説明

自己排出リザ―バを備えた低プロフィ―ル自動注射装置

【課題】寸法が小さいと共に低プロフィール形状を有することにより、歩行患者により便利に取り扱われることを許容すると共に、長期間に亘り患者の皮膚内に薬剤溶液等を注入し得、且つ、製造する上でも簡素で安価である基礎設計を有する自動注射装置を提供する。
【解決手段】患者の皮膚を貫通した注射により患者の体内へ治療用液体製剤を投与する装置20は、患者の皮膚と接触され得る底面24を有する低プロフィールハウジングを備え、投与する治療用液体製剤を収納するリザーバをハウジング内に配設する。注射針は、ハウジング内にある移動可能な針担体に担持されると共にハウジングの底面の針用開孔を貫通して突出し得る屈曲注射端を有する。ハウジングの高さを最小化した結果、ハウジングの高さは十分に低くなり、上記装置は患者の衣類の下に目立たない様に装着され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者の皮膚内へのまたは皮膚を貫通した注射により患者の体内へ治療用液体製剤を投与する装置に関する。特に、本発明は、患者の衣類の下に目立たない様に装着されて(インシュリンなどの)治療用液体製剤が長期間に亘り投与されることを可能とすると共にポンプまたは他の種類の放出装置の必要性を排除する自己排出リザーバを取り入れた低プロフィール自動射出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
熟練していない人員により薬剤溶液または他の治療用液体製剤を投与し得る様に、種々のタイプの自動注射装置が開発されている。一般的に、これらの装置は、治療用液体製剤が予め充填されたリザーバと、ユーザによりトリガされ得る(通常はスプリング負荷型の)一定の形式の自動(注射)針駆動機構とを含んでいる。斯かる装置の例としては、Stephen C. Wardlawに与えられた全ての米国特許第4,188,950号、第4,196,732号、第4,258,713号、第4,227,528号と第4,378,015号が挙げられる。更なる例としては、Smirnovらに与えられた米国特許第4,214,584号、Miskinyarに与えられた二つの米国特許第4,894,054号と第5,527,287号、並びに、Newmanに与えられた米国特許第5,616,132号が挙げられる。
【0003】
針が注射されたときに治療用液体製剤の流れを開始するために、上記各特許に開示された装置は概略的に可動アンプル、ピストンまたは他の複雑な機構を採用しているが、これらの製造が幾分なりとも困難なものである。更に、これらの装置の設計は一般的に、リザーバが(注射)針駆動機構の上方に位置されることを必要とするが、その結果として相当な厚みを有する装置になってします。このことは、薬剤溶液がボーラス(bolus)として一度の独立した時間に注射されるのであれば必ずしも問題とはならないようにこれらの装置の殆どが設計されているため、薬剤溶液が長期間に亘り患者に注入されるべきときは明らかに欠点となる。後者の場合、注射装置は数時間以上にも亘り(例えばテープまたは接着剤により)患者の皮膚に接触保持されねばならないが、装置が相当の厚みを有するときには達成するのが困難である。
【0004】
別の種類の装置としては、患者の皮膚内に治療用液体製剤を漸進的に注入できるものが挙げられる。場合によっては、これらの装置は(高さと全体サイズの両者において)十分に小さい寸法とされ、歩行患者により「装着」されて治療用液体製剤が患者に注入されるのを許容することもある。この種の装置の例としては、両者ともにEckenhoffに与えられた米国特許第4,340,048号と第4,753,651号、Millerdに与えられた米国特許第4,734,092号、Thomaらに与えられた米国特許第4,781,688号、Cirelliらに与えられた米国特許第4,886,499号、Krieselらに与えられた米国特許第5,656,032号と、両者ともにElan Medical Technologies Ltd.に与えられたWO95/13838号特許とWO97/21457号特許が挙げられる。
【0005】
残念乍ら、先行技術中に開示された自動注入装置の殆どは設計が相当に複雑であり、その結果、所望の程度まで大きさを小さくし、価格を下げることができない。概略的に、これらの装置の複雑さには3つの原因がある。ひとつの原因は、治療用液体製剤を強制的にリザーバから注射用または注入用の針内に流出させるべくポンプまたは他の種類の排出機構が必要ということである。もうひとつの原因は、適時において治療用液体製剤の流れを開始せしめるために、一定の種類のバルブまたは流れ制御機構が必要ということである。第3の原因は、患者に対して自動的に注入針を注射すべく設計された装置を応用にあたり、ユーザによりトリガされ得る適切な注射機構の必要性である。これらの機能を実現するに必要な構造は、注入装置のサイズを増大すると共にその複雑性を増し、所望よりも寸法が大きくなると共に製造も比較的高価となる。
