説明

膜形成用組成物

【課題】誘電率、金属バリア性、耐熱性、耐薬品性、機械強度等の膜特性の観点において優れた絶縁膜を得るための膜形成用組成物を提供する。
【解決手段】 一般式(I)で表される化合物、その加水分解物、またはそれらの縮合物を含有することを特徴とする膜形成用組成物。


一般式(I)中、Qは、炭素原子で形成された環状構造または炭素原子で形成されたカゴ状構造を含む基を表す。lは1〜10の整数を表し、mは0〜10の整数を表し、nは1〜10の整数を表す。Xはそれぞれ独立に任意の置換基を表す。Yはそれぞれ独立に所定の基を表す。n2は1〜10の整数を表す。Rはそれぞれ独立に所定の基を表す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は膜形成用組成物に関し、さらに詳しくは電子デバイスなどに用いられる誘電率、金属拡散バリア性、機械強度、耐熱性等の膜特性が良好な絶縁膜を形成するための組成物に関し、さらには該組成物を用いて得られる絶縁膜および、該絶縁膜を有する電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子材料分野においては、高集積化、多機能化、高性能化の進行に伴い、回路抵抗や配線間のコンデンサー容量が増大し、消費電力や遅延時間の増大を招いている。中でも、遅延時間の増大は、デバイスの信号スピードの低下やクロストークの発生の大きな要因となるため、この遅延時間を減少させてデバイスの高速化を図るべく、寄生抵抗や寄生容量の低減が求められている。この寄生容量を低減するための具体策の一つとして、配線の周辺を低誘電性(比誘電率3.0以下)の層間絶縁膜で被覆することが試みられている。(特許文献1参照)
【0003】
半導体デバイス製造に際して、約400℃程度の加熱時にも配線に用いられる金属(銅など)が、絶縁膜内に拡散しないことが必要であるが、通常のlow-k絶縁膜は配線金属の拡散バリア性を有しないため、絶縁膜への金属の拡散を回避するために、絶縁膜と金属との間に絶縁性バリア膜が用いられる。このようなバリア膜としては、例えば、窒化ケイ素、シリコンカーバイドなどが用いられているが、これらは一般的に比誘電率が4.0以上であるため、層間絶縁膜の実効誘電率が上昇する原因となっている。
そこで、比誘電率が小さく、金属拡散を抑止する効果の高い絶縁膜の開発が望まれていた。
【特許文献1】特表2002−534546号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記問題点を解決するための膜形成用組成物に関し、さらに詳しくは電子デバイスなどに用いられる、誘電率、金属拡散バリア性などの膜特性が良好な絶縁膜を形成するための塗布液に関し、さらには該塗布液を用いて得られる絶縁膜およびそれを有する電子デバイスに関する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題が下記の<1>〜<8>の構成により解決されることを見出した。
<1>
一般式(I)で表される化合物、その加水分解物、またはそれらの縮合物を含有することを特徴とする膜形成用組成物。
【化1】

一般式(I)中、
Qは、炭素原子で形成された環状構造または炭素原子で形成されたカゴ状構造を含む基を表す。
lは1〜10の整数を表し、
mは0〜10の整数を表し、
nは1〜10の整数を表す。
Xはそれぞれ独立に任意の置換基を表す。
Yはそれぞれ独立に一般式(Y−1)〜(Y−5)のいずれかで表される基を表す。
【化2】


一般式(Y−1)〜(Y−5)中、
2は炭素原子で形成された環状構造または炭素原子で形成されたカゴ状構造を有する基を表す。
1はそれぞれ独立にC(X3)2、NX3、O、Sから選ばれる原子または基を表す。
3はそれぞれ独立に水素原子または任意の置換基を表す。
2はそれぞれ独立に水素原子または任意の置換基を表すが、一般式(I)で表される化合物1分子に含まれるX2のうち少なくとも2つは任意の加水分解性基を表す。
2は1〜10の整数を表す。
Rはそれぞれ独立に一般式(R−1)〜(R−9)のいずれかで表される基を表す。
【化3】


一般式(R−1)〜(R−9)中、
1はそれぞれ独立に水素原子または任意の置換基を表す。
<2>
一般式(I)で表される化合物において、Qが一般式(Q−1)〜(Q−7)のいずれかで表される構造であることを特徴とする上記<1>に記載の膜形成用組成物。
【化4】


