説明

自動車を発見しかつ追跡するためのデバイス

【課題】衛星ナビゲーションに基づいた乗り物の発見・追跡デバイスを改善すること。
【解決手段】本発明は乗り物の発見及び追跡のためのデバイスに関し、前記デバイスは、
現在の乗り物の位置を決定するための位置決定デバイス(12)と、
通信チャネル(18)を介して現在の乗り物の位置を受信器(16)へ送信するための送信デバイス(14)と、
動作中の妨害送信器を発見するため及び妨害送信器(30)の発見が特定のアクションをトリガするための手段(20、26、28)と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は請求項1による自動車を発見しかつ追跡するためのデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
乗用車及びトラック、船舶又は飛行機のような盗難され、特に窃盗された乗り物を発見しかつ追跡するために、例えばGSM(登録商標)(Global System for Mobile Communication)のような携帯無線システムによって遠距離通信を介して発見と追跡を行うサービスへ接続して、瞬間的に乗り物の世界的な位置を報告できる発見・追跡デバイスが用いられる。
【0003】
世界的な位置を決定するために、前記発見・追跡デバイスは、世界中で利用可能なGPS(全地球測位システム Global Positioning System)のような衛星ナビゲーションシステムGNSS(全地球型航法衛星システム Global Navigation Satellite System)を使用する。将来、この目的のためにヨーロッパの衛星ナビゲーションシステムのGALILEOを使用することも可能となる。瞬間的に決定された乗り物の世界的な位置は、前記発見・追跡サービスからリクエストが送信されてくるか、又は、例えば、乗り物中の警報システムが動作するなどの特定の出来事の発生時に、自動的に発見・追跡デバイスから前記サービスへと、送信される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
乗り物の発見を妨げるために例えば、GPS妨害器(jammers)のような妨害器が使用されることが増える。妨害器は、衛星ナビゲーションシステムのナビゲーション信号の受信による発見を妨げる妨害送信器である。妨害器は、ナビゲーション信号の受信だけでなく、携帯無線信号の受信の障害ともなり、発見・追跡デバイスが、発見・追跡サービスからの携帯無線信号を受信できなくし、さらに、例えば携帯無線からそのようなシステムを介して送信されてくる、実際の位置に関する情報についてのリクエストも受信することができなくなるように設計されている。
【0005】
あるいは、正確な乗り物の発見を妨げるために、なりすまし送信器(spoofing transmitters)を使用することもできる。なりすまし送信器は、偽造されかつ模倣されたナビゲーション信号を送信することによって、発見を妨害する。GPSなりすまし送信器は、形式的には有効であるが、間違った位置データのGPS信号をつくりだす。通常、偽のナビゲーション信号を生成することは、高水準な技術的努力を必要とするため、なりすましはジャミングよりもより複雑になる。
【0006】
妨害器ならびになりすまし送信器は、一般にここでは妨害送信器(interfering transmitters)として指定される。
【0007】
ここで、本発明の目的は、特に衛星ナビゲーションに基づいた乗り物の発見・追跡デバイスを改善することである。
【0008】
この目的は、請求項1の特徴を用いて乗り物を発見しかつ追跡するデバイスによって成し遂げられる。発明のさらなる構成は、場合によっては従属請求項の要旨である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の基礎となる考えは、特に衛星ナビゲーションに基づいて、乗り物を発見しかつ追跡するために形成されたデバイスは、前記デバイス自体が妨害送信器、例えば動作中の妨害器及び/又はなりすまし送信器を発見することができるよう拡張されるものである。本発明によれば、妨害送信器が妨害及び/又はなりすましを引き起こしているのかを発見するために、一又は複数の異なる対策を二者択一的に又は場合によっては組み合わせて使用することもできる。
