説明

自動二輪車

【課題】マニュアル式変速機と手動クラッチとを備えた構成で、簡易な方法で運転状況に応じて適切にエンジン停止させることができる自動二輪車を提供する。
【解決手段】マニュアル式変速機12Bがニュートラルの場合に手動クラッチ12Cが接続されると、エンジン12Aを停止させ(ステップS12、S13、S20)、マニュアル式変速機12Bがインギヤの場合に手動クラッチ12Cが開放されると、エンジン12Aを停止させるようにした(ステップS12、S14、S20)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手動クラッチを備えるマニュアル式変速機と手動クラッチとを備える自動二輪車のアイドルストップ制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動二輪車には、無段変速機を搭載し、所定条件が満たされると自動的にエンジンを停止し、アイドルストップ停止中に発進操作が検知されるとエンジンを始動するアイドルストップ制御装置を備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−163879号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、マニュアル式変速機と手動クラッチを搭載した車両では、停止時においては常にクラッチが開放される発進クラッチを有する無段変速機を搭載する車両と異なり、乗員の操作状況により停車時の車両の状態が多様となるため、それぞれの状態を判定し適切にアイドルストップおよび再始動を行う為にはセンサ類の多用と複雑な制御が必要となる。
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、マニュアル式変速機と手動クラッチとを備えた構成で、簡易な方法で運転状況に応じて適切にエンジン停止させることができる自動二輪車を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するため、本発明は、エンジン(12A)の回転を変速して駆動輪(46)に伝達するマニュアル式変速機(12B)と、前記エンジン(12A)と前記マニュアル式変速機(12B)との間の動力伝達を遮断可能な手動クラッチ(12C)とを備える自動二輪車において、前記マニュアル式変速機(12B)のインギヤ/ニュートラルを検出する変速検出手段(125)と、前記手動クラッチ(12C)の接続/開放を検出するクラッチ検出手段(122)と、前記マニュアル式変速機(12B)がニュートラルの場合は前記手動クラッチ(12C)が接続されると、前記エンジン(12A)を停止させ、前記マニュアル式変速機(12B)がインギヤの場合は前記手動クラッチ(12C)が開放されると、前記エンジン(12A)を停止させるアイドルストップ制御装置(100)とを備えることを特徴とする。
この構成によれば、マニュアル式変速機がニュートラルの場合は手動クラッチが接続されると、エンジンを停止させ、マニュアル式変速機がインギヤの場合は手動クラッチが開放されると、エンジンを停止させるので、マニュアル式変速機と手動クラッチとを備えた構成で、信号待ちの運転操作、或いは、発進や加速しようとする意志がないときの運転操作が行われると、エンジン停止させることができる。従って、マニュアル式変速機と手動クラッチとを備えた構成で、簡易な方法で運転状況に応じて適切にエンジン停止させることができる。
【0006】
上記構成において、乗員の操作による前記自動二輪車のスロットル(81)の操作を検出するスロットル検出手段(121)を有し、前記アイドルストップ制御装置(100)は、前記マニュアル式変速機(12B)がインギヤの場合に前記手動クラッチ(12C)が開放された後に、前記スロットル(81)が閉を含む低開度状態、又は、前記エンジン(12A)がアイドル状態の少なくともいずれかが所定時間維持されると、前記エンジン(12A)を停止させるようにしても良い。この構成によれば、乗員に停車の意志があるときにエンジンを停止し、また、例えば低速での惰性運転でもエンジン停止を可能にでき、停止時や惰性運転時の燃料消費を低減することができる。
【0007】
また、上記構成において、前記アイドルストップ制御装置(100)は、前記エンジン(12A)を停止させる場合、車速が所定値以下になった後に前記エンジン(12A)を停止させるようにしても良い。この構成によれば、適切に車速が所定値以下でエンジンを停止させることができる。
また、上記構成において、前記アイドルストップ制御装置(100)は、前記エンジン(12A)を停止させる場合、前記エンジン(12A)のアイドル状態が所定時間維持された後に停止させるようにしても良い。この構成によれば、極短時間のアイドル回転ではアイドルストップしないので、その後の再発進や再加速をスムーズにでき、また、アイドル状態の所定時間維持を運転者の停止意志と判断して適切にアイドルストップすることができる。
【0008】
