説明

自動車のバンパーフェース構造

【課題】 前方からの衝突および上方からの衝突の衝突エネルギーをバンパーフェース上部で有効に吸収できるようにする。
【解決手段】 バンパーフェース本体部11aの上部に連なるバンパーフェース上部11bの下面とバルクヘッド20の上面とを接続する合成樹脂製の板状ブラケット18は、略平坦なブラケット本体部28と、ブラケット本体部28からバンパーフェース上部11bの下面に向かって上向きに突出する衝撃吸収部29とを備えるので、前方からの衝突の衝突エネルギーを衝撃吸収部29を含む板状ブラケット18の前後方向の座屈により吸収し、上方からの衝突の衝突エネルギーを板状ブラケット18の衝撃吸収部29の圧壊により吸収することが可能となり、前方からの衝突および上方からの衝突の何れの場合にも効果的なエネルギー吸収効果を得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バンパーフェース本体部の上部に連なるバンパーフェース上部をバルクヘッドの上部でフロントフードの前端に臨ませた自動車のバンパーフェース構造に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のフロントフードが、アウターパネル11と、アウターパネル11の下面に結合されるインナーパネル12と、アウターパネル11およびインナーパネル12に挟まれた空間の前部に配置されたフードロックリインフォースメント13と、アウターパネル11およびフードロックリインフォースメント13に挟まれた空間に配置された補助リインフォースメント14とを備え、フードロックリインフォースメント13の前端はフロントフードの前端から所定距離後方に位置するように配置されるとともに、補助リインフォースメント14はフロントフードの前端からフードロックリインフォースメント13の後端付近まで延びるように配置されたものが、下記特許文献1により公知である。
【0003】
このフロントフードによれば、自動車の前面衝突時に、フードロックリインフォースメント13の前端よりも前方のアウターパネル11およびインナーパネル12が補助リインフォースメント14と共に圧壊して衝突エネルギーを吸収することができる。
【0004】
またアウターパネル1およびインナーパネル2を結合した自動車のフロントフードの前部空間に断面が三角形状のレインフォース4を配置し、そのレインフォース4の後端の固定部3をインナーパネル2に固定し、前端の第2屈曲部44をインナーパネル2の係止部21に係止し、中央の第1屈曲部41をアウターパネル1の下面に向かって上向きに突出させたものが、下記特許文献2により公知である。
【0005】
このフロントフードによれば、前方から衝突荷重が加わると第2屈曲部44が係止部21から外れてレインフォース4が前後方向に座屈することで衝突エネルギーを吸収し、上方から衝突荷重が加わるとアウターパネル1の下面により第1屈曲部41が下向きに押されてレインフォース4が上下方向に座屈することで衝突エネルギーを吸収することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−44544号公報
【特許文献2】特開2001−278120号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1に記載されたものは、衝突荷重が上方から入力した場合に、補助リインフォースメント14が衝突エネルギーを有効に吸収するための考慮がなされていない問題があった。
【0008】
また上記特許文献2に記載されたものは、上方から強い衝突荷重が入力した場合に、レインフォース4の第2屈曲部44がインナーパネル2の係止部21から外れてしまい、レインフォース4が上下方向に簡単に座屈して衝突エネルギーを有効に吸収できない可能性があった。
【0009】
バルクヘッドの上部から車体前方に張り出す部分がフロントフードと一体に構成されておらず、バンパーフェース本体部から上方に張り出すバンパーフェース上部で構成されている場合には、自動車の前面衝突時にバンパーフェース上部で前方および上方からの衝突エネルギーを有効に吸収することが必要になる。
