説明

自動写真作成装置および自動写真作成方法

【課題】クロマキー合成の手法を使用することなく、撮影画像に対して所望の付加画像を背景や前景等として合成することができる自動写真作成装置を提供する。
【解決手段】この自動写真作成装置における撮影室2の背面にはクロマキー合成のための色が付されておらず、カメラ10により撮影された撮影画像に対して、レーザスキャナ30により計測された利用者の距離(3次元位置)に基づき画像マスクが生成される。
すなわち、本体部4の主制御装置は撮影画像に含まれる画素のうち(上記背面までの距離に相当する)所定距離以上の撮影対象に対応する画素を背景とする画素マスクを生成し、このマスクを適用した撮影画像に付加画像を合成することにより、クロマキー合成の手法を使用することなく、所望の付加画像を背景や前景等として合成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者をカメラで撮影し、その撮影画像に基づき生成される合成画像を写真として出力する自動写真作成装置に関し、より詳細には画像合成に使用される画像マスクに基づき生成される合成画像を写真として出力する自動写真作成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、利用者をカメラで撮影し、その撮影画像を写真として出力する遊戯用写真作成装置が知られている。このような遊戯用写真作成装置は、遊戯性または娯楽性が高いことから、撮影画像と合成すべき画像(以下「付加画像」という)を、利用者の嗜好に応じて、予め用意された多種多様な背景画像および前景画像から選択したり、タッチペンやライトペン等のペン型入力手段を用いて利用者が自由に描いたりできるように構成されているものが多い。利用者によるこのような行為は、撮影画像に対してなされるため、「落書き」と呼ばれる。
【0003】
また近年では、いわゆるクロマキー合成の手法を使用し、撮影された利用者の背景となるよう、予め記憶された複数の画像から利用者により適宜選択された付加画像を合成する落書きが行われることがある。このクロマキー合成の手法では、撮影すべき利用者の背後に単一色(例えば青色や緑色など)の背景を配置し、この背景と利用者とを撮影した撮影画像に含まれる背景の色をキー色(クロマ)として撮影画像のうちの当該色が含まれる領域(背景領域)をマスク(クロマキーマスクを作成)する。このマスクされた背景領域に対して利用者により適宜選択された画像の一部が合成されることにより、利用者の選択した画像があたかも現実の背景として撮影されたかのような合成画像が得られる。従来より、このようなクロマキー合成の手法を使用する自動写真作成装置がある(例えば特許文献1を参照)。
【0004】
さらにこのようなクロマキー合成を行う際、単純に背景を合成するのではなく、背景との関係で撮影画像の奥行き位置を指定して合成することにより、利用者の好む奥行き位置に撮影画像を配置することができる自動写真作成装置や(例えば特許文献2を参照)、背景の奥行き位置を指定して撮影画像と合成することにより、利用者の好む奥行き位置に背景(または奥行き位置によっては前景)を配置することができる自動写真作成装置などがある(例えば特許文献3を参照)。
【特許文献1】特開平5−161064号公報
【特許文献2】特開2000−196956号公報
【特許文献3】特開2000−261722号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記従来の写真作成装置における背景面(利用者の背後側の筐体内部の面)に付されるキー色は、一般的には肌色の補色である青色または緑色の一色のみであるため、美観上必ずしも好ましくない、という美観上の問題点がある。
【0006】
また、利用者がこのキー色と同色の服装を着用している場合には、当該部分がクロマキー合成時に背景として取り扱われることになるので、画像合成の結果、利用者の服装部分には背景が貼り付けられ、あたかも利用者の当該部分に穴が空いたような不自然な合成画像が得られることになる、というキー色による合成失敗の問題点がある。
【0007】
さらに近年では、複数の利用者を撮影して一枚の撮影画像とすることが多く、例えばカメラから近い側の利用者とカメラから遠い側の利用者との間に所望の付加画像(背景画像)を配置しようとする場合には、上記従来の写真作成装置の構成を適用する限り、一枚の撮影画像に含まれるこれらの利用者を含む画像領域を利用者毎に切り離し、それぞれの画像に奥行き位置を指定して背景画像と合成しなければならず、大変繁雑な作業が必要となる。
【0008】
さらにまた、上記従来の写真作成装置の構成を適用する限り、奥行き位置の指定などにより複数枚の画像(利用者の画像や付加画像)の前後関係を決定し、これらを適宜合成することができるにすぎず、例えば利用者の立体的な形状等に応じて立体的な付加画像を合成することはできない。
【0009】
そこで本発明の目的は、利用者の背後にキー色を付した背景を配するクロマキー合成の手法を使用することなく、撮影画像に対して所望の付加画像を背景や前景等として合成することができる自動写真作成装置を提供することである。
【0010】
また本発明のさらなる目的は、撮影画像に対して、これに含まれる利用者の奥行き位置等に応じて所望の付加画像を配置し合成することができる自動写真作成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1の発明は、所定の撮影領域における被写体である利用者を含む像を取得する撮影手段と、前記撮影手段により得られる撮影画像を含む合成画像を写真として出力する出力手段とを備える自動写真作成装置であって、
前記撮影手段による撮影対象までの距離を計測する距離計測手段と、
前記距離計測手段により計測された距離に基づき、前記撮影画像に対して前後関係を有するよう、所定の付加画像を前記撮影画像に対して合成することにより前記合成画像を生成する画像合成手段と
を備えることを特徴とする。
【0012】
第2の発明は、第1の発明において、
前記距離計測手段は、前記撮影対象に対してレーザを照射することにより前記撮影対象までの距離を計測するレーザスキャナであることを特徴とする。
【0013】
第3の発明は、第1の発明において、
前記距離計測手段は、
前記撮影手段から所定距離だけ離れた位置に設けられており、前記撮影対象を撮影する副撮影手段と、
前記副撮影手段により得られる画像と、前記撮影手段により得られる撮影画像とのずれに基づき、前記撮影対象までの距離を算出する距離算出手段と
を含むことを特徴とする。
【0014】
第4の発明は、第1から第3までのいずれか1つの発明において、
前記画像合成手段は、
前記距離計測手段により計測された距離に基づき、前記撮影画像のうち前記利用者の像を含む領域に対応する合成マスクを作成するマスク作成手段と、
前記マスク作成手段により作成された合成マスクを前記撮影画像に適用し、前記合成マスクを適用された撮影画像に対して前後関係を有するよう前記付加画像を合成することにより、前記合成画像を生成する画像合成処理手段と
を含むことを特徴とする。
【0015】
第5の発明は、第4の発明において、
前記マスク作成手段は、前記利用者の像を含む領域に対応する合成マスクを前記利用者毎に作成し、
前記画像合成処理手段は、前記マスク作成手段により作成された複数の合成マスクを前記撮影画像に適用し、前記合成マスクを適用された撮影画像に含まれる複数の前記利用者の像それぞれに対して前後関係を有するよう前記付加画像を合成することにより、前記合成画像を生成することを特徴とする。
【0016】
第6の発明は、第1から第3までのいずれか1つの発明において、
前記画像合成手段は、
前記距離計測手段により計測された距離に基づき、前記撮影画像と合成されることにより前記利用者の像と重複すべき前記付加画像の領域のうちの全部または一部に対応する付加画像合成マスクを作成するマスク作成手段と、
前記マスク作成手段により作成された付加画像合成マスクを前記付加画像に適用し、前記撮影画像に対して前後関係を有するよう前記付加画像を合成することにより、前記合成画像を生成する画像合成処理手段と
を含むことを特徴とする。
【0017】
第7の発明は、第1から第6までのいずれか1つの発明において、
予め定められた複数の画像から前記所定の付加画像を選択するための利用者による操作入力を受け付ける操作入力手段をさらに備え、
前記画像合成手段は、前記撮影画像に対して前記操作入力手段により受け付けられた付加画像を合成することを特徴とする。
