説明

脱臭装置

【課題】 脱臭装置において、散水処理により鋳造工程等で発生する臭気成分および固形成分を含むガスを容易に無臭化処理する。また、処理に要した洗浄水を光触媒を用いて浄化して再利用することにより、環境に優しくまた低コストでの運転が可能となる。
【解決手段】 脱臭装置は、被処理ガス水処理装置1と洗浄水を浄化する洗浄水浄化装置20とを備える。被処理ガス水処理装置1は、第1洗浄水タンク2とその上方に位置する第1散水区画3および第2散水区画4とを備え、被処理ガスGは、第1散水区画3を上方から下方に向けて移動し、第1洗浄水タンク2の水面上で方向を変えた後、第2散水区画4を下方から上方に向けて移動して大気に放出される。洗浄水浄化装置20は、第2洗浄水タンク21と光触媒フィルタ22と光触媒に光を照射する光源23と光触媒フィルタに被処理水を散水する散水手段24を備える。第1洗浄水タンク2の洗浄水は第2洗浄水タンク21との間で循環する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば鋳造工程等で発生する臭気成分等を含んだガスを無臭化処理するための脱臭装置に関する。また、そのような無臭化処理に用いる水処理装置と、無臭化処理で発生する臭気成分等を含む洗浄水を浄化処理する洗浄水浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
鋳造工程等では臭気成分を含むガスが発生する。臭気成分を除去するために、気液接触により臭気成分を薬品に吸収させて化学的に中和する方法(薬液洗浄脱臭方式)、700℃以上の高温中に臭気成分を通過させ燃焼分解する方法(直燃脱臭方式)、あるいは、活性炭のような多孔質表面に臭気物質を物理的に吸着させて脱臭する方法(吸着脱臭方式)などが知られている。これらの脱臭方法は、臭気成分の種類や臭気成分が発生する環境などを考慮して、各種の工場等において、選択的にまたいくつか組み合わせて採用されている。
【0003】
上記の脱臭方法において、薬液洗浄脱臭方式は、薬剤として硫酸、塩化鉄、水酸化ナトリウムのような劇物が用いられることが多く、薬品自体の管理が必要なこと、中和により反応物(中和物)が生成沈殿するために廃棄物処理が必要なことなど多くの付随的な作業を必要とする。直燃脱臭方式は比較的簡素な方式ではあるものの、高温環境を得るための燃料が必要である。活性炭などを用いる吸着脱臭方式では、臭気物質吸着後の吸着剤を元の状態に再生するのは困難であり、吸着後は廃棄物として処分される場合が多い。また、吸着能力に限界があるために、どうしても処理設備が大きくなる傾向がある。
【0004】
そのような不都合を解消する脱臭方式として、光触媒を用いた脱臭方法が提案されており、その一例として、特許文献1(特開2003−339833号公報)には、循環式光触媒脱臭装置を備えた脱臭システムが記載されている。そこでは、発生源からの臭気を含む被処理ガスは、最初に、水処理装置に送られて散水により主に固形成分が除去される。水処理装置から排出する被処理ガスは循環式光触媒浄化装置に送られ、ビーズ状の光触媒と接触して臭気成分の光触媒による分解処理を受けた後、無臭化した状態で大気に放出される。
【0005】
水処理装置で使用した臭気成分を吸着し汚染した洗浄水は、光触媒を備えまたオゾンが供給される洗浄水浄化装置に送られて、そこで浄化された後、再び水処理装置に送られて洗浄水として再利用される。被処理ガスと接触することによって分解脱臭能力が低下した循環式光触媒浄化装置内のビーズ状の光触媒は、光触媒浄化装置に送られ、そこで浄化処理を受けて元の状態となり、再び、循環式光触媒浄化装置に送られる。
【0006】
【特許文献1】特開2003−339833号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のビーズ状の光触媒を用いた循環式光触媒脱臭装置は、劇薬も使用せず、燃焼させることもなく、洗浄水の再利用も可能であることから、環境に優しく、また、低コストでの運転が可能となる。しかし、光触媒を循環させる構成がやや複雑なことから、より簡素化した脱臭装置が求められている。
【0008】
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、より簡素化した臭気成分を含む被処理ガスの脱臭装置を提供することを目的とする。また、臭気成分を含む被処理ガスから臭気成分等を洗浄水よって除去するための被処理ガス水処理装置、および、被処理ガスを無臭化処理する過程で発生する臭気成分等を含む洗浄水を浄化する洗浄水浄化装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