・特に衛星ナビゲーションシステムのナビゲーション信号のような位置決定信号のための位置決定デバイス内で使用される受信器は、例えば、受信した位置決定信号の一又は複数の受信パラメータをモニタして、これらのパラメータに影響を及ぼす妨害送信器を発見することができる。
・位置決定信号の前記受信器は、前記受信器が所定の時間までに位置決定を行うことができないという事実が妨害器送信器の使用された徴候であるため、妨害送信器を発見することもできる。
・位置決定信号の前記受信器の測定値は、妨害するなりすまし送信器の信号の識別によってRAIM(Receiver Autonomous Integrity Monitoring)のような既知の正当性をモニタリングする技術を用い、特に衛星ナビゲーションシステムを用いている場合に、正当性を調べることができる。
・位置決定信号の前記受信器の測定値は、前記妨害するなりすまし送信器の使用を意味する大きな差異が出ているかを識別するために、距離計や速度計のような他のセンサの測定値とも比較される。
・最終的には、前記妨害器やなりすまし送信器を発見するために特に適切なデバイス(妨害器/なりすまし送信器発見器)を使う可能性もある。
【0010】
本発明は、前記妨害送信器が使用されても、多くの場面で盗難された乗り物を発見できる利点がある。さらにまた、前記妨害送信器を発見するとき、本発明は、乗り物を盗むことを難しくするか又は防ぐことさえできるさらなる対策を開始することを可能とする。本発明によって、前記動作中の妨害送信器、特に妨害器やなりすまし送信器を発見することを通じて、さらに異なった方法で乗り物の発見と追跡を改善することができる。妨害送信器は、受信には通常干渉をすることができるが、無線信号の送信には干渉できないため、例えば、乗り物の発見・追跡サービスは、特に携帯無線接続によって妨害送信器の発見が知らされる。また、前記妨害送信器の発見は、特定のアクション、例えば盗難された乗り物を運転停止したり、発見するために受信信号の他の通信チャネルへと切り替えを行ったり、例えば携帯無線によるなどの他の発見方法を考慮してトリガする。
【0011】
本発明の実施形態の一つは、乗り物の発見・追跡デバイスに関するもので、 乗り物の現在の位置を決定するための位置決定デバイスと、 乗り物の現在の位置を通信チャネルを介して受信器へと送信する送信器と、 動作中の妨害送信器を発見するとともに動作中の妨害送信器の発見が何らかのアクションをトリガする手段とを有する。
【0012】
動作中の妨害送信器を発見する前記手段は、位置決定信号、特にナビゲーション信号の受信器を有し、前記受信器は位置決定デバイスに搭載され、前記受信器は、パラメータに影響を及ぼしている妨害送信器を発見するために一又は複数の位置決定受信信号をモニタリングするように構成される。例えば、ナビゲーション信号の追跡及び/又はキャプチャに関係する、ナビゲーション信号、例えばGPS信号の一又は複数の受信器内部測定値は、受信信号の強さ、搬送波対雑音密度比、サンプルの統計的分布、あるいは受信器のフロントエンドによって得られるその他の測定値などをモニタリングすることができる。主にジャミングがこのような測定値に影響を与えるので、特にジャミング送信器を発見することができる。
【0013】
動作中の妨害送信器を発見する前記手段は、位置決定信号、特に衛星ナビゲーションシステムのナビゲーション信号の受信器を有し、前記受信器は位置決定デバイスに搭載され、前記受信器は、該受信器が位置決定を所定の時間までにできないという事実によって妨害送信器を発見するように構成される。特に妨害送信器がジャミングを行っている間は、全ての位置決定ができなくなるように、広範囲にわたってナビゲーション信号の受信を妨害するので、主にジャミング送信器を発見することが可能になる。
【0014】
前記動作中の妨害送信器を発見する手段はさらに、位置決定信号、特に衛星ナビゲーションシステムのナビゲーション信号の受信器を備え、前記受信器は位置決定デバイスに搭載され、前記受信器は、特にRAIM(Receiver Autonomous Integrity Monitoring)技術を使用することによって位置決定信号の測定値の正当性を調べるように構成されている。RAIM技術によって、受信ナビゲーション信号の完全性を調べることができ、特に誤ったナビゲーション信号を発見することができ、位置決定から取り除くことができる。したがってこの技術はなりすまし送信器を発見することに特に適している。
