説明

自動製パン機

【課題】粉砕工程でパン容器に高速回転の振れまわり現象が起きることを防止し、騒音を低減することで、騒音による機器の使用環境の制限をなくすことができる自動製パン機を提供する。
【解決手段】本発明は、ブレード回転軸にはコネクタ上が軸支されると共に原動軸にはコネクタ下が軸支され、コネクタ下は3ヶ所以上に等配された凸部を有すると共に、コネクタ上は3ヶ所以上に等配された脚部を有し、パン容器を本体に装着し、原動軸を回転させた際にコネクタ上の脚部が、コネクタ下の凸部の側面に当接するように構成したことを特徴とする自動製パン器である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭用で使用する自動製パン機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の自動製パン機として種々の構造のものが知られている(例えば、特許文献1:特願2009−194125号公報参照)。
【0003】
図17は、従来の自動製パン機の断面図である。
【0004】
図17において、従来の自動製パン機は、本体100内に設けられた焼成室101には、底部にブレード回転軸102を設けたパン容器103が挿入される。ブレード回転軸102には、それに対し回転不能な粉砕ブレード104と、粉砕ブレード104を覆い且つ外面に練り羽根105を備えたドーム状のカバー106が取り付けられる。カバー106とブレード回転軸102の間に介在するクラッチ(図示せず)は、ブレード回転軸102の正方向回転時にカバー106を連結し、ブレード回転軸102の逆方向回転時にはとカバー106を切り離す。パン容器103の底部には、カバー106を収容する凹部108が形成されている。カバー106の外周部と凹部108の内面の間には製パン原料の流動を可能とする間隙109が形成され、カバー106にはカバー内空間とカバー外空間を連通させる窓110が形成されている。
【0005】
また、ブレード回転軸102には、原動軸112よりカップリング113を介して回転力が伝えられる。カップリング113を構成する2部材のうち、一方の部材はブレード回転軸102の下端に固定され、他方の部材は原動軸112の上端に固定される。カップリング113の全体は台座114とパン容器支持部115に囲い込まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特願2009−194125号公報参照
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述のような従来の自動製パン機においては、粉砕工程ではブレード回転軸は約3000〜7000rpmで高速回転する。このとき粉砕工程でのブレード回転軸が高速回転時にブレード回転軸と原動軸の軸中心が一致しない現象が発生し、ブレード回転軸に高速回転の振れまわり現象が起きる。これにより、周囲60〜70dB以上であって話し声も聞こえなくなるほどの騒音が発生し、実際に機器を使用できる環境が大変制限される。特に焼きあがり時間が朝になるよう予約操作を実行した場合などに、深夜に機器から大きな騒音が発生し、睡眠を大きく妨げるなどの不具合が発生する。
【0008】
従って、本発明の目的は、前記課題を解決することにあって、粉砕工程でのブレード回転軸が高速回転時にブレード回転軸と原動軸の軸中心が一致しない現象が発生し、パン容器に高速回転の振れまわり現象が起きることを防止し、高速回転時のブレード回転軸の振れまわりによる騒音を低減することで、騒音による機器の使用環境の制限をなくすことができる自動製パン機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、内部に焼成室が設けられた有底筒状の機器本体と、前記焼成室内に着脱自在に収納され、調理材料を収容するパン容器と、前記パン容器内に収容された調理材料を混錬するための練り羽根と、穀物粒を粉砕するための粉砕ブレードと、前記練り羽根と前記粉砕ブレードを回転させるための回転力を伝達するブレード回転軸と、回転力を供給するモータと、当該モータと接続された原動軸と、を有し、前記ブレード回転軸にはコネクタ上が軸支されると共に前記原動軸にはコネクタ下が軸支され、前記コネクタ下は3ヶ所以上に等配された凸部を有すると共に、前記コネクタ上は3ヶ所以上に等配された脚部を有し、前記パン容器を本体に装着し、前記原動軸を回転させた際に前記コネクタ上の脚部が、前記コネクタ下の凸部の側面に当接するように構成したことを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の自動製パン器であって、前記原動軸は正逆回転可能であって、粉砕工程と練り工程で原動軸の回転方向を正逆別方向とし、前記脚部は、前記凸との当接部形状を正転側と逆転側で異なる形状としたことを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の自動製パン器であって、前記コネクタ上の脚部は前記原動軸の回転時に前記コネクタ下の凸部に当接し、前記脚部は、回転軸の回動方向にて前記凸部に当接し、法線方向は拘束しない構成としたことを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の自動製パン器であって、前記3箇所以上の凸部のうち、少なくとも1ヶ所はその他凸部よりもその高さを高くしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の請求項第1項の自動製パン機によれば、粉砕工程でのブレード回転軸が高速回転時にブレード回転軸と原動軸の軸中心が一致しない現象が発生し、パン容器に高速回転の振れまわり現象が起きることを防止し、高速回転時のブレード回転軸の振れまわりによる騒音を低減することで、騒音による機器の使用環境の制限をなくすことができる自動製パン機を提供することができる。
【0014】
本発明の請求項第2項の自動製パン機によれば、粉砕工程で最適となるコネクタ上とコネクタ下の嵌合形状と練り工程で最適となるコネクタ上とコネクタ下の嵌合形状を個別最適な形状とできるため、粉砕工程では静音となる嵌合形状とし、練り工程では高負荷に耐える嵌合形状とすることが可能となり、特性の異なる2つの工程それぞれで最適な嵌合状態を実現できる。
【0015】
本発明の請求項第3項の自動製パン機によれば、粉砕工程でのブレード回転軸が高速回転時に法線方向での拘束力を受けないため、ブレード回転軸と原動軸との軸中心が一致しやすくなり、高速回転時のブレード回転軸の振れまわり現象が発生しにくく、騒音がさらに低減できる。
【0016】
本発明の請求項第4項の自動製パン機によれば、パン容器を本体にセットする際に、コネクタ上とコネクタ下の嵌合動作において、3ヶ所以上ある凸部の1点がまず先にと右折することで、コネクタ上とコネクタ下の乗り上げを防止し、パン容器をスムーズにセットすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態にかかる自動製パン機の縦断面図。
【図2】本発明の実施形態にかかる自動製パン機の部分拡大図。
【図3】本発明の実施形態にかかる自動製パン機のコネクタ下の斜視図。
【図4】本発明の実施形態にかかる自動製パン機のコネクタ上の斜視図。
【図5】本発明の実施形態にかかる自動製パン機の練り羽根を折りたたんだ状態の粉砕ブレードの下面図。
【図6】本発明の実施形態にかかる自動製パン機の粉砕ブレードの下面斜視図。
【図7】本発明の実施形態にかかる自動製パン機の練り羽根を折りたたんだ状態のパン容器上面図。
【図8】本発明の実施形態にかかる自動製パン機の練り羽根を伸ばした状態のパン容器上面図。
【図9】本発明の実施形態にかかる自動製パン機の練り羽根を伸ばした状態の粉砕ブレードの下面図。
【図10】本発明の実施形態にかかる自動製パン機の制御ブロック図。
【図11】本発明の実施形態にかかる自動製パン機のパン製造工程全体のフローチャート。
【図12】本発明の実施形態にかかる自動製パン機の粉砕工程前含浸工程のフローチャート。
【図13】本発明の実施形態にかかる自動製パン機の粉砕工程のフローチャート。
【図14】本発明の実施形態にかかる自動製パン機の混練工程のフローチャート。
【図15】本発明の実施形態にかかる自動製パン機の発酵工程のフローチャート。
【図16】本発明の実施形態にかかる自動製パン機の焼成工程のフローチャート。
【図17】従来の自動製パン機の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0019】
《実施形態》
以下に本発明の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。
【0020】
図1によれば、自動製パン機1は合成樹脂製の外殻により構成される箱形の本体10を有する。本体10の上面前部には操作部20が設けられる。操作部20には、図示は省略するが、パンの種類(小麦粉パン、米粉パン、具材入りパンなど)の選択キー、調理内容の選択キー、タイマーキー、スタートキー、取り消しキーなどといった操作キー群と、設定された調理内容やタイマー予約時刻などを表示する表示部が設けられている。表示部は液晶表示パネルと発光ダイオードを光源とする表示ランプにより構成される。
【0021】
操作部20から後ろの本体上面は合成樹脂製の蓋30で覆われる。蓋30は図示しない蝶番軸で本体10の背面側の縁に取り付けられており、その蝶番軸を支点として垂直面内で回動する。
【0022】
本体10の内部には焼成室40が設けられる。焼成室40は板金製で、上面が開口しており、ここからパン容器50が入れられる。焼成室40は水平断面矩形の周側壁40aと底壁40bを備える。
【0023】
本体10の内部には板金製の基台12が設置されている。基台12には、焼成室40の中心にあたる箇所に、アルミニウム合金のダイキャスト成型品からなるパン容器支持部13が固定されている。パン容器支持部13の内部は焼成室40の内部に露出している。