【0006】
従って、寸法が小さいと共に低プロフィール形状を有することにより、歩行中の患者により(好適には衣類の下で目立たない様にして)便利に取り扱われることができる自動注射装置に対する要望がある。また、長期間に亘り患者の皮膚内に薬剤溶液または他の治療用液体製剤を注入し得る自動注射装置に対する要望もある。最後に、寸法が小さくかつ高さが低いだけでなく製造する上でも簡素で安価であり得る基礎設計を有する自動注射装置に対する要望が存在する。
【発明の開示】
【0007】
本発明のひとつの態様に依れば、患者の皮膚内へのまたは皮膚を貫通した注射により患者の体内へ治療用液体製剤を投与する装置が提供される。該装置は、患者の皮膚と接触せしめられ得ると共に針用開孔を有する底面を有するハウジングを備える。治療用液体製剤を収納すべく上記ハウジング内にはリザーバが配設される。針担体もまた上記ハウジング内に配設され、該ハウジング内で第1位置と第2位置の間で移動可能であり、この移動は上記底面に略々平行な水平方向に生ずる。注射針は上記針担体と共に移動すべく該針担体により担持される。該注射針は、患者の皮膚を貫通すべく上記ハウジングの底面と略々直交して延伸する第1部分と、上記リザーバと連通すべく上記ハウジングの底面に略々平行に延伸する第2部分とを有する。上記針担体の上記第1位置において、上記注射針の上記第1部分は、上記ハウジング内に引込まれると共に上記注射針の上記第2部分は、上記リザーバと連通しない。上記針担体の上記第2位置において、上記注射針の上記第1部分は、上記針用開孔を貫通して突出すると共に上記注射針の上記第2部分は、上記リザーバと連通する。この様にして、上記第1位置と第2位置の間における上記針担体の移動により、上記注射針は患者の皮膚を貫通すると共に上記治療用液体製剤は上記注射針を介して患者の体内に流れ始める。
【0008】
本発明の更なる態様に依れば、患者の皮膚内へのまたは皮膚を貫通した注射により患者の体内へ治療用液体製剤を投与する装置は、患者の皮膚と接触され得る底面を有する低プロフィールハウジングを備えてなる。ハウジングの底面は針用開孔を有すると共に、当該装置が患者の衣類の下に目立たない様に装着できるようにハウジングの高さは十分に小さくなった。投与されるべき治療用液体製剤を収納すべくハウジング内にはリザーバが配設される。注射針はハウジング内にリザーバと無理なく連通して略々水平に配設される。注射針は、針用開孔を貫通して突出し得る屈曲注射端を有する。注射針を担持すると共に針担体の移動時には針用開孔を介して針の注射端を突出せしめるべく、移動可能針担体がハウジング内に配設される。底面からのハウジングの高さを最小化すべく、上記針担体と注射針はハウジング内にリザーバと並置関係で配設される。
【0009】
本発明の更なる態様に依れば、患者の皮膚内へのまたは皮膚を貫通した注射により患者の体内へ治療用液体製剤を投与する装置は、患者の皮膚と接触して保持され得るハウジングを備えて成る。投与されるべき治療用液体製剤を収納すべくハウジング内にはリザーバが配設される。リザーバは、治療用液体製剤に圧力を及ぼして比較的一定速度にてリザーバから治療用液体製剤を排出する皿バネを含んでいる。注射針は無理なくリザーバと連通すると共に、患者の皮膚内へのまたは皮膚を貫通して治療用液体製剤を注射すべくハウジングから突出し得る。
【0010】
ハウジング内に収納される針担体は底面に略々平行に水平方向に移動することからハウジング内においてリザーバと針担体は並置され、自動注射装置が低プロフィールとなり、歩行中の患者により(好適には衣類の下で目立たない様にして)便利に取り扱われ得る。また、リザーバは治療用液体製剤を比較的一定の速度で排出する皿バネを含むことから、ポンプまたは他の種類の排出機構が不要となる。更に、上記自動注射装置は流れ調整器を含むとことから、患者の皮膚内に薬剤溶液または他の治療用液体製剤を長期間に亘り注入することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の第1実施態様に従って構成された自動注射装置20は、図1と図2の頂部斜視図と底部斜視図に夫々示されている。該装置20は、上部ハウジング部分22と下部ハウジング部分24から成っている堅固な外部ハウジング21を含む。ハウジング部分22と24はポリカーボネートなどの適切なプラスチック材料から作成され得ると共に、水平つぎ目26に沿って相互に接合される。ハウジング21に対して使用されるプラスチック材料は好適には不透明であるが、所望であれば透明または半透明でも良い。上方または下方から見た場合、図示された如くハウジング21は円形端部を有する細長形状を有している。ハウジング21の前端28は閉塞されており、該ハウジングの後端30は(上部ハウジング部分22内の切り込みにより形成された)水平延伸スロット32を含むが、これはハウジングの内部に対するアクセスを許容するものである。このスロット32により、装置20が組み立てられた後にハウジング21内に予め充填された液体リザーバすなわち回分量チャンバが設置され得ることになる。ハウジング21の後端30において上部と下部ハウジング部分22と24に、液体リザーバが完全に挿入されるために、水平な三日月形状の切欠き34と36が形成される。