しかしながら、例えば障害されかつ、特にジャミングによって改ざんされたナビゲーション信号が受信されるとき、ジャミング送信器を発見するのにも適切である。
【0015】
動作中の妨害送信器を発見する前記手段は、位置信号、特に衛星ナビゲーションシステムのナビゲーション信号の受信器を含んでもよく、前記受信器は位置決定デバイスに搭載され、前記受信器は位置決定信号の測定値と、その他のセンサ、特に距離計及び/又は速度計の測定値とを比較し、前記妨害送信器、特になりすまし送信器の使用を意味する大きな差異を識別するように構成される。もし、例えば、速度計によって決定された乗り物の速度と、ナビゲーション信号、特にGPS信号によって決定された乗り物の速度とに、大きな差異があったなら、それは偽装された信号を送信するなりすまし送信器を意味している。
【0016】
動作中の妨害送信器を発見するための前記手段は、特に妨害送信器を発見することに適したデバイス、例えば妨害器/なりすまし送信器発見器を含むこともできる。
【0017】
動作中の前記妨害送信器の発見によって特定のアクションをトリガする前記手段は、通信チャネル、特に携帯無線チャネルを介して、発見された妨害送信器に関するメッセージを送信する送信器として構成されてもよい。例えば、メッセージが乗り物の現在の位置の近辺を決定するために、例えば既知の方法の一つとして使用される、携帯無線加入者の位置を決定するための携帯無線システムが使用されてもよい。また、前記メッセージは異なる方法、例えば、距離の測定器による方法または、携帯無線信号による発見方法で決定された乗り物の現在地のデータを含んでもよい。
【0018】
動作中の妨害送信器の発見によって特定のアクションをトリガする前記手段は、乗り物の運転停止を開始するように構成することもできる。例えば、妨害送信器を発見した際にイモビライザーが動作してもよく、又は、乗り物のエンジンがオフになりかつエンジン制御が停止してもよい。
【0019】
妨害送信器の発見によって特定のアクションをトリガする前記手段は、さらに乗り物の運転停止を解除するための認証を要求するように構成することができる。例えば、妨害送信器の発見によって乗り物の運転停止がされた後、乗り物のディスプレイデバイスに、乗り物が運転停止したことと運転停止を解除するためにはコードの入力が必要であることとを表示することができる。
【0020】
さらにまた、本発明の実施形態の一つは、本発明によるデバイスの使用方法に関し上記のようにある対象、特に乗り物の内部で前記対象を発見及び追跡するためのデバイスの使用方法に関する。本発明による前記デバイスは乗り物の発見と追跡に関して上記されているが、前記デバイスは例えば保存用及び品物の輸送用のコンテナのような移動可能な対象の発見と追跡に良く適している。コンテナの場合、例えば乗り物の運転停止を行う代わりにコンテナを開くことを難しくするための追加の安全対策を動作させることが可能である。
【0021】
さらに、本発明の使用による長所と可能性は、図面に図示される典型的な実施形態に関した下記の説明よって生じるものである。
【0022】
明細書、特許請求の範囲及び要約では、下記の符号リストに挙げられる用語及び関連付けられた符号が使用される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は本発明によって乗り物の発見・追跡デバイスを表すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下の説明では、同一の要素、機能的に同一の要素、及び機能的に接続された要素には同じ符号が付される。符号は下記の中で例として与えられただけであり、本発明を限定するものとして理解されるものではない。下記の典型的な実施形態はGNSS GPSに関して説明されるが、本発明は、GLONASS又はGalileoのような他のGNSS、あるいは他の発見方法、例えば携帯無線に基づいた発見方法などの実施形態も主として使用できる。
【0025】
