説明

自動分析装置、自動分析システムおよびその自動電源オフ方法

【課題】オペレータの立会いを要することなく、自動で電源オフすることができる自動分析装置、自動分析システムおよびその自動電源オフ方法を提供すること。
【解決手段】自動分析装置1は、自動分析装置1の予定終了時刻とユーザの自動分析装置1へのアクセス時刻とを記憶する記憶部19と、測定機構40の分析後処理の終了を判定するとともに、記憶部19から最新のアクセス時刻を取得して前記アクセス時刻から所定時間経過したか否かを判定する判定部22と、判定部22が前記アクセス時刻から所定時刻経過と判定した後、自動分析装置1の自動電源オフを出力する出力部17と、予定終了時刻が経過し、かつ、出力部17による自動電源オフの出力時から所定期間内にユーザのアクセスがない場合に、自動分析装置1を電源オフするよう制御する電源制御部21と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動分析装置、自動分析システムおよびその自動電源オフ方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動分析装置は、血液等の検体と試薬との反応物の分析処理終了後、反応容器等の後洗浄を行なった後、オペレータが手動で電源オフを行なっている。自動分析装置は、分析精度を維持すべく、恒温槽の温度管理、標準のキャリブレーション等、その立ち上げに時刻を要する。したがって、自動分析装置の電源オフの後、検体の分析もれ等による再立ち上げを行うことは時間のロスにつながるため、自動分析装置の電源オフはオペレータの管理のもと慎重に行われている。このような状況のなか、自動分析装置と別系統の電源で駆動する制御回路を有し、オペレータの終了動作の設定の後、前記制御回路からの信号に基づき自動分析装置の電源をオフする装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平4−6467号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された自動分析装置は、オペレータの終了動作の設定の後自動電源オフすることにより、オペレータの意図しない偶発的な電源オフを防ぐものであり、自動電源オフの際にはオペレータの終了動作の設定が必要となるため、たとえば、休日等に自動分析装置を自動運転した後電源オフする際には、依然としてオペレータの立会いが必要となる。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、オペレータの立会いを要することなく、自動で電源オフすることができる自動分析装置、自動分析システムおよびその自動電源オフ方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の自動分析装置は、検体と試薬との反応物を測定機構を用いて光学的に分析する自動分析装置であって、該自動分析装置の予定終了時刻を記憶する記憶手段と、前記測定機構の分析後処理の終了を判定する判定手段と、前記判定手段が分析後処理終了と判定したときから所定期間経過後であって、かつ前記記憶手段が記憶する予定終了時刻が経過した場合に、該自動分析装置を電源オフするよう制御する電源制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の自動分析装置は、上記発明において、前記記憶手段は、ユーザの該自動分析装置へのアクセス時刻を記憶し、前記判定手段は、前記測定機構の分析後処理の終了を判定するとともに、前記記憶手段から最新のアクセス時刻を取得して前記アクセス時刻から所定時間経過したか否かを判定し、前記判定手段が前記アクセス時刻から所定時刻経過と判定した後、前記自動分析装置の自動電源オフを出力する出力手段を備え、前記電源制御手段は、前記記憶手段が記憶する予定終了時刻が経過し、かつ、前記出力手段による自動電源オフの出力時から所定期間内にユーザのアクセスがない場合に、該自動分析装置を電源オフするよう制御することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の自動分析システムは、複数の自動分析装置と、前記複数の自動分析装置を接続するよう配置され、検体容器を保持するラックを前記各自動分析装置に搬送する検体搬送システムとを備え、前記ラックを前記検体搬送システムによって各自動分析装置へ搬送し、前記検体容器内の検体を分析する自動分析システムであって、前記各自動分析装置の予定終了時刻を記憶する記憶手段と、前記各自動分析装置の分析後処理の終了を判定する判定手段と、前記判定手段が分析後処理終了と判定したときから所定期間経過後であって、かつ前記記憶手段が記憶する予定終了時刻が経過した場合に、該自動分析装置を個別に電源オフするよう制御する電源制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の自動分析システムは、上記発明において、前記記憶手段は、ユーザの前記各自動分析装置へのアクセス時刻を個別に記憶し、前記判定手段は、前記各自動分析装置の分析後処理の終了を判定するとともに、前記記憶手段から最新のアクセス時刻を取得して、前記アクセス時刻から所定時間経過したか否かを判定し、前記判定手段が前記アクセス時刻から所定時刻経過と判定した後、前記各自動分析装置の自動電源オフを出力する出力手段を備え、前記電源制御手段は、前記記憶手段が記憶する予定終了時刻が経過し、かつ、前記出力手段による自動電源オフの出力時から所定期間内にユーザのアクセスがない場合に、前記各自動分析装置を個別に電源オフするよう制御することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の自動分析システムは、上記発明において、前記予定終了時刻は、自動分析装置毎および/または曜日毎に設定されることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の自動分析システムは、上記発明において、前記各自動分析装置は同一の分析項目を分析対象とし、予定終了時刻が同一時刻に設定されている自動分析システムであって、前記各自動分析装置は、前記検体搬送システムから搬送される前記ラックを検体分注位置に引き込むラック引き込み部と、前記ラック引き込み部入り口に設置され、前記検体容器に付された情報記憶媒体を読み込む読取装置と、をそれぞれ備え、該自動分析システムは、前記各読取装置が読み取ったラック引き込み部で待機する分注待ちの検体数および総分析項目数から各自動分析装置の分注所要時刻を算出する算出手段と、前記算出手段が算出した分注所要時刻が最大の自動分析装置への前記ラックの搬送を停止するよう制御する検体搬送制御部と、を備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の自動分析装置の自動電源オフ方法は、検体と試薬との反応物を測定機構を用いて光学的に分析する自動分析装置の自動電源オフ方法であって、前記測定機構の分析後処理の終了を判定する第1判定ステップと、前記判定手段が分析後処理終了と判定したときから所定期間経過後であって、かつ記憶手段に記憶された予定終了時刻が経過した場合に、前記自動分析装置を電源オフするよう制御する制御ステップと、を含むことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の自動分析装置の自動電源オフ方法は、上記発明において、前記第1判定ステップが分析後処理終了と判定後、ユーザが前記自動分析装置にアクセスした最新のアクセス時刻を前記記憶手段から取得する取得ステップと、前記アクセス時刻から所定時間経過したか否かを判定する第2判定ステップと、前記第2判定ステップが所定時間経過と判定後、前記自動分析装置の電源オフを出力する出力ステップと、を含み、前記制御ステップは、前記記憶手段が記憶する予定終了時刻が経過し、かつ、前記出力ステップでの電源オフの出力時から所定期間内にユーザからのアクセスがない場合に、前記自動分析装置を電源オフするよう制御することを特徴とする。
