説明

脱毛症の処置のための組成物および方法

【課題】脱毛症の処置に有効な組成物を提供すること。
【解決手段】毛再生組成物であって、Tα1、Tβ4、またはそれらの組み合わせを、ステロイド、インドールベースの化合物、殺ダニ剤、バイオフラボノイド(bioflavanoid)、抗真菌材料、および抗炎症性脂肪酸から選択される少なくとも1つの化合物と組み合わせて含有する、毛再生組成物が提供される。一実施形態において、上記組成物は、Tα1およびTβ4の供給源としてチモシンフラクション5を含有し、別の実施形態において、上記ステロイドは、クエン酸タモキシフェン、プロゲステロン、プレグネノロン、スピロノラクトン、プレグネアオロン(pregneaolone)、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)、ジオスゲニン、トリフェニルエチレンベースの化合物、またはテストラクトンである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の技術分野)
本発明は一般に、脱毛症の処置のための組成物および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
脱毛症は人類および動物を何千年もの間悩ませてきた問題である。多くの個体において、脱毛症は、欝病を含む面倒な精神的問題を引き起こし、そして人の自己についてのイメージおよび性別の印象に影響を与え得る。脱毛症は、雄性および雌性に種々の病因があると仮定されており、この多くは性腺ステロイドに関する。脱毛症は女性(例えば、女性型禿頭症)より男性(例えば、男性型禿頭症または男性ホルモン性脱毛症)においてより一般的である。化粧品の研究は、この問題を解決するための研究に何百万ドルおよび無限の時間を費やしてきた。
【0003】
脱毛はそれ自体は自然な現象である。発毛は、小胞の発生および発育、定常期、ならびに最終期(この間に毛が抜け落ちる)を包含する周期をたどる。成育期(成長期)、後退期(退行期)および休息期(休止(telegenic)期)間の変化は、腺として働き、そして休止期の後に排出し、そして交代する多くのケラチンを進行的に生成する、毛包の特殊な分泌物が原因である。この周期は、多数の間葉(mesenchymatous)細胞を含有する真皮から生じる毛包の成長に始まり、真皮乳頭の形成を生じる。最終段階(成長期)において、真皮乳頭を取り巻く細胞は、一列に並び、長く成長し、そして角質化を始める細胞を生成するために、12時間毎に活発に分裂する。これが発毛である。退行期の間、有糸分裂はもはや起こらず、球は乳頭から離れ、そして表面にでる。休止期において、毛は十分に角質化され、排出される準備が整う。3〜4ヶ月後、毛の発生領域において別の有糸分裂周期が始まり、別の毛包が形成される。
【0004】
種々の技術が、脱毛症の処置に用いられてきたが、当該分野には、この目的のための方法および組成物の必要性が残っている。本発明はこの必要性を満たし、さらに関連する利点を提供する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明により、例えば、以下が提供される。
(1) 毛再生組成物であって、Tα1、Tβ4、またはそれらの組み合わせを、ステロイド、インドールベースの化合物、殺ダニ剤、バイオフラボノイド(bioflavanoid)、抗真菌材料、および抗炎症性脂肪酸から選択される少なくとも1つの化合物と組み合わせて含有する、毛再生組成物。
(2) Tα1およびTβ4の供給源としてチモシンフラクション5を含有する、項目1に記載の組成物。
(3) 前記ステロイドが、クエン酸タモキシフェン、プロゲステロン、プレグネノロン、スピロノラクトン、プレグネアオロン(pregneaolone)、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)、ジオスゲニン、トリフェニルエチレンベースの化合物、またはテストラクトンである、項目1に記載の組成物。
(4) 前記インドールベースの化合物が、インドール、メラトニン、N−[2−(5−メトキシ−1H−インドール−3−イル)エチル]アセトアミド、スカトール、またはインドール−3−カルビノールである、項目1に記載の組成物。
(5) 前記殺ダニ剤が、界面活性剤、芳香剤、および皮膚浸透剤である、項目1に記載の組成物。
(6) 前記皮膚浸透剤が、PX−13である、項目5に記載の組成物。
(7) 前記界面活性剤が、Gemtek界面活性剤である、項目5に記載の組成物。
(8) 前記芳香剤が、メントール、ベンジルアルコール、オイゲノール、フェノキシエタノール、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸フェニルエチル、チモール、サリチル酸イソアミル、サリチル酸フェニルエチル、Triton X−100界面活性剤、安息香酸、安息香酸ベンジル、サリチル酸メチル、フェノール、オレイン酸、カプロン酸、またはカルバリルである、項目5に記載の組成物。
(9) 前記バイオフラボノイドが、ケルレチン(querretin)メチルカルコンである、項目1に記載の組成物。
(10) 前記抗真菌材料が、ウンデシレン酸、グリセオフルビン、テルビナフィン、またはアゾール化合物である、項目1に記載の組成物。
(11) 前記アゾール化合物が、ケトコナゾールまたはフルコナゾールである、項目10に記載の組成物。
(12) 前記抗炎症性脂肪酸が、TESトリオレートまたはPX−13である、項目1に記載の組成物。
(13) 前記組成物が、Tα1、Tβ4、ステロイド、インドールベースの化合物、殺ダニ剤、バイオフラボノイド、抗真菌材料、および抗炎症性脂肪酸を含有する、項目1に記載の組成物。
(14) それらを必要とする患者の頭皮の脱毛を処置するための方法であって、以下の工程:頭皮を洗浄剤で洗浄する工程;該洗浄された頭皮をケラチン溶媒系で処置する工程;酸剥離溶液をケラチン処理された頭皮に塗布する工程;および毛再生組成物を該酸剥離された頭皮に塗布する工程、を包含し、ここで、該毛再生組成物は、Tα1、Tβ4、またはそれらの組み合わせを含有する、方法。
(15) 前記毛再生組成物がさらに、ステロイド、インドールベースの化合物、殺ダニ剤、バイオフラボノイド、抗真菌材料、および抗炎症性脂肪酸を含有する、項目14に記載の方法。
(16) 前記頭皮の洗浄工程が、洗浄シャンプーによって達成される、項目14に記載の方法。
(17) 前記洗浄シャンプーが、硬質表面エトキシル化クレンザーを含む、項目16に記載の方法。
(18) 前記硬質表面エトキシル化クレンザーが、Gemtek溶液である、項目17に記載の方法。
(19) 前記ケラチン溶媒系が、酢酸ベースの処方物または尿素ベースのゲル処方物である、項目14に記載の方法。
(20) 項目19に記載の方法であって、前記尿素ベースのゲル処方物が、以下:尿素、クエン酸、尿素過酸化物、プロピレングリコール、エトキシル化アルコール、またはアクリル酸コポリマーのうちの少なくとも1種を含有する、方法。
(21) 前記酸剥離溶液の塗布前に、局所麻酔薬を塗布する工程をさらに包含する、項目14に記載の方法。
(22) 前記局所麻酔薬が芳香剤を含むか、または前記局所麻酔薬が芳香剤である、項目21に記載の方法。
(23) 界面活性剤または可溶化組成物をさらに含有する、項目21に記載の方法。
(24) 前記酸剥離溶液が、少なくとも1種の生理学的な酸を含有する、項目14に記載の方法。
(25) 前記生理学的な酸が、クエン酸、アルコルビン酸、またはピルビン酸である、項目24に記載の方法。
(26) 前記酸剥離溶液を約1分間、前記頭皮に保持させる、項目14に記載の方法。(27) 前記酸剥離溶液を約1時間、前記頭皮に保持させ、そして閉鎖キャップを該頭皮上に配置する、項目14に記載の方法。
(28) 前記酸剥離溶液を約8時間まで前記頭皮に保持させ、そして閉鎖キャップを該頭皮を覆う頭部に配置する、項目14に記載の方法。
(29) 前記毛再生組成物の塗布前に、過剰活性尿素ゲル処方物を塗布し、前記頭皮の表面上に存在する突起物(bump)を可溶化する工程をさらに包含する、項目14に記載の方法。
(30) 前記過剰活性尿素ゲル処方物が、以下:尿素、クエン酸、尿素過酸化物、2−フェノキシエタノール、プロピレングリコール、Gemtek SC−1000、またはエトキシジグリコールのうちの少なくとも1種を含有する、項目29に記載の方法。