【0018】
第8の発明は、第7の発明において、
前記操作入力手段は、前記前後関係を決定するための利用者による操作入力をさらに受け付けることを特徴とする。
【0019】
第9の発明は、第1から第8までのいずれか1つの発明において、
前記合成画像を表示する表示手段をさらに備え、
前記撮影手段は、前記利用者を含む像を連続的に取得し、
前記画像合成手段は、前記出力手段により出力されるべき合成画像に対応する撮影画像が取得される以前の期間においても前記合成画像を生成し、
前記表示手段は、前記画像合成手段により生成される合成画像を連続的に表示することを特徴とする。
【0020】
第10の発明は、第1の発明において、
前記撮影領域を他の領域と仕切るために設けられ、前記撮影手段から前記利用者までの距離より離れた撮影対象となるべき部分のうち少なくとも一部が開放されている仕切手段をさらに備えることを特徴とする。
【0021】
第11の発明は、所定の撮影領域における被写体である利用者を含む像を取得する撮影ステップと、前記撮影ステップにおいて得られる撮影画像を含む合成画像を写真として出力する出力ステップとを備える自動写真作成方法であって、
前記撮影ステップにおける撮影の対象までの距離を計測する距離計測ステップと、
前記距離計測ステップにおいて計測された距離に基づき、前記撮影画像に対して前後関係を有するよう、所定の付加画像を前記撮影画像に対して合成することにより前記合成画像を生成する画像合成ステップと
を含むことを特徴とする。
【0022】
第12の発明は、第11の発明において、
前記画像合成ステップは、
前記距離計測ステップにおいて計測された距離に基づき、前記撮影画像のうち前記利用者の像を含む領域に対応する合成マスクを作成するマスク作成ステップと、
前記マスク作成ステップにおいて作成された合成マスクを前記撮影画像に適用し、前記合成マスクを適用された撮影画像に対して前後関係を有するよう前記付加画像を合成することにより、前記合成画像を生成する画像合成処理ステップと
を含むことを特徴とする。
【0023】
第13の発明は、第11または第12の発明に記載の自動写真作成方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラムである。
【発明の効果】
【0024】
上記第1の発明によれば、距離計測手段により計測された距離に基づき、撮影画像に対して前後関係を有するよう付加画像を撮影画像に対して合成することにより、クロマキー合成の手法を使用することによる問題点を生じることなく、撮影画像に対して所望の付加画像を背景や前景等として合成することができる。
【0025】
上記第2の発明によれば、距離計測手段としてレーザスキャナを使用することにより、精度よく距離を計測することができる。
【0026】
上記第3の発明によれば、距離計測手段として例えばCCDカメラなどの副撮影手段を使用することにより、製造コストを抑えることができる。
【0027】
上記第4の発明によれば、撮影画像のうち利用者の像を含む領域に対応する合成マスクを作成することにより、クロマキー合成の手法を使用することによる問題点を生じることなく、簡易な構成で撮影画像に対して所望の付加画像を背景や前景等として合成することができる。
【0028】
上記第5の発明によれば、合成マスクを利用者毎に作成し、利用者の像それぞれに対して前後関係を有するよう付加画像を合成することにより、撮影画像に対して所望の付加画像を利用者それぞれの距離を考慮した前後関係を有する位置に前景や背景などとして合成することができる。
【0029】
上記第6の発明によれば、計測された利用者までの距離等に基づき得られる付加画像合成マスクを付加画像に適用することによって、撮影画像に対して利用者の立体的形状等を考慮した前後関係を有する位置に付加画像を合成することができる。
【0030】
上記第7の発明によれば、操作入力手段により利用者が自ら選択した付加画像を受け付けることにより、当該付加画像を例えば背景画像とした合成画像を得ることができるので、本装置の遊戯性を高めることができる。
【0031】
上記第8の発明によれば、操作入力手段により利用者が自ら決定した前後関係を受け付けることにより、利用者の意図に合わせた前後関係を有する合成画像を生成することができるので、本装置の遊戯性を高めることができる。
【0032】
上記第9の発明によれば、出力されるべき合成画像に対応する撮影画像が取得される以前の期間においても画像合成手段により生成される合成画像が表示手段により表示される。したがって、利用者は写真として出力されるべき合成画像に対応する撮影画像の撮影前に合成結果を見ることができるので、利用者は(例えば前後に移動したり付加画像の配置位置を変更するなどして)所望の位置関係を有する合成画像を得ることができる。
【0033】
上記第10の発明によれば、仕切手段のうち撮影手段から利用者までの距離より離れた撮影対象となるべき部分の少なくとも一部が開放されているので、典型的には筐体などの仕切手段を小型で簡易な構成とすることができる。
【0034】
上記第11の発明によれば、上記第1の発明と同様の効果を自動写真作成方法において奏することができる。
【0035】
上記第12の発明によれば、上記第4の発明と同様の効果を自動写真作成方法において奏することができる。
【0036】
上記第13の発明によれば、上記第1または第4の発明と同様の効果を自動写真作成プログラムにおいて奏することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、本発明の一実施形態につき添付図面を参照して説明する。
<1. 第1の実施形態>
<1.1 全体構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る自動写真作成装置(遊戯用写真作成装置)を側面から見た図であり、図2は、この写真作成装置の本体部4を正面から(被写体としての利用者Uから)見た図である。以下、これらの図を参照して、本実施形態に係る自動写真作成装置の全体構成について説明する。
【0038】
この自動写真作成装置は、利用者Ua,Ubが入る撮影室2と、利用者Ua,Ubの撮影画像を含む合成画像を生成して写真シール(または写真カード)として出力する本体部4とを備えている。なお、利用者は1人以上であればよいが、説明の便宜のためここでは2人であるものとする。
【0039】
撮影室2は、略直方体形状であって、本体部4はその内面のうちの前面に沿って配置される。なお、撮影範囲外となる左右側面の一部には、利用者Cが出入りするための開口部と、当該開口部の一部または全部を覆う遮光カーテンとが設けられている。また、撮影室2の背面(および床面)には例えばクロマキー合成処理等に利用される単一の色が付されておらず、後述するレーザスキャナ30により生成された3次元位置データに基づき画像マスクが生成される。
【0040】
本体部4は、利用者Ua,Ubを撮影する撮影手段としてのカメラ10と、当該カメラ10の上方の適宜の位置に配置され閃光を発する照明手段としてのフラッシュ11と、当該カメラ10の下方に配置されたCRT(Cathode Ray Tube)または液晶ディスプレイパネル等からなる表示装置であるプレビューモニタ22と、利用者Ua,Ubに対して撮影のための操作画面などを提供する液晶ディスプレイおよび当該操作画面を覆う操作位置検出用の透明シートからなる液晶タッチパネル20と、撮影室2内の利用者Ua,Ubを含む計測対象までの距離を計測するレーザスキャナ30とを備える。
【0041】
カメラ10は、典型的には、CCD(電荷結合素子)を利用してデジタル画像信号を生成するデジタルカメラであって、撮影室2内の利用者Ua,Ubを撮影し、その撮影画像を表す画像信号を出力する。
【0042】
レーザスキャナ30は、カメラ10の直上に設けられており、その前方にある計測対象までの距離を計測する。すなわち、レーザスキャナ30は、計測対象(ここでは利用者Ua,Ubおよびその撮影室2の背面や床面など)にレーザパルスを照射し、このレーザパルスが往復する時間を計測することにより計測対象までの距離を計測するとともに、レーザパルスの方向から角度を算出する。この距離および角度から3次元位置データを得ることができる。なお、レーザスキャナにより3次元位置データを得る手法は周知であるので、詳しい説明は省略する。
【0043】
