説明

自律移動装置

【課題】特定の人が他の人とグループを構成する状況を考慮した自律移動装置を提供する。
【解決手段】自律移動装置1は、特定の人の近くにいる他の人が特定の人と共に移動するグループに属しているか否かを判定するグループ判定手段23と、自律移動装置が特定の人を追従するエリアである自装置追従エリアの情報を取得する自装置追従エリア取得手段21aと、他の人に追従する他の自律移動装置が他の人を追従するエリアである他装置追従エリアの情報を取得する他装置追従エリア取得手段22aと、グループ判定手段により他の人がグループに属していると判定され、且つ、自装置追従エリアの一部が他装置追従エリアと重複する場合に、他装置追従エリアと重複しない位置において自律移動装置を特定の人に追従させる追従制御手段24,26と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の人のそばについて自律的に移動する自律移動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、搬送物を自動的に目的地まで運搬するための自動搬送ロボットが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1記載の自動搬送ロボットでは、搬送物をロボットの収納部に収納してロック部をロックした状態で指定目的位置に移動させ、指定目的位置へのロボットの到達確認と取扱登録者の確認が行われた場合に、ロック部の解除が行われる。これにより、取扱登録者は、ロボットの収納部内に収納してある搬送物を、指定目的位置で確実に取り出すことができる。
【特許文献1】特開2001−287183号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記の自動搬送ロボットによれば、搬送物を自動的に目的地まで運搬することができる。しかしながら、複数人からなるグループのそばについて移動するということに関してはなんら考慮されていない。
【0004】
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、特定の人のそばについて自律的に移動する自律移動装置において、特定の人が他の人とグループを構成する状況を考慮した自律移動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した目的を達成するために、本発明の自律移動装置は、特定の人のそばについて自律的に移動する自律移動装置において、特定の人の近くにいる他の人が特定の人と共に移動するグループに属しているか否かを判定するグループ判定手段と、自律移動装置が特定の人を追従するエリアである自装置追従エリアの情報を取得する自装置追従エリア取得手段と、他の人に追従する他の自律移動装置が他の人を追従するエリアである他装置追従エリアの情報を取得する他装置追従エリア取得手段と、グループ判定手段により他の人がグループに属していると判定され、且つ、自装置追従エリアの一部が他装置追従エリアと重複する場合に、他装置追従エリアと重複しない位置において自律移動装置を特定の人に追従させる追従制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0006】
本発明によれば、自律移動装置は、特定の人の近くにいる他の人が特定の人と共に移動するグループに属していると判定され、自装置追従エリアの一部が他装置追従エリアと重複する場合に、自装置追従エリアの中の他装置追従エリアと重複しない位置において特定の人に追従する。よって、特定の人と他の人とがグループを形成する場合に、特定の人と他の人との間に自律移動装置が入らないため、自律移動装置の存在により感じる煩わしさを低減することができる。
【0007】
また、本発明の自律移動装置は、他の自律移動装置の識別情報である他装置IDを取得する他装置ID取得手段を備えており、グループ判定手段は、特定の人と共に移動するグループに属している他の人に追従する他の自律移動装置の他装置IDのリスト情報を有し、他装置ID取得手段により取得された他装置IDがリスト情報に含まれる場合に、他の人が特定の人と共に移動するグループに属していることを判定することが好ましい。この構成によれば、自律移動装置は、他の自律移動装置の識別情報である他装置IDを取得し、他装置IDがリスト情報に含まれる場合に、他の人が特定の人と共に移動するグループに属していることを判定する。よって、自律移動装置は、リスト情報に予め登録された知人の自律移動装置とグループを構成することができる。
【0008】
また、本発明の自律移動装置において、グループ判定手段は、特定の人と共に移動するグループに属している他の人に追従する他の自律移動装置が有するリスト情報を取得し、他装置ID取得手段により取得された他装置IDが他の自律移動装置が有するリスト情報に含まれる場合に、他の人が特定の人と共に移動するグループに属していることを判定することが好ましい。この構成によれば、自律移動装置は、他の自律移動装置の識別情報である他装置IDを取得し、他装置IDが他の自律移動装置が有するリスト情報に含まれる場合に、他の人が特定の人と共に移動するグループに属していることを判定する。よって、自律移動装置は、直接的な知人を介して知る間接的な知人の自律移動装置とグループを構成することができる。