図1に示される乗り物の発見及び追跡のためのGPSベースのデバイス10は、例えば乗用車またはトラック、飛行機、船、あるいは品物を輸送するためのコンテナのような乗り物に搭載することができる。この目的のために、前記デバイス10は、バッテリによる自分自身の電源を持つか、あるいは乗り物のオンボード電源による外部電源を持つ電子モジュールとして構成されかつハウジング内に一体化される。あるいは前記デバイス10は、例えば電子制御ユニットECU(Electronic Control Unit)のような集積チップセットとしても構成されうる。
【0026】
前記デバイス10は、GPS位置決定デバイス12を有し、前記GPS位置決定デバイスは、位置決定用のGPSの受信器20、及びGPSデータに基づいて位置決定を行うプロセッサー(図示はされていない)を具備する。前記GPS受信器20は、前記プロセッサーによって位置決定を行うために、GPSのデータを備えた前記GPS衛星SAT のGPS信号を受信する。さらに、前記GPSレシーバー20は、走行距離と現在の乗り物の速度とを決定するために乗り物に搭載された距離計22及び速度計24の測定値を受信する。
【0027】
前記デバイス10は、さらに携帯無線通信モジュール14を有し、前記携帯無線通信モジュールは、外部の乗り物の発見及び追跡サーバー16と携帯無線接続18を立ち上げ、特にサーバー16への携帯無線データ接続は例えばインターネットを介して立ち上げられ、前記デバイス10とサーバー16との間でデータ交換を行う。
【0028】
さらに、前記デバイス10は(任意で)ジャミングあるいはなりすましを発見するためのジャミング/なりすまし発見器26と、アクショントリガユニット(action triggering unit)28とを有し、前記トリガユニットは、GPS位置決定デバイス12及びジャミング/なりすまし発見器26によって、後に詳細に説明する携帯無線通信モジュール14の所定のアクションをトリガするために制御される。
【0029】
前記デバイス10の範囲内でジャミングやなりすましが見つからない正常な動作中の間、前記GPS位置決定デバイス12は定期的にある所定の時間、例えば毎分、あるいは連続的に前記GPS受信器20の受信した衛星SATからのGPS信号により乗り物の現在の位置を決定するとともに、例えば位置決定が非障害状態を表すステータスフラグ“ok”と共に、現在の位置を前記アクショントリガユニット28へ送信する。前記ユニット28は受信した位置を一時的に保存したり消したり、あるいはそれらを前記サーバー16へ送信するための制御命令と共に前記携帯無線通信モジュール14送信することができる。逆に前記サーバー16は、前記携帯無線接続18を介して前記携帯無線通信モジュール14へ現在の乗り物の位置の送信要求を送信することもでき、前記携帯無線通信モジュール14は前記アクショントリガユニット28もしくは前記GPS位置決定デバイス12に現在位置を要求し、かつ前記位置を受信した後、応答として前記携帯無線接続18を介して前記サーバー16へその位置を送信する。
【0030】
障害が発生している間、例えばジャミングやなりすまし送信器30が干渉信号30をデバイス10の動作範囲内で発信している場合、前記GPS位置決定デバイス12の前記GPS受信器20はいくつかの異なる方法で干渉を発見することができ、前記個々の方法又は複数の方法は前記デバイス10で実行することができる。以下に示す典型的な実施形態では、全ての種類の前記妨害送信器30の発見が実行される。
【0031】
前記受信器20は、送信器から受信した全ての無線信号の前記受信信号強度(電界強度(field strength))を評価するように構成される。この目的のために、前記受信器20はGPS衛星SATから受信した前記GPS信号と、妨害送信器30から受信した妨害信号との電界強度を互いに比較する。差異が顕著な場合、例えば前記妨害送信器30の妨害信号の受信電界強度が衛星SATのGPS信号の一つより大きいことを前記受信器が比較を通じて発見すれば、前記受信器20は前記妨害送信器を発見する。さらに、前記受信器20は、受信信号の搬送波対雑音密度比を測定し他の信号と比較して、特に高い搬送波対雑音密度比を持つ信号を妨害信号として分類する。最後に、前記受信器20は、通常の衛星SATのGPSの信号とから逸脱したサンプルの統計的分布を示す妨害信号を発見するために、フロントエンドによって得られる受信信号のサンプルの統計的分布の評価も行う。モニタされた測定値が妨害信号であることを示すごとに、前記GPS受信器20は、妨害信号を発見したことを示す信号を出力する。
【0032】