【0010】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、前方からの衝突および上方からの衝突の衝突エネルギーをバンパーフェース上部で有効に吸収できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、バンパーフェース本体部の上部に連なるバンパーフェース上部をバルクヘッドの上部でフロントフードの前端に臨ませた自動車のバンパーフェース構造において、前部が前記バンパーフェース上部の下面に接続されて後部が前記バルクヘッドの上面に接続された合成樹脂製の板状ブラケットを備え、前記板状ブラケットは、略平坦なブラケット本体部と、前記ブラケット本体部から前記バンパーフェース上部の下面に向かって上向きに突出する衝撃吸収部とを備えることを特徴とする自動車のバンパーフェース構造が提案される。
【0012】
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記衝撃吸収部は、車体前後方向に延びる左右の側壁部と、前記左右の側壁部の上部間を接続して上方に凸に湾曲する上壁部とを備え、前記上壁部は左右方向に延びる複数の陵線を介して前後方向に連なる複数の面で構成されることを特徴とする自動車のバンパーフェース構造が提案される。
【0013】
また請求項3に記載された発明によれば、請求項1または請求項2の構成に加えて、前記上壁部の前記稜線の数は、前記衝撃吸収部の前部側よりも後部側において多いことを特徴とする自動車のバンパーフェース構造が提案される。
【0014】
また請求項4に記載された発明によれば、請求項1〜請求項3の何れか1項の構成に加えて、前記衝撃吸収部には、その強度を局部的に低下させる脆弱部が形成されることを特徴とする自動車のバンパーフェース構造が提案される。
【0015】
また請求項5に記載された発明によれば、請求項1〜請求項4の何れか1項の構成に加えて、前記バンパーフェース上部の前面に装飾品を備えることを特徴とする自動車のバンパーフェース構造が提案される。
【0016】
尚、実施の形態のエンブレム11dは本発明の装飾品に対応し、実施の形態の側壁部29aおよび薄肉部29cは本発明の脆弱部に対応する。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の構成によれば、バンパーフェース本体部の上部に連なるバンパーフェース上部の下面とバルクヘッドの上面とを接続する合成樹脂製の板状ブラケットは、略平坦なブラケット本体部と、ブラケット本体部からバンパーフェース上部の下面に向かって上向きに突出する衝撃吸収部とを備えるので、前方からの衝突の衝突エネルギーを衝撃吸収部を含む板状ブラケットの前後方向の座屈により吸収し、上方からの衝突の衝突エネルギーを板状ブラケットの衝撃吸収部の圧壊により吸収することが可能となり、前方からの衝突および上方からの衝突の何れの場合にも効果的なエネルギー吸収効果を得ることができる。
【0018】
また請求項2の構成によれば、衝撃吸収部は、車体前後方向に延びる左右の側壁部と、左右の側壁部の上部間を接続して上方に凸に湾曲する上壁部とを備えるボックス構造であるため、その潰れ代を充分に確保してエネルギー吸収量を増加させることができる。また上壁部は左右方向に延びる複数の陵線を介して前後方向に連なる複数の面で構成されるので、稜線を折れ線として上壁部を変形を促進することができる。
【0019】
また請求項3の構成によれば、上壁部の稜線の数が、衝撃吸収部の前部側よりも後部側において多いので、前方からの衝突および上方からの衝突の何れの場合においても衝撃吸収部を適切に変形させることができる。
【0020】
また請求項4の構成によれば、衝撃吸収部にその強度を局部的に低下させる脆弱部を形成したので、脆弱部を起点として衝撃吸収部の変形を促すことでエネルギー吸収量のコントロールを可能にすることができる。
【0021】
また請求項5の構成によれば、バンパーフェース上部の前面に装飾品を備えるので、車体前部の美観を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】自動車の車体前部の斜視図。
【図2】図1の2−2線断面図。
【図3】図1の3部拡大図。
【図4】図3の4−4線断面図。
【図5】図2の5方向矢視図。
【図6】前方からの衝突時の作用説明図。
【図7】前上方からの衝突時の作用説明図。
【図8】上方前寄りからの衝突時の作用説明図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図1〜図8に基づいて本発明の実施の形態を説明する。尚、本明細書における前方、後方、右方および左方は、運転席に着座した乗員を基準として定義される。