また、上記構成において、乗員の操作による前記自動二輪車のスロットル(81)の操作を検出するスロットル検出手段(121)を有し、前記アイドルストップ制御装置(100)は、前記エンジン(12A)が停止状態のとき、前記マニュアル式変速機(12B)がニュートラルの場合は前記手動クラッチ(12C)が開放されると、前記エンジン(12A)を始動させ、前記マニュアル式変速機(12B)がインギヤの場合は前記手動クラッチ(12C)が開放され、前記スロットル(81)が開になると、前記エンジン(12A)を始動させるようにしても良い。この構成によれば、マニュアル式変速機と手動クラッチとを備えた構成で、停車状態からの発進操作や惰性運転からの加速運転操作が行われると、エンジンを始動させ、運転者の意志に沿った発進や加速が可能になる。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、マニュアル式変速機がニュートラルの場合は手動クラッチが接続されると、エンジンを停止させ、マニュアル式変速機がインギヤの場合は手動クラッチが開放されると、エンジンを停止させるので、マニュアル式変速機と手動クラッチとを備えた構成で、簡易な方法で運転状況に応じて適切にエンジン停止させることができる。
また、マニュアル式変速機がインギヤの場合に手動クラッチが開放された後に、スロットルが閉を含む低開度状態、又は、エンジンがアイドル状態の少なくともいずれかが所定時間維持されると、エンジンを停止させるようにすれば、停止時や惰性運転時の燃料消費を低減することができる。
また、エンジンを停止させる場合、車速が所定値以下になった後にエンジンを停止させるようにすれば、適切に車速が所定値以下でエンジンを停止させることができる。
また、エンジンを停止させる場合、エンジンのアイドル状態が所定時間維持された後に停止させるようにすれば、極短時間のアイドル回転ではアイドルストップしないので、その後の再発進や再加速をスムーズにでき、また、アイドル状態の所定時間維持を運転者の停止意志と判断して適切にアイドルストップすることができる。
また、エンジンが停止状態のとき、マニュアル式変速機がニュートラルの場合は手動クラッチが開放されると、エンジンを始動させ、マニュアル式変速機がインギヤの場合は手動クラッチが開放され、スロットルが開になると、エンジンを始動させるようにすれば、マニュアル式変速機と手動クラッチとを備えた構成で、簡易な方法で運転状況に応じて適切にエンジンを始動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1実施形態を適用した自動二輪車を示す左側面図である。
【図2】自動二輪車の操作系を上方から示した図である。
【図3】アイドルストップ制御装置を周辺構成とともに示すブロック図である。
【図4】アイドルストップの制御を示すフローチャートである。
【図5】アイドルストップ解除の制御を示すフローチャートである。
【図6】第2実施形態のアイドルストップの制御を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、説明中、前後左右および上下といった方向の記載は、特に記載がなければ車体に対する方向と同一とする。また、各図に示す符号FRは車体前方を示し、符号UPは車体上方を示し、符号Lは車体左方を示している。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態を適用した自動二輪車1を示す左側面図である。
この自動二輪車1は、車体フレーム2の前後中央に比較的小型のパワーユニット12を支持し、このパワーユニット12の上方に燃料タンク10を備え、燃料タンク10の後方に乗員用シート16を備える小型の鞍乗り型車両である。
車体フレーム2は、前端に設けられるヘッドパイプ3から後下方に延びるメインフレーム4と、メインフレーム4の後端部から後方に延びる左右一対のシートレール5と、メインフレーム4の前端部から後下方に延びる左右一対のダウンフレーム6と、メインフレーム4の前端部よりも後方から後下方に延びてダウンフレーム6の後端部に連結される左右一対のセンターフレーム7と、シートレール5とセンターフレーム7との間を架橋する左右一対のサブフレーム8とを備えている。
【0012】
ヘッドパイプ3には、ステアリングシャフト(不図示)が回動自在に支持され、このステアリングシャフトに上下一対のトップブリッジ19およびボトムブリッジ20を介してフロントフォーク9が取り付けられ、フロントフォーク9がステアリングシャフトと一体に回動する。
トップブリッジ19には、ハンドル21が取り付けられ、フロントフォーク9の下端には前輪31が回転自在に支持され、ハンドル21によって前輪31が左右に操舵される。このフロントフォーク9には、前輪31の上方を覆うフロントフェンダ32が取り付けられている。
また、トップブリッジ19およびボトムブリッジ20には、キーシリンダ22およびカウル支持ステー23が取り付けられ、このカウル支持ステー23を介してフロントカウル24、メータユニット25、インナカウル26、左右一対のフロントウインカー30を支持するウインカー支持ステー27、フロント用のナンバープレート28およびヘッドライトユニット29が支持される。なお、キーシリンダ22は、メカニカルキーによって操作されるメインスイッチとして機能するものであり、メインスイッチがOFF(オフ)にされると後述するエンジン12Aが運転停止される。