式中、Aは一般式(I)のX、Y、Rから選ばれる基または水素原子を表す。
<3>
一般式(I)で表される化合物において、Qが表す炭素原子で形成された環状構造または炭素原子で形成されたカゴ状構造を含む基が、一般式(Q−1)または(Q−5)で表される構造を含む基であることを特徴とする上記<2>に記載の膜形成用組成物。
<4>
一般式(I)で表される化合物、その加水分解物、またはそれらの縮合物に加えて、一般式(II)で表される化合物、その加水分解物、またはそれらの縮合物を含有することを特徴とする上記<1>〜<3>のいずれかに記載の膜形成用組成物。
(R3)m1(X5)4-m1Si (II)
一般式(II)中、
3はそれぞれ独立に水素原子または任意の置換基を表し、
5はそれぞれ独立して任意の加水分解性基を表す。
1は0から3の整数を表す。
<5>
さらに有機溶剤を含むことを特徴とする上記<1>〜<4>のいずれかに記載の膜形成用組成物。
<6>
上記<1>〜<5>のいずれかに記載の膜形成用組成物を用いて形成した絶縁膜。
<7>
上記<1>〜<5>のいずれかに記載の膜形成用組成物を用いて形成した金属拡散バリア膜
<8>
上記<6>に記載の絶縁膜または上記<7>に記載の金属拡散バリア膜を有する電子デバイス。
【発明の効果】
【0006】
本発明の膜形成用組成物は均一であり不純物の析出がなく、該組成物を用いて形成した絶縁膜は低い誘電率、高い金属拡散バリア性が得られるため、電子デバイスなどにおける層間絶縁膜として適している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の膜形成用組成物は、一般式(I)で表される化合物、その加水分解物、またはそれらの縮合物を含有することを特徴とする。
【0008】
【化5】

【0009】
一般式(I)中、
lは1〜10の整数を表し、1〜6の整数が好ましく、1〜4の整数が、より好ましく、1〜2の整数が最も好ましい。
mは0〜10の整数を表し、0〜5の整数が好ましく、0〜2の整数がより好ましい。
nは1〜10の整数を表し、1〜6の整数が好ましく、1〜3の整数が、より好ましい。
Xはそれぞれ独立して任意の置換基を表し、任意の置換基としては、例えば、炭素数1〜10のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基)、炭素数6〜10のアリール基(例えば、フェニル基、4−メチルフェニル基、ナフチル基)、水酸基、メルカプト基、炭素数10以下のアミノ基(アミノ基、N−メチルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基)、炭素数1〜10のアシルアミノ基(例えば、アセチル基、ベンゾイル基)、カルボキシル基等が挙げられる。これらの基はさらに任意の置換基を有していてもよい。Xとしては、メチル基およびフェニル基が好ましい。
Yはそれぞれ独立に一般式(Y−1)〜(Y−5)のいずれかで表される基を表し、一般式(Y−1)および(Y−4)で表される基が好ましい。
【0010】
【化6】

【0011】
一般式(Y−1)〜(Y−5)中、
2は、炭素原子で形成された環状構造または炭素原子で形成されたカゴ状構造を含む基を表し、具体的には、芳香族環(ベンゼン環、ナフタレン環など)、シクロアルキル基(シクロヘキサンなど)、カゴ状炭化水素(アダマンタンなど)を有する基を表すが、ベンゼン環が好ましい。Q2の表す構造を含む基はさらに任意の置換基を有していても良く、さらなる任意の置換基としてはアルキル基、アミノ基、水酸基、メルカプト基等が挙げられる。
1はそれぞれ独立にC(X3)2、NX3、O、Sから選ばれる原子または基を表し、OおよびNX3が好ましい。
3はそれぞれ独立に水素原子または任意の置換基を表し、任意の置換基としては前記Xの説明で挙げたものと同じものが挙げられる。X3は水素原子が好ましい。
2はそれぞれ独立に水素原子または任意の置換基を表すが、一般式(I)で表される化合物1分子に含まれるX2のうち少なくとも2つは任意の加水分解性基を表し、3つ以上が加水分解性基であることが好ましい。X2の表す任意の置換基としては水素原子、炭素数1〜10のアルキル基(メチル基など)、炭素数6〜10のアリール基(フェニル基など)、もしくは任意の加水分解性基が好ましい。任意の加水分解性基としては、ハロゲン原子(塩素原子など)、炭素数1〜10のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基など)、炭素数6〜10のアリールオキシ基(フェノキシ基など)、炭素数1〜10のアシルオキシ基(アセトキシ基)が好ましい。アルコキシ基が、より好ましく、メトキシ基およびエトキシ基がさらに好ましい。
2は1〜10の整数を表し、1〜5の整数が好ましく、1〜2の整数がより好ましい。
Rはそれぞれ独立に一般式(R−1)〜(R−9)のいずれかで表される基を表す。
【0012】
【化7】