【0009】
また、本発明の自律移動装置において、グループ判定手段は、自律移動装置の位置又は速度と他の自律移動装置の位置又は速度とが所定範囲内である場合に、他の人が特定の人と共に移動するグループに属しているか否かを判定することが好ましい。この構成によれば、自律移動装置は、自律移動装置の位置又は速度と他の自律移動装置の位置又は速度とが所定範囲内である場合に、他の人が特定の人と共に移動するグループに属しているか否かを判定する。よって、自律移動装置は、特定の人が初対面の人と行動を共にする場合でも、特定の人と同様に移動する人をグループを構成する人として認識することができる。
【0010】
また、本発明の自律移動装置において、グループ判定手段は、自律移動装置の位置又は速度と他の自律移動装置の位置又は速度とが所定範囲内である状態が所定時間以上継続した場合に、他の人が特定の人と共に移動するグループに属していることが好ましい。この構成によれば、自律移動装置は、自律移動装置の位置又は速度と他の自律移動装置の位置又は速度とが所定範囲内である状態が所定時間以上継続した場合に、他の人が特定の人と共に移動するグループに属していることを判定する。よって、自律移動装置は、特定の人と偶然に行動を共にする他の人がグループに属していると誤って判断することを防止することができる。
【0011】
また、本発明の自律移動装置において、追従制御手段は、自装置追従エリアを分割した複数の分割エリアの中から一の分割エリアを選択し、当該一の分割エリア内で自律移動装置を特定の人に追従させることが好ましい。この構成によれば、自律移動装置は、自装置追従エリアを分割した複数の分割エリアの中から一の分割エリアを選択し、当該一の分割エリア内で特定の人を追従する。よって、自律移動装置は、特定の人の周囲の分割エリア内で特定の人を追従することができる。
【0012】
また、本発明の自律移動装置において、追従制御手段は、自装置追従エリア及び他装置追従エリアの重複範囲に選択された分割エリアの全てが含まれる場合に、選択された分割エリアとは異なる他の分割エリア内で自律移動装置を特定の人に追従させることが好ましい。この構成によれば、自律移動装置は、自装置追従エリア及び他装置追従エリアの重複範囲に選択された分割エリアの全てが含まれる場合に、選択された分割エリアとは異なる他の分割エリア内で特定の人を追従する。よって、特定の人と他の人との間に自律移動装置が入らないため、自律移動装置の存在により感じる煩わしさを低減することができる。
【0013】
また、本発明の自律移動装置において、追従制御手段は、各分割エリアに設定された優先度を考慮して、選択された分割エリアとは異なる他の分割エリアを決定することが好ましい。この構成によれば、自律移動装置は、各分割エリアに設定された優先度を考慮して、選択された分割エリアとは異なる他の分割エリアを決定する。よって、自律移動装置は、最適な位置ではないものの、比較的に好適な位置で特定の人を追従することができる。
【0014】
また、本発明の自律移動装置において、追従制御手段は、自装置追従エリア及び他装置追従エリアの重複範囲に選択された分割エリアの一部が含まれる場合に、選択された分割エリアの残りのエリア内で自律移動装置を特定の人に追従させることが好ましい。この構成によれば、自律移動装置は、自装置追従エリア及び他装置追従エリアの重複範囲に選択された分割エリアの一部が含まれる場合に、選択された分割エリアの残りのエリア内で特定の人を追従する。よって、自律移動装置に好適な位置で特定の人を追従させることができると共に、自律移動装置の存在により感じる煩わしさを低減することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、特定の人が他の人とグループを構成する状況を考慮しつつ、特定の人のそばについて自律的に移動することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の参照番号を附し、重複する説明は省略する。
【0017】
(1)自律移動装置の構成
まず、図1を用いて、本発明の実施形態に係る自律移動装置1の構成について説明する。図1は、自律移動装置1の構成を示すブロック図である。自律移動装置1は、この自律移動装置1を使用する特定の人(以下「主人」という)のそばについて、主人に追従するように、又は主人を誘導するように自律的に移動する。また、自律移動装置1は、カメラ10及び通信機12などによって取得される情報から、主人及びその周囲環境を認識する。
【0018】
カメラ10は、主人やその周囲環境の画像を取得する一対のCCDカメラと、取得した画像を画像処理することによって主人及びその周囲の障害物や道路標識など(即ち周囲環境)を認識する画像処理部とを有している。この画像処理部では、一対のCCDカメラで取得した画像からエッジ抽出やパターン認識処理などによって主人やその周囲の障害物や道路標識などを抽出して認識する。また、左右の取得画像中における主人などの対象物位置の違いを基にして三角測量方式により対象物との距離及び横変位を求め、前フレームで求めた距離に対する変化量から相対速度を求める。カメラ10と後述する電子制御装置(以下「ECU」という)20とは通信回線で接続されており、カメラ10により取得された情報は、この通信回線を介してECU20に伝送される。