ここで、レーザスキャナ30は、カメラ10の直上に配されることから、その計測対象をカメラ10の撮影対象とほぼ同様にすることができる。すなわち、カメラ10の撮影範囲を含むようレーザスキャナ30による計測範囲を定めれば、レーザスキャナ30とカメラ10とがほぼ同じ位置に配置されることから、レーザスキャナ30(のレーザパルス)によって、カメラ10により得られる撮影画像に含まれる全ての画素に対応する計測対象までの距離を計測することができる。
【0044】
プレビューモニタ22は、上記画像信号の表す画像をリアルタイムで表示するように構成されており、カメラ10によって得られる撮影画像を確認するために使用される。また、このプレビューモニタ22には、後述するように付加画像を撮影しようとする画像に対してリアルタイムで合成して得られる画像が表示されてもよい。
【0045】
液晶タッチパネル20は、上述の操作画面などを提供する表示手段として機能するほか、撮影のための操作手段など、利用者Ua,Ubによる各種操作を受け付ける操作手段として機能する。なお、液晶タッチパネル20は、図示されないタッチペンにより操作されるが、利用者Ua,Ubの指などにより操作されてもよく、例えば上記透明シートを含まない静電誘導方式の操作位置検出機能を有する液晶タッチパネルなどであってもよい。
【0046】
また本体部4は、コンピュータを中心に構成され各部の制御等を行う主制御装置、I/O制御装置、およびカメラ10により得られる撮影画像を含む合成画像を写真シール(または写真カード)として出力するプリンタ等を内蔵している。さらに、本体部4は、前面下方にコイン投入口26を、側面に写真シールの取出口28を、それぞれ備えている。さらにまた、本体部4は、本自動写真作成装置の動作中は常時点灯される照明装置13L,13Rをカメラ10の左右にそれぞれ備えている。
【0047】
<1.2 機能的構成>
図3は、本実施形態に係る自動写真作成装置の要部を機能面から見た構成を示すブロック図である。この自動写真作成装置は、機能的には、撮影部52と、確認表示部54と、メイン表示・操作部62と、出力部66と、距離計測部68と、照明部70と、I/O制御部72と、主制御部80とから構成される。
【0048】
この構成において、撮影部52は、CCD等の撮像素子を用いて構成されるカメラ10に相当し、リアルタイムに画像を取り込んで当該画像(この画像は「スルー画像」と呼ばれる)を表す画像信号を出力する。この画像信号は主制御部80に入力されて、その内部のメモリにスルー画像データとして一時的に記憶される。また、このスルー画像データは、スルー画像信号として主制御部80から確認表示部54に供給される。確認表示部54は、プレビューモニタ22に相当し、そのモニタ用画像信号に基づきスルー画像をリアルタイムで表示する。
【0049】
メイン表示・操作部62は、液晶タッチパネル20に相当し、出力されるべき写真のレイアウトを決定するための利用者Ua,Ubの操作や、シャッター操作等を受け付け、これらの操作を示す信号は、操作信号として主制御部80に入力される。いま、利用者Ua,Ubの撮影のためにシャッターボタン(不図示)が押下されたとすると、主制御部80からの指示に基づき、数秒程度の予め決められた時間の経過後にカメラ10の撮影方向にフラッシュ11から閃光が放たれる。そのとき、利用者Ua,Ubの撮影画像を表す信号として部52から出力される画像信号が主制御部80に入力され、主制御部80内のメモリまたは補助記憶装置としてのハードディス装置等に撮影画像データとして格納される。
【0050】
出力部66は、本体部4に内蔵されるプリンタに相当し、主制御部80からの指示に基づき、液晶タッチパネル20における利用者Ua,Ubの落書きに応じて画像処理された上記撮影画像データの表す画像を写真シール(または写真カード)として出力する。
【0051】
距離計測部68は、本体部4におけるレーザスキャナ30に相当し、主制御部80からの指示に基づき計測対象(利用者Ua,Ubや撮影室2の背面など)に対して放たれたレーザパルスを受け取り、計測対象までの距離および角度を主制御部80に与える。これらに基づき主制御部80は計測対象の3次元位置データを得ることができる。
【0052】
照明部70は、本体部4における照明装置13L,13Rとフラッシュ11とに相当し、主制御部80からの指示に基づきI/O制御部72によって点灯/消灯および調光が制御される。
【0053】
I/O制御部72は、本体部4に内蔵されるI/O制御装置に相当し、主制御部80からの指示に基づき、照明部70を制御する。また、後述のコイン検出部(不図示)からの検出信号等の入力信号を主制御部80へ転送する。
【0054】
主制御部80は、本体部4に内蔵され、CPUや、メモリ、フレームバッファ、タイマー、補助記憶装置などを含むコンピュータを中心に構成される主制御装置に相当し、内部メモリに格納された所定プログラムをCPUが実行することにより、上述のようにして入力される操作信号等に基づき各部を制御するために、上述のように各部に指示を出す。また、後述するように、上記撮影画像データと背景とされるべき画像のデータとを合成することにより、撮影画像に含まれる利用者Ua,Ubの像に対して所定の背景画像が背景となるように合成された画像である合成画像を生成する。生成された画像はフレームバッファに書き込まれることにより、メイン表示・操作部62に表示される。さらに、当該合成画像に対する落書き処理を行うための操作信号に基づき上記画像データの一部を書き換えることにより、当該合成画像に所定画像を描画した画像である合成画像を生成する。生成された合成画像はメイン表示・操作部62に表示される。上記のような画像合成が終了すると、その後、出力部66からは合成画像が写真シール等として出力される。出力された写真シール等は、本体部4の側面に設けられた取出口28から取り出される。
【0055】
上記の構成要素の他、本体部4におけるコイン投入口26に投入されたコインを検出するためのコイン検出部(不図示)が更に本体部4に設けられており、主制御部80は、コイン検出部での検出結果に基づき、利用者Ua,Ubに所定時間だけ撮影や撮影画像に対する描画等による合成画像の生成など、本自動写真作成装置によるプレイを許容するように各部を制御する。このコイン検出部やその検出結果に基づく主制御部80による制御動作は、従来の自動写真作成装置と同様であって周知であるので、その詳しい説明を省略する。
【0056】
なお、主制御装置において実行される上記所定プログラムは、例えば、そのプログラムを記録した記録媒体であるCD−ROMによって提供される。すなわち、上記所定プログラムの記録媒体としてのCD−ROMが主制御装置内に補助記憶装置として内蔵されたCD−ROM駆動装置に装着され、そのCD−ROMから所定プログラムが読み出されて補助記憶装置としてのハードディスク装置にインストールされる。また、上記所定プログラムは、CD−ROM以外の記録媒体や通信回線を介して提供されてもよい。そして、本自動写真作成装置の起動のための所定操作がなされると、ハードディスク装置にインストールされた所定プログラムは、主制御装置内のメモリに転送されてそこに一時的に格納され、主制御装置内のCPUによって実行される。これにより、主制御装置による上記各部の制御処理が実現される。
【0057】
<1.3 動作>
<1.3.1 全体的な動作>
上述のように本実施形態における主制御部80の動作は、その内部のCPUが上記所定プログラムを実行することにより実現される。図4は、このようにして実現される主制御部80の動作の手順を示すフローチャートである。本実施形態では、コイン投入口26に所定のコインが投入されると、本自動写真作成装置は、以下のように動作する。
【0058】
まず、主制御部80は、装置の初期化処理、すなわち各ハードウェアの初期化や、設定値として主制御部80に記憶されるデータの初期化処理を行い、さらに予め決められた撮影のための時間(以下「撮影時間」という)が経過するとタイムアウトとなるようにタイマーを設定し、そのタイマーをスタートさせる(ステップS10)。
【0059】
続いて、主制御部80は、利用者Ua,Ubまでの距離を計測する距離計測処理を行い(ステップS20)、その後直ちに利用者Ua,Ubを撮影するための撮影処理を行う(ステップS30)。
【0060】
