腫瘍の予防および治療のための方法および化合物
本発明は、細胞において腫瘍発生を予防、阻害、阻止または無効化する方法ならびに腫瘍細胞においてアポトーシスを誘発する方法に関する。この方法は、細胞におけるDACTタンパク質、またはその機能的フラグメントの量および/または活性を増加させることを含む。本発明はまた、一般式(I)の化合物(式中、AはCHまたはNであり、R1、R4およびR5は、互いに独立して、H、0〜3個のヘテロ原子を含む脂肪族基、脂環式基、芳香族基、アリール脂肪族基、およびアリール脂環式基である。ヘテロ原子は、N、O、S、またはSiであってよい。R4およびR5は、任意に結合して脂肪族ヒドロカルビルブリッジを形成してもよい。R2は、Hまたはハロゲン、たとえばF、Cl、BrまたはLである。R3は、H、F、Clまたは1〜8個の主鎖炭素原子および0〜3個のヘテロ原子を含む脂肪族もしくはアリール脂肪族基である)を含む医薬組成物も提供する。医薬組成物は、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤も含む。
Notice: Undefined index: DEJ in /mnt/www/gzt_disp.php on line 298
【特許請求の範囲】
【請求項1】
細胞における腫瘍発生を予防、阻害、阻止または無効化する方法であって、DACT(「ダッパー、ベータ−カテニンの拮抗薬、ホモログ」)タンパク質、またはその機能的フラグメントの量および活性のうちの少なくとも1つを増加させることを含む、方法。
【請求項2】
前記細胞が体細胞である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記細胞が直腸細胞または結腸細胞である、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記腫瘍発生が発癌現象である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
腫瘍細胞においてアポトーシスを誘発する方法であって、細胞におけるDACTタンパク質、またはその機能的フラグメントの量および活性のうちの少なくとも1つを増加させることを含む、方法。
【請求項6】
腫瘍細胞におけるアポトーシスを検出することをさらに含む、請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記腫瘍が、癌または潰瘍性大腸炎である、請求項5または6記載の方法。
【請求項8】
前記癌が、結腸直腸癌、黒色腫、食道癌、肺癌、卵巣癌、肝細胞癌、および子宮内膜癌のうちの1つである、請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記細胞を宿主生物から得るか、または前記細胞が宿主生物中に含まれている、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記宿主生物が、微生物、魚、両生類、鳥および哺乳動物のうちの1つである、請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記哺乳動物が、ラット、マウス、ウシ、ヤギ、ヒツジ、ブタ、イヌ、モルモット、チンパンジー、およびヒトからなる群から選択される、請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記細胞が培養される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記方法が、増殖性疾患もしくは障害の治療または予防に含まれる、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
治療される前記増殖性疾患または障害が癌である、請求項13記載の方法。
【請求項15】
DACTタンパク質またはその機能的フラグメントの発現および/または活性を増加させる化合物を投与することを含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記化合物が、ペプチド、タンパク質、ヌクレオチド、核酸分子、無機化合物および低分子量有機分子のうちの1つである、請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記核酸分子がDNAまたはRNAである、請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記核酸分子が、DACTタンパク質またはその機能的フラグメントをコードする配列を含む、請求項16または17記載の方法。
【請求項19】
細胞におけるDACTタンパク質、またはその機能的フラグメントの量を増加させることが、DACTタンパク質、またはその機能的フラグメントの発現を増加させることを含む、請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記方法がエピジェネティック法である、請求項19記載の方法。
【請求項21】
翻訳後ヒストン修飾パターンの変更を実施または予防することを含む、請求項20記載の方法。
【請求項22】
前記翻訳後のヒストン修飾が、ヒストンのメチル化またはヒストンのアセチル化である、請求項21記載の方法。
【請求項23】
前記翻訳後ヒストン修飾パターンの変更が、DACTタンパク質の遺伝子座で行われる、請求項21または22の方法。
【請求項24】
翻訳後ヒストン修飾パターンの変更を実施することが、(i)あるアミノ酸の位置での転写抑制的翻訳後ヒストン修飾の除去および(ii)あるアミノ酸の位置での転写活性化翻訳後ヒストン修飾の付加のうちの少なくとも1つを実施することを含む、請求項21〜23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
翻訳後ヒストン修飾パターンの変更を予防することが、(i)あるアミノ酸の位置での転写抑制的翻訳後ヒストン修飾の付加および(ii)あるアミノ酸の位置での転写活性化翻訳後ヒストン修飾の除去のうちの少なくとも1つを阻害することを含む、請求項21〜24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記転写抑制的翻訳後ヒストン修飾の除去と、前記転写活性化翻訳後ヒストン修飾の付加との組み合わせを実施することを含む、請求項21〜24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記活性化翻訳後ヒストン修飾が、ヒストン3上のリシン4のメチル化、ヒストン3上のリシン9のアセチル化、およびヒストン3上のリシン14のアセチル化のうちの1つであり、前記転写抑制的翻訳後ヒストン修飾が、ヒストン3上のリシン9のメチル化、ヒストン3上のリシン27のメチル化、およびヒストン4上のリシン20のメチル化のうちの1つである、請求項24〜26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
