説明

自動取引システム

【課題】 顧客の生体情報の登録手続きに手間がかかると共に、登録完了後、即座に該登録顧客生体情報と取得される顧客の生体情報による生体認証を行うことができなかった。
【解決手段】 顧客から生体情報を取得する生体情報取得部と、取得した生体情報と顧客の携帯端末から受信した登録顧客生体情報とを比較して生体認証を行う生体認証部を有する自動取引装置を備えるシステムで、自動取引装置は、生体情報取得部に対し、登録顧客生体情報として事前登録すべき顧客の生体情報の取得を指示する指示部と、顧客を本人確認すると、取得された顧客の生体情報を携帯端末に送信する通信制御部とを備え、携帯端末は、生体情報を受けると、生体情報を登録顧客生体情報として記憶部に登録するデータ登録部と、取引処理時に自動取引装置から送信指示を受けると、登録顧客生体情報を自動取引装置に送信する通信部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顧客の静脈等の生体情報と事前登録される登録顧客生体情報との比較により生体認証を行う自動取引装置を備える自動取引システムに関し、特に、顧客の生体情報と顧客の携帯端末に登録された登録顧客生体情報により生体認証を行う自動取引システムに関する。
【背景技術】
【0002】
顧客の静脈等の生体情報と事前登録されている登録顧客生体情報とを比較して顧客の生体認証を行う自動取引装置を備える自動取引システムが知られている。例えば、下記特許文献1には、ICカードに事前登録されている顧客の登録顧客生体情報を読み取ると、該登録顧客生体情報と、自動取引装置に設けられた生体情報取得センサにより取得される顧客の生体情報とを比較して生体認証を行う自動取引システムが開示されている。
【特許文献1】特開2002−298202号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記した自動取引システムには次のような解決すべき課題があった。即ち、顧客の生体認証に利用する登録顧客生体情報を事前登録するための登録手続きは、顧客が窓口に出向いて係員に対して登録依頼を行わなければならない等、多くの手間がかかる問題があった。また、登録手続きが完了しても、該登録顧客生体情報が登録されたICカードは後日、郵送等により顧客に配送されることから、登録手続き完了直後から生体認証を行うことができず、利便性に問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、以上の点を解決するために、次の構成を採用する。
〈構成1〉
顧客から生体情報を取得する生体情報取得部と、前記取得した生体情報と前記顧客の携帯端末から受信した登録顧客生体情報とを比較して生体認証を行う生体認証部を有する自動取引装置を備える自動取引システムにおいて、前記自動取引装置は、前記生体情報取得部に対し、登録顧客生体情報として事前登録すべき顧客の生体情報の取得を指示する指示部と、顧客を本人確認すると、前記取得された顧客の生体情報を前記携帯端末に送信する通信制御部とを備え、前記携帯端末は、前記生体情報を受けると、前記生体情報を登録顧客生体情報として記憶部に登録するデータ登録部と、取引処理時に前記自動取引装置から送信指示を受けると、前記記憶部の登録顧客生体情報を前記自動取引装置に送信する通信部とを備えることを特徴とする。
〈構成2〉
構成1の自動取引システムにおいて、前記自動取引装置は、顧客から顧客認証情報の入力を受け付ける入力部と、前記入力部より顧客認証情報を受けると、前記顧客認証情報と予め登録された顧客の登録認証情報とを比較し、両認証情報が一致すると、認証有効と判定する認証部とを含み、前記指示部は、前記認証部が認証有効と判定すると、前記生体情報取得部に対し、登録顧客生体情報として事前登録すべき顧客の生体情報の取得を指示することを特徴とする。
〈構成3〉
構成2の自動取引システムにおいて、前記自動取引装置は、前記生体情報取得部が顧客の生体情報を取得すると、顧客の本人確認を行う係員を呼び出す呼出部を含み、前記指示部は、生体情報の登録時、前記生体情報取得部に対し、前記係員の生体情報の取得を指示し、前記生体認証部は、前記取得された係員の生体情報と予め登録された登録係員生体情報とを比較し、両生体情報が一致すると、前記顧客の生体情報の登録許可と判定し、前記通信制御部は、前記生体認証部が登録許可と判定すると、前記取得された顧客の生体情報を前記携帯端末に送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明の自動取引システムでは、自動取引装置により登録顧客生体情報として事前登録すべき顧客の生体情報を取得させ、該取得された顧客の生体情報を登録顧客生体情報として自己が所有する携帯端末の記憶部に登録するようにしたので、顧客は窓口に出向くことなく、自動取引装置にて登録顧客生体情報の登録手続きを完了することができる。また、生体認証時には、携帯端末から登録顧客生体情報を自動取引装置に送信するようにしたので、登録手続きの完了直後から登録顧客生体情報と自己の生体情報による生体認証を行うことができる。従って、登録手続きに伴う煩雑さを軽減させると共に、利便性の優れた自動取引システムを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の一実施形態を図を用いて詳細に説明する。
