説明

自動車

【課題】イグニッションオフされてから高電圧系リレーのための制御部への電力供給が停止されるまでの間でも、車両の衝突を判定できるようにする。
【解決手段】メインマイコン50aやエアバッグマイコン42aに電力供給を行なう電源系70を、低圧バッテリ72と、低圧バッテリ72が接続された配線MAINとメインマイコン50aが接続された配線IGCTとの接続および遮断を行なう電源リレー74と、配線MAINと配線IG2との接続および遮断を行なう電源リレー76と、電源リレー74と電源リレー76とのうち少なくとも一方がオンのときにエアバッグマイコン42aの電力供給を行なうと共に電源リレー74と電源リレー76とが共にオフのときにエアバッグマイコン42aへの電力供給を行なわないオア回路80と、を備えるものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の自動車としては、エアバッグECUを乗員室内に配置すると共にハイブリッドECUをエンジン室内に配置し、エアバッグECUの制御部は、第1の衝突センサであるセーフィングセンサや半導体衝突センサの出力を監視し、ハイブリッドECUの制御部は、エアバッグECUの制御部から第1の衝突センサの出力に応じた制御信号をダイレクト通信線およびそれとは別経路のバスを介して二重に受信するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この自動車では、ハイブリッドECUの制御部によって、ダイレクト通信線およびバスによる通信が共に不成立である場合に車両に衝突が発生したと判断することにより、車両の衝突時に、より確実に高圧電源を遮断できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−246623号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
こうした自動車において、イグニッションオフされたときにエアバッグECUへの電力供給を停止し、その後に、通常のイグニッションオフ時の処理(例えば、高電圧系の絶縁検査や各種センサの検査や調整(ゼロ点調整など),システムメインリレーの遮断など)を実行した後にハイブリッドECUへの電力供給を停止するものでは、イグニッションオフされてからシステムダウン(ハイブリッドECUへの電源供給の停止)するまでの間(例えば数秒程度)は、エアバッグECUによって車両の衝突を判定できできないという不都合があった。
【0005】
本発明の自動車は、イグニッションオフされてから高電圧系リレーのための制御部への電力供給が停止されるまでの間でも、車両の衝突を判定できるようにすることを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の自動車は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本発明の自動車は、
第1のバッテリと駆動装置との接続および遮断を行なう高電圧系リレーを制御する第1の制御部と、エアバッグを制御すると共に車両の衝突を判定する第2の制御部と、前記第1の制御部および前記第2の制御部に電力供給を行なう電源系と、を備える自動車であって、
前記電源系は、前記第1のバッテリより低電圧の第2のバッテリと、前記第2のバッテリが接続された第1の配線と前記第1の制御部が接続された第2の配線との接続および遮断を行なう第1の電源リレーと、前記第1の配線と第3の配線との接続および遮断を行なう第2の電源リレーと、前記第2の配線と前記第3の配線とのうち少なくとも一方が前記第1の配線と接続されているときに前記第2の制御部に電源供給を行なうと共に前記第2の配線と前記第3の配線とが共に前記第1の配線から遮断されているときに前記第2の制御部への電力供給を行なわない変換回路と、を備える、
ことを要旨とする。
【0008】
この本発明の自動車では、第1のバッテリと駆動装置との接続および遮断を行なう高電圧系リレーを制御する第1の制御部と、エアバッグを制御すると共に車両の衝突を判定する第2の制御部と、第1の制御部および第2の制御部に電力供給を行なう電源系と、を備えるものにおいて、電源系を、第1のバッテリより低電圧の第2のバッテリと、第2のバッテリが接続された第1の配線と第1の制御部が接続された第2の配線との接続および遮断を行なう第1の電源リレーと、第1の配線と第3の配線との接続および遮断を行なう第2の電源リレーと、第2の配線と第3の配線とのうち少なくとも一方が第1の配線と接続されているときに第2の制御部に電源供給を行なうと共に第2の配線と第3の配線とが共に第1の配線から遮断されているときに第2の制御部への電力供給を行なわない変換回路と、を備えるものとする。こうした構成では、イグニッションオフされたときに第2の電源リレーをオフとして第1の配線と第3の配線とを遮断し、その後に第1の制御部への電力供給を停止するときに第1の電源リレーをオフとして第1の配線と第2の配線とを遮断する場合に、第1の電源リレーがオフとされるまで第1の制御部および第2の制御部への電力供給が行なわれることになるから、イグニッションオフされてから第1の制御部への電力供給が停止するまでの間に車両に衝突が生じたときでも、第2の制御部によってその衝突を判定することができる。そして、車両の衝突が生じたことを示す信号を第1の制御部に送信することにより、それを受信した第1の制御部によって高電圧系リレーをオフとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施例としての電気自動車20の構成の概略を示す構成図である。