【0019】
通信機12は、送信機13及び受信機14を含んで構成され、例えば、自律移動装置1の周囲にある他の自律移動装置、車両、及び交差点に設置されている信号機や道路に設置されているカメラ、レーダなどのインフラストラクチャとの間で情報を送受信するものである。送信機13は、例えば、主人の位置・主人の視点の高さ・カメラ10により推定された主人の視野域や視野角・主人の移動方向・移動速度・加速度などの情報を、他の自律移動装置や周辺を走行する車両などに送信する。
【0020】
一方、受信機14は、例えば、主人が携行する加速度センサやジャイロといったセンシング(検出)装置から送信された主人の移動状態に関する情報、他の自律移動装置から送信された他の歩行者の位置・主人の視点の高さ・カメラ10により推定された主人の視野域や視野角・主人の移動方向・移動速度・加速度などの情報、周辺を走行する車両から送信された走行車両の位置・移動方向・移動速度・操作状態などの情報、周辺に停車されている車両から送信された停車車両の位置などの情報、及び、上述したインフラストラクチャから送信された信号機の点灯状態や交通状態などの情報を受信する。なお、通信機12は、例えば半径約100mの範囲で情報の送受信を行うことが可能に設定されている。
【0021】
通信機12とECU20とは、通信回線で接続されることにより、相互に情報の交換が可能となるように構成されている。ECU20で生成された送信情報はこの通信回線を介してECU20から送信機13に伝送される。一方、受信機14によって受信された各種の周囲環境情報は、この通信回線を介してECU20に伝送される。
【0022】
このように、本実施形態では、カメラ10及び通信機12などによって主人及びその周囲の環境が認識される。より詳細には、例えば、主人の位置・主人の視点の高さ・主人の視野域や視野角・主人移動方向・移動速度・加速度、他の歩行者、主人と物体とが接触するまでの推定された時間、自転車や自動車などの位置・形状・移動方向・移動速度・加速度・操作状態、停車車両、電柱や落下物などの障害物の位置・形状、及び、信号機の点灯状態や道路標識などの交通状態などの周囲環境が認識される。すなわち、カメラ10及び通信機12は周囲環境認識手段として機能する。
【0023】
ここで、主人であるか否かの認識は、例えば、主人−自律移動装置1間通信の通信情報に主人であることを示す個人ID情報を乗せることにより、又は、撮像された人物が着ている衣服の形状や模様が予め学習させておいた主人のものと一致するか否かを判断することにより行うことができる。さらに、指紋や虹彩による認証技術などを組み合わせて用いてもよい。
【0024】
ECU20は、演算を行うマイクロプロセッサ、マイクロプロセッサに各処理を実行させるためのプログラムなどを記憶するROM、演算結果などの各種データを記憶するRAM及び12Vバッテリによってその記憶内容が保持されるバックアップRAMなどにより構成されている。そして、上記構成によって、ECU20の内部には、自装置情報取得部21、他装置情報取得部22、グループ判定部23、追従位置決定部24、及びアクチュエータ制御部26が構築されている。アクチュエータ制御部26は、スピーカ30、バックライト32、電動モータ34、ディスプレイ44などを駆動する。また、主人は、入力手段としての入力装置42を用いて、後述の基本位置を予め入力して設定することができる。
【0025】
自装置情報取得部21は、自装置である自律移動装置1に関する情報を取得するものであり、自装置追従エリア取得部21aと、自装置運動状態取得部21bと、を備えている。自装置追従エリア取得部21aは、自律移動装置1が主人を追従する際に主人の周囲で移動し得るエリア(自装置追従エリア)を認識して、その自装置追従エリアの情報を取得する。例えば、自装置追従エリア取得部21aは、主人の位置を中心として半径Rの円の範囲内を自装置追従エリアとして取得する。自装置運動状態取得部21bは、オドメトリ16やジャイロ17などの運動状態センサ15からの情報を取り込んで、これらの情報に基づいて自律移動装置1の運動状態(位置、移動速度、加速度等)を算出し、その運動状態の情報を取得する。
【0026】
他装置情報取得部22は、主人の近くにいる主人以外の他の人(以下、単に「他の人」と呼ぶ)を追従する他の自律移動装置(以下、単に「他装置」と呼ぶ)に関する情報を取得するものであり、他装置ID取得部22aと、他装置追従エリア取得部22bと、他装置運動状態取得部22cと、を備えている。他装置ID取得部22aは、他装置から送信されてくる他装置の識別情報である他装置IDを通信機12を介して取り込んで、他装置IDを取得する。他装置追従エリア取得部22bは、他装置が他の人を追従する際に他の人の周囲で移動し得るエリア(他装置追従エリア)を認識して、その他装置追従エリアの情報を取得する。例えば、他装置追従エリア取得部22aは、他の人の位置を中心として半径Rの円の範囲内を他装置追従エリアとして取得する。他装置運動状態取得部22cは、他装置から送信されてくる他装置の運動状態(位置、速度、加速度等)の情報を通信装置を介して取り込んで、他装置の運動状態を取得する。
【0027】
