説明

自己位置利用システム

【課題】 現在位置に応じた処理の内容を柔軟に設定できる自己位置利用システムを提供する。
【解決手段】 各施設に配置されたロケータ7が発信するロケータIDの受信範囲を区域と見なし、各施設及び各アプリケーションのために前記ロケータIDとロケータ情報とを関連付けるセンターサーバ1上のロケータIDテーブルと、ロケータIDテーブルを編集するWEB管理ページと、アプリケーションを実行する携帯端末5と、を備え、携帯端末5は、位置検出部45でロケータIDを受信すると、受付端末3を介してセンターサーバ1からダウンロードされるロケータIDテーブルに基づきロケータ情報を取得し、当該ロケータ情報に応じた処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現在位置に応じた処理を実行するシステム及びその関連技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、携帯電話の基地局のIDコードに基づいて、携帯電話上でのゲーム上のイベント発生(キャラクタの発生、アイテムの発生、ゲームシナリオの分岐等)を制御することが開示されている。ユーザがIDコードの受信範囲まで移動すれば、IDコードに応じた処理が携帯電話上で実行される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−187271号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、あるエリア(基地局IDコード受信圏内)とゲームデータ(キャラクタ、アイテム、ゲームシナリオの分岐を選択するためのデータ)とを結びつけたテーブルを使用してイベント処理を行っている。
しかし、基地局の位置の変更や停波があった場合、想定された処理が実行されずゲームが進行できなくなる恐れがある。
また、ゲームをプレイできるユーザは、基地局の周辺地域に住むユーザに限定される。
さらに、ゲームをプレイするユーザが、各エリア及び対応するイベントを把握し、ゲームに飽きる恐れがある。
【0005】
そこで本発明の目的は、現在位置に応じた処理の内容を柔軟に設定できる自己位置利用システムを提供することである。
また、本発明の目的は、多くの地域・施設で同時に実行可能な自己位置利用システムを提供することである。
また、本発明の目的は、ユーザが飽き難い自己位置利用システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の観点によれば、自己位置利用システムは、実空間に区域を設定する区域設定手段と、前記区域毎にアプリケーション処理のためのパラメータを関連付ける関連付け手段と、前記関連付けを編集する編集手段と、携帯端末上でアプリケーションを実行するアプリケーション実行手段と、を備え、前記アプリケーション実行手段は、前記携帯端末の現在地がいずれの前記区域にあるかを判定する判定手段と、前記判定の結果に応じて、前記区域と関連付けられた前記パラメータを取得する取得手段と、を含み、前記パラメータに応じた処理を実行する。
【0007】
この構成によれば、区域毎にアプリケーションのためのパラメータを設定・編集できるため、現在位置に応じた処理の内容を柔軟に設定できる。また、地域や施設等の実空間の状態に合わせてパラメータを設定・編集できるため、様々な地域に住むユーザに向けてシステムを提供することができる。
また、実空間に変化が生じた場合でも、編集手段で修正を行うことで、アプリケーションが実行できなくなるという事態を回避することができる。
さらに、アプリケーション側に変更や追加が生じた場合に、編集手段で前記パラメータを修正すれば、区域設定手段まで変更や追加をせずに済む。
【0008】
前記アプリケーションは複数種類存在し、前記編集手段は、前記アプリケーションの種類毎に前記区域と前記パラメータとの関連付けを編集する。
【0009】
この構成によれば、アプリケーション毎に位置に応じて取得されるパラメータを編集できるため、多様なアプリケーションを同じシステムを使用して同時に同じ場所で実行できる。
【0010】
前記区域設定手段は、施設単位で前記区域を設定し、前記編集手段は、前記区域と前記パラメータとの関連付けを編集する。
【0011】
この構成によれば、施設の状態に合わせて、施設内の区域毎にアプリケーションのためのパラメータを設定・編集できるため、様々な施設に向けて同時にこのシステムを提供することができる。また、ある施設において区域に変更が生じた場合でも、編集手段で当該施設の設定を再編集すれば、アプリケーションや他の施設の設定を修正する必要が無い。
【0012】
ここで施設とは、ショッピングセンター、学校又は博物館等の建造物だけでなく、公園などの屋外施設等も含む概念である。
【0013】
前記アプリケーション実行手段は、同一の前記パラメータが関連付けられた前記区域の中から、一つ又は複数の前記区域を選択する区域選択手段をさらに含む。
【0014】
この構成によれば、前記アプリケーション実行手段は、前記区域選択手段が選択した区域で前記パラメータを取得した場合にのみ対応する処理を行うことができる。
また、逆に、前記アプリケーション実行手段は、前記パラメータを取得した場合でも前記区域選択手段が選択した区域である場合は対応する処理を行わないことができる。
これによって、処理の実行タイミングにバリエーションを持たすことができる。また、あるパラメータが関連付けられた区域に行けば必ず一定の処理が行われるという状態を解消できる。
また、ユーザは位置と処理の関係を簡単には把握できないため、ユーザにとって飽き難いシステムを提供することができる。
【0015】
前記アプリケーション実行手段は、前記パラメータ取得時、何れの前記区域において前記パラメータを取得したかを記録する履歴手段をさらに含む。
【0016】
この構成によれば、前記アプリケーション実行手段は、パラメータを取得し、かつ過去のパラメータ取得履歴が特定の条件を満たす場合に、当該パラメータに応じた処理を実行するといったことができるようになる。例えば、前記アプリケーション実行手段は、同じパラメータを複数の異なる区域で取得したときに処理を行う。
これによって、処理の実行タイミングにバリエーションを持たすことができる。また、あるパラメータが関連付けられた区域に行けば必ず一定の処理が行われるという状態を解消できる。
また、ユーザは位置と処理の関係を簡単には把握できないため、ユーザにとって飽き難いシステムを提供することができる。
【0017】
前記アプリケーション実行手段は、前記パラメータに応じた処理について、優先順位を設定する優先順位設定手段をさらに含み、前記区域が重なる範囲において、前記パラメータ取得手段が複数の前記パラメータを取得する場合に、前記優先順位に基づいて実行する処理を選択する。
【0018】
この構成によれば、複数の区域が重なる場所があったとしても、前記アプリケーション実行手段の処理が滞らない。また、例えば危険区域にいることを知らせる警告等、重要な処理を優先して実行させることができる。
【0019】
前記区域は、各所に配置された発信機が発信する信号の受信可能範囲であり、前記判定手段は、前記信号に含まれる前記発信機毎に固有の情報に基づいて前記判定を行う。
【0020】
この構成によれば前記アプリケーション実行手段は、前記発信機の信号を受信し、解読するという簡単な処理によって、現在位置がいずれの区域にあるかを判別することができる。
また、前記発信機を配置するだけで、どのような実空間であっても容易に区域の設定ができる。