DACTタンパク質、またはその機能的フラグメントの量および活性のうちの少なくとも1つを増加させることが、タンパク質ベータ−カテニンのリン酸化状態を増加させることをさらに含む、請求項1〜27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
タンパク質ベータ−カテニンのリン酸化状態を増加させることが、グリコーゲンシンターゼキナーゼ3を活性化することを含む、請求項28記載の方法。
【請求項30】
DACTタンパク質、またはその機能的フラグメントの量および活性の少なくとも1つを増加させることが、細胞における、Dishevelledタンパク質の量を減少させることをさらに含む、請求項1〜29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記Dishevelledタンパク質が、Dvl1、Dvl2およびDvl3のうちの1つである、請求項30記載の方法。
【請求項32】
細胞におけるDishevelledタンパク質の量が分解によって減少する、請求項30または31記載の方法。
【請求項33】
前記Dishevelledタンパク質が前記DACTタンパク質と複合体を形成する、請求項30〜32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
細胞におけるDACTタンパク質の量および活性のうちの少なくとも1つを評価することをさらに含む、請求項1〜33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記DACTタンパク質の量および/または活性を評価することが、前記量および/または活性をある期間にわたって評価することを含む、請求項34記載の方法。
【請求項36】
前記細胞におけるDACTタンパク質の量を評価することが、細胞におけるDACTタンパク質の遺伝子発現を測定することによって達成される、請求項34または35記載の方法。
【請求項37】
DACT遺伝子発現の測定結果を対照測定の結果と比較することをさらに含む、請求項36記載の方法。
【請求項38】
前記対照測定がDACTタンパク質の遺伝子発現を少なくとも本質的に調節しない条件の使用を含む、請求項37記載の方法。
【請求項39】
前記DACTタンパク質が、DACT2またはDACT3である、請求項1〜38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
細胞と、所定の量の一般式(I):
【化1】
(式(I)中、
Aは、CHまたはNであり、
R1、R4およびR5は、Hならびに、N、O、S、およびSiの群から選択される0〜3個のヘテロ原子を含む脂肪族、脂環式、芳香族、アリール脂肪族、およびアリール脂環式ヒドロカルビル基からなる群から独立して選択され、
ここで、R4およびR5は、任意に結合して脂肪族ヒドロカルビルブリッジを形成してもよく、
R2は、Hおよびハロゲンからなる群から選択され、かつ、
R3は、H、または1〜8個の主鎖炭素原子およびN、O、S、Si、およびハロゲンの群から選択される0〜3個のヘテロ原子を含む脂肪族もしくはアリール脂肪族ヒドロカルビル基である)
の化合物とを接触させることを含む、請求項1〜39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記細胞と、所定の量の一般式(I)の化合物とヒストンデアセチラーゼ阻害剤との組み合わせとを接触させることを含む、請求項1〜40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記ヒストンデアセチラーゼ阻害剤が、一般式(II)または一般式(III):
【化2】
(式中、R6は、H、アミノ基、エーテル基、脂肪族基およびアリール脂肪族基のうちの1つであり、
Lは、1〜8個の主鎖炭素原子ならびにN、OおよびSiの群から選択される0〜3個のヘテロ原子を含む脂肪族またはアリール脂肪族基を含むブリッジである)
の化合物である、請求項41記載の方法。
【請求項43】
R6のアミノ基もしくはエーテル基が、N、O、S、およびSiの群から選択される0〜3個のヘテロ原子を含む脂肪族、脂環式、芳香族、アリール脂肪族、またはアリール脂環式基で置換されている、請求項42記載の方法。
【請求項44】
前記一般式(I)の化合物が、(1S,2R,5R)−5−(4−アミノ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)−3−(ヒドロキシメチル)−3−シクロペンテン−1,2−ジオール(3−デアザンプラノシン)である、請求項40〜43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
前記一般式(II)の化合物が、(2E,4E,6R)−7−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]−N−ヒドロキシ−4,6−ジメチル−7−オキソ−2,4−ヘプタジエンアミド(トリコスタチン−A)である、請求項43または44記載の方法。
【請求項46】
細胞における腫瘍発生の危険性を診断する方法であって、(i)細胞中のDACTタンパク質の量、(ii)細胞中のDACTタンパク質の活性、(iii)細胞中の翻訳後ヒストン修飾パターンのうちの1つを評価することを含む方法。
【請求項47】
翻訳後のヒストン修飾が、ヒストンのメチル化およびヒストンのアセチル化の少なくとも1つである、請求項46記載の方法。
【請求項48】
前記方法が腫瘍原性になる傾向を有する細胞を同定する方法である、請求項46または47記載の方法。
【請求項49】
得られた結果を対照測定と比較することを含む、請求項46〜48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
前記対照測定が、少なくとも本質的に腫瘍原性になる危険性のないことが知られている細胞における(i)DACTタンパク質の量、(ii)DACTタンパク質の活性、(iii)翻訳後ヒストン修飾パターンのうちの1つを評価することを含む、請求項49記載の方法。