グループ判定部23は、他装置ID、自装置運動状態、他装置運動状態などの情報に基づいて、他の人が主人と共に移動するグループに属しているか否かを判定する。グループ判定部23は、主人の近くに存在し主人と共に移動する人を、グループを構成する人(以下、このような人を「グループ構成人」と呼ぶ)として判定する。具体的には、グループ判定部23は、他装置ID、自装置の速度ベクトルと他装置の速度ベクトルの一致度などに基づいて他の人がグループ構成人であるか否かを判定する。
【0028】
追従位置決定部24は、自装置1が主人の周囲の追従エリア内で存在すべき位置(設定追従位置)を演算して決定する。追従位置決定部24は、自装置1の周囲に他装置が存在しない場合には、主人が入力装置42を用いて入力した基本位置を設定追従位置として決定する。図2を参照して、自律移動装置1に設定された基本位置が取り得る領域の一例を説明する。基本位置が取り得る領域には、図2に示すように、自装置追従エリアを分割した複数の分割エリアであり、例えば、先行エリアA1と、左並走エリアA2と、右並走エリアA3と、後追エリアA4とがある。これらのエリアA1〜A4のそれぞれは、主人Bを中心とした移動面上の円を、中心角がほぼ90°である4つの扇形に分割したもののそれぞれに対応している。なお、先行エリアA1は主人Bの真正面に位置する領域であり、左並走エリアA2は主人Bから見て左側に位置する領域であり、右並走エリアA3は主人Bから見て右側に位置する領域であり、後追エリアA4は主人Bから見て真後ろに位置する領域である。
【0029】
また、追従位置決定部24は、自装置1の周囲にグループ構成人の他装置が存在する場合には、他装置追従エリアを考慮して設定追従位置を決定する。追従位置決定部24は、自装置追従エリア及び他装置追従エリアの重複の有無を認識し、自装置追従エリア及び他装置追従エリアが重複しない場合には、自装置追従エリアの中で基本位置を設定追従位置として決定する。追従位置決定部24は、自装置追従エリア及び他装置追従エリアが重複する場合には、自装置追従エリアの中で重複しない位置を設定追従位置として決定する。
【0030】
例えば、図3(a)に示されるように、自装置追従エリアが他装置追従エリアと重複している場合において、基本位置として設定された右並走エリアA3が他装置追従エリアと完全に重複していない場合には、追従位置決定部24は、右並走エリアA3の非重複エリア(図中、斜線が付されたエリア)を設定追従位置として決定する。また、図3(b)に示されるように、自装置追従エリアが他装置追従エリアと重複している場合において、基本位置として設定された右並走エリアA3が他装置追従エリアと完全に重複している場合には、追従位置決定部24は、先行エリア、後追エリア又は左並走エリアを設定追従位置として決定する。
【0031】
なお、追従位置決定部24は、自律移動装置1の設定追従位置を変更するに際して、追従位置の各々に設定された優先順位を利用する。すなわち、追従位置決定部24は、優先順位が高い順に、自律移動装置1の設定追従位置を変更しようと試みる。本実施形態では、図4に示されるように優先順位が設定されている。なお、この優先順位は、自律移動装置1のECU20に対して予め設定されているが、主人の好みに合わせて設定の変更を可能にしてもよい。
【0032】
(i)基本位置として先行エリアA1が選択されている場合、1番目に優先順位の高い追従位置は先行エリアA1であり、2番目に優先順位の高い追従位置は左並走エリアA2又は右並走エリアA3であり、3番目に優先順位の高い追従位置は後追エリアA4である。(ii)基本位置として左並走エリアA2が選択されている場合、1番目に優先順位の高い追従位置は左並走エリアA2であり、2番目に優先順位の高い追従位置は右並走エリアA3であり、3番目に優先順位の高い追従位置は後追エリアA4であり、4番目に優先順位の高い追従位置は先行エリアA1である。
【0033】
(iii)基本位置として右並走エリアA3が選択されている場合、1番目に優先順位の高い追従位置は右並走エリアA3であり、2番目に優先順位の高い追従位置は左並走エリアA2であり、3番目に優先順位の高い追従位置は後追エリアA4であり、4番目に優先順位の高い追従位置は先行エリアA1である。(iv)基本位置として後追エリアA4が選択されている場合、1番目に優先順位の高い追従位置は後追エリアA4であり、2番目に優先順位の高い追従位置は左並走エリアA2又は右並走エリアA3であり、3番目に優先順位の高い追従位置は先行エリアA1である。
【0034】
アクチュエータ制御部26は、自律移動装置1が設定追従位置に存在するように車輪36を制御して自律移動装置1を移動させる。すなわち、アクチュエータ制御部26は、設定追従位置の情報に基づいて、自律移動装置1の追従位置を複数の追従位置A1〜A4の中から択一的に選択して、その選択したいずれか1つの追従位置で主人を追従するように自律移動装置1を移動させる。
【0035】
スピーカ30はECU20に接続されており、アクチュエータ制御部26から出力される制御信号に応じて、警告音や音声情報などを発することによって主人や周囲に注意を促す。バックライト32もECU20に接続されており、アクチュエータ制御部26により駆動され、例えば危険度に応じた色の光を発することによって主人や周囲に注意を促す。また、電動モータ34もECU20に接続されており、アクチュエータ制御部26により駆動され、電動モータ34に取り付けられている車輪36を回転させることによって自律移動装置1を移動させる。さらに、ECU20には、ボタンやタッチパネルといった入力装置42が接続されており、主人が後述の基本位置を入力してECU20に対して設定することができる。
