インプラント2400が棘突起間の空間から背中側へと移動することがないように、棘上靱帯が手つかずのままである。あるいは、随意により、ベースプレート2402およびくさびプレート2404が、縫合穴2424(図57)を備えることができる。縫合糸2426が、縫合穴2424へと接続されて、上側の棘突起2450および下側の棘突起2452を横切ることができる。さらには、わずかに1対の穴が1対の縫合糸とともに示されているが、より多く設けることも可能である。さらには、縫合糸2426を、ケーブル、ワイヤ、バンド、または他の可撓かつ生体適合性のコネクタを広く指すものと解釈されたい。そのような縫合糸を縛ることができ、あるいは結び目、ケーブルロック、またはクリンプを使用して固定することができる。
【0059】
[0125]図58は、形態および機能において図55〜57の脊椎インプラントに類似する別の脊椎インプラント2500を示している。脊椎インプラント2500は、ベースプレート2502およびくさびプレート2504を備えている。ベースプレート2502は、取り付けタブ2506および穴2508を備えている。くさびプレート2504は、少なくとも1つのくさび突起2510を有するが、装置の安定性を向上させるためには、2つのくさび突起2510が設けられる。2つのくさび突起2510が、取り付けタブ2506を受け入れるための突起溝2512を形成し、或る程度の追加の安定性をもたらす。くさび突起2510は、溝穴2514を有する。取り付けタブ2506およびくさび突起2510の両者が、くさび形であるとして図示されているが、必ずしもくさび形である必要はない。穴2508および溝穴2514は、両者の間にコネクタ2516を取り付けて、ベースプレート2502およびくさびプレート2504を一体に結合できるよう、整列している。代案として、穴2508が溝穴として形成されることができ、溝穴2514が穴として形成されることができ、あるいはプレートの横方向の調節を可能にするために、すべてが溝穴であり得る。
【0060】
[0126]図59は、図58の脊椎インプラントに類似しているが、穴およびコネクタの代わりに、突起溝2604の内側および取り付けタブ2606の表面に突起2602が形成されている別の脊椎インプラント2600を示している。突起2602は、リブ、ピン、段差、返し、フランジ、くぼみ、戻り止め、チャネル、溝、歯、および/または他の適切な突起であってよい。突起2602は、ラチェット機構と同様に機能することができ、ベースプレートおよびくさびプレートをお互いに向かって動かして、互いに隣接する骨(例えば、棘突起)の間隔を広げることができるように構成することが可能である。突起2602は、プレートが押し合わせられた後にプレートが移動して離れることがないように係合する。突起2602を解放して、プレートの分離を可能にするために、突起溝2604を、例えばてこで開くことによって広げることができる。
【0061】
[0127]図60および61は、脊椎インプラント2700を示している。脊椎インプラント2700は、スペーサ軸線2701と、第1のパーツ2702と、第2のパーツ2704とを有するスペーサを備えている。第1のパーツ2702は、第1の端部2708および第2の端部2710を有する本体2706を有する。1つ以上の横壁2712が、第1の端部2708においてスペーサ軸線2701を横切るように第1のパーツ2702から延びている。壁2712は、第1の側において上側および下側の棘突起に沿って延びるように構成されている。第2の端部2710は、上側および下側の棘突起の間の空間に位置するように構成されている。第2のパーツ2704が、第1の端部2716および第2の端部2718を有する本体2714を有する。1つ以上の横壁2720が、第1の端部2716においてスペーサ軸線2701を横切るように第2のパーツ2704から延びている。壁2720は、第2の側において上側および下側の棘突起に沿って延びるように構成されている。第2の端部2718は、上側および下側の棘突起の間の空間に位置するように構成されている。横壁2712、2720を、身体の構造に合わせて形作ることができる。第1のパーツ2702の第2の端部2710および第2のパーツ2704の第2の端部2718が、当接または係合する。この係合を強化するために、さまざまな造作を設けることができる。例えば、第2の端部が、1つ以上のチャネルおよび/またはチャネルにはまり込む1つ以上の突起を備えることができる。第1および第2のパーツを整列した状態に保つため、両者を貫いて延びる穴にセットねじなどを螺合させることができる。しかしながら、後述のように、セットねじおよび穴は随意である。端部は、単純に当接するだけでよく、あるいは緩衝する表面を有してもよいため、互いに噛み合うチャネルおよび突起は、随意である。端部を、挿入を容易にするため、および/または当接面積を増やすために、図示のようにスペーサ軸線2701を横切るように斜めにすることができる。いくつかの他の例が、図62〜67に関して後述される。
【0062】
[0128]さらに図60および61を参照すると、1つ以上の貫通溝または穴2722が、第1および第2のパーツ2702、2704を貫いて延びている。案内ワイヤ2732が、スペーサ軸線2701と略平行にチャネル2722を通って延びている。案内ワイヤ2732を、ワイヤ、(金属またはポリマ素線で作られた)編みケーブルまたは縒りケーブル、縫合材料、(編まれており、あるいは中実である)金属またはポリマの平帯、ならびに/あるいは他の適切な材料および構成で形成することができる。複数の貫通溝は、図61に示されるとおり、案内ワイヤ2732が第1の端部2702の周囲にループを形成することを可能にする。案内ワイヤ2732の端部を、タイ、クリンプ、結び目、ツイストロック、ケーブルロック、および/または他の適切な接続などによって、第2の端部を巡って接続することができる。案内ワイヤ2732がループを形成しない場合、案内ワイヤ2732を、ケーブルロック、クリンプ、結び目、および/または任意の他の適切な固定装置など、固定装置を使用して、第1および第2の端部の両方に固定することができる。案内ワイヤ2732が、第1のおよび第2のパーツを一体に固定された状態に保つ。
【0063】
[0129]図62および63は、第1および第2のパーツをお互いに対して安定させるために第1のパーツ2702から延びているスロット2802に係合すべく第2のパーツ2704から延びる突起2804を備えている点を除き、図60および61の脊椎インプラントと同様の脊椎インプラント2800を示している。
【0064】
[0130]図64は、第1のパーツ2702がスロット2902を定めており、第2のパーツ2704がスロット2902に係合する刃状の先端部へと先細りにされている点を除き、図60および61の脊椎インプラントと同様の脊椎インプラント2900を示している。
【0065】
[0131]図65および66は、第1のパーツ2702が、中央のくさび状の壁3004によって隔てられた先細りの側面の切り欠き3002を定めており、第2のパーツ2704が、くさび状の第2の端部3006へと先細りになっている点を除き、図60および61の脊椎インプラントと同様の脊椎インプラント3000を示している。くさび状の第2の端部が、溝3008によって分割されている。第1および第2のパーツが押し合わされるとき、壁3004が溝3008に係合し、くさび状の第2の端部3006が、側面の切り欠き3002に係合する。やはり、図65および66の実施形態においても、第1および第2のパーツ2702、2704は、これらのパーツを一体に固定するために固定具を受け入れるために、スペーサ軸線2701を横切る1つ以上の穴3010、3012を有する。
【0066】
[0132]図67は、図60〜66の脊椎インプラントに類似した脊椎インプラント3100を、埋め込みされた状態で示している。第1および第2のパーツ2002、2704が、クリンプ3104によって各々の端部に固定されたただ1つの案内ワイヤ3102によって一体に固定されている。通路3106が、横壁2712、2720を貫いて設けられている。縫合糸、ワイヤ、ケーブル、帯、または他の可撓な生体適合性材料3108を、通路3106を通り、棘突起を超え、さらには/あるいは棘突起を貫いて延ばすことができる。可撓な生体適合性材料3108は、(上側の棘突起3110について図示されているように)1つの棘突起の下方または上方を巡ることができ、(下側の棘突起3112について図示されているように)1つの棘突起の周囲を巡ることができ、あるいは両方の棘突起の周囲を巡ることができ、あるいはこれらの組み合わせであってもよい。可撓な生体適合性材料3108を、上述と同様の固定装置を使用して固定することができる。可撓な生体適合性材料3108および案内ワイヤ3102は、随意により同じ構成部材であってもよい。
【0067】