【図2】エアバッグECU42やメインECU50の電源系70の構成の概略を示す構成図である。
【図3】変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。
【図4】変形例のハイブリッド自動車220の構成の概略を示す構成図である。
【図5】変形例のハイブリッド自動車320の構成の概略を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
【実施例】
【0011】
図1は、本発明の一実施例としての電気自動車20の構成の概略を示す構成図であり、図2は、エアバッグECU42やメインECU50の電源系70の構成の概略を示す構成図である。実施例の電気自動車20は、図1に示すように、駆動輪26a,26bにデファレンシャルギヤ24を介して接続された駆動軸22に動力を入出力可能なモータ32と、モータ32を駆動するためのインバータ34と、例えばリチウムイオン二次電池として構成された高圧バッテリ36と、インバータ34に作用する電圧を平滑するためのコンデンサ37と、インバータ34と高圧バッテリ36とに介在するシステムメインリレー38と、乗員を保護する乗員保護装置としてのエアバッグ40と、エアバッグ40を制御したり車両の衝突を判定したりするエアバッグ用電子制御ユニット(以下、エアバッグECUという)42と、車両全体を制御するメイン電子制御ユニット(以下、メインECUという)50と、エアバッグECU42やメインECU50,図示しない補機などに電力を供給する電源系70と、を備える。以下、モータ32やインバータ34,高圧バッテリ36を含む電圧系を高電圧系という。
【0012】
エアバッグECU42は、CPUやROM,RAMなどを有するマイクロコンピュータ(以下、エアバッグマイコンという)42a,入出力ポート,通信ポートなどを備える。エアバッグECU42には、車体(例えば、車両前方の中央部や両側部など)に取り付けられた加速度センサ44からの車両の加速度などが入力ポートを介して入力されている。また、エアバッグECU42のエアバッグマイコン42aは、例えば、車両の加速度が衝突判定用の閾値やエアバッグなどを作動するための閾値を超えたときなどに車両に衝突が生じたと判定し、車両衝突信号をメインECU50に送信する。
【0013】
メインECU50は、CPUやROM,RAMなどを有する第1のマイクロコンピュータ(以下、メインマイコンという)50a,後述の電源マイコン90,入出力ポート,通信ポートなどを備える。メインECU50には、モータ32のロータの回転位置を検出する回転位置検出センサ32aからのモータ32のロータの回転位置θmや、モータ32の三相コイルのV相,W相に流れる相電流を検出する電流センサからの相電流Iv,Iw,高圧バッテリ36の端子間に取り付けられた電圧センサからの端子間電圧Vb,高圧バッテリ36の出力端子に取り付けられた電流センサからの充放電電流Ib,高圧バッテリ36に取り付けられた温度センサからの電池温度Tb,イグニッションスイッチ60からのイグニッション信号,シフトレバー61の操作位置を検出するシフトポジションセンサ62からのシフトポジションSP,アクセルペダル63の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ64からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル65の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ66からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ68からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。メインECU50からは、インバータ34のスイッチング素子へのスイッチング制御信号や、システムメインリレー38へのオンオフ制御信号などが出力ポートを介して出力されている。また、メインECU50は、エアバッグECU42と通信ポートを介して接続されており、エアバッグECU42とCAN(Controller Area Network)通信やジカ線通信によって制御信号やデータのやりとりを行なっている(図2参照)。
【0014】