さらに、同様の前記発信機を配置した地域・施設において、同じアプリケーションを提供することができる。地域・施設毎に前記発信機を配置できる場所や数は変わりうるが、前記編集手段によって、各地域・施設の状況に合わせて柔軟にシステムの調整を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施の形態におけるシステムの略図である。
【図2】(a)図1の携帯端末5の外観図である。(b)図1の携帯端末5の電気的構成を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態におけるセンターサーバ1、受付端末3及び携帯端末5の処理の全体的な流れを説明するフローチャート
【図4】ロケータIDテーブルを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付してその説明を援用する。
【0023】
本実施の形態の自己位置利用システムでは、現実のフィールド(以下、「実フィールド」と呼ぶ。)に、仮想のフィールド(以下、「仮想フィールド」と呼ぶ。)を割り当てる。また、携帯端末上で仮想フィールドに応じた処理を実行する。
【0024】
図1は、本発明に基づく自己位置利用システムの全体構成を示す略図である。
この自己位置利用システムは、センターサーバ1、受付端末3、携帯端末5、ロケータ7を含む。
センターサーバ1は、本システムを統括する業者が管理する。以下、当該業者を管理者と呼ぶ。受付端末3は本システムを導入した各施設(図中では施設A、B及びC)に配置され、当該施設の担当者によって操作される。以下、各施設の担当者をオペレータと呼ぶ。
携帯端末5は各施設で管理され、本システムを利用するユーザに各施設利用中に貸与される。携帯端末5上では、ユーザの操作に応じて、プログラムが実行される。ロケータ7は予め各施設内の様々な場所に設置される。ロケータ7の設置場所及び設置数量は施設によって異なる。
ロケータ7は常時固有のロケータIDを発信する。この例においては、ロケータIDの受信可能範囲が上述の仮想フィールドとして扱われる。携帯端末5は、ロケータIDを受信し、ロケータIDに応じた処理に応じた実行することができる。このため、携帯端末5を持ったユーザが実フィールドを移動し、仮想フィールドが割り当てられたエリアに移動すると、その場所に応じた処理が携帯端末5上で実行される。次に、携帯端末5について詳しく説明する。
【0025】
図2(a)は、図1の携帯端末5の平面図である。図2(a)を参照して、携帯端末5は、その表面中央付近に、LCD(Liquid Crystal Display)パネル11を備える。LCDパネル11の左側には、上下左右の方向キー13が配置される。LCDパネル11の右側には、4個のスイッチ15が配置され、その近傍にスピーカ17が配置される。携帯端末5はメモリーカードスロットを有し、着脱可能なメモリーカード19を装着することができる。
【0026】
図2(b)は、携帯端末5の電気的構成を示す図である。図2(b)を参照して、携帯端末5は、プロセッサ41、外部メモリ43、位置検出部45、状態センサ47、スイッチ部49、USB(Universal Serial Bus)コントローラ51、LCDドライバ53、IRモジュール55、RTC(Real Time Clock)57、LCDパネル11、及びスピーカ17を含む。また、図示はしないが携帯端末5は電池ボックスを有しており、そこから動作に必要な電力を得る。
【0027】
プロセッサ41は、外部メモリ43と接続される。外部メモリ43は、例えば、ROM、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM、及びフラッシュメモリ等の半導体メモリ、ROMカートリッジ、バッテリバックアップ付きのRAMメモリカートリッジ、フラッシュメモリカートリッジ、並びに不揮発性RAMカートリッジ等のうち、システムの仕様に応じて必要なものを含む。なお、外部メモリ43は記録媒体の一例である。
【0028】
外部メモリ43は、プログラム領域、画像データ領域、および音声データ領域を含む。プログラム領域には、各種処理をプロセッサ41に実行させる制御プログラムが格納される。
【0029】
外部メモリ43には、メモリーカード19が含まれる。アプリケーション用のメインプログラムは、このメモリーカード19に格納されている。プログラムに変更やバージョンアップがあった場合、各施設は受付端末3からメモリーカード19を書き換えるか、新プログラムが格納されたメモリーカード19に差し替えることによって対応する。
【0030】
画像データ領域には、ビデオ信号を生成するために必要な画像データが格納されている。音声データ領域には、ボイス、効果音、及び音楽等のオーディオ信号を生成するための音声データが格納されている。
【0031】
プロセッサ41は、プログラム領域の制御プログラムを実行して、画像データ領域の画像データ及び音声データ領域の音声データを読み出し、必要な処理を施して、ビデオ信号及びオーディオ信号を生成する。ビデオ信号及びオーディオ信号は、それぞれ、LCDドライバ53及びスピーカ17に与えられる。
【0032】
LCDドライバ53は、LCDパネル11を駆動して、プロセッサ41から与えられたビデオ信号に応じた映像を表示する。また、スピーカ17は、プロセッサ41から与えられたオーディオ信号に応じて音声を出力する。
スイッチ部49は、方向キー13及びスイッチ15を含み、それらのキーステータスがプロセッサ41に与えられる。プロセッサ41は、受け取ったキーステータスに応じて処理を実行する。
USBコントローラ51は、プロセッサ41の制御を受けて、後述する受付端末3と通信し、データの送受信を行う。なお、USBケーブルを使った通信は一例であり、任意の通信手段を用いて構わない。
【0033】
位置検出部45はRFモジュールを使用する。位置検出部は、ロケータ7から発信されるロケータIDを含んだ電波を受信してデコードし、プロセッサ41に送る。なお、位置検出部45は、外部の機器との通信、特に複数台の携帯端末5の間で通信を行う際にも使用される。例えば、複数台の携帯端末5上で実行されるアプリケーションの進行データを相互に通信し、データをプロセッサ41の間で共有し、通信プレイを行う。
IRモジュール55も外部の機器との通信に使用する。IRモジュール55は、外部の機器からIR信号を受信すると、デコードしてプロセッサ41に送る。
【0034】
状態センサ47は、三軸加速度センサと地磁気センサを組み合わせたチップを使用する。状態センサ47は携帯端末5に加わる加速度と、地磁気センサの検出結果から算出される携帯端末5の姿勢・向きを表す情報をプロセッサ41に送る。
プロセッサ41は、状態センサからの加速度情報を周知の歩数計測アルゴリズムに従って処理及び解析して、ユーザのステップを検出し、歩数を算出することができる。歩数はアプリケーション処理において使用される。また、各種アプリケーションは、ある一定の間隔中、規定の歩数以上の歩数を検出すると、携帯端末5を持ったユーザが走っていると判断し、警告表示を行い、アプリケーションを一時停止するように設定されている。
また、プロセッサ41は、状態センサからの携帯端末5の姿勢・向きを表す情報に基づいて、画面中に表示するカーソルを移動させたり、画面中の背景画像を携帯端末5の姿勢・向きに合わせてスクロールさせたりすることができる。
【0035】
RTC57は、時刻情報を生成しプロセッサ41に送信する。図示はしないが、RTC57は上述の電池とは別のボタン電池から電源の供給を受けており、携帯端末5の電源を切った状態でも時刻を計測し続けている。
【0036】