この距離計測処理および撮影処理は一連の動作として行われる。すなわち、ステップS20において、主制御部80は、図示されないシャッターボタンまたはメイン表示・操作部62の画面に表示されるシャッターボタンが押されたか否かを操作信号に基づき判定し、シャッターボタンが押されるまで待機する。なお、シャッターボタンが一度も押されないまま撮影時間が終了するときには、シャッターボタンが押されたときの処理が自動的に行われるものとする。
【0061】
シャッターボタンが押下されると、主制御部80は、まず撮影開始を利用者にメイン表示・操作部62の画面で距離を計測後に撮影すること知らせ、距離計測部68により距離計測を行う。なお、距離計測時と撮影時とで対象(ここでは利用者Ua,Ub)の位置が変化しないよう、典型的には上記画面では利用者に動かないよう指示を与えるメッセージが表示された後に距離計測が開始される。この距離計測処理について、図5を参照して詳しく説明する。
【0062】
図5は、距離計測処理について説明するための図であり、より詳しくは図5(a)は、レーザスキャナによる主走査方向(左右方向)の走査範囲を含む平面を示す図であり、図5(b)は、上記走査範囲を含む平面において得られる計測対象の距離を示す図である。なお、図5(a)はレーザスキャナ30の設置位置からさらに所定距離だけ上方かつ後方の位置から見た簡易な鳥瞰図である。
【0063】
図5(a)に示されるように、レーザスキャナ30は、図の左右方向に走査する動作(主走査)を行うことにより、走査範囲を含む平面101における対象物の位置を計測する。なお、図中の平面101は、床面と平行であるように記載されているが、実際の走査範囲はレーザスキャナ30の設置位置を含み、レーザパルスによる計測が可能な主走査の左端から右端までの扇状の形状となる。
【0064】
この平面101における計測対象物の距離は、図5(b)に示すように計測される。すなわち、この平面101と交差する利用者Uaの頭部付近の位置Aはレーザスキャナ30からほぼ100[cm]の距離にあり、利用者Ubの頭部付近の位置Bは160[cm]の距離にあり、撮影室2の背面の所定位置C1,C2,C3はほぼ200[cm]の距離にある。なお、この図5(b)の右側に示される距離は説明のための目安となるものにすぎず、もちろん実際にはレーザスキャナ30からの正確な(三次元)距離が得られる。
【0065】
このように、レーザスキャナ30は主走査開始位置を縦方向に少しずつずらしながら繰り返し主走査を行う(すなわち左から右へ主走査し、上から下へ副走査する)ことにより、撮影室2内の走査範囲内に含まれる計測対象物までの距離を計測し、対応する角度の情報とともに主制御部80に与える。なお、前述したように、この走査範囲は、カメラ10による撮影範囲を含むように設定されており、好ましくは撮影範囲を含んでこれとほぼ一致するように設定される。
【0066】
ここで上記距離計測処理(S20)は、例えば数秒程度の予め決められた時間が必要となるので、当該時間が経過した後に、ステップ30において主制御部80は、撮影部(カメラ)52に撮影信号(シャッター信号)を送る。これにより、撮影部52のシャッター動作と同期して照明部(フラッシュ)70が閃光を放ち、主制御部80がキャプチャ処理を開始する。すなわち、主制御部80は、照明部(フラッシュ)70からの閃光で照らされた利用者Ua,Ubの撮影画像を表す信号として撮影部52から出力される画像信号を受け取り、メモリまたは補助記憶装置内に撮影画像の画像ファイルとして格納する。なお、所定の撮影時間の間、シャッターボタンが押下される毎に上記キャプチャ処理が実行され、撮影画像が画像ファイルとして一時的に保存される。
【0067】
次に、主制御部80は、予め定められた回数の撮影が行われることにより撮影が終了したか、撮影時間を示すタイマがタイムアウトとなることにより撮影が終了したか、または撮影時間の経過前であっても、メイン表示・操作部62に対して撮影処理の終了を指示する操作が行われることにより撮影が終了したか否かを判定する(ステップS40)。撮影が終了した場合、処理は次のステップS50に進む。撮影が終了しない場合には、ステップS20の処理に戻り、撮影が終了するまで上記処理が繰り返される(S40→S20→S30→S40)。
【0068】
撮影が終了した場合、主制御部80は、利用者のメイン表示・操作部62に対する操作入力により選択された付加画像である背景画像に対して、(クロマキーを使用しない)3次元位置データに基づく背景合成処理を行う(ステップS50)。この背景合成処理の詳しい内容については後述する。なお、この処理の前(または後)に、出力すべき写真シールに複数の撮影画像(またはこれを含む合成画像)を適宜配置するレイアウト処理が行われてもよい。このレイアウト処理では、予め定められた制限時間内で撮影画像をどのように配置するかを決定するための操作を受け付けることにより、所定の位置に撮影画像または合成画像が配された画像であって写真シール等を印刷するための合成画像が生成される。
【0069】
続いて、主制御部80およびメイン表示・操作部62による落書き処理が行われる(ステップS60)。この落書き処理では、主制御部80により落書き処理のために予め決められた時間(以下「落書き時間」という)が設定され、この落書き時間内に利用者Ua,Ubは液晶タッチパネル20を使用することにより落書きを行う。具体的には、液晶タッチパネル20に撮影画像および落書きのための各種アイコン等、例えば、仮想的な落書きペンの太さや色などを選択可能にするため表示されるペン先アイコンやスタンプ画像を選択可能にするため表示されるスタンプアイコン等が表示され、これらに対する利用者Ua,Ubによる操作が受け付けられる。すなわち利用者Ua,Ubは、液晶タッチパネル20でこれらの各種アイコン等のうちの1つを選択する(すなわち表示されたアイコン上にカーソルを動かして確定させる)操作や、表示画面上の所望の位置を指定する操作などを行うことにより、仮想的な落書きを行う。
【0070】
なお、前述したステップS50における背景合成処理は、上記ステップS60における落書き処理の中で行われてもよい。すなわち、利用者による背景画像の選択や位置指定などは落書きと同時に行われてもよい。
【0071】
続いてステップS70における印刷処理では、上記ステップS60における落書き処理により生成された合成画像(より詳細には前述したレイアウト処理により適宜の位置および大きさに撮影画像がレイアウトされ種々の落書きが行われ、さらに後述するように背景画像が合成された合成画像)が出力される。すなわち、主制御部80は、(背景が合成され)落書き等をされた合成画像の出力を出力部(プリンタ)66に指示する。これにより、出力部66としてのプリンタは、その合成画像を写真シールとして出力する。
【0072】
そうして上記ステップS70における印刷処理が終了すると、図4に示す一連の処理は終了され、所定の金額に相当するコインが新たにコイン投入口26に投入されるまで図4に示す処理は実行待ち状態となる。この実行待ち状態において、所定の金額に相当するコインが新たにコイン投入口26に投入されるまで図4に示す処理は実行待ち状態となる。この実行待ち状態において、所定の金額に相当するコインが新たに投入されると、上記と同様の処理(ステップS10〜S70)が実行される。
【0073】
<1.3.2 背景合成処理における動作>
次に、前述した背景合成処理(ステップS50)の詳細な処理内容について説明する。図6は、背景合成処理の詳細なサブルーチン処理の手順を示すフローチャートである。図6に示すステップS501において、主制御部80は、前述したステップS20により取得される撮影画像に含まれる画素をレーザスキャナ30により計測された距離に関連づけ、画素毎の距離を算出する。以下、図7を参照して具体的に説明する。
【0074】
図7は、撮影室内の利用者をカメラにより撮影することにより得られる撮影画像と画素の距離を説明するための図である。より詳しくは図7(a)は上記撮影画像を示す図であり、図7(b)は上記撮影画像に含まれるいくつかの画素と距離との関連を説明するための図である。
【0075】
図7(a)に示される撮影画像は、カメラ10の光学的な構造により定まる画角やカメラ10の撮影方向などにより予め定まった撮影範囲を撮影することにより得られる画像である。また、前述したようにレーザスキャナ30の計測範囲(走査範囲)は上記撮影範囲を含んで一致するように設定されており、しかもレーザスキャナ30はカメラ10直上のほぼ同位置に設置されているので、レーザスキャナ30の計測対象点は撮影画像の画素とほぼ対応させることができる。
【0076】