【0013】
メインフレーム4には、当該メインフレーム4を上方から跨ぐように鞍型の燃料タンク10が取り付けられ、センターフレーム7には、左右一対のピボットプレート11が取り付けられる。このピボットプレート11には、ピボット軸45を介してスイングアーム15が上下に揺動自在に支持される。左右一対のスイングアーム15は、後方に延び、その後端に後輪(駆動輪)46が回転自在に支持され、これらスイングアーム15とシートレール5の間には左右一対のリヤクッション47が介挿される。
左右のシートレール5には、乗員用シート16が取り付けられる。この乗員用シート16は、運転者と搭乗者とが前後に間隔を空けて着座可能な前後に長いシートに形成されており、シートレール5の後部には、搭乗者が把持するグラブレール40が取り付けられている。また、シートレール5には、後輪46の左側方を覆う後部側方ガード部材17、ヘルメットホルダ41、後輪46の上方を覆うリヤフェンダ54が取り付けられ、リヤフェンダ54には、リヤウインカー55およびテールライト56が取り付けられている。
【0014】
パワーユニット12は、複数のエンジン支持部50〜52を介してメインフレーム4、ピボットプレート11およびダウンフレーム6に支持され、メインフレーム4、センターフレーム7およびダウンフレーム6に囲まれる空間内に配置される。
このパワーユニット12は、シリンダ軸線Cが前傾して略水平に配置された水平エンジン(本実施形態では空冷の単気筒エンジン)12Aを有し、クランクケース57の前部から前方に延びるシリンダ58と、シリンダ58の前部に設けられるシリンダヘッド59とを有している。
シリンダヘッド59には、吸気装置60および排気装置61が取り付けられている。吸気装置60は、燃料タンク10とエンジン(内燃機関)12Aとの間に配置された燃料供給装置であるキャブレタ63と、キャブレタ63の前部とシリンダヘッド59の上部の吸気ポートとを接続する吸気管62と、キャブレタ63の後部にコネクティングチューブ64を介して接続されるエアクリーナ65とを備えて構成されている。
【0015】
排気装置61は、シリンダヘッド59の下部の排気ポートに取り付けられた排気管66と、この排気管66の後端に取り付けたマフラ67とを有し、マフラ67を奥側のバー部材42およびバー部材42の先端に取り付けたマフラステー68を介して支持したものである。
マフラ67内には、キャタライザー(触媒)69が配置され、排気ガスを浄化してマフラ67外へ排出する。なお、キャタライザー69はマフラ67内に限らず、排気管66の途中に設けても良い。
【0016】
パワーユニット12のクランクケース57内には、エンジン12Aが回転駆動するクランク軸71の回転を変速して出力軸72に伝達する変速機12Bと、クランク軸71と変速機12Bとの間の動力伝達を遮断可能なクラッチ12Cとが配置されている。この出力軸72の回転は、チェーンカバー49内に設けられたチェーン伝達機構(動力伝達機構)を介して後輪46に伝達される。
図1中、符号75は、エンジン12Aの回転動力で発電する発電機(不図示)の電力を蓄電するバッテリーであり、このバッテリー75の電力によって車体が具備するライト等の電装品が駆動される。
【0017】
燃料タンク10の下方には収納ボックス33が配置される。収納ボックス33は、メインフレーム4とパワーユニット12との間に位置し、メインフレーム4の下部にブラケット35を介して取り付けられている。この収納ボックス33には、後述する制御部(アイドリングストップ制御部)101が配置されている。
また、パワーユニット12下方のダウンフレーム6には、パワーユニット12左右に延びて乗員用シート16の前部に着座する運転者が足を載せる左右一対のステップ76が取り付けられると共に、自動二輪車1を駐車するためのスタンド77が収納自在に取り付けられる。
また、パワーユニット12後方のサブフレーム8には、後下方に延びるバー部材42を介して、乗員用シート16の後部に着座する搭乗者が足を載せる左右一対のステップ43が取り付けられている。
【0018】
図2は、自動二輪車1の操作系を上方から示した図である。図2中、符号C1は、自動二輪車1の車幅中心線を示している。
図2に示すように、この自動二輪車1のハンドル21の右端部には、運転者(乗員)が右手で操作するスロットル(スロットルグリップとも称する)81が設けられ、このスロットル81の車幅方向内側に、スロットル81の基端部を覆うスロットルハウジング82が設けられる。
このスロットルハウジング82内では、スロットル81にスロットルケーブルCT(図1参照)の一端が接続され、このスロットルケーブルCTを介して、スロットル81の回動操作がキャブレタ63内のスロットル弁に伝達される。これにより、運転者がスロットル開度を手動で可変させ、エンジン12Aの吸気量(燃料と空気の混合気の量)を変化させ、エンジン出力を調整できる。
また、このスロットルハウジング82には、運転者が右手の親指で操作する押下式のスタータスイッチ83が設けられており、このスタータスイッチ83の操作によりパワーユニット12の上部に設けられたスタータモータ85が回転駆動し、エンジン12Aを始動させることができる。
【0019】
ハンドル21の左端部には、運転者が左手で操作するクラッチレバー86が設けられ、このクラッチレバー86の操作が、クラッチケーブルCC(図1参照)を介してクラッチ12Cに伝達され、クラッチ12Cを断続させる。クラッチレバー86は、基端部を支点にしてハンドルグリップ87から離れる方向(前方向)に付勢されており、乗員がクラッチレバー86を手前に引くと(ハンドルグリップ87側に操作すると)、クラッチ12Cが切断状態となり、クラッチレバー86が前方に戻ると(ハンドルグリップ87と反対側に移動すると)、クラッチ12Cが接続状態となる。つまり、この自動二輪車1のクラッチ12Cは、乗員の操作のみで作動する手動クラッチとされている。
このハンドルグリップ87の車幅方向内側には、運転者が左手の親指で操作するスイッチ群88(ウインカースイッチ88A、ヘッドライトスイッチとポジションライトスイッチを兼ねるライトスイッチ88B等)を備えるスイッチハウジング89が設けられている。これらスイッチの操作により、ウインカー30,55の点滅/消灯、ヘッドライトユニット29内のヘッドライト29A(後述する図3参照)の点灯/消灯、ヘッドライトユニット29およびテールライト56内のポジションライト29B(後述する図3参照)の点灯/消灯等が行われる。
【0020】
パワーユニット12の左側には、運転者が左足で操作するシーソー式のシフトペダル(変速操作子)91が上下に揺動自在に設けられ、このシフトペダル91の操作に応じて変速機12Bの変速段が切り替わる。この変速機12Bは、常時噛み合い式の変速機であり、シフトペダル91の前部又は後部を踏み込む毎に、1速〜4速、ニュートラルのいずれかに所定順で切り替わる。つまり、この変速機12Bは、乗員の操作のみで作動するマニュアル式変速機とされている。
【0021】
ハンドル21の右側には、運転者が右手で操作するブレーキレバー92が設けられ、パワーユニット12の右側には、運転者が右足で操作するブレーキペダル93が設けられる。ブレーキレバー92は、クラッチレバー86と同様に基端部を支点にしてスロットル81から離れる方向(前方向)に付勢されており、このブレーキレバー92の操作が、不図示のブレーキケーブルを介して前輪用ブレーキに伝達される。具体的には、乗員がブレーキレバー92を手前に引くと前輪用ブレーキが作動する。
ブレーキペダル93の操作は、不図示のブレーキケーブルを介して後輪用ブレーキに伝達され、ブレーキペダル93を踏み込むと、後輪用ブレーキが作動する。なお、ブレーキレバー92、ブレーキペダル93が操作された際は、テールライト56内のブレーキライトが点灯される。
このように、この自動二輪車1は、スロットル開度の調整、クラッチ12Cの断続、変速段(ニュートラルを含む)の切り替え、および、ブレーキの作動のいずれも手動式に構成されており、これらの作動にアクチュエータ等の駆動装置を使用しない構成となっている。このため、シンプル、且つ、安価(コスト低減に有利)な車体構造となっている。
【0022】
また、同図2に示すように、パワーユニット12の右側、且つ、ブレーキペダル93後方には、運転者が右足で操作するキックペダル95が収納自在かつ回動自在に設けられている。このキックペダル95を図2に矢印で示す方向に回動させると、運転者がキックペダル95を踏込可能となり、エンジン始動の際には、このキックペダル95を踏み込むと、エンジン12Aが始動する。つまり、この自動二輪車1は、エンジン始動を、スタータモータ85とキックペダル95のいずれでも行うことが可能である。但し、この構成に限らず、スタータモータ85だけでエンジン始動する構成にしても良い。
なお、図2中、符号96は、左右のグリップ(スロットル81、ハンドルグリップ87)の内側、より具体的には、スロットルハウジング82およびスイッチハウジング89の内側近傍に取り付けられる左右一対のサイドミラーである。
【0023】
ところで、このようにマニュアル式変速機と手動クラッチとを備えた自動二輪車1では、スクータ等で一般的に用いられている無段変速機(遠心クラッチ付きのベルト式無段変速機)の車両と異なり、車速が低下してもクラッチが自動開放されないので、無段変速機の車両に使用されるアイドルストップ制御装置を適用することが困難である。
そこで、本実施形態では、マニュアル式変速機と手動クラッチとを備えた自動二輪車1に好適なアイドルストップ制御装置100を備えるようにしている。以下、このアイドルストップ制御装置100について説明する。
【0024】
図3は、アイドルストップ制御装置100を周辺構成とともに示すブロック図である。
制御部101は、自動二輪車1の各部を中枢的に制御するコンピュータ(電子制御ユニット(ECU)とも称する)であり、運転者の各種操作を含む車体の各部からの情報を取得し、取得した情報に基づいて被制御部(エンジン12A等)を制御する。本実施形態では、この制御部101が、所定の条件でエンジン12Aの停止/始動制御を行うアイドルストップ制御部としても機能する。なお、アイドリングストップ制御部を別途設けても良い。