[0133]図68は、図60〜67の脊椎インプラントを埋め込むための1つの典型的な方法を説明するフロー図である。最初に、患者が、脊椎インプラントの埋め込みについて準備される(ステップ3202)。患者の準備として、例えば、脊椎分節へのアクセスをもたらす1つ以上の切開の形成、案内ワイヤの配置、などを挙げることができる。手術部位が、従来からの離間ツールを使用して広げられる(あるいは、スペーサそのものによって離間を生じさせることができる場合には、測定される)(ステップ3204)。ひとたび露出されると、棘突起の間の空間が、脊椎インプラントを受け入れるように準備される(ステップ3206)。これは、典型的には、脊椎インプラントを受け付けるように、棘突起を準備することを含み、棘突起の一部分の除去、ならびに脊椎インプラントの埋め込みを妨げかねず、さらには/あるいは脊椎インプラントを押しのける傾向の力をもたらしかねない筋肉、腱、および靱帯の除去を含むことができる。脊椎インプラントの第1のパーツが、案内ワイヤによって、切開などを通って手術部位へと挿入される(ステップ3208)。ひとたび手術部位に位置すると、脊椎インプラントの第1のパーツを、横壁が上側および下側の棘突起の第1の側に軽く当接し、第2の端部が棘突起の間の空間へと延びるように、配置または整列させることができる(ステップ3210)。一般に、これは、第1のパーツが棘突起の間の空間を通って埋め込まれることを意味する。上述のように脊椎インプラントの第1のパーツへと取り付けられた案内ワイヤが、第1のパーツの第2の端部から延び、脊椎インプラントの第2のパーツへと取り付けられる。したがって、医師が案内ワイヤに沿って第2のパーツを挿入する(ステップ3212)。第1および第2のパーツを、工具を使用して配置することができ、あるいは医師が、手および指を使用してパーツを配置できることに、注意すべきである。案内ワイヤを使用し、脊椎インプラントの第1のパーツおよび第2のパーツを整列させるべく、第2のパーツの突起(存在する場合)が第1のパーツのチャネル(存在する場合)へと挿入される(ステップ3214)。第1のパーツおよび第2のパーツを対にするために、圧縮力が加えられる(ステップ3216)。圧縮力を、案内ワイヤのクリンプ、ケーブルロックの装着、別途のクランプ、などによって加えることができる。ひとたび充分に圧縮されると、第1のパーツおよび第2のパーツは一体に固定される(ステップ3218)。随意により、余分な案内ワイヤを切断して除去することができ、あるいは堅固な着座をもたらすために、互いに隣接する上側および下側の棘突起の周囲に巡らせることができる(ステップ3220)。ひとたび棘突起の間の空間に組み合わせられると、脊椎分節の離間を緩めることができ(ステップ3222)、患者の手術部位を閉じることができる(ステップ3224)。
【0068】
[0134]図69は、脊椎インプラント3300を示している。脊椎インプラント3300は、上側棘突起座3302および下側棘突起座3304を備えている。図示のように、座3302および3304は、U字および逆U字の形状を形成しているが、各々の座について四角い溝形状、C字形、および/または他の任意の適切な形状など、他の形状も可能である。しかしながら、図示のような鞍状の形状が、上手く機能すると考えられる。
【0069】
[0135]座3302は、上側の棘突起に接触する表面3306と、上側の棘突起の各側を横切って上側の棘突起を座3302に捕まえる壁3308とを備えている。壁3308は、末狭まり、末広がり、または互いに平行であることができる。壁3308は、むしろ隆起、リブ、または段差に類似していて、棘突起のうちのわずかな部分を横切るだけでよく、あるいはより長くて、棘突起の大部分を横切ることができる。表面3306および壁3308は、不連続であることができ、あるいは鞍のように形作られて、上側の棘突起を載せることができる滑らかな表面を形成することができる。一方の壁3308に、下側の座3304に向かって延びる垂直離間柱3310が取り付けられる。垂直離間柱3310が1つだけ図示されているが、複数の柱も可能である。さらに、複数の柱が使用される場合、垂直離間柱3310を、上側棘突起座3302の両側に位置させることができる。真っ直ぐな柱として図示されているが、垂直離間柱3310は、身体構造上の考慮事項などに応じて、湾曲していることも、真っ直ぐであることもできる。
【0070】
[0136]座3302と同様に、座3304は、下側の棘突起に接触する表面3306と、下側の棘突起の各側を横切って下側の棘突起を座3304に捕まえる壁3308とを備えている。一方の壁3308(垂直離間柱3310に対応する側の壁)に、取り付けタブ3312が取り付けられている。取り付けタブ3312は、垂直離間柱3310が通過する垂直穴3314を有する。座3304を、垂直離間柱3310に沿って動かして、座3302へと近付けることができ、座3302から離すことができる。取り付けタブ3312は、さらに水平穴3316を備えている。水平穴3316は、垂直穴3314に交差する。座装置3318を、水平穴3316に挿入することができる。図示のとおり、水平穴3316には、セットねじなどを受け付けるためのねじ山が設けられている。
【0071】
[0137]使用時、医師は、上側および下側の棘突起を離間させ、脊椎インプラント3300を埋め込むことができる。座3302および3304を、所望の離間に設定することができ、座3302および3304を設定された離間距離に固定すべく垂直離間柱3310を垂直穴3314内に据えるための着座力を加えるために、例えばセットねじ3318を水平穴3316へとねじ込むことができる。
【0072】
[0138]垂直離間柱3310および/または垂直穴3314に、垂直離間柱3310が垂直穴3314から抜けてしまうことがないように、突起3319または戻り止めを配置することができる。
【0073】
[0139]図70は、別の座3400および3402を示している。座3400および3402は、入れ子になるように設計され、すなわち噛み合うように設計されている。この点で、座3400は、1つ以上の第1のブレード3404または複数の表面を、第1のすき間3406によって第1のブレード3404が隔てられるように離間させて有する。座3402も、同様に、1つ以上の第2のブレード3408または複数の表面を有することができる。座3402は、便宜上、第2のブレードを1つだけ備えて図示されている。第2のプレート3408は、座3400および3402を入れ子にでき、すなわち噛み合わせることができるよう、第1のすき間3406に整列している。同様に、第1のブレード3404を、第2のすき間(図示されていない)に整列させることができる。第1のブレード3404または第2のブレード3408のいずれか(図示では、第1のブレード3404)を、垂直離間柱3410に取り付けることができ、第2のブレード3408または第1のブレード3404(図示では、第2のブレード3408)を、取り付けタブ3412に取り付けることができる。
【0074】
[0140]脊椎インプラントの例およびその使用について詳しく説明および図示したが、それらが説明および例示を目的としているにすぎず、本発明を限定するものとして受け取るべきではないことを、理解されたい。本発明を、人間の脊柱の互いに隣接する棘突起の離間に使用される脊椎インプラントの形態で説明した。しかしながら、脊椎インプラントを、脊柱の他の部位または他の骨を離間させるように構成することができる。したがって、脊椎インプラントおよびその使用について、変種および変更が当業者にとって明らかであろう。例示した種々の実施形態は、スペーサ、保持部材、さらなる固定具、などといった種々の構成部品について、選択肢となる構成を示している。多くの場合、当業者であれば理解できるとおり、一実施形態における或る構成部品の一選択肢の構成を、別の実施形態の同様の構成部品で置き換えることが可能である。例えば、一実施形態における異なる形状または膨張可能なスペーサを、別の実施形態のスペーサで置き換えることができる。同様に、保持部材を展張させるための種々の機構、またはさらなる固定具をもたらすための種々の機構も、置き換えが可能である。さらには、典型的な実施形態の全体において、対をなす関係の構成部品が例示されている場合に、それら構成部品の雄雌を逆にしてもよいことは、この技術分野において公知のとおりであり、本発明の技術的範囲に包含される。以下の特許請求の範囲は、そのような変更および均等物をすべて包含する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人間の脊椎の互いに隣接する棘突起の間に配置される脊椎インプラントであって、
第1の端部と、第2の端部と、両者の間を延びるスペーサ軸線とを有し、さらに、前記スペーサ軸線から離れた外表面を有するスペーサ、および
前記外表面または前記外表面の内側に実質的に位置する第1の位置から、前記外表面よりも外へと突き出す第2の位置まで可動である少なくとも1つの展開可能な保持部材
を備えている脊椎インプラント。
【請求項2】
前記保持部材が、ループを含んでいる請求項1に記載の脊椎インプラント。
【請求項3】