【0013】
式(R−1)〜(R−9)中、R1はそれぞれ独立に水素原子または任意の置換基を表す。R1の表す任意の置換基としては、アルキル基(炭素数1〜10のアルキル基で、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基)、アルケニル基(炭素数2〜10のアルケニル基で、例えば、ビニル、アリル、2−プロペニル、2−ブテン−2−イル、2−ブテン−1−イル)、アルキニル基(炭素数2〜10のアルキニル基で、例えば、エチニル、プロパルギル、2−ブチン−1−イル)、アリール基(炭素数6〜10のアリール基で、例えば、フェニル、4−メチルフェニル、ナフチル)、複素環基(炭素数1〜10の複素環基で、例えば1−ピラゾリル、4−ピラゾリル、4−ピリジル、2−フリル、2−チエニル、2−ピロリル)、アシル基(炭素数1〜10のアシル基で、例えば、アセチル、ベンゾイル)等が好ましく、水素原子、メチル基、フェニル基、アセチル基、ベンゾイル基がさらに好ましい。これらの基はさらに任意の置換基を有していてもよい。
一般式(I)で表される化合物において、Qで表される基は、炭素原子で形成された環状構造または炭素原子で形成されたカゴ状構造を含む基を表し、誘電率、耐熱性および溶解性の観点から、一般式(Q−1)〜(Q−7)のいずれかで表される構造を含む基が好ましい。
なかでも、形成される絶縁膜の耐熱性が特に高いという点で一般式(Q−1)〜(Q−4)のいずれかで表される構造を含む基が好ましく、一般式(Q−1)で表される構造を含む基が最も好ましい。
また、形成される絶縁膜の誘電率が低いという点で一般式(Q−5)〜(Q−7)のいずれかで表される構造を含む基が好ましく、一般式(Q−5)で表される構造を含む基が最も好ましい。
【0014】
【化8】

【0015】
式中、Aは一般式(I)のX、Y、Rから選ばれる基または水素原子を表す。すなわち一般式(Q−1)〜(Q−7)で表される構造を含む基は、一般式(I)におけるX、YおよびRで表される基をいずれの位置に有していてもよい。
【0016】
本発明で述べる「炭素原子で形成された環状構造」とは、アリール基およびシクロアルキル基を意味する。ノルボルナン(ビシクロ[2,2,1]ヘプタン)などの単一架橋を有する環状構造もこれに含まれる。
環構造として好ましいのは、ベンゼン環、ナフタレン環、シクロヘキシル環、シクロペンチル環、ノルボルネン環である。
【0017】
本発明で述べる「カゴ状構造」とは、共有結合した原子で形成された複数の環によって容積が定まり、容積内に位置する点は環を通過せずには容積から離れることができないような分子を指す。例えば、アダマンタン構造はカゴ状構造と考えられる。対照的にノルボルナン(ビシクロ[2,2,1]ヘプタン)などの単一架橋を有する環状構造は、単一架橋した環状化合物の環が容積を定めないことから、カゴ状構造とは考えられない。
「炭素原子で形成されたカゴ状構造」とは、好ましくは11〜30個、より好ましくは12〜20個、さらに好ましくは12〜14個の炭素原子で構成される。炭素原子数が11個以上のカゴ状構造を用いると膜の電子分極が低下し、さらにカゴ状構造の嵩高さが増大することで膜中に空間が形成され、充分に低い誘電率が得られる。また、炭素数が多いほうが膜の機械強度が増大するという予想外の優れた効果がある。
ここでいう炭素原子には、カゴ状構造に置換した連結基や置換基の炭素原子を含めない。例えば、1−メチルアダマンタンは10個の炭素原子で構成されるものとする。
本発明における炭素数11以上のカゴ状構造は低誘電率見地から飽和の脂肪酸炭化水素であることが好ましく、例えば、ジアマンタン、トリアマンタン、テトラマンタン、ドデカヘドラン等が挙げられ、特に低誘電率、高機械強度、塗布溶剤への良好な溶解性さらには製造適正の点でジアマンタンが特に好ましい。
本発明におけるカゴ状構造は飽和、不飽和結合のいずれを含んでいても良く、酸素、窒
素、硫黄等のヘテロ原子を含んでも良い。
【0018】
また、本発明に使用する化合物の縮合物は、誘電率・膜の吸湿性の観点からポリイミド以外の化合物、即ちポリイミド結合を有しない化合物であることが好ましい。
【0019】
一般式(I)で表される化合物の分子量は、溶解性の観点から、好ましくは100〜1500、より好ましくは120〜1000、特に好ましくは150〜500である。
【0020】
本発明の組成物には、一般式(I)で表される化合物、その加水分解物、またはそれらの縮合物を2種以上用いても良い。
【0021】
以下に一般式(I)で表される化合物の具体例を記載するが、本発明はこれらに限定はされない。
【0022】
【化9】