例えば、図7(b)に示される撮影画像に引かれた横方向の直線は、図5に示される走査範囲を示す平面101に対応しており、この走査範囲内にある図5(b)に示される利用者Uaの位置A、利用者Ubの位置B、および背面の位置C1〜C3は、図7(b)に示される撮影画像の同一の符号を付したそれぞれの位置に対応している。したがって、図7(b)に示される撮影画像における位置Aの距離は100[cm]であり、位置Bの距離は160[cm]であり、位置C1〜C3の距離は200[cm]である、というように撮影画像に含まれる全ての画素の距離を容易に算出することができる。もっとも実際にはレーザスキャナ30およびカメラ10の位置のわずかな違いや光学系の違いなどにより、撮影画像上の画素位置をレーザスキャナ30により得られた距離と単純に関連づけることはできない場合が多いが、これらは予め定まった違いであるので、この違いが補正されるように画素とその距離との関連づけを適宜行うことには比較的容易である。
【0077】
次にステップS502において、主制御部80は、上記ステップS501においてその距離を算出された全ての画素のうち、所定値以上の距離を有する画素のみを選択する。ここでは、距離が200[cm]以上の画素のみが選択されるものとする。ここで、撮影室2の背面はレーザスキャナ30から(3次元距離において)最低200[cm]以上離れているものとする。したがって、選択された画素は、全て撮影室2の背面を表す画素となる。
【0078】
続いてステップS503において、主制御部80は、上記ステップS502において選択された画素により、背景合成マスクを作成する。この背景合成マスクは、周知の合成マスク(ここではアルファチャネル)であって、対象となる画像のうちの上記所定距離以上の画素を含む領域、すなわち撮影室2の背面の像が占める領域を透明とし、それ以外の領域(利用者を含む領域)を非透明とするためのデータである。この合成マスクは一般的には対象となる画像の画素毎に0(完全透明)から255(完全非透明)までの透過度を示す値αが設定される。なおここでのαは、0および255のみが使用されるものとする。
【0079】
このような背景合成マスクを適用(設定)することにより、詳しくはステップS504,S508において後述するように、撮影画像の非透明領域(α=255)に相当する(利用者が適宜選択した)背景画像の領域は隠され(マスクされ)、その透明領域(α=0)に相当する背景画像の領域は見えるように合成される。そのため、あたかも対象となる撮影画像の非透明領域の部分が切り取られ、切り取られた当該部分が上記背景画像に対して貼り付けられたような前後関係を有する合成画像が得られる。
【0080】
次に、ステップS504において、主制御部80は、メイン表示・操作部62に予め作成された複数の背景画像の一部または全部を表示し、利用者による選択をメイン表示・操作部62より受け付ける。具体的には、液晶タッチパネル20に様々な背景画像が表示され、利用者Ua,Ubにより、液晶タッチパネル20でこれらの背景画像のうちの1つを選択する(すなわち画面のカーソルを動かしたりパネルを指で押したりすることにより確定させる)操作が行われる。このことにより、利用者は自ら選択した付加画像を(仮想的な)背景画像とした合成画像を得ることができるので、本装置の遊戯性を高めることができる。
【0081】
続いて、ステップS505において、主制御部80は、ステップS503において作成された背景合成マスクを適用することにより、ステップS504において利用者により選択された付加画像としての背景画像を、ステップS30において取得された撮影画像に対して画像合成することにより、出力すべき合成画像を作成する。以下、このような合成処理を図8を参照にして具体的に説明する。
【0082】
図8は、このような背景合成マスクを適用した合成処理を説明するための図である。より詳しくは図8(a)は、背景合成マスクを適用した撮影画像の例を示した図であり、図8(b)は、利用者により選択された背景とすべき付加画像を例示した図であり、図8(c)は、付加画像を背景として撮影画像に合成した画像を例示した図である。
【0083】
図8(a)における撮影画像には、背景合成マスクに相当するアルファチャネルが設定されており、その非透明領域(α=255)は利用者Ua,Ubの像の範囲に合致し、その透明領域(α=0)はそれ以外の撮影室2の背面部分の範囲(図中の斜線部)に合致している。なお、もちろんここでの利用者Ua,Ubの像は典型例であって、利用者Ua,Ubの像自体を含むほか、撮影室2の背面より前方(カメラ10に近い方)に存在する全てのもの(例えば持ち物など)の像を含む。
【0084】
この図8(a)に示される背景合成マスクを適用(すなわちアルファチャネルを設定)された撮影画像に対して、図8(b)に示される背景となる付加画像を合成する。そうすれば、付加画像のうち、撮影画像の非透明領域(α=255)に相当する利用者Ua,Ubの像の範囲に対応する領域は隠され(マスクされ)、撮影画像の透明領域(α=0)に相当する付加画像の領域は見えるように合成されるので、図8(c)に示されるような前後関係を有する合成画像が得られる。その後背景合成処理は終了し、図4に示す処理に復帰する。
【0085】
<1.4 効果>
上記のように本実施形態によれば、利用者Ua,Ubの背後にクロマキー色を付された背景面を設けてクロマキー合成処理を行うことによる前述した美観上の問題点やキー色による合成失敗の問題点などを生じることなく、レーザスキャナ30により計測された距離に基づき得られる背景合成マスクを適用することによって、撮影画像に対して所望の付加画像を背景として合成することができる。
【0086】
<2. 第2の実施形態>
<2.1 全体構成>
第2の実施形態における自動写真作成装置は、図4および図6に示される背景合成処理(ステップS50)における処理内容が異なる点を除き、その構成および動作は、第1の実施形態における自動写真作成装置の構成および動作とほぼ同様であるので、同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0087】
なお、本実施形態における自動写真作成装置では、撮影される利用者が複数あり、かつこれらの利用者の位置(距離)に前後関係がある場合を前提としており、ここでは2人の利用者の間に(すなわち一方の利用者の前方であって他方の利用者の後方に)付加画像を合成する。もちろん、利用者双方の前方または後方に付加画像を合成してもよいし、2つ以上の付加画像を適宜の位置に合成してもよい。
【0088】
<2.2 動作>
本実施形態では、図6に示されるステップS501の処理と同様に、撮影画像に含まれる画素毎に距離を算出した後、図6に示されるステップS502の処理に代えて、利用者Ua,Ubの距離をそれぞれ算出し、利用者Uaまでの距離のうちのその最大値を所定値xとし、利用者Ubまでの距離のうちのその最大値を所定値yとして、上記所定値xより遠い距離を有する画素群Xと、上記所定値xを含んでこれより近く上記所定値yより遠い距離を有する画素群Yとをそれぞれ選択する。このように選択された画素群Xには利用者Uaの像のみが含まれず、画素群Yには利用者Ubの像のみが含まれないことになる。なお、実際には利用者Ua,Ubの像が(カメラ10およびレーザスキャナ30から見て)重なっていることもあるので、上記画素群Xに利用者Uaの像が含まれ、上記画素群Yに利用者Ubの像が含まれることもあるが、上記のように利用者Ua,Ubの位置に前後関係がある限り後述する付加画像の仮想的な配置位置との関係では問題なくマスクを作成することができる。
【0089】
さらに本実施形態では、図6に示されるステップS503の処理に代えて、上記画素群X,Yに基づきそれぞれの背景合成マスクを作成する。以下、図9を参照してこれらの背景合成マスクについて説明する。
【0090】
図9は、2種類の背景合成マスクが適用された撮影画像の例を示す図であり、より詳しくは、図9(a)は、画素群Xに基づく背景合成マスクを適用した撮影画像の例を示した図であり、図9(b)は、画素群Yに基づく背景合成マスクを適用した撮影画像の例を示した図である。
【0091】
図9(a)における撮影画像には、背景合成マスクに相当するアルファチャネルがそれぞれ設定されており、その非透明領域(α=255)は利用者Uaの像の範囲に合致し、その透明領域(α=0)はそれ以外の撮影室2の背面部分および利用者Ubの像の範囲(図中の斜線部)に合致している。また、図9(b)における撮影画像にも同様に背景合成マスクに相当するアルファチャネルがそれぞれ設定されており、その非透明領域(α=255)は利用者Ubの像の範囲に合致し、その透明領域(α=0)はそれ以外の撮影室2の背面部分および利用者Uaの像の範囲(図中の斜線部)に合致している。このように背景合成マスクを設定すれば、後述するように利用者Uaと利用者Ubとの間に付加画像を配置したような前後関係を有する合成画像を作成することができる。