【0036】
なお、上述した構成において、自装置追従エリア取得部21aは特許請求の範囲に記載の自装置追従エリア取得手段として機能する。また、他装置ID取得部22aは特許請求の範囲に記載の他装置ID取得手段として機能する。また、他装置追従エリア取得部22bは特許請求の範囲に記載の他装置追従エリア取得手段として機能する。また、グループ判定部23は特許請求の範囲に記載のグループ判定手段として機能する。また、追従位置決定部24及びアクチュエータ制御部26は特許請求の範囲に記載の追従制御手段として機能する。
【0037】
(2)自律移動装置の追従処理
次に、図5を併せて参照して、自律移動装置1内部の動作の流れについて説明する。図2は、自律移動装置1において行われる処理手順の流れを示すフローチャートである。図2のフローチャートに示される処理は、主としてECU20によって行われるものであり、自律移動装置1の電源がオンされて開始してからオフされるまでの間、所定のタイミングで繰り返し実行される。
【0038】
まず、最初のステップS1では、ECU20は、主人と共にグループを構成する人を認識するための処理を行う。この処理では、主人の周囲に存在して主人と共に移動する人が、グループ構成人として認識される。なお、グループ構成人の認識処理については、後に図6を参照して詳述する。
【0039】
次に、ステップS2では、ECU20は、主人以外のグループ構成人を追従する他装置の各々に設定された基本位置の情報を通信機12を介して取得する。また、ECU20は、主人により設定された基本位置の情報を既に取得している。よって、ECU20は、グループ構成人の人数分Nの基本位置情報Ti(i=1,2,・・・,N)を取得する。
【0040】
次に、ステップS3では、ECU20は、グループ構成人の各々の追従エリアA1i〜A4iを演算する。すなわち、ECU20は、路面や地面などの移動面を計算上想定し、グループ構成人の各々の周囲に拡がる追従エリアA1i〜A4iの座標範囲を演算する。ここで、ECU20は、グループ構成人の各々の座標を中心とする一定半径Rの円の範囲を、追従エリアの座標範囲として演算する。
【0041】
次に、ステップS4では、ECU20は、計算上想定した移動面上で、全ての追従エリアA1i〜A4iの座標範囲を重ね合わせる。続いて、ステップS5では、ECU20は、主人の追従エリアの一部が主人以外のグループ構成人の追従エリアと重なる場合には、主人の追従エリアのうち主人以外のグループ構成人の追従エリアと重ならない非重複エリアBiを検出する。
【0042】
次に、ステップS6では、ECU20は、非重複エリアBiに設定追従位置aiと一致する部分があるか否かを判定する。ここで、ECU20は、非重複エリアBiに設定追従位置aiと一致する部分がない(図3(b)参照)と判定した場合には、ステップS7に進む。ステップS7では、ECU20は、非重複エリアBiの中から設定追従位置aiの次に優先順位の高い追従位置biを選択する。続いてステップS8では、ECU20は、その追従位置biを新たな設定追従位置aiとして設定する。そして、ステップS9で、ECU20は、新たな設定追従位置biで、自律移動装置1が主人を追従するように制御する。
【0043】
一方、ECU20は、ステップS6において非重複エリアBiに設定追従位置aiと一致する部分がある(図3(a)参照)と判定した場合には、ステップS9に進む。ステップS9では、ECU20は、設定追従位置aiの非重複エリアBiと一致する部分で、自律移動装置1が主人を追従するように制御する。
【0044】
(3)グループ認識処理
次に、図6を参照して、主人と共に移動するグループを認識する処理(図5のステップS1)について説明する。
【0045】
ステップS11では、ECU20は、自装置からの距離が近距離判定用閾値より小さい他装置を検出し、検出された他装置と通信を行って情報交換する。ECU20は、他装置の情報(位置、速度、他装置ID、IDリストなど)を受信して取得すると共に、他装置に自装置の情報(位置、速度、自装置ID、IDリストなど)を送信して提供する。また、IDリストとは、自律移動装置の各々に設定された固有のID番号のリストであり、その自律移動装置の主人の知人により所有される他の自律移動装置のID番号のリストである。
【0046】
ステップS12では、ECU20は、他装置から取得したIDリストを利用して、暫定グループ統合IDリストを生成する。ここで、暫定グループ統合IDリストとは、自装置のIDリストとステップS11で取得した他装置のIDリストとを結合して生成された新たなIDリストである。言い換えれば、暫定グループ統合IDリストとは、暫定的にグループとして取り扱われる自律移動装置のID番号を含むIDリストである。
【0047】