電源系70は、図2に示すように、高圧バッテリ36より低電圧の低圧バッテリ72と、コイル74aの通電および非通電(通電停止)に応じて低圧バッテリ72の正極側が接続された配線MAINとメインマイコン50aが接続された配線IGCTとの接続および遮断(接続の解除)を行なう電源リレー74と、コイル76aの通電および非通電に応じて配線MAINと配線IG2との接続および遮断を行なう電源リレー76と、入力側がメインマイコン50aが接続された配線HOLDと配線IG2とに接続されると共に出力側が電源リレー74のコイル74aが接続された配線MRELに接続されたオア回路78と、入力側が配線IG2と配線IGCTとに接続されると共に出力側がエアバッグマイコン42aが接続された配線IG2CTに接続されたオア回路80と、CPUやROM,RAMなどを有するマイクロコンピュータ(以下、電源マイコンという)90と、を備える。なお、メインマイコン50aは、電源リレー74のオン(配線MAINと配線IGCTとの接続)を保持すべきときには、電源リレー74の保持要求として配線HOLDの電位を低圧バッテリ72の正極側の電位に略等しい電位(以下、低電圧系電位という)とし、電源リレー74をオフとしてよいときには、配線HOLDの電位を略値0とするものとした。また、配線IGCTや配線IG2は、電源リレー74や電源リレー76がオフとされると、電位が低電圧電位でなくなる(例えば略値0となる)ものとした。
【0015】
電源リレー74は、電磁リレーとして構成されており、コイル74aと、配線MAINと配線IGCTとを接続・遮断する接続遮断部74bと、を備える。コイル74aは、一端が配線MRELに接続されると共に他端が接地されている。この電源リレー74は、コイル74aへの通電が開始すると、接続遮断部74bが閉じて配線MAINと配線IGCTとを接続し、コイル74aへの通電が終了すると、接続遮断部74bが開いて配線MAINと配線IGCTとを遮断する。
【0016】
電源リレー76は、電磁リレーとして構成されており、コイル76aと、配線MAINと配線IG2とを接続・遮断する接続遮断部76bと、を備える。コイル76aは、一端が電源マイコン90が接続された配線IG2Dに接続されると共に他端が接地されている。この電源リレー76は、コイル76aへの通電が開始すると、接続遮断部76bが閉じて配線MAINと配線IG2とを接続し、コイル76aへの通電が終了すると、接続遮断部76bが開いて配線MAINと配線IG2とを遮断する。
【0017】
オア回路78は、配線IG2と配線HOLDとの少なくとも一方の電位が低電圧系電位のとき、即ち、電源リレー76がオンのときやメインマイコン50aによる保持要求として配線HOLDの電位が低電圧系電位のときには、電源リレー74のコイル74aが通電するよう配線MRELの電位を低電圧系電位とする。また、配線IG2と配線HOLDとの両方の電位が低電圧系電位でないとき、即ち、電源リレー76がオフで且つ配線HOLDの電位が低電圧系電位でないときには、電源リレー74のコイル74aへの通電が行なわれないよう配線MRELの電位を略値0とする。
【0018】
オア回路80は、配線IG2と配線IGCTとのうち少なくとも一方の電位が低電圧系電位のとき、即ち、電源リレー74と電源リレー76とのうち少なくとも一方がオンのときには、配線IG2CTの電位を略低電圧系電位とする(エアバッグマイコン42aへの電力供給を行なう)。また、配線IG2と配線IGCTとの両方の電位が低電圧系電位でないとき、即ち、電源リレー74と電源リレー76とが共にオフのときには、配線IG2CTの電位を略値0とする(エアバッグマイコン42aへの電力供給を行なわない)。
【0019】
電源マイコン90は、イグニッションの状態に拘わらず低圧バッテリ72から電力供給が行なわれるマイクロコンピュータであり、イグニッションオンされたときに電源リレー76のコイル76aへの通電が開始するよう配線IG2Dの電位を低電圧系電位とし、イグニッションオフされたときにコイル76aへの通電が終了するよう配線IG2Dの電位を略値0とする。
【0020】
こうして構成された実施例の電気自動車20では、イグニッションオンされると、電源マイコン90によって配線IG2Dの電位を低電圧系電位とする。これにより、電源リレー76がオンとなって配線MAINと配線IG2とが接続されて配線IG2の電位が低電圧系電位となることにより、エアバッグマイコン42aへの電力供給が開始されてエアバッグマイコン42aが作動する。また、配線IG2の電位が低電圧系電位となると、配線MRELの電位が低電圧系電位となって電源リレー74がオンとなって配線MAINと配線IGCTとが接続されて配線IGCTの電位が低電圧系電位となることにより、メインマイコン50aへの電力供給開始されてメインマイコン50aが作動する。したがって、実施例では、イグニッションオンされると、電源リレー76がオンとなってエアバッグマイコン42aへの電力供給が開始されるから、オア回路80を備えず且つエアバッグマイコン42aが配線IGCTに接続されていると共に配線IG2から遮断されている比較例、即ち、電源リレー74がオンとなるまでエアバッグマイコン42aへの電力供給が開始されない比較例に比してエアバッグマイコン42aへの電力供給を迅速に開始することができる。なお、実施例では、電源リレー76のオンを保持する(メインECU50やエアバッグマイコン42aへの電力供給が遮断されないようにする)ために、メインマイコン50aが作動すると、メインマイコン50aによって配線HOLDの電位を低電圧系電位とするものとした。