前記保持部材が、前記第1の位置において前記スペーサの内部に収容されている請求項1に記載の脊椎インプラント。
【請求項4】
前記スペーサが、前記保持部材を受け入れる内部空洞と、前記スペーサに取り付けられたアクチュエータとを備え、前記アクチュエータが、回転に応答して前記スペーサに対して平行移動し、前記保持部材を前記第1の位置から前記第2の位置へと動かす請求項1に記載の脊椎インプラント。
【請求項5】
前記保持部材が、湾曲した形状へと付勢され、前記第1の位置において弾性的に真っ直ぐにされ、前記第2の位置において自身の湾曲形状を回復する請求項1に記載の脊椎インプラント。
【請求項6】
前記スペーサが、前記スペーサを少なくとも途中まで貫く通路を備えており、前記保持部材の少なくとも一部分が、前記第1の位置から前記第2の位置へと前記通路内を移動する請求項1に記載の脊椎インプラント。
【請求項7】
前記第1の端部の付近において前記外表面よりも外へと突き出している固定の延長部と、前記保持部材を収容する内部空洞と、前記スペーサに螺合するアクチュエータねじとをさらに備え、前記アクチュエータねじが、回転に応答して前記スペーサに対して平行移動して、前記保持部材を前記第1の位置から前記第2の位置へと動かし、前記保持部材が、前記第2の端部の付近において前記外表面よりも外へと突き出す請求項6に記載の脊椎インプラント。
【請求項8】
前記スペーサが、湾曲した通路を備え、前記保持部材の少なくとも一部分が、前記通路を通って前記第1の位置から前記第2の位置へと移動することで、前記第2の位置へと移動するにつれて湾曲する請求項1に記載の脊椎インプラント。
【請求項9】
前記第1の位置において前記スペーサから遠く離間して位置し、前記第2の位置において前記スペーサにより近く位置する少なくとも1つの端部ピースをさらに備え、前記端部ピースが、前記保持部材の少なくとも一部分を平行移動可能に受け入れる通路を備えている請求項1に記載の脊椎インプラント。
【請求項10】
前記スペーサを前記端部ピースへと接続するねじ棒をさらに備え、前記棒が、回転に応答して前記スペーサおよび棒を互いに近付くように移動させ、前記保持部材を前記スペーサ軸線から離れるように前記端部ピースから突き出させる請求項9に記載の脊椎インプラント。
【請求項11】
前記スペーサが、該スペーサを貫いて延びる通路を備え、当該脊椎インプラントが、前記通路に収容することができるコアをさらに備え、前記保持部材が前記コアに取り付けられている請求項1に記載の脊椎インプラント。
【請求項12】
前記保持部材が、前記スペーサ軸線を横切る実質的に外向きの関係にて前記コアに取り付けられ、前記コアと一緒に前記通路を通って挿入されるために前記スペーサ軸線に略平行な位置へと弾性的に移動可能である請求項11に記載の脊椎インプラント。
【請求項13】
前記コアおよび保持部材の周囲に着脱可能に受け入れられ、前記保持部材を一時的に前記スペーサ軸線に略平行に保つチューブをさらに備えている請求項12に記載の脊椎インプラント。
【請求項14】
前記保持部材が、前記スペーサの側面に沿った向きから、前記スペーサ軸線に対して横方向に外へと延びるループのパターンへと移動することができる複数の線を含んでいる請求項11に記載の脊椎インプラント。
【請求項15】
前記線が、第1および第2の線端部を備え、前記第1の線端部が、前記第2の線端部のより近くへと平行移動するように取り付けられ、前記線が、前記第2の線端部へと近付く前記第1の線端部の平行移動に応答して、前記スペーサ軸線に対して横方向に外へと突き出し、ループのパターンを形成する請求項14に記載の脊椎インプラント。
【請求項16】
前記スペーサが、前記コアの挿入前に、互いに隣接する棘突起の間への挿入を容易にするために、前記スペーサ軸線に対する横方向の第1の寸法から、前記スペーサ軸線に対する横方向の第2のより小さい寸法へと変形可能である請求項11に記載の脊椎インプラント。
【請求項17】
前記スペーサが、前記スペーサ軸線を横切る方向の引き伸ばしに応答して、前記第1の寸法から前記第2の寸法へと変形できる請求項16に記載の脊椎インプラント。
【請求項18】
前記スペーサが、前記スペーサ軸線に略平行に前記スペーサを貫いて延びる通路を備え、前記保持部材が、名目上は湾曲した形状を有する材料片を含み、前記保持部材が、前記第1の位置では少なくとも前記通路の第1の端部において前記通路へと引き込まれており、前記第2の位置では前記通路の前記第1の端部から突き出す請求項1に記載の脊椎インプラント。
【請求項19】
前記スペーサが、前記スペーサを貫いて延びる通路を備え、前記保持部材が、名目上は湾曲した形状を有する材料片を含み、前記保持部材が、前記通路を通って、前記保持部材を挿入することによって前記第1の位置から前記第2の位置へと可動であり、前記通路から出ることによって自身の名目上の湾曲形状へと復帰する請求項1に記載の脊椎インプラント。
【請求項20】
人間の脊椎の互いに隣接する棘突起の間に配置される脊椎インプラントであって、
第1の端部と、第2の端部と、両者の間を延びるスペーサ軸線と、前記スペーサ軸線から離れた外表面とを有し、第1の通路端部および第2の通路端部を有する通路が貫通しているスペーサ、および
前記通路から前記スペーサ軸線を横切る方向に前記外表面よりも外へと延びることができる名目上の形状へと前もって形成された細長い部材を備え、前記第1の通路端部から前記第2の通路端部へと前記通路に受け入れられ、前記第2の通路端部から出ることで、自身の公称の形状を回復して、前記外表面よりも外へと延びる少なくとも1つの展張可能な保持部材
を備えている脊椎インプラント。
【請求項21】
人間の脊椎の互いに隣接する棘突起の間に配置される脊椎インプラントであって、
第1の端部と、第2の端部と、両者の間を延びるスペーサ軸線と、前記スペーサ軸線から離れた外表面とを有するスペーサ、および
前記第1の端部の付近に取り付けられ、前記外表面にまたは前記外表面の内側に実質的に位置する第1の位置から、前記外表面よりも外へと半径方向に突き出す第2の位置まで膨張することができる少なくとも1つの展開可能な保持部材
を備えている脊椎インプラント。
【請求項22】
前記保持部材が、前記スペーサ軸線を横切る方向の寸法を有するコイルを備えており、
前記コイルが、前記第1の位置においては比較的密に巻かれ、前記第2の位置においては比較的緩く巻かれ、前記コイルの前記スペーサ軸線を横切る方向の寸法が、前記第2の位置において前記第1の位置よりも大きい請求項21に記載の脊椎インプラント。
【請求項23】
前記保持部材が、前記スペーサ軸線により近く位置する第1の位置から前記スペーサ軸線から遠くに位置する第2の位置へと回転するように取り付けられたアームを備えている請求項21に記載の脊椎インプラント。
【請求項24】
前記スペーサが、略円柱形の本体を備え、前記保持部材が、前記スペーサ軸線に略平行な回転軸線を中心にして回転するように前記本体に取り付けられた細長い部材を備え、前記保持部材が、前記回転軸線を横切る方向に延びる横部分を有し、前記保持部材が、前記横部分が前記スペーサ軸線により近く位置する第1の位置から、前記横部分が前記スペーサ軸線から遠くなる第2の位置へと、回転可能である請求項23に記載の脊椎インプラント。
【請求項25】
前記保持部材が、前記スペーサ軸線からオフセットされた第1の回転軸線を中心にして回転するように取り付けられた第1の端部ピースを含み、前記第1の端部ピースが、前記スペーサ軸線により近い第1の位置から前記スペーサ軸線から遠くなる第2の位置へと前記第1の回転軸線を中心にして回転できる請求項21に記載の脊椎インプラント。
【請求項26】
前記スペーサ軸線および前記第1の回転軸線の両方からオフセットされた第2の回転軸線を中心にして回転するように取り付けられた第2の端部ピースをさらに含み、前記第2の端部ピースが、前記スペーサ軸線により近い第1の位置から前記スペーサ軸線から遠くなる第2の位置へと前記第2の回転軸線を中心にして回転できる請求項25に記載の脊椎インプラント。
【請求項27】
第3および第4の端部ピースをさらに備え、前記第3の端部ピースが、前記第1の端部ピースと一緒に回転するように取り付けられ、前記第4の端部ピースが、前記第2の端部ピースと一緒に回転するように取り付けられ、前記第1および第2の端部ピースが、前記スペーサの前記第1の端部の付近に取り付けられ、前記第2および第4の端部ピースが、前記スペーサの前記第2の端部の付近に取り付けられている請求項26に記載の脊椎インプラント。
【請求項28】
シャフトおよび第2の端部ピースをさらに備え、前記第1および第2の端部ピースが、前記回転軸線を中心にして前記シャフトと一緒に回転するように前記シャフトへと取り付けられ、少なくとも前記第1の端部ピースが、前記第1の端部ピースが行き止まった場合に前記第2の端部ピースを静止させたままで前記第2の端部ピースを前記シャフトと一緒に回転させ続けることができるよう、所定のトルクレベルを超えると前記シャフトに対して滑るように取り付けられている請求項25に記載の脊椎インプラント。
【請求項29】