この自動二輪車1では、運転者がシフトペダル91へ加える操作力が変速機12B内のシフトドラム111を所定角度回動させる力に変換される。このシフトドラム111の回動に伴って、変速ギヤ列112の複数のギヤ列による変速段が切り替えられ、所定のギヤ(1速〜4速)やニュートラルが選択される。クラッチ12Cは、クラッチレバー86に加える操作力によって開放状態に切り替えられる。
【0025】
また、この自動二輪車1には、運転者のスロットル操作によるスロットル開度を検出するスロットル開度センサ(スロットル検出手段)121と、運転者のクラッチ操作によるクラッチ12Cの接続/開放を検出するクラッチ検出センサ(クラッチ検出手段)122と、エンジン回転数(クランク軸71の回転数)を検出するエンジン回転数センサ(回転数検出手段)123と、変速ギヤ列112内の所定のギヤの回転数から車速を検出する車速センサ(車速検出手段)124と、シフトドラム111の回動角度に基づいて運転者が選択するギヤ段(ニュートラルを含む)を検出するギヤポジションセンサ(変速検出手段)125とが設けられており、これらの検出結果が制御部101に入力される。なお、スロットル開度センサ121は、キャブレタ63内のスロットル弁の開度を検出可能にキャブレタ63に配置され、クラッチ検出センサ122は、クラッチレバー86の操作を検出可能にクラッチレバー86近傍に配置されている。
【0026】
制御部101には、更に、キーシリンダ22(図1参照)にキーが挿入されてメインスイッチ(メインSW)がONになったことを示すON信号が入力され、このON信号が入力されている間、制御部101がエンジン制御やアイドリングストップ制御を行う。
また、制御部101は、アイドリングストップ制御に関連してライトのON/OFFを管理する表示管理機能、アイドリングストップ中であることを乗員に報知する報知機能も有している。なお、図3中、符号131は、自動二輪車1の表示系を示している。
この表示管理機能は、ヘッドライト29Aの点灯時にアイドルストップになった場合に、バッテリー75の消費電力増大を抑えるため、アイドルストップ制御が入るとヘッドライト29Aを消灯してポジションライト29Bの点灯に切り替える制御を行うことにより、アイドリングストップ制御によりエンジン12Aを自動停止する間、ヘッドライト29Aの自動消灯とポジションライト29Bの自動点灯とを行い、消費電力低減と外部からの視認性向上とを両立させる機能である。また、報知機能は、上記エンジン12Aを自動停止する間、メータユニット25等に設けられたアイドルストップ表示灯131(図3参照)を点灯或いは点滅させ、アイドリングストップ制御で止まったのか、或いは、不調で止まったのかを乗員に知らせる機能である。
【0027】
図4は、アイドルストップ制御装置100のアイドルストップの制御を示すフローチャートである。なお、この制御は、電源がONの状態(メインスイッチがON)でエンジン12Aの始動後に実行される。
まず、制御部101は、ヘッドライトスイッチがOFFか否か(ライトスイッチ88B(図2参照)がヘッドライトOFFの位置にあるか否か)を判定し(ステップS11)、OFFの場合(ステップS11:YES)、次のステップS22の処理へ移行する一方、ONの場合(ステップS11:NO)、当該制御を中断する。ヘッドライトスイッチがONの場合は、ヘッドライト点灯により消費電力が比較的高い状態にあるので、かかる場合に当該制御を中断すれば、エンジン12Aの自動停止を回避し、バッテリー電力の消耗を抑えることができる。本実施形態の自動二輪車は小型車両であるため、バッテリー容量に制限があり、比較的容量の小さいバッテリー75を搭載しても、上記中断により、バッテリー75の過放電(いわゆるバッテリー上がり)を抑制することが可能である。
【0028】
ステップS12において、制御部101は、ギヤポジションセンサ125を介して、現在選択されているギヤポジションが、インギヤ(1速〜4速のいずれか)かニュートラルかを判定する。そして、ニュートラルの場合(ステップS12:ニュートラル)、制御部101は、クラッチ検出センサ122を介して、クラッチ12Cの接続(=クラッチレバー86が離されたこと)を検出すると(ステップS13:YES)、アイドルストップ制御を実行する(ステップS20)。
このステップS20のアイドルストップ制御は、エンジン12Aの停止制御と、ポジションライト29B(図3参照)を点灯して外部の視認性を向上させる制御と、アイドルストップ表示灯131(図3参照)を点灯或いは点滅させる制御とである。なお、このアイドルストップ制御の間でも、ウインカー30,55、および、テールライト56内のブレーキライト56A(図3参照)等は作動可能である。
【0029】
このステップS12→S13→S20によるアイドルストップ制御によれば、エンジン運転中、乗員が変速操作(クラッチレバー86を握った状態でシフトペダル操作)を行ってニュートラルにした後、クラッチレバー86を離すと、アイドルストップ制御が実行される。この乗員による操作は、自動二輪車1を停止させて信号待ちをする場合の運転操作に相当するので、信号待ちの運転操作が行われると、アイドリングストップが自動実行され、信号待ちの間の燃料消費を低減することができる。