【0092】
そこで本実施形態では、図6に示されるステップS504の処理と同様に付加画像の選択および位置指定を受け付け、その後図6に示されるステップS503の処理と同様に合成画像を作成する。以下、図10を参照して付加画像および合成画像について説明する。なお、ここでの付加画像の位置指定では、画像平面上の位置(縦軸および横軸における位置)の他、付加画像の奥行き位置(すなわち前後方向の位置)、ここでは距離に相当する位置の指定が行われる。典型的には、この奥行き位置は、2人の利用者の手前の位置と、2人の利用者の間の位置と、2人の利用者の後ろの位置との3種類の前後関係を示す位置から選択される。このように付加画像と利用者の像との前後関係を利用者に選択させることにより、利用者の意図に合わせた前後関係を有する合成画像を生成することができ、本装置の遊戯性を高めることができる。なお、上記前後関係の決定は、上記複数種類の位置から選択されるほか、撮影室2内における付加画像の仮想的な配置位置など(典型的には距離)を受け付けてもよい。
【0093】
図10は、付加画像および合成画像の例を示す図であり、より詳しくは、図10(a)は、背景合成マスクが設定されている付加画像の例を示した図であり、図10(b)は、最終的な合成画像の例を示した図である。
【0094】
この図10(a)に示される付加画像は画像中央に配された帯状の図形であって、この付加画像には背景合成マスクが適用(すなわちアルファチャネルが設定)されている。すなわち、その非透明領域(α=255)は上記付加画像の範囲に合致し、その透明領域(α=0)はそれ以外の部分(図中の斜線部)に合致している。
【0095】
この図10(a)に示される付加画像が、図9(b)に示される背景合成マスクを適用(すなわちアルファチャネルを設定)された利用者Ubを含む撮影画像に対して合成され、さらにこの合成画像に対して図9(a)に示される背景合成マスクを適用(すなわちアルファチャネルを設定)された利用者Uaを含む撮影画像に対して合成されると、最終的に図10(b)に示されるように、利用者Uaの背景となり利用者Ubの前景となる前後関係を有する位置に付加画像が配置された合成画像が得られる。
【0096】
<2.3 効果>
上記のように本実施形態によれば、利用者Ua,Ubの背後にクロマキー色を付された背景面を設けてクロマキー合成処理を行うことによる前述した美観上の問題点やキー色による合成失敗の問題点などを生じることなく、レーザスキャナ30により計測された距離に基づき得られる背景合成マスクを適用することによって、撮影画像に対して所望の付加画像を利用者Ua,Ubそれぞれの距離を考慮した前後関係を有する位置に前景や背景などとして合成することができる。
【0097】
<3. 第3の実施形態>
<3.1 全体構成>
図11は、第3の実施形態に係る写真作成装置の本体部を正面から見た図である。この図11に示される第3の実施形態における自動写真作成装置の本体部4は、図2に示される本体部4の構成と比較すればわかるように、第1および第2の実施形態に使用されるレーザスキャナ30に代えてサブカメラ40が設けられている。
【0098】
本実施形態における自動写真作成装置は、このサブカメラ40により撮影される画像とカメラ10により撮影される撮影画像とに基づき撮影画像に含まれる各画素の距離が計測される点を除き、その構成および動作は、第1の実施形態における自動写真作成装置の構成および動作とほぼ同様であるので、同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略する。以下、このサブカメラ40により距離を計測する動作について図12を参照して簡単に説明する。なお、このように2つのカメラにより撮影された画像を比較することにより、画像に含まれる画素に対応する撮影対象までの距離を計測(計算)する手法は周知であるので詳しい説明は省略する。
【0099】
<3.2 距離を計測する動作>
図12は、カメラおよびサブカメラにより撮影画像に含まれる画素の距離を計測する手法を説明するための図である。図12において実線で示される図形はカメラ10により撮影された利用者Ua,Ubを含む撮影画像であり、破線で示される図形はサブカメラ40により撮影された利用者Ua,Ubを表している。
【0100】
この図12を参照すれば、カメラ10により撮影された利用者Uaと、サブカメラ40により撮影された利用者Uaとは長さLaだけずれており、カメラ10により撮影された利用者Ubと、サブカメラ40により撮影された利用者Ubとは長さLbだけずれている。このずれは図11に示されるカメラ10とサブカメラ40とが水平方向(横方向)に所定の間隔を空けて配置されていることにより生じており、これらのカメラ10およびサブカメラ40に近い位置にある撮影対象ほど上記ずれが大きくなり(ずれを示す長さが大きくなり)、遠い位置にある撮影対象ほど上記ずれが小さくなる(ずれを示す長さが小さくなる)。したがって、このずれを撮影画像に含まれる各画素毎に計算すれば、三角測量の原理によりカメラから当該画素に対応する撮影対象までの距離を算出することができる。このように上記処理とサブカメラ40とにより距離算出手段が構成されている。なお、実際にはカメラ10により撮影がされる画像に含まれる画素とサブカメラ40により撮影がされる画像に含まれる画素との同一性の判別が難しいので、周囲の画素を考慮した周知のパターンマッチングの手法などが使用されるが、詳しい説明は省略する。
【0101】
以上のように撮影画像に含まれる画素毎に距離を算出する処理は、その機能として図6に示されるステップS501の処理と同様であり、以下同様に背景合成マスクを作成し、作成された背景合成マスクを撮影画像に適用することにより、第1または第2の実施形態の場合と同様の合成画像を作製することができる。
【0102】
なお、本実施形態では説明の便宜のため実際に距離を算出する構成としたが、上記ずれ量をそのまま撮影画像に含まれる各画素毎に関連づけ、所定値以上のずれ量を有する画素を背景となるべき撮影室2の背面を表す画素であるものとして背景合成マスクを作成する構成であってもよい。このような構成であっても、上記ずれ量は距離と一意に対応するので、撮影対象までの距離に基づき背景合成マスクを作成する一例といえる。
【0103】
<3.3 効果>
上記のように本実施形態によれば、利用者Ua,Ubの背後にクロマキー色を付された背景面を設けてクロマキー合成処理を行うことによる前述した美観上の問題点やキー色による合成失敗の問題点などを生じることなく、サブカメラ40により撮影された画像とカメラ10により撮影された撮影画像とに基づき計測された距離に基づき得られる背景合成マスクを適用することによって、撮影画像に対して所望の付加画像を単に背景として、または利用者Ua,Ubそれぞれの距離を考慮した前後関係を有する位置に前景や背景などとして合成することができる。
【0104】
また、本実施形態のように距離の測定にサブカメラ40を使用する構成では、第1の実施形態のように距離の測定にレーザスキャナ30を使用する構成よりも一般的には計測精度が悪くなることが多いが、一般にレーザスキャナ30は高価であるため、サブカメラ40を使用することにより製造コストを抑えることができる。
【0105】
<4. 第4の実施形態>
<4.1 全体構成>
第4の実施形態における自動写真作成装置は、図4および図6に示される背景合成処理(ステップS50)における処理内容が異なる点を除き、その構成および動作は、第1の実施形態における自動写真作成装置の構成および動作とほぼ同様であるので、同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0106】
なお、本実施形態における自動写真作成装置では、レーザスキャナ30により計測対象の距離が計測されるが、第3の実施形態の場合のようなサブカメラ40を使用することにより距離を計測する構成であってもよい。
【0107】
本実施形態では、計測された利用者Ua,Ubの3次元位置データに基づき、撮影画像中にあたかも存在するかのような前後関係を有するように立体的な付加画像を撮影画像に対して合成する。以下、図13を参照してその動作について説明する