【0024】
パン容器支持部13の中心には原動軸14が垂直に支持されている。原動軸14に回転を与えるのはプーリA15、プーリB16である。プーリA15と原動軸14の間、及びプーリB16と原動軸14の間にはそれぞれクラッチが配置されていて、プーリA15を一方向に回転させて原動軸14に回転を伝えるとき、原動軸14の回転はプーリ16には伝わらず、プーリB16をプーリA15とは逆方向に回転させて原動軸14に回転を伝えるとき、原動軸14の回転はプーリA15には伝わらない仕組みになっている。
【0025】
プーリA15を回転させるのは基台12に支持された混練モータ60である。混練モータ60は竪軸であって、下面から出力軸A61が突出する。出力軸A61には、プーリA15にベルトA63で連結するプーリC62が固定されている。混練モータ60自身が低速・高トルクタイプであり、その上プーリC62がプーリA15を減速回転させるので、原動軸14は低速・高トルクで回転する。
【0026】
プーリ16を回転させるのは同じく基台12に支持された粉砕モータ64である。粉砕モータ64も竪軸であって、上面から出力軸B65が突出する。出力軸B65には、プーリB16にベルトB67で連結するプーリD66が固定されている。
【0027】
粉砕モータ64は後述する粉砕ブレードに高速回転を与える役割を担う。粉砕工程ではブレード回転軸は約3000〜7000rpmで高速回転する。そのため、粉砕モータ64には高速回転タイプのものが選定され、プーリD66とプーリB16の減速比もほぼ1:1になるように設定されている。
【0028】
パン容器支持部13は、パン容器50の底面に固定された筒状の台座51を受け入れてパン容器50を支える。台座51もアルミニウム合金のダイキャスト成型品である。
【0029】
パン容器50は板金製で、バケツのような形状をしており、口縁部には手提げ用のハンドル(図示せず)が取り付けられている。パン容器50の水平断面は四隅を丸めた矩形である。
【0030】
パン容器50の底部中心には、ブレード回転軸52が、シール対策を施した上で垂直に支持されている。図2に示すように、ブレード回転軸52の下端には、コネクタ上53が固定され、一方、原動軸14の上端にはコネクタ下54が固定されている。
【0031】
図3は、コネクタ下54の斜視図である。図3に示すように、コネクタ下54には略その円周上近傍に約120度の間隔で凸部54aが3箇所に形成されている。又、この3箇所の凸部54aの内1箇所の凸部54aは他の2箇所の凸部54aよりも高さが高くなるように形成されている。
【0032】
またそれぞれの凸部54aは、左右両側面の表面が曲面である凹形状のくびれ部54bが形成されており、このくびれ部54bは、後述するコネクタ上53の脚部53aが上下方向に移動するのを規制する役目を有している。
【0033】
図4は、コネクタ上53の斜視図である。このコネクタ上53は金属板をプレス加工することにより作成され、略等間隔で3つの脚部53aが形成されている。より具体的には、2つの脚部53aの間の角度が約120度となるように脚部53aが形成されている。
【0034】
又、脚部53aの先端部分は例えばクロロプレンゴム等の弾性材料からなっており、この弾性材料を金属板に一体成型加工することにより、先端部分が作られている。
【0035】
更に、脚部53aの2つの側面には、図4に示すように、コネクタ上53をコネクタ下54に嵌合した際にコネクタ下54のくびれ部54bに当接する当接面53b、53cが形成されている。当接面53cは、脚部53a側面に、軸から垂直な方向に側面の端から端まで伸びている。一方、当接面53bは、左右両端が削れており、中央部が突出した形状となっている。このため、コネクタ上53をコネクタ下54に嵌合した際に、当接面53cはくびれ部54b全体に当接(或いは嵌合)し、一方、当接面53bは、その中央の突出した部分のみがくびれ部54bに当接する。換言すれば、くびれ部54bと当接面53bとが接触する面積よりも、くびれ部54bと当接面53cとが接触する面積の方が大であるといえる。
【0036】
尚、本実施例では、当接面53cがくびれ部54bに多少の隙間がある状態で接触するために当接という表現を用いているが、くびれ部54bと当接面53cとが完全に嵌め合わさるような形状としても良い。この場合はくびれ部54bに当接面53cが嵌合する。
【0037】
又、本実施例では、当接面53bがくびれ部54bに完全に嵌め合わずに接触するために当接という表現を用いている。
【0038】
本実施例装置では、パン容器50を焼成室40内にセットすると、図2に示すように、コネクタ下54にコネクタ上53が嵌合されるが、この状態で原動軸14を回転させると、コネクタ上53の3つの脚部53aは、夫々図3に示すコネクタ下54の嵌合部(本実施例では、くぼみ部54bに相当する)に当接(或いは嵌合)する。この嵌合部は図3に示すコネクタ下54の6箇所に存在する。
【0039】
次に、原動軸14回転時におけるコネクタ上53とコネクタ下54の動作を以下に説明する。