【実施例】
【0007】
〈実施例の構成〉
図1は、本発明の自動取引システムを示すブロック構成図である。
【0008】
本実施例の自動取引システムは、図1に示すように、センタに設けられたホストコンピュータ300、顧客DB400、携帯端末100および金融機関内に複数設けられた自動取引装置200から構成されており、各自動取引装置200はネットワークを介してホストコンピュータ300に接続され、赤外線を利用した近距離データ通信により携帯端末100と通信を行う。
【0009】
顧客DB400は、顧客の口座番号情報毎に、顧客が予め設定した登録暗証番号情報が格納されているデータベースであり、ホストコンピュータ300に接続されている。
【0010】
ホストコンピュータ300は、自動取引装置200からの要求に応じて顧客の本人認証、取引処理等を行うコンピュータであり、制御部30、データ取得部31および認証部32を有している。
【0011】
自動取引装置200は、例えば、振込、振替等のような取引を行うために顧客が操作する装置であり、制御部20、タッチパネル等の入力部21、読取部22、生体情報取得部23、赤外線を利用して近距離データ通信を行う通信制御部24、生体認証部25、暗号復号化部26、液晶等の表示部27およびスピーカ等の呼出部28を有している。
【0012】
携帯端末100は、自動取引装置200と生体情報等を授受可能な顧客が所有する携帯電話であり、制御部10、入力部11、記憶部12、データ登録部13および赤外線を利用して近距離データ通信を行う通信部14を有している。
【0013】
以下、本発明に係る自動取引システムにおいて、顧客の静脈情報(=生体情報)が登録顧客静脈情報として登録されるまでの携帯端末100、自動取引装置200、ホストコンピュータ300および顧客DB400の相互関連について説明を行う。
【0014】
自動取引装置200の制御部20は、いわゆるCPUとして自動取引装置200の統括制御を行う部であり、図示しないメモリの制御プログラムを実行し、顧客が振込、振替、生体情報登録等の手続きを選択するための手続選択画面を表示部27に表示させている。
【0015】
顧客が手続選択画面を参照し、入力部21を介して、生体情報登録の手続きを選択すると、制御部20は、図示しないメモリの制御プログラムを実行し、顧客に対して図示しないカード挿入部にキャッシュカードを挿入指示するカード挿入指示画面を表示部27に表示させる。本実施例のキャッシュカードには、少なくとも顧客の口座番号情報が保持されていることとする。
【0016】
読取部22は、キャッシュカードから口座番号情報を読み取る部であり、顧客によって図示しないカード挿入部にキャッシュカードが挿入されると、キャッシュカードから口座番号情報の読み取りを行う。
【0017】
制御部20は、読取部22が口座番号情報を読み取ると、口座番号情報を図示しないメモリに保持すると共に、図示しないメモリの制御プログラムを実行し、顧客に対して暗証番号の入力を指示する暗証番号入力画面を表示部27に表示させる。
【0018】
顧客が暗証番号入力画面を参照し、入力部21を介して、暗証番号情報を入力すると、制御部20は、メモリに保持されている口座番号情報および入力された暗証番号情報をホストコンピュータ300に送信する。
【0019】
ホストコンピュータ300の制御部30は、いわゆるCPUとしてホストコンピュータ300の統括制御を行う部であり、口座番号情報および暗証番号情報を受信すると、図示しないメモリに暗証番号情報を保持すると共に、口座番号情報をデータ取得部31に転送する。
【0020】
データ取得部31は、顧客DB400からデータを取得するための部であり、口座番号情報を受けると、口座番号情報に基づいて、顧客DB400を参照し、対応する登録暗証番号情報を取得する。
【0021】
制御部30は、データ取得部31が登録暗証番号情報を取得すると、取得された登録暗証番号情報およびメモリに保持されている暗証番号情報を認証部32に転送する。
【0022】
認証部32は、暗証番号による本人認証を行う部であり、登録暗証番号情報および暗証番号情報を受けると、両暗証番号を比較して、両番号が不一致であると、本人認証を無効と判定し、両暗証番号が一致すると、本人認証を有効と判定する。
【0023】
自動取引装置200の制御部20は、認証部32が本人認証を無効と判定すると、図示しないメモリの制御プログラムを実行し、暗証番号の不一致による認証無効を示す画面を表示部27に表示させ、生体情報の登録処理を中止する。
【0024】
自動取引装置200の制御部20は、認証部32が本人認証を有効と判定すると、図示しないメモリの制御プログラムを実行し、生体情報取得部23を起動させると共に、顧客に生体情報の入力を指示する生体情報入力指示画面を表示部27に表示させる。
【0025】