暫定グループ統合IDリストの生成過程について、図7に示される一例を参照して説明する。先ず、主人Aの所有する自装置のIDリスト{2,4,6,・・・}と知人Bの所有する他装置のIDリスト{1,3,4,5,・・・}とが結合されて、暫定グループ統合IDリスト{1,2,3,4,5,6,・・・}が生成される。次に、暫定グループ統合IDリスト{1,2,3,4,5,6,・・・}と知人Cの所有する他装置のIDリスト{2,7,8,・・・}とが結合されて、暫定グループ統合IDリスト{1,2,3,4,5,6,7,8,・・・}が更新される。なお、ステップS11で取得した他装置XのID番号が、主人Aの所有する自装置のIDリスト又は主人Aの直接的・間接的な知人B,Cの所有する他装置のIDリストに含まれない場合には、その他装置XのIDリストは暫定グループ統合IDリストに結合しない。
【0048】
ステップS13では、ECU20は、自装置の近距離範囲内に存在する他装置であって暫定グループ統合IDリストに含まれるID番号を持つ他装置について、下記の数式(1)にしたがって自装置の速度ベクトルvとその他装置の速度ベクトルvの一致度A12を計算する。また、ECU20は、自装置の近距離範囲内に存在する他装置であって暫定グループ統合IDリストに含まれないID番号を持つ他装置について、下記の数式(2)にしたがって自装置の速度ベクトルvとその他装置の速度ベクトルvの一致度B12を計算する。
【0049】
【数1】

【0050】
速度ベクトルv,vの一致度A12,B12とは、一定時間t,tにおける自装置の速度ベクトルvと他装置の速度ベクトルvとの一致度合いである。一定時間t,tを通じて自装置の速度ベクトルvが他装置の速度ベクトルvと一致しているほど一致度A12,B12の値は大きくなり、一定時間t,tを通じて自装置の速度ベクトルvが他装置の速度ベクトルvと一致していないほど一致度A12,B12の値は小さくなる。なお、tよりもtの方が大きく、暫定グループ統合IDリストに含まれるID番号を持つ他装置についての計算時間tよりも、暫定グループ統合IDリストに含まれないID番号を持つ他装置についての計算時間tの方が長く設定されている。
【0051】
ステップS14では、ECU20は、一致度A12については一定時間tの間、計算を行ったか否かを判定し、一致度B12については一定時間tの間、計算を行ったか否かを判定する。すなわち、ECU20は、一致度A12,B12の計算が最後まで行われたか否かを判定する。ここで、ECU20は、一致度A12,B12の計算が最後まで行われたことを判定した場合は、ステップS15の処理に進む。一方、ECU20は、一致度A12,B12の計算が完了せず終了したことを判定した場合は、ステップS18の処理に進む。なお、一致度A12,B12の計算が完了しない理由としては、他装置が自装置から遠ざかる場合などが考えられる。
【0052】
ステップS15では、ECU20は、最後まで計算された一致度A12,B12に基づいて、グループ構成人を決定する。すなわち、ECU20は、速度ベクトルの一致度A12,B12を計算した他装置の各々についてその速度ベクトルの一致度A12,B12が予め設定されたグループ判定用の閾値よりも大きいか否かを判別し、速度ベクトルの一致度A12,B12がグループ判定用の閾値よりも大きい他装置をグループとして認識する。言い換えれば、ECU20は、その他装置が追従する人をグループ構成人として認識する。
【0053】
ステップS14からステップS16に進んだ場合には、ECU20は、自装置から一致度A12,B12の計算に完了しなかった他装置までの距離が近距離判定用閾値より小さいか否かを判定する。ここで、ECU20は、自装置から他装置までの距離が近距離判定用閾値より小さいことを判定した場合は、暫定グループ統合IDリストを更新することなく、ステップS13以降の処理をやり直す。
【0054】
一方、ECU20は、自装置から他装置までの距離が近距離判定用閾値より大きいことを判定した場合は、ステップS11及びステップS12で暫定グループ統合IDリストを更新してから、ステップS13以降の処理をやり直す。ステップS12における暫定グループ統合IDリストの更新では、一致度A12,B12の計算に完了しなかった他装置のIDリストを除いて暫定グループ統合IDリストが更新されることとなる。
【0055】
(4)グループ移動の具体例
図8を参照して、複数人からなるグループが移動する際における自律移動装置の追従位置の具体例を示す。ここでは、自律移動装置は、上述した処理を行うものであり、グループを構成する人の間に入らないように位置している。
【0056】
図8(a)では、グループが2人の主人で構成されており、各人に自律移動装置が追従している。右側の主人の自律移動装置はその主人の右方を追従しており、左側の主人の自律移動装置はその主人の左方を追従している。自律移動装置の各々は、2人の主人の間に入っていない。
【0057】
図8(b)では、グループが3人の主人で構成されており、各人に自律移動装置が追従している。中央の主人の自律移動装置はその主人の前方を追従しており、右側の主人の自律移動装置はその主人の右方を追従しており、左側の主人の自律移動装置はその主人の左方を追従している。自律移動装置の各々は、3人の主人の間に入っていない。
【0058】