【0040】
本実施例装置では、粉砕モータ64動作時と混練モータ60動作時とでは原動軸14は夫々正逆反対の方向に回転する。
【0041】
粉砕モータが動作した場合には、原動軸14が反時計方向に回転するために、原動軸14に軸支されているコネクタ下54も反時計方向に回転し、コネクタ下54のくびれ部54bにコネクタ上53の当接面53bが当接する。
【0042】
一方、混練モータが動作した場合には、原動軸14が時計方向に回転するために、原動軸14が軸支されているコネクタ下54も時計方向に回転し、コネクタ下54のくびれ部54cにコネクタ上53の当接面53bが当接する。
【0043】
このように、コネクタ上53はコネクタ下54と線もしくは面接触となってと当接する形状となっている。練り時の負荷は粉砕時の負荷より大きいので、高負荷に耐えるよう接触面積を大きくしてある。そしていずれの当接面においても、回転軸に対する法線方向には拘束力が生じないように、法線方向には凹凸ない形状となっている。
【0044】
尚、この嵌合部は本実施例では3箇所とした構成をとっているが、4箇所以上としても良い。この場合、コネクタ上53の脚部53aも4箇所以上形成される必要がある。
【0045】
改めて、図1にて示すとおり、焼成室40の内部に配置された加熱装置41がパン容器50を包囲し、製パン原料を加熱する。加熱装置41はシーズヒータにより構成される。
【0046】
ブレード回転軸52には、パン容器50の底部より少し上の箇所に、粉砕ブレード44が取り付けられる。粉砕ブレード44はブレード回転軸52に対し回転不能とされる。粉砕ブレード44はステンレス鋼板製であり、図5に示すように、飛行機のプロペラのような形状を有している。
【0047】
粉砕ブレード44の中心部はブレード回転軸52に嵌合するハブ44aとなっている。ハブ44aの下面にはハブ44aを直径方向に横断する溝44bが形成されている。ブレード回転軸52を水平に貫く図示しないピンがハブ44aを受け止め、また溝44bに係合して粉砕ブレード44をブレード回転軸52に対し回転不能に連結する。粉砕ブレード44はブレード回転軸52から簡単に引き抜くことができるので、製パン作業終了後の洗浄や、切れ味が悪くなったときの交換を手軽に行うことができる。
【0048】
図6に示すようにブレード回転軸52の上端には平面形状円形のドーム状カバー70が取り付けられる。カバー70はアルミニウム合金のダイキャスト成型品からなり、粉砕ブレード44を覆い隠す。カバー70はブレード回転軸52に回転自在に嵌合し、粉砕ブレード44のハブ44aで受け止められる。カバー70もブレード回転軸52から簡単に引き抜くことができるので、製パン作業終了後の洗浄を手軽に行うことができる。
【0049】
カバー70の外面には、ブレード回転軸52から離れた箇所に配置された垂直な支軸71により、平面形状く字形の練り羽根72が取り付けられている。練り羽根72もアルミニウム合金のダイキャスト成型品である。支軸71は練り羽根72に固定ないし一体化されており、練り羽根72と動きを共にする。
【0050】
練り羽根72は支軸71を中心として水平面内で回動し、図7に示す折り畳み姿勢と、図8に示す開き姿勢の2姿勢をとる。折り畳み姿勢では、練り羽根72はカバー70に形成したストッパ部73に当たっており、それ以上カバー70に対し時計方向回動を行うことができない。練り羽根72の先端は、この時、カバー70から少し突き出している。開き姿勢では、練り羽根72はストッパ部73から離れ、練り羽根72の先端はカバー70から大きく突き出す。
【0051】
カバー70には、カバー内空間とカバー外空間を連通する窓74が形成される。窓74は粉砕ブレード44に並ぶ高さかそれよりも上の位置に配置される。実施形態では計4個の窓74が90°間隔で配置されているが、それ以外の数と配置間隔を選択することもできる。
【0052】
図5および図6に示すように、カバー70の内面には、各窓74に対応して計4個のリブ75が形成されている。各リブ75はカバー70の中心近傍から外周の環状壁まで半径方向に対し斜めに延び、4個合わさって一種の巴形状を構成する。また各リブ75は、それに向かって押し寄せる製パン原料に対面する側が凸となるように湾曲している。粉砕ブレード44はリブ75の下縁をかすめるようにして回転する。
【0053】
カバー70とブレード回転軸52の間にはクラッチ76(図5参照)が介在する。クラッチ76は、混練モータ60が原動軸14を回転させるときのブレード回転軸52の回転方向(この方向の回転を「正方向回転」とする)において、ブレード回転軸52とカバー70を連結する。逆に、粉砕モータ64が原動軸14を回転させるときのブレード回転軸52の回転方向(この方向の回転を「逆方向回転」とする)では、クラッチ76はブレード回転軸52とカバー70の連結を切り離すものである。
【0054】