生体情報取得部23は、センサにより顧客または係員の生体情報を取得する部であり、顧客が生体情報入力指示画面にしたがって、身体の所定部位をセンサに近づけると、センサが顧客の所定部位が近づけられたのを検知し、該検知した所定部位から生体情報を取得する。本実施例では、生体情報として顧客の指先または手から静脈の特徴を示す静脈情報を取得することとするが、この生体情報としては、例えば、指紋、虹彩、掌、顔等のような顧客の生体的特徴を示す情報であればどのようなものでもよい。
【0026】
制御部20は、生体情報取得部23が顧客の静脈情報を取得すると、係員による顧客の本人確認を行うべく、顧客の静脈情報を図示しないメモリに保持すると共に、図示しないメモリの制御プログラムを実行し、呼出部28に係員の呼出音声を出力させ、係員の呼び出しを行う。この際、表示部27には、係員から呼出音声の停止指示を受け付ける呼出音声停止指示画面が制御プログラムにより表示される。
【0027】
呼出音声に応じて顧客の静脈情報の登録を行う顧客の元に出向いた係員は、呼出音声停止指示画面を参照し、入力部21を介して呼出音声の停止指示を行う。
【0028】
係員が停止指示を行うと、制御部20は、図示しないメモリの制御プログラムを実行し、係員から顧客の静脈情報の登録を行うために係員の生体認証の開始および中止のいずれかの指示を受け付ける指示画面を表示部27に表示させる。
【0029】
そして、係員は顧客から免許証等の身分証明書を提示してもうことで本人確認を行い、本人確認無効と判断すると、係員の生体認証の中止指示を行い、本人確認有効と判断すると、指示画面を参照し、入力部21を介して、係員の生体認証の開始指示を行う。
【0030】
制御部20は、係員が中止指示を行うと、図示しないメモリの制御プログラムを実行し、登録不許可を示す登録不許可画面を表示部27に表示させ、生体情報の登録手続きを中止する。
【0031】
制御部20は、係員が開始指示を行うと、図示しないメモリの制御プログラムにより生体情報取得部23を起動させると共に、係員に生体情報の入力を指示する生体情報入力指示画面を表示部27に表示させる。
【0032】
係員が生体情報取得部23のセンサに自己の指先または手を近づけると、センサが係員の指先または手が近づけられたのを検知し、該検知した指先または手から係員の静脈の特徴を示す係員静脈情報を取得する。
【0033】
自動取引装置200の制御部20は、生体情報取得部23が係員静脈情報を取得すると、係員静脈情報を生体認証部25に転送する。
【0034】
生体認証部25は、顧客または係員の生体認証を行う部であり、図示しないメモリに予め正規の係員が設定した登録係員静脈情報が格納されている。
【0035】
生体認証部25は、係員静脈情報を受けると、メモリを検索し、係員静脈情報と一致する登録係員静脈情報が格納されていないと、係員が不正であると判定し、一致する登録係員静脈情報が格納されていると、登録許可と判定する。
【0036】
制御部20は、生体認証部25により係員が不正と判定されると、図示しないメモリの制御プログラムを実行し、係員の不正により登録不許可を示す登録不許可画面を表示部27に表示させ、生体情報の登録手続きを中止する。
【0037】
制御部20は、生体認証部25により登録許可と判定されると、図示しないメモリの制御プログラムを実行し、顧客に対して、携帯端末100の通信部14を自動取引装置200の通信制御部24と通信可能な方向にして、登録開始を指示するように促す登録指示画面を表示部27に表示させる。
【0038】
顧客が登録指示画面にしたがって、入力部21を介して、登録開始の指示を行うと、制御部20は、メモリに保持された顧客の静脈情報および口座番号情報を暗号復号化部26に転送する。
【0039】
暗号復号化部26は、データの暗号化、或いは復号化を行う部であり、顧客の静脈情報および口座番号情報を受けると、各情報の暗号化処理を行う。
【0040】
通信制御部24は、暗号復号化部26が口座番号情報および顧客の静脈情報を暗号化すると、暗号化された両情報を携帯端末100に送信する。
【0041】
携帯端末100の制御部10は、いわゆるCPUとして携帯端末100を統括制御する部であり、暗号化された口座番号情報および顧客の静脈情報を通信部14で受信すると、両情報をデータ登録部13に転送する。
【0042】
データ登録部13は、記憶部12にデータの登録を行う部であり、暗号化された口座番号情報および顧客の静脈情報を受けると、まず、口座番号情報を登録口座番号情報として記憶部12に登録し、引き続き、顧客の静脈情報を登録顧客静脈情報として記憶部12に登録する。
【0043】
制御部10は、データ登録部13が各データの登録を完了すると、図示しない制御プログラムを実行し、登録完了を示す登録完了信号を自動取引装置200に送信する。
【0044】
自動取引装置200の制御部20は、登録完了信号を受信すると、図示しない制御プログラムを実行し、登録完了を示す登録完了画面を表示部27に表示させる。
【0045】
このように、多くのデータ記憶容量を必要とする登録顧客静脈情報が自己の所有する携帯端末100の記憶部12に登録されることから、金融機関はキャッシュカードに代えて高価なICカードを利用する必要がなくなり、コストアップするのを防止できる。
【0046】