【0021】
また、イグニッションオフされると、電源マイコン90によって配線IG2Dの電位を略値0とすることにより、電源リレー76がオフとされて配線MAINと配線IG2とが遮断される。なお、配線MAINと配線IG2とが遮断されたとしても、メインマイコン50aによって配線HOLDの電位が低電圧系電位となっている間は、配線IGCTに接続されたメインマイコン50a,配線IG2CT(配線IGCTと配線IG2との電位に応じてオア回路80によって電位が調整される配線)に接続されたエアバッグマイコン42aへの電力供給は遮断されない。その後、メインマイコン50aは、通常のイグニッションオフ時処理を実行する。ここで、通常のイグニッションオフ時処理としては、高電圧系(モータ32やインバータ34,高圧バッテリ36を含む電圧系)に絶縁異常が生じているか否かを判定したり、各種センサに異常が生じているか否かを判定したり、各種センサの調整(ゼロ点調整など)を行なったり、システムメインリレー38をオフとしたり、モータ32にd軸電流が流れるようインバータ34を制御してコンデンサ37の電荷を放電させたりするものとした。なお、通常のイグニッションオフ時処理では、各処理の実行順序などによって異なるが、イグニッションオフされてからシステムメインリレー38をオフとするまでに数秒程度要することがある。そして、通常のイグニッションオフ時処理を終了すると、メインマイコン50aによって配線HOLDの電位を略値0とする。これにより、電源リレー74がオフとなって配線MAINと配線IGCTとが遮断されてメインマイコン50aやエアバッグマイコン42aへの電力供給が遮断される。
【0022】
また、実施例の電気自動車20では、エアバッグECU42のエアバッグマイコン42aは、車両の衝突を判定すると、車両衝突信号をメインECU50のメインマイコン50aに送信する。そして、車両衝突信号を受信したメインECU50は、安全のために、通常のイグニッションオフ時処理の実行中か否かなどに拘わらず、システムメインリレー38を迅速にオフとする。
【0023】
オア回路80を備えず且つエアバッグマイコン42aが配線IG2に接続されていると共に配線IGCTから遮断されている比較例の場合、イグニッションオフされると、エアバッグマイコン42aへの電力供給が遮断されるため、その後にメインマイコン50aへの電力供給が停止されるまでの間(例えば数秒程度)はエアバッグマイコン42aによって車両の衝突を判定することができない。これに対して、実施例では、エアバッグマイコン42aが配線IG2CT(配線IGCTと配線IG2との電位に応じてオア回路80によって電位が調整される配線)に接続されるものとしたから、イグニッションオフされてからシステムメインリレー38をオフする前に車両が衝突したときでも、エアバッグマイコン42aによって車両の衝突を判定することができる。そして、エアバッグマイコン42aからの車両衝突信号に応じてメインECU50によってシステムメインリレー38を迅速にオフとすることができる。即ち、イグニッションオフされてからシステムメインリレー38をオフする前に車両が衝突したときには、通常のイグニッションオフ時処理の実行によってシステムメインリレー38をオフとする場合に比してシステムメインリレー38を迅速にオフとすることができると考えられる。
【0024】
以上説明した実施例の電気自動車20によれば、メインマイコン50aやエアバッグマイコン42aに電力供給を行なう電源系70を、低圧バッテリ72と、低圧バッテリ72が接続された配線MAINとメインマイコン50aが接続された配線IGCTとの接続および遮断を行なう電源リレー74と、配線MAINと配線IG2との接続および遮断を行なう電源リレー76と、電源リレー74と電源リレー76とのうち少なくとも一方がオンのときにエアバッグマイコン42aの電力供給を行なうと共に電源リレー74と電源リレー76とが共にオフのときにエアバッグマイコン42aへの電力供給を行なわないオア回路80と、を備えるものとするから、イグニッションオフされたときに電源リレー76をオフとすると共にイグニッションオフ後で通常のイグニッションオフ時処理を終了したときに電源リレー74をオフとする場合に電源リレー74がオフとされるまでメインマイコン50aとエアバッグマイコン42aとに電力供給が行なわれるから、イグニッションオフからメインマイコン50aへの電力供給が停止するまでの間に車両に衝突が生じたときでも、その衝突を判定することができる。そして、衝突判定信号をエアバッグマイコン42aからメインマイコン50aに送信することにより、これを受信したメインマイコン50aによってシステムメインリレー38をオフとすることができる。
【0025】
実施例の電気自動車20では、電源マイコン90は、メインECU50に配置されるものとしたが、メインECU50とは別の電子制御ユニット(例えば、電源用電子制御ユニットなど)に配置されるものとしてもよい。
【0026】