さらに、前記受信器20は、GPS衛星SATからの信号を全く発見できずかつ、追跡できず、位置決定も行えない期間の測定をするよう構成される。この目的のために、前記受信器20はGPS信号を全く発見できなければすぐに、内部タイマを起動する。前記タイマは、所定時間の間動作しかつ、前記受信器がGPS信号を発見した場合、受信器20によってリセットされる。前記タイマが所定時間が終わるまでにリセットされない場合、タイマは妨害信号を発見したことを示す信号を出力する。
【0033】
上記の技術により、前記受信器20は、衛星SATからのGPS信号の受信を一般的に妨害する、特に損傷する、主としてジャミング送信器を発見することができる。
なりすまし送信器を発見するために、前記受信器20は下記のように追加して構成される。
【0034】
前記受信器20は、前記受信器が全ての受信したGPS信号の測定値の正当性を調べることによる、RAIM技術を有する。前記RAIM技術の使用によって、GPS信号が他のGPS信号と一致していないことが分かる場合、前記受信器20は妨害信号の発見を示す信号を再び出力する。RAIM技術として、既知の、既にいくつかのGPS受信器に使用されている技術の一つが使用できる。
【0035】
妨害するなりすまし信号のさらなる発見を確実にするために、前記受信器20は、さらに前記GPS信号の測定値、たとえば速度と移動方向から決定された情報と、速度計及び距離計の測定値との間で特に比較を行う。前記受信器20は、GPS信号の測定値と前記センサの測定値との間に著しい差異を発見した場合、前記受信器は妨害信号の発見を示す信号を出力する。
【0036】
前記GPS受信器20からの出力信号及び、妨害信号を発見したことを示す信号は、前記GPS位置決定デバイス12が非障害状態の検出示すステータスフラッグを“not ok”に変更する効果がある。
【0037】
前記アクショントリガユニット28が、GPS位置決定デバイス12から非障害状態の検出を示すステータスフラグが“not ok”にセットされたことを受信するか、あるいは前記ジャミング/なりすまし発見器26が前記妨害送信器30の発見を前記アクショントリガーデバイスへ示したらすぐに、後者は下記の所定の動作をトリガする。
【0038】
まず、乗り物のエンジンコントロール部へ送信されるとともに、乗り物のエンジンを停止しかつ、認証信号34を受信してエンジンの停止が解除されるまで、エンジンの起動を阻止するブロッキング信号32を出力する。
【0039】
さらに、前記トリガユニット28は、前記携帯無線通信モジュール14へ命令を送信し、妨害送信器30が発見されたことを前記携帯無線チャネル18を介して前記サービスサーバー16に通知する。前記携帯無線通信モジュール14と前記携帯無線接続によって確立された携帯無線ネットワークの基地局との間の、前記携帯無線チャネルおよび前記携帯無線接続により、前記サービスサーバー16は例えば前記基地局の位置に基づいて、乗り物の近似的な位置を決定することができる。
【0040】
本発明は、妨害送信器を発見し、次いで特定のアクション、例えば携帯無線チャネルのような障害を受けていない通信チャネルを用いてメッセージを送信し、乗り物や輸送コンテナを発見するためのさらなる対策を開始できるという点で、乗り物あるいは品物の輸送コンテナの発見と追跡を改善できる。
【符号の説明】
【0041】
10 GPSベースの乗り物発見・追跡デバイス
12 GPSの位置決定デバイス
14 携帯無線通信モジュール
16 乗り物発見及び追跡調査サーバー
18 携帯無線チャネル
20 GPS受信器
22 距離計
24 速度計
26 ジャミング/なりすまし発見器
28 アクショントリガリングユニット
30 妨害送信器
32 ブロッキング信号
34 認証信号
GNSS 全地球型航法衛星システム
GPS 全地球測位システム
RAIM Receiver Autonomous Integrity Monitoring
SAT GPS衛星

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗り物を発見及び追跡するためのデバイス(10)であって、
現在の乗り物の位置を決定する位置決定デバイス(12)と、
通信チャネル(18)を介して受信器に現在の乗り物の位置を送信するための送信デバイス(14)と、