クラッチ76を構成するのは第1係合体76aと第2係合体76bである。第1係合体76は粉砕ブレード44のハブ44aに固定または一体成形され、従ってブレード回転軸52に回転不能に取り付けられているものである。第2係合体76bは練り羽根72の支軸71に固定または一体成形されており、練り羽根72の姿勢変更に伴って角度を変える。
【0055】
クラッチ76は、練り羽根72の姿勢に応じて連結状態を切り換える。すなわち練り羽根72が図7に示す折り畳み姿勢にあるときは、第2係合体76bは図5の角度にある。この時第2係合体76bは第1係合体76aの回転軌道に干渉しており、ブレード回転軸52が図5において時計方向に、言い換えれば正方向に回転すると、第1係合体76aが第2係合体76bに係合し、ブレード回転軸52の回転力がカバー70及び練り羽根72に伝達される。練り羽根72が図8に示す開き姿勢にあるときは、第2係合体76bは図9の角度となる。この時第2係合体76bは第1係合体76aの回転軌道から退避しており、ブレード回転軸52が図9において反時計方向に、言い換えれば逆方向に回転しても、第1係合体76aと第2係合体76bの間に係合が生じない。従ってブレード回転軸52の回転力はカバー70及び練り羽根72には伝わらない。
【0056】
図1の通り、パン容器50の底部には、粉砕ブレード44とカバー70を収容する凹部55が形成されている。凹部55は平面形状円形で、カバー70の外周部と凹部55の内面の間には、製パン原料の流動を可能とする間隙56が形成されている。
【0057】
自動製パン機1の動作制御は、図10に示す制御装置80によって行われる。制御装置80は本体10内の適所(焼成室40の熱の影響を受けにくい箇所が望ましい)に配置された回路基板により構成され、操作部20及び加熱装置41の他、混練モータ60のモータドライバ81、粉砕モータ64のモータドライバ82、及び温度センサ83が接続される。温度センサ83は焼成室40内に配置され、焼成室40の温度を検知する。84は各構成要素に電力を供給する商用電源である。
【0058】
続いて、自動製パン機1を用いて穀物粒からパンを製造する工程を、図11から図19までの図を参照しつつ説明する。
【0059】
図11は第1態様パン製造工程の全体フローチャートである。図11では、粉砕前含浸工程#10、粉砕工程#20、混練工程#30、発酵工程#40、焼成工程#50の順で工程が進行する。続いて、各工程の内容を説明する。
【0060】
図12に示す粉砕前含浸工程#10では、まずステップ#11において、使用者が穀物粒を計量し、所定量をパン容器50に入れる。穀物粒としては米粒が最も入手しやすいが、それ以外の穀物、例えば小麦、大麦、粟、稗、蕎麦、とうもろこしなどの粒も利用可能である。
【0061】
ステップ#12では使用者が液体を計量し、所定量をパン容器50に入れる。液体として一般的なのは水であるが、だし汁のような味成分を有する液体でもよく、果汁でもよい。アルコールを含有していてもよい。なおステップ#11とステップ#12は順序が入れ替わっても構わない。
【0062】
パン容器50に穀物粒と液体を入れる作業は、パン容器50を焼成室40から出して行ってもよく、パン容器50を焼成室40に入れたまま行ってもよい。
【0063】
焼成室40内のパン容器50に穀物粒と液体を入れたら、あるいは外部で穀物粒と液体を入れたパン容器50をパン容器支持部13に取り付けたら、蓋30を閉じる。このとき、コネクタ上53とコネクタ下54の嵌合箇所が多いと、パン容器50をセットする際に嵌合部以外の箇所で引っかかり等が生じ、パン容器がセットしづらい。しかしながら本例によれば、複数ある嵌合部のうち1箇所のみが凸高さが高くしてある。このことはパン容器50をセットする際に、初めに凸高さを高くした1箇所が当接するが、先端を鋭角な形状としていることにより引っかかりなくコネクタ下54の嵌合部へ凸部が嵌合する。その他の凸部は等配のため、かならず引っかかることなくコネクタ下54の嵌合部と嵌りあう。これにより、3ヶ所以上の複数嵌合部を有する場合においてもスムーズにパン容器50を装着可能にする。
【0064】
引き続き使用者は操作部20の中の所定の操作キーを押し、液体含浸のタイムカウントをスタートさせる。この時点からステップ#13が始まる。
【0065】
ステップ#13では穀物粒と液体の混合物をパン容器50内で静置し、穀物粒に液体を含浸させる。一般的に、液体温度が高くなるほど含浸が促進されるので、加熱手段41に通電して焼成室40の温度を高めるようにしてもよい。
【0066】
ステップ#14では穀物粒と液体の静置を開始してからどれだけ時間が経過したかを制御装置80がチェックする。所定時間が経過したら粉砕前含浸工程#10は終了する。このことは、操作部20における表示や、音声などで使用者に報知される。
【0067】
粉砕前含浸工程#10に続き、図13に示す粉砕工程#20が遂行される。使用者が操作部20を通じ粉砕作業データ(穀物粒の種類や量、これから焼くパンの種類など)を入力し、スタートキーを押すと、ステップ#21が開始される。
【0068】