【0023】
【化10】

【0024】
【化11】

【0025】
【化12】

【0026】
一般式(I)で表される化合物は、例えばハロゲン原子(塩素原子、臭素原子など)で
置換されたQをグリニヤール試薬などの有機金属試薬に変換し、これをクロロシラン化合物(テトラクロロシラン、クロロトリエトキシシシラン)などと反応させることなどによって合成することができる。
Q、X、R、l、mおよびnは一般式(I)におけるものと同じものを表す。
【0027】
【化13】

【0028】
また、別の方法では、炭素―炭素不飽和結合を含む置換基を有するQと、トリクロロシランなどをハイドロシリレーション反応させることによって合成することができる。
【0029】
【化14】

【0030】
また、Yで表される置換基を有する化合物に対して、Rで表される置換基を導入する、他の置換基をRで表される置換基に変換する、などの方法でも合成できる。
【0031】
【化15】

【0032】
本発明の組成物中での、一般式(I)で表される化合物、その加水分解物または、それらの縮合物の濃度は、一般的には0.1〜80質量%、好ましくは1〜50質量%である。
【0033】
本発明の組成物は、一般式(I)で表される化合物、その加水分解物または、それらの縮合物に加えて、一般式(II)で表される化合物、その加水分解物または、それらの縮合物を含んでいることが好ましい。

(R3)m(X5)4-mSi (II)