【0030】
一方、インギヤの場合(ステップS11:インギヤ)、制御部101は、クラッチ検出センサ122を介してクラッチ12Cが開放されたことを検出し(ステップS14:YES)、スロットル開度センサ121を介してスロットル81が閉になったことを検出し、その状態が設定時間(本実施形態では3秒)維持されると(ステップS15:YES)、車速が設定車速(本実施形態では3km/h)以下になった場合に(ステップS16:YES)、アイドルストップ制御を実行する。
このクラッチ12Cを開放した状態でスロットル閉に保持する操作は、運転者が発進又は加速しようとする意志がないときの操作であり、例えば、運転者に停車の意志があるときの操作や、下り坂や平地等でクラッチレバー86が引かれて(握られて)惰性運転する場合の操作に相当する。このため、惰性運転の操作が行われると、アイドリングストップが自動実行され、惰性運転の間の燃料消費を低減することができる。なお、ここでの惰性運転はブレーキ操作時の運転状態も含んでいる。
【0031】
上記したように、惰性運転の操作が行われた場合に直ちにアイドルストップ制御を実行するのではなく、車速が設定車速(本実施形態では3km/h)以下になるまで待つことにより運転者の停止意志を判断でき、運転者が惰性運転を止めてクラッチ12Cを接続した場合にスムーズに加速できるようになる。
更に、この自動二輪車1はキャブレタ63によって燃料供給量を調整するため、インジェクタ(燃料噴射装置)のような電気式と違って、燃料の強制停止、つまり、燃料カットができない構成である。本実施形態では、車速が設定車速(本実施形態では3km/h)以下になってから、点火カットによりアイドルストップ制御を行なうので、吸気負圧は比較的弱く、不燃ガスがマフラ67内のキャタライザー(触媒)69に行きにくくなり、エンジン再始動時にキャタライザー69を保護できる。
【0032】
このようにして、変速機12Bがニュートラルにされた後にクラッチ12Cが接続される、という信号待ちの運転操作が行われると、アイドルストップ制御が実行され、変速機12Bがインギヤにされた後に、クラッチ12Cが開放される操作を含む惰性運転の運転操作が行われると、アイドルストップ制御が実行されるので、信号待ちや惰性運転のときにアイドルストップさせることができ、燃料消費量を低減し、未燃焼ガスの抑制のための複雑な対策構造を不要にできる。
なお、ステップS13〜S16で否定結果が得られた場合、制御部101は当該制御を中断する。また、上記ステップS20のアイドリングストップ制御は、ステップS13,S16又はS15の判定後、所定の遅れ時間を経過してから実行されるようにしてもよい。
【0033】
図5は、アイドルストップ制御装置100のアイドルストップ解除の制御を示すフローチャートである。この制御は、アイドルストップ制御中に実行されるものである。まず、制御部101は、ギヤポジションセンサ125を介して、現在選択されているギヤポジションが、インギヤかニュートラルかを判定する(ステップS21)。ニュートラルの場合(ステップS21:ニュートラル)、制御部101は、クラッチ検出センサ122を介して、クラッチ12Cの接続(=クラッチレバー86が離されたこと)を検出すると(ステップS22:YES)、アイドルストップ解除制御を実行する(ステップS30)。
このステップS30のアイドルストップ解除制御は、アイドルストップ制御で行われた各種制御を止める制御であり、具体的には、スタータモータ85を回転駆動してエンジン12Aを始動する制御と、ポジションライトおよびアイドルストップ表示灯を消灯させる制御とである。これら制御によれば、アイドルストップ制御前の状態に復帰させることができる。
このステップS21→S22→S30による制御によれば、乗員がニュートラルの状態でクラッチレバー86を握ると、アイドルストップが解除され、エンジン12Aが始動する。この乗員による操作は、信号待ち等で自動二輪車1を停止させた状態から発進する場合の運転操作に相当するので、発進操作が行われると、エンジン12Aが自動的に始動し、発進することができる。
【0034】
また、インギヤの場合(ステップS21:インギヤ)、制御部101は、クラッチ検出センサ122を介してクラッチ12Cが開放され(ステップS23:YES)、スロットル開度センサ121を介してスロットル81が所定の開度以上になると、アイドルストップ解除制御を実行する(ステップS30)。つまり、乗員がクラッチレバー86を引いた後(クラッチレバー86を握った後)にスロットル81を開くと、アイドルストップ解除制御が実行される。
この運転操作は、上述した惰性運転の状態から運転者が加速しようとする場合の運転操作に相当するので、この操作が行われると、エンジン12Aが自動的に始動し、加速することができる。
このようにして、停車状態からの発進操作や、惰性運転からの加速運転操作が行われると、アイドルストップが解除され、運転者の意志に沿った発進や加速が可能になる。
【0035】