【0108】
<4.2 動作>
図13は、立体的な付加画像を合成するための合成マスクを適用した合成処理を説明する図である。より詳しくは図13(a)は、付加画像の例を示した図であり、図13(b)は、合成マスクを適用した付加画像の例を示した図であり、図13(c)は、付加画像を撮影画像に合成した画像を例示した図である。
【0109】
図13(a)に示されるように、この付加画像は立体的な形状を有しており、撮影画像に対して合成されることを前提とする画像であるので、もし実際に撮影室2内に当該画像に相当する立体が存在しこれが撮影されるとすれば得られるであろうその立体の立体的形状や距離などを示す3次元位置データを上記付加画像について仮定することは可能である。そこで、当該立体のあるべき3次元位置が利用者Ua,Ubの位置と重なるべき場合には、例えば当該立体があたかも液体や気体であるかのように当該立体の方が押しのけられ(排除され)、当該立体の表面が利用者Ua,Ub表面に沿って変形するような、すなわち立体の中を利用者Ua,Ubがいわば通り抜けるかのような合成画像を作成することができる。
【0110】
そこで、計測された利用者Ua,Ubの3次元位置データと付加画像に示される立体が有すると仮定された3次元位置データとに基づき、仮定された立体の表面がどのように変形するかを計算し、この計算により得られた立体表面の仮定された3次元位置データに基づき、付加画像のうちどの部分が利用者Ua,Ubの像に対して透過されるべきかを算出する。図13(b)に示される斜線部分は、このようにして算出された合成マスク部分(以下「付加画像合成マスク」という)すなわち透明領域(α=0)を示している。この付加画像合成マスクを付加画像に適用すれば、上記立体と利用者Ua,Ubの立体的形状とを考慮した前後関係で付加画像を撮影画像に対して合成することができる。
【0111】
なお、本実施形態における合成処理が上記第1の実施形態における背景合成処理に加えて行われる場合、本合成処理は、図6に示されるステップS504の処理において受け付けられた利用者による位置指定により決定される付加画像における立体の仮定された3次元位置に基づき、ステップS505の処理中において行われることになる。このような合成処理の結果、図13(c)に示される合成画像を得ることができる。
【0112】
<4.3 効果>
上記のように本実施形態によれば、計測された利用者Ua,Ubの3次元位置と付加画像の仮定された3次元位置とに基づき得られる付加画像合成マスクを付加画像に適用することによって、利用者Ua,Ubの立体的形状を考慮した前後関係を有する位置に付加画像を合成することができる。
【0113】
<5. 変形例>
上記第1から第4までの各実施形態では、図4に示されるステップS50の背景合成処理で撮影後に付加画像が図6に示されるステップS504における処理において選択された後、選択された付加画像が撮影画像に合成される構成であるが、この付加画像の合成および合成により得られる画像は、図4に示されるステップS30の撮影処理においてプレビューモニタ22(または液晶タッチパネル20)にリアルタイムで表示される構成であってもよい。例えば、ステップS10における初期処理において(およびその後の撮影前の任意の時点で)ステップS504における利用者による付加画像の選択等を受け付ける処理を行い、ステップS30の撮影処理における撮影前に図6に示されるステップS501〜S503,S505における処理を行う。これらの処理により得られる合成画像は、主制御部80から確認表示部54に供給され、確認表示部54はこの合成画像をリアルタイムで表示する。そうすれば、利用者は撮影前に合成結果を見ることができるので所望の位置関係を有する合成画像を得ることができる。なお、付加画像が選択される際にその仮想的な奥行き位置等を利用者に指定させてもよいが、この奥行き位置は予め定められていてもよい。そうすれば、利用者は合成結果を見ながら自ら前後に動くことにより、付加画像に対して所望の前後関係を有する合成画像を得ることができる。
【0114】
上記第1から第4までの各実施形態では、撮影室2は撮影領域を外部と仕切るための仕切手段として機能する直方体状の筐体であるが、その形状や素材等に限定はなく、例えばカメラ10から利用者までの距離より離れた撮影対象となるべき部分のうち少なくとも一部が開放されている構造、典型的には背面がない構造であってもよい。このように背面(または背景となるべき面)を省略することはクロマキー合成の手法を採用する従来の構成では不可能であるため、クロマキー合成の手法を採用する従来の自動写真作成装置よりも、その仕切手段を小型で場所を取らず、簡易な構成とすることができる。また、仕切手段である撮影室2自体が省略される構成であってもよい。
【0115】
上記第1から第3までの各実施形態では、撮影画像に含まれる画素毎の距離に基づき背景合成マスク(または付加画像合成マスク)を作成し、このような合成マスクを適宜に適用することにより合成が行われるが、このような合成マスクを使用しない周知の手法により画像合成が行われてもよい。例えば、第2の実施形態において、図9(b)に含まれる撮影画像のうちの利用者Ubの像の部分のみを切り出した画像を生成し、その画像の上に図10(a)に含まれる付加画像を上書き合成した画像を生成する。そしてさらに生成された画像の上に図9(a)に含まれる撮影画像のうちの利用者Uaの像の部分のみを切り出した画像を上書き合成することによっても同様の合成画像を得ることができる。
【0116】
また、第4の実施形態においても同様に、計測された利用者Ua,Ubの3次元位置データと付加画像に示される立体が有すると仮定された3次元位置データとに基づき、付加画像のうちどの部分が利用者Ua,Ubの像に対して透過されるべきかを算出し、算出された部分を付加画像から切り取ることにより得られる画像を新たな付加画像として撮影画像と合成してもよい。
【0117】
上記第3の実施形態におけるサブカメラ40により3次元位置データ(ここでは撮影画像における各画素の距離)を取得する構成であるが、上記3次元位置データを取得する周知の方法であれば、どのような方法が使用されてもよい。このような3次元位置データを取得する方法としては、受動型計測法と能動型計測法とが知られており、第1の実施形態におけるレーザスキャナ30によって3次元位置データを取得する方法は、能動型計測法の一例である。したがって、このレーザスキャナ30に代えて、例えば同じく能動型計測法を採用する距離画像CMOSセンサが使用されてもよい。この距離画像CMOSセンサは、CMOSセンサ周辺にLED(発光ダイオード)が設けられており、このLEDから計測対象へ一定の時間間隔で近赤外光を照射する。そして、その反射光をCMOSセンサが受光するまでの時間を計測することによって距離を求めることができる。したがって、このようなセンサによって同様に3次元位置データを取得してもよい。
【0118】
また、上記第3の実施形態におけるサブカメラ40により3次元位置データを取得する方法は、受動型計測法の一例であり、このサブカメラ40に代えてスリット光、スポット光、または特定のパターンなどを投影する投光装置を使用してもよい。このように、投光装置から計測対象に対してスリット光などを投影した状態でカメラにより撮影を行い、投光装置によりスリット光やスポット光を動かすことにより得られる光(輝度)の変化やパターンの形状などに基づき計測を行う方法は、アクティブステレオ法として知られており、このような周知の手法を使用することにより同様に3次元位置データを取得してもよい。
【0119】
上記第4の実施形態では、計測された利用者Ua,Ubの3次元位置と付加画像の仮定された3次元位置とに基づき、付加画像に示される立体の中を利用者Ua,Ubが貫通するかのような合成画像を作成する例を説明したが、計測された利用者Ua,Ubの3次元位置を使用すれば、周知のあらゆる態様で立体的にあらゆる付加画像を合成することが可能である。例えば、付加画像の立体を半透明にして合成したり、利用者Ua,Ubの像に対して影が付けられたかような背景や前景を合成したり、利用者Ua,Ubの像の表面に所定の画像をテクスチャとして貼り付けたり衣服を着せるような態様で付加画像の合成を行うこともできる。また、図10に示される第2の実施形態のように付加画像が平面である場合にも、第4の実施形態の構成によれば、利用者Ua,Ubの前後関係とは無関係にその立体的形状(3次元位置)に応じて付加画像を合成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】本発明の一実施形態に係る写真作成装置の側面図である。