一般式(II)中、
3はそれぞれ独立に水素原子または任意の置換基を表し、X5はそれぞれ独立に任意の加水分解性基を表す。
mは0から3の整数であり、0または1の整数を表すことが好ましい。
【0034】
3としては、例えば、炭素数1〜10のアルキル基および炭素数6〜10のアリール基が挙げられる。中でも、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロヘキシル基、フェニル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
5としては、例えば、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、アシルオキシ基などを挙げることができる。中でもアルコキシ基が好ましく、メトキシ基およびエト
キシ基が最も好ましい。
【0035】
一般式(II)で表される化合物としてはテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシランおよびメチルトリメトキシシランが最も好ましい。
本発明の組成物中における、一般式(II)で表される化合物、その加水分解物または、それらの縮合物の濃度は、一般的には0.01〜70質量%、好ましくは0.1〜40質量%である。
【0036】
本発明の組成物を製造するに際しては、一般式(I)及び/または一般式(II)で表されるシラン化合物を加水分解、縮合させる際に、化合物1モル当たり0.5〜150モルの水を用いることが好ましく、1〜100モルの水を加えることが特に好ましい。添加する水の量が0.5モル以下であると膜の耐クラック性が劣る場合があり、150モルを越えると加水分解および縮合反応中のポリマーの析出やゲル化が生じる場合がある。
【0037】
一般式(I)及び/または一般式(II)で表されるシラン化合物を加水分解、縮合させる際に、塩基触媒または酸触媒を使用することが好ましい。
【0038】
塩基触媒としては、金属水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム)、アンモニア、有機アミン(例えば、ピリジン、ピロール、ピペラジン、ピロリジン、ピペリジン、ピコリン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルモノエタノールアミン、モノメチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジアザビシクロオクタン、ジアザビシクロノナン、ジアザビシクロウンデセン、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ペンチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、N,N-ジメチルアミン、N,N-ジエチルアミン、N,N-ジプロピルアミン、N,N-ジブチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、シクロヘキシルアミン、トリメチルイミジン、1-アミノ-3-メチルブタン、ジメチルグリシン、3-アミノ-3-メチルアミン)、および4級アンニウム水酸化物(例えば、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラプロピルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラブチルアンモニウムハイドロオキサイド)などを挙げることができ、アンモニア、有機アミンあるいは4級アンモニウム水酸化物が好ましい。中でも、アンモニア、ブチルアミン、テトラアメチルアンモニウムハイドロオキサイドが最も好ましい。これらのアルカリ触媒は1種あるいは2種以上を同時に使用しても良い。
【0039】
酸触媒としては、例えば、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、フッ酸、リン酸、ホウ酸、シュウ酸などの無機酸;酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、シュウ酸、マレイン酸、メチルマロン酸、アジピン酸、セバシン酸、没食子酸、酪酸、メリット酸、アラキドン酸、シキミ酸、2-エチルヘキサン酸、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、サリチル酸、安息香酸、p-アミノ安息香酸、p-トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、マロン酸、スルホン酸、フタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸、イタコン酸、メサコン酸、シトラコン酸、リンゴ酸、グルタル酸の加水分解物、無水マレイン酸の加水分解物、無水フタル酸の加水分解物などの有機酸を挙げることができる。
酸触媒として好ましいのは硝酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、およびマレイン酸である。硝酸が最も好ましい。これらの酸触媒は、1種あるいは2種以上を同時に使用してもよい。
【0040】
上記触媒の使用量は、一般式(I)で表されるシラン化合物1モルに対して、通常、0.00001〜10モル、好ましくは0.00005〜5モルである。触媒の使用量が上記範囲内であれば、反応中のポリマーの析出やゲル化の恐れが少ない。
【0041】
また、本発明において、一般式(I)及び/または一般式(II)で表されるシラン化合物を加水分解、縮合させる際の最適な条件は、触媒、化合物、溶媒の種類、濃度等によって異なるが、温度は通常0〜100℃、好ましくは10〜90℃、反応時間は、通常1分間〜100時間、好ましくは5分間〜20時間である。
【0042】
一般式(I)及び/または一般式(II)で表されるシラン化合物の加水分解、縮合反応には溶媒を使用してもよく、使用する溶媒は、原料化合物が必要な濃度溶解可能であり、かつ得られる縮合物から形成する膜の特性に悪影響を与えないものであればどのようなものを使用しても良い。例えば、エタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフランおよびシクロヘキサノンを挙げることができ、好ましくは、エタノールまたはプロピレングリコールモノメチルエーテルである。これらは単独でも2種以上を混合してもよい。
反応液中の化合物の濃度は好ましくは0.1〜70質量%、より好ましくは0.5%〜50質量%、特に好ましくは1%〜30質量%である。
【0043】
また、酸素による触媒の不活性化を抑制するために不活性ガス雰囲気下(例えば窒素、アルゴン等)で反応させることが好ましい。反応時の酸素濃度は好ましくは100ppm以下、より好ましくは50ppm以下、特に好ましくは20ppm以下である。
縮合して得られるポリマーの重量平均分子量の好ましい範囲は100〜10000000、より好ましくは200〜1000000、特に好ましくは300〜500000である。
【0044】
本発明の組成物は、有機溶媒を含んでいてもよく、塗布液として支持体上に塗布することができる。
使用できる有機溶媒としては、本発明に使用する化合物を溶解することができるものであれば特に制限はなく、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、メチルイソブチルケトン、γ−ブチロラクトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、ジメチルイミダゾリジノン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、イソプロパノール、エチレンカーボネート、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等が好ましく、これらの有機溶媒を単独あるいは混合して使用することができる。
【0045】