以上説明したように、本実施の形態によれば、変速機12Bがニュートラルの場合にクラッチ12Cが接続されると、エンジン12Aを停止させ、変速機12Bがインギヤの場合にクラッチ12Cが開放されると、エンジン12Aを停止させるので、マニュアル式変速機と手動クラッチとを備えた構成で、信号待ちの運転操作、或いは、発進や加速しようとする意志がないときの運転操作が行われると、適切にエンジン12Aを停止させ、燃料消費量を低減し、未燃焼ガスの抑制のための複雑な対策構造を不要にできる。従って、簡易な方法で運転状況に応じて適切にエンジン停止させることができる。
しかも、変速機12Bがインギヤの場合にクラッチ12Cが開放された後に、スロットル閉が所定の設定時間維持されると、エンジン12Aを停止させるので、乗員に停車の意志があるときにエンジン12Aを停止し、また、例えば低速での惰性運転でもエンジン停止を可能にでき、停止時や惰性運転時の燃料消費を低減することができる。また、この場合、車速が所定の設定車速以下になった後にエンジン12Aを停止させるので、運転者が惰性運転を止めてクラッチ12Cを接続した際のショックを適切に抑えることができる。
なお、変速機12Bがニュートラルでクラッチ12Cが接続された場合にも、車速が所定の設定車速以下か否かを判定する上記ステップS16の処理を実行し、設定車速以下の場合にエンジン12Aを停止させる処理を行うようにしても良い。この場合、適切に設定車速以下でエンジン12Aを停止させることができる。
【0036】
また、エンジン12Aが停止状態のとき、変速機12Bがニュートラルの場合にクラッチ12Cが開放されると、又は、変速機12Bがインギヤの場合にクラッチ12Cが開放され、スロットル81が開操作されると、エンジン12Aを始動させるので、停車状態からの発進操作や惰性運転からの加速運転操作が行われると、エンジン12Aを始動させ、運転者の意志に沿った発進や加速が可能になる。従って、マニュアル式変速機と手動クラッチとを備えた構成で、適切にエンジン12Aを始動させることができる。
【0037】
<第2実施形態>
第2実施形態では、アイドルストップの制御が第1実施形態と異なっている。図6は第2実施形態のアイドルストップの制御を示すフローチャートである。なお、第1実施形態と同様の部分は同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図6に示すように、第2実施形態では、ステップS15を除いて第1実施形態と同じである。つまり、ヘッドライトスイッチがOFFで(ステップS11:YES)、変速機12Bがインギヤで(ステップS12:YES)、クラッチ12Cが開放された後(ステップS14:YES)、制御部101は、スロットル81が閉か?、エンジン回転数センサ123を介して、エンジン回転数がアイドリング回転数か?、スロットル開度の変化量(Δω)に基づいてスロットル81が低開度に戻されたか?の3条件の少なくともいずれかの条件を満足し、かつ、その状態が設定時間(本実施形態では3秒)維持されたか否かを判定する(ステップS15A)。
そして、このステップS15Aで肯定結果が得られた場合に、制御部101は、ステップS16の処理へ移行する。これによって、車速が設定車速(本実施形態では3km/h)以下になった場合に(ステップS16:YES)、アイドルストップ制御が実行される。
【0038】
上記3条件は、いずれも運転者が発進や加速しようとする意志がないときに相当している。従って、本実施形態によれば、変速機12Bがインギヤの場合にクラッチ12Cが開放された後に、スロットルが閉を含む低開度状態、又は、エンジン12Aがアイドル状態の少なくともいずれかの条件が所定時間維持されると、エンジン12Aを停止させるので、運転者の意志に沿って、第1実施形態よりも早めに、エンジン12Aを停止させることができる。これにより、燃料消費量を低減し、未燃焼ガスの抑制のための複雑な対策構造を不要にできる。
なお、上記3条件に限らず、この種の条件を任意に追加、削除することが可能である。また、第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、アイドリングストップ制御を所定の遅れ時間を経過してから実行されるようにしても良く、又、上記ステップS16の処理を省略しても良い。
【0039】
上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の主旨を逸脱しない範囲で任意に変形及び応用が可能である。
例えば、上記実施形態において、図4又は図6のステップS11,S16を省略するようにしても良い。また、上記実施形態において、ステップS13の後やステップS16の前後のいずれかで、エンジン12Aのアイドル状態が所定時間維持されたか否かを判定し、この判定結果で肯定結果が得られた場合に、ステップS20のアイドルストップ制御を実行するようにしても良い。この構成によれば、極短時間のアイドル回転ではアイドルストップしないので、その後の再発進や再加速をスムーズにでき、また、アイドル状態の所定時間維持を運転者の停止意志と判断して適切にアイドルストップすることができる。
【0040】