【請求項51】
ヒストンのアセチル化の前記パターンの評価において、ヒストン3上の(i)リシン9および(ii)リシン14のうちの少なくとも1つのアセチル化の減少は、前記細胞が腫瘍原性になる危険性が増大したことの徴候である、請求項47〜50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
ヒストンのメチル化の前記パターンの評価において、ヒストン3上のリシン4および27のメチル化の増大が、前記細胞が腫瘍原性になる危険性が増大したことの徴候である、請求項47〜51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
前記翻訳後ヒストン修飾パターンが、DACTタンパク質の前記遺伝子座で評価される、請求項46〜52のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
転写活性化翻訳後ヒストン修飾と転写抑制的ヒストン翻訳後ヒストン修飾との組み合わせは、前記細胞が腫瘍原性になる危険性が増大したことの徴候である、請求項46〜53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
前記活性化翻訳後ヒストン修飾が、ヒストン3上のリシン4のメチル化、ヒストン3上のリシン9のアセチル化、およびヒストン3上のリシン14のアセチル化のうちの1つであり、前記転写抑制的翻訳後ヒストン修飾が、ヒストン3上のリシン9のメチル化、ヒストン3上のリシン27のメチル化、およびヒストン4上のリシン20のメチル化のうちの1つである、請求項54記載の方法。
【請求項56】
ヒストン3上のリシン4および27のメチル化が、前記細胞が腫瘍原性になる危険性が増大したことの徴候である、請求項54または55記載の方法。
【請求項57】
前記細胞におけるDACTタンパク質の量の評価において、前記DACTタンパク質の量の減少は、前記細胞が腫瘍原性になる危険性が増大したことの徴候である、請求項46〜49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
被検体において新生物が発現する危険性を診断する方法であって、(i)細胞におけるDACTタンパク質の量、(ii)細胞におけるDACTタンパク質の活性、(iii)翻訳後ヒストン修飾パターンのうちの1つを評価することを含む、方法。
【請求項59】
前記新生物が腫瘍である、請求項58記載の方法。
【請求項60】
前記腫瘍が、黒色腫、乳房腫瘍、肺腫瘍、肝臓腫瘍、結腸直腸腫瘍、食道腫瘍、甲状腺腫瘍、前立腺腫瘍、胃腫瘍、卵巣腫瘍、子宮腫瘍、類腱腫、ウィルムス腫瘍、髄芽細胞腫および毛母基細胞腫瘍のうちの1つである、請求項59記載の方法。
【請求項61】
前記翻訳後ヒストン修飾が、ヒストンメチル化およびヒストンアセチル化のうちの少なくとも1つである、請求項58〜60のいずれか一項に記載の方法。
【請求項62】
転写活性化翻訳後ヒストン修飾と転写抑制的ヒストン翻訳後ヒストン修飾との組み合わせが、被検体において新生物が発現する危険性の徴候である、請求項58〜61のいずれか一項に記載の方法。
【請求項63】
転写活性化翻訳後ヒストン修飾と転写抑制的ヒストン翻訳後ヒストン修飾との前記組み合わせが、ヒストン3上のリシン4および27のメチル化の組み合わせである、請求項62記載の方法。
【請求項64】
前記翻訳後ヒストン修飾パターンが、DACTタンパク質の前記遺伝子座で評価される、請求項58〜63のいずれか一項に記載の方法。
【請求項65】
新生物が、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤と一般式(I)
【化3】
(式(I)中、AはCHまたはNであり、
R1、R4およびR5は、独立して、Hならびに、N、O、S、およびSiの群から選択される0〜3個のヘテロ原子を含む、脂肪族、脂環式、芳香族、アリール脂肪族、およびアリール脂環式ヒドロカルビル基からなる群から選択され、
ここで、R4およびR5は、任意に結合して脂肪族ヒドロカルビルブリッジを形成してもよく、
R2は、Hおよびハロゲンからなる群から選択され、かつ、
R3は、H、または1〜8個の主鎖炭素原子およびN、O、S、Si、およびハロゲンの群から選択される0〜3個のヘテロ原子を含む脂肪族もしくはアリール脂肪族ヒドロカルビル基である)
の化合物との組み合わせに対して感受性であるかどうかを予測する方法であって、
前記新生物における(i)DACTタンパク質の量、(ii)DACTタンパク質の活性、(iii)翻訳後ヒストン修飾パターンのうちの1つを評価することを含み、
(i)DACTタンパク質の量の減少、(ii)DACTタンパク質の活性の減少、(iii)および翻訳後ヒストン修飾の変更のうちの1つが、前記新生物が一般式(I)の化合物とヒストンデアセチラーゼ阻害剤との組み合わせに対して感受性であることの徴候である、方法。
【請求項66】
前記新生物が哺乳動物中に含まれる、請求項65記載の方法。
【請求項67】
前記新生物が腫瘍である、請求項65または66記載の方法。
【請求項68】
前記腫瘍が、黒色腫、乳房腫瘍、肺腫瘍、肝臓腫瘍、結腸直腸腫瘍、食道腫瘍、甲状腺腫瘍、前立腺腫瘍、胃腫瘍、卵巣腫瘍、子宮腫瘍、類腱腫、ウィルムス腫瘍、髄芽細胞腫および毛母基細胞腫瘍のうちの1つである、請求項67記載の方法。
【請求項69】
前記変更された翻訳後ヒストン修飾が、ヒストンメチル化およびヒストンアセチル化のうちの少なくとも1つである、請求項65〜68のいずれか一項に記載の方法。
【請求項70】
ヒストンのメチル化および/またはヒストンのアセチル化の前記パターンが、DACTタンパク質の前記遺伝子座で評価される、請求項65〜69のいずれか一項に記載の方法。
【請求項71】
腫瘍の予防または治療用医薬の製造での、細胞におけるDACTタンパク質の絶対量を増加させる核酸分子および/または低分子量有機分子の使用。
【請求項72】
前記DACTタンパク質が、DACT2およびDACT3のうちの1つである、請求項71記載の使用。
【請求項73】
(i)一般式(I)
【化4】
(式(I)中、
Aは、CHまたはNであり、
R1、R4およびR5は、Hならびに、N、O、S、およびSiの群から選択される0〜3個のヘテロ原子を含む脂肪族、脂環式、芳香族、アリール脂肪族、およびアリール脂環式ヒドロカルビル基からなる群から独立して選択され、