【0024】
図1および図2に示すように、自動車のフロントバンパー11、左右のフロントフェンダー12,12およびフロントガラス13に挟まれた位置に配置されてエンジンルーム14の上方を覆うフロントフード(ボンネットフード)15は、その骨格を構成するフードフレーム16と、フードフレーム16の上面に重ね合わされるフードスキン17とを備える。
【0025】
フロントバンパー11は、バンパーフェース本体部11aと、バンパーフェース本体部11aの左右方向中央部から上方に突出するバンパーフェース上部11bと、バンパーフェース本体部11aの下部に形成された開口よりなるエアインテーク部11cと、バンパーフェース上部11bの前面に設けられた装飾用のエンブレム11dとを備えており、フロントフード15を閉じた状態で、バンパーフェース上部11bの後縁はフロントフード15の前縁に連続的に連なっている。
【0026】
図2および図5に示すように、後端を車体にヒンジ結合されたフロントフード15の前部を閉位置でバルクヘッド20の上部に係止すべく、フードフレーム16の前部に前部ブラケット21、後部ブラケット22およびストライカブラケット23を介してストライカ24が支持される。前部ブラケット21は矩形状の鋼板を左右方向に延びる複数の折れ線で折り曲げたもので、その前縁がフードフレーム16の前部下面に溶接w1される。
【0027】
また後部ブラケット22は矩形状の鋼板を左右方向に延びる複数の折れ線で折り曲げたもので、その後縁がフードフレーム16の前部下面に溶接w2される。そして上方に開口する「コ」字状のストライカ24が溶接w3された矩形状のストライカブラケット23が、前部ブラケット21の後縁および後部ブラケット22の前縁に溶接w4,w5される。一方、バルクヘッド20の上部後面に溶接w6された支持ブラケット26にフードロック27が支持されており、フードロック27のロック爪27aがストライカ24に係合することでフロントフード15が閉位置に係止される。
【0028】
図1〜図4に示すように、バンパーフェース上部11bの下面とバルクヘッド20の上面とが、合成樹脂製の板状ブラケット18で接続される。左右方向に細長い形状の板状ブラケット18は、その前縁がバンパーフェース上部11bの下面にタッピングスクリュー19…で固定され、その後縁がバルクヘッド20の上面にリベット25…で固定される。板状ブラケット18は概ね平坦なブラケット本体部28と、ブラケット部28から上方にボックス状に隆起する3個の同一形状の衝撃吸収部29…とを備える。
【0029】
各衝撃吸収部29は、ブラケット本体部28から側部折れ線a,aを介して立ち上がる左右一対の五角形状の側壁部29a,29aと、両側壁部29a,29aの上縁間を接続する上壁部29bとを備える。上壁部29bの前縁および後縁は前部折れ線bおよび後部折れ線cを介してブラケット本体部28に接続するとともに、左右方向に延びる3本の稜線d,e,fによって四つの面A,B,C,Dに分割されている。四つの面A,B,C,Dが3本の折れ線d,e,fにおいて成す角度は、衝撃吸収部29の外側(上側)に向かって凸である。両側壁部29a,29aの厚さは上壁部29bの厚さおよびブラケット本体部28の厚さよりも薄くなっており、その側壁部29a,29a自体が上壁部29bおよびブラケット本体部28よりも脆弱な脆弱部を構成している。
【0030】
後側の2本の稜線e,fの下面と、衝撃吸収部29の後方に左右方向に形成された稜線g,hの下面とに、その肉厚を減少させる溝状の薄肉部29c…(図2の円内参照)が形成されており、これらの薄肉部29c…によって板状ブラケット18の強度が局部的に低くなっている。
【0031】
衝撃吸収部29の上壁部29bの四つの面A,B,C,Dのうち、稜線d,eに挟まれた最も大きい面Bは、バンパーフェース上部11bの下面に沿っている。面Bには前後方向に延びる3本の接着剤塗布溝29d…が形成されており、これらの接着剤塗布溝29d…に塗布された接着剤30(図2参照)で面Bがバンパーフェース上部11bの下面に接着される。
【0032】