【0014】
また、本発明の自動分析システムの自動電源オフ方法は、複数の自動分析装置と、前記複数の自動分析装置を接続するよう配置され、検体容器を保持するラックを前記各自動分析装置に搬送する検体搬送システムとを備え、前記ラックを前記検体搬送システムによって各自動分析装置へ搬送し、前記検体容器内の検体を分析する自動分析システムの自動電源オフ方法であって、前記各自動分析装置の分析後処理の終了を判定する第1判定ステップと、前記判定手段が分析後処理終了と判定したときから所定期間経過後であって、かつ記憶手段に記憶された予定終了時刻が経過した場合に、前記各自動分析装置を個別に電源オフするよう制御する制御ステップと、を含むことを特徴とする。
【0015】
また、本発明の自動分析システムの自動電源オフ方法は、上記発明において、前記第1判定ステップが分析後処理終了と判定後、ユーザが前記各自動分析装置にアクセスした最新のアクセス時刻を前記記憶手段から取得する取得ステップと、前記アクセス時刻から所定時間経過したか否かを判定する第2判定ステップと、前記第2判定ステップが所定時間経過と判定後、前記各自動分析装置の電源オフを出力する出力ステップと、を含み、前記制御ステップは、前記記憶手段が記憶する予定終了時刻が経過し、かつ、前記出力ステップでの電源オフの出力時から所定期間内にユーザからのアクセスがない場合に、前記各自動分析装置を個別に電源オフするよう制御することを特徴とする。
【0016】
また、本発明の自動分析システムの自動電源オフ方法は、上記発明において、前記第1判定ステップ、前記取得ステップ、前記第2判定ステップ、前記出力ステップ、および前記制御ステップが、自動分析装置毎に繰り返されることと特徴とする。
【0017】
また、本発明の自動分析システムの自動電源オフ方法は、上記発明において、前記予定終了時刻は、自動分析装置毎および/または曜日毎に設定されることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の自動分析システムの自動電源オフ方法は、上記発明において、前記各自動分析装置は同一の分析項目を分析対象とし、予定終了時刻が同一時刻に設定されている自動分析装置の自動電源オフ方法であって、前記各自動分析装置のラック引き込み部入口において、前記検体容器に付された情報記憶媒体を読み込む読取ステップと、前記読取ステップで読み取った前記ラック引き込み部で待機する分注待ちの検体数および総分析項目数から、各自動分析装置の分注所要時刻を算出する算出ステップと、前記算出ステップが算出した分注所要時刻が最大の自動分析装置への前記ラックの搬送を停止するよう制御する検体搬送制御ステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、オペレータの立会いなく自動で電源オフすることができるので、オペレータの拘束時刻を大幅に低減できるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、添付した図面を参照して、本発明の自動分析装置とその自動電源オフ方法について、血液などの液体検体をサンプルとして分析する自動分析装置を例に説明する。以下の説明で参照する図面は模式的なものであって、同じ物体を異なる図面で示す場合には、寸法や縮尺等が異なる場合もある。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付している。
【0021】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1にかかる自動分析装置1の構成を示す模式図である。図1に示すように、自動分析装置1は、分析対象である検体および試薬を反応容器5にそれぞれ分注し、分注した反応容器5内で生じる反応を光学的に測定する測定機構40と、測定機構40を含む自動分析装置1全体の制御を行うとともに測定機構40における測定結果の分析を行う制御機構50とを備える。自動分析装置1は、これらの二つの機構が連携することによって複数の検体の生化学的、免疫学的あるいは遺伝学的な分析を自動的に行う。
【0022】
測定機構40は、大別して、第1試薬庫2と、第2試薬庫3と、反応テーブル4と、第1試薬分注装置6と、第2試薬分注装置7と、検体容器移送部8と、分析光学系11と、洗浄機構12と、第1攪拌装置13と、第2攪拌装置14と、検体分注装置20とを備えている。
【0023】
第1試薬庫2は、図1に示すように、第1試薬を収容する試薬容器2aが周方向に複数配置され、駆動手段(図示せず)により回転されて試薬容器2aを周方向に搬送する。複数の試薬容器2aは、それぞれ検査項目に応じた試薬が満たされ、外面には収容した試薬の種類、ロット及び有効期限等の情報を記録した情報記録媒体(図示せず)が貼付されている。ここで、第1試薬庫2の外周には、試薬容器2aに貼付した情報記録媒体に記録された試薬情報を読み取り、制御部15へ出力する読取装置10aが設置されている。第1試薬庫2の上方には、試薬の蒸発や変性を抑制するため、開閉自在な蓋(図示せず)が設けられており、第1試薬庫2の下方には試薬冷却用の恒温槽(図示せず)が設けられている。
【0024】
第2試薬庫3は、図1に示すように、第2試薬を収容する試薬容器3aが周方向に複数配置され、第1試薬庫2と同様に、駆動手段(図示せず)により回転されて試薬容器3aを周方向に搬送する。複数の試薬容器3aは、それぞれ検査項目に応じた試薬が満たされ、外面には収容した試薬の種類、ロット及び有効期限等の情報を記録した情報記録媒体(図示せず)が貼付されている。ここで、第2試薬庫3の外周には、試薬容器3aに貼付した情報記録媒体に記録された試薬情報を読み取り、制御部15へ出力する読取装置10bが設置されている。第2試薬庫3の上方には、試薬の蒸発や変性を抑制するため、開閉自在な蓋(図示せず)が設けられており、第2試薬庫3の下方には試薬冷却用の恒温槽(図示せず)が設けられている。
【0025】
第1試薬分注装置6は、鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行なうアーム6aを備える。このアーム6aの先端部には、検体の吸引および吐出を行なうプローブ6bが取り付けられている。第1試薬分注装置6は、図示しない吸排シリンジまたは圧電素子を用いた吸排機構を備える。第1試薬分注装置6は、上述した第1試薬庫2上の所定位置に移送された試薬容器2aの中からプローブ6bによって第1試薬を吸引し、アーム6aを図中時計回りに旋回させ、反応容器5に第1試薬を吐出して分注を行なう。また、プローブ6bの回動軌跡上には、洗浄水によってプローブ6bを洗浄する洗浄槽6dが設置される。
【0026】
第2試薬分注装置7は、鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行なうアーム7aを備える。このアーム7aの先端部には、検体の吸引および吐出を行なうプローブ7bが取り付けられている。第2試薬分注装置7は、図示しない吸排シリンジまたは圧電素子を用いた吸排機構を備える。第2試薬分注装置7は、上述した第2試薬庫3上の所定位置に移送された試薬容器3aの中からプローブ7bによって第2試薬を吸引し、アーム7aを図中反時計回りに旋回させ、反応容器5に第2試薬を吐出して分注を行なう。また、プローブ7bの回動軌跡上には、洗浄水によってプローブ7bを洗浄する洗浄槽7dが設置される。