ステップ#21では制御装置80が粉砕モータ64を駆動し、ブレード回転軸52を逆方向回転させる。すると、穀物粒と液体の混合物の中で粉砕ブレード44が回転を開始する。カバー70もブレード回転軸52に追随して回転を開始する。この時のカバー70の回転方向は図8において時計方向であり、練り羽根72は、それまで折り畳み姿勢であった場合には、穀物粒と液体の混合物から受ける抵抗で開き姿勢に転じる。練り羽根72が開き姿勢になると、クラッチ76は、第2係合体76bが第1係合体76aの回転軌跡から退避することにより、ブレード回転軸52とカバー70の連結を切り離す。同時に、開き姿勢になった練り羽根72は図8に示すようにパン容器50の内側壁に当たり、カバー70の回転を阻止する。以後、ブレード回転軸52と粉砕ブレード44が逆方向に高速回転する。カバー70と練り羽根72が停止しているため、粉砕ブレード44が高速回転しても、穀物粒と液体の混合物がパン容器50の中で渦を巻かない。そのため、渦が周縁で盛り上がり、パン容器50の外にこぼれるようなこともない。
【0069】
カバー70が回転を止めている間、粉砕ブレード44は高速回転して穀物粒を粉砕する。ブレード回転軸52は約3000〜7000rpmで高速回転する。粉砕ブレード44による粉砕は、穀物粒に液体が浸み込んだ状態で行われるから、穀物粒を芯まで容易に粉砕することができる。カバー70の中心近傍から外周の環状壁まで延びるリブ75が、穀物粒と液体の混合物の、粉砕ブレード44の回転方向と同方向の流動を抑制し、粉砕を助ける。すなわち、リブ75が混合物の流れを変更し、粉砕ブレード44との衝突機会を増やすように作用する。粉砕はカバー70の中で行われるから、穀物粒がパン容器50の外に飛び散ることもない。
【0070】
ここで、粉砕工程にて原動軸14が高速回転し、コネクタ下54とコネクタ上53の嵌合によりブレード回転軸52が約3000〜7000rpmで高速回転するが、原動軸14とブレード回転軸52の軸中心が一致せずにずれてしまうと、振れまわり現象が発生し、パン容器50を大きく振動させる。混練工程の回転数は300〜600rpm程度であるが、粉砕工程の回転数は比較してはるかに高い回転数であるため、ちょっとした軸中心のずれによる振れまわり減少がパン容器50にとても大きな振れまわり振動を発生させる。この振動が本体1全体に伝わり、外部へ大きな騒音となって機器より発生する。この騒音は60〜70dB以上の大きな騒音であり、70dBはおよそ電話のベルの音である。粉砕工程は一定時間ブレード回転軸52を連続高速回転(約1分間)させた後に、休止状態を一定時間(約5分程度)を1セットとして10セット繰り返す。したがって、およそ1時間程度の間、間欠的に70dBの騒音が発生する。このことは機器を使用する上で周囲への騒音を気にしなければならず、特に朝のパン焼き上がりを指定した予約動作実行時に夜中に70dBもの騒音がする。すなわち騒音に対する使用環境に大幅な制約を受ける。
【0071】
しかしながら、本例によれば3ヶ所以上であって等配された嵌合部にてコネクタ下54とコネクタ上53が嵌合している。そして原動軸14とブレード回転軸52の軸ずれがあった場合、ずれの力が回転軸に対してアンバランスな状態となるが、法線方向にてアンバランスな力を釣り合うよう逆にバランスを取り、高速回転になればなるほど、原動軸14とブレード回転軸52の中心軸を合わせるようにコネクタ下54とコネクタ上53の嵌合状態が変化する。特に本例では回転軸に対する法線方向に凹凸がない形状となっており、法線方向に嵌合位置が移動可能な構成となっているので、原動軸14が高速回転するとすぐに軸中心が一致する。独楽が回転すると回転中心軸に対して、独楽が倒立するのと同じである。中心軸が一致することで、パン容器50の振れまわりが発生しない。これにより粉砕工程での高速回転時にも振れまわりによる騒音は発生せず、騒音による機器の使用環境の制限がなくなる。
【0072】
ここで、粉砕工程でのブレード回転軸が高速回転時にブレード回転軸と原動軸の軸中心が一致しない現象が発生し、パン容器に高速回転の振れまわり現象が起きることを防止し、高速回転時のブレード回転軸の振れまわりによる騒音を低減することで、騒音による機器の使用環境の制限をなくすことができる。
【0073】
また、粉砕モータ動作時のコネクタ下54とコネクタ上53の嵌合部における当接面53bは先端が細くとがった形状となっている。このことは嵌合部の摩擦力を軽減し、回転に対する中心軸の一致をしやすくする。また、高速回転において弾性のある材料にて当接面53bを構成しているため、スムーズに嵌合部が当接する。このこともコネクタ下54とコネクタ上53の嵌合において、不要な振動を防止し、騒音が低減する一因となる。
【0074】
粉砕された穀物粒と液体の混合物はリブ75により窓74の方向に誘導され、窓74を通じてカバー70の外に排出される。リブ75は、それに向かって押し寄せる穀物粒と液体の混合物に対面する側が凸となるように湾曲しているので、穀物粒と液体の混合物はリブ75の表面に滞留しにくく、スムーズに窓74の方へ流れて行く。