【0012】
図1に示される如く、ハウジングの上部22には、開孔40が形成された凹所領域38が形成される。開孔40は装置20の長さ方向に延長されると共に、ユーザにより操作されるスライド・ボタン42を収容している。図示される如くスライド・ボタン42の頂面はボタン移動方向に直交する方向にリブ付けされ、ユーザの指が滑らずにボタン42に係合するのを許容している。ボタン42は最初は図1に示された位置にあるが、装置20の作動の間はユーザにより後方に(すなわちハウジング21の後端30に向く方向に)移動される。以下に詳述する如く、ボタン42の移動により、注射針はハウジング21の底部から突出せしめられると共に、治療用液体製剤も内部リザーバから注射針を通して流れ始める。
【0013】
図2に示された如く、ハウジングの底面は平坦であると共に、患者の皮膚に対する装置20の固着を許容する感圧接着剤44の層を担持している。接着剤層44の粘着性は患者の体に堅固に接着し乍らも、使用後は皮膚から不快感なく取外し得る如く十分に弱いものである。この目的の為に使用され得る適切な接着剤は、ミネソタ州、セントポールの3M社から入手可能である。感圧接着剤層44がハウジングのプラスチック材料により良く接着するために、ハウジング21の底面は粗面とされまたは織地化されるのが好ましい。被覆紙または薄寸プラスチック板から作成された剥離ライナー46は、装置20の使用に先立って接着剤層44をカバーしている。剥離ライナー46が取外されたとき、それは接着剤層44だけでなく寸法が小さい丸孔48をも露出せしめるが、該寸法が小さい丸孔48はハウジングの下部24の前端28近傍において該下部24を貫通して形成されている。孔48は、以下に詳述する如く図1のスライド・ボタン42が起動されたときに装置20の底部から注射針が突出するのを許容する針用開孔の役割を果たすものである。
【0014】
好ましい実施態様においては、図1と図2の自動注射装置20適当な寸法は、長さが約3.6インチで、幅が約1.8インチで、高さが約0.4インチ以下である。但し、これらの寸法は単なる例示的なものであって限定的なものでなく、装置20の寸法とその全体形状または幾何学的構造はいずれも、特定の用途の用件に適合すべく変更され得ることは考えられる。
【0015】
図3と図4は、自動注射装置20の内部構成要素を示す分解図である。これらの構成要素には、液体リザーバもしくは回分量チャンバ50、針担体52と注射針54が含まれる。その詳細構造に関して以下の図9乃至図11で論ぜられる液体リザーバ50は、図示された如く薄寸ディスク形構造の形態であることが好ましい。リザーバ50の側部には円筒状の充填と排出ポート56が形成され、針担体52の後縁69に面している。液体リザーバ50はABSプラスチックなどの適切なプラスチック材料から成ると共に、(インシュリンなどの)治療用液体製剤が貯蔵される薄寸のディスク形状内部チャンバを決定する。ポート56の円形開孔57は(図3と図4では視認できない)内部の自己シール性ラバー隔壁により閉塞されるが、これは、装置20の使用の間に注射針54によりリザーバ50が貫通されるまでリザーバ50をシール状態に保持するものである。リザーバ50は(ポート56を貫通する針による注入により)治療用液体製剤により予め充填されると共に、装置20が組み立てられた後でスロット32を介して自動注射装置20内に挿入されるのが好ましい。リザーバ50がスロット32内に挿入されるとき、ハウジングの底部28に一体的に形成された一対の直立傾斜部58は、リザーバ50をハウジング内で適切な高さに配置するのを補助する。傾斜部58よりも更に近接離間されると共に前端28に更に近接して配置された同様の一対の傾斜部60は、ポート56の各側から延伸する水平翼部またはタブ62とかみ合う。結果として、ポート56の中央における円形開孔57は、注射針54の後向き端部63と正確に一列上に並ばれる。リザーバ50がハウジング21内の適切な位置に到達したとき、翼部62の後縁は一対の直立爪64の間に捕捉されるが、この直立爪64は傾斜部58と60と同様にハウジング21の底部24と一体化に形成されている。爪64は、自動注射装置20のハウジング21内部でリザーバ50を所定位置に固定する役割を果たすものである。リザーバ50は爪64とかみ合うべく浅底チャネル65により導かれるが、該チャネル65はポート56の最下縁部を受容すると共に、下部ハウジング部分24の内部表面に沿って長手方向に延伸するものである。上部ハウジング部分22の内部表面に沿って長手方向に同様のチャネル66が延伸し、ポート56の最上縁部を受容して案内している。