【0027】
反応テーブル4は、図1に示すように、複数の反応容器5が周方向に沿って配列されており、第1および第2試薬庫2、3を駆動する駆動手段とは異なる駆動手段(図示せず)によって矢印で示す方向に回転されて反応容器5を周方向に移動させる。反応テーブル4は、光源11aと分光部11bとの間に配置され、反応容器5を保持する保持部4aと光源11aが出射した光束を分光部11bへ導く円形の開口からなる光路4bとを有している。保持部4aは、反応テーブル4の外周に周方向に沿って所定間隔で配置され、保持部4aの内周側に半径方向に延びる光路4bが形成されている。反応テーブル4の上方には開閉自在な蓋(図示せず)が、下方には検体と試薬の反応を促進させる温度に加温するための恒温槽(図示せず)がそれぞれ設けられている。
【0028】
反応容器5は、分析光学系11から出射された分析光(340〜800nm)に含まれる光の80%以上を透過する光学的に透明な素材、例えば、耐熱ガラスを含むガラス、環状オレフィンやポリスチレン等によって四角筒状に成形されたキュベットと呼ばれる容器である。
【0029】
分析光学系11は、試薬と検体とが反応した反応容器5内の液体試料に分析光(340〜800nm)を透過させて分析するための光学系であり、光源11a、分光部11b及び受光部11cを有している。光源11aから出射された分析光は、反応容器5内の液体試料を透過し、分光部11bと対向する位置に設けた受光部11cによって受光される。
【0030】
第1攪拌装置13および第2攪拌装置14は、分注された検体と試薬とを攪拌棒13a、14aによって攪拌し、反応を均一化させる。
【0031】
検体容器移送部8は、図1に示すように、配列された複数のラック9を矢印方向に沿って1つずつ歩進させながら移送する。ラック9は、検体を収容した複数の検体容器9aを保持している。ここで、検体容器9aは、収容した検体の情報を記録した情報記録媒体(図示せず)が貼付され、検体容器移送機構8によって移送されるラック9の歩進が停止するごとに、検体分注装置20によって検体が各反応容器5へ分注される。検体分注装置20は、水平面内を回動すると共に、上下方向に昇降されるアーム20aに試薬を分注する分注プローブ20bが設けられる。ここで、ラックの近傍には、検体容器9aに貼付された情報記録媒体に記録された、検体情報や検体容器9aの容器情報を読み取り、制御部15へ出力する読取装置10cが設置されている。
【0032】
検体分注装置20は、鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行なうアーム20aを備える。このアーム20aの先端部には、検体の吸引および吐出を行なうプローブ20bが取り付けられている。検体分注装置20は、図示しない吸排シリンジまたは圧電素子を用いた吸排機構を備える。検体分注装置20は、後述する検体容器移送部8により分注位置に移送された検体容器9aの中からプローブ20bによって検体を吸引し、アーム20aを図中時計回りに旋回させ、反応容器5に検体を吐出して分注を行なう。また、プローブ20bの回動軌跡上には、洗浄水によってプローブ20bを洗浄する洗浄槽20dが設置される。
【0033】
洗浄機構12は、複数の洗浄ノズルを備え、吸引ノズルによって分析光学系11による測定が終了した反応容器5内の反応液を吸引して排出するとともに、吐出ノズルにより洗剤や洗浄水等の洗浄液を注入し、乾燥することで洗浄を行なう。洗浄した反応容器5は再利用される。
【0034】
つぎに、制御機構50について説明する。制御機構50は、制御部15と、入力部16と、出力部17と、分析部18と、記憶部19と、電源制御部21と、判定部22とを備える。制御部15は、測定機構40および制御機構50が備える各部と接続される。これら各部の作動を制御するため、制御部15には、マイクロコンピュータ等が使用される。制御部15は、これらの各構成部位に入出力される情報について所定の入出力制御を行い、かつ、この情報に対して所定の情報処理を行う。制御部15は、自動分析装置1の各部の作動を制御すると共に、情報記録媒体から読み取った情報に基づき、試薬の有効期限等が設置範囲外の場合、分析作業を停止するように自動分析装置1を制御し、或いはオペレータに警告を発する。制御部15は、検体容器移送部8の作動を制御する搬送制御部としての機能も備えている。
【0035】
入力部16は、キーボード、マウス等を用いて構成され、検体の分析に必要な諸情報や分析動作の指示情報等を外部から取得する。出力部17は、プリンタ、通信機構等を用いて構成され、検体の分析結果を含む諸情報を出力し、ユーザに報知する。分析部18は、分析光学系11から取得した測定結果に基づいて吸光度等を演算し、検体の成分分析等を行う。記憶部19は、情報を磁気的に記憶するハードディスクと、自動分析装置1が処理を実行する際にその処理にかかわる各種プログラムをハードディスクからロードして電気的に記憶するメモリとを用いて構成され、検体の分析結果等を含む諸情報を記憶する。記憶部19は、CD−ROM、DVD−ROM、PCカード等の記憶媒体に記憶された情報を読み取ることができる補助記憶装置を備えてもよい。また、記憶部19は、ユーザが設定した自動分析装置1の予定終了時刻を記憶するとともに、ユーザの自動分析装置1へのアクセス時刻を記憶する。ここで、アクセス時刻は、入力部16を介してユーザが自動分析装置1の測定機構40または制御機構50にアクセスした時刻であり、当該アクセス時刻は所定期間記憶部19に保存される。予定終了時刻は、勤務終了時刻や曜日毎の稼働時刻を基にユーザにより事前に設定される。
【0036】
判定部22は、測定機構40の分析後処理の終了を判定するとともに、記憶部19から最新のアクセス時刻を取得して、前記アクセス時刻から所定時間経過したか否かについて判定する。測定機構40の分析後処理の終了判定は、まず、分析終了を確認し、その後、分析結果の出力が終了しているか、および分析終了後の反応容器5の洗浄が終了したかについて行なう。判定部22がアクセス時刻から所定時刻経過と判定した後、出力部17は自動分析装置1の自動電源オフを出力して、ユーザに自動分析装置1の自動電源オフを報知する。電源制御部21は、記憶部19が記憶する予定終了時刻が経過し、かつ、出力部17による自動電源オフの出力時から所定期間内にユーザのアクセスがない場合に、自動分析装置1を電源オフするよう制御する。
【0037】
以上のように構成された自動分析装置1では、列をなして順次搬送される複数の反応容器5に対して、第1試薬分注装置6が試薬容器2a中の第1試薬を分注した後、検体分注装置20が検体容器9a中の検体を分注し、さらに第2試薬分注装置7が試薬容器3a中の第2試薬を分注して、分析光学系11が検体と試薬とを反応させた状態の試料の分光強度測定を行い、この測定結果を分析部18が分析することで、検体の成分分析等が自動的に行われる。また、洗浄機構12が分析光学系11による測定が終了した後に反応容器5を搬送させながら洗浄することで、一連の分析動作が連続して繰り返し行われる。
【0038】
つぎに、実施の形態1にかかる自動分析装置1の自動電源オフ処理について、図2を参照して説明する。図2は、実施の形態1にかかる自動分析装置1の自動電源オフ処理のフローチャートである。
【0039】
実施の形態1にかかる自動分析装置1の自動電源オフ処理は、図示しないタイマによりタイマ監視を行い(ステップS100)、所定時刻毎に(ステップS100:Yes)、電源制御部21は予定終了時刻が経過したか否かの確認処理を行なう(ステップS101)。予定時刻終了時刻は、ユーザの勤務時刻、季節、曜日毎の検査量に基づき予め設定され、記憶部19に記憶される。電源制御部21が予定終了時刻を経過していないと判定した場合は(ステップS101:No)、さらにタイマ監視が行なわれ(ステップS100)、タイマで設定される時間毎に予定終了時刻を経過したか否かの判定が続行される(ステップS101)。