次に、上記したように顧客の静脈情報が登録顧客静脈情報として携帯端末100に登録された自動取引システムにおいて、顧客の生体認証が行われるまでの携帯端末100、自動取引装置200、ホストコンピュータ300および顧客DB400の相互関連について説明を行う。
【0047】
自動取引装置200の制御部20は、図示しないメモリの制御プログラムを実行し、顧客が振込、振替、生体情報登録等の手続きを選択するための手続選択画面を表示部27に表示させている。
【0048】
顧客が取引選択画面を参照し、入力部21を介して、例えば、振込手続きを選択すると、制御部20は、図示しないメモリの制御プログラムを実行し、顧客に対して図示しないカード挿入部にキャッシュカードを挿入指示するカード挿入指示画面を表示部27に表示させる。本実施例のキャッシュカードには、少なくとも顧客の口座番号情報が保持されていることとする。
【0049】
読取部22は、顧客によって図示しないカード挿入部にキャッシュカードが挿入されると、キャッシュカードから口座番号情報の読み取りを行う。
【0050】
制御部20は、読取部22が口座番号情報を読み取ると、口座番号情報を図示しないメモリに保持すると共に、図示しないメモリの制御プログラムを実行し、顧客に対して暗証番号の入力を指示する暗証番号入力画面を表示部27に表示させる。
【0051】
顧客が暗証番号入力画面を参照し、入力部21を介して、暗証番号情報を入力すると、制御部20は、メモリに保持されている口座番号情報および入力された暗証番号情報をホストコンピュータ300に送信する。
【0052】
ホストコンピュータ300の制御部30は、口座番号情報および暗証番号情報を受信すると、図示しないメモリに暗証番号情報を保持すると共に、口座番号情報をデータ取得部31に転送する。
【0053】
データ取得部31は、口座番号情報を受けると、口座番号情報に基づいて、顧客DB400を参照し、対応する登録暗証番号情報を取得する。
【0054】
制御部30は、データ取得部31が登録暗証番号情報を取得すると、取得された登録暗証番号情報およびメモリに保持されている暗証番号情報を認証部32に転送する。
【0055】
認証部32は、登録暗証番号情報および暗証番号情報を受けると、両暗証番号を比較して、両番号が不一致であると、本人認証を無効と判定し、両暗証番号が一致すると、本人認証を有効と判定する。
【0056】
自動取引装置200の制御部20は、認証部32が本人認証を無効と判定すると、図示しないメモリの制御プログラムを実行し、暗証番号の不一致による認証無効を示す画面を表示部27に表示させ、取引処理を中止させる。
【0057】
自動取引装置200の制御部20は、認証部32が本人認証を有効と判定すると、図示しないメモリの制御プログラムを実行し、顧客に対し、携帯端末100から暗号化された登録口座番号情報および登録顧客静脈情報を送信するように指示する送信指示画面を表示部27に表示させる。
【0058】
顧客が送信指示画面にしたがって、携帯端末100の通信部14を自動取引装置200の通信制御部24と通信可能な方向にして、入力部11を介して、送信指示を行うと、制御部10は、記憶部12に登録されている暗号化された登録口座番号情報および登録顧客静脈情報を通信部14に転送する。
【0059】
通信部14は、暗号化された登録口座番号情報および登録顧客静脈情報を受けると、両情報を自動取引装置200に送信する。
【0060】
自動取引装置200の制御部20は、暗号化された登録口座番号情報および登録顧客静脈情報を受信すると、両情報を暗号復号化部26に転送する。
【0061】
暗号復号化部26は、暗号化された登録口座番号情報および登録顧客静脈情報を受けると、両情報の復号化処理を行う。
【0062】
制御部20は、暗号復号化部26が登録口座番号情報および登録顧客静脈情報を復号化すると、両情報を生体認証部25に転送する。
【0063】
生体認証部25は、登録口座番号情報および登録顧客静脈情報を受けると、まず、登録顧客静脈情報を図示しないメモリに保持すると共に、受け付けた登録口座番号情報と、キャッシュカードから読み取られ、メモリに保持されている口座番号情報とを比較し、両口座番号が不一致であると、本人認証を無効と判定し、両口座番号が一致すると、本人認証を有効と判定する。
【0064】
制御部20は、生体認証部25が認証無効と判定すると、上記と同様に、本人認証無効を示す画面を表示部27に表示させ、取引処理を中止させる。
【0065】
制御部20は、生体認証部25が認証有効と判定すると、引き続き、顧客の生体認証をすべく、図示しないメモリの制御プログラムを実行し、生体情報取得部23を起動させると共に、顧客に静脈情報の入力を指示する生体情報入力指示画面を表示部27に表示させる。
【0066】
生体情報取得部23は、顧客が生体情報入力指示画面にしたがって、自己の指先をセンサに近づけると、センサが顧客の指先が近づけられたのを検知し、該検知した指先から顧客の静脈情報を取得する。
【0067】
制御部20は、生体情報取得部23が顧客の静脈情報を取得すると、顧客の静脈情報を生体認証部25に転送する。
【0068】
生体認証部25は、顧客の静脈情報を受けると、顧客の静脈情報と図示しないメモリに保持された登録顧客静脈情報とを比較し、両静脈情報が不一致であると、本人認証が無効と判定し、両静脈情報が一致すると、本人認証が有効と判定する。