(31) 前記ステロイドが、クエン酸タモキシフェン(tamoxiten citrate)、プロゲステロン、プレグネノロン、スピロノラクトン、プレグネアオロン、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)、ジオスゲニン、トリフェニルエチレンベースの化合物、またはテストラクトンである、項目15に記載の方法。
(32) 前記インドールベースの化合物が、メラトニン、N−[2−(5−メトキシ−1H−インドール−3−イル)エチル]アセトアミド、スカトール、およびインドール−3−カルビノールである、項目15に記載の方法。
(33) 前記抗炎症性脂肪酸が、TESトリオレートまたはPX−13である、項目15に記載の方法。
(34) 前記殺ダニ剤が、界面活性剤、芳香剤、および皮膚浸透剤の溶液である、項目15に記載の方法。
(35) 前記皮膚浸透剤が、PX−13である、項目34に記載の方法。
(36) 前記界面活性剤が、Gemtek界面活性剤である、項目34に記載の方法。(37) 前記芳香剤が、メントール、ベンジルアルコール、オイゲノール、フェノキシエタノール、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸フェニルエチル、チモール、サリチル酸イソアミル、サリチル酸フェニルエチル、Triton X−100界面活性剤、安息香酸、安息香酸ベンジル、サリチル酸メチル、フェノール、オレイン酸、カプロン酸、またはカルバリルである、項目34に記載の方法。
(38) 前記バイオフラボノイドが、ケルレチン(querretin)メチルカルコンである、項目15に記載の方法。
(39) 前記抗真菌材料が、ウンデシレン酸、グリセオフルビン、テルビナフィン、またはアゾール化合物である、項目15に記載の方法。
(40) 前記アゾール化合物が、ケトコナゾールまたはフルコナゾールである、項目39に記載の方法。
(発明の要旨)
本発明は、脱毛症の処置に有効であり、ヒトおよび他の温血動物における全ての脱毛症の主な原因は細胞性免疫の減少であるという発見に基づく方法論を提供する。思春期はアンドロゲンおよびエストロゲンの増加に関係しているため、そして、男性ホルモン性脱毛症は思春期の前にはめったに始まらないため、ホルモンの原因が挙げられる。細胞性免疫の欠損が、脱毛領域および脱毛症全体に直接的な原因であることは公知である。細胞性免疫を調節する胸腺が、思春期に退縮することもまた公知である。感染性因子は脱毛の原因となる可能性が大きいということが続いて仮定された。脱毛は炎症なしではめったに起こらない。従って、種々の脱毛症の形態の原因となる炎症の原因を決定するための研究がなされた。感染性因子を決定するために、ケラチンを可溶化する化学系、および実質的な剥脱を引き起こす化学システムが開発された。
【0006】
驚くべきことに、真菌は、ほとんど全ての脱毛症の症例の原因であることが決定されている。この真菌は皮膚/表皮接合部に存在し、ウッドランプ(UV)照射によってはっきり見える。頭皮の培養によって、この真菌は白癬菌種であることが示された。このことは、性によって決定される変動を伴う。男性の頭皮に寄生する真菌のタイプは、女性の頭皮に寄生する真菌とは遺伝的に異なる。この理論に縛られることなく、この真菌は脱毛の主な原因であると考えられている。同様に、この真菌は外部寄生体によって広がるという発見は驚くべきことである。この寄生生物は単離され、顕微鏡下で分析され、そしてdemodicidea種であることが見い出された。今まで、この寄生生物は、脱毛を経験している試験被験体全てに見出されてきた。
【0007】
本発明は、真菌感染の問題を解決するため、そして外部寄生体を除去するための組成物および方法を提供し、これにより、この処置が必要なヒトを含む温血動物(本明細書中ではまとめて「患者」と呼ぶ)の頭皮上の脱毛症を処置する。本明細書中で使用される句「脱毛症を処置する」は、有効量の本発明の毛再生組成物の局所的な塗布によって、発毛を刺激および/または再生することを意味する。本明細書中で使用される用語「有効量」は、脱毛合併(例えば、男性型禿頭症)と関係する発毛を刺激および/または再生する、毛再生組成物の量を意味する。
【0008】
本発明の毛再生組成物は、Tαlおよび/またはTβ4を含有し、そして必要に応じてステロイド、インドールベースの化合物、殺ダニ剤(mitocide)、バイオフラボノイド、抗真菌物質、抗炎症性脂肪酸および/または皮膚吸収増強剤を含有する。
【0009】
本明細書中で使用される場合、TαlおよびTβ4は、サイモシンフラクション(fraction)5の単離された抽出物である;ステロイドには、クエン酸タモキシフェン、プロゲステロン、プレグネノロン、スピロノラクトン、プレグネノロン(pregneaolone)、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)、ジオスゲニン、トリフェニルエチレンベースの化合物および/またはテストラクトンが挙げられる;インドールベースの化合物には、インドール、メラトニン、N−[2−(5−メトキシ−1H−インドール−3−イル)エチル]アセトアミド、スカトールおよび/またはインドール−3−カルビノールが挙げられる;殺ダニ剤は、界面活性剤、香料および皮膚透過剤の溶液であり、ここで、皮膚透過剤にはPX−13が挙げられ、界面活性剤比はGentek界面活性剤が挙げられ、そして香料にはメントール、ベンジルアルコール、オイゲノール、フェノキシエタノール、イソプロピルパルミテート、イソプロピルミリステート、サリチル酸ベンジル、フェニルエチルサリチラート、チモール、サリチル酸イソアミル、フェニルエチルサリチラート、Triton X−100界面活性剤、安息香酸、安息香酸ベンジル、サリチル酸メチル、フェノール、オレイン酸、カプロン酸および/またはカルバリルが挙げられる;バイオフラボノイドにはケルセチン(querretin)メチルカルコンが挙げられる;抗真菌物質には、ウンデシレン酸、グリセオフルビン、グリセオフルビン、テルビナフィンおよび/またはアゾール化合物が挙げられる;抗炎症性脂肪酸には、TESトリオレート(triolate)および/またはPX−13が挙げられる;そして皮膚吸収増強剤には、ケリン、ニコチン酸メチル、MSM−Decyメチルスルホキシド、ジエチレングリコール、クエン酸、ピルビン酸、フェノキシエタノール、トランスクトール(transcutol)、Gemtek界面活性剤、ホスファチジルコリン、MCT油および/または水が挙げられる。
【0010】
脱毛症を処置するための本発明の方法には、洗浄剤で患者の頭皮を洗浄する工程;洗浄した頭皮をケラチン溶媒系で処理する工程;ケラチン処理した頭皮に酸剥離(acid peel)溶液を塗布する工程;および本発明の毛再生組成物を、酸剥離した頭皮に塗布する工程、を包含する。本発明の方法は、酸剥離溶液が塗布される前ではなく、頭皮がケラチン溶媒系で処理された後に、局所麻酔を塗布する任意の工程をさらに包含する。好ましくは、このような局所麻酔は、透過を高める界面活性剤、および透過を促進する可溶化剤を含有する。さらに任意の工程は、頭皮の表面に存在する突起物を可溶化する活性の強い尿素ゲル処方物を塗布する工程を包含する。この任意の工程は、毛再生組成物が塗布される前ではなく、酸剥離溶液が塗布された後に実施される。
【0011】
頭皮の洗浄は、硬い表面のエトキシ化クレンザー(Gemtek溶液)を含有するクレンジング(cleansing)シャンプーを用いて達成され得る。ケラチン溶媒系は、尿素ベースの溶液、酢酸ベースの溶液および/または尿素ゲル処方物を含み、ここで、尿素ゲル処方物は、尿素、クエン酸、尿素過酸化物、プロピレングリコール、エトキシ化アルコールおよびアクリル酸コポリマーを含む。酸剥離溶液には、生理的酸が挙げられる。任意の界面活性剤および可溶化組成物には、Gemtek界面活性剤が挙げられる。任意の活性の強い尿素ゲル処方物は、尿素、クエン酸、尿素過酸化物、2−フェノキシエタノール、プロピレングリコール、GemtekSC−1000および/またはエトキシジグリコール(ethyoxydiglycol)を含む。
これらおよび他の本発明の局面は、以下の詳細な記載を参照すれば明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、胸腺組織由来のサイモシンフラクション5の生成を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(発明の詳細な説明)
上記のように、本発明は、毛再生組成物を、処置が必要な患者の頭皮に局所的に投与することによって脱毛症を処置するための組成物および方法を開示する。本発明の毛再生組成物の投与は、有効量の毛再生組成物を動物に送達する(毛包への送達をふくむ)、任意の様式において達成され得る。例えば、頭皮または毛刺激が所望される他の領域に直接、局所塗布することによる投与であり得る。