また、上記実施形態において、図3又は図6に示すアイドルストップの制御を行う一方、図5に示すアイドルストップの自動解除の制御を行わない、よりシンプルな制御にしても良い。この場合、乗員は手動操作(スタータスイッチ83の操作やキックペダル95の操作)によってエンジン12Aを再始動すれば良い。また、ステップS20のアイドルストップ制御の後、予め定めたアイドルストップ上限時間(例えば5分)が経過しても乗員によりエンジン12Aが再始動されない場合、アイドルストップ状態を解除し、制御部101が、スタータモータ85によりエンジン12Aを再始動する、というシンプルな再始動制御を行うようにしても良い。
【0041】
また、上記実施形態では、スタータモータ85を備える自動二輪車1に本発明を適用する場合を説明したが、これに限らない。例えば、スタータモータ85を備えず、キックペダル95だけでエンジン始動する自動二輪車に対しては、図4又は図6に示すアイドリングストップの制御を適用することが可能である。
さらに、本発明は、自動二輪車1に適用する場合に限らず、自動二輪車以外も含む鞍乗り型車両にも適用可能である。なお、鞍乗り型車両とは、車体に跨って乗車する車両全般を含み、自動二輪車(原動機付き自転車も含む)のみならず、ATV(不整地走行車両)に分類される三輪車両や四輪車両を含む車両である。
【符号の説明】
【0042】
1 自動二輪車(鞍乗り型車両)
2 車体フレーム
12 パワーユニット
12A エンジン
12B 変速機(マニュアル式変速機)
12C クラッチ(手動クラッチ)
46 後輪(駆動輪)
81 スロットル
100 アイドルストップ制御装置
101 制御部(アイドルストップ制御部)
121 スロットル開度センサ(スロットル検出手段)
122 クラッチ検出センサ(クラッチ検出手段)
123 エンジン回転数センサ(回転数検出手段)
124 車速センサ(車速検出手段)
125 ギヤポジションセンサ(変速検出手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジン(12A)の回転を変速して駆動輪(46)に伝達するマニュアル式変速機(12B)と、前記エンジン(12A)と前記マニュアル式変速機(12B)との間の動力伝達を遮断可能な手動クラッチ(12C)とを備える自動二輪車において、
前記マニュアル式変速機(12B)のインギヤ/ニュートラルを検出する変速検出手段(125)と、
前記手動クラッチ(12C)の接続/開放を検出するクラッチ検出手段(122)と、
前記マニュアル式変速機(12B)がニュートラルの場合は前記手動クラッチ(12C)が接続されると、前記エンジン(12A)を停止させ、前記マニュアル式変速機(12B)がインギヤの場合は前記手動クラッチ(12C)が開放されると、前記エンジン(12A)を停止させるアイドルストップ制御装置(100)と
を備えることを特徴とする自動二輪車。
【請求項2】
乗員の操作による前記自動二輪車のスロットル(81)の操作を検出するスロットル検出手段(121)を有し、
前記アイドルストップ制御装置(100)は、前記マニュアル式変速機(12B)がインギヤの場合に前記手動クラッチ(12C)が開放された後に、前記スロットル(81)が閉を含む低開度状態、又は、前記エンジン(12A)がアイドル状態の少なくともいずれかが所定時間維持されると、前記エンジン(12A)を停止させることを特徴とする請求項1に記載の自動二輪車。
【請求項3】
前記アイドルストップ制御装置(100)は、前記エンジン(12A)を停止させる場合、車速が所定値以下になった後に前記エンジン(12A)を停止させることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動二輪車。
【請求項4】
前記アイドルストップ制御装置(100)は、前記エンジン(12A)を停止させる場合、前記エンジン(12A)のアイドル状態が所定時間維持された後に停止させることを特徴とする請求項1に記載の自動二輪車。
【請求項5】
乗員の操作による前記自動二輪車のスロットル(81)の操作を検出するスロットル検出手段(121)を有し、
前記アイドルストップ制御装置(100)は、前記エンジン(12A)が停止状態のとき、前記マニュアル式変速機(12B)がニュートラルの場合は前記手動クラッチ(12C)が開放されると、前記エンジン(12A)を始動させ、前記マニュアル式変速機(12B)がインギヤの場合は前記手動クラッチ(12C)が開放され、前記スロットル(81)が開になると、前記エンジン(12A)を始動させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の自動二輪車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−72427(P2013−72427A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−214537(P2011−214537)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】