【0069】
制御部20は、生体認証部25が認証無効と判定すると、上記同様に、本人認証無効を示す画面を表示部27に表示させ、取引処理を中止させる。
【0070】
制御部20は、生体認証部25が認証有効と判定すると、図示しないメモリの制御プログラムを実行し、顧客に対し、所望する取引内容を示す取引情報の入力を指示する取引情報入力画面を表示部27に表示させる。
【0071】
顧客が取引情報入力画面にしたがって取引情報の入力を完了すると、制御部20は、該取引情報をホストコンピュータ300に送信し、ホストコンピュータ300は、受信した取引情報に基づいて取引処理を行う。
【0072】
〈実施例の動作〉
以下、本実施例の自動取引システムの動作について説明を行う。
【0073】
まず、顧客の静脈情報(=生体情報)が登録顧客静脈情報として携帯端末100に登録されるまでの説明を行う。
【0074】
図2は、顧客の静脈情報が登録顧客静脈情報として携帯端末100に事前登録されるまでの動作フローチャートである。
【0075】
自動取引装置200の制御部20は、図示しないメモリの制御プログラムを実行し、顧客が振込、振替、生体情報登録等の手続きを選択するための手続選択画面を表示部27に表示させている(S1)。
【0076】
顧客が手続選択画面を参照し、入力部21を介して、生体情報登録の手続きを選択すると(S2)、制御部20は、図示しないメモリの制御プログラムを実行し、顧客に対して図示しないカード挿入部にキャッシュカードを挿入指示するカード挿入指示画面を表示部27に表示させる(S3)。本実施例のキャッシュカードには、少なくとも顧客の口座番号情報が保持されていることとする。
【0077】
読取部22は、顧客によって図示しないカード挿入部にキャッシュカードが挿入されると(S4)、キャッシュカードから口座番号情報の読み取りを行う(S5)。
【0078】
制御部20は、読取部22が口座番号情報を読み取ると、口座番号情報を図示しないメモリに保持すると共に、図示しないメモリの制御プログラムを実行し、顧客に対して暗証番号の入力を指示する暗証番号入力画面を表示部27に表示させる(S6)。
【0079】
顧客が暗証番号入力画面を参照し、入力部21を介して、暗証番号情報を入力すると(S7)、制御部20は、メモリに保持されている口座番号情報および入力された暗証番号情報をホストコンピュータ300に送信する。
【0080】
ホストコンピュータ300の制御部30は、口座番号情報および暗証番号情報を受信すると、図示しないメモリに暗証番号情報を保持すると共に、口座番号情報をデータ取得部31に転送する。
【0081】
データ取得部31は、口座番号情報を受けると、口座番号情報に基づいて、顧客DB400を参照し、対応する登録暗証番号情報を取得する。
【0082】
制御部30は、データ取得部31が登録暗証番号情報を取得すると、取得された登録暗証番号情報およびメモリに保持されている暗証番号情報を認証部32に転送する。
【0083】
認証部32は、登録暗証番号情報および暗証番号情報を受けると、両暗証番号を比較して(S8)、両番号が不一致であると、本人認証を無効と判定し(S9:N)、両暗証番号が一致すると、本人認証を有効と判定する(S9:Y)。
【0084】
自動取引装置200の制御部20は、認証部32が本人認証を無効と判定すると、図示しないメモリの制御プログラムを実行し、暗証番号の不一致による認証無効を示す画面を表示部27に表示させ(S26)、生体情報の登録処理を中止する。
【0085】
自動取引装置200の制御部20は、認証部32が本人認証を有効と判定すると、図示しないメモリの制御プログラムを実行し、生体情報取得部23を起動させると共に、顧客に生体情報の入力を指示する生体情報入力指示画面を表示部27に表示させる(S10)。
【0086】
生体情報取得部23は、顧客が生体情報入力指示画面にしたがって、身体の所定部位をセンサに近づけると、センサが顧客の所定部位が近づけられたのを検知し、該検知した所定部位から生体情報を取得する(S11)。本実施例では、顧客の生体情報として顧客の指先または手から静脈の特徴を示す静脈情報を取得することとするが、この生体情報としては、例えば、指紋、虹彩、掌、顔等のような顧客の生体的特徴を示す情報であればどのようなものでもよい。
【0087】
制御部20は、生体情報取得部23が顧客の静脈情報を取得すると、係員による顧客の本人確認を行うべく、静脈情報を図示しないメモリに保持すると共に、図示しないメモリの制御プログラムを実行し、呼出部28に係員の呼出音声を出力させ、係員の呼び出しを行う(S12)。この際、表示部27には、係員から呼出音声の停止指示を受け付ける呼出音声停止指示画面が制御プログラムにより表示される。
【0088】
呼出音声に応じて静脈情報の登録を行う顧客の元に出向いた係員は、呼出音声停止指示画面を参照し、入力部21を介して呼出音声の停止指示を行う。
【0089】
係員が停止指示を行うと、制御部20は、図示しないメモリの制御プログラムを実行し、係員から静脈情報の登録を行うために係員の生体認証の開始および中止のいずれかの指示を受け付ける指示画面を表示部27に表示させる。