【0040】
電源制御部21が予定終了時刻を経過したと判定した場合は(ステップS101:Yes)、タイマ監視は終了し、その後、判定部22は測定機構40での検体分析が終了したか否かを確認する(ステップS102)。分析が終了していない場合は(ステップS102:No)、検体の分析が続行され(ステップS103)、分析終了が確認された場合(ステップS102:Yes)、判定部22は分析結果が出力部17により出力されたか否かを確認する(ステップS104)。分析結果の出力が終了していない場合は(ステップS104:No)、分析結果が出力され(ステップS105)、分析結果の出力が終了している場合は(ステップS104:Yes)、判定部22はさらに分析後洗浄が終了しているか否かを確認する(ステップS106)。分析後洗浄は、反応容器5の洗浄機構12による洗浄である。分析後洗浄が終了していない場合は(ステップS106:No)、洗浄機構12により反応容器5の分析後洗浄が実施される(ステップS107)。
【0041】
分析後洗浄が終了している場合(ステップS106:Yes)、判定部22は、記憶部19に格納されるユーザの自動分析装置1への最新のアクセス時刻を取得する(ステップS108)。判定部22は、さらに取得した最新のアクセス時刻から所定時刻経過したか否かを判定する(ステップS109)。判定部22が最新のアクセス時刻から所定時間未経過と判定する場合は(ステップS109:No)、所定時間経過するまで待機し、判定部22が最新のアクセス時刻から所定時間経過と判定した後(ステップS109:Yes)、出力部17は自動分析装置1の電源をオフする旨出力する(ステップS110)。自動電源オフをユーザに報知することにより、ユーザに電源オフの可否の判断の機会を付与するものである。電源オフの出力後、所定期間内にユーザからアクセスされたか否かを確認し(ステップS111)、アクセスがない場合には(ステップS111:No)、電源制御部21は自動分析装置1の電源をオフする(ステップS112)。ユーザのアクセスがあった場合には(ステップS111:Yes)、自動電源オフ処理は終了となり、ユーザが手動で自動分析装置1の電源をオフする。
【0042】
実施の形態1にかかる自動分析装置1は、上記の自動電源オフ処理を行うことによりユーザに指示の有無にかかわらず自動で電源オフできるので、自動分析装置1の電源オフ処理に要する立会時刻を大幅に短縮することができる。また、自動電源オフ処理の開始後であっても自動電源オフ処理のキャンセルは可能であるため、追加の分析処理や再検等が発生した場合の対応も容易に行なうことができる。
【0043】
また、図3に示すように、分析後洗浄の終了が確認された後(ステップS206:Yes)、または洗浄機構12により反応容器5の分析後洗浄が実施された後(ステップS207)に、自動分析装置1の電源オフまでに要される所定時間後、自動的に電源オフする処理が実施の形態1の変形例として例示される。本変形例では、分析後処理の最終工程である分析後洗浄の終了後、電源制御部21は該分析後洗浄から所定期間経過したか否かを確認し(ステップS208)、所定時間経過後、自動分析装置1の電源を自動的にオフする。本変形例によっても、ユーザの立会いを要することなく自動分析装置の電源オフを行うことができ、ユーザの拘束時間を大幅に低減することが可能である。
【0044】
(実施の形態2)
実施の形態2は、複数の異なる自動分析装置と、前記各自動分析装置に検体容器を保持するラックを搬送する検体搬送システムとを備える自動分析システム100とその電源オフ方法に関する。図4は、実施の形態2の自動分析システム100の概略構成を示す平面図である。ここで、以下の説明においては、実施の形態1の自動分析装置1と同一の構成要素には原則として同一の符号を使用している。
【0045】
自動分析システム100は、図4に示すように、開栓装置31と、遠心分離機32と、自動分析装置1A、1Bとを検体搬送システム33で連結したものである。なお、自動分析装置の数は、2台に限らず、3台以上であってもよい。検体容器9aを保持するラック9は、検体搬入・排出口30により検体搬送システム33内に供給される。検体搬入・排出口30には、図示しない情報読取装置が設置され、検体容器9aに貼付した検体情報記録媒体から検体情報を読み取り、中央制御装置34に読み取った検体情報を送信し、当該検体情報と中央制御装置34に格納される当該検体の分析情報とに基づき、検体搬送制御部35はラック9を検体搬送システム33により所定の場所に搬送する。検体搬送システム33は、例えば、ベルトコンベアから構成され、図4に示すように、検体搬入・排出口30により検体搬送システム33内に導入された複数の検体容器9aを保持したラック9を、まず、開栓装置31に搬送して、検体容器9aの密封用のキャップを開栓する。開栓装置31での開栓処理の後、ラック9を遠心分離機32に搬送して、遠心分離処理を行なう。遠心分離処理は、血液検体について遠心分離によって血漿(血清)/血球に分離する処理であり、分析項目に応じて全血検体以外の血漿検体(血清検体)や血球検体を分析対象とする分析項目の分析の際に必要な処理である。したがって、血液以外の尿等の検体については、遠心分離機32による遠心分離処理を行なわないよう制御してもよい。
【0046】
遠心分離処理が行なわれた検体を保持するラック9は、自動分析装置1Aまで搬送されて分析が行われる。実施の形態2にかかる自動分析装置1Aは、検体の生化学的、免疫学的あるいは遺伝学的な分析を自動的に行う装置であって、自動分析装置1Bとは異なる分析装置、または同種の分析装置であるが、分析対象(分析項目)を異にする自動分析装置である。遠心分離処理後のラック9は、検体搬送システム33により自動分析装置1Aまで搬送され、ラック回転機構33dにより回転された後、図示されない押し出し部により押し出されてラック引き込み部24Aに搬送される。ラック引き込み部24A入り口には情報読取装置10Aが設置され、情報読取装置10Aは、検体容器9aに貼付した検体情報記録媒体から検体情報を再度読取り、読み取った検体情報を中央制御装置34へ出力する。ラック9は、ラック引き込み部24A内に搬送された後、検体分注装置20により検体が吸引される。反応テーブル4が収容する図示しない反応容器に検体は吐出され、第1試薬分注装置6、第2試薬分注装置により第1試薬庫2、第2試薬庫内の試薬がそれぞれ前記反応容器に分注されて、自動分析装置1A内で分析が行われる。自動分析装置1Aの制御部15は、中央制御装置34からの指示を受けて自動分析装置1A全体の動作を制御し、自動分析装置1Aにおける測定項目、測定結果等を含む測定データを中央制御装置34へ出力する。
【0047】
自動分析装置1Aにおけるラック9に保持される検体容器9a内の検体を対象とする分注終了後、ラック9はラック引き込み部24Aから検体搬送システム33に戻されて、自動分析装置1Bに搬送される。実施の形態2にかかる自動分析装置1Bは、検体の生化学的、免疫学的あるいは遺伝学的な分析を自動的に行う装置であって、自動分析装置1Aとは異なる分析装置、または同種の分析装置であるが分析対象を異にする自動分析装置である。検体搬送システム33により自動分析装置1Bまで搬送後、ラック回転機構33eにより回転された後、図示されない押し出し部により押し出されてラック引き込み部24Bに搬送される。ラック引き込み部24B入り口には情報読取装置10Bが設置され、情報読取装置10Bは、検体容器9aに貼付した検体情報記録媒体から検体情報を再度読取り、読み取った検体情報を中央制御装置34に出力する。ラック9は、ラック引き込み部24B内に搬送された後、検体分注装置20により検体が吸引される。反応テーブル4が収容する図示しない反応容器に検体は吐出され、第1試薬分注装置6、第2試薬分注装置により第1試薬庫2、第2試薬庫内の試薬がそれぞれ前記反応容器に分注されて、自動分析装置1B内で分析が行われる。自動分析装置1Bの制御部15は、中央制御装置34からの指示を受けて自動分析装置1B全体の動作を制御し、自動分析装置1Bにおける測定項目、測定結果等を含む測定データを中央制御装置34へ出力する。