良好な膜厚均一性を達成するために、使用する有機溶媒の沸点は85℃以上であることが好ましく、85℃〜250℃であることがより好ましく、90℃〜230℃であることが更に好ましく、95℃〜200℃であることが最も好ましい。
また、低誘電率と高膜強度の両立の観点から、有機溶媒が、エーテル基またはカルボニル基を有していることが好ましい。
【0046】
これらの観点から、上記の中でも、好ましい有機溶媒としてはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。
【0047】
本発明の組成物は、オニウム塩を含有することが好ましい。オニウム塩としては、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、アルソニウム塩、スチボニウム塩、オキソニウム塩、スルホニウム塩、セレノニウム塩、スタンノニウム塩、ヨードニウム塩等が挙げられる。これらの中では、組成物の安定性により優れる点でアンモニウム塩が好ましい。
【0048】
アンモニウム塩としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウムフロライド、テトラブチルアンモニウムヒドロキサイド、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムフロライド、テトラメチルアンモニウム硝酸塩、テトラメチルアンモニウム酢酸塩、テトラメチルアンモニウムプロピオン酸塩、テトラメチルアンモニウムマレイン酸塩、テトラメチルアンモニウム硫酸塩等が挙げられる。
【0049】
これらのアンモニウム塩の中では、膜の電気特性を向上させる観点から、テトラメチルアンモニウム硝酸塩、テトラメチルアンモニウム酢酸塩、テトラメチルアンモニウムプロピオン酸塩、テトラメチルアンモニウムマレイン酸塩、テトラメチルアンモニウム硫酸塩等のアンモニウム塩が特に好ましい。
オニウム塩の添加量は、組成物中、一般的には0.0001〜10質量%、好ましくは0.001〜5質量%である。
【0050】
本発明の組成物は、塗布液の経時安定性を向上させる等の目的で、シュウ酸、マレイン酸などの有機酸を添加することが好ましい。
【0051】
本発明の組成物の製造方法としては、一般式(I)で表される化合物を有機溶媒に溶解し、水および塩基触媒または酸触媒を添加して、加水分解縮合を行う方法、有機溶媒、水および、塩基触媒または酸触媒を含む溶液に一般式(I)で表される化合物を添加するなどの方法が挙げられる。添加方法としては、一括添加、分割添加および連続添加等の中から適当な方法を選ぶことができる。また本発明の組成物にさらに添加剤を添加する場合には、加水分解反応開始以前に添加する方法、加水分解中に添加する方法、加水分解終了後に添加する方法などの中から適当な方法を選ぶことができる。
本発明の組成物は、界面活性剤やシランカップリング剤などの添加物を含んでいても良い。
界面活性剤としては、例えば、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられ、さらには、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、ポリアルキレンオキシド系界面活性剤、ポリ(メタ)アクリレート系界面活性剤などを挙げることができ、好ましくはフッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤を挙げることができる。
【0052】
シランカップリング剤としては、例えば3−グリシジロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノグリシジロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジロキシプロピルメチルジメトキシシラン、1−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、などが挙げられる。
これらの添加剤の添加量は全固形分濃度の0.01質量%〜10質量%が好ましく、0.05〜5%が、より好ましい。
【0053】
このようにして得られる本発明の組成物の全固形分濃度は、好ましくは、1〜30質量%であり、使用目的に応じて適宜調整される。組成物の全固形分濃度1〜30質量%であると、塗膜の膜厚が適当な範囲となり、塗布液の保存安定性もより優れるものである。
ここで、全固形分とは、この組成物を用いて得られる絶縁膜を構成する全成分に相当する。
【0054】
このようにして得られる本発明の膜形成用材料を、シリコンウエハ、SiO2 ウエハ、SiNウエハなどの基材に塗布する際には、スピンコート、浸漬法、ロールコート法、スプレー法などの塗装手段が用いられる。
【0055】
この際の膜厚は、乾燥膜厚として、1回塗りで厚さ0.01〜1μm程度、2回塗りでは厚さ0.02〜2μm程度の塗膜を形成することができる。その後、常温で乾燥するか、ホットプレート、オーブン、ファーネスなどを使用して加熱し乾燥、焼成することによって、ガラス質または巨大高分子、またはその混合物の絶縁膜を形成することができる。
この際の雰囲気としては、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気、真空下、などで行うことができる。
【0056】
より具体的には、本発明の絶縁膜形成材料を、例えばスピンコート法により、基板(通常は金属配線を有する基板)上に塗布し、40℃以上300℃以下の温度で予備熱処理を行うことにより溶媒を乾燥させ、次いで250℃以上500℃以下、好ましくは300℃以上430℃以下の温度で最終熱処理(アニール)を行うことにより低誘電率の絶縁膜を形成できる。焼成温度の最高値は300℃以上430℃以下の条件で焼成することが好ましい。
【0057】
本発明の膜形成用組成物を使用して得られる膜は、単独で、銅拡散バリア性を有する層間絶縁膜として使用してもよいし、銅拡散バリア膜として他の層間絶縁膜と組み合わせて用いてもよいが、低い誘電率を有する層間絶縁膜中に銅配線を形成した上に銅拡散バリア膜として本発明の絶縁膜を形成することが、実効誘電率低下の観点から好ましい。
【0058】
本発明の膜形成用組成物を使用して得られる膜は、多様の目的に使用することが出来る。例えばLSI、システムLSI、DRAM、SDRAM、RDRAM、D−RDRAM等の半導体装置、マルチチップモジュール多層配線板等の電子部品における絶縁皮膜として好適であり、半導体用層間絶縁膜、エッチングストッパー膜、表面保護膜、バッファーコート膜の他、LSIにおけるパッシベーション膜、α線遮断膜、フレキソ印刷版のカバーレイフィルム、オーバーコート膜、フレキシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜、液晶配向膜等として使用することが出来る。
【実施例1】
【0059】
以下の実施例は本発明を説明するものであり、その範囲を限定するものではない。
【0060】
<合成例1>
Journal of Organometallic Chemistry 626(2001)92-99に記載の方法等に従って合成した例示化合物 (I−8) 350mgをプロピレングリコールモノメチルエーテル8mlに溶解させた溶液中に0.4%硝酸水溶液300μlを滴下した。滴下終了後40℃で10時間攪拌し、本発明の組成物を得た。
【0061】
<合成例2>
Tetrahedron;42; 6; 1986; 1763-1768に記載の方法等に従って合成した(16−a)10gとテトラクロロシラン5.8gをトルエン30mlに溶解し、1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン−白金(O) キシレン溶液(アルドリッチ社製)50μlを加え、窒素気流中で、10時間加熱還流した。室温まで冷却し、エタノール50mlを加えて、室温で8時間攪拌した。反応液を濃縮し、カラムクロマトグラフィーで精製することにより例示化合物(I−16)2gを得た。
例示化合物 (I−16) 350mgをプロピレングリコールモノメチルエーテル8mlに溶解させた溶液中に0.4%硝酸水溶液300μlを滴下した。滴下終了後40℃で10時間攪拌し、本発明の組成物を得た。
【0062】
【化16】