なお、プロセッサ41は、図示しないが、中央演算処理装置(以下、「CPU」と呼ぶ。)、グラフィックスプロセシングユニット(以下、「GPU」と呼ぶ。)、サウンドプロセシングユニット(以下、「SPU」と呼ぶ。)、ジオメトリエンジン(以下、「GE」と呼ぶ。)、外部インタフェースブロック、メインRAM、及びA/Dコンバータ(以下、「ADC」と呼ぶ。)等の各種機能ブロックを具備する。
【0037】
CPUは、外部メモリ43に格納された制御プログラムを実行して、各種演算やプロセッサ41内の各種機能ブロックの制御を行う。グラフィックス処理に関するCPUの処理として、外部メモリ43に格納されたプログラムを実行して、各オブジェクトの拡大・縮小、回転、及び/又は平行移動のパラメータ、視点座標(カメラ座標)、並びに視線ベクトルの算出等を行う。ここで、1または複数のポリゴン又はスプライトから構成され、同じ拡大・縮小、回転、及び平行移動の変換が適用される単位を「オブジェクト」と呼ぶ。
【0038】
GPUは、ポリゴン及びスプライトから構成される三次元イメージをリアルタイムに生成し、アナログのコンポジットビデオ信号に変換する。SPUは、PCM(pulse code modulation)波形データ、アンプリチュードデータ、及びメインボリュームデータを生成し、これらをアナログ乗算して、アナログオーディオ信号を生成する。GEは、三次元イメージを表示するための幾何演算を実行する。具体的には、GEは、行列積、ベクトルアフィン変換、ベクトル直交変換、透視投影変換、頂点明度/ポリゴン明度計算(ベクトル内積)、及びポリゴン裏面カリング処理(ベクトル外積)などの演算を実行する。
【0039】
外部インタフェースブロックは、周辺装置(本実施の形態では、LCDドライバ53、スイッチ部49、USBコントローラ51、位置検出部45、及び状態センサ47)とのインタフェースであり、24チャンネルのプログラマブルなデジタル入出力(I/O)ポートを含む。ADCは、4チャンネルのアナログ入力ポートに接続され、これらを介して、アナログ入力装置から入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。メインRAMは、CPUのワーク領域、変数格納領域、および仮想記憶機構管理領域等として利用される。
【0040】
次に、処理の大まかな流れについてフローチャートを用いて説明する。
図3は、本発明の実施の形態におけるセンターサーバ1、受付端末3及び携帯端末5の処理の全体的な流れを説明するフローチャートである。
ステップS1で、受付端末3は一台の携帯端末5とUSBケーブルによって接続され、通信を開始する。この時受付端末3は携帯端末5の外部メモリ43に格納されているアプリケーションプログラムのバージョンをチェックするプログラムを実行し、最新版のアプリケーションが使用されているかチェックする。アプリケーションが最新版ではない場合、受付端末3は、最新版のアプリケーションを使用するように注意を表示する。受付端末3を操作するオペレータは、携帯端末5の外部メモリ43のメモリーカード19を最新版のアプリケーションプログラムを格納したものに交換するか、受付端末3から携帯端末5の外部メモリ43に最新版のアプリケーションをインストールする。受付端末3は、必要であれば、センターサーバ1から最新版のアプリケーションをダウンロードする。
【0041】
ステップS3に進み、受付端末3はオペレータからの入力に応じて、ユーザID、アプリケーションID及びプレイ時間を決定し、センターサーバ1に送信する。ユーザIDは、各ユーザを特定する識別情報である。アプリケーションIDは、携帯端末5上で実行されるアプリケーションの種類を特定する識別情報である。プレイ時間は、ユーザが携帯端末5でゲームを実行可能な制限時間の情報である。
オペレータは、各ユーザに配布されたユーザカードのユーザIDを示すバーコードを読み取り、受付端末3にユーザIDを入力する。また、オペレータは、ユーザから希望を聞き取り、受付端末3が表示する画面上でアプリケーションIDとプレイ時間を選択する。
【0042】
ステップS5に進み、受付端末3はセンターサーバ1に対して、施設ID、ユーザID、アプリケーションIDを含む情報を送信する。施設IDとは、予めセンターサーバ1から受付端末3毎に割り振られる、施設を識別するためのIDである。
ステップS7に進み、センターサーバ1は、ユーザID及びアプリケーションIDに基づき、ユーザのセーブデータを選択する。
ステップS9に進み、アプリケーションID及び施設IDに基づき、ロケータIDテーブルを選択する。ロケータIDテーブルは、あるアプリケーション上で、図1の各ロケータ7が発信するロケータIDが持つ意味を設定するためのテーブルである。ロケータIDテーブルについて、図を用いて説明する。
【0043】
図4は、ロケータIDテーブルを説明するための図である。
図4を参照して、センターサーバ1の管理者又は各施設のオペレータは、管理者IDとパスワードを入力して、ロケータIDテーブルのWEB管理ページにログインすることができる。センターサーバ1の管理者は全ての施設のロケータIDテーブルにアクセスすることができ、各施設のオペレータは自己の施設のロケータIDテーブルにのみアクセスすることができる。
【0044】
図4の例では、「施設A」における「昆虫採集アプリ」用のロケータIDテーブルを設定している。管理者又はオペレータは、それぞれのロケータIDに対して、仮想フィールド情報である「池」、「草地」、「川」、「林」、「山地」、警告用情報である「警告1」、「警告2」、「警告3」、及び特殊なイベントを発生させるための情報である「特殊1」を設定する。なお、何も設定を行わない場合は「無効」となり、そのロケータ7のロケータIDを受信しても、何も処理は行われない。以下、ロケータIDテーブル上で各ロケータIDに割り当てられる情報を、「ロケータ情報」と呼ぶ。
なお、ここでは説明のために各ロケータ情報を文字で表現するが、実際は数字等のより情報量の少ないデータとして記録される。
【0045】
ロケータ情報に対してどのような処理を行うかについては、アプリケーション側でさらに設定される。
例えば昆虫採集アプリケーションには、さらに仮想フィールド毎に複数の昆虫データが割り当てられたテーブルが用意されている。例えば「林」であれば、「カブトムシ」、「クワガタ」、「ハチ」等が割り当てられている。昆虫採集アプリケーション実行時、プロセッサ41は、ユーザが実フィールドを移動して「林」が割り当てられたロケータIDを受信すると、プロセッサ41は、ロケータIDを記憶する。次に、プロセッサ41は、ロケータIDテーブルによって、現在の実フィールドに対応する仮想フィールドが「林」であると判定する。そして、プロセッサ41は、その後昆虫採集アプリケーション内に存在するイベントテーブルの「林」と関連付けられた昆虫データの中から一つ又は複数の昆虫データを選択し、当該昆虫を捕まえるための虫取りイベントを発生させる。
ユーザは実フィールドを移動し、仮想フィールドを移動することで、様々な昆虫を捕まえることができる。
また、同じ仮想フィールド内であっても、アプリケーション側のテーブル中の多数の昆虫の中から抽選によって出現する昆虫が決定されるため、様々な昆虫が出現する。
【0046】
またプロセッサ41は、警告用情報である「警告1」、「警告2」又は「警告3」が割り当てられたロケータIDを受信すると、それぞれ「この付近は危険です。」、「施設の外に出ようとしています。」、「ここに虫はいません。」という警告表示を携帯端末5上で表示し、警告音を鳴らし、ゲームの進行をストップする。そして、プロセッサ41は、ユーザがその仮想フィールドから出るまでスイッチ部49からの操作を受け付けない。