【0016】
引き続き図3と図4を参照すると、針担体52は、リザーバ50と並置関係でハウジングの下部24内に受容される。針担体52は、0.040インチ厚みのABSプラスチックなどの弾性プラスチック材料の細片から作成される。針担体52は略々矩形のガイド部68を含み、これの上にスライド・ボタン42と一体的に形成されている。ガイド部68の後縁69はリザーバ50に面すると共に、図3に示された如く小さな間隙70によりリザーバのポート56から離間されている。針担体52のガイド部68と一体的とされるのは弾性的撓曲可能部分71であり、該部分71は上方から見たときにハウジングの前部28の形状に略々対応した弧状または湾曲形状を有している。図4に最も良く示される様に、針担体52の弾性的撓曲可能部分71がその弛緩または非抑圧状態にあるとき、該撓曲可能部分71はガイド部68の平面から下方に(約7°が好ましい)傾斜されている。注射針54が針担体52の底面に対して固定され、注射針54の主要部もしくは未屈曲部分72は下部ハウジング部分24の平面に略々平行に延伸すると共に装置20の長手中心線と整列されている。注射針54は任意の所望手法で針担体52の下面に固着され得るが、好ましい方法は、針担体52の下面から延伸する突起(その内の2個は図4に74で示される)の間に注射針54の部分を捕捉する方法である。注射針54を所定位置に固定する為にエポキシ樹脂も使用され得る。注射針54の前端すなわち末端76は、該注射針の主要部もしくは基部72に対して約90°の角度で屈曲されると共に、装置20の作動の間に患者の皮膚を貫通する。図7と図8において後述する如く、注射針54は中空30ゲージのステンレス鋼カニューレの2つの部分から作成されるのが好ましく、各部分はそれらの自由端において鋭利な末端78と鋭利な基端63を提供すべく所定角度で研削されている。注射針54の末端76を主要部または基部72から区切る90°屈曲部は、図示された如く円滑な弧状とし、注射針54を通る治療用液体製剤の流れを一切妨げない様にするのが好ましい。
【0017】
ハウジング21内の固定位置に保持された液体リザーバ50と異なり、針担体52はハウジングの下部24に対して摺動可能である。これは、ハウジングの下部24と一体的に形成された一対の直立ガイドトラック構造82により達成される。図3に最も良く示される如く、針担体52の矩形ガイド部68は各ガイドトラック82間に摺動可能に受容されることから、スライド・ボタン42がユーザにより手動操作されたときにガイド部68は長手方向に(すなわち液体リザーバ50に向かう方向に)移動できる。これは、前述の如く針担体52の底部に固着された注射針54の対応移動を提供するものである。針担体52の移動の間、ガイドトラック82の上下の水平部分はガイド部68の垂直移動を抑制する。針担体52が下部ハウジング部分24内の最前端位置に在るとき、弾性的撓曲可能部分71の前縁85は、ハウジングの前端28の近傍において底部24と一体的に形成された一対の直立矩形支持部すなわち突起84により、弛緩または非抑圧形状から上方に撓曲される。針担体52の後部のガイド部68はガイドトラック82により上方移動が阻止されることから、針担体52は弾性的に抑圧された状態に保持され、弾性的撓曲可能部分71の前縁は支持部84上に対し下方に向けて当接する。この(弾性的に抑圧された)状態は、自動注射装置20の使用に先立って針担体52が固有する状態である。装置20が使用されるとき、針担体52は(スライド・ボタン42を介して)リザーバ50への方向へと移動され、これにより、弾性的撓曲可能部分71の前縁85を支持部84との接触から離脱させる。これにより、針担体52の弾性的撓曲可能部分71はそれ自体のスプリング力により下方に撓曲することが可能となる。この動きは、注射針54の末端76が患者の皮膚を貫通する為の導入力を提供する。
【0018】
図3と図4に示される如く、下部ハウジング部分24の内部表面上には直立円筒状ソケット86が一体的に形成される。上部ハウジング部分22の内部表面と一体的に形成されて下部ハウジング部分に向けて下方に延伸しているスタッド88は、対応するソケット86にはめ込まれる。ピン88とソケット86の間の緊密なはめ込みは、自動注射装置20の組み立ての間に上部と下部ハウジング部分22と24を連結する役割を果たすものである。
【0019】