【0014】
本発明の毛再生組成物は局所投与のための処方物である。適切な局所用処方物は、液体、ローション、クリームまたはおよびゲルの形態で1つ以上の毛再生組成物を含有する。局所投与は、頭皮または他の領域に直接塗布することによって達成され得る。例えば、このような塗布は、処方物(例えば、ローションまたはゲル)を頭皮の皮膚にこすりつけることによって、または液体処方物のスプレー塗布によって達成され得る。発毛の速度を速めるのに十分な任意の量の局所用処方物が、有効であり、そして処置は発毛の進行が示されるまでしばしば繰り返され得る。
【0015】
さらに、本発明の一実施態様において、毛再生組成物が提供され、これはその活性成分として、サイモシンの特定の抽出物、特にサイモシンフラクション5と呼ばれる抽出物を含有する。本発明の毛再生組成物中にもまた存在し得る他の組成物には、ステロイド、インドールベースの化合物、殺ダニ剤、バイオフラボノイド、抗真菌物質、抗炎症性脂肪酸および皮膚吸収増強剤が挙げられる。上記の各成分は以下でさらに詳細に記載される。
【0016】
(サイモシンフラクション5)
サイモシンフラクション5(TF5)はウシの胸腺から調製されたポリペプチドの部分精製混合物である。TF5はウシ胸腺から慣用的に調製した。しかしこれは、ブタ、ヒツジ、マウス、ヤギ、ラット、ニワトリおよびヒトの胸腺組織からもまた調製し得る。TF5の調製および単離は、記載されている(Hooperら、「The purification and properties of bovine thymosin」Ann.NY Acad.Sci.249:125,1975)。代表的な精製ストラテジーは、図に例示される。TF5は、少なくとも40〜50の異なるポリペプチド(ポリアクリルアミドゲルプレート(pH3.5〜9.5)の等電点電気泳動に基づく)から成る。TF5は本質的に、脂質、炭水化物およびエンドトキシンを含まない。TF5は、胸腺を取り除いたまたは免疫抑制された動物の免疫機能の再生において、原発性免疫欠損のヒトにおいて、および免疫抑制された癌患者において有効であることが証明されている。このペプチドの混合物の主な効果は細胞性免疫の刺激である。
【0017】
TF5における2つの主な生物学的に活性な成分は、サイモシンα1(Tα1)(28アミノ酸の免疫調節性ペプチド(分子量3,108ダルトン))(Lowら、「The chemistry and biology of Thymosin I.Isolation and characterization and biological activities of Tα1 and polypeptide β1 from calf thymus」J.Bio.Chem.254:981,1979)およびサイモシンβ4(Tβ4)(43アミノ酸のアクチン隔絶型(sequestering)ペプチド(分子量4,963ダルトン)(Low,T.L.K.およびGoldstein,A.L.,「Chemical characterization of thymosin β4」J.Bio.Chem.257:1000,1982)である。Tα1およびTβ4は、天然では、非常に保存されており、そしてそれらのアミノ酸配列はほとんどの哺乳動物種において同一である。12個より多くのTF5様調製物が、ウシまたはブタの胸腺組織から調製された。これらの胸腺抽出物(例えば、サイモスチムリン(thymostimulin(TP−1)、TFX、サイマリン(thymalin)、サイモジェクト(thymoject)、サイモ(thym)−Uvocalなど)は、TF5処方物の改変物であり、全て、主に15,000以下の分子量を有するポリペプチド混合物から成る部分精製調製物である。TF5の主な生物学的活性成分は、Tα1およびTβ4ならびに精製しよく特徴付けられた、低濃度の他のサイモシンペプチド(例えば、プロサイモシン(Pro Tα1)、Tα2〜Tα11およびTβ3、Tβ〜Tβ13、MB3S、MB40、ユビキチン、サイムリン(thymulin)(FTS)、胸腺体液性因子(thymic humoral factor)(THFα2)およびサイモポイエチン(thymopoietin)(TP))を含有する。TF5を調製するのに従来使用された種々の手順によって調製されたTF5様抽出物はまた、カギとなる成分としてαおよびβ、ならびにTF5で記載された他のより少ない量のペプチド(例えば、Pro Tα3、FTS、THFα2、TP、ユビキチンならびにMB35およびMB40)を含み得る。
【0018】
本発明は、TF5ならびにTα1および/またはTβ4を含む全てのTF5様胸腺抽出物を包含する。Tα1およびTβ4は、創傷治癒を高めるための、細胞媒介性免疫を刺激するおよび調節するそれらの能力、ならびに微生物感染への耐性を高めるそれらの能力、微生物固着を減少するそれらの能力に関して特徴付けられた(Baumannら、Preclinical studies of thymosin α1 and thymosin β4、In:Mauer、H.R.、Goldstein,A.L.、Hager,E.D.、Thymic peptides in preclinical and clinical medicine、W.Zuckschwerdt Verlag Munchen、Bern、Wien、New York、13−17頁、1977)。用語TF5またはTF5様は、本出願での使用として、Tα1および/またはTβ4を含む胸腺抽出物のみを言う。他のペプチドは、TESまたはTES様調製物中にいくらかの濃度で存在し得るが、TF5またはTF5様調製物中のTα1および/またはTβ4の存在が、本発明の使用に必要とされ、好ましくは、それぞれのTα1および/またはTβ4について0.05〜0.1重量%の範囲の濃度で存在する。
【0019】
免疫無防備状態の患者の感染を防ぐ際のTF5またはTF5様調製物の重要性は、免疫抑制された動物における研究によって最初に示された(Oates,K.、Goldstein,A.L.、Thymosin.In:De Vita、D.T.、Hellman,S.、Rosenberg,S.A.(編)、Biological therapy of cancer、第2版、JB Lipencott、Philadelphia、705−718頁,1995;Goldstein,A.L.、「Clinical applicationsof thymosin alpha−1」、Cancer Invest.12:545−547、1994)。初期の研究では、BCO、Candida、またはCryptococcusで感染された免疫抑制されたマウスの生存率の増加は、これらの動物がTF5、Tα1またはTF5様調製物で処置された場合に、示された(Collins,F.M.およびMorrison,N.E.、「Restoration of T−cell responsiveness by thymosin:Expression of antituberculosis immunity in mouse lung」、Infect.Immum.23:330、1979;Bistoniら、「Increase of mouse resistance to Candida albicans infection by Tymosin a 1」、Infect.Immun.36(2):609−614、1982)。T細胞欠乏マウスでは、TF5は、Blastomyces dermatitidisに対する細胞性免疫を回復することが見出されている(Longley,R.E.およびCozad,G.C.、「Thymosin restoration of cellular immunity to Blastomyces dermatitidis in T−cell depleted mice」、Infect.Immum.26(1):187−92、1979)。同様な研究では、Listeria monocytogesに対する細胞媒介性免疫が、TF5で処置した後にタンパク質栄養不足のマウスで増加した。TF5またはTα1の投与はまた、ニューカッスル病ウイルスで感染されたマウスで産生されるインターフェロン(IFN)の量において有意な増加を刺激した(Huangら、「Thymosin treatment modulates production of interferon」、J.Interferon Res.1:411,1981)。