【図2】上記実施形態に係る写真作成装置の本体部を示す正面図である。
【図3】上記実施形態に係る写真作成装置の要部を機能面から見た構成を示すブロック図である。
【図4】上記実施形態に係る写真作成装置における主制御部の動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】上記実施形態における距離計測処理について説明するための図である。
【図6】上記実施形態における背景合成処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】上記実施形態において、撮影室内の利用者をカメラにより撮影することにより得られる撮影画像と画素の距離を説明するための図である。
【図8】上記実施形態の背景合成マスクを適用した合成処理を説明するための図である。
【図9】第2の実施形態において2種類の背景合成マスクが適用された撮影画像の例を示す図である。
【図10】上記実施形態における付加画像および合成画像の例を示す図である。
【図11】第3の実施形態に係る写真作成装置の本体部を正面から見た図である。
【図12】上記実施形態におけるカメラおよびサブカメラにより撮影画像に含まれる画素の距離を計測する手法を説明するための図である。
【図13】第4の実施形態において立体的な付加画像を合成するための付加画像合成マスクを適用した合成処理を説明する図である。
【符号の説明】
【0121】
2 …撮影室
4 …本体部
10 …カメラ
11 …フラッシュ
20 …液晶タッチパネル
22 …プレビューモニタ
30 …レーザスキャナ
40 …サブカメラ
52 …撮影部(カメラ)
54 …確認表示部(プレビューモニタ)
62 …メイン表示・操作部(液晶タッチパネル)
66 …出力部(プリンタ)
68 …距離計測部(レーザスキャナ)
70 …照明部
72 …I/O制御部(I/O制御装置)
80 …主制御部(主制御装置)
Ua,Ub …利用者

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の撮影領域における被写体である利用者を含む像を取得する撮影手段と、前記撮影手段により得られる撮影画像を含む合成画像を写真として出力する出力手段とを備える自動写真作成装置であって、
前記撮影手段による撮影対象までの距離を計測する距離計測手段と、
前記距離計測手段により計測された距離に基づき、前記撮影画像に対して前後関係を有するよう、所定の付加画像を前記撮影画像に対して合成することにより前記合成画像を生成する画像合成手段と
を備えることを特徴とする、自動写真作成装置。
【請求項2】
前記距離計測手段は、前記撮影対象に対してレーザを照射することにより前記撮影対象までの距離を計測するレーザスキャナであることを特徴とする、請求項1に記載の自動写真作成装置。
【請求項3】
前記距離計測手段は、
前記撮影手段から所定距離だけ離れた位置に設けられており、前記撮影対象を撮影する副撮影手段と、
前記副撮影手段により得られる画像と、前記撮影手段により得られる撮影画像とのずれに基づき、前記撮影対象までの距離を算出する距離算出手段と
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の自動写真作成装置。
【請求項4】
前記画像合成手段は、
前記距離計測手段により計測された距離に基づき、前記撮影画像のうち前記利用者の像を含む領域に対応する合成マスクを作成するマスク作成手段と、
前記マスク作成手段により作成された合成マスクを前記撮影画像に適用し、前記合成マスクを適用された撮影画像に対して前後関係を有するよう前記付加画像を合成することにより、前記合成画像を生成する画像合成処理手段と
を含むことを特徴とする、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の自動写真作成装置。
【請求項5】
前記マスク作成手段は、前記利用者の像を含む領域に対応する合成マスクを前記利用者毎に作成し、
前記画像合成処理手段は、前記マスク作成手段により作成された複数の合成マスクを前記撮影画像に適用し、前記合成マスクを適用された撮影画像に含まれる複数の前記利用者の像それぞれに対して前後関係を有するよう前記付加画像を合成することにより、前記合成画像を生成することを特徴とする、請求項4に記載の自動写真作成装置。
【請求項6】
前記画像合成手段は、
前記距離計測手段により計測された距離に基づき、前記撮影画像と合成されることにより前記利用者の像と重複すべき前記付加画像の領域のうちの全部または一部に対応する付加画像合成マスクを作成するマスク作成手段と、
前記マスク作成手段により作成された付加画像合成マスクを前記付加画像に適用し、前記撮影画像に対して前後関係を有するよう前記付加画像を合成することにより、前記合成画像を生成する画像合成処理手段と
を含むことを特徴とする、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の自動写真作成装置。
【請求項7】
予め定められた複数の画像から前記所定の付加画像を選択するための利用者による操作入力を受け付ける操作入力手段をさらに備え、
前記画像合成手段は、前記撮影画像に対して前記操作入力手段により受け付けられた付加画像を合成することを特徴とする、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の自動写真作成装置。
【請求項8】
前記操作入力手段は、前記前後関係を決定するための利用者による操作入力をさらに受け付けることを特徴とする、請求項7に記載の自動写真作成装置。
【請求項9】
前記合成画像を表示する表示手段をさらに備え、
前記撮影手段は、前記利用者を含む像を連続的に取得し、
前記画像合成手段は、前記出力手段により出力されるべき合成画像に対応する撮影画像が取得される以前の期間においても前記合成画像を生成し、
前記表示手段は、前記画像合成手段により生成される合成画像を連続的に表示することを特徴とする、請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の自動写真作成装置。
【請求項10】
前記撮影領域を他の領域と仕切るために設けられ、前記撮影手段から前記利用者までの距離より離れた撮影対象となるべき部分のうち少なくとも一部が開放されている仕切手段をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の自動写真作成装置。
【請求項11】
所定の撮影領域における被写体である利用者を含む像を取得する撮影ステップと、前記撮影ステップにおいて得られる撮影画像を含む合成画像を写真として出力する出力ステップとを備える自動写真作成方法であって、
前記撮影ステップにおける撮影の対象までの距離を計測する距離計測ステップと、
前記距離計測ステップにおいて計測された距離に基づき、前記撮影画像に対して前後関係を有するよう、所定の付加画像を前記撮影画像に対して合成することにより前記合成画像を生成する画像合成ステップと
を含むことを特徴とする、自動写真作成方法。
【請求項12】
前記画像合成ステップは、
前記距離計測ステップにおいて計測された距離に基づき、前記撮影画像のうち前記利用者の像を含む領域に対応する合成マスクを作成するマスク作成ステップと、
前記マスク作成ステップにおいて作成された合成マスクを前記撮影画像に適用し、前記合成マスクを適用された撮影画像に対して前後関係を有するよう前記付加画像を合成することにより、前記合成画像を生成する画像合成処理ステップと
を含むことを特徴とする、請求項11に記載の自動写真作成方法。
【請求項13】
請求項11または請求項12のいずれか1項に記載の自動写真作成方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−259085(P2008−259085A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−101291(P2007−101291)
【出願日】平成19年4月9日(2007.4.9)
【出願人】(597047392)辰巳電子工業株式会社 (77)
【Fターム(参考)】