前記保持部材が、前記スペーサ軸線を横切る第1の回転軸線を中心にして回転するように取り付けられた第1の端部ピースを備えている請求項21に記載の脊椎インプラント。
【請求項30】
前記端部ピースが細長く、前記第1の位置においては前記スペーサ軸線に略平行に延び、前記第2の位置においては前記スペーサ軸線を実質的に横切るように延びる請求項29に記載の脊椎インプラント。
【請求項31】
前記端部ピースが、前記スペーサの付近の第1の寸法から、前記スペーサから離れた第2のより小さい寸法へと先細りになっている請求項30に記載の脊椎インプラント。
【請求項32】
前記第2の端部の付近に固定の延長部をさらに備え、前記固定の延長部が、前記外表面よりもさらに前記スペーサ軸線から離れるように延びており、アクチュエータが、前記第1の端部ピースに作動可能に接続され、前記第2の端部から操作可能であり、操作に応答して前記第1の端部ピースを前記第1の回転軸線を中心にして回転させる請求項30に記載の脊椎インプラント。
【請求項33】
前記スペーサ軸線および前記第1の回転軸線を横切る方向の第2の回転軸線を中心にして回転するように取り付けられた第2の端部ピースをさらに備えている請求項29に記載の脊椎インプラント。
【請求項34】
相対回転するように前記スペーサへと取り付けられたシャフトをさらに備え、前記シャフトが、前記第1および第2の端部ピースへと作動可能に接続され、回転に応答して前記第1の端部ピースを前記第1の回転軸線を中心に、前記第2の端部ピースを前記第2の回転軸線を中心に、同時に回転させる請求項33に記載の脊椎インプラント。
【請求項35】
前記スペーサ軸線を横切る第3の回転軸線を中心にして回転するように取り付けられた第3の端部ピースと、前記スペーサ軸線を横切る第4の回転軸線を中心にして回転するように取り付けられた第4の端部ピースとをさらに備え、前記第1および第2の端部ピースが、前記スペーサの前記第1の端部の付近に取り付けられ、前記第3および第4の端部ピースが、前記スペーサの前記第2の端部の付近に取り付けられ、前記第1および第2の端部ピースが、前記スペーサ軸線から半径方向外側へと互いに異なる方向に突き出すように回転することができ、前記第3および第4の端部ピースが、前記スペーサ軸線から半径方向外側へと互いに異なる方向に突き出すように回転することができる請求項33に記載の脊椎インプラント。
【請求項36】
前記スペーサが、前記スペーサ軸線に向かって弾性的に圧縮することができる管状部材を備え、前記保持部材が、前記第2の位置において前記スペーサ軸線を横切る方向に前記スペーサから遠ざかるように延びる一体のアームを備え、前記アームを、前記第1の位置をとるべく弾性的に真っ直ぐにすることができる請求項21に記載の脊椎インプラント。
【請求項37】
人間の脊椎の互いに隣接する棘突起の間に配置される脊椎インプラントであって、第1の端部と、第2の端部と、両者の間を延びるスペーサ軸線とを有するスペーサを備え、前記スペーサが、前記スペーサ軸線から離れた内表面および外表面を有する管壁を有しており、前記第1および第2の端部において開いている中空の管状構造を備え、前記管壁が、前記第1および第2の端部の各々の付近に、半径方向のアレイにて前記管壁を貫いている複数の穴を有する脊椎インプラント。
【請求項38】
人間の脊椎の互いに隣接する棘突起の間に配置される脊椎インプラントであって、
第1の端部と、第2の端部と、両者の間を延びるスペーサ軸線とを有するスペーサを備え、前記スペーサが、前記スペーサ軸線から離れた外表面を有する一枚岩構造を備え、前記スペーサが、前記スペーサを棘突起へと取り付けるための固定具を受け入れるための少なくとも1つの固定具収容通路を、前記スペーサ軸線に対して斜めに前記第1の端部から前記外表面へと連絡させて有する脊椎インプラント。
【請求項39】
人間の脊椎の互いに隣接する棘突起の間に配置される脊椎インプラントであって、第1の端部と、第2の端部と、両者の間を延びるスペーサ軸線とを有するスペーサを備え、前記スペーサが、棘突起の横に延びるように前記第1の端部の付近において前記スペーサ軸線を横切る方向に外へと延びているフランジを備え、前記フランジが、前記フランジを棘突起へと取り付けるための固定具を受け入れるべく前記フランジを貫いて延びている固定具収容穴を備えている脊椎インプラント。
【請求項40】
人間の脊椎の互いに隣接する棘突起の間に配置される脊椎インプラントであって、
ベース軸線を有する細長い部位と、前記ベース軸線から離れるように実質的に横方向に延びている横軸部分とを有するベース、および
前記ベース軸線に沿って軸線方向に平行移動する関係で前記細長い部位に係合できるスペーサ
を備えている脊椎インプラント。
【請求項41】
前記スペーサが、前記横軸部分の近くの第1のより小さい直径から、前記横軸部分から離れた第2のより大きい直径へと、テーパ状である請求項40に記載の脊椎インプラント。
【請求項42】
人間の脊椎の互いに隣接する棘突起の間に配置される脊椎インプラントであって、
第1の端部と、第2の端部と、両者の間を延びるスペーサ軸線とを有し、前記スペーサ軸線から離れた外表面を有するスペーサ、および
前記第1の端部を前記第2の端部へと近付くように平行移動させて、前記外表面を前記スペーサ軸線からさらに離れるように移動させるための手段
を備えている脊椎インプラント。
【請求項43】
前記外表面にまたは前記外表面の内側に実質的に位置する第1の位置から、前記外表面よりも外へと突き出す第2の位置まで可動である少なくとも1つの展開可能な保持部材をさらに備えている請求項42に記載の脊椎インプラント。
【請求項44】
前記スペーサが、割られた本体を備え、前記外表面が、上側表面および下側表面を含み、当該脊椎インプラントが、前記上側および下側表面を前記スペーサ軸線からさらに遠ざかるように移動させるべく前記上側表面と前記下側表面との間を移動することができるくさび部材をさらに備えている請求項42に記載の脊椎インプラント。
【請求項45】
前記スペーサが、弾性材料と前記スペーサを貫いて延びる通路とを備え、当該脊椎インプラントが、前記スペーサの前記第1の端部に位置するベースと、前記第2の端部において前記外表面を超えて前記スペーサ軸線に対して横方向に延びているプレートとをさらに備え、
シャフトが、互いに平行移動する関係にて前記通路を通って前記ベースおよびプレートを接続して、前記プレートおよびベースが、比較的お互いから離れた第1の位置と、比較的お互いに近い第2の位置との間を可動であり、
前記プレートおよびベースが、前記プレートおよびベースが前記第2の位置へと移動するときに、前記スペーサを軸線方向に圧縮して、前記スペーサ軸線を横切る方向に膨張させる請求項42に記載の脊椎インプラント。
【請求項46】
人間の脊椎の互いに隣接する棘突起の間に配置される脊椎インプラントであって、
第1の端部と、第2の端部と、両者の間を延びるスペーサ軸線とを有するとともに、前記スペーサ軸線から離れた内表面および外表面を有する管壁を有する中空の管状構造を備え、前記内表面が軸線方向の通路を定めているスペーサ、および
前記管壁を膨張させて前記外表面を前記スペーサ軸線からさらに離れるように移動させるための手段
を備えている脊椎インプラント。
【請求項47】
前記管壁が、不連続であって、第1および第2の縁を定め、前記脊椎インプラントが、前記外表面が前記スペーサ軸線から第1の距離だけ離れる第1の位置から、前記外表面が前記スペーサ軸線から第2のより大きな距離だけ離れる第2の位置まで、前記軸線方向の通路において軸線方向に平行移動可能な少なくとも1つの先細りのインサートを備えている請求項46に記載の脊椎インプラント。
【請求項48】
前記管壁が、巻かれたシートを備え、前記管壁が、前記シートが比較的きつく巻かれた第1の位置と、前記シートが比較的緩く巻かれた第2の位置との間を可動である請求項46に記載の脊椎インプラント。
【請求項49】
前記巻かれたシートが、第1および第2のシート端部を備え、各々の端部がフックを定めていて、前記フックが、前記シートが緩められるときに前記巻かれたシートの膨張を制限すべく係合する請求項48に記載の脊椎インプラント。
【請求項50】
前記巻かれたシートが、前記管壁を貫く少なくとも1つの開口を備えるとともに、前記スペーサ軸線に対して横方向に前記巻かれたシートから離れるように延び、前記巻かれたシートの膨張を制限すべく前記開口に係合できる少なくとも1つのタブを備えている請求項48に記載の脊椎インプラント。
【請求項51】
前記巻かれたシートが、前記管壁を貫く複数の開口を備え、前記タブが、前記複数の開口のうちのどれに係合するかに応じて、前記巻かれたシートの膨張を種々のサイズへと制限するように、前記複数の開口の各々に選択的に係合することができる請求項50に記載の脊椎インプラント。
【請求項52】
人間の脊椎の互いに隣接する棘突起の間に配置される脊椎インプラントであって、