特許文献1に記載の脱臭システムは、被処理ガスの脱臭処理に洗浄水と光触媒を用い、臭気成分を吸着した洗浄水の浄化にも光触媒を用いるようにしているが、本発明による脱臭装置では、被処理ガスの脱臭処理は被処理ガスへの散水のみによって行い、汚染した洗浄水の浄化にのみ光触媒を用いるようにして、構成を簡素化している。
【0010】
すなわち、本発明による脱臭装置は、被処理ガス水処理装置と、被処理ガス水処理装置で使用した洗浄水を浄化する洗浄水浄化装置とを備える。被処理ガス水処理装置は、第1洗浄水タンクとその上方に位置する第1散水区画および第2散水区画とを備え、被処理ガスは、第1散水区画を上方から下方に向けて移動し、第1洗浄水タンクの水面上で方向を変えた後、第2散水区画を下方から上方に向けて移動して大気に放出される。また、洗浄水浄化装置は、第2洗浄水タンクと光触媒フィルタと光触媒に光を照射する光源と光触媒フィルタに被処理水を散水する散水手段とを備える。そして、さらに、前記した被処理ガス水処理装置の第1洗浄水タンクの洗浄水を洗浄水浄化装置の第2洗浄水タンクとの間で循環させる洗浄水循環手段、とを備えることを特徴とする。
【0011】
本発明による脱臭装置では、被処理ガス水処理装置が第1散水区画と第2散水区画とを有しており、被処理ガスは、前処理塔に相当する第1散水区画を上から下に向けて通過する過程で最初の散水を受ける。それにより、被処理ガスに混入する砂、粉塵、ヤニ等の固形成分が除去される。固形成分は下方に向けた運動エネルギーを有し、水と一体となり質量が大きくなった固形体分は、被処理ガスが第1洗浄水タンクの水面上で向きを変えるときに、第1洗浄水タンク内に貯留する洗浄水中に放出される。固形成分を除去して向きを上方に変えた被処理ガスは、脱臭塔に相当する第2散水区画を通過する過程で再び散水を受け、臭気成分(ホルムアルデヒド、アンモニア、フェノール等)が除去されて無臭化され、大気に放出される。
【0012】
被処理ガス水処理装置で使用する洗浄水は時間と共に多くの臭気成分を吸着して飽和状態となる。汚染した洗浄水は、飽和状態となったとき、あるいはその以前の段階で、洗浄水循環手段により、洗浄水浄化装置の第2洗浄水タンクに送られる。第2洗浄水タンクに滞留する汚染した洗浄水は、散水手段により光触媒フィルタにシャワー状に供給され、光源からの光を受けて活性化している光触媒は、被処理水(洗浄水)中の臭気成分を分解浄化する。所要回数だけ光触媒による分解浄化処理を受けて浄化された洗浄水は、被処理ガス水処理装置の第1洗浄水タンクに戻されて、再度、被処理ガス水処理装置において洗浄水として使用される。汚染した洗浄水を光触媒フィルタにシャワー状に供給する気液接触方式を採用することにより、光触媒による浄化処理(分解処理)効率は大きく向上する。また、第2洗浄水タンク内に収容される洗浄水から揮発する臭気ガスも、光触媒フィルタに接触することにより分解処理を受け、無臭化する。
【0013】
本発明者らの実験では、臭気成分、例えばホルムアルデヒドの光触媒による分解率は温度とは逆比例する関係にあり、光触媒フィルタに被処理水を散水(シャワリング)することにより温度低下が発現し、分解率の向上が見られた。また、散水時の水滴の大きさも、臭気成分の分解率と相関がありシャワリング時の水滴径をより小さくすることにより、高い分解率が得られた。
【0014】
使用する光触媒フィルタは、通水通気性の基材に光触媒粒子を担持した形態のものであればよく、特に制限はない。光触媒としては、二酸化チタン、酸化亜鉛、等を用いることができ、基材としては、網目状としたセラミック(アルミナ、コージライト等)あるいは金属(チタン等)のようなものを利用することができる。
【0015】
洗浄水浄化手段に、光触媒フィルタに加えて活性炭フィルターを備えるようにしてもよい。フェノール類は光触媒による分解に長時間を要することから、活性炭フィルターによりフェノール類を積極的に吸着捕捉することにより、洗浄水の浄化を一層確実かつ短い時間で行うことが可能となる。さらに、洗浄水浄化手段に、散水手段が散水する被処理水に外気を積極的に送給して温度を下げるというような、被処理水を積極的に冷却する手段をさらに備えることも効果的である。
【0016】