【0048】
自動分析装置1Bにおけるラック9に保持される検体容器9a内の検体を対象とする分注終了後、ラック9はラック引き込み部24Bから検体搬送システム33に戻されて、検体搬入・排出口30に搬送され、排出される。
【0049】
中央制御装置34は、自動分析システム100全体を制御するパーソナルコンピュータであり、入力部16、出力部17、記憶部19、検体搬送制御部35、電源制御部21および判定部22を有している。入力部16は、自動分析システム100へ分析操作に関連した分析項目等を含む種々の情報を入力する、例えば、キーボードやマウス等が使用される。出力部17は、自動分析装置1Aおよび1Bの自動電源オフを出力するほか、自動分析システム100での分析操作に関連した分析内容,分析結果或いは警報等の種々の情報を出力する。中央制御装置34は、検体搬入・排出口30内に設置される図示しない情報読取装置により読み取られたラック情報および検体情報に基づいてラック9を搬送すべきルート(前処理装置および自動分析装置)を決定し、当該決定に基づき、検体搬送制御部35は検体搬送システム33によるラック9の搬送を制御する。記憶部19には、自動分析装置毎に設定された予定終了時刻とユーザの各自動分析装置へのアクセス時刻が記憶される。判定部22は、自動分析装置1Aおよび1Bの分析後処理の終了を判定するとともに、記憶部19から最新のアクセス時刻を取得して、前記アクセス時刻から所定時間経過したか否かについて判定する。電源制御部21は、記憶部19が記憶する予定終了時刻が経過し、かつ、出力部17による各自動分析装置の電源オフの出力時から所定期間内にユーザのアクセスがない場合に、各自動分析装置を個別に電源オフするよう制御する。
【0050】
つぎに、実施の形態2にかかる自動分析装置1の自動電源オフ処理について、図5および図6を参照して説明する。図5は、自動分析装置1Aの終了予定時刻設定画面の表示例である。図6は、実施の形態2にかかる自動分析システム100における自動分析装置1A、1Bの自動電源オフ処理のフローチャートである。
【0051】
図6に示すように、実施の形態2にかかる自動分析システム100の自動電源オフ処理において、まず、電源制御部21は、記憶部19に記憶された各自動分析装置の予定終了時刻および電源オフ情報を取得する(ステップS300)。電源オフ情報とは、図5に示す終了予定時刻設定画面において、ユーザがスタンバイまたは電源オフのどちらを選択したかについての情報である。前記情報取得後、図示しないタイマによりタイマ監視を行い(ステップS301)、所定時刻毎に(ステップS301:Yes)、電源制御部21は各自動分析装置の予定終了時刻が経過したか否かの確認処理を行なう(ステップS302)。電源制御部21が予定終了時刻を経過していないと判定した場合は(ステップS302:No)、さらにタイマ監視が行なわれ(ステップS301)、タイマで設定される時間毎に予定終了時刻を経過したか否かの判定が続行される(ステップS302)。
【0052】
電源制御部21が予定終了時刻を経過したと判定した場合(ステップS302:Yes)、電源制御部21は、電源オフ処理の対象となる自動分析装置の未分析検体について、該自動分析装置の制御部15および検体搬送制御部35に問い合わせる(ステップS303)。ここで、たとえば、自動分析装置1Aの予定終了時刻が経過した場合、電源制御部21は、自動分析装置1Aの制御部15からラック引き込み部24A内の分注待ち検体の検体情報および分析情報を取得するとともに、検体搬送制御部35から自動分析装置1Aに搬送予定の検体の検体情報を取得する。取得した情報をもとに、判定部22は、自動分析装置1Aの分析が終了したか否かを判定する(ステップS304)。分析が終了していないと判定した場合は(ステップS304:No)、分析を続行する(ステップS305)。分析が終了したと判定した場合(ステップS304:Yes)、判定部22は、分析結果が出力部17より出力されたか否かを確認し(ステップS306)、分析結果の出力が終了していない場合は(ステップS306:No)、分析結果が出力される(ステップS307)。分析結果の出力が終了している場合は(ステップS306:Yes)、判定部22は、分析後洗浄が終了しているか否かをさらに確認する(ステップS308)。分析後洗浄が終了していない場合は(ステップS308:No)、分析後洗浄が実施される(ステップS309)。
【0053】
分析後洗浄が終了している場合(ステップS308:Yes)、電源制御部21は、ステップS300で取得した情報が電源オフの選択がされているか否かを確認する(ステップS310)。スタンバイが選択されている場合は(ステップS310:No)、ステップS316に移行し、ユーザの指示するように自動分析装置1Aはスタンバイ状態となる。電源オフが選択されている場合は(ステップS310:Yes)、判定部22は、記憶部19に格納されるユーザの自動分析装置1Aへの最新のアクセス時刻を取得し(ステップS311)、取得した最新のアクセス時刻から所定時間経過したか否かを判定する(ステップS312)。判定部22により最新のアクセス時刻から所定時間未経過と判定された場合は(ステップS312:No)、所定時刻経過するまで待機し、判定部22が最新のアクセス時刻から所定時間経過と判定後(ステップS312:Yes)、出力部17は自動分析装置1Aの電源をオフする旨出力する(ステップS313)。自動電源オフをユーザに報知することにより、ユーザに電源オフの可否の判断の機会を付与する。最終的に電源オフの可否の判断の機会を付与することにより、メンテナンスや再分析等の必要性が事後的に発生した場合でも、容易に対処できるものである。電源オフの出力後、電源制御部21は所定期間内にユーザからアクセスされたか否かを確認し(ステップS314)、アクセスがない場合には(ステップS314:No)、電源制御部21は自動分析装置1Aの電源をオフする(ステップS315)。ユーザのアクセスがあった場合には(ステップS314:Yes)、自動電源オフ処理ではなくユーザの手動により電源オフされるほか、メンテナンスや再分析等の処理終了後、再度自動電源オフ処理を行ってもよい。
【0054】
その後、電源制御部21は、すべての自動分析装置について電源オフ処理を終了したか否かを確認し(ステップS316)、すべての自動分析装置について電源オフ処理がされていない場合は(ステップS316:No)、電源オフ処理されていない自動分析装置についてステップS302から処理を繰り返す。すべての自動分析装置について電源オフ処理が終了した場合は(ステップS316::Yes)、自動分析システム100の自動電源オフ処理を終了する。
【0055】
実施の形態2にかかる自動分析システム100は、各自動分析装置について個別に自動電源オフできるので、各自動分析装置の設置場所まで往復して電源オフ操作する煩雑さを解消でき、電源オフ操作のためのユーザの拘束時間を短縮することができる。また、自動分析装置毎に稼働状況を考慮した予定終了時刻を設定でき、予定終了時刻が経過した自動分析装置から自動で電源オフすることができるので、消費電力の効率的な削減が可能となる。
【0056】
(実施の形態3)