ここで、R4およびR5は、任意に結合して脂肪族ヒドロカルビルブリッジを形成してもよく、
R2は、Hおよびハロゲンからなる群から選択され、かつ、
R3は、H、1〜8個の主鎖炭素原子およびN、O、S、Si、およびハロゲンの群から選択される0〜3個のヘテロ原子を含む脂肪族もしくはアリール脂肪族ヒドロカルビル基である)
の化合物;および
(ii)ヒストンデアセチラーゼ阻害剤の組み合わせ
を含む医薬組成物。
【請求項74】
前記ヒストンデアセチラーゼ阻害剤が、SAHA(Vorinostat(登録商標))またはPXD101(Belinostat(登録商標))である、請求項73記載の医薬組成物。
【請求項75】
前記ヒストンデアセチラーゼ阻害剤が、一般式(II)または一般式(III):
【化5】
(式(II)および(III)中、
R6は、H、アミノ基、エーテル基、脂肪族基およびアリール脂肪族基のうちの1つであり、かつ、
Lは、1〜8個の主鎖炭素原子ならびにN、OおよびSiの群から選択される0〜3個のヘテロ原子を含む脂肪族またはアリール脂肪族基を含むブリッジである)
の化合物である、請求項73記載の医薬組成物。
【請求項76】
R6がアミノ基またはエーテル基であり、前記アミノ基またはエーテル基が、N、O、S、およびSiの群から選択される0〜3個のヘテロ原子を含む脂肪族、脂環式、芳香族、アリール脂肪族およびアリール脂環式基のうちの1つで置換されている、請求項75記載の医薬組成物。
【請求項77】
一般式(I)
【化6】
(式(I)中、
AはCHまたはNであり、
R1、R4およびR5は、Hならびに、N、O、S、およびSiの群から選択される0〜3個のヘテロ原子を含む脂肪族、脂環式、芳香族、アリール脂肪族、およびアリール脂環式ヒドロカルビル基からなる群から独立して選択され、
ここで、R4およびR5は任意に結合して脂肪族ヒドロカルビルブリッジを形成してもよく、
R2は、Hおよびハロゲンからなる群から選択され、かつ、
R3は、H、または1〜8個の主鎖炭素原子およびN、O、S、Si、ならびにハロゲンの群から選択される0〜3個のヘテロ原子を含む脂肪族もしくはアリール脂肪族ヒドロカルビル基である)
の化合物の、結腸直腸癌または黒色腫の治療における使用。
【請求項78】
前記使用がヒストンデアセチラーゼ阻害剤の使用をさらに含む、請求項77記載の使用。
【請求項79】
細胞における腫瘍発生の予防、阻害、阻止もしくは無効化および/または腫瘍細胞におけるアポトーシスの誘発が可能な候補化合物を同定する方法であって、DACTタンパク質、またはその機能的フラグメントを発現できる細胞中に前記化合物を導入し、前記DACTタンパク質の発現を測定することを含み、前記DACTタンパク質の発現の増大は、前記化合物による細胞における腫瘍発生の予防、阻害、阻止もしくは無効化および/または腫瘍細胞におけるアポトーシスの誘発が可能であることを示す、方法。
【請求項80】
前記DACTタンパク質が、DACT2またはDACT3である、請求項79記載の方法。
【請求項81】
細胞における腫瘍発生の予防、阻害、阻止もしくは無効化および/または腫瘍細胞におけるアポトーシスの誘発が可能な候補化合物を同定する方法であって、DACTタンパク質、またはその機能的フラグメントを発現する細胞中に前記化合物を導入し、前記DACTタンパク質の発現および/または活性を測定することを含み、前記DACTタンパク質の発現および/または活性の増大は、前記化合物による細胞における腫瘍発生の予防、阻害、阻止もしくは無効化および/または腫瘍細胞におけるアポトーシスの誘発が可能であることを示す、方法。
【請求項82】
得られた結果を対照測定の結果と比較することをさらに含む、請求項81記載の方法。
【請求項83】
前記対照測定が、DACTタンパク質の発現および/または活性を調節しない化合物の使用を含む、請求項82記載の方法。
【請求項84】
前記細胞が癌細胞である、請求項81〜83のいずれか一項に記載の方法。
【請求項85】
前記細胞が、結腸直腸組織、皮膚組織、胸部組織、肺組織、膀胱組織および卵管の組織のうちの1つに由来する、請求項81〜84のいずれか一項に記載の方法。
【請求項86】
前記細胞が、細胞株の細胞である、請求項85記載の方法。
【請求項87】
前記DACTタンパク質が、DACT2またはDACT3である、請求項81〜86のいずれか一項に記載の方法。
【請求項88】
細胞における腫瘍発生の予防、阻害、阻止もしくは無効化および/または腫瘍細胞におけるアポトーシスの誘発が可能な化合物を同定する生体外法であって、化合物、DACTタンパク質、またはその機能的フラグメント、およびDishevelledタンパク質を接触させることを含み、前記DACTタンパク質と前記Dishevelledタンパク質との間の複合体形成の増進が、前記化合物による細胞における腫瘍発生の予防、阻害、阻止もしくは無効化および/または腫瘍細胞におけるアポトーシスの誘発が可能であることを示す、方法。
【請求項89】
前記Dishevelledタンパク質が、Dvl1、Dvl2およびDvl3のうちの1つである,請求項88記載の方法。
【請求項90】
(a)試験管に、DACTタンパク質、またはその機能的フラグメントと、Dishevelledタンパク質との複合体形成を増進させることができると予想される化合物を添加する工程と、
(b)前記DACTタンパク質、またはその機能的フラグメントを前記試験管に添加する工程と、
(c)前記Dishevelledタンパク質を添加する工程と、
(d)前記複合体形成を検出する工程と
を含む、請求項88または89記載の方法。
【請求項91】
前記検出が、好適な分光法、光化学的方法、測光法、蛍光定量法、放射線学的方法、酵素法または熱力学的方法によって行われる、請求項90記載の方法。
【請求項92】
前記DACTタンパク質が、DACT2またはDACT3である、請求項88〜91のいずれか一項に記載の方法。
【請求項1】
細胞における腫瘍発生を予防、阻害、阻止または無効化する方法であって、DACT(「ダッパー、ベータ−カテニンの拮抗薬、ホモログ」)タンパク質、またはその機能的フラグメントの量および活性のうちの少なくとも1つを増加させることを含む、方法。
【請求項2】
前記細胞が体細胞である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記細胞が直腸細胞または結腸細胞である、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記腫瘍発生が発癌現象である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