第1の端部と、第2の端部と、両者の間を延びるスペーサ軸線とを有するとともに、前記第1の端部の付近における前記スペーサ軸線に対する横方向の第1の寸法から、前記第1の端部から離れた位置における前記スペーサ軸線に対する横方向の第2のより小さい寸法へと、先細りになっているくさび形の本体を備えているスペーサ、
前記第1の端部の付近において前記外表面よりも外へと突き出している第1の延長部、および
前記第1の延長部に対して軸線方向に平行移動する関係で前記スペーサに係合することができる第2の延長部
を備えており、
前記第1および第2の延長部が、両者の間に中間点を定め、前記第1および第2の延長部が、前記延長部が第1の軸線方向の距離だけ離れ、間に第1の中間点を定める第1の位置から、前記延長部が第2のより小さい軸線方向の距離だけ離れ、間に第2の中間点を定める第2の位置へと可動であり、前記第1の中間点における前記スペーサ本体の前記スペーサ軸線に直角な方向の寸法が、前記第2の中間点における前記スペーサ本体の前記スペーサ軸線に直角な方向の寸法よりも小さい脊椎インプラント。
【請求項53】
前記第2の延長部が、前記スペーサ本体を受け入れることができる貫通穴を有するプレート状の本体を備えている請求項52に記載の脊椎インプラント。
【請求項54】
前記第1および第2の延長部の軸線方向の相対位置を固定するためのロック機構をさらに備えている請求項53に記載の脊椎インプラント。
【請求項55】
前記ロック機構が、ラチェット機構を備えている請求項54に記載の脊椎インプラント。
【請求項56】
前記ロック機構が、ねじを備えている請求項54に記載の脊椎インプラント。
【請求項57】
前記第1の延長部が、前記スペーサ本体へと固定され、前記第2の延長部が、第1および第2のタブをさらに備え、前記スペーサ本体を前記第1および第2のタブの間に受け入れることができる請求項52に記載の脊椎インプラント。
【請求項58】
人間の脊椎の互いに隣接する棘突起の間に配置される脊椎インプラントであって、
第1の端部と、第2の端部と、前記第1の端部に組み合わせられた少なくとも1つの第1の横壁とを有し、前記少なくとも1つの第1の横壁が、一方の棘突起の側面に沿って延びるように構成され、前記第2の端部が、棘突起の間の棘突起間空間に位置するように構成されている第1のパーツ、
第3の端部と、第4の端部と、前記第3の端部に組み合わせられた少なくとも1つの第2の横壁とを有し、前記少なくとも1つの第2の横壁が、一方の棘突起の側面に沿って延びるように構成され、前記第4の端部が、前記第2の端部に隣接して前記棘突起間空間に位置するように構成されている第2のパーツ、
前記第1のパーツおよび前記第2のパーツを貫いて延びている少なくとも1つの案内ワイヤ用チャネル、および
前記少なくとも1つの案内ワイヤ用チャネルを通って延び、前記第1のパーツおよび前記第2のパーツを整列した関係で一体に結合させる案内ワイヤ
を備えており、前記スペーサが、上側の棘突起と下側の棘突起との間の間隔の拡大または維持の少なくとも一方を行う脊椎インプラント。
【請求項59】
前記第2の端部が、少なくとも1つの対をなす溝を備え、前記第4の端部が、少なくとも1つの対をなす突起を備え、前記少なくとも1つの対をなす溝および前記少なくとも1つの対をなす突起が係合する請求項58に記載の脊椎インプラント。
【請求項60】
前記少なくとも1つの案内ワイヤ用チャネルが、複数の案内ワイヤ用チャネルを含み、前記案内ワイヤが、前記少なくとも1つの第1の横壁の周囲を巡るように、前記少なくとも1つの第2の横壁に近い第1の端部と、前記少なくとも1つの第2の横壁に近い第2の端部と、前記複数の案内ワイヤ用チャネルの中の本体とを有する請求項58に記載の脊椎インプラント。
【請求項61】
前記第2の端部および前記第4の端部を貫いて延びる穴と、前記穴に位置するコネクタとをさらに備えている請求項58に記載の脊椎インプラント。
【請求項62】
前記コネクタが、前記穴に螺合によって接続されるセットねじである請求項61に記載の脊椎インプラント。
【請求項63】
前記少なくとも1つの案内ワイヤが、前記少なくとも1つの第1の横壁の付近で終わる第1の端部と、前記少なくとも1つの第2の横壁の付近で終わる第2の端部とを有する請求項58に記載の脊椎インプラント。
【請求項64】
前記案内ワイヤの端部の各々が、クリンプ、タイ、セットねじ、およびケーブルロックで構成される終端装置のグループから選択される装置で終わっている請求項63に記載の脊椎インプラント。
【請求項65】
前記少なくとも1つの第1の横壁の少なくとも1つの第1の穴と、前記少なくとも1つの第2の横壁の少なくとも1つの第2の穴と、前記少なくとも1つの第1の穴から前記少なくとも1つの第2の穴へと少なくとも一方の棘突起の周囲を延びている少なくとも1つの可撓な生体適合性材料とをさらに備えている請求項58に記載の脊椎インプラント。
【請求項66】
上側棘突起を有する上側椎体と下側棘突起を有する下側椎体とを含んでいる脊椎分節を広げる方法であって、
棘突起間の空間へのアクセスを用意するステップ、
棘突起間スペーサの第1のパーツを前記アクセスを通って挿入するステップ、
棘突起間スペーサの第2のパーツを、前記第1のパーツから前記アクセスを通って前記第2のパーツへと延びている案内ワイヤを使用して、前記アクセスを通って挿入するステップ、
前記第1のパーツおよび前記第2のパーツを押し合わせるステップ、および
押し合わせられた前記第1のパーツおよび前記第2のパーツを固定するステップとを備える方法。
【請求項67】
上側椎体と下側椎体との間隔を広げるステップをさらに備える請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記間隔を広げるステップおよび前記第1のパーツを挿入するステップが、実質的に同時に生じる請求項67に記載の方法。
【請求項69】
人間の脊椎の互いに隣接する棘突起の間に配置される脊椎インプラントであって、
棘突起接触面を有する第1の座、
前記第1の座へと接続された離間柱、
棘突起接触面を有するとともに、前記離間柱を軸線方向に平行移動する関係にて収容する貫通穴を有する取り付けタブを備えている第2の座、および
前記第1および第2の座をお互いに対して固定するための固定機構
を備えており、
前記第1および第2の座が、前記棘突起接触面が比較的近付いている第1の位置から、前記棘突起接触面が比較的遠く離れている第2の位置へと可動である脊椎インプラント。
【請求項70】
前記第1の座の前記棘突起接触面が、前記第1の位置において前記第2の座の前記棘突起接触面と同一平面にある請求項69に記載の脊椎インプラント。
【請求項71】
前記第1および第2の座の一方が、間のすき間によって離間した複数の棘突起接触面を備えており、前記第1および第2の座の他方の棘突起接触面を、前記第1の座の少なくとも1つの棘突起接触面が前記第2の座の少なくとも1つの棘突起接触面と同一平面にあるように、前記すき間に収容することができる請求項70に記載の脊椎インプラント。
【請求項72】
前記第1および第2の座の少なくとも一方が、棘突起の一部分を囲むべく前記棘突起接触面から離れるように延びている壁をさらに備えている請求項69に記載の脊椎インプラント。
【請求項1】
人間の脊椎の互いに隣接する棘突起の間に配置される脊椎インプラントであって、
第1の端部と、第2の端部と、両者の間を延びるスペーサ軸線とを有し、さらに、前記スペーサ軸線から離れた外表面を有するスペーサ、および
前記外表面または前記外表面の内側に実質的に位置する第1の位置から、前記外表面よりも外へと突き出す第2の位置まで可動である少なくとも1つの展開可能な保持部材
を備えている脊椎インプラント。
【請求項2】
前記保持部材が、ループを含んでいる請求項1に記載の脊椎インプラント。
【請求項3】
前記保持部材が、前記第1の位置において前記スペーサの内部に収容されている請求項1に記載の脊椎インプラント。
【請求項4】
前記スペーサが、前記保持部材を受け入れる内部空洞と、前記スペーサに取り付けられたアクチュエータとを備え、前記アクチュエータが、回転に応答して前記スペーサに対して平行移動し、前記保持部材を前記第1の位置から前記第2の位置へと動かす請求項1に記載の脊椎インプラント。
【請求項5】
前記保持部材が、湾曲した形状へと付勢され、前記第1の位置において弾性的に真っ直ぐにされ、前記第2の位置において自身の湾曲形状を回復する請求項1に記載の脊椎インプラント。
【請求項6】
前記スペーサが、前記スペーサを少なくとも途中まで貫く通路を備えており、前記保持部材の少なくとも一部分が、前記第1の位置から前記第2の位置へと前記通路内を移動する請求項1に記載の脊椎インプラント。
【請求項7】
前記第1の端部の付近において前記外表面よりも外へと突き出している固定の延長部と、前記保持部材を収容する内部空洞と、前記スペーサに螺合するアクチュエータねじとをさらに備え、前記アクチュエータねじが、回転に応答して前記スペーサに対して平行移動して、前記保持部材を前記第1の位置から前記第2の位置へと動かし、前記保持部材が、前記第2の端部の付近において前記外表面よりも外へと突き出す請求項6に記載の脊椎インプラント。