【0063】
〈合成例3〉
例示化合物(1−8)の変わりにフェニルトリエトキシシランを用いて、塗布液を作製した。
【0064】
<実施例1−1>
合成例1で作製した塗布液を0.1μmのテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過した後、シリコンウェハー上にスピンコートし、この塗膜を窒素気流下ホットプレート上で200℃で60秒間加熱、溶剤を乾燥させた後、更に窒素置換した400℃のオーブン中で40分間焼成した結果、膜厚0.24μmのブツのない均一な膜が得られた。膜の比誘電率をフォーディメンジョンズ製水銀プローバおよび横川ヒューレットパッカード製のHP4285ALCRメーターを用いて1MHzにおける容量値から算出したところ、2.80であった。
【0065】
<実施例1−2>
スパッタリングによって、最初にTi−W接着プロモーター層(100ml)でコーティングされ、次いで銅(500nm)でコーティングされたシリコンウエハを使用した。
実施例1−1と同様にして塗布液をウエハ(Cu表面)に塗布し、この塗膜を窒素気流下ホットプレート上で200℃で60秒間加熱、溶剤を乾燥させた後、更に窒素置換した400℃のオーブン中で60分間焼成した。この様式において得られた膜の表面は、顕微鏡での検査によって、平滑であることがわかった。
膜の表面を、顕微鏡で観察したところ、100μm×100μmの面積当りの銅粒子およびクラスターは6個であった。
【0066】
〈実施例2−1〉
合成例2で作製した塗布液を用いて、実施例1−1と同様の試験を行った。
膜厚0.39μmのブツのない均一な膜が得られた。膜の比誘電率は、2.82であった。
【0067】
〈実施例2−2〉
合成例2で作製した塗布液を用いて、実施例1−2と同様の試験を行った。加熱した後、得られた膜の表面は、顕微鏡での検査によって、平滑であることがわかった。膜の表面を、顕微鏡で観察したところと100μm×100μmの面積当りの銅粒子およびクラスターは7個であった。
【0068】
〈比較例1−1〉
合成例3で作製した塗布液を用いて、実施例1−1と同様の試験を行った。
膜厚0.35μmのブツのない均一な膜が得られた。膜の比誘電率は、2.87であった。
【0069】
〈比較例1−2〉
合成例3で作製した塗布液を用いて、実施例1−2と同様の試験を行った。加熱した後、得られた膜の表面を顕微鏡で検査したところ、100μm×100μmの面積当りの銅粒子およびクラスターは39個であった。
【0070】
比較例に比べて、本発明の組成物から製造した絶縁膜は、金属拡散バリア膜として優れた性能を有することが判る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)で表される化合物、その加水分解物、またはそれらの縮合物を含有することを特徴とする膜形成用組成物。
【化1】