腫瘍細胞においてアポトーシスを誘発する方法であって、細胞におけるDACTタンパク質、またはその機能的フラグメントの量および活性のうちの少なくとも1つを増加させることを含む、方法。
【請求項6】
腫瘍細胞におけるアポトーシスを検出することをさらに含む、請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記腫瘍が、癌または潰瘍性大腸炎である、請求項5または6記載の方法。
【請求項8】
前記癌が、結腸直腸癌、黒色腫、食道癌、肺癌、卵巣癌、肝細胞癌、および子宮内膜癌のうちの1つである、請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記細胞を宿主生物から得るか、または前記細胞が宿主生物中に含まれている、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記宿主生物が、微生物、魚、両生類、鳥および哺乳動物のうちの1つである、請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記哺乳動物が、ラット、マウス、ウシ、ヤギ、ヒツジ、ブタ、イヌ、モルモット、チンパンジー、およびヒトからなる群から選択される、請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記細胞が培養される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記方法が、増殖性疾患もしくは障害の治療または予防に含まれる、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
治療される前記増殖性疾患または障害が癌である、請求項13記載の方法。
【請求項15】
DACTタンパク質またはその機能的フラグメントの発現および/または活性を増加させる化合物を投与することを含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記化合物が、ペプチド、タンパク質、ヌクレオチド、核酸分子、無機化合物および低分子量有機分子のうちの1つである、請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記核酸分子がDNAまたはRNAである、請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記核酸分子が、DACTタンパク質またはその機能的フラグメントをコードする配列を含む、請求項16または17記載の方法。
【請求項19】
細胞におけるDACTタンパク質、またはその機能的フラグメントの量を増加させることが、DACTタンパク質、またはその機能的フラグメントの発現を増加させることを含む、請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記方法がエピジェネティック法である、請求項19記載の方法。
【請求項21】
翻訳後ヒストン修飾パターンの変更を実施または予防することを含む、請求項20記載の方法。
【請求項22】
前記翻訳後のヒストン修飾が、ヒストンのメチル化またはヒストンのアセチル化である、請求項21記載の方法。
【請求項23】
前記翻訳後ヒストン修飾パターンの変更が、DACTタンパク質の遺伝子座で行われる、請求項21または22の方法。
【請求項24】
翻訳後ヒストン修飾パターンの変更を実施することが、(i)あるアミノ酸の位置での転写抑制的翻訳後ヒストン修飾の除去および(ii)あるアミノ酸の位置での転写活性化翻訳後ヒストン修飾の付加のうちの少なくとも1つを実施することを含む、請求項21〜23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
翻訳後ヒストン修飾パターンの変更を予防することが、(i)あるアミノ酸の位置での転写抑制的翻訳後ヒストン修飾の付加および(ii)あるアミノ酸の位置での転写活性化翻訳後ヒストン修飾の除去のうちの少なくとも1つを阻害することを含む、請求項21〜24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記転写抑制的翻訳後ヒストン修飾の除去と、前記転写活性化翻訳後ヒストン修飾の付加との組み合わせを実施することを含む、請求項21〜24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記活性化翻訳後ヒストン修飾が、ヒストン3上のリシン4のメチル化、ヒストン3上のリシン9のアセチル化、およびヒストン3上のリシン14のアセチル化のうちの1つであり、前記転写抑制的翻訳後ヒストン修飾が、ヒストン3上のリシン9のメチル化、ヒストン3上のリシン27のメチル化、およびヒストン4上のリシン20のメチル化のうちの1つである、請求項24〜26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
DACTタンパク質、またはその機能的フラグメントの量および活性のうちの少なくとも1つを増加させることが、タンパク質ベータ−カテニンのリン酸化状態を増加させることをさらに含む、請求項1〜27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
タンパク質ベータ−カテニンのリン酸化状態を増加させることが、グリコーゲンシンターゼキナーゼ3を活性化することを含む、請求項28記載の方法。
【請求項30】
DACTタンパク質、またはその機能的フラグメントの量および活性の少なくとも1つを増加させることが、細胞における、Dishevelledタンパク質の量を減少させることをさらに含む、請求項1〜29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記Dishevelledタンパク質が、Dvl1、Dvl2およびDvl3のうちの1つである、請求項30記載の方法。
【請求項32】
細胞におけるDishevelledタンパク質の量が分解によって減少する、請求項30または31記載の方法。
【請求項33】
前記Dishevelledタンパク質が前記DACTタンパク質と複合体を形成する、請求項30〜32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