つまり警告用情報は、例えばエスカレーターや人通りの多い場所等、携帯端末5を見るには危険な場所や、施設職員用区域等のユーザに入って欲しくない場所、あるいはユーザが施設から外に出てしまう出入り口にロケータを配置し、その付近でユーザが遊ばないようにするための情報である。
このような警告用の情報は、全アプリケーションに共通で設定される。警告表示の内容(グラフィック、文字、音声等)は、各アプリケーション側でそれぞれの内容に合わせて用意されている。
【0047】
ロケータ7の配置及び電波送信距離によっては、携帯端末5が複数のロケータIDを同時に受信することもありうる。複数のロケータIDを同時に受信した場合、通常アプリケーションプログラムは、受信強度を測定し、受信強度が強い方のロケータIDを受信した場合の処理を優先する。しかし、同時に受信したロケータIDの一方が、警告用情報が割り当てられたロケータIDであった場合は、受信強度に関係なく警告用情報が割り当てられたロケータIDに基づく処理が優先される。このように位置を示す情報が複数存在する場合に、ユーザの安全を優先するため、警告用の情報を最優先して処理が実行される。
【0048】
さらにプロセッサ41は、特殊なイベントを発生させるための情報である「特殊1」が割り当てられたロケータIDを受信すると、通常の仮想フィールドでは発生しない特殊な虫取りイベントを発生させる。このように、仮想フィールドではなく、特定のイベントやデータを割り当てられることもできる。WEB管理画面にはいつでもアクセスできるため、特定の季節、日時、時間帯、現実におけるイベント(例えば夏休みやクリスマス等)においてのみ「特殊1」のようなロケータ情報を設定することもできる。
【0049】
施設Aでは40個のロケータ7を配置しているため、管理者又はオペレータは、1〜40番のロケータIDに対して設定を行う。管理者又はオペレータは、予めロケータ7とそのロケータIDの配置図を用意し、それを見ながら図4のロケータIDテーブルの設定を行う。管理者又はオペレータは、昆虫採集以外のアプリに対しても、同様の設定を行う。アプリケーションによって、ロケータ情報を何の処理に使うかは異なる。例えば仮想フィールドの設定、特定のイベント、アイテム、フラグ等の発生情報をとして使用される。
また、一つのロケータIDに対して、複数のロケータ情報を割り当てる場合もある。例えば、一つのロケータIDに対して、仮想フィールド情報と、特定のイベントを発生させる情報を割り当てる場合がある。
逆に、一つのロケータ情報に対して、アプリケーションプログラム側で複数の処理を実行する場合もある。例えば、プロセッサ41が、あるロケータ情報を取得した場合に、仮想フィールドの設定と、特定のイベントを発生させる処理をそれぞれ行うようにプログラミングがなされる。
【0050】
受付端末3からロケータIDテーブルを受け取った携帯端末5は、同じロケータ情報が割り当てられたロケータIDのグループとして識別できる。例えば、ある施設のロケータID「1」から「5」のロケータ情報「森」が割り当てられている場合、ロケータID「1」から「5」は一つのグループと識別できる。
プロセッサ41は、あるロケータ情報を取得することだけでなく、そのロケータ情報を持つグループの内の特定のロケータIDを受信することをトリガとして利用できる。グループ中の特定のロケータIDは、例えば抽選や、ロケータIDの大小関係等任意のアルゴリズムで決定される。
同様に、複数の異なるロケータ7から同じロケータ情報を受信することをトリガとして利用できる。
【0051】
例えば、仮想フィールド「森」に行けばイベントが発生するというアプリケーションの場合、単純に「森」のロケータ情報を持つ何れかのロケータID「1」から「5」を受信した場合にイベントを発生させることもできるし、アプリケーションの抽選によって選ばれた「3」を受信した場合にのみイベントを発生させることもできるし、「1」から「5」のいずれかを複数種類受信した場合にイベントを発生させることもできる。また、上記トリガをイベント発生に使用するだけでなく、通常と異なるイベントテーブルを使用するためのトリガとして使用することもできる。上記トリガを条件の一つとしつつ、歩数や時間等の他の条件を組み合わせてもよい。
ユーザは仮想フィールド「森」に行くだけでなく、「森」の中を探し回ることでイベントに遭遇するかのような演出が可能となる。また、イベントが発生する位置(ロケータ7の場所)を、ユーザに容易に特定させない効果もある。これによってユーザにとって飽き難いゲームが実現できる。
【0052】
上述の通り、ロケータ7の設置場所及び設置数は施設により異なる。しかし、ロケータIDテーブルによって、アプリケーション毎にロケータIDの意味付け(ロケータ情報)を変更することができるので、どんな施設でも同じ機器構成でアプリケーションを実行することができる。
また、センターサーバ1側でセーブデータを管理するため、ユーザはある日は施設Aでアプリケーションをプレイし、別の日は施設Bで続きをプレイするといったことも可能になる。
【0053】
ロケータIDテーブルによるロケータ情報への変換を用いず、ロケータIDに応じて直接プロセッサ41に処理を実行させることもできる。しかし、その場合、多くの施設で同時にシステムを運用することや、ユーザに対して複数のアプリケーションを同時に提供することが難しくなる。
例えばロケータID「50」を受信することをアプリケーションの処理の条件の一つとすると、ロケータIDが「50」のロケータが配置されていない施設ではその処理が行えない。また、施設によってロケータID「50」に該当するフィールドにイベント用に用いたい場合と警告用に用いたい場合があり、どちらかの施設が犠牲になるおそれがある。
ロケータIDテーブルによる変換を利用することで、どの施設でも同じシステムでアプリケーションを実行することができる。結果多くのユーザ・施設にこのシステムを利用してもらうことができる。
【0054】
ロケータ7を追加する場合は、管理者又はオペレータは、追加したロケータ7のロケータIDに対して設定を行う。
システムを運営する中で施設内に危険個所等が発覚した場合にロケータ7を追加し、警告用の情報を割り当て、当該新しく発覚した危険個所周辺でプレイがなされないようにするといった対応も柔軟に行える。
いずれかのロケータ7が故障した場合は、臨時で予備のロケータ7を故障したロケータ7と交換し、故障したロケータIDに設定されていた情報と同じ情報を予備のロケータ7に設定する。
基本的にロケータ7は各施設内の電源付近に固定されているが、携帯可能なロケータ7を、施設職員又は施設内を移動する移動体に持たせ、適宜移動させるようにしてもよい。この場合ロケータ7には別途電池等が必要である。また、管理者又はオペレータは、当該携帯可能なロケータ7が発信するロケータIDについても、それぞれのアプリケーションのためのロケータIDテーブルの設定を行う。
【0055】
また、アプリケーションがバージョンアップし、仮想フィールド情報、警告情報、特殊イベント情報、その他各ロケータIDに割り当て可能な情報の種類が増加した場合も、ロケータIDテーブルの再設定を行うことで、ロケータ7の配置を変えることなくいつでも対応できる。
バージョンアップ等がなくとも、ロケータIDテーブルを適宜変更することで、仮想フィールドの配置を変更し、複数回プレイするユーザが飽きることを防止することができる。
【0056】
図3に戻って、ステップS9からステップS11に進み、センターサーバ1は、ステップS7及びステップS9で決定したユーザのセーブデータ及びロケータIDテーブルを含む情報を受付端末に送信する。
ステップS13で、受付端末3は携帯端末5に対して、ユーザID,プレイ時間情報、セーブデータ、ロケータIDテーブル及びアプリケーションIDに対応するプログラムを起動するためのコマンドを含む情報を送信する。選択されたアプリケーションによっては、プログラムの進行に使用するための情報がさらに送信される場合がある。