上壁部29bのブラケット本体部28からの上方への突出高さは衝撃吸収部29の前部側よりも後部側において高くなっている。即ち、上壁部29bの後部側にある前から2本目の稜線eが最も高くなっている。また3本の稜線d,e,fのうちの前から1本目の稜線dが衝撃吸収部29の前部側にあり、前から2本目および3本目の稜線e,fが衝撃吸収部29の後部側にある。即ち、3本の稜線d,e,fは衝撃吸収部29の後半部に密に配置される。
【0033】
次に、上記構成を備えた本発明の実施の形態の作用を説明する。
【0034】
自動車が歩行者等の障害物に前面衝突したとき、剛性の高いバルクヘッド20から前方に張り出す部分、つまりバンパーフェース上部11bおよび板状ブラケット18で構成された部分が変形して衝突エネルギーを吸収する。
【0035】
図6に示すように、フロントバンパー11に例えば歩行者の腰部が接触して前方からの衝突荷重F1が入力すると、板状ブラケット18の各衝撃吸収部29が前後方向に圧縮され、その上壁部29bの前部折れ線b、稜線d,e,fおよび後部折れ線cならびに衝撃吸収部29の後方の稜線g,hが押し潰されて強く屈曲することで板状ブラケット18が前後方向に座屈し、これと同時にバンパーフェース上部11bが下向きに折れ曲がることで、バンパーフェース上部11bが大きなストロークS1で後退して衝突エネルギーが効果的に吸収される。
【0036】
このとき、衝撃吸収部29の側壁部29a,29aは薄肉に形成されていて容易に破断するため、上壁部29bの座屈を促進してエネルギー吸収効果を高めることができる。また稜線e,f,g,hの下面に溝状の薄肉部29c…が形成されているため、稜線e,f,g,hにおける板状ブラケット18の折れ曲がりが促進されてエネルギー吸収効果が更に高められる。
【0037】
図7に示すように、フロントバンパー11に例えば歩行者の大腿部が接触して前上方からの衝突荷重F2が入力すると、板状ブラケット18がバルクヘッド20にリベット25…で固定された位置を支点にして、板状ブラケット18およびバンパーフェース上部11bに下向きの曲げモーメントが作用し、それらが下向きに撓み変形する。このとき、板状ブラケット18の各衝撃吸収部29の薄肉に形成された側壁部29a,29aが容易に破断することで、上壁部29bの稜線d,e,fおよび後部折れ線cならびに衝撃吸収部29の後方の稜線g,hが引き伸ばされながら下向きに変形するため、バンパーフェース上部11bが後下方に大きなストロークS2で後退して衝突エネルギーが効果的に吸収される。
【0038】
この場合にも、衝撃吸収部29の側壁部29a,29aの破断と、稜線e,f,g,hの下面の薄肉部29c…の拡開とによって衝撃吸収部29の潰れ変形が促進されるため、エネルギー吸収効果が高められる。
【0039】
図8に示すように、フロントバンパー11に例えば歩行者の頭部が接触して上方前寄りからの衝突荷重F3が入力した場合には、比較的に硬い頭部から板状ブラケット18の衝撃吸収部29に局部的な荷重が作用するため、衝撃吸収部29の薄肉に形成された側壁部29a,29aや、衝撃吸収部29の周囲の側部折れ線a,a、前部折れ線bおよび後部折れ線cが破断して上壁部29bが押し潰されるように圧壊することで、衝突エネルギーが効果的に吸収される。衝突荷重が大きい場合には、板状ブラケット18が例えば後部折れ線cの位置で破断することもあり、この破断によって衝撃吸収ストロークが更に増加する。
【0040】
以上のように、フロントバンパー11に対する前方からの衝突の場合には、衝突エネルギーを板状ブラケット18全体の前後方向の座屈により吸収し、前上方ないし上方前寄りからの衝突エネルギーを板状ブラケット18の衝撃吸収部29の圧壊により吸収することが可能となり、前方からの衝突および上方からの衝突の何れの場合にも効果的なエネルギー吸収効果を得ることができる。しかも衝突時以外の通常時には、衝撃吸収部29…が補強リブとして機能して板状ブラケット18の剛性が高められるため、フロントフード15の開閉に伴う衝撃等には充分に耐えることができる。
【0041】
また板状ブラケット18の衝撃吸収部29は、左右の側壁部29a,29aと、それらの上部間を接続して上方に凸に湾曲する上壁部29bとを備えるボックス構造であるため、その潰れ代を充分に確保してエネルギー吸収量を増加させることができる。また上壁部29bは左右方向に延びる複数の陵線d,e,fを介して前後方向に連なる四つの面A,B,C,Dで構成されるので、稜線d,e,fを折れ線として上壁部29bの変形を促進することができるだけでなく、上壁部29bのブラケット本体部28からの上方への突出高さは衝撃吸収部29の前部側よりも後部側において高いので、衝突荷重が前上方から入力された場合に上壁部29bを効果的に変形させることができる。しかも上壁部29bの稜線d,e,fの数が、衝撃吸収部29の前部側よりも後部側において多いので、前方からの衝突および上方からの衝突の何れの場合にも衝撃吸収部29を適切に変形させることができる。