実施の形態3は、複数の同一の分析項目を分析対象とする自動分析装置と、前記各自動分析装置に検体容器を保持するラックを搬送する検体搬送システムとを備える自動分析システム200とその電源オフ方法に関する。図7は、実施の形態3の自動分析システム200の概略構成を示す平面図である。実施の形態3の自動分析システム200は、実施の形態2にかかる自動分析システム100の自動分析装置1A、1Bが同種である以外は実施の形態2の自動分析システム100と同様の構成を備える。
【0057】
実施の形態3にかかる自動分析システム200の自動電源オフ処理について、図8を参照して説明する。図8は、実施の形態3にかかる自動分析システム200における自動分析装置1A、1Bの自動電源オフ処理のフローチャートである。
【0058】
実施の形態3にかかる自動分析システム200の自動電源オフ処理において、まず、電源制御部21は、記憶部19に記憶された各自動分析装置の予定終了時刻および電源オフ情報を取得する(ステップS400)。電源オフ情報とは、図5に示す終了予定時刻設定画面において、ユーザがスタンバイまたは電源オフのどちらを選択したかについての情報である。前記情報取得後、図示しないタイマによりタイマ監視を行い(ステップS401)、所定時刻毎に(ステップS401:Yes)、電源制御部21は各自動分析装置の予定終了時刻が経過したか否かの確認処理を行なう(ステップS402)。電源制御部21が予定終了時刻を経過していないと判定した場合は(ステップS402:No)、さらにタイマ監視が行なわれ(ステップS401)、タイマで設定される時間毎に予定終了時刻を経過したか否かの判定が続行される(ステップS402)。
【0059】
電源制御部21が予定終了時刻を経過したと判定した場合(ステップS402:Yes)、電源制御部21は、自動電源オフ処理の対象外の他の自動分析装置が稼働中であるか否かを確認する(ステップS403)。ここで、たとえば、自動分析装置1Aの予定終了時刻が経過した場合、自動分析装置1Bが稼働中か否か(電源オフ処理終了したか否か)を確認する。自動分析装置1Bが稼働中である場合は(ステップS403:Yes)、検体搬送制御部35は自動分析装置1Aへの検体搬送を停止する(ステップS404)。ここで、予定終了時刻がより遅く設定され、稼働中の自動分析装置がシステム内に存在する場合には、稼働中の予定終了時刻が遅く設定されている自動分析装置に検体を振り分けることにより、自動分析装置の電源オフを、設定した予定終了時刻に遅れることなく行うことができる。これにより、1日の分析検体数が時刻により変動し、時刻ごとの処理量が把握できる場合などに、稼動させる自動分析装置数を自動電源オフ処理により調整できるので、消費電力の効率的な削減が可能となる。
【0060】
一方、自動分析装置1Bが電源オフ処理されている場合は(ステップS403:No)、電源制御部21は、自動分析装置1Aにおける未分析検体について、自動分析装置1Aの制御部15および検体搬送制御部35に問い合わせる(ステップS405)。問い合わせは、自動分析装置1Aの制御部15から、ラック引き込み部24A内の分注待ち検体の検体情報および自動分析装置1Aの分析状況を取得し、検体搬送制御部35から自動分析装置1Aに搬送予定の検体の検体情報を取得する。取得した情報をもとに、判定部22は、自動分析装置1Aの分析が終了したか否かを判定する(ステップS406)。分析が終了していないと判定した場合は(ステップS406:No)、分析を続行する(ステップS407)。その後、判定部22は分析結果が出力部17より出力されたか否かを確認し(ステップS408)、分析結果の出力が終了していない場合は(ステップS408:No)、分析結果が出力される(ステップS409)。分析結果の出力が終了している場合は(ステップS408:Yes)、判定部22は分析後洗浄が終了しているか否かをさらに確認する(ステップS410)。分析後洗浄が終了していない場合は(ステップS410:No)、分析後洗浄が実施される(ステップS411)。
【0061】
分析後洗浄が終了している場合(ステップS410:Yes)、電源制御部21は、ステップS400で取得した情報が電源オフの選択がされているか否かを判定する(ステップS312)。スタンバイが選択されている場合は(ステップS312:No)、ステップS418に移行し、ユーザの指示するように自動分析装置1Aはスタンバイ状態となる。電源オフが選択されている場合は(ステップS412:Yes)、判定部22は、記憶部19に格納されるユーザの自動分析装置1Aへの最新のアクセス時刻を取得する(ステップS413)。その後、判定部22は、取得した最新のアクセス時刻から所定時刻経過したか否かを判定し(ステップS414)、最新のアクセス時刻から所定時刻未経過である場合は(ステップS414:No)、所定時刻経過するまで待機し、判定部22が最新のアクセス時刻から所定時刻経過と判定後(ステップS414:Yes)、出力部17により自動分析装置1Aの電源をオフする旨出力する(ステップS415)。自動電源オフをユーザに報知することにより、ユーザに電源オフの可否の判断の機会を付与するものである。電源オフの出力後、電源制御部21は所定期間内にユーザからアクセスされたか否かを確認し(ステップS416)、アクセスがない場合には(ステップS416:No)、電源制御部21は自動分析装置1Aの電源をオフする(ステップS417)。ユーザのアクセスがあった場合には(ステップS416:Yes)、自動電源オフ処理ではなくユーザの手動により電源オフされるほか、メンテナンスや再分析等の処理終了後、再度自動電源オフ処理を行ってもよい。
【0062】
その後、電源制御部21は、すべての自動分析装置について電源オフ処理を終了したか否かを確認し(ステップS418)、すべての自動分析装置について電源オフ処理がされていない場合は(ステップS418:No)、電源オフ処理されていない自動分析装置についてステップS402から処理を繰り返す。すべての自動分析装置について電源オフ処理が終了した場合は(ステップS418::Yes)、自動分析システム200の自動電源オフ処理は終了する。
【0063】
実施の形態3にかかる自動分析システム200は、各自動分析装置について個別に自動電源オフできるので、各自動分析装置の設置場所まで往復して操作する煩雑さを解消でき、電源オフ操作のためのユーザの拘束時間を短縮することができるだけでなく、1日の分析処理数が予め予測できる場合などに、稼動させる自動分析装置数を自動電源オフ処理により調整できるので、効率的な消費電力の削減が可能となる。
【0064】
さらに、実施の形態3の自動分析システム200の変形例として図9に示す自動分析システム300が例示される。実施の形態3の変形例にかかる自動分析システム300は、システム内の自動分析装置1A、1Bの予定終了時刻が同時刻に設定されている場合に、各装置の分注待ちの検体量を把握し、負荷の大きい自動分析装置への検体搬送を制御して、システム全体として同時刻に分析を終了して自動電源オフ処理を行うものである。図9は、実施の形態3の変形例にかかる自動分析システム300の概略構成を示す平面図である。
【0065】
自動分析システム300は、図9に示すように、中央制御装置34は算出部25を備える。算出部25は、情報読取装置10A、10Bが読み取ったラック引き込み部24A、24Bでそれぞれ待機する分注待ちの検体数および総分析項目数から自動分析装置1A、1Bの分注所要時刻をそれぞれ算出する。検体搬送制御部35Aは、自動分析装置1A、1Bの予定終了時刻が同時刻に設定されている場合、分注所要時間が大きい自動分析装置へのラック9の搬送を停止するよう制御する。
【0066】