ステップS15に進んで、携帯端末5は、図2の外部メモリ43に格納されているアプリケーションプログラムを起動し、ステップS13で送信された情報をロードする。但し、ユーザが初めて当該アプリケーションをプレイする場合は、セーブデータは存在しない。
この時受付端末3のオペレータは、受付端末3と携帯端末5のUSBケーブルを取り外し、携帯端末5をユーザに渡す。
【0057】
ステップS17で、プロセッサ41は、第1タイマをスタートする。第1タイマは、プレイ時間を計測するタイマである。
ステップS19で、プロセッサ41は、起動したアプリケーションプログラムに従った処理を実行する。
ステップS21で、第1タイマが終了、つまり、プレイ時間が終了すると、プロセッサ41は、ゲーム終了処理に入り、ユーザに対して受付に携帯端末5を返却することを促す画面を表示し、スイッチ部49からのユーザの操作を受け付けなくなる。但し、アプリケーションによっては、第1タイマが終了し、特定のイベント処理が終了した後に、上記の終了処理に移行する。
ユーザは受付端末3のオペレータの元に戻り、携帯端末5を返却する。
【0058】
ステップS23で、携帯端末5は、USBケーブルを介して受付端末3と通信し、ユーザID、アプリケーションID及び今回のゲーム処理を反映したセーブデータを送信する。セーブデータの内容は、アプリケーションによって異なる。
ステップS25で、受付端末3は、センターサーバ1にユーザID、アプリケーションID及びセーブデータを送信する。
ステップS27でセンターサーバ1はステップS25で受け取ったユーザID、アプリケーションID及びセーブデータを関連付けて保存する。
【0059】
携帯端末5上でユーザがアプリケーションを続きから開始するために使用される他、別途システムと連動したWEBアプリケーション用のセーブデータとしても利用される。
図3で説明したユーザID、アプリケーションID及びセーブデータは、各アプリケーションと連動したWEBサイトでも使用される。このWEBサイトはユーザが帰宅後、ユーザのパソコンや携帯電話等のWEBブラウザからアクセスする。
ユーザが自己のユーザIDを入力してログインすると、センターサーバ1はユーザID関連付けられたセーブデータを選択する。そして、センターサーバ1は、ユーザによるアプリケーションの進行具合であるセーブデータに基づいて、WEBサイトで表示するコンテンツを変化させる。
例えば昆虫採集アプリに対応したWEBサイトでは、センターサーバ1は、セーブデータに含まれるユーザが捕まえた昆虫のデータに対応する図鑑を表示する。また、センターサーバ1は、多数のユーザのセーブデータから各ユーザの昆虫採集数を比較したランキング画面を表示する。
【0060】
また、センターサーバ1はユーザが当該WEBサイト上で行った操作に応じてセーブデータに追加を行う場合がある。例えば、WEBサイト上で行ったミニゲームの結果に応じてセーブデータ中の仮想のアイテム、お金又は経験値といったデータを増加させたり、携帯端末5側のアプリケーション情報で特定のイベントを発生させるためのフラグ情報を追加したりする。
また、センターサーバ1は、WEBサイト上で行ったミニゲームの結果に応じてパスワードを表示する。ユーザが携帯端末5上でアプリケーションを実行する際に当該パスワードを入力すると、アプリケーションプログラムの処理として、仮想のアイテム、お金又は経験値といったデータを増加したり、携帯端末5側のアプリケーション情報で特定のイベントを発生させるためのフラグ情報を発生したりする処理が、プロセッサ41によってなされる。
【0061】
次に、図3のステップS21で実行されるアプリケーションの例について説明する。
【0062】
(ロールプレイングアプリケーション)
このアプリケーションは、ミッションを選択し、特定の敵キャラクタの打倒や特定のアイテムの取得等、ミッションごとに設定された条件をクリアしていくロールプレイングゲームを行うアプリケーションである。
ユーザが携帯端末5を操作しながら施設内を巡回し、アプリケーションプログラムが規定する条件を満たすと、会話イベント、戦闘イベント、回復イベント、買物イベント、ミニゲームイベント等のイベントが発生する。
イベント発生の条件として、ロケータIDの受信、歩数、携帯端末5が特定の方向を向いていること、残り時間、特定のアイテムデータを持っていること、特定のイベントをクリアしたこと等のいずれか又はそれらの組み合わせが使用される。
アプリケーションに用意されたイベント発生の条件テーブルは、ミッション毎に用意されている。このため、ユーザはミッション毎に異なるイベントを体験することができる。
【0063】
上述のロケータIDテーブルによって、各ロケータIDに対応して、「草原」、「森」、「氷原」、「砂漠」、「遺跡」等の仮想フィールド情報が割り当てられている。それぞれの仮想フィールドは、実フィールドにおける距離が近いロケータ7が同じ仮想フィールドを割り当てられる。このため、近接する複数のロケータ7によって、比較的広い範囲の仮想フィールドが構成される。但し、管理者又はオペレータは、各仮想フィールドを近くのロケータ7同士でまとめずに、ばらばらに配置することもできる。
ロケータIDテーブルは、ミッションの種類にかかわらず共通で使用される。異なるミッションを実行するユーザの携帯端末5間であっても、同じ実フィールドにいれば、同じ仮想フィールドにいると判定される。もちろん、携帯端末5毎に、同じ実フィールドにいても、違う仮想フィールドにいると判定することも可能であるが、近くにいる携帯端末5間で通信プレイを行う場合があるため、通信プレイを行うユーザが共通体験を得やすいように、このように設定されている。
プロセッサ41は、ロケータIDを受信すると、ロケータIDテーブルを参照し、ロケータ情報を取得する。そしてアプリケーションプログラムに従い、当該ロケータ情報を取得した場合の処理を実行する。
【0064】
ロールプレイングアプリケーションの処理を開始すると、プロセッサ41は、ミッション選択画面を表示し、ユーザにミッションを選択させる。ミッションには難易度が設定されている。難しいミッションは、規定のミッションをクリアする等の条件がフラグとなって、選択可能になる。また、図3のステップS13で受付端末3から携帯端末5に送信される情報に応じて、ミッションが選択可能になる場合もある。例えば現実のイベントに合わせてある日時において、又はそれ以降の日時からミッションが選択可能になるという処理がなされる。
【0065】
まず、ミッションの流れについて例を用いて説明する。
上述の通り、イベントの発生条件や出現するアイテムや敵キャラクタのデータテーブルはミッション毎に異なるようにプログラミングされている。
あるミッションでは、プロセッサ41は、ユーザが移動を開始し、ロケータ情報が「草原」であるロケータIDを受信すると、会話イベントを発生させる。
プロセッサ41は、会話イベント中、ボスキャラクタが「遺跡」にいるというユーザに対する手がかりを表示し、ボスキャラクタと戦闘イベントが発生させるためのボス戦闘フラグを設定する。
その後プロセッサ41は、再びユーザが移動し、ロケータ情報が「遺跡」のロケータIDを受信すると、上記のボス戦闘フラグが設定されていることを確認して、ボスキャラクタとの戦闘イベントに移行する。
プロセッサ41は、戦闘イベント処理を実行し、ユーザが勝利条件を満たしたと判定すると、勝利演出を行い、ボスキャラクタ毎に定められた経験値、お金及びアイテム等を追加する。そして、プロセッサ41は、ミッションクリアと判定し、再びミッション選択画面を表示する。但し、図3のステップS19の第1タイマ処理において、残りプレイ時間が無い場合は、ステップS21の終了表示処理を行う。