細胞におけるDACTタンパク質の量および活性のうちの少なくとも1つを評価することをさらに含む、請求項1〜33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記DACTタンパク質の量および/または活性を評価することが、前記量および/または活性をある期間にわたって評価することを含む、請求項34記載の方法。
【請求項36】
前記細胞におけるDACTタンパク質の量を評価することが、細胞におけるDACTタンパク質の遺伝子発現を測定することによって達成される、請求項34または35記載の方法。
【請求項37】
DACT遺伝子発現の測定結果を対照測定の結果と比較することをさらに含む、請求項36記載の方法。
【請求項38】
前記対照測定がDACTタンパク質の遺伝子発現を少なくとも本質的に調節しない条件の使用を含む、請求項37記載の方法。
【請求項39】
前記DACTタンパク質が、DACT2またはDACT3である、請求項1〜38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
細胞と、所定の量の一般式(I):
【化1】
(式(I)中、
Aは、CHまたはNであり、
R1、R4およびR5は、Hならびに、N、O、S、およびSiの群から選択される0〜3個のヘテロ原子を含む脂肪族、脂環式、芳香族、アリール脂肪族、およびアリール脂環式ヒドロカルビル基からなる群から独立して選択され、
ここで、R4およびR5は、任意に結合して脂肪族ヒドロカルビルブリッジを形成してもよく、
R2は、Hおよびハロゲンからなる群から選択され、かつ、
R3は、H、または1〜8個の主鎖炭素原子およびN、O、S、Si、およびハロゲンの群から選択される0〜3個のヘテロ原子を含む脂肪族もしくはアリール脂肪族ヒドロカルビル基である)
の化合物とを接触させることを含む、請求項1〜39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記細胞と、所定の量の一般式(I)の化合物とヒストンデアセチラーゼ阻害剤との組み合わせとを接触させることを含む、請求項1〜40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記ヒストンデアセチラーゼ阻害剤が、一般式(II)または一般式(III):
【化2】
(式中、R6は、H、アミノ基、エーテル基、脂肪族基およびアリール脂肪族基のうちの1つであり、
Lは、1〜8個の主鎖炭素原子ならびにN、OおよびSiの群から選択される0〜3個のヘテロ原子を含む脂肪族またはアリール脂肪族基を含むブリッジである)
の化合物である、請求項41記載の方法。
【請求項43】
R6のアミノ基もしくはエーテル基が、N、O、S、およびSiの群から選択される0〜3個のヘテロ原子を含む脂肪族、脂環式、芳香族、アリール脂肪族、またはアリール脂環式基で置換されている、請求項42記載の方法。
【請求項44】
前記一般式(I)の化合物が、(1S,2R,5R)−5−(4−アミノ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)−3−(ヒドロキシメチル)−3−シクロペンテン−1,2−ジオール(3−デアザンプラノシン)である、請求項40〜43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
前記一般式(II)の化合物が、(2E,4E,6R)−7−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]−N−ヒドロキシ−4,6−ジメチル−7−オキソ−2,4−ヘプタジエンアミド(トリコスタチン−A)である、請求項43または44記載の方法。
【請求項46】
細胞における腫瘍発生の危険性を診断する方法であって、(i)細胞中のDACTタンパク質の量、(ii)細胞中のDACTタンパク質の活性、(iii)細胞中の翻訳後ヒストン修飾パターンのうちの1つを評価することを含む方法。
【請求項47】
翻訳後のヒストン修飾が、ヒストンのメチル化およびヒストンのアセチル化の少なくとも1つである、請求項46記載の方法。
【請求項48】
前記方法が腫瘍原性になる傾向を有する細胞を同定する方法である、請求項46または47記載の方法。
【請求項49】
得られた結果を対照測定と比較することを含む、請求項46〜48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
前記対照測定が、少なくとも本質的に腫瘍原性になる危険性のないことが知られている細胞における(i)DACTタンパク質の量、(ii)DACTタンパク質の活性、(iii)翻訳後ヒストン修飾パターンのうちの1つを評価することを含む、請求項49記載の方法。
【請求項51】
ヒストンのアセチル化の前記パターンの評価において、ヒストン3上の(i)リシン9および(ii)リシン14のうちの少なくとも1つのアセチル化の減少は、前記細胞が腫瘍原性になる危険性が増大したことの徴候である、請求項47〜50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
ヒストンのメチル化の前記パターンの評価において、ヒストン3上のリシン4および27のメチル化の増大が、前記細胞が腫瘍原性になる危険性が増大したことの徴候である、請求項47〜51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
前記翻訳後ヒストン修飾パターンが、DACTタンパク質の前記遺伝子座で評価される、請求項46〜52のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
転写活性化翻訳後ヒストン修飾と転写抑制的ヒストン翻訳後ヒストン修飾との組み合わせは、前記細胞が腫瘍原性になる危険性が増大したことの徴候である、請求項46〜53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
前記活性化翻訳後ヒストン修飾が、ヒストン3上のリシン4のメチル化、ヒストン3上のリシン9のアセチル化、およびヒストン3上のリシン14のアセチル化のうちの1つであり、前記転写抑制的翻訳後ヒストン修飾が、ヒストン3上のリシン9のメチル化、ヒストン3上のリシン27のメチル化、およびヒストン4上のリシン20のメチル化のうちの1つである、請求項54記載の方法。
【請求項56】
ヒストン3上のリシン4および27のメチル化が、前記細胞が腫瘍原性になる危険性が増大したことの徴候である、請求項54または55記載の方法。
【請求項57】