図5と図6は、自動注射装置20の使用方法を示す断面図である。図5は装置20の使用前を示しており、スライド・ボタン42がその最前端位置に在ると共に、注射針54の末端78がハウジング21の前端28内に引込められている。図5において剥離ライナー46はハウジング21の底部から取外されると共に、ハウジングの底面は(不図示)患者の皮膚に対して載置され、針用開孔48は所望の注射部位の直上にある。スライド・ボタン42が開孔40内で後方に(すなわちリザーバ50に向かう方向に)移動されたとき、針担体52の撓曲可能部分71の前縁85は支持部84から引抜かれ、図6に示された如く撓曲可能部分71がその弛緩または非抑圧状態に弾性的に戻るのを許容する。これが生じたとき、注射針54の屈曲部76は針用開孔48を貫通して下方に突出し、且つ、注射針の鋭利な末端78は患者の皮膚を貫通する。貫通の深さは約3mm以下であるのが好ましい。同時に、針担体52の後方移動により、注射針54の基端にある鋭利尖端63は、液体リザーバ50のポート56内の自己シール性ラバー隔壁90を貫通する。これにより、図6に示される如く注射針54の基端はリザーバ50内の液体チャンバに進入すると共に、リザーバ50と患者の体との間には注射針54の内孔を通る流路が確立される。ポート56と針担体52の後縁69との間の接触が注射針54の後方移動の停止部として作用し、リザーバ50内への注射針54の貫通深さを制限することは理解されよう。図7と図8において論じられる如く、注射針54を通る液体流の速度は、所定の期間に亘りリザーバ50から治療用液体製剤が漸進的に排出される如く制御される。例えば、治療用液体製剤がインシュリンである場合、この期間は約24時間とされ得る。以下における図9乃至図11の論議から明らかな様に、液体リザーバ50の壁部の固有の弾性により、ポンプまたは他のタイプの放出装置を必要とせずに液体リザーバ50から治療用液体製剤は排出され得る。
【0020】
図7は、本発明で採用され得る注射針54の好ましいタイプを示している。注射針54は2個の部分92と94から作成され、その各々は所定長さの30ゲージのステンレス鋼カニューレから成る。部分92と94のカニューレ部分の内孔内にはガラス毛細管が緊密に受容され、それらを相互に連結する役割を果たしている。ガラス毛細管96の長さと内径は、注射針54を通る液体流の速度を確立する一定の調整流れ抵抗を提供する。好ましい態様として、ガラス毛細管96の長さは約1インチであり、外径は約150ミクロンであり、内径は約29ミクロンである。針担体52に対して注射針54を取付ける為に使用されたエポキシ樹脂を使用し、ガラス毛細管96とステンレス鋼カニューレ部分92と94との間の接続を固定しても良い。
【0021】
図8はカニューレ部分92と94がガラス毛細管96ではなくバルブ98により連結された変更実施態様を示している。バルブ98が閉じされたとき、治療用液体製剤は注射針54を貫通して流れるのが阻止される。バルブ98が開成されたとき、治療用液体製剤は注射針54を通り患者の体内に流れ得る。バルブのオリフィスの寸法は、注射針54を通る液体流の速度を制御する。而して、バルブ98は機械的または電気的に制御され得る。いずれの場合にも、バルブに対する制御器はスライド・ボタン42と連結され、または、ハウジング21上の別体の制御器として配備され得る。選択的に、比例弁を使用することにより、特定の患者および/または治療用液体製剤の要求に適合すべく注射針54を通る液体流速度を変更し得る様にしても良い。
【0022】
図9乃至図11は、液体リザーバ50の詳細を示している。図9において、図示されたリザーバ50はその組立状態で示されると共に治療用液体製剤100で満たされている。リザーバ50の本体は、それらの縁部にて相互に結着された2個の円形皿バネ状ダイヤフラム(circular Belleville spring diaphragm)102と104から成っている。各皿バネ状ダイヤフラムの直径は約1.70インチであると共に、ABSまたはポリカーボネートなどの適切な弾性プラスチック材料から作成される。各皿バネ状ダイヤフラム102と104は、厚さが約0.030インチの外側環状部106と、厚さが約0.020インチの薄寸中央ディスク部108とを含んでいる。各皿バネ状ダイヤフラム102と104の一側からは半円筒構造110と112が延在してポート56を形成する。ポート56内側の対応形状キャビティ内には自己シール性ゴム製の隔壁90が填め込まれ、リザーバ50の取入口と吐出口として機能する開孔57をシールする。リザーバ50が空の状態において、皿バネ状ダイヤフラム102と104の内面同士は図11に示された如く相互に接触する。圧力下で治療用液体製剤100は充填針によりゴム製の隔壁90を介して注入され、これにより、図9に示された如く皿バネ状ダイヤフラム102と104は強制的に分離せしめられる。充填針が取外されたとき、ゴム製の隔壁90は自己シールすると共に治療用液体製剤100をリザーバ50内に圧力状態で保持する。
【0023】