【0090】
そして、係員は顧客から免許証等の身分証明書を提示してもらうことで本人確認を行い(S13)、本人確認無効と判断すると(S14:N)、係員の生体認証の中止指示を行い、本人確認有効と判断すると(S14:Y)、指示画面を参照し、入力部21を介して、係員の生体認証の開始指示を行う。
【0091】
制御部20は、係員が中止指示を行うと、図示しないメモリの制御プログラムを実行し、登録不許可を示す登録不許可画面を表示部27に表示させ(S25)、生体情報の登録手続きを中止する。
【0092】
制御部20は、係員が開始指示を行うと、図示しないメモリの制御プログラムにより生体情報取得部23を起動させると共に、係員に生体情報の入力を指示する生体情報入力指示画面を表示部27に表示させる(S15)。
【0093】
係員が生体情報取得部23のセンサに自己の指先または手を近づけると、センサが係員の指先または手が近づけられたのを検知し、該検知した指先または手から係員の静脈の特徴を示す静脈情報を取得する(S16)。
【0094】
自動取引装置200の制御部20は、生体情報取得部23が係員の静脈情報を取得すると、係員の静脈情報を生体認証部25に転送する。
【0095】
生体認証部25は、係員の静脈情報を受けると、メモリを検索し(S17)、係員の静脈情報と一致する登録係員静脈情報が格納されていないと、係員が不正であると判定し(S18:N)、一致する登録係員静脈情報が格納されていると、登録許可と判定する(S18:Y)。
【0096】
制御部20は、生体認証部25により係員が不正と判定されると、図示しないメモリの制御プログラムを実行し、係員の不正により登録不許可を示す登録不許可画面を表示部27に表示させ、生体情報の登録手続きを中止する(S25)。
【0097】
制御部20は、生体認証部25により登録許可と判定されると、図示しないメモリの制御プログラムを実行し、顧客に対して、携帯端末100の通信部14を自動取引装置200の通信制御部24と通信可能な方向にして、登録開始を指示するように促す登録指示画面を表示部27に表示させる(S19)。
【0098】
顧客が登録指示画面にしたがって、入力部21を介して、登録開始の指示を行うと(S20)、制御部20は、メモリに保持された顧客の静脈情報および口座番号情報を暗号復号化部26に転送する。
【0099】
暗号復号化部26は、顧客の静脈情報および口座番号情報を受けると、各情報の暗号化処理を行う(S21)。
【0100】
通信制御部24は、暗号復号化部26が口座番号情報および静脈情報を暗号化すると、暗号化された両情報を携帯端末100に送信する(S22)。
【0101】
携帯端末100の制御部10は、暗号化された口座番号情報および静脈情報を通信部14で受信すると、両情報をデータ登録部13に転送する。
【0102】
データ登録部13は、暗号化された口座番号情報および静脈情報を受けると、まず、口座番号情報を登録口座番号情報として記憶部12に登録し、引き続き、顧客の静脈情報を登録顧客静脈情報として記憶部12に登録する(S23)。
【0103】
制御部10は、データ登録部13が各データの登録を完了すると、図示しない制御プログラムを実行し、登録完了を示す登録完了信号を自動取引装置200に送信する。
【0104】
自動取引装置200の制御部20は、登録完了信号を受信すると、図示しない制御プログラムを実行し、登録完了を示す登録完了画面を表示部27に表示させる(S24)。
【0105】
このように、多くのデータ記憶容量を必要とする登録顧客静脈情報が自己の所有する携帯端末100の記憶部12に登録されることから、金融機関はキャッシュカードに代えて高価なICカードを利用する必要がなくなり、コストアップするのを防止できる。
【0106】
次に、上記したように顧客の静脈情報が登録顧客静脈情報として携帯端末100に登録された自動取引システムにおいて、顧客の生体認証が行われるまでの説明を行う。
【0107】
図3は、顧客の生体認証が行われるまでの動作フローチャートである。
【0108】
自動取引装置200の制御部20は、図示しないメモリの制御プログラムを実行し、顧客が振込、振替、生体情報登録等の手続きを選択するための手続選択画面を表示部27に表示させている(S1)。
【0109】
顧客が取引選択画面を参照し、入力部21を介して、例えば、振込手続きを選択すると(S2)、制御部20は、図示しないメモリの制御プログラムを実行し、顧客に対して図示しないカード挿入部にキャッシュカードを挿入指示するカード挿入指示画面を表示部27に表示させる(S3)。本実施例のキャッシュカードには、少なくとも顧客の口座番号情報が保持されていることとする。
【0110】
読取部22は、顧客によって図示しないカード挿入部にキャッシュカードが挿入されると(S4)、キャッシュカードから口座番号情報の読み取りを行う(S5)
【0111】
制御部20は、読取部22が口座番号情報を読み取ると、口座番号情報を図示しないメモリに保持すると共に、図示しないメモリの制御プログラムを実行し、顧客に対して暗証番号の入力を指示する暗証番号入力画面を表示部27に表示させる(S6)。
【0112】