ユーザが敗北条件を満たしたと判定すると、プロセッサ41は敗北演出を行い。戦闘イベントを終了する。そしてプロセッサ41は、回復イベントが発生するまで、各種イベントに遷移しない。回復イベントは、回復イベント用のロケータ情報が割り当てられたロケータIDを受信することで発生する。
【0066】
上記の処理の流れの途中、ロケータIDの受信、ロケータIDの累計受信回数、歩数や残り時間等の所定の条件によって一般敵キャラクタとの戦闘イベントに遷移する場合がある。この戦闘イベントにおいてもプロセッサ41は上記と同様の処理を行う。但し、プロセッサ41は、上記のボスキャラクタとの戦闘イベントとは異なり、勝利してもミッションクリアとは判定せず、敵キャラクタ毎に定められた経験値、お金及びアイテム等が追加するのみである。経験値が一定数量以上たまると、ユーザのゲーム中でのレベルが上昇し、一度の攻撃で敵キャラクタに与えるダメージや、敵キャラクタからの攻撃に対する耐久度等のパラメータが上昇し、敵キャラクタを倒しやすくなるため、ボスキャラクタとの戦闘イベントに敗北したユーザは、このような一般敵キャラクタとの戦闘イベントをこなすことで、レベルを上げて再度ボスキャラクタとの戦闘イベントに挑戦する。
【0067】
(待機画面)
次に、携帯端末5に表示される画面例について説明する。
特定のイベントが発生していない場合、現在の残りプレイ時間、歩数、現在の仮想フィールド、所持アイテム、金銭、現在遂行中のミッション、次にどこに行けばゲームが進行するかの手がかり情報等の各種ゲーム状態を表示する待機画面が表示される。現在の仮想フィールドは、プロセッサ41が最後に受信したロケータIDのロケータ情報から決定される。
この待機画面には、施設毎に特有のメッセージテロップも表示される。メッセージの内容は図3のステップS13において、受付端末3から送信される情報に含まれている。また、当該メッセージの内容は、図4で説明したWEB管理画面上で、管理者又はオペレータによって予め編集されている。普段はメッセージを表示せず、特定のロケータIDを受信すること等をトリガとして、当該メッセージを携帯端末5上で表示させる場合もある。
【0068】
(確認画面)
ロケータIDの受信等、イベント発生条件が満たされると、プロセッサ41は、スピーカ17から注意音を鳴らし、周囲が安全な場所かユーザに確認させるための確認画面を表示する。ユーザがスイッチ15を押すことに応じて、各種イベント画面に遷移する。
【0069】
(探索画面)
プロセッサ41は、特定の条件が満たされることに応じて、上記確認画面を経て探索画面を表示する。
探索画面には、現在の仮想フィールドに応じて用意される背景が表示される。当該背景はLCDパネル11の解像度より大きな一枚の絵として用意されており、LCDパネル11に表示される範囲は一部分である。
プロセッサ41は、状態センサ47からの出力によって、携帯端末5の向き、姿勢を判定する。そしてプロセッサ41は、携帯端末5の向き、姿勢の変化に応じて背景の表示範囲をスクロールさせる。このため、携帯端末5を持ちLCDパネル11を見ているユーザには、自分の視線の変化に合わせて背景が変化するように見える。
背景画像は左右が切れ目なく繋がった画像であり、ユーザを中心とした360度の回転を行うと、背景も一周して元の表示位置が表示されるように調整されている。但し、上下方向のスクロールは、背景画像の上端又は下端までで制限される。
このように、ユーザに疑似的な360度の視界が提供される。なお、今回は一枚の絵を使う手法を紹介したが、ポリゴン等の3Dモデルで背景を構成し、状態センサ47の出力に応じて仮想のカメラの座標及び向きを決定することによって、ユーザに疑似的な360度の視界を提供する手法もある。
【0070】
なお、この実施の形態では、プロセッサ41は、背景画像の左右方向へのスクロールを状態センサ47の地磁気センサの出力(地磁気の方向から、携帯端末5が向いている東西南北の方位が判定できる。)から判定し、背景画像の上下方向へのスクロールを三軸加速度センサ(重力加速度の方向の変化から、携帯端末が上向きか下向きかといった向きが判定できる。)の出力から判定している。
【0071】
アプリケーションプログラムに応じて、プロセッサ41は背景画像上の各所にアイテム、キャラクタ、店等を表現したオブジェクトを配置する。また、背景画像の表示範囲の中央に、円形のカーソルを表示する。これらの各種オブジェクトとカーソルとが重なること、重なった状態で一定時間が経過すること、重なった状態でスイッチ15が押されることなどをトリガとして、プロセッサ41は各種処理を実行する。
例えば、アイテムのオブジェクトであればアイテムの取得処理が実行される。キャラクタのオブジェクトであれば会話イベント、戦闘イベント又はミニゲームイベントへの遷移処理が実行される。店オブジェクトであれば買物イベントへの遷移処理が実行される。
【0072】
探索画面への遷移は、通常ロケータIDの受信によって発生する。しかし、ユーザは待機画面における選択操作によって探索画面に遷移することもできる。この場合、背景上に配置されるオブジェクトはランダムで決定される。但し、オブジェクトが配置されておらず、何もイベントが発生しない場合が多い。また、ミッションの進行に必要なイベント等へと遷移するようなオブジェクトは配置されない。ユーザがロケータ7をなかなか発見できず、イベントが発生しない場合において、ユーザが退屈しないようにするための措置である。
【0073】
さて、上記のような視界の遷移、カーソルの移動及びオブジェクトの選択は、戦闘イベントやミニゲームイベント中でも行われる。一部のイベントにおいては、上下左右方向へのスクロールではなく、左右方向又は上下方向へのスクロールに限定し、カーソルをオブジェクトに合わせやすくする場合もある。
また、このロールプレイングアプリケーション以外の携帯端末5用のアプリケーションでも同様の処理が利用される。
【0074】
(戦闘イベント)
次に戦闘イベントについて説明する。このゲームではターン制の戦闘システムが採用されている。
戦闘イベントへの遷移が発生すると、プロセッサ41は出現する敵キャラクタの種類、数及び座標を決定する。ユーザが攻撃、防御、逃走、アイテムを使う等の行動コマンドを選択すると、プロセッサ41は敵キャラクタの行動を決定し、ターンを開始する。攻撃方法には複数種類が用意され、ユーザの選択に応じて選択される。
プロセッサ41は、1ターンごとにユーザ側と敵キャラクタ側の行動に対応したアニメーションの表示と、行動の結果の判定を行う。例えば、攻撃コマンドに応じて、相手の耐久度データが減少する。
プロセッサ41は、行動の結果、敵キャラクタの耐久度データが0以下になれば、ユーザの勝利と判定する。逆にユーザの耐久度データが0以下になれば、ユーザの敗北と判定する。
【0075】
ユーザが攻撃コマンド及び攻撃方法の種類を選択した後、プロセッサ41は、探索画面と同様に背景、カーソル及び敵キャラクタのオブジェクトが表示する。カーソルが敵キャラクタオブジェクトに重なった状態でスイッチ15が押されると、プロセッサ41は、ユーザの当該敵キャラクタに対する攻撃を確定し、対応するアニメーション表示の後、当該敵キャラクタの耐久度を減少させる。
敵キャラクタの座標と携帯端末5の向きによっては、敵キャラクタが画面中に表示されていない場合がある。この場合ユーザは、携帯端末の向きを変えることによって敵キャラクタを探し出し、カーソルを重ねる必要がある。カーソルの表示時間には制限時間があり、制限時間が0になるまでに攻撃を確定できない場合、ユーザから敵キャラクタへの攻撃は行われず、敵キャラクタからユーザへの攻撃のみが実行される。逆に素早く攻撃を確定させる場合、敵キャラクタの耐久度の減少量が増加する等、ユーザに有利な処理が行われる。