図10は、リザーバ50が組立てられる前の皿バネ状ダイヤフラム102と104の配置構成を示している。図示された様に、皿バネ状ダイヤフラム102と104は截頭円錐形状を有すると共に、2つの截頭円錐形状の頂点は相互に面している。組立工程の間、2個の皿バネ状ダイヤフラム102と104の外縁は相互に押圧されて超音波溶着により相互に固定される。超音波溶着プロセスは2個の皿バネ状ダイヤフラム102と104の縁部をそれらの周縁部の全ての箇所にて相互に結着するが、ポート56の領域における間隙は除かれる。この間隙は、隔壁90と開孔57を連通する液体チャネルを提供する。超音波結着操作の後、リザーバ50は図11に示された如き配置構成を有している。前述の如く、圧力下における隔壁90を介した治療用液体製剤100の導入により、皿バネ状ダイヤフラム102と104は引き離され、リザーバが保留されている状態は図9に示された。(それらを図10の形状に戻そうとする)皿バネ状ダイヤフラム102と104の弾性は、治療用液体製剤100を圧力下に保持する。自動注射装置20の注射針54が隔壁90を貫通したとき、皿バネ状ダイヤフラム102と104により付与される圧力により、ポンプまたは他の種類の放出装置を必要とせずに注射針54を介して治療用液体製剤100が排出される。
【0024】
図9乃至図11に示されたリザーバ構造の利点のひとつは、皿バネ状ダイヤフラム102と104が、リザーバ50内に残存する液体の量に本質的に依存せずに治療用液体製剤100に対して比較的に一定の圧力を及ぼすことである。これは、注射針54を通る治療用液体製剤100の比較的一定な流量を生じせしめることから、治療用液体製剤100は一定の注入速度で投与され得ることになる。この成果を達成すべく、皿バネ状ダイヤフラム102と104の各々に対しては特殊な幾何学的構造を使用するのが好適である。特に、各皿バネ状ダイヤフラムの厚寸環状領域106の垂直高さ部分(図10の寸法「h」)と、この領域の厚み(図10の寸法「t」)との間の比率は約1.7乃至約2.0とすべきことが見い出された。約1.70インチの実効的な直径(図10の寸法「d」)を有する皿バネ状ダイヤフラムに対しては、寸法「h」は約0.060インチの値を有すると共に寸法「t」は約0.030インチの値を有することが好ましい。図9に示された如くリザーバ50が治療用液体製剤により完全に満たされたとき、リザーバの中央における内部高さ寸法は約0.060インチである。
【0025】
図12は、本発明の第2実施態様に従って構成された自動注射装置116の分解斜視図である。この実施例において液体リザーバ118は、ゴムまたはプラスチックから作成されると共にそれらの外縁にて相互に結着された2枚の可撓皮膜120と122を備えて成る。頂部皮膜120の外側には中空センタ126を備えた皿型ワッシャ124が結着されると共に、底部皮膜122の外側には中空センタ130を備えた(図13に見られる)同様の皿型ワッシャ128が結着される。それらの中空センタ126と130を除き、皿型ワッシャ124と128の構造と機能は図9乃至図11に示された皿バネ状ダイヤフラム102と104と同様である。但し、図12の実施例においては、皿型ワッシャ124と128の唯一の機能は液体リザーバ118内に収納された治療用液体製剤を加圧することだけであり、皿型ワッシャ124と128自体、チャンバの壁部を形成しない。後者の機能は、結着されたメンブレン120と122により達成される。このことは、液体リザーバ118内に収納された治療用液体製剤との互換性を考慮すること無く皿型ワッシャ124と128の材質をその機械的特性のみに基づいて選択可能とする上で好都合である。
【0026】
図12を更に参照すると、液体リザーバ118は上部132と下部134から成るハウジング内に封じ込められている。ハウジングの上部132からは下方に向けてピン136が延在し、結着された皮膜120と122の周縁に配置された開孔140を通過した後で、ハウジングの下部134に形成されたソケット138にはめ込む。この構成方法は、上下のハウジング部分132と134を相互に連結する一方でハウジング内に液体リザーバ118を適切に配置する上で有用である。図12に見られるのは、液体リザーバ118と連通する注射針142である。該注射針142は直線状ステンレス鋼カニューレ144から成るが、該カニューレ144はその下端にて所定角度で研削されると共に上端には丸形プラスチック・インサート146が被冠されている。ユーザが上側ハウジング部分132のちょうつがいを付けた切欠き部148を操作すると、注射針は、液体リザーバ118の延長部152に形成された投与節点150を貫通して変位せしめられる。投与節点150はガラス毛細管154により液体リザーバ118内の治療用液体製剤と流体連通しているが、該ガラス毛細管154は流れ用固定抵抗の役割を果たすと共に注射針142を通る治療用液体製剤の所望の流量を確立するものである。
【0027】