顧客が暗証番号入力画面を参照し、入力部21を介して、暗証番号情報を入力すると(S7)、制御部20は、メモリに保持されている口座番号情報および入力された暗証番号情報をホストコンピュータ300に送信する。
【0113】
ホストコンピュータ300の制御部30は、口座番号情報および暗証番号情報を受信すると、図示しないメモリに暗証番号情報を保持すると共に、口座番号情報をデータ取得部31に転送する。
【0114】
データ取得部31は、口座番号情報を受けると、口座番号情報に基づいて、顧客DB400を参照し、対応する登録暗証番号情報を取得する。
【0115】
制御部30は、データ取得部31が登録暗証番号情報を取得すると、取得された登録暗証番号情報およびメモリに保持されている暗証番号情報を認証部32に転送する。
【0116】
認証部32は、登録暗証番号情報および暗証番号情報を受けると、両暗証番号を比較して(S8)、両番号が不一致であると、本人認証を無効と判定し(S9:N)、両暗証番号が一致すると、本人認証を有効と判定する(S9:Y)。
【0117】
自動取引装置200の制御部20は、認証部32が本人認証を無効と判定すると、図示しないメモリの制御プログラムを実行し、暗証番号の不一致による認証無効を示す画面を表示部27に表示させ、取引処理を中止させる(S23)。
【0118】
自動取引装置200の制御部20は、認証部32が本人認証を有効と判定すると、図示しないメモリの制御プログラムを実行し、顧客に対し、携帯端末100から暗号化された登録口座番号情報および登録顧客静脈情報を送信するように指示する送信指示画面を表示部27に表示させる(S10)。
【0119】
顧客が送信指示画面にしたがって、携帯端末100の通信部14を自動取引装置200の通信制御部24と通信可能な方向にして、入力部11を介して、送信指示を行うと(S11)、制御部10は、記憶部12に登録されている暗号化された登録口座番号情報および登録顧客静脈情報を通信部14に転送する。
【0120】
通信部14は、暗号化された登録口座番号情報および登録顧客静脈情報を受けると、両情報を自動取引装置200に送信する(S12)。
【0121】
自動取引装置200の制御部20は、暗号化された登録口座番号情報および登録顧客静脈情報を受信すると、両情報を暗号復号化部26に転送する。
【0122】
暗号復号化部26は、暗号化された登録口座番号情報および登録顧客静脈情報を受けると、両情報の復号化処理を行う(S13)。
【0123】
制御部20は、暗号復号化部26が登録口座番号情報および登録顧客静脈情報を復号化すると、両情報を生体認証部25に転送する。
【0124】
生体認証部25は、登録口座番号情報および登録顧客静脈情報を受けると、まず、登録顧客静脈情報を図示しないメモリに保持すると共に、受け付けた登録口座番号情報と、キャッシュカードから読み取られ、メモリに保持されている口座番号情報とを比較し(S14)、両口座番号が不一致であると、本人認証を無効と判定し(S15:N)、両口座番号が一致すると、本人認証を有効と判定する(S15:Y)。
【0125】
制御部20は、生体認証部25が認証無効と判定すると、上記と同様に、本人認証無効を示す画面を表示部27に表示させ、取引処理を中止させる(S23)。
【0126】
制御部20は、生体認証部25が認証有効と判定すると、引き続き、顧客の生体認証をすべく、図示しないメモリの制御プログラムを実行し、生体情報取得部23を起動させると共に、顧客に静脈情報の入力を指示する生体情報入力指示画面を表示部27に表示させる(S16)。
【0127】
生体情報取得部23は、顧客が生体情報入力指示画面にしたがって、自己の指先をセンサに近づけると、センサが顧客の指先が近づけられたのを検知し、該検知した指先から静脈情報を取得する(S17)。
【0128】
制御部20は、生体情報取得部23が顧客の静脈情報を取得すると、顧客の静脈情報を生体認証部25に転送する。
【0129】
生体認証部25は、顧客の静脈情報を受けると、顧客の静脈情報と図示しないメモリに保持された登録顧客静脈情報とを比較し(S18)、両静脈情報が不一致であると、本人認証が無効と判定し(S19:N)、両静脈情報が一致すると、本人認証が有効と判定する(S19:Y)。
【0130】
制御部20は、生体認証部25が認証無効と判定すると、上記同様に、本人認証無効を示す画面を表示部27に表示させ、取引処理を中止させる(S23)。
【0131】
制御部20は、生体認証部25が認証有効と判定すると、図示しないメモリの制御プログラムを実行し、顧客に対し、所望する取引内容を示す取引情報の入力を指示する取引情報入力画面を表示部27に表示させる(S20)。
【0132】
顧客が取引情報入力画面にしたがって取引情報の入力を完了すると(S21)、制御部20は、該取引情報をホストコンピュータ300に送信し、ホストコンピュータ300は、受信した取引情報に基づいて取引処理を行う(S22)。
【0133】
〈実施例の効果〉