実施の形態3の変形例にかかる自動分析システム300の自動電源オフ処理について、図10および11を参照して説明する。図10は、実施の形態3の変形例にかかる自動分析システム300における自動分析装置1A、1Bの自動電源オフ処理のフローチャートである。図11は、自動分析装置1Aの電源オフ処理のフローチャートである。
【0067】
自動分析システム300の自動電源オフ処理において、まず、電源制御部21は、記憶部19に記憶された予定終了時刻および電源オフ情報を取得する(ステップS500)。ここで、自動分析装置1A、1Bの予定終了時刻は同時刻に設定されるものである。また、電源オフ情報とは、図5に示す終了予定時刻設定画面において、ユーザがスタンバイまたは電源オフのどちらを選択したかについての情報である。前記情報取得後、図示しないタイマによりタイマ監視を行い(ステップS501)、所定時刻毎に(ステップS501:Yes)、電源制御部21は予定終了時刻が経過したか否かの確認処理を行なう(ステップS502)。電源制御部21が予定終了時刻を経過していないと判定した場合は(ステップS502:No)、さらにタイマ監視が行なわれ(ステップS501)、タイマで設定する時間毎に予定終了時刻を経過したか否かの判定が続行される(ステップS502)。
【0068】
電源制御部21が予定終了時刻を経過したと判定した場合(ステップS502:Yes)、算出部25は、各自動分析装置の制御部15と記憶部19とから、ラック引き込み部24A、24B内の分注待ち検体の検体情報と各検体の分析情報(分析項目数)を取得し、自動分析装置毎に分注所要時間を算出する(ステップS503)。検体搬送制御部35Aは、算出された分注所要時間が大きい自動分析装置へのラック9の搬送を停止するよう制御する(ステップS504)。その後、電源制御部21は、自動分析装置1Aおよび自動分析装置1Bの電源オフ処理を並行して行なう(ステップS505、S506)。
【0069】
つぎに、自動分析装置1Aの電源オフ処理について、図11を参照して説明する。判定部22は、自動分析装置1Aにおいて分析が終了したか否かを確認する(ステップS600)。ここで、自動分析装置1Aのラック引き込み部24Aに待機する検体の分注所要時間が自動分析装置1Bより大きい場合は、ラック引き込み部24A内のすべての検体の分析が終了したか否かが確認され、小さい場合は、自動分析装置1Aのラック引き込み部24Aに待機する検体に加え、検体搬入・排出口30内および検体搬送システム33内の搬送されていない検体についても自動分析装置1Aで分析を行うものとして、分析の終了が確認される。分析が終了していない場合は(ステップS600:No)、検体の分析が続行され(ステップS601)、分析終了が確認された場合(ステップS600:Yes)、判定部22は、分析結果が出力部17より出力されたか否かを確認する(ステップS602)。分析結果の出力が終了していない場合は(ステップS602:No)、分析結果が出力され(ステップS603)、分析結果の出力が終了している場合は(ステップS603:Yes)、判定部22は分析後洗浄が終了しているか否かをさらに確認する(ステップS604)。分析後洗浄が終了していない場合は(ステップS604:No)、分析後洗浄が実施される(ステップS605)。
【0070】
分析後洗浄が終了している場合(ステップS605:Yes)、ステップS500で取得した情報が電源オフの選択がされているか否かを判定する(ステップS606)。スタンバイが選択されている場合は(ステップS606:No)、その後の処理は省略され、自動分析装置1Aはスタンバイ状態となる。電源オフが選択されている場合は(ステップS606:Yes)、判定部22は、記憶部19に格納されるユーザの自動分析装置1Aへの最新のアクセス時刻を取得し(ステップS607)、取得した最新のアクセス時刻から所定時間経過したか否かを判定する(ステップS608)。判定部22が最新のアクセス時刻から所定時間未経過と判定する場合は(ステップS608:No)、所定時間経過するまで待機し、判定部22が最新のアクセス時刻から所定時刻経過と判定後(ステップS608:Yes)、出力部17により自動分析装置1Aの電源をオフする旨出力する(ステップS609)。自動電源オフをユーザに報知することにより、ユーザに電源オフの可否の判断の機会を付与するものである。判定部22は、電源オフの出力後、所定期間内にユーザからアクセスされたか否かを確認し(ステップS610)、アクセスがない場合には(ステップS610:No)、電源制御部21は自動分析装置1Aの電源をオフする(ステップS611)。ユーザのアクセスがあった場合には(ステップS610:Yes)、自動電源オフ処理ではなくユーザの手動により電源オフされるほか、メンテナンスや再分析等の処理終了後、再度自動電源オフ処理を行ってもよい。
【0071】
自動分析装置1Bの自動電源オフ処理も上述した自動分析装置1Aの自動電源オフ処理と同様にして行なう。本変形例は、算出部25により各装置の分注待ちの検体量を把握し、検体搬送制御部25Aが負荷の大きい自動分析装置への検体搬送を制御して、システム全体としての分析終了時刻を調整することができる。予定終了時刻だけでなく、所定時間毎に、算出部25による各装置の分注待ちの検体量の把握と、検体搬送制御部25Aによる負荷の大きい自動分析装置への検体搬送の制御を行ってもよく、かかる場合には、各自動分析装置への効率的な検体搬送が可能となるため、自動分析装置の実質的な稼働時間を削減し、消費電力の削減も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】実施の形態1の自動分析装置の概略構成を示す図である。
【図2】実施の形態1にかかる自動分析装置の自動電源オフ処理のフローチャートである。
【図3】実施の形態1の変形例にかかる自動分析装置の自動電源オフ処理のフローチャートである。
【図4】実施の形態2の自動分析システムの概略構成を示す平面図である。
【図5】実施の形態2の自動分析システムでの終了予定時刻設定画面の表示例である。
【図6】実施の形態2にかかる自動分析システムの自動電源オフ処理のフローチャートである。
【図7】実施の形態3の自動分析システムの概略構成を示す平面図である。
【図8】実施の形態3にかかる自動分析システムの自動電源オフ処理のフローチャートである。
【図9】実施の形態3の変形例にかかる自動分析システムの概略構成を示す平面図である。
【図10】実施の形態3の変形例にかかる自動分析システムの自動電源オフ処理のフローチャートである。
【図11】図9の自動分析装置1Aの自動電源オフ処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0073】
1 自動分析装置
2 第1試薬庫
2a、3a 試薬容器
10a、10b、10c 読取装置
3 第2試薬庫
4 反応テーブル
5 反応容器
6 第1試薬分注装置
6a、7a、20a アーム
6b、7b、20b プローブ
6d、7d、20d 洗浄槽
7 第2試薬分注装置
8 検体容器移送部
9 ラック
9a 検体容器
11 分析光学系
12 洗浄機構
13 第1攪拌装置
14 第2攪拌装置
15 制御部
16 入力部
17 出力部
18 分析部
19 記憶部
20 検体分注装置
21 電源制御部
22 判定部
24A、24B ラック引き込み部
25 算出部
30 供給・排出口
31 開栓装置
32 遠心分離機
33 検体搬送システム
33a、33b、33c、33d、33e、33f、33g、33h ラック回転機構
34 中央制御装置
35、35A 検体搬送制御部
40 測定機構
50 制御機構


【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体と試薬との反応物を測定機構を用いて光学的に分析する自動分析装置であって、
該自動分析装置の予定終了時刻を記憶する記憶手段と、