次に、図13の自動注射装置116の使用方法を図13と図14を参照して説明する。装置116が組立てられた後、ハウジングの上部132に形成された開孔158を介して適切な充填ノズルを挿入すると共に該ノズルをリザーバ118の後部に配置されたポート156に連結することにより、液体リザーバ118は充填される。ボール型逆止弁160は治療用液体製剤がリザーバ118に進入するのを許容するが、リザーバが充填された後でポート156を介してそれが排出されるのを阻止する。リザーバ118の充填により、皮膜120と122ならびに皿型ワッシャ124と128は強制的に分離せしめられることにより、分離された皮膜と皿型ワッシャ間に液体チャンバを画成する。装置116の使用に先立ち、上側ハウジング部分132の可動部分148は図14の実線で示された位置に在る。この位置において、注射針142のカニューレ144は完全にハウジング内に引込まれており、且つ、カニューレ144の側部に形成された開孔162は投与節点150の上方かつ外側に配置されている。図13に示された如く注射針142の頂部のプラスチック・キャップ146は、可動ハウジング部分148の底面に固着されたソケット164内に保持される。針142を注入する為に、ユーザは可動ハウジング部分148が図13の実線位置に到達するまで該可動ハウジング部分148を押し下げる。これにより、ハウジングの底部134の針用開孔166から注射針142の末端が突出せしめられると共に、開孔162内に収容された注射針カニューレの部分が(図14の仮想線で示された如く)投与節点150に進入する。開孔162が投与節点150の中央と整列したとき、リザーバ118の内部と注射針142の尖端との間には液体路が存在する。このときに、排出の速度はガラス毛細管154の寸法により確立され乍ら、前述の実施例と同様にして、治療用液体製剤は注射針142を介してリザーバ118から自動的に排出される。皮膜120と122並びに注射針142のカニューレ144により治療用液体製剤の漏出を防止すべく、投与節点150には弾性シール168が配備される。該弾性シール168は中央開口170も画成するが、針カニューレ144内の側部開口162は該中央開口170と整列することにより所望の流体経路が存在することを確実なものとし得る。開孔162はカニューレ144に種々の手法で形成され得るが、放電加工(EDM)として知られた技術がこの目的の為には特に有用である。
【0028】
治療用液体製剤がリザーバ118から完全に排出された後、自動注射装置116は前述の装置20と同様にして患者の体から取外され得る。この点において、ハウジングの上部132における可動部分148は、図13に仮想線で示された位置に上昇され得る。これが為されたとき、カニューレ144は投与節点150から引抜かれると共に、ソケット164内のスプリング172により注射針142は可動ハウジング部分148の内面に略々平行な位置へと枢動する。次に可動ハウジング部分148はその閉塞位置に戻され、注射針142はハウジング内における安全位置に完全に引込まれたままとなる。
【0029】
上記自動注射装置20と116は、実質的に全てのタイプの液体状または流動可能形態の治療用製剤を投与すべく使用され得ることは理解されよう。その例としては、液体、溶液、懸濁液、流動可能ゲルなどが挙げられる。装置20と116が治療用製剤の皮内、皮下、筋内または静脈内投与にも使用され得ることは明らかであろう。
【0030】
上記においては本発明の僅か2個の好適実施態様のみを詳述したが、当業者であれば、本発明の新規な教示と利点から本質的に逸脱すること無く好適実施態様において多くの改変が可能であることを容易に理解し得よう。従って、斯かる改変の全ては、請求の範囲で定義された発明の範囲に含まれると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の第1実施態様に従って構成された自動注射装置の頂部斜視図である。
【図2】本発明の第1実施態様に従って構成された自動注射装置の底部斜視図である。
【図3】自動注射装置の内部構成要素を示す分解図である。
【図4】自動注射装置の内部構成要素を示す分解図である。
【図5】自動注射装置の使用方法を示す断面図である。
【図6】自動注射装置の使用方法を示す断面図である。
【図7】本発明で採用され得る注射針の好ましいタイプを示す図である。
【図8】カニューレ部分がバルブにより連結された変更実施態様を示す図である。
【図9】本発明の液体リザーバを示す図である。
【図10】液体リザーバが組立てられる前の皿バネ状ダイヤフラムの配置構成を示す図である。
【図11】超音波結着操作の後のリザーバの配置構成を示す図である。
【図12】本発明の第2実施態様に従って構成された自動注射装置の分解斜視図である。
【図13】自動注射装置の使用方法を示す図である。
【図14】自動注射装置の使用方法を示す図である。
【符号の説明】
【0032】
20 自動注射装置
21 外部ハウジング
22 上部ハウジング部分
24 下部ハウジング部分
26 水平つぎ目
28 前端
30 後端
32 水平延伸スロット
34、36 切欠き
38 凹所領域
40 開孔
42 スライド・ボタン
44 感圧接着剤
46 剥離ライナー
48 丸孔
50 液体リザーバ
52 針担体
54 注射針
56 ポート
57 円形開孔
58 直立傾斜部
62 水平翼部