前記細胞におけるDACTタンパク質の量の評価において、前記DACTタンパク質の量の減少は、前記細胞が腫瘍原性になる危険性が増大したことの徴候である、請求項46〜49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
被検体において新生物が発現する危険性を診断する方法であって、(i)細胞におけるDACTタンパク質の量、(ii)細胞におけるDACTタンパク質の活性、(iii)翻訳後ヒストン修飾パターンのうちの1つを評価することを含む、方法。
【請求項59】
前記新生物が腫瘍である、請求項58記載の方法。
【請求項60】
前記腫瘍が、黒色腫、乳房腫瘍、肺腫瘍、肝臓腫瘍、結腸直腸腫瘍、食道腫瘍、甲状腺腫瘍、前立腺腫瘍、胃腫瘍、卵巣腫瘍、子宮腫瘍、類腱腫、ウィルムス腫瘍、髄芽細胞腫および毛母基細胞腫瘍のうちの1つである、請求項59記載の方法。
【請求項61】
前記翻訳後ヒストン修飾が、ヒストンメチル化およびヒストンアセチル化のうちの少なくとも1つである、請求項58〜60のいずれか一項に記載の方法。
【請求項62】
転写活性化翻訳後ヒストン修飾と転写抑制的ヒストン翻訳後ヒストン修飾との組み合わせが、被検体において新生物が発現する危険性の徴候である、請求項58〜61のいずれか一項に記載の方法。
【請求項63】
転写活性化翻訳後ヒストン修飾と転写抑制的ヒストン翻訳後ヒストン修飾との前記組み合わせが、ヒストン3上のリシン4および27のメチル化の組み合わせである、請求項62記載の方法。
【請求項64】
前記翻訳後ヒストン修飾パターンが、DACTタンパク質の前記遺伝子座で評価される、請求項58〜63のいずれか一項に記載の方法。
【請求項65】
新生物が、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤と一般式(I)
【化3】
(式(I)中、AはCHまたはNであり、
R1、R4およびR5は、独立して、Hならびに、N、O、S、およびSiの群から選択される0〜3個のヘテロ原子を含む、脂肪族、脂環式、芳香族、アリール脂肪族、およびアリール脂環式ヒドロカルビル基からなる群から選択され、
ここで、R4およびR5は、任意に結合して脂肪族ヒドロカルビルブリッジを形成してもよく、
R2は、Hおよびハロゲンからなる群から選択され、かつ、
R3は、H、または1〜8個の主鎖炭素原子およびN、O、S、Si、およびハロゲンの群から選択される0〜3個のヘテロ原子を含む脂肪族もしくはアリール脂肪族ヒドロカルビル基である)
の化合物との組み合わせに対して感受性であるかどうかを予測する方法であって、
前記新生物における(i)DACTタンパク質の量、(ii)DACTタンパク質の活性、(iii)翻訳後ヒストン修飾パターンのうちの1つを評価することを含み、
(i)DACTタンパク質の量の減少、(ii)DACTタンパク質の活性の減少、(iii)および翻訳後ヒストン修飾の変更のうちの1つが、前記新生物が一般式(I)の化合物とヒストンデアセチラーゼ阻害剤との組み合わせに対して感受性であることの徴候である、方法。
【請求項66】
前記新生物が哺乳動物中に含まれる、請求項65記載の方法。
【請求項67】
前記新生物が腫瘍である、請求項65または66記載の方法。
【請求項68】
前記腫瘍が、黒色腫、乳房腫瘍、肺腫瘍、肝臓腫瘍、結腸直腸腫瘍、食道腫瘍、甲状腺腫瘍、前立腺腫瘍、胃腫瘍、卵巣腫瘍、子宮腫瘍、類腱腫、ウィルムス腫瘍、髄芽細胞腫および毛母基細胞腫瘍のうちの1つである、請求項67記載の方法。
【請求項69】
前記変更された翻訳後ヒストン修飾が、ヒストンメチル化およびヒストンアセチル化のうちの少なくとも1つである、請求項65〜68のいずれか一項に記載の方法。
【請求項70】
ヒストンのメチル化および/またはヒストンのアセチル化の前記パターンが、DACTタンパク質の前記遺伝子座で評価される、請求項65〜69のいずれか一項に記載の方法。
【請求項71】
腫瘍の予防または治療用医薬の製造での、細胞におけるDACTタンパク質の絶対量を増加させる核酸分子および/または低分子量有機分子の使用。
【請求項72】
前記DACTタンパク質が、DACT2およびDACT3のうちの1つである、請求項71記載の使用。
【請求項73】
(i)一般式(I)
【化4】
(式(I)中、
Aは、CHまたはNであり、
R1、R4およびR5は、Hならびに、N、O、S、およびSiの群から選択される0〜3個のヘテロ原子を含む脂肪族、脂環式、芳香族、アリール脂肪族、およびアリール脂環式ヒドロカルビル基からなる群から独立して選択され、
ここで、R4およびR5は、任意に結合して脂肪族ヒドロカルビルブリッジを形成してもよく、
R2は、Hおよびハロゲンからなる群から選択され、かつ、
R3は、H、1〜8個の主鎖炭素原子およびN、O、S、Si、およびハロゲンの群から選択される0〜3個のヘテロ原子を含む脂肪族もしくはアリール脂肪族ヒドロカルビル基である)
の化合物;および
(ii)ヒストンデアセチラーゼ阻害剤の組み合わせ
を含む医薬組成物。
【請求項74】
前記ヒストンデアセチラーゼ阻害剤が、SAHA(Vorinostat(登録商標))またはPXD101(Belinostat(登録商標))である、請求項73記載の医薬組成物。
【請求項75】
前記ヒストンデアセチラーゼ阻害剤が、一般式(II)または一般式(III):
【化5】
(式(II)および(III)中、
R6は、H、アミノ基、エーテル基、脂肪族基およびアリール脂肪族基のうちの1つであり、かつ、
Lは、1〜8個の主鎖炭素原子ならびにN、OおよびSiの群から選択される0〜3個のヘテロ原子を含む脂肪族またはアリール脂肪族基を含むブリッジである)
の化合物である、請求項73記載の医薬組成物。
【請求項76】
R6がアミノ基またはエーテル基であり、前記アミノ基またはエーテル基が、N、O、S、およびSiの群から選択される0〜3個のヘテロ原子を含む脂肪族、脂環式、芳香族、アリール脂肪族およびアリール脂環式基のうちの1つで置換されている、請求項75記載の医薬組成物。
【請求項77】
一般式(I)
【化6】
(式(I)中、
AはCHまたはNであり、
R1、R4およびR5は、Hならびに、N、O、S、およびSiの群から選択される0〜3個のヘテロ原子を含む脂肪族、脂環式、芳香族、アリール脂肪族、およびアリール脂環式ヒドロカルビル基からなる群から独立して選択され、
ここで、R4およびR5は任意に結合して脂肪族ヒドロカルビルブリッジを形成してもよく、
R2は、Hおよびハロゲンからなる群から選択され、かつ、