一般式(I)中、
Qは、炭素原子で形成された環状構造または炭素原子で形成されたカゴ状構造を含む基を表す。
lは1〜10の整数を表し、
mは0〜10の整数を表し、
nは1〜10の整数を表す。
Xはそれぞれ独立に任意の置換基を表す。
Yはそれぞれ独立に一般式(Y−1)〜(Y−5)のいずれかで表される基を表す。
【化2】


一般式(Y−1)〜(Y−5)中、
2は炭素原子で形成された環状構造または炭素原子で形成されたカゴ状構造を有する基を表す。
1はそれぞれ独立にC(X3)2、NX3、O、Sから選ばれる原子または基を表す。
3はそれぞれ独立に水素原子または任意の置換基を表す。
2はそれぞれ独立に水素原子または任意の置換基を表すが、一般式(I)で表される化合物1分子に含まれるX2のうち少なくとも2つは任意の加水分解性基を表す。
2は1〜10の整数を表す。
Rはそれぞれ独立に一般式(R−1)〜(R−9)のいずれかで表される基を表す。
【化3】


一般式(R−1)〜(R−9)中、
1はそれぞれ独立に水素原子または任意の置換基を表す。
【請求項2】
一般式(I)で表される化合物において、Qが一般式(Q−1)〜(Q−7)のいずれかで表される構造であることを特徴とする請求項1に記載の膜形成用組成物。
【化4】


式中、Aは一般式(I)のX、Y、Rから選ばれる基または水素原子を表す。
【請求項3】
一般式(I)で表される化合物において、Qが表す炭素原子で形成された環状構造または炭素原子で形成されたカゴ状構造を含む基が、一般式(Q−1)または(Q−5)で表される構造を含む基であることを特徴とする請求項2に記載の膜形成用組成物。
【請求項4】
一般式(I)で表される化合物、その加水分解物、またはそれらの縮合物に加えて、一般式(II)で表される化合物、その加水分解物、またはそれらの縮合物を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の膜形成用組成物。
(R3)m1(X5)4-m1Si (II)
一般式(II)中、
3はそれぞれ独立に水素原子または任意の置換基を表し、
5はそれぞれ独立して任意の加水分解性基を表す。
1は0から3の整数を表す。
【請求項5】
さらに有機溶剤を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の膜形成用組成物。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の膜形成用組成物を用いて形成した絶縁膜。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれかに記載の膜形成用組成物を用いて形成した金属拡散バリア膜
【請求項8】
請求項6に記載の絶縁膜または請求項7に記載の金属拡散バリア膜を有する電子デバイス。



【公開番号】特開2007−231199(P2007−231199A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−56694(P2006−56694)
【出願日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】