本実施例の自動取引システムでは、自動取引装置200により登録顧客生体情報として事前登録すべき顧客の生体情報を取得させ、該取得された生体情報を登録顧客生体情報として自己が所有する携帯端末100の記憶部12に登録するようにしたので、顧客は窓口に出向くことなく、自動取引装置200にて登録顧客生体情報の登録手続きを完了することができる。また、生体認証時には、携帯端末100から登録顧客生体情報を自動取引装置200に送信するようにしたので、登録手続きの完了直後から登録顧客生体情報と自己の生体情報による生体認証を行うことができる。さらに、登録顧客生体情報が携帯端末100の記憶部12に登録されることから、金融機関は、登録顧客生体情報を登録するために、キャッシュカードに代えてデータ記憶容量の大きい高価なICカードを利用する必要がなくなった。従って、登録手続きに伴う煩雑さを軽減させると共に、コストアップするのを防止した利便性の優れた自動取引システムを提供できる。
【産業上の利用可能性】
【0134】
上記実施例の携帯端末100の通信部14及び自動取引装置200の通信制御部24は、赤外線を利用した近距離データ通信により生体情報等を相互に送受信する構成であったが、これに限られることはなく、例えば、携帯端末100に不揮発性メモリと無線通信チップとからなるFeliCA等の非接触通信機能を有する通信部14を設け、自動取引装置200には、該携帯端末100の通信部14を所定位置に近づけるだけで、電波による無線通信で生体情報等を送受信できる通信制御部24を設ける構成としてもよい。これにより、自動取引装置200におけるデータの送受信指示等の操作が簡略化され、手続きの円滑化を図ることができる。
【0135】
上記実施例では、本人認証の完了後、顧客が所望の取引内容を示す取引データの入力を行い、ATMが該取引データに基づいた取引処理を行う構成であったが、これに限られることはなく、例えば、携帯端末100の記憶部12に取引内容を示す取引データを事前に登録し、本人認証の完了後、該登録された取引データをATMに送信することで、顧客の上記した入力作業等の煩雑さを軽減させると共に、円滑な取引処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0136】
【図1】本発明の自動取引システムを示すブロック構成図
【図2】顧客の生体情報が携帯端末に登録されるまでの動作フローチャート
【図3】顧客が生体認証を行うまでの動作フローチャート
【符号の説明】
【0137】
100 携帯端末
10 制御部
11 入力部
12 記憶部
13 データ登録部
14 通信部
200 自動取引装置
20 制御部
21 入力部
22 読取部
23 生体情報取得部
24 通信制御部
25 生体認証部
26 暗号復号化部
27 表示部
28 呼出部
300 ホストコンピュータ
30 制御部
31 データ取得部
32 認証部
400 顧客DB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客から生体情報を取得する生体情報取得部と、前記取得した生体情報と前記顧客の携帯端末から受信した登録顧客生体情報とを比較して生体認証を行う生体認証部とを有する自動取引装置を備える自動取引システムにおいて、
前記自動取引装置は、
前記生体情報取得部に対し、登録顧客生体情報として事前登録すべき顧客の生体情報の取得を指示する指示制御部と、
顧客を本人確認すると、前記取得された顧客の生体情報を前記携帯端末に送信する通信制御部とを備え、
前記携帯端末は、
前記生体情報を受けると、前記生体情報を登録顧客生体情報として記憶部に登録するデータ登録部と、
取引処理時に前記自動取引装置から送信指示を受けると、前記記憶部の登録顧客生体情報を前記自動取引装置に送信する通信部とを備えることを特徴とする自動取引システム。
【請求項2】
前記自動取引装置は、
顧客から顧客認証情報の入力を受け付ける入力部と、
前記入力部より顧客認証情報を受けると、前記顧客認証情報と予め登録された顧客の登録認証情報とを比較し、両認証情報が一致すると、認証有効と判定する認証部とを含み、
前記指示制御部は、前記認証部が認証有効と判定すると、前記生体情報取得部に対し、登録顧客生体情報として事前登録すべき顧客の生体情報の取得を指示することを特徴とする請求項1記載の自動取引システム。
【請求項3】
前記自動取引装置は、
前記生体情報取得部が顧客の生体情報を取得すると、顧客の本人確認を行う係員を呼び出す呼出部を含み、
前記指示制御部は、生体情報の登録時、前記生体情報取得部に対し、前記係員の生体情報の取得を指示し、
前記生体認証部は、前記取得された係員の生体情報と予め登録された登録係員生体情報とを比較し、両生体情報が一致すると、前記顧客の生体情報の登録許可と判定し、
前記通信制御部は、前記生体認証部が登録許可と判定すると、前記取得された顧客の生体情報を前記携帯端末に送信することを特徴とする請求項2記載の自動取引システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−52598(P2007−52598A)
【公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−236792(P2005−236792)
【出願日】平成17年8月17日(2005.8.17)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】