敵キャラクタオブジェクトの位置が常に移動する場合もある。
敵キャラクタの種類によっては、「頭」、「体」、「しっぽ」等の複数の部位が存在し、カーソルを重ねた位置に応じて耐久度の減少量が異なる。
また、プロセッサ41は、ターン終了時に「敵が移動した」と表示して、敵キャラクタの座標を変更する場合がある。
【0076】
(通信プレイ)
次に、通信プレイについて説明する。携帯端末5は、位置検出部45(RFモジュール)を使って通信プレイを行うことができる。携帯端末5はそれぞれが識別情報を有している。通信プレイを行う場合、ゲーム開始前の受付端末3との通信時に予め設定を行い、通信を行う対象となる識別情報を持つ携帯端末5のグループが設定される。このときいずれか1台の携帯端末5が親機として設定される。また、各携帯端末5は、同一グループに属する携帯端末5の識別情報及び、どの携帯端末5が親機かを示す情報を記憶する。
【0077】
この実施の形態では、常時携帯端末5のグループ間で通信を行うのではなく、ホストの携帯端末5で戦闘イベントや特定のイベントを開始する場合に、近くにグループに属する携帯端末5がいる場合に通信が開始され、同じイベントが同期をとりながら各携帯端末5上で実行される。
【0078】
例えば、親機がロケータ情報を取得し、さらにその時に同一グループに属する他の携帯端末5との通信プレイ状態にあることをトリガとして、イベントが発生する。
この時、親機が当該ロケータ情報の取得後一定時間内に子機との通信が確立できたことによってイベントの成立を判定し、イベント成立情報を子機にも送信する。そして、当該イベント成立情報に応じて、親機及び子機上で同一のイベントが進行する。
また、通信プレイ状態の親機と子機とが協力してフラグを立てるイベントも存在する。例えばグループ内でのあるイベント用アイテムの所有数の合計が10以上になることをフラグとするイベントが存在する。
まず各ユーザは離れて単独プレイ状態で行動し、ゲームをこなしてイベント用アイテムを集める。そして、当該イベントが発生するロケータ7の位置で集合する。親機が当該ロケータのロケータ情報を取得し、親機と子機とが通信プレイ状態にあるかをチェックする。通信プレイ状態にある場合、イベントが開始される。この時各携帯端末5は、親機にイベント用アイテムの所持数を送信する。親機は所持数を計算し、それが10個以上か否かによって、イベントがクリアされたと判定し、次のイベントを表示するための情報を各子機に送信する。
【0079】
戦闘イベントにおいても、通信プレイが可能である。上述の戦闘イベント開始時に親機は周辺の子機に対して、戦闘イベントに参加するかを確認する。
参加選択を行った子機と親機は通信プレイ状態で戦闘イベント処理を実行する。戦闘イベントは、上述のターン制バトルが採用される。各携帯端末5はコマンドを選択し、選択結果を親機に送信する。例えば攻撃コマンドを選択した場合及び攻撃の種類と攻撃の対象の敵キャラクタを示すデータを送信する。親機は、受信した味方のコマンドを集計し、敵キャラクタの行動を決定し、そのターンの結果を演算する。親機は演算結果を子機に送信し、当該演算結果に応じた戦闘演出が各携帯端末5で表示される。
【0080】
戦闘イベント中、途中で子機のユーザが親機の通信範囲から離脱するなどして子機との通信が途絶えると、親機は当該子機のユーザが逃亡したと表示し、残りの子機と戦闘イベントを継続する。
再度離脱した子機のユーザが親機の近くに戻ってきた場合、親機と当該子機は通信を再開し、戦闘イベントが終了していない場合は、次のターンから再度子機のユーザを戦闘イベントに参加させる。例えば、戦闘イベントから一時離脱して回復イベントを経て、再度親機の元に戻り、戦闘イベントに参加するということも可能である。
【0081】
このようにユーザはある時は離れて行動し、ある時は集まって同じイベントを同時に楽しむことができる。離れている間も各携帯端末5上では、プロセッサ41は単独でアプリケーションを進行させ、各種イベントを発生させる。
【0082】
(町探索アプリケーション)
次に、携帯端末5で実行されるアプリケーションの別の例として、町探索アプリケーションを説明する。このアプリケーションでは、ロケータID毎にロケータ情報として「自宅」、「学校」、「店1」、「店2」、「高原」、「広場」、「海」等の仮想エリア情報が割り当てられ、仮想の町が構成される。複数個のロケータIDが一つの仮想エリアを構成する場合もある。ユーザは仮想の町を探索し、アイテムの収集、ミニゲーム或いはキャラクタとの会話イベント等を楽しむ。
【0083】
ユーザは受付端末3で携帯端末5を受け取ったのち、施設内を移動する。この移動中は、上述の待機画面と同様の、ゲーム情報を表示した画面が表示される。
ロケータIDを受信すると、プロセッサ41はロケータIDテーブルに基づきロケータ情報を解釈し、仮想エリアを表現した画面に遷移する。
この画面は上述の探索画面と同様に、ロケータ情報に応じた背景が表示され、そこにキャラクタ等のオブジェクトが配置される。プロセッサ41は、当該オブジェクトがユーザに選択されることで、オブジェクト毎に割り当てられた会話イベントやミニゲームイベントに遷移する。プロセッサ41は、会話イベントやミニゲームイベントの結果に応じて、アイテムやお金等を取得する処理を行う。配置されるキャラクタ、イベント、ミニゲーム等は、仮想エリア情報毎にアプリケーション側でテーブルが用意されている。
ロケータ情報が「店」だった場合、プロセッサ41は、買い物イベントに遷移し、アイテムの一覧と価格を表示する。プロセッサ41は、ユーザの選択に応じてアイテムの取得及びお金の減少処理を行う。
【0084】
「自宅」のロケータ情報を取得すると、プロセッサ41は、自宅画面に遷移する。自宅画面では取得した家具アイテムを並べて楽しむことができる。家具データ及び家具配置データはセーブデータの一部として記憶される。
センターサーバ1はこのアプリケーションのためのWEBサイトにおいて、セーブデータ中の当該家具データ及び家具配置データに基づき、ユーザの自宅画面と同様の家具を配置する。このためユーザは帰宅後も自分の取得した家具を見て楽しむことができる。
【0085】
このアプリケーションではIRモジュール55を使って、外部の機器、例えば赤外線通信を使う玩具から赤外線信号を受信し、アイテム取得等のイベントが発生する。また、携帯端末5同士で通信を行い、アイテムの交換をすることもできる。
【0086】
さて、以上のように本実施の形態によれば、各施設のロケータ7毎にアプリケーションのためのロケータ情報を設定・編集できるため、現在位置に応じた処理の内容を柔軟に設定できる。また、施設におけるロケータ7の配置状態に合わせてロケータ情報を設定・編集できるため、様々な施設及びそのユーザに向けてシステムを提供することができる。
また、ロケータ7の配置に変更が生じた場合でも、ロケータIDテーブルを通じて修正を行うことで、アプリケーションが実行できなくなるという事態を回避することができる。
さらに、アプリケーション側に変更や追加が生じた場合に、ロケータIDテーブルでロケータ情報を修正すれば、ロケータ7の配置まで変更や追加をせずに済む。
【0087】
アプリケーション毎にロケータIDに対応したロケータ情報を編集できるため、多様なアプリケーションを同じシステムを使用して同時に同じ場所で実行できる。
【0088】
各施設のロケータ7の配置に合わせて、アプリケーションのためのロケータ情報を設定・編集できるため、様々な施設に向けて同時にこのシステムを提供することができる。また、ある施設においてロケータ7の配置状況に変更が生じた場合でも、ロケータIDテーブルで当該施設の設定を再編集すれば、アプリケーションや他の施設の設定を修正する必要が無い。