同様なマウスでの研究において、TF5またはToc 1の注入は、Candida albicansの感染に対する耐性を増加した(Bistoniら、「Increase of mouse resistance to Candida albicans infection by Tymosin a 1」、Infect.Immun.36(2):609−614,1982;Salvin,S.B.およびNeta,R.、「Resistance and susceptibility to infection in inbred murine strains.I.Variations in the response to thymic hormones in mice infected with Candida albicans」、Cell Immunol.75:160、1983)。TF5の投与後に感染試薬での感染に対する耐性の増加は、MIFおよびIFNなどの特定のサイトカインの放出の増加に起因する(Salvin,S.B.およびNeta,R.、「Resistance and susceptibility to infection in inbred murine strains.I.Variations in the response to thymic hormones in mice infected with Candida albicans」、Cell Immunol.75:160,1983)。TF5およびTα1の注入はまた、C.albicans、Listeria monocytogenes、Pseudomonas aeruginosa、およびSerratia marescensでの日和見感染に対して、5−フルオロウラシル(5FU)−またはモルヒネで免疫抑制されたマウスを保護することが示された(Ishitsukaら、「Protective activity of thymosin against opportunistic infections in animal models」、Cancer Immunol.Immunother.14:145,1983;Di Francescoら、「Combined effect of flucoazole and thymosin α1 on systemic candidasis in mice immunosuppressed by morphine treatments」、Clin.Ex.Immuno.97:347−352、1994)。抗ウイルス薬のアマンタジンおよびインターフェロンと組み合わせて投与されたTα1の有効性はまた、インフルエンザウイルスで感染されたマウスで示された。この新しい組み合わせ治療プロトコルは、長期生存を有意に増化させ、肺中のウイルス濃度(titer)を減少させ、そして、ナチュラルキラー細胞活性、細胞障害性のTリンパ球応答、およびCD4+/CD8+リンパ球のサブセットなどの試験された多数の免疫学的なパラメータを回復させることが見出された(D’Agostiniら、「Efficancy of combination therapy with amantadine、Tα1、and α/β IFN in mice infected with influenza A virus」、Int.J.Immunopharmacol.18:95−102、1996)。
【0020】
種々のTF5またはTF5様調製物(例えば、THF、TFX、TP−I)を使用するヒトの臨床研究は、胸腺因子の投与がウイルス感染(例えば、帯状疱疹、単純疱疹、アデノウイルス、肝炎、およびサイトメガロウイルス)の過程を短くし得、これらの患者にT細胞免疫の回復を増加し得ることが示された(Ajiutiら、「A placebo controlled trial of thymic hormone treatment of recurrent herpes simplex labialis infection in immunodeficient host:Result after a 1 year follow up」、Clin.Immunol.Immunopathol.30:11、1984;Businco,L.およびRezza,E.、「Therapy of viral disease in immunosuppressed patients with TP−1」、Thymic Hormones and T−lymphocytes(A.F.Wigzelら)、Academic press、New York、295頁、1981;Demartinoら、「T−lymphocytes in children with respiratory infections:Effect of the use of thymostimulin on the alteration of T−cell subsets」、Int.J.Tissue React.6:223、1984;Schulof,R.S.およびGoldstein,A.L.、「Clinical applications of thymosin and other thymic hormones」、Recent Advances in Clinical Immunology(R.A.ThompsonおよびN.R.Rose、編)、Churchill Livingstone、Edinburgh、243頁、1983;Trianinら、「The role of THF a thymic hormone,as a regulator of T−cell differentiation in humans」、Current Concepts in Human Immunology and Cancer Immunomodulation(Serrpuら、編)、Elsevier Biomedical、New York、295頁、1981)。これらの研究は、TF5またはTF5様調製物が免疫無防備状態の宿主の感染を防ぐまたは弱毒化することに有用であり得る。
【0021】
TF5およびTF5様調製物はまた、一次的および二次的免疫欠損の患者の臨床試験に使用されている。免疫系の先天性欠損に関する多数の症候群が、このカテゴリーに含まれる。これらには、T細胞、B細胞または両方のリンパ球集団欠損(population defect)が含まれ得る。TF5およびTF5様調製物でインキュベーションした後のインビボのEロゼット(Erosette)形成細胞の割合および数の増加が報告されている(Schulof,R.S.およびGoldstein,A.L.、「Clinical applications of thymosin and other thymic hormones」、Recent Advances in Clinical Immunology(R.A.ThompsonおよびN.R.Rose、編)、Churchill Livingstone、Edinburgh、243頁、1983)。
【0022】
いくつかの胸腺調製物(例えば、TF5、TP−I、TP−5、サイムリン、THF、およびTPX)が、一次的免疫欠損病の子供の臨床試験において研究されてきた(Goldstein,A.L.、「Clinical applicatios of thymosin alpha−1」、Cancer Invest.12:545−547、1994、Trianinら、「The role of THF a thymic hormone,as a regulator of T−cell differentiation in humans」、Current Concepts in Human Immunology and Cancer Immunomodulation(serrpuら、編)、Elsevier Biomedical、New York、295頁,1981;Bach,J.F.およびDardenne,M.「Clinical aspects of thymulin(FTS)」、Thymic Hormones and Lymphokines(A.L.Goldstein、編)、Plenum Press、New York、593頁、1984;Davies,E.G.およびLevinsky,R.J.、「Experience in the use of thymic hormones hormones for immunodeficiency disorders」、Thymic Factor Therapy、第16巻(N.A.ByronおよびJ.R.Hobbs、編)、Serono シンポジウム刊行物、Raven Press、New york、156頁、1984;Goldstein,A.L.、「Thymosin alph−1:Chemistry、mechanism of action and clinical applications」、Combination Therapies 2(E.GaraciおよびA.L.Goldstein、編)、Plenum Press、New York、39−48頁,1993;Skotnickiら、「Biological properties and clinical use of calf thymus extract TFX−Polfa」、Thymic Hormones and Lymphokines(A.L.Goldstein,編)、Plenum Press、New York、545頁、1984;Waraら、「Thymosin fraction 5 therapy in patients with primary immunodeficiency disorders」、Tymic Factor Therapy、第16巻(N.A.ByronおよびJ.R.Hobbs、編)、Serono Symposia Publications、Raven Press、New York、123頁、1984)。これらの研究は、胸腺因子が細胞免疫応答再形成およびこれらの患者の臨床的状態の改善に有用であることを示す。