前記測定機構の分析後処理の終了を判定する判定手段と、
前記判定手段が分析後処理終了と判定したときから所定時間経過後であって、かつ、前記記憶手段が記憶する予定終了時刻が経過した場合に、該自動分析装置を電源オフするよう制御する電源制御手段と、
を備えることを特徴とする自動分析装置。
【請求項2】
前記記憶手段は、ユーザの該自動分析装置へのアクセス時刻を記憶し、
前記判定手段は、前記測定機構の分析後処理の終了を判定するとともに、前記記憶手段から最新のアクセス時刻を取得して前記アクセス時刻から所定時間経過したか否かを判定し、
前記判定手段が前記アクセス時刻から所定時刻経過と判定した後、前記自動分析装置の自動電源オフを出力する出力手段を備え、
前記電源制御手段は、前記記憶手段が記憶する予定終了時刻が経過し、かつ、前記出力手段による自動電源オフの出力時から所定期間内にユーザのアクセスがない場合に、該自動分析装置を電源オフするよう制御することを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
【請求項3】
複数の自動分析装置と、前記複数の自動分析装置を接続するよう配置され、検体容器を保持するラックを前記各自動分析装置に搬送する検体搬送システムとを備え、前記ラックを前記検体搬送システムによって各自動分析装置へ搬送し、前記検体容器内の検体を分析する自動分析システムであって、
前記各自動分析装置の予定終了時刻を記憶する記憶手段と、
前記各自動分析装置の分析後処理の終了を判定する判定手段と、
前記判定手段が分析後処理終了と判定したときから所定期間経過後であって、かつ前記記憶手段が記憶する予定終了時刻が経過した場合に、該自動分析装置を個別に電源オフするよう制御する電源制御手段と、
を備えることを特徴とする自動分析システム。
【請求項4】
前記記憶手段は、ユーザの前記各自動分析装置へのアクセス時刻を個別に記憶し、
前記判定手段は、前記各自動分析装置の分析後処理の終了を判定するとともに、前記記憶手段から最新のアクセス時刻を取得して前記アクセス時刻から所定時間経過したか否かを判定し、
前記判定手段が前記アクセス時刻から所定時刻経過と判定した後、前記各自動分析装置の自動電源オフを出力する出力手段を備え、
前記電源制御手段は、前記記憶手段が記憶する予定終了時刻が経過し、かつ、前記出力手段による自動電源オフの出力時から所定期間内にユーザのアクセスがない場合に、前記各自動分析装置を個別に電源オフするよう制御することを特徴とする請求項3に記載の自動分析システム。
【請求項5】
前記予定終了時刻は、自動分析装置毎および/または曜日毎に設定されることを特徴とする請求項3または4に記載の自動分析システム。
【請求項6】
前記各自動分析装置は同一の分析項目を分析対象とし、予定終了時刻が同一時刻に設定されている自動分析システムであって、
前記各自動分析装置は、
前記検体搬送システムから搬送される前記ラックを検体分注位置に引き込むラック引き込み部と、
前記ラック引き込み部入り口に設置され、前記検体容器に付された情報記憶媒体を読み込む読取装置と、
をそれぞれ備え、
該自動分析システムは、
前記各読取装置が読み取ったラック引き込み部で待機する分注待ちの検体数および総分析項目数から各自動分析装置の分注所要時刻を算出する算出手段と、
前記算出手段が算出した分注所要時刻が最大の自動分析装置への前記ラックの搬送を停止するよう制御する検体搬送制御部と、
を備えることを特徴とする請求項4または5に記載の自動分析システム。
【請求項7】
検体と試薬との反応物を測定機構を用いて光学的に分析する自動分析装置の自動電源オフ方法であって、
前記測定機構の分析後処理の終了を判定する第1判定ステップと、
前記判定手段が分析後処理終了と判定したときから所定期間経過後であって、かつ記憶手段に記憶された予定終了時刻が経過した場合に、前記自動分析装置を電源オフするよう制御する制御ステップと、
を含むことを特徴とする自動分析装置の自動電源オフ方法。
【請求項8】
前記第1判定ステップが分析後処理終了と判定後、ユーザが前記自動分析装置にアクセスした最新のアクセス時刻を前記記憶手段から取得する取得ステップと、
前記アクセス時刻から所定時間経過したか否かを判定する第2判定ステップと、
前記第2判定ステップが所定時間経過と判定後、前記自動分析装置の電源オフを出力する出力ステップと、
を含み、前記制御ステップは、前記記憶手段が記憶する予定終了時刻が経過し、かつ、前記出力ステップでの電源オフの出力時から所定期間内にユーザからのアクセスがない場合に、前記自動分析装置を電源オフするよう制御することを特徴とする請求項7に記載の自動分析装置の自動電源オフ方法。
【請求項9】
複数の自動分析装置と、前記複数の自動分析装置を接続するよう配置され、検体容器を保持するラックを前記各自動分析装置に搬送する検体搬送システムとを備え、前記ラックを前記検体搬送システムによって各自動分析装置へ搬送し、前記検体容器内の検体を分析する自動分析システムの自動電源オフ方法であって、
前記各自動分析装置の分析後処理の終了を判定する第1判定ステップと、
前記判定手段が分析後処理終了と判定したときから所定期間経過後であって、かつ記憶手段に記憶された予定終了時刻が経過した場合に、前記各自動分析装置を個別に電源オフするよう制御する制御ステップと、
を含むことを特徴とする自動分析システムの自動電源オフ方法。
【請求項10】
前記第1判定ステップが分析後処理終了と判定後、ユーザが前記各自動分析装置にアクセスした最新のアクセス時刻を前記記憶手段から取得する取得ステップと、
前記アクセス時刻から所定時間経過したか否かを判定する第2判定ステップと、
前記第2判定ステップが所定時間経過と判定後、前記各自動分析装置の電源オフを出力する出力ステップと、
を含み、前記制御ステップは、前記記憶手段が記憶する予定終了時刻が経過し、かつ、前記出力ステップでの電源オフの出力時から所定期間内にユーザからのアクセスがない場合に、前記各自動分析装置を個別に電源オフするよう制御することを特徴とする請求項9に記載の自動分析システムの自動電源オフ方法。
【請求項11】
前記第1判定ステップ、前記取得ステップ、前記第2判定ステップ、前記出力ステップ、および前記制御ステップが、自動分析装置毎に繰り返されることと特徴とする請求項10に記載の自動分析システムの自動電源オフ方法。
【請求項12】
前記予定終了時刻は、自動分析装置毎および/または曜日毎に設定されることを特徴とする請求項8〜11のいずれか一つに記載の自動分析システムの自動電源オフ方法。
【請求項13】
前記各自動分析装置は同一の分析項目を分析対象とし、予定終了時刻が同一時刻に設定されている自動分析装置の自動電源オフ方法であって、
前記各自動分析装置のラック引き込み部入口において、前記検体容器に付された情報記憶媒体を読み込む読取ステップと、
前記読取ステップで読み取った前記ラック引き込み部で待機する分注待ちの検体数および総分析項目数から、各自動分析装置の分注所要時刻を算出する算出ステップと、
前記算出ステップが算出した分注所要時刻が最大の自動分析装置への前記ラックの搬送を停止するよう制御する検体搬送制御ステップと、
を含むことを特徴とする請求項9〜12のいずれか一つに記載の自動分析システムの自動電源オフ方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−223736(P2010−223736A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−70937(P2009−70937)
【出願日】平成21年3月23日(2009.3.23)
【出願人】(510005889)ベックマン コールター, インコーポレイテッド (174)
【Fターム(参考)】