【0075】
カバー70の内部から穀物粒と液体の混合物が排出されるのと入れ替わりに、凹部55の上に存在した穀物粒と液体の混合物が、間隙56を通じて凹部55に入り、凹部55からカバー70の中に入る。カバー70の中で穀物粒は粉砕ブレード44により粉砕され、カバー70の窓74から凹部55の上に戻る。このように穀物粒を循環させつつ粉砕を行うことにより、穀物粒を効率良く粉砕することができる。リブ75の存在により、粉砕ブレード44が生成した粉砕物は速やかに窓74へ誘導され、カバー70の中に滞留しないから、粉砕能率はさらに向上する。
【0076】
窓74が配置されているのは粉砕ブレード44に並ぶ高さかそれよりも上の位置なので、粉砕された穀物粒と液体の混合物がカバー70から排出される方向は水平か斜め上向きとなり、穀物粒の循環が促進される。
【0077】
ステップ#22では、所望の粉砕穀物粒を得るために設定通りの粉砕パターン(粉砕ブレードを連続回転させるか、停止期間を織り交ぜて断続回転させるか、断続回転させる場合、どのようにインターバルをとるか、回転時間の長さをどのようにするか等)が完遂されたかどうかを制御装置80がチェックする。
【0078】
設定通りの粉砕パターンが完遂されたらステップ#23に進んで粉砕ブレード44の回転を終了し、粉砕工程#20は終了する。このことは、表示部22における表示や、音声などで使用者に報知される。
【0079】
以上の説明では、粉砕前含浸工程#10の後、使用者の操作で粉砕工程#20が開始されるものとしたが、使用者が粉砕前含浸工程#10の前か、粉砕前含浸工程#10の途中で粉砕作業データを入力すれば、粉砕前含浸工程#10の終了後、自動的に粉砕工程#20が開始されるように構成してもよい。
【0080】
粉砕工程#20に続き、図14に示す混練工程#30が遂行される。混練工程#30に入る時点では、パン容器50の中の穀物粒と液体は、ペースト状またはスラリー状の生地原料となっている。なお本明細書では、混練工程#30の開始時点のものを「生地原料」と呼称し、混練が進行して目的とする生地の状態に近づいたものは、半完成状態であっても「生地」と呼称することとする。
【0081】
ステップ#31では使用者が蓋30を開け、生地原料に所定量のグルテンを投入する。必要に応じ、食塩、砂糖、ショートニングといった調味材料も投入する。自動製パン機1にグルテンや調味材料の自動投入装置を設けておき、使用者の手を煩わすことなくそれらを投入する構成にすることもできる。
【0082】
使用者は、ステップ#31に前後して、操作部20よりパンの種類や調理内容の入力を行う。準備が整ったところで使用者がスタートキーを押すと、混練工程#30から発酵工程#40、さらに焼成工程#50へと自動的に連続する製パン作業が開始される。
【0083】
ステップ#32では、制御装置80は混練モータ60を駆動する。ブレード回転軸52が正方向に回転し、それに追随してカバー70が正方向に回転すると、生地原料からの抵抗を受けて練り羽根72が開き姿勢から折り畳み姿勢に転じる。これを受けてクラッチ76は、第2係合体76bが第1係合体76aの回転軌跡に干渉する角度となることにより、ブレード回転軸52とカバー70を連結し、カバー70と練り羽根72はブレード回転軸52と一体になって正方向に回転する。
【0084】
混練モータ60の動作時はコネクタ下54とコネクタ上53の嵌合は粉砕モータ64動作時と反対側の側面の当接面53cで当接する。粉砕工程では、水と米を粉砕ブレード44で攪拌するためにコネクタ上53とコネクタ下54の嵌合部に掛かる負荷は小さい。しかし、混練工程では生地をこねる動作をするためにコネクタ上53とコネクタ下54の嵌合部に掛かる負荷が大きく、粉砕工程側の当接面53bの形状では負荷が大きく、逆に嵌合状態が安定しない。しかし、本例のように、コネクタ上53とコネクタ下54は線もしくは面接触となって当接する形状とするなら、当接面の接触面積が大きく、生地練りによる高負荷状態においても安定した嵌合状態を実現できる。このように粉砕工程と混練工程で当接面を違った当接面となるようにし、形状を違った形状とすることで、いずれの工程においても安定した嵌合状態が可能となる。
【0085】
制御装置80は、加熱装置41に通電し、焼成室40の温度を上げる。練り羽根72が回転するに従い生地原料は混練され、所定の弾力を備える、一つにつながった生地(dough)に練り上げられて行く。練り羽根72が生地を振り回してパン容器50の内壁にたたきつけることにより、混練に「捏ね」の要素が加わることになる。
【0086】
カバー70が回転すればリブ75も回転する。リブ75が回転することにより、カバー70内の生地原料は速やかに窓74から排出され、練り羽根72が混練している生地原料の塊に同化する。
【0087】
ステップ#33では練り羽根72の回転開始以来どれだけ時間が経過したかを制御装置80がチェックする。所定時間が経過したらステップ#34に進む。
【0088】