本発明による脱臭装置は、多くの分野で効果的に利用される。被処理ガスが、例えば、シェル中子造型工程より発生する臭気ガスである場合、そこには、臭気成分に加えて、多くのヤニ成分や粉塵のように固形成分を含んでいることから、本発明による脱臭装置は、特に有効に機能する。これに限らず、塗装装置、メッキ装置、製紙装置、合成肥料製造装置、配合飼料製造装置、医薬品製造装置などの工業関連装置から発生する臭気成分を含む排出ガスの脱臭装置として効果的に用いることができる。さらに、厨房の臭気脱臭、トイレ、喫煙所や室内の臭気脱臭、養豚場などでの飼料・排泄物の臭気脱臭、下水処理場や焼却場などでの臭気脱臭などの用途にも、効果的に使用することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、簡素化した装置でありながら、散水処理により鋳造工程等で発生する臭気成分および固形成分を含むガスを、容易に無臭化処理することができる。また、処理に要した洗浄水の再浄化を光触媒を用いて行い、かつ浄化後の処理水を再利用するようにしたので、環境に優しくまた低コストで運転することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を図面を参照しながら実施の形態に基づき説明する。図1は、本発明による脱臭装置をその被処理ガスの処理フローと共に示している。図1において、1は被処理ガス水処理装置であり、20は洗浄水浄化装置である。
【0019】
被処理ガス水処理装置1は閉鎖容器であり、底部に第1洗浄水タンク2が設けられ、その上方に、前処理塔として機能する第1散水区画3、および脱臭塔として機能する第2散水区画4が設けられる。第1散水区画3および第2散水区画4には噴霧方向を下向きとした散水ノズル5、6が取り付けてあり、第1洗浄水タンク2内に貯留する洗浄水が散水ポンプ7により送り込まれて、シャワー状に散水する。
【0020】
第1洗浄水タンク2は、第1散水区画3に相当する部分2aと第2散水区画4に相当する部分2bとで区分けされており、第1散水区画3に相当する部分2aには目の細かいフィルタ2cを取り付けている。
【0021】
この例において、第2散水区画4内の散水ノズル6より下方領域にはテラレットのような気液接触材8が、また、第2散水区画4内の散水ノズル6より上方領域には網状フィルタのようなミスト回収材9が配置されているが、被処理ガスの状況によっては、その双方または一方を省略してもよい。第2散水区画4の上方端には吸引装置としてのターボファン10が取り付けられ、被処理ガスGはそこから外気に排出される。
【0022】
第1散水区画3の上方端近傍には被処理ガスGの取り入れ口11が設けられており、適宜の発生源からの被処理ガス(臭気成分や固形成分を含んだガス)Gは、ターボファン10による吸引力によって、取り入れ口11から第1散水区画3に吸引される。なお、図において、12は洗浄水の取り入れ口、13はレベルセンサである。
【0023】
導入された被処理ガスGは、第1散水区画3内を上方から下方に向けて移動し、その過程で散水ノズル5からのミスト状の洗浄水と接触する。洗浄水との接触により、被処理ガス中に含まれるヤニ成分や粉塵のような固形成分は質量を増し、より大きな運動量を持つようになる。そのために、被処理ガスGが第1洗浄水タンク2の水面上で方向を変えるときに、固形成分は、第1洗浄水タンク2の第1散水区画3に相当する部分内2aに貯留する洗浄水中に入り込むようになり、被処理ガス中の固形成分の分離は効果的に進行する。分離して沈殿した固形成分はフィルタ2cを交換することにより取り除くことができる。
【0024】
第1洗浄水タンク2の水面上で向きを変えた被処理ガスGは、第2散水区画4内を下方から上方に向けて移動し、その過程で、散水ノズル6からのミスト状の洗浄水と接触する。その接触により、被処理ガスG中のアンモニア、ホルムアルデヒド、フェノールのような臭気成分は吸着除去される。図示のものでは、散水ノズル6の下方に気液接触材8が充填されており、そこを被処理ガスGが通過することによって、洗浄水との接触は一層確実となる。散水ノズル6からの洗浄水と接触することによりクリーンな状態となった被処理ガスは、ミスト回収材9内を通過して水分を分離した後、外気に排出される。
【0025】
被処理ガスGは連続して被処理ガス水処理装置1に吸引され、その間、ポンプ7は連続して第1洗浄水タンク2内に貯留する洗浄水を散水ノズル5、6に送り込み、循環させる。それにより、洗浄水は被処理ガス中の臭気成分を吸着して次第に飽和した(汚染した)状態となる。汚染した洗浄水は、間欠運転される循環用ポンプ15によって洗浄水浄化装置20に送られて浄化処理を受ける。なお、図で15aは一方向弁であり、15bは遮断弁である。
【0026】