動作中の妨害送信器(30)を発見するとともに、動作中の妨害送信器の発見によって特定のアクションをトリガする手段(20、26、28)を有するデバイス。
【請求項2】
前記請求項1に記載のデバイスであって、
前記動作中の妨害送信器を発見する手段は、位置決定信号、特に衛星ナビゲーションシステムのナビゲーション信号の受信器(20)を有し、前記受信器は、位置決定デバイスに搭載され、前記受信器は、受信パラメータに影響を与える妨害送信器を発見するために、一つ又は複数の受信した位置決定信号の受信パラメータを、モニタリングすることを特徴とするデバイス。
【請求項3】
前記請求項1又は2に記載のデバイスであって、
前記動作中の妨害送信器を発見する手段は、位置決定信号、特に衛星ナビゲーション信号の受信器(20)を有し、前記受信器は位置決定デバイスに搭載され、前記受信器は妨害送信器を発見するように構成され、
前記受信器は、所定時間内に位置決定を行うことができないという事実により妨害送信器を発見するように構成されることを特徴とするデバイス。
【請求項4】
前記請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のデバイスであって、
前記動作中の妨害送信器を発見する手段は、位置決定信号、特に衛星ナビゲーション信号の受信器(20)を有し、前記受信器は位置決定デバイスに搭載され、前記受信器は、位置決定信号の測定値の正当性を、特にRAIM技術を用いて調べるよう構成されることを特徴とするデバイス。
【請求項5】
前記請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のデバイスであって、
前記動作中の妨害送信器を発見する手段は、位置決定信号、特に衛星ナビゲーション信号の受信器(20)を有し、前記受信器は位置決定デバイスに搭載され、前記受信器は、位置決定信号の測定値と、他のセンサ、特に距離計(22)及び/又は速度計(24)の測定値との比較を行い、妨害送信器の使用を意味する大きな差異を識別するように構成されることを特徴とするデバイス。
【請求項6】
前記請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のデバイスであって、
前記動作中の妨害送信器を発見するための手段は、特に妨害送信器の発見に適するデバイス(26)を有するデバイス。
【請求項7】
前記請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のデバイスであって、
前記動作中の妨害送信器を発見することによってアクションをトリガする手段(28)は、前記通信チャネル、特に携帯無線チャネルを介して、発見された妨害送信器についてのメッセージを送信器を用いて送信するように構成されることを特徴とするデバイス。
【請求項8】
前記請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のデバイスであって、
前記動作中の妨害送信器を発見することによってアクションをトリガする手段は、乗り物の運転停止を開始するように構成されることを特徴とするデバイス。
【請求項9】
前記請求項8に記載のデバイスであって、
前記動作中の妨害送信器を発見することが特定のアクションをトリガする手段は、さらに乗り物の運転停止を解除するための承認を要求するように構成されることを特徴とするデバイス。
【請求項10】
前記請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の使用であって、対象物を発見及び/又は追跡するための、ある対象、特に乗り物の中でのデバイスの使用。

【図1】
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【公開番号】特開2013−3147(P2013−3147A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−134569(P2012−134569)
【出願日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【出願人】(500466717)アストリウム・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (34)
【Fターム(参考)】