【請求項8】
前記スペーサが、湾曲した通路を備え、前記保持部材の少なくとも一部分が、前記通路を通って前記第1の位置から前記第2の位置へと移動することで、前記第2の位置へと移動するにつれて湾曲する請求項1に記載の脊椎インプラント。
【請求項9】
前記第1の位置において前記スペーサから遠く離間して位置し、前記第2の位置において前記スペーサにより近く位置する少なくとも1つの端部ピースをさらに備え、前記端部ピースが、前記保持部材の少なくとも一部分を平行移動可能に受け入れる通路を備えている請求項1に記載の脊椎インプラント。
【請求項10】
前記スペーサを前記端部ピースへと接続するねじ棒をさらに備え、前記棒が、回転に応答して前記スペーサおよび棒を互いに近付くように移動させ、前記保持部材を前記スペーサ軸線から離れるように前記端部ピースから突き出させる請求項9に記載の脊椎インプラント。
【請求項11】
前記スペーサが、該スペーサを貫いて延びる通路を備え、当該脊椎インプラントが、前記通路に収容することができるコアをさらに備え、前記保持部材が前記コアに取り付けられている請求項1に記載の脊椎インプラント。
【請求項12】
前記保持部材が、前記スペーサ軸線を横切る実質的に外向きの関係にて前記コアに取り付けられ、前記コアと一緒に前記通路を通って挿入されるために前記スペーサ軸線に略平行な位置へと弾性的に移動可能である請求項11に記載の脊椎インプラント。
【請求項13】
前記コアおよび保持部材の周囲に着脱可能に受け入れられ、前記保持部材を一時的に前記スペーサ軸線に略平行に保つチューブをさらに備えている請求項12に記載の脊椎インプラント。
【請求項14】
前記保持部材が、前記スペーサの側面に沿った向きから、前記スペーサ軸線に対して横方向に外へと延びるループのパターンへと移動することができる複数の線を含んでいる請求項11に記載の脊椎インプラント。
【請求項15】
前記線が、第1および第2の線端部を備え、前記第1の線端部が、前記第2の線端部のより近くへと平行移動するように取り付けられ、前記線が、前記第2の線端部へと近付く前記第1の線端部の平行移動に応答して、前記スペーサ軸線に対して横方向に外へと突き出し、ループのパターンを形成する請求項14に記載の脊椎インプラント。
【請求項16】
前記スペーサが、前記コアの挿入前に、互いに隣接する棘突起の間への挿入を容易にするために、前記スペーサ軸線に対する横方向の第1の寸法から、前記スペーサ軸線に対する横方向の第2のより小さい寸法へと変形可能である請求項11に記載の脊椎インプラント。
【請求項17】
前記スペーサが、前記スペーサ軸線を横切る方向の引き伸ばしに応答して、前記第1の寸法から前記第2の寸法へと変形できる請求項16に記載の脊椎インプラント。
【請求項18】
前記スペーサが、前記スペーサ軸線に略平行に前記スペーサを貫いて延びる通路を備え、前記保持部材が、名目上は湾曲した形状を有する材料片を含み、前記保持部材が、前記第1の位置では少なくとも前記通路の第1の端部において前記通路へと引き込まれており、前記第2の位置では前記通路の前記第1の端部から突き出す請求項1に記載の脊椎インプラント。
【請求項19】
前記スペーサが、前記スペーサを貫いて延びる通路を備え、前記保持部材が、名目上は湾曲した形状を有する材料片を含み、前記保持部材が、前記通路を通って、前記保持部材を挿入することによって前記第1の位置から前記第2の位置へと可動であり、前記通路から出ることによって自身の名目上の湾曲形状へと復帰する請求項1に記載の脊椎インプラント。
【請求項20】
人間の脊椎の互いに隣接する棘突起の間に配置される脊椎インプラントであって、
第1の端部と、第2の端部と、両者の間を延びるスペーサ軸線と、前記スペーサ軸線から離れた外表面とを有し、第1の通路端部および第2の通路端部を有する通路が貫通しているスペーサ、および
前記通路から前記スペーサ軸線を横切る方向に前記外表面よりも外へと延びることができる名目上の形状へと前もって形成された細長い部材を備え、前記第1の通路端部から前記第2の通路端部へと前記通路に受け入れられ、前記第2の通路端部から出ることで、自身の公称の形状を回復して、前記外表面よりも外へと延びる少なくとも1つの展張可能な保持部材
を備えている脊椎インプラント。
【請求項21】
人間の脊椎の互いに隣接する棘突起の間に配置される脊椎インプラントであって、
第1の端部と、第2の端部と、両者の間を延びるスペーサ軸線と、前記スペーサ軸線から離れた外表面とを有するスペーサ、および
前記第1の端部の付近に取り付けられ、前記外表面にまたは前記外表面の内側に実質的に位置する第1の位置から、前記外表面よりも外へと半径方向に突き出す第2の位置まで膨張することができる少なくとも1つの展開可能な保持部材
を備えている脊椎インプラント。
【請求項22】
前記保持部材が、前記スペーサ軸線を横切る方向の寸法を有するコイルを備えており、
前記コイルが、前記第1の位置においては比較的密に巻かれ、前記第2の位置においては比較的緩く巻かれ、前記コイルの前記スペーサ軸線を横切る方向の寸法が、前記第2の位置において前記第1の位置よりも大きい請求項21に記載の脊椎インプラント。
【請求項23】
前記保持部材が、前記スペーサ軸線により近く位置する第1の位置から前記スペーサ軸線から遠くに位置する第2の位置へと回転するように取り付けられたアームを備えている請求項21に記載の脊椎インプラント。
【請求項24】
前記スペーサが、略円柱形の本体を備え、前記保持部材が、前記スペーサ軸線に略平行な回転軸線を中心にして回転するように前記本体に取り付けられた細長い部材を備え、前記保持部材が、前記回転軸線を横切る方向に延びる横部分を有し、前記保持部材が、前記横部分が前記スペーサ軸線により近く位置する第1の位置から、前記横部分が前記スペーサ軸線から遠くなる第2の位置へと、回転可能である請求項23に記載の脊椎インプラント。
【請求項25】
前記保持部材が、前記スペーサ軸線からオフセットされた第1の回転軸線を中心にして回転するように取り付けられた第1の端部ピースを含み、前記第1の端部ピースが、前記スペーサ軸線により近い第1の位置から前記スペーサ軸線から遠くなる第2の位置へと前記第1の回転軸線を中心にして回転できる請求項21に記載の脊椎インプラント。
【請求項26】
前記スペーサ軸線および前記第1の回転軸線の両方からオフセットされた第2の回転軸線を中心にして回転するように取り付けられた第2の端部ピースをさらに含み、前記第2の端部ピースが、前記スペーサ軸線により近い第1の位置から前記スペーサ軸線から遠くなる第2の位置へと前記第2の回転軸線を中心にして回転できる請求項25に記載の脊椎インプラント。
【請求項27】
第3および第4の端部ピースをさらに備え、前記第3の端部ピースが、前記第1の端部ピースと一緒に回転するように取り付けられ、前記第4の端部ピースが、前記第2の端部ピースと一緒に回転するように取り付けられ、前記第1および第2の端部ピースが、前記スペーサの前記第1の端部の付近に取り付けられ、前記第2および第4の端部ピースが、前記スペーサの前記第2の端部の付近に取り付けられている請求項26に記載の脊椎インプラント。
【請求項28】
シャフトおよび第2の端部ピースをさらに備え、前記第1および第2の端部ピースが、前記回転軸線を中心にして前記シャフトと一緒に回転するように前記シャフトへと取り付けられ、少なくとも前記第1の端部ピースが、前記第1の端部ピースが行き止まった場合に前記第2の端部ピースを静止させたままで前記第2の端部ピースを前記シャフトと一緒に回転させ続けることができるよう、所定のトルクレベルを超えると前記シャフトに対して滑るように取り付けられている請求項25に記載の脊椎インプラント。
【請求項29】
前記保持部材が、前記スペーサ軸線を横切る第1の回転軸線を中心にして回転するように取り付けられた第1の端部ピースを備えている請求項21に記載の脊椎インプラント。
【請求項30】
前記端部ピースが細長く、前記第1の位置においては前記スペーサ軸線に略平行に延び、前記第2の位置においては前記スペーサ軸線を実質的に横切るように延びる請求項29に記載の脊椎インプラント。
【請求項31】
前記端部ピースが、前記スペーサの付近の第1の寸法から、前記スペーサから離れた第2のより小さい寸法へと先細りになっている請求項30に記載の脊椎インプラント。
【請求項32】
前記第2の端部の付近に固定の延長部をさらに備え、前記固定の延長部が、前記外表面よりもさらに前記スペーサ軸線から離れるように延びており、アクチュエータが、前記第1の端部ピースに作動可能に接続され、前記第2の端部から操作可能であり、操作に応答して前記第1の端部ピースを前記第1の回転軸線を中心にして回転させる請求項30に記載の脊椎インプラント。
【請求項33】
前記スペーサ軸線および前記第1の回転軸線を横切る方向の第2の回転軸線を中心にして回転するように取り付けられた第2の端部ピースをさらに備えている請求項29に記載の脊椎インプラント。
【請求項34】