【0089】
あるパラメータが関連付けられた区域に行けば必ず一定の処理が行われるということがない。また、ユーザは位置とイベント発生の関係を簡単には把握できないため、ユーザにとって飽き難いシステムを提供することができる。
【0090】
複数のロケータIDが受信される場所があったとしても、プロセッサ41の処理が滞らない。また、警告用表示等の重要な処理が優先して実行させるため安全である。
【0091】
プロセッサ41は、ロケータ7のロケータIDを受信し、解読するという簡単な処理によって、現在位置がいずれの区域にあるかを判別することができる。ロケータ7を配置するだけで、どのような実空間であっても容易に区域の設定ができる。
さらに、同様機材を配置した施設において、同じアプリケーションを提供することができる。施設毎に前記発信機を配置できる場所や数は変わりうるが、前記編集手段によって、地域・施設の状態に合わせて柔軟にシステムの調整を行うことができる。
【0092】
(変形例)
上記の実施の形態では、位置検出部45として、RFモジュールを使用し、施設内に配置されたロケータ7から発信されるロケータIDによって携帯端末5の相対的な位置を検出した。また、各ロケータIDの受信可能範囲によって区域分けができていた。
しかし、位置検出部45は、携帯端末5の絶対的位置又は相対的位置を検出し、当該位置がどのような区域にあるのかを判別する手段があれば、その検出方法は特に限定されない。また、そのような手段がある限り、本発明に基づくシステムを実施する場所は、屋外であっても構わない。
【0093】
携帯端末5の絶対的位置を検出する場合、例えば、位置検出部45としてGPS受信機を使用する。そして、プロセッサ41は、周知の位置算出アルゴリズムに従って、GPS受信機からの信号を処理及び解析して、携帯端末5の位置を算出する。この場合、別途区域分けが必要となる。例えば、センターサーバ1に、ある程度の範囲の位置情報毎に区域分けを行い、パラメータを割り当てたデータベースを用意する。
また、位置検出部45として電波受信機を使用する場合においても、ロケータ7の代わりに複数の発信機(例えば、微弱電波の発信機、携帯電話機の基地局、又は無線LANのアクセスポイントなど)を配置し、携帯端末5側に対応する受信手段を設けてもよい。発信機からはロケータIDに対応する固有の識別情報が送信される。そして、プロセッサ41は、当該識別情報を受信し、それをデコードして、自己の位置を算出する。
【0094】
上記の例では各ロケータIDに応じてロケータ情報を割り当てていたが、複数のロケータIDの組合せにより、ロケータ情報を決定する方式を採用してもよい。
【0095】
携帯端末5の相対的位置を検出する場合、例えば、位置検出部45としてRFタグを使用してもよい。この場合、複数のRFリーダ/ライタをプレイエリア9に配置する。そして、RFリーダ/ライタにより、RFタグにRFリーダ/ライタの位置を書き込む。また、例えば、位置検出部45としてRFリーダ/ライタを使用する。この場合、複数のRFタグをプレイエリア9に配置する。そして、RFリーダ/ライタにより、RFタグが保持する位置情報を読み込む。
【0096】
状態センサ47は、携帯端末5の三次元空間中の状態(姿勢を含む。)を検出できるものであれば、その種類は問わない。例えば、状態センサ47は、加速度センサ、ジャイロセンサ、方位センサ、若しくは、傾斜センサ、又は、それらの2以上の組合せである。また、歩数や方位等をプロセッサ等の処理機に直接数値として出力するモジュールも存在するため、そういったモジュールを採用してもよい。
【0097】
上記の例では携帯端末5は施設が所有し、ユーザに貸し出していたが、携帯端末5はユーザに所有物であってもよい。また、本システムのための専用の端末ではなく、汎用のゲーム機やコンピュータであってもよい。
【0098】
上記の例ではロケータ7は一方的にロケータIDを発信する機器であった。しかし、通信機能を有し、携帯端末5や受付端末3と通信し可能なロケータを採用してもよい。また、ロケータIDに相当する発信情報を、後から変更できる機器を採用してもよい。
【0099】
上記の例ではネットワークを介してセンターサーバ1上で、区域(ロケータID)とパラメータ(ロケータ情報)との関連付け及びその修正処理を行った。しかし、システムはある特定の施設内に限定されるものであってもよく、例えばセンターサーバ1の処理を施設の受付端末3に相当する端末が行う構成であってもよい。さらに、携帯端末5に相当する端末が全ての処理を行う構成であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明は、例えば、ユーザの位置に応じた処理を実行するエンターテインメントシステムや、ユーザの位置に応じてその周辺にあるものを案内するシステム等に利用可能である。
【符号の説明】
【0101】
1…センターサーバ、3…受付端末、5…携帯端末、7…ロケータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
実空間に区域を設定する区域設定手段と、
前記区域毎にアプリケーション処理のためのパラメータを関連付ける関連付け手段と、
前記関連付けを編集する編集手段と、
携帯端末上でアプリケーションを実行するアプリケーション実行手段と、を備え、
前記アプリケーション実行手段は、
前記携帯端末の現在地がいずれの前記区域にあるかを判定する判定手段と、
前記判定の結果に応じて、前記区域と関連付けられた前記パラメータを取得する取得手段と、を含み、前記パラメータに応じた処理を実行する、自己位置利用システム。
【請求項2】
前記アプリケーションは複数種類存在し、
前記編集手段は、前記アプリケーションの種類毎に前記区域と前記パラメータとの関連付けを編集する、請求項1記載の自己位置利用システム。
【請求項3】
前記区域設定手段は、施設単位で前記区域を設定し、
前記編集手段は、前記区域と前記パラメータとの関連付けを編集する、請求項1又は2に記載の自己位置利用システム。
【請求項4】
前記アプリケーション実行手段は、
同一の前記パラメータが関連付けられた前記区域の中から、一つ又は複数の前記区域を選択する区域選択手段をさらに含む。
【請求項5】
前記アプリケーション実行手段は、
前記パラメータ取得時、何れの前記区域において前記パラメータを取得したかを記録する履歴手段をさらに含む、請求項1から4の何れかに記載の自己位置利用システム。
【請求項6】
前記アプリケーション実行手段は、
前記パラメータに応じた処理について、優先順位を設定する優先順位設定手段をさらに含み、
前記区域が重なる範囲において、前記パラメータ取得手段が複数の前記パラメータを取得する場合に、前記優先順位に基づいて実行する処理を選択する、請求項1から5の何れかに記載の自己位置利用システム。
【請求項7】
前記区域は、各所に配置された発信機が発信する信号の受信可能範囲であり、
前記判定手段は、前記信号に含まれる前記発信機毎に固有の情報に基づいて前記判定を行う、請求項1から6の何れかに記載の自己位置利用システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−19494(P2012−19494A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−157346(P2010−157346)
【出願日】平成22年7月9日(2010.7.9)
【出願人】(396025861)新世代株式会社 (138)
【Fターム(参考)】