R3は、H、または1〜8個の主鎖炭素原子およびN、O、S、Si、ならびにハロゲンの群から選択される0〜3個のヘテロ原子を含む脂肪族もしくはアリール脂肪族ヒドロカルビル基である)
の化合物の、結腸直腸癌または黒色腫の治療における使用。
【請求項78】
前記使用がヒストンデアセチラーゼ阻害剤の使用をさらに含む、請求項77記載の使用。
【請求項79】
細胞における腫瘍発生の予防、阻害、阻止もしくは無効化および/または腫瘍細胞におけるアポトーシスの誘発が可能な候補化合物を同定する方法であって、DACTタンパク質、またはその機能的フラグメントを発現できる細胞中に前記化合物を導入し、前記DACTタンパク質の発現を測定することを含み、前記DACTタンパク質の発現の増大は、前記化合物による細胞における腫瘍発生の予防、阻害、阻止もしくは無効化および/または腫瘍細胞におけるアポトーシスの誘発が可能であることを示す、方法。
【請求項80】
前記DACTタンパク質が、DACT2またはDACT3である、請求項79記載の方法。
【請求項81】
細胞における腫瘍発生の予防、阻害、阻止もしくは無効化および/または腫瘍細胞におけるアポトーシスの誘発が可能な候補化合物を同定する方法であって、DACTタンパク質、またはその機能的フラグメントを発現する細胞中に前記化合物を導入し、前記DACTタンパク質の発現および/または活性を測定することを含み、前記DACTタンパク質の発現および/または活性の増大は、前記化合物による細胞における腫瘍発生の予防、阻害、阻止もしくは無効化および/または腫瘍細胞におけるアポトーシスの誘発が可能であることを示す、方法。
【請求項82】
得られた結果を対照測定の結果と比較することをさらに含む、請求項81記載の方法。
【請求項83】
前記対照測定が、DACTタンパク質の発現および/または活性を調節しない化合物の使用を含む、請求項82記載の方法。
【請求項84】
前記細胞が癌細胞である、請求項81〜83のいずれか一項に記載の方法。
【請求項85】
前記細胞が、結腸直腸組織、皮膚組織、胸部組織、肺組織、膀胱組織および卵管の組織のうちの1つに由来する、請求項81〜84のいずれか一項に記載の方法。
【請求項86】
前記細胞が、細胞株の細胞である、請求項85記載の方法。
【請求項87】
前記DACTタンパク質が、DACT2またはDACT3である、請求項81〜86のいずれか一項に記載の方法。
【請求項88】
細胞における腫瘍発生の予防、阻害、阻止もしくは無効化および/または腫瘍細胞におけるアポトーシスの誘発が可能な化合物を同定する生体外法であって、化合物、DACTタンパク質、またはその機能的フラグメント、およびDishevelledタンパク質を接触させることを含み、前記DACTタンパク質と前記Dishevelledタンパク質との間の複合体形成の増進が、前記化合物による細胞における腫瘍発生の予防、阻害、阻止もしくは無効化および/または腫瘍細胞におけるアポトーシスの誘発が可能であることを示す、方法。
【請求項89】
前記Dishevelledタンパク質が、Dvl1、Dvl2およびDvl3のうちの1つである,請求項88記載の方法。
【請求項90】
(a)試験管に、DACTタンパク質、またはその機能的フラグメントと、Dishevelledタンパク質との複合体形成を増進させることができると予想される化合物を添加する工程と、
(b)前記DACTタンパク質、またはその機能的フラグメントを前記試験管に添加する工程と、
(c)前記Dishevelledタンパク質を添加する工程と、
(d)前記複合体形成を検出する工程と
を含む、請求項88または89記載の方法。
【請求項91】
前記検出が、好適な分光法、光化学的方法、測光法、蛍光定量法、放射線学的方法、酵素法または熱力学的方法によって行われる、請求項90記載の方法。
【請求項92】
前記DACTタンパク質が、DACT2またはDACT3である、請求項88〜91のいずれか一項に記載の方法。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図3G】
【図3H】
【図4Aa】
【図4Ab】
【図4B】
【図4C】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図6E】
【図6F】
【図6G】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図12D】
【図13A】
【図13B】
【図14A】
【図14B】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図1B】
【図1C】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図3G】
【図3H】
【図4Aa】
【図4Ab】
【図4B】
【図4C】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図6E】
【図6F】
【図6G】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図12D】
【図13A】
【図13B】
【図14A】
【図14B】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公表番号】特表2011−504462(P2011−504462A)
【公表日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−533046(P2010−533046)
【出願日】平成20年11月3日(2008.11.3)
【国際出願番号】PCT/SG2008/000420
【国際公開番号】WO2009/058102
【国際公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【出願人】(503231882)エージェンシー フォー サイエンス,テクノロジー アンド リサーチ (179)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年11月3日(2008.11.3)
【国際出願番号】PCT/SG2008/000420
【国際公開番号】WO2009/058102
【国際公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【出願人】(503231882)エージェンシー フォー サイエンス,テクノロジー アンド リサーチ (179)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]