図8(c)では、グループが4人の主人で構成されており、各人に自律移動装置が追従している。4人の主人は1列に並んで移動している。先頭の主人の自律移動装置はその主人の右方を追従しており、二番目の主人の自律移動装置はその主人の左方を追従しており、三番目の主人の自律移動装置はその主人の左方を追従しており、後尾の主人の自律移動装置はその主人の右方を追従している。自律移動装置の各々は、4人の主人の間に入っていない。
【0059】
図8(d)では、グループが4人の主人で構成されており、各人に自律移動装置が追従している。4人の主人は2列に並んで移動している。右前側の主人の自律移動装置はその主人の前方を追従しており、左前側の主人の自律移動装置はその主人の前方を追従しており、右後側の主人の自律移動装置はその主人の後方を追従しており、左後側の主人の自律移動装置はその主人の後方を追従している。自律移動装置の各々は、4人の主人の間に入っていない。
【0060】
本実施形態によれば、自律移動装置は、主人が他の人とグループを構成する場合に、主人と他の人との間に入らないように位置を変更する。このため、主人は他の人に近づいて、グループとして移動することができる。特に、グループ構成人の各々が自律移動装置を所有する場合には、複数の自律移動装置はグループ全体を囲うように配置されるため、移動体や障害物などからグループを保護することができる。
【0061】
(5)本実施形態の作用効果
本実施形態の作用効果について説明する。
【0062】
本実施形態の自律移動装置1は、主人の近くにいる他の人が主人と共に移動するグループに属していると判定され、自装置追従エリアの一部が他装置追従エリアと重複する場合に、自装置追従エリアの中の他装置追従エリアと重複しない位置において主人に追従する。よって、主人と他の人とがグループを形成する場合に、主人と他の人との間に自律移動装置1が入らないため、自律移動装置1の存在により感じる煩わしさを低減することができる。
【0063】
本実施形態の自律移動装置1は、他の自律移動装置の識別情報である他装置IDを取得し、他装置IDがリスト情報に含まれる場合に、他の人が主人と共に移動するグループに属していることを判定する。よって、自律移動装置1は、リスト情報に予め登録された知人の自律移動装置とグループを構成することができる。
【0064】
本実施形態の自律移動装置1は、他の自律移動装置の識別情報である他装置IDを取得し、他装置IDが他の自律移動装置が有するリスト情報に含まれる場合に、他の人が主人と共に移動するグループに属していることを判定する。よって、自律移動装置1は、直接的な知人を介して知る間接的な知人の自律移動装置とグループを構成することができる。
【0065】
本実施形態の自律移動装置1は、自律移動装置1の位置又は速度と他の自律移動装置の位置又は速度とが所定範囲内である場合に、他の人が主人と共に移動するグループに属しているか否かを判定する。よって、自律移動装置1は、主人が初対面の人と行動を共にする場合でも、主人と同様に移動する人をグループを構成する人として認識することができる。
【0066】
本実施形態の自律移動装置1は、自律移動装置1の位置又は速度と他の自律移動装置の位置又は速度とが所定範囲内である状態が所定時間以上継続した場合に、他の人が主人と共に移動するグループに属していることを判定する。よって、自律移動装置1は、主人と偶然に行動を共にする他の人がグループに属していると誤って判断することを防止することができる。
【0067】
本実施形態の自律移動装置1は、自装置追従エリアを分割した複数の分割エリア(先行エリアA1、左並走エリアA2、右並走エリアA3、後追エリアA4)の中から一の分割エリアを選択し、当該一の分割エリア内で主人を追従する。よって、自律移動装置1は、主人の周囲の分割エリア内で主人を追従することができる。
【0068】
本実施形態の自律移動装置1は、自装置追従エリア及び他装置追従エリアの重複範囲に選択された分割エリアの全てが含まれる場合に、選択された分割エリアとは異なる他の分割エリア内で主人を追従する。よって、主人と他の人との間に自律移動装置1が入らないため、自律移動装置1の存在により感じる煩わしさを低減することができる。
【0069】
本実施形態の自律移動装置1は、各分割エリアに設定された優先度を考慮して、選択された分割エリアとは異なる他の分割エリアを決定する。よって、自律移動装置1は、最適な位置ではないものの、比較的に好適な位置で主人を追従することができる。
【0070】
本実施形態の自律移動装置1は、自装置追従エリア及び他装置追従エリアの重複範囲に選択された分割エリアの一部が含まれる場合に、選択された分割エリアの残りのエリア内で主人を追従する。よって、自律移動装置1に好適な位置で主人を追従させることができると共に、自律移動装置1の存在により感じる煩わしさを低減することができる。
【0071】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、主人やその周囲環境を認識する手段として、上述したカメラ10や通信機12に加え、レーザレーダやミリ波レーダなどのセンサ類を用いてもよい。
【0072】
また、上記実施形態では、自律移動装置1の移動手段及びその駆動力源として車輪36と電動モータ34を用いたが、移動手段及びその駆動力源は、車輪36や電動モータ34に限られることなく、例えばキャタピラや小型のエンジンなどを用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本実施形態に係る自律移動装置の構成を示すブロック図である。