相対回転するように前記スペーサへと取り付けられたシャフトをさらに備え、前記シャフトが、前記第1および第2の端部ピースへと作動可能に接続され、回転に応答して前記第1の端部ピースを前記第1の回転軸線を中心に、前記第2の端部ピースを前記第2の回転軸線を中心に、同時に回転させる請求項33に記載の脊椎インプラント。
【請求項35】
前記スペーサ軸線を横切る第3の回転軸線を中心にして回転するように取り付けられた第3の端部ピースと、前記スペーサ軸線を横切る第4の回転軸線を中心にして回転するように取り付けられた第4の端部ピースとをさらに備え、前記第1および第2の端部ピースが、前記スペーサの前記第1の端部の付近に取り付けられ、前記第3および第4の端部ピースが、前記スペーサの前記第2の端部の付近に取り付けられ、前記第1および第2の端部ピースが、前記スペーサ軸線から半径方向外側へと互いに異なる方向に突き出すように回転することができ、前記第3および第4の端部ピースが、前記スペーサ軸線から半径方向外側へと互いに異なる方向に突き出すように回転することができる請求項33に記載の脊椎インプラント。
【請求項36】
前記スペーサが、前記スペーサ軸線に向かって弾性的に圧縮することができる管状部材を備え、前記保持部材が、前記第2の位置において前記スペーサ軸線を横切る方向に前記スペーサから遠ざかるように延びる一体のアームを備え、前記アームを、前記第1の位置をとるべく弾性的に真っ直ぐにすることができる請求項21に記載の脊椎インプラント。
【請求項37】
人間の脊椎の互いに隣接する棘突起の間に配置される脊椎インプラントであって、第1の端部と、第2の端部と、両者の間を延びるスペーサ軸線とを有するスペーサを備え、前記スペーサが、前記スペーサ軸線から離れた内表面および外表面を有する管壁を有しており、前記第1および第2の端部において開いている中空の管状構造を備え、前記管壁が、前記第1および第2の端部の各々の付近に、半径方向のアレイにて前記管壁を貫いている複数の穴を有する脊椎インプラント。
【請求項38】
人間の脊椎の互いに隣接する棘突起の間に配置される脊椎インプラントであって、
第1の端部と、第2の端部と、両者の間を延びるスペーサ軸線とを有するスペーサを備え、前記スペーサが、前記スペーサ軸線から離れた外表面を有する一枚岩構造を備え、前記スペーサが、前記スペーサを棘突起へと取り付けるための固定具を受け入れるための少なくとも1つの固定具収容通路を、前記スペーサ軸線に対して斜めに前記第1の端部から前記外表面へと連絡させて有する脊椎インプラント。
【請求項39】
人間の脊椎の互いに隣接する棘突起の間に配置される脊椎インプラントであって、第1の端部と、第2の端部と、両者の間を延びるスペーサ軸線とを有するスペーサを備え、前記スペーサが、棘突起の横に延びるように前記第1の端部の付近において前記スペーサ軸線を横切る方向に外へと延びているフランジを備え、前記フランジが、前記フランジを棘突起へと取り付けるための固定具を受け入れるべく前記フランジを貫いて延びている固定具収容穴を備えている脊椎インプラント。
【請求項40】
人間の脊椎の互いに隣接する棘突起の間に配置される脊椎インプラントであって、
ベース軸線を有する細長い部位と、前記ベース軸線から離れるように実質的に横方向に延びている横軸部分とを有するベース、および
前記ベース軸線に沿って軸線方向に平行移動する関係で前記細長い部位に係合できるスペーサ
を備えている脊椎インプラント。
【請求項41】
前記スペーサが、前記横軸部分の近くの第1のより小さい直径から、前記横軸部分から離れた第2のより大きい直径へと、テーパ状である請求項40に記載の脊椎インプラント。
【請求項42】
人間の脊椎の互いに隣接する棘突起の間に配置される脊椎インプラントであって、
第1の端部と、第2の端部と、両者の間を延びるスペーサ軸線とを有し、前記スペーサ軸線から離れた外表面を有するスペーサ、および
前記第1の端部を前記第2の端部へと近付くように平行移動させて、前記外表面を前記スペーサ軸線からさらに離れるように移動させるための手段
を備えている脊椎インプラント。
【請求項43】
前記外表面にまたは前記外表面の内側に実質的に位置する第1の位置から、前記外表面よりも外へと突き出す第2の位置まで可動である少なくとも1つの展開可能な保持部材をさらに備えている請求項42に記載の脊椎インプラント。
【請求項44】
前記スペーサが、割られた本体を備え、前記外表面が、上側表面および下側表面を含み、当該脊椎インプラントが、前記上側および下側表面を前記スペーサ軸線からさらに遠ざかるように移動させるべく前記上側表面と前記下側表面との間を移動することができるくさび部材をさらに備えている請求項42に記載の脊椎インプラント。
【請求項45】
前記スペーサが、弾性材料と前記スペーサを貫いて延びる通路とを備え、当該脊椎インプラントが、前記スペーサの前記第1の端部に位置するベースと、前記第2の端部において前記外表面を超えて前記スペーサ軸線に対して横方向に延びているプレートとをさらに備え、
シャフトが、互いに平行移動する関係にて前記通路を通って前記ベースおよびプレートを接続して、前記プレートおよびベースが、比較的お互いから離れた第1の位置と、比較的お互いに近い第2の位置との間を可動であり、
前記プレートおよびベースが、前記プレートおよびベースが前記第2の位置へと移動するときに、前記スペーサを軸線方向に圧縮して、前記スペーサ軸線を横切る方向に膨張させる請求項42に記載の脊椎インプラント。
【請求項46】
人間の脊椎の互いに隣接する棘突起の間に配置される脊椎インプラントであって、
第1の端部と、第2の端部と、両者の間を延びるスペーサ軸線とを有するとともに、前記スペーサ軸線から離れた内表面および外表面を有する管壁を有する中空の管状構造を備え、前記内表面が軸線方向の通路を定めているスペーサ、および
前記管壁を膨張させて前記外表面を前記スペーサ軸線からさらに離れるように移動させるための手段
を備えている脊椎インプラント。
【請求項47】
前記管壁が、不連続であって、第1および第2の縁を定め、前記脊椎インプラントが、前記外表面が前記スペーサ軸線から第1の距離だけ離れる第1の位置から、前記外表面が前記スペーサ軸線から第2のより大きな距離だけ離れる第2の位置まで、前記軸線方向の通路において軸線方向に平行移動可能な少なくとも1つの先細りのインサートを備えている請求項46に記載の脊椎インプラント。
【請求項48】
前記管壁が、巻かれたシートを備え、前記管壁が、前記シートが比較的きつく巻かれた第1の位置と、前記シートが比較的緩く巻かれた第2の位置との間を可動である請求項46に記載の脊椎インプラント。
【請求項49】
前記巻かれたシートが、第1および第2のシート端部を備え、各々の端部がフックを定めていて、前記フックが、前記シートが緩められるときに前記巻かれたシートの膨張を制限すべく係合する請求項48に記載の脊椎インプラント。
【請求項50】
前記巻かれたシートが、前記管壁を貫く少なくとも1つの開口を備えるとともに、前記スペーサ軸線に対して横方向に前記巻かれたシートから離れるように延び、前記巻かれたシートの膨張を制限すべく前記開口に係合できる少なくとも1つのタブを備えている請求項48に記載の脊椎インプラント。
【請求項51】
前記巻かれたシートが、前記管壁を貫く複数の開口を備え、前記タブが、前記複数の開口のうちのどれに係合するかに応じて、前記巻かれたシートの膨張を種々のサイズへと制限するように、前記複数の開口の各々に選択的に係合することができる請求項50に記載の脊椎インプラント。
【請求項52】
人間の脊椎の互いに隣接する棘突起の間に配置される脊椎インプラントであって、
第1の端部と、第2の端部と、両者の間を延びるスペーサ軸線とを有するとともに、前記第1の端部の付近における前記スペーサ軸線に対する横方向の第1の寸法から、前記第1の端部から離れた位置における前記スペーサ軸線に対する横方向の第2のより小さい寸法へと、先細りになっているくさび形の本体を備えているスペーサ、
前記第1の端部の付近において前記外表面よりも外へと突き出している第1の延長部、および
前記第1の延長部に対して軸線方向に平行移動する関係で前記スペーサに係合することができる第2の延長部
を備えており、
前記第1および第2の延長部が、両者の間に中間点を定め、前記第1および第2の延長部が、前記延長部が第1の軸線方向の距離だけ離れ、間に第1の中間点を定める第1の位置から、前記延長部が第2のより小さい軸線方向の距離だけ離れ、間に第2の中間点を定める第2の位置へと可動であり、前記第1の中間点における前記スペーサ本体の前記スペーサ軸線に直角な方向の寸法が、前記第2の中間点における前記スペーサ本体の前記スペーサ軸線に直角な方向の寸法よりも小さい脊椎インプラント。
【請求項53】
前記第2の延長部が、前記スペーサ本体を受け入れることができる貫通穴を有するプレート状の本体を備えている請求項52に記載の脊椎インプラント。
【請求項54】
前記第1および第2の延長部の軸線方向の相対位置を固定するためのロック機構をさらに備えている請求項53に記載の脊椎インプラント。
【請求項55】