ステップ#34では使用者が蓋30を開け、生地にイースト菌を投入する。この時生地に投入するイースト菌はドライイーストでよい。イースト菌の代わりにベーキングパウダーを用いてもよい。イースト菌やベーキングパウダーについても自動投入装置を採用し、使用者の手間を省くことができる。
【0089】
ステップ#35では生地にイースト菌を投入してからどれだけ時間が経過したかを制御装置80がチェックする。所望の生地を得るのに必要な時間が経過したらステップ#36へ進んで練り羽根72の回転が終了する。この時点で、一つにつながり、所要の弾力を備えた生地が完成している。生地の大部分は凹部55より上に留まり、凹部55の中に入り込む量は僅かである。
【0090】
具材入りパンを焼く場合は、混練工程#30のいずれかのステップで具材を投入する。具材投入についても自動投入装置の採用が可能である。
【0091】
混練工程#30に続き、図15に示す発酵工程#40が遂行される。ステップ#41では混練工程#30を経た生地が発酵環境に置かれる。すなわち制御装置80は焼成室40を、必要があれば加熱装置41に通電して、発酵が進む温度帯とする。使用者は生地を、必要に応じ形を整えて静置する。
【0092】
ステップ#42では生地を発酵環境に置いてからどれだけ時間が経過したかを制御装置80がチェックする。所定時間が経過したら発酵工程#40は終了する。
【0093】
発酵工程#40に続き、図16に示す焼成工程#50が遂行される。ステップ#51では発酵した生地が焼成環境に置かれる。すなわち制御装置80はパン焼きに必要な電力を加熱装置41に送り、焼成室40の温度をパン焼き温度帯まで上昇させる。
【0094】
ステップ#52では生地を焼成環境に置いてからどれだけ時間が経過したかを制御装置80がチェックする。所定時間が経過したら焼成工程#50は終了する。ここで表示部22における表示または音声により製パン完了の報知がなされるので、使用者は蓋30を開けてパン容器50を取り出す。そしてパン容器50からパンを取り出す。パンの底には練り羽根72の抜き跡が残るが、カバー70は凹部55の中に収容された状態であり、パン容器50の底部から突き出していないため、パンの底に大きな抜き跡を残すようなことはない。
【0095】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明にかかる自動製パン機は、粉ではなく穀物の状態からパンを焼ける。このとこは特に、一般に家庭用に使用される製パン機として有用である。
【符号の説明】
【0097】
1 本体
14 原動軸
40 焼成室
50 パン容器
52 ブレード回転軸
53 コネクタ上
53b 当接面
53c 当接面
54 コネクタ下
54a 凸部
60 混練モータ
64 粉砕モータ
63 ベルトA
72 練り羽根

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に焼成室が設けられた有底筒状の機器本体と、前記焼成室内に着脱自在に収納され、調理材料を収容するパン容器と、前記パン容器内に収容された調理材料を混錬するための練り羽根と、穀物粒を粉砕するための粉砕ブレードと、前記練り羽根と前記粉砕ブレードを回転させるための回転力を伝達するブレード回転軸と、回転力を供給するモータと、当該モータと接続された原動軸と、を有し、前記ブレード回転軸にはコネクタ上が軸支されると共に前記原動軸にはコネクタ下が軸支され、前記コネクタ下は3ヶ所以上に等配された凸部を有すると共に、前記コネクタ上は3ヶ所以上に等配された脚部を有し、前記パン容器を本体に装着し、前記原動軸を回転させた際に前記コネクタ上の脚部が、前記コネクタ下の凸部の側面に当接するように構成したことを特徴とする自動製パン器。
【請求項2】
前記原動軸は正逆回転可能であって、粉砕工程と練り工程で原動軸の回転方向を正逆別方向とし、前記脚部は、前記凸との当接部形状を正転側と逆転側で異なる形状としたことを特徴とする請求項1に記載の自動製パン機。
【請求項3】
前記コネクタ上の脚部は前記原動軸の回転時に前記コネクタ下の凸部に当接し、
前記脚部は、回転軸の回動方向にて前記凸部に当接し、法線方向は拘束しない構成としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の自動製パン機。
【請求項4】
前記3箇所以上の凸部のうち、少なくとも1ヶ所はその他凸部よりもその高さを高くしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の自動製パン機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−99446(P2013−99446A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−245139(P2011−245139)
【出願日】平成23年11月9日(2011.11.9)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】