【図2】自律移動装置の追従エリアを示す模式図である。
【図3】追従エリアの重複状態を示す模式図である
【図4】追従位置を変更する際に用いられる優先順位を示す表である。
【図5】自律移動装置の追従処理を示すフローチャートである。
【図6】自律移動装置のグループ認識処理を示すフローチャートである。
【図7】暫定グループ統合IDリストの生成・更新を説明するための模式図である。
【図8】自律移動装置の追従位置の具体例を示す模式図である。
【符号の説明】
【0074】
1…自律移動装置、10…カメラ、12…通信機、13…送信機、14…受信機、15…運動状態センサ、16…オドメトリ、17…ジャイロ、21…自装置情報取得部、21a…自装置追従エリア取得部、21b…自装置運動状態取得部、22…他装置情報取得部、22a…他装置追従エリア取得部、22b…他装置追従エリア取得部、22c…他装置運動状態取得部、23…グループ判定部、24…追従位置決定部、26…アクチュエータ制御部、30…スピーカ、32…バックライト、34…電動モータ、36…車輪、42…入力装置、44…ディスプレイ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の人のそばについて自律的に移動する自律移動装置において、
前記特定の人の近くにいる他の人が前記特定の人と共に移動するグループに属しているか否かを判定するグループ判定手段と、
前記自律移動装置が前記特定の人を追従するエリアである自装置追従エリアの情報を取得する自装置追従エリア取得手段と、
前記他の人に追従する他の自律移動装置が前記他の人を追従するエリアである他装置追従エリアの情報を取得する他装置追従エリア取得手段と、
前記グループ判定手段により前記他の人がグループに属していると判定され、且つ、前記自装置追従エリアの一部が前記他装置追従エリアと重複する場合に、前記他装置追従エリアと重複しない位置において前記自律移動装置を前記特定の人に追従させる追従制御手段と、
を備えることを特徴とする自律移動装置。
【請求項2】
前記他の自律移動装置の識別情報である他装置IDを取得する他装置ID取得手段を備えており、
前記グループ判定手段は、前記特定の人と共に移動するグループに属している前記他の人に追従する前記他の自律移動装置の他装置IDのリスト情報を有し、前記他装置ID取得手段により取得された前記他装置IDが前記リスト情報に含まれる場合に、前記他の人が前記特定の人と共に移動するグループに属していることを判定することを特徴とする請求項1に記載の自律移動装置。
【請求項3】
前記グループ判定手段は、前記特定の人と共に移動するグループに属している前記他の人に追従する前記他の自律移動装置が有するリスト情報を取得し、前記他装置ID取得手段により取得された他装置IDが前記他の自律移動装置が有する前記リスト情報に含まれる場合に、前記他の人が前記特定の人と共に移動するグループに属していることを判定することを特徴とする請求項2に記載の自律移動装置。
【請求項4】
前記グループ判定手段は、前記自律移動装置の位置又は速度と前記他の自律移動装置の位置又は速度とが所定範囲内である場合に、前記他の人が前記特定の人と共に移動するグループに属しているか否かを判定する請求項1に記載の自律移動装置。
【請求項5】
前記グループ判定手段は、前記自律移動装置の位置又は速度と前記他の自律移動装置の位置又は速度とが所定範囲内である状態が所定時間以上継続した場合に、前記他の人が前記特定の人と共に移動するグループに属していることを判定することを特徴とする請求項4に記載の自律移動装置。
【請求項6】
前記追従制御手段は、前記自装置追従エリアを分割した複数の分割エリアの中から一の分割エリアを選択し、当該一の分割エリア内で前記自律移動装置を前記特定の人に追従させることを特徴とする請求項1に記載の自律移動装置。
【請求項7】
前記追従制御手段は、前記自装置追従エリア及び前記他装置追従エリアの重複範囲に前記選択された分割エリアの全てが含まれる場合に、前記選択された分割エリアとは異なる他の分割エリア内で前記自律移動装置を前記特定の人に追従させることを特徴とする請求項6に記載の自律移動装置。
【請求項8】
前記追従制御手段は、各分割エリアに設定された優先度を考慮して、前記選択された分割エリアとは異なる前記他の分割エリアを決定することを特徴とする請求項7に記載の自律移動装置。
【請求項9】
前記追従制御手段は、前記自装置追従エリア及び前記他装置追従エリアの重複範囲に前記選択された分割エリアの一部が含まれる場合に、前記選択された分割エリアの残りのエリア内で前記自律移動装置を前記特定の人に追従させることを特徴とする請求項7又は8に記載の自律移動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−26209(P2009−26209A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−190979(P2007−190979)
【出願日】平成19年7月23日(2007.7.23)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】