63 後向き端部
64 直立爪
65 浅底チャネル
66 チャネル
68 ガイド部
69 後縁
70 間隙
71 弾性的撓曲可能部分
72 未屈曲部分
74 突起
76、78 末端
82 直立ガイドトラック構造
84 直立矩形支持部
85 前縁
86 ソケット
88 スタッド
90 自己シール性ラバー隔壁
92、94 カニューレ部分
96 ガラス毛細管
98 バルブ
100 治療用液体製剤
102 円形皿バネ状ダイヤフラム
106 厚寸環状領域
108 薄寸中央ディスク部
110、112 半円筒構造
116 自動注射装置
118 液体リザーバ
120、122 可撓皮膜
124、128 皿型ワッシャ
126 中空センタ
130 中空センタ
132 上部
134 下部
136 ピン
132、134 ハウジング部分
138 ソケット
140 開孔
142 注射針
144 直線状ステンレス鋼カニューレ
146 丸形プラスチック・インサート
148 切欠き部
150 投与節点
154 ガラス毛細管
158 開孔
156 ポート
169 ボール型逆止弁
162 開孔
164 ソケット
166 針用開孔
168 弾性シール
170 中央開口
172 スプリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の皮膚に接触させるのに適したハウジングと、
治療用液体製剤を収納するための上記ハウジング内に配設された、上端と下端を有する可撓皮膜を含むリザーバと、ここで、該リザーバは、可撓皮膜の上端又は下端のいずれかに圧力を及ぼすことにより上記治療用液体製剤を上記リザーバから比較的一定の速度で排出する単一の皿バネ(Belleville spring)を含み、
患者の皮膚の中に又は皮膚を貫通して上記治療用液体製剤を注入するために、上記リザーバに連通して上記ハウジングから突出するのに適した注射針と
を含む患者の皮膚に挿入され又は貫通して注入することにより患者の体内に治療用液体製剤を注入するための装置。
【請求項2】
単一の皿バネが、可撓皮膜の上端に圧力を及ぼす第1の単一の皿バネであり、可撓皮膜の下端に圧力を及ぼす第2の単一の皿バネをさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
制御された速度にて前記リザーバから前記治療用液体製剤を排出させるために上記治療用液体製剤の流路内に配設された、流れ用固定抵抗と制御可能バルブから成る群から選択される流れ調整器をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
当該装置を患者の皮膚に接着する為に前記ハウジングの底面に接着剤層をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記注射針が上記ハウジング内に引込まれる第1位置から、前記注射針がハウジングを貫通して突出する第2位置との間で移動可能である、注射針が担持された針担体をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
針担体がハウジングから注射針を引き出す撓曲可能部分を含む、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記針担体と操作可能に連動したスライド・ボタンをさらに含み、前記スライド・ボタンが前記針担体を前記第1位置と第2位置の間で該針担体を移動させることを特徴とする、請求項6記載の装置。
【請求項8】
針担体の第2の位置への移動が上記リザーバに連通した前記注射針を動かす請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記リザーバが、前記治療用液体製剤を圧力下で前記可撓皮膜に導入するための自己シール性充填ポートを含む、請求項1又は5に記載の装置。
【請求項10】
注射の後、前記注射針をハウジング内に移動させるための、前記注射針に操作可能に連動したバネをさらに含む、請求項1又は5に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−21055(P2006−21055A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−245735(P2005−245735)
【出願日】平成17年8月26日(2005.8.26)
【分割の表示】特願平11−40803の分割
【原出願日】平成11年2月19日(1999.2.19)
【出願人】(595117091)ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー (539)
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417−1880, UNITED STATES OF AMERICA
【Fターム(参考)】