実施例では、駆動輪26a,26bに接続された駆動軸22に動力を入出力可能なモータ32を備える電気自動車20に適用するものしたが、例えば、図3の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、遊星歯車機構126を介して駆動軸22に接続されたエンジン122およびモータ124と、駆動軸22に動力を入出力可能なモータ32と、を備えるハイブリッド自動車120に適用するものとしてもよい。また、図4の変形例のハイブリッド自動車220に例示するように、エンジン122のクランクシャフトに接続されたインナーロータ232と駆動輪26a,26bに連結された駆動軸22に接続されたアウターロータ234とを有しエンジン122からの動力の一部を駆動軸22に伝達すると共に残余の動力を電力に変換する対ロータ電動機230を備えるものとしてもよい。さらに、図5の変形例のハイブリッド自動車320に例示するように、駆動軸22に変速機330を介してモータ32を取り付けると共に、モータ32の回転軸にクラッチ329を介してエンジン122を接続する構成とし、エンジン122からの動力をモータ32の回転軸と変速機330とを介して駆動軸22に出力すると共にモータ32からの動力を変速機330を介して駆動軸22に出力するハイブリッド自動車320に適用するものとしてもよい。
【0027】
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、システムメインリレー38を制御するメインマイコン50aが「第1の制御部」に相当し、エアバッグ40を制御したり車両の衝突を判定したりするエアバッグマイコン42aが「第2の制御部」に相当し、低圧バッテリ72と、配線MAINと配線IGCTとの接続および遮断を行なう電源リレー74と、配線MAINと配線IG2との接続および遮断を行なう電源リレー76と、電源リレー74と電源リレー76とのうち少なくとも一方がオンのときにエアバッグマイコン42aの電力供給を行なうと共に電源リレー74と電源リレー76とが共にオフのときにエアバッグマイコン42aへの電力供給を行なわないオア回路80と、を備える電源系70が「電源系」に相当する。
【0028】
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
【0029】
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明は、自動車の製造産業などに利用可能である。
【符号の説明】
【0031】
20 電気自動車、22 駆動軸、24 デファレンシャルギヤ、26a,26b 駆動輪、32 モータ、32a 回転位置検出センサ、34 インバータ、36 高圧バッテリ、37 コンデンサ、38 システムメインリレー、40 エアバッグ、42 エアバッグECU、42a エアバッグマイコン、44 加速度センサ、50 メインECU、50a メインマイコン、60 イグニッションスイッチ、61 シフトレバー、62 シフトポジションセンサ、63 アクセルペダル、64 アクセルペダルポジションセンサ、65 ブレーキペダル、66 ブレーキペダルポジションセンサ、68 車速センサ、70 電源系、72 低圧バッテリ、74,76 電源リレー,74a,76a コイル、74b,76b 接続遮断部、78,80 オア回路、90 電源マイコン、120,220,320 ハイブリッド自動車、122 エンジン、124 モータ、126 遊星歯車機構、230 対ロータ電動機、232 インナーロータ、234 アウターロータ、329 クラッチ、330 変速機、IGCT,IG2,IG2CT,IG2D,HOLD,MAIN,MREL 配線、MG モータ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のバッテリと駆動装置との接続および遮断を行なう高電圧系リレーを制御する第1の制御部と、エアバッグを制御すると共に車両の衝突を判定する第2の制御部と、前記第1の制御部および前記第2の制御部に電力供給を行なう電源系と、を備える自動車であって、
前記電源系は、前記第1のバッテリより低電圧の第2のバッテリと、前記第2のバッテリが接続された第1の配線と前記第1の制御部が接続された第2の配線との接続および遮断を行なう第1の電源リレーと、前記第1の配線と第3の配線との接続および遮断を行なう第2の電源リレーと、前記第2の配線と前記第3の配線とのうち少なくとも一方が前記第1の配線と接続されているときに前記第2の制御部に電源供給を行なうと共に前記第2の配線と前記第3の配線とが共に前記第1の配線から遮断されているときに前記第2の制御部への電力供給を行なわない変換回路と、を備える、
自動車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−62909(P2013−62909A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−198358(P2011−198358)
【出願日】平成23年9月12日(2011.9.12)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】