洗浄水浄化装置20も閉鎖容器であり、底部が第2洗浄水タンク21となっていて、循環用ポンプ15で送られる汚染した洗浄水は、底に滞留する。第2洗浄水タンク21の上部空間には、複数個の光触媒フィルタ22が並列に配置されており、光触媒フィルタ22、22の間には、光源としてのブラックライト23が取り付けてある。光触媒フィルタ22には散水手段である散水ノズル24が配置されており、第2洗浄水タンク21に貯留する洗浄水が散水用ポンプ25により送り込まれ、光触媒フィルタ22の上からシャワー状に散水する。第2洗浄水タンク21内の適所には、必須のものではないが、活性炭フィルタ26も設けられる。
【0027】
洗浄水浄化装置20の上部に、好ましくは吸引ファン27が取り付けられ、外気を洗浄水浄化装置20に取り込み、散水ノズル24からの散水に接触させた後、外部に排出するようになっている。このような吸引ファン27を設けることにより、被処理水である洗浄水の温度を下げることができ、光触媒での分解効率が向上する。なお、図において、28は水取り入れ口であり、29はレベルセンサである。また、散水用ポンプ25から散水ノズル24に至る管路には切替弁30が備えられ、散水用ポンプ25からの吐出水を直接第2洗浄水タンク21に導水することを可能としていると共に、第2洗浄水タンク21の洗浄水を第1洗浄水タンク2に戻すための循環用ポンプ16も備えられている。16aは一方向弁である。
【0028】
第2洗浄水タンク21に送られ滞留している(汚染した)洗浄水の浄化処理を行うときには、散水用ポンプ25を作動させる。それにより、第2洗浄水タンク21内の洗浄水は、散水ノズル24からミスト状に光源23からの光を受けて活性化している光触媒フィルタ22の上に降りかかる。洗浄水は、光触媒フィルタ22内を上方から下方に移動し、その過程でフィルタ内に担持された光触媒と効果的に接触し、吸着している臭気成分の分解が進行する。また、洗浄水が活性炭フィルタ26を通過するときに、含まれているフェノール類活性炭フィルタ26に吸着されて除去されるので、光触媒による臭気成分の分解効率は向上する。
【0029】
図2は、本発明者らが実験を通して知見した光触媒における水温とホルムアルデヒド分解率の関係を示めすグラフであり、水温が低いと分解率が向上することを示している。上記の装置では、被処理水(汚染した洗浄水)を光触媒フィルタ22にミスト状に散水することにより被処理水の温度を低下させることができるので、光触媒でのホルムアルデヒドの高い分解率が達成されることがわかる。また、図3は、本発明者らが実験を通して知見した光触媒におけるミストの大きさとホルムアルデヒド分解率の関係を示めすグラフであり、このグラフからも、本発明による洗浄水浄化装置20において、光触媒フィルタ22に散水ノズル24からミスト状に散水することによって、より高いホルムアルデヒドの高い分解率が達成されることがわかる。
【0030】
洗浄水浄化装置20で必要回数だけ循環させることにより浄化された洗浄水は、再び、循環用ポンプ16によって被処理ガス水処理装置1の第1洗浄水タンク2に戻される。浄化処理の間に被処理ガス水処理装置1での脱臭処理で飽和状態となった洗浄水が、代わりに循環用ポンプ15によって洗浄水浄化装置20に送られて洗浄処理を受ける。このように洗浄水は脱臭装置内を閉じた状態で循環するので、汚染した洗浄水が外部に排出されることはなく、環境を汚染することはない。
【0031】
図示した洗浄水浄化装置20では、光触媒フィルタ22は第2洗浄水タンク21内の洗浄水に浸漬しないように配置しているが、一部が第2洗浄水タンク21内の洗浄水内に浸漬した状態となっていても差し支えない。また、活性炭フィルタ26を第2洗浄水タンク21内の洗浄水内に配置したが、光触媒フィルタ22の直下に配置し、活性炭フィルタ26を通過させた後、洗浄水を第2洗浄水タンク21に落下させるようにしてもよい。
【0032】
[実施例]
図1に示したフローを持つ脱臭装置を用いて、被処理ガス水処理装置1および洗浄水浄化装置20の能力テストを行った。被処理ガスGは鋳造設備から発生するレジン焼成臭気を含むガスであり、被処理ガス水処理装置1における第1散水区画(前処理塔)3での粉塵収率は99%であった。また、第2散水区画(脱臭塔)4から排出されるガスは、当初アンモニア濃度99ppmであったものが5ppm以下に低減していた。官能試験では臭気濃度56以下であった。
【0033】
また、汚染した洗浄水を洗浄水浄化装置20で洗浄処理をすることにより、ホルムアルデヒドは10mg/Lが0mg/Lに、アンモニアは300mg/Lが0mg/Lに、フェノールは20mg/Lが0mg/Lに、それぞれ低減した。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明による脱臭装置の一実施の形態を被処理ガスの処理フローと共に説明する図。