【0023】
Tα1フラクションおよびTβ4フラクションは、完全に特徴付けられ、微生物固着を減少し、創傷治癒を高め、細胞媒介性免疫を刺激する能力が示される。従って、これらの特定の胸腺フラクションの局所的な塗布は、真菌類および他の感染に抵抗するための皮膚の能力を増加し、そして反応を真菌にのせ(mount)、真菌を除く皮膚の能力を補助するようである。毛の成長は、以前に記載された処置の後に物質が適用された全ての場合で示された。
【0024】
(ステロイド)
種々のステロイドが真菌の増殖に影響を与える。性ステロイドジヒドロテストステロン(DHT)、テストステロン、およびエストラジオールは、体液の攻撃から真菌の菌糸を保護することが見出されている。DHTは、テストステロン(これはエストラジオールよりも保護性である)よりもより保護性である。他のステロイドは、この効果をブロックする。これらには、プロゲステロン、スピロノラクトン、プログネノロン、およびジヒドロエピアンドロステロン(DHEA)が挙げられる。相対的なブロックの有効性は、上記でプロゲステロンがはるかに最強である。大変興味深いことに、ジオスゲニン(植物から誘導されたプロゲステロンアナログ)は、プロゲステロンとほぼ同じ効果である。
【0025】
真菌性の炎症の最終的な効果は、上皮成長因子(EGF)の産生の増加である。これは、ケラチンの過剰増殖(overgrowth)および爪の共同性の肥厚が示される爪真菌症に置いて明白に明らかである。毛においては、これは毛が成長する孔を狭くする。最終的には、末端の毛が除かれ、細かい胎毛型の毛によって置き換わる。この時の真皮乳頭は、静止状態を想定することが強いられる。DHT、テストステロン、およびエストラジオールが、上皮成長因子の形成を促進することもまた留意するべきである(DHT>テストステロン>エストラジオール)。
【0026】
DHT、テストステロン、エストラジオールおよびEGFをブロックする物質は、従って、脱毛症の予防および処置に価値があると考えられる。使用された全身性の抗エストロゲンには、クエン酸タモキシフェン(tamoxiten)、種々のトリフェニルエチレンベースの化合物およびテストステロンが挙げられる。
【0027】
(真菌)
本明細書中に記載される真菌は、Demodexによって拡散されると考えられる。外寄生生物は、所定の小胞部位で摂取する間、真菌を摂取し、その部位から移動し排便することによって真菌を拡散する。真菌の除去は、適切な殺菌剤、およびDemodexの除去を必要とする。適切な殺菌剤には、ケトコナゾール、ミコナゾール、ウンデシレン(undecyleric)酸、およびKMnO4が挙げられるが、これらには限定されない。
【0028】
(抗真菌物質)
種々のアゾール(特にケトコナゾール)は、脱毛症の処置に有意な役割を有することが見出されている。ケトコナゾールはまた、テストステロン、DHT、およびエストラジオールをまた非特異的にブロックするので重要である。しかし、長期間に渡るこの化合物での全身性の処置は、男性および女性のリビドーの損失となる。局所的な処置の状況では、この問題は起こらず、脱毛症に対する効果はずっとより有意である。ウンデシレン酸および種々の全身性の調製物がまた、使用され得る。これらは、グリソエフルビア(grisoefulvia)、テルビナフィンおよびフルコナゾールならびに他のアゾール、ならびにアンポテロシン(ampoterocin)Bおよびアンポテロシン様化合物を含む。
【0029】
(バイオフラボノイド(bioflavonoid)およびEGF)
驚くべきことに、バイオフラボノイドは、上皮成長因子(EGF)の産生を抑制し得る。これらのうちの最強のものであるケルセチンメチルカルコンは、水溶性である。この化合物は、比較的低濃度で効果的にEGFをブロックする。これは、大いに毛の損失を減少し、毛の成長に有意に寄与する。ポリアミンはまた、この能力を有する。プロトシン、プロタミンなどは全て、EGFをブロックすることによって毛の再成長を促進する。しかし、これらの物質は、そのにおいのために局所的な使用については美容的に好ましくない。バイオフラボノイド(特に、ケルセチンメチルカルコン)を含む化合物は、大いに毛の損失を減少し、毛の再成長を促進することが見出された。
【0030】
(殺ダニ剤)
外寄生生物の存在およびその脱毛における役割は、効果的な殺ダニ剤の開発を刺激した。芳香剤ベースの化学薬品、皮膚浸透剤、好ましくはPX−13、および界面活性剤を使用すると、この寄生生物が効率的に除去され得ることが発見された。同時に、この化合物は、任意のダニ、昆虫、またはキチンで覆われた生物を効率的に殺し得た。これは、完全に予期しなかった。エアロゾル化した形式での芳香剤部分の有効性が認められたが、本発明によって示された新規性は、界面活性剤および抗リパーゼ組成物(例えばPX−13)の同時投与において固有である。PX−13は、米国特許第5,659,055号に記載され、本明細書中で参考として援用される。
【0031】
有効性の定量的分析は、Demodex種で決定した。このダニは、通常の殺虫剤および殺ダニ剤(例えば、ピレトリン、リンダン)ならびに他の代表的なホスホジエステラーゼ抑制剤(例えばマラチオン)に対して特に耐性を有する。種々の化合物に対する代表的なインビトロの殺傷時間が、表1に示され、好ましい実施例を比較される。種々の芳香剤組成物はまた、成分の範囲と共に以下の表1に示される。
【0032】
(表1)
(インビトロでのDEMODEXに対する殺傷時間)
1.リンダン 38分
2.混合ピレトリン 92分
3.マラチオン 27分
4.芳香剤1 15分
5.芳香剤2 12分
6.芳香剤3 17分
7.PX−13 3分
8.PX−13+芳香剤 <2分
9.コントロールオレイン酸 42分
10.コントロール(カプリリル酸/カプロン酸) >45分
(中程度鎖グリセリド)

(芳香剤I) (%) (範囲)
安息香酸 15 0〜80
安息香酸ベンジル 50 0〜90
サリチル酸メチル 9.5 0〜100
フェノール 0.5 0〜80
チモール 5 0〜80
オイゲノール 5 0〜80
サリチル酸ベンジル 15 0〜90

(芳香剤II)
安息香酸 15 0〜80
安息香酸ベンジル 50 0〜90
サリチル酸イソアミル 5 0〜100
フェノール 1 0〜80
チモール 4.5 0〜80
オイゲノール 4.5 0〜80
サリチル酸ベンジル 15 0〜90
サリチル酸フェニルエチル 5 0〜100

(芳香剤III)
安息香酸 15 0〜80
安息香酸ベンジル 50 0〜90
サリチル酸メチル 5 0〜100
サリチル酸イソアミル 5 0〜100
サリチル酸フェニルエチル 5 0〜100
サリチル酸ベンジル 10 0〜100
フェノール 0.5 0〜80
チモール 4.5 0〜80
上記成分は、重量%で示され、Brooks、Sigma(St.Louis、MO)およびAldrich(Milwaukee、WI)のような商業的供給者から入手可能である。
【0033】
(インドールベ−ス化合物)
特定のインドールベースの化合物は、脱毛に有意な効果を有する。これらには、インドール、スカトール、インドール−3−カルビノールおよびメラトニンが挙げられるが、これらに限定されない。これらは、実質的に全てのエストロゲンの効果を遮断することにより効果を発揮する。メラトニンは、効果的な産児制限剤として経口で高用量で使用され、そしてインドール−3−カルビノールとメラトニンの組み合わせは、どちらの単独よりもさらに強力である。さらに、これらの化合物は抗真菌特性を有する。非常に高濃度のインドールが、ジャスミンの芳香ならびに柑橘類の花に基づく芳香(例えば、オレンジおよびレモン)の中に見出されるということがまた注目されるべきである。