【0042】
また衝撃吸収部29の薄肉に形成した側壁部29a,29aあるいは薄肉部29cを形成した稜線e,fが起点となって衝撃吸収部29の変形を促すことで、エネルギー吸収量のコントロールを可能にすることができる。しかも板状ブラケット18は左右方向に並置された3個の衝撃吸収部29…を備えるので、板状ブラケット18の前部の車幅方向の任意の位置で衝撃吸収性能を高めることができる。
【0043】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0044】
例えば、実施の形態では板状ブラケット18が3個の衝撃吸収部29…を備えているが、衝撃吸収部29の数は任意である。
【0045】
また実施の形態では衝撃吸収部29の上壁部29bが3本の稜線d,e,fを備えているが、稜線の数は任意である。
【0046】
また実施の形態では衝撃吸収部29の脆弱部を稜線e,f上に形成した薄肉部29c,29cで構成し、あるいは薄肉の側壁部29a,29a自体で構成しているが、衝撃吸収部29に形成した開口や切欠きで脆弱部を構成することができる。
【符号の説明】
【0047】
11a バンパーフェース本体部
11b バンパーフェース上部
11d エンブレム(装飾品)
15 フロントフード
18 板状ブラケット
20 バルクヘッド
28 ブラケット本体部
29 衝撃吸収部
29a 側壁部(脆弱部)
29b 上壁部
29c 薄肉部(脆弱部)
A,B,C,D 面
d,e,f 陵線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バンパーフェース本体部(11a)の上部に連なるバンパーフェース上部(11b)をバルクヘッド(20)の上部でフロントフード(15)の前端に臨ませた自動車のバンパーフェース構造において、
前部が前記バンパーフェース上部(11b)の下面に接続されて後部が前記バルクヘッド(20)の上面に接続された合成樹脂製の板状ブラケット(18)を備え、前記板状ブラケット(18)は、略平坦なブラケット本体部(28)と、前記ブラケット本体部(28)から前記バンパーフェース上部(11b)の下面に向かって上向きに突出する衝撃吸収部(29)とを備えることを特徴とする自動車のバンパーフェース構造。
【請求項2】
前記衝撃吸収部(29)は、車体前後方向に延びる左右の側壁部(29a)と、前記左右の側壁部(29a)の上部間を接続して上方に凸に湾曲する上壁部(29b)とを備え、前記上壁部(29b)は左右方向に延びる複数の陵線(d,e,f)を介して前後方向に連なる複数の面(A,B,C,D)で構成されることを特徴とする、請求項1に記載の自動車のバンパーフェース構造。
【請求項3】
前記上壁部(29b)の前記稜線(d,e,f)の数は、前記衝撃吸収部(29)の前部側よりも後部側において多いことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の自動車のバンパーフェース構造。
【請求項4】
前記衝撃吸収部(29)には、その強度を局部的に低下させる脆弱部(29a,29c)が形成されることを特徴とする、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の自動車のバンパーフェース構造。
【請求項5】
前記バンパーフェース上部(11b)の前面に装飾品(11d)を備えることを特徴とする、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の自動車のバンパーフェース構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−148613(P2012−148613A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−7186(P2011−7186)
【出願日】平成23年1月17日(2011.1.17)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】