前記ロック機構が、ラチェット機構を備えている請求項54に記載の脊椎インプラント。
【請求項56】
前記ロック機構が、ねじを備えている請求項54に記載の脊椎インプラント。
【請求項57】
前記第1の延長部が、前記スペーサ本体へと固定され、前記第2の延長部が、第1および第2のタブをさらに備え、前記スペーサ本体を前記第1および第2のタブの間に受け入れることができる請求項52に記載の脊椎インプラント。
【請求項58】
人間の脊椎の互いに隣接する棘突起の間に配置される脊椎インプラントであって、
第1の端部と、第2の端部と、前記第1の端部に組み合わせられた少なくとも1つの第1の横壁とを有し、前記少なくとも1つの第1の横壁が、一方の棘突起の側面に沿って延びるように構成され、前記第2の端部が、棘突起の間の棘突起間空間に位置するように構成されている第1のパーツ、
第3の端部と、第4の端部と、前記第3の端部に組み合わせられた少なくとも1つの第2の横壁とを有し、前記少なくとも1つの第2の横壁が、一方の棘突起の側面に沿って延びるように構成され、前記第4の端部が、前記第2の端部に隣接して前記棘突起間空間に位置するように構成されている第2のパーツ、
前記第1のパーツおよび前記第2のパーツを貫いて延びている少なくとも1つの案内ワイヤ用チャネル、および
前記少なくとも1つの案内ワイヤ用チャネルを通って延び、前記第1のパーツおよび前記第2のパーツを整列した関係で一体に結合させる案内ワイヤ
を備えており、前記スペーサが、上側の棘突起と下側の棘突起との間の間隔の拡大または維持の少なくとも一方を行う脊椎インプラント。
【請求項59】
前記第2の端部が、少なくとも1つの対をなす溝を備え、前記第4の端部が、少なくとも1つの対をなす突起を備え、前記少なくとも1つの対をなす溝および前記少なくとも1つの対をなす突起が係合する請求項58に記載の脊椎インプラント。
【請求項60】
前記少なくとも1つの案内ワイヤ用チャネルが、複数の案内ワイヤ用チャネルを含み、前記案内ワイヤが、前記少なくとも1つの第1の横壁の周囲を巡るように、前記少なくとも1つの第2の横壁に近い第1の端部と、前記少なくとも1つの第2の横壁に近い第2の端部と、前記複数の案内ワイヤ用チャネルの中の本体とを有する請求項58に記載の脊椎インプラント。
【請求項61】
前記第2の端部および前記第4の端部を貫いて延びる穴と、前記穴に位置するコネクタとをさらに備えている請求項58に記載の脊椎インプラント。
【請求項62】
前記コネクタが、前記穴に螺合によって接続されるセットねじである請求項61に記載の脊椎インプラント。
【請求項63】
前記少なくとも1つの案内ワイヤが、前記少なくとも1つの第1の横壁の付近で終わる第1の端部と、前記少なくとも1つの第2の横壁の付近で終わる第2の端部とを有する請求項58に記載の脊椎インプラント。
【請求項64】
前記案内ワイヤの端部の各々が、クリンプ、タイ、セットねじ、およびケーブルロックで構成される終端装置のグループから選択される装置で終わっている請求項63に記載の脊椎インプラント。
【請求項65】
前記少なくとも1つの第1の横壁の少なくとも1つの第1の穴と、前記少なくとも1つの第2の横壁の少なくとも1つの第2の穴と、前記少なくとも1つの第1の穴から前記少なくとも1つの第2の穴へと少なくとも一方の棘突起の周囲を延びている少なくとも1つの可撓な生体適合性材料とをさらに備えている請求項58に記載の脊椎インプラント。
【請求項66】
上側棘突起を有する上側椎体と下側棘突起を有する下側椎体とを含んでいる脊椎分節を広げる方法であって、
棘突起間の空間へのアクセスを用意するステップ、
棘突起間スペーサの第1のパーツを前記アクセスを通って挿入するステップ、
棘突起間スペーサの第2のパーツを、前記第1のパーツから前記アクセスを通って前記第2のパーツへと延びている案内ワイヤを使用して、前記アクセスを通って挿入するステップ、
前記第1のパーツおよび前記第2のパーツを押し合わせるステップ、および
押し合わせられた前記第1のパーツおよび前記第2のパーツを固定するステップとを備える方法。
【請求項67】
上側椎体と下側椎体との間隔を広げるステップをさらに備える請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記間隔を広げるステップおよび前記第1のパーツを挿入するステップが、実質的に同時に生じる請求項67に記載の方法。
【請求項69】
人間の脊椎の互いに隣接する棘突起の間に配置される脊椎インプラントであって、
棘突起接触面を有する第1の座、
前記第1の座へと接続された離間柱、
棘突起接触面を有するとともに、前記離間柱を軸線方向に平行移動する関係にて収容する貫通穴を有する取り付けタブを備えている第2の座、および
前記第1および第2の座をお互いに対して固定するための固定機構
を備えており、
前記第1および第2の座が、前記棘突起接触面が比較的近付いている第1の位置から、前記棘突起接触面が比較的遠く離れている第2の位置へと可動である脊椎インプラント。
【請求項70】
前記第1の座の前記棘突起接触面が、前記第1の位置において前記第2の座の前記棘突起接触面と同一平面にある請求項69に記載の脊椎インプラント。
【請求項71】
前記第1および第2の座の一方が、間のすき間によって離間した複数の棘突起接触面を備えており、前記第1および第2の座の他方の棘突起接触面を、前記第1の座の少なくとも1つの棘突起接触面が前記第2の座の少なくとも1つの棘突起接触面と同一平面にあるように、前記すき間に収容することができる請求項70に記載の脊椎インプラント。
【請求項72】
前記第1および第2の座の少なくとも一方が、棘突起の一部分を囲むべく前記棘突起接触面から離れるように延びている壁をさらに備えている請求項69に記載の脊椎インプラント。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
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【図18】
【図19】
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【図22】
【図23】
【図24】
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【図26】
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【図28】
【図29】
【図30】
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【図32】
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【図34】
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【図38】
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【図49】
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【図56】
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【図58】
【図59】
【図60】
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【図62】
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【図68】
【図69】
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【図69】
【図70】
【公表番号】特表2011−502573(P2011−502573A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−532090(P2010−532090)
【出願日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際出願番号】PCT/US2008/070353
【国際公開番号】WO2009/058439
【国際公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【出願人】(509195537)ランクス インコーポレイテッド (5)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際出願番号】PCT/US2008/070353
【国際公開番号】WO2009/058439
【国際公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【出願人】(509195537)ランクス インコーポレイテッド (5)
【Fターム(参考)】
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