【0034】
メラトニンは、げっ歯類の発毛の周期パターンを変化させることが見出された(Houssay、1966a、b;Roseら、1984)。メラトニン組成物およびこれらのメラトニン組成物を使用する方法は、頭皮の美容的および身体的外観を処置するために発展してきた(Pierpaoli、W.、Regelson、W.、Melatonin Compositions and Uses Thereof.米国特許第4,746,674号(1988))。
【0035】
ステロイドホルモン産生に関するメラトニンの効果がいくつかの系で観察された(Ellis、1972;Frehnら、1974;Ogle&Kitay、1977)。メラトニンは、プロゲステロンおよびテストステロンの両方に関して精細管の5−アルファリダクターゼを増加させることが見出された。メラトニンは、睾丸間質細胞および細管の両方におけるアンドロゲン合成を減少させた(Ellis.1972)。現在、5−アルファリダクターゼ調節剤が男性型禿頭症を処置するため使用されている。
【0036】
メラトニンは、MCF−7癌細胞におけるエストロゲン媒介の細胞増殖を阻害する(Cos、S.Blask、D.E.、Melatonin Modulates Growth Factor Activity in MCF−7 Human Breast Cancer Cells.J.Pineal Research 17:25−32(1994))。Molisら(1995)は、メラトニンがエストロゲンレセプターの発現をダウンレギュレートすることを示した。このグループはまた、エストロゲンレセプター媒介のメッセンジャーRNA(mRNA)の発現が、MCF−7乳癌細胞においてメラトニンにより阻害されることを示した(Molis、T.M.、Spriggs、L.L.、Hill、S.M.、Modulation of Estrogen Receptor mRNA Expression by Melatonin in MCF−7 Human Breast Cancer Cells.Mol.Endicrinol.8:1681−90(1994))。
【0037】
メラトニンの阻害機構は、エストロゲン性増殖刺激に対する遮断から生じる細胞周期応答への効果に関連し、おそらく、エストロゲンレセプターの有効度への影響を介する(Crespoら、1994;Hillら、1992)。
【0038】
メラトニンは、本発明の組成物に含まれる。任意の特定の仮説により束縛されることを望まないが、メラトニンは、エストロゲンおよびアンドロゲンの効果に対する毛包の応答に影響し、これにより毛包を占有しそして脱毛症を引き起こす真菌を抑制する。メラトニンのようなインドールは抗真菌活性ならびに殺菌作用を有し、これにより真菌および他の病原体の増殖を予防または阻害する(Tsotinisら、1997)。メラトニンはまた、そのフリーラジカル捕捉活性のために、脱毛を予防するのに役立ち得る(Reiterら、1997)。
【0039】
(抗炎症性脂肪酸)
TESトリオレエートまたはPX−13(米国特許第5,659,055号)として公知の別の物質は、炎症を劇的に減少させることが可能であり、そしてその構造の性質により真菌増殖を阻害する。これらの物質の処置後成分としての併用は、劇的に毛再生を高める。
【0040】
(皮膚吸収エンハンサー)
皮膚吸収エンハンサーは、患者の頭皮での毛再生組成物の浸透性および溶解性を促進する。皮膚吸収エンハンサーには、ケリン、ニコチン酸メチル、MSM−デシルメチルスルホキシド、ジエチレングリコール、クエン酸、ピルビン酸、フェノキシエタノール、トランスキュトール(transcutol)、Gemtek界面活性剤、ホスファチジルコリン、MCT油および水が挙げられる。
【0041】
次の表2は、皮膚吸収エンハンサーに使用され得る成分の濃度範囲を提供する。
【0042】
(表2)
(皮膚吸収エンハンサー)
ケリン 0〜10
ニコチン酸メチル 0〜20
デシルメチルスルホキシド 0〜60
ジエチレングリコール 0〜90
クエン酸 0〜45
ピルビン酸 0〜45
フェノキシエタノール 0〜85
トランスキュトール 0〜90
Gemtek界面活性剤 0〜20
ホスファチジルコリン 0〜10
MCT油 0〜30
水 0〜80
上記の成分は重量%で示され、Brooks、Sigma(St.Louis、MO)およびAldrich(Milwaukee、WI)のような市販の供給元から入手可能である。
【0043】
次の表3は、皮膚吸収エンハンサーの好ましい処方を提供する。
【0044】
(表3)
(皮膚吸収エンハンサー)
ケリン 0.1
ニコチン酸メチル 0.2
MSM−デシルメチルスルホキシド 2
ジエチレングリコール 4
クエン酸 4
ピルビン酸 2
フェノキシエタノール 6
トランスキュトール 4.7
Gemtek界面活性剤 0.25
ホスファチジルコリン 0.1
MCT油 2
水 74.65
上記の成分は重量%で示され、Brooks、Sigma(St.Louis、MO)およびAldrich(Milwaukee、WI)のような市販の供給元から入手可能である。
【0045】
(外寄生生物)
外寄生生物の二次的問題は、急性的または慢性的のいずれかで治療され得る。カルバリル、リンダン、マラチオンおよび他の不可逆的ホスホジエステラーゼインヒビターのような薬剤での急性(すなわち、急速の)除去が実行可能なアプローチである。しかしながら驚いたことに、本発明者らは、オレイン酸銅が、真菌増殖および外寄生生物に影響するため、長期間に亘ってより有効な薬剤であるということを見出した。オレイン酸銅は、インビトロで外寄生生物の即死を引き起こし、そして長期投与は、同様に増殖を阻害した。有効であることが確かめられた他の抗真菌物質には、種々のアゾール誘導体、ウンデシレン酸、およびKMnO4のような他の物質が挙げられる。
【0046】
オレイン酸銅はニキビダニ属(Demodex)の殺傷に有効であるが、それは灰色または金色の毛の黄色変色を引き起こし得る。このことが、オレイン酸銅を、より化粧品的に適さないものとしている。驚いたことに、しかしながら、PX−13は、ニキビダニ属のキチン層を通して実質的に全ての殺ダニ(mitocidal)剤の浸透性を劇的に高めることが見出された。これには、種々の異なる殺虫剤および普通は殺虫性でない物質が挙げられる。有効な殺虫剤であることが公知な物質は、通常期待されるよりも非常に低濃度で有効である。ニキビダニ属に対して有効であることが確かめられた非殺虫性組成物には、種々の異なる芳香成分が挙げられるが、これに限定されない。これらには、界面活性剤含有ビヒクル中のフェノール性の芳香および多数のサリチル酸ベースの芳香が挙げられる。代表的なサリチル酸ベースの芳香を表4に示す。
【0047】
(表4)
(サリチル酸ベースの芳香)
(範囲) (代表値)
ティーツリー油 .01〜95 30
PX−13 .01〜80 10
サリチル酸メチル .01〜90 5
Gemtek物質 .01〜50 5
チモール .01〜80 1
オイゲノール .01〜80 1
ベンジルアルコール .01〜80 10
フェノキシエタノール .01〜80 10
PEG−20 .01〜50 5
水 .01〜80 23
(細胞媒介性免疫(CMI)および脱毛症)
細胞媒介性免疫および脱毛症の重要性は軽視されるべきでない。種々の異なる因子がCMIを高めることが見出された。これらには胸腺ペプチド、イノシンプラノベクス(inosine pranodex)および種々の同属体、ならびにインターフェロンおよびインターフェロン様タンパク質が挙げられるが、これらに限定されない。
【0048】
円形細胞浸潤が脱毛に関連していつも起こることが知られている。この浸潤の結果として起こる炎症性サイトカインは脱毛に寄与し得る。従って、円形細胞と顆粒球との間の不均衡が脱毛の原因であると考えられている。それゆえ、種々の理由(これには顆粒球が貪食しそして効果的に外寄生生物を殺す能力が含まれる)のため、顆粒球の遊走を誘導することが望まれる。顆粒球およびマクロファージの遊走を誘導しそして調節することは、種々の異なる方法で達成され得る。これには、表5に示されるような胸腺ペプチドおよび顆粒球遊走因子の使用が挙げられるが、これらに限定されない。
【0049】
(表5)
(範囲) (代表値)