【図2】光触媒における水温とホルムアルデヒド分解率の関係を示すグラフ。
【図3】光触媒におけるミストの大きさとホルムアルデヒド分解率の関係を示すグラフ。
【符号の説明】
【0035】
G…被処理ガス、1…被処理ガス水処理装置、2…第1洗浄水タンク、2c…フィルタ、3…第1散水区画(前処理塔)、4…第2散水区画(脱臭塔)、5、6…散水ノズル、7…散水ポンプ、8…気液接触材、9…ミスト回収材、10…ターボファン、11…被処理ガスの取り入れ口、12…洗浄水の取り入れ口、13…レベルセンサ、15、16…循環用ポンプ、20…洗浄水浄化装置、21…第2洗浄水タンク、22…光触媒フィルタ、23…光源(ブラックライト)、24…散水ノズル、25…散水用ポンプ、26…活性炭フィルタ、27…吸引ファン、28…水取り入れ口、29…レベルセンサ、30…切替弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発生源からの臭気を含んだ被処理ガスに散水して臭気成分および固形成分を除去する被処理ガス水処理装置と、被処理ガス水処理装置で使用した洗浄水を浄化する洗浄水浄化装置とを備え、洗浄水浄化装置で浄化した洗浄水を被処理ガス水処理装置に戻して再利用するようされている脱臭装置であって、
被処理ガス水処理装置は、第1洗浄水タンクとその上方に位置する第1散水区画および第2散水区画とを備え、被処理ガスは、第1散水区画を上方から下方に向けて移動し、第1洗浄水タンクの水面上で方向を変えた後、第2散水区画を下方から上方に向けて移動して大気に放出されるようになっており、
洗浄水浄化装置は、第2洗浄水タンクと光触媒フィルタと光触媒に光を照射する光源と光触媒フィルタに被処理水を散水する散水手段とを備えており、さらに、
被処理ガス水処理装置の第1洗浄水タンクの洗浄水を洗浄水浄化装置の第2洗浄水タンクとの間で循環させる洗浄水循環手段、
を備えることを特徴とする脱臭装置。
【請求項2】
洗浄水浄化手段は活性炭フィルターをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の脱臭装置。
【請求項3】
洗浄水浄化手段は散水手段が散水する被処理水を冷却する手段をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の脱臭装置。
【請求項4】
被処理ガスが、シェルモールド成形時の鋳造時に発生する臭気を含むガスであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の脱臭装置。
【請求項5】
発生源からの臭気を含んだ被処理ガスに散水して臭気成分および固形成分を除去する被処理ガス水処理装置であって、該被処理ガス水処理装置は、洗浄水タンクとその上方に位置する第1散水区画および第2散水区画とを有し、第1散水区画および第2散水区画には散水手段がそれぞれ備えられており、被処理ガスは、第1散水区画を上方から下方に向けて移動し、第2洗浄水タンクの水面上で方向を変えた後、第2散水区画を下方から上方に向けて移動して大気に放出されるようになっていることを特徴とする被処理ガス水処理装置。
【請求項6】
臭気を含んだ被処理ガスを無臭化処理する過程で発生する臭気成分等を含む洗浄水を浄化する洗浄水浄化装置であって、被処理水タンクと、光触媒フィルタと、光触媒に光を照射する光源と、光触媒フィルタに処理すべき洗浄水を散水する散水手段とを備えることを特徴とする洗浄水浄化装置。
【請求項7】
洗浄水浄化装置は活性炭フィルターをさらに備えることを特徴とする請求項6に記載の洗浄水洗浄装置。
【請求項8】
洗浄水浄化装置は散水手段が散水する被処理水を冷却する手段をさらに備えることを特徴とする請求項6または7に記載の洗浄水洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−68604(P2006−68604A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−253117(P2004−253117)
【出願日】平成16年8月31日(2004.8.31)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000225027)特殊電極株式会社 (26)
【出願人】(394004697)イマセウエル株式会社 (1)
【Fターム(参考)】