1.胸腺ペプチド(フラクション5) 0.1〜50 1%
2.Ac−Met−Leu−Phe* 0.00001〜20 .001
(顆粒球遊走因子)
3.水/ゲル化剤 49〜99.9 97.999
@例えば、Carbopol(登録商標)
(Union Carbide)の1%
4.ベンジルアルコール(保存剤) .01〜5 1
*Commonwealth Biotech、Richmond、Virginiaから入手可能。
【0050】
(神経成長および毛成長)
脱毛の進展につれて萎縮する第一の構造体のひとつは、所定の毛包に分布する神経である。従って、全ての脱毛症は、神経成長および再生が毛の成長相への回復に陽性に作用するということに関連する。種々の異なる因子が神経再生を促進することは公知である。これらには、神経成長因子(例えば、NGF−1)、ペプチドが挙げられるが、これらに限定されない。オキソ樹状(oxo−dentritic)結合および神経成長を増加させることが公知の他の因子には、ピラセタム、アニラセタムなどのような置換3級アミンが挙げられる。この能力で有用である他の因子には、血流を高める物質と関連する銀杏抽出物が挙げられる。これには、表6の成分により示されるような有機ナイトレート、ケリン、ミノキシジル、ニコチン酸およびニコチン酸誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。さらに、毛成長(すなわち、休止期の成長期への転換)を誘導するには表7の組成物で示したような神経成長因子および免疫調節因子の組み合わせが、単独のいずれよりもさらに良好であるということに注目すべきである。
【0051】
(表6)
(範囲) (代表値)
1.ピラセタム .1〜70 10
2.銀杏24%ギンコシド抽出物 .1〜20 5
3.ニコチン酸メチル .01〜10 .2
4.水およびゲル化剤− 10〜95 79.4
Calbopol(登録商標)
1%(Union Carbide)
5.テルジトール(Tergitol)15−5−7
.01〜2 .4
6.フェノキシエタノール .01〜10 5
(表7)
(範囲) (代表値)
1.胸腺ペプチド .1〜50 1%
(フラクション5)
2.Ac−Met−Leu−Phe .0001〜20 .001
(顆粒球遊走因子)
3.ピラセタム .1〜70 10
4.ニコチン酸メチル .01〜10 .2
5.テルジトール15−5−7 .01〜2 .4
6.水/ゲル化剤 15〜95 82.399
@例えば、Carbopol(登録商標)
(Union Carbide)の2%
7.銀杏24%ギンコシド .1〜20 3
8.フェノキシエタノール .01〜10 3
(脱毛症の処置のための方法論)
本発明の方法では、次の工程が以下の順序で実施される:(1)頭皮をクレンジング剤で洗浄する工程;(2)クレンジングした頭皮をケラチン溶媒系で処置する工程;(3)局所麻酔薬(必要に応じて)を塗布する工程;(4)酸剥離溶液を塗布する工程;(5)機能亢進性尿素ゲル処方物(必要に応じて)を塗布する工程、および(6)毛再生組成物を塗布する工程。この手順は、試験した被験者の100%で毛成長の結果となった(これには、男性ホルモン性脱毛症、完全脱毛症、全身性脱毛症および円形脱毛症の個々人が含まれる)。さらに、本発明の方法および組成物を利用して、試験した全ての被験者は、硬毛でのある程度の毛再成長を経験した。
【0052】
(工程1:頭皮のクレンジング)
頭皮のクレンジングは、脱毛症を処置するための本発明の方法の第一工程である。クレンジングは物質の使用を意味し、これにはステロイド構造物を可溶化できる種々の異なる界面活性剤が挙げられるが、これらに限定されない。これらの最も有効なものは、Gemtek(Phoenix、Arizona)に開発されそして販売されるGemtek溶液(独自の組成物である)。この組成物は硬質表面エトキシレート化クレンザーであり、これはラノリンでさえ可溶化できる。それは多数の他の現在入手可能な界面活性剤と組み合わせて混合される。この組み合わせは、実質的に全てのステロイドベースの構造物を非常に効果的に可溶化することが見出された。
【0053】
本発明の代表的なクレンジングシャンプーを表8に示す。
【0054】
(表8)
(クレンジングシャンプー)
脱塩水 20.0〜50.0
エトキシレート化アルコール(Gemtek溶液) 0.2〜5.0
ラウレト(laureth)硫酸ナトリウム 5.0〜25.0
茶ラウリル硫酸塩 5.0〜25.0
コカミドプロピルベタイン 2.0〜10.0
コカミドDEA 1.0〜5.0
クエン酸 0.1〜1.0
EDTA四ナトリウム塩 0.1〜2.0
四級化アセトアミドMEA 0.1〜5.0
ポリソルベート−60 0.1〜5.0
ポリソルベート−80 0.1〜5.0
PEG−PPGブロック共重合体 0.01〜5.0
香料 所望であれば
保存剤 所望であれば
着色剤 所望であれば
上記成分は重量%で示され、Gemtek(Phoenix、AZ)から得たエトキシレート化アルコール以外は、Brooks、Sigma(St.Louis、MO)およびAldrich(Milwaukee、WI)のような市販の供給元から得られる。
【0055】
(工程2:ケラチン溶媒系の塗布)
頭皮またはその他の患った部分の洗浄のための適切な界面活性剤ベースの材料を使用した後に、ケラチン溶媒系が塗布される。ケラチン溶媒系は、ケラチンを有効に可溶化させ得る尿素か、またはケラチンを可溶化し得る酢酸ベースの溶媒のどちらかを含む。しかし、尿素(これは、酢酸と一緒には存在しない)には安全の限界があることに注意すべきである。従って、尿素ベースの溶液は、より広範に使用されてきた。本発明のケラチン溶媒系は、尿素ゲル処方物、過剰活性(hyperactive)尿素ゲル処方物、およびさらに酢酸ベース溶液を含む。
【0056】
(酢酸ベース処方)
次の表9は、酢酸ベース溶液中で使用され得る成分の濃度範囲を提供する。
【0057】
(表9)
(酢酸ベースの処方)
酢酸 0.1〜100
プロピレングリコール 0.1〜99
PEG−40 0.1〜99
フェノキシエタノール 0.1〜99
テルジトール1557 0.1〜90
PEG−400 0.1〜99
上記の成分は、重量%で示され、そしてBrooks,Sigma(St.Louis,MO)およびAldrich(Milwaukee,WI)のような製造業者から入手可能である。
【0058】
次の表10は、酢酸ベース溶液の好ましい処方を提供する。
【0059】
(表10)
(酢酸ベースの処方)
酢酸 15
プロピレングリコール 50
PEG−40 12
フェノキシエタノール 6
テルジトール 1557 1
PEG−400 16
上記の成分は、重量%で示され、そしてBrooks,Sigma(St.Louis,MO)およびAldrich(Milwaukee,WI)のような製造業者から入手可能である。
【0060】
(尿素ベースゲルの処方)
次の表11は、尿素ゲル処方で使用され得る成分の濃度範囲を提供する。
【0061】
(表11)
(尿素ベースゲルの処方)
尿素試薬グレード 1.0〜40.0
クエン酸NF 0.1〜10.0
尿素−ペルオキシド 0.1〜5.0
プロピレングリコールNF 20.0〜90.0
エトキシル化したアルコール 2.0〜20.0
アクリル酸コポリマー 0.1〜1.0
添加する研磨用ポリエチレンビーズ 0.1〜10
上記の成分は、重量%で示され、そしてBrooks,Sigma(St.Louis,MO)およびAldrich(Milwaukee,WI)のような製造業者から入手可能である。
【0062】
(任意の工程3:芳香ベースの局所麻酔薬)
次に、酸剥離(peel)溶液の局所的な投与の前に、特有の芳香ベースの局所麻酔薬を塗布することが役に立ち、これは、局所麻酔薬は、酸剥離溶液の不快感を大きく減少させることによる。この組成物はまた、酸溶液の浸透を容易にし、そして驚くことに抗真菌性のおよび駆虫性の特性をインビトロで実証する。この組成物により、定量的に不快感が60%以上減少し、そして浸透がフルオレセイン色素法による測定で35%まで増加する。
【0063】
代表的な芳香ベースの麻酔薬を表12に示す。
【0064】
(表12)
(麻酔性の芳香)
メタノール 0〜50
ベンジルアルコール 0〜80
オイゲノール 0〜50
フェノキシエタノール 0〜80
パルミチン酸イソプロピル 0〜80
ミリスチン酸イソプロピル 0〜80
サリチル酸ベンジル 0〜50
サリチル酸フェニルエチル 0〜50
チモール 0〜50
サリチル酸イソアミル 0〜50
トリトンX−100界面活性剤 0〜50
上記の成分は、重量%で示され、そしてBrooks,Sigma(St.Louis,MO)およびAldrich(Milwaukee,WI)のような製造業者から入手可能である。
【0065】
次の表13は、麻酔性の芳香の好ましい処方を提供する。
【0066】
(表13)
(麻酔性の芳香)
メタノール 9.5
ベンジルアルコール 19
オイゲノール 0.95
フェノキシエタノール 19
パルミチン酸イソプロピル 19
ミリスチン酸イソプロピル 19
サリチル酸ベンジル 1.42
サリチル酸フェニルエチル 1.42
チモール 4.75
サリチル酸イソアミル 1.21
トリトンX−100界面活性剤 4.75
上記の成分は、重量%で示され、そしてBrooks,Sigma(St.Louis,MO)およびAldrich(Milwaukee,WI)のような製造業者から入手可能である。
【0067】
(工程4:酸剥離系)
任意の芳香ベース局所麻酔薬の塗布に続いて、表6に示される組成物を有する酸ベース系が塗布される。この組成物は、浸透を高める界面活性剤および浸透をさらに容易にする可溶化系と組合わせた、一連の生理学的な酸(クエン酸およびピルビン酸を含む)を含む。この酸剥離系により、1分〜8時間またはそれ以上の間、頭皮上のどこかに保持することが可能となる。この酸剥離系が、約30分以上、頭皮上に保持することが可能な場合、閉鎖キャップが、頭皮を覆う頭部に配置されうる。本明細書中で使用されるように、閉鎖キャップは、任意の構造を意味し、これは、頭部の頭皮に配置された場合、酸剥離系が頭皮の表面から離れるのを防ぐ。
【0068】
次の表14は、酸剥離溶液において使用され得る成分の濃度範囲を提供する。
【0069】
(表14)
(酸剥離)
クエン酸−NF 2.0〜30.0
サリチル酸酸−NF 1.0〜20.0
サリチル酸酸メチル 1.0〜20.0
1−メタノール 0.1〜10.0
ポリソルベート−80 0.1〜10.0
2−フェノキシエタノール 0.5〜10.0
ピルビン酸 0.1〜20.0
テルジトール 15−S−7 0.1〜5.0
ニコチン酸メチル 0.1〜1.0
エチルアルコール,SD−40 10.0〜50.0
脱塩水 10.0〜50.0
上記の成分は、重量%で示され、そしてBrooks,Sigma(St.Louis,MO)およびAldrich(Milwaukee,WI)のような製造業者から入手可能である。
【0070】
代表的な酸剥離系は、表15に示される。
【0071】
(表15)
(酸剥離)
クエン酸 20.00
サリチル酸 10.00
サリチル酸メチル 10.00
メタノール 1.00
ポリソルベート−80 3.00
2−フェノキシエタノール 6.00
ピルビン酸 10.00
テルジトール 15−S−7 1.00
ニコチル酸メチル 0.50
アルコールSD−40A(190) 23.00
脱塩水 15.50
上記の成分は、重量%で示され、そしてBrooks,Sigma(St.Louis,MO)およびAldrich(Milwaukee,WI)のような製造業者から入手可能である。
【0072】
(任意の工程5:過剰活性尿素ゲルの処方の適用)
過剰活性尿素ゲル処方物は、毛再生組成物の塗布前の、頭皮の表面にある可溶化突起物(bump)中において有効性がある。次の表16は、過剰活性尿素ゲルの好ましい処方物を提供する。
【0073】
(表16)
(過剰活性な尿素ゲルの処方)
尿素 20.00
クエン酸 4.00
尿素−過酸化物 1.00
2−フェノキシエタノール 15.00
プルロニックF−127 3.00
プロピレングリコール 41.00
Gemtek SC−1000 10.00
エトキシジグリコール 5.00
ポリエチレンビーズ 1.00
上記の成分は、重量%で示され、そしてBrooks,Sigma(St.Louis,MO)およびAldrich(Milwaukee,WI)のような製造業者から入手可能である。
【0074】
(工程6:毛再生組成物の塗布)
本発明の毛再生組成物に使用される物質は、典型的に男性と女性とでは異なる。男性の組成物は、プロゲステロン剤を含まないが、女性の組成物は、このような薬剤を含む。この組成物中のTα1および/またはTβ4の含有物は、細胞性免疫の向上を補助する。
【0075】
次の表17は、男性用の好ましい毛再生組成物を図示する。
【0076】
(表17)
(毛再生組成物(男性用))
ケトコナゾール 1
PX−13 5
サイモシンフラクション5 0.1
ジオスゲニン 0.2
メラトニン 0.025
インドール−3−カルビノール 0.1
芳香剤 1
フェノキシエタノール 6
皮膚吸収エンハンサー 10
プレグネノロン 0.2
DHEA 0.1
ケルレチン(querretin)メチルカルコン 1
L−サイロキシン 0.003
賦形剤 適量
上記の成分は、重量%で示され、そしてBrooks,Sigma(St.Louis,MO)およびAldrich(Milwaukee,WI)のような製造業者から入手可能である。
【0077】
次の表18は、男性用の毛再生組成物に使用され得る成分の濃度範囲を提供する。
【0078】
(表18)
(毛再生組成物(男性用))
ケトコナゾール 0〜10
PX−13 0〜50
サイモシンフラクション5 0.01〜10
ジオスゲニン 0〜20
メラトニン 0〜10
インドール−3−カルビノール 0〜20
芳香剤 0〜10
フェノキシエタノール 0〜90
皮膚吸収エンハンサー 0〜90
プレグネノロン 0〜10
DHEA 0〜10
ケルレチンメチルカルコン 0〜50
L−サイロキシン 0〜1
賦形剤 適量
上記の成分は、重量%で示され、そしてBrooks,Sigma(St.Louis,MO)およびAldrich(Milwaukee,WI)のような製造業者から入手可能である。
【0079】
次の表19は、女性用の毛再生組成物の好ましい処方を示す。
【0080】
(表19)
(毛再生組成物(女性用))
ケトコナゾール 1
PX−13 5
サイモシンフラクション5 0.1
プロゲステロン 0.2
メラトニン 0.025
フェノキシエタノール 6
皮膚吸収エンハンサー 10
芳香剤 1
インドール−3−カルビノール 0.1
プレグネノロン 0.2
DHEA 0.1
ケルレチンメチルカルコン 1
L−サイロキシン 0.003
賦形剤 2.5
上記の成分は、重量%で示され、そしてBrooks,Sigma(St.Louis,MO)およびAldrich(Milwaukee,WI)のような製造業者から入手可能である。
【0081】
次の表20は、女性用の毛再生組成物に使用され得る成分の濃度範囲を提供する。
【0082】
(表20)
(毛再生組成物(女性用))
ケトコナゾール 0〜10
PX−13 0〜50
サイモシンフラクション5 0.01〜10
プロゲステロン 0〜20
メラトニン 0〜10
フェノキシエタノール 0〜90
皮膚吸収エンハンサー 0〜90
芳香剤 0〜10
インドール−3−カルビノール 0〜20
プレグネノロン 0〜20
DHEA 0〜20
ケルレチンメチルカルコン 0〜50
L−サイロキシン 0〜1
賦形剤 適量
上記の成分は、重量%で示され、そしてBrooks,Sigma(St.Louis,MO)およびAldrich(Milwaukee,WI)のような製造業者から入手可能である。
【0083】
前記から、本発明の特定の実施態様は、明細書中に例示のために記載したのであって、種々の改変は、本発明の意図および範囲から逸脱することなくなされ得ることが理解される。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲によるもの以外で限定されることはない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書中に記載の発明。

【図1】
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【公開番号】特開2010−168407(P2010−168407A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−112696(P2010−112696)
【出願日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【分割の表示】特願2007−222548(P2007−222548)の分割
【原出願日】平成10年12月18日(1998.12.18)
【出願人】(506381865)リジェネレックス バイオファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】